JP2011027636A - 分析システムおよび試薬容器供給方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】検体を搬送する搬送ラインを使用して、分析ユニットに自動的に試薬を供給する分析システムおよび試薬容器供給方法を提供する。
【解決手段】本発明は、検体供給ユニット31から検体容器44を分析ユニットに搬送するとともに、分析ユニットから検体容器44を検体回収ユニット33に搬送する搬送ライン35と、試薬残量を記憶する試薬残量記憶部と、試薬容器22を搬送ライン35に供給して分析ユニットに試薬容器22を補充する試薬供給ユニット32と、分析ユニットで使用された空の試薬容器22を回収し収納する試薬回収ユニット34と、試薬補充が必要と判断した空の試薬容器22を、分析ユニットから搬送ライン35に排出して試薬回収ユニット34へ回収するとともに、試薬供給ユニット32に対し同一の試薬を収容する試薬容器22を搬送ライン35に供給させて、分析ユニットに搬入するよう制御する検体搬送制御部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、1または2以上の分析ユニットに検体を搬送する搬送ラインを備える分析システム、および前記分析ユニットへの試薬容器供給方法に関する。
従来、自動分析装置は、血液や尿等の検体を試薬と反応させ、反応液の光学的特性を測定することにより検体を分析しており、分析に使用される試薬は試薬容器に収容されて試薬庫に格納されている。
近年、多数の検体の高速処理が必要とされる大規模な施設では、複数の自動分析装置を組合せた大型装置が稼動しており、これに伴う試薬の消費量増加によって、試薬の補充のために試薬容器を補充交換する作業が作業者の負担となっている。そこで、補充用の試薬を保管する補充用試薬保管庫と、分析に使用する試薬を有する試薬ディスクに対して補充用試薬保管庫から試薬容器を搬送する試薬搬送手段とを備えて、該補充用試薬保管庫および搬送装置を試薬ディスク上に跨ぐように設けた自動分析装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、補充用の試薬を保管する補充用試薬保管庫と、前記の保管された試薬容器を試薬格納部に搬送する搬送部とを備えて、試薬保管庫および搬送部を自動分析装置に対して着脱可能に設けるとともに、交換する試薬容器をほぼ面一な面上で搬送する試薬補充装置が開示される(例えば、特許文献2参照)。
一方、種々の分析項目の分析を処理すると共に、分析処理能力を向上させることを目的として、複数の分析装置と前記分析装置に検体を搬送する検体搬送システムとを備える分析システムにおいて、補充用の試薬を一括して管理し、補充する試薬補充手段を備えるものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2005−37171号公報 特開2007−303879号公報 特開2007−303882号公報
しかしながら、複数の分析ユニットと前記分析ユニットに検体を搬送する検体搬送システムを備える分析システムにおいて、特許文献1または2に記載のものを使用する場合、分析ユニット毎に試薬搬送装置を備える必要があり、コストが高くなるとともに設置スペースが大きくなる。
また、特許文献3に記載の分析システムでは、検体搬送システムとは別個に試薬搬送システムを設置するため、コストが高くなるとともに設置スペースが大きくなる。
本発明は、上記した従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、検体を搬送する搬送ラインを使用して、分析ユニットに自動的に試薬を供給する分析システムおよび試薬容器供給方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の分析システムは、1または2以上の分析ユニットと、前記分析ユニットを接続して配置され、検体供給ユニットから、検体を収容する検体容器または前記検体容器を保持するラックを前記分析ユニットに搬送するとともに、前記分析ユニットから、前記検体容器または前記ラックを検体回収ユニットに搬送し、前記分析ユニットで検体を分析する分析システムであって、前記検体供給ユニットから、前記検体容器または前記ラックを前記分析ユニットに搬送するとともに、前記分析ユニットから、前記検体容器または前記ラックを検体回収ユニットに搬送する搬送ラインと、前記分析ユニット内の試薬残量を逐次更新して記憶する試薬残量記憶手段と、前記搬送ラインに隣接して配置され、前記分析ユニットで使用する補充用の試薬容器を保冷・収納し、収納する試薬容器を前記搬送ラインに供給することにより、前記分析ユニットに前記試薬容器を補充する試薬供給ユニットと、前記搬送ラインに隣接して配置され、前記分析ユニットで使用された空の試薬容器を回収し、収納する試薬回収ユニットと、前記試薬残量記憶手段から前記検体の分析に必要な試薬の残量を抽出し、試薬補充が必要と判断した空の試薬容器を、前記分析ユニットから前記搬送ラインに排出して、前記試薬回収ユニットへ回収するとともに、前記試薬供給ユニットに対し同一の試薬を収容する試薬容器を前記搬送ラインに供給させて、前記分析ユニットに搬入するよう制御する試薬供給制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の分析システムは、上記発明において、前記試薬容器は、前記検体容器と同一形状、または前記ラックに収容可能な形状、あるいは搬送ラインがパック方式である場合、パックの容器保持手段に収容可能な形状であることを特徴とする。
また、本発明の分析システムは、上記発明において、前記分析ユニットは、前記試薬供給ユニットから供給される補充用の試薬容器を該分析ユニット内の試薬庫に収納し、かつ、前記試薬庫内の空の試薬容器を前記搬送ラインに排出する試薬容器移送手段を備えることを特徴とする。
また、本発明の分析システムは、上記発明において、前記分析ユニットは、該分析ユニットに接する外部周辺に設けられ、前記試薬容器を待機させる試薬容器待機手段を有し、前記搬送ラインは、前記試薬容器待機手段に補充用の試薬容器を供給し、前記試薬容器待機手段は前記搬送ラインに空の試薬容器を排出することを特徴とする。
また、本発明の分析システムは、上記発明において、前記試薬容器待機手段は、前記待機手段内に待機する試薬容器を保冷する保冷手段を備えることを特徴とする。
また、本発明の分析システムは、上記発明において、前記分析ユニットは、鉛直方向への昇降、および該分注手段の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転、ならびに水平方向への移動により、前記試薬容器待機手段内の試薬容器から試薬を分注する試薬分注手段を備えることを特徴とする。
また、本発明の分析システムは、上記発明において、前記試薬容器待機手段は、試薬を収容する試薬容器と空の試薬容器とを選別し、空の試薬容器のみを前記搬送ラインに排出する試薬容器選別手段を備えることを特徴とする。
また、本発明の分析システムは、上記発明において、前記試薬供給制御手段は、検体を前記検体供給ユニットから前記搬送ラインに供給する直前に、前記試薬残量記憶手段から前記検体の分析に必要な試薬残量を抽出し、試薬補充が必要と判断した場合は、補充する試薬を、前記検体の直前または直後に前記搬送ラインに供給して、前記試薬を前記検体とともに前記分析ユニットに搬送することを特徴とする。
また、本発明の分析システムは、上記発明において、前記搬送ラインは環状の搬送ラインであり、前記検体供給ユニットは前記検体回収ユニットとの兼用であって、未分析の検体および分析が終了した検体の両方を収納し、前記試薬供給ユニットは前記試薬回収ユニットとの兼用であって、補充用の試薬容器および空の試薬容器の両方を収納することを特徴とする。
また、本発明の分析システムは、上記発明において、前記検体供給ユニットは前記試薬供給ユニットとの兼用であって、未分析の検体および分析が終了した検体、ならびに補充用の試薬容器および空の試薬容器を収納することを特徴とする。
また、本発明の分析システムは、上記発明において、前記試薬供給制御手段は、前記分析ユニットの電源入力後、前記試薬供給ユニットから前記分析ユニットの試薬庫または試薬待機手段に配置される所定の試薬容器を排出し、前記搬送ラインにより前記試薬容器を前記分析ユニットに搬送し、前記分析ユニットの試薬庫または試薬待機手段に前記試薬容器を収納し、かつ、前記分析ユニットの電源オフ直前に、前記分析ユニットの試薬庫または試薬待機手段から前記試薬容器をすべて排出し、前記搬送ラインにより前記試薬供給ユニットに前記試薬容器を搬送し、前記試薬供給ユニット内に収納するよう制御することを特徴とする。
また、本発明の分析システムは、上記発明において、前記分析ユニットで分析される検体において、分析頻度が少ない分析項目として事前に設定した特定分析項目がオーダーされたか否かを判定する分析項目判定手段を備え、前記分析ユニットの試薬庫は、分析頻度が少ない分析項目の分析に使用される試薬容器を収納する特定試薬収納位置を有し、前記試薬供給制御手段は、前記分析項目判定手段が特定分析項目のオーダーがされたと判定した場合に、該分析項目の分析に使用される特定試薬を収容する試薬容器を、前記搬送ラインにより該検体の直前または直後に前記分析ユニットに搬送するよう制御し、前記試薬容器移送手段は、搬送された前記試薬容器を前記試薬庫の特定試薬収納位置に収納し、前記検体の分析終了後、前記試薬容器を前記特定試薬収納位置から排出することを特徴とする。
