JP2011025881A - 救命具 - Google Patents

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Abstract

【課題】救命具の外皮に破損を生じても、当該救命具の浮力を維持することができるようにする。
【解決手段】発泡樹脂の生成に用いる第1の発泡樹脂材料および第2の発泡樹脂材料を発泡樹脂充填装置13の中で混合し、当該混合して成る混合材料を着衣式救命具1の救命胴衣本体11(袋体)の内部に充填する。これにより、当該充填した混合材料の発泡作用によって救命胴衣本体11を膨張させ、救命胴衣本体11の内部に固形化した発泡樹脂を形成することによって、着衣式救命具1の外皮に破損を生じても、浮力の発生源である発泡樹脂が着衣式救命具1の内部で固形物としてとどまるようにして、着衣式救命具1の浮力を維持することができるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は救命具に関し、特に、海難事故や航空事故が発生したときにおける人命の確保を意図した救命具に関するものである。
従来、船舶や航空機等においては、非常時(海難事故や航空事故が発生したとき)に搭乗者が水上へ脱出するため救命具が装備されている。救命具には、例えば、各搭乗者が装着する救命胴衣や複数の搭乗者が搭乗可能な救命ボートなどが存在する。これらの救命具の多くは、未使用時は収納性を向上させるために折り畳み、使用時に救命具の内部に気体(空気や炭酸ガスなど)を送り込み膨張させることによって浮力を得るようにしている。
このように、浮力を得るために救命具の内部に気体を送り込む救命具(救命胴衣)は、例えば、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載の救命胴衣は、身体の鎖骨よりも下方であり、かつ、身体の脇より上方である位置(すなわち、体を動かしても邪魔になりにくい位置)に、気体を送り込む気体充填装置を設けるようにしている。これにより、救命胴衣に気体充填装置が設けられていても、それによってユーザが感じる違和感を効果的に抑えることが可能となる。
特開2006−89016号公報
しかしながら、上述した従来の救命具には、次のような解決すべき問題があった。すなわち、救命具の使用中に当該救命具の外皮に何らかの事情で穴が開くなどの破損が生じた場合には、充填された気体が外部に漏れて救命具の浮力が失われることにより、救命具としての役割を果たすことができなくなってしまう危険性があるという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、救命具の外皮に破損を生じても、当該救命具の浮力を維持することができるようにすることを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明では、発泡樹脂の生成に用いる複数の発泡樹脂材料を混合し、当該混合して成る混合材料を袋体の内部に充填することにより、袋体に充填した混合材料の発泡作用によって袋体を膨張させるようにしている。
上記のように構成した本発明によれば、救命具が備える袋体の内部に充填された混合材料は発泡により固形化して発泡樹脂となるため、救命具(袋体)の外皮に破損を生じても、浮力の発生源である発泡樹脂が救命具の内部で固形物としてとどまることとなる。これによって、救命具の外皮に破損を生じても、当該救命具の浮力を維持することができる。
本実施形態による救命具の構成例を示す図である。 本実施形態による救命具を折り畳んだ状態の例を示す図である。 本実施形態による救命具を使用者が着用した状態の例を示す図である。 本実施形態による発泡樹脂充填装置の内部構成例を示す図である。 本実施形態による発泡樹脂充填装置の蓋体の例を示す図である。 本実施形態による救命具の構成の変形例を示す図である。 本実施形態の変形例に係る発泡樹脂充填装置の内部構成例を示す図である。 本実施形態の変形例に係る発泡樹脂充填装置の内部構成例を示す図である。 本実施形態の変形例に係る発泡樹脂充填装置の内部構成例を示す図である。 本実施形態の変形例に係る発泡樹脂充填装置の内部構成例を示す図である。 本実施形態の変形例に係る発泡樹脂充填装置の内部構成例を示す図である。 本実施形態の変形例に係る発泡樹脂充填装置の側断面図である。 本実施形態による破壊装置の内部構成例を示す図である。 本実施形態による破壊装置を手動で動作させる場合における発泡樹脂充填装置の構成例を示す図である。 本実施形態による救命ボートの平面図である。 本実施形態による救命ボートの側面図である。 本実施形態による救命ボートの側断面図である。
以下、本発明による実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による救命具の構成例を示す図である。図2は、本実施形態による救命具を折り畳んだ状態の例を示す図である。図3は、本実施形態による救命具を使用者が装着した状態の例を示す図である。本実施形態では、救命具として着衣式救命具を例示して説明する。なお、以下の説明においては、各図面に向かって右方向を「右」と称し、左方向を「左」と称し、上方向を「上」と称し、下方向を「下」と称する。
図1において、着衣式救命具1は、救命胴衣本体11、ベルト12a,12bおよび発泡樹脂充填装置13を備えて構成されている。救命胴衣本体11(本発明の袋体に相当)は、馬蹄形状を有しており、充填物を内部に充填することができるようになっている。後述するように、内部に充填するのは発泡樹脂材料であり、これが発泡することによって、救命胴衣本体11は膨張する。救命胴衣本体11は、使用者が救命胴衣本体11を着衣する際に当該使用者の頭を通す開口部14を中央よりやや上方に有している。
