JP2011025190A - 塗布装置、液体の充填方法及び有機層の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】塗布装置100が、液体タンク108と、液体を吐出するノズルヘッド106と、タンク108からノズルヘッド106にまで配管された供給管107と、タンク108内の液体120を供給管107に送り出す供給器116と、供給管107又はノズルヘッド106に設けられた切替部110と、切替部110に接続されたバキュームポンプ113と、を備える。切替部110が、供給管107をバキュームポンプ113に連通させた状態と、供給管107をバキュームポンプ113から遮断した状態とに選択的に切り替わるよう設けられている。
【選択図】図1
Description
EL材料液はタンクに貯留されており、タンクからノズルを有するノズルヘッドにかけて供給管が配管されており、ポンプ等によってタンク内のEL材料液がノズルヘッドに供給される(例えば、特許文献1参照)。
しかし、供給管内全体にEL材料液を充填させるのに時間を要していた。
また、供給管内にEL材料液を充填させる際に、充填された液体内に気泡が発生することがあった。
好ましくは、前記塗布装置が、前記液体貯留部内の前記液体を前記供給管に送り出す供給器を備え、前記切替部が前記供給管を前記減圧装置に連通させた状態で、前記供給器及び前記減圧装置が作動することとした。
好ましくは、前記塗布装置が、前前記供給器、前記減圧装置及び前記切替部を制御する制御部を更に備え、前記制御部が、前記切替部を、前記供給管を前記減圧装置に連通させた状態にするとともに、前記供給器及び前記減圧装置を作動させることとした。
好ましくは、前記塗布装置が、前記切替部の近傍において前記供給管内に液体が存することを検出する検出器を更に備え、前記制御部が、前記検出器によって液体を検出したら、前記切替部を、前記供給管を前記減圧装置から遮断した状態に切り替えることとした。
好ましくは、前記切替部が、前記液体貯留部から前記吐出部にかけて複数設けられていることとした。
図1は、塗布装置100を示した図面である。この塗布装置100は、発光パネルである有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの有機層(例えば、正孔注入層、発光層、電子注入層等)、有機トランジスタの有機層、液晶ディスプレイのカラーフィルタの有機発色層(例えば、有機材料を含むRGBの発色層、有機材料を含むブラックマトリックスおよび隔壁材料等)、各種電子デバイスの有機導電層(例えば、有機材料を含む導電性配線)その他の有機層、あるいは溶液中に金属微粒子等の無機材料を分散、または溶解させた材料を含む機能層を形成するために用いられるものである。
また、キャリッジ105には、モータ等の駆動源が内蔵されており、キャリッジ105はその駆動源によってレール103に沿って移動する。キャリッジ105は、制御部119によって制御される。制御部119が移動装置102の間欠的な停止に合わせてキャリッジ105を駆動し、キャリッジ105が移動装置102の停止中に主走査方向に移動する。
また、制御部119は、マスフローコントローラ109による流量を設定する(以下、設定された流量を設定流量という。)。マスフローコントローラ109が、供給管107を流れる液体120の流量をその設定流量に維持するよう定流量制御をする。
バルブ110が機械弁の場合、例えば、バルブ110が通常時に閉じたノーマリークローズ型の弁であり、排気管114内が負圧になると、バルブ110が開く。
一方、図8に示すように、バルブ110がマスフローコントローラ109とノズルヘッド106の間に設けられていてもよい。また、バルブ110が供給管107に設けられる場合には、出来る限りノズルヘッド106寄りに設けられることが望ましい。
また、図9に示すように、バルブ110がノズルヘッド106に設けられていてもよい。
以下、塗布装置100の動作及びこの塗布装置100を用いた塗布方法等について説明する。
まず、液体タンク108内に液体120を充填する。液体タンク108が取り替え式の場合には、液体120が充填された液体タンク108を供給管107に組み付け、液体タンク108に供給器116を組み付ける。なお、この時点では、供給管107は空の状態であり、液体120が供給管107内に充填されていない。
