JP2011024082A - 画像入力装置およびこれを備える顕微鏡撮影装置、ラインスキャン型カメラ、スキャナ - Google Patents
画像入力装置およびこれを備える顕微鏡撮影装置、ラインスキャン型カメラ、スキャナ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011024082A JP2011024082A JP2009168668A JP2009168668A JP2011024082A JP 2011024082 A JP2011024082 A JP 2011024082A JP 2009168668 A JP2009168668 A JP 2009168668A JP 2009168668 A JP2009168668 A JP 2009168668A JP 2011024082 A JP2011024082 A JP 2011024082A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- image
- scanning direction
- sensor
- sub
- line sensor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Optical Systems Of Projection Type Copiers (AREA)
- Image Input (AREA)
- Transforming Light Signals Into Electric Signals (AREA)
- Facsimile Scanning Arrangements (AREA)
- Studio Devices (AREA)
Abstract
【課題】画像入力装置で、画像入力の対象物に応じてローパスフィルタ特性を可変とする。
【解決手段】TDIセンサSは、主走査方向に沿って画素の配列された複数のラインセンサが主走査方向と直交する方向に所定の配列間隔で配列されて構成される。TDIセンサSで主走査が行われ、TDIセンサSと走査対象の像との間で副走査方向に沿う相対的な動きがもたらされて二次元の像が入力される。1ライン分の走査対象の像に対して行われる一連のTDI動作において、一のタイミングで一のラインセンサによって蓄積動作が行われるときに一のラインセンサの読取範囲に導かれる像と、別のタイミングにおいて別のラインセンサによって蓄積動作が行われるときに別のラインセンサの読取範囲に導かれる像との間で、主走査方向および副走査方向のうちの少なくともいずれかの方向に沿って像ずれを生じるように像とTDIセンサSとの相対位置が制御される。
【選択図】図6
【解決手段】TDIセンサSは、主走査方向に沿って画素の配列された複数のラインセンサが主走査方向と直交する方向に所定の配列間隔で配列されて構成される。TDIセンサSで主走査が行われ、TDIセンサSと走査対象の像との間で副走査方向に沿う相対的な動きがもたらされて二次元の像が入力される。1ライン分の走査対象の像に対して行われる一連のTDI動作において、一のタイミングで一のラインセンサによって蓄積動作が行われるときに一のラインセンサの読取範囲に導かれる像と、別のタイミングにおいて別のラインセンサによって蓄積動作が行われるときに別のラインセンサの読取範囲に導かれる像との間で、主走査方向および副走査方向のうちの少なくともいずれかの方向に沿って像ずれを生じるように像とTDIセンサSとの相対位置が制御される。
【選択図】図6
Description
本発明は、CCD型のラインイメージセンサ、特に時間遅延積分(TDI)方式のラインイメージセンサを用いて走査をすることにより画像を入力する技術に関する。
CCDを用いる画像入力装置としては、2種類に大別可能である。1つは、複数の画素が一次元方向に配列されたラインイメージセンサ(以下では単にラインセンサと称する)を用い、走査対象物の像とラインセンサとを相対的に移動させながらラインセンサから出力される画像信号を処理して二次元の画像を生成するものである。本明細書中では、このような画像入力装置を走査型の画像入力装置と称する。
CCDを用いる画像入力装置のもう1つのタイプは、複数の画素が二次元方向に配列されたエリアイメージセンサ(以下では単にエリアセンサと称する)を用い、結像光学系によって形成された像をエリアセンサ上に導いて画像信号を読み出し、二次元の画像を得るものである。
走査型の画像入力装置では、ある瞬間において線状の像しか捉えることができない。そのため、二次元の像を入力するためには、ラインセンサを構成する画素の配列方向と直交する方向に沿って像とラインセンサとを相対移動させながら線状の像をラインセンサで繰り返し入力する。そして、瞬間、瞬間で得られる一次元の画像データをもとに二次元の画像データを構築する。
一般に、ラインセンサを構成する画素の配列方向に沿って線状の像を走査することを主走査と称し、ラインセンサを構成する画素の配列方向を主走査方向と称する。つまり、像とラインセンサとは、主走査方向と略直交する方向に沿って相対移動させることになる。上記のように像とラインセンサとを相対移動させる動作を副走査と称する。そして、像とラインセンサとの相対移動方向を副走査方向と称する。
走査型の画像入力装置では、像とラインセンサとを副走査方向に相対移動させながら主走査を繰り返し行うことを繰り返すので、1回の主走査に要する時間を短縮することが副走査の速度を増すことにつながり、これが一連の画像入力に要する時間を短縮する上で重要である。
つまり、一連の画像入力に要する時間を短縮しようとすると、主走査を高速に行う必要がある。そのためには、ラインセンサの1回の蓄積動作に割り当てることのできる時間を短縮することが必要となる。このことはラインセンサの感度が十分高くない場合に、S/N比の低下をもたらすことにつながる。
1回の蓄積動作に割り当てることの時間を短縮しつつ、十分な感度およびS/N比を確保可能なものとして時間遅延積分方式が知られている。以下では、時間遅延積分方式をTDI(Time Delay Integration)方式と称する。TDI方式に用いるセンサは、主走査方向に延びる複数のラインセンサが主走査方向と直交する方向に沿って平行に配列されて構成される。
1本目のラインセンサ上に線状の像が導かれているときに、1段目の蓄積動作が行われる。副走査動作が連続的に行われていることにより、上記線状の像(これを第1像と称する)はやがて1本目のラインセンサから外れる。このとき1本目のラインセンサで蓄積された電荷が、1本目のラインセンサの隣に配列される2本目のラインセンサに転送される。その後、上記第1像が2本目のラインセンサ上に位置し、2本目のラインセンサで2段目の蓄積が行われる。このとき、1本目のラインセンサでは上記第1像の隣に位置する新たな線状の像(これを第2像と称し、以下、同様に、第3像、第4像、…と称する)に対応する蓄積動作が行われる。上記2本目のラインセンサでの蓄積動作が完了すると、2本目のラインセンサには2回の蓄積動作で得られるものと同等の電荷が蓄積される。
例えばラインセンサが10本あれば、第1像が1本目のセンサ上から10本目のセンサ上に移動するタイミングに同期して、上記蓄積動作、転送動作が行われる。つまり、10本目のセンサでの10段目の蓄積動作が完了した時点で、10回分の蓄積動作で得られる電荷が10本目のセンサに蓄積される。一方、2本目のセンサで第1像に対応する電荷の蓄積が行われているときには、1本目のセンサは第2像に対応する蓄積動作を行っている。こうして、10本目のセンサが第1像に対応する電荷の蓄積を行っている時点で、1本目のセンサは第10像の蓄積を行うことになる。
このようにして、上記例では10本のラインセンサが蓄積動作を時系列的に分担して行うことにより、1本あたりのラインセンサでの蓄積時間を短縮して副走査動作を高速化することが可能となり、全体として十分な感度およびS/N比を確保しつつ、一連の画像入力に要する時間を短縮することが可能となる。
ところで、入力する対象の画像が比較的高い空間周波数を有していたり繰り返しパターンを有していたりすると、画像入力して得られる画像にモアレを生じることがある。このモアレを低減するための技術として、特許文献1には複数のラインセンサを有するTDIセンサを用いたデジタル画像読取装置において、一連のTDI動作が行われる際に、複数のラインセンサのそれぞれが読みとる原稿面上の位置が相対的に異なるようにする技術が開示されている。
一連のTDI動作において1段目、2段目、…の蓄積動作が行われる際に、各ラインセンサによって読みとられる原稿面上の位置が相対的に異なるようにすると、いわば像ブレを生じたかのようになる。このようにして像のぶれを生じさせることにより、光学的ローパスフィルタ等を用いることなく、読み取って得られる画像中の高い空間周波数成分を減衰させることが可能となる。
しかしながら、入力する対象の画像は様々であり、画像入力の目的も様々である。ときには多少のモアレの発生は許容しても、出来るだけ鮮鋭な像を得ることが望まれることもある。あるいは、入力する対象の画像がモアレを発生しにくいものである場合には、読み取って得られる画像中の高い空間周波数成分が減じられると何の効果も得られないばかりでなく、得られる画像の鮮鋭度が低下してしまう。また、TDIセンサで蓄積動作を行う際に、入力する対象の画像の明るさに応じて用いるラインセンサの数を変化させた場合、一連のTDI動作で得られる像のずれ量が異なることになるので、画像中の高い空間周波数成分を減衰させる効果が異なるものとなる。
本発明は上記の問題に鑑みなされたもので、入力する対象の画像に応じて読み取り画像中の比較的高い空間周波数成分の減衰特性を変化させることを可能とする技術を提供することを目的とする。
(1) 本発明のある態様によれば、主走査方向に沿って画素の配列された複数のラインセンサが前記主走査方向と略直交する方向に所定の配列間隔で平行に配列されてなるTDIセンサと、
前記ラインセンサと走査対象の像との間の副走査方向に沿う相対的な動きをもたらす動作である副走査動作を行う副走査駆動部とを有し、
前記TDIセンサによる、前記画素の配列方向に沿って前記走査対象の像を走査する動作である主走査と、前記副走査駆動部で行われる前記副走査動作とによって二次元の像の入力を可能とする画像入力装置が、
1ライン分の走査対象の像に対して行われる一連のTDI動作において、一のタイミングで一のラインセンサによって蓄積動作が行われるときに前記一のラインセンサの読取範囲に導かれる像と、別のタイミングにおいて前記一のラインセンサと異なる別のラインセンサによって蓄積動作が行われるときに前記別のラインセンサの読取範囲に導かれる像との間で、前記主走査方向および前記副走査方向のうちの少なくともいずれかの方向に沿って像ずれを生じるように前記像と前記TDIセンサとの相対位置を制御する像ずらし制御部を有し、
前記像ずらし制御部は、前記主走査方向および前記副走査方向のうちの少なくともいずれかの方向に沿って前記像ずれの量を変化させることが可能に構成されることにより上述した課題を解決する。
前記ラインセンサと走査対象の像との間の副走査方向に沿う相対的な動きをもたらす動作である副走査動作を行う副走査駆動部とを有し、