また、本発明の分析システムは、上記発明において、前記分析ユニットで分析される検体において、分析頻度が少ない分析項目として事前に設定した特定分析項目がオーダーされたか否かを判定する分析項目判定手段を備え、前記分析ユニットの試薬待機手段は、分析頻度が少ない分析項目の分析に使用される試薬容器を収納する特定試薬収納位置を有し、前記試薬供給制御手段は、前記分析項目判定手段が特定分析項目のオーダーがされたと判定した場合に、該分析項目の分析に使用される特定試薬を収容する試薬容器を、前記搬送ラインにより該検体の直前または直後に前記分析ユニットに搬送するよう制御し、前記試薬待機手段は、搬送された前記試薬容器を特定試薬収納位置に収納し、前記検体の分析終了後、前記試薬容器を前記特定試薬収納位置から排出することを特徴とする。
また、本発明の試薬容器供給方法は、1または2以上の分析ユニットと、前記分析ユニットを接続して配置され、検体供給ユニットから、検体を収容する検体容器または前記検体容器を保持するラックを前記分析ユニットに搬送するとともに、前記分析ユニットから、前記検体容器または前記ラックを検体回収ユニットに搬送し、前記分析ユニットで検体を分析する分析システムの試薬容器供給方法であって、分析予定の検体の各分析項目に使用される各試薬容器の試薬残量を、前記分析ユニット内の試薬残量を管理する試薬残量記憶手段から抽出し、試薬残量を確認する試薬残量確認ステップと、前記検体供給ユニットから、搬送ラインにより前記検体容器または前記ラックを前記分析ユニットに供給する検体供給ステップと、前記試薬残量確認ステップにおいて補充が必要な試薬ありと判断した場合、前記搬送ラインにより該試薬を収容する試薬容器を試薬供給ユニットから前記分析ユニットに供給する試薬供給ステップと、前記分析ユニットで分析が終了した前記検体容器または前記ラックを前記搬送ラインにより前記検体回収ユニットに回収する検体回収ステップと、空の試薬容器を前記分析ユニットから排出し、前記搬送ラインにより前記分析ユニットから試薬回収ユニットに前記試薬容器を搬送し回収する試薬回収ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明の試薬供給方法は、上記発明において、前記試薬容器は、前記検体容器と同一形状、または前記ラックに収容可能な形状、あるいは搬送ラインがパック方式である場合、パックの容器保持手段に収容可能な形状であることを特徴とする。
また、本発明の試薬供給方法は、上記発明において、前記試薬残量確認ステップにおいて補充が必要と判断した空の試薬容器を、試薬容器移送手段により前記分析ユニットの試薬庫から排出する試薬容器排出ステップと、前記搬送ラインにより前記試薬供給ユニットから供給される補充用の試薬容器を前記試薬庫に収納する試薬容器収納ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明の試薬供給方法は、上記発明において、前記試薬残量確認ステップにおいて補充が必要と判断した空の試薬容器を、前記分析ユニットの外部周辺に設置され、前記試薬容器を待機させる試薬容器待機手段から排出する試薬容器排出ステップと、前記搬送ラインにより前記試薬供給ユニットから供給される補充用の試薬容器を前記試薬容器待機手段に収納する試薬容器収納ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明の試薬供給方法は、上記発明において、前記試薬容器待機手段は、前記待機手段内に待機する試薬容器を保冷する保冷手段を備えることを特徴とする。
また、本発明の試薬供給方法は、上記発明において、前記分析ユニットは、鉛直方向への昇降、および該分注手段の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転、ならびに水平方向への移動により、前記試薬容器待機手段内の試薬容器から試薬を分注する試薬分注手段により試薬を分注する試薬分注ステップを含むことを特徴とする。
また、本発明の試薬供給方法は、上記発明において、前記試薬容器待機手段は、試薬を収容する試薬容器と空の試薬容器とを選別し、空の試薬容器のみを前記搬送ラインに排出する試薬容器選別ステップを含むことを特徴とする。
また、本発明の試薬供給方法は、上記発明において、前記試薬残量確認ステップは、前記検体供給ステップの直前に行なわれ、前記試薬供給ステップは、補充する試薬を、前記検体供給ステップで供給する検体の直前または直後に前記搬送ラインに供給して、前記試薬を前記検体とともに前記分析ユニットに搬送することを特徴とする。
また、本発明の試薬供給方法は、上記発明において、前記分析ユニットの電源入力後、前記試薬供給ユニットから前記試薬庫または前記試薬待機手段に配置される所定の試薬容器を排出し、前記搬送ラインより前記試薬容器を前記分析ユニットに搬送し、前記試薬庫または前記試薬待機手段に前記試薬容器を収納する試薬容器自動供給ステップと、前記分析ユニット電源オフ直前に、前記分析ユニットの試薬庫または試薬待機手段から前記試薬容器をすべて排出し、前記搬送ラインにより前記試薬供給ユニットに前記試薬容器を搬送し、前記試薬供給ユニット内に収納する試薬容器自動排出ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明の試薬供給方法は、上記発明において、前記分析ユニットで分析される検体において、分析頻度が少ない分析項目として事前に設定した特定分析項目がオーダーされたか否かを判定する分析項目判定ステップと、前記分析項目判定ステップが特定分析項目のオーダーがされたと判定した場合に、該分析項目の分析に使用される特定試薬を収容する試薬容器を、該検体の直前または直後に前記搬送ラインに供給する特定試薬供給ステップと、前記試薬容器移送手段により、前記試薬容器を前記試薬庫の特定試薬を収容する試薬容器を収納する特定試薬収納位置に収納する特定試薬収納ステップと、該分析項目の分析終了後、前記試薬容器移送手段により、前記試薬容器を前記特定試薬収納位置から排出する特定試薬排出ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明の試薬供給方法は、上記発明において、前記分析ユニットで分析される検体において、分析頻度が少ない分析項目として事前に設定した特定分析項目がオーダーされたか否かを判定する分析項目判定ステップと、前記分析項目判定ステップが特定分析項目のオーダーがされたと判定した場合に、該分析項目の分析に使用される特定試薬を収容する試薬容器を、該検体の直前または直後に前記搬送ラインに供給する特定試薬供給ステップと、前記試薬容器を、前記試薬容器待機手段の特定試薬を収容する試薬容器を収納する特定試薬収納位置に収納する特定試薬収納ステップと、該分析項目の分析終了後、前記試薬容器を前記特定試薬収納位置から排出する特定試薬排出ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、分析ユニットに自動的に試薬を供給することが可能となり、オペレータの試薬補充に要する作業時間を大幅に軽減できるとともに、検体を搬送する搬送ラインを使用して試薬の補充を行なうため、試薬専用の搬送ラインを設ける必要がなく、省コストおよび省スペース化を図ることができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1にかかる分析システムの構成を示す模式図である。 図2は、実施の形態1にかかる分析システムの制御システムを示すブロック図である。 図3は、実施の形態1にかかる試薬容器移送部の斜視図である。 図4は、実施の形態1にかかる分析システムで使用される試薬容器および検体容器の一例を示す図である。 図5は、実施の形態1にかかる分析システムで使用されるパックを試薬容器と共に示す斜視図である。 図6は、実施の形態1にかかる検体搬送システムでの試薬容器および検体容器の搬送を示す斜視図である。 図7は、実施の形態1にかかる試薬容器供給回収処理のフローチャートである。 図8は、図7の検体および試薬搬送処理のフローチャートである。 図9は、図7の検体および試薬受付分析処理のフローチャートである。 図10は、図7の検体および試薬回収処理のフローチャートである。 図11は、本発明の実施の形態1の変形例1にかかる分析システムの構成を示す模式図である。 図12は、本発明の実施の形態1の変形例2にかかる分析システムの構成を示す模式図である。 図13は、図12の分析システムで使用されるラックを試薬容器と共に示す斜視図である。 図14は、本発明の実施の形態1の変形例3にかかる分析システムの構成を示す模式図である。 図15は、本発明の実施の形態2にかかる分析システムの構成を示す模式図である。 図16は、実施の形態3にかかる試薬容器供給回収処理のフローチャートである。 図17は、実施の形態4にかかる分析システムの制御システムを示すブロック図である。 図18は、実施の形態4にかかる検体および試薬搬送処理のフローチャートである。 図19は、実施の形態4にかかる検体および試薬受付分析処理のフローチャートである。 図20は、実施の形態4にかかる検体および試薬回収処理のフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明にかかる分析システム、および試薬容器供給方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる分析システムの構成を示す模式図である。図2は、実施の形態1にかかる分析システムの制御システムを示すブロック図である。
