JP2011021515A - 2サイクルエンジンおよびそれを備えたエンジン工具 - Google Patents

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俊徳 安富
Junichi Kamimura
淳一 上村
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Abstract

【課題】吹き抜けによる排気ガスの特性値の悪化を抑制しながら、高出力で低コストの2サイクルエンジンを提供する。
【解決手段】2サイクルエンジン1は、シリンダの軸線6方向視において排気口15に対向して設けられる吸気口17と、シリンダ4の内側壁の排気口15と吸気口17との間に設けられる排気側掃気口20と、排気側掃気口20に接続する排気側掃気通路と、吸気口17に接続する吸気通路18の上方の壁面181と下方の壁面182とを接続するリブ19と、吸気口17の上方に位置し、シリンダ軸線6方向視において吸気口17と重なるように設けられる吸気側掃気口22と、リブ19内をシリンダ軸線6方向に延びる吸気側掃気通路23を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、2サイクルエンジン、特に刈払い機、チェンソーおよびブロア等の手持ちエンジン工具に好適な2サイクルエンジンに関する。
2サイクルエンジンでは、掃気工程時に未燃ガス(混合気)が排気口から流出(吹き抜け)して排気ガスの特性値が悪化することを抑えるために、例えば特許文献1のように掃気口または排気口の数や形状を工夫したもの、あるいは空気を先導させた層状掃気方式が知られている。
特開2002-89270号公報
ところで、一般的に小型化が求められるエンジン工具では、シリンダの内側壁の排気口、掃気口、吸気口を往復動するピストンで開閉するピストンバルブ方式の2サイクルエンジンが多く用いられる。2サイクルエンジンでは、吹き抜けによる排気ガスの特性値の悪化を抑制するために排気口、掃気口、吸気口のレイアウトを工夫することが行われる。しかし、大きさに制約がある2サイクルエンジンでは、排気口、掃気口、吸気口のレイアウトが限られるため、所望の低排出ガス特性を実現するように排気口、掃気口、吸気口をレイアウトすることは難しい。
また、空気先導の層状掃気方式では空気と混合気を別の通路より掃気口へ供給するため、専用のキャブレターが必要となるうえ、空気通路を確保するための複雑な掃気口形状及びピストンの追加工等が必要となる。このため、部品のコストや製造コストが増加してしまうという問題がある。また、燃焼室に空気が入った後に混合気が入ることで混合気の濃度が低下するという問題もある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、吹き抜けによる排気ガスの特性値の悪化を抑制しながら、高出力で低コストの2サイクルエンジンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点にかかる2サイクルエンジンは、
シリンダの内側壁に設けられる排気口と、
前記シリンダの軸線方向視において前記排気口に対向し、前記シリンダの内側壁に設けられる、クランク室内に混合気を供給する吸気口と、
前記シリンダの軸線方向視において前記シリンダの内側壁の前記排気口と前記吸気口との間に設けられる第1の掃気口と、
前記シリンダの軸線方向に延び、前記第1の掃気口と前記クランク室とを接続する第1の掃気通路と、
前記シリンダの軸線方向に延び、前記吸気口に接続する吸気通路の上死点側の壁面と下死点側の壁面とを接続するリブと、
前記シリンダの軸線方向において前記吸気口より上死点側に位置し、前記シリンダの軸線方向視において前記吸気口と重なり、前記シリンダの内側壁に設けられる、第2の掃気口と、
前記リブ内を前記シリンダの軸線方向に延び、前記第2の掃気口と前記クランク室とを接続する第2の掃気通路と、を備え、
前記排気口、前記吸気口、前記第1の掃気口、および前記第2の掃気口が、前記シリンダ内を上死点と下死点との間で上下動するピストンの側壁により開閉される、