ベルト12aは、長方形状を有しており、一端が救命胴衣本体11の下方左側部に装着されている。ベルト12bは、長方形状を有しており、一端が救命胴衣本体11の下方右側部に装着されている。ベルト12aおよびベルト12bを使用者の腰周りに巻きつけて、ベルト12aの他端とベルト12bの他端とを例えば係着することによって、救命胴衣本体11を使用者の腰に固定することができるようになっている。
発泡樹脂充填装置13は、救命胴衣本体11の外部の下端部に着脱可能に設けられている。本実施形態では、救命胴衣本体11の外部の下端部には捩じ込み用のタップ(図示せず)が刻まれており、そのタップに対して発泡樹脂充填装置13の一端の表面に刻まれた捩子山を捩じ込むことで、発泡樹脂充填装置13が救命胴衣本体11の外部の下端部に取り付けられる。発泡樹脂充填装置13は、着衣式救命具1を使用する時に、発泡樹脂の生成に用いる複数の発泡樹脂材料を混合し、当該混合して成る混合材料を救命胴衣本体11の内部に充填するためのものである。
なお、救命胴衣本体11において発泡樹脂充填装置13を設ける位置は図1に示す位置に限らない。例えば、発泡樹脂充填装置13による着衣式救命具のかさばりを防ぐため、救命胴衣本体11の内部の任意位置に発泡樹脂充填装置13を設けるようにしても良い。また、救命胴衣本体11の形状は図1に示す馬蹄形状に限らない。例えば、救命胴衣本体11の形状は、長方形状やチョッキ形状であっても良い。
着衣式救命具1は、不使用時には図2(a)に示す小型容器15に保管することが可能である。具体的には、図2(b)に示すように、使用者は、救命胴衣本体11の外部の下端部から発泡樹脂充填装置13を取り外し、当該取り外した発泡樹脂充填装置13と折り畳んだ状態の救命胴衣本体11とを小型容器15に保管する。これにより、着衣式救命具1を小型容器15の中にコンパクトに収納することができる。なお、着衣式救命具1の使用時、救命胴衣本体11に発泡樹脂充填装置13を取り付けなければならない手間を考慮して、救命胴衣本体11から発泡樹脂充填装置13を取り外さずに、折り畳んだ状態の救命胴衣本体11を小型容器15に保管するようにしても良い。
次に、本実施形態による着衣式救命具1の使用方法を説明する。まず、使用者は、小型容器15から救命胴衣本体11と発泡樹脂充填装置13とを取り出し、着衣式救命具1の開口部14に首を通した後に、ベルト12a,12bを使用者の胴体に巻きつけることによって着衣式救命具1を着衣する。次に、使用者は、救命胴衣本体11の下端部に発泡樹脂充填装置13を取り付ける。最後に、使用者は、発泡樹脂充填装置13を掴んだ状態で、例えば発泡樹脂充填装置13の外側に設けられたボタンスイッチ(図示せず)を押下することによって発泡樹脂充填装置13を作動させる。なお、発泡樹脂充填装置13が救命胴衣本体11の内部に設けられている場合には、救命胴衣本体11の外側に設けられ、発泡樹脂充填装置13と電気的に接続されているボタンスイッチを押下することによって発泡樹脂充填装置13を作動させる。
この場合、複数の発泡樹脂材料を混合して成る混合材料が発泡樹脂充填装置13から救命胴衣本体11の内部に充填される。そして、救命胴衣本体11の内部に充填された混合材料は発泡により固形化して発泡樹脂となる。図3に示す救命胴衣本体11は、発泡樹脂充填装置13により内部に充填された混合材料が発泡し終わった後の状態を示している。
次に、本実施形態による発泡樹脂充填装置13の内部構成について説明する。図4は、本実施形態による発泡樹脂充填装置13の内部構成例を示す図である。図4において、発泡樹脂充填装置13は、格納容器20、第1の発泡樹脂材料格納部22、第2の発泡樹脂材料格納部24、仕切り部材26、圧縮気体貯蔵部28、連通路30、栓部32、弁部34、圧力室36、受圧部38、分配部40,41、加圧部42,43、蓋体44,45、混合室46および充填路48を備えて構成されている。本実施形態では、格納容器20、混合室46および充填路48は、一体的に形成されている。圧縮気体貯蔵部28、連通路30、栓部32、弁部34、圧力室36、受圧部38、分配部40,41および加圧部42,43は、本発明の加圧手段に対応する。
格納容器20は、中空の円柱形状を有している。格納容器20の内部には、第1の発泡樹脂材料格納部22、第2の発泡樹脂材料格納部24、仕切り部材26、圧縮気体貯蔵部28、連通路30、栓部32、弁部34、圧力室36、受圧部38、分配部40,41および加圧部42,43が設けられている。格納容器20の右端の一部は、第1の発泡樹脂材料格納部22および第2の発泡樹脂材料格納部24の右端に設けられた開口部50,51が混合室46に突き出るように開口している。
第1の発泡樹脂材料格納部22は、中空の円柱形状を有している。第1の発泡樹脂材料格納部22は、可撓性を有しており、発泡樹脂の生成に用いる第1の発泡樹脂材料23(本実施形態では、ポリオール)を格納する。第2の発泡樹脂材料格納部24は、中空の円柱形状を有している。第2の発泡樹脂材料格納部24は、可撓性を有しており、発泡樹脂の生成に用いる第2の発泡樹脂材料25(本実施形態では、イソシアネート)を格納する。
仕切り部材26は、長板形状を有している。仕切り部材26は、第1の発泡樹脂材料格納部22と第2の発泡樹脂材料格納部24とを仕切るためのものであり、一端が格納容器20の右端部中央に取り付けられている。圧縮気体貯蔵部28は、球形状を有している。圧縮気体貯蔵部28は、格納容器20の左方に設けられ、例えば空気、窒素、炭酸ガスなどの圧縮気体を貯蔵する。
