JP2011026968A - 内燃機関およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】カムレス方式のディーゼルエンジンにおいて、フェイル発生時にバルブとピストンとの衝突による内燃機関の破壊を防止する。
【解決手段】フェイル発生時に吸気または排気用の全てのバルブ4を複数回に分けて強制的に閉じる制御方式を持つカムレス方式のディーゼルエンジン1において、フェイル発生の検出時に、複数の気筒の各々のピストンの位置を検出し、その検出結果に基づいて、ピストンとバルブ4とが衝突する可能性のある気筒を判別し、その気筒のバルブ4を優先的に閉じる。これにより、フェイル発生時に危険度の高い気筒のバルブ4を優先的に閉じることができるので、バルブ4とピストンとの衝突によるディーゼルエンジン1の破壊を防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関およびその制御方法に関し、更に詳しくは、カムを用いることなくクランクシャフトの回転角度に依存しない任意のタイミングで吸排気バルブを開閉可能な駆動装置を有するカムレス方式の内燃機関において、吸排気バルブとピストンとの衝突による内燃機関の破壊を防止することが可能な内燃機関およびその制御方法に関する。
近年、自動車用エンジンに対する排ガス規制強化や燃費改善の要求増大に伴って燃焼制御の高度化が進んでいる。燃焼制御を改善するための1つの方法として、エンジンの吸排気バルブの動作タイミングを運転状態に応じて任意に変化させる可変バルブ機構があり、中でも、カムシャフトが無く、クランクシャフトの回転角度をセンサ等の検出手段によって認識し、コントローラが各気筒の運転行程(吸気、圧縮、膨張、排気)に合わせて最適なタイミングで吸排気バルブの動作を制御する、カムレスエンジンの開発が進められている(例えば特許文献1参照)。
ところで、カムシャフトを有する通常のエンジンでは、バルブとピストンとの位置関係が機械的な構造で一意に決まり、両者が干渉することは通常あり得ない。しかし、カムレスエンジンの場合は、バルブの動作タイミングを自由に変えることができるため、不適切なタイミングで指示を与えたり、コントローラが暴走したりすると、バルブとピストンとが衝突し、例えばバルブが燃焼室内に突き出たまま戻らない等、エンジンが破壊されてしまう。
このようなエンジンの破壊は、制御異常の発生時間が極めて短い時間、例えば1サイクル期間だけでも生じるため、カムレスエンジンにおいて制御信頼性を高めることは非常に重要であるが、制御信頼性を高める一方で万が一にも制御異常が発生した場合にエンジンを安全に停止する手段が必要である。
特開2003−328713号公報
上記した安全な停止方法として、通常制御系とは別に異常検出時に強制的にバルブを閉じる、いわゆるフェイルセーフシステムを備えた制御系の2重制御化が効果的であると考えられる。カムレスエンジンでは、制御異常が即エンジンの破壊に繋がり、そのエンジンの破壊による直接、間接的な損失の方が、2重制御化によるコストアップに比べて大きいからである。
フェイルセーフ方式の1つに、コントローラから一定周期のパルス(ウォッチドッグパルス)を出力し、このパルスを別のコントローラで監視して、そのパルスが断絶した時に制御系の異常と判断してバルブを強制的に閉じる方法がある。
ここで、高速開閉が必要なカムレスバルブは、瞬間的に大電流を流してソレノイドを高速に駆動するためにバルブを駆動するドライバ回路の内部に100Vまたはそれ以上の高電圧を得る昇圧回路が設けられているが、単気筒カムレスシステムの場合、その昇圧回路が単気筒なのでソレノイドの数だけ存在し、フェイル発生時に全てのバルブを一斉に閉じるようになっている。
一方、多気筒カムレスシステムの場合、回転同期で制御するカムレスソレノイドでは、全気筒が同時にオンすることは無いため、1個のソレノイドに1個の昇圧回路を設けるのはコスト面およびサイズ面で無駄が多いので、1個の昇圧回路を2つのソレノイド(ドライバ回路の2つのチャンネル)で共用するようにしている。しかし、この場合、2つのチャネルを同時に動作させると昇圧電圧が不足するので、同時に動作させることができない。
