JP2011027814A - 電気光学装置、および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な実用強度を備えた表示装置を提供すること。
【解決手段】表示装置100によれば、支持板30上に、表示パネル18が重ねられた積層構造を表面および裏面から2枚の樹脂フィルム25a,25bで覆ってラミネートしているため、表示装置100は、支持板30を芯材として一体化されている。そして、支持板30の辺30eには、ラミネート構造体25の外形からはみ出した結合部30a,30bが設けられ、当該結合部に綴じ込み用の穴h1,h2が形成されている。つまり、芯材である支持板30に穴h1,h2が形成されているため、引っ張り力や、曲げ力に対する十分な強度を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気光学装置、および当該電気光学装置を備えた電子機器に関する。
液晶パネルや、有機EL(Electro Luminescence)パネルなどのフラットパネルディスプレーは、ブラウン管などに比べて、薄く、軽量であるため、携帯電話や、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯用の電子機器に用いられている。昨今、このようなPDAの一つの形態として、新聞記事や、書籍の内容などを表示可能な電子ペーパーや、電子書籍端末などが提案されている。
例えば、特許文献1には、薄型の液晶パネルを表裏面から樹脂フィルムでラミネートし、ラミネートした状態のシート状の表示装置をシステム手帳に綴じ込んで使用する情報機器が提案されている。
また、当該文献によれば、液晶パネルを構成する2枚のガラス基板の各々の厚さを100μmとすることにより、液晶パネルにフレキシブル性を持たせることができるとしている。そして、液晶パネルを表裏面から樹脂フィルムでラミネートすることにより、薄型化による割れ易さを補うことができるとしている。
特許第4131639号公報
しかしながら、従来の表示装置のシステム手帳への綴じ込み構造では、十分な実用強度を得ることが難しいという課題があった。詳しくは、従来の表示装置では、システム手帳の結合用のリングに、表示装置に形成された綴じ込み穴を通して綴じ込んでいたが、綴じ込み穴が2枚の樹脂フィルムのみによる積層部に形成されていたため、強度が不足していた。換言すれば、使用時において表示装置に加わる引っ張り力や、曲げ力によって、樹脂フィルムに形成された綴じ込み穴が伸びて変形したり、裂けてしまうことがあった。
また、フラットパネルディスプレーとして、有機ELパネルを用いることも考えられる。しかし、有機ELパネルは、自発光デバイスであるため、液晶パネルなどに比べて発熱量が多く、何らかの放熱構造が必要となるが、表裏面から樹脂フィルムでラミネートする構成では、熱が内部に籠もってしまい、十分な放熱性の確保が困難であるという課題があった。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例又は形態として実現することが可能である。
(適用例)
支持板と、一対のガラス基板間に電気光学層を挟持し、複数の画素が形成された表示領域を有する表示パネルと、支持板上に、表示パネルが重ねられてなる積層構造を表示領域側の第1の面側、および第1の面と対向する第2の面側から覆い、ラミネートする2枚の樹脂フィルムと、を備え、支持板の一辺には、樹脂フィルムの外形からはみ出した結合部が設けられ、結合部には、綴じ込み穴が形成されていることを特徴とする電気光学装置。
この電気光学装置によれば、支持板上に、表示パネルが重ねられた積層構造を表面および裏面から2枚の樹脂フィルムで覆ってラミネートしているため、電気光学装置は、支持板を芯材として一体化されている。
そして、支持板の一辺には樹脂フィルムの外形からはみ出した結合部が設けられ、結合部に綴じ込み穴が形成される構成であるため、換言すれば、芯材である支持板に綴じ込み穴が形成される構成であるため、従来の樹脂フィルムに形成された綴じ込み穴よりも、実用強度を高めることができる。例えば、支持板の材質として、金属や、炭素繊維を含む材質を用いることにより、十分な実用強度を確保することができる。
従って、十分な実用強度を備えた電気光学装置を提供することができる。
また、金属や、炭素繊維を含む材質は、樹脂フィルムよりも熱伝導率が優れているため、これらの材質を支持板に用いた場合には、表示パネルが発する熱を効率良く吸収することができる。さらに、支持板の一辺に形成された結合部は、樹脂フィルムの外形からはみ出しているため、換言すれば、外部に露出した状態となっているため、吸収した熱を効率良く外気中に放熱することができる。
従って、十分な実用強度と放熱性とを兼ね備えた電気光学装置を提供することができる。
また、支持板と、一対のガラス基板間に電気光学層を挟持し、複数の画素が形成された表示領域を有する表示パネルと、支持板上に、表示パネルが重ねられてなる積層構造を表示領域側から覆ってラミネートする樹脂フィルムと、を備え、支持板の一辺には、樹脂フィルムの外形からはみ出した結合部が設けられ、結合部には、綴じ込み穴が形成されていることが好ましい。
また、支持板は、金属、または炭素繊維を含む材質から構成されていることが好ましい。
また、結合部は、一辺における両端側に分かれて形成され、結合部の各々には、少なくとも1つの綴じ込み穴が形成されていることが好ましい。
また、支持板と、表示パネルとの間に、支持板よりも熱伝導率の高い放熱部材がさらに設けられていることが好ましい。
また、一辺における両端側に形成された結合部の各々の幅は、一辺の長さの約1/3以下とされ、綴じ込み穴は、結合部における樹脂フィルム側とは反対側の端部に形成されていることが好ましい。
また、樹脂フィルムは、ポリエチレン系共重合材料から構成され、金属は、ステンレス板、またはメッキ処理された鋼板であり、炭素繊維を含む材質は、CFRPであることが好ましい。
また、支持板における一辺の反対側の第2の辺は、樹脂フィルムの外形からはみ出すとともに、折り返し形状が形成されていることが好ましい。
また、表示パネルには、一対のガラス基板のうち、いずれか一方のガラス基板の一辺が他方のガラス基板よりも張出した張出し領域が形成されてなり、張出し領域には、フレキシブル基板の一端が接続されており、フレキシブル基板の一端は、樹脂フィルムによって覆われるとともに、フレキシブル基板の他端は、一辺において、樹脂フィルムの外形からはみ出していることが好ましい。
また、電気光学層は、有機発光層を含む有機EL層であることが好ましい。
上記記載の電気光学装置と、綴じ込み穴と対になるリングを有するファイル本体と、を備え、綴じ込み穴をリングに通して、電気光学装置をファイル本体に綴じ込むことを特徴とする電子機器。
一対のガラス基板間に電気光学層を挟持し、複数の画素が形成された表示領域を有する表示パネルと、表示パネルを表示領域側の第1の面側、および第1の面と対向する第2の面側から覆い、ラミネートする2枚の樹脂フィルムと、を備え、表示パネルの一辺における外側には、綴じ込み穴が形成されており、綴じ込み穴の周縁部における2枚の樹脂フィルムの間には、金属、または炭素繊維を含む材質から構成された補強板が配置されていることを特徴とする電気光学装置。
実施形態1に係る表示装置の一態様を示す斜視図。 図1のf−f断面における表示装置の側断面図。 図2におけるd部の拡大図。 CFRPの積層構造を示す模式図。 表示装置の製造方法の流れを示すフローチャート図。 (a)、(b)各工程における製造態様を示す図。 実施形態2に係る表示装置の斜視図。 表示装置の断面図。 (a)実施形態3に係る表示装置の平面図、(b)比較図としての実施形態3の表示装置の平面図。 電子機器としての第1の電子書籍を示す斜視図。 (a)電子機器としての第2の電子書籍を示す分解斜視図、(b)第2の電子書籍の側断面図。 (a)、(b)変形例1に係る表示装置の側断面図。 (a)変形例2に係る表示装置の平面図、(b)(a)のj−j断面における断面図。 (a)、(b)変形例3に係る支持板の斜視図。 変形例4に係る表示パネルの断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部位を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部位の縮尺を実際とは異ならしめてある。
(実施形態1)
「表示装置の概要」
図1は、本実施形態に係る表示装置の一態様を示す斜視図である。図2は、図1のf−f断面における表示装置の側断面図である。
まず、本発明の実施形態1に係る電気光学装置としての表示装置100の概要について説明する。
