JP2011021850A - 一室型真空炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】脱脂工程後の焼結工程時においても加熱室内の雰囲気の清浄性を確保することができ、また、加熱室自体の耐久性を向上させることができ、さらに、冷却工程時、材料を短時間で均一に冷却することができる一室型真空炉を提供する。
【解決手段】補助排気管4は炉体1と同軸上に加熱室20内と連通して配置され、可動排気管4aと固定排気管4bとからなる。固定配管4bの外径は可動排気管4aの内径より小径で下部加熱室部20bから加熱室20内に挿通している。可動排気管4aの外径は炉体1内に連通接続する主排気管5の内径より小径で固定排気管4bに外装され、上昇位置と下降位置との間を昇降自在に支持されている。主排気管5の内径は可動排気管4aの外径より大径で可動排気管4aに所定隙間をもって外装されている。可動排気管4aの上昇位置において、可動排気管4aの下端部が主排気管5内に、また、固定排気管4bの下端部が可動排気管4a内に遊嵌状態で位置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、一室型真空炉に関し、特に、超硬合金等の各種金属粉末の成形品の焼結処理、セラミックス粉末の成形品の焼成処理、あるいは金属の焼入れ処理等に用いられる一室型真空炉に関するものである。
従来、超硬合金等の金属粉末の成形品の焼結処理等に用いられる一室型真空炉の一室型真空炉の一例として、粉末の成形品を収納する加熱室を炉体内に配設し、炉体内に連通する主排気管と加熱室内に連通する補助排気管とを設けた構成のものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この一室型真空炉は、脱脂工程時、炉本体内に窒素ガス等の不活性ガスをキャリアガスとして供給しながら減圧下で加熱し、その際に発生する気化したバインダを真空ポンプにより補助排気管を介して加熱室から吸引排気する。焼結工程(真空加熱)時、補助排気管の真空弁を閉にする一方、加熱室に形成された開口部を開状態とし、主排気管を介して加熱室内の雰囲気を吸引排気して加熱する。また、焼結工程後の冷却工程時、加熱室の両側面に設けられた扉により閉止されていた開口部を開放し、冷却用窒素ガスを加熱室内に導入して炉内を冷却する。
実開平3−37388号公報
上記特許文献1に開示されている一室型真空炉にあっては、脱脂工程時に加熱室内の雰囲気を、補助排気管を介して炉外に吸引排気するため、気化したバインダが加熱室内に滞留することなく、加熱室内の清浄性を確保することができる。
しかし、脱脂工程で粉末の成形品からバインダを完全に気化除去させることは困難であるため、脱脂工程後の焼結工程(真空加熱)時においてもなお、残留バインダが気化することは不可避である。それ故、焼結工程(真空加熱)時において、主排気管を介して炉内を吸引排気しながら加熱室内の雰囲気を間接的に吸引排気するのでは、加熱室内の清浄性を確保できないという問題がある。
また、真空加熱工程時あるいは加圧加熱工程時に生じる加熱室内と炉体内との圧力差に起因して、加熱室の損傷あるいは破損を招くという問題がある。
さらに、焼結工程後の冷却工程においては、加熱室の側面に設けられた扉により閉止されていた開口部を開放することで、加熱室が冷却用窒素ガスの循環流路として形成されるため、炉内雰囲気の自然対流がほとんど作用せず、冷却に時間を要するとともに、材料を均一に冷却することが困難であるという問題がある。
したがって、本発明は、上記問題点を解決することを課題としてなされたものであり、その目的とするところは、脱脂工程後の焼結工程時においても加熱室内の雰囲気の清浄性を確保することができ、また、加熱室自体の耐久性を向上させることができ、さらに、冷却工程時、材料を短時間で均一に冷却することができる一室型真空炉を提供することにある。
本発明に係る一室型真空炉は、断熱材で囲繞された加熱室が炉体内に配置されるとともに、開閉自在な開口が前記加熱室に形成され、炉体内に連通する主排気管と、加熱室内に連通する補助排気管とを備えた一室型真空炉において、前記開閉自在な開口は、加熱室の天井部に形成され、前記補助排気管は、加熱室の床部に接続され、当該補助排気管が前記加熱室側の固定排気管部と昇降自在に移動する可動排気管部とから構成されており、可動排気管部が上昇位置にあるとき、前記固定排気管部の下端が前記可動排気管部内に、また、前記可動排気管部の下端が前記主排気管内にそれぞれ遊嵌状態で位置する。