前記TDIセンサによる、前記画素の配列方向に沿って前記走査対象の像を走査する動作である主走査と、前記副走査駆動部で行われる前記副走査動作とによって二次元の像の入力を可能とする画像入力装置が、
1ライン分の走査対象の像に対して行われる一連のTDI動作において、一のタイミングで一のラインセンサによって蓄積動作が行われるときに前記一のラインセンサの読取範囲に導かれる像と、別のタイミングにおいて前記一のラインセンサと異なる別のラインセンサによって蓄積動作が行われるときに前記別のラインセンサの読取範囲に導かれる像との間で、前記主走査方向および前記副走査方向のうちの少なくともいずれかの方向に沿って像ずれを生じるように前記像と前記TDIセンサとの相対位置を制御する像ずらし制御部を有し、
前記像ずらし制御部は、前記主走査方向および前記副走査方向のうちの少なくともいずれかの方向に沿って前記像ずれの量を変化させることが可能に構成されることにより上述した課題を解決する。
本発明によれば、個々の走査対象に対応してローパスフィルタ特性を変化させることが可能であり、これによって個々の走査対象に対応して最適のローパスフィルタ特性を適用することが可能となる。その結果、入力して得られる画像中のモアレを効果的に抑制しつつ、画像の鮮鋭度を最大限に高めることが可能となる。
図1は、TDI方式の動作を概念的に説明する図であり、TDI方式のセンサS上に形成されるラインセンサL1、L2、L3、L4と像Imとの相対位置関係を、センサSを部分的に拡大して示している。図1においては、ラインセンサL1〜L4と像Imとの相対位置関係が、時間の経過とともに(a)から(b)、(c)、(d)へと変化する様子が描かれている。
図1(a)から図1(d)に示される例では、TDI方式のセンサSは4本のラインセンサL1〜L4を有するものとして描かれているが、ラインセンサの本数は2本以上の任意の数とすることが可能である。ラインセンサL1〜L4のそれぞれは、複数の画素Pixが配列ピッチpxで直線状に配列されて成る。各ラインセンサL1〜L4上で画素Pixの配列のされる方向を主走査方向と称する。画像Imが各ラインセンサL1〜L4上に位置しているときに、対応するラインセンサL1〜L4で順次主走査が行われて線状の画像読み取りが行われる。
これらのラインセンサL1〜L4は、配設間隔pyで等間隔に、かつ平行に配列されている。ラインセンサL1〜L4を用いて一定周期で蓄積動作(主走査)を行いながらこれらのラインセンサL1〜L4をよぎるように像ImとラインセンサL1〜L4とを相対移動速度Vで相対移動させることにより、二次元の像Imの読み取りが行われる。このようにラインセンサL1〜L4をよぎるように像ImとラインセンサL1〜L4とを相対移動させることを副走査と称する。また、上述のようにラインセンサL1〜L4をよぎるように像ImとラインセンサL1〜L4とを相対移動させる方向を副走査方向と称する。また、上記のように像ImとラインセンサL1〜L4とを相対移動させる際の相対移動速度を本明細書中では副走査速度と称する。
TDI方式の動作が行われるのに伴い、ラインセンサL1が蓄積動作を行って得られた電荷はラインセンサL2に転送され(これを垂直転送と称する)る。像Im中、ラインセンサL1で蓄積動作を行っているときにこのラインセンサL1上に位置する部分は、次の蓄積動作タイミングにおいてラインセンサL2上に位置するように蓄積動作タイミングと副走査方向の相対移動速度Vとが定められている。
像Imが図1(a)に示される位置にあるときにラインセンサL1で蓄積動作が行われて得られた電荷がラインセンサL2に転送され、像Imが図1(b)に示される位置にあるときにラインセンサL2でさらに蓄積動作が行われた後、ラインセンサL2に蓄積された電荷はラインセンサL3に転送される。そして像Imが図1(c)に示される位置にあるときにラインセンサL3でさらに蓄積動作が行われて、ラインセンサL3に蓄勢された電荷はラインセンサL4に転送される。さらに、像Imが図1(d)に示される位置にあるときにラインセンサL4で最後の蓄積動作が行われ、最終的にラインセンサL4には4回の蓄積動作で得られるものに相当する電荷が蓄積される。このようにしてラインセンサL4の電荷はセンサSから読み出されて処理される。上記の動作に際して、隣のラインセンサへの電荷の転送を終えたラインセンサは次の蓄積動作を行う。
センサSによる上述したTDI動作において、各ラインセンサL1〜L4では蓄積動作および電荷の転送が所定の周期で行われる。図1(a)に示されるように、ラインセンサL1〜L4は、間隔pyで等間隔に配列されている。従って、ラインセンサL1〜L4間で電荷が転送される様子を目視することができたとすると、1転送周期ごとに電荷が距離pyだけ移動しているかのように見える。つまり、ある速度で電荷が移動しているかのように見える。このとき、蓄積動作と転送動作とが交互に繰り返されるので、電荷は間欠的に移動しているように見える筈である。しかし、ここでは、上述した電荷の転送によって電荷が略一定の速度で転送されて移動しているものと考える。このようにして、センサS中のラインセンサL1〜L4の配列間隔py(μm)と、ラインセンサL1〜L4間でTDI動作に伴う電荷転送が行われる際の電荷転送周波数F(Hz)との積を電荷転送速度T(μm/秒)と定義する。
以上のように、像ImとラインセンサL1〜L4との副走査方向の相対移動速度、すなわち副走査速度Vと、電荷転送速度Tとが一致するように蓄積動作および電荷の転送が行われて一般的なTDI動作が行われる。
以上では図1を参照し、画像Im中の同じ部分が異なるラインセンサL1〜L4で順次捉えられて蓄積動作が行われ、これにより一般的なTDI動作が行われる例について説明した。ここで図2を参照し、TDI動作中に像ずれを生じさせることにより、モアレの発生を抑制する方法について説明する。
図2は、配設ピッチpyで配設される10本のラインセンサL1、L2、…、L10を有するセンサSでTDI動作が行われる際に主走査方向に像ずれを生じさせる例を説明する概念図である。ラインセンサL1で1段目の蓄積動作が行われるときに、読み取り対象物の像中の要素(以下ではこれを画像要素と称する)IE1がラインセンサL1上の画素位置aに位置する画素の上にあるものとする。図2では、画像要素IE1を黒い丸で示し、画像要素IE1の軌跡を網かけの丸で示す。
続いて、ラインセンサL1からラインセンサL2に電荷が転送され、このラインセンサL2で2段目の蓄積動作が行われる際に、画像要素IE1の位置は主走査方向に沿って僅かにずれている様子が図2には描かれている。同様にして、ラインセンサL3で3段目の蓄積動作が行われる際にも、画像要素IE1の位置は主走査方向に沿って僅かにずれている。そして、ラインセンサL10で10段目の蓄積動作が行われる際には、画像要素IE1の位置は、ラインセンサL1で1段目の蓄積動作が行われたときの位置に比して主走査方向に2画素分の像ずれを生じている様子が図2には示されている。
図2の下側に描かれている棒グラフは、1段目、2段目、…、10段目の蓄積動作が行われるのに伴ってラインセンサL1、L2、…、L10に蓄積される電荷の量が増してゆく様子を概念的に示している。上述のように、10段にわたる蓄積動作が行われる際に画像要素IE1が主走査方向に沿って2画素分のずれを生じるようにすることにより、画像要素IE1に対応する画像信号は、以下で説明するようにa、b、cの3つの画素位置に対応して分布するようになる。
1段目の蓄積動作時、画像要素IE1は画素位置a上にあるので、画素位置aでのみ電荷が蓄積される。2段目の蓄積動作時、画像要素IE1の大部分はまだ画素位置aにあるが、僅かに画素位置bにも掛かっている。したがって、画素位置aで蓄積される電荷は増加するとともに画素位置bでも僅かに電荷が蓄積される。3段目の蓄積動作時、画像要素IE1の大半はまだ画素位置aにあるものの、画素位置bに占める割合が増加する。これにより、画素位置a、bで蓄積される電荷が増加する。以降、4段目、5段目、…、10段目の蓄積動作が行われる際に、画像要素IE1は画素位置bの上にある時間が相対的に多くなる。結果として画素位置bで蓄積される電荷が画素位置a、cで蓄積される電荷に比べて多くなり、画素位置a、cで蓄積される電荷は互いに等しくなる。
以上のようにして、ラインセンサL1〜L10のそれぞれを構成する画素Pixの1画素分の大きさに相当する画像要素IE1に対応する画像信号は3画素にわたって分布するようになる。したがって、本来1つの画素に導かれる光があたかも光学的ローパスフィルタによって複数の画素に導かれたかのような画像を得ることが可能となる。
複数段にわたってTDI動作が行われる際に、蓄積動作を行うラインセンサの読み取り範囲に導かれる像が図2を参照して説明したように主走査方向にずれるようにするためには、様々な方法が利用可能である。例えば、センサSを保持する基板を主走査方向に沿って移動させることの可能な機構を設けてもよい。あるいは、画像入力対象物(走査対象物)を動かす機構を設けて、結果として走査対象の像とセンサSとが主走査方向に沿って相対的に移動可能としてもよい。
さらには、画像入力対象物(走査対象物)とセンサSとの間にミラーやプリズム、あるいはレンズ等の光学要素を配設して、その光学要素を揺動させることによって上述した主走査方向のずれを生じるようにしてもよい。いずれの方法によっても、移動ストロークや揺動ストロークを制御することにより、センサS内で蓄積動作を行うラインセンサの読み取り範囲に導かれる像の主走査方向に沿うずれ量を制御することが可能となる。
上述した主走査方向の像ずれに加えて、副走査方向にも像ずれを生じるようにすることも可能である。TDI動作が行われる際に副走査方向の像ずれを生じさせる方法について図3を参照して説明する。図3は、配設ピッチpyで配設される10本のラインセンサL1、L2、…、L10を有するセンサSでTDI動作が行われる際に副走査方向に像ずれを生じさせる例を説明する概念図である。ラインセンサL1で1段目の蓄積動作が行われるときに、画像要素IE1がラインセンサL1上にあるものとする。図3では、図2と同様に、画像要素IE1を黒い丸で示し、画像要素IE1の軌跡を網かけの丸で示す。
図1、図2においては、副走査速度Vと電荷転送速度Tとが一致している例について説明したが、副走査方向に像ずれを生じさせるためには副走査速度Vと電荷転送速度Tとが一致しないようにすればよい。図3には、電荷転送速度Tに比して副走査速度Vが遅くなるようにして、結果として10段のTDI動作が行われる際に画像要素IE1はラインセンサ8本分しか移動しないようにする例が示されている。図3には、画像要素IE1に加えて、この画像要素IE1に隣接する画像要素IE2と、この画像要素IE2に隣接する画像要素IE3とが示されている。
ラインセンサL1で1段目の蓄積動作が行われるときに、読み取り対象物の像中の画像要素IE1がラインセンサL1上の画素位置aに位置する画素の上にあるものとする。上述のように、電荷転送速度Tに比して副走査速度Vが遅くなるようにしているため、ラインセンサL2で2段目の蓄積動作が行われる際には、画素位置aに位置する画素の上から画像要素IE1は僅かに外れ、画像要素IE2が僅かに入り込む。
