以下に本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採り得ることができ、各実施例に記載された内容の相違部分を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
図1に遊技機の一種であるパチンコ機1の正面図を示し、詳細に説明する。図1に示す通り、本実施例のパチンコ機1は、大きく長方形の外枠2、前面枠3、意匠枠4a、意匠枠4bとならなる筐体にて各部を保持する構造である。
外枠2左側の上部には金具5aが、下部に金具5bがそれぞれ設けられており、金具5aおよび5bとでヒンジ機構を形成し、前面枠3は外枠2に対して開閉可能に構成され、図示しない前面枠閉鎖スイッチ38(図4参照)が前面枠3の閉鎖状態を検出可能に装着されている。また、前面枠3左側の中部には金具5cが設けられ、金具5aと金具5cとでヒンジ機構を形成し、意匠枠4aは前面枠3に対して開閉可能に構成されている。さらに、金具5cと金具5bとでヒンジ機構を形成し、意匠枠4bは前面枠3に対して開閉可能に構成されている。
ヒンジ機構が形成される逆側(ここでは右側)には、外枠2と前面枠3との施錠、前面枠3と意匠枠4aとの施錠、前面枠3と意匠枠4bとの施錠/解錠を行うための鍵穴6aを有するスライド錠6(図2参照)が設けられている。尚、本実施例のパチンコ機1は、外枠2の左隣にCRプリペイドカードユニット7を設けている所謂CR機として説明するが、CRプリペイドカードユニット7を設けない所謂現金機としても何ら差し支えない。
意匠枠4aは、後述する遊技盤8を視認可能とするために透明樹脂板またはガラス板を備える窓部9、前面枠3に設けられたスピーカの前面にスピーカを保護し、且つ、効果音を通すための保護音通部11を備えている。また、パチンコ機1の異常状態を報知する球切れ表示LED72と、異常状態報知LED75が設けられている。
意匠枠4bは、遊技球を貯留しておくための上皿12および下皿13を略中央に備え、遊技者が操作可能な遊技ボタン14、CRプリペイドカードユニットと後述するCRユニット端子板を介して接続される精算表示装置15、球貸ボタン16および精算ボタン17を左側に備えている。また、上皿12には、パチンコ機1の異常状態を報知する下皿満杯表示LED73が設けられている。
前面枠3の右下側(意匠枠4bの右側)には、遊技球の発射強度を調節するための発射ハンドル18が設けられており、発射ハンドル18の近傍には、発射停止ボタン(図4参照)および図示しないタッチ板が設けられている。
前面枠3の下側(意匠枠4bの下側)には、スピーカを備えたスピーカユニット21が設けられている。
続いて、図2にパチンコ機1の裏面図を示し、詳細に説明する。図2に示す通り、遊技盤8を着脱可能に取り付けられる前面枠3が外枠2に収納されるような構成となっている。前面枠3には、遊技球流下通路が形成されており上方から球タンク22、タンクレール23、シュートユニット71、払出装置24が設けられ、払出装置24の内部には払出ユニット24cが設けられている。遊技盤8に設けられる後述する入賞口に遊技球が入球することに基づいて、球タンク22からタンクレール23、シュートユニット71を介して所定個数の賞球となる遊技球を払出装置24の払出モータ24aが駆動することによって、前述した上皿12に払い出すことになる。
また、遊技盤8の裏面側には、主制御装置50、サブ統合装置53、演出図柄ユニット54が設けられ、前面枠3の裏面側には、払出制御装置51、発射制御装置52、電源装置55が各々設けられ、電源装置55には電源スイッチ55aおよびRAMクリアスイッチ55b、図示しないバックアップ用電源が設けられている。尚、発射制御装置52が図示されていないが、払出制御装置51で隠れる位置に配置されている。
さらに、前面枠3には、外部接続端子板61が設けられており、この外部接続端子板61から遊技状態、遊技結果、不正行為等を示す信号がホールコンピュータ70(図4参照)に送られるように構成されている。尚、本実施例では外部接続端子板61を盤用、枠用を兼用する構成としているが、盤用、枠用の外部接続端子板を個々に備えるように構成しても何ら差し支えない。
続いて、図3に遊技盤8の正面図を示し、詳細に説明する。図3に示す通り、遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、多数の遊技釘27が植設されている。遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54b(図6参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
また、窓部28aの上方左には、7セグメントLED等の発光部材により構成される第1特別図柄表示装置29、上方右には左と同一部材の第2特別図柄表示装置30と、中央には4個の発光部材で構成される第2特別図柄保留数表示装置30aが設けられており、窓部28a下には同様に4個の発光部材で構成される第1特別図柄保留数表示装置29aが設けられている。
液晶枠飾り28の左右両側又は左側には普通図柄作動ゲート42が設けられており、下側には第1始動口31と開放時のみ入賞可能となる普通電動役物40が第2始動口32として設けられている。また普通電動役物40には、7セグメントLED等の発光部材により構成される普通図柄表示装置41が配置されている。第2始動口32の下方には、アタッカー式の大入賞口33aを備える大入賞口ユニット33が配置され、該大入賞口ユニット33の下方にはアウト口34が設けられている。大入賞口33aの左側には4個のLEDで構成される普通図柄保留数表示装置41aが設けられている。また、大入賞口ユニット33の左右両側には、一般入賞口35aが複数備えられる入賞口ユニット35が設けられている。尚、一般入賞口スイッチ35b、35c、35d、35eは遊技盤正面から見た一般入賞口35aの位置によって区別され、右側上には一般入賞口スイッチ35b、右側下には一般入賞口スイッチ35c、左側上には一般入賞口スイッチ35d、左側下には一般入賞口スイッチ35e、が配置されている。
上記のように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート42に入球すると、普通図柄表示装置41で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、普通電動役物40の羽根部材が駆動して、普通電動役物40への入球が可能となるように構成されている。尚、本実施形態におけるパチンコ機では、普通電動役物40の羽根部材が駆動する開放時間は、通常時は0.3秒(1回)、時短状態(開放延長状態)では5.0秒(1回)である。尚、遊技球が1個入賞した際に獲得する賞球数は、第1始動口31と第2始動口32は3個、大入賞口33aは14個、一般入賞口35aは10個に設定されている。
第1始動口31に遊技球が入球(第1特別図柄始動スイッチ31a(図2参照)にて遊技球を検出)すると、第1特別図柄表示装置29において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口32である普通電動役物40に遊技球が入球(第2特別図柄始動スイッチ32a(図2参照)にて遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置30において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、窓部28aに配置された演出図柄表示装置54bにおいて各々の特別図柄の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口と第2始動口への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動停止を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。第1特別図柄及び第2特別図柄の態様に応じて大入賞口ユニット33の扉部材が駆動して、大入賞口33aへの入球が可能となるように構成されている。
図4はシュートユニット71の斜視図であり、遊技球の流れが分かりやすいようにカバーが外された状態になっている。図示したようにシュートユニット71には左右にカーブされた球誘導路(遊技球待機通路)が前後方向に2列に形成され(前側が第1球誘導路、後側が第2球誘導路と呼ぶ)、払出装置24から払い出される遊技球を待機させている。なお、この球誘導路のカーブは遊技球の重力を分散させるためになされている。
また、シュートユニット71の各々の球誘導路上には、それぞれシュート球切れスイッチA71a、シュート球切れスイッチB71bが設けられており、該シュート球切れスイッチA、B(71a、71b)の検出信号により、シュートユニット74内に所定個数の遊技球が待機されているか否かが判断される。本実施例では、片方の球誘導路で20個の遊技球が待機されているか否かが判断される。
なお、正確にはシュートユニット71の球誘導路だけで遊技球が20個待機されているわけではなく、払出ユニット24cの払出スプロケット24dの前(上流)の球誘導路にも遊技球が待機されるようになっており、該払出しスプロケット24dの上流の球誘導路とシュートユニット71の球誘導路で遊技球が20個待機されているか否かが判断される(つまり、払出ユニット24cの一部も遊技球待機通路に該当)。つまり、シュート球切れスイッチA、B(71a、71b)は、払出スプロケット24dの上から遊技球が20個並んだ位置に配置されている。
詳しくは後述するが20個目の遊技球をシュート球切れスイッチA、B(71a、71b)が検出していないと、球切れと判断されて、払出装置24の動作が停止する構成になっている。なお、第1球誘導路、第2球誘導路のどちらか一方でも待機されている遊技球が20個ないと球切れと判断されて払出装置24の動作が停止されるので、結果的にシュートユニット71(払出ユニット24c内の払出しスプロケット24dの上流の球誘導路も含み)内に40個の遊技球が待機されていなければ払出装置24の動作が停止されることになる。
次に、図5を用いて本願発明における払出手段(払出装置)に該当する、払出ユニット24cの構造を示し、遊技球払出の動作原理を説明する。払出ユニット24cは、その内部に回転軸に払出スプロケット24dの回転軸を嵌着した払出モータ24aを配置している。払出モータ24aには、正逆回転可能で且つ回転角を制御できるステッピングモータが用いられている。玉がみの解除時等に払出モータ24aは逆回転する。尚、払出スプロケット24dは、本願発明における回転体に該当する。
払出スプロケット24dの上側(上流)には遊技球が数個待機できる上記した球誘導路が前後方向に2列形成されており(前側が第1球誘導路、後側が第2球誘導路と呼ぶ)、遊技球を2列に整列して流下させ払出スプロケット24dに誘導する。払出スプロケット24dの外周には、遊技球を受け入れる6個の凹部が等間隔に形成されている。各凹部は1個の遊技球を受け入れ可能に縁部が形成され、2列の遊技球が払出ユニット24cに進入すると、第1誘導路と第2誘導路とで1球ずつ互い違いに払出スプロケット24dに受け入れられる。
払出モータ24aの駆動によって払出スプロケット24dが回転(払出スプロケット24dを手前にして右回転)すると、払出スプロケット24dの遊技球受け入れ部からほぼ半周回転した時点で、受け入れた順で払出スプロケット24dから遊技球を1個ずつ排出する。払出スプロケット24dの直下には払出スイッチ24bが配置され、払出スプロケット24dの凹部から排出された遊技球を検出可能に構成している。尚、払出モータ24aとなるステッピングモータは、2相励磁で制御され、8ステップで1個の遊技球を払出す構成となっている。
続いて、図6に本実施例におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。図6には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に供給される構成となっている。尚、遊技盤8を装着するパチンコ機本体に関する部品は図示を省略している。
主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板を介して第1始動口31に入球した遊技球を検出する第1特別図柄始動口スイッチ31aと第2始動口32である普通電動役物40に入球した遊技球を検出する第2特別図柄始動口スイッチ32aと、普通図柄作動ゲート42に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチと、大入賞口33aに入球した遊技球を検出するカウントスイッチ33bと、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ35b(右上)、35c(右下)、35d(左上)、35e(左下)とが接続されており、これらのスイッチが本願発明における、遊技領域に設けられた入賞口へ進入した遊技球を検出する入賞検出手段、に該当する。また、裏配線中継端子板を介して前面枠3が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチと、意匠枠が閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチと、が接続されている。
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板を介して大入賞口33aの扉部材を駆動する大入賞口ソレノイドと、普通電動役物31の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイドとが接続されており、図柄表示装置中継端子板を介して第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示装置29と、第1特別図柄の保留数を表示する第1特図保留数表示装置29aと、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示装置30と、第2特別図柄の保留数を表示する第2特図保留数表示装置30aと、普通図柄を表示する普通図柄表示装置と、普通図柄の保留数を表示する普図保留数表示装置とが接続されており、裏配線中継端子板及び外部接続端子板を介して図示しないホールコンピュータと、が接続されている。