表示装置100は、薄型の有機ELパネルである表示パネル18を備えたフレキシブルな有機EL表示装置である。詳しくは、金属製の支持板30上に、表示パネル18を重ねた積層構造を2枚の樹脂フィルム25a,25bによりラミネートした構造の有機EL表示装置である。なお、以下の説明において、当該ラミネート構造、またはラミネートした状態の表示パネル18のことをラミネート構造体25ともいう。
表示パネル18は、マトリックス状に配置された複数の画素からなる表示領域Vを備えている。また、柔軟性を確保するためにその総厚が100μm以下に設定されている。表示領域Vには、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色画素が周期的に配置されており、各画素が出射する表示光によりフルカラーの画像が表示される。なお、カラー表示を行う表示パネルに限定するものではなく、モノクロ表示を行う表示パネルであっても良い。表示領域Vは、縦長の長方形をなしており、図1を含む各図においては、当該縦方向をY軸方向とし、縦方向よりも短い横方向をX軸方向と定義している。また、表示パネル18の厚さ方向をZ軸方向としている。また、表示領域V側の面を表面、その反対側の面を裏面という。
表示パネル18の外形は、後述する張出し領域分、X軸方向の幅の割合が広くなるが、表示領域Vを一回り大きくした縦長の長方形となっている。そして、ラミネート構造体25も、縦長の長方形をなしており、その大きさは、表示パネル18の外周を覆うサイズとなっている。
支持板30は、平面的に表示パネル18よりも大きく形成されており、X軸(−)側の一辺の中央部が窪んだ縦長の略長方形状をなしている。また、図1では、当該窪みを埋めた状態における当該辺を辺30eとして2点鎖線で示している。辺30e以外の三辺は、表示パネル18の外形に沿って、当該外形よりも一回り大きいサイズとなっており、ラミネート構造体25に覆われている。なお、表示パネル18、ラミネート構造体25、支持板30の平面形状については、図9(b)にも示されている。当該図に示されるように、表示パネル18は、支持板30の平坦面に収まっている。
そして、辺30eにおける窪みの両端には、ラミネート構造体25からはみ出した2ヶ所の結合部30a,30bが形成されている。換言すれば、支持板30において、辺30e側が幅広で、当該辺の対向辺側が幅狭の台形状の窪みの両側に、台形状の凸部からなる結合部30a,30bが形成されている。
また、2つの結合部30a,30bは、台形状の窪みを挟んで、辺30eの両端側に別れて形成されている。換言すれば、辺30eにおけるY軸(+)側と、Y軸(−)側とに離れた状態で形成されている。また、2つの結合部30a,30bには、それぞれ綴じ込み用の穴h1,h2が形成されている。
つまり、表示装置100は、一方の長辺の両端に綴じ込み用の穴h1,h2を備えており、例えば、システム手帳や、図10の電子書籍(ファイル)などへの綴じ込み可能な構成を備えている。
また、詳しくは後述するが、支持板30の材質や、厚さなどが最適化されているため、綴じ込み後における引っ張り力や、曲げ力に対する十分な強度と、フレキシブル性との両立を可能としている。
なお、図2に示すように、表示パネル18は、素子基板1と、CF(カラーフィルター)基板16とから構成されており、その一端には、素子基板1の一辺がCF基板16から張出した張出し領域が形成されている。図1に示すように、張出し領域には、フレキシブル基板20が接続されている。なお、フレキシブル基板とは、例えば、ポリイミドフィルムの基材に銅箔の配線などが形成された柔軟性を有するフレキシブルプリント回路基板の略称である。また、フレキシブル基板20には、駆動用IC(Integrated Circuit)21が実装され、その端部には外部機器と接続するための複数の端子が形成されている。
「表示パネルの詳細な構成」
図3は、図2の表示パネル18におけるd部の拡大図である。
続いて、表示パネル18の詳細な構成について説明する。
表示パネル18は、素子基板1、素子層2、平坦化層4、画素電極6、隔壁7、電気光学層としての有機EL層8、共通電極9、電極保護層10、緩衝層11、ガスバリア層12、充填剤13、CF層14、CF基板16などから構成されている。また、素子基板1とCF基板16とに挟持された部位のことを機能層17という。換言すれば、素子層2からCF層14までの積層構造を機能層17という。
素子基板1は、透明な無機ガラスから構成されている。本実施形態では、好適例として、無アルカリガラスを用いている。
素子層2には、各画素をアクティブ駆動するための画素回路が形成されている。画素回路には、TFT(Thin Film Transistor)からなる画素を選択するための選択トランジスターや、有機EL層8に電流を流すための駆動トランジスター3などが含まれており、画素ごとに対応して形成されている。なお、画素回路は、好適例として、活性層に低温ポリシリコンを用いているが、アモルファスシリコンを活性層として用いた構成であっても良い。
素子層2の上層(Z軸(−)方向)には、例えば、アクリル樹脂などからなる絶縁層である平坦化層4が形成されている。
平坦化層4の上層には、画素ごとに区画されて、反射層5と、画素電極6とがこの順番で積層されている。反射層5は、例えば、アルミニウムなどからなる反射層であり、有機EL層8から素子基板1側に向かう光を反射して、表示に寄与する光にする。
画素電極6は、ITO(Indium Tin Oxide)や、ZnOなどの透明電極から構成されており、画素ごとに素子層2の駆動トランジスター3のドレイン端子と平坦化層4を貫通するコンタクトホールにより接続されている。
隔壁7は、光硬化性の黒色樹脂などから構成され、平面的に各画素を格子状に区画している。なお、素子層2における駆動トランジスター3を含む画素回路は、光による誤動作を防止するために、平面的に隔壁と重なるように配置されている。
有機EL層8は、画素電極6、および隔壁7を覆って形成されている。また、図3においては一層の構成となっているが、実際は、それぞれが有機物の薄膜からなる正孔輸送層、発光層、電子注入層などから構成されており、画素電極6上にこの順番に積層されている。正孔輸送層は、芳香族ジアミン(TPAB2Me−TPD,α−NPD)などの昇華性の材料から構成されている。発光層は、赤、緑、青の3色を組み合わせて形成される白色光を放射する多層からなる有機発光材料薄膜から構成されている。電子注入層は、LiF(フッ化リチウム)などから構成されている。
共通電極9は、MgAgなどの金属を、光を透過するようにごく薄く成膜した金属薄膜層である。さらに、抵抗を下げるため、ZnOなどの金属酸化物やTiNなどの金属窒化物層など透明導電膜を積層しても良い。
電極保護層10は、SiO2や、Si34、SiOxNyなどの透明で、かつ、高密度により水分を遮断する機能を有する材質から構成されている。
緩衝層11は、熱硬化性のエポキシ樹脂などの透明な有機緩衝層である。
ガスバリア層12は、SiO2や、Si34、SiOxNyなどの透明で、かつ、高密度により水分を遮断する機能を有する封止層であり、有機EL層8への水分の浸入を防止する機能を担う。
充填剤13は、例えば、熱硬化性のエポキシ樹脂などからなる透明な接着層であり、ガスバリア層12とCF層14との間の凹凸面に充填されるとともに、両者を接着する。また、外部から、有機EL層8への水分の浸入を防ぐ機能も果たす。
CF基板16は、素子基板1と同様な無機ガラスから構成されており、有機EL層8側(Z軸(+)側)には、CF層14が形成されている。
CF層14には、赤色カラーフィルター14r、緑色カラーフィルター14g、青色カラーフィルター14bが画素配置と同様に配置されている。詳しくは、各色のカラーフィルターは、それぞれが対応する画素電極6と重なるように配置されており、各カラーフィルター間には、ハッチングで示した遮光部が形成されている。遮光部は、平面的に隔壁7と重なるように格子状に形成されており、光学的には、ブラックマトリックスの機能を果たす。
そして、CF基板16と素子基板1とは、CF基板16の周縁部に形成されたシール剤15によって接着および封止されている。シール剤15としては、エポキシ系の接着剤や、紫外線硬化樹脂などを用いる。
このように構成された各画素からは、カラーフィルターの色調に対応した表示光が出射される。例えば、赤色画素の場合、有機EL層8で放射された白色光は、赤色カラーフィルター14rによって赤色光が選択されて、赤色の表示光としてCF基板16から出射される。また、緑色、青色の画素においても同様である。
これにより、表示領域Vでは、CF基板16から出射される複数のカラー画素からの表示光によりフルカラーの画像が表示されることになる。