続いて、ラインセンサL3で3段目の蓄積動作が行われる際には、画素位置aに位置する画素の上から画像要素IE1が外れる量が増し、逆に画像要素IE2が入り込む量が増す。以降、4段目、5段目、…と蓄積動作が行われるにつれて画素位置aに位置する画素の上にあるのは画像要素LE1から画像要素LE2、画像要素LE3へと変化する。そして、ラインセンサL10で10段目の蓄積動作が行われる際には、画素位置aに位置する画素の上には画像要素LE3がある。このようにして、画素位置aに位置する画素からは、画像要素LE1、LE2、LE3に対応する電荷が混合された信号が読み出される。
図3を参照しての上記説明においては、電荷転送速度Tに比して副走査速度Vが遅くなるようにして副走査方向に像ずれが生じる例について説明したが、電荷転送速度Tに比して副走査速度Vを速くするようにして副走査方向に像ずれが生じるようにすることも可能である。
ここで上述した主走査方向、副走査方向に沿う像ずれによって得られるローパスフィルタ効果について、光学的ローパスフィルタを用いることによって得られる効果と対比して説明する。先ず、水晶やリチウムナイオベート等の複屈折作用を用いた光学的ローパスフィルタ(以下、OLPFと称する)を用いて得られる特性について説明する。説明を簡単にするため、ここでは一次元方向にのみ複屈折作用を有するOLPFを用いたものとする。そして、本来1画素に入射する筈の光が上記複屈折作用によって互いに隣り合う二つの画素(画素ピッチ=τ)に入射する特性を有するものとする。
本来1画素に入射する筈の光が画素ピッチτで互いに隣り合うように配列された二つの画素に入射した場合、実空間で得られる信号(これら二つの画素およびその両側の近隣に並ぶ画素から得られる信号)をf(t)としたとき、以下のように表すことができる。
f(t)=Gτ(t)
Gτ(t)=0 … |t| > τ/2
Gτ(t)=1/2 … |t| = τ/2
Gτ(t)=1 … |t| < τ/2
ここで、Gτ(t)はゲート関数と称される。
f(t)=Gτ(t)
Gτ(t)=0 … |t| > τ/2
Gτ(t)=1/2 … |t| = τ/2
Gτ(t)=1 … |t| < τ/2
ここで、Gτ(t)はゲート関数と称される。
図4(a)に、信号f(t)の波形を示す。この信号f(t)をフーリエ変換して周波数領域での関数F(ω)を求めると、
F(ω)=τ×Sa(ωτ/2)となる。ここにSa(x)はシンク関数であり、
Sa(x)=(sin x)/x と定義される。
F(ω)=τ×Sa(ωτ/2)となる。ここにSa(x)はシンク関数であり、
Sa(x)=(sin x)/x と定義される。
続いて、上述した像ずらしによって得られる特性について説明する。図2を参照して説明したように、10段の露光動作からなる一連のTDI動作が行われる際に2画素分の像ずらし量を生じるようにした場合、実空間で得られる信号をf(t)としたとき、以下のように表すことができる。
f(t)=1−|t|/t … |t|<τ
f(t)=0 … |t|≧τ
図4(b)に、上記信号f(t)の波形を示す。この信号f(t)をフーリエ変換して周波数領域での関数F(ω)を用いると、
F(ω)=τ×[Sa(ωτ/2)]2
となる。
f(t)=1−|t|/t … |t|<τ
f(t)=0 … |t|≧τ
図4(b)に、上記信号f(t)の波形を示す。この信号f(t)をフーリエ変換して周波数領域での関数F(ω)を用いると、
F(ω)=τ×[Sa(ωτ/2)]2
となる。
図5は、水晶のOLPFを用いた場合およびTDI動作時に像ずらしを生じるようにした場合の、センサSから出力される信号の周波数レスポンスを例示するグラフである。図5においては、水晶のOLPFのカットオフ周波数特性をセンサSのナイキスト周波数と一致させた例が示されている。複数段の露光動作からなる一連のTDI動作が行われる際に2画素分の像ずらし量を生じるようにした場合(以下ではこれを単に2画素ずらしと称する)と水晶のOLPFを用いた場合とでレスポンスを比較すると、2画素ずらしによって得られるレスポンスは、中〜高空間周波数の領域でレスポンスの低下が大きい。つまり、2画素ずらしをした場合には、センサSで走査して得られる画像は水晶のOLPFを用いた場合に比してややぼけたように感じられる可能性がある。
そこで、1.5画素ずらしとすると、レスポンスは図5に示されるように水晶のOLPFを用いた場合とほぼ一致する。ところで、図5には折り返し成分によるモアレの発生量も示されている。図5より、水晶のOLPFを用いた場合のモアレ発生量に比して1.5画素ずらしとした場合のモアレ発生量が大幅に減じられていることが分かる。つまり、水晶のOLPFを用いた場合のモアレ発生量と同等のモアレ発生が許容できる場合には、レスポンスをさらに向上させることが可能となり、センサSで走査して得られる画像の鮮鋭度を向上させることが可能となる。このとき、走査対象物に応じて主走査方向の像ずらし量および副走査方向の像ずらし量を変えることも可能である。つまり、モアレ発生量が少ない場合には像ずらし量を減じて得られる画像の鮮鋭度を増すことが可能となる。また、走査対象物に応じて主走査方向の像ずらし量と副走査方向の像ずらし量とが互いに異なるようにすることも可能である。さらに、主走査方向および副走査方向のうち、いずれか一方の方向にのみ像ずれを生じるようにすることも可能である。
以上では、一連のTDI動作中に主走査方向に沿ってラインセンサと読み取り対象物の像とを相対的にずらすことにより主走査方向に像ずれを生じさせ、副走査速度と電荷転送速度とが一致しないようにすることにより副走査方向に像ずれを生じさせる例について説明した。以下では、上記のようにして像ずれを生じさせることを、「並進によって像ずれを生じさせる」と称する。
続いて図6を参照し、ラインセンサの配列方向が副走査方向に対して傾いた状態とすることにより主走査方向、副走査方向に像ずれを生じさせる例について説明する。図6(a)には、TDI方式のセンサSを、その受光面に直交する向き(図6の紙面に直交する向き)に延在する軸回りに回転させ、ラインセンサL1、L2、…、L5の配列方向(主走査方向)が、副走査方向を基準として傾き角α(°)でもって傾けられる様子が示されている。本明細書では、上記のようにして副走査方向を基準としてラインセンサの配列方向に対して与える傾き角αをアジマス角と称する。また、このようにセンサSを副走査方向に対して傾斜させることを本明細書では「アジマス角を与える」と称する。アジマス角αが90°のとき、副走査方向に対してラインセンサの配列方向は直交する。図6(a)においてθ(°)は、アジマス角αから90°を引いた角度である。つまり、アジマス角αが90°のとき、θは0°となる。
図6(a)に示される例において、センサSは5本のラインセンサL1〜L5を有する。これらのラインセンサL1〜L5の配設ピッチpyおよびTDI動作をする際の段数とアジマス角α、副走査速度V、電荷転送速度Tによって、像ずれ量は決まる。上記TDI動作をする際の段数について補足説明すると、TDI動作に際して常に全部のラインセンサL1〜L5が用いられる訳ではない。例えば2本のラインセンサL1、L2が用いられる場合にはTDI動作をする際の段数は2段となる。所望の像ずれ量を生じさせるための方法としては、並進によるものであっても良いし、センサSにアジマス角を与えることによっても良いし、両方によるものであっても良い。
ここで図6(b)、図6(c)を参照して、一連のTDI動作に際して所望の像ずれ量が得られるようにするための方法について説明する。図6(b)は、ラインセンサL1、L2を部分的に拡大した様子を示す。図6(c)は、電荷転送が行われる向きおよび速度Tと、副走査方向および副走査速度Vとをベクトル線図で表したものである。
TDIセンサで露光量を調節するために、TDI動作に係るラインセンサの本数、つまりTDI段数を変化させることが行われる。例えば、128本のラインセンサを有するTDIセンサでは、読み取り対象物の像の明るさに応じて64段、100段、125段、などというようにTDI段数が決められる。読み取り対象物の像の明るさは、専用のセンサ、例えばフォトダイオード等で計測することも可能であるし、TDIセンサで予備スキャンを行って得られる信号から計測することも可能である。
今、n段からなる一連のTDI動作を行うとして、その際に2画素分の像ずれを得ようとした場合、1段ごとに2/(n−1)画素分の像ずれ量を生じさせればよい。なお、図6(b)には、アジマス角を与えることに加えて、並進による主走査方向の像ずれ量が与えられる例が示されており、並進によって1段あたり距離qだけ主走査方向に像ずれ量が与えられる例が示されている。
n段からなる一連のTDI動作で1.5画素の像ずれ量を生じさせると、図5を参照して説明したようにカットオフ周波数をセンサSのナイキスト周波数とした場合の水晶フィルタとほぼ同等の特性を得ることができる。そこで、n段からなる一連のTDI動作で主走査方向および副走査方向のそれぞれに1.5画素分の像ずれ量が得られるようにする場合を例に以下の説明を行う。つまり、1段あたりの像ずれ量の目標値は、
主走査方向 : 1.5×px/(n−1)、
副走査方向 : 1.5×py/(n−1)
となる。
主走査方向 : 1.5×px/(n−1)、
副走査方向 : 1.5×py/(n−1)
となる。
図6に示されるように、各ラインセンサを構成する画素の主走査方向の配列ピッチはpxで、各ラインセンサ間の配列ピッチ(ラインピッチ)はpyである。また、副走査速度はV、電荷転送速度はTであるものとする。
センサSにアジマス角αが与えられることにより生じる、主走査方向に沿う1段あたりの像ずれ量を考える。主走査方向には、V×sin θの速度で像ずれを生じる。そこで、TDI動作1段あたりの所要時間、すなわちラインレートをV×sin θに乗じると、この像ずれ量が求められる。ラインレートはラインピッチpyを電荷転送速度Tで除して得られるので、この像ずれ量はV×sin θ×py/Tとなる。これに並進による主走査方向の1段あたりの像ずれ量qを加え、1段あたりの主走査方向の像ずれ量、
1.5×px/(n−1)=V×sin θ×py/T+q … 式(1)
を満足するように、並進による主走査方向の像ずらし量q、アジマス角α(θ=α−90)、電荷転送速度Tを決めれば良い。
1.5×px/(n−1)=V×sin θ×py/T+q … 式(1)
を満足するように、並進による主走査方向の像ずらし量q、アジマス角α(θ=α−90)、電荷転送速度Tを決めれば良い。
次に、副走査方向に沿うTDI動作1段あたりの像ずれ量について考える。副走査方向には、T−V×cos θの速度で像ずれを生じる。これにラインレートを乗じ、TDI動作1段あたりの副走査方向に沿う像ずれ量は(T−V×cos θ)×py/T
=py×(1−cos θ×V/T)となる。したがって、1段あたりの副走査方向の像ずれ量、
1.5×py/(n−1)=py×(1−cos θ×V/T) … 式(2)
を満足するようにアジマス角α(θ=α−90)、電荷転送速度Tを決めれば良い。なお、これらの主走査方向および副走査方向の、両方向に沿う1段あたりの像ずれ量を満足する条件を上記式(1)および式(2)を用いて導出する必要がある。これに対しては、互いに独立して変更可能なパラメータが二つ以上あれば、上記のように主走査方向、副走査方向双方に沿う1段あたりの像ずれ量を満足する条件を導出することは容易である。