また、本発明に係る一室型真空炉は、断熱材で囲繞された加熱室が炉体内に配置されるとともに、開閉自在な開口が前記加熱室に形成され、炉体内に連通する主排気管と、加熱室内に連通する補助排気管とを備えた一室型真空炉において、前記開閉自在な開口は、加熱室の天井部に形成され、前記補助排気管は、加熱室の床部に接続されているとともに、当該補助排気管の胴部に開閉自在な開口が形成され、補助排気管の下端が主排気管内に遊嵌状態で位置する。
加熱室に形成されている開閉自在な開口は、該開口の開口面積を制御可能な蓋部により開閉されることが好ましい。
本発明によれば、真空排気時に主排気管の内周面と補助排気管の下端の外周面とに隙間を形成して当該主排気管と補助排気管を接続するため、加熱室内と炉体内とを同時に真空排気することができる。これにより、例えば、粉末の成形品の焼結処理おいては、脱脂工程後の焼結工程時にも加熱室内の雰囲気を吸引排気することができ、その結果、加熱室内の雰囲気の清浄性を確保することができる。
また、加熱室内と炉体内との間での圧力差を解消でき、その結果、加熱室自体の損傷あるいは破損を回避することができる。
さらに、加熱室内の天井部に開閉自在な開口が加熱室に形成され、補助排気管が炉体内と連通自在であるため、加熱完了後の冷却工程時に当該開口を開状態で、かつ、炉体内と加熱室内とを連通状態とすることができる。これにより、加熱室内において上方向の対流が確実に形成され、その結果、冷却時間の短縮化及び材料を均一に冷却することができる。
加熱室に形成されている開閉自在な開口は、該開口の開口面積を制御可能な蓋部により開閉されるので、雰囲気ガスの加熱室への流入量を最適に制御することができる。
本発明の実施の形態に係る一室型真空炉を説明する全体構成図である。 一室型真空炉へ処理材料を装入した状態を説明する概略図である。 一室型真空炉の各処理工程時における動作説明図である。 一室型真空炉の各処理工程時における動作説明図である。 本発明の実施の形態に係る一室型真空炉の変形例を示した構成図である。
以下、本発明の実施の形態に係る一室型真空炉について、添付図面に従って説明する。なお、以下の説明では、「下端」、「上端」、及びそれらの用語を含む用語を便宜上用いるが、これらは、発明の理解を容易にするためであり、それらの用語によって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されるべきではない。
なお、本明細書では、各構成要素の位置規定として、炉本体の頂部側を「上端(側)」、炉本体の底部側を「下端(側)」と記す。
1.一室型真空炉の構成
図1は、本発明の実施の形態に係る一室型真空炉を説明する全体構成図である。図1に示すように、一室型真空炉Tは、大略、上下に2分割構造の縦型円筒体の炉体1と上下に2分割構造の加熱室20と炉体1に接続する排気系10とからなる。
炉体1は、二重ケーシングからなる水冷ジャケット構造13で、可動炉体部分である上部炉体1aと固定炉体部分である下部炉体1bとから構成されている。上部炉体1aは昇降機構(図示せず)により鉛直方向に昇降可能に支持されており、上部炉体1aと下部炉体1bとは、分割部100において例えば、クランプ機構等からなるクラッチシール装置11により一体接合され、炉体1内が密封状態にされる。
加熱室20は、例えば、縦型円筒状の黒鉛製断熱部材で構成されており、炉体1と同軸上に炉体1内に配設される。この加熱室20は、当該加熱室20の側壁部と天井部を形成する上部加熱室部20aと床部を形成する下部加熱室部20bとからなり、分割部100で接合・分離可能に構成されている。
上部加熱室部20aは、上部炉体1a内に固設され、また、天井部には、断面逆台形の開口部26が形成されているとともに、この開口部26を閉止する逆円錐台状の上蓋23が設けられている。上蓋23は、炉体1の頂部に設けられた例えば、油圧シリンダ等をNC制御するNC制御シリンダ24のシリンダロッド24aの先端部と接続されている。これにより、シリンダロッド24aの昇降量が精密に制御される結果、上蓋23の外周面と開口部26の内周面との間で形成される間隙、すなわち、開口部26の開口面積が精密に、かつ、自在に調整される。
