JP2011029927A - 時刻管理装置 - Google Patents
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Abstract
【構成】PTSおよびATSはMPEG−TSに埋め込まれ、PTSの数値は約26.5時間で周回し、ATSの数値は約159.1秒で周回する。CPU28は、Iピクチャに付加されたPTSの数値変動量をΔPTSとして算出し、対応するATSの数値変動量をΔATSとして算出する。CPU28はまた、算出されたΔPTSおよびΔATSの相違が増大するほど増大する整数値を示すように変数Lを調整し、ATSの周期(=約159.1秒)のL倍に相当する数値とΔATSとに基づいてIピクチャの取り込み時刻を検出する。
【効果】Iピクチャの取り込み時刻が誤検出される事態を回避することができる。
【選択図】図2
【効果】Iピクチャの取り込み時刻が誤検出される事態を回避することができる。
【選択図】図2
Description
この発明は、時刻管理装置に関し、特に、受信データに付加された時刻コードおよび/または自発的に作成された時刻コードを参照してデータ受信時刻を検出する、時刻管理装置に関する。
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、AVデジタルストリームを記録媒体に記録する際に、情報記録装置によってタイムマップが作成される。タイムマップは、AVデジタルストリームからPTS(Presentation Time Stamp)を特定できるときPTSに対応するように作成される一方、AVデジタルストリームからPTSを特定できないときATS(Arrival Time Stamp)に対応するように作成される。
しかし、ATSの周期はPTSの周期よりも格段に短い(ATS周期:約159.1秒,PTS周期:約26.5時間)ため、受信データが一時的に欠落するか、或いはATSの数値が周回すると、ATSに基づくタイムマップに誤りが生じるおそれがある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、データの欠落または時刻コードの周回に起因する時刻の誤検出を回避することができる、時刻管理装置を提供することである。
この発明に従う時刻管理装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、基準データに付加された第1時刻コード(PTS)の数値変動量を第1数値変動量として算出する第1算出手段(S33~S37)、既定期間で周回する数値を示す第2時刻コード(ATS)の数値変動量を第2数値変動量として算出する第2算出手段(S39~S43)、第1数値変動量と第2数値変動量との相違が増大するほど増大する整数値を示すように変数Lを調整する調整手段(S45, S47)、および基準データの取り込み時刻を第2時刻コードが示す数値と既定期間のL倍に相当する数値とに基づいて検出する検出手段(S49, S51)を備える。
好ましくは、調整手段は、第1数値変動量から第2数値変動量を減算する減算手段(S45)、および減算手段の減算結果を既定期間に相当する数値で割り算して変数Lの値を算出する割り算手段(S47)を含む。
好ましくは、第2算出手段は、第2時刻コードの数値変動方向が増大方向であるか否かを判別する第2判別手段(S39)、第2判別手段の判別結果が肯定的であるとき連続的に発生された2つの第2時刻コードの数値の差分を第2数値変動量として決定する第1決定手段(S41)、および第2判別手段の判別結果が否定的であるとき連続的に発生された2つの第2時刻コードの数値の差分に既定期間に相当する数値を加算して得られる数値を第2数値変動量として決定する第2決定手段(S43)を含む。
さらに好ましくは、検出手段は、第2数値変動量に既定期間のL倍に相当する数値を加算する第1加算手段(S49)、および前回の取り込み時刻に相当する数値に第1加算手段の加算結果を加算する第2加算手段(S51)を含む。
好ましくは、基準データはMPEGデータを形成するIピクチャに相当し、第1時刻コードおよび第2時刻コードはそれぞれPTSおよびATSに相当する。
この発明に従う時刻管理プログラムは、基準データに付加された第1時刻コード(PTS)の数値変動量を第1数値変動量として算出する第1算出ステップ(S33~S37)、既定期間で周回する数値を示す第2時刻コード(ATS)の数値変動量を第2数値変動量として算出する第2算出ステップ(S39~S43)、第1数値変動量と第2数値変動量との相違が増大するほど増大する整数値を示すように変数Lを調整する調整ステップ(S45, S47)、および基準データの取り込み時刻を第2時刻コードが示す数値と既定期間のL倍に相当する数値とに基づいて検出する検出手段(S49, S51)を実行させるための、時刻管理プログラムである。
