以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本実施形態では、遊技機として、パチンコ機1について説明するが、本発明の遊技機はこれに限らず、「ぱちんこ遊技機」、「回動式遊技機」、「アレンジボール遊技機」、「じやん球遊技機」等であってもよい。図1および図2は、一実施形態となるパチンコ機1の構成を具体的に示している。パチンコ機1は枠体および遊技盤4から構成され、枠体には外枠2をはじめ本体枠3、前面枠5等が含まれている。このうち外枠2は、上下左右の木枠材を矩形に組み合わせて構成されており、その前側下部には、本体枠3の下面を受けるための下受板6が備えられている。外枠2の左側縁部には、ヒンジ機構7を介して本体枠3の左側端部が連結されており、図2に示されているように、本体枠3は外枠2の手前側にて開閉可能となっている。この本体枠3は、前枠体8と遊技盤装着枠9、機構装着枠10を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。このうち前枠体8は、本体枠3の前面側に位置して形成されており、その外形は、下受板6を除く外枠2の外郭形状に合致する大きさを有している。
遊技盤装着枠9は前枠体8の後部に一体的に形成されており、この遊技盤装着枠9には遊技盤4が前方から嵌め込むようにして装着されている。遊技盤4もまたヒンジ機構25を介して本体枠3より前面側へ開閉可能となっており、この開閉動作に伴って遊技盤4は本体枠3に対して着脱可能となっている。遊技盤装着枠9のうち、遊技盤4が嵌め込まれる部位の下開口縁部にキャッチロック9a(いわゆる「パチン錠」)が設けられている。図示のように、遊技盤装着枠9に遊技盤4が嵌め込まれた状態でキャッチロック9aが締め付けられると、遊技盤4が下方に強く押し付けられるようにして遊技盤装着枠9に固定される。
また、遊技盤4の右上隅部と右下隅部にはそれぞれロック部材4cが取り付けられている。ロック部材4cは遊技盤4の幅方向に細長く延びたプレート形状をなしており、その先端部は遊技盤4から右側方に突き出た状態で遊技盤4を遊技盤装着枠9に対して係止する爪の働きをする。すなわち、ロック部材4cはその先端部分が遊技盤4の右側端から側方に突出した突出位置か、もしくは遊技盤4の右側端から内側(中心方向)に引っ込んだ引込位置のいずれかで遊技盤4に係止される。
一方、図2には示されていないが、遊技盤装着枠9の内縁には上下のロック部材4cにそれぞれ対応する位置に係止穴が形成されている。このため遊技盤4を遊技盤装着枠9に嵌め込んだ状態で、上下のロック部材4cをそれぞれ突出位置で係止させれば、その先端部が係止穴に入り込んだ状態で遊技盤4を遊技盤装着枠9に係止し、その前方への脱落を防止する。逆に、上下のロック部材4cを突出位置から退出させて遊技盤装着枠9との係止を解除すれば、遊技盤4を遊技盤装着枠9から容易に取り外すことができる。
遊技盤4の盤面(前面)には、環状に成形された案内レール11が設けられており、この案内レール11は外レールと内レールとから構成されている。そして遊技盤4の盤面には、案内レール11の内側にほぼ円形状の遊技領域12が区画して形成されている。なお、遊技領域12内の構成(盤面構成)については後述する。
前枠体8の左下隅の位置には、装着板13を介して低音用スピーカ14が内蔵されている。また、前枠体8の右下隅の位置には発射レール15が設けられており、この発射レール15は遊技盤4の発射通路に向けて遊技球を導く役割を果たしている。そして前枠体8には、発射レール15や低音用スピーカ14よりも下方の位置に下前面部材16が装着されている。この下前面部材16のほぼ中央位置に下皿17が形成されており、さらにその右側位置に発射ハンドル18が設けられている。
図2に一部が示されているように、本体枠3(前枠体8)の右側端部には、その裏面側に施錠装置19が装着されている。この施錠装置19は、外枠2に対して本体枠3全体を施錠したり、あるいは、本体枠3に対して前面枠5を施錠したりする機能を備えている。施錠装置19は2種類の枠施錠ラッチ21および扉施錠ラッチ23を有しており、このうち一方の枠施錠ラッチ21は外枠2の閉止具20に対応している。例えば、図2に示されている状態から本体枠3を外枠2に対して押し込むと、上下で2つの枠施錠ラッチ21がそれぞれ対応する閉止具20に係合し、これにより本体枠3が外枠2に施錠された状態で固定される。
もう一方の扉施錠ラッチ23は、前面枠5の後面に設けられた閉止具22に対応しており、例えば図2に示されている状態から前面枠5を本体枠3に対して押し込むと、上下で3つの扉施錠ラッチ23がそれぞれ対応する閉止具22に係合し、これにより前面枠5が本体枠3に施錠された状態で固定される。
施錠装置19はまたシリンダー錠24を有しており、本体枠3および前面枠5が閉止された状態で、例えばホールの管理者・従業員がシリンダー錠24の鍵穴に専用の鍵を挿入して一方向に回すと、枠施錠ラッチ21と外枠2の閉止具20との係合が解除されて本体枠3が解錠される。また、これとは逆方向に鍵を回すと、扉施錠ラッチ23と前面枠5の閉止具22との係合が解除されて前面枠5が解錠されるようになっている。なお、シリンダー錠24の前端部は、前枠体8および下前面部材16を貫通して下前面部材16の前面に露出しているため、パチンコ機1の前方から鍵を挿入して解錠操作を容易に行うことができるものとなっている。
なお、本実施形態では、時計回り方向に鍵を回動操作(捻り操作)することで外枠2に対して本体枠3が解錠され、反時計回り方向に鍵を回動操作(捻り操作)することで本体枠3に対して前面枠5が解錠される。このように、鍵の回動操作の方向を異ならせるだけで、本体枠3または前面枠5のいずれかを解錠させることができる。また、施錠装置19は、本体枠3が閉塞状態にて施錠されたときに、鍵以外のものを用いた外部操作によって枠施錠ラッチ21と外枠2の閉止具20との係合が解除されないように枠施錠ラッチ21の変位をロックするロック機構をさらに備えている。
これにより、本体枠3が閉塞状態で施錠されたときは、ロック機構により枠施錠ラッチ21がロックされる。また本体枠3(全面枠8)には、枠施錠ラッチ21よりも外枠2と本体枠3(前面枠8)との間隙に近い側(図2でみて右側方)にリブが突設して形成されており、不正行為を意図した遊技者等が外枠2と本体枠3(前面枠8)との間隙から針金等を差し込んで直接枠施錠ラッチ21を操作しようとしても、その針金等はリブに当接し、それ以上の進入を阻まれる。したがって、外枠2と本体枠3(前面枠3)との間隙から針金等を用いて本体枠3を不正に解錠するような行為を抑止することができる。
前面枠5はガラス枠やガラス扉とも称され、この前面枠5はヒンジ機構25を介して本体枠3の前面側に開閉可能に装着されている。前面枠5は、その裏側に扉本体フレーム26を有するほか、前側に枠ランプ27(サイド装飾装置)や上皿28、音響電飾装置29を備えている。扉本体フレーム26は、プレス加工された金属製フレーム部材によって構成されており、この扉本体フレーム26は前枠体8の上端から下前面部材16の上縁に亘る部分を覆う大きさに形成されている。前面枠5を閉じると、遊技盤4を含む前枠体8の前面側が前面枠5によって覆われることとなるが、扉本体フレーム26の中央にはほぼ円形の開口窓30が形成されており、この開口窓30を通じて遊技盤4の遊技領域12を前方から視認することができる。また、扉本体フレーム26の後側には、開口窓30よりも大きい矩形枠状をなす窓枠31が設けられており、この窓枠31には透明な2枚のガラス板32が前後に間隔をおいて嵌め込まれている。
なお本実施形態の構成では、遊技盤4の右方ではなく下方にシリンダー錠24を配置し、合わせて遊技盤4の右方に配置された施錠装置19を薄型化することで、遊技盤4に形成された遊技領域12の面積を従来よりも大きく確保することができる。これにより遊技者の見る目を大いに引きつけ、その視認に対する興趣を高めることができる。また本実施形態の構成では、遊技領域12の拡大に合わせて前面枠8の開口窓30が拡大されているため、その部分では前面枠8の剛性が低下することとなるが、本実施形態では前面枠8の下部に上皿28が一体的に形成されているため、この上皿28の部分が補強となって前面枠8全体としての剛性の低下を抑制している。
図1に示されているように、前面枠5には開口窓30の周囲において、左右両側部に枠ランプ27が配設されているほか、その下部に上皿28が配設されており、さらには上部に音響電飾装置29が配設されている。これら枠ランプ27や音響電飾装置29、上皿28等は全体として前面枠5の外形を構成するべく一体をなし、相互に外観上の一体感を想起させるデザインが施されている。
このうち枠ランプ27は、ランプ基板を内蔵したサイド装飾体33を主体として構成されており、サイド装飾体33はちょうど開口窓30の左右で一対をなしている。サイド装飾体33には、横長に延びるスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、個々の開口孔には、ランプ基板に実装されたランプ(LED:発光ダイオード)に対応するレンズ34が組み込まれている。
また音響電飾装置29は、高音用に2つのスピーカ36を内蔵しており、これらスピーカ36の前面側はスピーカカバー37で覆われている。スピーカ36は前面枠5の左右に一対をなして配置されており、左右のスピーカ36をつなぐようにして透明カバー体35が設置されている。透明カバー体35は前面枠5の幅一杯に拡がっており、その奥には装飾用のLEDを有したランプ基板やリフレクタ体等が設置されている。音響電飾装置29は、これらスピーカ36やスピーカカバー37、透明カバー体35、ランプ基板、リフレクタ体等の構成部材が相互に組み付けられた状態でユニット化されている。
扉本体フレーム26の前側には、開口窓30の周囲において、下部に上皿28が前面枠8と一体的に設けられているほか、左右の両側部に枠ランプ27が装着されており、また上部に上部スピーカ36が装着されている。なお枠ランプ27については、各種遊技内容に応じてその点灯・消灯制御が実行されており、上部スピーカ36および下部スピーカ14については、各種遊技内容に応じて複数種類の音出力態様により音出力制御が実行される。このように本実施形態のパチンコ機1では、各種遊技内容に応じて枠ランプ27の点灯・消灯制御や、上部スピーカ29および下部スピーカ14の音出力制御を実行することで演出効果を高め、遊技者の興趣を向上するようになっている。また、上部スピーカ29および下部スピーカ14では、不正行為が実行されたことを報知する警告音や、遊技に関するエラーが発生したことを報知する情報音等の出力も行われる。
パチンコ機1の構造上、上記の枠体(外枠2、本体枠3、前面枠5)が本体を構成する部分であり、遊技盤4の板材、つまり遊技板は本体に着脱可能に支持された部分となっている。外枠2は遊技場(ホール)の島設備にパチンコ機1を固定する役割を担い、また本体枠3は遊技板を含めた遊技盤4全体を着脱可能に支持する役割を担う。遊技板はベニヤ板等の強度部材からなり、その前面および背面には各種構成要素(障害釘、役物、入賞装置、装飾品類、電子機器・制御基板類)が取り付けられている。
図3は、遊技盤4を単独で示している。上記のように遊技盤4は矩形状に成型された遊技板4aを強度部材として構成されており、その前面に遊技領域12が円形状に形成されている。遊技領域12内には、所定の配列で多数の障害釘が打ち付けられているほか、その適宜の位置に球誘導用の風車40が設けられている。遊技領域12内の上半分には、ひときわ大きく目を引く演出装置42が配置されており、この演出装置42にはパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等を象徴したデザインがあしらわれている。
演出装置42は、その全体が縦方向に扁平した楕円形状の外形をなしているが、そのところどころに角張った部分を有する。特に正面からみて演出装置42の頂部は山形状に突出し、その山頂に相当する部分から左右に延びる上縁部は、緩やかな下り傾斜を有している。また、演出装置42の左側縁部は縦方向にゴツゴツと切り立ったような形状をなしており、このため左側縁部の上端と下端がそれぞれ角張った外形をなしている。一方、演出装置42の右側縁部は遊技領域12の外縁に沿って円弧状に湾曲しており、その輪郭線は左側縁部と対照的に滑らかなカーブを描いている。また、演出装置42の下側縁部は中央に向かって直線的に絞り込まれたような下り傾斜を有しており、そして中央の位置では水平方向に屈曲されている。
演出装置42の内側には液晶表示装置50が設置されており、この液晶表示装置50は比較的大型の表示画面を有している。また演出装置42の内側には、液晶表示装置50の表示画面を取り囲むようにして各種の装飾体43a,43b,43cや可動装飾体44a,44b,44cが配置されているほか、可動装飾体44a〜44cの外側には演出装置42の周縁部に沿って別の装飾体43d,43e等が配置されている。
また、正面からみて可動装飾体44a,44b,44cよりも奥の位置には、それぞれ固定装飾体45a,45b,45cが設置されており、これら固定装飾体45a,45b,45cの周囲の領域にはさらに別の装飾部材46が設置されている。装飾部材46は、液晶表示装置50の左右の両側方および上方の領域に拡がるようにして敷設されており、それゆえ演出装置42を前面側からみたとき、装飾部材46は装飾体43a,43b,43cや可動装飾体44a,44b,44cの背景領域としての位置付けとなる。
また本実施形態では、装飾体43a,43b,43cが遊技領域12内で演出装置42内のステージ部(転動部)よりも高い位置に配置されているため、遊技領域12を流下する遊技球が必要以上にステージ部に進入することを防止することができる。これにより、演出装置42のステージ部において安定したステージ性能(上始動口52へ遊技球を放出する性能)を発揮することが可能となる。要するに、遊技球がステージ部に導かれるということは、単に遊技領域12を流下していくよりも上始動口52に入賞する確率が高くなるということである。このため、流下中の遊技球があまり過度にステージ部に進入すると、製品の開発段階で計画された遊技性能に狂いが生じてくることになるが、本実施形態では、装飾体が遊技球の不所望な進入を堰き止める防波堤の役割を果たすので、遊技性能を保証しつつ装飾性を高めることができるという2重のメリットが生じる。
演出装置42よりも下方の遊技領域12には上始動口52が配置されており、その直下の位置には、入球装置56と一体化された下始動口54が配置されている。入球装置56には左右一対の開閉部材56aが付属しており、図中に示されているように開閉部材56aが左右に拡開した状態に変位すると下始動口54に遊技球が入賞可能となり、逆に開閉部材56aが閉じた状態に変位すると遊技球は下始動口54に入賞しなくなる。すなわち、上始動口52は遊技領域12を流下する遊技球を常に受け入れ可能な状態で配置され、下始動口54は開閉部材56aが左右に拡開した状態に変位したときにだけ遊技球を受け入れ可能になるような状態で配置されている。