下部加熱室部20bは、下部炉体1bの底部から立設する支脚22で保持された底板21上に取付けられている。
ヒータ3は、上部加熱室部20a内に設けられる。このヒータ3は、周方向に複数配置された横断面が円弧形の板状の電熱ヒータ部材から構成され、電熱ヒータ部材の下端部は上部加熱室部20aの側壁及び炉体1の側壁を貫通して設けられた図示しないヒータ端子に接続されている。
下部加熱室部20bには、材料Wを戴置する戴置台32が下部加熱室部20bの底部側から上方に立設して設けられている。下部加熱室部20bの上面と戴置台32の戴置部との間には、複数の円板状の部材が所定間隔で配置された断熱板33が取付けられている。この断熱板33を設けることにより、加熱時及び均熱時、断熱板33による断熱作用によって加熱室20内の上部と下部との温度差を軽減する。
補助排気管4は、炉体1と同軸上に加熱室20内と連通して配置されており、可動排気管4aと固定排気管4bとから構成され、この固定配管4bは可動排気管4aの内径よりも小さい外径を有し、下部加熱室部20bの底部側から加熱室20内に挿通されている。
可動排気管4aは炉体1内に連通接続する主排気管5の内径より小さい外径を有し、昇降機構40により固定排気管4bに対して上昇位置と下降位置との間を昇降自在に支持されている。
排気系10は、主排気管系10aと経路の途中で分岐する補助排気管系10bとから構成され、主排気管5は補助排気管4と同軸上に炉体1の底部に接続されている。主排気管5の内径は、可動排気管4aの外径よりも大径に形成され、主排気管5が可動排気管4aに所定隙間をもって外装されている。これにより、可動排気管4aの上昇位置において、可動排気管4aの下端部が主排気管5内に3〜5mmの隙間をもって遊嵌状態で位置するとともに、固定排気管4bの下端部が可動排気管4a内に3〜5mmの隙間をもって遊嵌状態で位置し、主排気管5は可動排気管4a及び固定排気管4bを介して加熱室20と連通状態となる。
主排気管系10aは、真空弁V1及びメカニカルブースターポンプMPを介して油回転ポンプRPに接続されている。
補助排気管系10bは、真空弁V2、ワックスタンク51及びワックストラップ52を介してメカニカルブースターポンプMPと油回転ポンプRPとの間に接続されている。
なお、本実施の形態の一室型真空炉Tにおける補助排気管4と主排気管5は、便宜上、「排気管」と称しているが、本実施の形態の一室型真空炉Tは、初期排気時、脱脂工程時及び真空加熱工程時には排気管として機能し、加圧加熱工程時及び冷却工程時には主排気管5、補助排気管4を介して雰囲気ガスを炉内に供給する供給管として機能するものである。
キャリアガス供給口6は、炉体1の頂部に炉体1内と連通して取り付けられており、開閉弁V3及び流量計FMを介して脱脂用キャリアガス供給源(図示せず)に接続されている。
加圧用及び冷却ガス用の雰囲気ガス供給管7は、主排気管系10aの真空弁V1の上流側に接続され、開閉弁V4を介して雰囲気ガス供給源(図示せず)に接続されている。
2.一室型真空炉の操業例
次に、上記構成からなる一室型真空炉Tの操業例について、図2〜図4を参照して説明する。なお、本操業例では、タングステン・カーバイド等の超硬合金の金属粉末の成形品を焼結処理する例を説明する。
図2(a)に示すように、上部炉体1aと下部炉体1bとの接続を解除し、上部炉体1aを支持している図示しない昇降機構を駆動させて上部炉体1aを上方に移動させる。次に、材料Wを戴置台32上に戴置した後、昇降機構を駆動させて上部炉体1aを下部炉体1b側に下降させる。そして、図2(b)に示すように、上部炉体1aと下部炉体1bが当接すると、クラッチシール装置11により上部炉体1aと下部炉体1bとを一体接合させて、炉体1を密封状態とする。
図3の初期排気時、可動排気管4aを下降位置に移動させるとともに、上蓋23により開口部26を全閉状態とする。そして、真空弁V1を「開」、真空弁V2及び開閉弁V3、V4を「閉」にし、メカニカルブースターポンプMP及び油回転ポンプRPを起動させて、炉体1内及び加熱室20内を真空排気する。
そして、炉内圧力が所定の圧力、例えば、10Pa以下になると、真空弁V1を「閉」とするとともに、メカニカルブースターポンプMPの駆動を停止し、次の脱脂工程に移行する。
