JP2011025267A - 鍛造プレス - Google Patents

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Abstract

【課題】鍛造プレス内でワークを鍛造方向と交差する方向に切断できるようにすることである。
【解決手段】トランスファプレスの上下の金型4a、4bが配置されるラム1とベッド2の間に、金型4a、4bで鍛造されるワークWを、ラム1の上下方向への作動運動をエネルギ源として、上型12の押し部12aで下型13に組み込まれたスライドバー14を押し込み、楔機構で係合する切断スライダ15を水平方向に作動させて、ワークWを上下方向の鍛造方向と交差する水平方向に切断する切断装置11を設け、トランスファ装置の一対のビーム5でワークWを切断装置11に移送することにより、鍛造プレス内でワークWを鍛造方向と交差する方向に切断できるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、上下の金型でワークを鍛造する鍛造プレスに関する。
鍛造プレスは、上方のラムに上金型を、下方のベッドに下金型を対向させて配置し、ラムの上下方向への作動によってワークを上下方向に鍛造するものが多い。鍛造されたワークが残る下金型には、ワークを離型させるように下から突き上げるノックアウトピンが組み込まれることもある。ラムとベッドの間に複数組の上下の金型を配列し、ワークをこれらの配列された金型に順次移送するようにしたトランスファプレスもある。
これらの鍛造プレスには、ラムとベッドの間に成形用の金型のほかに、打ち抜き用の金型を配置し、成形されたワークの横方向に張り出す余肉としての外バリや内バリを、鍛造方向と平行な上下方向に切断するようにしたものもある(例えば、特許文献1参照)。
特公昭62−27895号公報
上述した鍛造プレスで鍛造されるワークには、芯出しやデリバリ等をし易くするために、成形されたワークの上下方向に突出する余肉部を付与することがある。例えば、図10に示すように、脚部の上側で張り出す頭部を有するワークWは、デリバリ用の把持部で把持するために、ノックアウトピン6で下金型4bから離型されたときに、脚部全体が下金型4bの成形孔7から抜け出し、図中に一点鎖線で示すように、転倒する恐れがある。このようなワークWの場合は、図3に示すように、脚部の一部を下金型4bの成形孔7に残して転倒を防止するために、脚部の下側に余肉部Sを延長することが考えられる。
上述したようなワークの上下方向に突出する余肉部は、従来、ワークを鍛造プレスから取り出したのち切断除去する必要がある。このような余肉部の切断除去には別の切断工程を必要とし、熱間鍛造の場合は、ワークの温度が低下して切断抵抗も大きくなるので、鍛造プレス内で切断することが望まれている。また、このように鍛造プレス内でワークを鍛造方向と交差する横方向に切断できれば、1つのワークから複数の製品を上下方向に分割して採取することもできる。
なお、鍛造プレス内でワークを横方向に切断する手段としては、ワークを横向きに寝かせて、鍛造方向と平行な上下方向に切断することが考えられるが、ワークを横向きに寝かせるハンドリング手段が必要となり、装置が複雑になる問題がある。
そこで、本発明の課題は、鍛造プレス内でワークを鍛造方向と交差する方向に切断できるようにすることである。
上記の課題を解決するために、本発明は、上方のラムに上金型を、下方のベッドに下金型を対向させて配置し、前記ラムまたは前記ベッドの上下方向への作動によってワークを上下方向に鍛造する鍛造プレスにおいて、前記上下の金型が配置されるラムとベッドの間に、前記金型で鍛造されるワークを、前記ラムまたはベッドの上下方向への作動運動をエネルギ源として、前記上下方向の鍛造方向と交差する方向に切断する切断装置を設け、ワークをこの切断装置に移送する移送手段を設けた構成を採用した。
すなわち、上下の金型が配置されるラムとベッドの間に、金型で鍛造されるワークを、ラムまたはベッドの上下方向への作動運動をエネルギ源として、上下方向の鍛造方向と交差する方向に切断する切断装置を設け、ワークをこの切断装置に移送する移送手段を設けることにより、別途のエネルギ源やワークを寝かせるハンドリング手段を設けることなく、鍛造プレス内でワークを鍛造方向と交差する方向に切断できるようにした。
前記ラムまたはベッドの上下方向への作動運動をエネルギ源とする切断装置は、前記ラムまたはベッドの上下方向への作動運動を、前記ワークを切断する切断刃の前記鍛造方向と交差する方向への運動に変換する運動変換手段を備えたものとすることができる。
前記運動変換手段は、等角度で傾斜させた楔面同士をスライド可能に係合させた楔機構で運動の方向を変換するものとすることができる。