なお、表示パネル18の構成は、トップエミッション型に限定するものではなく、2枚のガラス基板間に、電気光学層を挟持した構成であれば良い。例えば、有機EL層8が発する光を素子基板1側から出射するボトムエミッション型の有機EL表示装置であっても良い。また、無機ELを光源として備えた無機EL表示装置であっても良い。
また、図1で説明したように、素子基板1の一辺がCF基板16から張出した張出し領域には、フレキシブル基板20が接続されている。フレキシブル基板20は、素子基板1に形成された透明電極との間で、異方性導電接着フィルムなどにより、電気的な接続が取られている。
ここで、異方性導電接着フィルムによる接続だけでは、機械的強度が不足しているため、従来は、フレキシブル基板20の接続部を覆ってシリコン樹脂(接着剤)などでモールドし、補強していたが、剥離し易いという問題があった。
本実施形態では、この補強構造の替わりに、樹脂フィルム25aを接着剤(充填剤)として機能させることによって、十分な実用強度と柔軟性とを確保している。なお、樹脂フィルムの接着方法(ラミネート方法)については、後述する。
「支持板、およびラミネート構造体の材質」
図2に戻る。
続いて、支持板30、およびラミネート構造体25を構成する樹脂フィルム25a,25bの材質について説明する。
支持板30には、表示パネル18の補強と、綴じ込み用の穴h1,h2を含む結合部30a,30bの十分な実用強度と、放熱性と、復元性(ばね性)のある柔軟性などの機能が必要となる。
本実施形態では、好適例として、支持板30の材質にステンレス鋼を採用している。詳しくは、ばね用ステンレス鋼帯であるSUS304CSPを用いている。なお、これに限定するものではなく、上述した機能を備えた材質であれば良く、例えば、SUS301CSPや、鉄とニッケルの合金で、常温付近で熱膨張率が小さいインバー(invar)、または鋼板にメッキ処理を施したメッキ鋼板を用いることであっても良い。なお、メッキ処理は、耐蝕性に優れたものが好ましく、例えば、ニッケル、または銅を下地としたクロームメッキや、アルミニウムやマグネシウム、そして微量のシリコンを添加した亜鉛メッキなどが好適である。
また、金属に限定するものではなく、例えば、優れた引張り強度と、放熱性とを兼ね備えたCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)を支持板30の材料に用いても良い。
図4は、CFRPの積層構造を示す模式図である。
CFRPは、炭素繊維と樹脂による複合材料であり、1方向に並行に揃えられた炭素繊維にエポキシ樹脂やフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、またはポリエステルなどの熱可塑性を含浸させたプリプレグと呼ばれる前駆体(炭素繊維層)を異なる方向に2層以上積層し硬化した複合材料である。
CFRPを支持板30に用いる場合には、図4に示すように、X軸方向に延在する複数本の炭素繊維を含む前駆体を炭素繊維層p(第1炭素繊維層)、Y軸方向に延在する複数本の炭素繊維を含む前駆体を炭素繊維層q(第2炭素繊維層)としたときに、炭素繊維層pと炭素繊維層qとを交互に2層積層した後に、加圧および加熱(例えば、120〜180℃)して、板状に硬化させたCFRPを用いる。なお、図4において、ストライプ状に示された線分は、炭素繊維の延在方向を示している。また、構成を明確にするために各層を離して描いているが、実際は接着(密着)されて一体となった積層体となっている。
また、炭素繊維としては、PAN(ポリアクリロニトリル)系炭素繊維、またはピッチ(石油樹脂)系炭素繊維を用いることが好ましい。
また、本実施形態では、好適例として2層構成のCFRPを採用したが、炭素繊維の延在方向が異なる炭素繊維層を2層以上積層した積層構造を含んでいれば良い。換言すれば、各々の炭素繊維の延在方向が交差するように重ね合わせた2枚の炭素繊維層からなる積層構造を含んでいれば、3層構成であっても、それ以上の積層構造であっても良い。
CFRPは、低密度(1.5〜2.0g/cm3)で、高引張り強度(1000MPa以上)であるため、薄膜化しても高強度な補強が可能であり、また、軽量なので支持板30の材料として好適である。さらに、CFRPの主成分である炭素繊維の熱伝導は20〜60W/m・kであり、ガラス(1W/m・k)やエンプラ樹脂(約0.5w/m・k)に比べて高いため、十分な放熱性も有している。
図2に戻る。
支持板30上に、表示パネル18を重ねた積層構造を表裏面から覆い、ラミネートする樹脂フィルム25a,25bには、ガラス基板および支持板30との接着性、柔軟性、透明性(光取り出し性)、フレキシブル基板20のモールド性(絶縁性と耐熱性)、および内部への水分侵入を防ぐ耐水性などの機能が必要となる。
これらの機能を満たすため、樹脂フィルム25a,25bの材料としては、耐水性(低吸水率)や絶縁性、柔軟性、透明性、低温溶着性を有するポリエチレンをベースとした樹脂が好ましい。また、接着性を向上させるため一部極性基を持たせた共重合体であることがより好ましい。
本実施形態では、好適例として、ポリエチレン系共重合体の一種であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を樹脂フィルム25a,25bの材料に採用している。
なお、EVAに限定するものではなく、同様な機能を有するポリエチレン系共重合体であれば良い。
例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、エチレン−メタクリル酸ヒドロキシアルキル共重合体、エチレン−メタクリル酸アルコキシエチル共重合体、エチレン−メタクリル酸アミノエチル共重合体、エチレン−メタクリル酸ヒドロキシグリシジル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸アルキル共重合のうち、いずれかを用いることが好ましい。または、これらを2つ以上組み合わせた共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体などはガラスとCFRP双方の接着性に優れた共重合体である)、または混合物を用いることであっても良い。
また、耐熱性を高めるためにエポキシ化合物やイソシアネート化合物、ポリエチレンイミンなどのアミン化合物などの硬化成分を架橋剤として含んでいても良い。なお、エチレン共重合体の中でも、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)やエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)などエステル化されていないカルボキシル基を有する材料を用いる場合には、低温溶着性や接着性に優れるもののフレキシブル基板20の銅配線などを腐食する可能性があるため、エポキシ系硬化剤などの架橋成分と組み合わせて熱により架橋させ、アクリル酸が残留しないようにすることが好ましい。
「各部の厚さについて」
ここでは、表示装置100がフレキシブル性と、実用強度(強靭さ)とを両立させるために必要な各部の最適な厚さについて説明する。
まず、支持板30の厚さについて説明する。
本実施形態では、好適例として、支持板30の厚さを約40μmとしている。なお、これに限定するものではない。例えば、金属材料を支持板30に用いる場合には、柔軟性と強度とのバランスを取って、その厚さを30〜80μmの範囲内に設定すれば良い。
また、支持板30にCFRPを用いる場合には、2層構造で厚さが約50μmのCFRPを用いることが好ましい。なお、これに限定するものではなく、50〜125μmの範囲内に設定すれば良い。換言すれば、層厚が約25μmの炭素繊維層を2層〜5層の範囲内で積層すれば良い。
図3に戻る。
続いて、表示パネル18の厚さについて説明する。表示パネル18は、フレキシブル性に耐えられる接着強度を得るため、基板間に中空構造を持たない全固体物質で充填されている。
図3では、各構成部位の積層関係を明確にするために、特に、機能層17における縮尺を他の部位よりも拡大しているが、実際は、機能層17の部分が最も薄く構成されることになる。機能層17の厚さは、数μm〜20μm程度の厚さである。このうち、緩衝層11が半分以上の厚さを占めている。ちなみに、厚さがnmオーダーの複数の薄膜からなる有機EL層8の厚さは1μmに満たない。
本実施形態では、好適例として、素子基板1およびCF基板16の厚さをそれぞれ約40μmとしている。また、表示パネル18の総厚は、好適例として約90μmとしている。発明者等の実験結果によれば、有機ELパネルの信頼性を確保するためには、ガスバリア層12などの封止構造に加えて、素子基板1およびCF基板16の厚さが約10μm以上必要であることが解っている。換言すれば、素子基板1およびCF基板16の厚さを各々約10μm以上に設定することによって、フレキシブル性に耐えられるだけの衝撃強度と、十分な防湿性を確保することが可能となる。
