JP2011024101A - 情報処理装置、通信方法、およびプログラム - Google Patents

情報処理装置、通信方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ICカードなどの通信装置と非接触式で通信を行う際に、ICカードなどの通信装置が近づきすぎた場合においても、効率的に変調率の低下を抑制することが可能な、情報処理装置、通信方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】所定周波数の搬送波を用いて非接触式に通信装置と通信を行うための、Q値および同調周波数の少なくとも何れか一方が可変する通信アンテナと、前記通信アンテナにかかる無変調時と変調時の電圧を検出する電圧検出部と、前記電圧検出部の検出結果に基づいて、変調率を算出する変調率算出部と、前記変調率算出部による変調率の算出結果に基づいて、前記通信アンテナのQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方の変更の要否を判定する判定部と、前記判定部の判定結果に基づいて、前記通信アンテナのQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方を選択的に設定する設定部とを備える情報処理装置が提供される。
【選択図】図4

Description

本発明は、情報処理装置、通信方法、およびプログラムに関する。
近年、リーダ/ライタ(または、リーダ/ライタを搭載した情報処理装置。以下単に「リーダ/ライタ」という。)と非接触式に通信を行うことができる、非接触式IC(Integrated Circuit)カードや、RFID(Radio Frequency Identification)タグ、非接触式ICチップを搭載した携帯電話など(以下、「ICカードなど」という。)の通信装置が普及している。
リーダ/ライタとICカードなどの通信装置とは、例えば13.56MHzなどの特定の周波数の搬送波を通信に使用している。具体的には、リーダ/ライタが搬送波信号をのせた搬送波を送信し、搬送波をアンテナで受信したICカードなどの通信装置が負荷変調によって受信した搬送波信号に対する応答信号を返信することにより、リーダ/ライタとICカードなどの通信装置とは通信を行っている。
また、非接触式の通信を行うリーダ/ライタやICカードなどの通信装置に係る様々な技術が開発されている。
特許文献1では、携帯端末装置において、リーダ/ライタとの距離を推定し、その推定された距離に応じて無線通信装置内の同調手段で同調させる周波数をシフトさせることにより、携帯端末装置とリーダ/ライタとが通信できないヌル状態の発生を回避する。
特許文献2では、リーダ/ライタにおいて、携帯端末装置との距離を推定し、その推定された距離に応じて同調部で同調させる周波数をシフトさせることにより、リーダ/ライタと携帯端末装置とが通信できないヌル状態の発生を回避する。
特許文献3では、リーダが、トランスポンダの中の一つからの変調応答信号の上部側波帯および下部側波帯を回収して分離し、次段に出力するために、上部側波帯および下部側波帯を評価し、その評価に基づいて、上部側波帯および下部側波帯の中の一つを選択する。
特開2006−238398号公報 特開2006−279813号公報 特開2002−84211号公報
ところで、上述した非接触式の通信において、リーダ/ライタにICカードなどの通信装置が近づきすぎると、リーダ/ライタのアンテナとICカードなどの通信装置のアンテナとが密結合となり、変調率が低下して通信障害が発生するという問題がある。
このような通信障害の発生を回避するために、上述した従来の技術では、アンテナにかかる電圧を検出して、その電圧と閾値とを比較することにより、リーダ/ライタとICカードなどの通信装置との距離を推定する。すなわち、検出した電圧が閾値を下回ったときに、リーダ/ライタにICカードなどの通信装置が近づきすぎたと推定する。そして、リーダ/ライタにICカードなどの通信装置が近づきすぎたと推定したときに、アンテナのQ値、または同調周波数を変更する。アンテナのQ値、または同調周波数が変更されると、変調率の低下が抑制されて、正常に通信を行うことができる。