主制御装置50はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51及びサブ統合装置53に出力する。ここで、主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合制御装置53とは主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成されている。
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板を介して球タンク(図示せず)又はタンクレール(図示せず)内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチ71a、71bと、裏配線中継端子板及び払出中継端子板を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチ24bと、各種端子板を介することなく下皿への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチ13aと、エラー解除スイッチ76と、が接続されている。払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板及び払出中継端子板を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータ24aと、球切れ表示LED72と、下皿満杯表示LED73と、エラーNO表示LEDと、が接続されている。
なお、払出制御装置51は満杯スイッチ13aにより下皿13の遊技球が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ71a、71bによりシュートユニット71(シュートユニット71の球誘導路及び払出ユニット24aの球誘導路)に遊技球が所定個数待機していないことを示す信号が入力されると払出モータ24aを停止させ、賞球払出動作を停止する。なお、満杯スイッチ13a、球切れスイッチ71a、71bともその状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置51は、その信号の出力停止を契機として払出モータ24aの駆動を再開する。
また、払出制御装置51はCRユニット端子板を介してCRユニット(プリペイドカードユニット)と交信することで払出モータ24aを作動させ貸し球を払出す。払出された貸し球は払出スイッチ24b(払出検出手段)に検出され、検出信号は主制御装置50、払出制御装置51に入力される。なお、CRユニット端子板は精算表示装置15とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置15には、遊技球の貸出しを要求するための球貸スイッチ16a、精算を要求するための精算スイッチ17aが接続されている。
つまり、本実施例では、入賞口に遊技球が入球した際に払い出される遊技球(賞球)も球貸ボタン16を押したことに起因して払い出される遊技球(貸球)も同じ払出装置24から払い出され、払い出された遊技球も同じ払出スイッチ24bにより検出される構成になっている。しかし、このような構成に限定するわけではなく、各々異なる払出装置により払い出される構成にしてもよいし、払い出された遊技球を各々異なる払出球検出手段により検出される構成にしてもよい。
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50及び発射制御装置に出力する。払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置とは払出制御装置51から発射制御装置への一方向通信回路として構成されている。
また、払出制御装置51は、外部接続端子板を介して賞球に関する情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置に対して発射停止信号を送信する。発射制御装置は発射モータを制御して、遊技球を遊技領域26に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置には払出制御装置51以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチからのタッチ信号、発射停止スイッチから発射停止スイッチ信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル18を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル18を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル18を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置53は、入力端には、遊技者により操作可能な遊技スイッチが接続されている。サブ統合制御装置53の出力端には、図示しない意匠枠及び遊技盤8に備えられる各種LED・ランプと、前面枠及びスピーカユニットに備えられるスピーカと、が接続されている。尚、サブ統合制御装置53と主制御装置50とは、主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置とは双方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、遊技スイッチの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニットの演出図柄制御装置に出力する。
また、サブ統合制御装置53には、音量を調節する音量調節スイッチが備えられ、音量調節スイッチの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカへ送信する内容とを判断し、スピーカから出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
演出図柄制御装置は、サブ統合制御装置53から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置50から送信されてきたものとサブ統合制御装置53が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置を制御して、疑似図柄等の演出画像を窓部28aに表示させる。
上述したように、払出制御装置51は払出スイッチ24b、エラー解除スイッチ76、球切れスイッチ71a、71b、満杯スイッチ13aが接続されており(エラー解除スイッチ76は払出制御装置51に実装されている。)、各々の信号が入力される。球切れスイッチ71a、71bは、上述したようにシュートユニット71内に設けられた2つ球誘導路(第1及び第2)に設置されており、スイッチ(センサー)の種類は、スイッチの検出範囲を物体(遊技球)が通過することを検出可能なタイプを使用している。現在では、ほとんどのパチンコ遊技機に払出装置24により払い出す遊技球を待機させておき、その待機させている遊技球が所定個数存在するか否かを確認する構成(球切れか否かを確認する構成)になっているが、その確認するためのスイッチ(センサー)は、片方が軸支され可動可能な板が備え付けられ、該板の軸支されていない側が所定角度回動すると検出部と該板が接触し、接触したことで信号が出力される構成のものが一般的である。しかし、本実施例では遊技球が通過したことを検出するタイプのスイッチ(センサー)を使用している。
なお、シュートユニット71内に所定個数、遊技球が待機しているか否かを上述したように遊技球が通過したことを検出するスイッチを使用しているために、遊技球が通過するたびに検出がON、OFFを繰り返すことになるので、検出がOFFになったから球切れと直ぐに判断するのではなく、OFFの状態が所定時間経過した場合に払出制御装置51が球切れ(シュート球切れエラー)と判断する構成になっている。また、上述したようにシュートユニット71には、第1球誘導路、第2球誘導路の二つの球誘導路が形成されており、各々の球誘導路に球切れスイッチ71a、71bが設けられており、片方のスイッチの検出信号だけが所定時間、OFFであった場合でも払出制御装置51は球切れと判断する。
払出制御装置51が球切れ(シュート球切れエラー)と判断すると、意匠枠4aに設けられた球切れ表示LED72を点灯させると共に払出制御装置51に実装されているエラーナンバー表示装置74に球切れ状態を表す表示を行わせる信号(エラーナンバー表示信号)を送信し、エラーナンバー表示装置74は、その信号をもとに球切れ状態を表す記号を表示する。また、払出制御装置51は球切れ信号を主制御装置50に送信し、主制御装置50は球切れ信号を受信すると、サブ統合制御装置53に球切れ信号を送信する。
満杯スイッチ13aは上皿12から溢れた遊技球を下皿13に排出するための溢れ球通路に設けられており、スイッチの種類は、上述した従来の球切れ状態か否かを判断するためのスイッチ(センサー)(回動可能な板の先端が検出部と接触すると信号が出力されるタイプ)と同様なものを使用している。下皿13が遊技球で満杯になり、溢れ球通路にも遊技球が詰まってくると満杯スイッチ13aの板が検出部と接触し、検出信号を送信する。この信号は板と検出部が接触している限り出力し続け、払出制御装置51は、この信号が所定時間継続して入力されることで下皿13が満杯(オーバーフローエラー)と判断する。
払出制御装置51が下皿13が満杯(オーバーフローエラー)と判断すると、上皿12に設けられた下皿満杯表示LED73を点滅させると共に払出制御装置51に実装されているエラーナンバー表示装置74に下皿13が満杯であることを表す表示を行わせる信号(エラーナンバー表示信号)を送信し、エラーナンバー表示装置74は、その信号をもとに下皿13満杯状態を表す信号を表示する。また、払出制御装置51は満杯信号を主制御装置50に送信し、主制御装置50は満杯信号を受信すると、サブ統合制御装置53に満杯信号を送信する。
なお、図7の図表に示すように、球切れ状態(シュート球切れエラー)及び下皿13満杯状態(オーバーフローエラー)と払出制御装置51が判断すると払出制御装置51は払出モータ24aの駆動を停止させる。よって、払い出すべき遊技球があった場合でも、上記エラー(シュート球切れエラー、オーバーフローエラー)が解消されるまで遊技球の払い出しが行われない。シュート球切れエラーはシュートユニット71に遊技球を補給することでエラーは解消され、オーバーフローエラーは下皿13の遊技球を取り除くことでエラーは解消される。エラー(シュート球切れエラー、オーバーフローエラー)が解消されると、払出制御装置51は、球切れ表示LED72又は下皿満杯表示LED73を消灯させるほか、エラーナンバー表示装置74に表示されているナンバーを正常状態を示す表示に変更させる。また、払出制御装置51はエラーが解消されたことを示す信号を主制御装置50に送信するほか、払出モータ24aの駆動を再開させる。
遊技球の払い出しに関するエラーは、シュート球切れエラー、オーバーフローエラーだけではなく、図7の図表に示すように払出スイッチ異常エラー、払出不足エラー、払出過剰エラー、通信コネクタ未接続エラー、不正状態エラーがあり、エラーが発生すると、図7に記載した各々のエラーに対応したエラーナンバーをエラーナンバー表示装置74に表示させるほか、球切れ表示LED72、異常状態報知LED75を点灯、点滅させる。
払出スイッチ異常エラーは払出スイッチ24bのハーネスが断線しているか接触(短絡)している場合に発生し、エラーが発生すると払出モータ24aの駆動を停止する。エラーの解除は払出スイッチ24bのハーネス断線又は接触(短絡)を正常に戻した後、払出制御装置51に実装されているエラー解除スイッチ76を押すことで解除され、エラーが解除されれば払出モータ24aの駆動が再開される。
払出不足エラーは払出モータ24aにより払出動作を行ったにも係わらず払出スイッチ24bが遊技球を検出しなかった場合にリトライ動作(詳細は後述)を所定回数(3回)行い、それでも払出すべき数の遊技球が払出スイッチ24bにより検出されなかった場合に発生し、払出不足エラーが発生すると払出モータ24aの駆動を停止する。エラーの解除は払出装置24内の球詰まりを解消した後、払出制御装置51に実装されているエラー解除スイッチ76を押すことで解除され、エラーが解除されれば払出モータ24aの駆動が再開される。
払出過剰エラーは払出スイッチ24bの異常により過剰に払出した球を16個検出した場合に発生し、エラーが発生すると払出モータ24aの駆動を停止する。エラーの解除は払出スイッチ24bを正常な状態にした後、払出制御装置51に実装されているエラー解除スイッチ76を押すことで解除され、エラーが解除されれば払出モータ24aの駆動が再開される。
通信コネクタ未接続エラーは主制御装置50と払出制御装置51の通信が正常に行われなかった場合に発生し、エラー中は払出モータ24aの払出しが行われない。エラーの解除は主制御装置50と払出制御装置51を接続するハーネスの接続状態を正常にすることで解消され、エラーが解消されれば、払出モータ24aの払出しが行われる。
不正状態エラーは、詳しくは後述するが、図17の図表に示す不正状態判定の条件設定の内容に従って、設定された所定の基本賞球払出処理回数の間にリトライ動作が所定回数実施された場合に発生する。この不正状態エラーは、前述した特殊なゴト機具を用いて払出不足エラーを回避しながら払出スイッチ24bを誤動作させ、不正に遊技球を得る不正行為により発生するエラーである。
不正状態エラーが発生すると、払出制御装置51は払出モータ24aの駆動を停止し、不正状態であることを示す信号を主制御装置50に送信する。該信号を受信した主制御装置50は、不正状態であることを示す信号をサブ統合制御装置53に送信する。これにより不正状態エラーが発生すると、意匠枠4aに設けられた異常状態報知LED75を点灯させるほか、異常であることを演出図柄表示装置54b、各種ランプLED、音声により報知する。
