以下、パチンコ遊技機に具体化した一実施形態について説明する。以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、後(裏)の各方向は、パチンコ遊技機で遊技を行う遊技者新清洲駅から見たときの各方向を指すものとする。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠11を備えている。パチンコ遊技機10は、外枠11を介して、遊技場などの遊技機設置設備(所謂、島設備)に設置される。パチンコ遊技機10は、外枠11の開口部の前面側に中枠12を備えている。中枠12は、外枠11に対して開閉自在に組み付けられている。パチンコ遊技機10は、中枠12の前面側に前枠13を備えている。前枠13は、中枠12に対して開閉自在に組み付けられている。
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備えている。遊技盤YBは、中枠12に組み付けられている。遊技盤YBは、その前面側に、遊技媒体としての遊技球が流下する遊技領域YBaを備えている。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDを備えている。発射ハンドルHDは、遊技球を遊技領域YBaへ打ち出すときに操作される。
パチンコ遊技機10は、装飾ランプLAを備えている。装飾ランプLAは、発光体の発光により各種の報知及び各種の演出を実行可能である。以下の説明では、発光体の発光による演出を「発光演出」と示す。なお、本明細書における「発光」には、点灯、点滅、及び消灯を含む。また、以下の説明では、装飾ランプLAの発光体が発光することを、単に「装飾ランプLAが発光する」と示す場合がある。装飾ランプLAは、例えば、外枠11や遊技盤YBに設けられる。パチンコ遊技機10は、スピーカSPを備えている。スピーカSPは、音声の出力により各種の報知及び各種の演出を実行可能である。以下の説明では、音声の出力による演出を「音声演出」と示す。なお、本明細書における「音声」には、人や動物の声、効果音、及び楽曲などを含む。スピーカSPは、例えば、外枠11に設けられる。
パチンコ遊技機10は、前枠13の前面側に、遊技媒体としての遊技球を貯留する上皿14を備えている。パチンコ遊技機10は、上皿14から溢れた遊技球を貯留する下皿15を備えている。
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、所定の情報を表示可能な情報表示装置16を備えている。情報表示装置16は、遊技盤YBにおいて、遊技者が視認可能な位置に設けられている。
情報表示装置16は、特別図柄表示部16aを備えている。特別図柄表示部16aは、所定の図柄を変動表示させるとともに、最終的に特別図柄を確定停止表示させる特別図柄変動ゲームを表示する。以下の説明では、特別図柄変動ゲームを略して「特別ゲーム」と示す。特別図柄は、後述する大当り抽選の結果を報知するための図柄である。特別図柄表示部16aにおいて導出可能な特別図柄には、大当り表示結果としての大当り図柄と、はずれ表示結果としてのはずれ図柄とが少なくともある。特別ゲームにおいて大当り図柄が導出された場合、遊技者は、大当りを認識可能である。特別ゲームにおいてはずれ図柄が導出された場合、遊技者は、はずれを認識可能である。本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選すると、特別ゲームにおいて大当り図柄が導出された後、該大当りの特別ゲームの終了後に、大当り遊技が付与される。詳しくは後述するが、大当り遊技は、所定の入賞口が開放され、遊技者が多数の賞球やその他の特典を獲得し得るため、遊技者にとって極めて有利な状態である。
情報表示装置16は、特別保留表示部16bを備えている。特別保留表示部16bは、始動条件が成立したが未だ実行条件が成立していないことで、その実行が保留されている特別ゲームの回数を認識可能に表示する。以下の説明では、保留中の特別ゲームの回数を「特別保留数」と示す。例えば、特別保留数の最大値は「4」である。
情報表示装置16は、普通図柄表示部16cを備えている。普通図柄表示部16cは、所定の図柄を変動表示させるとともに、最終的に普通図柄を導出させる普通図柄変動ゲームを表示する。普通図柄は、後述する普通当り抽選の結果を報知するための図柄である。以下の説明では、普通図柄変動ゲームを略して「普通ゲーム」と示す。普通図柄表示部16cにおいて導出可能な普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄とが少なくともある。普通ゲームにおいて普通当り図柄が導出された場合、遊技者は、普通当りを認識可能である。普通ゲームにおいて普通はずれ図柄が導出された場合、遊技者は、普通はずれを認識可能である。本実施形態では、普通当り抽選に当選すると、普通ゲームにおいて普通当り図柄が導出された後、該普通当りの普通ゲームの終了後に、普通当り遊技が付与される。詳しくは後述するが、普通当り遊技は、遊技者が特別ゲームの始動条件を成立させ易くなることから、遊技者にとって有利な状態である。
情報表示装置16は、普通保留表示部16dを備えている。普通保留表示部16dは、始動条件が成立したが未だ実行条件が成立していないことで、その実行が保留されている普通ゲームの回数を認識可能に表示する。以下の説明では、保留中の普通ゲームの回数を「普通保留数」と示す。例えば、普通保留数の最大値は「4」である。
パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを備えている。演出表示装置EHは、画像を表示可能な表示領域としての画像表示部を有し、該画像表示部に画像を表示させることにより各種の報知及び各種の演出を実行可能である。以下の説明では、画像の表示による演出を「表示演出」と示す。画像表示部は、例えば、液晶パネルであってもよいし、有機ELパネルなどであってもよい。
演出表示装置EHでは、表示演出の1つとして、演出図柄を複数列で変動表示させるとともに、最終的に演出図柄の組み合わせを導出させる演出図柄変動ゲームを実行可能である。演出図柄変動ゲームでは、リーチ演出や予告演出といった表示演出が行われる場合がある。以下の説明では、演出図柄変動ゲームを略して「演出ゲーム」と示す。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口している第1始動入賞口21を備えている。第1始動入賞口21は、遊技球を入球させることができるように、常に開口している。なお、以下の説明では、入賞口に遊技球が入球することを「入賞」と示す場合がある。パチンコ遊技機10は、第1始動入賞口21へ入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1を備えている(図6に示す)。本実施形態では、遊技球が第1始動センサSE1によって検知されると、特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、賞球として予め定めた個数の遊技球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口している第2始動入賞口22を備えている。パチンコ遊技機10は、第2始動入賞口22へ入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2を備えている(図6に示す)。本実施形態では、遊技球が第2始動センサSE2によって検知されると、特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、賞球として予め定めた個数の遊技球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技球が第2始動入賞口22へ入球不能な閉状態、及び遊技球が第2始動入賞口22へ入球可能な開状態を取り得る普通可変部材23を備えている。閉状態は、遊技球が第2始動入賞口22へと入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、普通可変部材23を動作させる第1アクチュエータA1を備えている(図6に示す)。普通可変部材23は、普通当り遊技において、開状態に動作される。このため、普通当り遊技では、特別ゲームの保留条件を成立させ易くなる。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口している大入賞口24を備えている。パチンコ遊技機10は、大入賞口24へ入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3を備えている。カウントセンサSE3は、本実施形態では、遊技球がカウントセンサSE3によって検知されると、賞球として予め定めた個数の遊技球の払出条件が成立する。
パチンコ遊技機10は、遊技球が大入賞口24へ入球不能な閉状態、及び遊技球が大入賞口24へ入球可能な開状態を取り得る特別可変部材25を備えている。閉状態は、遊技球が大入賞口24へと入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、特別可変部材25を動作させる第2アクチュエータA2を備えている(図6に示す)。特別可変部材25は、所定の当り遊技(本実施形態では大当り遊技)において、開状態に動作される。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに、遊技球が通過(入球)可能なゲート26を備えている。ゲート26は、ゲート26を通過する遊技球を検知するゲートセンサSE4を備えている。本実施形態では、遊技球がゲートセンサSE4によって検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る。
次に、図3を用いて、パチンコ遊技機10の機裏側の構成を説明する。なお、図3では、説明の便宜上、遊技盤YBや演出表示装置EHなどの一部の遊技部品を省略して図示している。
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、中枠12の裏側の上部において、遊技球を貯留する貯留部30を有する。パチンコ遊技機10は、中枠12の裏側の上部において、貯留部30に貯留された遊技球を1列に整列する整列部31を有する。パチンコ遊技機10は、中枠12の裏側において、整列部31により整列された遊技球を下方に案内する案内部32を有する。パチンコ遊技機10は、案内部32により案内された遊技球を上皿14又は下皿15に払い出す払出動作を行う払出ユニット40を有する。
図4に示すように、払出ユニット40は、所定の動作が可能な払出動作部41を有する。払出ユニット40は、払出動作部41を動作させることにより、遊技球を払い出す払出動作が可能である。本実施形態において、払出ユニット40は、遊技媒体を払い出す払出機構に相当し、払出動作部41は、遊技媒体を払い出す際に動作する動作部に相当する。
払出ユニット40は、その内部に遊技球が通過可能な特定の通路としての球通路40aを有する。球通路40aは、全体として上下方向に延びる通路であって、左右方向及び前後方向において同時に2球以上の遊技球が並ばない幅に形成された通路である。このため、遊技球は、球通路40aにおいて1列に整列される。本実施形態において、球通路40aにおける遊技球の進行方向D1は、鉛直方向である。
払出動作部41は、球通路40aに沿って延びる円柱状の軸部42と、軸部42から球通路40aに突出する突出部43を有している。このため、遊技球は、球通路40aにおいて突出部43に接触した状態で保持されることがある。なお、上述したように、遊技球は、球通路40aにおいて1列に整列されるため、整列している遊技球のうち先頭の遊技球が突出部43に接触した状態で保持され、後続の遊技球は先頭の遊技球に接触した状態で保持される。本実施形態の突出部43は、パチンコ遊技機10を平面視したときに右回り(時計回り)の螺旋を描くように鉛直方向下方に向かって延びる螺旋状の部分である。なお、以下の説明では、突出部43のうち、遊技球の進行方向D1とは反対側(パチンコ遊技機10の上側)の端部を上端部43aと示し、遊技球の進行方向D1側(パチンコ遊技機10の下側)の端部を下端部43bと示す。なお、突出部43は、軸部42の周りを1周する長さの螺旋であり、その鉛直方向の長さ(螺旋のピッチ)は、遊技球1球の直径と同一又は略同一である。
払出動作部41は、遊技球の進行方向D1に沿って伸びる回転軸を中心として所定の回転方向R1に回転することにより、球通路40aに突出する突出部43の位置(以下、突出位置P1と示す)が遊技球の進行方向D1側に変位するように構成されている。本実施形態において、回転方向R1は、パチンコ遊技機10を平面視したときに左回り(反時計回り)となる方向である。具体的に、払出動作部41は、突出部43の上端部43aが球通路40aに突出している状態で、球通路40aにおける先頭の遊技球と接触する(図4(a))。また、払出動作部41は、回転方向R1に回転することに伴って、突出部43の突出位置P1が進行方向D1側に変位するように構成されている(図4(b),(c))。このため、払出ユニット40では、払出動作部41の突出部43と接触している遊技球も進行方向D1側に移動する。そして、払出動作部41は、突出部43の下端部43bが球通路40aに突出している状態からさらに回転方向R1に回転することにより、下端部43bが球通路40aに突出しなくなる一方で、上端部43aが球通路40aに突出するように構成されている(図4(d))。このため、払出ユニット40では、払出動作部41の突出部43の下端部43bが遊技球と接触している状態からさらに払出動作部41を回転方向R1に回転した場合、下端部43bと接触していた遊技球が払い出される一方で、次の遊技球が上端部43aと接触して保持される。
