JP2011023998A - 片道変動遅延時間の推定方法及びその装置 - Google Patents

片道変動遅延時間の推定方法及びその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】パケット通信網を介した通信において、パケットの片道変動遅延をパケットの送信間隔及び到着間隔から推定する。
【解決手段】パケット通信を行うシステムにおいて、パケット送信端末は、送信時刻情報を付加してパケットをパケット通信網に送信し、パケット通信網において、パケットを、パケット受信端末と片道変動遅延監視装置6に送信し、片道変動遅延監視装置6において、パケットを受信した際に、パケットの送信時刻及び受信時刻をパケット毎に記録し、記録した時刻からパケット送信間隔とパケット到着間隔を、記録されたパケット全体にわたって計算し、パケット送信間隔とパケット到着間隔から片道変動遅延を計算し、パケット送信端末と片道変動遅延監視装置6との両クロックレートの差を推定し、推定した差による誤差を除去した片道変動遅延から片道変動遅延の初期値を推定し、初期値を用いた片道変動遅延の計算から片道変動遅延を推定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、パケット送受信端末間でやりとりされる一連のパケットの送受信状況からパケットの片道変動遅延時間の時系列を推定する方法及びその装置に関する。
従来、パケットの片道遅延測定方法あるいは推定方法の1つとして、パケット送信端と受信端の時刻同期をとることを前提にした測定方法が用いられてきた。ここで時刻同期には、その必要精度に応じ、例えば、高精度(マイクロ秒以下)が必要とされる場合には、GPS(Global Positioning System)を、低精度(数ms以上)ではNTP(Network Time Protocol)が一般に使用されている。また、パケット到着間隔の平均値の対称性を使って、時刻同期を行う方法が提案されている。これらの測定技術では、パケットの送受間における遅延時間全般を把握することができ、例えば音声・映像の送信から受信までの遅延等を推定するのには有効である。
しかし、網内の状態を観測するような用途を考えた場合、遅延のバラツキ(以下では、変動遅延と呼ぶ)が重要な要素になる。変動遅延は、主に網内ノードにおけるキューイングバッファで生じる遅延であり、トラフィック負荷と密接な関係を有する。このため、従来、パケット到着間隔のバラツキを観測することによってその状況を把握してきたが、次のような事項についてはその変動状況を観測するのみでは発生事象を特定するのは非常に困難であった。
(1)ノード等の処理能力をオーバーした場合
(2)回線の帯域をオーバーして利用した場合
この理由は、システムの動作が安定していれば、平均到着間隔を中心(0点)に対してパケット到着間隔の総和はゼロに収束するが、不安定になるとこの関係が崩れ、プラス方向に遷移し、限界を越すとパケットの廃棄に繋がる傾向を示す。この状況は、パケットの到着間隔の観測のみでは判断しにくい。
パッシブ測定を前提にしたパケットの片道遅延測定方法あるいは推定方法についての他の従来技術として特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されている方法がある。これらのうち、特許文献1は、往復遅延の1/2を片道遅延と推定する方法である。また、特許文献2は、全ネットワーク上で全ノードの時刻同期を確立した上で、パケットがパケット通信網へ/からのそれぞれ入力と出力した時刻を測定・記録し、その測定データを集約して片道遅延を求める方法である。また、特許文献3は、送受信端相互で時刻同期を行わず、1地点で測定したパケット受信時刻からその周波数安定度を計算して、その値からパケット片道遅延時間の統計値(分散)を推定する方法である。
特開2006−352527公報 特開2001−53792公報 特開2001−237833公報
町澤他著「毎正秒パケット到着間隔(PAI)に基づいた時刻同期方式」、電子情報通信学会論文誌 B Vol. J89−B No.10 p.1855−1866 2006年 Schulzrinne著「RTP:A Transport Protocol for Real−Time Applications」、The Internet Engineering Task Force RFC1889、1996年、p.26 Bletsas著「Evaluation of kalman filtering for network time keeping」IEEE Transactions on Ultrasonics,Ferroelectronics、and Frequency Control、 Vol.52、No.9 2005年