他方、素子基板1、およびCF基板16の厚さが約100μm以上となると、柔軟性が損なわれて来ることも解っている。
このため、素子基板1、およびCF基板16の厚さは、それぞれ10〜100μmの範囲内に設定することが好ましい。また、強度と柔軟性とのバランスを考慮すると、20〜80μmの範囲内とすることがより好ましい。
さらに、素子基板1とCF基板16とを重ね合せた表示パネル18の総厚は、強度と柔軟性とのバランスを考慮して、50〜120μmの範囲内に設定することが好ましい。
なお、素子基板1、およびCF基板16は、それぞれが初期段階で0.3〜0.7mm程度の厚さであったものを研磨、またはエッチングして薄くしたものである。好適には、表裏のガラス基板が厚い状態の表示パネルを製造した後、フッ酸(フッ化水素酸)を溶解したエッチング溶液(水溶液)として用いたエッチングにより、所期の厚さの表示パネル18を製造する。なお、この方法に限定するものではなく、所期の厚さの表示パネル18を形成可能な方法であれば良く、例えば、機械的研磨法を用いることであっても良い。
図2に戻る。
次に、ラミネート構造体25を構成する樹脂フィルム25a,25bの厚さについて説明する。
本実施形態では、好適例として、厚さが約50μmのEVAフィルムを樹脂フィルム25a,25bに用いている。発明者等の実験結果によれば、支持板30、および表示パネル18の周縁部における隙間を含む段差の被覆性(充填性)を満たすためには、約20μm以上の厚さが必要となることが解っている。
この被覆性と、表示装置100としての総厚とのバランスを考慮すると20〜100μmの範囲内であることが好ましい。また、樹脂フィルムのコストや、ラミネートのし易さ(作業性)を加味すると、40〜80μmの範囲内であることが好ましい。
なお、上記好適例の寸法は、発明者等が実験結果や、物性データなどから創意工夫の末に導出した好適事例の一つであり、これに限定するものではなく、上述した各部の推奨寸法範囲内において、用途に応じた寸法設定をすることができる。
「表示装置の製造方法」
図5は、表示装置の製造方法の流れを示すフローチャートである。図6(a)、(b)は、各工程における製造態様を示す図である。
ここでは、表示装置100の製造方法について、図5のフローチャートに沿って詳細に説明する。
ステップS1では、図6(a)に示すように、各部材を重ね合わせた状態(準備体)とし、ラミネート装置にセットする。詳しくは、樹脂フィルム25b上に、支持板30と、表示パネル18と、樹脂フィルム25aとを、この順番で重ね合わせる。なお、図6(a)では省略しているが、各部材の重ね合わせは専用の案内板を用いて行われ、平面的な位置合わせもなされている。この工程は、好適例としては、通常環境下で行うが、後述の減圧環境下で行っても良い。
そして、準備体をラミネート装置にセットする。なお、図6(a)では、ラミネート装置の加圧ローラー81,82のみを図示している。
ステップS2では、ラミネート装置および準備体が設置された環境を減圧し、減圧環境とする。なお、ラミネート装置は、内部環境を所望の気圧環境に設定可能なチャンバー装置(室)内に設置してある。この工程によって、準備体内部の空気(気泡)が除去(脱泡)される。
また、平行して、加圧ローラー81,82の加熱が行われ、伝熱性のあるエラストマーから構成されたローラー面が80〜120℃の温度に熱せられる。
ステップS3では、図6(a)の矢印で示すように、準備体におけるフレキシブル基板20の反対側の一辺から、一対の加圧ローラー81,82の間に準備体が挿入されて、ラミネートが行われる。加圧ローラー81,82に挟持された部分では、ローラーの熱によって樹脂フィルム25a,25bが溶解し、さらに加圧されて相互に接着される。また、溶解した当該樹脂フィルムは、接着剤(充填剤)として機能し、支持板30、表示パネル18、およびフレキシブル基板20を覆って接着する。換言すれば、被着面が溶解した樹脂フィルムは、各部を一体にラミネートする。
また、準備体の一辺から他端に向かってラミネートが行われるため、各部材に気泡(空気)が残っていたとしても、気泡は、ラミネート順に沿って他端側に押し出されることになる。そして、図6(b)に示すように、ラミネートされた表示装置100が加圧ローラー81,82間から押し出されてラミネートが完了する。
ステップS4では、ラミネートされた表示装置100における残留応力を取り除くためにアニーリング処理を行う。アニーリング処理は、引き続き減圧環境で行っても良いし、通常環境下で行っても良い。特に、樹脂フィルム25a,25bが架橋成分を含む場合には、約100℃でアニーリング処理し、架橋を完全なものとすることが好ましい。
なお、ラミネート装置は、一対の加圧ローラー81,82を備えたロールラミネート方式に限定するものではなく、準備体を表示装置100の完成状態にラミネート可能な装置であれば良い。例えば、1枚の板状加熱板(ホットプレート)上に準備体をセットし、変形するゴムシートを気圧差により当該準備体に押し当てて、加熱および加圧するダイアフラム方式による真空ラミネート装置を用いても良い。
図1に戻る。
このようにして、図1に示すような、辺30eの両端に、ラミネート構造体25からはみ出した2ヶ所の結合部30a,30bを備えた表示装置100が形成される。
上述した通り、本実施形態に係る表示装置100、および製造方法によれば、以下の効果を得ることができる。
表示装置100によれば、支持板30上に、表示パネル18が重ねられた積層構造を表面および裏面から2枚の樹脂フィルム25a,25bで覆ってラミネートしているため、表示装置100は、支持板30を芯材として一体化されている。
そして、支持板30の辺30eには、ラミネート構造体25の外形からはみ出した結合部30a,30bが設けられ、当該結合部に綴じ込み用の穴h1,h2が形成されている。つまり、芯材である支持板30に穴h1,h2が形成されているため、引っ張り力や、曲げ力によって、樹脂フィルムに形成された綴じ込み穴が伸びて変形したり、裂けてしまうことがあった従来の表示装置よりも、実用強度を高めることができる。
特に、支持板30の材質としてステンレス鋼などの金属を用いた場合、通常の使用態様においては、綴じ込み穴が伸びて変形したり、裂けてしまうことを、確実に防止することができる。また、支持板30の材質として炭素繊維を含むCFRPを用いた場合も同様である。
従って、十分な実用強度を備えた表示装置100を提供することができる。
また、支持板30には、表示パネル18の背面全面が密着した状態となっていることに加えて、当該支持板を構成する金属や、炭素繊維を含むCFRPは、樹脂フィルムよりも熱伝導率が優れているため、表示パネル18が発する熱を効率良く吸収することができる。さらに、支持板30の辺30eに形成された結合部30a,30bは、ラミネート構造体25の外形からはみ出しているため、換言すれば、外部に露出した状態となっているため、吸収した熱を効率良く外気中に放熱することができる。
従って、十分な実用強度と放熱性とを兼ね備えた表示装置100を提供することができる。
また、好適例における支持板30の厚さが約40μmに設定され、また、表示パネル18の厚さが約90μmに設定されており、これらの積層構造の厚さは約130μmと非常に薄く形成されているため、例えば、図10の電子書籍に綴じ込んだ場合において、本のページ(紙)と同様に表示装置100をしならせてめくることができる。換言すれば、表示装置100は十分なフレキシブル性を有している。
さらに、ステンレス鋼からなる支持板30は、適度な剛性と弾性(ばね性)とを有しているため、表示装置100が曲げられても、曲げ力がなくなれば、初期のフラットな状態に復元させることができる。また、当該剛性によって、ガラス基板が限界点(限界半径)まで曲がって、割れてしまうことを抑制することができる。
また、表示パネル18のガラス基板に曲げ力が加わった場合、その周縁部から亀裂が生じるが、当該周縁部は全て支持板30によって補強(支持)されているため、表示パネル18の曲げ耐性(限界)を高めることができる。換言すれば、支持板30が曲げ応力により最も亀裂が生じやすい表示パネル18の周縁部を覆っているため、クラックの発生を確実に防止することができる。
従って、フレキシブル性と、実用強度(強靭さ)とを両立させた表示装置100を提供することができる。
さらに、支持板30と表示パネル18とによる積層構造の厚さが約130μmと非常に薄く形成されているため、ラミネート時における樹脂フィルムの形状追従性が高まり、表示パネル18の周縁部への隙間の発生を低減(防止)することができる。