分析システム100は、血球成分を含む血液や尿等の検体を自動分析する分析ユニットを複数備える分析システムであり、図1に示すように、分析ユニット1A、分析ユニット1B、検体供給ユニット31、試薬供給ユニット32、検体回収ユニット33、試薬回収ユニット34および搬送ライン35を備えている。実施の形態1では、分析ユニット数が2の分析システム100を例示して説明するが、分析ユニットの数は、2台に限らず、3台以上であってもよい。
図1に示す分析ユニット1Aおよび分析ユニット1Bは、それぞれ、試薬庫2、反応テーブル4、試薬分注装置6、検体分注装置7、試薬容器移送装置8および読取装置10を備える。
試薬庫2は、図1に示すように、図示しない駆動手段に回転されて保持した複数の試薬容器22を周方向に搬送する。試薬庫2は、試薬の変質および揮散を防止するために保冷され、通常は上部に蓋が被着される。実施の形態1の試薬庫2は、後述する試薬容器移送装置8による試薬容器22の搬入・搬出用の開口を有し、開口部には開閉するシャッタが取り付けられ、試薬容器22の搬入・搬出時にのみ開放される。シャッタには、後述する試薬分注装置6の分注プローブが、試薬分注を行う際に挿通する分注用の孔を設けていてもよい。
試薬庫2の外周には、試薬庫2内の試薬容器22内に収容される試薬情報を読み取る読取装置10が配置されている。読取装置10は、試薬容器22に添付されたバーコードラベルやRFID等の試薬情報記録媒体22A(図4参照)から試薬情報を読み取る。また、分析ユニット1Aおよび分析ユニット1Bは、後述する主搬送ライン35Aにより搬送される試薬容器22内に収容される試薬情報および検体容器44内に収容される検体情報を読み取る読取装置41C、41Dを備える。
反応テーブル4は、図1に示すように、複数の反応容器5が周方向に沿って配列され、試薬庫2の駆動手段とは異なる駆動手段(図示せず)によって正転或いは逆転されて反応容器5を周方向に沿って搬送する。
反応容器5は、反応テーブル4の近傍に設けた試薬分注装置6によって試薬庫2の試薬容器22から試薬が分注される。また、搬送ライン35の主搬送ライン35Aにより搬送された検体容器44から検体分注装置7によって検体が分注される。
試薬分注装置6は、図1に示すように、水平面内を矢印方向に回動されると共に、上下方向に昇降されるアームと、試薬を分注する分注プローブとを有しており、図示しない駆動手段によりアームを試薬庫2内の試薬吸引位置に搬送し、試薬容器22内の試薬を吸引する。試薬吸引後、図示しない駆動手段によりアームを反応テーブル4内の試薬吐出位置に搬送し、所定の反応容器5内に試薬を吐出する。
検体分注装置7は、図1に示すように、水平面内を矢印方向に回動されると共に、上下方向に昇降されるアームと、検体を分注する分注プローブとを有しており、図示しない駆動手段によりアームを主搬送ライン35Aの検体吸引位置に搬送し、検体容器44内の検体を吸引する。検体吸引後、図示しない駆動手段によりアームを反応テーブル4内の検体吐出位置に搬送し、所定の反応容器5内に検体を吐出する。
試薬容器移送装置8は、試薬容器供給ユニットから供給され、搬送ライン35により主搬送ライン35A上の試薬容器移送位置まで搬送された試薬容器22を試薬庫2内に移送すると共に、空になった試薬庫2内の試薬容器22を主搬送ライン35Aの試薬容器移送位置に排出する。
試薬容器搬送装置8は、図1および図3に示すように、主搬送ライン35Aの試薬容器移送位置に搬送された試薬容器22と試薬庫2の試薬容器移送位置との間を水平方向に回動すると共に、上下方向に昇降する駆動アーム8aと、駆動アーム8aに支持部材8bを介して支持された把持部材8cと、駆動アーム8aを支持する支柱8dとを有している。試薬容器移送装置8は、駆動アーム8aを昇降・回動させるために、図3に示すように、回動モータ8mと、昇降モータ8nとを有する駆動機構8pを備える。回動モータ8mは、回転軸8lに取り付けたホイール8fと支柱8dに取り付けたホイール8eとの間にタイミンベルト8gが巻き掛けられている。昇降モータ8nは、タイミンベルト8kによってねじ軸8hを回転し、昇降ブロック8iをねじ軸8hに沿って上下動させる。タイミンベルト8kは、昇降モータ8nの回転軸(図示せず)に取り付けたホイール(図示せず)とねじ軸8hの下端に取り付けたホイール8jとの間に巻き掛けられている。
把持部材8cは、円筒状のゴム製の中空体であって、空気の注入により膨張して試薬容器22の開口部22Bを、内側あるいは外側から把持する。開口部を外側から把持する場合には、ゴム製の把持部材8cはその外部に自身の外側への膨らみを規制するカバーを備える。
分析ユニット1Aおよび分析ユニット1Bは、図2に示すように、制御部15と、入力部16と、出力部17と、分析部18と、記憶部19とを備える。制御部15は、分析ユニット1Aおよび分析ユニット1Bの各機構と接続される。これら各部の作動を制御するため、制御部15には、マイクロコンピュータ等が使用される。制御部15は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行う。制御部15は、分析ユニット1Aおよび分析ユニット1Bの各部の作動を制御する。
入力部16は、キーボード、マウス等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等をホストコンピュータ55から取得する。出力部17は、プリンタ、通信機構等を用いて構成され、検体の分析結果を含む諸情報を出力し、ユーザに報知する。分析部18は、図示しない分析光学系から取得した測定結果に基づいて、検体の成分分析等を行う。記憶部19は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、分析ユニット1Aおよび分析ユニット1Bが処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。記憶部19は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。また、記憶部19は、分析ユニット1Aおよび分析ユニット1Bの試薬庫2内の各試薬容器22の試薬残量を逐次更新して記憶する試薬残量記憶20を有する。
搬送ライン35は、図1および図2に示すように、主搬送ライン35Aと、再検検体搬送ライン35Bと、検体搬送制御部36と、入力部51と、出力部52と、記憶部53とを備える。主搬送ライン35Aは、分析を行う検体を検体供給ユニット31から所定の分析ユニットまで搬送する。また、主搬送ライン35Aは、試薬補充が必要な分析ユニットに試薬供給ユニット32から試薬を搬送する。再検検体搬送ライン35Bは、所定の分析ユニットで分析が終了した検体であって、再検が必要とされた検体を検体供給ユニット31まで搬送する。検体搬送制御部36は、主搬送ライン35Aおよび再検検体搬送ライン35Bによる検体容器44および試薬容器22の搬送を制御する。また、各分析ユニットの試薬残量記憶部20から、試薬残量を抽出し、試薬補充が必要か否かを判定し、試薬補充が必要と判断した空の試薬容器22を、分析ユニットから搬送ライン35に排出し、試薬回収ユニット34へ回収し、試薬供給ユニット32に対し同一の試薬を収容する試薬容器22を搬送ライン35に供給し、分析ユニットに搬入するよう制御する。
検体供給ユニット31は、未分析の検体を収容し、各分析ユニットで分析準備が終了し、検体搬送制御部36からの検体供給信号を検体供給制御部37が受信後、検体を搬送ライン35に供給する。検体は、検体容器44に収容され、検体容器44をパック23に保持して検体供給ユニット31内で収納される(図4および図5参照)。ここで、検体供給ユニット31内には、検体容器44に添付されたバーコードラベルやRFID等の検体情報記録媒体44Aを読み取る読取装置(図示しない)、および検体供給ユニット31内に収納される検体容器44を所定位置に移送する駆動部が設置され、前記読取装置により検体情報読み取り後、前記駆動部により検体容器44を検体排出位置に移送後、搬送ライン35に検体を供給する。また、再検検体搬送ライン35Bにより搬送される検体容器44に収容される検体の情報を読取装置41Aで読取り後、検体供給ユニット31内に再度収納する。検体供給制御部37は、検体容器44の主搬送ライン35Aへの検体容器44の供給を制御する。