しかしながら、リーダ/ライタを、例えば携帯電話に組み込む場合、携帯電話の形状は様々であるため、リーダ/ライタが組み込まれる周辺環境は様々である。リーダ/ライタからの出力は、組み込まれる周辺環境の影響によって変化する。したがって、リーダ/ライタを、例えば携帯電話に組み込む場合は、リーダ/ライタを携帯電話に組み込んでから、携帯電話毎に上述した閾値を設定する必要があるため、リーダ/ライタの組み込みにおける工数を増加させるという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ICカードなどの通信装置と非接触式で通信を行う際に、ICカードなどの通信装置が近づきすぎた場合においても、効率的に変調率の低下を抑制することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、通信方法、およびプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、所定周波数の搬送波を用いて非接触式に通信装置と通信を行うための、Q値および同調周波数の少なくとも何れか一方が可変する通信アンテナと、上記通信アンテナにかかる無変調時と変調時の電圧を検出する電圧検出部と、上記電圧検出部の検出結果に基づいて、変調率を算出する変調率算出部と、上記変調率算出部による変調率の算出結果に基づいて、上記通信アンテナのQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方の変更の要否を判定する判定部と、上記判定部の判定結果に基づいて、上記通信アンテナのQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方を選択的に設定する設定部とを備える情報処理装置が提供される。
係る構成により、ICカードなどの通信装置と非接触式で通信を行う際に、ICカードなどの通信装置が近づきすぎた場合においても、効率的に変調率の低下を抑制することができる。
また、上記設定部は、上記通信アンテナのQ値を、第1の値、または第2の値に選択的に設定してもよい。
また、上記設定部は、上記通信アンテナの同調周波数を、第3の値、または第4の値に選択的に設定してもよい。
また、上記通信装置との通信の終了を検知する検知部をさらに備え、上記設定部は、上記検知部の検知結果に基づいて、変更された上記通信アンテナのQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方を変更前の値に設定してもよい。
また、上記判定部は、上記変調率算出部により算出された上記変調率と記憶部に記憶された閾値とを比較することにより、上記通信アンテナのQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方の変更の要否を判定してもよい。
また、上記通信アンテナは、所定のインダクタンスを有するコイルと所定の静電容量を有する第1のキャパシタとを有する共振回路と、Q値を変更するための負荷を選択的に有効化する、または上記負荷の抵抗値を変化させるQ値変更回路、または同調周波数を変更するための第2のキャパシタを選択的に有効化する同調周波数変更回路とを備えてもよい。
また、上記通信アンテナは、所定のインダクタンスを有するコイルと所定の静電容量を有する第1のキャパシタとを有する共振回路と、Q値を変更するための負荷を選択的に有効化する、または上記負荷の抵抗値を変化させるQ値変更回路、および同調周波数を変更するための第2のキャパシタを選択的に有効化する同調周波数変更回路とを備えてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、所定周波数の搬送波を用いて非接触式に通信装置と通信を行うための、Q値および同調周波数の少なくとも何れか一方が可変する通信アンテナにかかる無変調時と変調時の電圧を検出する検出ステップと、上記検出ステップにおける検出結果に基づいて、変調率を算出する算出ステップと、上記算出ステップにおける変調率の算出結果に基づいて、上記通信アンテナのQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方の変更の要否を判定する判定ステップと、上記判定ステップにおける判定結果に基づいて、上記通信アンテナのQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方を選択的に設定する設定ステップとを有する通信方法が提供される。
係る方法を用いることにより、ICカードなどの通信装置と非接触式で通信を行う際に、ICカードなどの通信装置が近づきすぎた場合においても、効率的に変調率の低下を抑制することができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、所定周波数の搬送波を用いて非接触式に通信装置と通信を行うための、Q値および同調周波数の少なくとも何れか一方が可変する通信アンテナにかかる無変調時と変調時の電圧を検出する検出ステップ、上記検出ステップにおける検出結果に基づいて、変調率を算出する算出ステップ、上記算出ステップにおける変調率の算出結果に基づいて、上記通信アンテナのQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方の変更の要否を判定する判定ステップ、上記判定ステップにおける判定結果に基づいて、上記通信アンテナのQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方を選択的に設定する設定ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