前記鍛造プレスは、前記ラムとベッドの間に複数組の金型を配列し、ワークをこれらの配列された金型に順次移送するトランスファプレスとすることができる。
前記ワークを切断装置に移送する移送手段を、前記ワークを前後方向からクランプする複数組のフィンガを設けた一対のビームに、前記金型の配列方向への進退動作、前後方向への開閉動作、および上下方向への昇降動作をさせて、ワークを前記配列された金型に順次移送するトランスファ装置で行うことにより、別途の移送手段を不要とすることができる。
前記切断装置は、前記配列された複数組の金型の最後の金型の直後に配置することができる。
前記ワークが脚部の上側で張り出す頭部を有し、脚部の下側に余肉部を延長したものである場合は、前記切断装置でこの余肉部を切断することができる。
本発明に係る鍛造プレスは、上下の金型が配置されるラムとベッドの間に、金型で鍛造されるワークを、ラムまたはベッドの上下方向への作動運動をエネルギ源として、上下方向の鍛造方向と交差する方向に切断する切断装置を設け、ワークをこの切断装置に移送する移送手段を設けたので、鍛造プレス内でワークを鍛造方向と交差する方向に切断することができる。
第1の実施形態の鍛造プレスを示す正面断面図 図1の上金型側を除く平面図 図1の3番目の金型で鍛造されるワークを示す正面断面図 (a)は図1の切断装置を示す正面断面図、(b)は(a)の切断スライダの作動を説明する正面断面図 (a)は第2の実施形態の切断装置を示す正面断面図、(b)は(a)の切断スライダの作動を説明する正面断面図 (a)は第3の実施形態の切断装置を示す正面断面図、(b)は(a)の切断スライダの作動を説明する正面断面図 (a)は第4の実施形態の切断装置を示す正面断面図、(b)は(a)の切断スライダの作動を説明する正面断面図 (a)は第5の実施形態の切断装置を示す正面断面図、(b)は(a)の切断スライダの作動を説明する正面断面図 (a)は第6の実施形態の切断装置を示す正面断面図、(b)は(a)の切断スライダの作動を説明する正面断面図 図3の金型で鍛造される従来のワークの転倒の恐れを説明する正面断面図
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1乃至図4は、第1の実施形態を示す。この鍛造プレスは、図1および図2に示すように、上下方向に作動される上方のラム1と、下方の固定されたベッド2に、それぞれダイホルダ3a、3bを介して、3組の上下の金型4a、4bを対向させて、左右方向へ配列するように取り付けたトランスファプレスであり、配列された金型4a、4bの前後に、ワークWを前後方向からクランプするフィンガ5aを設けた一対の平行なビーム5を左右方向に延びるように配置したトランスファ装置が設けられている。右端に配列された最後の3番目の金型4a、4bの直後には、鍛造終了後のワークWを、上下方向の鍛造方向と直角に交差する水平方向に切断する切断装置11が配置されている。また、2番目と3番目の下金型4bには、鍛造されたワークWを下方から突き上げて離型するノックアウトピン6が組み込まれている。
前記トランスファ装置は、3次元駆動装置(図示省略)によって、一対のビーム5に、金型4a、4bが配列された左右方向への進退動作、前後方向への開閉動作、および上下方向への昇降動作をさせ、左方から供給される円柱状のワークWを、順次右方の金型4a、4bへ移送し、最後に右端の金型4a、4bで鍛造されたワークWを、その右側の切断装置11へ移送する。
図3に示すように、前記3番目の金型4a、4bで鍛造された鍛造終了後のワークWは、脚部の上側に扁平な頭部が張り出す形状に成形され、脚部の下側に余肉部Sが延長されている。この余肉部Sがない場合は、図10に示したように、ワークWがノックアウトピン6で突き上げられて下金型4bから離型されたときに、脚部全体が下金型4bの成形孔7から抜け出し、転倒する恐れがある。図3に示したように余肉部Sを設けた場合は、ノックアウトピン6で突き上げられたときに、余肉部Sが成形孔7の中に残るので、トランスファ装置の一対のビーム5のフィンガ5aでクランプするときに、ワークWが転倒する恐れはない。
図1および図4(a)に示すように、前記切断装置11は、ダイホルダ3aを介してラム1に取り付けられた上型12と、ダイホルダ3bを介してベッド2に取り付けられた下型13とから成り、上型12に下向きの押し部12aが設けられ、下型13に、トランスファ装置で移送されたワークWの脚部を挿入する縦孔13aと、ワークWの頭部を浮かせて保持する凸部13bが設けられ、下型13には、上下方向にスライド可能なスライドバー14と、縦孔13aと直交する水平方向にスライド可能な切断スライダ15とが組み込まれている。上型12の押し部12aは、水平面内でスライドバー14と合致する位置に設けられ、後述するように、ラム1が下降したときにスライドバー14を下方へ押し込む。