この発明によれば、第1数値変動量は、基準データに付加された第1時刻コードの数値変動量に相当する。また、第2数値変動量は、第2時刻コードの数値変動量に相当する。さらに、第2時刻コードは、既定期間で周回する数値を示す。
したがって、既定期間を上回る期間にわたって基準データが欠落するか、或いは第2時刻コードが示す数値が周回すると、第1数値変動量と第2数値変動量との相違が増大する。変数Lは、このような相違が増大するほど増大する整数値を示すように調整される。これによって、基準データの欠落または第2時刻コードが示す数値の周回に起因して基準データの取り込み時刻が誤検出される事態を回避することができる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
[基本的構成]
図1を参照して、この発明の時刻管理情報作成装置は、基本的に次のように構成される。第1算出手段1は、基準データに付加された第1時刻コードの数値変動量を第1数値変動量として算出する。第2算出手段2は、既定期間で周回する数値を示す第2時刻コードの数値変動量を第2数値変動量として算出する。調整手段3は、第1数値変動量と第2数値変動量との相違が増大するほど増大する整数値を示すように変数Lを調整する。検出手段6は、基準データの取り込み時刻を第2時刻コードが示す数値と既定期間のL倍に相当する数値とに基づいて検出する。
第1数値変動量は、基準データに付加された第1時刻コードの数値変動量に相当する。また、第2数値変動量は、第2時刻コードの数値変動量に相当する。さらに、第2時刻コードは、既定期間で周回する数値を示す。
したがって、既定期間を上回る期間にわたって基準データが欠落するか、或いは第2時刻コードが示す数値が周回すると、第1数値変動量と第2数値変動量との相違が増大する。変数Lは、このような相違が増大するほど増大する整数値を示すように調整される。これによって、基準データの欠落または第2時刻コードが示す数値の周回に起因して基準データの取り込み時刻が誤検出される事態を回避することができる。
[実施例]
[実施例]
図2を参照して、この実施例のリムーバブルHDDレコーダ10は、デスクランブラ12を含む。デスクランブラ12は、チューナ(図示せず)から出力されたMPEG2−TSのスクランブルを解除し、解除後のMPEG2−TSをセレクタ14およびセクションフィルタ22に与える。
セレクタ14は、チューナから出力されたMPEG2−TSに基づくコンテンツを再現するときデスクランブラ12を選択する一方、後述するHDD40から再生されたMPEG2−TSに基づくコンテンツを再現するときSATA(Serial Advanced
Technology Attachment)コントローラ36を選択する。デマルチプレクサ16は、セレクタ14から出力されたMPEG2−TSに基づいてビデオPESパケットまたはオーディオPESパケットを作成し、ビデオPESパケットをビデオデコーダ18に与える一方、オーディオPESパケットをオーディオデコーダ20に与える。
Technology Attachment)コントローラ36を選択する。デマルチプレクサ16は、セレクタ14から出力されたMPEG2−TSに基づいてビデオPESパケットまたはオーディオPESパケットを作成し、ビデオPESパケットをビデオデコーダ18に与える一方、オーディオPESパケットをオーディオデコーダ20に与える。
ビデオデコーダ18は、ビデオPESパケットに格納されたビデオストリームをビデオデータに復号し、復号されたビデオデータをTVモニタ(図示せず)に向けて出力する。オーディオデコーダ20は、オーディオPESパケットに格納されたオーディオストリームをオーディオデータに復号し、復号されたオーディオデータをスピーカ(図示せず)に向けて出力する。
MPEG2−TSは、図3に示すようなデータ構造を有する。図3によれば、MPEG2−TSは、各々がヘッダおよびペイロードを有する複数のTSパケットによって形成される。
各TSパケットのヘッダには、MPEG−TSの送信元のPTSカウンタによって作成されたPTSが記述される。ここで、PTSカウンタは90KHzのクロックに応答してインクリメントされ、PTSは33ビットで表現される。一方、各TSパケットのペイロードには、ビデオPESパケット,オーディオPESパケットおよびPSI(Program Specific Information)が分散的に格納される。