連通路30は、円筒形状を有しており、圧縮気体貯蔵部28の一部に設けられた開口部29と圧力室36とを連通する。栓部32(バルブ)は、連通路30上の圧縮気体貯蔵部28側に設けられる。ここで、発泡樹脂充填装置13を作動させるためのボタンスイッチが押下された場合、ボタンスイッチの押下状態に連動して作動する栓開閉制御機構(図示せず)は、栓部32を開状態に制御することにより、圧縮気体貯蔵部28に貯蔵されている圧縮気体を圧力室36の方向に流出させる。一方、ボタンスイッチが押下されていない場合、栓開閉制御機構は、栓部32を閉状態に制御することにより、圧縮気体の圧力室36の方向への流出を防止する。
弁部34は、連通路30上の圧力室36側に設けられている。発泡樹脂充填装置13を作動させるためのボタンスイッチが押下された場合、ボタンスイッチの押下状態に連動して作動する弁開閉制御機構(図示せず)は、弁部34の開閉度を調整することによって、圧縮気体貯蔵部28から流出した圧縮気体の圧力室36側への流量を調整する。一方、ボタンスイッチが押下されていない場合、弁開閉制御機構は、弁部34の開閉度を調整しない。
圧力室36は、内壁37と受圧部38との間で形成された空間であり、左端の一部が連通路30に接続されている。栓部32が開状態に制御されている場合、圧力室36には、圧縮気体貯蔵部28に貯蔵されている圧縮気体が連通路30を通って充填される。そして、圧力室36に充填された圧縮気体が膨張しようとする力によって受圧部38に圧力が付与される。
受圧部38は、一面が圧力室36に面し、他面に分配部40,41の一端が取り付けられている。受圧部38は、圧縮気体が膨張しようとする力によって圧力室36側から圧力が付与された場合、右に移動しようとする力によって分配部40,41に圧力を付与する。なお、受圧部38は、圧力室36に充填された圧縮気体を分配部40,41側に逃さないようにするため、上端面と下端面が格納容器20の内壁と密着するように設けられている。分配部40,41は、一端が受圧部38に接続され、他端が加圧部42,43にそれぞれ接続されている。分配部40,41は、受圧部38から圧力が付与された場合、右に移動しようとする力によって加圧部42,43に当該圧力を均等に分配して付与する。
加圧部42は、一端が分配部40に接続され、他端側に第1の発泡樹脂材料格納部22が配置されている。加圧部43は、一端が分配部41に接続され、他端側に第2の発泡樹脂材料格納部24が配置されている。加圧部42,43は、分配部40,41から付与された力によって第1の発泡樹脂材料格納部22と第2の発泡樹脂材料格納部24とを同時に加圧する。具体的には、加圧部42,43は、第1の発泡樹脂材料格納部22と第2の発泡樹脂材料格納部24とにそれぞれ当接しながら、第1の発泡樹脂材料格納部22と第2の発泡樹脂材料格納部24とを右方向に押圧する。
なお、格納容器20において、第1の発泡樹脂材料格納部22および第2の発泡樹脂材料格納部24を省略するようにしても良い。この場合、加圧部42,43の上端部および下端部を格納容器20の内壁および仕切り部材26にそれぞれ密着させる。つまり、格納容器20の内壁、加圧部42,43および仕切り部材26で囲まれた2つの空間がそれぞれ第1の発泡樹脂材料格納部22および第2の発泡樹脂材料格納部24になる。その2つの空間に第1の発泡樹脂材料23および第2の発泡樹脂材料25をそれぞれ入れる。そして、加圧部42,43は、第1の発泡樹脂材料23および第2の発泡樹脂材料25をそれぞれ直接的に押し出す。
蓋体44,45は、第1の発泡樹脂材料格納部22および第2の発泡樹脂材料格納部24にそれぞれ設けられた開口部50,51を塞ぐ。蓋体44,45は、第1の発泡樹脂材料格納部22および第2の発泡樹脂材料格納部24に対して加圧部42,43による加圧が行われた場合、第1の発泡樹脂材料格納部22および第2の発泡樹脂材料格納部24の内圧が上昇することにより開口部50,51を塞がない状態となる。本実施形態では、蓋体44,45は、例えばフィルムやシールであり、加圧部42,43による加圧が行われた場合に、第1の発泡樹脂材料23、第2の発泡樹脂材料25の水圧を受けて破れる。そして、第1の発泡樹脂材料格納部22および第2の発泡樹脂材料格納部24から第1の発泡樹脂材料23および第2の発泡樹脂材料25がそれぞれ混合室46に放出する。
なお、蓋体44,45は、加圧部42,43による加圧が行われた場合に、第1の発泡樹脂材料格納部22および第2の発泡樹脂材料格納部24にそれぞれ設けられた開口部50,51から外れるような構成にしても良い。この場合、図5に示すように、開口部50から外れた蓋体44が第1の発泡樹脂材料23と一緒に混合室46に流れることを防止するために、第1の発泡樹脂材料格納部22と蓋体44とを接続する流れ止め部材54を設けるのが好適である。蓋体45についても同様である。
混合室46は、加圧部42,43による加圧が行われた場合に第1の発泡樹脂材料格納部22および第2の発泡樹脂材料格納部24から放出した第1の発泡樹脂材料23および第2の発泡樹脂材料25を混合するための空間であり、円錐形状を有している。充填路48は、円筒形状を有しており、一端が混合室46に接続されるとともに他端が図示しない救命胴衣本体11の内部に接続される。つまり、充填路48は、第1の発泡樹脂材料23および第2の発泡樹脂材料25が混合室46にて混合して成る混合材料を救命胴衣本体11の内部に充填するための連絡路である。救命胴衣本体11の内部に充填された混合材料は、発泡が進み、発泡樹脂として固形化する。