入球装置56の左右の離れた位置にはゲート58が一対をなして配置されている。また、入球装置56の下方の位置にはアタッカ装置60が配置されている。このアタッカ装置60は大入賞口62を開閉するための開閉部材60aを有している。図示のように開閉部材60aが手前側へ倒れ込むようにして開いた状態に変位すると、上方から流下してくる遊技球が開閉部材60aに案内されて大入賞口62に入賞可能となり、逆に開閉部材60aが盤面に沿う位置まで変位すると、大入賞口62が閉じられて遊技球は入賞しなくなる。
その他、アタッカ装置60の左右の位置には一般入賞口66が一対をなして配置されている。また、遊技領域12の下縁部に沿って左右一対のサイド装飾部材64が配置されており、これらサイド装飾部材64にもそれぞれ一般入賞口66が形成されている。これらサイド装飾部材64の造形には演出装置42との視覚的な統一感が与えられている。
サイド装飾部材64では、遊技の進行に伴い各種情報の表示が行われるものとなっており、各種情報の表示は、各サイド装飾部材64に内蔵されたLEDの点灯・点滅により表示することができる。このため、例えば右側のサイド装飾部材64には、各々2つの発光領域からなる第1特別図柄表示器141aと第2特別図柄表示器141bとが形成されており、これら発光領域はいずれも小円形状をなし、そして4つが菱形を描くようにして配列されている。さらに第1特別図柄表示器141a及び第2特別図柄表示器141bの上方には2つの発光領域64b,64cが形成されており、これら発光領域64b,64cにはそれぞれ動物の骨(大腿骨のように棒状で、両端に関節部となる膨らみがあるもの)をかたどったデザインが施されている。また、左側のサイド装飾部材64にも合計で4つの発光領域64d,64eが形成されている。これら発光領域64d,64eはいずれも小円形状をなし、縦方向に1列を描くようにして配列されている。
第1特別図柄表示器141aは、第1特別図柄を変動表示する。第1特別図柄は、パチンコ機1において抽選(大当り判定)の当落の結果が出たということを外部に向けて表示するためのものである。例えば、パチンコ機1における通常遊技状態(大当り遊技状態(15R大当り遊技状態、2R大当り遊技状態)及び小当り遊技状態でない状態)で上始動口52への入賞があると、それを契機に第1特別図柄表示器141aがいろいろなパターンで点滅動作を開始し、第1特別図柄の変動状態が表示される。このような第1特別図柄の変動開始(いわゆる「始動」)により、遊技者は大当り判定が行われたこと(あるいは、これから抽選の結果が出ること)を認識することができる。この後、ある程度の時間が経過すると第1特別図柄表示器141aの点滅動作が停止し、そのときの抽選結果(当落結果)を表示する態様で第1特別図柄が停止表示される。第1特別図柄の変動表示停止時の態様について、簡易な例では第1特別図柄表示器141aの2つの発光領域全てが点灯していれば当選(大当り)を表し、2つの発光領域の一方が消灯していれば落選を表すといった態様が挙げられる(ただし、これら以外の態様もある。)。これにより、遊技者は大当り判定に当選したか否かを視覚的に認識することができる。
第2特別図柄表示器141bは、第2特別図柄を変動表示する。第2特別図柄は、パチンコ機1において抽選(大当り判定)の当落の結果が出たということを外部に向けて表示するためのものである。例えば、パチンコ機1における通常遊技状態(大当り遊技状態(15R大当り遊技状態、2R大当り遊技状態)及び小当り遊技状態でない状態)で下始動口54への入賞があると、それを契機に第2特別図柄表示器141bがいろいろなパターンで点滅動作を開始し、第2特別図柄の変動状態が表示される。このような第2特別図柄の変動開始(いわゆる「始動」)により、遊技者は大当り判定が行われたこと(あるいは、これから抽選の結果が出ること)を認識することができる。この後、ある程度の時間が経過すると第2特別図柄表示器141bの点滅動作が停止し、そのときの抽選結果(当落結果)を表示する態様で第2特別図柄が停止表示される。第2特別図柄の変動表示停止時の態様について、簡易な例では第2特別図柄表示器141bの2つの発光領域全てが点灯していれば当選(大当り)を表し、2つの発光領域の一方が消灯していれば落選を表すといった態様が挙げられる(ただし、これら以外の態様もある。)。これにより、遊技者は大当り判定に当選したか否かを視覚的に認識することができる。
なお本実施形態では、第1特別図柄表示器141a及び第2特別図柄表示器141bの他に液晶表示装置50を用いて第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示と停止表示に関連した各種の演出を行うことが可能である。また、この例では液晶表示装置50において第1特別図柄及び第2特別図柄の2つの特別図柄に対して同様の演出を実行する。すなわち、第1特別図柄及び第2特別図柄を上始動口52と下始動口54とに遊技球が入賞した順序が先のものから順に変動表示し、それに対応して液晶表示装置50において対応する演出を行う。そのため、この例では第1特別図柄及び第2特別図柄の一方の変動表示を実行しているときには他方の変動表示を実行しない。また、上始動口52と下始動口54との両方に遊技球が入賞して第1特別図柄の始動記憶数と第2特別図柄の始動記憶数とのいずれも0でない場合には遊技球が先に入賞した始動口に対応する特別図柄(上始動口52に対応する第1特別図柄、下始動口54に対応する第2特別図柄)の変動表示を実行する。なお、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方のみを変動表示するものであれば変動表示する順序は上記したものに限るものではなく、例えば第1特別図柄の変動表示を優先して実行し、第1特別図柄の始動記憶数が0である場合に第2特別図柄の始動記憶数が0でなければ第2特別図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。
また、演出装置42の下縁部に4つの発光領域48が形成されており、これら4つの発光領域48は特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の始動記憶ランプ(特図始動記憶ランプ147)として機能する。すなわち、特図始動記憶ランプ147を構成する4つの発光領域48には数字の「1」,「2」,「3」,「4」をかたどったデザインが施されており、4つの発光領域48は左から右へ「1」〜「4」を表すようにして順番に並んでいる。特図始動記憶ランプ147は、これら4つの発光領域48の「1」〜「4」の発光(点灯)態様によって特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の始動記憶数(1〜8)を表す。また、この例では、第1特別図柄の始動記憶数の上限として4に設定され、第2特別図柄の始動記憶数として4に設定され、特図始動記憶ランプ147としての発光領域48によって0〜8の範囲で第1特別図柄の始動記憶数と第2特別図柄の始動記憶数とを合算して表示する。なお、この例では、4つの発光領域48で構成される1つの特図始動記憶ランプ147によって第1特別図柄の始動記憶数と第2特別図柄の始動記憶数とを合算して表示するが、第1特別図柄の始動記憶数を表示する特図始動記憶ランプと第2特別図柄の始動記憶数を表示する特図始動記憶ランプとを別個に備えるように構成してもよい。また、この例では、4つの発光領域48で構成される1つの始動記憶ランプによって第1特別図柄の始動記憶数と第2特別図柄の始動記憶数とを合算し、合算した始動記憶数を全て表示するが、合算した始動記憶数の一部を表示するように構成してもよい。例えば、第1特別図柄の始動記憶数と第2特別図柄の始動記憶数とを合算した始動記憶数を4個まで表示し、5以上の始動記憶数を表示しないように構成してもよい。
具体的には、遊技中に上始動口52への入賞(始動入賞)があるとこれを契機として第1特別図柄の始動条件が記憶され、遊技中に下始動口54への入賞(始動入賞)があるとこれを契機として第2特別図柄の始動条件が記憶され、この状態で第1特別図柄又は第2特別図柄が変動表示中であれば、発光領域48の発光態様に応じて「1」〜「4」のいずれかを所定の態様で点灯表示する。すなわち、上始動口52及び下始動口54への遊技球の入賞があったときに第1特別図柄又は第2特別図柄を変動表示している場合に、上始動口52及び下始動口54への遊技球の入賞後の第1特別図柄の始動記憶数(第1特別図柄の始動条件の記憶数)と第2特別図柄の始動記憶数(第2特別図柄の始動条件の記憶数)とを合算した始動記憶数が0〜4の場合には、合算した始動記憶数に対応する発光領域48(合算した始動記憶数が1であれば「1」に対応する発光領域48、合算した始動記憶数が2であれば「2」に対応する発光領域48、合算した始動記憶数が3であれば「3」に対応する発光領域48、合算した始動記憶数が4であれば「4」に対応する発光領域48)を緑色で点灯表示することによって始動記憶数を表示する。また、上始動口52及び下始動口54への遊技球の入賞があったときに第1特別図柄又は第2特別図柄を変動表示している場合に、上始動口52及び下始動口54への遊技球の入賞後の第1特別図柄の始動記憶数と第2特別図柄の始動記憶数とを合算した始動記憶数が5〜8の場合には、合算した始動記憶数に対応する発光領域48(合算した始動記憶数が5であれば「1」に対応する発光領域48、合算した始動記憶数が6であれば「2」に対応する発光領域48、合算した始動記憶数が7であれば「3」に対応する発光領域48、合算した始動記憶数が8であれば「4」に対応する発光領域48)を赤色で点灯表示することによって始動記憶数を表示する。一方、始動条件が記憶されている状態で、第1特別図柄及び第2特別図柄が変動表示していなければ(変動状態から停止表示状態になった場合を含む)、記憶された始動条件に基づいて第1特別図柄及び第2特別図柄のうち最先の始動条件に対応する特別図柄の変動表示が開始される。この場合、始動条件の記憶は消去され、あわせて始動条件を消去する以前の合算した始動記憶数が0〜4であれば最後の始動条件に対応する発光領域48の点灯表示を停止(消灯)し、始動条件を消去する以前の合算した始動記憶数が5〜8であれば最後の始動条件に対応する発光領域48を緑色で点灯表示する。
なお、本実施形態では始動口毎に始動記憶数の上限が4に設定され、各始動口の始動記憶数が上限に達した場合、それ以上の始動条件は記憶されない。すなわち、上始動口52の始動記憶数の上限は4に設定されるとともに下始動口54の始動記憶数の上限は4に設定され、合算した始動記憶数の上限は8個に設定されている。また、上始動口52と下始動口54との合算した始動記憶数が8個に達していない場合であっても上始動口52の始動記憶数が上限の4に達していれば上始動口52に遊技球が入賞した場合であってもそれ以上の始動条件は記憶されないとともに下始動口54の始動記憶数が上限の4に達していれば下始動口54に遊技球が入賞した場合であってもそれ以上の始動条件は記憶されない。一方、上始動口52と下始動口54との合算した始動記憶数が8個に達していない場合に上始動口52の始動記憶数が上限の4に達していなければ上始動口52に遊技球が入賞したことに基づいて始動条件が記憶され、下始動口54の始動記憶数が上限の4に達していなければ下始動口54に遊技球が入賞したことに基づいて始動条件が記憶される。
また、第1特別図柄表示器141a及び第2特別図柄表示器141bの上方に配置された2つの発光領域64b,64cのうち、右側に位置する発光領域64cはその点灯・点滅により普通図柄表示器として機能することができる。普通図柄は、パチンコ機1において普通図柄当り判定が行われ、その当落の結果が出たということを表すためのものである。例えば、パチンコ機1における通常遊技状態(大当り遊技状態及び小当り遊技状態でない状態)でゲート58を遊技球が通過すると、それを契機に発光領域64cが点灯または点滅動作を開始し、これにより普通図柄の変動状態が表示される。一方、左側の発光領域64bは、その点灯または消灯によって内部的な遊技様態(大当り確率が比較的高い高確率遊技様態であるか、あるいは大当り確率が比較的低い低確率遊技様態であるかの様態)を表示することができる。
そして、左側のサイド装飾部材64に4つ縦に並んで配置された発光領域64d,64eのうち、下2つの発光領域64eは、点灯・点滅によって普通図柄の始動記憶数(1〜4)を表示することができる。また、上2つの発光領域64dは、大当りになった場合にいずれか1つが点灯し、それによって大当りの種類を表示することができる。なお、大当りの種類については、パチンコ機1の制御に関する構成と合わせて後述する。
図4は、パチンコ機1の動作を制御するための構成を概略的に示している。パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板のグループと周辺基板のグループとで分担されており、このうち主基板のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。これら基板類は、いずれもパチンコ機1の背面側に設置されており、通常、本体枠3の施錠を解除した上で本体枠3を開放しない限り前面側から視認されたり、操作されたりすることはない。この他にも、パチンコ機1には電源基板や発射制御基板、インタフェース基板(CR機の場合)等が装備されているが、いずれも公知のものを適用できるため、ここでは図示とともに詳細な説明を省略する。
主基板グループは、主制御基板101と払出基板105とから構成されている。主制御基板101は、中央演算装置としてのCPU102をはじめ、読み出し専用メモリとしてのROM103や読み書き可能メモリとしてのRAM104等を備えている。このうちCPU102は、ROM103に格納されている遊技制御プログラムを実行し、この実行に伴いパチンコ機1で行われる各種遊技を制御する。またCPU102は、周辺基板グループや払出基板105に送信するコマンドを作成する。また、RAM104には、主制御基板101で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
なお、主制御基板101には、ゲートスイッチ174a、始動口スイッチ170a,170b、カウントスイッチ175a、一般入賞口スイッチ113a等が接続されており、主制御基板101には、これらスイッチ類から検出信号が入力される。具体的には、ゲートスイッチ174aは遊技領域12内のゲート58に対応して設置されており、遊技球が流下する過程でゲート58を通過すると、その通過がゲートスイッチ174aにより検出され、そして検出信号が主制御基板101に入力される。また、第1始動口スイッチ170aは上始動口52に対応して設置されており、また第2始動口スイッチ170bは、下始動口54に対応して設置されている。したがって、遊技球が上始動口52または下始動口54に入賞すると、対応する始動口スイッチ170a,170bから主制御基板101に検出信号が入力される。またカウントスイッチ175aは大入賞口62に対応して設置されており、大当り遊技状態中に大入賞口62に遊技球が入賞すると、カウントスイッチ175aから主制御基板101に検出信号が入力される。そして、一般入賞口スイッチ113aは一般入賞口66に対応して配置されており、遊技球が一般入賞口66に入賞すると、一般入賞口スイッチ113aから主制御基板101に検出信号が入力される。
