JP2011020291A - 弁体、および、弁体を備えた液体収容容器 - Google Patents

弁体、および、弁体を備えた液体収容容器 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、弁体の開閉動作を安定させることができる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】第1の流路と第2の流路との間に設けられる弁体であって、第1の流路と第2の流路を連通させる連通孔46aを有する弁座46に当接することで、第1と第2の流路を非連通状態とし、弁座46と離間することで、第1と第2の流路を連通状態とするシール部416と、シール部416の外周に設けられ、第1の流路における第1の圧力と第2の流路における第2の圧力との圧力差に応じて弾性変形することでシール部416を変位させる膜状部412と、を備え、シール部416のヤング率は、膜状部412のヤング率よりも大きい。
【選択図】図7

Description

本発明は、弁体、および、弁体を備えた液体収容容器に関する。
液体収容容器としては、例えば流体噴射装置であるインクジェットプリンターにインクを供給するインクカートリッジが知られている。インクカートリッジは、液体収容室と、液体供給口(「液体供給部」ともいう。)と、両者を連通させる連通流路とを備えている。このようなインクカートリッジにおいて、連通流路の途中に弁体(「膜弁」ともいう。)を設ける技術が知られている。該弁体は、液体収容室における圧力と液体供給口における圧力の差(「差圧」ともいう。)が所定の閾値以上となると開弁し、所定の閾値未満となると閉弁する(例えば、特許文献1)。
特開2003−226028号公報 特開2005−230613号公報
しかしながら、弁体の使用態様によっては、該閾値が変動し、弁体の開閉動作が不安定となる場合があった。このような問題は、弁体を備えるインクカートリッジに限らず、弁体を備える液体収容容器に共通する課題であった。なお、本明細書では、弁体が開弁する際の差圧を「作動圧」ともいう。
従って、本発明は、弁体の開閉動作を安定させることができる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することができる。
[適用例1]第1の流路と第2の流路との間に設けられる弁体であって、前記第1の流路と前記第2の流路を連通させる連通孔を有する弁座に当接することで、前記第1と第2の流路を非連通状態とし、前記弁座と離間することで、前記第1と第2の流路を連通状態とするシール部と、前記シール部の外周に設けられ、前記第1の流路における第1の圧力と第2の流路における第2の圧力との圧力差に応じて弾性変形することで前記シール部を変位させる膜状部と、を備え、前記シール部のヤング率は、前記膜状部のヤング率よりも大きい、弁体。
適用例1の弁体によれば、シール部のヤング率は膜状部のヤング率よりも大きいことから、シール部は膜状部に比べ、他の部材に対して貼り付きにくい。これにより、所定の作動圧によりシール部は安定して弁座から離間する。また、第1と第2の圧力の差(差圧)に応じて弾性変形する膜状部は、シール部に比べヤング率が小さいことから、シール部に比べより小さな差圧により弾性変形する。よって、差圧による膜状部の変形がより安定する。このように、シール部のヤング率を膜状部のヤング率よりも大きくすることで、シール部のヤング率が膜状部のヤング率と同じ弁体に比べ、所定の作動圧における弁体の開閉動作を安定させることができる。また、膜状部、延いては弁体を小型化することができる。
[適用例2]適用例1に記載の弁体であって、前記シール部と前記膜状部は、同一の複数の成分を含み、かつ、前記シール部と前記膜状部の前記複数の成分のうち、少なくとも一つの成分の比率が異なる、弁体。
適用例2の弁体によれば、ヤング率の大きいシール部と、ヤング率の小さい膜状部を同一の複数の成分を含む材料により製作できることから、弁体の製作コストを低減することができる。
[適用例3]適用例1又は適用例2に記載の弁体であって、前記シール部と前記膜状部は二色成形により一体成形される、弁体。
適用例3の弁体によれば、シール部と膜状部を二色成形により一体成形することで、容易に弁体を作製することができる。
[適用例4]適用例1に記載の弁体であって、さらに、前記膜状部の外周に設けられる取り付け部であって、当該弁体を前記第1と第2の流路の間の位置に保持する保持部材に取り付けるための取り付け部を備え、前記取り付け部のヤング率は、前記膜状部のヤング率よりも大きい、弁体。
適用例4の弁体によれば、取り付け部は膜状部よりもヤング率が大きいことから、取り付け部は膜状部に比べ、外力に対して変形しにくい。よって、保持部材に弁体を組み付ける際に、取り付け部の変形を抑制でき、取り付け部の変形による弁体全体の変形を抑制することができる。よって、所定の作動圧における弁体の開閉動作をより安定させることができる。また、取り付け部は膜状部よりもヤング率が大きいことから他の部材に対して貼り付きにくく、製造時において弁体が部品トレーなどの製造装置類に貼り付く不具合を防止することができる。
[適用例5]適用例4に記載の弁体であって、前記取り付け部のヤング率は、前記シール部のヤング率よりも大きい、弁体。
適用例5の弁体によれば、さらに、前記取り付け部は、シール部よりもヤング率が大きい。これにより、取り付け部は外力に対してより変形しにくくなる。これにより、保持部材に弁体を組み付ける際に、取り付け部の変形をより抑制でき、取り付け部の変形による弁全体の変形をより抑制することができる。よって、所定の作動圧における弁体の開閉動作をより一層安定させることができる。
[適用例6]適用例1に記載の弁体であって、さらに、前記膜状部の外周に設けられる取り付け部であって、当該弁体を前記第1と第2の流路の間の位置に保持する保持部材に取り付けるための取り付け部を備え、前記シール部と前記膜状部と前記取り付け部は、同一の複数の成分を含み、前記シール部と前記取り付け部の前記複数の成分の比率が同一であり、かつ、前記シール部と前記膜状部の前記複数の成分のうち、少なくとも一つの成分の比率が異なる、弁体。
適用例6の弁体によれば、シール部と膜状部と取り付け部を同一の複数の成分を含む材料により製作できることから、弁体の製作コストを低減することができる。
[適用例7]適用例4乃至適用例6のいずれか一つに記載の弁体であって、前記シール部と前記膜状部と前記取り付け部は、二色成形により一体成形される、弁体。