よって、ラミネートする際に表示パネル18の周縁部に発生する隙間を小さくすることが可能となり、水分浸入に対する十分なバリア性を得ることができる。
従って、信頼性に優れた表示装置100を提供することができる。
また、フレキシブル基板20の接続部を覆ってシリコン樹脂(接着剤)などでモールドし、補強していた従来の補強構成と異なり、樹脂フィルム25a,25bによるラミネートによって、当該補強構成を兼ねているため、製造効率が良い。また、当該接続部、および表示パネル18を含めて同一の樹脂によって接着(充填)されるため、柔軟性を損なわずに、十分な実用強度(強靭さ)を確保することができる。
さらに、樹脂フィルム25a,25bに用いられるポリエチレン系接着層は、絶縁性、耐水性、耐熱性に優れるため、十分な電気的信頼性を確保することができる。
また、製造方法においては、ポリエチレン系接着層は、アクリル系粘着層に見られるような室温での初期粘着性がほとんど無いため、気泡が抜けやすいだけでなく、あらかじめ積み重ねた準備体の状態での位置合わせも容易にできる。そのため、減圧雰囲気において、1回の熱ラミネートで多層構造が形成できるため製造効率が良い。また、量産性に優れている。
さらに、ポリエチレン系接着層は室温での初期粘着がほとんど無いため、異物の貼りつきが少なく、また、異物が付いても除去が容易である。また、異物があった場合でも、加熱により軟化した際に、小さな異物であれば接着層内に埋め込まれるため、一般に用いられるアクリル系粘着層よりも異物混入による不良を抑えることができる。また、ポリエチレン系樹脂は汎用樹脂であるため、部材コストを抑えることができる。
(実施形態2)
図7は、実施形態2に係る表示装置の斜視図であり、図1に対応している。図8は、図7のi−i断面における断面図であり、図2に対応している。
以下、本発明の実施形態2に係る表示装置110について説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態の表示装置110は、実施形態1における裏面の樹脂フィルム25bを省略した構成を採用している。換言すれば、支持板31の表面側のみを樹脂フィルム26でラミネートした構成を採用している。それ以外は、実施形態1での説明と略同様である。
図8に示すように、表示装置110は、支持板31上に、表示パネル18を重ねた積層構造を1枚の樹脂フィルム26によりラミネートした構造の有機EL表示装置である。詳しくは、積層構造における表示パネル18を表面側から樹脂フィルム26により覆い、表示パネル18の周縁部において、樹脂フィルム26と支持板31とを接着した構造となっている。
なお、支持板31の材質、および厚さは、実施形態1の支持板30と同様である。換言すれば、支持板31は、実施形態1の支持板30と平面形状のみ異なる。詳しくは、図7に示すように、支持板31における辺30e以外の三辺の大きさが、樹脂フィルム26の外形と略一致している。また、支持板31の外形の4隅に角Rが形成されている。角Rは、例えば、半径1〜5mm程度であることが好ましい。また、辺30eの両端には、結合部30a,30b(図1)と同様な結合部31a,31bが形成されている。
また、樹脂フィルム26の材質は、実施形態1の樹脂フィルム25aと同様であるが、厚さを好適例として約70μmとしている。なお、これに限定するものではなく、表示パネル18のサイズなどの設計仕様に応じて50〜100μmの範囲内で適宜設定すれば良い。また、支持板31の外形と同様に、外形の4隅に角Rが形成されている。
また、表示装置110の製造方法については、基本的に、図5のフローチャートでの説明と同様であるが、ステップS1で準備する準備体の態様が実施形態1と異なる。
詳しくは、支持板31の上に、表示パネル18と、樹脂フィルム26とを、この順番で重ね合わせる。
そして、ステップS3では、この準備体をラミネートする。換言すれば、表示装置110の全ての構成部位を重ねた状態で、一括(回)でラミネートする。
なお、上記説明では、樹脂フィルム26の外形(三辺)を支持板31の辺30e以外の三辺と略一致させるものとして説明したが、当該三辺よりも一回り小さくしても良い。これは、ラミネート時に樹脂フィルム26が平面的に広がるからであり、あらかじめこの広がり量を予測して、小さなサイズに設定しておいても良い。または、ラミネート後に、支持板31からはみ出した樹脂フィルム26を後処理によって、取り除いても良い。
上述した通り、本実施形態によれば、実施形態1における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
表示装置110によれば、好適例における樹脂フィルム26を含む総厚が約200μmとなり、総厚が約230μmであった表示装置100よりも、さらに薄型化することができる。また、裏面側の樹脂フィルムが不要となるため、その分コストを抑制することができる。
さらに、結合部31a,31bに加えて、支持板31の裏面全面が露出しているため、吸収した熱をより効率良く、外気に放出することができる。
従って、薄くフレキシブルでありながらも、実用強度と放熱性とを兼ね備えた表示装置110を提供することができる。
また、表示装置110では、構成上、その平面的な最外形と支持板31の外形とが一致することになるが、外形の4隅に角Rが形成されているため、取り扱い時にエッジで手などを傷つけてしまうことを防止することができる。
従って、使い勝手の良い表示装置110を提供することができる。
(実施形態3)
図9(a)は実施形態3に係る表示装置の平面図であり、(b)は(a)の比較図としての実施形態1の表示装置の平面図である。
以下、本発明の実施形態3に係る表示装置120について説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態の表示装置120は、実施形態1の支持板30とは異なる平面形状の支持板32を採用している。詳しくは、本実施形態の支持板32は、結合部の形状が実施形態1の態様と異なっている。それ以外は、実施形態1での説明と同様である。そのため、図9(a)、(b)では、差異を明確にするために、支持板を実線で示し、その他の部位については外形のみを破線で示している。
図9(a)に示すように、表示装置120の支持板32における辺30eの略中央には、長方形状の窪みが形成されており、当該窪みの両端には、ラミネート構造体25からはみ出した2ヶ所の結合部32a,32bが形成されている。換言すれば、支持板32において、長方形状の窪みの両側に、長方形状の凸部からなる結合部32a,32bが形成されている。
図9(b)の比較図と比べてみると、支持板30では台形であった窪みが、支持板32では長方形になっている。同様に、台形状の凸部であった結合部30a,30bが、結合部32a,32bでは長方形状の凸部になっている。また、結合部32a,32bのラミネート構造体25からの突出長さが、結合部30a,30bにおける突出長さよりも長くなっている。その他の表示パネル18やラミネート構造体25などの平面配置、および積層構造などは、実施形態1での説明と同様である。
これらの特徴により、綴じ込み用の穴h1,h2を固定した状態で、辺30eと対向する辺の略中央部を持って表示装置120をめくる場合、結合部32a,32bの首部wが主に曲がることになる。
これは、当該めくり動作に伴う曲げ力が掛かった際には、支持板32の一層構成から構成されているため薄く、かつ、Y軸方向における幅が狭い結合部32a,32bに曲げ力が集中するからである。そして、結合部32a,32bの中でも、固定された穴h1,h2と、ラミネート構造体25との間に位置する首部wが主に曲がることになる。
また、Y軸方向における結合部32a,32bの幅は、支持板32の縦方向(Y軸方向)の寸法Lの約1/4に設定されている。なお、これに限定するものではなく、表示パネル18のサイズなどの設計仕様に応じて約1/5〜1/3の範囲内で適宜設定すれば良い。また、X軸方向における首部wの長さも、設計仕様に応じて適宜設定すれば良い。
また、首部wをより曲り易くするために、結合部32bの首部wに破線で示すように、首部wの長さ方向に沿って、1つ以上の長穴(トラック穴)を形成しても良い。これによれば、長穴の幅分、首部wの幅が実質的に狭くなるため、首部wをより曲り易くすることができる。
また、表示装置120の製造方法については、図5のフローチャートでの説明と同様である。
なお、本実施形態の支持板32を実施形態2の表示装置110に適用することもできる。この構成であっても、本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した通り、本実施形態によれば、実施形態1における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