本実施形態の払出動作部41は、突出部43の上端部43aが遊技球と接触した状態から回転方向R1に1回転することで、上端部43aと接触していた遊技球を払い出すように構成されている。即ち、本実施形態の払出ユニット40は、払出動作部41が回転方向R1に1回転することで、球通路40aにおいて1列に整列している遊技球のうち先頭の遊技球を払い出す一方で、先頭の遊技球の次の遊技球を保持するように構成されている。言い換えれば、本実施形態において、払出ユニット40は、払出動作部41を回転方向R1に1回転させた場合に、1球の遊技球を払い出す一方で、2球以上の遊技球を払い出さないように構成されている。
また、払出ユニット40は、払出動作部41を動作させる払出モータ44を有する(図6に示す)。本実施形態において、払出モータ44は、動作部を動作させる駆動手段に相当する。
ここで、図5を用いて、払出動作部41の動作と払出モータ44の関係について詳しく説明する。
図5(a)に示すように、払出モータ44は、複数の巻線(コイル)を備えており、通電する(電流を流す)巻線を切り替えることによって磁力を発生させるように構成されたステッピングモータである。以下の説明では、巻線に通電することで磁力を発生させている状態を「励磁状態」と示す。本実施形態の払出モータ44は、第1の巻線~第4の巻線の計4相の巻線を有する。以下の説明では、複数の巻線のうち第1の巻線及び第2の巻線に通電する状態を「第1第2励磁状態」と示す。同様に、複数の巻線のうち第2の巻線及び第3の巻線に通電する状態を「第2第3励磁状態」と示し、第3の巻線及び第4の巻線に通電する状態を「第3第4励磁状態」と示し、第1の巻線及び第4の巻線に通電する状態を「第4第1励磁状態」と示す。なお、図中では、「ON」が巻線に通電している状態を示しているとともに、「OFF」が巻線に通電していない状態を示している。即ち、第1の巻線と第2の巻線が「ON」となっている状態が第1第2励磁状態に相当する。同様に、第2の巻線と第3の巻線が「ON」となっている状態が第2第3励磁状態に相当し、第3の巻線と第4の巻線が「ON」となっている状態が第3第4励磁状態に相当し、第1の巻線と第4の巻線が「ON」となっている状態が第4第1励磁状態に相当する。
払出動作部41は、常には予め定めた原位置に位置している。払出動作部41が原位置に位置しているときの払出モータ44の励磁状態は、第1第2励磁状態である。そして、払出動作部41は、払出モータ44の励磁状態が第1第2励磁状態→第2第3励磁状態→第3第4励磁状態→第4第1励磁状態→第1第2励磁状態→・・・の順で切り替えられる毎に、所定の動作量(回転量)だけ回転方向R1に回転するようになっている。このとき、払出動作部41の動作量は、第1第2励磁状態から第2第3励磁状態に切り替えられるときと、第2第3励磁状態から第3第4励磁状態に切り替えられるときと、第3第4励磁状態から第4第1励磁状態に切り替えられるときと、第4第1励磁状態から第1第2励磁状態に切り替えられるときと、で同一である。なお、本実施形態において、払出モータ44は、常に第1第2励磁状態→第2第3励磁状態→第3第4励磁状態→第4第1励磁状態→第1第2励磁状態→・・・の順で励磁状態が切り替えられるようになっている。即ち、本実施形態において、払出動作部41は、回転方向R1と逆方向には回転しないように構成されている。
以下の説明では、払出モータ44の励磁状態が1回だけ切り替えられたときに払出動作部41が動作する所定の動作量を「1ステップ」と示すとともに、払出動作部41がNステップ(Nは正の整数)だけ回転方向R1に動作することを「Nステップ動作する」と示す。また、以下の説明では、払出動作部41の原位置を「0ステップ位置」と示す。さらに、以下の説明では、払出動作部41を原位置から回転方向R1にNステップだけ回転させたときの位置を「Nステップ位置」と示す。例えば、払出動作部41を原位置から4ステップ動作させたときの位置は、「4ステップ位置」となる。本実施形態において、払出動作部41は、原位置から20ステップ動作した場合に、1回転して原位置に復帰するように構成されている。即ち、本実施形態において、20ステップ位置は、原位置(0ステップ位置)となる。
以上のような構成により、本実施形態において、第1第2励磁状態であるときの払出動作部41の位置は、0ステップ位置、4ステップ位置、8ステップ位置、12ステップ位置、及び16ステップ位置の何れかとなる。同様に、第2第3励磁状態であるときの払出動作部41の位置は、1,5,9,13,17ステップ位置の何れかとなり、第3第4励磁状態であるときの払出動作部41の位置は、2,6,10,14,18ステップ位置の何れかとなり、第4第1励磁状態であるときの払出動作部41の位置は、3,7,11,15,19ステップ位置の何れかとなる。
そして、図5(b)に示すように、本実施形態の払出動作部41は、原位置(0ステップ位置)から回転方向R1に1回転する場合、3~6ステップ位置のうち何れかのステップ位置となったときに下端部43bが球通路40aに突出しなくなることにより先頭の遊技球を払い出し、その後に再び原位置に復帰するように構成されている。即ち、遊技球を払い出す払出位置は、3~6ステップ位置の何れかである。本実施形態において、払出ユニット40は、払出動作部41を3~6ステップ位置に動作させることにより1球の遊技球を払い出すように構成されている。なお、3~6ステップ位置のうち何れのステップ位置が払出位置となるかは、払出動作部41の個体差などによって異なる場合がある。一方、本実施形態において、払出動作部41は、0~2ステップ位置である場合、及び7~19ステップ位置である場合には、突出部43が先頭の遊技球と接触することで先頭の遊技球を払い出さないように構成されている。即ち、本実施形態において、0~2ステップ位置及び7~19ステップ位置は、遊技球を払い出さない非払出位置に相当する。本実施形態において、払出位置に位置しているときの払出動作部41の状態は、遊技球が球通路40aを通過可能な第1状態に相当し、非払出位置に位置しているときの払出動作部41の状態は、遊技球が球通路40aを通過不能な第2状態に相当する。即ち、本実施形態において、払出動作部41は、遊技球が球通路40aを通過可能な第1状態及び遊技球が球通路40aを通過不能な第2状態を取り得る動作手段に相当する。
以上のように、払出動作部41は、該払出動作部41が原位置(0ステップ位置)から回転方向R1に回転する場合に、原位置→原位置とは異なる非払出位置→払出位置→原位置とは異なる非払出位置→原位置の順で動作するように構成されている。また、本実施形態において、払出動作部41が回転方向R1に回転する場合、払出位置が3~6ステップ位置の何れであっても、原位置から払出位置まで動作するときの動作量は、払出位置から原位置まで回転するときの動作量よりも小さい。
パチンコ遊技機10は、払出ユニット40が払い出す遊技球を検知する払出検知手段としての払出センサSE5を備えている(図6に示す)。言い換えれば、本実施形態において、払出センサSE5は、球通路40aを通過した遊技球を検知する検知手段に相当する。払出センサSE5は、払出ユニット40から払い出された遊技球を上皿14又は下皿15に導く図示しない通路に設けられている。
次に、パチンコ遊技機10における大当りについて説明する。
この実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備えている。複数種類の大当り図柄には、それぞれ大当り遊技の種類が定められている。
大当り遊技では、大当り遊技の開始を報知するオープニング演出が行われた後、大入賞口24を開放するラウンド遊技が行われる。ラウンド遊技は、予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技において、大入賞口24は、予め定めた上限個数の遊技球が入賞する第1条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2条件のうち何れかの条件が成立する迄の間にわたって開放される。ラウンド遊技では、所定の演出が行われる。そして、大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技の終了を報知するエンディング演出が行われる。大当り遊技は、エンディング演出の終了に伴って終了される。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図6に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に、主制御基板100を備えている。主制御基板100は、所定の処理を行い、当該処理の結果に応じて、情報(制御コマンド)を出力する。パチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に、副制御基板200を備えている。副制御基板200と、主制御基板100とは、主制御基板100から副制御基板200へと一方向に制御コマンドを出力可能となるように接続されている。副制御基板200は、主制御基板100から入力した制御コマンドに基づいて所定の処理を実行する。パチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に、払出制御基板300を備えている。払出制御基板300と、主制御基板100とは、双方向に制御コマンドを出力可能となるように接続されている。払出制御基板300は、主制御基板100から入力した遊技球の払出を指示する制御コマンド(以下、払出指定コマンドと示す)に基づいて払出ユニット40を制御し、遊技球を払い出す。
まず、主制御基板100について詳しく説明する。
主制御基板100は、主制御CPU100aと、主制御ROM100bと、主制御RAM100cと、を備えている。主制御CPU100aは、主制御プログラムを実行することによって、所定の処理を行う。主制御ROM100bは、主制御プログラム、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。主制御RAM100cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、主制御RAM100cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、主制御基板100は、図示しない乱数生成回路を備えており、ハードウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、主制御基板100は、主制御CPU100aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。
主制御CPU100aと、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、カウントセンサSE3、及びゲートセンサSE4とは、接続されている。主制御CPU100aは、各センサが遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU100aと、情報表示装置16とは、接続されている。主制御CPU100aは、情報表示装置16の表示内容を制御可能に構成されている。主制御CPU100aと、第1アクチュエータA1とは、接続されている。主制御CPU100aは、第1アクチュエータA1の動作を制御することによって、普通可変部材23の動作を制御可能である。主制御CPU100aと、第2アクチュエータA2とは、接続されている。主制御CPU100aは、第2アクチュエータA2の動作を制御することによって、特別可変部材25の動作を制御可能である。
次に、副制御基板200について詳しく説明する。
副制御基板200は、副制御CPU200aと、副制御ROM200bと、副制御RAM200cと、を備えている。副制御CPU200aは、副制御プログラムを実行することにより、所定の処理として、演出に関する処理などを行う。副制御ROM200bは、副制御プログラムや、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM200bは、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、音声演出に用いる音声演出データ、及び、可動体演出に用いる可動体演出データを記憶している。副制御RAM200cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RAM200cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、副制御基板200は、副制御CPU200aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、副制御基板200は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