適用例7の弁体によれば、シール部と膜状部と取り付け部とを二色成形により一体成形することで、容易に弁体を作製することができる。
[適用例8]適用例1乃至適用例7のいずれか一つに記載の弁体であって、前記膜状部の外周形状は、略円形形状であり、前記シール部は、前記略円形形状の中心部分に位置する、弁体。
適用例8の弁体によれば、さらに、シール部が膜状部の外周形状の中心部分に位置しない場合に比べ、膜状部の弾性変形によって、シール部がスムーズに変位できる。これにより、弁体の開閉動作をより安定させることができる。
[適用例9]適用例1乃至適用例8のいずれか1つに記載の弁体であって、前記膜状部は、前記膜状部の周方向に亘って当該弁体の厚さ方向に折れ曲がっている屈曲部を有する、弁体。
適用例9の弁体によれば、屈曲部を設けることで、第1と第2の圧力の差に応じて膜状部がよりスムーズに弾性変形する。これにより、弁体の開閉動作をより一層安定させることができる。
[適用例10]第1の流路と第2の流路との間に設けられる弁体であって、前記第1の流路と前記第2の流路を連通させる連通孔を有する弁座に当接することで、前記第1の流路と前記第2の流路を非連通状態とし、前記弁座と離間することで、前記第1と第2の流路を連通状態とするシール部と、前記シール部の外周に設けられ、前記第1の流路における第1の圧力と第2の流路における第2の圧力との圧力差に応じて弾性変形することで前記シール部を変位させる膜状部と、を備え、前記シール部の外表面のタック性は、前記膜状部の外表面のタック性よりも小さい、弁体。
適用例10の弁体によれば、シール部の外表面のタック性は膜状部の外表面のタック性よりも小さいことから、シール部は膜状部に比べ、他の部材に対して貼り付きにくい。これにより、所定の作動圧によりシール部は安定して弁座から離間する。このように、シール部の外表面のタック性を膜状部の外表面のタック性よりも小さくすることで、シール部の外表面のタック性と膜状部の外表面のタック性とが同じ弁体に比べ、所定の作動圧における弁体の開閉動作を安定させることができる。
[適用例11]液体収容容器であって、液体収容容器に収容された液体を外部へ供給可能な液体供給部と、前記第1の流路と前記第2の流路を形成する流路形成部材と、適用例1乃至適用例10のいずれか一つに記載の弁体と、前記弁体の前記シール部と当接し、前記第1の流路と前記第2の流路を連通させる連通孔を有する弁座とを、備える、液体収容容器。
適用例11の液体収容容器によれば、作動圧が安定した弁体を備えることで、液体供給部から液体を安定して外部へと供給することができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、上述した弁体、弁体を備えた液体収容容器としての構成のほか、上述したいずれかの構成の弁体の製造方法、上述したいずれかの構成の弁体、液体収容容器を備えた流体噴射装置等の態様で実現することができる。
本発明の一実施例の弁体を備えたインクカートリッジがキャリッジに取り付けられた状態を示す図である。 本発明の一実施例としての弁体を備えたインクカートリッジの第1の分解斜視図である。 本発明の一実施例としての弁体を備えたインクカートリッジの第2の分解斜視図である。 大気開放孔から開放孔に至る経路を概念的に示す図である。 弁体の構成を説明するための図である。 図5(B)のB−B断面図である。 弁体の開閉動作を説明するための図である。 第2実施例における弁体を説明するための図である。
次に、本発明の実施の形態を以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.変形例:
A.第1実施例:
図1は、本発明の一実施例の弁体を備えたインクカートリッジがキャリッジに取り付けられた状態を示す図である。液体収容容器の一例であるインクカートリッジ1は、内部に液体のインクを収容する。インクカートリッジ1は、流体噴射装置であるインクジェットプリンターのキャリッジ3に装着され、当該インクジェットプリンターにインクを供給する。
インクカートリッジ1には、係合レバー11が設けられている。係合レバー11に形成された突起がキャリッジ3に形成された凹部4と係合することによりキャリッジ3に対してインクカートリッジ1が固定される。インクジェットプリンターの印刷時には、キャリッジ3は、印刷ヘッド(図示省略)と一体になって、印刷媒体の紙巾方向(主走査方向)に往復移動する。主走査方向は、図1において矢印AR1で示すとおりである。
本実施例では、インクカートリッジがキャリッジに搭載されるいわゆる「オンキャリッジタイプのプリンター」を例に説明を行ったが、キャリッジ以外の場所にインクカートリッジが搭載されるいわゆる「オフキャリッジタイプのプリンター」についても、本実施例のインクカートリッジ1を用いることもできる。
図2は、本発明の一実施例としての弁体を備えたインクカートリッジの第1の分解斜視図である。図3は、本発明の一実施例としての弁体を備えたインクカートリッジの第2の分解斜視図である。図2,図3には、方向を特定するためにXYZ軸が図示されている。本実施例では、高低及び上下は重力方向を基準にしている。本実施例のインクカートリッジ1は、インクジェットプリンターに装着された場合、図2,図3に示すZ軸負方向が重力方向となる。
図2に示すように、インクカートリッジ1は、略直方体のカートリッジ本体10と、蓋部材19とを有している。カートリッジ本体10と蓋部材19は、例えば、ポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂からなる。以下では、カートリッジ本体10について、重力方向下側の面を底面、重力方向上側の面を上面、底面と上面と交わり互いに対向する広い面を正面及び背面、上記の面と交わり互いに対向する正面及び背面よりも狭い面を右側面及び左側面とする。図2,図3においては、X軸正方向側に位置する面を右側面、X軸負方向側に位置する面を左側面、Y軸正方向側に位置する面を正面、Y軸負方向側に位置する面を背面、Z軸正方向側に位置する面を上面、Z軸負方向側に位置する面を底面とする。
図2に示すように、カートリッジ本体10には、様々な形状を有するリブ10aが形成されている。カートリッジ本体10と蓋部材19との間には、カートリッジ本体10のリブ10aが形成されている側を覆うフィルム80が設けられている。フィルム80は、カートリッジ本体10のリブ10aの端面に隙間が生じないように緻密に貼り付けられている。これら複数のリブ10aとフィルムにより、複数の小部屋、例えば、インクを収容する2つの液体収容室16がインクカートリッジ1の内部に区画形成される。