=py×(1−cos θ×V/T)となる。したがって、1段あたりの副走査方向の像ずれ量、
1.5×py/(n−1)=py×(1−cos θ×V/T) … 式(2)
を満足するようにアジマス角α(θ=α−90)、電荷転送速度Tを決めれば良い。なお、これらの主走査方向および副走査方向の、両方向に沿う1段あたりの像ずれ量を満足する条件を上記式(1)および式(2)を用いて導出する必要がある。これに対しては、互いに独立して変更可能なパラメータが二つ以上あれば、上記のように主走査方向、副走査方向双方に沿う1段あたりの像ずれ量を満足する条件を導出することは容易である。
以上では並進によって像ずれを生じさせることとアジマス角を与えることによって像ずれを生じさせることの双方を用いて主走査方向および副走査方向の双方に沿う像ずれをもたらす例について説明したが、並進のみによって像ずれを生じさせることも可能である。その場合、上記式(1)、式(2)においてθ=0(α=90)とすれば良く、式(1)、式(2)に代えて以下の式(3)、式(4)
q=1.5×px/(n−1) … 式(3)
T=(n−1)×V/(n−2.5) … 式(4)
を満足するようにすればよい。
q=1.5×px/(n−1) … 式(3)
T=(n−1)×V/(n−2.5) … 式(4)
を満足するようにすればよい。
また、並進による主走査方向の1段あたりの像ずれ量qは0として、アジマス角αと電荷転送速度Tとを変えることによって主走査方向、副走査方向双方に沿う1段あたりの像ずれ量を満足する条件を導出することも可能である。
− 第1の実施の形態 −
図7は、本発明の画像入力装置を顕微鏡に組み込む例を説明する図である。図7において、紙面に沿う左右方向にY軸をとり、紙面に沿う上下方向にZ軸をとる。また、図7の紙面に直交する方向にX軸をとる。以下の説明において、これらのX軸、Y軸、Z軸に沿う方向をそれぞれX方向、Y方向、Z方向と称する。また、これらの座標軸に沿って、座標値の増す方向をそれぞれ+X方向、+Y方向、+Z方向と称し、同じく座標値の減少する方向をそれぞれ−X方向、−Y方向、−Z方向と称する。さらに、Z軸回りの回転方向をθz方向と称し、原点側から見てZ軸回りの時計回りの回転方向を+θz方向、反時計回りの回転方向を−θz方向と称する。
図7は、本発明の画像入力装置を顕微鏡に組み込む例を説明する図である。図7において、紙面に沿う左右方向にY軸をとり、紙面に沿う上下方向にZ軸をとる。また、図7の紙面に直交する方向にX軸をとる。以下の説明において、これらのX軸、Y軸、Z軸に沿う方向をそれぞれX方向、Y方向、Z方向と称する。また、これらの座標軸に沿って、座標値の増す方向をそれぞれ+X方向、+Y方向、+Z方向と称し、同じく座標値の減少する方向をそれぞれ−X方向、−Y方向、−Z方向と称する。さらに、Z軸回りの回転方向をθz方向と称し、原点側から見てZ軸回りの時計回りの回転方向を+θz方向、反時計回りの回転方向を−θz方向と称する。
顕微鏡700は、本体部702と、フォーカス駆動部704と、光源706、728と、透過照明光学ユニット708と、ベース710と、Xステージ駆動装置712と、X駆動部714と、Xステージ716と、Yステージ718と、Yステージ駆動装置720と、Y駆動部722と、対物レンズ725と、レボルバ724と、落射照明光学ユニット726と、光路切替ユニット730と、接眼レンズ732と、画像入力ユニット736と、θz駆動部738と、θz駆動装置740と、鏡筒接続部742と、制御部800とを有する。
ベース710上にXステージ716が配設される。このXステージ716は、X方向に沿って移動可能に構成される。ベース710にはまた、X駆動部714とXステージ駆動装置712とが配設される。Xステージ駆動装置712は、例えばマイクロメータヘッド様の機構を用いて、回転運動を直線運動に変換する構成を有するものとすることが可能である。その場合、X駆動部714は回転軸を有するモータとすることが可能である。つまり、X駆動部714を正転あるいは逆転駆動することにより、Xステージ駆動装置712を介してXステージ716を+X方向あるいは−X方向に駆動することが可能となる。
Xステージ716上にYステージ718が配設される。このYステージ718は、Y方向に沿って移動可能に構成される。Xステージ716にはまた、Y駆動部722とYステージ駆動装置720とが配設される。Yステージ駆動装置720もまた、Xステージ駆動装置712と同様に、マイクロメータヘッド様の機構を用いて、回転運動を直線運動に変換する構成を有するものとすることが可能である。その場合、Y駆動部722は回転軸を有するモータとすることが可能である。そして、Y駆動部722を正転あるいは逆転駆動することにより、Yステージ駆動装置720を介してYステージ718を+Y方向あるいは−Y方向に駆動することが可能となる。
上述したX駆動部714、Xステージ駆動装置712、Y駆動部722、Yステージ駆動装置720に代わるものとしては、超音波アクチュエータや静電アクチュエータ等を用いることも可能である。また、上記Xステージ716およびYステージ718には、必要に応じてエンコーダ等の位置検出装置や原点検出用のスイッチ等を設けることが可能である。
ベース710は、本体部702内に設けられたフォーカス駆動部704によって駆動されて+Z方向または−Z方向に移動可能に構成される。本体部702には、回転軸O回りに回転可能に構成されるレボルバ724が取り付けられる。このレボルバ724には、複数の対物レンズ725が着脱可能に取り付けられる。フォーカス駆動部704は、ベース710をZ方向に沿って駆動することにより、Yステージに載置されるプレパラート等の試料Spcと対物レンズ725との距離を変えて焦点調節をすることが可能に構成される。フォーカス駆動部704には、必要に応じてエンコーダ等の位置検出装置や原点検出用のスイッチ等を設けることが可能である。
本体部702内に組み込まれた落射照明光学ユニット726は、光源728から出射された光を集光し、対物レンズ725の光路上に設けられたビームスプリッタを介して対物レンズ725の光路上に導く。この光は対物レンズ725を介して試料Spcの表面に到達し、試料Spcを照明する。
本体部702にはまた、ベース710の下方に透過照明光学ユニット708が設けられる。この透過照明光学ユニット708は、光源706から出射された光を集光して対物レンズ725の光路上に導き、試料Spcをその背面側から照明する。上述した光源706、728は、観察対象の試料Spcの種類に対応して、すなわち試料Spcが光を透過可能なものであるか否か等に応じていずれかを発光させることができる。あるいは、光源706、728の両方を発光させ、その際に光量比を適宜調節することも可能である。
ベース710、Xステージ716、Yステージ718には透過照明光学ユニット708から出射される照明光が試料Spcの背面に到達するのを可能とする開口部が設けられる。Yステージ718に設けられた開口部には、必要に応じてガラス等の透明基板で構成される部材が設置され、試料Spcを支持可能に構成される。
光路切替ユニット730は、対物レンズ725によって形成される試料Spcの像を接眼レンズ732または画像入力ユニット736に導く。光路切替ユニット730の上部には、中空円筒状の鏡筒接続部742を介して画像入力ユニット736が配設される。鏡筒接続部742は、対物レンズ725の光軸回りに相対回転可能に接続される上部円筒部742Uおよび下部円筒部742Lを有して構成される。上部円筒部742Uに画像入力ユニット736が接続され、下部円筒部742Lが光路切替ユニット730に接続されることにより、光路切替ユニット730に対して画像入力ユニット736を対物レンズ725の光軸回りに回転可能に構成される。
光路切替ユニット730の上部には、θz駆動部738およびθz駆動装置740が設けられる。θz駆動装置740は一例として、鏡筒接続部742の上部円筒部742Uの外周部に設けられたウォームホイールと、θz駆動部738としてのモータの回転軸に取り付けられて上記ウォームホイールと噛合するウォームギヤとで構成される。θz駆動部738を正転または逆転することにより、画像入力ユニット736を+θz方向または−θz方向に回転させることが可能となる。
上記θz駆動部738およびθz駆動装置740としては、上述した構成の他に超音波アクチュエータや静電アクチュエータ等を用いることも可能である。上記鏡筒接続部742、θz駆動装置740またはθz駆動部738に、θz方向の原点位置や回転角度を検出可能なスイッチやエンコーダ等が設けられていても良い。
図8は、制御部800の内部構成を概略的に示すブロック図である。制御部800は、CPU802と、ROM804と、RAM806と、画像記録部808と、CCDコントローラ812と、モータドライバ814と、DSP(デジタル信号処理装置)816と、アナログ・フロントエンド818とを有し、これらの要素がシステムバス810を介して電気的に接続される。制御部800はさらに、LPF設定部820と、表示制御部822と、表示部824と、像ずらし制御部826と、露光量制御部828とを備える。
センサSは、TDI動作が可能な複数のラインセンサを有するCCDである。各ラインセンサは、複数の画素が主走査方向に配列されて構成される。ここで、センサSは、いわゆるモノクロセンサであってもよいし、各ラインセンサ上に複数色のカラーフィルタが設けられていてもよい。センサSがモノクロセンサである場合には、光源の色を適宜切り替えながら走査を繰り返すことによりカラー画像の入力が可能となる。各ラインセンサ上に複数色のカラーフィルタが設けられる場合、カラーフィルタの配設方法は以下で説明するように様々である。
一例としては、ラインセンサが副走査方向に例えば60本設けられていて、最初の20本のラインセンサ上には青(B)色のカラーフィルタが設けられ、次の20本のラインセンサ上には緑(G)色のカラーフィルタが設けられ、残る20本のラインセンサ上には赤(R)色のカラーフィルタが設けられたものとすることが可能である。その場合、B、G、Rの各色で最大20段のTDI動作が行われ、画像入力が行われる。
センサSの別例としては、複数設けられる各ラインセンサ内で主走査方向に配列される複数の画素(光電変換部)上にオンチップカラーフィルタが、例えばB、G、R、B、G、R、…の順にモザイク状に配列されたものとすることが可能である。この場合、複数のラインセンサ上の同じ画素位置には同じ色のオンチップカラーフィルタが設けられる。つまり、上述したオンチップカラーフィルタの配列例では、各ラインセンサの先頭の画素(主走査が開始される画素)には全てB色のオンチップカラーフィルタが設けられる。例えば1段目の蓄積動作によってB色のオンチップカラーフィルタが設けられた画素で得られた電荷は、同じくB色のオンチップカラーフィルタが設けられた隣の画素に転送され、後続する蓄積動作が行われる。本明細書においてセンサSは、オンチップカラーフィルタが上記のようにモザイク状に配列されたものとして説明をする。