ここで、救命胴衣本体11の内部に充填された混合材料の一部は、発泡樹脂を形成せずに気体化する場合がある。この場合、気体化した混合材料の一部は、他の発泡樹脂化したもの(固体)よりも軽いため、救命胴衣本体11の上方(発泡樹脂充填装置13から一番遠い位置付近)に残留することとなる。そうなると、救命胴衣本体11の上方では、気体化した混合材料の一部が邪魔になって、固形化した発泡樹脂を充填することができない。そこで、残留する気体を救命胴衣本体11の外側に排出する減圧弁を設けることにより、救命胴衣本体11の上方にも発泡樹脂を充填することができるようにするのが好適である。
図6は、本実施形態による着衣式救命具1′の構成の変形例を示す図である。図6に示すように、救命胴衣本体11の上方先端には、残留する気体を救命胴衣本体11の外側に排出するための減圧弁16が設けられている。なお、減圧弁16の代わりに、残留する気体を救命胴衣本体11から排出するための複数の小さい穴(図示せず)を救命胴衣本体11の上方先端に設けるようにしても良い。
以上詳しく説明したように、本実施形態では、発泡樹脂の生成に用いる第1の発泡樹脂材料23および第2の発泡樹脂材料25を混合し、当該混合して成る混合材料を発泡樹脂充填装置13から救命胴衣本体11(袋体)の内部に充填することにより、当該充填した混合材料の発泡作用によって救命胴衣本体11を膨張させるようにしている。これにより、救命胴衣本体11の内部に充填された混合材料は発泡により固形化して発泡樹脂となるため、着衣式救命具1の外皮に破損を生じても、浮力の発生源である発泡樹脂が着衣式救命具1の内部で固形物としてとどまることとなり、着衣式救命具1の浮力を維持することができる。
なお、本実施形態では、図4に示す構成によって第1の発泡樹脂材料格納部22と第2の発泡樹脂材料格納部24とを同時に加圧する例について説明したが、本発明の加圧手段はこれに限定されない。図7は、本実施形態の変形例に係る発泡樹脂充填装置13′の内部構成例を示す図である。なお、この図7において、図4に示した符号と同一の符号を付したものは同一の構成要素であるので、ここでは重複する説明を省略する。
図7に示すように、発泡樹脂充填装置13′は、格納容器20、第1の発泡樹脂材料格納部22、第2の発泡樹脂材料格納部24、圧縮気体貯蔵部28、連通路30a,30b、栓部32a,32b、弁部34a,34b、圧力室36a,36b、蓋体44,45、混合室46および充填路48を備えて構成されている。なお、圧縮気体貯蔵部28、連通路30a,30b、栓部32a,32b、弁部34a,34bおよび圧力室36a,36bは、本発明の加圧手段に対応する。
格納容器20の内部には、第1の発泡樹脂材料格納部22、第2の発泡樹脂材料格納部24、圧縮気体貯蔵部28、連通路30a,30b、栓部32a,32b、弁部34a,34b、圧力室36a,36bが設けられている。第1の発泡樹脂材料格納部22は、可撓性を有しており、上端部、下端部および左端部が圧力室36aの内壁に密着しないように配置されている。第2の発泡樹脂材料格納部24は、可撓性を有しており、上端部、下端部および左端部が圧力室36bの内壁に密着しないように配置されている。
連通路30a,30bは、円筒形状を有しており、圧縮気体貯蔵部28と圧力室36a,36bとをそれぞれ連通する。栓部32a,32bは、連通路30a,30b上の圧縮気体貯蔵部28側に設けられる。ここで、発泡樹脂充填装置13′を作動させるためのボタンスイッチが押下された場合、ボタンスイッチの押下状態に連動して作動する栓開閉制御機構(図示せず)は、栓部32a,32bを同期させて開状態に制御することにより、圧縮気体貯蔵部28に貯蔵されている圧縮気体を圧力室36a,36bの方向に流出させる。一方、ボタンスイッチが押下されていない場合、栓開閉制御機構は、栓部32a,32bを同期させて閉状態に制御することにより、圧縮気体の圧力室36a,36bの方向への流出を防止する。
弁部34a,34bは、連通路30a,30b上の圧力室36a,36b側に設けられている。発泡樹脂充填装置13を作動させるためのボタンスイッチが押下された場合、ボタンスイッチの押下状態に連動して作動する弁開閉制御機構(図示せず)は、弁部34a,34bの開閉度を同時に調整することによって、圧縮気体貯蔵部28から流出した圧縮気体の圧力室36a,36b側への流量を調整する。一方、ボタンスイッチが押下されていない場合、弁開閉制御機構は、弁部34a,34bの開閉度を調整しない。
圧力室36a,36bは、格納容器20の内壁に密着しながら上下方向に並んで配置されている。具体的には、圧力室36aの右端部および上端部が格納容器20の内壁に密着し、圧力室36bの右端部および下端部が格納容器20の内壁に密着している。そして、圧力室36aの下端部と圧力室36bの上端部が密着している。圧力室36a,36bは、第1の発泡樹脂材料格納部22および第2の発泡樹脂材料格納部24の右端に設けられた開口部50,51が混合室46に突き出るように開口している。
圧力室36aは、左端部の一部が連通路30aに接続されている。栓部32aが開状態に制御されている場合、圧力室36aには、圧縮気体貯蔵部28に貯蔵されている圧縮気体が連通路30aを通って充填される。そして、圧力室36aに充填された圧縮気体が膨張しようとする力によって第1の発泡樹脂材料格納部22に外側から圧力が付与される(加圧される)。すると、蓋体44は、第1の発泡樹脂材料23の水圧を受けて破れ、第1の発泡樹脂材料格納部22から第1の発泡樹脂材料23が混合室46に放出する。