ことを特徴とする。
また、前記リブは、前記シリンダの軸線方向において前記シリンダの内側壁に沿うシリンダ対向部が形成されてもよい。
さらに、前記リブの前記シリンダ対向部には、前記シリンダの軸線方向に延びる第1の溝部が形成され、
前記シリンダの内側壁には、前記第1の溝部から前記第2の掃気口に向かって延びる第2の溝部が形成され、
前記第2の掃気通路は、前記第1の溝部と、前記第2の溝部と、前記ピストンとにより構成されてもよい。
また、前記リブは複数設けられ、
前記第2の掃気口および前記第2の掃気通路は、前記複数のリブそれぞれに対応して複数設けられてもよい。
さらに、前記シリンダの軸線方向視において、前記リブは、前記吸気口の周方向の中心と前記シリンダの軸線とを通る面を挟むように設けられてもよい。
また、前記シリンダの軸線方向視において、前記リブは、前記吸気口の周方向の中心と前記シリンダの軸線とを通る面に略対称に設けられてもよい。
また、前記シリンダの軸線方向視において、前記リブの前記シリンダの周方向の幅が、前記シリンダの半径方向外側に向かうにつれて、減少することが好ましい。
さらに、前記第2の掃気通路の上死点側の壁面から前記シリンダ内への延長線が、前記シリンダの軸線方向に垂直な線より上死点方向に向かうように傾くことが好ましい。
また、前記第1の掃気通路の上死点側の壁面から前記シリンダ内への延長線は、前記シリンダの軸線方向に垂直な線より上死点方向に向かうように傾き、
前記第2の掃気通路の上死点側の壁面から前記シリンダ内への延長線の前記シリンダの軸線方向に垂直な線に対する傾きが、前記第1の掃気通路の上死点側の壁面から前記シリンダ内への延長線の前記シリンダの軸線方向に垂直な線に対する傾きより、大きくてもよい。
さらに、前記第1の掃気口は、前記シリンダの軸線方向視において、前記排気口の周方向の中心と前記シリンダの軸線とを通る面を挟んで設けられてもよい。
また、前記第1の掃気口は、前記シリンダの軸線方向視において、前記排気口に対向する前記シリンダの内側壁に向かって開口することが好ましい。
本発明の別の観点にかかるエンジン工具は、上述の2サイクルエンジンを備えることを特徴とする。
本発明によれば、吹き抜けによる排気ガスの特性値の悪化を抑制し、高出力の2サイクルエンジンを実現することができる。
本発明の2サイクルエンジンを搭載した刈払機を示す図。 本発明の2サイクルエンジンのシリンダ軸線を含み排気口をシリンダ周方向に2分割する位置での断面図。 図2のIII−III線断面図。 図2のIV−IV線断面図。 図2のV−V線断面図。 図3におけるVI−VI線断面図。 図3におけるVII−VII線断面図。 本発明の変形例を示す図4に対応する図。
以下、本発明の実施形態を添付図面に沿って説明する。図1に示すように、
2サイクルエンジン1(以下エンジン)を搭載した刈払機1001は、操作桿1002の先端に回転刃1003が取り付けられ、操作桿1002の後端にエンジン1が取り付けられている。エンジン1の出力は、操作桿1002内に挿通させたドライブシャフトを介して回転刃1003に供給される。操作者は操作桿1002に取り付けられたハンドル1004を把持して刈払機1001を操作する。
図2に示すように、エンジン1のシリンダブロック2にはクランクケース3が取り付けられる。シリンダブロック2のシリンダ4内では、ピストン5がシリンダ軸線6の方向に上下動(図2中の上下)する。なお、図2では、ピストン5は下死点に位置している。シリンダ4上方の頂部凹所7には点火プラグ8が取り付けられる。ピストン5の上面、シリンダ4の内側壁、および、シリンダ4の頂部凹所7により燃焼室9が画定される。シリンダ4は、下方でクランクケース3内のクランク室10に接続される。ピストン5はピストンピン11、コンロッド12を介してクランクケース3に回転可能に支持されたクランク軸13に接続される。クランク軸13にはクランクウェイト14が取り付けられる。