係るプログラムを用いることにより、ICカードなどの通信装置と非接触式で通信を行う際に、ICカードなどの通信装置が近づきすぎた場合においても、効率的に変調率の低下を抑制することができる。
以上説明したように本発明によれば、ICカードなどの通信装置と非接触式で通信を行う際に、ICカードなどの通信装置が近づきすぎた場合においても、効率的に変調率の低下を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係る通信システムを説明するための説明図である。 本実施の形態に係る通信システムを説明するための説明図である。 図1の通信システムにおけるリーダ/ライタおよびICカードの概略構成を示す回路図である。 本実施の形態に係るリーダ/ライタの概略構成を示すブロック図である。 図4のリーダ/ライタが実行する通信処理のフローチャートである。 無変調時と変調時におけるアンテナ端の電圧の周波数特性を示すグラフである。 無変調時と変調時におけるアンテナ端の電圧の周波数特性を示すグラフである。 無変調時と変調時におけるアンテナ端の電圧の周波数特性を示すグラフである。 無変調時と変調時におけるアンテナ端の電圧の周波数特性を示すグラフである。 本実施の形態に係る通信システム、特にリーダ/ライタの概略構成を示すブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本発明の実施の形態に係る通信システム
2.本発明の実施の形態に係るリーダ/ライタ
3.本発明の実施の形態に係る通信処理
4.本発明の実施の形態に係るリーダ/ライタの具体的な構成例
[本発明の実施の形態に係る通信システム]
まず、本発明の実施の形態に係る通信システムについて説明する。図1は、本実施の形態に係る通信システムを説明するための説明図である。
図1において、非接触式の通信(以下、「非接触通信」という。)を行う通信システム1000は、リーダ/ライタ100と、ICチップ(図示せず)を搭載したICカード200とから構成される。リーダ/ライタ100は、本発明の情報処理装置の一例である。なお、リーダ/ライタ100は、携帯電話などの携帯端末に組み込まれてもよく、自動改札機などに組み込まれてもよい。ICカード200は、本発明の通信装置の一例である。本実施の形態では、リーダ/ライタ100と非接触通信を行う通信装置がICカード200であるが、ICチップを搭載した携帯電話などの携帯端末であってもよい。
通信システム1000では、例えば13.56MHzなど特定の周波数の搬送波を通信に使用している。具体的には、リーダ/ライタ100が搬送波信号をのせた搬送波を送信し、搬送波を後述する通信アンテナ204で受信したICカード200が負荷変調によって受信した搬送波信号に対する応答信号を返信することにより、リーダ/ライタ100とICカード200とは通信を行っている。
図3は、図1の通信システム1000におけるリーダ/ライタ100およびICカード200の概略構成を示す回路図である。
図3において、リーダ/ライタ100は、変調部102と、通信アンテナ104とを備える。
変調部102は、後述する制御部130からの搬送波信号生成命令を受けて、搬送波信号生成命令に応じた搬送波信号を生成する。なお、搬送波信号には、例えばICカード200に対する各種処理命令や処理するデータを含めることができる。
通信アンテナ104は、例えば所定のインダクタンスをもつコイル(インダクタ)を備え、変調部102が生成した搬送波信号をのせた搬送波を送信する。また、通信アンテナ104は、ICカード200からの応答信号を受信することもできる。なお、図3では、通信アンテナ104がコイルとキャパシタからなる共振回路で構成された例を示している。
ICカード200は、通信アンテナ204と、負荷Zとを備える。負荷Zは、ICカード200に搭載されるICチップ(図示せず)を等価的に示したものである。
通信アンテナ204は、例えば所定のインダクタンスをもつコイル(インダクタ)を備え、通信アンテナ104から送信された搬送波信号がのった搬送波を受信する。なお、通信アンテナ204は、上記コイルと、所定の静電容量をもつキャパシタとからなる共振回路で構成され、所定の同調周波数が設定される。通信アンテナ204における同調周波数は、例えば13.56MHzなどの搬送波の周波数に合わせて設定される。通信アンテナ204は、負荷変調により受信した搬送波信号がのった搬送波に対する応答を行うことができる。
なお、リーダ/ライタ100では、通信アンテナ104におけるアンテナ端P(以下、単に「アンテナ端P」という。)の電圧を検出することにより、上述した負荷変調による応答信号を復調することができる。