CCDコントローラ812は、センサSで行われる蓄積動作、電荷の転送動作、TDI動作を行う際の段数を制御する。アナログ・フロントエンド818は、センサSから出力されるアナログ画像信号に相関二重サンプリング、増幅、A/D変換等の処理をしてデジタル画像信号を生成し、そのデジタル画像信号をDSP816に順次出力する。
DSP816は、アナログ・フロントエンド818から出力される一次元の画像信号をRAM806内に設けられるバッファエリアに一時的に記録し、デモザイク処理(補間処理)、カラーバランス、トーン補正等の処理をした後、画像記録部808に記録する。
CPU802は、顕微鏡700における画像入力動作を統括的に制御する。ROM804はフラッシュメモリ等で構成され、CPU802が顕微鏡700における画像入力動作を制御する動作をするためのプログラムや制御パラメータ等が記憶される。RAM806には、ROM804内のプログラムや制御パラメータ等が一時的に記憶されて、CPU802はRAM806に記憶されるプログラムを読み出し、実行する。RAM806はまた、バッファメモリとしても用いられ、システムバス810を介してCPU802、DSP816、表示制御部822からアクセス可能に構成される。
表示制御部822は、RAM806に一時的に記憶されている画像データに基づき、表示用画像信号を生成して表示部824に出力する。表示部824は、表示制御部822から出力された表示用画像信号に基づき、画像を表示する。表示部824はまた、ユーザインターフェースとして用いることも可能であり、その場合には各種の情報等が表示部824に表示される。顕微鏡700のユーザは、その情報をもとに様々な判定や設定等を行うことが可能となる。
モータドライバ814は、CPU802から出力される制御信号に基づいてフォーカス駆動部704、X駆動部714、Y駆動部722、θz駆動部738に電力を供給して駆動する。LPF設定部820は、画像入力ユニット736で画像入力を行う際に、どの程度のローパスフィルタ特性を適用するかを設定可能に構成される。つまり、入力対象の画像がモアレを生じにくいものである場合にはローパスフィルタを全く適用しないようにすることができる。あるいは、入力対象の画像のモアレ発生の状況に応じて、図5を参照して先に説明したようなローパスフィルタ特性がもたらされるようにすることができる。
LPF設定部820で設定されるローパスフィルタ特性は、自動的に設定されても、ユーザによりマニュアル設定されてもよい。以下、ローパスフィルタ特性が自動設定される例、マニュアル設定される例、それぞれについて説明する。
ローパスフィルタ特性が自動的に設定される場合には、画像入力ユニット736でプリスキャン動作が行われて得られた画像がLPF設定部820で解析される。例えば二次元フーリエ変換の技術を用いて画像のフーリエスペクトルを求め、画像中にモアレを生じやすい空間周波数成分が含まれているか否かを解析可能である。あるいは、二次元フーリエ変換した結果から、画像中にモアレを生じているか否かの判定をすることも可能である。この解析結果をもとに、LPF設定部820は本スキャンを行う際のローパスフィルタ特性を決定する。
マニュアル設定により、ローパスフィルタ特性をユーザが設定可能に構成される場合、プリスキャンによって得られた画像が表示部824に表示される。ユーザはこの画像を観察して、モアレ発生の有無、モアレ発生の場合にはその程度を判定することができる。ユーザは、LPF設定部820を操作して、本スキャンを行う際のローパスフィルタ特性を決定する。
露光量制御部828は、プリスキャン動作で得られた画像をもとに、本スキャンを行う際の露光量を決定する。例えば、露光量制御部828はプリスキャン動作で得られた画像の画素値を解析し、ヒストグラムを作成する。そのヒストグラムから露光量制御部828は露光量を決定し、本スキャンを行う際の段数を決定する。例えばセンサSが128個のラインセンサを有していて露光量を半分にする必要がある場合には、TDI動作で蓄積動作させるラインセンサの数(以下ではこれを蓄積段数と称する)を64あるいはそれに近い数とする。
像ずらし制御部826は、LPF設定部820で設定されたローパスフィルタ特性に基づき、本スキャンでTDI動作を行う際の主走査方向および副走査方向それぞれの像ずれ量を決定する。このとき決定される像ずれ量は、プリスキャンによって得られた画像の解析結果に基づき、主走査方向および副走査方向で互いに同じであっても異なっていてもよい。また、主走査方向および副走査方向のうちのいずれかのみに像ずれが生じるように像ずれ量を決定することもできる。
このとき像ずらし制御部826はさらに、上記のようにして決定した主走査方向、副走査方向それぞれの像ずれ量と、露光量制御部828で決定された蓄積段数とに基づき、一連のTDI動作における蓄積動作1段あたりの像ずれ量、すなわち単位像ずれ量を求める。なお、本実施の形態においては、並進による像ずらしによっても、アジマス角度を与えることによる像ずらしによっても、主走査方向、副走査方向の双方に対して所望の像ずれ量を生じるようにすることが可能である。
以上のようにして求められた蓄積動作1段あたりの像ずれ量に基づき、像ずらし制御部826は本スキャン中にモータドライバ814に制御信号を発する。その制御信号に基づき、X駆動部714、Y駆動部722およびθz駆動部738のうちの少なくともいずれかが動作し、一連のTDI動作中に所望の像ずれ量を得ることが可能となる。
上述したLPF設定部820、露光量制御部828、像ずらし制御部826は、専用のハードウェアロジック回路を用いても良いし、ROM804内に記憶されるプログラムをCPU802が実行することによって構成されていてもよい。
図9は、顕微鏡700で画像入力が行われる際に制御部800で実行される画像入力処理手順を説明する概略フローチャートである。図9に示される処理は、Yステージ718上に載置された試料Spcの画像入力指示が発せられたときに実行が開始される。以下の説明では、ローパスフィルタ特性がCPU802によって自動的に設定される例について説明する。しかし、先にも説明したように、ユーザによる手動設定を受付可能に構成されていてもよい。
S900においてCPU802は、フォーカス駆動部704を制御して焦点調節を行う。
S902においてCPU802は、Xステージ716、Yステージ718をスタート位置に移動させる。つまり、対物レンズ725の視野が試料Spcの端、例えばコーナ部に位置するようにCPU802はXステージ716およびYステージ718の位置を制御する。
(後に説明する)δmとδvがともに0となるように像ずらし制御部826を動作させる。
S902においてCPU802は、Xステージ716、Yステージ718をスタート位置に移動させる。つまり、対物レンズ725の視野が試料Spcの端、例えばコーナ部に位置するようにCPU802はXステージ716およびYステージ718の位置を制御する。
(後に説明する)δmとδvがともに0となるように像ずらし制御部826を動作させる。
S904においてCPU802は、プリスキャンを行う。このプリスキャン動作によって、RAM806にはプリスキャン画像データが一時的に記憶される。S906においてCPU802は、上記プリスキャン画像データを解析し、本スキャンに際しての蓄積段数Nを決定する。なお、蓄積段数を変えるのに代えて、蓄積段数は常に一定とし、光源728、706の光量を変化させるようにしてもよい。
S908においてCPU802は、プリスキャン画像を解析し、プリスキャン画像がモアレの原因となるような空間周波数成分を含むか否かを判定する。S910においてCPU802は、S908でのプリスキャン画像の解析結果をもとに、適用するべきローパスフィルタ特性を決定し、そのローパスフィルタ特性に基づいて像ずれ量を決定する。つまり、CPU802は、1ライン分の走査対象の像に対して行われる一連のTDI動作において、最初の蓄積動作を行うラインセンサ(第1番目のラインセンサ)で蓄積動作が行われてから最後の蓄積動作を行うラインセンサ(蓄積段数をN段としたとき、第N番目のラインセンサ)で蓄積動作が行われるまでの間に得られる主走査方向、副走査方向それぞれの像ずれ量Δm、Δvを決定する。
S912においてCPU802は、一連のTDI動作における蓄積動作1段あたりの主走査方向、副走査方向それぞれの像ずれ量(単位像ずれ量)δm、δvを、以下の式、
主走査方向の単位像ずれ量: δm=Δm/(N−1)
副走査方向の単位像ずれ量: δv=Δv/(N−1)
を用いて求める。
主走査方向の単位像ずれ量: δm=Δm/(N−1)
副走査方向の単位像ずれ量: δv=Δv/(N−1)
を用いて求める。
S914においてCPU802は、S906で決定された蓄積段数NとS912で決定された主走査方向、副走査方向の単位像ずれ量δm、δvが得られるように像ずらし制御部826を通して制御を行った後に、本スキャンを実行する。S916においてCPU802は、画像データ生成処理を実行するようにDSP816に対して制御信号を発する。CPU802からの制御信号を受けたDSP816は、アナログ・フロントエンド818から出力されるデジタル画像信号を随時処理して画像データを生成し、RAM808上に一時的に記憶する。
S918においてCPU802は、RAM808上に記憶された画像データを画像記録部808に記録して一連の画像入力動作を完了する。ところで、顕微鏡700は、上述のように画像入力を終えた試料Spcを自動的に搬送して新たな試料SpcをYステージ718上に載置可能な構成(オートローダ)を有していてもよい。その場合、CPU802はオートローダに対して試料Spcを切り替えるように制御信号を発し、S900からの処理を繰り返し行う。
ここで図10を参照し、主走査方向の像ずれを並進によってもたらす場合の画像入力動作(走査動作)について説明する。図10は、試料Spcとしてのプレパラートを示す図であり、(a)はプレパラート全体を、(b)はプレパラート中の観察対象部分を拡大して示す図である。
顕微鏡700で試料Spcの拡大像を得る場合、対物レンズ725の倍率が高いと、その視野は非常に狭くなる。加えて、センサSの受光エリアは矩形状であるため、対物レンズ725とセンサSとの組み合わせで得られる視野は小さな矩形状のエリアとなる。本明細書中において、対物レンズ725とセンサSの受光エリアとの組み合わせで得られる視野を走査視野と称する。図10(a)、(b)には、走査視野が符号Fの付された矩形で示されている。倍率の高い対物レンズ725を用いて画像入力を行う際には、あたかも走査視野Fが試料Spcの上をつづら折りの経路に沿って移動して走査するかのようにXステージ716およびYステージ718を移動させる。図7に示される顕微鏡700では、実際には走査視野Fが固定されていて、それに対して走査対象の像(観察対象部分)が移動するのであるが、以下では走査視野Fがあたかも観察対象部分上を移動するかのように説明をする。
並進によって主走査方向に像ずれが生じるようにすると、図10(b)に示されるように走査視野Fはあたかも副走査方向に対して斜行するかのような経路に沿って移動することになる。画像入力対象の範囲(以下では単に走査対象範囲と称する)が長方形または正方形である場合、上述した走査視野Fの斜行があると、走査範囲から外れる部分を生じる。そのような場合には、図10(b)に示されるように副走査回数(つづら折りの回数)を必要に応じて増やして走査対象範囲を網羅するようにすることが可能である。その上で、走査対象範囲外の画像は切り取り、最終的に矩形の輪郭を有する画像を得ることが可能となる。