シリンダ4の内側壁には排気口15が設けられる。シリンダブロック2には排気口15に接続する排気通路16が設けられ、排気口15から排気通路16を通ってシリンダ4内の燃焼ガスを排気する。また、シリンダ軸線6方向視において、シリンダ4を挟んで排気口15に対向するシリンダ4の内側壁には吸気口17が設けられる。シリンダブロック2には吸気口17に接続する吸気通路18が設けられ、吸気通路18は図示しないキャブレターに接続される。キャブレターから供給される混合気は、吸気通路18から吸気口17を通ってクランク室10内に流入する。また、吸気通路18には、吸気通路18の上方の壁面181と下方の壁面182とに接続するリブ19が設けられる。なお、排気口15と吸気口17とは、シリンダ軸線6方向視においては対向し、排気口15および吸気口17のそれぞれのシリンダ4の周方向の中心とシリンダ軸線6とは略直線上に並ぶように配置される。またシリンダ軸線6方向においては、図2に示すように、排気口15は吸気口17より上方に設けられる。
シリンダ4の内側壁にはさらに、排気側掃気口20(第1の掃気口)と吸気側掃気口22(第2の掃気口)が設けられる。図3に示すように、排気側掃気口20は、シリンダ4の周方向において、排気口15と吸気口17の間に一対設けられる。一対の排気側掃気口20は、シリンダ軸線6を通り排気口15をシリンダ4の周方向に2等分する面24を挟んで設けられ、一対の排気側掃気口20は面24に略対称に配置されることが望ましい。なお、本実施形態では、面24はシリンダ軸線6を通り吸気口17をシリンダ4の周方向に2等分する面でもある。それぞれの排気側掃気口20は、シリンダ軸線6方向に伸びる排気側掃気通路21(第1の掃気通路)を介してクランク室10に繋がる。また、図3に示すように、排気側掃気口20はシリンダ軸線6方向視において、排気口15に対向するシリンダ4の内側壁に向かって、つまり、本実施形態の場合には吸気口17に向かって、開口する。これは、例えば、シリンダ軸線6方向視において排気側掃気通路21の排気側掃気口20近傍における吸気口17側(あるいは排気口15側)からシリンダ4内に伸びる延長線が、排気側掃気口20近傍における吸気口17側(あるいは排気口15側)から面24に垂直に伸びる線より、吸気口17に近づくように傾くものである。
図3に示すように、吸気側掃気口22は、シリンダ軸線6方向視において、点線で示す吸気口17に重なるように、2つ設けられ、排気口15に向かって開口する。2つの吸気側掃気口22は、シリンダ軸線6を通り排気口15(および/または吸気口17)をシリンダ4の周方向に2等分する面24を挟んで設けられ、2つの吸気側掃気口22は面24に略対称に配置されることが望ましい。それぞれの吸気側掃気口22は、シリンダ軸線6方向に伸びる吸気側掃気通路23(第2の掃気通路)を介してクランク室10に繋がる。図4に示すように、吸気通路18内において、吸気側掃気通路23に対応してリブ19が2つ設けられる。リブ19のシリンダ4に対向する端部19a、19b(シリンダ対向部)は、シリンダ4の内側壁に沿うように形成される。リブ19のシリンダ4に対向する端部19a、19bの間には、シリンダ軸線6方向に伸びる凹溝19c(第1の溝部)が形成されて吸気側掃気通路23を成す。また、リブ19は、シリンダ4の周方向における幅が、吸気口17から離れる(シリンダ4の半径方向外側に向かう)につれて減少するように、図4に示すように略半楕円の断面形状であり、吸気口17から遠ざかるにつれ窄まる形状を有している。なお、リブ19の形状は例えば、略半円、三角形状、翼状の断面形状であってもよい。また、2つのリブ19は、シリンダ軸線6方向視において、面24を挟んで設けられ、面24に略対称に配置されることが望ましい。