試薬供給ユニット32は、各分析ユニットに補充する試薬を収容し、検体搬送制御部36が各分析ユニットで試薬の補充が必要となったと判定し、検体搬送制御部36からの試薬供給信号を試薬供給制御部38が受信後、試薬を搬送ライン35に供給する。図4および5に示すように、試薬は、試薬容器22に収容され、試薬容器22をパック23に保持して試薬供給ユニット32内に収納される。ここで、試薬供給ユニット32内には、試薬容器22に添付されたバーコードラベルやRFID等の検体情報記録媒体22Aを読み取る読取装置(図示しない)、および試薬供給ユニット32内に収納される試薬容器22を所定位置に移送する駆動部が設置され、前記読取装置により試薬情報読み取り後、搬送ライン35に試薬を供給する。試薬供給制御部38は、試薬容器22の主搬送ライン35Aへの試薬容器22の供給を制御する。試薬供給制御部38は、試薬補充が必要な検体を収容する検体容器44が主搬送ライン35Aにより搬送されるのを読取装置41Bで確認後、試薬容器22を主搬送ライン35Aに供給する。
パック23は、図5に示すように、中央に検体容器44を保持する保持凹部23aが1つ形成された円筒状のラックである。実施の形態1では、図4および5に示すように、試験管を検体容器44として使用し、試薬容器22も同型の試験管を使用する。これにより、パック23で検体容器44および試薬容器22両方の保持が可能であり、1の主搬送ライン35Aにより検体容器44および試薬容器22の搬送を可能とする。主搬送ライン35Aおよび再検検体搬送ライン35Bは、図6に示すように、検体容器44および試薬容器22を保持するパック23を、ライン搬送壁に組み込まれた搬送用ベルト35Cにより搬送する。
検体回収ユニット33は、分析が終了した検体を収容する。検体搬送制御部36からの検体回収信号を検体回収制御部39が受信後、検体を搬送ライン35から回収する。ここで、検体回収ユニット33は、主搬送ライン35Aにより搬送される検体容器44に収容される検体の情報を読取装置41Eで読取り後、検体回収ユニット33内に収納する。検体回収制御部39は、主搬送ライン35Aからの検体容器44の回収にかかる駆動機構(図示しない)を制御する。
試薬回収ユニット34は、各分析ユニットで使用され、空になった試薬容器22を回収する。検体搬送制御部36からの試薬回収信号を試薬回収制御部40が受信後、試薬を搬送ライン35から回収する。ここで、試薬回収ユニット34は、主搬送ライン35Aにより搬送される試薬容器22に収容される検体の情報を読取装置41Fで読取り後、試薬回収ユニット33内に収納する。試薬回収制御部40は、試薬容器22の主搬送ライン35Aへの試薬容器22の供給を制御する。試薬回収制御部40は、主搬送ライン35Aからの試薬容器22の回収にかかる駆動機構(図示しない)を制御する。
次に、本発明の実施の形態1にかかる試薬容器供給回収処理について、図7〜図10を参照して説明する。図7は、実施の形態1にかかる試薬容器供給回収処理のフローチャートである。図8は、図7の検体および試薬搬送処理のフローチャートである。図9は、図7の検体および試薬受付分析処理のフローチャートである。図10は、図7の検体および試薬回収処理のフローチャートである。
分析システム100において、各分析ユニットへの試薬容器を供給し、回収するためには、図7に示すように、まず、検体および試薬の搬送処理を行い(ステップS101)、その後、該当する分析ユニットで検体および試薬の受付・分析処理後(ステップS102)、検体および試薬回収処理を行なうことになる(ステップS103)。このステップS101〜ステップS103の各工程は、すべての検体についての分析が終了するまで連続して行われる(ステップS104、Yes)。
まず、検体および試薬の搬送処理について説明する(ステップS101)。図8に示すように、検体搬送制御部36は、検体供給制御部37を介し、検体供給ユニット31から主搬送ライン35Aに供給する検体の検体ID等を含む検体情報を、検体供給ユニット31内の読取装置(図示しない)により読み取るよう制御する(ステップS201)。読み取った検体IDに基づき、ホストコンピュータ55から前記検体の分析項目、分析ユニット等の分析情報を抽出する(ステップS202)。その後、検体搬送制御部36は、前記検体の分析を行う分析ユニットの試薬残量記憶部20にオーダーされた分析項目の分析に使用する試薬の残量を問い合わせる(ステップS203)。
問い合わせた試薬残量に基づき、検体搬送制御部36は試薬補充が必要か否かを判定し(ステップS204)、試薬補充が必要と判定した場合は(ステップS204、Yes)、まず、検体供給制御部37に検体供給信号を送信し、これにより検体供給制御部37は、前記検体を収容する検体容器44を検体供給ユニット31から搬送ライン35に排出するよう制御する(ステップS205)。検体の排出は、検体容器44を保持するパック23を、検体供給ユニット31内の検体供給位置(図示しない)に搬送後、パック押出手段(図示しない)等によりパック23毎検体容器44を主搬送ライン35Aに押し出すことにより、排出する。
検体排出後、検体搬送制御部36は、試薬供給制御部38に試薬供給信号を送信し、これにより試薬供給制御部38は、前記検体の分析に必要な試薬を収容する試薬容器22を、試薬供給ユニット32から搬送ライン35に排出するよう制御する(ステップS206)。試薬の排出は、試薬容器22を保持するパック23を、試薬供給ユニット32内の検体供給位置(図示しない)に搬送後、パック押出手段(図示しない)等によりパック23毎試薬容器22を主搬送ライン35Aに押し出すことにより、排出する。なお、検体搬送制御部36は、上記の搬送ライン35への検体容器44の排出する制御(ステップS205)と、搬送ライン35への試薬容器22の排出する制御(ステップS206)の順序を入替えても構わない。
なお、検体搬送制御部36は、前記試薬の供給を、該試薬が分析に必要な検体の直前または直後に主搬送ライン35Aに供給するよう試薬供給制御部38に指示し、検体搬送制御部36は、試薬供給制御部38により配置が前後するように供給された試薬および検体を1つのセットとして分析を行う分析ユニットに搬送するよう制御する。試薬供給制御部38は、前記試薬が前記検体の直前または直後に主搬送ライン35Aに供給するように、読取装置41Bにより前記検体の搬送状況を確認する。
検体と試薬とをセットにして主搬送ライン35Aに供給後、検体搬送制御部36は、分析を行なう分析ユニットの制御部15に、搬送する検体および試薬情報を通知する(ステップS207)。前記通知を受けた制御部15は、分析を行う分析項目に使用する試薬の残量を再計算し、試薬残量記憶部20に、分析終了後の試薬残量である論理試薬残量を格納する(ステップS208)。
一方、検体搬送制御部36が、試薬補充が不要と判定した場合は(ステップS204、No)、検体供給制御部37に検体供給信号を送信し、前記検体を収容する検体容器44を検体供給ユニット31から搬送ライン35に排出するよう制御する(ステップS209)。前記検体を主搬送ライン35Aに供給後、検体搬送制御部36は、分析を行なう分析ユニットの制御部15に、搬送する検体の情報を通知し(ステップS210)、通知を受けた制御部15は、分析を行う分析項目に使用する試薬の残量を再計算し、試薬残量記憶部20に、分析終了後の試薬残量である論理試薬残量を格納し(ステップS208)、検体および試薬の搬送処理を終了する(ステップS101)。
続いて、検体および試薬受付・分析処理(ステップS102)について説明する。図9に示すように、各分析ユニットの制御部15は、主搬送ライン35Aによる検体および試薬の搬送状況を読取装置41Cまたは41Dにより確認し、搬送された検体が分析を行う受け入れ検体か否かを確認する(ステップS301)。受け入れ検体でない場合は(ステップS301、No)、受付処理は終了する。
搬送された検体が分析を行う受け入れ検体である場合(ステップS301、Yes)、制御部15は、該検体に補充用の試薬があるか否かを確認する(ステップS302)。試薬補充がある場合は(ステップS302、Yes)、主搬送ライン35Aの試薬容器移送位置に搬送された試薬容器22を、試薬容器移送装置8により試薬庫2内に収納する(ステップS303)。試薬容器22の収納後、分析ユニットで前記検体の分析を開始する(ステップS304)。分析する検体を収容する検体容器44は、検体分注位置まで搬送され、検体分注装置7により検体が吸引され、反応容器5に吐出される。
その後、制御部15は、前記検体についてすべての分析項目の分注が終了したか否か確認し(ステップS305)、すべての分析項目の分注が終了するまで(ステップS305、No)、検体分注が行なわれ、分析が続行される。一方、オーダーされたすべての分析項目用の分注終了後(ステップS305、Yes)、前記検体を収容する検体容器22は検体回収ユニット33に搬送され、制御部15は、試薬庫2内に空になった試薬容器22があるか否かを確認する(ステップS306)。
制御部15は、検体および試薬搬送処理のステップS208で再計算し、試薬残量記憶部20に格納した試薬残量を元に空の試薬容器22があるか否か判定する。空の試薬容器22がある場合は(ステップS306、Yes)、試薬庫2内の空の試薬容器22を試薬容器移送装置8により主搬送ライン35Aに排出する(ステップS307)。空の試薬容器がない場合(ステップS306、No)、および空の試薬容器22の排出後、検体および試薬受付・分析処理(ステップS102)が終了する。