しかしながら、特許文献1、2の推定方法では、測定精度が粗い、あるいは非常に大掛かりでありコスト的に見合わない等の問題がある。また、特許文献3はパケット片道遅延時間を統計値として扱うため、時々刻々変化する片道遅延時間の様子を直接観測できないという問題がある。
ところで、従来、1地点(パケット観測点)で通信品質を時系列で評価する場合、パケット到着間隔を測定し、このデータから、パケット到着間隔のバラツキを非特許文献2に示すIETF RFC1899の定義、すなわち数1及び数2に示す式による算出方法に従って評価していた。
Figure 2011023998
Figure 2011023998
ここで、D(i,j)はj番目のパケットとi番目のパケットの送信間隔に対する到着間隔のズレを、R(i)はi番目のパケットの受信時刻、S(i)はi番目のパケットの送信時刻を、Jはジッタの移動平均を、||の記号は絶対値をそれぞれ表すものとする。
しかし、この評価では、網の混雑状況を判断するような場合、各到着パケット間のばらつきを個々に監視しても全体的なばらつきの傾向が見えないため、例えば、網内ノードが性能不足に陥り、パケット到着間隔が大きめに偏っても異常であると判断するのが難しいという問題があった。
一方、片道変動遅延時間に着目して監視する場合、特に複数の送信端からパケットを受信するような場合、送信端末と監視装置の時刻同期(クロック周波数及びクロックオフセットの同期)が簡単に行えなくなり、片道変動遅延時間を測定することが困難であった。
本発明は、このような問題点を解決し、片道変動遅延時間を高い精度で推定することを実現した片道変動遅延時間の推定方法及びその装置を提供することを目的とする。
本発明は、片道遅延の測定を送信・受信時刻の時刻差を求めることによって実施していたことを、片道変動遅延に限定することによって監視装置のみで測定可能とするため、受信パケットの到着間隔の時系列情報から求めた片道変動遅延値を、送受信クロック周波数差による時間誤差、かつ片道変動遅延の最小値によって補正を行い、真の片道変動遅延値を推定することを主な特徴とする。
具体的には、下記のような構成を備えている。
(1) パケット送信端末とパケット受信端末とにおいてパケット通信網を介してパケット送受信を行う通信システムにおける片道変動遅延を推定する方法であって、該パケット送信端末は、送信時刻情報を付加してパケットをパケット通信網に送信し、前記パケット通信網において、パケットを、パケット受信端末に送信するとともに、パケット通信状況を監視するための監視装置に送信し、前記監視装置において、前記パケットを受信した際に、前記送信時刻情報を読み出して前記パケット送信端末からパケットを送信した送信時刻、及びパケットの受信時刻をパケット毎に記録し、前記記録した時刻からパケット送信間隔とパケット到着間隔を、記録されたパケット全体にわたって計算し、前記パケット送信間隔と前記パケット到着間隔から片道変動遅延を計算し、前記パケット送信端末のクロックレートと前記監視装置のクロックレートとの差を推定し、前記片道変動遅延から、当該推定した差による誤差を除去し、当該誤差を除去した片道変動遅延から片道変動遅延の初期値を推定し、前記初期値を用いた前記片道変動遅延の計算から片道変動遅延を推定することを特徴とする片道変動遅延推定方法。
(2) (1)において、予め決められたパケット送信間隔とパケット到着間隔を、記録されたパケット全体にわたって計算することを特徴とする片道変動遅延推定方法。
(3) パケット通信網に接続して、パケット送信端末とパケット受信端末との間でパケット送受信を行う通信システムに設けられ、片道変動遅延を推定する片道変動遅延推定装置であって、前記パケット通信網のパケット通信状況を監視するとともに片道変動遅延を推定する監視装置を有し、該パケット送信端末は、送信時刻情報を付加してパケットをパケット通信網に送信し、前記監視装置は、前記パケット送信端末からパケットを送信した時刻と受信したパケットの受信時刻をパケット毎に記録する記録手段と、前記記録手段に記録した時刻からパケット送信間隔、パケット到着間隔を、前記記録手段に記録されたパケット全体にわたって計算するパケット間隔計算手段と、前記パケット送信間隔と前記パケット到着間隔から片道変動遅延を計算する片道変動遅延計算手段と、前記パケット送信端末のクロックレートと前記監視装置のクロックレートとの差を推定し、前記片道変動遅延から当該推定した差による誤差を除去するクロックレート差推定・誤差除去手段と、前記誤差を除去された片道変動遅延から片道変動遅延の初期値を推定する片道変動遅延初期値推定手段と、前記初期値を用いた片道変動遅延の計算から片道変動遅延を推定する片道変動遅延補正手段とを備えたことを特徴とする片道変動遅延推定装置。