そして、CPU102は、これら入力された検出信号に応じた処理を実行する。すなわちCPU102は、入力された検出信号に基づいてソレノイド171a,176a、第1特別図柄表示器141a、第2特別図柄表示器141b、普通図柄表示器144、特図始動記憶ランプ147、普図始動記憶LED148、状態表示LED145、大当り種類表示LED146等に対し、それぞれの駆動信号を出力する。さらにCPU102は、入賞に応じた遊技球の払い出しを指示するコマンドを払出基板105に対して出力する。
また、CPU102は、外部端子板100を介してパチンコ機1の管理に必要な情報(小当りとなったことを示す小当り情報、2R大当り遊技状態となったことを示す第1大当り情報、15R大当り遊技状態となったことを示す第2大当り情報、第1特別図柄表示器141aでの第1特別図柄の変動表示の実行回数(表示結果の導出回数)を示す第1図柄確定情報、第2特別図柄表示器141bでの第2特別図柄の変動表示の実行回数(表示結果の導出回数)を示す第2図柄確定情報、小当り遊技状態時及び大当り遊技状態時に大入賞口62に進入した遊技球の個数(カウントスイッチ175aによって検出した遊技球の個数)を示す大入賞口進入情報、遊技者に払い出された賞球数を示すメイン賞球情報、不正行為の発生(磁気検出、振動検出、入賞異常検出等)を示すセキュリティ情報、等)をパチンコ機1の外部(例えば遊技場に設置されているホール管理用コンピュータ等)に出力する。これにより、パチンコ機1の外部で当該パチンコ機1の情報を確認することができるようになっている。
払出基板105もまた、中央演算装置としての払出CPU106をはじめ読み出し専用メモリとしての払出ROM107や読み書き可能メモリとしての払出RAM108等を備えている。なお、上述した始動口スイッチ170a,170bやカウントスイッチ175a、一般入賞口スイッチ113a等により遊技球の入賞が検出されると、各スイッチから検出信号が主制御基板101に入力される。そして主制御基板101では、入力された検出信号に基づいてCPU102から払出基板105に対して規定個数の遊技球の払い出しを指示するコマンドが送信される。そして、払出基板105は、主制御基板101から受けとったコマンドを処理し、規定個数分の遊技球の払い出しを実行するべく払出装置109(払出モータ)に対して駆動信号を出力する。この結果、実際に払出装置109によって規定個数分の遊技球の払い出しが行われる。
また払出基板105には、発射モータを備えた発射装置135が接続されており、発射装置135は、発射モータの動力を用いて遊技球を遊技領域12に向けて発射する動作を行うことができる。遊技者が操作ハンドル18を操作(捻り操作)すると、発射装置135の発射モータが駆動され、これにより遊技球が打ち出される。
図4には示されてないが、発射装置135には、遊技者の身体が操作ハンドル18に触れていることを検知するためのタッチセンサが内蔵されている。発射装置135は、遊技者が操作ハンドル18に触れていることが検知されている場合に発射モータを駆動可能な状態となる。そして、この状態で操作ハンドル18が初期の位置から時計回り方向に捻り操作されると、発射装置135は実際に発射モータを駆動して遊技球を発射する。
あるいは、下皿17が満タン、つまり、払い出された遊技球で下皿17が満杯になったことを検出する下皿満タンスイッチを設け、この下皿満タンスイッチからの検出信号が入力されたときに操作ハンドル18の操作を受付不能な状態とする制御を行い、これにより発射装置135による発射モータの駆動を不可能な状態にすることもできる。すなわち、払出装置109から払い出された遊技球はひとまず上皿28に貯留されるが、上皿28に貯留しきれない数の遊技球が払い出された場合には、その貯留しきれない分の遊技球は上皿28と連通した下皿17に貯留される。この状態でさらに払出装置109により遊技球が払い出され、いよいよ下皿17が満タンになると、上記の下皿満タンスイッチから検出信号が出力されるので、これにより操作ハンドル18の操作が受付不能な状態に制御される。またこの場合、下皿満タンスイッチからの検出信号が出力されなくなると、操作ハンドル18の操作を受付可能な状態に復帰する制御が行われる構成としてもよい。
周辺基板グループは、サブ統合基板111やランプ駆動基板119、表示制御基板120等から構成されている。このうちサブ統合基板111は、統合CPU112をはじめ統合ROM113、統合RAM114を備えている。また、サブ統合基板111は、音出力に関する制御を行う音源IC128を備えるほか、音出力に関する読み出し専用メモリとしての音ROM127をも備えている。統合CPU112は、統合ROM113に格納されている演出制御プログラムを実行することにより主制御基板101から受信されたコマンドに基づく処理を実行する。また、統合RAM114には、サブ統合基板111で実行される種々の処理において生成される各種データや入出力信号、主制御基板101から受信したコマンド等の情報が一時的に記憶される。そして、統合CPU112は、統合RAM114に記憶されているコマンドを読み出すと、この読み出したコマンドに基づいて表示制御基板120に対してコマンドを送信したり、ランプ駆動基板119にランプ点灯信号やソレノイド駆動信号を送信したり、あるいは、枠ランプ27に駆動信号を出力したりする。またサブ統合基板111は、音源IC128によってコマンドに基づく音出力態様を音ROM127から読み出し、この読み出した音出力態様に応じた駆動信号を上部スピーカ29および下部スピーカ14に出力する。
ランプ駆動基板119は、サブ統合基板111から受信したランプ点灯信号を遊技盤ランプに送信し、また、サブ統合基板111から受信したソレノイド駆動信号をソレノイドに送信する。遊技盤ランプおよびソレノイドは、演出装置42に装備されているものであり、このうち遊技盤ランプは演出装置42において発光演出に用いられ、またソレノイドは、可動装飾体44a,44b,44cの駆動に用いられる。なお、ランプ駆動基板119は、サブ統合基板111から送信されるランプ点灯信号を各ランプ(LED)別に振り分けて遊技盤ランプに受け渡すほか、サブ統合基板111から送信されるソレノイド駆動信号をソレノイドにそのまま受け渡すものであり、実質的な遊技盤ランプおよびソレノイドの制御はサブ統合基板111が行っている。以下、ランプ駆動基板119を省略して説明する場合がある。
表示制御基板120は、中央演算装置としての表示CPU121を備えるほか、読み出し専用メモリとしての表示ROM122や読み書き可能メモリとしての表示RAM123を備えている。このうち表示CPU121は、サブ統合基板111からのコマンドに基づいて液晶表示装置50を制御する。
次に、上述した各種の構成部材や装置等が設けられた遊技盤4にて実現される遊技について説明する。先ず、遊技者が操作ハンドル18を捻り操作することにより、パチンコ機1の裏面側に設けられた発射装置135によって遊技球が打ち出される。発射装置135から打ち出された遊技球は、発射レール15および案内レール11に沿って上昇すると遊技領域12の上部に放出され、この後は遊技領域12内を障害釘等に衝突しながら流下する。
遊技領域12を流下する遊技球がゲート58を通過すると、ゲートスイッチ174aによって遊技球の通過が検出され、この検出信号に基づいて普通図柄表示器144(発光領域64c)では普通図柄の変動表示(LEDが緑色と赤色とで交互に点灯する表示態様)が開始される。
すなわちゲートスイッチ174aにより遊技球が検出されると、主制御基板101のCPU102は所定範囲の普通図柄当り判定乱数を更新するカウンタから普通図柄当り判定乱数を抽出する。そしてCPU102は、普通図柄表示器144による普通図柄の変動開始時に普通図柄当り判定乱数に基づいて当りとするか否かの判定を行い、この判定結果に応じた態様(本実施形態では、当りであれば赤色の点灯表示、はずれであれば緑色の点灯表示)で最終的に普通図柄を停止表示させる。
また、普通図柄表示器144において普通図柄の変動表示中に遊技球がゲート58を通過すると、CPU102にて抽出された普通図柄当り判定乱数は、所定個数(本実施形態では4個)までRAM104に記憶される。このとき、記憶された普通図柄当り判定乱数の個数は普図始動記憶LED148(発光領域64e)の点灯態様によって表示される。具体的には、ゲート58の通過が有効である間(普通図柄の始動記憶数が4未満のとき)にゲートスイッチ174aにより遊技球の通過が検出されると、その都度、普図始動記憶LED148の点灯態様を切り替える。
本実施形態では、例えば普図始動記憶数(普通図柄の始動記憶数)が1である場合に下側の普図始動記憶LED148(発光領域64e)が1つだけ点灯し、次に普図始動記憶数が2に増えると、下側に加えて上側の普図始動記憶LED148(発光領域64e)がともに点灯する(2つ点灯する態様)。さらに普図始動記憶数が3に増えると、それまで単純点灯していた上側の普図始動記憶LED148が点滅状態に切り替わり、下側の普図始動記憶LED148は単純点灯状態のままとなる。そして、普図始動記憶数が最大の4に達すると、2つの普図始動記憶LED148がともに点滅状態になる。反対に、普通図柄表示器144にて普通図柄の変動表示が開始されると、その都度、普図始動記憶数が1つずつ減っていくので、この場合は上記と逆の態様により普図始動記憶LED148が点灯・点滅することになる。
本実施形態では、普通図柄の変動開始時にCPU102において普通図柄当り判定乱数に基づいて当りとする判定がなされた場合には、所定期間経過後に普通図柄表示器144(発光領域64c)が赤色に点灯した状態で停止表示される。そしてこの後、ソレノイド171aを作動状態(通電状態)に切り替えることで左右の開閉部材56aを拡開させ、入球装置56を所定期間(例えば0.5秒間)にわたり開放状態にする制御が行われる。これにより、下始動口54への入賞が可能な状態となる。またこの後、所定期間が経過するとソレノイド171aを非作動状態(非通電状態)に戻すことで開閉部材56aを初期位置に復帰させ、入球装置56を閉塞状態に戻す制御が行われる。
これに対し、普通図柄の変動開始時にCPU102において普通図柄当り判定乱数に基づいてはずれとする判定がなされた場合、所定期間経過後に普通図柄表示器144(発光領域64c)が緑色に点灯した状態で停止表示されるだけであり、特に入球装置56は開放状態に制御されない。したがって、この場合は依然として下始動口54には入賞できない状態であるが、上始動口52への入賞は引き続き可能となっている。
遊技領域12内を流下する遊技球が上始動口52に入賞すると、第1始動口スイッチ170aにより遊技球の入賞が検出される。この場合、第1特別図柄の変動表示が開始可能な状態(例えば、大当り遊技状態中でない状態又は小当り遊技状態中でない状態であるか、または第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示中でない状態)であれば、第1特別図柄表示器141aにて第1特別図柄の変動表示を開始するとともに、液晶表示装置50で第1特別図柄の変動表示に関連した演出を開始する。本実施形態では、第1特別図柄が2つの発光領域の点灯の組み合わせで表される。
第1特別図柄の変動表示は所定期間経過後に停止され、その停止時に第1特別図柄が特定態様(大当り図柄(15R大当り(本例では15R大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する15R確変大当り)となる第1特別図柄表示器141aの点灯の組み合わせ:15R確変大当り図柄、2R大当り(2R大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する2R確変大当り、2R大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御する2R非確変大当り)となる第1特別図柄表示器141aの点灯の組み合わせ:2R大当り図柄(2R確変大当り図柄、2R非確変大当り図柄)))で停止表示されると、主制御基板101のCPU102は「大当り遊技状態」の制御を開始する。また、第1特別図柄の停止表示に同期して液晶表示装置50に所定の演出表示(本例では後述する図30(C)〜(D)の演出態様)を実行する。なお、変動表示が行われる期間は、乱数(第1変動パターン決定乱数)に応じて数秒〜数十秒の範囲内で決定される。また本例では、15R大当りとなる場合であっても2R大当り遊技状態となる場合であっても第1特別図柄表示器141aに特定態様を停止表示した場合には同様の演出態様を表示する。そのため、液晶表示装置50の演出結果からは2R大当りとなったのか15R大当りとなったのかを判別することは困難である。
また、第1特別図柄の停止時の態様が特殊態様(小当りとなる第1特別図柄表示器141aの点灯の組み合わせ:小当り図柄)になると、主制御基板101のCPU102は「小当り遊技状態」の制御を開始する。また、第1特別図柄の停止表示に同期して液晶表示装置50に所定の演出表示(本例では後述する図30(C)〜(D)の演出態様)を実行する。また本例では、15R大当りとなる場合であっても2R大当りとなる場合であっても第1特別図柄表示器141aに特定態様を停止表示した場合には同様の演出態様を表示する。そのため、液晶表示装置50の演出結果からは2R大当りとなったのか15R大当りとなったのか、さらには小当りとなったのかを判別することは困難である。
遊技領域12内を流下する遊技球が下始動口54に入賞すると、第2始動口スイッチ170bにより遊技球の入賞が検出される。この場合、第2特別図柄の変動表示が開始可能な状態(例えば、大当り遊技状態中でない状態又は小当り遊技状態中でない状態であるか、または第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示中でない状態)であれば、第2特別図柄表示器141bにて第2特別図柄の変動表示が開始されるとともに、液晶表示装置50で第2特別図柄の変動表示に関連した演出を開始する。本実施形態では、第2特別図柄が2つの発光領域の点灯の組み合わせで表される。
第2特別図柄の変動表示は所定期間経過後に停止され、その停止時に第2特別図柄が特定態様(大当り図柄(15R確変大当りとなる第2特別図柄表示器141bの点灯の組み合わせ:15R確変大当り図柄、2R大当り(2R確変大当り、2R非確変大当り)となる第2特別図柄表示器141bの点灯の組み合わせ:2R大当り図柄(2R確変大当り図柄、2R非確変大当り図柄)))で停止表示されると、主制御基板101のCPU102は「大当り遊技状態」の制御を開始する。また、第2特別図柄の停止表示に同期して液晶表示装置50に所定の演出表示(本例では後述する図30(C)〜(D)の演出態様)を実行する。なお、変動表示が行われる期間は、乱数(第2変動パターン決定乱数)に応じて数秒〜数十秒の範囲内で決定される。また本例では、15R大当りとなる場合であっても2R大当りとなる場合であっても第2特別図柄表示器141bに特定態様を停止表示した場合には同様の演出態様を表示する。そのため、液晶表示装置50の演出結果からは2R大当りとなったのか15R大当りとなったのかを判別することは困難である。