脱脂工程時、ヒータ3に電力を供給し、可動排気管4aを上昇停止位置に位置させるとともに、NC制御シリンダ24を制御して上蓋23を上昇させ、開口部26の内周面と上蓋23の外周面とで形成される間隙、すなわち、キャリアガス流通用開口dを形成させる。その後、開閉弁V3を「開」にし、流量計FMで適宜に調整されたキャリアガス(窒素ガス)G1がキャリアガス供給口6から炉体1内に供給される。
炉体1内に供給されたキャリアガス(窒素ガス)G1の一部は、キャリアガス流通用開口dを介して加熱室20内に流入し、加熱に伴って材料Wから蒸発するバインダとともに油回転ポンプRPにより吸引排気される。なお、気化したバインダを含む吸引排気ガスは、ワックスタンク51を介して下流側のワックストラップ52へ送り込まれ、気化したバインダはワックストラップ52内で凝固されて除去される。
そして、脱脂工程が完了すると、NC制御シリンダ24を制御して上蓋23を下降させ、上蓋23により開口部26を全閉状態とし、真空弁V2及び開閉弁V3を「閉」とする一方、真空弁V1を「開」にし、メカニカルブースターポンプMPを起動させて、次の真空加熱工程に移行する。
真空加熱工程時、炉体1内の雰囲気が可動排気管4aの外周面と主排気管5の内周面とで形成される間隙Dから吸引排気されるとともに、加熱室20内の雰囲気が固定排気管4b及び可動排気管4aを介して吸引排気されることにより、炉内圧力が所定の圧力、例えば、10Pa程度まで減圧される。なお、上記脱脂工程で完全に除去できずに材料Wに残留していた微量のバインダは加熱室20内で気化するが、固定排気管4b及び可動排気管4aを介して直接的に吸引排気されるため、加熱室20内の清浄性が確保できる。
また、加熱室20内と炉体1内とが主排気管系10aで同時に排気されるため、加熱室20の内外での圧力差が低減し、加熱室20自体の圧力差に起因する損傷あるいは破損が回避できる。
加熱室20内温度が所定の温度、例えば、1100℃まで昇温すると、真空弁V1を「閉」にし、メカニカルブースターポンプMP及び油回転ポンプRPの駆動を停止する一方、開閉弁V4を「開」とし、次の加圧加熱工程に移行する。
加圧加熱工程時、図示しない加圧用雰囲気ガス供給源から主排気管系10a内に供給された雰囲気ガス(アルゴンガス)G2は、可動排気管4a及び固定排気管4bを介して加熱室20内に導入されるとともに、その一部は間隙Dから炉体1内に流入し、炉内はアルゴン雰囲気で密封される。なお、この加圧加熱工程時には、炉内の圧力が所定の圧力、例えば、0.98MPaに維持される。
加熱室20内温度が所定の温度、例えば、1450℃まで昇温して焼結処理が完了すると、ヒータ3への電力の供給を停止し、NC制御シリンダ24を制御して上蓋23を上昇させて開口部26を全開状態にするとともに、可動排気管4aを下降位置まで移動させて次の冷却工程に移行する。
冷却工程時、冷却用ガス(アルゴンガス)G3は、主排気管系10aから可動排気管4a及び固定排気管4bを介して加熱室20内に導入される。
そして、開口部26を通過した冷却用ガスG3は、炉体1の内壁と加熱室20の外壁とで形成される空間を下方に向って流れ、この間に昇温した冷却用ガスG3は冷却され、可動排気管4aから導入される冷却用ガスG3に同伴されて、再び加熱室20内に導入される。このように、冷却工程時、加熱室20内では下方から上方へ、加熱室20外では上方から下方へ流れる冷却用ガスG3の対流循環が形成されるため、材料Wを短時間で均一に冷却することが可能になる。なお、この冷却工程時には、炉内の圧力が所定の圧力、例えば、0.5MPaに維持される。
冷却工程が完了すると、開閉弁V4を「閉」にするとともに、図示しないリーク弁を「開」として炉体1内を大気圧に戻す。そして、クラッチシール装置11を作動させて上部炉体1aと下部炉体1bとの結合を解除し、上部炉体1aを支持している昇降機構(図示せず)を駆動させて上部炉体1aを上方に移動させ、戴置台32上に戴置されている材料Wを抽出する。
なお、本操業例では、タングステン・カーバイド等の超硬合金の金属粉末の成形品を焼結処理するため、真空加熱及び加圧加熱からなる焼結工程の後、加圧冷却工程を実行したが、これに限定するものではなく、例えば、焼結工程を真空加熱のみで実行してもよいし、加圧冷却に代えて、常圧下で冷却を実行してもよく、冷却工程における冷却用ガスは窒素ガスとアルゴンガスとの混合ガスであってもよい。