(4) (3)において、パケット送信間隔を予め決められた値とパケット到着間隔を記録されたパケット全体にわたって計算するパケット間隔計算手段を用いることを特徴とする片道変動遅延推定装置。
本発明によれば、パケット通信網を介する通信において、1地点で測定したパケット受信時刻及びパケット内に含まれるパケット送信時刻(タイムスタンプ)によって、片道変動遅延時間の時系列データを推定できるようになる。その結果、パケット通信網で発生するトラフィック輻輳等の事象について詳細に解析することが可能になる。
本発明の一実施形態をパケット通信網に適用してなる通信システムの構成を示すブロック図である。 片道変動遅延監視装置の構成を示すブロック図である。 パケット送信端末から片道変動遅延監視装置へパケットが転送されるときの時間定義についての説明図である。 パケットの片道変動遅延を求める方法の説明図である。 一般的な網内のパケット遅延の確率分布を示す説明図である。 図5において片道変動遅延の領域に限定した場合の網内のパケット遅延の確率分布を示す説明図である。 パケット送信端末の動作例を示したフローチャートである。 片道変動遅延監視装置におけるパケット受信時の動作例を示したフローチャートである。 片道変動遅延監視装置において受信パケットから、片道変動遅延を推定する動作例を示すフローチャートである。 本実施形態を音声パケット通信の片道変動遅延の推定に用いた際の、パケット順序番号に対するパケット到着間隔及びパケット片道変動遅延の推定値を示す図である。 本実施形態を音声パケット通信の片道変動遅延の推定に用いた際の、パケット順序番号に対するパケット到着間隔及びパケット片道変動遅延の推定値を示す図である。
(構成の説明)
図1は、本発明の一実施形態をパケット通信網に適用してなる通信システムの構成を示すブロック図である。パケット送信端末1は、パケット2を生成するものであり、通信時において転送するパケットにパケット種別、送信時刻、相手アドレス、パケット順序番号等の必要情報をパケットヘッダとして付加してパケット2を送出する機能を有する。なお、前記の送信時刻にはパケット送信端末1内にある時計の時刻が付与されるものとし、パケット送信端末1の時計とパケット受信端末5の時計は非同期(クロックレート及び時刻オフセットが異なる)であるとする。パケット送信端末1で生成されたパケット2は、パケットヘッダ情報に基づきパケット通信網4を自律的に伝達され、最終的にパケット受信端末5に到達する。ただし、パケット通信網4の輻輳あるいは伝送誤りにより、到達しないことを許容するものとする。
伝送路3は、パケット2を伝達するための回線であり、パケット送信端末1及びパケット受信端末5とパケット通信網4が接続される。パケット通信網4は、パケット送信端末1から受信したパケット2を、パケット2のヘッダ情報に基づいて所定の行き先まで到達させる機能を有している。図1に示すシステムでは、パケット受信端末5に接続される伝送路3にまでパケット送信端末1のパケットを転送・交換させる機能を有する。
パケット受信端末5では、パケット通信網4及び伝送路3を介して転送されたパケット2を受信し、受信したパケット2のヘッダ情報からパケット受信の可否の妥当性を確認し、可であればパケットを分解し、パケット内のデータのみを抽出し、必要なアプリケーションで利用する。
片道変動遅延監視装置6は、監視対象とする通信パス上のパケット2を入力して、このパケット2の片道遅延時間を推定するものである。片道変動遅延監視装置6に入力するパケット2は、パケット通信網4内部のルータ等の交換機器のミラーリング機能を使って、パケット送信端末1、パケット受信端末5間で通信に使用されているパケット2と同一のパケットであるものとする。
次に、片道変動遅延監視装置6について、図2を用いて詳細に説明する。
片道変動遅延監視装置6は、パケット送信・受信時刻測定及び記録部6−1、パケット送信・到着間隔計算部6−2、片道変動遅延計算部6−3、クロックレート差推定・誤差除去部6−4、片道変動遅延初期値推定部6−5、及び片道変動遅延補正部6−6からなるものである。