表示装置120によれば、ページめくり時に掛かる曲げ力を結合部32a,32bに集中させることができる。よって、表示パネル18を含むラミネート構造体25に掛かる曲げ力を低減することができる。
従って、耐久性に優れた表示装置120を提供することができる。
また、図10の電子書籍とは異なる綴じ込み構造の電子書籍にも、適用することができる。例えば、図11に示すような、写真アルバムの綴じ込み構造を採用した電子書籍にも、表示装置120を適用することができる。なお、図11の電子書籍については、後述する。
従って、使い勝手の良い表示装置120を提供することができる。
(電子機器1)
図10は、上述の表示装置を搭載した第1の電子書籍を示す斜視図である。
上述した表示装置100は、例えば、電子機器としての電子書籍200に搭載して用いることができる。なお、表示装置100を各実施形態、および変形例における表示装置と置き換えても良い。
図10に示すように、第1の電子書籍200は、本体50、ヒンジ部51、リング52,53、回路部54、操作部55、表示装置100などから構成されている。
本体50は、ファイル(バインダー)であり、開閉自在に形成された表裏の台紙部分を備えている。
ヒンジ部51は、表裏の台紙部分の接合部に配置されており、金属、または硬質樹脂からなるリング52,53を備えている。また、ヒンジ部51は、開閉可能に形成されており、当該開閉に同期してリング52,53も開閉する構成となっている。
ヒンジ部51を開くと、リング52,53も開くため、この状態で綴じ込み用の穴h1,h2にリングを通し、表示装置100を電子書籍200に綴じ込む。また、この際に、フレキシブル基板20をヒンジ部51の内部に形成されているコネクターに差し込む。なお、コネクターは回路部54と接続されている。
そして、ヒンジ部51を閉じる。図10は、このようにして表示装置100を電子書籍200に綴じ込んだ状態を示している。また、表示装置100は複数枚綴じ込むことができる。
また、表の台紙部分には、タッチパネルからなる操作部55が設けられており、操作部55を操作用ペン57や、指で触ることにより、所望の画像を表示装置100に表示させることができる。
ヒンジ部51の内部に配置された回路部54には、リチウムイオン電池などの充電型の電源部や、表示装置100に供給する画像データを生成する画像処理部、電子書籍200による様々な表示態様を規定したプログラムやデータを記憶した記憶部、当該プログラムやデータ、または操作部55への操作内容に応じて各部を制御する制御部、外部機器と接続して画像信号などを受信するインターフェイス部などが含まれている。
例えば、操作部55で動作設定をすることにより、ページをめくって本を読むときのように、表示装置100をめくると、順次開かれている表示装置100に連続したページ画像を表示させることもできる。また、この表示モードにおいては、閉じ(重ね)られている表示装置100は、オフ状態となり消費電力を抑制している。
上述した通り、第1の電子書籍200によれば、以下の効果を得ることができる。
電子書籍200の各ページには、フレキシブル性を有する表示装置100が用いられているため、本のようにページをめくりながら、画像や文章をスムーズに楽しむことができる。また、表示装置100は十分な実用強度(強靭さ)を有しているため、通常の本と同様に取り扱うことができる。
特に、綴じ込み用の穴h1,h2がステンレス鋼や、CFRPなどの強靭な材質からなる支持板に形成されているため、通常の使用態様においては、綴じ込み穴が伸びて変形したり、裂けてしまうことを、確実に防止することができる。
従って、十分な実用強度を有し、通常の本と同様に取り扱うことが可能な電子書籍200を提供することができる。
(電子機器2)
図11(a)は上述の表示装置を搭載した第2の電子書籍を示す分解斜視図であり、(b)は電子書籍の側断面図である。
以下、本発明の第2の電子書籍210について説明する。なお、第1の電子書籍200と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態に係る第2の電子書籍210は、第1の電子書籍200とは異なる表示装置の綴じ込み構造を採用している。詳しくは、実施形態3の表示装置120に適した綴じ込み構造を採用しており、当該表示装置を写真台紙とみなしたときに、当該台紙をネジによってアルバムファイルに綴じ込む構造と略同様な構造を採用している。それ以外は、実施形態1での説明と略同様である。
図11に示すように、電子書籍210は、本体60、台座部61、コネクター62、ネジ65a,65b、表示装置120などから構成されている。
本体60は、ファイル(バインダー)であり、開閉自在に形成された表裏の台紙部分を備えている。
台座部61は、裏側の台紙部分における表側の台紙部分との接合部近傍に配置されており、その略中央部には、コネクター62が形成されている。コネクター62の両横側(Y軸方向)には、それぞれネジ穴が形成されている。また、台座部61の内部には、図10で説明した回路部54が内蔵されている。なお、コネクター62、および後述する操作部は当該回路部と接続されている。
表示装置120を本体60に綴じ込む際には、まず、フレキシブル基板20を矢印で示すように湾曲させて、コネクター62に差し込む。
そして、結合部32a,32bの位置を台座部61のネジ穴に合せた状態で、ネジ65a,65bを締めて、当該結合部を台座部61に固定する。これで、表示装置120の本体60への綴じ込みが完了する。
また、本体60における表側の台紙部分の内面には、タッチパネルからなる操作部63が設けられており、操作部63を操作用ペンや、指で触ることにより、所望の画像を表示装置120に表示させることができる。
図11(b)は、完成状態における電子書籍210を側面から観察したときの要部の側断面図である。また、当該図は、表示装置120に対して矢印で示すような、ページめくりによる曲げ力が加わっている状態を示している。
このとき、当該図に示すように、表示パネルを含むラミネート構造体25は殆ど曲がらず、結合部32b(32a)が集中的に曲がることになる。なお、前述したように当該結合部は、優れた復元性(ばね性)を有する材質から構成されているため、曲げ力がなくなると、元のフラットな状態に速やかに復帰する。
上述した通り、第2の電子書籍210によれば、第1の電子書籍200での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
電子書籍210によれば、ページめくり時などに掛かる曲げ力を表示装置120の結合部32a,32bに集中させることができる。よって、表示パネルを含むラミネート構造体25に掛かる曲げ力を低減することができる。
従って、使い勝手が良く、耐久性に優れた電子書籍210を提供することができる。
また、電子機器は、電子書籍200,210に限定するものではなく、表示部を備えた電子機器であれば良い。例えば、携帯電話であっても良い。詳しくは、一体型の携帯電話や、折畳み式の携帯電話、またはスライド式の携帯電話であっても良い。または、カーナビゲーションシステム用の表示装置や、PDA(Personal Digital Assistants)、モバイルコンピューター、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、車載機器、オーディオ機器などの各種電子機器にも用いることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
図12(a)、(b)は、変形例1に係る表示装置の側断面図であり、図8,図2にそれぞれ対応している。
上記各実施形態における表示装置の構成に、さらに放熱板を加えた構成としても良い。
以下、本変形例に係る表示装置111,101について説明する。なお、実施形態1,2における表示装置100,110と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
図12(a)に示すように、変形例1に係る表示装置111は、図8の表示装置110の構成に放熱部材としての放熱板70を加えた構成となっている。詳しくは、支持板31と表示パネル18との間に、ドットハッチングで示した放熱板70が配置されている。放熱板70の平面的なサイズは、表示パネル18の外形と略一致している。
放熱板70は、支持板31よりも熱伝導率が高い材質から構成されている。本変形例では、好適例として、厚さが約15μmのグラファイトを放熱板70として用いている。なお、これに限定するものではない。例えば、グラファイトを用いる場合、その厚さは、厚さ方向の熱伝導性を損なわないように、各部の設計仕様に応じて約30μm以下に設定すれば良い。