ここで、図10に示すように、待機位置には密閉キャップ150が配設されている。キャリッジ105が待機位置に移動すると、ノズルヘッド106の下端が密閉キャップ150で塞がれる。これにより、ノズルヘッド106のノズル孔168が冷却トラップ130を介してバキュームポンプ140に接続される。密閉キャップ150にはドレイン管151の端部が取り付けられている。密閉キャップ150でノズルヘッド106の下端を塞ぐことによって、ノズルヘッド106のノズル孔168がドレイン管151に通じる。そのドレイン管151の他端が冷却トラップ130に接続されている。冷却トラップ130とバキュームポンプ140がドレイン管152によって接続されている。冷却トラップ130は、外容器131、密閉容器132及び冷媒133を有する。密閉容器132が外容器131内に収容されている。冷媒133は、密閉容器132の外側であって、外容器131の内側に収容されている。ドレイン管151及びドレイン管152が密閉容器132の上面を貫通している。密閉容器132内において、ドレイン管152の端部がドレイン管151の端部よりも高い位置にある。
なお、図1、図8、図9に示された捕捉器112が冷却トラップである場合、その捕捉器112は図10に示された冷却トラップ130と同様に設けられている。
また、図1、図8、図9に示された捕捉器112を図10に示された冷却トラップ130と共用してもよい。また、図1、図8、図9に示されたバキュームポンプ113を図10に示されたバキュームポンプ140と共用してもよい。つまり、図10に示されたドレイン管151を冷却トラップ130に接続するのではなく、排気管114に接続してもよい。
バルブ110が手動式の開閉弁である場合には、バルブ110を手動で開く。そうすると、供給管107内の減圧がバキュームポンプ113によって行われる。
バルブ110が三方弁である場合には、バルブ110を、液体タンク108の出口側をバキュームポンプ113側に連通させた状態にする。そうすると、供給管107内の減圧がバキュームポンプ113によって行われる。
そして、バキュームポンプ140を停止させるとともに密閉キャップ150をノズルヘッド106から外す。
なお、供給器116が制御部119によって停止されずに、後述する塗布工程に移行してもよい。
また、供給管107内が減圧された状態又は真空となっているから、供給管107内に充填されていく液体120に気泡が発生することを防止することができる。
また、供給管107内に充填された液体120内に気泡が発生しても、その気泡はバキュームポンプ113側に吸引されるから、気泡の除去をすることができる。
以上のようにセッティングされた塗布装置100の塗布動作及びその塗布動作に基づく有機層のパターニング方法について説明する。
まず、基板121をワークテーブル101の上に載置する。
次に、制御部119がキャリッジ105を動作させ、キャリッジ105が移動範囲の端に移動する。
次に、制御部119が、マスフローコントローラ109の設定流量を設定する。
次に、制御部119が、供給器116及びキャリッジ105を作動させる。なお、上記セッティング工程において、供給器116が停止されていなければ、供給器116が引き続き作動することになる。
キャリッジ105が作動すると、キャリッジ105が主走査方向に移動する。その際、供給器116が作動しているので、液体タンク108内の液体120がノズルヘッド106へと送り出され、供給管107を流れる液体120の流量がマスフローコントローラ109によって一定の設定流量に制御される。そのため、キャリッジ105の移動中において、ノズルヘッド106のノズル孔168から液体120が連続的に吐出される。そのため、吐出された液体120が基板121上に線状に塗布され、主走査方向に沿った線状の有機層パターンが基板121上に形成される。
ここで、供給管107内やノズルヘッド106内に液体120を充填する際において、液体120内に気泡が発生しないから、ノズル孔168から吐出される液体120が途切れることを防止することができる。特に、供給管107内やノズルヘッド106内に液体120を充填する工程において供給器116が停止されずに、この塗布工程に移行すれば、塗布工程において吐出される液体120の途切れを確実に防止することができる。
次に、制御部119が移動装置102を制御して、ワークテーブル101及び基板121が移動装置102によって副走査方向に所定距離だけ移動される。この際も、ノズルヘッド106のノズル孔168から液体120が連続的に吐出される。そのため、副走査方向に沿った線状の有機層パターンが基板121上に形成される。その後、移動装置102が停止する。