また、第2特別図柄の停止時の態様が特殊態様(小当りとなる第2特別図柄表示器141bの点灯の組み合わせ:小当り図柄)になると、主制御基板101のCPU102は「小当り遊技状態」の制御を開始する。また、第2特別図柄の停止表示に同期して液晶表示装置50に所定の演出表示(本例では後述する図30(C)〜(D)の演出態様)を実行する。また本例では、15R大当りとなる場合であっても2R大当りとなる場合であっても第2特別図柄表示器141bに特定態様を停止表示した場合には同様の演出態様を表示する。そのため、液晶表示装置50の演出結果からは2R大当りとなったのか15R大当りとなったのか、さらには小当りとなったのかを判別することは困難である。
また本実施形態では、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の停止時に表示される特定態様には、さらに特別態様(確変大当りとなる複数の発光体の点灯の組み合わせ:確変大当り図柄(15R確変大当り図柄、2R確変大当り図柄))があり、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれかが特別態様で停止表示された場合には、いわゆる「確変大当り」となり、大当り遊技状態の終了後、次に大当り遊技状態となる確率(当選確率)が高くなる(本実施形態では、高確率状態では32分の1の確率であり、高確率状態以外では320分の1の確率である。)。すなわち、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が特別態様で停止表示した場合は、大当り遊技の終了後に「高確率状態」という遊技者にさらに有利な状態になる。
また、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の停止時に表示される特定態様には、さらに特別態様とは異なる非特別態様(非確変大当りとなる複数の発光態様の点灯の組み合わせ:非確変大当り図柄(2R非確変大当り図柄))があり、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれかが非特別態様で停止表示された場合には、「確変大当り」とはならず、大当り遊技状態の終了後に次に大当り遊技状態となる確率は高められない「低確率状態(通常状態、時短状態)」に制御される(320分の1の確率)。
大当り遊技の終了後には、以下の内容でいわゆる時短制御が行われる。すなわち、第1特別図柄表示器141aにて第1特別図柄の変動表示を開始してから第1特別図柄を停止表示するまでの変動時間と、第2特別図柄表示器141bにて第2特別図柄の変動表示を開始してから第2特別図柄を停止表示するまでの変動時間と、普通図柄表示器144(発光領域64c)にて普通図柄の変動表示を開始してから普通図柄を停止表示するまでの変動時間と、を通常状態よりも短縮する制御が行われる。
また、あわせて普通図柄表示器144(発光領域64c)における普通図柄の変動表示の結果が「当り」となる確率を高める制御(時短制御しているときには12分の11の確率で当りと判定し、時短制御していないときには12分の1の確率で当りと判定する)、普通図柄の変動表示の結果「当り」となった場合に入球装置56の開放時間を通常状態よりも延長する制御(時短制御していないときには0.5秒間、時短制御しているときには2.0秒)、入球装置56の開放回数を通常状態よりも増加させる制御(時短制御していないときにはで1回、時短制御しているときには3回)、のうちいずれかまたは任意の組み合わせ(全ての制御を実行する場合を含む)の制御が実行される。
これら時短制御しているときには下始動口54への入賞確率が増加して、一定期間内での第2特別図柄の変動表示の実行回数を増加させることができる(つまり、大当りの抽選機会が増える)ため、それだけ遊技者にとって有利な状態となる。また、上述した高確率状態では、時短制御に加えて、第1特別図柄表示器141a及び第2特別図柄表示器141bにて特別図柄の変動表示の結果が「大当り」となる確率が高められるため、第1特別図柄表示器141a及び第2特別図柄表示器141bにて特別図柄の変動表示の結果が「大当り」となる確率が高められることなく時短制御だけが実行される時短状態よりもさらに遊技者に有利な状態となる。なお、通常状態とは、上述した高確率状態または時短状態ではない状態を意味する。
また、この例では、上記15R確変大当りに基づく大当り遊技状態(15R大当り遊技状態)の終了後に時短制御を開始し、次に大当り(15R確変大当り、2R確変大当り、2R非確変大当り)となるまで継続して時短制御を実行する。また、時短制御を実行していないときに上記2R確変大当り及び2R非確変大当りのいずれかとなった場合には、2R確変大当り及び2R非確変大当りに基づく大当り遊技状態(2R大当り遊技状態)の終了後に時短制御を実行しない。また、時短制御を実行しているときに上記2R確変大当りとなった場合には、2R確変大当りに基づく大当り遊技状態(2R大当り遊技状態)の終了後に時短制御を開始し、次に大当り(15R確変大当り、2R確変大当り、2R非確変大当り)となるまで継続して時短制御を実行する。一方、時短制御を実行しているときに上記2R非確変大当りとなった場合には、2R非確変大当りに基づく大当り遊技状態(2R大当り遊技状態)の終了後に上記時短制御を開始し、時短制御を開始してから第1特別図柄表示器141aにて第1特別図柄の変動表示が実行される回数と第2特別図柄表示器141bにて第2特別図柄の変動表示が実行される回数との合計が所定の回数(本実施形態では100回)に達したときに時短制御を終了する。
また本実施形態では、上始動口52に遊技球が入賞し、第1始動口スイッチ170aによって検出されたときに規定個数として3個の遊技球が払い出され、また、下始動口54に遊技球が入賞し、第2始動口スイッチ170bによって検出されたときに規定個数として4個の遊技球が払い出される。このように、上始動口52と下始動口54とで払出個数に差が設けられているのは以下の理由による。
すなわち、下始動口54は通常、開閉部材56aによって閉塞されており、普通図柄の変動表示の結果が「当り」とならない限り入賞の機会がない構造であるのに対し、上始動口52は、常に上方から遊技球を受け入れ可能な構造であることから、上始動口52への遊技球1個の入賞に対する払出個数が多すぎると、遊技場運営者に比較して遊技者が有利になりすぎる。そうすると、遊技場運営者の不利益解消策として始動口(上始動口52および下始動口54)への入賞が抑制されてしまい、結果的に抽選遊技(大当り遊技状態とするか否かの判定)の期待が減ることで遊技者に不快感を与えてしまいかねない。反対に、上始動口52への入賞に対する払出個数が少なすぎると、それだけ抽選遊技に必要とする遊技球の数が増大してしまい、結果的に過度の投資が必要となって遊技者に不利益を与えてしまうことになる。
一方の下始動口54は、時短状態および高確率状態においては遊技者に有利な遊技を提供するものであり、開閉部材56aの開放時間と開放回数の延長制御を行うことで、下始動口54への入賞確率を増加させている。しかし、遊技球の入賞に対する払出個数が少なすぎると、発射球の数に対して払い出しの数が少なくなり、結果的に有利な遊技状態であるにも関わらず、遊技球の残数が次第に減っていくことで遊技者に不快感を与えてしまうことになる。これらの事象を考慮し、本実施形態では上始動口52および下始動口54それぞれの払出個数(3,4個)が設定されている。
また、第1特別図柄表示器141aにおける第1特別図柄及び第2特別図柄の表示結果と、液晶表示装置50における演出結果とは対応している。すなわち、第1特別図柄の変動開始時に大当り(15R確変大当り、2R確変大当り、2R非確変大当り)及び小当りとしない判定、すなわちはずれとする判定がなされた場合には、上記所定の演出表示とは異なる態様、つまり、はずれの態様により第1特別図柄表示器141aを点灯させて第1特別図柄を停止表示するとともに、液晶表示装置50では、はずれの演出態様が表示される。また、第2特別図柄の変動開始時にはずれとする判定がなされた場合には、上記所定の演出表示とは異なる態様、つまり、はずれの態様により第2特別図柄表示器141bを点灯させて第2特別図柄を停止表示するとともに、液晶表示装置50では、はずれの演出態様が表示される。
また液晶表示装置50では、第1特別図柄表示器141a、第2特別図柄表示器141bでLEDを点滅させることで実行される特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の単調な変動表示の内容を液晶表示装置50に表示される画像によって演出的に表現することで、見た目上の演出効果を高めるものである。つまり、第1特別図柄表示器141a及び第2特別図柄表示器141bのいずれかを特定態様で点灯表示すると大当り遊技状態(15R確変大当り、2R確変大当り、2R非確変大当り)に移行させる制御を行い、第1特別図柄表示器141a及び第2特別図柄表示器141bのいずれかを特殊態様で点灯表示すると小当り遊技状態に移行させる制御を行うが、万が一、液晶表示装置50において所定の演出表示が実行されたとしても、第1特別図柄表示器141a及び第2特別図柄表示器141bのいずれも特定態様及び特殊態様で点灯表示していない場合、大当り遊技状態及び小当り遊技状態に移行する制御を行うことはない。
更に、この実施の形態では、第1特別図柄表示器141a及び第2特別図柄表示器141bによって点灯表示する特別態様(確変大当り図柄)には、高利益特別態様(15R確変大当り図柄)と、低利益特別態様(2R確変大当り図柄)と、を含み、非特別態様(非確変大当り図柄)には、低利益非特別態様(2R非確変大当り図柄)を含むものとなっている。なお、第1特別図柄表示器141a及び第2特別図柄表示器141bを高利益特別態様で点灯表示する場合であっても、第1特別図柄表示器141a及び第2特別図柄表示器141bを低利益非特別態様で点灯表示する場合であっても、液晶表示装置50には所定の演出表示が実行され、液晶表示装置50に表示される演出態様からは判別できないようになっている。
第1特別図柄表示器141a及び第2特別図柄表示器141bを特定態様(高利益特別態様、低利益特別態様、低利益非特別態様)で点灯表示した場合に実行される大当り遊技状態では、CPU102はソレノイド176aを作動(通電)させてアタッカ装置60を開放させる制御を行う。すなわち、ソレノイド176aが作動すると、開閉部材60aがその下縁部を支点としてパチンコ機1の手前方向に倒れ込むようにして回動し、これにより大入賞口62への入賞を可能とする。
なお、第1特別図柄表示器141a及び第2特別図柄表示器141bを高利益特別態様で点灯表示したときには、CPU102は、アタッカ装置60を開放し、開放から短縮時間(例えば、1.3秒)が経過したことに基づいてソレノイド176aを非作動(非通電)の状態に戻すことで、それまで手前方向に倒れていた開閉部材60aを盤面に沿って起立させてアタッカ装置60を閉塞する短縮開閉サイクルを2回繰り返した後、アタッカ装置を開放し、開放から通常時間(例えば、30秒)経過するか若しくは所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口62に入賞したことがカウントスイッチ175aにより検出されたことに基づいてアタッカ装置60を閉塞する通常開閉サイクルを12回繰り返す15R大当り遊技状態に制御する。第1特別図柄表示器141a及び第2特別図柄表示器141bを高利益特別態様で点灯表示したことに基づく15R大当り遊技状態では、CPU102はアタッカ装置60を開放状態にしてから閉塞状態に戻すまでの1回の開閉サイクル(以下、これをラウンドともいう)を繰り返し実行し、この制御を所定回数(15回)まで繰り返すと、すなわち15ラウンド実行すると、そこで大当り遊技状態を終了させる。
また、第1特別図柄表示器141a及び第2特別図柄表示器141bを低利益特別態様と低利益非特別態様とのいずれかで点灯表示したときには、CPU102は、上記短縮開閉サイクルを2回繰り返す2R大当り遊技状態に制御する。2R大当り遊技状態では、CPU102はアタッカ装置60を開放状態にしてから閉塞状態に戻すまでの1回の開閉サイクル(ラウンド)を所定回数(2回)まで繰り返すと、すなわち2ラウンド実行すると、そこで大当り遊技状態を終了させる。
なお、短縮開閉サイクルでは、アタッカ装置60を開放させる期間が非常に短いため、大入賞口62への遊技球の入賞を期待できず、得られる賞球は極めて少ない。一方、通常開閉サイクルでは、短縮開閉サイクルに比べてアタッカ装置60を開放させる期間が長く、所定数の遊技球を入賞させることができる十分な期間が確保されているため、大入賞口62への遊技球を期待できるとともに多量の賞球を獲得することが可能である。そのため、通常開閉サイクルが実行されると、上始動口52や下始動口54、一般入賞口66等に遊技球を入賞させるよりも短時間で多量の遊技球を獲得可能となり、遊技者の興趣を高めることができる。
また、第1特別図柄表示器141a及び第2特別図柄表示器を特殊態様で点灯表示したときには、CPU102は、上記短縮開閉サイクルを2回繰り返す小当り遊技状態に制御する。小当り遊技状態では、CPU102はアタッカ装置60を開放状態にしてから閉塞状態に戻すまでの1回の開閉サイクルを所定回数(2回)まで繰り返すと、すなわち2ラウンド実行すると、そこで小当り遊技状態を終了させる。
なお、小当り遊技状態の終了後には小当り遊技状態を開始する以前の遊技状態を継続させる。具体的には、小当り遊技状態を開始する以前に高確率状態に制御していれば小当り遊技状態の終了後にも高確率状態に制御し、小当り遊技状態を開始する以前に時短状態に制御している場合に小当り遊技状態を終了するときに上記時短終了条件が成立していなければ小当り遊技状態の終了後にも時短状態に制御する。また、小当り遊技状態を開始する以前に通常状態に制御しているとき及び小当り遊技状態を開始する以前に時短状態に制御している場合に小当り遊技状態を終了するときに上記時短終了条件が成立していれば小当り遊技状態の終了後に通常状態に制御する。すなわち、小当り遊技状態は大当り遊技状態とは異なり、遊技状態の変化に直接起因するものではなく、単に賞球を獲得する機会を与えるものである。
また、本例では、15R大当り遊技状態、2R大当り遊技状態、及び小当り遊技状態のいずれも短縮開閉サイクルを2回実行する。そのため、短縮開閉サイクルが実行されているときには15R大当り遊技状態、2R大当り遊技状態、及び小当り遊技状態のいずれに制御されているのかを判別することが困難になり、また短縮開閉サイクルが2回実行された後に通常開閉サイクルが実行されることなく終了した場合には2R大当り遊技状態と小当り遊技状態との何れに制御されているのかを判別することが困難になる。なお、短縮開閉サイクルが2回実行された後に通常開閉サイクルが実行された場合には15R大当り遊技状態に制御されていることを認識することができるため、遊技者に賞球獲得の機会を失わせるなどの不利益を与えない。