副制御CPU200aと演出表示装置EHとは、接続されている。副制御CPU200aは、演出表示装置EHの表示内容を制御可能に構成されている。副制御CPU200aと装飾ランプLAとは、接続されている。副制御CPU200aは、装飾ランプLAの発光態様を制御可能に構成されている。副制御CPU200aとスピーカSPとは、接続されている。副制御CPU200aは、スピーカSPによる音声の出力態様を制御可能に構成されている。
次に、払出制御基板300について詳しく説明する。
払出制御基板300は、払出制御CPU300aと、払出制御ROM300bと、払出制御RAM300cと、を備えている。払出制御CPU300aは、払出制御プログラムを実行することにより、遊技球を払い出す処理などを行う。払出制御ROM300bは、払出制御プログラムなどを記憶している。払出制御RAM300cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、払出制御RAM300cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。
払出制御CPU300aと払出ユニット40とは、接続されている。払出制御CPU300aは、払出ユニット40の払出モータ44を駆動させることにより、払出動作部41の動作を制御可能に構成されている。払出制御CPU300aと払出センサSE5とは、接続されている。払出制御CPU300aは、払出センサSE5が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。即ち、本実施形態において、払出制御CPU300aは、遊技球の払出しに関する制御を行う制御手段に相当するとともに、払出ユニット40を制御する払出制御手段に相当する。
また、払出制御基板300は、操作可能な操作手段としてのエラー解除スイッチSWを備えている。エラー解除スイッチSWは、後述する払出エラーの報知を終了させるときに操作される操作手段である。エラー解除スイッチSWは、例えばプッシュ式の操作手段である。払出制御CPU300aは、エラー解除スイッチSWが操作されたときに出力される操作信号を入力可能に構成されている。
次に、主制御CPU100aが行う処理について説明する。
主制御CPU100aは、第1始動入賞口21に入賞した遊技球が第1始動センサSE1により検知されたことを契機として乱数を取得するとともに、該乱数を用いて大当り抽選を行う。また、主制御CPU100aは、第2始動入賞口22に入賞した遊技球が第2始動センサSE2により検知されたときについても同様に大当り抽選を行う。主制御CPU100aは、大当り抽選の結果に基づいて特別図柄表示部16aを制御し、特別ゲームを実行させる。主制御CPU100aは、大当り抽選に当選した場合、特別ゲームにおいて大当り図柄を導出させる一方で、大当り抽選に当選していない場合、特別ゲームにおいてはずれ図柄を導出させる。なお、主制御CPU100aは、大当り抽選に当選した場合には、特別ゲームにおいて導出させる大当り図柄を、乱数を用いた抽選により決定する。また、主制御CPU100aは、特別ゲームにおいて導出させる特別図柄を特定可能な制御コマンドや、特別ゲームの変動時間を特定可能な制御コマンドを生成し、副制御基板200に出力する。
主制御CPU100aは、大当り抽選に当選した場合、特別ゲームにおいて大当り図柄を導出させたのち、大当り遊技を付与する制御を行う。具体的に、主制御CPU100aは、ラウンド遊技において、所定時間を上限時間として大入賞口24が開放されるように、第2アクチュエータA2を制御する。そして、主制御CPU100aは、予め定めた回数のラウンド遊技が終了した場合、大当り遊技を終了させる。また、主制御CPU100aは、オープニング演出の実行を指示する制御コマンドや、エンディング演出の実行を指示する制御コマンドを生成し、副制御基板200に出力する。
また、主制御CPU100aは、遊技球の払出条件が成立すると、所定個数の遊技球を払い出すことを指示する払出指定コマンドを生成し、払出制御基板300に出力する。本実施形態において、主制御CPU100aは、賞球の払出しの対象となる入賞口へ遊技球が入球したことを契機として、その入賞口に対応する個数の遊技球を払い出すことを指示する払出指定コマンドを生成し、払出制御基板300に出力する。例えば、主制御CPU100aは、第1始動入賞口21へ遊技球が入球した場合、「3球」の遊技球を払い出すことを指示する払出指定コマンドを生成し、払出制御基板300に出力する。なお、主制御CPU100aは、所定個数の遊技球の払出条件が成立した場合、所定個数の遊技球を払い出すことを指示する払出指定コマンドを生成し、払出制御基板300に出力してもよいし、1球の遊技球を払い出すことを指示する払出指定コマンドを所定個数分だけ生成し、払出制御基板300に出力してもよい。
また、主制御CPU100aは、上述した制御以外にも、例えば普通当り抽選を行う制御や、普通当り遊技を付与する制御などといった各種の制御を行う。
次に、副制御CPU200aが行う処理について説明する。
副制御CPU200aは、主制御CPU100aから制御コマンドを入力すると、該制御コマンドに基づいて演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPを制御する。例えば、副制御CPU200aは、特別ゲームにおいて導出させる特別図柄を特定可能な制御コマンドや特別ゲームの変動時間を特定可能な制御コマンドを入力すると、演出ゲームを実行させるように演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPを制御する。このとき、副制御CPU200aは、入力した制御コマンドに基づいて演出ゲームの演出内容を決定し、決定した演出内容で演出ゲームを実行させるように制御する。また、副制御CPU200aは、オープニング演出の実行を指示する制御コマンドやエンディング演出の実行を指示する制御コマンドを入力すると、入力した制御コマンドに応じた演出を実行させるように演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPを制御する。
また、副制御CPU200aは、上述した制御以外にも、例えば所定の演出を実行させる制御や、所定の報知を実行させる制御などといった各種の制御を行う。
次に、払出制御CPU300aが行う制御の概要について説明する。
図7に示すように、払出制御CPU300aは、通常の払出制御と、払出確認制御と、を実行可能である。通常の払出制御は、払出条件の成立を契機として遊技球を払い出す制御である。払出確認制御は、遊技球の払出しが正常に行われているかを確認する制御である。
本実施形態において、払出制御CPU300aは、常には、通常の払出制御を実行可能である。一方で、払出制御CPU300aは、所定の開始条件が成立した場合に払出確認制御を開始する。払出確認制御において、払出制御CPU300aは、所定の進行条件が成立した場合に制御レベルを進行させる。即ち、払出確認制御は、制御レベルが段階的に進行する制御である。払出確認制御では、例えば、払出ユニット40の払出動作部41を原位置に復帰させる原位置復帰制御としての原位置復帰処理が実行される。なお、詳しくは後述するが、原位置復帰処理では、1球の遊技球が払い出されるようになっている。即ち、本実施形態において、原位置復帰処理は、遊技球の払出しを伴う特定の払出制御に相当する。また、払出確認制御では、正常に遊技球を払い出すことができない払出エラーが発生していることを特定可能な払出エラー報知が実行される。本実施形態において、払出確認制御は、特定エラー制御に相当する。原位置復帰処理や払出エラー報知の詳細については後述する。そして、払出制御CPU300aは、所定の終了条件が成立した場合に払出確認制御を終了し、通常の払出制御に復帰する。
本実施形態の払出確認制御では、各制御レベルに応じた制御内容で各種の制御が行われる。例えば、制御レベル「0(ゼロ)」から制御レベル「4」である場合、原位置復帰処理が実行される。このとき、原位置復帰処理は、制御レベルに応じて異なる時間間隔で、制御レベルに応じて異なる回数だけ実行される。本実施形態では、制御レベルが進行するほど、原位置復帰処理の実行回数が多くなる。また、本実施形態では、制御レベルが進行するほど、原位置復帰処理の実行される時間間隔が長くなる。例えば、制御レベル「0(ゼロ)」の場合、原位置復帰処理は、制御レベル「0(ゼロ)」となってから0.2秒後に1回実行される。また、原位置復帰処理は、制御レベル「1」の場合、2秒間隔で2回実行され、制御レベル「2」の場合、5秒間隔で3回実行され、制御レベル「3」の場合、10秒間隔で4回実行され、制御レベル「4」の場合、20秒間隔で27回実行される。なお、以下の説明では、制御レベル「0(ゼロ)」となってから原位置復帰処理が実行されるまでの時間、及び制御レベル「1」から制御レベル「4」において1回の原位置復帰処理が実行されてから次の原位置復帰処理が実行されるまでの時間を「確認待機時間」と示す。
また、本実施形態では、払出確認制御における制御レベルが制御レベル「3」から制御レベル「5」である場合、演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPにおいて、払出エラーが発生していることを特定可能な払出エラー報知が実行される。即ち、本実施形態において、演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPは、制御レベルに基づいて払出エラー報知を実行可能である。本実施形態において、演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPは、制御レベルが「3」まで進行したことを条件として、払出エラー報知を実行する。一方、本実施形態において、演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPは、制御レベルが「0(ゼロ)」から制御レベル「2」である場合、払出エラー報知を実行しない。言い換えれば、本実施形態において、払出確認制御の制御レベルには、払出エラー報知を行わない複数の制御レベルがある。このように、本実施形態において、演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPでは、制御レベルの進行により払出エラー報知の態様が変化するといえる。
詳細は後述するが、払出制御CPU300aは、払出エラーが発生していることを特定可能な払出エラーコマンドを主制御CPU100aに出力し、該払出エラーコマンドを入力した主制御CPU100aが払出エラー報知の開始を指示する払出エラー報知コマンドを副制御CPU200aに出力することにより、払出エラー報知を実行させる。本実施形態において、演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPは、報知手段に相当する。
本実施形態において、演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPは、払出エラー報知を実行する一方で、現在の制御レベルを報知しない。特に、本実施形態において、払出エラー報知の報知態様は、制御レベル「3」から制御レベル「5」のうちの何れであっても同一である。したがって、本実施形態では、単に現在の制御レベルが報知されないだけではなく、払出エラー報知の報知態様からも現在の制御レベルを特定不能である。また、本実施形態において、演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPは、現在の制御レベルにおける進行条件を報知しない。さらに、本実施形態において、演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPは、進行条件が成立して制御レベルが進行した場合であっても、制御レベルが進行したことを報知しない。
また、払出確認制御では、制御レベル「5」である場合、払出動作が停止される。即ち、本実施形態では、払出確認制御において制御レベルが「5」に達した場合、遊技球の払出しが行われなくなる。
払出確認制御の開始条件について説明する。
図8に示すように、本実施形態において、払出確認制御の開始条件には複数の開始条件がある。払出確認制御の開始条件には、通常の払出制御において遊技球の払出動作が行われた場合に、該払出動作後に遊技球の払出しを検知することなく予め定めた検知待機時間が経過したときに成立する非検知条件がある。言い換えれば、非検知条件は、払出条件の成立を契機として払出ユニット40が遊技球の払出動作を行ったときから所定の検知待機時間以内に払出センサSE5により遊技球が検知されない場合に成立する。本実施形態において、検知待機時間は、払出動作により払出ユニット40から払い出された遊技球が払出センサSE5により検知されるのに要する時間よりも十分に長い時間に設定されている。
また、払出確認制御の開始条件には、連続して払い出された遊技球の個数が特定数(本実施形態では100個)に達し、その後も遊技球の払出しが続くときに成立する連続払出条件がある。本実施形態において、「連続して払い出される」とは、後述する払出処理において、払出ユニット40から払い出す残りの遊技球の個数を示す残り払出個数が「0(ゼロ)」になることなく連続して払い出されることを意図している。
また、払出確認制御の開始条件には、原位置復帰処理が実行された場合であって、その後に遊技球の払出しを検知することなく検知待機時間が経過したときに成立する原位置復帰条件がある。即ち、原位置復帰条件は、原位置復帰処理が実行された場合であって、且つ払出センサSE5により遊技球が検知されないときに成立する。言い換えれば、払出確認制御は、原位置復帰処理において遊技球の払出しが検知されなかった場合に、原位置復帰処理の終了後に実行されることがある。