図3に示すように、カートリッジ本体10の背面には、略円柱形状の弁ユニット収容室40aと略直方体形状の気液分離室70aとが形成されている。弁ユニット収容室40aは、弁体41と、コイルばね42と、保持部材43と、を有する弁ユニット40を収容する。弁ユニット収容室40aの底面(円形状の面)には凸状の弁座46が設けられている。また、弁座の中心には、後述する第1の流路と第2の流路とを連通させる連通孔(「弁孔」ともいう。)46aが形成されている。
弁体41は、第1と第2の流路の間に設けられ、2つの流路を連通状態と非連通状態の2つの状態に切り換える。保持部材43は、弁体41を保持するための部材であり、弁ユニット40として弁体41が弁ユニット収容室40aに収容された場合、弁体41を第1と第2の流路の間の位置に保持する。コイルばね42は、弁体41と保持部材43の間に介在し、一端が弁体41と当接し、他端が保持部材43と当接する。コイルばね42は、弁ユニット40の構成部材として組み付けられた場合に、弁体41と保持部材43とを引き離す方向に力を加えている。弁体41は、ゴムやエラストマー等の弾性体からなり、保持部材43はPPやPET等の合成樹脂からなる。
気液分離室70aの底面を囲む内壁の全周には土手70bが形成されている。気液分離膜71の外周は、当該土手70bに貼着されている。これにより、気液分離室70aと土手70bと気液分離膜71によって気液分離フィルタ70を構成する。
カートリッジ本体10の背面には、さらに、複数の溝10bが形成されている。これらの溝10bは、カートリッジ本体10の背面側の略全体を覆うように外表面フィルム60が貼り付けられたときに、カートリッジ本体10と外表面フィルム60との間に、例えば、インクや大気が流動するための各種流路を形成する。ここで、カートリッジ本体10とフィルム60、80が課題を解決するための手段に記載の「流路形成部材」に相当する。
カートリッジ本体10の底面には、インクジェットプリンターにインクを供給するための液体供給部50の一部が突出している。液体供給部50の一端は、インクカートリッジ1の外部に向かって開口している開放孔50aを有する。また、カートリッジ本体10の底面には、大気開放孔100と減圧孔101とセンサー流路形成室30bとが形成されている。減圧孔101は、製造時に空気を吸い出してインクカートリッジ1内部を減圧するために用いられる。センサー流路形成室30bは、インクカートリッジ1のインクの有無の検出のために利用される。
開放孔50a、大気開放孔100、減圧孔101は、インクカートリッジ1が製造された直後には、それぞれフィルムによって封止されている。
係合レバー11よりも下方(底面側)には左側面側に開口を有するセンサー収容室30aが形成されている。センサー収容室30aには、図示しないセンサーが収容されている。センサーは振動を発し、その振動の特性をインクジェットプリンターが取得することによりインクの有無を検出する。
図4は、大気開放孔から開放孔に至る経路を概念的に示す図である。大気開放孔100から開放孔50aに至るまでの経路は、インクを収容するための液体収容室16と、液体収容室16よりも上流側に位置する大気流路14と、液体収容室16の下流側に位置する中間流路18とに大きく分けられる。なお、本明細書において、「上流側」及び「下流側」とは、インクカートリッジ1に収容されているインクが液体供給部50から外部(例えばインクジェットプリンター)に供給される場合における、インクの流れ方向を前提としている。インクカートリッジ1に収容されているインクは、外部へ供給される場合に、液体収容室16から液体供給部50に向かって流れる。
液体収容室16は、上流側から順に、第1の液体収容室16aと、収容室接続流路106と、第2の液体収容室16bとを備える。収容室接続流路106は、第1と第2の液体収容室16a,16bを連通させている。
大気流路14は、上流側から順に、蛇行流路102と、上述した気液分離膜71を収納する気液分離室70aと、気液分離室70aと液体収容室16とを連通させる連通流路104とを備える。蛇行流路102は、上流端が大気開放孔100と連通し、下流端が気液分離室70aと連通している。
中間流路18は、上流側から順に、第1の連通流路108と、上述したセンサー収容室30aと、第2の連通流路110と、バッファ室120と、上述した弁ユニット40を収容する弁ユニット収容室40aと、第3の連通流路128と、第4の連通流路130と、液体供給部50とを備える。なお、センサー収容室30aにはセンサー30が配置されている。
液体収容室16と中間流路18は、弁ユニット収容室40aに弁体41を含む弁ユニット40が収容された場合に、弁体41よりも上流側に位置する第1の流路20と、弁体41よりも下流側に位置する第2の流路22とを構成する。すなわち、弁体41は、第1の流路20と第2の流路22の間に設けられている。第1の流路20と第2の流路22は、弁ユニット収容室40aに設けられた弁座46(図3)から弁体41(詳細には、後述するシール部)が離間することにより連通状態となる。また、第1の流路20と第2の流路22は、弁座46に弁体41(詳細には、後述するシール部)が当接することで非連通状態(「遮断状態」ともいう。)となる。さらに、弁ユニット収容室40aに弁ユニット40が収容されると、弁ユニット収容室40aには、弁体41よりも上流側には第1の圧力室40bが形成され、弁体41よりも下流側には第2の圧力室40cが形成される。
第1の連通流路108は、第2の液体収容室16bとセンサー収容室30a(詳細には図3のセンサー流路形成室30b)とを連通させる流路である。第2の連通流路110は、センサー収容室30a(詳細には、図3のセンサー流路形成室30b)とバッファ室120とを連通させる流路である。
バッファ室120は、途中に流路を挟むことなく、連通孔132を介して弁ユニット収容室40aに連通している。これによりバッファ室430から液体供給部50までの空間を少なくし、インクが滞留して沈降状態になる可能性を低減することができる。弁ユニット40によって、第2の流路22のインクの圧力は、第1の流路20のインクの圧力より低く調整され、第2の流路22のインクが負圧となるように調整される。第3の連通流路128と第4の連通流路130は、弁ユニット収容室40aと液体供給部50とを連通させる。