圧力室36bは、左端部の一部が連通路30bに接続されている。栓部32bが開状態に制御されている場合、圧力室36bには、圧縮気体貯蔵部28に貯蔵されている圧縮気体が連通路30bを通って充填される。そして、圧力室36bに充填された圧縮気体が膨張しようとする力によって第2の発泡樹脂材料格納部24に外側から圧力が付与される(加圧される)。すると、蓋体45は、第2の発泡樹脂材料25の水圧を受けて破れ、第2の発泡樹脂材料格納部24から第2の発泡樹脂材料25が混合室46に放出する。その他の構成は図4と同様である。
なお、図7に示すように構成した場合、混合室46において第1の発泡樹脂材料23および第2の発泡樹脂材料25を均等に混合するために、第1の発泡樹脂材料格納部22および第2の発泡樹脂材料格納部24に対して均等に加圧を行うのが好ましい。そのため、圧縮気体の圧力室36a,36b側への流量が均等となるように弁部34a,34bの開閉度を調整することが好ましい。
また、図7に示す構成に代えて、図8に示すように、2つの連通路30a,30bを1つの連通路60に変更し、2つの栓部32a,32bを1つの栓部32に変更する構成にしても良い。この場合、圧縮気体貯蔵部28に連通路60の一方を接続し、連通路60の他方を二股に分けて圧力室36a,36bにそれぞれ接続する。栓部32は、連通路60の圧縮気体貯蔵部28側に設けられ、開状態のときに圧縮気体貯蔵部28に貯蔵されている圧縮気体を圧力室36a,36bの方向に流出させ、閉状態のときに圧縮気体の圧力室36a,36bの方向への流出を防止する。弁部34a,34bは、連通路60の圧力室36a,36b側にそれぞれ設けられる。このように構成した場合も、混合室46において第1の発泡樹脂材料23および第2の発泡樹脂材料25を均等に混合するために、第1の発泡樹脂材料格納部22および第2の発泡樹脂材料格納部24に対して均等に加圧を行うのが好ましい。そのため、圧縮気体の圧力室36a,36b側への流量が均等となるように弁部34a,34bの開閉度を調整することが好ましい。
また、図7に示す構成に代えて、図9に示すように、1つの圧縮気体貯蔵部28を2つの圧縮気体貯蔵部28a,28bに変更する構成にしても良い。この場合、連通路30aは、圧縮気体貯蔵部28aと圧力室36aとを連通する。また、連通路30bは、圧縮気体貯蔵部28bと圧力室36bとを連通する。このように構成した場合も、混合室46において第1の発泡樹脂材料23および第2の発泡樹脂材料25を均等に混合するために、第1の発泡樹脂材料格納部22および第2の発泡樹脂材料格納部24に対して均等に加圧を行うのが好ましい。そのため、圧縮気体の圧力室36a,36b側への流量が均等となるように弁部34a,34bの開閉度を調整することが好ましい。さらに、栓部32a,32bが同期して開状態および閉状態の切り替えを制御するのが好適である。
次に、加圧手段の他の変形例について説明する。図10は、本実施形態の他の変形例に係る発泡樹脂充填装置13′′の内部構成例を示す図である。なお、この図10において、図4に示した符号と同一の符号を付したものは同一の構成要素であるので、ここでは重複する説明を省略する。
図10に示すように、発泡樹脂充填装置13′′は、格納容器20、第1の発泡樹脂材料格納部22、第2の発泡樹脂材料格納部24、仕切り部材26、棒状部材98、スプリング100、ストッパ102、受圧部38、分配部40,41、加圧部42,43、蓋体44,45、混合室46および充填路48を備えて構成されている。なお、棒状部材98、スプリング100、ストッパ102、受圧部38、分配部40,41、加圧部42,43は、本発明の加圧手段に対応する。そのうち、受圧部38、分配部40,41および加圧部42,43は本発明の伝達部に対応する。また、棒状部材98およびストッパ102は、本発明の保持部に対応する。
格納容器20の内部には、第1の発泡樹脂材料格納部22、第2の発泡樹脂材料格納部24、仕切り部材26、棒状部材98、スプリング100、受圧部38、分配部40,41および加圧部42,43が設けられている。棒状部材98は、一端が受圧部38に接続されており、他端が格納容器20の左端の一部に設けられた開口部50,51から突き出ている。棒状部材98の左方には、ストッパ102を下方向に差し込むための貫通穴118が形成されている。
スプリング100は、格納容器20の内部で棒状部材98に取り付けられており、格納容器20の左端部と受圧部38との間で圧縮されている。つまり、スプリング100の一端が格納容器20の左端部に当接し、他端が受圧部38に当接した状態でスプリング100が圧縮されている。格納容器20は固定であるが、受圧部38は左右方向に移動可能である。すなわち、ストッパ102が棒状部材98の貫通穴118に差し込まれていないと、スプリング100が受圧部38を押し、受圧部38は棒状部材98と共に右側に移動する。
ストッパ102は、棒状部材98に形成された貫通穴118に差し込まれることによって、スプリング100の回復力によって棒状部材98と共に受圧部38が右方向に移動することを防止し、スプリング100の圧縮状態を保持することができるようになっている。ストッパ102によるスプリング100の圧縮状態の保持を解除する場合には、使用者が、棒状部材98に形成された貫通穴118からストッパ102を手で上方向に引き抜くことによって解除することができる。ストッパ102によるスプリング100の圧縮状態の保持が解除されると、スプリング100が圧縮状態から伸長状態に遷移することによって発生する右方向の力が受圧部38に付与される。これにより、受圧部38は棒状部材98と共に右側に移動する。