図9に示すように、原位置復帰処理の開始条件には、パチンコ遊技機10に電源が投入されてから初回の遊技球の払出し時に成立する電源投入時払出条件がある。言い換えれば、電源投入時払出条件は、パチンコ遊技機10の電源が投入されてから最初に遊技球の払出条件が成立したときに成立する条件である。また、原位置復帰処理の開始条件には、遊技球の払出しを停止している状態から新たな遊技球の払出しを開始するときに成立する初回払出条件がある。言い換えれば、初回払出条件は、払出ユニット40から払い出す残りの遊技球の個数を示す残り払出個数が「0(ゼロ)」である場合に払出条件が成立したときに成立する条件である。
また、上述したように、本実施形態の払出確認制御では、原位置復帰処理が実行される。このため、払出確認制御の開始条件は、原位置復帰処理の開始条件としても把握できる。
払出確認制御の終了条件について説明する。
図10に示すように、本実施形態において、払出確認制御の終了条件には複数の終了条件がある。払出確認制御の終了条件には、払出確認制御中に実行される原位置復帰処理において遊技球の払出しを検知したときに成立する検知条件がある。言い換えれば、払出確認制御は、原位置復帰処理において払出センサSE5により遊技球が検知された場合に終了する。また、払出確認制御の終了条件には、パチンコ遊技機10への電源供給が遮断(電断)され、その後に電源供給が再開(復電)されたときに成立する電断復帰条件がある。また、払出確認制御の終了条件には、エラー解除スイッチSWが操作された場合に成立する解除操作条件がある。終了条件のうち検知条件は、払出確認制御により成立する条件である。特に、検知条件は、払出確認制御中に実行される原位置復帰処理において、払出センサSE5により遊技球が検知された場合に成立する。一方で、終了条件のうち電断復帰条件及び解除操作条件は、払出確認制御とは異なる制御により成立する条件である。
払出確認制御の各制御レベルにおける進行条件及び終了条件について説明する。
図11に示すように、本実施形態において、進行条件は、各制御レベルに定められた時間間隔で各制御レベルに定められた回数にわたって原位置復帰処理が実行された場合に、払出センサSE5において遊技球が検知されなかったときに成立する。即ち、本実施形態において、進行条件には、原位置復帰処理が制御レベル毎に定められた回数にわたって繰り返されることを含む。上述したように、各制御レベルにおいて原位置復帰処理を実行する回数及び原位置復帰処理を実行する時間間隔は、制御レベル毎に定められている。このため、本実施形態において、進行条件は、制御レベル毎に定められているといえる。
また、上述したように、本実施形態では、制御レベルが進行するほど、原位置復帰処理の実行回数が多くなるとともに、原位置復帰処理の実行される時間間隔が長くなる。このため、本実施形態において、進行条件は、制御レベルが進行するほど成立し難くなるといえる。言い換えれば、現在の制御レベルから次の制御レベルに進行するときの進行条件は、現在の制御レベルが進行するほど成立し難い進行条件となる。
また、本実施形態において、終了条件は、制御レベル毎に定められている。具体的に、本実施形態において、制御レベル「0(ゼロ)」から制御レベル「2」である場合には、検知条件及び電断復帰条件のうち少なくとも一方の条件が成立したことを契機として、払出確認制御が終了される。また、制御レベル「3」及び制御レベル「4」である場合には、検知条件、電断復帰条件、及び解除操作条件のうち少なくとも何れかの条件が成立したことを契機として、払出確認制御が終了される。そして、制御レベル「5」である場合には、電断復帰条件及び解除操作条件のうち少なくとも一方の条件が成立したことを契機として、払出確認制御が終了される。
言い換えれば、本実施形態において、払出確認制御の終了条件のうち検知条件は、制御レベル「0(ゼロ)」から制御レベル「4」である場合における終了条件である。また、払出確認制御の終了条件のうち電断復帰条件は、すべての制御レベルにおける終了条件である。そして、払出確認制御の終了条件のうち解除操作条件は、制御レベル「3」から制御レベル「5」である場合における終了条件である。
以下、払出制御CPU300aが行う具体的な処理について説明する。
まず、通常の払出制御を実行するための払出処理について説明する。
図12に示すように、払出処理において、払出制御CPU300aは、払出ユニット40から払い出す残りの遊技球の個数を示す残り払出個数が0よりも大きいかを判定する(ステップS101)。残り払出個数は、払出制御RAM300cの所定の記憶領域に記憶されており、主制御CPU100aから払出指定コマンドを入力した場合に、該払出指定コマンドに基づいて更新される。即ち、払出制御CPU300aは、払出条件の成立を契機として残り払出個数を更新する。本実施形態において、残り払出個数は、払い出す遊戯球の数を特定可能な払出情報に相当し、払出制御RAM300cは、払い出す遊技球の数を特定可能な払出情報を記憶する記憶手段に相当する。また、残り払出個数は、図示しない球貸しスイッチが操作されたことを契機として更新されるようにしてもよい。残り払出個数が0である場合(ステップS101:NO)、払出制御CPU300aは、払出処理を終了する。
残り払出個数が0よりも大きい場合(ステップS101:YES)、払出制御CPU300aは、1回の払出動作を実行するように払出ユニット40を制御する(ステップS102)。即ち、払出制御CPU300aは、残り払出個数に基づいて払出動作を実行するように払出ユニット40を制御する。具体的に、払出制御CPU300aは、払出動作部41を原位置から回転方向R1に1回転させるように払出モータ44を制御することにより、1球の遊技球を払い出させるように払出ユニット40を制御する。即ち、本実施形態における払出動作は、払出ユニット40において、払出動作部41が原位置(0ステップ位置)から回転方向R1に1回転して再び原位置に動作する動作態様で行われる。その後、払出制御CPU300aは、払出制御RAM300cの検知待機時間タイマの更新を開始することにより、予め定めた検知待機時間の計測を開始する(ステップS103)。
その後、払出制御CPU300aは、払出ユニット40から払い出された遊技球が払出センサSE5で検知されたかを判定する(ステップS104)。このとき、払出制御CPU300aは、払出センサSE5が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力した場合に肯定判定する一方で、検知信号を入力していない場合に否定判定する。払出ユニット40から払い出された遊技球が払出センサSE5で検知されていない場合(ステップS104:NO)、払出制御CPU300aは、検知待機時間が経過したかを判定する(ステップS105)。検知待機時間が経過していない場合(ステップS105:NO)、払出制御CPU300aは、ステップS104の処理に戻る。一方、検知待機時間が経過している場合(ステップS105:YES)、払出制御CPU300aは、払出確認制御を実行するための払出確認処理を実行する(ステップS106)。即ち、本実施形態では、払出制御CPU300aがステップS105を肯定判定した場合に、払出確認制御の開始条件のうち非検知条件が成立し、払出確認処理が実行される。払出確認処理について、詳しくは後述する。本実施形態において、払出制御CPU300aは、1回の払出動作(ステップS102)を実行する毎にステップS103~ステップS105の処理を実行する。即ち、本実施形態において、払出制御CPU300aは、複数の遊技球を連続して払い出す場合であっても、1回の払出動作が行われる毎に非検知条件が成立したか否かを判定する。
一方、払出ユニット40から払い出された遊技球が払出センサSE5で検知された場合(ステップS104:YES)、払出制御CPU300aは、残り払出個数を1減算する(ステップS107)。即ち、払出制御CPU300aは、ステップS102の払出動作を実行してから検知待機時間が経過するよりも前に遊技球の払出を検知した場合に、残り払出個数を1減算する。続いて、払出制御CPU300aは、一連の払出処理において連続して払い出された遊技球の個数を示す連続払出個数を1加算する(ステップS108)。連続払出個数は、払出制御RAM300cの所定の記憶領域に記憶されている。その後、払出制御CPU300aは、払出制御RAM300cの検知待機時間タイマの更新を終了するとともにタイマの値を消去し、検知待機時間の計測を終了する(ステップS109)。
ステップS106の処理を終了した場合、及びステップS109の処理を終了した場合、払出制御CPU300aは、残り払出個数が0よりも大きいかを判定する(ステップS110)。残り払出個数が0よりも大きい場合(ステップS110:YES)、払出制御CPU300aは、連続払出個数が100個であるかを判定する(ステップS111)。連続払出個数が100個である場合(ステップS111:YES)、払出制御CPU300aは、連続払出個数を消去する(ステップS112)。その後、払出制御CPU300aは、払出確認処理を実行する(ステップS113)。即ち、本実施形態では、払出制御CPU300aがステップS111を肯定判定した場合に、払出確認制御の開始条件のうち連続払出条件が成立し、払出確認処理が実行される。また上述したように、本実施形態において、ステップS111を肯定判定した場合、払出制御CPU300aは、連続払出個数を消去した後、再び払出動作を実行する毎に連続払出個数を計数する。このため、本実施形態において、連続払出条件は、連続して払い出された遊技球の数が100個に達する毎に成立する。
連続払出個数が100個ではない場合(ステップS111:NO)、及びステップS113の処理を終了した場合、払出制御CPU300aは、ステップS102の処理に戻る。一方、残り払出個数が0である場合(ステップS110:NO)、払出制御CPU300aは、連続払出個数を消去する(ステップS114)。その後、払出制御CPU300aは、払出処理を終了する。
次に、払出確認処理について説明する。払出確認処理は、払出確認制御の開始条件が成立したときに実行される処理である。具体的に、払出確認処理は、払出処理において非検知条件が成立した場合(ステップS105:YES)、及び連続払出条件が成立した場合(ステップS111:YES)に実行される。また、払出確認処理は、後述する原位置復帰処理において原位置復帰条件が成立した場合にも実行される。
図13に示すように、払出確認処理において、払出制御CPU300aは、払出制御RAM300cの所定の記憶領域に記憶される制御レベルを「0(ゼロ)」に設定する(ステップS201)。その後、払出制御CPU300aは、払出制御RAM300cの確認待機時間タイマの更新を開始することにより、予め定めた確認待機時間の計測を開始する(ステップS202)。上述したように、本実施形態において、確認待機時間は、現在の制御レベルに応じて異なる。続いて、払出制御CPU300aは、確認待機時間が経過したかを判定する(ステップS203)。確認待機時間が経過していない場合(ステップS203:NO)、払出制御CPU300aは、確認待機時間が経過するまで待機する。一報、確認待機時間が経過している場合(ステップS203:YES)、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理を実行する(ステップS204)。詳しくは後述するが、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理において遊技球の払出しが検知されていない場合、原位置復帰処理が正常に終了していないことを示す原位置復帰処理異常フラグを払出制御RAM300cの所定の記憶領域に記憶させる。一方で、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理において遊技球の払出しが検知された場合、原位置復帰処理異常フラグを記憶しない。
そして、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理が終了すると、払出制御RAM300cの所定の記憶領域に原位置復帰処理異常フラグが記憶されているか否かを判定する(ステップS205)。原位置復帰処理異常フラグが記憶されていない場合(ステップS205:NO)、払出制御CPU300aは、残り払出個数を1減算する(ステップS206)。次に、払出制御CPU300aは、連続払出個数を1加算する(ステップS207)。そして、払出制御CPU300aは、制御レベルを消去する(ステップS208)。その後、払出制御CPU300aは、払出確認処理を終了して、払出処理に戻る。このように、本実施形態では、払出確認処理において実行される原位置復帰処理で遊技球の払出しが検知された場合、払出確認処理を終了する。即ち、本実施形態では、払出確認処理において実行される原位置復帰処理で遊技球の払出しが検知されることにより、払出確認制御の終了条件のうち検知条件が成立する。
一方、原位置復帰処理異常フラグが記憶されている場合(ステップS205:YES)、払出制御CPU300aは、進行条件が成立したか否かを判定する(ステップS209)。上述したように、本実施形態において、進行条件は、現在の制御レベルに応じて異なる。具体的に、ステップS209において、払出制御CPU300aは、現在の制御レベルに応じて定められた回数の原位置復帰処理を終了したか否かを判定する。払出制御CPU300aは、現在の制御レベルに応じて定められた回数の原位置復帰処理を終了している場合、ステップS209を肯定判定する一方で、現在の制御レベルに応じて定められた回数の原位置復帰処理を終了していない場合、ステップS209を否定判定する。