次に、制御部119が、キャリッジ105を作動させる。これにより、キャリッジ105が逆方向に移動する。この際も、ノズルヘッド106のノズル孔168から液体120が連続的に吐出される。そのため、主走査方向に沿った線状の有機層パターンが基板121上に形成される。
キャリッジ105が移動範囲の反対の端まで移動したら、制御部119がキャリッジ105を停止する。
次に、制御部119が移動装置102を制御して、ワークテーブル101及び基板121が移動装置102によって副走査方向に所定距離だけ移動される。この際も、ノズルヘッド106のノズル孔168から液体120が連続的に吐出される。そのため、主走査方向に沿った線状の有機層パターンが基板121上に形成される。
〔3−1〕構成
図11、図12及び図13は、図1に示された塗布装置100の一部構成を変更した変形例の図面である。
この塗布装置100Aにおいては、バルブ110が電磁駆動式のバルブである。バルブ110が電磁駆動式のバルブであるので、バルブ110がソレノイド、モータその他の駆動源を有する。その駆動源が図3、図4、図5、図6、図7に示された弁体110fを駆動し、それにより弁体110fが開閉動作する。バルブ110の動作が制御部119によって制御される。具体的には、制御部119はバルブ110の駆動源を制御する。
また、供給管107の中途部には、検出器111が設けられている。この検出器111は、バルブ110の近傍であってバルブ110よりも僅かに液体タンク108寄りに設けられている。この検出器111は、バルブ110の近傍において供給管107内に液体120が存するか否かを検出するものである。検出器111による検出結果は、制御部119に出力される。
また、バキュームポンプ113及びバキュームポンプ140の動作が制御部119によって制御される。
上述したことを除いて、塗布装置100Aは、図1に示された塗布装置100と同様に設けられている。
一方、図12に示すように、バルブ110及び検出器111がマスフローコントローラ109とノズルヘッド106の間に設けられていてもよい。
また、図13に示すように、バルブ110及び検出器111がノズルヘッド106に設けられていてもよい。
この塗布装置100Aの初期動作及び塗布装置100Aのセッティング工程について説明する。
まず、液体タンク108内に液体120を充填する。この時点では、供給管107は空の状態であり、液体120が供給管107内に充填されていない。
制御部119がキャリッジ105を制御し、キャリッジ105が所定の待機位置に移動する。そうすると、図10に示すように、ノズルヘッド106の下端が密閉キャップ150によって塞がれ、ノズルヘッド106のノズル孔168が冷却トラップ130を介してバキュームポンプ140に接続される。
その後も、供給器116の作動が継続し、液体120が供給管107及びノズルヘッド本体部161の中空163内に充填されたら、制御部119によって供給器116が停止される。なお、供給器116が停止されずに、そのまま液体120がノズルヘッド106に供給され、ノズルヘッド106のノズル孔168から液体120が連続的に吐出されてもよい。
〔4−1〕構成
図14は、変形例における塗布装置100Bを示した図面である。
図14に示すように、複数のバルブ110a,110b及び検出器111a,111bが供給管107に設けられているとともに、バルブ110c及び検出器111cがノズルヘッド106に設けられている。バルブ110a及び検出器111aは、液体タンク108とマスフローコントローラ109の間に設けられている。バルブ110b及び検出器111bは、マスフローコントローラ109とノズルヘッド106の間に設けられている。
また、バルブ110c及び検出器111cがノズルヘッド106に設けられていている。バルブ110a,110b、110cは電磁弁である。これらバルブ110a,110b,110cは制御部119によって制御される。
この検出器111a,111b,111cは、それぞれのバルブ110a,110b,110cの近傍において供給管107内に液体120が存するか否かを検出するものである。
この塗布装置100Bの初期動作及び塗布装置100Bのセッティング工程について図15を参照して説明する。図15は、制御部119のシーケンス制御の流れを示したフローチャートである。
その後、制御部119によってバキュームポンプ113,140及び供給器116が作動する(ステップS3)。
次に、液体タンク108内に液体120を充填する。次に、バルブ110a,110b,110cを手動で開く。