次に、加圧手段の他の変形例について説明する。図11は、本実施形態の変形例に係る発泡樹脂充填装置13′′′の内部構成を示す図である。図12は、発泡樹脂充填装置13′′′の側断面図(図11のA−A断面図)である。図11に示すように、発泡樹脂充填装置13′′′は、格納容器120,122、第1の発泡樹脂材料格納部22、第2の発泡樹脂材料格納部24、第1の化学薬品124,126(本実施形態では、粉末状の重曹)、第2の化学薬品128,130(本実施形態では、酢酸)、第2の化学薬品格納部132,134、破壊装置136,138、蓋体44,45、混合室46および充填路48を備えて構成されている。第1の化学薬品124,126、第2の化学薬品128,130、第2の化学薬品格納部132,134および破壊装置136,138は本発明の加圧手段、気体発生手段に対応する。
格納容器120は、中空の扁平な略四角柱形状を有している。格納容器120は、可撓性を有している。格納容器120の内部には、第1の発泡樹脂材料格納部22、第2の化学薬品格納部132および破壊装置136が設けられている。格納容器120の中(具体的には、第1の発泡樹脂材料格納部22、第2の化学薬品格納部の外の空間)に第1の化学薬品124が格納され、第2の化学薬品格納部132の中に第2の化学薬品128が格納されている。格納容器120の右端の一部は、第1の発泡樹脂材料格納部22の右端に設けられた開口部50が混合室46に突き出るように開口している。
格納容器122は、中空の扁平な略四角柱形状形状を有している。格納容器122は、可撓性を有している。格納容器122の内部には、第2の発泡樹脂材料格納部24、第2の化学薬品格納部134および破壊装置138が設けられている。格納容器120の中(具体的には、第2の発泡樹脂材料格納部24、第2の化学薬品格納部134の外の空間)に第1の化学薬品126が格納され、第2の化学薬品格納部134の中に第2の化学薬品130が格納されている。格納容器122の右端の一部は、第2の発泡樹脂材料格納部24の右端に設けられた開口部51が混合室46に突き出るように開口している。
第2の化学薬品格納部132は、中空の楕円球形状を有している。第2の化学薬品格納部132は、可撓性を有している。第2の化学薬品格納部132は、第1の化学薬品124と化学反応させるための第2の化学薬品128を格納する。第2の化学薬品格納部134は、中空の楕円球形状を有している。第2の化学薬品格納部134は、可撓性を有している。第2の化学薬品格納部134は、第1の化学薬品126と化学反応させるための第2の化学薬品130を格納する。破壊装置136は、第2の化学薬品格納部132の左側壁に取り付けられ、第2の化学薬品格納部132の外壁を破壊する機能を有している。破壊装置138は、第2の化学薬品格納部134の左側壁に取り付けられ、第2の化学薬品格納部134の外壁を破壊する機能を有している。
次に、破壊装置136,138の内部構成について説明する。図13は、破壊装置136,138の内部構成例を示す図である。そのうち、図13(a)、(b)は、破壊装置136,138をソレノイドで自動的に作動させる場合の内部構成例を示している。図13(c)、(d)は、破壊装置136,138を手動で作動させる場合の内部構成例を示している。
まず、破壊装置136,138をソレノイドで自動的に作動させる場合の内部構成について説明する。図13(a)に示すように、破壊装置136,138は、可撓性を有する格納容器150、刃152およびソレノイド154を備えて構成されている。格納容器150の右側面には、開口部156が設けられている。刃152は、支点部158で回転可能に支持されており、第2の化学薬品128,130を格納した第2の化学薬品格納部132,134の左側壁を破壊するために使用される。
ソレノイド154は、例えば発泡樹脂充填装置13′′′の外側に設けられたボタンスイッチ(図示せず)の押下に応じて作動するものであり、一端が刃152の作用点部160に接続されたプランジャ(鉄芯)162を備えている。プランジャ162は、発泡樹脂充填装置13′′′の外側に設けられたボタンスイッチが押下されると、ソレノイド154のコイル(図示せず)に電気が流れることによって生じる磁界作用によって、図13(b)に示すようにソレノイド154の内部に(矢印方向に)引き込まれる。また、プランジャ162は、発泡樹脂充填装置13の外側に設けられたボタンスイッチの押下状態が解除されると、ソレノイド154のコイルに電気が流れなくなることによって、図13(a)に示すように、ソレノイド154の内部から(下方向に)飛び出た状態になる。
図13(b)は、ソレノイド154のコイルに電気が流れることによって生じた磁界作用によって、ソレノイド154の内部に(矢印方向に)プランジャ162が引き込まれた状態を示している。図13(b)に示すように、プランジャ162が上方向に移動することによって、刃152の作用点部160が上方向に引かれ、刃152が支点部158を中心に右回転する。それによって、格納容器150の開口部156から飛び出した刃152の先端部163が第2の化学薬品格納部132,134の左側壁を切り裂き(破壊し)、第2の化学薬品格納部132,134の左側壁が開口する。
次に、破壊装置136,138を手動で作動させる場合の内部構成について説明する。図13(c)に示すように、破壊装置136,138は、格納容器150、刃152およびワイヤ164を備えて構成されている。格納容器150の右側面には、開口部156が設けられている。刃152は、支点部158で回転可能に支持されており、第2の化学薬品128,130を格納した第2の化学薬品格納部132,134の左側壁を破壊するために使用される。ワイヤ164の一端は刃152の作用点部166に接続される。また、ワイヤ164の他端は、例えば使用者が発泡樹脂充填装置13′′′を掴んだ状態で矢印方向に力を加えて引くことが出来るように、発泡樹脂充填装置13′′′の外側まで伸びている。