進行条件が成立していない場合(ステップS209:NO)、払出制御CPU300aは、ステップS202の処理に戻る。一方、進行条件が成立している場合(ステップS209:YES)、払出制御CPU300aは、制御レベルを1加算する(ステップS210)。その後、払出制御CPU300aは、制御レベルが「3」であるか否かを判定する(ステップS211)。制御レベルが「3」である場合(ステップS211:YES)、払出制御CPU300aは、払出エラーコマンドを生成して主制御CPU100aに出力する(ステップS212)。このとき、主制御CPU100aは、払出エラーコマンドを入力すると、払出エラー報知コマンドを副制御CPU200aに出力する。そして、副制御CPU200aは、払出エラー報知コマンドを入力すると、払出エラー報知を開始させるように演出表示装置EH、装飾ランプLA、及びスピーカSPを制御する。その後、払出制御CPU300aは、ステップS202の処理に戻る。
一方、制御レベルが「3」ではない場合(ステップS211:NO)、払出制御CPU300aは、制御レベルが「5」であるか否かを判定する(ステップS213)。制御レベルが「5」ではない場合(ステップS213:NO)、払出制御CPU300aは、ステップS202の処理に戻る。一方、制御レベルが「5」である場合(ステップS213:YES)、払出制御CPU300aは、払出動作を停止する(ステップS214)。その後、払出制御CPU300aは、払出確認制御の終了条件が成立するまで待機し、払出確認制御の終了条件の成立に伴って払出確認処理を終了させることにより払出確認制御を終了する。なお、上述したように、払出確認制御の終了条件には、払出確認処理において実行される原位置復帰処理で遊技球の払出しが検知されたときに成立する検知条件の他に、電断復帰条件又は解除操作条件がある。即ち、本実施形態において、払出確認処理は、現在の制御レベルが制御レベル「3」から制御レベル「5」の何れかである場合にエラー解除スイッチSWが操作されたことを示す操作信号を入力したとき、及び、パチンコ遊技機10への電源供給が遮断(電断)され、その後に電源供給が再開(復電)されたときにも終了する。
次に、原位置復帰処理について詳しく説明する。
図14に示すように、原位置復帰処理の開始条件が成立すると、払出制御CPU300aは、最初に払出モータ44を第1第2励磁状態に制御する(ステップS301)。次に、払出制御CPU300aは、払出モータ44の励磁状態を切り替えることにより、払出動作部41を2ステップ動作させる(ステップS302)。即ち、払出制御CPU300aは、払出動作部41を現在の位置から回転方向R1に2ステップ分回転させる。このため、例えば払出動作部41の現在の位置が0ステップ位置であるときには、2ステップ位置まで回転し、現在の位置が12ステップ位置であるときには、14ステップ位置まで回転する。本実施形態において、2ステップ動作により払出動作部41が動作するときの動作量は、予め定めた単位動作量に相当し、2ステップ動作は、払出動作部41が予め定めた単位動作量だけ動作する単位動作に相当する。また、払出制御CPU300aは、ステップS302の処理において、予め定めた払出待機時間の計測を開始する。続いて、払出制御CPU300aは、払出制御RAM300cの所定の記憶領域に記憶されている動作回数を1加算して更新する(ステップS303)。本実施形態において、動作回数は、原位置復帰処理において払出動作部41を2ステップ動作させた回数に相当する。
次に、払出制御CPU300aは、払出センサSE5から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球の払出しを検知したか否かを判定する(ステップS304)。遊技球の払出しを検知していない場合(ステップS304:NO)、払出制御CPU300aは、払出待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS305)。払出待機時間が経過していない場合(ステップS305:NO)、払出制御CPU300aは、ステップS304の処理に戻る。これにより、払出制御CPU300aは、払出動作部41を2ステップ動作させた後、遊技球の払出しを検知するか、払出待機時間が経過するまで待機する。
払出待機時間が経過した場合(ステップS305:YES)、払出制御CPU300aは、動作回数が20回に達したか否かを判定する(ステップS306)。なお、上述したように、本実施形態において、払出動作部41は、20ステップ動作した場合に1回転するように構成されている。このため、2ステップ動作の動作回数が20回に達することは、払出動作部41が2回転したことに相当する。動作回数が20回に達していない場合(ステップS306:NO)、払出制御CPU300aは、ステップS302の処理に戻る。即ち、払出制御CPU300aは、2ステップ動作を行った後に払出待機時間内に遊技球の払出しを検知しない場合、払出動作部41が2回転するまで2ステップ動作を繰り返す。
一方、動作回数が20回に達している場合(ステップS306:YES)、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理が正常に終了しなかったことを特定可能な原位置復帰処理異常フラグを払出制御RAM300cの所定の記憶領域に記憶させる(ステップS307)。その後、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理を終了する。即ち、本実施形態の原位置復帰処理において、払出制御CPU300aは、遊技球が払い出されないまま払出動作部41が2回転した場合に、原位置復帰処理が正常に終了しなかったと判定し、原位置復帰処理異常フラグを設定して原位置復帰処理を終了する。
また、払出待機時間が経過する前に遊技球の払出しを検知した場合(ステップS304:YES)、払出制御CPU300aは、動作回数が偶数(2の倍数)であるか否かを判定する(ステップS308)。ステップS308において、払出制御CPU300aは、遊技球の払出しを検知したときの動作回数が偶数であるか否かを判定することにより、現在の払出動作部41の位置を特定可能であるとともに、払出動作部41の原位置を特定可能である。
具体的には、図5に示すように、本実施形態では、払出モータ44の励磁状態に応じて払出動作部41の取り得る位置が定められている。ここで、本実施形態の原位置復帰処理では、ステップS301において払出モータ44を第1第2励磁状態に制御するため、ステップS301を行ったときの払出動作部41の位置は、0,4,8,12,16ステップ位置の何れかとなる。そして、原位置復帰処理では、ステップS302~ステップS306により、払出動作部41の2ステップ動作が繰り返される。このため、原位置復帰処理において2ステップ動作が行われた回数である動作回数が偶数である場合、払出動作部41の位置は、0,4,8,12,16ステップ位置の何れかとなり、動作回数が奇数である場合、払出動作部41の位置は、2,6,10,14,18ステップ位置となる。そして、上述したように、本実施形態において払出ユニット40から遊技球が払い出されるときの払出動作部41の位置(払出位置)は、3~6ステップ位置である。このため、本実施形態の原位置復帰処理において遊技球の払出しが検知された場合、そのときの払出動作部41の位置は、動作回数が偶数であるときには4ステップ位置となり、動作回数が奇数であるときには6ステップ位置となる。
これにより、払出制御CPU300aは、現在の払出動作部41の位置を特定可能である。また、上述したように、本実施形態の払出動作部41は、20ステップ動作で1回転するように構成されている。このため、払出制御CPU300aは、現在の払出動作部41の位置を特定することにより、払出動作部41の原位置を特定可能となる。
そして、図14に示すように、動作回数が偶数である場合(ステップS308:YES)、払出制御CPU300aは、払出動作部41を16ステップ動作させる(ステップS309)。即ち、ステップS309において、払出制御CPU300aは、払出動作部41を4ステップ位置から16ステップ動作させることにより原位置(0ステップ位置)に復帰させる。一方、動作回数が偶数ではない場合(ステップS308:NO)、払出制御CPU300aは、払出動作部41を14ステップ動作させる(ステップS310)。即ち、ステップS310において、払出制御CPU300aは、払出動作部41を6ステップ位置から14ステップ動作させることにより原位置(0ステップ位置)に復帰させる。
このように、本実施形態の原位置復帰処理では、払出センサSE5により遊技球が検知されたタイミングに応じて払出動作部41の動作が変化する。具体的に、原位置復帰処理では、払出センサSE5により遊技球が検知されたタイミングに応じて払出動作部41の動作量が変化するようになっている。そして、払出動作部41の動作量は、原位置復帰処理において払出センサSE5により遊技球が検知されるまでに繰り返された2ステップ動作の回数に応じて異なっている。特に、原位置復帰処理では、払出センサSE5により遊技球が検知されるまでに繰り返された2ステップ動作の回数が偶数であるときと奇数であるときとで、その後の払出動作部41の動作量が異なっている。
ステップS309又はステップS310の処理が終了すると、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理異常フラグを消去する(ステップS311)。なお、ステップS311において、払出制御CPU300aは、払出制御RAM300cの所定の記憶領域に原位置復帰処理異常フラグが記憶されているか否かにかかわらず、原位置復帰処理異常フラグを消去する処理を行う。その後、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理を終了する。
以上のように、本実施形態の原位置復帰処理では、払出動作部41が払出位置に動作された後に再び原位置に復帰される。即ち、本実施形態の原位置復帰処理は、払出動作部41を払出位置に制御した後に再び原位置に復帰させる特定の制御に相当する。そして、本実施形態の原位置復帰処理において、払出制御CPU300aは、1の遊技球が払い出されるまで2ステップ動作を繰り返すように払出動作部41を制御し、遊技球が払い出されたときの動作回数に応じて払出動作部41を動作させることにより、払出動作部41を原位置に復帰させることができる。具体的に、払出制御CPU300aは、ステップS302~ステップS306を繰り返すことにより、払出ユニット40から1の遊技球を払い出させる。即ち、払出ユニット40は、払出動作部41が原位置から回転方向R1に1回転して再び原位置に動作する払出動作を実行させることにより、1球の遊技球を払い出す。また、払出制御CPU300aは、ステップS308の判定により、遊技球が払い出されたときの払出動作部41の位置を特定するとともに、払出動作部41の原位置を特定する。そして、払出制御CPU300aは、ステップS309及びステップS310により、払出動作部41を原位置に動作させる。
本実施形態において、原位置復帰処理のステップS302~ステップS306は、1の遊技球を払い出す第1処理に相当する。また、原位置復帰処理のステップS308は、第1処理において払い出された遊技球が払出センサSE5によって検知されたタイミングに基づいて原位置を特定する第2処理に相当する。そして、原位置復帰処理のステップS309及びステップS310は、第2処理において特定した原位置へ払出ユニット40の払出動作部41を動作させる第3処理に相当する。
また、本実施形態の原位置復帰処理において、払出動作部41が現在の位置から最初に原位置に動作するまでの制御は、第1段階の制御に相当し、払出動作部41が原位置から再び動作するときの制御は、第2段階の制御に相当する。本実施形態の原位置復帰処理において、第2段階の制御は、払出動作部41が原位置に復帰するか、遊技球の払出しを検知することなく2ステップ動作を20回繰り返した場合に終了する。
ここで、原位置復帰処理が実行される場合の払出動作部41の動作態様の具体的な一例と、その作用について説明する。
まず、図15を用いて、原位置復帰処理において払出動作部41が現在の位置から最初に原位置に動作するまでの間に払出ユニット40から遊技球が払い出された場合について説明する。
図15(a)に示すように、原位置復帰処理において、払出制御CPU300aは、最初に払出モータ44を第1第2励磁状態に制御する。これにより、払出動作部41の位置は、0,4,8,12,16ステップ位置の何れかとなる。この例では、払出動作部41が0ステップ位置(原位置)となったものとする。その後、払出制御CPU300aは、払出動作部41が2ステップ動作を繰り返すように払出モータ44を制御する。この例では、原位置復帰処理における2ステップ動作の動作回数が2回となったときに払出センサSE5により遊技球が検知されたものとする。この場合、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理における動作回数が偶数であることから、現在の払出動作部41の位置が4ステップ位置であることを特定可能である。そして、払出制御CPU300aは、払出動作部41を16ステップ動作させるように払出モータ44を制御することにより、払出動作部41を原位置(0ステップ位置)に復帰させる。その後、払出制御CPU300aは原位置復帰処理を終了する。