次に、バキュームポンプ113,140及び供給器116を作動させる。これにより、液体タンク108内の液体120が供給管107に送り出されるとともに、供給管107内の液体がバキュームポンプ113によって引かれる。これにより、供給管107内における液体120のノズルヘッド106寄りの液面がバルブ110aの直前にまで至ったことを目視で確認したら、バルブ110aを閉じる。
その後、供給管107内における液体120のノズルヘッド106寄りの液面がバルブ110bの直前にまで至ったことを目視で確認したら、バルブ110bを閉じる。
その後、供給管107内における液体120のノズルヘッド106寄りの液面がバルブ110cの直前にまで至ったことを目視で確認したら、バルブ110cを閉じる。
その後も、供給器116を作動しつづけ、液体120がノズルヘッド106の中空163内に充填されたら、供給器116を停止する。
図1、図8〜図9、図11〜図14、図16に示された塗布装置100,100A,100Bを用いて製造されるELパネル1について、図17〜図21を用いて説明する。
このELパネル1には、複数の走査線2及び複数の信号線3が設けられている。これら走査線2は、行方向に沿って互いに略平行となるよう配列されている。これら信号線3が、列方向に沿って互いに略平行となるよう配列されている。走査線2と信号線3が、平面視して走査線2と略直交している。また、ELパネル1には、複数の電圧供給線4が設けラテいる。電圧供給線4は、平面視して、走査線2に対して平行に設けられている。電圧供給線4は、隣り合う走査線2の間において走査線2に沿って設けられている。画素Pは、一組の走査線2及び電圧供給線4並びに隣り合う二本の信号線3によって囲われる範囲に相当する。画素Pがマトリクス状に配列されている。ここでは、R(赤)を発光する複数の画素Pが信号線3に沿って配列されている。G(緑)を発光する複数の画素Pも信号線3に沿って配列されている。B(青)を発光する複数の画素Pも信号線3に沿って配列されている。走査線2に沿う方向の複数の画素Pの列は、R(赤)を発光する画素P、G(緑)を発光する画素P、B(青)を発光する画素Pの順の配列となっている。
また、スイッチトランジスタ5は、以下に詳述する駆動トランジスタ6と同様の薄膜トランジスタであって、ゲート電極5a、半導体膜、チャネル保護膜、不純物半導体膜、ドレイン電極5h、ソース電極5i等を有するものであるので、その詳細については省略する。
図20、図21に示すように、ゲート絶縁膜となる層間絶縁膜11が基板10上の一面に成膜されている。その層間絶縁膜11の上には、層間絶縁膜12が成膜されている。信号線3は、層間絶縁膜11と基板10との間に形成されている。走査線2及び電圧供給線4は、層間絶縁膜11と層間絶縁膜12との間に形成されている。
層間絶縁膜11は、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる。この層間絶縁膜11上であってゲート電極6aに対応する位置には、真性な半導体膜6bが形成されている。半導体膜6bは、層間絶縁膜11を挟んでゲート電極6aと相対している。
半導体膜6bは、例えば、アモルファスシリコン又は多結晶シリコンからなる。この半導体膜6bにチャネルが形成される。また、半導体膜6bの中央部上には、絶縁性のチャネル保護膜6dが形成されている。このチャネル保護膜6dは、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる。
また、半導体膜6bの一端部の上には、不純物半導体膜6fが一部チャネル保護膜6dに重なるようにして形成されている。半導体膜6bの他端部の上には、不純物半導体膜6gが一部チャネル保護膜6dに重なるようにして形成されている。そして、不純物半導体膜6f,6gは、それぞれ半導体膜6bの両端側に互いに離間して形成されている。なお、ここでは不純物半導体膜6f,6gはn型半導体であるが、これに限らず、p型半導体であってもよい。
不純物半導体膜6fの上には、ドレイン電極6hが形成されている。不純物半導体膜6gの上には、ソース電極6iが形成されている。ドレイン電極6h,ソース電極6iは、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜からなる。
チャネル保護膜6d、ドレイン電極6h及びソース電極6iの上には、保護膜となる絶縁性の層間絶縁膜12が成膜されている。チャネル保護膜6d、ドレイン電極6h及びソース電極6iが、層間絶縁膜12によって被覆されている。そして、駆動トランジスタ6は、層間絶縁膜12によって覆われるようになっている。層間絶縁膜12は、例えば、厚さが100nm〜200nm窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。
また、走査線2、電圧供給線4、キャパシタ7の電極7b、スイッチトランジスタ5のドレイン電極5h,ソース電極5i及び駆動トランジスタ6のドレイン電極6h,ソース電極6iは、層間絶縁膜11に一面に成膜された導電膜をフォトリソグラフィー法及びエッチング法等によって形状加工することで形成されたものである。
駆動トランジスタ6のゲート電極6aが、キャパシタ7の電極7aに一体に連なっている。駆動トランジスタ6のドレイン電極6hが、電圧供給線4に一体に連なっている。駆動トランジスタ6のソース電極6iが、キャパシタ7の電極7bに一体に連なっている。
そして、図20、図21に示すように、層間絶縁膜12が、走査線2、信号線3、電圧供給線4、スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6、画素電極8aの周縁部、キャパシタ7の電極7b及び層間絶縁膜11を覆うように形成されている。
層間絶縁膜12には、各画素電極8aの中央部が露出するように開口部12aが形成されている。この層間絶縁膜12は、平面視して格子状に形成されている。
そして、バンク13は、後述する正孔注入層8bや発光層8cを湿式法により形成するに際して、正孔注入層8bや発光層8cとなる材料が溶媒に溶解または分散された液状体が隣接する画素Pに滲み出ないようにする隔壁として機能する。
発光層8cは、画素P毎にR(赤),G(緑),B(青)のいずれかを発光する材料を含む。発光層8cは、例えば、ポリフルオレン系発光材料やポリフェニレンビニレン系発光材料からなるキャリア輸送層である。発光層8cは、対向電極8dから供給される電子と、正孔注入層8bから注入される正孔との再結合に伴い発光する層である。このため、R(赤)を発光する画素P、G(緑)を発光する画素P、B(青)を発光する画素Pは互いに発光層8cの発光材料が異なる。画素PのR(赤),G(緑),B(青)のパターンは、縦方向に同色画素が配列されるストライプパターンである。
この対向電極8dは、全ての画素Pに共通した電極であり、発光層8cなどの化合物膜とともにバンク13を被覆している。
そして、層間絶縁膜12の開口部12a内におけるバンク13の側壁13a間において、キャリア輸送層としての正孔注入層8b及び発光層8cが、画素電極8a上に積層されている(図21参照)。つまり、画素電極8aと対向電極8dの間に電圧が印加されたら、正孔注入層8b及び発光層8cは画素電極8aに重なる部分においてキャリア輸送層として機能し、その部分において発光層8cにおいて発光する。
具体的には、層間絶縁膜12の上に設けられたバンク13の側壁13aは、層間絶縁膜12の開口部12aより内側に形成されている。
そして、開口部12aに囲まれて側壁13aで挟まれた画素電極8a上に、正孔注入層8bとなる材料が含有される液状体を塗布し、基板10ごと加熱してその液状体を乾燥させ成膜させた化合物膜が、第1のキャリア輸送層である正孔注入層8bとなる。
さらに、開口部12aに囲まれて側壁13aで挟まれた正孔注入層8b上に、発光層8cとなる材料が含有される液状体を塗布し、基板10ごと加熱してその液状体を乾燥させ成膜させた化合物膜が、第2のキャリア輸送層である発光層8cとなる。
なお、この発光層8cとバンク13を被覆するように対向電極8dが設けられている(図21参照)。
なお、基板10側ではなく、反対側が表示面となってもよい。この場合、対向電極8dを透明電極とし、画素電極8aを反射電極として、発光層8cから発した光が対向電極8dを透過して出射するようにする。
全ての電圧供給線4に所定レベルの電圧が印加された状態で、走査ドライバによって走査線2に順次電圧が印加されることで、これら走査線2が順次選択される。
各走査線2が選択されている時に、データドライバによって階調に応じたレベルの電圧が全ての信号線3に印加される。そうすると、その選択されている走査線2に対応するスイッチトランジスタ5がオンになっていることから、その階調に応じたレベルの電圧が駆動トランジスタ6のゲート電極6aに印加される。
この駆動トランジスタ6のゲート電極6aに印加された電圧に応じて、駆動トランジスタ6のゲート電極6aとソース電極6iとの間の電位差が定まって、駆動トランジスタ6におけるドレイン−ソース電流の大きさが定まり、EL素子8がそのドレイン−ソース電流に応じた明るさで発光する。