インクは、インクカートリッジ1の製造時には、破線ML1で液面を概念的に示すように、第1の液体収容室16aまで収容されている。インクカートリッジ1に収容されたインクがインクジェットプリンターによって消費されることにより、液面は下流側に移動し、その代わりに大気開放孔100を介して上流から大気がインクカートリッジ1の内部に流入する。そして、インクの消費が進むと、破線ML2で液面を概念的に示すように、液面がセンサー収容室30aにまで到達する。そうすると、センサー収容室30aに大気が導入され、インク切れが検出される。インク切れが検出されると、インクジェットプリンターは、センサー30より下流側(バッファ室120等)に存在するインクが完全に消費されるより前の段階で、印刷を停止し、ユーザーにインク切れを通知する。完全にインクが切れて、さらに印刷を行うと印刷ヘッドに空気が混入し、不具合が発生するおそれがあるためである。
図5は、弁体の構成を説明するための図である。図5(A)は、弁体の第1の外観斜視図であり、図5(B)は、弁体の第2の外観斜視図である。ここで弁体41の面うち、図5(A)に示されている側の面を第1の面F1と呼び、図5(B)に示されている側の面を第2の面F2と呼ぶ。
図5(A),(B)に示すように、弁体41は、外周形状が略円形をしている。また、弁体41は、ゴムや熱可塑性エラストマー等の弾性体からなる。弁体41は、その中心から径方向外側に向かって、シール部416と、膜状部412と、取り付け部410とを有する。すなわち、シール部416の外周に膜状部412が設けられ、膜状部412の外周に取り付け部410が設けられている。シール部416,膜状部412,取り付け部410の外周形状はいずれも略円形形状である。
シール部416の第1の面F1側の面は、連通孔46aを有する弁座46(図3)に当接することで第1と第2の流路20,22を非連通状態とし、離間することで第1と第2の流路20,22を連通状態とする。この当接及び離間は、膜状部412が弾性変形することで、シール部416の弁体41の厚さ方向の位置が変位することで行われる。弁体41の開閉動作の詳細は後述する。なお、シール部416は、膜状部412の略円形形状の中心部分に位置していることが好ましい。これにより、膜状部412の弾性変形によって、シール部416が弁座46に対してスムーズに変位できる。
図6は、図5(B)のB−B断面図である。図6に示すように、シール部416は、第2の面F2側に突出する凸部416aと、凸部416aの周囲を囲む凸部416aよりも厚さの小さい平面部416bとからなる。凸部416aと平面部416bは、コイルばね42の一端を保持する。具体的には、シール部416の凸部416aはコイルばね42の一端の内側に挿入され、シール部416の平面部416bの第2の面F2側の面がコイルばね42の一端と接する。
膜状部412は、他の部位410,416よりも厚さの小さい(薄い)部位であり、一定の厚みを有する平板状をしている。膜状部412は、第1の流路20(図4)における第1の圧力と、第2の流路22(図4)における第2の圧力との差(差圧)に応じて弾性変形する。ここで、第1の圧力とは、第1の流路20におけるインクの液圧であり、第2の圧力とは第2の流路22におけるインクの液圧である。
取り付け部410は、保持部材43(図2)に弁体41を組み付けるために用いられる。取り付け部410の内、第2の面F2側に突出している突出部位410aは、保持部材43の径方向外周側に設けられた凹部に嵌め合わされる。これにより弁体41は、保持部材43に組み付けられる。また、弁ユニット40として弁体41が弁ユニット収容室40aに収容された場合には、取り付け部410は、保持部材43とカートリッジ本体10により挟持される。
弁体41を構成する各部材410,412,416のうち、少なくともシール部416と膜状部412は、異なる特性を有している。具体的には、シール部416は膜状部412よりも他の部材(本実施例の場合、弁座46)に対して貼り付きにくい特性を有している。
A−1.第1の態様の弁体41:
第1の態様の弁体41は、シール部416のヤング率が膜状部412のヤング率よりも大きい特性を有する。なお、シール部416と取り付け部410のヤング率は略同一である。すなわち、取り付け部410のヤング率は、膜状部412のヤング率よりも大きい。一般に、弁体に用いられる素材に関しては、ヤング率とタック性は相関関係がある。すなわち、ヤング率が大きくなる程、タック性は小さくなり、ヤング率が小さくなる程、タック性は大きくなる。
第1の態様の弁体41は、例えば、各部材410,412,416に含まれる複数の成分のうち、ヤング率に影響を与える成分の配合比率を各部材410,412,416で変えることで作製できる。ヤング率に影響を与える成分としては、例えば軟化剤が挙げられる。軟化剤の配合比率を低くすればヤング率が大きくなる。例えば、本実施例のシール部416,取り付け部410,膜状部412の成分が、ポリマーと軟化剤である場合、シール部416,取り付け部410に含まれる軟化剤の配合比率が、膜状部412に含まれる軟化剤の配合比率よりも低くなるように各部材410,416,412を作製すれば良い。なお、この場合において、シール部416,取り付け部410には軟化剤が含まれないよう(すなわち、軟化剤の配合比率をゼロ)にしてシール部416と取り付け部410を作製しても良い。
ポリマーとしては、従来、熱可塑性エラストマーの成分として用いられるポリマーの中から任意のものを複数あるいは単独で用いることができる。具体的には、例えばスチレン系,オレフィン系,ウレタン系,エステル系等の熱可塑性エラストマーを用いることができ、特にビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックの少なくとも一つと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの少なくとも一つからなる共重合体の熱可塑性エラストマーを含有するものが好ましく用いられる。より具体的には、例えば、(1)ポリブタジエンとブタジエン−スチレンランダム共重合体とのブロック共重合体を水添して得られる結晶性ポリエチレンとエチレン/ブチレン−スチレンランダム共重合体とのブロック共重合体、(2)ポリブタジエンとポリスチレンとのブロック共重合体、及びポリイソプレンとポリスチレンとのブロック共重合体、あるいは、ポリブタジエン又はエチレン−ブタジエンランダム共重合体とポリスチレンとのブロック共重合体を水添して得られる、例えば、結晶性ポリエチレンとポリスチレンとのジブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンのトリブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンのトリブロック共重合(SEPS)、などを挙げることができる。