検体および試薬回収処理は(ステップS103)、図10に示すように、検体搬送制御部36は、主搬送ライン35Aにより検体回収ユニット33まで搬送された検体について、再検査が必要か否かを確認する(ステップS401)。再検査の要否は、分析を行った分析ユニットの制御部15または、ホストコンピュータ55に対して問い合わせることにより行なう。再検査が必要とされた場合は(ステップS401、Yes)、再検検体搬送ライン35Bにより検体容器22を搬送し、検体供給ユニット31に収納する(ステップS402)。あるいは、再検検体搬送ライン35Bを待機部として再検査まで待機させたり、別途、検体のバッファ部を設けてもよい。
再検査不要とされた場合は(ステップS401、No)、検体搬送制御部36は、検体回収制御部39に検体回収信号を送信し、これにより検体回収制御部39は、前記検体を収容する検体容器44を主搬送ライン35Aから検体回収ユニット33に収納するよう制御する(ステップS403)。検体の収納は、検体容器44を保持するパック23を、主搬送ライン35Aの検体回収位置(図示しない)に搬送後、パック押出手段(図示しない)等によりパック23毎検体容器44を検体回収ユニット33に押し出して収納させる。
続いて、検体搬送制御部36は、主搬送ライン35Aにより試薬回収ユニット34まで搬送された試薬容器22があるか否かを確認する(ステップS404)。搬送された試薬容器22がある場合は(ステップS404、Yes)、検体搬送制御部36は、試薬回収制御部40に検体回収信号を送信し、これにより試薬回収制御部40は、試薬容器22を主搬送ライン35Aから試薬回収ユニット34に収納するよう制御する(ステップS405)。試薬容器22の収納は、検体容器22を保持するパック23を、主搬送ライン35Aの試薬体回収位置(図示しない)に搬送後、パック押出手段(図示しない)等によりパック23毎試薬容器22を試薬回収ユニット34に押し出して収納させる。搬送された試薬容器22がない場合(ステップS404、No)、および空の試薬容器22の収納後、検体および試薬回収処理(ステップS103)が終了する。
本発明の実施の形態1では、試薬容器22を検体容器44と同型にして、搬送ライン35により補充用の試薬を各分析ユニットに自動的に搬送することができるので、オペレータの試薬補充に要する作業時間を大幅に軽減できるとともに、試薬専用の搬送ラインを設ける必要がなく、省コストおよび省スペース化を図ることができる。なお、試薬容器22は、試薬容器22のパック保持部分が、パック23の保持凹部23aに収容可能な形状であれば、検体容器44と同型とすることなく搬送ライン35により搬送可能である。
なお、実施の形態1の変形例として、図11に示す分析システム100Aが例示される。分析システム100Aの分析ユニット1A’および分析ユニット1B’は、試薬容器移送装置8に換えて、試薬容器搬送ライン35Dを備える。分析システム100Aでは、各分析ユニットの読取装置41Cまたは41Dにおいて、補充される試薬容器22の搬送を確認後、試薬容器搬送ライン35D入口部のパック押出手段(図示しない)等によりパック23毎試薬容器22を試薬容器搬送ライン35Dに搬送して、試薬庫2に収納する。試薬庫2内の空の試薬容器22は、試薬容器排出ライン35Eから主搬送ライン35Aに排出する。試薬容器移送装置8に換えて試薬容器搬送ライン35Dおよび試薬容器排出ライン35Eを備えることにより、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
さらに、実施の形態1の変形例として、パック23に換えてラック45を使用して検体容器44および試薬容器22を搬送する分析システム100Bが変形例2として例示される。図12は、本発明の実施の形態1の変形例1にかかる分析システムの構成を示す模式図である。図13は、図12の分析システムで使用されるラック45を試薬容器と共に示す斜視図である。
図12に示すように、検体供給ユニット31Bは、検体容器22をパック23ではなく、ラック45に保持して収納する。ラック45は、図13に示すように、検体容器44を保持する複数の凹部45aが長手方向に沿って形成されている。図13に示すラック45は凹部45aを5個有しているが、検体供給ユニット31Bに検体容器44を収納したラック45をセットする場合、補充用の試薬容器22を収容する凹部45aを特定して、該
凹部45aには検体容器44を収容しないものとする。試薬容器22保持用の凹部45aは、主搬送ライン35Aにより搬送される際、先頭であることが望ましい。
試薬供給ユニット32Bは、分析ユニットが備える試薬容器移送装置8と同様の機構を有する試薬容器移送装置9を備える。また、試薬供給ユニット32Bは上面部に試薬容器22の搬出用の開口部(図示しない)を有する。読取装置41Bで試薬補充の必要な検体を保持するラック45の搬送を確認後、試薬容器移送装置9により試薬供給ユニット32B内の試薬搬出位置に搬送された試薬容器22を搬出し、ラック45の試薬容器22保持用の凹部45aに試薬容器22を挿入した後、主搬送ライン35Aで各分析ユニットまで試薬容器22および検体容器44を搬送する。
分析ユニット1Aおよび分析ユニット100Bでの検体及び試薬受付分析処理は、実施の形態1と同様に行う(図9参照)。試薬回収ユニット34Bは、試薬供給ユニット32と同様に、試薬容器移送装置9を備え、上面部に試薬容器22の搬出用の開口部(図示しない)を有する。読取装置41Eにより空の試薬容器22の搬送を確認後、試薬容器移送装置9により試薬容器22を把持し、ラック45から引上げて試薬回収ユニット34B内に収納する。検体回収ユニット33Bは、主搬送ライン35Aで検体回収位置まで搬送されたラック45を読取装置41Fで確認後、ラック45毎検体容器44を検体回収ユニット33B内に収納する。検体容器44および試薬容器22の保持手段としてラック45を使用しても、実施の形態1と同様の効果を奏することが可能となる。また、試薬容器22は、ラック45の凹部45aに収納可能な形状であれば、検体容器44と同型とすることなく搬送ライン35により搬送可能である。
さらにまた、実施の形態1の変形例として、図14に示す分析システム100Cが例示される。分析システム100Cの搬送ライン35’は、反時計回りに検体容器44および試薬容器22を搬送する環状の主搬送ライン35A’を有し、再検検体搬送ライン35Bを有しない。また、検体供給ユニット31Aは、分析を行う検体を収容する検体容器44を収納するだけでなく、分析終了後の検体容器44を回収する検体回収ユニットとしての役割を果たす。試薬供給ユニット32Aは、補充用の試薬を収容する試薬容器22を収納するだけでなく、試薬庫2で使用され、空となった試薬容器22を回収する試薬回収ユニットとしての役割を果たす。主搬送ライン35A’を環状とすることにより、実施の形態1と同様の効果を奏することができ、また、検体回収ユニットおよび試薬回収ユニットを設置する必要がないため、省コスト、省スペース化が可能となる。なお、検体供給ユニット31Aは、補充用の試薬容器22および回収した試薬容器22も収納させて、試薬供給ユニット32Aの設置を省略してもよい。
(実施の形態2)
実施の形態2にかかる分析システム100Dは、各分析ユニットに接する外部周辺に試薬容器待機部46を有し、分析ユニット1A’’および分析ユニット1B’’内に試薬庫2を有しない点で、実施の形態1と異なる。実施の形態2では、試薬庫2の機能を果たす試薬容器待機部46を分析ユニット外に設けたことにより、試薬容器22の搬入・排出がより容易になる。
図15は、実施の形態2にかかる分析システム100Dの構成を示す模式図である。図15に示すように、試薬容器待機部46は、試薬容器搬送部46aと、試薬分注部46bと、エスケープライン46cと、読取装置46dと、試薬容器排出部46eとを備える。読取装置41Cまたは41Dにより補充用の試薬容器22の搬送を確認した場合、試薬容器搬送部46a入口部のパック押出手段(図示しない)等によりパック23毎試薬容器22を試薬容器搬送部46a押し出し、押し出された試薬容器22は試薬容器搬送部46aにより試薬分注部46bに搬送される。試薬分注部46bには、分析に使用される試薬容器22が配置され、配置の順番は記憶部19に記憶される。試薬分注により空となった試薬容器22は、読取装置46dで確認後、試薬容器排出部46eから主搬送ライン35Aに排出される。その他の試薬容器22は、エスケープライン46cを通って、試薬容器搬送部46aから試薬容器分注部46bに再配置される。なお、試薬容器分注部46bの試薬容器22配置部分は、保冷できるような構造とする。
また、分析ユニット1A’’および分析ユニット1B’’が備える試薬分注装置6Aは、鉛直方向への昇降、および試薬分注装置6Aの基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転、ならびに試薬分注部46bと平行な水平方向への移動を可能とする構造とする。これにより、試薬容器22を移動することなく、試薬分注装置6Aにより、試薬分注部46bのいずれに配置された試薬容器22からも試薬を分注することが可能となる。
実施の形態2にかかる試薬容器供給回収処理は、実施の形態1と同様に、検体および試薬搬送処理(ズテップS101)により、各分析ユニットの試薬待機部46の試薬補充が必要かを確認し、必要な場合は、検体とともに試薬を供給し、検体および試薬受付・分析処理(ステップS102)において、各分析ユニットの試薬待機部46に補充用の試薬容器22を搬入し、分析を行い、空の試薬容器22がある場合は、試薬待機部46から主搬送ライン35Aに排出し、検体および試薬回収処理(ステップS103)において検体容器44および試薬容器22を回収する。