そのため、1つのドライバ回路において、あるチャネルへの出力が終わった後に他のチャネルへの出力を行い、2回に分けてバルブを閉じる必要がある。例えば6気筒カムレスエンジンの場合、24個のバルブがあり、それぞれのバルブに1つずつ閉弁用ソレノイドが設けられている。24チャネルに同時に閉弁パルスを出力できれば問題ないが、回路の制約上、12チャネルを、時間差をつけて2回出力し、2回に分けて全バルブを閉じるようにしている。
このように閉弁パルスを2回に分けた場合、1、2回目ごとに、どの気筒のどのバルブを駆動するかを割り当てる必要がある。この割り当てを固定した場合(単純な分け方として、6気筒エンジンで1回目は1,2,3気筒、2回目は4,5,6気筒など)、2回目に閉じるバルブはフェイル発生から一定時間経過した後になるので2回目の閉弁パルスが出力されるまでの間に、待たされているバルブがピストンと衝突する可能性がある。
このように2回(またはそれ以上)に分けて強制閉弁を行う場合、バルブの割り当てを固定する方法では、バルブとピストンとの衝突の発生がフェイル発生のタイミングによって決まってしまい、エンジンが破壊される問題がある。
本発明の目的は、カムレス方式の内燃機関において、吸排気バルブとピストンとの衝突による内燃機関の破壊を防止することができる内燃機関およびその制御方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の内燃機関は、複数の気筒の各々に、カムを用いることなくクランクシャフトの回転角度に依存しない任意のタイミングでバルブを開閉することが可能な駆動装置を備える内燃機関において、前記駆動装置を制御することにより前記バルブの通常の開閉制御を行う第1制御部と、前記第1制御部が前記バルブの開閉制御の異常を検出した時に、前記第1制御部からの信号に基づいて前記駆動装置を制御することにより、前記バルブの全数を複数回に分けて強制的に閉じる制御を行う第2制御部とを備え、前記第2制御部は、前記複数の気筒の各々のピストンの位置を検出し、その検出結果に基づいて、前記ピストンと前記バルブとが衝突する可能性のある気筒を判別し、その気筒のバルブを優先的に閉じる制御を行うものである。
また、上記した内燃機関において、前記駆動装置の各々のドライバ回路は、前記複数の気筒の中で動作タイミングが最も離れた気筒の各々のバルブを閉じる2個の閉弁装置に電気的に接続されているものである。
また、上記の目的を達成するための本発明の内燃機関の制御方法は、複数の気筒の各々に、カムを用いることなくクランクシャフトの回転角度に依存しない任意のタイミングでバルブを開閉することが可能な駆動装置を備える内燃機関の制御方法において、前記バルブの通常の開閉を行う第1制御ステップと、前記バルブの開閉制御の異常を検出した時に、前記バルブの全数を複数回に分けて強制的に閉じる第2制御ステップとを含み、前記第2制御ステップにおいては、前記複数の気筒の各々のピストンの位置を検出し、その検出結果に基づいて、前記ピストンと前記バルブとが衝突する可能性のある気筒を判別し、その気筒のバルブを優先的に閉じる制御を行う制御を行うものである。
また、上記した内燃機関の制御方法において、前記駆動装置の各々のドライバ回路は、前記複数の気筒の中で動作タイミングが最も離れた気筒の各々のバルブを閉じる2個の閉弁装置を別々に駆動するものである。
本発明によれば、内燃機関において吸排気バルブの開閉制御の異常を検出した時に、複数の気筒の各々のピストンの位置を検出し、その検出結果に基づいて、ピストンと吸排気バルブとが衝突する可能性のある気筒を判別し、その気筒の吸排気バルブを優先的に閉じる制御を行うことにより、異常検出時に危険度の高い気筒の吸排気バルブを優先的に閉じることができるので、吸排気バルブとピストンとの衝突による内燃機関の破壊を防止することができる。