図11(a)、図11(b)は、主走査方向の像ずれを並進によってもたらす場合の走査動作の別例を概念的に示す図である。図11(a)に示されるように、走査視野Fの主走査方向の寸法よりも短い読み取り幅Wを予め定める。そして、走査視野Fの主走査方向の一端E1が、読み取り幅Wを規定する一組の平行線の一方L1にほぼ一致する状態から走査を開始する。その後副走査が行われるにつれて、主走査方向の像ずれによって、走査視野Fの主走査方向の他端E2が、読み取り幅Wを規定する一組の平行線の他方L2にほぼ一致する状態に達する。その時点で主走査方向に沿う像ずれの方向を反転させる。そして再び、視野Fの主走査方向の一端E1が、読み取り幅Wを規定する一組の平行線の一方L1にほぼ一致する状態に近づく。これを繰り返し、図11(b)に示されるように走査視野Fのつづら折り状の移動に蛇行を重畳させて走査を行う。
DSP816は、アナログ・フロントエンド818から出力されるデジタル画像信号中から読み取り幅Wに対応する部分を切り出し、1回の副走査に対応して読み取り幅Wの画像を生成する。そして走査対象範囲上を走査視野Fがつづら折り状に移動して得られる画像を合成し、二次元の画像を生成することが可能となる。
θz駆動装置740を用いてセンサSにアジマス角αを与えて画像ずらしを行う場合、図6を参照して説明したようにラインセンサは副走査方向に対して角度θ(θ=α−90°)だけ傾斜するので主走査方向の寸法(主走査方向の読み取り幅)は減少する。この主走査方向の読み取り幅の減少に対応しては図12(a)に示されるように副走査回数を増せばよい。
ところで、センサSにアジマス角αを与えると、1回の主走査でセンサSによって走査される線状の領域は副走査方向に対して傾斜する。これについて図12(b)を参照して説明する。センサSにアジマス角αが与えられて副走査が行われると、1回の主走査で読み取られる領域は、副走査方向に対して角度αだけ傾斜する。その結果、読取幅Wの一端側に位置する画素pix1で読み取られる像の副走査方向の位置に対して、読取幅Wの他端側に位置する画素pix2で読み取られる像の副走査方向の位置は、ずれを生じる。
一方、二次元の画像に対して後で様々な処理をする上では、二次元の画像を構成する画素が、副走査方向と、副走査方向に直交する方向とに沿うように二次元配列されていることが望ましい。そこで、DSP816は、センサSで設定されるアジマス角αに関連する情報を像ずらし制御部826から入力する。そしてDSP816は、アナログ・フロントエンド818から出力される画像信号をもとに二次元の画像データを構築する際に、上記アジマス角αに関連する情報に基づき、幾何変換処理等の公知の画像処理を施して、画素の再配列の処理を行うことができる。
以上、本発明の第1の実施の形態によれば、個々の走査対象物に対応してローパスフィルタ特性を変化させることが可能であり、これによって個々の走査対象物に対応して最適のローパスフィルタ特性を適用することが可能となる。このとき、主走査方向および副走査方向のそれぞれに沿う像ずれ量を独立して制御することも可能で、画像入力して得られる画像中のモアレを効果的に抑制しつつ、画像の鮮鋭度を最大限に高めることが可能となる。
− 第2の実施の形態 −
図13は、本発明の画像入力装置をカメラに組み込む例を説明する図である。図13に示されるカメラ1300は、いわゆるビューカメラであり、レンズボード1304を介して撮影レンズ1302が装着されている。撮影レンズ1302の結像面側にデジタルバック1400が装着される。デジタルバック1400内には、後述するように複数のラインセンサを有するTDI式の一次元イメージセンサが組み込まれている。この一次元イメージセンサを副走査方向に走査させることにより二次元の画像入力が可能となり、カメラ1300とデジタルバック1400とによってラインスキャン型カメラが構成される。
図13は、本発明の画像入力装置をカメラに組み込む例を説明する図である。図13に示されるカメラ1300は、いわゆるビューカメラであり、レンズボード1304を介して撮影レンズ1302が装着されている。撮影レンズ1302の結像面側にデジタルバック1400が装着される。デジタルバック1400内には、後述するように複数のラインセンサを有するTDI式の一次元イメージセンサが組み込まれている。この一次元イメージセンサを副走査方向に走査させることにより二次元の画像入力が可能となり、カメラ1300とデジタルバック1400とによってラインスキャン型カメラが構成される。
図14は、デジタルバック1400の内部構成を概略的に示す図であり、カバーを取り外して撮影レンズ1302の側から見た様子を示す平面図である。デジタルバック1400は、コネクタ1402、制御基板1424、走査ユニット1414、モータ1426、駆動軸1428、レール1406、1408等を筐体1404内に収容して構成される。
走査ユニット1414のベース1416には、主走査方向に複数の画素が配列されてなるラインセンサを複数有するTDI駆動可能なセンサSが、図14の紙面に直交する方向に延在する軸Oを中心として回動可能に取り付けられている。センサSの主走査方向に沿う一端にはピン1440が立設され、ベース1416上にはピン1440の近傍にピン1438が立設される。これら二本のピン1438、1440の間にコイルバネ1436が掛け渡されている。コイルバネ1436の張力により、センサSには図14の紙面に向かって見て時計回り方向の回動力が付与される。
ベース1416上には、センサSの上記時計回り方向の回動を阻止する位置にθz駆動部1418が設けられる。θz駆動部1418は、例えば回転軸を有するモータと、回転軸の回転を直線運動に変換するねじ機構とを有して構成される。モータを正転あるいは逆転させることにより上記ねじ機構が伸張あるいは縮退し、センサSに対して任意のアジマス角を付与可能に構成される。
ベース1416の、主走査方向に沿う両端にはそれぞれ支持部1412が二つずつ設けられ、それらの支持部1412のそれぞれにローラ1410が回転自在に取り付けられる。ローラ1410外周の転動面はV字型の断面をなしている。筐体1404の内面に二本のレール1406、1408が互いに平行に、対向しあうように取り付けられており、ローラ1410外周の上記転動面はこれらのレール1408、1406と係合する。
筐体1404に軸受け1430、1432が設けられており、それらの軸受け1430、1432に嵌合して回転自在に支持される駆動軸1428が組み込まれる。駆動軸1428の外周面には雄ねじが切られている。ベース1416には、駆動軸1428の雄ねじと螺合する雌ねじ1434が設けられている。
筐体1404にモータ1426が固定され、このモータ1426の回転軸と駆動軸1428とが軸継手1442によって連結されている。モータ1426を正転あるいは逆転させることにより、駆動軸1428も同様に回転する。駆動軸1428と雌ねじ1434とがねじ対偶をなしていることにより、駆動軸1428の回転運動が雌ねじ1434によって副走査方向の直線運動に変換され、これによって走査ユニット1414を副走査方向に沿って移動させることができる。
制御基板1424には、制御部1422が設けられる。制御部1422は、第1の実施の形態で図8を参照して説明した制御部800と同様の内部構成を有するのでその説明を省略する。制御基板1424と走査ユニット1414とはフレキシブルプリント基板(FPC)1420を介して電気的に接続されている。制御基板1424とモータ1426とは、リード線1444を介して電気的に接続されている。
撮影レンズ1302によってデジタルバック1400の開口部Ap近傍に形成される被写体像は、走査ユニット1414が上述したように副走査方向に沿って移動する際にセンサSによって走査され、2次元の画像データが生成される。なお、上記走査が行われる際、撮影レンズ1302の中に組み込まれるレンズシャッタは開放状態に維持される。つまり、露光量は、撮影レンズ1302の絞りとセンサSで走査が行われる際の蓄積段数とによって調節される。
コネクタ1402は、外部電源装置、コンピュータ、あるいは外部ストレージ装置などとデジタルバック1400とを接続する際に用いられる。デジタルバック1400にコンピュータが接続される場合、プリスキャンによって得られた画像をコンピュータの表示部に表示することができる。ユーザはその画像を見て適用すべきローパスフィルタ特性を決定することが可能である。あるいは、プリスキャンによって得られた画像が、制御部1422やコンピュータ内部で実行されるプログラムによって解析され、その結果に基づいてローパスフィルタ特性が決定されてもよい。そして、決定されたローパスフィルタ特性と、被写体像の明るさに基づいて決定されたセンサSの蓄積段数とから蓄積動作1段あたりの像ずれ量(単位像ずれ量)を求めるようにすることが可能である。その後は第1の実施の形態で説明したのと同様の方法によって本スキャンが行われ、二次元画像データが生成される。
第2の実施の形態において、第1の実施の形態の顕微鏡700に組み込まれる画像入力装置と構成が大きく異なるのは、デジタルバック1400が並進による主走査方向の像ずれを可能とする構成を有していない点である。したがって、制御部1422は、θz駆動部1418を制御してセンサSに与えるアジマス角を調節し、主走査方向の像ずれをもたらす。
以上、本発明の第2の実施の形態によれば、被写体に対応してローパスフィルタ特性を変化させることが可能であり、これによって個々の被写体に対応して最適のローパスフィルタ特性を適用することが可能となる。このとき、主走査方向および副走査方向のそれぞれに沿う像ずれ量を独立して制御することも可能で、画像入力して得られる画像中のモアレを効果的に抑制しつつ、画像の鮮鋭度を最大限に高めることが可能となる。
第2の実施の形態においては、ビューカメラ1300にデジタルバック1400を装着して構成されるラインスキャン型カメラに本発明を適用する例について説明したが、ベルトコンベア状のものの上に載置される被写体を撮影するタイプのラインスキャン型カメラにも本発明を適用可能である。
この場合、副走査はベルトコンベア状のものによって被写体が搬送されることによって行われる。したがって、ラインスキャン型カメラ内にはセンサを副走査方向に移動させるための構成は不要となり、任意の角度のアジマス角を与えることの可能な構成を有していればよい。例えば、カメラユニット内に図14を参照して説明したようなθz駆動部を設けてセンサSに対して任意のアジマス角を与えることが可能に構成されたものとすることができる。あるいは、ベルトコンベア等の搬送面に直交する方向に延在する回転軸回りにカメラユニットを回動させることの可能な構成を有していてもよい。
副走査方向の像ずれを生じさせるためには、被写体の移動速度(ベルトコンベア等の搬送速度)に撮影レンズの撮影倍率を乗じて求められる被写体像の移動速度と、センサの電荷転送速度とで、所定のずれが生じるようにすればよい。
− 第3の実施の形態 −