(実施の形態3)
実施の形態3にかかる分析システムは、分析システム全体または分析ユニット毎に電源がオン・オフされる度に、各分析ユニットで使用する試薬容器22を、試薬供給ユニット32から試薬庫2へ、および試薬庫2から試薬供給ユニット32への搬送処理を行う。これにより、分析システム全体または各分析ユニットの電源オフ時に、各試薬庫2内で試薬容器22を保冷する必要がなくなるため、節電が可能となる。
実施の形態3にかかる試薬容器供給回収処理について、図16を参照して説明する。図16は、実施の形態3にかかる試薬容器供給回収処理のフローチャートである。分析ユニット(または分析システム)の電源が入力されると(ステップS601)、検体搬送制御部36は、試薬供給制御部38に試薬供給信号を送信し、試薬供給ユニット32(32B)内に保冷収納されている試薬容器22を前記分析ユニットに搬送するよう制御する(ステップS602)。試薬供給制御部38が、主搬送ライン35Aに試薬容器22を供給後、検体搬送制御部36は、試薬容器22を供給する分析ユニットの制御部15に試薬搬送信号を送信し、これにより、制御部15は、試薬容器移送装置8を制御して、搬送された試薬容器22を試薬庫2内に搬入する(ステップS603)。
すべての試薬容器22の搬入後、分析ユニット(または分析システム)が分析開始できるか否かを確認し(ステップS604)、分析可能である場合には、ステップS605〜ステップS607により検体および試薬の供給・回収処理を行いながら、分析を行う。ステップS605〜ステップS607に示す検体および試薬の供給・回収処理は、実施の形態1で説明した検体および試薬の供給・回収処理と同様である(図7〜図10参照)。
すべての検体の分析が終了した(ステップS608、Yes)後、検体搬送制御部36は、各分析ユニットの制御部15に試薬排出信号を送信して、試薬庫2(から試薬容器22を排出させる(ステップS609)。制御部15は、試薬容器移送装置8(または試薬容器待機部46)を制御して、試薬庫2内の試薬容器22を主搬送ライン35Aに排出する(ステップS609)。主搬送ライン35Aは試薬庫2から排出された試薬容器22を試薬供給ユニット32まで搬送する。搬送後、検体搬送制御部36は、試薬供給制御部38に、試薬搬入信号を送信し、これにより試薬供給制御部38は、試薬供給ユニット32内に試薬容器を収納する(ステップS610)。すべての試薬容器22が試薬供給ユニット32内に収納された後、分析ユニット(または分析システム)の電源をオフにする(ステップS611)。
(実施の形態4)
実施の形態4にかかる分析システムは、各分析ユニットで分析される検体について、分析頻度が少ない分析項目(以下、「特定分析項目」と記載する)を設定し、特定分析項目の分析に使用される特定試薬を収納する試薬容器22は、試薬庫2内に保持せず、特定分析項目の分析がオーダーされるたびに、該試薬容器22を試薬供給ユニット32から試薬庫2に供給して分析を行う。これにより、試薬庫2が常時収納する試薬数を低減できるため、試薬庫2を小さくすることができ、省スペース化を図ることが可能となる。
図17は、実施の形態4にかかる分析システムの制御システムを示すブロック図である。図17に示すように、実施の形態4にかかる分析システムにおいて、搬送ライン35’’は、分析頻度が少ない分析項目として事前に設定した特定分析項目がオーダーされたか否かを判定する分析項目判定部54を備える。また、試薬庫2内に分析頻度が少ない分析項目の分析に使用される特定試薬を収納する特定試薬収納位置を設定し、特定試薬が搬送される度に、該位置に特定試薬を収納する。また、実施の形態4にかかる分析システムでは、特定分析項目は事前に記憶部53等に記憶され、検体の分析項目をホストコンピュータ55から抽出後、分析項目判定部54は、抽出した分析項目中に、記憶部53に記憶された特定分析項目が含まれるか否かを判定する。
実施の形態4にかかる試薬容器供給回収処理について、図7および図18〜図20を参照して説明する。図18は、実施の形態4にかかる検体および試薬搬送処理のフローチャートである。図19は、実施の形態4にかかる検体および試薬受付分析処理のフローチャートである。図20は、実施の形態4にかかる検体および試薬回収処理のフローチャートである。
実施の形態4にかかる試薬容器供給回収処理は、図7に示すように、検体および試薬の搬送処理を行い(ステップS101)、その後、該当する分析ユニットで検体および試薬の受付・分析処理後(ステップS102)、検体および試薬回収処理を行なうことになる(ステップS103)。このステップS101〜ステップS103の各工程は、すべての検体についての分析が終了するまで連続して行われる(ステップS104、Yes)。
実施の形態4の検体および試薬の搬送処理(ステップS101)は、図18に示すように、まず、検体搬送制御部36Aは、検体供給制御部37を介し、検体供給ユニット31から主搬送ライン35Aに供給する検体の検体ID等を含む検体情報を、検体供給ユニット31内の読取装置(図示しない)により読み取るよう制御し(ステップS701)、読み取った検体IDに基づき、ホストコンピュータ55から前記検体の分析項目、分析ユニット等の分析情報を抽出する(ステップS702)。その後、検体搬送制御部36Aは、前記検体の分析を行う分析ユニットの試薬残量記憶部20にオーダーされた分析項目の分析に使用する試薬の残量を問い合わせる(ステップS703)。
問い合わせた試薬残量に基づき、検体搬送制御部36Aは試薬補充が必要か否かを判定し(ステップS704)、試薬補充が必要と判定した場合は(ステップS704、Yes)、まず、検体供給制御部37に検体供給信号を送信し、これにより検体供給制御部37は、前記検体を収容する検体容器44を検体供給ユニット31から搬送ライン35’’に排出するよう制御する(ステップS705)。
検体排出後、検体搬送制御部36Aは、試薬供給制御部38に試薬供給信号を送信し、これにより試薬供給制御部38は、前記検体の分析に必要な試薬を収容する試薬容器22を、試薬供給ユニット32から搬送ライン35’’に排出するよう制御する(ステップS706)。
一方、検体搬送制御部36Aが、試薬補充が不要と判定した場合は(ステップS704、No)、検体供給制御部37に検体供給信号を送信し、前記検体を収容する検体容器44を検体供給ユニット31から搬送ライン35’’に排出するよう制御する(ステップS708)。
補充する試薬容器の搬送ライン35’’に排出後、検体搬送制御部36Aは、ステップS702で抽出した分析項目に特定分析項目があるか否かを確認する(ステップS709)。特定分析項目ありと判定した場合は(ステップS709、Yes)、検体搬送制御部36Aは、試薬供給制御部38に特定試薬供給信号を送信し、これにより試薬供給制御部38は、特定分析項目の分析に必要な特定試薬を収容する試薬容器22を、試薬供給ユニット32から搬送ライン35’’に排出するよう制御する(ステップS710)。また、検体搬送制御部36Aが特定分析項目なしと判定した場合は(ステップS709、No)、ステップS711に進む。
上記各処理により、各分析ユニットに搬送する検体および試薬が決定された後、検体搬送制御部36Aは、分析を行なう分析ユニットの制御部15に、搬送する検体および試薬の情報を通知する(ステップS711)。前記通知を受けた制御部15は、分析を行う分析項目に使用する試薬(特定試薬を含む)の残量を再計算し、試薬残量記憶部20に、分析終了後の試薬残量である論理試薬残量を格納し(ステップS712)、検体および試薬の搬送処理を終了する(ステップS101)。
続いて、検体および試薬受付・分析処理(ステップS102)について説明する。図19に示すように、各分析ユニットの制御部は、主搬送ライン35Aによる検体および試薬の搬送状況を読取装置41Cまたは41Dにより確認し、搬送された検体が分析を行う受け入れ検体か否かを確認する(ステップS801)。受け入れ検体でない場合は(ステップS801、No)、受付処理は終了する(ステップS102)。
搬送された検体が受け入れ検体である場合(ステップS801、Yes)、制御部15は、該検体に補充用の試薬があるか否かを確認する(ステップS802)。試薬補充がある場合は(ステップS802、Yes)、主搬送ライン35Aの試薬容器移送位置に搬送された試薬容器22を、試薬容器移送装置8により試薬庫2内に収納する(ステップS803)。試薬容器22の収納後、制御部15は、特定試薬の補充があるか否かを確認する(ステップS804)。特定試薬がある場合は(ステップS804、Yes)、特定試薬を収容する試薬容器22を、試薬庫2内の特定試薬収納位置に試薬容器移送装置8により収納する(ステップS805)。
試薬容器22の収納後、分析ユニットで前記検体の分析を開始する(ステップS806)。分析する検体を収容する検体容器44は、検体分注位置まで搬送され、検体分注装置7により検体が吸引され、反応容器5に吐出される。