本発明の実施の形態の内燃機関の要部構成図である。 ノーマルカムおよびカムレスに関してバルブプロファイルを比較して示したグラフ図である。 図1の内燃機関の動弁制御システムの構成図である。 図1の内燃機関において1個のドライバ回路に接続される2個の閉弁用電磁弁の割り当て例を示した回路ブロック図である。 図1の内燃機関において1個のドライバ回路に接続される2個の開弁用電磁弁の割り当て例を示した回路ブロック図である。 図1の内燃機関の動作タイミングチャート図である。
以下、本発明の実施の形態の内燃機関について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本実施の形態の内燃機関の要部の構成図を示している。
本実施の形態の内燃機関は、例えばディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)1として構成される。このエンジン1は、シリンダ(燃焼室)内において圧縮されて高温になった空気に燃料を供給して自己着火させ、この自己着火をもとにした膨張でシリンダ内のピストンを押し出す構成を有しており、トラック等のような自動車に搭載される。なお、本発明はディーゼルエンジンに限定されず、ガソリンエンジン等にも適用することもできる。
このエンジン1は、電子制御ユニット(Engine Control Unit:以下、ECUという)2と、動弁機構部3とを備えている。
ECU2は、エンジン1の運転における電気的な制御を総合的に行うためのマイクロコントローラである。ECU2には、エンジン1の運転状態(クランク角度、回転速度、エンジン負荷等)を検出するセンサが電気的に接続されている。ECU2は、その各センサからの信号に基づいてエンジン1の運転状態を把握し、それに応じた駆動信号をインジェクタ(燃料噴射装置)の電磁ソレノイドに送信することにより、インジェクタからの燃料の噴射を実行したり停止したりする。
動弁機構部3は、カムを用いることなくクランクシャフトの回転角度に依存しない任意のタイミングと任意のリフト量とで吸気用または排気用のバルブ4を開閉できるカムレス型の駆動機構部で構成される。なお、図1では1個のバルブ4を例示している。図示のバルブ4は吸気用または排気用のバルブのいずれかである。通常のエンジンでは、1気筒あたり、例えば2〜4本のバルブ4が設置されている。
バルブ4は、バルブヘッド4aとバルブステム4bとを一体的に有している。このバルブ4は、昇降可能な状態でシリンダヘッド6に設置されている。バルブステム4bの外周には、リフトセンサ7が設置されている。このリフトセンサ7は、バルブ4のリフト量を検出するためのセンサであり、ECU2と電気的に接続されている。また、バルブステム4bの外周には、バルブスプリング8がバルブステム4bの外周を囲繞するように設置されている。このバルブスプリング8は、例えばコイルバネからなり、バルブ4を閉弁方向に付勢するように圧縮状態で設置されている。
また、バルブ4は、例えば油圧で動作する。この油圧は、専用の高圧供給ポンプ(油圧ポンプ)11により形成される。この高圧供給ポンプ11は、ドライバ回路(駆動装置)12を介してECU2と電気的に接続されており、そのポンプ動作がECU2により制御される。
また、この高圧供給ポンプ11の回転軸にはギア13aが接続されており、クランクシャフトの1/2の速度で回転している。このギア13aの近傍には回転センサ14aが配置されている。一方、クランクシャフトにはギア13bが接続されており、このギア13bの近傍には回転センサ14bが配置されている。回転センサ14a,14bは、ギア13a,13bの回転角度を検出するためのセンサであり、ECU2と電気的に接続されている。ECU2は、このような速度の異なる2軸の回転速度を検出し、演算することで、クランク角度(0〜720°CA)を把握する。作動流体としては、例えばエンジン1の燃料と共通の軽油が使用されている。
高圧供給ポンプ11から供給された油圧は、それぞれのバルブ4の機構部に加わっているが、非制御状態では油圧経路が遮断されており、バルブ4は現在位置で保持されている。この油圧経路には、電磁弁(駆動装置)15が設置されており、この電磁弁15のオンオフにより、バルブ4の開閉動作が制御されている。電磁弁15は、1つのバルブ4に対して、開弁用電磁弁(駆動装置)15aと閉弁用電磁弁(駆動装置、閉弁装置)15bとの2つの電磁弁がある。例えば6気筒24バルブエンジンでは、合計で48個の電磁弁15が設置される。