図5に示すように、吸気側掃気口22は吸気口17の上方に設けられる。また、吸気側掃気口22の上端22aは、排気側掃気口20の上端20aより、シリンダ軸線6方向において、下方に位置する。吸気側掃気通路23は、リブ19の凹溝19cの上方に吸気側掃気口22まで伸びるシリンダ4の内側壁に形成された溝状の上方溝部23a(第2の溝部)と、凹溝19cと、凹溝19cの下方にクランク室10まで伸びる下方溝部23bと、ピストン5の側壁51(図2参照)とにより構成される。また、排気側掃気通路21は、排気側掃気口20からクランク室10にシリンダ軸線6方向に伸びる、シリンダ4の内側壁に形成された溝状の排気側掃気溝21aと、ピストン5の側壁51とにより構成される。なお、吸気側掃気通路23は、上述のように、シリンダ4の内側壁に形成された溝状の通路とピストン5の側壁51とで囲まれる空間として構成するものに限られることは無く、シリンダブロック2内に設けられる独立の通路として構成しても良い。また、排気側掃気通路21についても同様に、シリンダブロック2内に設けられる独立の通路として構成しても良い。
図6に示すように、吸気側掃気口22の上端22aにおいて、吸気側掃気通路23の上壁面23cからシリンダ4内に伸びる延長線25は、上端22aからシリンダ軸線6方向に垂直に伸びる線26より、上死点方向に向かうように傾く。また、図7に示すように、排気側掃気口20の上端20aにおいて、排気側掃気通路21の上壁面21cからシリンダ4内に伸びる延長線27は、上端20aからシリンダ軸線6方向に垂直に伸びる線28より、上死点方向に向かうように傾く。なお、吸気側掃気口22から伸びる延長線25の傾きは、排気側掃気口20から伸びる延長線27の傾きより大きく、吸気側掃気口22から伸びる延長線25はより急角度で上死点方向に向かう。なお、吸気側掃気口22、排気側掃気口20、排気口15、吸気口17はそれぞれ、上下動するピストン5の側壁51により開閉される。
次に、エンジン1の1サイクルの動作について説明する。燃焼室9内の混合気はピストン5が上死点付近に来ると点火プラグ8により点火される。燃焼室9内の混合気は点火されて燃焼ガスとなり、高温、高圧となってピストン5を上死点から下死点に向かって押し下げる。ピストン5が下降すると、ピストン5の側壁51により閉じられていた排気口15が開き、燃焼ガスは排気口15から排気通路16に排出される。同時に、ピストン5の下降に伴い、クランク室10内の混合気が圧縮され、混合気の圧力は上昇する。
ピストン5がさらに下降すると、ピストン5の側壁51により閉じられていた排気側掃気口20が開き、続いて吸気側掃気口22が開き、混合気が燃焼室9内に流入する。排気側掃気口20は、シリンダ軸線6方向視においてシリンダ4内の排気口15に対向する方向(吸気口17が設けられた方向)に向いて開口する。このため、排気側掃気口20から流入する混合気は、燃焼室9内で吸気口17側のシリンダ4の内側壁に沿って上昇し、点火プラグ8に向かうことになり、吹き抜けを低減することができる。また、吸気側掃気通路23の一部は吸気通路18内に位置しているので、吸気側掃気口22から燃焼室9内に流入する混合気は、吸気通路18内の混合気により吸気側掃気通路23通過時に冷却される。このため、密度の高い混合気を燃焼室9内に供給することができる。
ピストン5が下死点に達した後、ピストン5が上死点に向かって上昇すると、排気側掃気口20および吸気側掃気口22と燃焼室9とのそれぞれの連通部分が徐々に狭くなって閉じられ、続いて排気口15も閉じられる。一方、吸気口17が開口し、クランク室10が膨張して負圧となるため、吸気口17からクランク室10に混合気が流入する。この時、混合気は吸気通路18内でリブ19に衝突する。しかし、リブ19は、シリンダ4の周方向における幅が吸気口17から離れるに従って減少する半楕円形状の断面を有するので、吸気通路18内の混合気の流れを乱すことがない。したがって、混合気は、リブ19による妨げ無しにクランク室10内に流入することができる。そして、次のサイクルに移行する。
このように構成されたエンジン1では、シリンダ軸線6方向視において、排気側掃気口20は、排気口15に対向するシリンダ4の内側壁に向かって開口し、吸気側掃気口22は排気口15に対向するシリンダ4の内側壁に排気口15から離れた位置で、排気口15に向かって開口している。このため、排気側掃気口20から燃焼室9内に流入する混合気は排気口15に対向するシリンダ4の内側壁に向かって流入し点火プラグ8に向かう一方、吸気側掃気口22から燃焼室9内に流入する混合気は燃焼室9内の燃焼ガスを排気口15に向かって押し出すことになる。したがって、混合気の吹き抜けを抑制しながら燃焼ガスを排出することが可能となり、低排出ガス特性のエンジンを実現することが可能となる。