ところで、従来の通信システムでは、図1に示すように、リーダ/ライタ100とICカード200との距離が非接触通信に適した距離である場合には、正常に通信を行うことができる。具体的には、アンテナ端Pの電圧は、無変調時と変調時において、図6に示すような周波数特性を有する。搬送波の周波数は13.56MHzである。変調率は、搬送波に対する信号波の比率である。したがって、変調率は、無変調時の電圧に対する無変調時の電圧と変調時の電圧との差の割合である。図6では、変調率が大きな値であるため、正常に上述した搬送波信号を伝達することができる。
一方、従来の通信システムでは、図2に示すように、リーダ/ライタ100にICカード200が近づきすぎると、リーダ/ライタ100の通信アンテナ104とICカード200の通信アンテナ204とが密結合となり、変調率が低下して通信障害が発生する。具体的には、アンテナ端Pの電圧は、無変調時と変調時において、図7に示すような周波数特性を有する。図7では、変調率が小さな値であり、正常に搬送波信号を伝達することができない。
従来の通信システムでは、上述した通信障害の発生を回避するために、アンテナ端Pの電圧を検出して、その電圧と閾値とを比較することにより、リーダ/ライタ100とICカード200との距離を推定する。すなわち、検出した電圧が閾値を下回ったときに、リーダ/ライタ100にICカード200が近づきすぎたと推定する。そして、リーダ/ライタ100にICカード200が近づきすぎたと推定したときに、通信アンテナ104のQ値、または同調周波数を変更する。通信アンテナ104のQ値、または同調周波数が変更されると、変調率の低下が抑制されて、正常に通信を行うことができる。
しかしながら、リーダ/ライタ100を、携帯電話や自動改札機などに組み込む場合、組み込まれる機器の形状は様々であるため、リーダ/ライタ100が組み込まれる周辺環境は様々である。リーダ/ライタ100からの出力は、組み込まれる周辺環境の影響によって変化する。例えば、リーダ/ライタ100を携帯電話に組み込む場合、組み込まれたリーダ/ライタ100の通信アンテナ104の周辺に位置する金属製の基板に渦電流が発生して、リーダ/ライタ100の出力が低下する。したがって、リーダ/ライタ100を、例えば携帯電話に組み込む場合は、リーダ/ライタ100を携帯電話に組み込んでから、携帯電話毎に上述した閾値を設定する必要があるため、リーダ/ライタ100の組み込みにおける工数を増加させるという問題があった。
本実施の形態に係る通信システム1000では、リーダ/ライタ100が後述する図5の通信処理を実行することにより、ICカード200と非接触式で通信を行う際に、リーダ/ライタ100にICカード200が近づきすぎた場合においても、効率的に、すなわちリーダ/ライタ100の組み込みにおける工数を増加させることなく、変調率の低下を抑制することができる。
[本発明の実施の形態に係るリーダ/ライタ]
次に、本実施の形態に係るリーダ/ライタについて説明する。図4は、本実施の形態に係るリーダ/ライタ100の概略構成を示すブロック図である。
図4において、リーダ/ライタ100は、変調部102と、通信アンテナ104と、電圧検出部106と、制御部130と、抵抗またはコンデンサ114と、スイッチ116と、記憶部118と、発振子120と、検知部122とを備える。制御部130は、変調率算出部108と、判定部110と、設定部112とを備える。
発振子120は、通信アンテナ104から送信する、例えば13.56MHzなどの特定の周波数の搬送波を生成する。変調部102は、制御部130からの搬送波信号生成命令を受けて、発振子120により生成された搬送波の変調を行い、搬送波信号生成命令に応じた搬送波信号を生成する。通信アンテナ104は、変調部102が生成した搬送波信号をのせた搬送波を送信する。
電圧検出部106は、無変調時と変調時において、アンテナ端Pの電圧を検出する。また、電圧検出部106は、発振子120が生成したクロック信号が入力されて、そのタイミングでアンテナ端Pの電圧を検出する。変調率算出部108は、電圧検出部106により検出された無変調時と変調時におけるアンテナ端Pの電圧に基づいて、電圧比を算出することにより、変調率を算出する。具体的には、変調率算出部108は、無変調時の電圧に対する無変調時の電圧と変調時の電圧との差の割合を算出する。
判定部110は、後述するように、変調率算出部108により算出された変調率と、記憶部118に記憶された閾値とを比較することにより、通信アンテナ104のQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方の変更の要否を判定する。具体的には、判定部110は、算出された変調率が閾値を下回ったときに、リーダ/ライタ100にICカード200が近づきすぎたと推定して、通信アンテナ104のQ値および同調周波数の少なくとも一方の変更が必要と判定する。