開弁用電磁弁15aは、バルブ4の開弁動作を制御するための制御弁であり、高圧供給ポンプ11と圧力室18とを結ぶ油圧経路に設置されている。圧力室18は、バルブ4の開弁のための加圧された作動流体が高圧供給ポンプ11から供給される部屋であり、シリンダヘッド6上のカムレスブロック20においてバルブステム4bの上部に形成されている。圧力室18の底面にはバルブステム4bの上端面(受圧面)が露出されている。
閉弁用電磁弁15bは、バルブ4の閉弁動作を制御するための制御弁であり、低圧ライン21と圧力室18とを結ぶ油圧経路に設置されている。低圧ライン21は閉弁時に圧力室18の高圧作動流体を逃がすためのラインであり、低圧となった作動流体は高圧供給ポンプ11により再加圧される。
開弁用電磁弁15aおよび閉弁用電磁弁15bは、それぞれドライバ回路12を介してECU2に電気的に接続されており、その各々の電磁弁の開閉動作がECU2により制御される。バルブ動作量(燃焼室内へのバルブ突き出し量)は、開弁用電磁弁15aに加えるパルス幅により決定され、バルブ動作タイミングは、そのパルスをクランク角の何度で出力するかにより決定される。バルブ4を閉じる場合も同様である(ただし、必ず全閉状態になる)。
バルブ4の開弁動作に際しては、開弁用電磁弁15aを開き、閉弁用電磁弁15bを閉じた状態で、矢印Aで示すように、高圧供給ポンプ11から圧力室18に高圧の作動流体を供給するとバルブ4が開方向(図1の下方側)に押され、この押圧力がバルブスプリング8の付勢力を上回るとバルブ4が下方に開弁する。
バルブ4の閉弁動作に際しては、開弁用電磁弁15aを閉じ、閉弁用電磁弁15bを開いた状態で、矢印Bに示すように、圧力室18内の不要となった高圧作動流体が低圧ライン21に流れ込み、バルブ4がバルブスプリング8の付勢力により閉方向(図1の上方側)に戻され、バルブ4が上方に閉弁する。
このようなカムレス型の動弁機構部3においては、ECU2からの制御パルス幅やタイミング等を変えることによりバルブ4の開閉を自由に制御することができる。図2は、ノーマルカムとカムレスに関してバルブプロファイルを比較して示している。符号V0はカムを用いるノーマルカムのバルブプロファイルを示し、符号V1はカムを用いないカムレスのバルブプロファイルを示している。カムレスの場合、バルブリフト量を種々変えることができる。なお、図2ではリフト量のみを変更しているが、カムレスの場合、動作開始・終了タイミングも自由に設定できる。
次に、図3は本実施の形態のエンジン1の動弁制御システム25の構成例を示している。なお、ここでは6気筒のカムレスエンジンを例にして説明するが、気筒数はこれに限定されるものではなく種々変更可能である。
エンジン1の動弁制御システム25は、カムレスECM(Engine Control Module:第1制御部)2aと、その後段に電気的に接続されたフェイルセーフECM(第2制御部)2bと、例えば24個のドライバ回路12と、例えば48個の電磁弁15とを有している。
ECU2内のカムレスECM2aは、例えば48チャネルの電磁弁駆動信号CSを、ECU2内のフェイルセーフECM2bを介してドライバ回路12および電磁弁15に送信することによりドライバ回路12および電磁弁15を制御してバルブ4の通常の開閉制御を行う。このとき、カムレスECM2aは、上記のように制御パルス幅やタイミングによりバルブ4の開閉を自由に制御することができる。
また、カムレスECM2aは、制御系の異常を知らせるためのウォッチドッグパルス信号WSをフェイルセーフECM2bに一定周期で送信する。フェイルセーフECM2bは、このウォッチドッグパルス信号を監視してパルスが断絶した時に制御系の異常と診断し、ドライバ回路12および電磁弁15を制御して全てのバルブ4を強制的に閉じる。
このようなカムレスECM2aおよびフェイルセーフECM2bには、クランク角度を算出するためのカム/クランク信号CCSが入力される。このカム/クランク信号CCSは、フェイルセーフECM2bには必須ではないが、これに入力することでフェイル発生時の制御精度を向上させることができる。