また、吸気側掃気口22の上端22aにおいて、吸気側掃気通路23の上壁面23cからシリンダ4内に伸びる延長線25は、上端22aからシリンダ軸線6方向に垂直に伸びる線26より、上死点方向に向かうように傾いている。このため、吸気側掃気口22から燃焼室9内に流入する混合気は上死点の方向、つまり排気口15から離れて燃焼室9の上端に向かうことになる。同様に、排気側掃気口20の上端20aにおいて、排気側掃気通路21の上壁面21cからシリンダ4内に伸びる延長線27も、上端20aからシリンダ軸線6方向に垂直に伸びる線28より、上死点方向に向かうように傾いている。このため、排気側掃気口20から燃焼室9内に流入する混合気は上死点の方向、つまり排気口15から離れて燃焼室9の上端に向かうことになる。そして、燃焼室9の上端に向かう流れは、上述の通り吸気側掃気口22の傾きの方がより急角度で上死点に向くので、吸気側掃気口22から燃焼室9内に流入する混合気の方がより上端に向かう。このため、上述のシリンダ軸線6方向視における排気側掃気口20と吸気側掃気口22の開口方向の作用に加えて、排気側掃気口20と吸気側掃気口22から燃焼室9内に流入する混合気は、排気口15から離れて燃焼室9の上端に向かうことになる。このため、吹き抜けがより抑制され、より効率的に燃焼ガスを排出させることが可能となり、より低排出ガス特性のエンジンを実現することが可能となる。
さらに、吸気側掃気通路23の一部は吸気通路18内に位置している。このため、吸気通路18内の吸気側掃気通路23を混合気が通過する際に、吸気側掃気通路23を流れる混合気を吸気通路18内の混合気により冷却することができる。これにより、密度の高い混合気を燃焼室9内に供給することができ、エンジン出力を向上させることができる。
また、吸気通路18内には吸気口17に沿ってシリンダ軸線6方向に伸びるリブ19が設けられていることから、吸気口17が設けられたことによるシリンダブロック2の強度の低下を抑えることができる。そして、リブ19によりシリンダブロック2の強度を確保することで、エンジン1の寿命を延ばすこともできる。また、出力向上等のために吸気口17を大きくしたとしてもリブ19で強度を確保することができるので、エンジン1の設計上の自由度を向上させることができる。
また、リブ19は、シリンダ4の周方向における幅が、吸気口17から離れるにつれて減少するように、シリンダ軸線6に垂直な面による断面形状が略半楕円であり、吸気口17から遠ざかるにつれ窄まる形状を有する。したがって、吸気通路18内を流れる混合気の流れを乱すことがなく、混合気を、リブ19で妨げられること無しにクランク室10内に流入させることができる。
また、吸気側掃気口22の上端22aは、排気側掃気口20の上端20aより、シリンダ軸線6方向において、下方に位置する。このため、排気側掃気口20が吸気側掃気口22より先に開く。排気側掃気口20が開いた直後では、シリンダ4内の圧力はクランク室10内の圧力よりも高いことから、排気側掃気口20へ燃焼室9内の燃焼ガスが逆流する。このため、排気側掃気通路21内の混合気の濃度は低下する。しかし、吸気側掃気口22が開くタイミングでは、クランク室10内の圧力が上昇し、吸気側掃気口22へ燃焼室9内から燃焼ガスが逆流することは抑制される。このため、燃焼室9の上端に向かってより急な傾きを有して開口する吸気側掃気口22から流入する混合気には燃焼ガスが混じることが無い。したがって、点火プラグ8周辺に濃度の高い混合気を供給することが可能となり、より理想的な燃焼の実現が可能となり、エンジンの出力向上とともに低排出ガス特性を実現することができる。