軟化剤としては、例えば、従来プラスチックやゴムの軟化剤として使用されている鉱物油系,植物油系,合成系などの各種軟化剤の中から、任意のものを複数あるいは単独で用いることができる。ここで、鉱物油系としては、ナフテン系,パラフィン系などのプロセス油が挙げられ、植物油系としては、ひまし油,綿実油,あまに油,なたね油,大豆油,パーム油,梛子油,落花生油,木ろう,パインオイル,オリーブ油などが挙げられる。
弁体41の作製方法としては、例えば、二色成形により一体成形することで作製できる。具体的には、シール部416,取り付け部410の成形に用いる第1の材料と、膜状部412の成形に用いる第2の材料を用意する。次いで、第1の材料を第1の金型に射出し、シール部416と取り付け部410を成形する。次いで、成形したシール部416と取り付け部410を第2の金型に格納し、第2の材料を第2の金型に射出することで膜状部412を成形する。これにより、容易に弁体41を作製できる。なお、二色成形により弁体41を作製する方法として、先に膜状部412を射出成形した後に、シール部416と取り付け部410を射出成形する方法を用いても良い。
上記において、第1の材料と第2の材料には、同一の複数の成分を含み、かつ、同一の複数の成分のうち少なくとも一つの成分の配合比率が異なる材料を用いることが好ましい。ここで、少なくとも一つの成分とは、貼り付きにくい特性に影響を与える成分を意味し、本実施例の場合、例えば軟化剤に相当する。例えば、第1と第2の材料を構成する成分が、SEPSとパラフィン系オイルを含む場合、シール部416,取り付け部410の成形に用いる第1の材料におけるパラフィン系オイルの配合比率を、膜状部412の成形に用いる第2の材料におけるパラフィン系オイルの配合比率よりも低くする。これにより、同一の複数の成分を有さない第1と第2の材料を用いて弁体41を作製するよりも、弁体41の製作コストを低減できる。なお、第1の材料と第2の材料には、同一の複数の成分からなり、かつ、同一の複数の成分のうち少なくとも一つの成分の配合比率が異なる材料を用いることがより好ましい。これにより、異なる成分を用意することなく、同一の複数の成分からなる材料を用いて弁体41を作製できることから、弁体41の製作コストをより一層低減できる。
図7は、弁体の開閉動作を説明するための図である。図7は、図3の弁ユニット収容室40aに弁ユニット40が収容された状態での弁ユニット40及びその周辺の部分断面図である。図7(A)は弁体41が閉弁状態にある時の図であり、図7(B)は弁体41が開弁状態にある時の図である。
コイルばね42は、弁体41を保持部材43から引き離す方向(シール部416が弁座46に当接する方向)に力を加えている。このコイルばね42が弁体41に加える力を「付勢力」という。また、第2の圧力室40c,第3の連通流路128,第4の連通流路130,液体供給部50を含む第2の流路22(図4)の液圧(「第2の液圧」ともいう。)は、弁体41の第2の面F2にかかる。この付勢力と第2の液圧とが弁体41を閉弁状態に維持しようとする力(以下、「閉弁力」と呼ぶ。)となる。一方、バッファ室120や第1の圧力室40bを含む第1の流路20(図4)の液圧は、弁体41の第1の面F1にかかる。この第2の液圧が弁体を開弁状態にしようとする力(以下、「開弁力」と呼ぶ。)となる。
インクカートリッジ1(図3)の製造時には、図7(A)に示すように、弁体41は閉弁状態となっている。すなわち、シール部416が弁座46に当接し、弁座46に設けられた弁孔46aを塞ぐことで、第1の圧力室40bを含む第1の流路20と、第2の圧力室40cを含む第2の流路22とが非連通状態となっている。
インクジェットプリンターによりインクが消費され、液体供給部50(図4)のインク量が減少すると、第2の液圧が低下する。第2の液圧の低下により弁体41に対する閉弁力が、弁体41に対する開弁力よりも低くなると、図7(B)に示すように、膜状部412が弾性変形することで、シール部416が弁座46から遠ざかる方向へと変位する。これにより、シール部416は弁座46と離間し、第1の圧力室40bを含む第1の流路20と、第2の圧力室40cを含む第2の流路22とが連通状態となる。言い換えれば、第1の液圧と第2の液圧との圧力の差が所定の閾値以上となると弁体41は開弁状態となる。これにより、図7(B)の矢印で示したように、バッファ室120のインクは、連通孔132,第1の圧力室40b,弁孔46a,第3の連通流路128,第4の連通流路130を通って、液体供給部50へ流入する。かかるインクの流入によって、第2の液圧が上昇し、その結果、閉弁力が開弁力を上回ると、膜状部412は弾性変形することで、シール部416は弁座46に当接させる方向へと変位する。これにより、シール部416が弁座46に当接し、弁座46に設けられた弁孔46aを塞ぐことで、第1の流路20と、第2の流路22が再び非連通状態となる。
上記のように、第1の態様の弁体41について、シール部416のヤング率は、膜状部412のヤング率よりも大きいことから、シール部416は、膜状部412に比べ、弁座46に対して貼り付きにくい。これにより、所定の作動圧によりシール部416は安定して弁座46から離間することができる。また、第1と第2の圧力の差に応じて弾性変形する膜状部412は、シール部416に比べヤング率が小さいことから、シール部に比べより小さな差圧により弾性変形する。よって、差圧による膜状部412の変形がより安定する。このように、弁体41の各部位の機能を考慮し、シール部416のヤング率を膜状部412よりも大きくすることで、シール部のヤング率が膜状部のヤング率と同じ弁体に比べ、所定の作動圧における弁体41の開閉動作を安定させることができる。