フェイルセーフECM2bには、例えば24個のドライバ回路が電気的に接続されている。各ドライバ回路12には、瞬間的に大電流を流して電磁弁15を高速に駆動するために、例えば100Vまたはそれ以上の高電圧を得ることが可能な昇圧回路が設けられている。
また、各ドライバ回路12には、2個の電磁弁15が電気的に接続されている。すなわち、1個のドライバ回路12(1つの昇圧回路)で2個の電磁弁15を駆動することが可能となっている。このため、1個の電磁弁15に1個の昇圧回路を設ける場合に比べて、昇圧回路の数を減らすことができるので、コストを低減でき、また、制御系のサイズを縮小できる。
ただし、1個のドライバ回路12で2個の電磁弁15を同時に駆動すると、昇圧電圧が不足するので同時には駆動できない。したがって、2個の電磁弁15を1個のドライバ回路12でタイミングをずらして別々に駆動する
このため、本実施の形態1のエンジン1の場合、上記のようにフェイルセーフECM2bが電磁弁15を強制的に閉じる時にも全部のバルブ4を1回で閉じることはできず、全部のバルブ4を複数回(ここでは、例えば2回)に分けて強制的に閉じる。
ここで、どの気筒のどのバルブ4を閉じるかについての割り当てを固定した場合、2回目に閉じるバルブ4はフェイル発生から一定時間経過した後になるので、2回目の閉弁パルスが出力されるまでの間に、待たされているバルブ4がピストンと衝突し、エンジン1が破壊される虞がある。
そこで、本実施の形態のエンジン1では、上記のように制御系の異常を検出した時に、フェイルセーフECM2bは、6気筒の各々のピストンの位置(すなわち、クランク角度)を検出し、その検出結果に基づいて、ピストンとバルブ4とが衝突する可能性のある気筒を判別し、その気筒のバルブ4を優先的に閉じる制御を行う。これにより、バルブ4の開閉制御の異常を検出した時に危険度の高い気筒のバルブ4を優先的に閉じることができるので、バルブ4とピストンとの衝突によるエンジン1の破壊を防止することができる。
次に、図4は1個のドライバ回路12に接続される2個の閉弁用電磁弁15bの割り当て例を示し、図5は1個のドライバ回路12に接続される2個の開弁用電磁弁15aの割り当て例を示している。
なお、符号のC1〜C8は、フェイルセーフECM2bの出力端子、In1,In2はドライバ回路12の入力端子、Out1,Out2はドライバ回路12の出力端子、HiVdは昇圧回路の出力端子をそれぞれ示している。
また、電磁弁15におけるCy♯1〜♯6は、気筒の番号を示している。IV♯1,IV♯2は吸気用のバルブ4の番号、EV♯1,EV♯2は排気用のバルブ4の番号を示している。例えばCy♯6,IV♯1は6番目の気筒の1番目の吸気用のバルブ4を意味している。
本実施の形態1のエンジン1では、図4に示すように、1個のドライバ回路12に対して、動作タイミングが一番離れている気筒の各々の閉弁用電磁弁15b,15bが電気的に接続されている。例えば図4の一番上のドライバ回路12には、6番目の気筒の1番目の吸気用のバルブ4を駆動する閉弁用電磁弁15bと、1番目の気筒の1番目の吸気用のバルブ4を駆動する閉弁用電磁弁15bとが電気的に接続されている。なお、図5に示すように、開弁側は、1個のドライバ回路12に対して、同じ気筒の吸気用と排気用のバルブ4,4を開く開弁用電磁弁15a,15aが電気的に接続されている。
このような気筒の組み合わせにする理由は、動作タイミングが最も離れている気筒同士をペアにすることで、なるべく高い回転域までパルスの出力タイミングが重ならないようにするためである。また、閉弁側のみ気筒の組み合わせを変える理由は、閉弁側は確実な閉弁動作のために、パルス幅が開弁パルスに比べて10〜20倍程度長く、パルスの出力タイミングの重なりが発生し易いためである。
次に、図6は、エンジン1の動作タイミングチャートを示している。曲線は各気筒のピストン位置を示している。符号のIVOは吸気用のバルブ4の開弁状態時期、EVOは排気用のバルブ4の開弁状態時期を示している。