図13(c)は、使用者によってワイヤ164の他端が引かれていない状態を示している。それに対して、図13(d)は、使用者によってワイヤ164の他端が引かれた状態を示している。図13(d)に示すように、使用者によってワイヤ164の他端が引かれることによって、刃152の作用点部166が左方向に引かれ、刃152が支点部158を中心に右回転する。それによって、格納容器150の開口部156から飛び出した刃152の先端部163が第2の化学薬品格納部132,134の左側壁を切り裂き(破壊し)、第2の化学薬品格納部132,134の左側壁が開口する。
図14は、本実施形態による破壊装置136,138を手動で動作させる場合における発泡樹脂充填装置13′′′の構成例を示す図である。図14(a)に示すように、発泡樹脂充填装置13′′′の格納容器120の外側に突起物168が設けられている。突起物168は、ワイヤ164の他端に接続されている。図14(b)は、使用者によって突起物168が引かれた状態を示している。使用者によって突起物168が引かれることによって、ワイヤ164が左上方向に引かれる。その結果、刃152の作用点部166が左方向に引かれ、刃152が支点部158を中心に右回転する。
図11において、第2の化学薬品格納部132の左側壁が破壊装置136の動作によって切り裂かれると、第1の化学薬品124と第2の化学薬品格納部132の開口した部分から流出した第2の化学薬品128とが化学反応して炭酸ガスが発生する。それによって、格納容器120の内圧が高まり、第1の発泡樹脂材料格納部22は加圧されることとなる。また、第2の化学薬品格納部134の左側壁が破壊装置138の動作によって切り裂かれると、第1の化学薬品126と第2の化学薬品格納部134の開口した部分から流出した第2の化学薬品130とが化学反応して炭酸ガスが発生する。それによって、格納容器122の内圧が高まり、第1の発泡樹脂材料格納部22は加圧されることとなる。
このように構成した場合も、混合室142において第1の発泡樹脂材料23および第2の発泡樹脂材料25を均等に混合するために、第1の発泡樹脂材料格納部22および第2の発泡樹脂材料格納部24に対して同時に加圧を行うのが好ましい。そのため、破壊装置136,138の作動を同期させて、格納容器120および格納容器122の中で、第1の化学薬品128,130と第2の化学薬品格納部132,134から流出した第2の化学薬品128,130とが化学反応して炭酸ガスが同じタイミングで発生するように制御するのが好適である。
例えば、破壊装置136,138をソレノイドで自動的に作動させる場合、発泡樹脂充填装置13′′′の外側に設けられた1つのボタンスイッチの押下に応じて破壊装置136,138のソレノイド154を同時に作動させるようにする。また、破壊装置136,138を手動で作動させる場合、発泡樹脂充填装置13′′′の外側に設けられた1つの突起物168に破壊装置136,138のワイヤ164の一端を接続する。この場合、突起物168が引かれることによって、破壊装置136,138のワイヤ164が同時に引かれることとなる。
なお、本実施形態において、第1の化学薬品124,126および第2の化学薬品128,130として使用した重曹および酢酸は、危険性のある薬品ではなく、それらの化学変化によって生成される酢酸ナトリウム、炭酸ガスおよび水も人体に無害であり安全性も高い。
図11に示す加圧手段は、図7〜10に示す他の加圧手段と比べて、受圧部38、分配部40,41、加圧部42,43、棒状部材98、スプリング100、ストッパ102などといった設置スペースを多く必要とするものが不要となるため、格納容器120,122の形状に自由度を持たせることができる。そのため、図12に示すように、発泡樹脂充填装置13′′′の格納容器120,122を例えば扁平形状にして小さくすることができ、発泡樹脂充填装置13′′′をコンパクトにすることができる。
また、本実施形態では、救命具として着衣式救命具1を例示して説明したが、当該救命具の他の例として、複数の搭乗者が搭乗可能な救命ボート(舟形救命具)であっても良い。図15は、救命ボート170の平面図である。図16は、救命ボート170の側面図である。図17は、救命ボート170の側断面図(図15のB−B断面図)である。
図15に示すように、救命ボート170は、舟側部172、舟底部174、発泡樹脂充填装置176および分配室178を備えて構成されている。舟側部172は、図16,17に示すように、ケーシングがループした円管形状である3つの袋体を積み重ねることによって構成されている。舟底部174は、救命ボート170の底部である。
発泡樹脂充填装置176は、救命ボート170の使用時に、発泡樹脂の生成に用いる複数の発泡樹脂材料を混合し、当該混合して成る混合材料を分配室178を介して舟側部172の内部に充填するためのものである。発泡樹脂充填装置176は、分配室178の外部に設けられている。発泡樹脂充填装置176により分配室178に充填された混合材料は、舟側部172の3つの袋体にそれぞれ分配して送出される。なお、発泡樹脂充填装置176は、舟側部172を構成する3つの袋体に対して1つ設けるのではなく、当該3つの袋体のそれぞれに対応させて設けても良い。また、発泡樹脂充填装置176は、分配室178の外部に設けるのではなく、分配室178の内部の任意位置に設けるようにしても良い。