ビデオPESパケットおよびオーディオPESパケットの各々もまた、ヘッダとペイロードとによって形成される。ビデオPESパケットのペイロードには、Iピクチャ,BピクチャおよびPピクチャによって形成されたビデオストリームが分散的に格納される。オーディオPESパケットには、複数のオーディオフレームによって形成されたオーディオストリームが分散的に格納される。
図2に戻って、キー入力装置32上で録画開始操作が行われると、CPU28の制御の下でコンテンツ録画処理が実行される。まず、記録に必要な一部のTSパケットがセクションフィルタ22によって抽出される。抽出されたTSパケットは、パーシャルTS化回路24によってパーシャルTS(情報量が抑制されたMPEG2−TS)に変換される。このとき、パーシャルTS化回路24は、27MHzのクロックに応答してインクリメントされるATSカウンタ34cから出力されたATSを各TSパケットの先頭に付加する。ATSは4バイト(=32ビット)で表現され、この結果、各TSパケットのサイズは188バイトから192バイトに拡大される。
SATAコントローラ36は、パーシャルTS化回路24から与えられたパーシャルTSを格納するMPEGファイルを、HDDスロット38に装着された着脱自在のHDD40に記録する。このようなコンテンツ録画処理は、録画終了操作が行われるまで継続的に実行される。
録画開始操作が行われたとき、CPU28は、コンテンツ録画処理に加えて、インデックスファイル作成処理を実行する。インデックスファイル作成処理では、情報解析回路26によって検出されるIピクチャに注目して、図4に示すインデックスファイルが作成される。図4によれば、インデックスの数(=Nmax)とタイムスタンプの種類(=ATS)とがインデックスファイルの先頭部分に記述され、その後にNmax個のインデックスが記述される。各インデックスは、タイムスタンプ,Iピクチャの開始位置およびIピクチャの終了位置を項目として有する。
タイムスタンプの種類が“ATS”とされることから、タイムスタンプの項目には、ATSカウンタ34cによって作成されたATSを基に作成されたタイムスタンプが記述される。ただし、タイムスタンプは、PTSの形式に合せるべく、90kHz換算でかつ33ビットで記述される。こうして作成されたインデックスファイルもまた、SATAコントローラ36によってHDD40に記録される。
キー入力装置32上でコンテンツ再生操作が行われると、CPU28は、対応するMPEGファイルの再生をSATAコントローラ36に命令する。所望のコンテンツのMPEG2−TSはSATAコントローラ36によって読み出され、セレクタ14を介してデマルチプレクサ16に与えられる。この結果、所望のコンテンツの映像および音声がTVモニタおよびスピーカから出力される。なお、上述のインデックスファイルは、再生映像の早送り処理や早戻し処理において参照される。
インデックスファイルに記述されるタイムスタンプは、TSパケットに記述されたPTSとATSとに基づいて、次の要領で作成される。
なお、PTSは33ビットで表現されかつ90KHzのクロックに応答してインクリメントされるため、PTSが示す数値は約26.5時間で周回する。また、ATSは32ビットで表現されかつ27MHzのクロックに応答してインクリメントされるため、ATSが示す数値は約159.1秒で周回する。
まず、今回取り込まれたIピクチャの先頭部分に埋め込まれたPTSが現PTSとして検出され、このIピクチャの先頭パケットのATSが現ATSとして検出される。現PTSの数値が前PTSの数値を上回れば、現PTSの数値から前PTSの数値を減算して得られる減算値が“ΔPTS”として設定される。一方、現PTSの数値が前PTSの数値以下であれば、現PTSの数値から前PTSの数値を減算して得られる減算値にPTSの周期(=約26.5時間)に相当する数値が加算され、これによって得られる数値が“ΔPTS”として設定される。
また、現ATSの数値が前ATSの数値を上回れば、現ATSの数値から前ATSの数値を減算して得られる減算値が“ΔATS”として設定される。一方、現ATSの数値が前ATSの数値以下であれば、現ATSの数値から前ATSの数値を減算して得られる減算値にATSの周期(=約159.1秒)に相当する数値が加算され、これによって得られる数値が“ΔATS”として設定される。
続いて、ΔPTSからΔATSを減算して得られる減算値が“α”として設定され、減算値αが“150”以下であれば変数Lが“0”に設定される一方、減算値αが“150”を上回れば変数Lが数1に従って算出される。数1によれば、減算値αから“150”をさらに減算して得られる数値がATSの周期で割り算され、この割り算によって得られる商に“1”が加算される。変数Lは、このような演算によって得られる数値に相当する。