破線で示すタイミングでフェイルが発生した場合、先にピストンが上死点に到達する3つの気筒(Cy♯1,2,5)のバルブ4を優先的に閉じ、残りの気筒(Cy♯3,4,6)のバルブ4を後回しとする。また、フェイル発生と同時に、それ以降のバルブ4の開動作を禁止する。
この時、優先度をつけて強制閉弁パルス信号を出力するためには、(1)フェイル発生時点で開いているバルブ4の判別が可能なこと、(2)ピストン位置を知るためにクランク角度を認識可能なことの2点が必要となる。上記の(1)については、バルブ4の開閉制御信号に基づいて判別可能である。また、上記の(2)については、カム/クランク信号の情報から算出する。コストダウン等の観点からカム/クランクセンサ処理回路が無い場合やセンサの故障等によりクランク角度信号が使えない場合でも、各気筒のバルブ4の開閉パルス入力の組み合わせから大まかなクランク角度を演算することで上述の優先度付き強制閉弁パルス信号の出力が可能である。ただし、カム/クランクセンサやロータリーエンコーダ等によりクランク角度を正確に認識した方がより高精度に優先度をつけることができる。
本発明の内燃機関およびその制御方法は、内燃機関において吸排気バルブの開閉制御の異常を検出した時に、複数の気筒の各々のピストンの位置を検出し、その検出結果に基づいて、ピストンと吸排気バルブとが衝突する可能性のある気筒を判別し、その気筒の吸排気バルブを優先的に閉じる制御を行うことにより、異常検出時に危険度の高い気筒のバルブを優先的に閉じることができ、吸排気バルブとピストンとの衝突による内燃機関の破壊を防止することができるので、自動車等の内燃機関およびその制御方法に利用できる。
1 ディーゼルエンジン(内燃機関)
2 電子制御ユニット
2a カムレスECM(第1制御部)
2b フェイルセーフECM(第2制御部)
3 動弁機構部
4 バルブ
4a バルブヘッド
4b バルブステム
12 ドライバ回路(駆動装置)
15 電磁弁(駆動装置)
15a 開弁用電磁弁(駆動装置)
15b 閉弁用電磁弁(駆動装置、閉弁装置)
25 動弁制御システム

Claims (4)

  1. 複数の気筒の各々に、カムを用いることなくクランクシャフトの回転角度に依存しない任意のタイミングでバルブを開閉することが可能な駆動装置を備える内燃機関において、
    前記駆動装置を制御することにより前記バルブの通常の開閉制御を行う第1制御部と、前記第1制御部が前記バルブの開閉制御の異常を検出した時に、前記第1制御部からの信号に基づいて前記駆動装置を制御することにより、前記バルブの全数を複数回に分けて強制的に閉じる制御を行う第2制御部とを備え、
    前記第2制御部は、前記複数の気筒の各々のピストンの位置を検出し、その検出結果に基づいて、前記ピストンと前記バルブとが衝突する可能性のある気筒を判別し、その気筒のバルブを優先的に閉じる制御を行う内燃機関。
  2. 前記駆動装置の各々のドライバ回路は、前記複数の気筒の中で動作タイミングが最も離れた気筒の各々のバルブを閉じる2個の閉弁装置に電気的に接続されている請求項1記載の内燃機関。
  3. 複数の気筒の各々に、カムを用いることなくクランクシャフトの回転角度に依存しない任意のタイミングでバルブを開閉することが可能な駆動装置を備える内燃機関の制御方法において、
    前記バルブの通常の開閉を行う第1制御ステップと、前記バルブの開閉制御の異常を検出した時に、前記バルブの全数を複数回に分けて強制的に閉じる第2制御ステップとを含み、
    前記第2制御ステップにおいては、前記複数の気筒の各々のピストンの位置を検出し、その検出結果に基づいて、前記ピストンと前記バルブとが衝突する可能性のある気筒を判別し、その気筒のバルブを優先的に閉じる制御を行う内燃機関の制御方法。
  4. 前記駆動装置の各々のドライバ回路は、前記複数の気筒の中で動作タイミングが最も離れた気筒の各々のバルブを閉じる2個の閉弁装置を別々に駆動する請求項3記載の内燃機関の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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