エラーの解除は払出制御装置51に実装されているエラー解除スイッチ76を押すことで解除され、エラーが解除されれば払出モータ24aの駆動を再開する。なお、不正状態エラーが発生するということは、不正が行われた可能性が極めて高いので、エラー解除スイッチ76で解除されるのではなく、パチンコ機1の電源を切断しない限り解除できない構成にしてもよい。更に、不正状態エラー中は、払出装置24による払い出しを停止するだけでなく、遊技球が発射できなくするなどして遊技が不能な状態としてもよい。
本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成されている。具体的に説明すると、本実施形態のパチンコ機による遊技は、大入賞口33aを閉鎖した遊技と大入賞口33aを開放する大当たり遊技とに大別され、大入賞口33aを閉鎖した遊技には、大きく分類して、通常確率状態(以下、通常状態)と、該通常状態に比べて遊技者にとって有利な状態となる高確率状態(以下、確率変動状態)とが存在する。また通常状態は、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動時間を短縮する時短状態を含む。第1特別図柄及び第2特別図柄は、確率変動図柄及び非確率変動図柄とからなり、確率変動状態は確率変動図柄での大当たり遊技終了後に移行可能に設定され、通常状態、確率変動状態のうち、いずれの遊技状態でも確率変動図柄で大当たりすれば、該大当たり遊技終了後、確率変動状態に移行する。同様に通常状態は、非確率変動図柄での大当たり遊技終了後に移行可能に設定され、通常状態、確率変動状態のうち、いずれの遊技状態でも非確率変動図柄で大当たりすれば、該大当たり遊技終了後、通常状態に移行する。
通常状態に移行後は、規定回数(例えば、100回)だけ第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ第2始動口32である普通電動役物40の開放延長機能が作動する時短状態となる。第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動時間(変動開始から結果が表示されるまでの時間)が短縮されると、一定時間内に変動表示が行なわれる回数が増大される。
具体的には、本実施形態の時短状態では、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時間の短縮とともに、普通図柄表示装置41に表示される普通図柄の時間短縮も行われるが、この普通図柄の変動表示を短縮させることで、一定時間内で多数回普通図柄の確定表示を行う。従って、一定時間内での普通図柄が当りとなる回数が増大し、これにより第2始動口32である普通電動役物40の作動回数も増大する。また、普通電動役物40の開放時間が長くなるように設定されているので、多数の遊技球が入賞し易くなる。このように多数の遊技球が入賞し易くなることにより、第2特別図柄の変動表示回数が更に増大されるとともに、普通電動役物40入賞による賞球により遊技者の持ち玉が減り難くなり、有利な遊技を行うことができる。
尚、確率変動状態では、時短状態と同様に、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、第2始動口32である普通電動役物40開放延長機能が作動する。各種図柄の短縮と普通電動役物40開放延長機能に関わる設定は時短状態と同一であるが、確率変動状態は時短状態に加えて第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り確率が高くなる(大当りし易い)。
次に、図8を用いて、主制御装置50が実行するメインルーチンについて説明する。図8に示すフローチャートは、主制御装置50のマイコンにより実行されるメイン処理を表したものであり、約2mS毎のハード割り込みにより定期的に実行される処理である。本実施形態では、S10〜S24までの各処理は割り込み処理において1回だけ実行される処理であって「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS25、S26の処理を「残余処理」と称する。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(S10:NO)、前記メモリの所定領域に所定値を書き込む特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み、即ち初期設定が為され(S11)、残余処理に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:YES)、初期値乱数1の更新処理が実行される(S12)。この処理は、初期値乱数1の値について、この処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数1の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初期値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
S12の処理後には、初期値乱数2の更新処理が実行される(S13)。この処理はS12の処理と同様に初期値乱数2の値について、実行毎に+1するインクリメント処理である。違いは、初期値乱数1の最大値が「3966」であるのに対して初期値乱数2の最大値が「997」であるということである。よって、この処理を実行する前の初期値乱数2の乱数値が最大値である「997」のときは次回の処理で初期値である「0」に戻る。尚、詳細は後述するが初期値乱数1は大当り判定(特別図柄の抽選)に使用するものであり、初期値乱数2は当り判定(普通図柄の抽選)に使用するものである。
S13に続く大当り判定用乱数の更新処理(S14)は、初期値乱数1、初期値乱数2の更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であるが、最大値である「3966」に至ると次回の処理では、そのときの前記初期値乱数1の値を初期値(以下、「更新初期値」という。)とし、更に割り込み毎に+1する処理を続行して更新初期値より「1」少ない値(以下、「更新最大値」という。)に至れば次回の処理では、更にそのときの初期値乱数1の値を初期値とし「0」〜「3966」までの3967個の整数値を繰り返し作成する。
即ち、割り込み処理毎に+1し、乱数を構成する要素を「0」〜「3966」までの整数値とすることは前記初期値乱数1と何等変わることはないが、今回の更新最大値に至れば次回の割り込み処理ではそのときの更新初期値を初期値とし更新最大値に至るまで割り込み毎に+1し、更に次回の更新初期値を初期値とする構成である。これにより、大当り判定用乱数は、乱数を構成する要素を「0」〜「3966」までの3967個の整数値とし、割り込み処理毎に+1するが、更新最大値に至れば、次回の割り込み処理ではそのときの初期値乱数1により決定される値に変更されるので、当否乱数の値を予測不可能にすることができる。また、更新初期値と更新最大値とにより決定される乱数の構成要素は従来の当否乱数と同じ「0」〜「3966」の3967個の整数値と何等変わることがないので乱数を構成する要素の出現率を均一にしている。
尚、通常確率状態時の当選することとなる値の数は10で、値は「775」〜「777」、「1775」〜「1777」、「2774」〜「2777」であり、高確率状態時の当選することとなる値の数は100で、値は「775」〜「777」、「1314」〜「1333」、「1758」〜「1777」、「2758」〜「2777」、「3314」〜「3333」である。
S14に続く当り判定用乱数の更新処理(S15)は、初期値乱数1、初期値乱数2の更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であるが、最大値である「996」に至ると次回の処理では、そのときの前記初期値乱数2の値を初期値(以下、「更新初期値」という。)とし、更に割り込み毎に+1する処理を続行して更新初期値より「1」少ない値(以下、「更新最大値」という。)に至れば次回の処理では、更にそのときの初期値乱数2の値を初期値とし「0」〜「996」までの997個の整数値を繰り返し作成する。
即ち、割り込み処理毎に+1し、乱数を構成する要素を「0」〜「996」までの整数値とすることは前記初期値乱数2と何等変わることはないが、今回の更新最大値に至れば次回の割り込み処理ではそのときの更新初期値を初期値とし更新最大値に至るまで割り込み毎に+1し、更に次回の更新初期値を初期値とする構成である。これにより、当り判定用乱数は、乱数を構成する要素を「0」〜「996」までの997個の整数値とし、割り込み処理毎に+1するが、更新最大値に至れば、次回の割り込み処理ではそのときの初期値乱数1により決定される値に変更されるので、当否乱数の値を予測不可能にすることができる。また、更新初期値と更新最大値とにより決定される乱数の構成要素は従来の当否乱数と同じ「0」〜「996」の997個の整数値と何等変わることがないので乱数を構成する要素の出現率を均一にしている。尚、図14に記載するように通常確率状態時の当選することとなる値の数は10で、値は「31」〜「40」であり、高確率状態時の当選することとなる値の数は966で、値は「31」〜「996」である。
大当り図柄決定用乱数の更新処理(S16)は「0」〜「19」の20個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る構成になっており、この20個の乱数値により20種類の大当り図柄より1つの大当り図柄が決定され、第1特別図柄、第2特別図柄共に同じ大当り図柄を使用する構成になっている。
続く小当り図柄決定用乱数の更新処理(S17)は「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1されて最大値を超えると初期値である「0」に戻る。なお、小当りを示す図柄は「EE」、「FF」の2種類であり、小当り図柄決定用乱数によって、どちらの小当りを示す図柄を選択するか決定する。また、小当りを示す図柄は、第1特別図柄、第2特別図柄とも同じになっている。ハズレを示す特別図柄も第1特別図柄、第2特別図柄で同じになっており、「−−」の1種類になっているので外れ図柄を決定するための乱数は備えていない。また、普通図柄の当り図柄(「L」)もハズレ図柄(「−」)も共に1種類しか存在しないので当り図柄又はハズレ図柄を決定するための乱数は備えていない。
リーチ判定用乱数の更新処理(S18)は「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時に当選する値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時に当選する値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時に当選する値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
変動パターン決定用乱数の更新処理(S19)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。尚、大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は第1特別図柄始動口31又は第2特別図柄始動口32に遊技球が入球することで抽出され、当り判定用乱数は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過することで抽出される。
続く入賞確認処理(S20)では、遊技領域26に設けられた各入賞口へ遊技球が入球したか否か及び普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したか否かを確認する処理である。続いて大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての特図当否判定処理(S21)、普通図柄抽選が当りか否かを判定する普図当否判定処理(S22)行う。この特図当否判定処理(S21)、普図当否判定処理(S22)が終了すると続いて画像出力処理等の各出力処理(S23)が実行される。
各出力処理(S23)では、遊技の進行に応じて主制御装置50は演出図柄制御装置54a、払出制御装置51、発射制御装置、サブ統合制御装置53、大入賞口ソレノイド等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S20)により遊技盤8上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置51に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置53に出力する処理を、パチンコ機1に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置54aにエラー信号を出力する処理を各々実行する。
続く不正監視処理(S24)は、一般入賞口に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数1の更新処理(S25)、初期値乱数2の更新処理(S26)から構成されるが、各々前述したS12、S13の処理と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで、時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S24までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行(特別遊技の実行)するか否か、特別図柄(第1又は第2)の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数1、初期値乱数2の更新される(加算される)値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数1が大当り判定用乱数と、初期値乱数2が当り判定用乱数と同期する可能性はなくなる。尚、本実施形態においては、大当り判定用乱数の更新は初期値乱数1の値により変更され、当り判定用乱数は初期値乱数2の値により変更される構成なので同期の虞は全くない。