また、本実施形態では、遊技状態に応じて状態表示LED145(発光領域64b)を所定の態様で駆動制御する。具体的には、上記高確率状態に制御していれば状態表示LED145(発光領域64b)を赤色で点灯表示し、上記時短状態に制御していれば状態表示LED145(発光領域64b)緑色で点灯表示する。そして、時短状態または高確率状態を終了して通常状態になるか、或いは上記15R大当り遊技状態及び上記2R大当り遊技状態のいずれかを実行していれば状態表示LED145(発光領域64b)を消灯する。
また本実施形態では、大当り遊技状態を実行しているときに上述した大当り種類表示LED146(2つの発光領域64d)を駆動制御する。具体的には、15R大当り遊技状態を実行しているときに大当り種類表示LED146となる上下2つの発光領域64dのいずれか一方を点灯表示し、2R大当り遊技状態を実行しているときに大当り種類表示LED146となる上下2つの発光領域46dの他方を点灯表示する。このように、大当り遊技状態の種類に応じて大当り種類表示LED146を点灯・消灯制御することにより、大当り遊技状態の種類を外部から容易に把握することができる。
なお、上記した例では、1回の開閉サイクルを1ラウンドとして設定し、15R大当り遊技状態では15回の開閉サイクルを実行し、2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態では2回の開閉サイクルを実行するように構成したが、1ラウンドに実行する開閉サイクルの回数はこれに限定されるものではない。予め決められている回数の開閉サイクルを所定のラウンドで実行するものであればよく、例えば、15R大当り遊技状態として、1ラウンド目に短縮開閉サイクルを2回実行し、その後の2ラウンド目から15ラウンド目まで通常開閉サイクルを14回実行するように構成し、又は15R大当り遊技状態として、1ラウンド目に短縮開閉サイクルを2回と通常開閉サイクルを1回実行し、その後の2ラウンド目から15ラウンド目まで通常開閉サイクルを14回実行するように構成し、2R大当り遊技状態として、1ラウンド目及び2ラウンド目に1回の開閉サイクルをそれぞれ実行するように構成するようにしてもよい。すなわち、15R大当り遊技状態として2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態と同様の制御(本例では短縮開閉サイクル)を同一期間(近似する期間であれば完全同一でなくてもよい)に亘って実行した後に所定の制御(本例では通常開閉サイクル)を実行することで、所定の制御(本例では通常開閉サイクル)が実行されるまでは15R大当り遊技状態に制御されていることを判別困難となるように15R大当り遊技状態、2R大当り遊技状態、及び小当り遊技状態それぞれを実行するものであればよい。
次に、主制御基板101(特にCPU102)で実行される制御処理の例について説明する。図5(a)は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、上記主制御基板101のCPU102によって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図5(a)に示されるように、この実施の形態にかかる主制御基板101はまず、ステップS1の処理として、各種のレジスタやRAM104に格納されているデータを初期化する。なお、ステップS1の初期化処理では、パチンコ機1への電力供給を開始してから所定期間(例えば、1秒)が経過する以前にパチンコ機1の背面側に設けられた初期化スイッチ(図示せず)が操作された場合に上記データを初期化する処理が実行され、初期化スイッチが操作されなかった場合には上記データを初期化せずにパチンコ機1への電力供給を停止する以前の状態(遊技状態)に継続して制御する。また、パチンコ機1への電力供給を開始してから所定期間が経過する以前に初期化スイッチが操作された場合には主制御基板101のデータを初期化したことを通知する初期化コマンドをサブ統合基板111に送信する。次いで、ステップS2の処理として、予め定められた数値範囲内で更新される数である乱数の更新を行う。
ここで、主制御基板101に搭載されるCPU102により更新される各種乱数について図6を参照して説明する。図6に示すように、この実施の形態にかかる主制御基板101では、上記特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される大当り判定乱数(第1特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される第1大当り判定乱数、第2特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される第2大当り判定乱数)、小当り判定乱数(第1特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される第1小当り判定乱数、第2特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される第2小当り判定乱数)、大当り種類判定乱数(第1特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が大当りとなったときに15R確変大当り、2R確変大当り、2R非確変大当りのいずれに制御するか否かの抽選処理に供される第1大当り種類判定乱数、第2特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が大当りとなったときに15R確変大当り、2R確変大当り、2R非確変大当りのいずれに制御するか否かの抽選処理に供される第2大当り種類判定乱数)、上記特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)についての抽選処理に供される変動パターン決定乱数(第1特別図柄の変動表示制御に要する時間についての抽選処理に供される第1変動パターン決定乱数、第2特別図柄の変動表示制御に要する時間についての抽選処理に供される第2変動パターン決定乱数)、上記開閉部材56aの動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理に供される普通図柄当り判定乱数等々、といった乱数を保持する乱数カウンタを備えている。そこで、このステップS2の処理では、これら乱数のうちの当落に関わらない乱数(変動パターン決定乱数(第1変動パターン決定乱数、第2変動パターン決定乱数)のみが更新されるかたちで当該乱数カウンタのカウンタ操作が行われることとなる。
なお、第1特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される乱数を更新する乱数カウンタ(第1大当り判定乱数を更新する乱数カウンタ、第1大当り種類判定乱数を更新する乱数カウンタ)と、第2特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される乱数を更新する乱数カウンタ(第2大当り判定乱数を更新する乱数カウンタ、第2大当り種類判定乱数を更新する乱数カウンタ)と、を別々に備える構成としてもよいし、第1特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される乱数と第2特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される乱数とを共通の乱数カウンタ(大当り判定乱数を更新する乱数カウンタ、大当り種類判定乱数を更新する乱数カウンタ)で更新するように構成してもよい。
なお、こうしてステップS1及びS2の処理が行われた後は、上記ステップS2の処理のみが基本的に繰り返し行われる。ただし、この実施の形態では、例えば4ms毎に以下のタイマ割込制御が行われる。
図5(b)は、上記主制御基板101のCPU102によって定期的に行われるタイマ割込制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図5(b)に示されるように、この割込制御ではまず、ステップS11の処理として、レジスタの退避処理が行われる。次いで、ステップS12の処理として、上記ゲートスイッチ174a、上記第1始動口スイッチ170a、上記第2始動口スイッチ170b、上記カウントスイッチ175a、各一般入賞口スイッチ113a等からの検出信号が入力される。そして次に、ステップS13の処理として、上記乱数カウンタの値を更新するための乱数更新処理が行われる。なお、このステップS13の処理では、上述の乱数のうち、上記特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)及び上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(大当り判定乱数、小当り判定乱数、大当り種類判定乱数、普通図柄当り判定乱数)が更新されるかたちで上記乱数カウンタのカウンタ操作が行われる。
そして、こうして乱数の更新が行われた後、当該主制御基板101のCPU102は、ステップS14の処理として、上記特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む特別図柄プロセス処理を実行する。
そして次に、同主制御基板101のCPU102は、ステップS15の処理として、上記開閉部材56aの動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理を含む普通図柄プロセス処理を実行する。上述したように、ゲート58を遊技球が通過すると主制御基板101のCPU102は所定範囲の普通図柄当り判定乱数を更新するカウンタから普通図柄当り判定乱数を抽出する。そして、主制御基板101のCPU102は、普通図柄プロセス処理を実行して抽出した普通図柄当り判定乱数と普通図柄当り判定値(本実施形態では、時短制御しているときに14分の10の確率で当りとなり、時短制御していないときに14分の1の確率で当りとなるように設定される判定値)とに基づいて当りとするか否かの判定を行って普通図柄表示器144による普通図柄の変動を開始した後、所定期間経過後(本実施形態では、時短制御していないときには0.5秒、時短制御しているときには5秒)に判定結果に応じた態様(本実施形態では、当りであれば赤色の点灯表示、はずれであれば緑色の点灯表示)で最終的に普通図柄を停止表示させる。普通図柄当り判定乱数と普通図柄当り判定値とに基づく判定結果が当りとなったことに基づいて普通図柄表示器144に普通図柄の当りの態様を停止表示したときには開閉部材56aを開放状態に制御する。
なお、この普通図柄プロセス処理についても、基本的に、遊技の進行状況を示す普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択的に実行されることとなる。また、上述したように上記主制御基板101のCPU102は、大当り遊技状態の終了後には、時短制御を実行して上記開閉部材56aの駆動頻度がより高くなるように当該抽選処理を実行する。
また、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)及び普通図柄プロセス処理(ステップS15)が行われると、上記主制御基板101のCPU102は、次にステップS16の処理として、同特別図柄プロセス処理にてRAM104の所定の領域に設定されたコマンドを上記サブ統合基板111などに送信する処理を行う。なお、ステップS16の特別図柄コマンド制御処理では、ステップS12のスイッチ処理で上記第1始動口スイッチ170a、上記第2始動口スイッチ170b及び上記カウントスイッチ175aの検出信号に基づいて遊技球の入球を検出したことを示すコマンドを上記サブ統合基板111などに送信する処理も行う。例えば、カウントスイッチ175aの検出信号に基づいて大入賞口62への遊技球の入球を検出した場合にはカウント検出コマンドをサブ統合基板111などに送信する処理を行う。次いで、ステップS17の処理として、上記普通図柄プロセス処理にて同じくRAM104の所定の領域に設定されたコマンドを例えば上記サブ統合基板111などに送信する処理を行う。
また、同主制御基板101のCPU102は、次にステップS18の処理として、上記したパチンコ機1の管理に必要な情報(小当りとなったことを示す小当り情報、2R大当りとなったことを示す第1大当り情報、15R大当りとなったことを示す第2大当り情報、第1特別図柄表示器141aでの第1特別図柄の変動表示の実行回数(表示結果の導出回数)を示す第1図柄確定情報、第2特別図柄表示器141bでの第2特別図柄の変動表示の実行回数(表示結果の導出回数)を示す第2図柄確定情報、小当り時及び大当り時に大入賞口62に進入した遊技球の個数(カウントスイッチ175aによって検出した遊技球の個数)を示す大入賞口進入情報、遊技者に払い出された賞球数を示すメイン賞球情報、不正行為の発生(磁気検出、振動検出、入賞異常検出等)を示すセキュリティ情報、等)を、外部端子板100(図4に符号のみ記載)を介してパチンコ機1の外部(例えば遊技場に設置されているホール管理用コンピュータ等)に出力する情報出力処理を行う。
本例では上記複数種類の情報のうち15R大当りとなったことを示す第2大当り情報については、通常のタイミング(従来のパチンコ機で出力しているタイミング)よりも遅延させてパチンコ機1の外部に出力している。すなわち、従来のパチンコ機では、特別図柄表示器(本例の第1特別図柄表示器141a、第2特別図柄表示器141bに相当)に特定態様を導出表示(停止表示)した後、アタッカ装置(本例のアタッカ装置60に相当)の開閉制御を開始するとき(後述する本例の大当り制御プロセス処理(ステップS43)を実行して1ラウンド目の短縮開閉サイクルを開始するときに相当)に15R大当りとなったことを示す情報(本例の第2大当り情報に相当)をパチンコ機(本例のパチンコ機1に相当)の外部に出力するのに対し、本例のパチンコ機1では、アタッカ装置60の開閉制御の開始後(本例では3ラウンド目の通常開閉サイクルを開始するとき)に上記第2大当り情報をパチンコ機1の外部に出力するように構成される。
なお、遊技店では所謂「遊技島」に複数台のパチンコ機を列状に配置している。遊技島には、複数台のパチンコ機それぞれの設置箇所近傍(パチンコ機の設置個所上方など)にデータ表示器が設置され、上記パチンコ機から出力される情報に基づいて遊技島毎に設置されている遊技島管理コンピュータが上記データ表示器の表示を制御することにより、15R大当り遊技状態の実行回数や前回の15R大当り遊技状態の終了から現在までに実行されている特別図柄(第1特別図柄の変動表示の実行回数と第2特別図柄の変動表示の実行回数とを合算した回数。なお第1特別図柄の変動表示の実行回数と第2特別図柄の変動表示の実行回数とをそれぞれ別個に表示するようにしてもよい)の変動表示の実行回数(変動回数)などを表示している。本例では、遊技島管理コンピュータは、上記第1図柄確定情報及び第2図柄確定情報が入力される毎にデータ表示器の特別図柄の変動表示の実行回数を加算更新し、上記第2大当り情報が入力される毎にデータ表示器の15R大当り遊技状態の実行回数を更新するとともに特別図柄の変動表示の実行回数をリセットする。この例では、データ表示器に上記小当り及び2R大当り遊技状態の実行回数を表示しない。これにより、賞球の獲得が困難な2R大当り及び小当りとなったことを遊技者に把握され難くし、遊技興趣の低下を抑止できる。