設定部112は、後述するように、判定部110の判定結果に基づいて、スイッチ116のオン/オフを制御して、抵抗またはコンデンサ114における抵抗を選択的に有効化することにより、通信アンテナ104のQ値を、第1の値、または第2の値に選択的に設定する。また、設定部112は、判定部110の判定結果に基づいて、スイッチ116のオン/オフを制御して、抵抗またはコンデンサ114におけるコンデンサを選択的に有効化することにより、通信アンテナ104の同調周波数を、第3の値、または第4の値に選択的に設定する。検知部122は、ICカード200との通信の終了を検知する。
[本発明の実施の形態に係る通信処理]
以下、本実施の形態に係るリーダ/ライタ100が実行する通信処理について説明する。図5は、図4のリーダ/ライタ100が実行する通信処理のフローチャートである。本処理は、ICカード200との非接触通信時に実行される。
図5において、まず、リーダ/ライタ100の制御部130は、スイッチ116がオフか否かを判別する(ステップS102)。
スイッチ116がオフであるときは(ステップS102でYES)、制御部130の変調率算出部108は、電圧検出部106により検出された無変調時と変調時におけるアンテナ端Pの電圧に基づいて、電圧比を算出することにより、変調率を算出する(ステップS104)。具体的には、変調率算出部108は、無変調時の電圧に対する無変調時の電圧と変調時の電圧との差の割合を算出する。スイッチ116がオフでないとき、すなわちスイッチ116がオンであるときは(ステップS102でNO)、ステップS112の処理に進む。
次いで、制御部130の判定部110は、算出された変調率と、記憶部118に記憶された閾値、例えば8%とを比較することにより、算出された変調率が閾値以下であるか否かを判別する(ステップS106)。
変調率が閾値以下でないときは(ステップS106でNO)、制御部130の判定部110は、リーダ/ライタ100とICカード200との距離が非接触通信に適した距離であると推定する。リーダ/ライタ100とICカード200との距離が非接触通信に適した距離であれば、正常に通信を行うことできる。例えば、アンテナ端Pの電圧は、無変調時と変調時において、図6に示すような周波数特性を有する。図6では、変調率が大きな値であるため、正常に搬送波信号を伝達することができる。そして、制御部130は、ICカード200との通信が終了したか否かを判別する(ステップS110)。具体的には、検知部122がICカード200との通信の終了を検知して、その検知結果に基づいて、制御部130は、ICカード200との通信が終了したか否かを判別する。
ICカード200との通信が終了していないときは(ステップS110でNO)、ステップS102の処理に戻る。ICカード200との通信が終了しているときは(ステップS110でYES)、本処理を終了する。
ステップS106の判別の結果、変調率が閾値以下であるときは(ステップS106でYES)、制御部130の判定部110は、リーダ/ライタ100にICカード200が近づきすぎたと推定して、通信アンテナ104のQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方の変更が必要と判定する。例えば、アンテナ端Pの電圧は、無変調時と変調時において、図7に示すような周波数特性を有する。図7では、変調率が小さな値であり、正常に搬送波信号を伝達することができない。
そして、制御部130の設定部112は、判定部110の判定結果に基づいて、スイッチ116をオンにして(ステップS108)、抵抗またはコンデンサ114を有効化する。抵抗またはコンデンサ114における抵抗を有効化して、通信アンテナ104のQ値を変更した場合は、例えば、アンテナ端Pの電圧は、無変調時と変調時において、図8に示すような周波数特性を有する。図8では、Q値を変更した、具体的にはQ値を小さな値に変更したことにより、密結合が解消されて、変調率が図7での変調率よりも大きな値となり、正常に搬送波信号を伝達することができる。一方、抵抗またはコンデンサ114におけるコンデンサを有効化して、通信アンテナ104の同調周波数を変更した場合は、例えば、アンテナ端Pの電圧は、無変調時と変調時において、図9に示すような周波数特性を有する。図9では、同調周波数を変更したことにより、図7でのアンテナ端Pの電圧の周波数特性がシフトして、変調率が図7での変調率よりも大きな値となり、正常に搬送波信号を伝達することができる。すなわち、通信アンテナ104のQ値および同調周波数のどちらか一方の値を変更することにより、変調率の低下を抑制することができる。また、通信アンテナ104のQ値および同調周波数の両方の値を変更することによっては、確実に変調率の低下を抑制することができる。
次いで、制御部130は、ステップS110の処理と同様に、ICカード200との通信が終了したか否かを判別する(ステップS112)。ICカード200との通信が終了していないときは(ステップS112でNO)、ICカード200との通信が終了するまで、ステップS112の処理を繰り返す。ICカード200との通信が終了しているときは(ステップS112でYES)、制御部130の設定部112は、変更された通信アンテナ104のQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方を変更前の値に設定するために、すなわち初期設定に戻すために、スイッチ116をオフにして(ステップS114)、本処理を終了する。