次に図9のフローチャートを用いて、各入賞口への遊技球の入賞に応じて、払出す賞球個数を示す信号の確定過程を示す、賞球データ作成処理を説明する。賞球データ作成処理を開始すると、第1始動口スイッチ31aが遊技球を検出したか否か判定する(S30)。肯定判定なら(S30:YES)、賞球データ記憶バッファに記憶する払出す賞球個数を示すデータの下位1ビット目を1にする(S31)。ここで、払い出す賞球個数を示すデータは00000000のように1バイトデータで表され、特別図柄始動スイッチ31aの検出によって払い出す賞球個数を示すデータは00000001となる。各ビットは対応する入賞口への入賞状態を表し、1が検知、0が未検知を示す。
S31の処理の後、又はS30が否定判定なら(S30:NO)、第2始動口スイッチ32aが遊技球を検出したか否か判定する(S32)。肯定判定なら(S32:YES)、賞球データ記憶バッファに記憶する払出す賞球個数を示すデータの下位2ビット目を1にする(S33)。これにより、第2始動口スイッチ32aのみの入賞によって払い出す賞球個数を示すデータは00000010となる。S33の処理の後、又はS32が否定判定なら(S32:NO)、カウントスイッチ33bが遊技球を検出したか否か判定する(S34)。肯定判断(S34:YES)なら下位3ビット目を1にする(S35)。大入賞口33aのみの入賞によって払い出す賞球個数を示すデータは00000100となる。
S35の処理の後、又はS34が否定判定なら(S34:NO)、遊技盤正面から見て右上の位置に配置された一般入賞口スイッチ35bが遊技球を検出したか否か判定する(S36)。肯定判断(S36:YES)なら下位4ビット目を1にする(S37)。従って、一般入賞口スイッチ35bのみの入賞によって払い出す賞球個数を示すデータは00001000となる。S37の処理の後、又はS36が否定判定なら(S36:NO)、遊技盤正面から見て右下の位置に配置された一般入賞口スイッチ35cが遊技球を検出したか否か判定する(S38)。肯定判断(S38:YES)なら下位5ビット目を1にする(S39)。従って、一般入賞口スイッチ35cのみの入賞によって払い出す賞球個数を示すデータは00010000となる。
S39の処理の後、又はS38が否定判定なら(S38:NO)、遊技盤正面から見て左上の位置に配置された一般入賞口スイッチ35dが遊技球を検出したか否か判定する(S40)。肯定判断(S40:YES)なら下位6ビット目を1にする(S41)。一般入賞口スイッチ35dのみの入賞によって払い出す賞球個数を示すデータは00100000となる。S41の処理の後、又はS40が否定判定なら(S40:NO)、遊技盤正面から見て左下の位置に配置された一般入賞口スイッチ35eが遊技球を検出したか否か判定する(S42)。肯定判断(S42:YES)なら下位7ビット目を1にする(S43)。一般入賞口スイッチ35eのみの入賞によって払い出す賞球個数を示すデータは01000000となる。S43の処理の後、又はS42が否定判定なら(S42:NO)、上記処理によって得た賞球データを賞球データ記憶バッファに記憶処理し(S44)、リターンに抜ける。
以上が賞球データ作成処理となるが、払出す賞球個数を示すデータ7個(賞球データ記憶00H〜06H)を記憶する賞球データ記憶バッファと、それとは別に払い出す賞球個数を示すデータを送信するための賞球データ記憶バッファを備えているため、記憶個数を増やしても問題ない。また、本実施例のように入賞頻度の高い入賞口順に下位ビットから割り振ることで、処理の負担を軽減する構成が好適といえる。
次に図10を用いて主制御装置50が実行する賞球データ送信処理を説明する。賞球データ送信処理は、図9の処理で作成されたデータを基に賞球個数を示すデータを払出制御装置51へ送信する処理である。賞球データ送信処理を開始すると、まず賞球データ記憶バッファにステップS44で記憶処理されたデータがあるか否か(00000000でないか否か)が判定されるが(S50)、これ以前に図示しない処理で、賞球データ記憶バッファにデータがなかった場合に賞球データシフト処理が行われる。賞球データシフト処理は、賞球データ記憶バッファにデータがなく、賞球データ記憶00Hに記憶されたデータがある場合に行われ、賞球データ記憶00Hに記憶された払い出す賞球個数を示すデータを賞球データ記憶バッファに移す処理が行われる。それと同時に賞球データ記憶01H〜06Hまでに記憶された賞球データも1段階前の領域へと移される処理が行われる。
S50で否定判定(S50:NO)なら、リターンする。肯定判定(S50:YES)なら、払出制御装置51から未払い満タン信号を未受信か否かを判定する(S51)。未払い満タン信号とは、未払いの賞球個数を示すデータが払出制御装置51のRAM容量の所定容量以上となったことを知らせるデータである。S51が否定判定(S51:NO)ならリターンし、払い出す賞球個数を示すデータの送信を中断できるように構成する。これによって、払出制御装置51のRAMの記憶容量を小さくすることができ、コストの削減に寄与することができる。
S51が肯定判定なら(S51:YES)、賞球データ記憶バッファに記憶された賞球データの下位1ビット目が1になっているか否か判定する(S52)。肯定判定なら(S52:YES)、データバスに賞球3個のデータをセットし(S53)、下位1ビット目を0にして(S54)、ステップS73に進む。否定判定(S52:NO)なら、下位2ビット目のデータが1か否か判定する(S55)。肯定判定なら(S55:YES)、データバスに賞球3個のデータをセットし(S56)、下位2ビット目を0にして(S57)、ステップS73に進む。S55が否定判定(S55:NO)なら、下位3ビット目のデータが1か否か判定する(S58)。肯定判定なら(S58:YES)、データバスに賞球14個のデータをセットし(S59)、下位3ビット目を0にして(S60)、ステップS73に進む。
S58が否定判定(S58:NO)なら、下位4ビット目のデータが1か否か判定する(S61)。肯定判定なら(S61:YES)、データバスに賞球10個のデータをセットし(S62)、下位4ビット目を0にして(S63)、ステップS73に進む。否定判定(S61:NO)なら、下位5ビット目のデータが1か否か判定する(S65)。肯定判定なら(S65:YES)、データバスに賞球10個のデータをセットし(S66)、下位5ビット目を0にして(S67)、ステップS73に進む。S65が否定判定(S65:NO)なら、下位6ビット目のデータが1か否か判定する(S68)。肯定判定なら(S68:YES)、データバスに賞球10個のデータをセットし(S69)、下位6ビット目を0にして(S70)、ステップS73に進む。S68が否定判定(S68:NO)なら、データバスに賞球10個のデータをセットし(S71)、下位7ビット目を0にして(S72)、ステップS73に進む。
S73では、上記した処理から得た払い出す賞球個数を示すデータを、主制御装置50から払出制御装置51に送信し、リターンに抜ける。また、この払い出す賞球個数を示すデータは払出制御装置51に送信後、消去する構成とする。
以上が主制御装置50が実行する賞球データ送信処理となるが、主制御装置50が払出制御装置51から未払いの賞球個数を示すデータが所定容量以上となったことを知らせるデータを受信した場合、払い出す賞球個数を示すデータの送信を中断することができる(S51:NO)。このため、払出制御装置51に賞球に関するデータの記憶保持のために備えられたRAMの記憶容量が不足した状態で、主制御装置50からの払い出す賞球個数を示すデータを受信した場合に生じる遊技者の不利益を回避することができる。
次に払出制御装置51が実行する不正判定条件設定処理について説明する。本願発明におけるパチンコ遊技機1は前述した不正状態エラーを判定するための条件を複数種類備えており、この不正判定条件設定処理は、電源投入後の不正状態の判定条件を設定する処理である。尚、不正状態が発生した時点においても、判定条件の設定を切替える処理が実施される(図16、S205、S206)。
不正判定条件設定処理を開始すると、払出制御装置51の電源投入後、主制御装置50から1回目の賞球データを受信したか否か判定し(S90)、否定判定なら(S90:NO)リターンに抜け、肯定判定なら(S90:YES)設定選択用乱数を取得し(S91)、取得した設定選択用乱数の値に応じて図17の下図に示す設定1から設定4のいずれかを設定し(S92)リターンに抜ける。設定選択用乱数は0、1、2、3の4個の値から構成され、取得した値が0なら図17に示す設定1を選択し、値が1なら設定2を選択し、値が2なら設定3を選択し、値が3なら設定4を選択する。
ここで、図17に示した不正状態判定の条件設定の内容について説明する。図17の下の図表に示すように条件設定には設定1から設定4までの4種類の設定を備えており、電源投入時又は不正状態エラー発生時にいずれか1種類を選択して設定する構成となっている。又各設定は、A、B、C、Dで表された判定内容が異なる判定期間を、異なる順番で組み合わせたものとなっている。
A、B、C、Dの各判定内容を図17の上図を用いて具体的に説明すると、Aは、15回の基本賞球払出し処理が終了するまでに、後述するリトライカウンタ2が払出し不足を解消するためのリトライ動作(リトライ処理による払出動作)の回数を10回計数すると不正状態と判定する判定条件期間であり、Bは、3回の基本賞球払出し処理が終了するまでに、リトライカウンタ2がリトライ動作の回数を6回計数すると不正状態と判定する判定条件期間であり、Cは、10回の基本賞球払出し処理が終了するまでに、リトライカウンタ2がリトライ動作の回数を10回計数すると不正状態と判定する判定条件期間であり、Dは、5回の基本賞球払出し処理が終了するまでに、リトライカウンタ2がリトライ動作の回数を6回計数すると不正状態と判定する判定条件期間である。
これらA、B、C、Dの内容の異なる複数の判定条件期間を、異なる順番で組み合わせた設定が下図に示した設定1から設定4である。このように複数種類の判定条件の中から、前述した不正判定条件設定処理や後述する不正状態判定処理によってランダムに条件を設定することにより、遊技者による設定内容の判別を困難にし、検出スイッチ24bを払出不足エラーを回避しながら誤動作させ不正に遊技球を得る不正行為を防止(抑止力大)すると共に、不正行為が実施された場合においても、早期に(大きな被害を被る前に)その不正行為の発生を判定することを可能としている。(請求項2、請求項4の構成に該当)
尚、この不正行為には、短時間に不正行為を行う場合と、回りの様子を伺いながら時間をかけて不正行為を行う場合とが想定されるが、図17に示すように判定期間が3回から15回と幅を持たせることによって、どちらの場合の不正行為も漏らさず効率的に不正状態と判定することを可能とする構成となっている。
次に、図12を用いて払出制御装置51が実行する賞球データ受信処理を説明する。この処理は、主制御装置50から受信したNMI信号が、払い出す賞球個数を示すデータに関するものであると判断したときに実行される処理である。払出制御装置51が、賞球データ受信処理を開始すると、主制御装置50から払い出す賞球個数を示す賞球データを受信したか否かを判定する(S110)。否定判定なら(S110:NO)、リターンする。肯定判断なら(S110:YES)、受信した賞球データが賞球3個のデータであるか否か判断する(S111)。
ここで、主制御装置50と払出制御装置51との通信は双方向通信回路としており、双方向通信回路とすると制御基板がデータを受信したときには、そのデータを送信した制御基板にデータを正常に受信したことを示す受信確認信号を送信する構成となるが、ステップS110で払出制御装置51が払い出す賞球個数を示すデータを受信した場合には、払い出す賞球個数を示すデータに対する受信確認信号を主制御装置50へ送信しない構成としている。このため、主制御装置50と払出制御装置51との間で最も頻繁に行われる賞球個数を示すデータの送受信に関する制御負担を軽減し、好適な制御を実行することができる。また、主制御装置50から賞球個数を示すデータを送信する場合には強制割り込み(NMI)端子に入力する構成としているため、払出制御装置51が払い出す賞球個数を示すデータを受信した時に、受信したことを認識させるための受信確認信号を送信しない構成であっても問題ない。
S111が肯定判定なら(S111:YES)、未払いカウンタを3増加させる(S112)。未払いカウンタは、主制御装置50から送信される賞球個数を示すデータを記憶するカウンタであり、払出す遊技球数を示すデータによって指示された賞球個数をカウンタに加算するように構成される。S111が否定判定なら(S111:NO)、受信した賞球データが賞球10個のデータであるか否か判定し(S113)、肯定判定なら(S113:YES)未払いカウンタを10増加させ(S114)、否定判定なら(S113:NO)未払いカウンタを14増加させる(S115)。S112、S114、S115の処理の後、上記処理によって加算された未払いカウンタの値が設定された所定値よりも大きいか否か判定する(S116)。肯定判定なら(S116:YES)、払出制御装置51から主制御装置50へ未払いの賞球個数を示すデータが所定値以上となったことを知らせる未払い満タン信号を送信し(S117)。S117の処理の後、又はS116が否定判定なら(S116:NO)リターンに抜ける。
未払い満タン信号の送信により、主制御装置50は払出処理をさせない処理を実行するため(S51:NO)、払出制御装置51に賞球に関するデータの記憶保持のために備えられたRAMの記憶容量が不足した状態で、主制御装置50からの払い出す賞球個数を示すデータを受信した場合に生じる遊技者の不利益を回避することができる。
次に図13、14、15を用いて、実施例1において払出制御装置51が実行する賞球払出処理を説明する。この処理は、本願発明における、払出し個数設定手段と、リトライ手段と、リトライカウント手段と、カウントリセット手段と、払出不足判定手段とに該当する処理を含むものである。払出制御装置51が賞球払出処理を開始すると、はじめに各種エラーフラグが0か否か判断する(S120)。否定判定つまりエラーが発生しているなら(S120:NO)、エラー処理をするため本ルーチンからリターンする。肯定判定なら(S120:YES)、払出す賞球数を示す払出カウンタの値が0か否か判定する(S121)。払出カウンタは、現時点で実行中の遊技球払出動作に用いるカウンタであり、賞球1個の払い出し(払出スイッチ24bが1個の遊技球検出)に基づいてデクリメント(−1)されるように構成されている。