[数1]
L=FLOOR((α−150)/ATSprd)+1
ATSprd:ATSの周期(=約159.1秒)
[数1]
L=FLOOR((α−150)/ATSprd)+1
ATSprd:ATSの周期(=約159.1秒)
ΔATSはその後、数2に従って更新される。数2によれば、ATSの周期のL倍に相当する数値がΔATSに加算され、これによって得られた加算値がΔATSとして確定される。
[数2]
ΔATS=ΔATS+ATSprd*L
[数2]
ΔATS=ΔATS+ATSprd*L
こうしてΔATSが確定すると、前タイムスタンプにΔATSを加算した加算値が現タイムスタンプとして決定される。
なお、現PTSおよび現ATSは、ΔPTSおよびΔATSが算出された後に、前PTSおよび前ATSとして退避される。また、現タイムスタンプは、インデックスファイルに記述された後に前タイムスタンプとして退避される。
チューナによって受信されるMPEG−TSに欠落が発生せず、PTSおよびATSのいずれの数値も周回しない場合、Iピクチャに埋め込まれたPTSの数値およびIピクチャが受信された時点のATSの数値は、秒換算でたとえば図5に示すように変化する。
図5によれば、隣り合う2つのIピクチャのうち、先行するIピクチャに埋め込まれたPTS1は“100.0秒”を示し、後続するIピクチャに埋め込まれたPTS2は“100.5秒”を示す。また、PTS1に対応するIピクチャの先頭パケットのATS1は“101.0秒”を示し、PTS2に対応するIピクチャの先頭パケットのATS2は“101.3秒”を示す。
このとき、ΔPTSは“0.5秒”を示し、ΔATSは“0.3秒”を示すことから、減算値αは“0.2秒”となり、変数Lは“0”となる。この結果、“0.3秒”がΔATSとして確定し、前タイムスタンプに“0.3秒”を加算して得られる数値が現タイムスタンプとして決定される。
チューナによって受信されるMPEG−TSの欠落に起因して、Iピクチャに埋め込まれたPTSの数値およびIピクチャが受信された時点のATSの数値が秒換算で図6に示すように変化した場合、現タイムスタンプは次の要領で決定される。
図6によれば、欠落が開始する前の最後のIピクチャに埋め込まれたPTS2は“100.5秒”を示し、欠落が終了した後の最初のIピクチャに埋め込まれたPTS3は“258.5秒”を示す。また、PTS2に対応するIピクチャの先頭パケットのATS2は“101.3秒”を示し、PTS3に対応するIピクチャの先頭パケットのATS3は“99.0秒”を示す。
このとき、ΔPTSは“158.0秒”となり、ΔATSは“156.8秒”となることから、減算値αは“1.2秒”となり、変数Lは“0”となる。この結果、“156.8秒”がΔATSとして確定し、前タイムスタンプに“156.8秒”を加算して得られる数値が現タイムスタンプとして決定される。
チューナによって受信されるMPEG−TSの欠落に起因して、Iピクチャに埋め込まれたPTSの数値およびIピクチャが受信された時点のATSの数値が秒換算で図7に示すように変化した場合、現タイムスタンプは次の要領で決定される。
図7によれば、欠落が開始する前の最後のIピクチャに埋め込まれたPTS2は“100.5秒”を示し、欠落が終了した後の最初のIピクチャに埋め込まれたPTS3は“408.5秒”を示す。また、PTS2に対応するIピクチャの先頭パケットのATS2は“101.3秒”を示し、PTS3に対応するIピクチャの先頭パケットのATS3は“99.0秒”を示す。
このとき、ΔPTSは“308.0秒”を示し、ΔATSは“156.8秒”を示すことから、減算値αは“151.2秒”となり、変数Lは“1”となる。この結果、“156.8秒”および“159.1秒×1”の加算値である“315.9秒”がΔATSとして確定し、前タイムスタンプに“315.9秒”を加算して得られる数値が現タイムスタンプとして決定される。
チューナによって受信されるMPEG−TSの欠落に起因して、Iピクチャに埋め込まれたPTSの数値およびIピクチャが受信された時点のATSの数値が秒換算で図8に示すように変化した場合、現タイムスタンプは次の要領で決定される。
図8によれば、欠落が開始する前の最後のIピクチャに埋め込まれたPTS2は“100.5秒”を示し、欠落が終了した後の最初のIピクチャに埋め込まれたPTS3は“565.3秒”を示す。また、PTS2に対応するIピクチャの先頭パケットのATS2は“101.3秒”を示し、PTS3に対応するIピクチャの先頭パケットのATS3は“99.0秒”を示す。