パケット送信・受信時刻測定及び記録部6−1は、パケット受信時に受信時刻測定及び測定結果を記録する機能を有する。パケット送信・到着間隔計算部6−2は、パケットに対するパケット送信間隔及びパケット到着間隔を測定する機能を有する。片道変動遅延計算部6−3は、全パケットに対するパケット到着間隔及びパケット送信間隔から“仮の片道変動遅延”を計算する機能を有する。クロックレート差推定・誤差除去部6−4は、片道変動遅延計算部6−3から得た“仮の片道変動遅延”計算結果からクロックレート差を推定し、“仮の片道変動遅延”計算結果からクロックレート差による誤差分を除去する機能を有する。片道変動遅延初期値推定部6−5は、クロックレート差推定・誤差除去部6−4から得た片道変動遅延計算結果について最小値を探索し、その結果に基づいて最初のパケットの片道変動遅延を推定する機能を有する。片道変動遅延補正部6−6は、片道変動遅延初期値推定部6−5からの初期値に基づいて全パケットの片道変動遅延の時系列データを補正する機能を有する。
(動作の説明)
パケット送信端末1及び片道変動遅延監視装置6はそれぞれ時計を有しているが、双方の時計は時刻非同期とする。ここで、以降の説明における便宜を図るために、片道変動遅延監視装置6の時計は基準時刻(真の時刻)に同期しているものとし、この時刻を基準に時間を定義することにする。
次に、パケット送信端末1から片道変動遅延監視装置6へパケットが転送されるときの時間定義について、図3を用いて説明する。
通信が開始されると、送信端(パケット送信端末1)からデータを送受するための最初のパケット(m=0)が時刻S(0)に送信され、その後S(1)・・・S(i)の時刻にパケットが送信されるとする。パケットを送信するときには、送信時刻(S(i))が、送信するパケットの付加情報として付与されるものとする。受信端(片道変動遅延監視装置6)でパケット受信すると、そのときの時刻(R(i))が記録される。音声等の実時間性の強いデータを送る場合、通常、パケット送信間隔は一定周期のことが多いが、パケット受信間隔はパケット通信網4のトラフィック状況により変動する。
次に、パケットの片道変動遅延を求める方法について、図4を用いて詳細に説明する。i−1番目とi番目のパケット送信間隔及びパケット到着間隔をそれぞれ、
T(i)+Φ(i)(=S(i)−S(i−1))、
Delta(i)(=R(i)−R(i−1))
と定義すると、数3に示す式が成り立つ。
Figure 2011023998
ここで、Delay(i)は、i番目のパケットの遅延時間、S(i)はパケット送信端末1からi番目のパケットを送信したときの時刻(タイムスタンプ)、R(i)は片道変動遅延監視装置6でi番目のパケットを受信したときの時刻を表す。また、Φ(i)は送信時刻S(i−1)、S(i)を測定したときの真の時間に対する差を表す。
数3の式においてDelta(i)及びT(i)は、それぞれパケット到着間隔及びパケット送信間隔の測定値であり、既知であるので、数3の式は、数4の式のように変形することができる。
Figure 2011023998
数4の式の右辺第1項は2番目(m=1)以降のパケット到着間隔と送信間隔の差の総和であり、測定によって既知のデータとして扱える部分である。
数4の式の右辺第2項は、パケット送信端末1の内蔵時計と片道変動遅延監視装置6の内蔵時計のi個分のパケット受信における時間差を示しており、その値は、パケット数と両時計のクロックレート差によって決定される。クロックレート差を求める方法としては、ある観測時間単位における片道変動遅延の最小値を求め、観測時間単位数分を配列したとき、そこから最小値の時間的な増加もしくは減少を最小二乗法で線形近似する方法がある。
数4の式の右辺第3項は、最初(m=0)のパケットの片道変動遅延であり、その値は確率分布に従うため、一義に決めることはできない。しかし、測定データ全体から統計的な事象として捉えることにより、高い精度でその値を推定できる。
次に、パケット片道変動遅延の推定方法について、図5及び図6を用いて詳細に説明する。
図5は、一般的な網内のパケット遅延の確率分布を示したものであり、パケット遅延は大分類すると固定遅延及び変動遅延から構成される。前者は、信号の伝播時間等から決定される遅延であり、固定値となる。一方、後者は、一般にキューイング遅延と称されるものであり、パケットがパケット通信網ノード内の転送バッファにおける待ち合わせ時間に相当し、トラフィック負荷量と網内資源の容量によって大きくランダムに変化する。
ところで、片道遅延(=固定遅延+変動遅延)の領域では、固定遅延を知ることができないため、最終的に数4の式におけるDelay(0)は求めることができず、片道遅延を推定することはできない。