S121が肯定判定なら(S121:YES)、即ち現時点で払出動作が未実施なら、未払いカウンタの値が0より大きいか否か判断する(S122)。否定判断なら(S122:NO)、未払い賞球が無い状態であり払出す必要がないため本ルーチンからリターンする。S122が肯定判定なら(S122:YES)、未払いカウンタの値が15以上か否か判定する(S123)。肯定判定なら(S123:YES)、1回で払い出す賞球数の上限(基本賞球払出処理で払出される遊技球数の上限)は15個であるため、払出カウンタの値に15を加算し(S124)、未払いカウンタの値から15を減算する(S125)。S123が否定判定なら(S123:NO)、即ち未払いカウンタに記憶されている値が15未満なら、未払いカウンタに記憶されている値と同一値を払出しカウンタに加算し(S126)、未払いカウンタの値をクリアする(S127)。S125又はS127の処理の後リターンに抜ける。
次に、S121が否定判定(S121:NO)の場合、即ち実施されている賞球払出処理(基本賞球払出処理)を主とした図14に示すフローチャートを説明する。図14の処理を開始すると、リトライフラグが0か否か判定する(S141)。リトライフラグは払出制御装置53が記憶する値であり、リトライフラグが1の時はリトライ処理を実施中であることを、リトライフラグが0の時はリトライ処理を未実施中であることを払出制御装置53が判断する。
S141が肯定判定なら(S141:YES)、即ちリトライ処理を未実施中ならば、払出フラグの値が1か否か判定する(S142)。払出フラグは払出制御装置53が記憶する値であり、払出フラグが1の時は基本賞球払出処理を実施中(基本賞球払出処理となる払出モータ24aが駆動中)であることを、払出フラグが0の時は基本賞球払出処理を未実施中(基本賞球払出処理となる払出モータ24aが駆動停止)であることを払出制御装置53が判断する。
S142が否定判定なら(S142:NO)、即ち払出カウンタに値がセットされた状態で払出動作が開始されていない(払出モータ24aが駆動停止)ならば、払出カウンタにセットされた値の遊技球を払出すために必要な払出モータ24aの駆動量を設定し(S143)、払出モータ24aの駆動を開始(払出しを開始)し(S144)、払出フラグに1をセットし(S145)リターンに抜ける(S143の処理が払出個数設定手段に該当)。
S142が肯定判定なら(S142:YES)、即ち基本賞球払出処理を実施中ならば、該基本賞球払出処理の開始時にS143で設定された駆動量を払出モータ24aが実施中か否か判定する(S146)。肯定判定なら(S146:YES)、払出スイッチ24bが遊技球を検出したか否か判定し(S147)、否定判定なら(S147:NO)リターンに抜け、肯定判定なら(S147:YES)払出カウンタの値からー1するデクリメント処理(S148)を行った後、払出カウンタの値が0か否か判定し(S149)、否定判定なら(S149:NO)リターンに抜け、肯定判定なら(S149:YES)、即ちS124又はS126で払出カウンタに設定された値に応じた遊技球の払出が完了したとして払出フラグに0をセットし払出モータ24aの駆動を停止させ(S150)リターンに抜ける。
S146が否定判なら(S146:NO)、即ちS143で設定した払出モータ24aの駆動量に応じた駆動が終了していれば、ウェイト期間か否か判定する(S152)。ウェイト期間は、払出モータ24aの駆動終了後における払出スイッチ24bの有効期間となる。S152が肯定判定なら(S152:YES)、前述したS147以降の処理を行うが、否定判定なら(S152:NO)、払出モータ24aがS143で設定した駆動量の駆動を終了し、尚且つ払出スイッチ24bの有効期間を終了したにも拘らずS143で設定した駆動量に応じた遊技球数が払出されていない状態(払出カウンタに設定された値に応じた基本賞球払出動作が終了しても、払出カウンタに設定された値に応じた遊技球数が払い出されていない状態)である払出不足状態となる。
従って、S152が否定判定なら(S152:NO)、払出カウンタの残り値に対応した遊技球数(払出し不足分となる遊技球数)を払出す払出モータ24aの駆動量をセットし(S153)、リトライフラグに1をセットし(S154)、リトライカウンタ1とリトライカウンタ2にそれぞれ+1するインクリメント処理を行って(S155、S156)、リトライ動作を開始し(S157)リターンに抜ける。
リトライカウンタ1は、図7を用いて説明した払出不足エラーを判定するために用いるカウンタであり、S153で設定された払出モータ24aの駆動量に応じた1回のリトライ動作を開始する毎にカウント(インクリメント)され、リトライ動作を3回連続しても払出不足が解消されない場合(払出不足エラー状態となった場合)、若しくは3回以内のリトライ動作の実施によって払出不足が解消された場合にカウントした値がクリアされる。
リトライカウンタ2は、図7、図17を用いて説明した不正状態エラーを判定するために用いるカウンタであり、S153で設定された払出モータ24aの駆動量に応じた1回のリトライ動作を開始する毎にカウント(インクリメント)され、リトライカウンタ1と同様にリトライ動作を3回連続しても払出不足が解消されない場合(払出不足エラー状態となった場合)と、図17に示した不正判定の条件となる各設定内の判定期間において、リトライ動作回数が判定値に達した場合(不正状態と判定された場合)にカウントした値がクリアされる。従って、S156のリトライカウンタ2のインクリメント処理が、本願発明のリトライカウント手段に該当する。
リトライカウンタ2においては、不正状態の発生によって計数した値をクリア(リセット)するのは当然であるが、リトライカウンタ1の計数値によって払出不足エラーと判定された場合においても計数した値をクリアする構成となっている(但し、同じ払出に関するエラーでもシュート球切れエラーの発生によってクリアされることは無い)。この理由は、払出不足エラーを解除するためには払出制御装置51に設けられているエラー解除スイッチ76を操作する必要があるからである。
詳しくは、遊技場スタッフが遊技機裏面に配置されたエラー解除スイッチ76を操作するためには、前面枠3を開錠し遊技機の裏面を開放することになるが、このとき稀にしか発生しない払出不足エラーの発生に対して目視によるチェックが当然行なわれる。このため不正行為実行者が不正状態を発生させる前述した特殊なゴト機具を使用していた場合は、該ゴト機具を取り外して不正行為を中断せざるを得ない状況と成るからである。つまり、払出不足エラーの発生直後は、特殊なゴト機具を使って不正行為が実施されている可能性が低いためリトライカウンタ2はリセットされるが、シュート球切れエラーの発生直後は遊技機裏面を確認することなくエラー解除が行なわれることにより、特殊なゴト機具を用いて不正行為が実施されている可能性が残っているため、リトライカウンタ2はリセットされない構成となっている。
従って、エラー解除スイッチ76を操作しなくとも解除できるエラー、言い換えれば前面枠3を開錠しなくても解除可能なシュート球切れエラー等の発生によってリトライカウンタ2の値がクリアされることは無いが、遊技を継続するためにエラー解除スイッチ76の操作が必要なエラー(例えば払出スイッチ異常エラー、過剰払出エラー)発生によってもリトライカウンタ2の値をクリアする構成は考えられる。また、シュート球切れエラーの解除にもエラー解除スイッチ76を操作する構成も考えられるが、シュート球切れエラーの発生頻度は他のエラーよりも高いため、度々遊技を中断しなければならないという問題が発生してしまう。
賞球払出処理の説明に戻り、S141が否定判定(S141:NO)の場合、即ちリトライ動作処理として行われる図15に示すフローチャートについて説明する。この処理は、本願発明におけるリトライ手段と、リトライカウント手段と、カウントリセット手段と、払出不足判定手段と、を含む処理となる。S141が否定判定なら(S141:NO)、リトライ動作開始時にS153で設定した駆動量を払出モータ24aが実施中か否か判定する(S170)。肯定判定なら(S170:YES)、払出スイッチ24bが遊技球を検出したか否か判定し(S171)、肯定判定なら(S171:YES)払出カウンタの値からー1するデクリメント処理(S172)を行った後、払出カウンタの値が0か否か判定し(S173)、否定判定なら(S173:NO)リターンに抜け、肯定判定なら(S173:YES)、即ちS153で確認した払出不足の遊技球の払出が完了(払出不足が解消)したこととなるため、リトライカウンタ1をリセットし(S174)、払出フラグに0をセットし払出モータ24aの駆動を停止させ(S175)、リトライフラグに0をセットして(S176)リターンに抜ける。
S170が否定判定なら(S170:NO)、即ちS153で設定した払出モータ24aの駆動量に応じた駆動が終了していれば、ウェイト期間か否か判定する(S177)。肯定判定なら(S177:YES)、前述したS171以降の処理を行うが、否定判定なら(S177:NO)、リトライ動作による払出しを行なったにも拘らず不足分の遊技球を払出していない状態として、リトライカウンタ1の値が3か否か判定する(S178)。
S178が否定判定なら(S178:NO)、現時点で残っている払出カウンタの値(S153で確認した不足分となる遊技球数が複数であったなら、それまでのリトライ処理による払出しによっていくつかの遊技球が払出された場合があるため再確認)に対応した遊技球数(払出し不足分となる遊技球数)を払出す払出モータ24aの駆動量をセットし(S183)、リトライカウンタ1とリトライカウンタ2にそれぞれ+1するインクリメント処理を行って(S184、S185)、再度リトライ動作を開始し(S186)リターンに抜ける。
S178が肯定判定なら(S178:YES)、即ちリトライ動作による払出しを3回実施しても、払出不足が解消されなかった場合は、払出不足エラー状態と判定され(払出不足判定手段)払出モータ24aを停止させエラーナンバー表示装置に「4」を表示する払出不足エラー処理を行い(S179)、主制御装置50に払出不足エラー信号を送信し(S180)、リトライカウンタ1とリトライカウンタ2の値をリセットし(S181、S182)、S176の処理に移る。S180で主制御装置50に払出不足エラー信号を送信するため主制御装置50からサブ統合制御装置53に同様に払出不足エラー信号が送信され各種ランプLEDと効果音によってもエラー報知が実行される。
以上が実施例1における賞球払出処理となるが、複数の基本賞球払出処理に亘ってリトライ動作による払出回数をカウントするリトライカウンタ2の値は、払出不足エラーが発生時するとS182の処理によってリセットされているが(カウントリセット手段)、リトライ処理による払出しで払出不足が解消された場合(S173:YES)は、リトライカウンタ1のみがリセットされることになる(S174)。
次に図7と図17を用いて説明した不正状態エラーとなるか否かを判定する不正状態判定処理を図16を用いて説明する。この不正状態判定処理は、本願発明における不正判定手段を含む処理となる。不正状態判定処理を開始すると図11で説明した不正判定条件設定処理又は、本処理(不正状態判定処理)のS205、S206によって設定された判定期間(図17の上表の左列)が終了したか否か判定する(S200)。尚、判定期間の終了は、該当する判定期間の最後の基本賞球払出処理で設定された払出カウンタの値が0になった時点とする。
S200が否定判定なら(S200:NO)、即ち判定期間中であれば、リトライカウンタ2の値がS200で判定した判定期間に対応した判定値(図17の上表の右列)に達したか否か判定する(S201)。肯定判定であれば(S201:YES)、不正状態エラーであるとの判断から払出モータ24aを停止させ、異常状態報知LED75を点灯し、エラーナンバー表示装置に「7」を表示する不正状態エラー処理を行い(S202)、主制御装置50に払出状態エラー信号を送信し(S203)、リトライカウンタ2とリトライカウンタ1の値をリセットし(S204、S205)、不正状態の判定条件を新たに設定する処理として設定選択用乱数を取得し(S206)、取得した設定選択用乱数の値に応じて図17の下図に示す設定1から設定4のいずれかを設定し(S207)リターンに抜ける。尚S206、S207の処理内容は、図11のS91、S92と同一内容となる(取得した乱数値に対する設定内容は同じ)。
以上が不正状態判定処理となるが、S203で主制御装置50に不正状態エラーの信号を送信することにより主制御装置50からサブ統合制御装置53にも同様に不正状態エラー信号が送信され、演出図柄表示装置54b、各種ランプLED及び効果音によって不正状態の発生を報知可能な構成となっている。
また、図11に示した不正判定条件設定処理と同様の不正状態を判定する条件の設定がS205、S206によって実施されるが、不正判定条件設定処理では電源投入後の判定条件がランダムに設定され、不正状態判定処理では不正状態エラーの発生後の判定条件がランダムに設定されることになる。従って、各設定契機ではその時点で抽出した乱数値によりランダムに判定条件が設定されるため、前述した特殊なゴト機具が備えるICに予め判定条件を設定して、不正検知を回避しながら不正行為を継続することが不可能となるとともに不正行為を早期に発見する効果を増している。尚、長時間(例えば30分間)に亘って遊技球の払出し(賞球動作、球貸し動作)が行なわれなかった場合には、それまでの判定条件となる払出回数とリトライカウンタ2の値をクリアし、払出制御装置51が新たな賞球データを主制御装置50から受信したことにより不正判定条件を設定する構成とするのが好適である。
次に実施例1における実際の払出モータ24aによる遊技球の払い出し動作を、図18のタイミングチャートを用いて説明する。図9の上のタイミングチャートaは、パチンコ機1の電源投入時、払出過剰エラー解除時に作動する払出モータ24aの動きを表したものである。