また、材質については、アルミニウムを用いても良い。なお、この場合、厚さは、各部の設計仕様に応じて20〜50μmの範囲内で適宜設定すれば良い。
図12(b)に示すように、変形例1に係る表示装置101は、図2の表示装置100の構成において、支持板30の表示領域Vに重なる部分をくり抜いて、代わりに放熱板71を設けた構成となっている。換言すれば、表示パネル18における表示領域Vの裏面に、放熱板71が配置され、当該放熱板の平面的な周縁部に支持板30が配置されている。
また、放熱板71の材質は、グラファイト、またはアルミニウムを用いるが、その厚さは、表示パネル18に密着させるために、支持板30と同じ厚さか、それよりも少し厚く設定することが好ましい。
上述した通り、表示装置111,101によれば、上記実施形態1,2での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
表示装置111によれば、表示パネル18における表示領域Vの裏面に、支持板31よりも熱伝導率が高い材質から構成された放熱板70を備えているため、表示パネル18が発する熱をより効率良く吸収し、支持板31に伝えることができる。
よって、表示パネル18が発する熱を効率良く支持板31から外気に放出することができる。また、表示装置101においても同様である。
従って、十分な放熱性を備えた表示装置111,101を提供することができる。
(変形例2)
図13(a)は変形例2に係る表示装置の平面図であり、(b)は(a)のj−j断面における断面図である。
上記各実施形態では、表示パネルの全面(裏面)を覆う支持板を用いる構成を基本としていたが、綴じ込み用の穴部を選択的に補強する構成であっても良い。
以下、本変形例に係る表示装置130について説明する。なお、実施形態1における表示装置100と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
図13(a)、(b)に示すように、変形例2に係る表示装置130は、表示パネル18の全面(裏面)を覆う支持板を有していない。その代わりに、綴じ込み用の穴h1,h2の周縁部に選択的に補強板33a,33bを備えている。換言すれば、穴h1を有する長方形の補強板33aが、当該穴が所期の位置に来るように配置されている。補強板33bについても同様である。
補強板33a,33bは、表示パネル18の張出し領域の隣に、当該パネルと平面的に並んで配置されている。そして、表示パネル18と補強板33a,33bとが平面的に並んだ状態で、表裏面から樹脂フィルム25a,25bによってラミネートして、一体化されている。なお、補強板33a,33bの材質は、支持板30と同様である。また、補強板33a,33bの厚さは、好適例として、素子基板1と同じに設定している。なお、これに限定するものではなく、ラミネート性などを考慮して、素子基板1と同等以上で、表示パネル18の総厚以下の範囲内で、適宜設定すれば良い。
また、ラミネートを行う前の初期段階において、樹脂フィルム25a,25bに穴h1,h2を形成しておいても良いし、初期段階では穴がなく、ラミネート後に、補強板33a,33bの穴に沿って、後処理で穴h1,h2を完成(貫通)させることであっても良い。
上述した通り、表示装置130によれば、以下の効果を得ることができる。
表示装置130によれば、綴じ込み用の穴h1,h2がステンレス鋼や、CFRPなどの強靭な材質からなる補強板33a,33bに形成されているため、通常の使用態様においては、綴じ込み穴が伸びて変形したり、裂けてしまうことを、確実に防止することができる。
従って、十分な実用強度を備えた表示装置130を提供することができる。
(変形例3)
図14(a)、(b)は変形例3に係る支持板の斜視図である。
上記各実施形態では、支持板をフラットなものとしていたが、支持板に折り曲げ部を形成した構成であっても良い。
以下、本変形例に係る表示装置について説明する。なお、実施形態1の表示装置100との相違点は、支持板の形状に関する部分であるため、その他の同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
図14(a)に示すように、変形例3に係る支持板35には、辺30eに対向する辺に折り曲げ部35gが形成されている。折り曲げ部35gは、支持板35の表面からZ軸(−)側に約90度の角度で折り曲げられている。換言すれば、支持板35の辺30eに対向する第2の辺には、折り返し形状が形成されている。折り曲げ高さは、好適例として約1mmとしている。なお、これに限定するものではなく、表示パネル18の厚さなどの設計仕様を考慮して、0.5〜2mmの範囲内で適宜設定すれば良い。また、折り曲げ部35gは、ラミネート構造体25からはみ出している。これらの点以外は、実施形態1の表示装置100の構成と同様である。
このような支持板35を備えた表示装置によれば、ページめくり時などに曲げ力が掛かった場合において、矢印で示すように、表示装置の曲がりを辺30eを中心とした一方向の曲がりとすることができる。換言すれば、折り曲げ部35gが形成された辺は、略一体となるため、角部を持ってめくった場合でも、表示装置がひねられるように曲がることを抑制することができる。
さらに、例えば、表示装置を複数枚重ねて用いる場合、折り曲げ部35gが重ねられることになるため、上層の表示装置の裏面が、下層の表示装置の表示領域Vに直接押し付けられることを防止することができる。換言すれば、折り曲げ部35gにより、下層の表示装置の表示領域Vを保護することができる。
従って、十分な実用強度を備えた表示装置を提供することができる。
図14(b)に示すように、変形例3に係る支持板36では、辺30eは直線形状となっており、台形状の窪みは形成されていない。また、結合部36a,36bが支持板36のY軸方向の長さ(高さ)よりも長く形成されて、折り曲げられている。詳しくは、結合部36a,36bは、支持板36の裏面からZ軸(+)側にそれぞれ約90度の角度で折り曲げられている。また、結合部36aと、結合部36bとは、Y軸方向において互いに向かい合って配置されている。結合部36a,36bには、それぞれ綴じ込み用の穴h3,h4が形成されており、穴h3,h4の中心を通るY軸と平行な線分を中心線36cとしている。
中心線36cは、辺30eから、X軸(+)側、およびZ軸(+)側にシフトした位置となっている。
このような支持板36を備えた表示装置によれば、中心線36cに回転軸を備えた電子書籍などに綴じ込んで使用することができる。
従って、使い勝手の良い表示装置を提供することができる。
(変形例4)
図15は、変形例4に係る表示パネルの断面図であり、図3に対応している。
上記各実施形態では、表示パネル18は、有機ELパネルであるものとして説明したが、これに限定するものではない。一対の基板間に、電気光学層を挟持した薄型の表示パネルであれば良い。例えば、電気光学層として、電気泳動層を備えた電気泳動パネルであっても良い。
以下、変形例4に係る表示パネル98について説明する。なお、図3と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態の表示パネル98は、電気光学層として電気泳動層97を備えた反射型の電気泳動パネルである。
表示パネル98は、素子基板1と対向基板95との間に電気泳動層97を挟持した構成となっている。また、素子基板1から画素電極6までの積層構造は、図3の構成と同一である。
対向基板95は、例えばガラスやプラスチック等からなる透明な基板である。対向基板95における素子基板1側には、対向電極94が複数の画素電極6と対向して全面(ベタ状)に形成されている。対向電極94は、ITO等の透明導電材料から形成されている。
電気泳動層97は、複数のマイクロカプセル90、当該マイクロカプセルを保持するバインダー92、および接着層91などから構成されている。なお、表示パネル98は、電気泳動層97が予め対向基板95側にバインダー92によって固定されてなる電気泳動シートと、当該シートとは別途製造され、画素電極6などが形成された素子基板1とを、接着層91により接着することによって形成されている。
マイクロカプセル90は、画素電極6、および対向電極94間に挟持され、1つの画素内に(言い換えれば、1つの画素電極6に対して)1つ又は複数配置されている。
図15の右上の拡大図に示すように、マイクロカプセル90は、被膜75の内部に分散媒78と、複数の白色粒子76と、複数の黒色粒子77とを封入した構成となっている。マイクロカプセル90は、例えば、50μm程度の粒径を有する球状に形成されている。
被膜75は、アクリル樹脂、ユリア樹脂、アラビアガム、ゼラチン等の透光性を有する高分子樹脂から形成されている。