その後、その走査線2の選択が解除されると、スイッチトランジスタ5がオフとなる。そのため、駆動トランジスタ6のゲート電極6aに印加された電圧にしたがった電荷がキャパシタ7に蓄えられ、駆動トランジスタ6のゲート電極6aとソース電極6i間の電位差は保持される。このため、駆動トランジスタ6は選択時と同じ電流値のドレイン−ソース電流を流し続け、EL素子8の輝度を維持するようになっている。
次に、ELパネル1の製造方法について説明する。
まず、基板10上にゲートメタル層をスパッタリングで堆積させる。そして、そのゲートメタル層をフォトリソグラフィー及びエッチング等によりパターニングする。これによって、そのゲートメタル層から信号線3、キャパシタ7の電極7a、スイッチトランジスタ5のゲート電極5a及び駆動トランジスタ6のゲート電極6aを形成する。
次いで、プラズマCVDによって窒化シリコン等のゲート絶縁膜となる層間絶縁膜11を堆積する。ELパネル1の一辺に位置する走査ドライバに接続するための各走査線2の外部接続端子(例えば、走査線2の端部)上において開口するコンタクトホール(図示せず)を層間絶縁膜11に形成する。
次いで、半導体膜6b(5b)となるアモルファスシリコン等の半導体層、チャネル保護膜6d(5d)となる窒化シリコン等の絶縁層を連続して堆積する。その後、その絶縁層をフォトリソグラフィー及びエッチング等によってパターニングする。これにより、その絶縁膜からチャネル保護膜6d(5d)を形成する。
その後、不純物半導体膜6f,6g(5f,5g)となる不純物層を堆積した後、フォトリソグラフィー及びエッチング等によって不純物層及び半導体層を連続してパターニングする。これにより、その不純物層から不純物半導体膜6f,6g(5f,5g)を形成するとともに、その半導体層から半導体膜6b(5b)を形成する。
そして、フォトリソグラフィー及びエッチングによってコンタクトホール11a〜11cを形成する。次いで、コンタクトホール11a〜11c内にコンタクトプラグ20a〜20cを形成する。この工程は省略されてもよい。
スイッチトランジスタ5のドレイン電極5h,ソース電極5i及び駆動トランジスタ6のドレイン電極6h,ソース電極6iとなるソース・ドレインメタル層を堆積し、そのソース・ドレインメタル層をパターニングする。これにより、そのソース・ドレインメタル層から走査線2、電圧供給線4、キャパシタ7の電極7b、スイッチトランジスタ5のドレイン電極5h,ソース電極5i及び駆動トランジスタ6のドレイン電極6h,ソース電極6iを形成する。こうしてスイッチトランジスタ5及び駆動トランジスタ6が形成される。その後、ITO膜を堆積した後、そのITO膜をパターニングすることによって、そのITO膜から画素電極8aを形成する。
上記〔2−1〕、〔3−2〕、〔4−2〕で説明したように、塗布装置100、塗布装置100A又は塗布装置100Bを4台分セッティングする。この際、1台目の塗布装置100、塗布装置100A又は塗布装置100Bの液体タンク108内の液体120には、正孔注入層8bの材料を用いる。2台目の塗布装置100、塗布装置100A又は塗布装置100Bの液体タンク108内の液体120には、赤の発光層8cの材料を用いる。3台目の塗布装置100、塗布装置100A又は塗布装置100Bの液体タンク108内の液体120には、緑の発光層8cの材料を用いる。4台目の塗布装置100、塗布装置100A又は塗布装置100Bの液体タンク108内の液体120には、青の発光層8cの材料を用いる。
次に、制御部119がキャリッジ105を作動させる。これにより、キャリッジ105が逆方向に移動するとともに、ノズルヘッド106のノズル孔168から液体120が連続的に吐出される。これにより、帯状の正孔注入層8bが形成される。
そして、キャリッジ105が移動範囲の反対の端まで移動したら、キャリッジ105、マスフローコントローラ109及び供給器116が停止する。
続いて、対向電極8dを成膜し、対向電極8dによって発光層8c及びバンク13を被覆する。
以上により、ELパネル1が完成する。
発光パネルの塗布装置100によって、以上のように形成されて製造されたELパネル1は、各種電子機器の表示パネルとして用いられる。
例えば、図23に示す携帯電話機200の表示パネル1aにELパネル1を適用することができる。また、図24、図25に示すデジタルカメラ300の表示パネル1bにELパネル1を適用することができる。また、図26に示すパーソナルコンピュータ400の表示パネル1cにELパネル1を適用することができる。