また、図15(b)に示すように、原位置復帰処理における2ステップ動作の動作回数が3回となったときに払出センサSE5により遊技球が検知されたものとする。この場合、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理における動作回数が奇数であることから、現在の払出動作部41の位置が6ステップ位置であることを特定可能である。そして、払出制御CPU300aは、払出動作部41を14ステップ動作させるように払出モータ44を制御することにより、払出動作部41を原位置(0ステップ位置)に復帰させる。その後、払出制御CPU300aは原位置復帰処理を終了する。
このように、本実施形態の原位置復帰処理では、払出動作部41が現在の位置から最初に原位置に動作するまでの間に払出センサSE5により遊技球が検知されたときには、払出動作部41が最初に原位置に動作したことに伴って原位置復帰処理を終了する。即ち、本実施形態の原位置復帰処理は、払出動作部41が現在の位置から最初に原位置に動作するまでの第1段階において払出センサSE5により遊技球が検知されたときには、第1段階の終了に伴って終了する。
次に、原位置復帰処理において払出動作部41が現在の位置から最初に原位置に動作するまでの間に払出ユニット40から遊技球が払い出されず、その後に再び払出動作部41が回転して原位置に動作するまでの間に払出ユニット40から遊技球が払い出された場合について説明する。
図16に示すように、この例では、最初に払出モータ44が第1第2励磁状態に制御された際に、払出動作部41が12ステップ位置となったものとする。その後、払出制御CPU300aは、払出動作部41が2ステップ動作を繰り返すように払出モータ44を制御する。この例では、原位置復帰処理における2ステップ動作の動作回数が4回となったときに払出動作部41が原位置(0ステップ位置)に動作する。しかしながら、このとき、払出ユニット40からは遊技球が払い出されておらず、払出センサSE5から検知信号を入力していない払出制御CPU300aは、払出動作部41の現在の位置を特定できない。したがって、払出制御CPU300aは、払出動作部41が最初に原位置に動作した後も、払出動作部41が2ステップ動作を繰り返すように払出モータ44を制御し続ける。そして、この例では、原位置復帰処理における2ステップ動作の動作回数が6回となったときに払出センサSE5により遊技球が検知されたものとする。この場合、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理における動作回数が偶数であることから、現在の払出動作部41の位置が4ステップ位置であることを特定可能となる。そして、払出制御CPU300aは、払出動作部41を16ステップ動作させるように払出モータ44を制御することにより、払出動作部41を原位置(0ステップ位置)に復帰させる。その後、払出制御CPU300aは原位置復帰処理を終了する。
このように、本実施形態では、原位置復帰処理において払出動作部41が現在の位置から最初に原位置に動作するまでの間に遊技球が払い出されず、その後に再び払出動作部41が回転して原位置に動作するまでの間に遊技球が払い出されたときには、払出動作部41が2回目に原位置に動作したことに伴って原位置復帰処理を終了する。
次に、原位置復帰処理において払出動作部41が20ステップ動作する間に払出ユニット40から遊技球が払い出されなかった場合について説明する。
図17に示すように、この例では、最初に払出モータ44が第1第2励磁状態に制御された際に、払出動作部41が0ステップ位置となったものとする。その後、払出制御CPU300aは、払出動作部41が2ステップ動作を繰り返すように払出モータ44を制御する。この例では、原位置復帰処理における2ステップ動作の動作回数が20回となっても払出センサSE5により遊技球が検知されなかったものとする。この場合、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理異常フラグを払出制御RAM300cの所定の記憶領域に記憶させる。その後、払出制御CPU300aは原位置復帰処理を終了する。
このように、本実施形態の原位置復帰処理では、払出センサSE5により遊技球が検知されたか否かに応じて払出動作部41の動作が変化する。特に、原位置復帰処理では、払出センサSE5により遊技球が検知されたときには、遊技球が検知されたときの動作回数に応じた動作量だけ払出動作部41を動作させることで原位置に復帰させる一方で、払出センサSE5により遊技球が検知されなかったときには、払出動作部41の2ステップ動作が20回だけ行われる。言い換えれば、払出動作部41は、原位置復帰処理において払出センサSE5により遊技球が検知されたときには、原位置に復帰される一方で、原位置復帰処理において払出センサSE5により遊技球が検知されなかったときには、予め定めた動作量だけ動作される。即ち、原位置復帰処理では、払出センサSE5により遊技球が検知されたか否かに応じて払出動作部41の動作量が変化するようになっている。
また、以上のように、本実施形態の原位置復帰処理は、払出動作部41が現在の位置から最初に原位置に動作するまでの第1段階において払出センサSE5により遊技球が検知されたときには、その後に払出動作部41を原位置に動作させたことに伴って終了する。一方で、本実施形態の原位置復帰処理は、第1段階において払出センサSE5により遊技球が検知されなかったときには、第1段階の終了後に行われる第2段階の終了に伴って終了する。このとき、第2段階の制御は、該第2段階において払出センサSE5により遊技球が検知されたときには、払出動作部41が原位置に復帰されることに伴って終了する一方で、第2段階において払出センサSE5により遊技球が検知されなかったときには、払出動作部41が2ステップ動作を20回繰り返したことに伴って終了する。このように、本実施形態の原位置復帰処理は、払出動作部41が現在の位置から原位置に動作する第1段階と、払出動作部41が原位置から再び動作する第2段階と、のうち少なくとも第1段階を含んで実行されるようになっている。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)原位置復帰処理は、払出動作部41が現在の位置から原位置に動作する第1段階において遊技球の払出しが検知されたときには、第1段階の終了に伴って終了する。一方で、原位置復帰処理は、第1段階において遊技球の払出しが検知されなかったときには、第1段階の終了後に、払出動作部41が原位置から再び動作する第2段階が実行され、該第2段階において遊技球の払出しが検知された場合に、第2段階の終了に伴って終了される。これによれば、原位置復帰処理において遊技球が払い出されるときと払い出されないときとが混在してしまうことを抑制できるため、適切に遊技球の払出しに関する制御を行うことができる。
(2)払出確認制御の開始条件には、原位置復帰処理が実行された場合であって、その後に遊技球の払出しを検知することなく検知待機時間が経過したときに成立する原位置復帰条件がある。このため、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理の第2段階においても遊技球の払出しが検知されなかったときには、払出確認制御を実行することができる。そして、払出確認制御では、正常に遊技球を払い出すことができない払出エラーが発生していることを特定可能な払出エラー報知を実行可能である。このため、適切に遊技球の払出しに関する制御を行うことができる。
(3)払出ユニット40は、払出動作部41が原位置から回転方向R1に1回転して再び原位置に動作する払出動作により1球の遊技球を払い出す。これによれば、払出動作部41は、1回の払出動作の最後には次の払出動作を開始可能な原位置に位置することとなる。このため、複数の遊技球を払い出す場合に、1回の払出動作を行ってから次の払出動作を行うまでの間に準備動作を行う必要がなく、速やかに遊技球を払い出すことができる。
(4)払出動作部41が原位置から払出位置に動作するまでの間には、原位置とは異なる非払出位置を経由するため、誤って払出動作部41が原位置から動作した場合であっても、すぐに遊技球が払い出されてしまうことを抑制できる。さらに、払出動作部41は払出動作において回転する回転方向R1と逆方向には回転しないため、遊技球が逆方向に移動してしまうことで遊技球の詰まりが発生してしまうことを抑制できる。
(5)払出動作部41が回転方向R1に回転する場合において、払出動作部41が原位置から払出位置まで回転するときの動作量は、払出位置から原位置まで回転するときの動作量よりも小さい。これによれば、払出動作により遊技球を払い出す場合に、払出動作部41が回転方向R1への回転を開始してから遊技球が払い出されるまでの時間を短くすることができるため、速やかに遊技球を払い出すことができる。
(6)払出確認制御の開始条件には、連続して払い出された遊技球の個数が100個に達し、その後も遊技球の払出しが続くときに成立する連続払出条件を含む。そして、払出確認制御では、原位置復帰処理が実行される。このため、遊技球が正常に払い出されているときであっても、100個以上の遊技球が連続して払い出されるときには、払出確認制御において原位置復帰処理を実行することにより払出動作部41を原位置に動作させることができる。したがって、払出動作部41に異常が発生することを事前に抑制できる。
(7)原位置復帰処理の開始条件には、パチンコ遊技機10に電源が投入されてから初回の遊技球の払出し時に成立する電源投入時払出条件を含む。これによれば、パチンコ遊技機10に電源が投入されてから最初に払出条件が成立したときには、原位置復帰処理が実行されるため、パチンコ遊技機10の電源投入後に払出ユニット40に異常が発生したまま払出動作が開始されてしまうことを抑制できる。
(8)原位置復帰処理の開始条件には、遊技球の払出しを停止している状態から新たな遊技球の払出しを開始するときに成立する初回払出条件がある。これによれば、遊技球の払出しを停止している状態から新たな遊技球の払出しを開始するときには、原位置復帰処理が実行されるため、払出ユニット40に異常が発生したまま払出動作が開始されてしまうことを抑制できる。
(9)原位置復帰処理において、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理中に遊技球を検知したタイミングに応じて払出ユニット40の払出動作部41を動作させることができる。これによれば、原位置復帰処理において遊技球が検知されるタイミングが複数通り考えられる場合であっても、適切に払出動作部41を原位置に復帰させることができる。
(10)特に、原位置復帰処理において、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理中に遊技球を検知したタイミングに応じた適切な動作量だけ払出ユニット40の払出動作部41を動作させることができる。これによれば、原位置復帰処理において遊技球が検知されるときの払出動作部41のステップ位置が複数通り考えられる場合であっても、適切に払出動作部41を原位置に復帰させることができる。
(11)原位置復帰処理において、払出制御CPU300aは、1の遊技球が払い出されるように払出動作部41を制御し、該遊技球が払い出されたタイミングに基づいて払出動作部41の現在の位置及び原位置を特定する。そして、払出制御CPU300aは、特定した結果に基づいて払出動作部41を動作させることにより、払出動作部41を原位置に動作させる。これによれば、払出制御CPU300aは、払出動作部41の現在の位置及び原位置を特定できない場合であっても、払出動作部41を原位置に復帰させることができる。
(12)払出制御CPU300aは、原位置復帰処理において遊技球が検知されるまでに繰り返された2ステップ動作の動作回数に応じた適切な動作量だけ払出動作部41を動作量させることができる。
(13)特に、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理において遊技球が検知されるまでに繰り返された2ステップ動作の動作回数が偶数であるか奇数であるかに応じた適切な動作量だけ払出動作部41を動作量させることができる。
(14)原位置復帰処理において、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理中に遊技球を検知したか否かに応じて、適切な動作態様で払出ユニット40の払出動作部41を動作させることができるため、適切に遊技球の払出しに関する制御を行うことができる。
(15)特に、原位置復帰処理において、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理中に遊技球を検知したか否かに応じて適切な動作量だけ払出ユニット40の払出動作部41を動作させることができる。
(16)払出確認制御において、進行条件の成立により制御レベルが進行し、該制御レベルに基づいて払出エラー報知が実行されるため、現在の遊技の状況に応じて適切に払出エラー報知を実行できる。そして、進行条件は制御レベル毎に定められているため、遊技の状況に応じて制御レベルの進行具合をより詳細に制御することができ、適切に払出エラー報知を実行できる。