また、図2などに示されるように、シリンダ4および吸気通路18はそれぞれ型抜きにより一方向から抜くだけで形成できるようシリンダブロック2に形成されている。排気側掃気口20、排気側掃気通路21、吸気側掃気口22、吸気側掃気通路23は、それぞれシリンダ4の内側壁に形成された溝として実現されるので、容易に製造することが可能であり、特に、吸気側掃気通路23は、吸気口17部分においても、吸気通路18内のリブ19の吸気口17に面する部分に凹溝19cとして形成される。このため、シリンダ4および吸気通路18の形成時に同時に型抜き形成することができ、シリンダブロック2の製造を容易に行うことが可能となり、低コストのエンジンを実現することができる。また、吸気口17はシリンダ4の内側壁に設けられていることにより、ピストン5の上下動に伴いピストン5の側壁が、排気口15、吸気口17、吸気側掃気口22、排気側掃気口20と重なることで燃焼室9内との開閉を行なっているため、特に吸気口17の開閉においてバルブ等の開閉手段を別途設ける必要が無く、小型で軽量なエンジンを構成することができる。また、キャブレターをシリンダブロック2の吸気通路18の入口に直接取り付けることで、スペースを有効に利用することができ、刈払機1001等のエンジン工具本体を小型化することが可能となる。
なお、上述の実施形態では、吸気側掃気口22、吸気側掃気通路23、および、リブ19はそれぞれ2つ設けられているが、これに限られるものでは無い。例えば、図8に示すように、吸気側掃気口(図示せず)、吸気側掃気通路123、および、リブ119を一つ設ける構成としても、上述の場合と同様の作用、効果を得ることができる。なお、シリンダ軸線6方向視において、吸気側掃気口、吸気側掃気通路123およびリブ119それぞれのシリンダ周方向の中心は、シリンダ軸線6を通り、吸気口17の周方向の中心を通る面24と略同じ位置となるように配置する、つまり、面24に略対称となるように配置されることが望ましい。また、リブ、吸気側掃気口、吸気側掃気通路は、それぞれ3つ、あるいはそれ以上設けられていてもよい。さらに、上述の実施形態では、シリンダ軸線6方向視において、排気側掃気口20はシリンダ4を挟んで1対、つまり2つ設けられているが、排気側掃気口は2対、つまり4つ設けられる構成であってもよい。
また、上述の実施形態では、エンジン1は刈払機1001に搭載されているが、エンジン1は、チェンソー、エンジンカッター等のエンジン工具にも適用することができる。
1 エンジン
2 シリンダブロック
3 クランクケース
5 ピストン
6 シリンダ軸線
7 頂部凹所
8 点火プラグ
9 燃焼室
10 クランク室
11 ピストンピン
12 コンロッド
13 クランク軸
14 クランクウェイト
15 排気口
16 排気通路
17 吸気口
18 吸気通路
19 リブ
19a,b 端部
19c 凹溝
20 排気側掃気口
20a 上端
21 排気側掃気通路
21a 排気側掃気溝
21c 上壁面
22 吸気側掃気口
22a 上端
23 吸気側掃気通路
23a 上方溝部
23b 下方溝部
23c 上壁面
24 面
25 延長線
26 線
27 延長線
28 線
51 ピストン5の側壁
119 リブ
123 吸気側掃気通路
181 上方の壁面
182 下方の壁面
1001 刈払機
1002 操作桿
1003 回転刃
1004 ハンドル

Claims (12)

  1. シリンダの内側壁に設けられる排気口と、
    前記シリンダの軸線方向視において前記排気口に対向し、前記シリンダの内側壁に設けられる、クランク室内に混合気を供給する吸気口と、
    前記シリンダの軸線方向視において前記シリンダの内側壁の前記排気口と前記吸気口との間に設けられる第1の掃気口と、
    前記シリンダの軸線方向に延び、前記第1の掃気口と前記クランク室とを接続する第1の掃気通路と、
    前記シリンダの軸線方向に延び、前記吸気口に接続する吸気通路の上死点側の壁面と下死点側の壁面とを接続するリブと、
    前記シリンダの軸線方向において前記吸気口より上死点側に位置し、前記シリンダの軸線方向視において前記吸気口と重なり、前記シリンダの内側壁に設けられる、第2の掃気口と、
    前記リブ内を前記シリンダの軸線方向に延び、前記第2の掃気口と前記クランク室とを接続する第2の掃気通路と、を備え、