また、第1の発泡樹脂材料23および第2の発泡樹脂材料25を混合室46にて混合する際に、混合室46の室温を上げることにより、当該混合して成る混合材料が救命胴衣本体11の中で固形化して発泡樹脂となるまでの時間を短縮するようにしても良い。例えば、生石灰に水を加えて熱を発生させる熱発生装置を混合室46に設ける。そして、第1の発泡樹脂材料格納部22および第2の発泡樹脂材料格納部24に加圧が行われた場合に連動して、熱発生装置は、熱を発生させて混合室46の室温を上げる。
また、本実施形態では、図4、7、8、9において、圧縮気体貯蔵部28,28a,28bに圧縮気体を貯蔵しておく例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、圧縮気体貯蔵部28,28a,28b内に設けた2つの貯蔵室に第1の化学薬品(例えば、重曹)と第2の化学薬品(例えば、酢酸)とをそれぞれ分離貯蔵しておき、当該2つの貯蔵室から第1の化学薬品と第2の化学薬品とをそれぞれ同時に流出させて圧縮気体貯蔵部28,28a,28bの中で化学反応させることによって炭酸ガス(圧縮気体)を発生させるようにしても良い。この場合、発生した炭酸ガスが連通路30,30a,30bを通って圧力室36a,36bに充填されることによって、格納容器120,122の内圧が高まり、第1の発泡樹脂材料格納部22および第2の発泡樹脂材料格納部24は加圧されることとなる。なお、このように構成した場合、栓部32a,32bを連通路30a,30b上に設けることは必ずしも必須ではない。
その他、本実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1,1′ 着衣式救命具
11 救命胴衣本体
13,13′,13′′,13′′′,176 発泡樹脂充填装置
22 第1の発泡樹脂材料格納部
23 第1の発泡樹脂材料
24 第2の発泡樹脂材料格納部
25 第2の発泡樹脂材料
28,28a,28b 圧縮気体貯蔵部
30,30a,30b,60 連通路
32,32a,32b 栓部
34,34a,34b 弁部
36,36a,36b 圧力室
38 受圧部
40,41 分配部
42,43 加圧部
44,45 蓋体
46 混合室
48 充填路
50,51 開口部
98 棒状部材
100 スプリング
102 ストッパ
124,126 第1の化学薬品
128,130 第2の化学薬品
132,134 第2の化学薬品格納部
136,138 破壊装置
170 救命ボート

Claims (5)

  1. 内部に充填される充填物の発泡作用によって膨張する袋体と、
    発泡樹脂の生成に用いる複数の発泡樹脂材料を混合し、当該混合して成る混合材料を前記充填物として前記袋体の内部に充填する発泡樹脂充填装置とを備えたことを特徴とする救命具。
  2. 請求項1に記載の救命具において、
    前記発泡樹脂充填装置は、
    前記発泡樹脂の生成に用いる第1の発泡樹脂材料を格納する第1の発泡樹脂材料格納部と、
    前記発泡樹脂の生成に用いる第2の発泡樹脂材料を格納する第2の発泡樹脂材料格納部と、
    前記第1の発泡樹脂材料格納部と第2の発泡樹脂材料格納部とを同時に加圧する加圧手段と、
    前記第1の発泡樹脂材料格納部および前記第2の発泡樹脂材料格納部にそれぞれ設けられた開口部を塞ぐための蓋体であって、前記加圧手段による加圧が行われた場合、前記第1の発泡樹脂材料格納部および前記第2の発泡樹脂材料格納部の内圧が上昇することにより前記開口部を塞がない状態となる蓋体と、
    前記開口部が開口することによって前記第1の発泡樹脂材料格納部および前記第2の発泡樹脂材料格納部から放出された前記第1の発泡樹脂材料および前記第2の発泡樹脂材料を混合するための混合室と、
    前記第1の発泡樹脂材料および前記第2の発泡樹脂材料が前記混合室にて混合して成る前記混合材料を前記袋体の内部に充填するための充填路とを備えていることを特徴とする救命具。
  3. 請求項2に記載の救命具において、
    前記加圧手段は、圧縮気体を貯蔵する圧縮気体貯蔵部を備え、前記圧縮気体貯蔵部から前記圧縮気体を前記発泡樹脂充填装置の内部に送出し前記発泡樹脂充填装置の内圧を上昇させることによって、前記発泡樹脂充填装置の内部にそれぞれ設けられた前記第1の発泡樹脂材料格納部と前記第2の発泡樹脂材料格納部とを同時に加圧することを特徴とする救命具。
  4. 請求項2に記載の救命具において、
    前記加圧手段は、スプリングと、
    前記スプリングと前記第1の発泡樹脂材料格納部および前記第2の発泡樹脂材料格納部との間に設けられ、前記スプリングが圧縮状態から伸長状態に遷移することによって発生する力を前記第1の発泡樹脂材料格納部および前記第2の発泡樹脂材料格納部に伝達する伝達部と、
    前記スプリングの圧縮状態を保持する保持部とを備え、
    前記加圧手段は、前記保持部による前記スプリングの圧縮状態の保持を解除し前記スプリングを伸長させることによって、前記第1の発泡樹脂材料格納部と前記第2の発泡樹脂材料格納部とを同時に加圧することを特徴とする救命具。
  5. 請求項2に記載の救命具において、
    前記加圧手段は、第1の化学薬品と第2の化学薬品とを化学反応させることによって前記発泡樹脂充填装置の内部に気体を発生させる気体発生手段を備え、
    前記加圧手段は、前記気体発生手段による気体発生動作を制御し前記発泡樹脂充填装置の内部に気体を発生させることによって、前記発泡樹脂充填装置の内圧を上昇させて、前記発泡樹脂充填装置の内部にそれぞれ設けられた前記第1の発泡樹脂材料格納部と前記第2の発泡樹脂材料格納部とを同時に加圧することを特徴とする救命具。
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