106 ノズルヘッド(吐出部)
107 供給管
108 液体タンク(液体貯留部)
110、110a、110b、110c バルブ(切替部)
111、111a、111b、111c 検出器
113 バキュームポンプ(減圧装置)
116 供給器
119 制御部
120 液体
121 基板
Claims (10)
- 液体が貯留された液体貯留部と、
前記液体を吐出するノズルを有する吐出部と、
前記液体貯留部から前記吐出部にまで配管された供給管と、
前記供給管又は前記吐出部に設けられた切替部と、
前記切替部に接続され、前記供給管内を減圧するための減圧装置と、を備え、
前記切替部が、前記供給管を前記減圧装置に連通させた状態と、前記供給管を前記減圧装置から遮断した状態と、に選択的に切り替わるよう設けられていることを特徴とする塗布装置。 - 前記供給管のうち前記切替部の近傍に液体が充填されていると、前記切替部が前記供給管を前記減圧装置から遮断した状態になることを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
- 前記液体貯留部内の前記液体を前記供給管に送り出す供給器を備え、
前記切替部が前記供給管を前記減圧装置に連通させた状態で、前記供給器及び前記減圧装置が作動することを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布装置。 - 前記供給器、前記減圧装置及び前記切替部を制御する制御部を更に備え、
前記制御部が、前記切替部を、前記供給管を前記減圧装置に連通させた状態にするとともに、前記供給器及び前記減圧装置を作動させることを特徴とする請求項3に記載の塗布装置。 - 前記切替部の近傍において前記供給管内に液体が存することを検出する検出器を更に備え、
前記制御部が、前記検出器によって液体を検出したら、前記切替部を、前記供給管を前記減圧装置から遮断した状態に切り替えることを特徴とする請求項4に記載の塗布装置。 - 前記切替部が、前記液体貯留部から前記吐出部にかけて複数設けられていることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の塗布装置。
- 液体が貯留された液体貯留部から前記液体を吐出するノズルを有する吐出部にまで配管された供給管に対して、前記液体貯留部から液体を送り出しつつ、前記液体貯留部よりも前記吐出部寄りの部分で前記供給管内の減圧を行うことを特徴とする液体の充填方法。
- 液体が貯留された液体貯留部から前記液体を吐出するノズルを有する吐出部にまで配管された供給管に対して、前記液体貯留部から前記液体を送り出しつつ、前記液体貯留部よりも前記吐出部寄りの部分の複数の箇所で前記供給管内の減圧を行い、
前記液体貯留部から前記供給管に送り出された液体が前記供給管内を前記吐出部側へ充填されていくに従って、前記減圧をしている箇所の前記減圧の停止を前記液体貯留部寄りから順次行うことを特徴とする液体の充填方法。 - 有機材料を含む液体が貯留された液体貯留部から前記液体を吐出するノズルを有する吐出部にまで配管された供給管に対して、供給器によって前記液体貯留部から前記液体を送り出しつつ、前記液体貯留部よりも前記吐出部寄りの部分で前記供給管内の減圧を行い、
前記液体貯留部から前記減圧をしている部分まで前記液体を充填したら、前記減圧を停止し、
前記吐出部内まで前記液体を充填したら前記供給器を停止せずに、前記吐出部を基板に対して相対的に前記基板上で移動させつつ、前記吐出部から連続的に吐出された前記液体を前記基板に塗布することを特徴とする有機層の製造方法。 - 有機材料を含む液体が貯留された液体貯留部から前記液体を吐出するノズルを有する吐出部にまで配管された供給管に対して、供給器によって前記液体貯留部から前記液体を送り出しつつ、前記液体貯留部よりも前記吐出部寄りの部分の複数の箇所で前記供給管内の減圧を行い、
前記液体貯留部から前記供給管に送り出された液体が前記供給管内を前記吐出部側へ充填されていくに従って、前記減圧をしている箇所の真空引き又は減圧の停止を前記液体貯留部寄りから順次行い、
前記吐出部内まで前記液体を充填したら、前記供給器を停止せずに、前記吐出部を基板に対して相対的に前記基板上で移動させつつ、前記吐出部から連続的に吐出された前記液体を前記基板に塗布することを特徴とする有機層の製造方法。
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