このとき、ΔPTSは“464.8秒”を示し、ΔATSは“156.8秒”を示すことから、減算値αは“308.0秒”となり、変数Lは“1”となる。この結果、“156.8秒”および“159.1×1秒”の加算値である“315.9秒”がΔATSとして確定し、前タイムスタンプに“315.9秒”を加算して得られる数値が現タイムスタンプとして決定される。
チューナによって受信されるMPEG−TSの欠落に起因して、Iピクチャに埋め込まれたPTSの数値およびIピクチャが受信された時点のATSの数値が秒換算で図9に示すように変化した場合、現タイムスタンプは次の要領で決定される。
図9によれば、欠落が開始する前の最後のIピクチャに埋め込まれたPTS2は“100.5秒”を示し、欠落が終了した後の最初のIピクチャに埋め込まれたPTS3は“567.3秒”を示す。また、PTS2に対応するIピクチャの先頭パケットのATS2は“101.3秒”を示し、PTS3に対応するIピクチャの先頭パケットのATS3は“99.0秒”を示す。
このとき、ΔPTSは“466.8秒”を示し、ΔATSは“156.8秒”を示すことから、減算値αは“310.0秒”となり、変数Lは“2”となる。この結果、“156.8秒”および“159.1×2秒”の加算値である“475.0秒”がΔATSとして確定し、前タイムスタンプに“475.0秒”を加算して得られる数値が現タイムスタンプとして決定される。
CPU28は、図4に示すインデックスファイルを作成するにあたって、図10〜図12に示すフロー図に従う処理を実行する。なお、これらのフロー図に対応する制御プログラムは、図示しないフラッシュメモリに記憶される。
図10を参照して、ステップS1では変数Nを“1”に設定し、ステップS3ではIピクチャが取り込まれたか否かを情報解析回路26の出力に基づいて繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS5でタイムスタンプ作成処理を実行する。ステップS7では、ステップS5で作成された現タイムスタンプをインデックスファイルのN番目のカラムに記述する。ステップS9では現タイムスタンプを前タイムスタンプとして退避させ、ステップS11ではIピクチャの位置情報(Iピクチャの開始位置および終了位置)をインデックスファイルのN番目のカラムに記述する。ステップS11の処理が完了すると、ステップS13で変数Nを変数Nmaxに設定し、ステップS15で変数Nをインクリメントし、その後にステップS3に戻る。
ステップS5のタイムスタンプ作成処理は、図11〜図12に示すサブルーチンに従って実行される。ステップS21では、情報解析回路26の出力に基づいて、今回取り込まれたIピクチャに埋め込まれたPTSを現PTSとして検出する。ステップS23では、そのIピクチャの先頭パケットのATSを現ATSとして検出する。ステップS25では変数Nが“1”であるか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS27に進む一方、判別結果がNOであればステップS33に進む。
ステップS27では基準値を現タイムスタンプに記述する。ここで、基準値は0などの特定の値としてもよく、現PTSを90kHzに変換した値でもよい。ステップS27の処理が完了すると、ステップS29で現PTSを前PTSとして退避させ、ステップS31で現ATSを前ATSとして退避させ、その後に上階層のルーチンに復帰する。
ステップS33では、現PTSの数値が前PTSの数値を上回るか否かを判別する。判別結果がYESであれば、現PTSの数値から前PTSの数値を減算し、これによって得られる減算値を“ΔPTS”に設定する。一方、判別結果がNOであれば、現PTSの数値から前PTSの数値を減算して得られる減算値にPTSの周期(=約26.5時間)に相当する数値を加算し、これによって得られる数値を“ΔPTS”に設定する。
ステップS39では、現ATSの数値が前ATSの数値を上回るか否かを判別する。判別結果がYESであれば、現ATSの数値から前ATSの数値を減算し、これによって得られる減算値を“ΔATS”に設定する。一方、判別結果がNOであれば、現ATSの数値から前ATSの数値を減算して得られる減算値にATSの周期(=約159.1秒)に相当する数値を加算し、これによって得られる数値を“ΔATS”に設定する。
ステップS41またはS43の処理が完了するとステップS45に進み、ΔPTSからΔATSを減算して得られる減算値を“α”に設定する。ステップS47では減算値αが“150”を上回るか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS49で数1に従って変数Lを算出する一方、判別結果がNOであればステップS51で変数Lを“0”に設定する。ステップS49またはS51の処理が完了するとステップS53に進み、数2に従ってΔATSを更新する。ΔATSの更新処理が完了すると、前タイムスタンプにΔATSを加算した加算値をステップS55で現タイムスタンプに記述する。ステップS55の処理が完了すると、ステップS29に戻る。