前記スライドバー14と切断スライダ15は、等角度で傾斜する楔面14a、15aで係合し、スライドバー14はコイルばね16aで上方へ付勢されて、ストッパ17で上昇位置を位置決めされ、切断スライダ15はコイルばね16bでスライドバー14側の右方へ付勢され、その楔面15aがスライドバー14の左向きの楔面14aに押し付けられている。切断スライダ15には、上昇位置のスライドバー14に押し付けられたときに、縦孔13aと合致し、ワークWの脚部の下側の余肉部Sが嵌まり込む切断孔15bが設けられている。
図4(b)に示すように、ラム1が下降して、上型12の押し部12aでスライドバー14が下方へ押し込まれると、楔面14a、15aの係合によって切断スライダ15が左方へ作動され、縦孔13aの下端縁と切断孔15bの上端縁に設けられた切断刃によって、ワークWの余肉部Sが水平方向に切断される。切断された余肉部Sは下方へ落下して回収され、余肉部Sを除去されたワークWは、凸部13bで浮かされた頭部の下側をフィンガ5aでクランプされて、トランスファ装置で搬出される。
図5(a)、(b)は、第2の実施形態を示す。この鍛造プレスは、前記切断装置11の部分のみが第1の実施形態のものと異なる。この切断装置11は、前記スライドバー14の楔面14aが、縦孔13aと反対側の右向きに形成され、前記切断スライダ15に右端で上向きの屈曲部15cが設けられて、この屈曲部15cの上端に形成された楔面15aがスライドバー14の楔面14aと係合している。また、切断スライダ15は、コイルばね16bで左方へ付勢され、スライドバー14は、コイルばね16bで付勢された切断スライダ15との楔面14a、15aでの係合によって上方へ付勢されている。その他の部分は、第1の実施形態のものと同じであり、スライドバー14はストッパ17で上昇位置を位置決めされ、図5(b)に示すように、押し部12aで下方へ押し込まれると、切断スライダ15が右方へ作動されて、縦孔13aと切断孔15bに設けられた切断刃によって、ワークWの余肉部Sが水平方向に切断される。
図6(a)、(b)は、第3の実施形態を示す。この鍛造プレスも、切断装置11の部分のみが第1の実施形態のものと異なる。この切断装置11は、スライドバー14と、コイルばね16bで右方へ付勢された切断スライダ15が、軸ピン18の回りに回動する屈曲したカム部材19を介して係合している。カム部材19は、中心の屈曲部を軸ピン18で回動自在に支持され、屈曲部の片側にスライドバー14の下端部のピン14bと係合する長孔19aが設けられ、屈曲部の反対側に切断スライダ15の右端面と係合する円弧状のカム面19bが設けられている。スライドバー14は、回動するカム部材19を介して、右方へ付勢された切断スライダ15によって上方へ付勢され、ストッパ17で上昇位置を位置決めされている。したがって、図6(b)に示すように、スライドバー14が押し部12aで下方へ押し込まれると、長孔19aでピン14bと係合するカム部材19が時計回りに回動し、カム面19bと係合する切断スライダ15が左方へ作動されて、縦孔13aと切断孔15bに設けられた切断刃によって、ワークWの余肉部Sが水平方向に切断される。
図7(a)、(b)は、第4の実施形態を示す。この鍛造プレスも、切断装置11の部分のみが第1の実施形態のものと異なる。この切断装置11は、スライドバー14と、コイルばね16bで右方へ付勢された切断スライダ15が、リンク部材20を介して係合している。リンク部材20は、スライドバー14の下端部と切断スライダ15の右端部に連結ピン21で連結されている。スライドバー14は、リンク部材20を介して、右方へ付勢された切断スライダ15によって上方へ付勢され、ストッパ17で上昇位置を位置決めされている。したがって、図7(b)に示すように、スライドバー14が押し部12aで下方へ押し込まれると、リンク部材20で連結された切断スライダ15が左方へ作動されて、縦孔13aと切断孔15bに設けられた切断刃によって、ワークWの余肉部Sが水平方向に切断される。
図8(a)、(b)は、第5の実施形態を示す。この鍛造プレスも、切断装置11の部分のみが第1の実施形態のものと異なる。この切断装置11は、スライドバー14と切断スライダ15が、それぞれ上向きと横向きの液圧シリンダ22、23のロッド22a、23aに連結され、これらの液圧シリンダ22、23が管路24で連通されている。各液圧シリンダ22、23には、作動したロッド22a、23aを戻すように付勢するコイルばね22b、23bが組み込まれている。スライドバー14は液圧シリンダ22で上方へ付勢され、ストッパ17で上昇位置を位置決めされている。したがって、図8(b)に示すように、スライドバー14が押し部12aで下方へ押し込まれると、液圧シリンダ22のロッド22aが下方へ作動し、その液圧によって液圧シリンダ23のロッド23aが右方へ作動され、切断スライダ15も右方へ作動されて、縦孔13aと切断孔15bに設けられた切断刃によって、ワークWの余肉部Sが水平方向に切断される。