(17)払出確認制御では、制御レベルが進行するほど次の制御レベルに進行する進行条件が成立し難くなるため、制御レベルが進行する過程で、払出エラー報知が充分に行われないまま次の制御レベルに進行してしまうことを抑制できる。したがって、遊技の状況に応じて適切に制御レベルを進行させることができる。
(18)払出確認制御では、制御レベル毎に定められた回数にわたって原位置復帰処理を実行させた後に制御レベルを進行させることができるため、原位置復帰処理が不充分なまま制御レベルが進行してしまうことを抑制できる。したがって、遊技の状況に応じて制御レベルを適切に進行させることができる。
(19)払出確認制御において、制御レベル「3」に達するまでは払出エラー報知を行わない一方で、制御レベル「3」に達した後には払出エラー報知を行うことができる。このため、例えば払出確認制御の開始に伴って払出エラーの報知を行う場合と比較して、制御レベル「3」に達するまでは遊技者に対して煩わしさを感じさせてしまうことを抑制しつつ、制御レベル「3」に達した後は払出エラー報知を行うことで払出エラーが発生していることを報知することができる。
(20)払出確認制御では、制御レベル「0(ゼロ)」から制御レベル「2」の間は、払出エラー報知を行うことなく払出確認制御にかかる各種の処理を実行できるため、制御レベル「3」に達するまでの間に遊技者に対して煩わしさを感じさせてしまうことを抑制しつつ、制御レベル「3」に達するまでの処理をより詳細に定めることができる。
(21)本実施形態では、通常の払出制御において遊技球の払出動作が行われた場合に、該払出動作後に遊技球の払出しを検知することなく予め定めた検知待機時間が経過したことで非検知条件が成立して払出確認制御が開始された場合であっても、制御レベル「3」に達するまでは払出エラー報知が実行されない。このため、例えば、非検知条件が成立して払出確認制御が開始された場合に直ちに払出エラー報知を実行するときと比較して、払出エラーが発生しているかを正確に見極めた上で払出エラー報知を実行できる。
(22)払出制御CPU300aは、複数の遊技球を連続して払い出す場合であっても、1回の払出動作が行われる毎に払出エラーが発生しているか否かを確認できるため、より正確に払出エラーが発生しているか否かを確認できる。
(23)払出確認制御を終了する終了条件は複数あるため、払出確認制御の終了契機をより詳細に制御することができる。したがって、遊技の状況に応じて適切に払出確認制御を実行できる。
(24)払出確認制御の終了条件のうち、検知条件は払出確認制御において成立し得る一方で、電断復帰条件及び解除操作条件は払出確認制御とは異なる制御により成立し得る。これによれば、払出確認制御の結果として終了条件が成立して払出確認制御が終了されることがある一方で、払出確認制御において終了条件が成立しない場合であっても、別の終了条件が成立して払出確認制御が終了されることがある。このため、遊技の状況に応じて払出確認制御の終了契機をより詳細に制御できる。
(25)払出確認制御は、該払出確認制御において遊技球の払出しが検知されたときに、終了条件のうち検知条件が成立して終了する。このため、本実施形態では、遊技球の払出しが正常に行われているにもかかわらず払出確認制御が継続されることで、例えば遊技球の払出しが正常に行われているにもかかわらず払出エラー報知が継続されてしまうなど、遊技者に煩わしさを感じさせてしまうことを抑制できる。
(26)払出確認制御は、エラー解除スイッチSWが操作されたときに、終了条件のうち解除操作条件が成立して終了する。このため、本実施形態では、例えば遊技機の管理者などがエラー解除スイッチSWを操作することにより、遊技の状況に応じて速やかに払出確認制御を終了させることができる。
(27)終了条件は制御レベル毎に定められているため、制御レベルの進行具合に応じて払出確認制御の終了契機をより詳細に制御することができる。
(28)本実施形態では、払出確認制御において制御レベル「3」に達したことを契機として払出エラー報知を実行する一方で、現在の制御レベルを報知しない。このため、例えば不正行為を行う際に、払出エラー報知が実行されないようにするなど意図的に制御レベルを調整させないようにすることができる。
(29)制御レベル「3」から制御レベル「5」であるときの払出エラー報知の報知態様は同一であるため、払出エラー報知の報知態様から制御レベルを推測し難くすることができる。
(30)本実施形態では、制御レベルが報知されないことに加えて、進行条件が成立して制御レベルが進行した場合であっても、制御レベルが進行したことが報知されないため、現在の制御レベルをさらに推測し難くすることができる。
(31)払出確認制御では原位置復帰処理が行われる。このため、例えば払出ユニット40の払出動作部41が原位置ではない位置で停止していることにより遊技球の払出しが正常に行われていない場合であっても、払出確認制御において原位置復帰処理を行って払出動作部41を原位置に復帰させることにより、払出エラーを解消することができる。
(32)原位置復帰処理が実行される回数は制御レベル毎に定められているため、遊技の状況に応じて適切な回数だけ原位置復帰処理を実行させることができる。
(33)特に、本実施形態では、制御レベルが進行するほど原位置復帰処理が実行される回数が多くなるため、制御レベルが進行するほど、次の制御レベルに進行させる前に原位置復帰処理を多く実行して払出エラーの解消を試みることができる。
(34)複数回の原位置復帰処理を実行する際の時間の間隔は制御レベル毎に定められているため、遊技の状況に応じて適切な時間の間隔を空けて複数回の原位置復帰処理を実行させることができる。
(35)特に、本実施形態では、制御レベルが進行するほど複数回の原位置復帰処理が実行されるときの時間の間隔が長くなるため、制御レベルが進行するほど、次の制御レベルに進行する前に払出エラーが自然解消されることに期待できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・原位置復帰処理において、遊技球の払出しが検知されないときに払出動作部41が2ステップ動作を行う最大の動作回数は、適宜変更してもよい。例えば、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理のステップS306において、合計動作回数が20回よりも多い所定回数となったときに払出動作部41の動作を終了させて原位置復帰処理異常フラグを記憶させるようにしてもよい。このとき、所定回数は、10の倍数であるとよい。これによれば、原位置復帰処理を開始するときの払出動作部41の位置が原位置であれば、原位置復帰処理において払出センサSE5により遊技球が検知されず、払出動作部41の現在の位置及び原位置を特定できない場合であっても、結果的に払出動作部41が原位置に復帰することとなる。この場合、第2段階の制御では、払出動作部41が原位置から払出位置に動作した後に再び原位置に動作するまでの一連の動作が複数回実行されることとなる。これによれば、払出制御CPU300aは、遊技球が払い出されないことで払出動作部41を原位置に復帰させられないまま原位置復帰処理が終了してしまうことを抑制できる。また、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理のステップS306において、合計動作回数が20回よりも少ない所定回数となったときに払出動作部41の動作を終了させて原位置復帰処理異常フラグを記憶させるようにしてもよい。
・原位置復帰処理において、払出動作部41を1回動作させるときの動作量は、適宜変更してもよい。例えば、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理のステップS102において、払出動作部41を1ステップ動作させるように制御してもよい。これによれば、原位置復帰処理における払出動作部41の1回の動作量を少なくすることができるため、どの位置で遊技球が払い出されたかを正確に把握することができる。この場合、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理のステップS106において、合計動作回数が40回となったときに払出動作部41の動作を終了させて原位置復帰処理異常フラグを記憶させるようにしてもよい。また、この場合、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理において払出センサSE5により遊技球が検知されたときには、遊技球が検知されたときの合計動作回数に応じて払出動作部41の現在の位置及び原位置を特定し、特定した原位置に復帰させるように払出動作部41を制御するとよい。この場合、払出制御CPU300aは、遊技球が検知されたときの合計動作回数が4の倍数であれば、払出動作部41の現在の位置が4ステップ位置であることを特定可能である。また、払出制御CPU300aは、合計動作回数が4の倍数よりも1少ない回数であれば3ステップ位置を、合計動作回数が4の倍数よりも2少ない回数であれば6ステップ位置を、合計動作回数が4の倍数よりも3少ない回数であれば5ステップ位置を、払出動作部41の現在の位置としてそれぞれ特定可能である。また例えば、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理のステップS102において、払出動作部41を4ステップ動作させるように制御してもよい。これによれば、原位置復帰処理において、少ない動作回数で払出動作部41を1回転させることができるため、原位置復帰処理を速やかに実行することができる。
・原位置復帰処理において払出動作部41を動作させるときの速度と、通常の払出制御において払出動作部41を動作させるときの速度とは、異なっていてもよい。例えば、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理においては、通常の払出制御と比較して払出動作部41の動作速度が遅くなるように制御してもよい。これによれば、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理において、遊技球が払い出されたタイミングをより正確に特定できるため、払出動作部41をより正確に原位置に復帰させることができる。また、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理においては、通常の払出制御と比較して払出動作部41の動作速度が速くなるように制御してもよい。これによれば、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理を速やかに実行できる。
・払出動作部41の払出位置及び非払出位置の位置関係は、適宜変更してもよい。例えば、払出動作部41が回転方向R1に回転した場合に原位置から払出位置まで動作するときの動作量は、払出位置から原位置まで動作するときの動作量よりも大きくてもよい。即ち、払出動作部41の払出位置は、原位置から回転方向R1に半回転したときの位置よりも後の位置であってもよい。これによれば、払出動作部41が原位置から回転方向R1に回転した場合に払出位置に到達するまでの動作量を大きくすることができるため、誤って払出動作部41が回転方向R1に回転した場合であっても、遊技球が払い出されてしまうことを抑制できる。また、払出動作部41が回転方向R1に回転した場合に原位置から払出位置まで動作するときの動作量と、払出位置から原位置まで動作するときの動作量とは、同一であってもよい。即ち、払出動作部41の払出位置は、原位置から回転方向R1に半回転したときの位置であってもよい。これによれば、払出動作部41が原位置から回転方向R1に回転した場合と、回転方向R1とは逆方向に回転した場合と、の何れであっても、払出位置に到達するまでの動作量を大きくすることができるため、誤って払出動作部41が回転した場合であっても、遊技球が払い出されてしまうことを抑制できる。
・払出制御CPU300aは、払出動作部41を回転方向R1とは逆方向に回転させることが可能であってもよい。
・払出動作部41が1球の遊技球を払い出すときの動作量は、適宜変更してもよい。例えば、払出動作部41は、回転方向R1に半回転することにより1球の遊技球を払い出すように構成されてもよい。
・払出動作部41が原位置に位置しているか否かを特定可能な原位置センサを備えたパチンコ遊技機に具体化してもよいし、備えていないパチンコ遊技機に具体化してもよい。原位置センサを備えた遊技機に具体化する場合、払出制御CPU300aは、原位置復帰処理において、払出センサSE5により遊技球を検知したタイミングに応じて特定した原位置に払出動作部41を動作させたにもかかわらず払出動作部41が原位置センサにより検出されないときには、原位置復帰処理異常フラグを記憶させるように制御してもよい。また、払出動作部41が原位置に位置しているか否かを特定可能な原位置センサを備えていない遊技機に具体化してもよい。
・原位置復帰処理の開始条件は、適宜変更してもよい。例えば、原位置復帰処理の開始条件には、1回の払出動作を行ってから検知待機時間が経過するまでの間に2球以上の遊技球を払出センサSE5で検知したときに成立する過検知条件があってもよい。また、電源投入時払出条件、初回払出条件のうち一部又は全部の条件を備えていなくてもよい。全部の条件を備えない場合、原位置復帰処理は、払出確認制御の開始条件が成立した場合にのみ開始されることとなる。
・払出確認制御では、原位置復帰処理に代えてまたは加えて、1球の遊技球を払い出す払出動作を実行してもよい。即ち、払出確認制御では、払出エラーを解消するための異常解消処理が実行されればよく、該異常解消処理は、原位置復帰処理でなくてもよい。また、払出確認制御において、異常解消処理を実行しなくてもよい。