さらに、取り付け部410のヤング率は、膜状部412のヤング率よりも大きい。これにより、取り付け部410は、膜状部412に比べ、外力により変形しにくい。よって、保持部材43に弁体41を組み付ける際に、保持部材43と取り付け部410の間で生じる摩擦等の外力が加わることで取り付け部410が変形することを抑制することができる。これにより、弁体41全体の変形を抑制することできる。よって、所定の作動圧における弁体41の開閉動作をより安定させることができる。
上記第1の態様において、取り付け部410のヤング率とシール部416のヤング率は略同一であったが、これに代えて、取り付け部410のヤング率を、シール部416のヤング率よりも大きくしても良い。これにより、外力が加わることによる取り付け部410の変形をより一層抑制することができる。よって、弁体41全体の変形をより抑制することができる。これにより、所定の作動圧における弁体41の開閉動作をより一層安定させることができる。この場合、同一の複数の成分を含む3種類の材料であって、それぞれの材料を構成する各成分のうち、少なくともヤング率に影響を与える成分(例えば、軟化剤)の配合比率が異なる材料を用いて、3色成形により一体成形することで容易に弁体41を作製できる。3種類の材料を構成する成分としては、例えばSEPSとパラフィン系オイルの2成分が挙げられる。そして、膜状部412,シール部416,取り付け部410の順に、パラフィン系オイルの配合比率を低くした材料を用いて3色成形すれば良い。なお、この場合において、取り付け部412には軟化剤(パラフィン系オイル)が含まれないよう(すなわちパラフィン系オイルの配合比率をゼロ)にして取り付け部410を作製しても良い。この場合、取り付け部412に用いる材料はSEPSのみからなる。
A−2.第2の態様の弁体41:
また、ヤング率の大小に代えてタック性の大小により弁体41を規定することもできる。すなわち、第2の態様の弁体41は、シール部416の外表面のタック性が取り付け部410の外表面のタック性よりも小さい特性を有する。なお、シール部416の外表面のタック性と取り付け部410の外表面のタック性は略同一である。
タック性の大小の評価は、レスカ社製、タッキング試験機、TAC−IIを用いて行うことができる。具体的には、各部材410,412,416毎に同じ測定条件でTAC−IIにより測定を行い、得られた引き剥がし力(粘着力)の測定結果の最大値(最大荷重値)をタック性の評価基準とする。すなわち、各部材410,412,416の測定結果の最大値の大小を、タック性の大小として定義する。
各部材410,412,416で異なるタック性を有する第2の態様の弁体41は、例えば、各部材410,412,416に含まれる複数の成分のうち、タック性に影響を与える成分の配合比率を各部材410,412,416で変えることで作製できる。タック性に影響を与える成分としては、例えば軟化剤が挙げられる。軟化剤の配合比率を低くすればタック性は小さくなる。例えば、シール部416,取り付け部410,膜状部412の成分が、ポリマーと軟化剤である場合、シール部416,取り付け部410に含まれる軟化剤の比率が、膜状部412に含まれる軟化剤の比率よりも低くなるように各部材410,416,412を作製すれば良い。具体的な作製方法は、二色成形が挙げられる。この二色成形については、第1の態様の弁体41と同様の作製方法であるため説明を省略する。
上記のように、第2の態様の弁体41において、シール部416の外表面のタック性は、膜状部412の外表面のタック性よりも小さいことから、シール部416は、膜状部412に比べ弁座46に対して貼り付きにくい。これにより、シール部と膜状部の外表面のタック性が略同一である弁体よりも、第2の態様の弁体41はシール部416が弁座46に対して貼り付きにくい。よって、シール部と膜状部のタック性が略同一の弁体よりも、所定の作動圧における弁体の開閉動作を安定させることができる。
さらに、取り付け部410の外表面のタック性は、膜状部412の外表面のタック性よりも小さいことから、取り付け部410は、膜状部412に比べ保持部材43に対して貼り付きにくい。これにより、弁体41を保持部材43に組み付ける際に、保持部材43と取り付け部410の間で生じる摩擦力を低減することができる。よって、取り付け部410が変形することを抑制でき、取り付け部410の変形による弁体41全体の変形を抑制することができる。よって、所定の作動圧における弁体41の開閉動作をより安定させることができる。
また、第2の態様の弁体41において、取り付け部410の外表面のタック性は、シール部416の外表面のタック性よりも小さいことが好ましい。これにより、摩擦力による取り付け部410の変形をより抑制することができる。以上より、所定の作動圧における弁体41の開閉動作をより一層安定させることができる。この場合、第1の態様の弁体41と同様、第2態様の弁体41は3色成形により成形することが好ましい。
B.第2実施例:
図8は、第2実施例における弁体を説明するための図である。図8は、図5(B)のB−B断面に相当する断面を示している。第1実施例の弁体41との違いは、膜状部412aが屈曲部413を有する点であり、その他の構成については同様の構成であるため、同様の構成については同一符号を付すと共に説明を省略する。また、各部材の特性(ヤング率又はタック性)は、上記実施例と同様の特性を有している。また、第2実施例の弁体41aは第1実施例において説明したカートリッジ本体10に収容され、インクカートリッジ1として用いられる。
弁体41aの膜状部412aは、弁体41aの厚さ方向に折れ曲がっている屈曲部413を有する。屈曲部413はシール部416から所定の距離を隔てた位置において、膜状部412aの全周に亘って形成されている。すなわち、膜状部412aは、一定の厚みを有する部材であって、その一部が全周に亘って厚さ方向に屈曲している。
上記のように、弁体41aの膜状部412aは屈曲部413を有するため、第1と第2の圧力の差に応じて、よりスムーズに膜状部412aが弾性変形する。よって、第1実施例の弁体41に比べ、所定の作動圧における弁体の開閉動作を安定させることができる。
なお、第2実施例において、屈曲部413は、第2の面F2側に屈曲しているが、第1の面F1側に屈曲していても良い。また、屈曲部413は、膜状部412aの全周に亘って複数設けられていても良い。このようにしても第1実施例の弁体41に比べ、所定の作動圧における弁体の開閉動作を安定させることができる。
C.変形例:
なお、上記実施例における構成要素の中の、特許請求の範囲の独立項に記載した要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、本発明の上記実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C−1.第1変形例:
上記実施例の第1の態様では、取り付け部材410のヤング率は、膜状部412,412aのヤング率よりも大きかったが、これに特に限定されるものではなく、取り付け部410と膜状部412,412aのヤング率が同一でも良いし、取り付け部410のヤング率が膜状部412,412aのヤング率よりも小さくても良い。このようにしても、シール部416と膜状部412,412aが略同一のヤング率を有する弁体よりも、所定の作動圧における弁体の開閉動作を安定させることができる。
また、上記実施例の第2の態様では、取り付け部材410の外表面のタック性が、膜状部412,412aの外表面のタック性よりも小さかったが、これに特に限定されるものではなく、取り付け部410の外表面と膜状部412,412aの外表面のタック性は同一でも良いし、取り付け部410の外表面のタック性が膜状部412,412aの外表面のタック性よりも大きくても良い。このようにしても、シール部416と膜状部412,412aが略同一のタック性を有する弁体よりも、所定の作動圧における弁体の開閉動作を安定させることができる。
C−2.第2変形例:
上記実施例では、弁体41,41aの各部材410,412,412a,416の貼り付きにくい特性をヤング率の大小やタック性の大小によって規定していたが、ヤング率やタック性に代えて硬度の大小により規定することもできる。具体的には、少なくともシール部416の硬度が膜状部412,412aの硬度よりも大きくなるよう、弁体41,41aを作製しても良い。シール部416の硬度は、膜状部412,412aの硬度よりも大きいことから、シール部416は、膜状部412,412aに比べ、弁座46に対して貼り付きにくい。これにより、所定の作動圧によりシール部416は安定して弁座46から離間することができる。一方、膜状部412,412aは、シール部416に比べ硬度が小さいことから、シール部416に比べ弾性変形しやすい。よって、第1と第2の圧力の差による変形がより安定する。よって、シール部416と膜状部412,412aとで異なる硬度を有することで、所定の作動圧における弁体の開閉動作を安定させることができる。また、取り付け部410の硬度は特に限定されないが、膜状部412,412aよりも大きいことが好ましく、シール部416よりも大きいことがさらに好ましい。取り付け部410の硬度を大きくすることで、外力による取り付け部410の変形を抑制でき、取り付け部410の変形による弁体41,41a全体の変形を抑制できることから、弁体41,41aの開閉動作がより安定するからである。なお、ここでいう硬度とは各部材410,412,412a,416の硬さを表わし、JISK6253加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法に記載のデュロメータ硬さ試験により測定した硬度をいう。
C−3.第3変形例:
上記実施例では、弁体41,41aに含まれる成分がポリマーと軟化剤の例を説明したが、特にこれに限定されるものではない。膜状部412,412aが弾性を有し、かつ、少なくともシール部416が膜状部412,412aよりも他の部材に対して貼り付きい特性を有する範囲内において、弁体41,41aを構成する各部材410,412,412a,416の成分を変えることができる。例えば、上記成分に加え、さらに公知の樹脂成分(例えば、ポリプロピレン樹脂やポリスチレン樹脂)、難燃剤、抗菌剤、酸化防止剤紫外線吸収剤、酸化防止剤等を適宜添加しても良い。
また、上記実施例では、弁体41,41aを構成する各部材410,412,412a,416は、同一の複数の成分を含んでいたが、これに限定されるものではない。膜状部412,412aが弾性を有し、かつ、少なくともシール部416が膜状部412,412aよりも他の部材に対して貼り付きい特性を有する範囲内において、各部材が異なる成分からなっても良い。
第3変形例においても、所定の作動圧における弁体の開閉動作を安定させることができる。
C−4.第4変形例:
上記実施例では、弁体41,41を二色成形や三色成形により一体成形していたが、これに限定されるものではない。例えば、弁体41,41aを構成する各部材410,412,412a,416を別々に作製し、その後に各部材を接合しても良い。このようにしても、所定の作動圧における弁体の開閉動作を安定させることができる。
C−5.第5変形例:
上記実施例では、図4に示すように、弁ユニット40は弁ユニット収容室40aに収容され、第1の流路20のインクを第2の流路22に導入する役割を果たしていたが、大気を導入する大気弁として利用してもよい。例えば、弁ユニット40を、大気開放孔100と第1の液体収容室16aとの間に設けても良い。この場合には、弁ユニット収容室40aを大気開放孔100と第1の液体収容室16aとの間に形成し、弁ユニット40を収容することで大気弁として利用できる。この場合、第1の圧力室40bは大気開放孔100と連通し、第2の圧力室40cは第1の液体収容室16aと連通する。そして、第1の圧力室40bにおける圧力(大気圧)と、第2の圧力室40cにおける圧力(空気圧)との差(差圧)が所定の閾値を超えると、弁体41が開弁し、大気開放孔100から第1の液体収容室16aへ空気が導入される。また、弁ユニット40は、第1の液体収容室16aから大気開放孔100へインクが流れることを抑制する。このように弁ユニット40は、第1の流路と第2の流路を流れる流体が気体である場合も使用することができる。
C−6.第6変形例:
上記実施例は、インクジェットプリンターと、インクカートリッジが採用されているが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする流体噴射装置と、その液体を収容した液体収容容器を採用しても良い。微小量の液滴を吐出させる流体噴射ヘッド等を備える各種の流体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記流体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、流体噴射装置が噴射させることができるような材料であれ良い。例えば、物質が液相であるときの状態のものであれば良く、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施例の形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。流体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液体を噴射する流体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する流体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する流体噴射装置であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する流体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する流体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する流体噴射装置を採用しても良い。そして、これらのうちいずれか一種の噴射装置および液体収容容器に本発明を適用することができる。
1…インクカートリッジ
3…キャリッジ
4…凹部
10…カートリッジ本体
10a…リブ
10b…溝
11…係合レバー
14…大気流路
16…液体収容室
16a…第1の液体収容室
16b…第2の液体収容室
18…中間流路
19…蓋部材
20…第1の流路
22…第2の流路
30…センサー
30a…センサー収容室
30b…センサー流路形成室
40…弁ユニット
40a…弁ユニット収容室
40b…第1の圧力室
40c…第2の圧力室
41,41a…弁体
42…コイルばね
43…保持部材
46…弁座
46a…連通孔(弁孔)
50…液体供給部
50a…開放孔
60…外表面フィルム
70…気液分離フィルタ
70a…気液分離室
70b…土手
71…気液分離膜
80…フィルム
100…大気開放孔
101…減圧孔
102…蛇行流路
104…連通流路
106…収容室接続流路
108…第1の連通流路
110…第2の連通流路
120…バッファ室
128…第3の連通流路
130…第4の連通流路
132…連通孔
410…取り付け部
410a…突出部位
412,412a…膜状部
413…屈曲部
416…シール部
416a…凸部
416b…平面部
F1…第1の面
F2…第2の面

Claims (11)

  1. 第1の流路と第2の流路との間に設けられる弁体であって、
    前記第1の流路と前記第2の流路を連通させる連通孔を有する弁座に当接することで、前記第1と第2の流路を非連通状態とし、前記弁座と離間することで、前記第1と第2の流路を連通状態とするシール部と、
    前記シール部の外周に設けられ、前記第1の流路における第1の圧力と第2の流路における第2の圧力との圧力差に応じて弾性変形することで前記シール部を変位させる膜状部と、を備え、
    前記シール部のヤング率は、前記膜状部のヤング率よりも大きい、弁体。
  2. 請求項1に記載の弁体であって、
    前記シール部と前記膜状部は、同一の複数の成分を含み、かつ、前記シール部と前記膜状部の前記複数の成分のうち、少なくとも一つの成分の比率が異なる、弁体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の弁体であって、
    前記シール部と前記膜状部は二色成形により一体成形される、弁体。
  4. 請求項1に記載の弁体であって、さらに、
    前記膜状部の外周に設けられる取り付け部であって、当該弁体を前記第1と第2の流路の間の位置に保持する保持部材に取り付けるための取り付け部を備え、
    前記取り付け部のヤング率は、前記膜状部のヤング率よりも大きい、弁体。
  5. 請求項4に記載の弁体であって、
    前記取り付け部のヤング率は、前記シール部のヤング率よりも大きい、弁体。
  6. 請求項1に記載の弁体であって、さらに、
    前記膜状部の外周に設けられる取り付け部であって、当該弁体を前記第1と第2の流路の間の位置に保持する保持部材に取り付けるための取り付け部を備え、
    前記シール部と前記膜状部と前記取り付け部は、同一の複数の成分を含み、
    前記シール部と前記取り付け部の前記複数の成分の比率が同一であり、かつ、前記シール部と前記膜状部の前記複数の成分のうち、少なくとも一つの成分の比率が異なる、弁体。
  7. 請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の弁体であって、
    前記シール部と前記膜状部と前記取り付け部は、二色成形により一体成形される、弁体。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の弁体であって、
    前記膜状部の外周形状は、略円形形状であり、
    前記シール部は、前記略円形形状の中心部分に位置する、弁体。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の弁体であって、
    前記膜状部は、前記膜状部の周方向に亘って当該弁体の厚さ方向に折れ曲がっている屈曲部を有する、弁体。
  10. 第1の流路と第2の流路との間に設けられる弁体であって、
    前記第1の流路と前記第2の流路を連通させる連通孔を有する弁座に当接することで、前記第1の流路と前記第2の流路を非連通状態とし、前記弁座と離間することで、前記第1と第2の流路を連通状態とするシール部と、
    前記シール部の外周に設けられ、前記第1の流路における第1の圧力と第2の流路における第2の圧力との圧力差に応じて弾性変形することで前記シール部を変位させる膜状部と、を備え、
    前記シール部の外表面のタック性は、前記膜状部の外表面のタック性よりも小さい、弁体。
  11. 液体収容容器であって、
    液体収容容器に収容された液体を外部へ供給可能な液体供給部と、
    前記第1の流路と前記第2の流路を形成する流路形成部材と、
    請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の弁体と、
    前記弁体の前記シール部と当接し、前記第1の流路と前記第2の流路を連通させる連通孔を有する弁座とを、備える、液体収容容器。
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