上述したように本例では、第1特別図柄表示器141a及び第2特別図柄表示器141bを高利益特別態様で点灯表示して15R大当り遊技状態に制御する場合であっても、低利益特別態様又は低利益非特別態様で点灯表示して2R大当り遊技状態に制御する場合であっても、特殊態様で点灯表示して小当り遊技状態に制御する場合であっても、液晶表示装置50には所定の演出表示が実行され、液晶表示装置50に表示される演出態様からは15R大当りとなったのか2R大当りとなったのかさらには小当りとなったのかを判別できないようになっている。これにより、獲得可能な賞球数が15R大当り遊技状態よりも少ない2R大当り遊技状態又は小当り遊技状態となった場合であっても少なくとも通常開閉サイクルが実行されるまで(本例では3ラウンド目を開始するまで)は15R大当り遊技状態に対する期待を抱かせることができるという効果がある。
しかしながら、折角液晶表示装置50の表示によって15R大当り遊技状態となったのか2R大当り遊技状態となったのか小当り遊技状態となったのかを判別することが困難であっても従来の遊技機と同様に15R大当り遊技状態の制御を開始するとき(15R大当り遊技状態の1ラウンド目として短縮開閉サイクルを実行するとき)に上記第2大当り情報をパチンコ機1の外部に出力してしまうとアタッカ装置60の開閉制御を開始するときには遊技島に設置されているデータ表示器に表示される15R大当り遊技状態の実行回数が加算更新されてしまう。この場合には、15R大当り遊技状態の実行回数が加算更新されたことを視認することによって15R大当り遊技状態となったことを認識した遊技者の興趣を向上させることができる一方で、15R大当り遊技状態の実行回数が加算更新されなかった場合には2R大当り遊技状態となったことを悟られた時点で遊技興趣を低下させてしまうおそれがある。
この実施の形態では、2R大当りとなった場合には短縮開閉サイクルを実行するときに上記第1大当り情報をパチンコ機1の外部に出力し、小当りとなった場合には短縮開閉サイクルを実行するときに小当り情報をパチンコ機1の外部に出力する一方、15R大当りとなった場合に2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態と同様の短縮開閉サイクルが2回実行されて短縮開閉サイクルが終了するまでは上記第2大当り情報をパチンコ機1の外部に出力しないようにし、通常開閉サイクルを実行するときに上記第2大当り情報をパチンコ機1の外部に出力するようにしている。すなわち、15R大当りとなった場合には、2R大当り及び小当りとなった場合や上記した従来の遊技機に比べて第2大当り情報を出力するタイミングを遅らせている。これにより、高利益特別態様を導出表示して15R大当りとなったときに遊技島に設置されているデータ表示器に表示されている15R大当り遊技状態の実行回数が加算更新されることを防止し、通常開閉サイクルを実行するときに遊技島に設置されているデータ表示器の15R大当り遊技状態の実行回数を加算更新させることで上記した従来の遊技機に比べてデータ表示器の15R大当り遊技状態の実行回数を更新するタイミングを遅らせている。また、上記したように本例ではデータ表示器に2R大当り遊技状態の実行回数及び小当り遊技状態の実行回数を表示しない。そのため、2R大当り及び小当りとなったときにデータ表示器の表示内容から2R大当り又は小当りとなったことを悟られない。このように構成することにより、少なくとも短縮開閉サイクルを2回実行して短縮開閉サイクルを終了するまでは15R大当りとなったのか否かを判別することが困難になり、長期間に亘って15R大当りに対する期待を抱かせることができ、遊技興趣を向上させることができる。
なお、2R大当り及び小当りとなった場合には上記従来の遊技機と同様に短縮開閉サイクルを実行するときに上記第1大当り情報及び小当り情報をそれぞれパチンコ機1の外部に出力し、15R大当りとなった場合には短縮開閉サイクルを実行するときに上記第1大当り情報をパチンコ機1の外部に出力するとともに通常開閉サイクルを実行するときに上記第2大当り情報をパチンコ機1の外部に出力し、ホール管理用コンピュータにおいて第1大当り情報が入力された場合にホール管理用コンピュータで管理している2R大当り遊技状態の発生回数(実行回数)を加算(+1回)更新した後、所定期間内に第2大当り情報が入力されたとき(或いは所定期間内でなくても第1大当り情報と第2大当り情報とが連続して入力された場合)に2R大当り遊技状態ではなく15R大当り遊技状態が発生していたことを認識してホール管理用コンピュータで管理している2R大当り遊技状態の発生回数(実行回数)を減算(−1回)更新するとともに15R大当り遊技状態の発生回数を加算(+1回)更新して、データ表示器に表示される15R大当り遊技状態の実行回数を加算更新することにより、少なくとも短縮開閉サイクルを2回実行して短縮開閉サイクルを終了するまでは15R大当りとなったのか否かを判別困難となるようにしてもよい。すなわち、15R大当りとなった場合には短縮開閉サイクルを実行するときにまず2R大当りとなったことを示す第1大当り情報をパチンコ機1の外部に出力して短縮開閉サイクルを実行するときにデータ表示器に表示される15R大当り遊技状態の実行回数が更新されることを防止し、その後、通常開閉サイクルを実行するときに15R大当りとなったことを示す第2大当り情報をパチンコ機1の外部に出力することで、短縮開閉サイクルを2回実行して短縮開閉サイクルが終了するまでデータ表示器に表示される15R大当り遊技状態の実行回数が更新されるタイミングを遅らせるようにしてもよい。
また、データ表示器に表示する内容は上記したものに限られるものではない。すなわち、本例ではデータ表示器に15R大当り遊技状態の実行回数を表示して2R大当り遊技状態の実行回数を表示しないように構成したが、2R大当り遊技状態の実行回数と15R大当り遊技状態の実行回数とを合算した大当り遊技状態の実行回数を表示するように構成してもよく、この場合であっても本技術思想は適用可能である。具体的には、15R大当り遊技状態となった場合には、短縮開閉サイクルが2回実行されて短縮開閉サイクルが終了するまでは上記第2大当り情報をパチンコ機1の外部に出力しないようにし、通常開閉サイクルを実行するときに上記第2大当り情報をパチンコ機1の外部に出力するようにするとともに、2R大当り遊技状態となった場合には、短縮開閉サイクルが2回実行されて短縮開閉サイクルが終了したときに第1大当り情報をパチンコ機1の外部に出力するように構成することにより、低利益特別態様及び低利益非特別態様を導出表示して2R大当りとなったときにデータ表示器に表示されている大当り遊技状態の実行回数が加算更新されることを防止し、短縮開閉サイクルが2回実行されて短縮開閉サイクルが終了したときにデータ表示器の大当り遊技状態の実行回数を加算更新させ、少なくとも短縮開閉サイクルを2回実行して短縮開閉サイクルを終了するまでは15R大当りとなったのか2R大当りとなったのかを判別困難となるようにしてもよい。すなわち、15R大当りとなったことを示す第2大当り情報だけでなく、2R大当りとなったことを示す第1大当り情報も上記した従来の遊技機に比べて出力するタイミングを遅らせることにより、15R大当りとなったのかを判別困難となるようにしてもよい。
また、データ表示器に15R大当り遊技状態の実行回数と2R大当り遊技状態の実行回数とを別個に表示する場合であっても本技術思想は適用可能である。具体的には、15R大当り遊技状態となった場合には、短縮開閉サイクルが2回実行されて短縮開閉サイクルが終了するまでは上記第2大当り情報をパチンコ機1の外部に出力しないようにし、通常開閉サイクルを実行するときに上記第2大当り情報をパチンコ機1の外部に出力するようにするとともに、2R大当り遊技状態の短縮開閉サイクルが2回実行されて短縮開閉サイクルが終了したときに第1大当り情報をパチンコ機1の外部に出力するように構成することにより、低利益特別態様及び低利益非特別態様を導出表示して2R大当りとなったときにデータ表示器に表示されている2R大当り遊技状態の実行回数が加算更新されることを防止し、短縮開閉サイクルが2回実行されて短縮開閉サイクルが終了したときにデータ表示器の2R大当り遊技状態の実行回数を加算更新させ、少なくとも短縮開閉サイクルを2回実行して短縮開閉サイクルを終了するまでは15R大当りとなったのか2R大当りとなったのかを判別困難となるようにしてもよい。すなわち、データ表示器における15R大当り遊技状態の実行回数と2R大当り遊技状態の実行回数との更新タイミングを同時期(短縮開閉サイクルの開始から2回の短縮開閉サイクルの終了後の所定時期、近似するものであれば完全同一でなくてもよい)に行うことにより、少なくとも短縮開閉サイクルを2回実行して短縮開閉サイクルを終了するまではデータ表示器の表示内容から15R大当りとなったのか2R大当りとなったのかを判別困難となるようにしてもよい。
また、データ表示器に2R大当り遊技状態の実行回数と15R大当り遊技状態の実行回数とを合算した大当り遊技状態の実行回数を表示するように構成し、15R大当りとなったときにまず2R大当りとなったことを示す第1大当り情報をパチンコ機1の外部に出力して、通常開閉サイクルを実行するときに15R大当りとなったことを示す第2大当り情報をパチンコ機1の外部に出力するように構成した場合には、ホール管理用コンピュータにおいて第1大当り情報が入力された時点でデータ表示器に表示されている2R大当り遊技状態の実行回数と15R大当り遊技状態の実行回数とを合算した大当り遊技状態の実行回数を加算更新させ、2R大当り遊技状態と15R大当り遊技状態とのいずれかに制御されることを認識させる一方で、2R大当り遊技状態と15R大当り遊技状態とのいずれに制御されているのかを把握することを困難にすることができる。
また、データ表示器に15R大当り遊技状態の実行回数と2R大当り遊技状態の実行回数とを別個に表示するように構成し、15R大当りとなったときにまず2R大当りとなったことを示す第1大当り情報をパチンコ機1の外部に出力して、通常開閉サイクルを実行するときに15R大当りとなったことを示す第2大当り情報をパチンコ機1の外部に出力するように構成した場合には、ホール管理用コンピュータにおいて第1大当り情報が入力された時点でデータ表示器に表示されている2R大当り遊技状態の実行回数を加算更新させ、その後の所定期間内に第2大当り情報が入力されたときに2R大当り遊技状態の実行回数を減算(−1回)更新するとともに15R大当り遊技状態の実行回数を加算(+1)更新することにより、2R大当り遊技状態と15R大当り遊技状態とのいずれかに制御されることを認識させることができることに加えて、15R大当り遊技状態に制御されている場合には通常開閉サイクルが実行されたときに遊技者に歓喜をもたらし、遊技興趣を向上させることができる。
また、データ表示器に小当り遊技状態の実行回数を表示するように構成してもよく、この場合には2R大当りとなったことを示す第1大当り情報、15R大当りとなったことを示す第2大当り情報、及び小当りとなったことを示す小当り情報を従来の遊技機に比べて出力するタイミングを遅らせることにより、2R大当り、小当り及び15R大当りのいずれとなったのかを判別困難となるようにしてもよい。具体的には、上記2R大当りとなったことを示す第1大当り情報、及び15R大当りとなったことを示す第2大当り情報を上記した従来の遊技機に比べて出力するタイミングを遅らせる制御に加えて、小当り遊技状態の短縮開閉サイクルが2回実行されて短縮開閉サイクルが終了したときに小当り情報をパチンコ機1の外部に出力し、小当り遊技状態の短縮開閉サイクルが2回実行されて短縮開閉サイクルが終了したときに小当り情報をパチンコ機1の外部に出力するように構成することにより、特殊態様を導出表示して小当りとなったときにデータ表示器に表示されている小当り遊技状態の実行回数が加算更新されることを防止し、短縮開閉サイクルが2回実行されて短縮開閉サイクルが終了したときにデータ表示器の小当り遊技状態の実行回数を加算更新させ、少なくとも短縮開閉サイクルを2回実行して短縮開閉サイクルを終了するまでは15R大当りとなったのか、2R大当りとなったのか、小当りとなったのかを判別困難となるようにしてもよい。
そして次に、同主制御基板101のCPU102は、ステップS19の処理として、上記第1始動口スイッチ170a、上記第2始動口スイッチ170b、上記カウントスイッチ175a、各一般入賞口スイッチ113aなどの検出信号がオン状態にあるときは、それら信号に応じた賞球が遊技者に払い出されるよう上記払出基板105に払出制御コマンドを出力する。これにより、上記払出基板105に搭載される払出CPU106は、払出装置109に駆動信号を出力し、遊技者に賞球を払い出すようになる。
また、同主制御基板101のCPU102は、次にステップS20の処理として、始動記憶数(第1特別図柄に対応する第1始動記憶数、第2特別図柄に対応する第2始動記憶数)の増減をチェックする記憶処理を実行する。次いで、ステップS21の処理として、パチンコ機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。そしてその後、常時動作するアクチュエータの駆動制御を行うとともに(ステップS22)、上記レジスタの内容を復帰させ(ステップS23)、割込許可状態に設定した時点で(ステップS24)、この制御が終了することとなる。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマによる割込処理によって遊技制御処理を実行することとしたが、当該割込処理では例えば割り込みが発生したことを示すフラグのセットのみを行うようにしてもよい。ただしこの場合、遊技制御処理をメイン処理にて実行することとなる。
図7は、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS13)、同図7に示されるように、この主制御基板101のCPU102はまず、上記第1始動口スイッチ170aによる検出信号がオン状態(上始動口52への入球あり)にあることを条件に(ステップS31)、例えば第1大当り判定乱数、第1小当り判定乱数及び第1大当り種類判定乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAM104に格納するなどの第1始動口通過処理を実行する(ステップS32)。次いで、上記第2始動口スイッチ170bによる検出信号がオン状態(下始動口54への入球あり)にあることを条件に(ステップS33)、例えば第2大当り判定乱数、第2小当り判定乱数及び第2大当り種類判定乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAM104に格納するなどの第2始動口通過処理を実行する(ステップS34)。