・払出確認制御における制御内容は、適宜変更してもよい。例えば、各制御レベルにおける原位置復帰処理の回数や時間の間隔を変更してもよい。また、払出確認制御において、原位置復帰処理を実行しなくてもよい。この場合、払出確認制御では、所定の待機時間にわたって通常の払出制御を停止し、その間に払出センサSE5が遊技球を検知したか否かを確認することにより、遊技球の払出しに関する異常が自然解消したか否かを確認してもよい。
・払出確認制御の開始条件は、適宜変更してもよい。例えば、払出確認制御の開始条件には、1回の払出動作を行ってから検知待機時間が経過するまでの間に2球以上の遊技球を払出センサSE5で検知したときに成立する過検知条件があってもよい。また、非検知条件、連続払出条件、及び原位置復帰条件のうち一部の条件を備えていなくてもよい。例えば、払出確認制御の開始条件は、非検知条件のみであってもよい。
・払出制御CPU300aは、複数の遊技球を連続して払い出す場合、1回の払出動作が行われる毎に非検知条件が成立したか否かを判定しなくてもよい。この場合、例えば、払出制御CPU300aは、所定回の払出動作が行われる毎に非検知条件が成立したか否かを判定してもよいし、連続する複数回の払出動作のうち最初の払出動作又は最後の払出動作において非検知条件が成立したか否かを判定してもよい。
・払出制御CPU300aは、成立した払出確認制御の開始条件に応じて、払出確認制御を開始するときの制御レベルを異ならせてもよい。例えば、非検知条件が成立したことを契機として払出確認制御を開始するときには、制御レベル「3」から払出確認制御を開始する一方で、原位置復帰条件又は連続払出条件が成立したことを契機として払出確認制御を開始するときには、制御レベル「0(ゼロ)」から払出確認制御を開始するようにしてもよい。
・払出確認制御における制御レベルの段階数は、適宜変更してもよい。
・各制御レベルにおける制御内容は、適宜変更してもよい。例えば、制御レベル「3」から制御レベル「5」の間で、払出エラー報知の報知態様が異ならされるようにしてもよい。この場合、払出制御CPU300aは、現在の制御レベルを特定可能な制御コマンドを、主制御CPU100aを介して副制御CPU200aに出力する。そして、副制御CPU200aは、入力した制御コマンドに基づいて制御レベルに応じて異なる報知態様で払出エラー報知を実行させるようにしてもよい。
・払出確認制御における制御レベルが何れの制御レベルであっても、払出エラー報知が実行されるようにしてもよい。言い換えれば、払出制御CPU300aは、払出確認制御の開始に伴って払出エラー報知が実行されるように制御するとよい。
・各制御レベルにおける原位置復帰処理の実行回数は、適宜変更してもよい。例えば、原位置復帰処理の実行回数は、各制御レベルで同一の回数であってもよいし、制御レベルが進行するほど少なくなってもよい。
・各制御レベルにおいて複数回の原位置復帰処理を実行するときの時間の間隔は、適宜変更してもよい。例えば、複数回の原位置復帰処理を実行するときの時間の間隔は、各制御レベルで同一の時間であってもよいし、制御レベルが進行するほど短くなってもよい。
・各制御レベルに進行するときの進行条件は、適宜変更してもよい。また、各制御レベルに進行するときの進行条件は、制御レベルが進行するほど成立し難い進行条件となるように構成されていなくてもよく、例えば、制御レベルが進行するほど成立し易い進行条件となるように構成されていてもよい。
・各制御レベルに進行するときの進行条件は、複数あってもよい。即ち、払出確認制御では、複数ある進行条件のうち少なくとも何れか1つの進行条件が成立した場合に、制御レベルが進行するように構成されてもよい。
・払出確認制御の終了条件は、適宜変更してもよい。例えば、検知条件、電源復帰条件、及び解除操作条件とは異なる終了条件を備えてもよいし、検知条件、電源復帰条件、及び解除操作条件のうち一部の条件を備えていなくてもよい。例えば、払出確認制御の終了条件は、検知条件のみであってもよい。
・払出確認制御の終了条件は、現在の制御レベルにかかわらず同一であってもよい。
・電源復帰条件及び解除操作条件の何れかが成立したときの払出制御CPU300aの制御を変更してもよい。例えば、電源復帰条件及び解除操作条件の何れかが成立した場合、払出制御CPU300aは、払出確認制御における制御レベルを「0(ゼロ)」に更新するようにしてもよい。これによれば、電源復帰条件及び解除操作条件の何れかが成立した場合には、払出エラー報知を終了させることができる一方で、遊技球の払出しに関する異常が解消されるまで払出確認制御を継続させることができる。この場合、電源復帰条件及び解除操作条件は、払出確認制御を終了させる終了条件ではなく、払出確認制御における制御レベルを初期化する初期化条件として把握できる。
・パチンコ遊技機10は、払出確認制御における現在の制御レベルを報知可能に構成されてもよい。この場合、払出制御CPU300aは、現在の制御レベルを特定可能な制御コマンドを、主制御CPU100aを介して副制御CPU200aに出力する。そして、副制御CPU200aは、入力した制御コマンドに基づいて現在の制御レベルを報知させるように所定の報知手段を制御するとよい。
・パチンコ遊技機10は、払出確認制御において制御レベルが進行したことを報知可能に構成されてもよい。この場合、払出制御CPU300aは、制御レベルが進行したことを契機として、制御レベルが進行したことを特定可能な制御コマンドを、主制御CPU100aを介して副制御CPU200aに出力する。そして、副制御CPU200aは、入力した制御コマンドに基づいて制御レベルが進行したことを報知させるように所定の報知手段を制御するとよい。
・パチンコ遊技機10は、払出確認制御において現在の制御レベルから次の制御レベルに進行するときの進行条件を報知可能に構成されてもよい。この場合、払出制御CPU300aは、現在の制御レベルから次の制御レベルに進行するときの進行条件を特定可能な制御コマンドを、主制御CPU100aを介して副制御CPU200aに出力する。そして、副制御CPU200aは、入力した制御コマンドに基づいて現在の制御レベルから次の制御レベルに進行するときの進行条件を報知させるように所定の報知手段を制御するとよい。
・払出ユニット40の払出動作部41の構成は、適宜変更してもよい。例えば、払出動作部41は、姿勢が変化することにより遊技球を払い出す払出動作が可能に構成されてもよいし、位置が変化することにより遊技球を払い出す払出動作が可能に構成されてもよいし、姿勢及び位置の両方が変化することにより遊技球を払い出す払出動作が可能に構成されてもよい。
・払出センサSE5は、複数のセンサから構成されてもよい。例えば、払出ユニット40から払い出された遊技球を上皿14に導く通路に配設される第1センサと、払出ユニット40から払い出された遊技球を下皿15に導く通路に配設される第2センサと、から構成されてもよい。
・払出センサSE5は、遊技球を検知したときに出力する検知信号を主制御CPU100aに出力するように構成されてもよい。この場合、主制御CPU100aは、払出センサSE5から検知信号を入力したことを示す制御コマンドを生成して払出制御CPU300aに出力するとよい。
・エラー解除スイッチSWは、該エラー解除スイッチSWが操作されたときに出力する操作信号を主制御CPU100aに出力するようにしても構成されてもよい。この場合、主制御CPU100aは、エラー解除スイッチSWから操作信号を入力したことを示す制御コマンドを生成して払出制御CPU300aに出力するとよい。
・払出エラー報知を実行する報知手段は、適宜変更してもよい。例えば、払出制御CPU300aと電気的に接続された報知手段を備え、該報知手段により払出エラー報知を実行するようにしてもよい。この場合、払出制御CPU300aは、払出エラーが発生していることを特定可能な払出エラーコマンドを生成しなくてもよい。また、払出エラー報知を実行する報知手段は、払出エラー報知を実行する専用の報知手段であってもよいし、払出エラー報知とは異なる報知や演出を実行する実行手段と兼用されていてもよい。
・制御レベルを段階的に進行させる制御として、払出確認制御とは異なる制御を備えてもよい。このとき、制御レベルを段階的に進行させる制御としては、例えば、主制御CPU100aが行う遊技球の検知に関する検知制御を採用するとよい。遊技球の検知に関する検知制御とは、例えば、所定の入賞口に入賞した遊技球を検知する制御などである。この場合、検知制御では、制御レベルに基づいて各種の処理が実行されるようにしてもよく、例えば、制御レベルに基づいて遊技球の検知に関する報知が実行されるようにしてもよい。この場合、遊技球の検知に関する報知は、例えば、遊技球が入賞口に入賞したことを示す入賞報知であってもよい。また、遊技球の検知に関する報知は、閉状態に制御されている入賞口に遊技球が入球したことを示す不正入賞エラー報知であってもよい。
・払出動作部41とは異なる動作手段を原位置に復帰させるための原位置復帰処理を実行可能な遊技機に具体化してもよい。例えば、動作手段は、大入賞口24へ遊技球が入球可能な開状態及び大入賞口24へ遊技球が入球不能な特別可変部材25であってもよい。この場合、第2アクチュエータA2を制御することにより特別可変部材25を動作させる主制御CPU100aが制御手段に相当し、大入賞口24に入球した遊技球を検出するカウントセンサSE3が検知手段に相当する。主制御CPU100aは、大当り遊技において、特別可変部材25を閉状態から開状態に制御することによりラウンド遊技を開始させた後、特別可変部材25を再び閉状態に復帰させることによりラウンド遊技を終了させる。このとき、主制御CPU100aは、ラウンド遊技において大入賞口24に入球した遊技球が上限個数に達したことを契機として、特別可変部材25を閉状態に制御する。このため、1回のラウンド遊技を付与する制御では、該ラウンド遊技においてカウントセンサSE3により遊技球が検知されたタイミングに応じて特別可変部材25の動作が変化する。また、主制御CPU100aは、ラウンド遊技において大入賞口24に入球した遊技球が上限個数に達しない場合、ラウンド遊技が開始されてから上限時間が経過したことを契機として特別可変部材25を閉状態に制御する。このため、1回のラウンド遊技を付与する制御では、該ラウンド遊技においてカウントセンサSE3により遊技球が検知されたか否かに応じて特別可変部材25の動作が変化する。
・特別ゲームは、演出表示装置EHにて表示してもよい。この場合、演出ゲームを表示しないようにしてもよい。
・パチンコ遊技機10は、特別ゲームとして、第1特別図柄を導出する第1特別図柄変動ゲームと第2特別図柄を導出する第2特別図柄変動ゲームとを実行可能であってもよい。この場合、第1始動入賞口21への遊技球の入球を契機に第1特別図柄変動ゲームを行い、第2始動入賞口22への遊技球の入球を契機に、第2特別図柄変動ゲームを行うとよい。第1特別図柄変動ゲームと第2特別図柄変動ゲームとは、保留順に実行してもよく、交互に実行してもよい。
・主制御基板100の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。
・副制御基板200の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。例えば、パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを専門に制御する表示基板、スピーカSPを専門に制御する音声基板、及び装飾ランプLAを専門に制御するランプ基板を備えていてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに備えていてもよい。
・払出制御CPU300aの機能は、複数の基板に分割して実現されてもよい。
・遊技機としてのスロットマシンに具体化してもよい。スロットマシンでは、スタートレバーの操作(開始操作)に伴い、複数のリールが回転する。また、スロットマシンでは、ストップボタンの操作(停止操作)に伴い、複数のリールのうち操作されたストップボタンに対応するリールの回転が停止する。このようなスロットマシンでは、複数のリールが特定の位置で停止することにより遊技媒体としてのメダルの払出条件が成立する。そして、このようなスロットマシンについて、メダルを払い出す際に動作する動作部を原位置に復帰させるための制御として、原位置復帰処理を実行してもよいし、メダルの検知に関する検知制御として、制御レベルが段階的に進行する払出確認制御を実行してもよい。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)前記原位置復帰制御の開始条件には、連続して払い出された遊技媒体の数が特定数に達した場合であって、且つ前記特定数の遊技媒体を払い出した後に遊技媒体の払出しが続くときに成立する連続払出条件がある。
(ロ)前記払出制御手段は、払出条件の成立を契機として予め定めた払出制御を実行するようになっており、前記原位置復帰制御の開始条件には、遊技機の電源が投入されてから最初に前記払出条件が成立したときに成立する電源投入時払出条件がある。
(ハ)払い出す遊技媒体の数を特定可能な払出情報を記憶する記憶手段を備え、前記払出制御手段は、払出条件の成立を契機として前記払出情報を更新するとともに、該払出情報に基づいて予め定めた払出制御を実行するようになっており、前記原位置復帰制御の開始条件には、前記払出情報から特定可能な遊技媒体の数が0である場合に前記払出条件が成立したときに成立する初回払出条件がある。