制御部15は、前記検体についてすべての分析項目の分注が終了したか否か確認し(ステップS807)、すべての分析項目の分注が終了するまで(ステップS807、No)、検体分注が行なわれ、分析が続行される。一方、オーダーされたすべての分析項目用の分注終了後(ステップS807、Yes)、前記検体を収容する検体容器22は検体回収ユニット33に搬送され、制御部15は、試薬庫2内に特定試薬を収容する試薬容器22があるか否かを確認する(ステップS808)。
特定試薬を収容する試薬容器22がある場合は(ステップS808、Yes)、試薬庫2内の特定試薬を収容する試薬容器22を試薬容器移送装置8により主搬送ライン35Aに排出する(ステップS809)。特定試薬を収容する試薬容器22がない場合(ステップS808、No)、および特定試薬を収容する試薬容器22の排出後、さらに、試薬庫2内に空になった試薬容器22があるか否かを確認する(ステップS810)。
制御部15は、検体および試薬搬送処理のステップS712で再計算し、試薬残量記憶部20に格納した試薬残量を元に空の試薬容器22があるか否か判定する。空の試薬容器22がある場合は(ステップS810、Yes)、試薬庫2内の空の試薬容器22を試薬容器移送装置8により主搬送ライン35Aに排出する(ステップS811)。空の試薬容器がない場合(ステップS810、No)、および空の試薬容器22の排出後、検体および試薬受付・分析処理(ステップS102)が終了する。
検体および試薬回収処理において(ステップS103)、図20に示すように、検体搬送制御部36Aは、主搬送ライン35Aにより検体回収ユニット33まで搬送された検体について、再検査が必要か否かを確認する(ステップS901)。再検査の要否は、分析を行った分析ユニットの制御部15または、ホストコンピュータ55に対して問い合わせることにより行なう。再検査が必要とされた場合は(ステップS901、Yes)、再検検体搬送ライン35Bにより検体容器22を搬送し、検体供給ユニット31に収納する(ステップS902)。あるいは、再検検体搬送ライン35Bを待機部として再検査まで待機させたり、別途、検体のバッファ部を設けてもよい。
再検査不要とされた場合は(ステップS901、No)、検体搬送制御部36Aは、検体回収制御部39に検体回収信号を送信し、これにより検体回収制御部39は、前記検体を収容する検体容器44を主搬送ライン35Aから検体回収ユニット33に収納するよう制御する(ステップS903)。
続いて、検体搬送制御部36Aは、主搬送ライン35Aにより試薬回収ユニット34まで搬送された試薬容器22があるか否かを確認する(ステップS904)。搬送された試薬容器22がある場合は(ステップS904、Yes)、検体搬送制御部36Aは、試薬回収制御部40に検体回収信号を送信し、これにより試薬回収制御部40は、試薬容器22を主搬送ライン35Aから試薬回収ユニット34に収納するよう制御する(ステップS905)。搬送された試薬容器22がない場合(ステップS904、No)、および空の試薬容器22の収納後、さらに、検体搬送制御部36Aは、ステップS809で特定試薬が主搬送ライン35Aに供給されたか否かを確認し(ステップS906)、特定試薬容器が主搬送ライン35Aに供給された場合(ステップS906、Yes)、再検検体搬送ライン35Bにより特定試薬を搬送し、試薬供給制御部38に試薬搬入信号を送信する。これにより、試薬供給制御部は、搬送された特定試薬を試薬供給ユニット32内に収納するよう制御し(ステップS907)、検体および試薬回収処理(ステップS103)が終了する。
実施の形態4では、特定分析項目の分析がオーダーされるたびに、分析頻度が少ない特定分析項目の分析に使用される特定試薬を収納する試薬容器22を試薬供給ユニット32から試薬庫2の特定試薬収納位置に供給して分析を行うことにより、試薬庫2に収納する試薬数を低減して、省スペース化を図ることを可能としているが、試薬庫2内に特定試薬収納位置を設定せずに、試薬庫2内の空きスペースに特定試薬を収納することとしてもよい。
以上のように、高速かつ大量での分析処理が要求される分析ユニットを複数接続する分析システムに有用であり、オペレータの作業負担を低減したい場合に適する。
1A、1B、1A’、1B’ 分析ユニット
2 試薬庫
4 反応テーブル
5 反応容器
6、6A 試薬分注装置
7 検体分注装置
8、9 試薬容器移送装置
10、41A、41B、41C、41D、41E、41F 読取装置
15 制御部
16、51 入力部
17、52 出力部
18 分析部
19、53 記憶部
20 試薬残量記憶部
22 試薬容器
23 パック
44 検体容器
31、31A、31B 検体供給ユニット
32、32A、32B 試薬供給ユニット
33、33B 検体回収ユニット
34、34B 試薬回収ユニット
35、35’、35’’ 搬送ライン
35A 主搬送ライン
35B 再検検体搬送ライン
35C 搬送用ベルト
35D 試薬容器搬送ライン
35E 試薬容器排出ライン
36、36A 検体搬送制御部
37 検体供給制御部
38 試薬供給制御部
39 検体回収制御部
40 試薬回収制御部
45 ラック
46 試薬待機部
54 分析項目判定部
55 ホストコンピュータ
100、100A、100B、100C、100D 分析システム

Claims (24)

  1. 1または2以上の分析ユニットと、前記分析ユニットを接続して配置され、検体供給ユニットから、検体を収容する検体容器または前記検体容器を保持するラックを前記分析ユニットに搬送するとともに、前記分析ユニットから、前記検体容器または前記ラックを検体回収ユニットに搬送し、前記分析ユニットで検体を分析する分析システムであって、
    前記検体供給ユニットから、前記検体容器または前記ラックを前記分析ユニットに搬送するとともに、前記分析ユニットから、前記検体容器または前記ラックを検体回収ユニットに搬送する搬送ラインと、
    前記分析ユニット内の試薬残量を逐次更新して記憶する試薬残量記憶手段と、
    前記搬送ラインに隣接して配置され、前記分析ユニットで使用する補充用の試薬容器を保冷・収納し、収納する試薬容器を前記搬送ラインに供給することにより、前記分析ユニットに前記試薬容器を補充する試薬供給ユニットと、
    前記搬送ラインに隣接して配置され、前記分析ユニットで使用された空の試薬容器を回収し、収納する試薬回収ユニットと、
    前記試薬残量記憶手段から前記検体の分析に必要な試薬の残量を抽出し、試薬補充が必要と判断した空の試薬容器を、前記分析ユニットから前記搬送ラインに排出して、前記試薬回収ユニットへ回収するとともに、前記試薬供給ユニットに対し同一の試薬を収容する試薬容器を前記搬送ラインに供給させて、前記分析ユニットに搬入するよう制御する試薬供給制御手段と、
    を備えることを特徴とする分析システム。
  2. 前記試薬容器は、前記検体容器と同一形状、または前記ラックに収容可能な形状、あるいは搬送ラインがパック方式である場合、パックの容器保持手段に収容可能な形状であることを特徴とする請求項1に記載の分析システム。
  3. 前記分析ユニットは、前記試薬供給ユニットから供給される補充用の試薬容器を該分析ユニット内の試薬庫に収納し、かつ、前記試薬庫内の空の試薬容器を前記搬送ラインに排出する試薬容器移送手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の分析システム。
  4. 前記分析ユニットは、該分析ユニットに接する外部周辺に設けられ、前記試薬容器を待機させる試薬容器待機手段を有し、
    前記搬送ラインは、前記試薬容器待機手段に補充用の試薬容器を供給し、前記試薬容器待機手段は前記搬送ラインに空の試薬容器を排出することを特徴とする請求項1または2に記載の分析システム。
  5. 前記試薬容器待機手段は、前記待機手段内に待機する試薬容器を保冷する保冷手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の分析システム。
  6. 前記分析ユニットは、鉛直方向への昇降、および該分注手段の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転、ならびに水平方向への移動により、前記試薬容器待機手段内の試薬容器から試薬を分注する試薬分注手段を備えることを特徴とする請求項4または5に記載の分析システム。
  7. 前記試薬容器待機手段は、試薬を収容する試薬容器と空の試薬容器とを選別し、空の試薬容器のみを前記搬送ラインに排出する試薬容器選別手段を備えることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一つに記載の分析システム。
  8. 前記試薬供給制御手段は、検体を前記検体供給ユニットから前記搬送ラインに供給する直前に、前記試薬残量記憶手段から前記検体の分析に必要な試薬残量を抽出し、試薬補充が必要と判断した場合は、補充する試薬を、前記検体の直前または直後に前記搬送ラインに供給して、前記試薬を前記検体とともに前記分析ユニットに搬送することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の分析システム。
  9. 前記搬送ラインは環状の搬送ラインであり、
    前記検体供給ユニットは前記検体回収ユニットとの兼用であって、未分析の検体および分析が終了した検体の両方を収納し、