図5の通信処理によれば、無変調時と変調時におけるアンテナ端Pの電圧を検出して、電圧比を算出することにより変調率を算出する。そして、算出された変調率が閾値以下であるときは、通信アンテナ104のQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方を変更する。リーダ/ライタ100を、例えば携帯電話に組み込む場合、組み込む前と組み込み後において、リーダ/ライタ100の出力は変化するものの、無変調時と変調時におけるアンテナ端Pの電圧の電圧比は殆ど変化しない。このため、リーダ/ライタ100を携帯電話に組み込む前に、上述した閾値を設定することができるため、リーダ/ライタ100を携帯電話に組み込んでから、携帯電話毎に閾値を設定する必要がないので、リーダ/ライタの組み込みを効率的に行うことができる。また、算出された変調率が閾値以下であるとき、すなわちリーダ/ライタ100にICカード200が近づきすぎたと推定される場合において、通信アンテナ104のQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方が変更されると、変調率の低下が抑制される。したがって、ICカード200と非接触通信を行う際に、リーダ/ライタ100にICカード200が近づきすぎた場合においても、効率的に変調率の低下を抑制することができる。
また、図5の通信処理では、ICカード200との通信の終了を検知して、ICカード200との通信が終了しているときは、変更された通信アンテナ104のQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方を変更前の値に設定する、すなわち初期設定に戻す。これにより、次に非接触通信を行うICカード200に対しても、正常に通信を行うことができる。
[本発明の実施の形態に係るリーダ/ライタの具体的な構成例]
次に、本実施の形態に係るリーダ/ライタ100の具体的な構成例について説明する。
図10は、本実施の形態に係る通信システム1000、特にリーダ/ライタ100の概略構成を示すブロック図である。
図10において、リーダ/ライタ100は、変調部102と、通信アンテナ104と、Q値変更回路124と、同調周波数変更回路126と、電圧検出部106と、制御部130と、記憶部118と、復調部128と、発振子(図示せず)と、検知部(図示せず)とを備える。なお、リーダ/ライタ100は、通信アンテナ104と復調部128との間に、整流回路(図示せず)を備えてもよい。
また、リーダ/ライタ100は、ROM(図示せず)、RAM(図示せず)、外部装置(図示せず)や他の回路などと接続するためのインタフェース(図示せず)などを備えてもよい。リーダ/ライタ100は、例えば、データの伝送路としてのバス(bus)により各構成要素間を接続することができる。ROMは、制御部130が使用するプログラムや演算パラメータ、制御用データを記憶する。RAMは、制御部130により実行されるプログラムなどを一次記憶する。記憶部(図示せず)は、リーダ/ライタ100において用いられるアプリケーション、データなどを記憶する。記憶部(図示せず)としては、例えば、ハードディスク(Hard Disk)などの磁気記録媒体や、フラッシュメモリ(flash memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)が挙げられるが、上記に限られない。また、インタフェース(図示せず)としては、例えば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)や、ネットワーク端子などが挙げられるが、上記に限られない。
変調部102は、制御部130により制御され、例えば、制御部130から伝達される搬送波信号生成命令を受けて、搬送波信号生成命令に応じた搬送波信号を生成する。なお、変調部102が生成する搬送波信号には、例えば、ICカード200に対する各種処理命令や、処理させるデータを含めることができるが、上記に限られない。
通信アンテナ104は、例えば、アンテナとして機能する所定のインダクタンスを有するコイル(インダクタ)L1と、本発明の第1のキャパシタの一例としての所定の静電容量を有するキャパシタC1とから構成される。通信アンテナ104は、変調部102が生成した搬送波信号をのせた搬送波を送信し、また、通信アンテナ104は、ICカード200からの応答信号を受信する。通信アンテナ104の同調周波数は、例えば、13.56MHzなど搬送波の周波数に合わせて設定される。