そして、大当り遊技状態に制御していることを示す大当り制御フラグ(第1大当り制御フラグ及び第2大当り制御フラグ)及び小当り遊技状態に制御していることを示す小当り制御フラグ(第1小当り制御フラグ及び第2小当り制御フラグ)のいずれかがオンしていなければ(ステップS35)、第1特別図柄表示器141aで第1特別図柄の変動表示を実行していること若しくは第1特別図柄の変動表示を開始するための処理を実行していることを示す第1変動フラグがオンしているか否かを判別する(ステップS36)。第1変動フラグがオンしていれば、第1特別図柄プロセス処理を実行して第1特別図柄の変動表示に関わる処理を実行し(ステップS37)、処理を終了する。
また、ステップS36で第1変動フラグがオンしていなければ、第2特別図柄表示器141bで第2特別図柄の変動表示を実行していること若しくは第2特別図柄の変動表示を開始するための処理を実行していることを示す第2変動フラグがオンしているか否かを判別する(ステップS38)。第2変動フラグがオンしていれば、第2特別図柄プロセス処理を実行して第2特別図柄の変動表示に関わる処理を実行し(ステップS39)、処理を終了する。
また、第1変動フラグ及び第2変動フラグのいずれもオンしていなければ、上記第1始動記憶数及び第2始動記憶数の合計が0か否かを判別し(ステップS40)、第1始動記憶数及び第2始動記憶数の合計が0であれば処理を終了する。なお、ステップS40では第1始動記憶数と第2始動記憶数の合計を示すカウンタ(合算保留カウンタ)のカウンタ値を参照して第1始動記憶数及び第2始動記憶数の合計が0か否かを判別する。また、第1始動記憶数及び第2始動記憶数の合計が0でなければ後述する乱数格納領域から各乱数を読み出し(ステップS41)、読みだした乱数が第1特別図柄に関わる乱数であれば(ステップS42)、ステップS37に進んで第1特別図柄プロセス処理を実行する。一方、読みだした乱数が第2特別図柄に関わる乱数であれば(ステップS42)、ステップS39に進んで第2特別図柄プロセス処理を実行する。
また、ステップS35で上記大当り制御フラグ(第1大当り制御フラグ及び第2大当り制御フラグ)及び小当り制御フラグ(第1小当り制御フラグ及び第2小当り制御フラグ)のいずれかがオンしていれば、大当り制御プロセス処理(ステップS43)、小当り制御プロセス処理(ステップS44)を順次実行する。
なお、第1特別図柄プロセス処理では、基本的に、上記主制御基板101のRAM104に格納されている遊技の進行状況を示す第1特別図柄プロセスフラグに基づいて該当する処理が選択的に実行され、第2特別図柄プロセス処理では、基本的に、上記主制御基板101のRAM104に格納されている遊技の進行状況を示す第2特別図柄プロセスフラグに基づいて該当する処理が選択的に実行され、大当り制御プロセス処理では、基本的に、上記主制御基板101のRAM104に格納されている遊技の進行状況を示す大当り制御プロセスフラグに基づいて該当する処理が選択的に実行され、小当り制御プロセス処理では、基本的に、上記主制御基板101のRAM104に格納されている遊技の進行状況を示す小当り制御プロセスフラグに基づいて該当する処理が選択的に実行されることとなる。
図8は、第1始動口通過処理(ステップS32)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS30の処理において、上記第1始動口スイッチ170aがオン状態にあり、上記上始動口52への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図8に示されるように、上記主制御基板101のCPU102は、ステップS32aの処理として、まず、上記第1始動記憶数をカウントする第1保留カウンタによるカウンタ値を主制御基板101のRAM104から取得する。そして、このカウンタ値に基づいて上述の第1始動記憶数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS32aの処理において、上記第1始動記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第1特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS32b〜S32dの処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS32bの処理として、上記第1保留カウンタをカウントアップする。またこのとき、第1始動記憶数と第2始動記憶数との合計をカウントする合算保留カウンタをカウントアップする。CPU102は、合算保留カウンタのカウンタ値を参照することによって第1始動記憶数及び第2始動記憶数の合計を把握することが可能になる。次いで、ステップS32cの処理として、上記第1大当り判定乱数、第1大当り種類判定乱数、第1小当り判定乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS32dの処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御基板101のRAM104の記憶領域のうちの上記合算保留カウンタによるカウンタ値に対応する乱数記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS32aの処理において、上記第1始動記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第1特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、上記第1特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすることなく、上記第1始動記憶数がその最大値であると判断した時点で、この処理を終了する。
図9は、第2始動口通過処理(ステップS34)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS33の処理において、上記第2始動口スイッチ170bがオン状態にあり、上記下始動口54への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図9に示されるように、上記主制御基板101のCPU102は、ステップS34aの処理として、まず、上記第2始動記憶数をカウントする第2保留カウンタによるカウンタ値を主制御基板101のRAM104から取得する。そして、このカウンタ値に基づいて上述の第2始動記憶数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS34aの処理において、上記第2始動記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第2特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS34b〜S34dの処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS34bの処理として、上記第2保留カウンタをカウントアップするとともに上記合算保留カウンタをカウントアップする。次いで、ステップS34cの処理として、上記第2大当り判定乱数、第2大当り種類判定乱数、第2小当り判定乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS34dの処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御基板101のRAM104の記憶領域のうちの上記合算保留カウンタによるカウンタ値に対応する乱数記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS34aの処理において、上記第2始動記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第2特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、上記第2特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすることなく、上記第2始動記憶数がその最大値であると判断した時点で、この処理を終了する。
この例では、第1乱数格納領域〜第8乱数格納領域の8個の記憶領域を有する乱数格納領域が設けられ、上記主基板101のCPU102は上記第1始動口52への遊技球の入球があったことに基づいて取得した乱数及び上記第2始動口54への遊技球の入球があったことに基づいて取得した乱数を、上記合算保留カウンタによるカウンタ値に対応する乱数格納領域(合算保留カウンタのカウンタ値「1」に対応する第1乱数格納領域〜合算保留カウンタのカウンタ値「8」に対応する第2乱数格納領域)に格納する。このように乱数格納領域には第1特別図柄に関わる乱数と第2特別図柄に関わる乱数とが混在し、格納されている記憶領域によって始動条件の成立順序を把握可能である。すなわち、第1乱数格納領域には始動条件の成立順序が最先の乱数が格納され、第8乱数格納領域に進むに連れて始動条件の成立順序が後の乱数が格納される。そして、乱数格納領域に格納される乱数のうち始動条件の成立順序が最先の乱数に応じた変動表示から順次実行される。なお、始動条件の成立順序を把握可能に格納するものであれば、第1特別図柄に関わる乱数を格納する乱数格納領域と第2特別図柄に関わる乱数を格納する乱数格納領域とを別個に設けてもよい。
図10は、第1特別図柄プロセス処理(ステップS37)についてその手順を示すフローチャートである。
第1特別図柄プロセス処理において主制御基板101のCPU102は、上述の第1特別図柄プロセスフラグに応じて以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御基板101のRAM104に格納されている第1大当り判定乱数、第1大当り種類判定乱数などを読み出し、読み出した第1大当り判定乱数に基づいて上記第1特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第1特別図柄通常処理(ステップS51)
2.上記第1大当り種類判定乱数に基づいて大当りの種類(15R確変大当り、2R確変大当り、2R非確変大当り)についての決定処理と、第1特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果及び大当りの種類についての決定処理の結果に基づいて第1特別図柄の変動表示停止時の態様の決定処理などが行われる第1停止図柄設定処理(ステップS52)
3.上記第1変動パターン決定乱数に基づいて上記第1特別図柄表示器141aに表示される第1特別図柄の変動態様や、上記液晶表示装置50で第1特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第1変動パターン設定処理(ステップS53)
4.第1特別図柄表示器141aにおける上記第1特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第1特別図柄変動処理(ステップS54)
5.第1特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果及び大当りの種類についての決定処理の結果に基づいて決定された第1特別図柄の変動表示停止時の態様が上記第1特別図柄表示器141aに表示されるように上記第1特別図柄の変動表示を停止させる第1特別図柄停止処理(ステップS55)
なお、上記第1特別図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図5参照)において、上記第1特別図柄通常処理(ステップS51)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図11は、上記第1特別図柄通常処理(ステップS51)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第1特別図柄プロセスフラグが当該第1特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図11に示されるように、上記主制御基板101のCPU102は、まず、ステップS101の処理として、上記主制御基板101のRAM104の第1乱数記憶領域に格納されている第1特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(例えば、第1大当り判定乱数、第1大当り種類判定乱数)を同RAM104から読み出す。そして次に、ステップS102及びS103の処理として、上記第1保留カウンタ及び上記合算保留カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御基板101のRAM104の乱数記憶領域に格納されている乱数を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する(第N乱数格納領域(N=2〜8)に格納されている乱数を第(N−1)乱数格納領域に移動して格納、例えば、第2乱数格納領域に格納されている乱数を第1乱数格納領域に移動して格納する)。これにより、上記第1乱数格納領域に格納されている始動条件の保留が解除され、第2乱数格納領域〜第8乱数格納領域に格納されている乱数が第1乱数格納領域〜第7乱数格納領域に移動されて格納されることになる。
そしてその後、ステップS104の処理として、上記読み出された第1大当り判定乱数に基づいて上記大当りの当落及び上記小当りの当落についての抽選処理を行う。この抽選処理では、上記読み出された第1大当り判定乱数と上記主制御基板101のROM104に格納されている大当り判定値とが比較されるとともに、上記読み出された第1小当り判定乱数と上記主制御基板101のROM104に格納されている小当り判定値とが比較される。図12(A)に主制御基板101のROM104に格納されている大当り判定値の振り分け割合の一例を、図12(B)に主制御基板101のROM104に格納されている小当り判定値の振り分け割合の一例を示す。図12(A)に示すようにこの例では第1特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理及び第2特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理にて低確率時に大当りと判定される確率は640分の2、高確率時に大当りと判定される確率は640分の20となるように大当り判定値を構成し、第1特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理及び第2特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理にて小当りと判定される確率は全ての遊技状態(通常状態、時短状態、高確率状態)で640分の8となるように小当り判定値を構成している。