上のタイミングチャートaに記載するように、最初の1個目の遊技球を超低速回転により払い出す(A)。このAは最大25ステップ(1ステップ150ms)で遊技球を1個払い出す速度で1個分である。Aの動作終了後、初期パルス終了励磁(15ms)(B)が行われる。1個の遊技球を払い出し、払出カウンタの値が0でない場合には、初期励磁(5ms)(C)が行われ、その後、残っている払出カウンタの値に応じた遊技球の払い出しが行われる(D)。このDでは、払出モータ24aが高速回転と低速回転を繰り返して遊技球の払い出しが行われる。このDは7ステップ(1ステップ6ms)と1ステップ(1ステップ15ms)で遊技球を1個払い出す速度でN−1個分である(Nは1回に払い出す遊技球数(S124又はS126で払出カウンタに加算された値)で1〜15である)。Dの処理後は152msのウェイトを行なう。なお、AとBの動作を合わせて初期パルス確定払出処理と呼び、CとDの動作を合わせて基本賞球払出処理と呼ぶ。
図9の下のタイミングチャートbは通常時(電源投入時、払出過剰エラー解除時以外など)に作動する払出モータ24aの動きを表したものである。タイミングチャートbに示すように記憶した総獲得遊技数(未払いカウンタの値)が15個以下の時は、上のタイミングチャートaの基本賞球払出処理と同じ動作で未払い数分の遊技球の払い出しを行う(bのC、DはaのC、Dと同じ動作)。また、記憶した総獲得遊技数(未払いカウンタの値)が15個を超えている時は、上のタイミングチャートaの基本賞球払出処理と同じ動作で15個分の遊技球の払い出しを行い(bのC、DはaのC、Dと同じ動作)、その後ウェイトを経て残り未払い数分の遊技球を基本賞球払出処理と同じ動作で払い出す(残りの未払い数が15個を超えている場合には再び15個払い出す)。
なお、上記は賞球の払い出し動作について説明したが、貸球の払出し動作も図9のタイミングチャートa、bと同じ動作を行なう。つまり、電源投入時、払出過剰エラー解除時には、初めの1個の遊技球を初期パルス確定払出処理にて払い出し、残りの24個の遊技球を基本球貸払出処理(基本賞球払出処理と同じ動き)で払い出し、通常時には基本貸球払出処理にて25個の遊技球を払い出す。賞球払出と異なるのは、賞球の1回の払い出し動作では最大15個の遊技球が払い出されるのに対し、貸球の1回の払い出し動作では基本25個の遊技球が払い出される部分のみであり、貸球の払出しで払出不足が発生するとリトライ処理が行われる。従って本願発明による効果は球貸払出処理にまで及ぶものである。
次に、リトライ動作(処理)による払出モータ24aの払出動作を図19、図20のタイミングチャートを用いて説明する。なお、リトライ動作とは、上記した基本賞球払出処理を行なったにも係わらず、払い出されるべき遊技球が払い出されなかった場合(払い出されるべき遊技球の数より実際に払い出された遊技球の数のほうが少なかった場合)に再度、払出モータ24aを作動させて不足分の遊技球を払い出す動作である(図15に示した賞球払出処理の一部に該当)。言い換えれば、所定個数(払出カウンタにセットされた値)の払い出し動作を行ったにも係わらず、該所定個数よりも少ない個数(1個も払い出されなかった場合も含む)の遊技球しか払出されなかった場合に、払出されていない個数(未だ払出カウンタに残っている値(S153で確認))分の遊技球の払い出しを行う動作である。なお、払出不足分の遊技球数は基本賞球払出動作終了時の払出カウンタの値を確認することで知ることが出来る(正常に払出が終了すれば払出カウンタの値は0)。
図19に示すようにリトライ動作は、払い出すべき遊技球の数が払い出されなかった基本賞球払出処理後の152msのウェイト後、図18の上のタイミングチャートaに記載した初期パルス確定払出処理(超低速回転)にて、払い出されなかった遊技球の内の最初の1個目の遊技球を払い出す動作を行う(ア)。その後、図9の上のタイミングチャートaに記載した基本賞球払出処理にて払い出されなかった遊技球数から1を引いた数の遊技球を払い出す処理を行なう(イ)。このアの処理とイの処理を合わせて1回のリトライ動作による払出しとなる。
1回のリトライ動作で不足分の遊技球が全て払い出されなかった場合(払出スイッチ24bが遊技球を検出しなかった場合、あるいは払出スイッチ24bが遊技球を検出したが、該検出に応じて払出カウンタの値を減算しても、払出カウンタの値が0にならなかった場合)、再び残った払出カウンタの値に応じてリトライ動作(ア+イ)が行なわれる(2回目のリトライ動作)。この2回目のリトライ動作でも払い出すべき数の遊技球が払い出されなかった場合には、3回目のリトライ動作(ア+イ)が行なわれる。3回目のリトライ動作が終了しても払い出すべき数の遊技球が払い出されなかった場合には、上述した払出不足エラーとなる(図20の右側)。
図20のタイミングチャートの右側は、不足している遊技球の数(払出すべき遊技球の数)が3個の例であり、その3個のうち2個が払出された(払出スイッチ24bに2回検出された)場合であるが、払出すべき3個の遊技球のうちの2個払い出されても、残り1個が払い出されなかったのでエラー(払出不足エラー)となる。つまり、3回のリトライ動作中に払い出すべき数の遊技球全てを払い出さなければ払出不足エラーになる。
図20の左側に記載しているように1回目のリトライ動作にて払い出すべき数の遊技球全てを払い出せば2回目以降のリトライ動作は行なわず当然払出不エラーにならない。なお、1回の基本賞球払出処理により払い出される遊技球の数は最大15個であり、リトライ動作は基本賞球払出処理で払い出されなかった分の遊技球を払い出す処理であるので、1回のリトライ動作でも最大15個の遊技球しか払い出されない(15個を払い出す処理しかしない。)。また、上記では賞球の払い出し動作(リトライ動作)について説明したが、貸球の払い出し動作も同様な動きで遊技球が払い出される。
次に、不正判定条件を図17に示す設定1とした場合の、連続した払出動作時に発生するリトライ処理と各種エラーの発生例と、該発生に応じたリトライカウンタ1と、リトライカウンタ2とのカウント内容と該内容をクリアする契機を図21を用いて説明する。不正状態エラーの判定に用いる不正判定条件に設定1の内容が設定されると、最初に判定期間(A)を実施する(判定期間(A)は、判定期間となる基本賞球払出回数を15回とし、リトライ回数判定回数が10回となる)。
不正判定条件に設定1が設定された後、最初の基本賞球払出処理1を行うと、判定期間(A)の払出回数に1がカウントされる。この基本賞球払出処理1において払出不足が発生した場合、引き続きリトライ処理による払出しが実施され、判定期間(A)の払出回数は1を保持したまま、リトライカウンタ1とリトライカウンタ2の値が1になる。1回のリトライ処理により払出不足が解消(成功)されるとリトライカウンタ1の値はクリアされるが、リトライカウンタ2の値は保持する。
続いて基本賞球払出処理2、3を実施し、判定期間(A)の払出回数が3、リトライカウンタ1の値が0、リトライカウンタ2の値が1を保持している時点で基本賞球払出処理3の払出不足が発生しリトライ処理を実施すると、判定期間(A)の払出回数は3を保持、リトライカウンタ1の値が1、リトライカウンタ2の値が2となる。1回目のリトライ処理で払出不足が解消できない(失敗)と、2回目のリトライ処理を実施しこのときの判定期間(A)の払出回数は3を保持、リトライカウンタ1の値が2、リトライカウンタ2の値が3となる。2回目のリトライ処理でも払出不足が解消できない(失敗)と、3回目のリトライ処理を実施しこのときの判定期間(A)の払出回数は3を保持、リトライカウンタ1の値が3、リトライカウンタ2の値が4となる。
3回目のリトライ処理でも払出不足が解消できない(失敗)と、払出不足エラーとなりエラー処理を行うと共に判定期間(A)の払出回数、リトライカウンタ1の値、リトライカウンタ2の値がクリアされ0となる。従って基本賞球払出回数をカウントする判定期間は、払出不足エラーの発生にともなってクリアされ、設定内容を変更することなく、再度同一設定の最初から判定条件を実施する構成となっている。
続いて払出不足エラーの解除後、改めて判定期間の最初の基本賞球払出処理1、2を実施し、判定期間(A)の払出回数が2、リトライカウンタ1の値が0、リトライカウンタ2の値が0を保持している時点で基本賞球払出処理2の払出不足が発生しリトライ処理を実施すると、判定期間(A)の払出回数は2、リトライカウンタ1の値が1、リトライカウンタ2の値が1となる。1回目のリトライ処理で払出不足が解消(成功)されるとリトライカウンタ1の値はクリアされるが、リトライカウンタ2の値は保持する。続いて基本賞球払出処理3、4を実施すると、判定期間(A)の払出回数が4、リトライカウンタ1の値が0、リトライカウンタ2の値が1を保持した状態となり、次にシュート球切れエラーが発生しても各々の値は保持される。
シュート球切れエラーが解除され(島設備から遊技機に遊技球を送出させるジャバラ部材を揺らす等して遊技球を流しシュートユニット71に遊技球を補給)、各値を保持した状態で基本賞球払出処理5、6、7を実施すると、判定期間(A)の払出回数が7、リトライカウンタ1の値が0、リトライカウンタ2の値が1を保持している状態となる。この状態で基本賞球払出処理7で払出不足が発生しリトライ処理を実施すると、判定期間(A)の払出回数は7、リトライカウンタ1の値が1、リトライカウンタ2の値が2となる。1回目のリトライ処理で払出不足が解消できない(失敗)と、2回目のリトライ処理を実施しこのときの判定期間(A)の払出回数は7を保持、リトライカウンタ1の値が2、リトライカウンタ2の値が3となる。
2回目のリトライ処理で払出不足が解消(成功)されるとリトライカウンタ1の値はクリアされるが、リトライカウンタ2の値は3が保持される。続いて基本賞球払出処理8を実施すると、判定期間(A)の払出回数が8、リトライカウンタ1の値が0、リトライカウンタ2の値が3を保持した状態となるが、基本賞球払出処理8の払出不足が発生しリトライ処理を実施すると、判定期間(A)の払出回数は8を保持し、リトライカウンタ1の値が1、リトライカウンタ2の値が4となる。1回目のリトライ処理で払出不足が解消できない(失敗)と、2回目のリトライ処理を実施しこのときの判定期間(A)の払出回数は8を保持、リトライカウンタ1の値が2、リトライカウンタ2の値が5となる。2回目のリトライ処理でも払出不足が解消できない(失敗)と、3回目のリトライ処理を実施しこのときの判定期間(A)の払出回数は8を保持、リトライカウンタ1の値が3、リトライカウンタ2の値が6となる。
3回目のリトライ処理で払出不足が解消(成功)されるとリトライカウンタ1の値はクリアされるが、判定期間(A)の払出回数8と、リトライカウンタ2の値は6が保持される。続いて基本賞球払出処理9を実施すると、判定期間(A)の払出回数が9、リトライカウンタ1の値が0、リトライカウンタ2の値が6を保持した状態となるが、基本賞球払出処理9の払出不足が発生しリトライ処理を実施すると、判定期間(A)の払出回数は9を保持し、リトライカウンタ1の値が1、リトライカウンタ2の値が7となる。1回目のリトライ処理で払出不足が解消できない(失敗)と、2回目のリトライ処理を実施しこのときの判定期間(A)の払出回数は9を保持、リトライカウンタ1の値が2、リトライカウンタ2の値が8となる。2回目のリトライ処理でも払出不足が解消できない(失敗)と、3回目のリトライ処理を実施しこのときの判定期間(A)の払出回数は9を保持、リトライカウンタ1の値が3、リトライカウンタ2の値が9となる。
3回目のリトライ処理で払出不足が解消(成功)されるとリトライカウンタ1の値はクリアされるが、判定期間(A)の払出回数9と、リトライカウンタ2の値は9が保持される。続いて基本賞球払出処理10を実施すると、判定期間(A)の払出回数が10、リトライカウンタ1の値が0、リトライカウンタ2の値が9を保持した状態となるが、基本賞球払出処理10の払出不足が発生しリトライ処理を実施すると、リトライカウンタ2の値が判定期間(A)の判定回数10に達するため不正状態エラーと判定され不正状態エラー処理が行われると共に判定期間(A)の払出回数、リトライカウンタ1の値、リトライカウンタ2の値がクリアされ0となる。
不正状態エラーが発生した時点で、不正判定条件設定処理が実施され、取得した乱数値に応じて新たに判定条件が設定される。この例では新たに設定4が設定されており判定期間は(B)から始まる。不正状態エラーの解除後、基本賞球払出処理1、2、3が実施されると、設定4の判定期間はBからDに切替わる。以降の設定4では判定期間D、C、Aを順に実施する。
以上が図21に記載したリトライ処理と各種エラーの発生にともなうリトライカウンタ1と、リトライカウンタ2の計数状態例となるが、2回目の判定期間(A)が開始されてから8回目と9回目に実施された基本賞球払出処理時の払出不足は3回目のリトライ処理によって払出不足が解消されており、これは特殊なゴト機具を用いて払出不足エラーを回避しながら不正に遊技球を獲得する状況と一致する(他の払出不足エラーとならなかったリトライ処理についても特殊なゴト機具を使用した可能性はある)。従来機であれば、払出不足状態が解消されれば実施したリトライ処理の回数はクリアされるが(リトライカウンタ1の構成)本願発明におけるリトライカウント手段(リトライカウンタ2)によって払出不足エラーが発生しない場合のリトライ処理の回数はクリアされずにカウントされ、該カウント値が設定された判定期間に応じた判定値(判定回数)に達すると、不正状態を報知する構成となっている。従って払出エラーを回避しながら特殊なゴト機具を使用して故意に払出不足を発生させ不正に遊技球を獲得する行為は、リトライカウンタ2の値が判定値に達することにより報知されるため、不正行為による被害を抑えると共に、上記した不正行為の抑止効果を発揮する。
次に実施例2について説明する。本実施例に於いて遊技機を構成する部品とその電気的接続は実施例1と共通となる。従って、重複する部分の説明は割愛する。本実施例は、払出制御装置51が実行する賞球払出処理の構成が実施例1の構成とは異なる内容となる。従って、主制御装置50に係る処理と、賞球データの送受信については実施例1の援用となるため、本実施例では賞球払出処理と、該処理による具体的な払出モータ24aの動作について具体的に説明するが、これ以外の内容については、特別に説明の無い限り実施例1と共通内容となる。
本実施例は、請求項3、請求項4の発明に該当する構成であり、賞球払出処理において、払出カウンタに例えば1回の払出個数の上限である15が加算されると、1個の遊技球の払出し毎に4個の遊技球を払出す駆動源の駆動量が設定され、回転体が回転する構成となる。詳しくは、図31の(1)から図32の(4)までのように回転体が4個目の遊技球を排出するタイミングまでに、払出検出手段が遊技球を1個検出すると、1個検出した時点で新たに駆動源に4個の遊技球を払出す駆動量が設定され回転体が回転する。遊技球を15個検出するまで遊技球を1個検出する毎に4個の遊技球を払出す駆動源の駆動量の設定を繰り返し、15個の遊技球を検出した時点で(払出カウンタが0になった時点で)駆動源を停止する構成となる(尚、理由は後述するが、未払いカウンタの値が0の場合に限り、基本賞球払出処理の最後の1個の払出動作が払出モータ24aの低速駆動で実施される構成となっている)。