    前記排気口、前記吸気口、前記第1の掃気口、および前記第2の掃気口が、前記シリンダ内を上死点と下死点との間で上下動するピストンの側壁により開閉される、
    ことを特徴とする2サイクルエンジン。
  2. 前記リブは、前記シリンダの軸線方向において前記シリンダの内側壁に沿うシリンダ対向部が形成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の2サイクルエンジン。
  3. 前記リブの前記シリンダ対向部には、前記シリンダの軸線方向に延びる第1の溝部が形成され、
    前記シリンダの内側壁には、前記第1の溝部から前記第2の掃気口に向かって延びる第2の溝部が形成され、
    前記第2の掃気通路は、前記第1の溝部と、前記第2の溝部と、前記ピストンとにより構成される、
    ことを特徴とする請求項2に記載の2サイクルエンジン。
  4. 前記リブは複数設けられ、
    前記第2の掃気口および前記第2の掃気通路は、前記複数のリブそれぞれに対応して複数設けられる、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の2サイクルエンジン。
  5. 前記シリンダの軸線方向視において、前記リブは、前記吸気口の周方向の中心と前記シリンダの軸線とを通る面を挟むように設けられる、
    ことを特徴とする請求項4に記載の2サイクルエンジン。
  6. 前記シリンダの軸線方向視において、前記リブは、前記吸気口の周方向の中心と前記シリンダの軸線とを通る面に略対称に設けられる、
    ことを特徴とする請求項4に記載の2サイクルエンジン。
  7. 前記シリンダの軸線方向視において、前記リブの前記シリンダの周方向の幅が、前記シリンダの半径方向外側に向かうにつれて、減少する、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の2サイクルエンジン。
  8. 前記第2の掃気通路の上死点側の壁面から前記シリンダ内への延長線が、前記シリンダの軸線方向に垂直な線より上死点方向に向かうように傾く、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の2サイクルエンジン。
  9. 前記第1の掃気通路の上死点側の壁面から前記シリンダ内への延長線は、前記シリンダの軸線方向に垂直な線より上死点方向に向かうように傾き、
    前記第2の掃気通路の上死点側の壁面から前記シリンダ内への延長線の前記シリンダの軸線方向に垂直な線に対する傾きが、前記第1の掃気通路の上死点側の壁面から前記シリンダ内への延長線の前記シリンダの軸線方向に垂直な線に対する傾きより、大きい、
    ことを特徴とする請求項8に記載の2サイクルエンジン。
  10. 前記第1の掃気口は、前記シリンダの軸線方向視において、前記排気口の周方向の中心と前記シリンダの軸線とを通る面を挟んで設けられる、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の2サイクルエンジン。
  11. 前記第1の掃気口は、前記シリンダの軸線方向視において、前記排気口に対向する前記シリンダの内側壁に向かって開口する、
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の2サイクルエンジン。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の2サイクルエンジンを備える、
    ことを特徴とするエンジン工具。
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JPH01151712A (ja) * 1987-12-09 1989-06-14 Suzuki Motor Co Ltd 2サイクルエンジン

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