Q値変更回路124は、通信アンテナ104のQ値を変更する役目を果たす。また、Q値変更回路124は、制御部130が備える後述する設定部112から伝達される設定信号によって制御される。図10では、Q値変更回路124の抵抗R1が接続(有効化)されることにより、通信アンテナ104のQ値が元のQ値(第1の値)から低いQ値(第2の値)に変更される。図10では、Q値変更回路124が抵抗R1と、制御部130から伝達される設定信号の信号レベル(ハイレベル/ローレベル)に応じて抵抗R1(負荷)を接続(有効化)するスイッチング素子SW1とで構成された例を示しているが、上記に限られない。例えば、Q値変更回路124は、伝達される設定信号(例えば、電圧信号)の大きさに応じて抵抗値が変化する可変抵抗(負荷)で構成することもできる。また、Q値変更回路124は、複数の抵抗(抵抗値が異なる抵抗、または、抵抗値が同一の抵抗)と、当該複数の抵抗を選択的に接続する(いずれか一つ、または複数の抵抗を接続する)スイッチング素子で構成することもできる。上記スイッチング素子は、例えば、制御端子に設定信号が伝達される1または2以上のMOSFET(例えば、pチャネル型のMOSFETや、nチャネル型のMOSFET)で構成することができるが、上記に限られない。
同調周波数変更回路126は、通信アンテナ104の同調周波数を変更する役目を果たす。また、同調周波数変更回路126は、制御部130が備える後述する設定部112から伝達される設定信号によって制御される。図10では、同調周波数変更回路126の本発明の第2のキャパシタの一例としてのコンデンサC2が接続(有効化)されることにより、通信アンテナ104の同調周波数が元の値(第3の値)から他のQ値(第4の値)に変更される。図10では、同調周波数変更回路126がコンデンサC2と、制御部130から伝達される設定信号の信号レベル(ハイレベル/ローレベル)に応じてコンデンサC2を接続(有効化)するスイッチング素子SW2とで構成された例を示しているが、上記に限られない。
電圧検出部106は、無変調時と変調時において、通信アンテナ104のアンテナ端Pの電圧を検出する。電圧検出部106は、サンプルホールド回路やA/D変換回路などで構成されるが、上記に限られない。電圧検出部106は発振子(図示せず)が生成したクロック信号が入力されて、そのタイミングでアンテナ端Pの電圧を検出するが、上記に限られない。
復調部128は、例えば、通信アンテナ104のアンテナ端Pにおける電圧の振幅変化を包絡線検波し、検波した信号を2値化することによって、ICカード200からの応答信号を復調する。
制御部130は、例えば、MPUや各種処理回路が集積された集積回路などで構成され、リーダ/ライタ100全体の制御や様々な処理を行う。また、制御部130は、変調率算出部108と、判定部110と、設定部112とを備える。
変調率算出部108は、電圧検出部106により検出された無変調時と変調時におけるアンテナ端Pの電圧に基づいて、電圧比を算出することにより、変調率を算出する。判定部110は、変調率算出部108により算出された変調率と、記憶部118に記憶された閾値、例えば8%とを比較することにより、通信アンテナ104のQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方の変更の要否を判定する。具体的には、判定部110は、算出された変調率が閾値を下回ったときに、リーダ/ライタ100にICカード200が近づきすぎたと推定して、通信アンテナ104のQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方の変更が必要と判定する。設定部112は、判定部110の判定結果に基づいて、Q値変更回路124へ通信アンテナ104のQ値を元のQ値(第1の値)よりも小さいQ値(第2の値)に設定するための設定信号を送信する。また、設定部112は、判定部110の判定結果に基づいて、同調周波数変更回路126へ通信アンテナ104の同調周波数を元の値(第3の値)から他の値(第4の値)に設定するための設定信号を送信する。
リーダ/ライタ100は、例えば上述した構成を有するため、図5の通信処理を実行することにより、ICカード200と非接触通信を行う際に、リーダ/ライタ100にICカード200が近づきすぎた場合においても、効率的に変調率の低下を抑制することができる。
なお、上述したリーダ/ライタ100は、Q値変更回路124と、同調周波数変更回路126とを備えたが、通信アンテナ104のQ値を変更することのみにより、上述した変調率の低下を抑制する場合には、同調周波数変更回路126を備えなくてもよい。また、リーダ/ライタ100は、通信アンテナ104の同調周波数を変更することのみにより、上述した変調率の低下を抑制する場合には、Q値変更回路124を備えなくてもよい。
また、本発明の目的は、前述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100 リーダ/ライタ
102 変調部
104,204 通信アンテナ
106 電圧検出部
108 変調率算出部
110 判定部
112 設定部