この構成は、最小払出単位である1個の遊技球を払出すために3回の予備払出動作を担保とする構成ともいえ、図31の(2)(3)、図32の(4)のように、たとえ回転体(払出スプロケット24d)が1個目の遊技球を排出するタイミングで払出スイッチ24bが遊技球を検出しなかった場合でも、払出スプロケット24dが遊技球を排出する2個目、3個目、4個目の何れかのタイミングで払出スイッチ24bが遊技球を1個検出すれば正常な払出動作(第2正常払出動作)として基本賞球払出処理を継続する構成である。
従来の賞球払出処理(実施例1の構成)であれば、払出スプロケット24dの回転に応じた遊技球の排出タイミングで払出スイッチ24bが遊技球を1個でも検出しなければ、払出不足が発生したとみなされ(基本賞球払出動作終了時に払出カウンタの値が0にならない)、基本賞球払出動作が終了後にリトライ処理を発生させ、該リトライ処理の実施回数をカウントし払出不足エラーの判定を行なっていた。本実施例では、最小払出単位である1個の遊技球の払出し毎に、1個目の排出タイミングで遊技球を検出しない場合、3回までの払出不良(不足)解消動作(プレリトライ処理)を実施するが、この払出不良(不足)解消動作は正常な払出動作の範囲内(高速払出を実施するための担保)として実施され、払出不足エラーの判定用にカウントされることはない。
このような本実施例の基本的な賞球払出処理に対して、上述した特殊なゴト機具を、この賞球払出処理用にプログラミングして不正に遊技球を得ようとした場合、最小払出単位の1個の球技球を正常に払出す毎に3個の遊技球を不正に得ることが可能となってしまう。具体的には、1個目から3個目までの排出タイミングで正常に遊技球を排出しているにも拘らず、同タイミングにおける払出スイッチ24bを誤動作させ遊技球を未検出とし、4個目の排出タイミングのみ払出検出スイッチ24bを有効に復帰させることによって、不正に3個の遊技球を得ながら正常な払出しを偽装することが可能となる。これは図32の(4)の状態を払出スイッチ24bを誤動作させることにより意図的に作る不正行為である。遊技機としては正常な払出しと判断するため、この不正行為を繰り返しても不正又は他のエラーとして検知されることが無く、これを繰り返すことで大量の遊技球が奪われてしまう。
1個の遊技球の払出動作毎に払出不良(不足)が頻発する状況は、本実施例の賞球払出処理においても払出不足エラーが発生する構成となっており、払出不足エラーが発生せずに払出スイッチ24bの検出タイミングが1個目の排出タイミング以外(第2正常払出動作)となることが頻発する状況は、不正行為が行われている可能性が極めて高い状況といえる。尚、本実施例においてリトライ処理が発生するのは、払出スプロケット24dが4個の遊技球を排出する回転を終了しても払出スイッチ24bが遊技球を1個も検出しない場合であり、このリトライ処理を3回連続しても遊技球が1個検出できない場合は払出不足エラーとなる。従って、従来機(実施例1)に対して不正行為を行うためにプログラミングされたゴト機具で本実施例の遊技機に不正行為を行った場合、直ぐに払出不足エラーが発生する。
実際の本実施例における賞球払出処理では、正常の範囲(払出スプロケット25dが4個の遊技球を排出する範囲内)で1個の遊技球の払出処理が行われた場合でも、どのタイミングで払出スイッチ24bが1個の遊技球を検出したかを判定することにより不正行為を検出可能としている。
以下に本実施例における賞球払出処理の具体的な内容を、図22、23、24、25、26に示したフローチャートを用いて説明する。実施例2においても実施例1と同様に払出制御装置51は主制御装置50から賞球データを受信し未払いカウンタに未払い賞球数を示す値を記憶する。図22に示す賞球払出処理1では、賞球払出処理が開始されると、各種エラーフラグが0になっているか否か判断する(S210)。否定判定つまりエラーが発生しているなら(S210:NO)、エラー処理をするため本ルーチンからリターンする。肯定判定なら(S210:YES)、払い出す賞球数を示す払出カウンタの値が0になっているか否か判断する(S211)。
S211が肯定判定なら(S211:YES)、即ち現時点で払出動作が未実施なら、未払いカウンタの値が0より大きいか否か判断する(S212)。否定判断なら(S212:NO)、未払い賞球が無い状態であり払い出す必要がないため本ルーチンからリターンする。S212が肯定判定なら(S212:YES)、未払いカウンタの値が15以上か否か判定する(S213)。肯定判定なら(S213:YES)、1回で払い出す賞球数の上限は15個であるため、払出カウンタの値に15を加算する(S214)。S214の処理に続いては、過剰球カウンタの値が0か否か判定する(S215)。過剰球とは、未払い賞球分として払出しする遊技球以外に過剰に排出された遊技球であり、払出モータ24aが高速回転で遊技球を払出す場合等に発生する可能性が高い。これは払出モータ24aが高速回転で駆動する場合、複数の遊技球によって生じる球圧によってステッピングモータの脱調が起こり易くなるためである。又、過剰球は払出装置24の故障によっても発生する。
過剰球カウンタは上記状況によって発生した過剰球を計数するカウンタであり、過剰球の記憶に係る処理を、図26に示す過剰球記憶処理を用いて説明する。過剰球記憶処理を開始すると、払出カウンタの値が0か否か判定する(S300)。肯定判定なら(S300:YES)払出スイッチ24bが遊技球を検出したか否か判定する(S301)。肯定判定なら(S301:YES)過剰球カウンタに+1するデクリメント処理を行う(S302)。S302の処理の後、又はS300、S301が否定判定なら(S300:NO、S301:NO)リターンする。
払出カウンタの値が0である状態は、その時点において払出す必要のある未払い賞球数が無い状態であり、その状態にも拘らず払出スイッチ24aが遊技球を検出した場合、検出した遊技球は払出制御装置51の制御によって排出された遊技球ではないことを示す。そのため過剰球としてカウントしその数を過剰球カウンタに記憶する処理を行う。尚、過剰球カウンタの値が所定数となった場合は払出装置24の故障が考えられるため、払出エラーとする構成も考えられる。また、S300の判定の前に未払いカウンタの値が0か否かの判定を行う構成も考えられるが、この判定を加えないことによって、払出装置24の故障等による過剰払出に対しても対応可能な処理となる。
図22のフローチャートに戻り、S215の判定が肯定判定なら(S215:YES)、即ちその時点で過剰球数の記憶がなければ、未払いカウンタの値から15を減算する(S216)。S215が否定判定なら(S215:NO)、払出カウンタの値から過剰球カウンタの値を減算する処理を行い(S217)、過剰球カウンタの値をクリアする(S218)。S217の処理によって、未払い賞球の処理とは関係なく排出された遊技球の数を、未払い賞球分として事後処理することが可能となり、払出された遊技球の数と、未払い賞球として処理された遊技球との差異が発生させない構成となる。即ち過剰な遊技球の払出しをなくすことが可能となる。
S213が否定判定なら(S213:NO)、即ち未払いカウンタに記憶されている値が15未満なら、未払いカウンタに記憶されている値と同一値を払出しカウンタに加算し(S219)、過剰球カウンタの値が0か否か判定する(S220)。肯定判定なら(S220:YES)、未払いカウンタの値をクリアする(S221)。このS221とS216の処理によって、遊技機が記憶する未払い賞球数の数は、未払いカウンタの値と払出しカウンタの値を合計した値となる。S220が否定判定なら(S220:NO)、S215の否定判定時と同様に、払出カウンタの値から過剰球カウンタの値を減算する処理を行い(S217)、過剰球カウンタの値をクリアする(S218)。S221又は、S216の処理の後は、リターンに抜ける。
S211が否定判定なら(S211:NO)、即ち払出カウンタに払出し処理を実施しなければならない未払い賞球がセットされている場合、未払いカウンタの値が0か否か判定する(S222)。肯定判定なら(S222:YES)、払出しカウンタの値が1か否か、即ち、遊技機が記憶する未払い賞球数が残り1個か否かの判定を行う(S223)。S222、S223が共に否定判定なら(S222:NO、S223:NO)、即ち、遊技機が記憶する未払い賞球数が2個以上ならば、図23に示すフローチャートにそって駆動源である払出モータ24aを制御し、遊技球を排出する。S223が肯定判定なら(S223:YES)、即ち、遊技球が記憶する未払い賞球数が1個(未払いカウンタ0、払出カウンタ1)ならば、図24に示すフローチャートにそって駆動源である払出モータ24aを制御し、遊技球を排出する。
S222、S223の否定判定から、図23に示すフローチャートの処理に移行すると、払出装置24が4個の遊技球を排出するために必要な払出モータ24aの駆動量を設定し(S230)、遊技球を払い出すために払出モータ24aを高速で駆動させる(S231)。次にS231の処理に応じて払出スプロケット24dが遊技球の排出を行うため、払出スイッチ24bが遊技球を検出したか否か判定し(S233)。否定判定なら(S233:NO)、払出モータ24aが高速駆動で遊技球を4個払出す駆動量の実行を終了したか否か判定する(S234)。否定判定なら(S234:N0)、S234が肯定判定となるまでS233の判定を繰り返す。
S233が肯定判定なら(S233:YES)、S230の設定に応じた駆動を開始してから払出スプロケット24dが1個目の遊技球を排出するタイミングで払出スイッチ24bが遊技球を検出したか否か判定する(S250)。S249の判定が本願発明の払出状態判定手段に該当する。肯定判定であれば(S250:YES)、本願発明における第1正常払出動作であったことを示し(払出不良(不足)が発生せず払出スイッチ24bが遊技球を検出した正常な払出)、否定判定であれば(S250:N0)、正常範囲内で払出スイッチ24bが遊技球を検出したが、少なくとも1回は払出不良(不足)が発生したことを示す、本願発明における第2正常払出動作をしめす。
肯定判定なら(S250:YES)、S254に進み、否定判定なら(S250:N0)、正常な払出スイッチ24bの遊技球検出は行なわれたが、上述した払出スイッチ24bを誤動作させる不正行為(特殊なゴト機具)が行われている可能性があるものとして第2正常カウンタ1の値と第2正常カウンタ2の値(どちらも本願発明における第2払出カウント手段に該当)に+1するインクリメント処理を行う(S251、S252)。第2正常カウンタ1は1回の基本賞球払出動作中に発生する第2正常払出動作を計数するカウンタであり、1回の基本賞球払出動作中にその値が判定値(本実施例では3)に達するか、又は判定値に達せずとも払出カウンタの値が0になるとクリアされる計数手段(不正判定条件計数手段)である。
従って第2正常カウンタ1は、実施例1におけるリトライカウンタ1と類似した条件で計数とクリアが行なわれるが、リトライカウンタ1は連続した3回のリトライ処理(動作)を実施しても払出不良(不足)が解消されなかった場合に払出不足エラーと判定されたのに対し、本実施例における第2正常カウンタ1は、基本賞球払出動作中に第2正常払出動作が連続してもしなくても計3回実施された時点で不正状態エラーと判定される構成となる。これは、第2正常払出動作が度々発生する状況は、断続的に払出スイッチ24bの未検出状態が発生している状況であり、意図的に払出スイッチ24bが誤動作させられている可能性が高いことより行なわれる判定である。
また、第2正常カウンタ1(第2正常カウンタ2も)は、後述する払出不足エラーが発生した場合にもクリアされる。これは、実施例1で払出不足エラーの発生によりリトライカウンタ2がクリアされたのと同じ理由であり、払出不足エラーの解除には遊技機裏面のエラー解除スイッチ76の操作を必要とするからである。尚、本実施例において不正状態エラーが発生した場合もエラーを解除するにはエラー解除スイッチ76の操作を行なう構成となっている。
第2正常カウンタ2は、実施例1におけるリトライカウンタ2と同様の条件で第2正常払出動作を計数するカウンタであり、複数の基本賞球払出処理に亘って第2正常払出動作を計数し図28に示した判定条件に達するか、又は第2正常カウンタ1の値が1回の基本賞球払出動作中に3回に達した場合(不正状態エラーが発生)にクリアされる(実施例1で払出不足エラーが発生した場合に該当)。従って本実施例の第2正常カウンタ2のインクリメント処理は、実施例1のリトライカウント手段に該当し、図28の判定条件と第2正常カウンタ1による不正状態エラー判定と払出不足エラー判定が実施例1で行ったカウントリセット手段に該当する。
S252の処理に続いては、第2正常カウンタ1の値が3に達したか否か判定する(S253)。この判定処理が本願発明における不正判定手段の一つになる。肯定判定なら(S253:YES)、不正状態であると判定され、エラー処理を行うために図25に示す処理に進み、否定判定なら(S253:NO)、払出カウンタの値から−1するデクリメント処理を行う(S254)。
S234が肯定判定なら(S234:YES)、即ち、払出モータ24aが設定された個数(4個)の遊技球を払い出す駆動量の実行を終了しても払出スイッチ24bが遊技球を未検出なら、払出モータ24aの駆動を停止する処理を行い(S235)、リトライカウンタ1に1を加算する処理を行う(S236)。次に、S230で行った処理と同様に、払出装置24が4個の遊技球を排出するために必要な払出モータ24aの駆動量を設定し(S238)、払出モータ24aをS231で駆動させた速度よりも遅い低速で駆動を開始する(S239)。この低速での払出モータ24aの駆動は、発生した実際の不具合(払出不足)を解消するために行うリトライ処理を、より正確に実施するための制御となる。