図15は、本発明の画像入力装置をイメージスキャナとして構成する例を説明する図であり、副走査方向に沿う鉛直面で断面をとった様子を示す縦断面図である。図15において、紙面に直交する方向が主走査方向となり、紙面左右方向(図15の長手方向)が副走査方向となるように示されている。
図15は、本発明の画像入力装置をイメージスキャナとして構成する例を説明する図であり、副走査方向に沿う鉛直面で断面をとった様子を示す縦断面図である。図15において、紙面に直交する方向が主走査方向となり、紙面左右方向(図15の長手方向)が副走査方向となるように示されている。
図15では、イメージスキャナ1500として、コンタクトイメージセンサ(CIS)を用いたフラットベッド式のものである例が示されている。しかし、本発明は縮小光学系や等倍光学系等をミラー等の光路屈曲光学部材とともに備える形式のイメージスキャナにも適用可能である。また、センサが副走査方向には移動せず、代わりにドキュメントフィーダ等を用いて読み取り対象の原稿が副走査方向に移動する形式のものにも本発明は適用可能である。
イメージスキャナ1500は、コネクタ1526、制御部1522、モータ1530、走査ユニット1504、駆動軸1538、ガイドロッド1542等を筐体1502内に収容して構成される。筐体1502の上部に設けられる開口部にプラテンガラス1540が配設される。
走査ユニット1504のべース1506には、主走査方向に複数の画素が配列されてなるラインセンサを複数有するTDI駆動可能なセンサSが、図15の上下方向に沿って延在する軸Oを中心として回動可能に取り付けられている。ベース1506にはまた、θz駆動部1512が設置されている。そして、図14を参照して説明したのと同様の構成を走査ユニット1504は備えており、θz駆動部1512を駆動することによりセンサSに対して任意のアジマス角を付与することが可能に構成される。
センサSの受光部近傍にはロッドレンズアレイ等で構成される導光ユニット1514が設けられ、プラテンガラス1540上に載置された読み取り対象の原稿Docの像をセンサSの受光部に導く。
副走査方向に沿って配設されるガイドロッド1542は、筐体1502内に植設される二つの支持部材1534、1544によってその両端が支持される。ベース1506に設けられた貫通穴部がガイドロッド1542に対して滑動可能に嵌合しており、これによりガイドロッド1542は走査ユニット1504が副走査方向に沿って移動する際のガイドとして機能する。なお、図15では1本のガイドロッド1542が示されているが、ガイドロッド1542は複数設けられることが望ましい。
筐体1502に二つの軸受け1536、1546が設けられており、それらの軸受け1536、1546に嵌合して回転自在に支持される駆動軸1538が組み込まれる。駆動軸1538の外周面には雄ねじが切られている。ベース1506には、駆動軸1538の雄ねじと螺合する雌ねじ1510が設けられている。
筐体1502にモータ1530が固定され、このモータ1530の回転軸と駆動軸1538とが軸継手1532によって連結されている。モータ1530を正転あるいは逆転させることにより、駆動軸1538も同様に回転する。駆動軸1538と雌ねじ1510とがねじ対偶をなしていることにより、駆動軸1538の回転運動が雌ねじ1510によって副走査方向の直線運動に変換され、これによって走査ユニット1504を副走査方向に沿って移動させることができる。なお、駆動軸1538と雌ねじ1510との組み合わせに代えて、副走査方向に沿って離間して設けられた二つのプーリ間に掛け渡されたベルトを有してなる公知のベルト駆動機構によって走査ユニット1504を副走査方向に沿って移動させるようにしてもよい。
走査ユニット1504には、プラテンガラス1540上に載置される読み取り対象の原稿Docを照明するための光源1516と、光源1516から出射される光を反射してプラテンガラスの側に導くリフレクタ1518とが設けられる。光源1516としては、主走査方向に沿って延在する冷陰極管を用いることが可能である。あるいは、複数の発光ダイオードが主走査方向に沿って配列されたものを光源1516とすることも可能である。
センサSがいわゆるモノクロのセンサである場合、光源1516は、例えばB、G、R各色の光を順次発光可能に構成される。そして、光源1516の発光色を変えながら3回あるいはそれ以上の回数にわたってスキャンを繰り返すことによりカラー画像の入力が可能となる。あるいは、センサSは第1、第2の実施の形態でも説明したように色分解用のカラーフィルタを有していてもよい。その場合、光源1516は白色の光を出射可能に構成される。
制御部1522とコネクタ1526とは、ケーブル1524によって電気的に接続されている。走査ユニット1504の回路基板1508は、FPC1520を介して制御部1522と電気的に接続されている。モータ1530は、リード線1528を介して制御部1522と電気的に接続されている。制御部1522は、第1の実施の形態で図8を参照して説明した制御部800と同様の内部構成を有するのでその説明を省略する。
コネクタ1526を介してイメージスキャナ1500はコンピュータと接続される。コンピュータ上で実行されるドライバソフトウェアにより、イメージスキャナ1500で行われるスキャン動作が制御される。ユーザはプラテンガラス1540上に読み取り対象の原稿Docを載置し、コンピュータを操作してイメージスキャナ1500のスキャン動作開始を指示する。
読み取り対象の原稿Docの像は、走査ユニット1504が上述したように副走査方向に沿って移動する際にセンサSによって走査され、2次元の画像データが生成される。本実施の形態においても、プリスキャンおよび本スキャンが行われる。プリスキャンによって得られた画像データはコンピュータに転送され、表示装置に表示される。ユーザは表示画像を見て、イメージスキャナ1500で適用すべきローパスフィルタ特性を決定することが可能である。あるいは、プリスキャンで得られた画像をドライバソフトウェアが自動的に解析し、その解析結果に基づいて、本スキャンで最適な画像データが得られるようにイメージスキャナ1500のローパスフィルタ特性を決定するように構成されていてもよい。
本スキャンにおける露光量は一定としてもよいが、調節可能に構成されていてもよい。その場合、プリスキャンによって得られた画像データをドライバソフトウェアが解析し、決定することができる。露光量は、本スキャンに際してセンサSで操作が行われる際の蓄積段数で調節される。そして、上述のようにして決定されたローパスフィルタ特性と、プリスキャンして得られた画像の明るさに基づいて決定されたセンサSの蓄積段数とから蓄積動作1段あたりの像ずれ量(単位像ずれ量)を求めるようにすることが可能である。その後は第1の実施の形態で説明したのと同様の方法によって本スキャンが行われ、二次元画像データが生成される。
第3の実施の形態においも、第2の実施の形態と同様、イメージスキャナ1500は並進による主走査方向の像ずれを可能とする構成を有していない。したがって、制御部1522は、θz駆動部1512を制御してセンサSに与えるアジマス角を調節し、主走査方向の像ずれをもたらす。
以上、本発明の第3の実施の形態によれば、読み取り対象の原稿に対応してローパスフィルタ特性を変化させることが可能であり、これによって個々の原稿に対応して最適のローパスフィルタ特性を適用することが可能となる。このとき、主走査方向および副走査方向のそれぞれに沿う像ずれ量を独立して制御することも可能で、画像入力して得られる画像中のモアレを効果的に抑制しつつ、画像の鮮鋭度を最大限に高めることが可能となる。
以上では本発明に係る画像入力装置をスキャナに適用する例について説明したが、コピー機の画像入力部に本発明を適用することができる。ところで、コピー機においてプリスキャン、本スキャンを行うことはコピー機のスループットを向上させる上では得策ではない。そこで、コピー機に操作スイッチ等を設けて、ユーザがローパスフィルタの効き具合を任意に設定可能に構成することが可能である。例えば、通常の文書等をコピーする場合にはローパスフィルタの効きを弱めに設定することが可能である。そして、写真等をコピーする場合、それがモアレを生じやすい性質のものである場合にはユーザはローパスフィルタの効き具合を強めに設定することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能であることは勿論である。
本発明は、TDI方式のラインイメージセンサを用いて主走査方向および副走査方向に走査して二次元の画像データを生成可能な画像入力装置およびこれを備える顕微鏡用撮影装置、ラインスキャン型カメラ、スキャナ等に適用可能である。
700 … 顕微鏡
710 … ベース
712 … Xステージ駆動装置
714 … X駆動部
716 … Xステージ
718 … Yステージ
720 … Yステージ駆動装置
722 … Y駆動部
724 … レボルバ
725 … 対物レンズ
730 … 光路切替ユニット
736 … 画像入力ユニット
738、1418、1512 … θz駆動部
740 … θz駆動装置
800 … 制御部
802 … CPU
804 … ROM
806 … RAM
808 … 画像記録部
810 … システムバス
812 … CCDコントローラ
814 … モータドライバ
816 … DSP
818 … アナログ・フロントエンド
820 … LPF設定部
826 … 像ずらし制御部
1300 … カメラ
1302 … 撮影レンズ
1304 … レンズボード
1400 … デジタルバック
1402、1526 … コネクタ
1406、1408 … レール
1410 …ローラ
1414、1504 … 走査ユニット
1416、1506 … ベース
1422 … 制御部
1426、1530 … モータ
1428、1538 … 駆動軸
1500 … イメージスキャナ
1504 … 走査ユニット
1516 … 光源
1522 … 制御部
1540 … プラテンガラス
1542 … ガイドロッド
Doc … 読み取り対象の原稿
F … 走査視野
L1、L2、・・・、L10 … ラインセンサ
S … センサ(TDIセンサ)
Spc … 試料
710 … ベース
712 … Xステージ駆動装置
714 … X駆動部
716 … Xステージ
718 … Yステージ
720 … Yステージ駆動装置
722 … Y駆動部
724 … レボルバ
725 … 対物レンズ
730 … 光路切替ユニット
736 … 画像入力ユニット
738、1418、1512 … θz駆動部
740 … θz駆動装置
800 … 制御部
802 … CPU
804 … ROM
806 … RAM
808 … 画像記録部
810 … システムバス
812 … CCDコントローラ
814 … モータドライバ
816 … DSP
818 … アナログ・フロントエンド
820 … LPF設定部
826 … 像ずらし制御部
1300 … カメラ
1302 … 撮影レンズ
1304 … レンズボード
1400 … デジタルバック
1402、1526 … コネクタ
1406、1408 … レール
1410 …ローラ
1414、1504 … 走査ユニット
1416、1506 … ベース
1422 … 制御部