しかし、片道変動遅延(=変動遅延)の領域に限定することによって、図6に示すように“仮の片道変動遅延”の最小値(min_Delay)をゼロにするように最初(m=0)のパケットの片道変動遅延(Delay(0))を設定することが可能になる。この操作は、ちょうど片道遅延から固定遅延分を除くことに相当し、新たなDelay(0)によるDelay(i)の計算結果が、求める片道変動遅延の推定値になる。
図7はパケット送信端末1における動作例を示したフローチャートである。パケット送信時、パケット送信端末1は、パケット送信時刻をパケットヘッダに付与して(ステップS10)、パケットを送信する(ステップS20)。そして、パケット送信端末1は、通信が完了したか否かを判定し(ステップS30)、通信が完了した場合には動作を終了し、通信が完了しない場合には、ステップS10に処理を移す。すなわち、パケット送信端末1は、パケット送信時刻をパケットヘッダに付与してパケットを送信することを、通信が終了するまでを実行している。ただし、パケット送信が周期的に行われ、かつその時間周期が決められている場合は、この動作フローを省略することができる。
図8は片道変動遅延監視装置6におけるパケット受信時の動作例を示したフローチャートである。片道変動遅延監視装置6は、パケットを受信すると、パケットの受信時刻を計測し(ステップS50)、パケットヘッダにあるパケット送信時刻とともに該パケット受信時刻を情報記録部に記録する(ステップS60)。そして、片道変動遅延監視装置6は、通信が完了したか否かを判定し(ステップS70)、通信が完了した場合には動作を終了し、通信が完了しない場合には、ステップS50に処理を移す。すなわち、片道変動遅延監視装置6は、パケットを受信すると、パケットの受信時刻を計測し、パケットヘッダにあるパケット送信時刻とともに該パケット受信時刻を記録することを、通信が終了するまで行うことを示している。ただし、パケット送信端末の場合と同様、パケット送信が周期的に行われ、かつ時間周期が決められている場合は、パケット送信時刻に関する動作を省略することができる。
図9は片道変動遅延監視装置6において受信パケットから、片道変動遅延を推定する動作例を示すフローチャートである。
片道変動遅延監視装置6は、通信が完了した後、情報記録部に格納された一連のパケットの送信時刻及び受信時刻を読み出す(ステップS100)。次に、これらのパケットデータから数4の式に基づいて計算を行うが、そのときはDelay(0)=0とし(ステップS110)、またΦ(i)=0(i=1,2、3...)として計算し、“仮の片道変動遅延値”(Delay(i))の時系列を得る(ステップS120)。
次に“仮の片道変動遅延値”からクロックレートの差による誤差を除去するため、クロックレート差を推定し、その誤差分を仮の片道遅延から削除した結果を得る(ステップS130)。
次に、ステップS130の結果から、Delay(i)の最小値を探索する(ステップS140)。
次に、最小の遅延値がゼロになるように最初の受信パケットの遅延値(Delay(0))を演算によって新たに設定する(ステップS150)。この演算は、線形なので、例えば、演算前の最小の遅延値=−10ミリ秒とすると、全体の遅延値に10ミリ秒を加えればよい。この補正演算により、片道変動遅延の時系列が推定できることになる。そして、新たな最初の受信パケットの遅延値(Delay(0))を用いて“片道変動遅延値”(Delay(i))を計算する(ステップS160)。
本実施形態の片道変動遅延時間の推定方法を、音声パケット通信の片道変動遅延の推定に用いた例を図10及び図11に示す。図10は、パケット到着間隔のバラツキが最大80ミリ秒に達することがあること、パケット片道変動遅延の推定値で評価すると、片道変動遅延の推定値が一時的に150ミリ秒に達することがあるが、必ず最小値(0ミリ秒)に戻ることを示している。したがって、網内ではときどきバースト的なトラフィック負荷が加わり、片道変動遅延が大きくなるが、全体的に見れば安定な動作(事象発生後、必ず0点に復帰している)変動をしていると判断できる。
しかし、図11は、パケット到着間隔が図10と同じく最大80ミリ秒に達することは図10と同じであるが、パケット片道変動遅延の推定値は、パケット順序番号が1110付近から急激に増加しはじめ、ピーク時(パケット順序番号が12700付近のとき)ではパケット片道変動遅延の推定値が600ミリ秒を超えることになる。片道変動遅延の推定値が200ミリ秒以上の時間は、約40秒(=(13800−11800)/50)継続し、通話品質に大きな影響を与えていると判断できる。ちなみにこの片道変動遅延の推定値が大きくなる要因は、網内ノード(プロトコル処理装置)の送信・受信端末間の通信パスに1分程度、異常に多大な量のトラフィック負荷があったことが判明している。