S239で払出モータ24aの低速駆動を開始すると、払出スイッチ24bが遊技球を検出したか否か判定する(S240)。肯定判定なら(S240:YES)、リトライ処理によって払出の不具合が解消(払出不足が解消)されたことになり、リトライカウンタ1の値をクリアし(S248)、払出モータ24aをS239で実施した駆動速度よりも更に遅い速度となる超低速で駆動させ(S249)、S250の肯定判定後、又はS253の否定判定後と同様に払出カウンタの値から−1するデクリメント処理を行う(S254)。S254の処理に続いては、払出カウンタの値が0か否か判定し(S255)、肯定判定なら(S255:YES)、第2正常カウンタ1の値に0をセットし(S256)、払出モータ24aの駆動を停止させ(S257)、S257の処理後、又はS255の判定が否定判定なら(S255:NO)リターンに抜ける。尚、S249で実施される超低速駆動は、払出モータ24aの励磁層の位置を確認し、払出スプロケット24dの位置が初期位置とするために実施される処理である。
S240が否定判定なら(S240:NO)、払出モータ24aの低速駆動が、遊技球を4個払出す駆動量を実施したか否か判定する(S241)。否定判定なら(S241:NO)、S241が肯定判定となるまでS240の判定を繰り返す(S233、S234と同様の構成)。S241が肯定判定なら(S241:YES)、言い換えれば、リトライ処理を実施しても不具合(払出不足)が改善されないなら、リトライカウンタの値が3か否か判定し(S242)、否定判定なら(S242:NO)、再度S235の処理に戻りリトライ処理を実施する。従って、リトライ処理によって遊技球の排出が検出されなかった場合には、同様のリトライ処理を最初の1回を含め3回まで繰り返す構成となっている。
S242が肯定判定なら(S242:YES)、即ちリトライ処理を3回繰り返しても遊技球の排出が検出できなかった場合(払出の不具合(不足)が解消されなかった場合)には、払出不足エラー状態と判定され払出モータ24aを停止しエラーナンバー表示装置に「4」を表示する払出不足エラー処理を行い(S243)、主制御装置50に払出不足エラー信号を送信し(S244)、リトライカウンタ1と第2正常カウンタ1と第2正常カウンタ2の値をリセットし(S245、S246、S257)、リターンに抜ける。
このように本実施例でも払出不足エラー状態になると、リトライカウンタ1と、不正行為を検出する第2正常カウンタ1と、第2正常カウンタ2とが共にリセットされるが、第2正常カウンタ1、2がリセットされる理由は、実施例1でリトライカウンタ2をこのタイミングでリセットした理由と同じで有り、払出不足エラーを解除するために実施する手段(ホールスタッフによって遊技機裏面のエラー解除スイッチ76の操作が必要)によって、ゴト行為を中断せざるを得ない状況となるからである。
尚S244で主制御装置50に払出不足エラー信号を送信するため主制御装置50からサブ統合制御装置53に同様に払出不足エラー信号が送信され各種ランプLEDと効果音によってもエラー報知が実行される。尚、払出不足エラー状態は実施例1と同様にエラー解除スイッチ76の操作により解除される。
次に、図22のS223が肯定判定(S223:YES)の場合に実施する、遊技機が記憶する未払い賞球数が1個となった場合の賞球払出処理を図24を用いて説明する。この処理は、図23で説明した内容と処理構成がほぼ同一となるため、異なる箇所のみ詳細に説明し、同一箇所については図23を援用する。S270では、図23のS230と同様に払出装置24が4個の遊技球を排出するために必要な払出モータ24aの駆動量を設定する。次に図23とは異なり、払出モータ24aをS231よりも駆動速度の遅い低速で駆動させる(S271)。これは、残り1個の払出を低速駆動によって正確(実際の不具合の発生頻度を抑えて)に実施するための制御である。
S272の判定処理からS287までの処理と、S288の判定処理からS292までの処理は、図23のS233からS248までとS233からS254までの処理と同一構成となる。但し、S278で実施されるリトライ処理時の払出モータ24aの駆動は、超低速駆動となり図23とは異なる。これにより、低速で実施する最後の1個の払出制御時に不具合が発生した場合は、払出モータ24aの速度を更に遅い速度にしてリトライ処理を実施する構成となる。S292の処理後は、第2正常カウンタ1の値に0をセットし(S293)、基本賞球払出動作が終了(未払いカウンタと払出カウンタとの値が0)したことにより払出モータ24aの駆動を停止し(S294)、S294の処理後、又はS286の処理後、リターンに抜ける。
図23のS253と図24のS291が肯定判定の場合は、不正状態として図25に示す処理を実施する。図25の処理に移ると、不正状態エラーであるとの判断から払出モータ24aを停止させ、異常状態報知LED75を点灯し、エラーナンバー表示装置に「7」を表示する不正状態エラー処理を行い(S300)、主制御装置50に払出状態エラー信号を送信し(S301)、第2正常カウンタ1と第2正常カウンタ2の値をリセットし(S302、S303)、不正状態の判定条件を新たに設定する処理として設定選択用乱数を取得し(S304)、取得した設定選択用乱数の値に応じて図28の下図に示す設定1から設定4のいずれかを設定し(S305)リターンに抜ける(S304、S305の処理内容は、図11のS91、S92と同一内容)。
以上が実施例2において払出制御装置51が実施する賞球払出処理2となる。実施例1の払出制御では、払出モー24aの駆動量(回転角度)設定時に、払出カウンタに設定した値と同一数の遊技球の払出しを実施する駆動量(回転角度)が設定されていた。従って、払出カウンタの値に応じた払出モータ24aの駆動が終了した時点で、払出カウンタの値が0か否かが判定され、否定判定の場合はリトライ処理が実施される構成であった。本実施例では、1個の遊技球を排出するために、遊技球4個の排出動作が設定される(S230、S270)構成になっている。
これの構成により、例えば1個目の排出タイミングから3個目の排出タイミング時に、何らかの原因で払出不良が発生し遊技球が排出されなくても、4個目の排出タイミングで遊技球が排出されれば、正常な動作として払出動作を継続する。従来の構成の場合、基本賞球払出動作の途中に1個(1回)でも払出不良が発生した場合は、該払出不良が実際に発生した時点ではなく、基本賞球払出動作終了後にリトライ処理を実施しなければならず、払出モータ24aは基本賞球払出動作の途中で払出不良が発生した場合でも、払出カウンタに設定された値に応じた駆動量が終了するまで基本賞球払出動作となる駆動を継続していた。それに対して、本実施例の構成は、1個の遊技球の払出しに対して3個の予備払出動作を備えることによって払出不良の発生頻度を抑える効果を備えるものとなる。加えて、1個の遊技球の払出毎に払出不良の判定が実施可能な構成となるため、払出不足(不良)を早期に報知し早期解消を可能とする効果がある。
尚、図23のS250(図24のS288)の判定処理(払出状態判定手段)とS251、S252(S289、S290)のインクリメント処理(第2払出カウント手段)によって、払出スイッチ24bを誤動作させる不正行為の検出を可能としており、S253(S291)の判定処理(不正判定手段の一つ)では第2正常カウンタ1の値を基にして1回の基本賞球払出動作中の不正を判定し、後述する不正状態判定処理2では第2正常カウンタ2の値を基にして、複数回の基本賞球払出動作に亘って実施される不正を判定している。
次に、本実施例における不正状態判定処理2と不正状態判定の条件設定内容について図27と図28を用いて説明する。図27と図28の内容は、実施例1で説明した図16と図17の内容とほぼ同内容であり、図27と図16で異なるのは図27のS311で判定される内容が第2正常カウンタ2の値であることと、S314、S315でクリアされるのがリトライカウンタ2、1の値ではなく第2正常カウンタ2、1の値となる箇所である。また、図28と図17の内容で異なるのは、実施例1で判定回数の対象となったのがリトライカウンタ2の値であるのに対して、実施例2では第2正常カウンタ2となっている箇所のみであり、その条件となる値についてはどちらも同じ内容となっている。
図27に示す不正状態判定処理2は、不正状態を検出するための判定対象を第2正常カウンタ2としているが、実施例1の不正状態判定処理で検出した不正内容(1回の基本賞球払出動作内で実施される払出不足検出や不正状態検出を回避しながら、複数の基本賞球払出処理に亘って払出スイッチ24bを誤動作させ不正に遊技球を得る不正行為)と同一の不正内容を検出する処理である。そのため、AからDの判定期間に対応する第2正常カウンタ2の値と、AからDを組み合わせた設定1から設定4の組み合わせ順は実施例1と同一の内容となる。従って、実施例1で説明したように、エラーを回避しながら時間をかけて断続的に不正を実行する場合も、同様にエラーを回避しながら短時間で不正を実行する場合も早期に不正状態の検出が可能となる。
また、不正判定条件が設定される(複数種類の中から選択される)契機も実施例1と同一であり、パチンコ遊技機1に電源が投入されてから払出制御装置51が主制御装置50から最初に賞球データを受信した時と、不正状態エラー発生時とで行なわれる。また、実施例1と同様に払出不足エラー発生時と、100回の基本賞球払出処理が行われる期間に亘って第2正常払出処理が発生しないことを契機に、その時点の設定に対する判定条件をクリアする処理が行われる。
次に、払出制御時の払出モータ24aの動作を図29、図30のタイミングチャートを用いて説明する。本実施例の遊技機では、未払いカウンタの値が15よりも大きな値の場合、払出カウンタに15がセットされ(S214)、1回の(一連の)基本賞球払出処理によって15個の遊技球が払出される。この場合の払出モータ24aは、図29に示すように、払出カウンタに15がセット(加算)されると高速で駆動を開始し(S231)、リトライ処理が発生しなければ払出カウンタの値が0になるまで高速駆動を維持し、払出カウンタの値が0になった時点で駆動を停止する(S253)。この払出動作は、図23で説明したフローチャートに沿って制御される。
払出カウンタに15以下の値がセット(加算)され(S219)未払いカウンタの値が0を保持した状態の場合、払出モータ24aは、高速で駆動を開始し(S231)、リトライ処理が発生しなければ払出カウンタの値が1になるまで高速駆動を維持し、払出カウンタの値が1になった時点から低速駆動を行う(S271)。この低速駆動は払出カウンタの値が0になるまで維持され、払出カウンタの値が0になった時点で駆動を停止する(S290)。この払出動作は、図24で説明したフローチャートに沿って制御される。
従来(例えば実施例1)は、毎回の基本賞球払出動作の終了時(その基本賞球払出動作の最後の1個を払出す時)はモータの低速駆動(通常時よりも減速した速度)で遊技球の払出を行っていたが(図29に示す(A)部)、本実施例の遊技機では、未払いカウンタの値が0の場合のみ最後の1個の払出動作を低速駆動とする。従って、(A)部が高速駆動となった分、払出動作の高速化の効果がある。図28の払出モータ24a停止部(C)は、高速駆動からの停止であるため(S253)、払出カウンタに設定された値として計数できない過剰な遊技球を排出する危惧があるが、過剰球が発生しても前述した前述した過剰球記憶処理による過剰球カウンタの計数とS215、S220、S217、S128の過剰球減算処理によって、遊技機が記憶する未払い賞球数以上の遊技球は払出されない。
図30の上図は、払出カウンタの値に15がセット(加算)された場合の払出モータ24aの駆動速度と駆動量の設定タイミングを示すタイムチャートである。払出カウンタの値に15が加算されると(S214)、払出モータ24aには4個の遊技球を払出すまでの駆動量が設定され(S230)高速駆動を開始する(S231)。払出スイッチ24bが遊技球を1個検出すると、払出モータ24aは再度4個の遊技球を払出すまでの駆動量が設定され高速駆動を開始する。遊技球をトータル15個検出するまで、払出スイッチ24bの1個の遊技球の検出毎に払出モータ24aの駆動量(4個払出す)が設定され、払出モータ24aは高速での駆動を維持する。未払いカウンタの値が0の場合は(B)、払出スイッチ24bが14個目の遊技球を検出してから15個目の遊技球を検出するまで払出モータ24aの駆動速度は低速になる(S271)。
図30の下図は、リトライ処理時の払出モータ24aの駆動速度と駆動量の設定タイミングを示すタイムチャートである。払出モータ24aが高速駆動で4個の遊技球を払出す駆動量を実行しても、払出スイッチ24bが遊技球を未検出の場合、払出モータ24aには4個の遊技球を払出すまでの駆動量が設定され払出モータ24aは低速駆動を開始する(リトライ動作)。リトライ動作によって払出スイッチ24bが遊技球を検出すると、払出モータ24aは超低速駆動で高速回転開始時の初期位置まで回転し、図30の上図の動作を再開する。払出不足(払出スイッチ24bの遊技球未検出)が払出モータ24aの低速駆動時に発生した場合は、リトライ処理時の払出モータ24aは超低速駆動となる。また、リトライ処理を実施したにも拘らず遊技球が未検出の場合は、再度リトライ処理を繰り返すが、リトライ処理を3回行っても遊技球を検出できない場合は、払出不足エラー処理を行う(S243又はS282)。
以上が実施例2の説明となる。本実施例では、正常な払出しを偽装しながら払出スイッチ24bを誤動作させる不正行為を検出する手段として、払出不足(不良)が発生している正常な払出し(第2正常払出動作)の回数を計数したが、払出スイッチ24bの検出を誤動作させて得た遊技球数を計数し判定条件とする構成も考えられる。
具体的には、図23のS250(及び図24のS288)の判定において遊技球を検出するまでの払出モータ24aの駆動量(駆動時間)を、1個の排出タイミングから4個の排出タイミングまでそれぞれ判定し、2個の排出タイミングなら第2正常カウンタ2に1をプラスし、3個の排出タイミングなら第2正常カウンタ2に2をプラスし、4個の排出タイミングなら第2正常カウンタ2に3をプラスする処理構成とする。これにより第2正常カウンタ2に計数される値は、不正に得た遊技球数を示す値となるため、例えば第2正常カウンタの値が所定期間で10増加したら不正状態と判定する処理を行ってもよい。
実施例1でも同様に、リトライ処理を実施することになる払出カウンタの残りの値、即ち払出スイッチ24bが未検出となった遊技球数を合算し、不正に得たであろう遊技球数が判定値となったことを条件として不正状態エラーとする構成が考えられる。