114 抵抗またはコンデンサ
116 スイッチ
118 記憶部
120 発振子
122 検知部
124 Q値変更回路
126 同調周波数変更回路
200 ICカード
1000 通信システム

Claims (9)

  1. 所定周波数の搬送波を用いて非接触式に通信装置と通信を行うための、Q値および同調周波数の少なくとも何れか一方が可変する通信アンテナと;
    前記通信アンテナにかかる無変調時と変調時の電圧を検出する電圧検出部と;
    前記電圧検出部の検出結果に基づいて、変調率を算出する変調率算出部と;
    前記変調率算出部による変調率の算出結果に基づいて、前記通信アンテナのQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方の変更の要否を判定する判定部と;
    前記判定部の判定結果に基づいて、前記通信アンテナのQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方を選択的に設定する設定部と;
    を備える、情報処理装置。
  2. 前記設定部は、前記通信アンテナのQ値を、第1の値、または第2の値に選択的に設定する、請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記設定部は、前記通信アンテナの同調周波数を、第3の値、または第4の値に選択的に設定する、請求項1に記載の情報処理装置。
  4. 前記通信装置との通信の終了を検知する検知部をさらに備え、
    前記設定部は、前記検知部の検知結果に基づいて、変更された前記通信アンテナのQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方を変更前の値に設定する、請求項1に記載の情報処理装置。
  5. 前記判定部は、前記変調率算出部により算出された前記変調率と記憶部に記憶された閾値とを比較することにより、前記通信アンテナのQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方の変更の要否を判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
  6. 前記通信アンテナは、
    所定のインダクタンスを有するコイルと所定の静電容量を有する第1のキャパシタとを有する共振回路と;
    Q値を変更するための負荷を選択的に有効化する、または前記負荷の抵抗値を変化させるQ値変更回路、または同調周波数を変更するための第2のキャパシタを選択的に有効化する同調周波数変更回路と;
    を備える、請求項1に記載の情報処理装置。
  7. 前記通信アンテナは、
    所定のインダクタンスを有するコイルと所定の静電容量を有する第1のキャパシタとを有する共振回路と;
    Q値を変更するための負荷を選択的に有効化する、または前記負荷の抵抗値を変化させるQ値変更回路、および同調周波数を変更するための第2のキャパシタを選択的に有効化する同調周波数変更回路と;
    を備える、請求項1に記載の情報処理装置。
  8. 所定周波数の搬送波を用いて非接触式に通信装置と通信を行うための、Q値および同調周波数の少なくとも何れか一方が可変する通信アンテナにかかる無変調時と変調時の電圧を検出する検出ステップと;
    前記検出ステップにおける検出結果に基づいて、変調率を算出する算出ステップと;
    前記算出ステップにおける変調率の算出結果に基づいて、前記通信アンテナのQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方の変更の要否を判定する判定ステップと;
    前記判定ステップにおける判定結果に基づいて、前記通信アンテナのQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方を選択的に設定する設定ステップと;
    を有する、通信方法。
  9. 所定周波数の搬送波を用いて非接触式に通信装置と通信を行うための、Q値および同調周波数の少なくとも何れか一方が可変する通信アンテナにかかる無変調時と変調時の電圧を検出する検出ステップ;
    前記検出ステップにおける検出結果に基づいて、変調率を算出する算出ステップ;
    前記算出ステップにおける変調率の算出結果に基づいて、前記通信アンテナのQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方の変更の要否を判定する判定ステップ;
    前記判定ステップにおける判定結果に基づいて、前記通信アンテナのQ値および同調周波数の少なくとも何れか一方を選択的に設定する設定ステップ;
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。

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