    前記試薬供給ユニットは前記試薬回収ユニットとの兼用であって、補充用の試薬容器および空の試薬容器の両方を収納することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の分析システム。
  10. 前記検体供給ユニットは前記試薬供給ユニットとの兼用であって、未分析の検体および分析が終了した検体、ならびに補充用の試薬容器および空の試薬容器を収納することを特徴とする請求項9に記載の分析システム。
  11. 前記試薬供給制御手段は、
    前記分析ユニットの電源入力後、前記試薬供給ユニットから前記分析ユニットの試薬庫または試薬待機手段に配置される所定の試薬容器を排出し、前記搬送ラインにより前記試薬容器を前記分析ユニットに搬送し、前記分析ユニットの試薬庫または試薬待機手段に前記試薬容器を収納し、
    かつ、前記分析ユニットの電源オフ直前に、前記分析ユニットの試薬庫または試薬待機手段から前記試薬容器をすべて排出し、前記搬送ラインにより前記試薬供給ユニットに前記試薬容器を搬送し、前記試薬供給ユニット内に収納するよう制御することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の分析システム。
  12. 前記分析ユニットで分析される検体において、分析頻度が少ない分析項目として事前に設定した特定分析項目がオーダーされたか否かを判定する分析項目判定手段を備え、
    前記分析ユニットの試薬庫は、分析頻度が少ない分析項目の分析に使用される試薬容器を収納する特定試薬収納位置を有し、
    前記試薬供給制御手段は、前記分析項目判定手段が特定分析項目のオーダーがされたと判定した場合に、該分析項目の分析に使用される特定試薬を収容する試薬容器を、前記搬送ラインにより該検体の直前または直後に前記分析ユニットに搬送するよう制御し、
    前記試薬容器移送手段は、搬送された前記試薬容器を前記試薬庫の特定試薬収納位置に収納し、前記検体の分析終了後、前記試薬容器を前記特定試薬収納位置から排出することを特徴とする請求項1、2、3、8〜11のいずれか一つに記載の分析システム。
  13. 前記分析ユニットで分析される検体において、分析頻度が少ない分析項目として事前に設定した特定分析項目がオーダーされたか否かを判定する分析項目判定手段を備え、
    前記分析ユニットの試薬待機手段は、分析頻度が少ない分析項目の分析に使用される試薬容器を収納する特定試薬収納位置を有し、
    前記試薬供給制御手段は、前記分析項目判定手段が特定分析項目のオーダーがされたと判定した場合に、該分析項目の分析に使用される特定試薬を収容する試薬容器を、前記搬送ラインにより該検体の直前または直後に前記分析ユニットに搬送するよう制御し、
    前記試薬待機手段は、搬送された前記試薬容器を特定試薬収納位置に収納し、前記検体の分析終了後、前記試薬容器を前記特定試薬収納位置から排出することを特徴とする請求項4〜7のいずれか一つに記載の分析システム。
  14. 1または2以上の分析ユニットと、前記分析ユニットを接続して配置され、検体供給ユニットから、検体を収容する検体容器または前記検体容器を保持するラックを前記分析ユニットに搬送するとともに、前記分析ユニットから、前記検体容器または前記ラックを検体回収ユニットに搬送し、前記分析ユニットで検体を分析する分析システムの試薬容器供給方法であって、
    分析予定の検体の各分析項目に使用される各試薬容器の試薬残量を、前記分析ユニット内の試薬残量を管理する試薬残量記憶手段から抽出し、試薬残量を確認する試薬残量確認ステップと、
    前記検体供給ユニットから、搬送ラインにより前記検体容器または前記ラックを前記分析ユニットに供給する検体供給ステップと、
    前記試薬残量確認ステップにおいて補充が必要な試薬ありと判断した場合、前記搬送ラインにより該試薬を収容する試薬容器を試薬供給ユニットから前記分析ユニットに供給する試薬供給ステップと、
    前記分析ユニットで分析が終了した前記検体容器または前記ラックを前記搬送ラインにより前記検体回収ユニットに回収する検体回収ステップと、
    空の試薬容器を前記分析ユニットから排出し、前記搬送ラインにより前記分析ユニットから試薬回収ユニットに前記試薬容器を搬送し回収する試薬回収ステップと、
    を含むことを特徴とする試薬容器供給方法。
  15. 前記試薬容器は、前記検体容器と同一形状、または前記ラックに収容可能な形状、あるいは搬送ラインがパック方式である場合、パックの容器保持手段に収容可能な形状であることを特徴とする請求項14に記載の試薬容器供給方法。
  16. 前記試薬残量確認ステップにおいて補充が必要と判断した空の試薬容器を、試薬容器移送手段により前記分析ユニットの試薬庫から排出する試薬容器排出ステップと、
    前記搬送ラインにより前記試薬供給ユニットから供給される補充用の試薬容器を前記試薬庫に収納する試薬容器収納ステップと、
    を含むことを特徴とする請求項14または15に記載の試薬容器供給方法。
  17. 前記試薬残量確認ステップにおいて補充が必要と判断した空の試薬容器を、前記分析ユニットの外部周辺に設置され、前記試薬容器を待機させる試薬容器待機手段から排出する試薬容器排出ステップと、
    前記搬送ラインにより前記試薬供給ユニットから供給される補充用の試薬容器を前記試薬容器待機手段に収納する試薬容器収納ステップと、
    を含むことを特徴とする請求項14または15に記載の試薬容器供給方法。
  18. 前記試薬容器待機手段は、前記待機手段内に待機する試薬容器を保冷する保冷手段を備えることを特徴とする請求項17に記載の試薬容器供給方法。
  19. 前記分析ユニットは、鉛直方向への昇降、および該分注手段の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転、ならびに水平方向への移動により、前記試薬容器待機手段内の試薬容器から試薬を分注する試薬分注手段により試薬を分注する試薬分注ステップを含むことを特徴とする請求項17または18に記載の試薬供給方法。
  20. 前記試薬容器待機手段は、試薬を収容する試薬容器と空の試薬容器とを選別し、空の試薬容器のみを前記搬送ラインに排出する試薬容器選別ステップを含むことを特徴とする請求項17〜19のいずれか一つに記載の試薬容器供給方法。
  21. 前記試薬残量確認ステップは、前記検体供給ステップの直前に行なわれ、
    前記試薬供給ステップは、補充する試薬を、前記検体供給ステップで供給する検体の直前または直後に前記搬送ラインに供給して、前記試薬を前記検体とともに前記分析ユニットに搬送することを特徴とする請求項17〜20のいずれか一つに記載の試薬容器供給方法。
  22. 前記分析ユニットの電源入力後、前記試薬供給ユニットから前記試薬庫または前記試薬待機手段に配置される所定の試薬容器を排出し、前記搬送ラインより前記試薬容器を前記分析ユニットに搬送し、前記試薬庫または前記試薬待機手段に前記試薬容器を収納する試薬容器自動供給ステップと、
    前記分析ユニット電源オフ直前に、前記分析ユニットの試薬庫または試薬待機手段から前記試薬容器をすべて排出し、前記搬送ラインにより前記試薬供給ユニットに前記試薬容器を搬送し、前記試薬供給ユニット内に収納する試薬容器自動排出ステップと、
    を含むことを特徴とする請求項17〜20のいずれか一つに記載の試薬容器供給方法。
  23. 前記分析ユニットで分析される検体において、分析頻度が少ない分析項目として事前に設定した特定分析項目がオーダーされたか否かを判定する分析項目判定ステップと、
    前記分析項目判定ステップが特定分析項目のオーダーがされたと判定した場合に、該分析項目の分析に使用される特定試薬を収容する試薬容器を、該検体の直前または直後に前記搬送ラインに供給する特定試薬供給ステップと、
    前記試薬容器移送手段により、前記試薬容器を前記試薬庫の特定試薬を収容する試薬容器を収納する特定試薬収納位置に収納する特定試薬収納ステップと、
    該分析項目の分析終了後、前記試薬容器移送手段により、前記試薬容器を前記特定試薬収納位置から排出する特定試薬排出ステップと、
    を含むことを特徴とする請求項14、15、16、21〜22のいずれか一つに記載の試薬容器供給方法。
  24. 前記分析ユニットで分析される検体において、分析頻度が少ない分析項目として事前に設定した特定分析項目がオーダーされたか否かを判定する分析項目判定ステップと、
    前記分析項目判定ステップが特定分析項目のオーダーがされたと判定した場合に、該分析項目の分析に使用される特定試薬を収容する試薬容器を、該検体の直前または直後に前記搬送ラインに供給する特定試薬供給ステップと、
    前記試薬容器を、前記試薬容器待機手段の特定試薬を収容する試薬容器を収納する特定試薬収納位置に収納する特定試薬収納ステップと、
    該分析項目の分析終了後、前記試薬容器を前記特定試薬収納位置から排出する特定試薬排出ステップと、
    を含むことを特徴とする請求項17〜20のいずれか一つに記載の試薬容器供給方法。
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