また、例えば、処理材料が窒化珪素等のセラミックス粉末の成形品の場合は、窒素雰囲気中で加圧脱脂及び加圧加熱を実行した後、冷却工程を実行する処理を行うことも可能であり、処理材料に応じて各処理工程を適宜変更すればよい。
3.一室型真空炉の変形例
本実施の形態の一室型真空炉では、上述のように、補助排気管4を可動排気管4aと固定排気管4bとで構成し、可動排気管4aの上昇位置において、可動排気管4aの下端部が主排気管5内に遊嵌状態で位置するとともに、固定排気管4bの下端部が可動排気管4a内に遊嵌状態で位置する構成を例に挙げて説明したが、本実施の形態に限定するものではなく、種々の変更が可能である。
図5に示すように、前記可動排気管4aを排除し、主排気管5の内径を固定排気管4bの外径よりも大径に形成し、主排気管5が固定排気管4bに所定隙間をもって外装することにより、固定排気管4bの下端部を主排気管5内に遊嵌状態で位置させる。さらに、この固定排気管4bの胴部に複数の開口部25a及び25bを形成し、この開口部25a及び25bを開閉自在に構成する封止部8aとロッド8bとからなる開閉機構8を配設してもよい。
例えば、図5(a)では、固定排気管4bの胴部に形成された開口部25a及び25bを開閉機構8で閉止することで真空加熱工程を実行することができる。また、例えば、図5(b)では、固定排気管4bの胴部に形成された開口部25a及び25bを開放状態とすることで冷却工程を実行することができる。このように、本変形例では、固定排気管4bの胴部に形成された開口部25a及び25bが開閉機構8で開閉自在に構成されているので、より簡易な構造の一室型真空炉を提供することができる。
今回、開示した実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は、上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明に係る一室型真空炉は、超硬合金等の金属粉末の成形品の焼結や、例えば、窒化珪素等のセラミックス粉末の成形品の焼成に有用である。
1 炉体
3 ヒータ
4 補助排気管
4a 可動排気管
4b 固定排気管
5 主排気管
6 キャリアガス供給口
10 排気系
10a 主排気管系
10b 補助排気管系
20 加熱室
20a 上部加熱室部
20b 下部加熱室部
23 上蓋
26 開口部
FM 流量計
MP メカニカルブースターポンプ
RP 油回転真空ポンプ
T 一室型真空炉
V1〜V2 真空弁
V3〜V4 開閉弁

Claims (3)

  1. 断熱材で囲繞された加熱室が炉体内に配置されるとともに、開閉自在な開口が前記加熱室に形成され、前記炉体内に連通する主排気管と、前記加熱室内に連通する補助排気管とを備えた一室型真空炉において、
    前記開閉自在な開口は、前記加熱室の天井部に形成され、
    前記補助排気管は、前記加熱室の床部に接続され、当該補助排気管が前記加熱室側の固定排気管部と昇降自在に移動する可動排気管部とから構成され、
    前記可動排気管部が上昇位置にあるとき、前記固定排気管部の下端が前記可動排気管部内に、また、前記可動排気管部の下端が前記主排気管内にそれぞれ遊嵌状態で位置することを特徴とする一室型真空炉。
  2. 断熱材で囲繞された加熱室が炉体内に配置されるとともに、開閉自在な開口が前記加熱室に形成され、前記炉体内に連通する主排気管と、前記加熱室内に連通する補助排気管とを備えた一室型真空炉において、
    前記開閉自在な開口は、前記加熱室の天井部に形成され、
    前記補助排気管は、前記加熱室の床部に接続されているとともに、当該補助排気管の胴部に開閉自在な開口が形成され、
    前記補助排気管の下端が前記主排気管内に遊嵌状態で位置することを特徴とする一室型真空炉。
  3. 前記加熱室に形成されている開閉自在な開口は、該開口の開口面積を制御可能な蓋部により開閉されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の一室型真空炉。
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