分散媒78は、白色粒子76及び黒色粒子77をマイクロカプセル90内(言い換えれば、被膜75内)に分散させる媒質である。
白色粒子76は、例えば、二酸化チタン、亜鉛華(酸化亜鉛)、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば負に帯電されている。
黒色粒子77は、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)であり、例えば正に帯電されている。
これにより、白色粒子76および黒色粒子77は、画素電極6と対向電極94との間の電位差によって発生する電場(電位差)によって分散媒78中を移動するため、対向電極94側に集まった粒子の色調が表示されることになる。
なお、白色粒子76、黒色粒子77に用いる顔料を、例えば赤色、緑色、青色等の顔料に代えることによって、赤色、緑色、青色などのカラー表示をすることもできる。
また、上述したマイクロカプセル方式に限定するものではなく、帯電性を有する電子粉流体を画素内に入れ、プラス・マイナスを切り替えることで表示の切り替え・オンオフを制御する電子粉流体方式の電気泳動パネルであっても良い。または、コレステリック液晶を用いた電気泳動パネルであっても良い。
これらの構成であっても、上記各実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
(変形例5)
図3を用いて説明する。
上記各実施形態では、表示パネル18は、全画素共通で白色光を出射し、表示面側に白色光からRGBの各色光を選択的に透過するカラーフィルターを設けた構成であるものとして説明したが、これに限定するものではない。色画素ごとに、RGBの色光が出射可能な構成であれば良い。
例えば、有機EL層8においてRGBの色画素ごとに、RGBの各色の発光層を形成した、いわゆる3色塗り分け方式による構成の表示パネルであっても良い。
また、上記各実施形態では、表示装置100は、アクティブマトリックス型であるものとして説明したが、パッシブ(単純)マトリックス型であっても良い。
この場合、素子層2は不要となり、有機EL層8を走査電極とデータ電極とで挟持する構成となる。例えば、走査電極は素子基板1側に形成し、データ電極はCF基板16側に形成する。なお、走査電極とデータ電極とは、平面視において格子状になるように、交差する方向にそれぞれ延在して形成される。
これらの構成であっても、上記各実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
(変形例6)
図3を用いて説明する。
上記各実施形態では、表示パネル18は、画素ごとに反射層5を備えていたが、当該反射層をなくして、支持板に反射機能を担わせる構成であっても良い。
この場合、表示パネル18の構成から反射層5を削除するだけで良い。換言すれば、表示パネル18の製造段階において、反射層5を形成しない。
上記各実施形態におけるいずれの構成においても、表示パネル18の表示領域Vの全面に面して、支持板が配置されているため、各画素から素子基板1側に出射された光は、支持板で反射されて、表示に寄与する光となる。
なお、この構成の場合、支持板の材質は金属とする。また、光の利用効率を高める観点から、表面を研磨して鏡面処理とした支持板や、メッキ処理を施した支持板を用いることが好ましい。
この構成によれば、表示パネル18に反射層5を形成しなくて良いため、製造効率を高めることができる。また、製造コストも抑制することができる。
1…ガラス基板としての素子基板、8…電気光学層としての有機EL層、16…ガラス基板としてのCF基板、18…表示パネル、20…フレキシブル基板、25…ラミネート構造体、25a,25b…樹脂フィルム、30a,30b,31a,31b,32a,32b,36a,36b…結合部、33a,33b…補強板、50…ファイル本体、52,53…リング、70,71…放熱部材としての放熱板、100,101,110,111,120,130…電気光学装置としての表示装置、200,210…電子機器としての電子書籍、h1,h2…綴じ込み穴としての穴、p,q…炭素繊維層、V…表示領域。

Claims (12)

  1. 支持板と、
    一対のガラス基板間に電気光学層を挟持し、複数の画素が形成された表示領域を有する表示パネルと、
    前記支持板上に、前記表示パネルが重ねられてなる積層構造を前記表示領域側の第1の面側、および前記第1の面と対向する第2の面側から覆い、ラミネートする2枚の樹脂フィルムと、を備え、
    前記支持板の一辺には、前記樹脂フィルムの外形からはみ出した結合部が設けられ、
    前記結合部には、綴じ込み穴が形成されていることを特徴とする電気光学装置。
  2. 支持板と、
    一対のガラス基板間に電気光学層を挟持し、複数の画素が形成された表示領域を有する表示パネルと、
    前記支持板上に、前記表示パネルが重ねられてなる積層構造を前記表示領域側から覆ってラミネートする樹脂フィルムと、を備え、
    前記支持板の一辺には、前記樹脂フィルムの外形からはみ出した結合部が設けられ、
    前記結合部には、綴じ込み穴が形成されていることを特徴とする電気光学装置。
  3. 前記支持板は、金属、または炭素繊維を含む材質から構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
  4. 前記結合部は、前記一辺における両端側に分かれて形成され、
    前記結合部の各々には、少なくとも1つの前記綴じ込み穴が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。
  5. 前記支持板と、前記表示パネルとの間に、前記支持板よりも熱伝導率の高い放熱部材がさらに設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の電気光学装置。
  6. 前記一辺における両端側に形成された前記結合部の各々の幅は、前記一辺の長さの約1/3以下とされ、
    前記綴じ込み穴は、前記結合部における前記樹脂フィルム側とは反対側の端部に形成されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 前記樹脂フィルムは、ポリエチレン系共重合材料から構成され、
    前記金属は、ステンレス板、またはメッキ処理された鋼板であり、
    前記炭素繊維を含む材質は、CFRPであることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  8. 前記支持板における前記一辺の反対側の第2の辺は、前記樹脂フィルムの外形からはみ出すとともに、折り返し形状が形成されていることを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  9. 前記表示パネルには、前記一対のガラス基板のうち、いずれか一方の前記ガラス基板の一辺が他方の前記ガラス基板よりも張出した張出し領域が形成されてなり、
    前記張出し領域には、フレキシブル基板の一端が接続されており、
    前記フレキシブル基板の一端は、前記樹脂フィルムによって覆われるとともに、前記フレキシブル基板の他端は、前記一辺において、前記樹脂フィルムの外形からはみ出していることを特徴とする請求項3〜8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  10. 前記電気光学層は、有機発光層を含む有機EL層であることを特徴とする請求項3〜9のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  11. 請求項3〜10のいずれか一項に記載の電気光学装置と、
    前記綴じ込み穴と対になるリングを有するファイル本体と、を備え、
    前記綴じ込み穴を前記リングに通して、前記電気光学装置を前記ファイル本体に綴じ込むことを特徴とする電子機器。
  12. 一対のガラス基板間に電気光学層を挟持し、複数の画素が形成された表示領域を有する表示パネルと、
    前記表示パネルを前記表示領域側の第1の面側、および前記第1の面と対向する第2の面側から覆い、ラミネートする2枚の樹脂フィルムと、を備え、
    前記表示パネルの一辺における外側には、綴じ込み穴が形成されており、
    前記綴じ込み穴の周縁部における前記2枚の樹脂フィルムの間には、金属、または炭素繊維を含む材質から構成された補強板が配置されていることを特徴とする電気光学装置。
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