このように本実施形態によれば、片道変動遅延の時系列の動作(変化)を観測することによって、パケット通信網で発生するトラフィック輻輳等の事象について詳細に解析することが可能になる。
以上、説明したように構成された本実施形態によれば、パケット通信網を介する通信において、1地点で測定したパケット受信時刻及びパケット内に含まれるパケット送信時刻(タイムスタンプ)によって、片道変動遅延時間の時系列データを推定できることにより、パケット通信網で発生するトラフィック輻輳等の事象について詳細に解析することが可能になる。
本発明は、パケット通信をベースにした、通信端末、通信システム、ネットワーク特性測定装置、ネットワーク監視装置、転送遅延測定用プログラム等に適用できる。特に、転送遅延等が通信品質に与える影響が大きいリアルタイム系のシステム、装置、制御用プログラムに有用である。
1 パケット送信端末
2 パケット
3 伝送路
4 パケット通信網
5 パケット受信端末
6 片道変動遅延監視装置
6−1 パケット送受信時刻測定及び記録部
6−2 パケット送信・到着間隔計算部
6−3 片道変動遅延計算部
6−4 クロックレート差推定・誤差除去部
6−5 片道変動遅延初期値推定部
6−6 片道変動遅延補正部

Claims (4)

  1. パケット送信端末とパケット受信端末とにおいてパケット通信網を介してパケット送受信を行う通信システムにおける片道変動遅延を推定する方法であって、
    該パケット送信端末は、送信時刻情報を付加してパケットをパケット通信網に送信し、
    前記パケット通信網において、パケットを、パケット受信端末に送信するとともに、パケット通信状況を監視するための監視装置に送信し、
    前記監視装置において、
    前記パケットを受信した際に、前記送信時刻情報を読み出して前記パケット送信端末からパケットを送信した送信時刻、及びパケットの受信時刻をパケット毎に記録し、
    前記記録した時刻からパケット送信間隔とパケット到着間隔を、記録されたパケット全体にわたって計算し、
    前記パケット送信間隔と前記パケット到着間隔から片道変動遅延を計算し、
    前記パケット送信端末のクロックレートと前記監視装置のクロックレートとの差を推定し、前記片道変動遅延から、当該推定した差による誤差を除去し、
    当該誤差を除去した片道変動遅延から片道変動遅延の初期値を推定し、
    前記初期値を用いた前記片道変動遅延の計算から片道変動遅延を推定することを特徴とする片道変動遅延推定方法。
  2. 請求項1記載の片道変動遅延推定方法において、
    予め決められたパケット送信間隔とパケット到着間隔を、記録されたパケット全体にわたって計算することを特徴とする片道変動遅延推定方法。
  3. パケット通信網に接続して、パケット送信端末とパケット受信端末との間でパケット送受信を行う通信システムに設けられ、片道変動遅延を推定する片道変動遅延推定装置であって、
    前記パケット通信網のパケット通信状況を監視するとともに片道変動遅延を推定する監視装置を有し、
    該パケット送信端末は、送信時刻情報を付加してパケットをパケット通信網に送信し、
    前記監視装置は、
    前記パケット送信端末からパケットを送信した時刻と受信したパケットの受信時刻をパケット毎に記録する記録手段と、
    前記記録手段に記録した時刻からパケット送信間隔、パケット到着間隔を、前記記録手段に記録されたパケット全体にわたって計算するパケット間隔計算手段と、
    前記パケット送信間隔と前記パケット到着間隔から片道変動遅延を計算する片道変動遅延計算手段と、
    前記パケット送信端末のクロックレートと前記監視装置のクロックレートとの差を推定し、前記片道変動遅延から当該推定した差による誤差を除去するクロックレート差推定・誤差除去手段と、
    前記誤差を除去された片道変動遅延から片道変動遅延の初期値を推定する片道変動遅延初期値推定手段と、
    前記初期値を用いた片道変動遅延の計算から片道変動遅延を推定する片道変動遅延補正手段とを備えたことを特徴とする片道変動遅延推定装置。
  4. 請求項3記載の片道変動遅延推定装置において、
    パケット送信間隔を予め決められた値とパケット到着間隔を記録されたパケット全体にわたって計算するパケット間隔計算手段を用いることを特徴とする片道変動遅延推定装置。
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