以上の説明から分かるように、PTSおよびATSはMPEG−TSに埋め込まれ、PTSの数値は約26.5時間で周回し、ATSの数値は約159.1秒で周回する。CPU28は、Iピクチャに付加されたPTSの数値変動量をΔPTSとして算出し(S33~S37)、対応するATSの数値変動量をΔATSとして算出する(S39~S43)。CPU28はまた、算出されたΔPTSおよびΔATSの相違が増大するほど増大する整数値を示すように変数Lを調整し(S45~S51)、ATSの周期(=約159.1秒)のL倍に相当する数値とΔATSとに基づいてIピクチャの取り込み時刻を検出する(S53, S55)。
ΔPTSは、Iピクチャに付加されたPTSの数値変動量に相当する。また、ΔATSは、Iピクチャの先頭パケットのATSの数値変動量に相当する。さらに、ATSは、約159.1秒で周回する数値を示す。
したがって、ATSの周期を上回る期間にわたってIピクチャが欠落するか、或いはATSが周回すると、ΔPTSとΔATSとの相違が増大する。変数Lは、このような相違が増大するほど増大する整数値を示すように調整される。これによって、Iピクチャの欠落またはATSの周回に起因してIピクチャの取り込み時刻が誤検出される事態を回避することができる。
なお、この実施例では、タイムスタンプを作成するにあたって、PTSを参照するようにしているが、PTSに代えてDTS(Decoding Time Stamp)を参照するようにしてもよい。
10 …リムーバブルHDDレコーダ
22 …セクションフィルタ
24 …パーシャルTS化回路
28 …CPU
36 …HDDスロット
38 …HDD
22 …セクションフィルタ
24 …パーシャルTS化回路
28 …CPU
36 …HDDスロット
38 …HDD
Claims (6)
- 基準データに付加された第1時刻コードの数値変動量を第1数値変動量として算出する第1算出手段、
既定期間で周回する数値を示す第2時刻コードの数値変動量を第2数値変動量として算出する第2算出手段、
前記第1数値変動量と前記第2数値変動量との相違が増大するほど増大する整数値を示すように変数Lを調整する調整手段、および
前記基準データの取り込み時刻を前記第2時刻コードが示す数値と前記既定期間のL倍に相当する数値とに基づいて検出する検出手段を備える、時刻管理装置。 - 前記調整手段は、前記第1数値変動量から前記第2数値変動量を減算する減算手段、および前記減算手段の減算結果を前記既定期間に相当する数値で割り算して前記変数Lの値を算出する割り算手段を含む、請求項1記載の時刻管理装置。
- 前記第2算出手段は、前記第2時刻コードの数値変動方向が増大方向であるか否かを判別する第2判別手段、前記第2判別手段の判別結果が肯定的であるとき連続的に発生された2つの第2時刻コードの数値の差分を前記第2数値変動量として決定する第1決定手段、および前記第2判別手段の判別結果が否定的であるとき連続的に発生された2つの第2時刻コードの数値の差分に前記既定期間に相当する数値を加算して得られる数値を前記第2数値変動量として決定する第2決定手段を含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の時刻管理装置。
- 前記検出手段は、前記第2数値変動量に前記既定期間のL倍に相当する数値を加算する第1加算手段、および前回の取り込み時刻に相当する数値に前記第1加算手段の加算結果を加算する第2加算手段を含む、請求項3記載の時刻管理装置。
- 前記基準データはMPEGデータを形成するIピクチャに相当し、
前記第1時刻コードおよび前記第2時刻コードはそれぞれPTSおよびATSに相当する、請求項1ないし4のいずれかに記載の時刻管理装置。 - 時刻管理装置のプロセッサに、
基準データに付加された第1時刻コードの数値変動量を第1数値変動量として算出する第1算出ステップ、
既定期間で周回する数値を示す第2時刻コードの数値変動量を第2数値変動量として算出する第2算出ステップ、
前記第1数値変動量と前記第2数値変動量との相違が増大するほど増大する整数値を示すように変数Lを調整する調整ステップ、および
前記基準データの取り込み時刻を前記第2時刻コードが示す数値と前記既定期間のL倍に相当する数値とに基づいて検出する検出ステップを実行させるための、時刻管理プログラム。
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