図9(a)、(b)は、第6の実施形態を示す。この鍛造プレスも、切断装置11の部分のみが第1の実施形態のものと異なる。この切断装置11は、コイルばね16aで上方へ付勢されたスライドバー14が縦孔13aの両側に組み込まれるとともに、これらのスライドバー14の内向きの楔面14aと楔面15aで係合する切断スライダ15も縦孔13aの両側に組み込まれている。また、上型12には各スライドバー14を下方へ押し込む押し部12aが2箇所に設けられている。したがって、図9(b)に示すように、各スライドバー14が押し部12aで下方へ押し込まれると、各切断スライダ15が縦孔13aの下側に両側から前進するように作動され、ワークWの余肉部Sが水平方向に両側から切断される。
上述した各実施形態では、ワークWが脚部の上側に扁平な頭部を有し、脚部の下側に延長された余肉部Sを、鍛造方向と直角な水平方向に切断するものとしたが、ワークWの形状は実施形態のものに限定されることはなく、カップ状の頭部を有するもの、複数の脚部を有するもの等であってもよい。また、切断される部位も余肉部Sに限定されることはなく、複数の部品を一体に鍛造成形したものを、分割するように切断することもできる。さらに、切断方向も、鍛造方向と直角な方向に限定されることはなく、鍛造方向と斜めに交差する方向に切断することもできる。
また、上述した各実施形態では、ラムとベッドの間に複数組の上下の金型を配列したトランスファプレスとしたが、本発明に係る鍛造プレスは、ラムとベッドの間に1組だけの上下の金型を配置したものとすることもできる。
1 ラム
2 ベッド
3a、3b ダイホルダ
4a、4b 金型
5 ビーム
5a フィンガ
6 ノックアウトピン
7 成形孔
11 切断装置
12 上型
12a 押し部
13 下型
13a 縦孔
13b 凸部
14 スライドバー
14a 楔面
14b ピン
15 切断スライダ
15a 楔面
15b 切断孔
15c 屈曲部
16a、16b コイルばね
17 ストッパ
18 軸ピン
19 カム部材
19a 長孔
19b カム面
20 リンク部材
21 連結ピン
22、23 液圧シリンダ
22a、23a ロッド
22b、23b コイルばね
24 管路

Claims (7)

  1. 上方のラムに上金型を、下方のベッドに下金型を対向させて配置し、前記ラムまたは前記ベッドの上下方向への作動によってワークを上下方向に鍛造する鍛造プレスにおいて、前記上下の金型が配置されるラムとベッドの間に、前記金型で鍛造されるワークを、前記ラムまたはベッドの上下方向への作動運動をエネルギ源として、前記上下方向の鍛造方向と交差する方向に切断する切断装置を設け、ワークをこの切断装置に移送する移送手段を設けたことを特徴とする鍛造プレス。
  2. 前記ラムまたはベッドの上下方向への作動運動をエネルギ源とする切断装置が、前記ラムまたはベッドの上下方向への作動運動を、前記ワークを切断する切断刃の前記鍛造方向と交差する方向への運動に変換する運動変換手段を備えたものである請求項1に記載の鍛造プレス。
  3. 前記運動変換手段が、等角度で傾斜させた楔面同士をスライド可能に係合させた楔機構で運動の方向を変換するものである請求項2に記載の鍛造プレス。
  4. 前記鍛造プレスが、前記ラムとベッドの間に複数組の上下の金型を配列し、ワークをこれらの配列された金型に順次移送するトランスファプレスである請求項1乃至3のいずれかに記載の鍛造プレス。
  5. 前記ワークを切断装置に移送する移送手段を、前記ワークを前後方向からクランプする複数組のフィンガを設けた一対のビームに、前記金型の配列方向への進退動作、前後方向への開閉動作、および上下方向への昇降動作をさせて、ワークを前記配列された金型に順次移送するトランスファ装置で行うようにした請求項4に記載の鍛造プレス。
  6. 前記切断装置を前記配列された複数組の金型の最後の金型の直後に配置した請求項4または5に記載の鍛造プレス。
  7. 前記ワークが脚部の上側で張り出す頭部を有し、脚部の下側に余肉部を延長したものであり、前記切断装置でこの余肉部を切断するようにした請求項1乃至6のいずれかに記載の鍛造プレス。
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