1426、1530 … モータ
1428、1538 … 駆動軸
1500 … イメージスキャナ
1504 … 走査ユニット
1516 … 光源
1522 … 制御部
1540 … プラテンガラス
1542 … ガイドロッド
Doc … 読み取り対象の原稿
F … 走査視野
L1、L2、・・・、L10 … ラインセンサ
S … センサ(TDIセンサ)
Spc … 試料
Claims (9)
- 主走査方向に沿って画素の配列された複数のラインセンサが前記主走査方向と略直交する方向に所定の配列間隔で平行に配列されてなるTDIセンサと、
前記ラインセンサと走査対象の像との間の副走査方向に沿う相対的な動きをもたらす動作である副走査動作を行う副走査駆動部とを有し、
前記TDIセンサによる、前記画素の配列方向に沿って前記走査対象の像を走査する動作である主走査と、前記副走査駆動部で行われる前記副走査動作とによって二次元の像の入力を可能とする画像入力装置であって、
1ライン分の走査対象の像に対して行われる一連のTDI動作において、一のタイミングで一のラインセンサによって蓄積動作が行われるときに前記一のラインセンサの読取範囲に導かれる像と、別のタイミングにおいて前記一のラインセンサと異なる別のラインセンサによって蓄積動作が行われるときに前記別のラインセンサの読取範囲に導かれる像との間で、前記主走査方向および前記副走査方向のうちの少なくともいずれかの方向に沿って像ずれを生じるように前記像と前記TDIセンサとの相対位置を制御する像ずらし制御部を有し、
前記像ずらし制御部は、前記主走査方向および前記副走査方向のうちの少なくともいずれかの方向に沿って前記像ずれの量を変化させることが可能に構成されることを特徴とする画像入力装置。 - 前記像ずらし制御部はさらに、
前記副走査方向と前記ラインセンサ上の前記画素の配列方向とでなすアジマス角、および前記ラインセンサと前記走査対象の像との前記主走査方向に沿う相対位置のうち、少なくともいずれかを変化させることにより、前記主走査方向に沿って前記像ずれの量を変化させることが可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像入力装置。 - 前記像ずらし制御部はさらに、
前記TDIセンサ中に配列される前記ラインセンサ間の前記所定の配列間隔と前記ラインセンサ間でTDI動作に伴う電荷転送が行われる際の電荷転送周波数との積として定義される電荷転送速度と、前記ラインセンサと前記走査対象の像との間の前記副走査方向に沿う相対的な動きの速度として定義される副走査速度との速度差を変化させることにより、前記副走査方向に沿って前記像ずれの量を変化させることが可能に構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の画像入力装置。 - 1ライン分の走査対象の像に対して行われる前記一連のTDI動作において、最初の蓄積動作を行うラインセンサで蓄積動作が行われてから最後の蓄積動作を行うラインセンサで蓄積動作が行われるまでの間に得られる前記像ずれ量の目標値である目標像ずれ量と、前記一連のTDI動作において前記最初の蓄積動作を行うラインセンサで蓄積動作が行われてから前記最後の蓄積動作を行うラインセンサで蓄積動作が行われるまでに行われる蓄積動作回数とに基づき、互いに隣り合うラインセンサで相次いで蓄積動作が行われる際の、先に蓄積動作が行われる先行ラインセンサで蓄積動作が行われるときに当該先行ラインセンサの読取範囲に導かれる像と、後続するタイミングにおいて後続ラインセンサで蓄積動作が行われるときに当該後続ラインセンサの読取範囲に導かれる像との間で生じるずれ量である単位像ずれ量を導出する単位像ずれ量導出部をさらに有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の画像入力装置。
- 前記走査対象の像の明るさに基づき、前記一連のTDI動作に際して用いられるラインセンサの数を決定する露光量制御部をさらに有し、
前記単位像ずれ量導出部は、前記露光量制御部で決定された前記ラインセンサの数を前記一連のTDI動作に際しての蓄積動作回数として前記単位像ずれ量を導出することを特徴とする請求項4に記載の画像入力装置。 - 予備走査によって予備走査画像データを得る予備走査処理部と、
前記予備走査画像データを解析し、前記予備走査画像の空間周波数およびモアレのうちの少なくともいずれかに関する評価値を導出する予備走査画像解析部と、
前記評価値に基づき、前記目標像ずれ量を設定する目標ずれ量設定部と
をさらに有することを特徴とする請求項4または5に記載の画像入力装置。 - 請求項1から6のいずれか1つに記載の画像入力装置を有することを特徴とする顕微鏡撮影装置。
- 請求項1から6のいずれか1つに記載の画像入力装置を有することを特徴とするラインスキャン型カメラ。
- 請求項1から6のいずれか1つに記載の画像入力装置を有することを特徴とするスキャナ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009168668A JP2011024082A (ja) | 2009-07-17 | 2009-07-17 | 画像入力装置およびこれを備える顕微鏡撮影装置、ラインスキャン型カメラ、スキャナ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009168668A JP2011024082A (ja) | 2009-07-17 | 2009-07-17 | 画像入力装置およびこれを備える顕微鏡撮影装置、ラインスキャン型カメラ、スキャナ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011024082A true JP2011024082A (ja) | 2011-02-03 |
Family
ID=43633731
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009168668A Withdrawn JP2011024082A (ja) | 2009-07-17 | 2009-07-17 | 画像入力装置およびこれを備える顕微鏡撮影装置、ラインスキャン型カメラ、スキャナ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011024082A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016509439A (ja) * | 2013-02-07 | 2016-03-24 | イー・2・ブイ・セミコンダクターズ | 移動誤差を検出する時間遅延積分画像センサ |
WO2019174648A1 (zh) * | 2018-03-16 | 2019-09-19 | 成都中信华瑞科技有限公司 | 跨行时延积分方法、装置及相机 |
CN112399038A (zh) * | 2019-08-15 | 2021-02-23 | 上海微电子装备(集团)股份有限公司 | 图像扫描装置、激光封装设备、掩模板测量设备与方法 |
-
2009
- 2009-07-17 JP JP2009168668A patent/JP2011024082A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016509439A (ja) * | 2013-02-07 | 2016-03-24 | イー・2・ブイ・セミコンダクターズ | 移動誤差を検出する時間遅延積分画像センサ |
WO2019174648A1 (zh) * | 2018-03-16 | 2019-09-19 | 成都中信华瑞科技有限公司 | 跨行时延积分方法、装置及相机 |
US11128821B2 (en) | 2018-03-16 | 2021-09-21 | Chengdu Zhongxin Huarui Technology Co., Ltd. | Cross-row time delay integration method, apparatus and camera |
CN112399038A (zh) * | 2019-08-15 | 2021-02-23 | 上海微电子装备(集团)股份有限公司 | 图像扫描装置、激光封装设备、掩模板测量设备与方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6196832B2 (ja) | 画像処理装置、画像処理方法、顕微鏡システム及び画像処理プログラム | |
WO2006064751A1 (ja) | 複眼撮像装置 | |
JP3704238B2 (ja) | 撮像装置 | |
US20070216999A1 (en) | Method for adjusting confocal microscope | |
CN103460703B (zh) | 彩色摄像元件及摄像装置 | |
US7411626B2 (en) | Image acquiring apparatus and image acquiring method | |
JP4250000B2 (ja) | 画像読取装置および画像読取方法 | |
JPH10257273A (ja) | 画像読取装置 | |
JP2011024082A (ja) | 画像入力装置およびこれを備える顕微鏡撮影装置、ラインスキャン型カメラ、スキャナ | |
CN100477739C (zh) | 复眼摄像装置 | |
EP3278167B1 (en) | High resolution pathology scanner with improved signal to noise ratio | |
US20040114198A1 (en) | Image processing system and method | |
JP2009206570A (ja) | 画像読取装置 | |
CN108989599B (zh) | 扫描仪及扫描数据的生产方法 | |
JP2009047735A (ja) | 撮像装置及び画像処理プログラム | |
US8654223B2 (en) | Image pickup apparatus | |
JPH0735992A (ja) | 固体撮像装置 | |
JP2001197255A (ja) | 画像読取装置およびこの装置を使用する画像読取方法 | |
JP3999510B2 (ja) | 表示システム | |
JP2892593B2 (ja) | 画像入力装置 | |
RU2688965C1 (ru) | Способ регистрации изображения с повышенным разрешением | |
JP5000574B2 (ja) | カラー原稿読取装置の調整方法 | |
JP2004266543A (ja) | 画像読取装置および画像読取方法 | |
JP2000134412A (ja) | 画像撮影装置および画像読取装置 | |
JP2009008468A (ja) | 画像取得方法、撮像装置および検査装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20121002 |