なお、第1大当り判定乱数と比較される大当り判定値と第2大当り判定乱数と比較される大当り判定値とを別々に備えるように構成してもよい。この場合には、第1大当り判定乱数と比較される第1大当り判定値と第2大当り判定乱数と比較される第2大当り判定値との一部を同一となるように構成してもよいし、全て異なるように構成してもよい。例えば、低確率時の第1大当り判定値として「1」及び「2」とし、高確率時の第1大当り判定値として「1」〜「10」とし、低確率時の第2大当り判定値として「3」及び「4」とし、高確率時の第2大当り判定値として「3」〜「12」とすることにより第1大当り判定値と第2大当り判定値とを一部の値が同一となるように構成してもよいし、低確率時の第1大当り判定値として「1」及び「2」とし、高確率時の第1大当り判定値として「1」〜「10」とし、低確率時の第2大当り判定値として「100」及び「101」とし、高確率時の第2大当り判定値として「100」〜「109」とすることにより第1大当り判定値と第2大当り判定値とを全ての値が異なるように構成してもよい。
主制御基板101のCPU102は、上記読み出された第1大当り判定乱数と上記大当り判定値との比較の結果、上記読み出された第1大当り判定乱数が上記大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致するときは(ステップS105)、上記第1特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果として大当りとなることを示す第1大当りフラグをオンする(ステップS106)。
そして、上記第1変動フラグをオンした後(ステップS109)、上記第1停止図柄設定処理(ステップS52)にプロセス移行されるよう上述の第1特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS110)、この処理を終了する。ただし、上記読み出された第1大当り判定乱数が上記大当りに該当しないはずれであることを示す大当り判定値と一致するときもあり、この場合には、読み出された第1小当り判定乱数が上記小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致するか否かを判定する(ステップS107)。
主制御基板101のCPU102は、上記読み出された第1小当り判定乱数と上記小当り判定値との比較の結果、上記読み出された第1小当り判定値が上記小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致するときには(ステップS107)、上記第1特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果として小当りとなることを示す第1小当りフラグをオンする(ステップS108)。そして、ステップS109に進む。
また、上記読み出された第1小当り判定乱数が上記小当りに該当しないはずれであることを示す小当り判定値と一致したときには、この判定値と一致した時点で(ステップS107)、ステップS109に進み、第1変動フラグをオンするとともに上記第1停止図柄設定処理(ステップS52)にプロセス移行されるよう上述の第1特別図柄プロセスフラグが更新されることとなる(ステップS110)。
図13は、上記第1停止図柄設定処理(ステップS52)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第1特別図柄プロセスフラグが当該停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図13に示されるように、上記主制御基板101のCPU102は、まず、第1特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果を判別する。抽選処理の判別では、まず第1大当りフラグがオンしているか否かを判別することにより行う(ステップS121)。
CPU102は、第1大当りフラグがオンしていれば、第1大当り種類判定乱数に基づいて大当りの種類(15R確変大当り、2R確変大当り、2R非確変大当り)の決定についての抽選処理を行う(ステップS122)。この抽選処理では、上記読み出された第1大当り種類判定乱数と上記主制御基板101のROM104に格納されている大当り種類判定値とが比較される。図14に主制御基板101のROM104に格納されている大当り種類判定値の振り分け割合の一例を示す。図14に示すように、大当りの種類の決定についての抽選処理では、
1.15R大当り遊技状態に制御し、該15R大当り遊技状態の終了後に前記高確率状態に制御する15R確変大当り
2.2R大当り遊技状態に制御し、該2R大当り遊技状態の終了後に前記時短制御する高確率状態及び前記時短制御しない高確率状態のいずれかに制御する2R確変大当り
3.2R大当り遊技状態に制御し、該2R大当り遊技状態の終了後に前記通常状態及び前記時短状態のいずれかに制御する2R非確変大当り
の3種類の大当りのうちいずれかに決定する。そしてCPU102は、決定した大当りの種類に応じた第1特別図柄の変動表示停止時の態様を決定する(ステップS123)。
また、CPU102は、第1大当りフラグがオンしていなければ、第1小当りフラグがオンしているか否かを判別する(ステップS124)。CPU102は、第1小当りフラグがオンしていれば、小当りに応じた第1特別図柄の変動表示停止時の態様を決定する(ステップS125)。また、第1大当りフラグ及び第1小当りフラグのいずれもオンしていなければ、はずれに応じた第1特別図柄の変動表示停止時の態様を決定する(ステップS126)。
ここで、この第1特別図柄の変動表示停止時の態様についての決定処理は、上記第1大当り種類判定乱数に基づいて行われる。上述したように、CPU102は第1特別図柄の変動表示の結果が上記15R確変大当りになる場合には第1特別図柄の特定態様として高利益特別態様(15R確変大当り図柄)に決定し、第1特別図柄の変動表示の結果が上記2R確変大当りになる場合には第1特別図柄の特定態様として低利益特別態様(2R確変大当り図柄)に決定し、第1特別図柄の変動表示の表示結果が上記2R非確変大当りになる場合には第1特別図柄の特定態様として低利益非特別態様(2R非確変大当り図柄)に決定する。また、第1特別図柄の変動表示停止時の態様として、第1大当り判定乱数及び第1大当り種類判定乱数に基づく抽選結果(大当りの種類(15R確変大当り、2R確変大当り、2R非確変大当り))それぞれに対応して複数種類の表示態様情報(上記第1特別図柄の変動表示停止時における表示態様(第1特別図柄表示器141aの点灯、消灯)を示す情報)が関連付けされ、各表示態様情報は、上記第1大当り種類判定乱数と関連付けされるかたちで上記主制御基板101のROM104に記憶されている。すなわち、上記大当り種類判定値は、表示態様情報に対応付けされ、図14に示す比率で振分けられている。具体的には、第1特別図柄の特定態様のうち、高利益特別態様には5種類の大当り種類判定値が対応付けされ、低利益特別態様には2種類の大当り種類判定値が対応付けされ、低利益非特別態様には3種類の大当り種類判定値が対応付けされている。しかして、第1大当り種類判定乱数と大当り種類判定値とに基づいて第1特別図柄の変動表示停止時の態様を決定することにより大当りの種類が決定される。
同様に、第2特別図柄の変動表示停止時の態様についての決定処理は、上記第2大当り種類判定乱数に基づいて行われる。なお、第2特別図柄の変動表示の結果が上記15R確変大当りになる場合には第2特別図柄の特定態様として高利益特別態様(15R確変大当り図柄)に決定し、第2特別図柄の変動表示の結果が上記2R確変大当りになる場合には第2特別図柄の特定態様として低利益特別態様(2R確変大当り図柄)に決定し、第2特別図柄の変動表示の結果が上記2R非確変大当りになる場合には第2特別図柄の特定態様として低利益非特別態様(2R非確変大当り図柄)に決定する。第2特別図柄の変動表示停止時の態様として、第2大当り判定乱数及び第2大当り種類判定乱数に基づく抽選結果(大当りの種類(15R確変大当り、2R確変大当り、2R非確変大当り))それぞれに対応して複数種類の表示態様情報(上記第2特別図柄の変動表示停止時における表示態様(第2特別図柄表示器141bの点灯、消灯)を示す情報)が関連付けされ、各表示態様情報は、上記第2大当り種類判定乱数と関連付けされるかたちで上記主制御基板101のROM104に記憶されている。具体的には、第2特別図柄の特定態様のうち、高利益特別態様には5種類の大当り種類判定値が対応付けされ、低利益特別態様には2種類の大当り種類判定値が対応付けされ、低利益非特別態様には3種類の大当り種類判定値が対応付けされている。しかして、第2大当り種類判定乱数と大当り種類判定値とに基づいて第2特別図柄の変動表示停止時の態様を決定することにより大当りの種類が決定される。
そして、こうして特別図柄の変動表示停止時の態様についての決定処理が行われた後は、ステップS127の処理として、これら抽選結果(15R確変大当り、2R確変大当り、2R非確変大当り、小当り、はずれのいずれかを指示)と該抽選結果に基づく決定事項(第1特別図柄の変動表示停止時の態様等)などが上記サブ統合基板111に送信されるようコマンド(第1特別図柄コマンド)をセットする。そしてその後は、ステップS128の処理として、上記第1変動パターン設定処理(ステップS53)にプロセス移行されるよう上述の第1特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図15は、上記第1変動パターン設定処理(ステップS53)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第1特別図柄プロセスフラグが当該第1変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図15に示されるように、上記主制御基板101のCPU102は、まず、ステップS141の処理として、上記乱数カウンタから上記第1変動パターン決定乱数を取得する。そして、上記第1大当りフラグがオンしているときは(ステップS142)、上記取得した第1変動パターン決定乱数に基づいて上記第1特別図柄の変動パターン(第1特別図柄の変動態様)についての抽選処理を行う(ステップS143)。なおここでは、上記主制御基板101のROM104に格納されている第1大当り時変動パターンテーブル(図示略)に基づいて上記第1特別図柄の変動パターンについての抽選処理が行われる。また第1特別図柄の変動パターンについての抽選処理に用いられるテーブル(変動パターンテーブル)には、上記第1特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記第1変動パターン決定乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。この点、この実施の形態にかかる主制御基板101のCPU102では、上記取得された第1変動パターン決定乱数に対応して関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記第1特別図柄の変動パターンを決定する。これにより、上記第1特別図柄の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。
また、上記ステップS142の処理において、上記第1大当りフラグがオンしていないときに上記第1小当りフラグがオンしていれば(ステップS144)、上記取得した第1変動パターン決定乱数に基づいて上記第1特別図柄の変動パターンについての抽選処理を行う(ステップS145)。なおここでは、上記主制御基板101のROM104に格納されている第1小当り時変動パターンテーブル(図示略)に基づいて上記第1特別図柄の変動パターンについての抽選処理が行われる。
また、上記ステップS144の処理において、上記第1小当りフラグがオンしていないときは、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示を開始してから特別図柄を停止表示するまでの変動時間を通常状態よりも短縮させる時短制御が実行されているか否か判別する(ステップS149)。時短制御が実行されているか否かの判別は、時短制御が実行されているか否かの判別は、後述する時短フラグがオンしているか否かを判別することによって行われる。すなわち、時短フラグは時短制御が実行されていることを示すフラグであり、時短フラグがオンしていれば時短制御が実行されていると判別され、時短フラグがオンしていなければ(時短フラグがオフしていれば)時短制御が実行されていないと判別される。そして、時短制御が実行されていれば、通常状態よりも短い変動時間が設定される短縮はずれの変動パターンに決定し(ステップS150)、時短制御が実行されていなければ通常はずれの変動パターンに決定する(ステップS151)。
なお、この実施の形態では、大当りとなるときに時短制御を実行しているか否かに拘らず第1大当り時変動パターンテーブルに基づいて上記第1特別図柄の変動パターンについての抽選処理を実行し、小当りとなるときに時短制御を実行しているか否かに拘らず第1小当り時変動パターンテーブルに基づいて上記第1特別図柄の変動パターンについての抽選処理を実行するように構成したが、大当りとなるとき及び/又は小当りとなるときに時短制御を実行している場合に第1特別図柄の変動パターンについての抽選処理に用いる変動パターンテーブルを異ならせるように構成してもよい。この場合には、時短制御を実行していないときに用いる変動パターンテーブルに設定される複数の変動時間情報それぞれ(全ての変動時間情報であってもよいし、一部の変動時間情報であってもよい)を短縮させた変動時間情報を、時短制御を実行しているときに用いる変動パターンテーブルに設定するように構成してもよい。
そして、こうして第1特別図柄の変動パターンについての抽選処理が行われると、時短制御に関する判定処理を実行する(ステップS152)。この例では、時短制御を実行しているときに2R非確変大当りとなった場合には、2R非確変大当りに基づく大当り遊技状態の終了後に時短制御を開始し、時短制御を開始してから特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の変動表示の実行回数が所定回数(本例では100回)に達したことに基づいて時短制御を終了する。時短判定処理では、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の変動表示の実行回数を計数し、変動表示の実行回数が所定回数に達したか否か(時短終了条件が成立したか否か)を判定する処理を行う。図16に時短判定処理の一例を示す。
図16に示すように、上記主制御基板101のCPU102は、まず制限時短フラグがオンしているか否か、すなわち実行回数に制限のある時短制御を実行しているか否かを判別する(ステップS161)。制限時短フラグは、後述する大当り開放後処理(ステップS73)でオンされ、時短制御を開始してから第1特別図柄表示器141aにおける第1特別図柄の変動表示の実行回数と第2特別図柄表示器141bにおける第2特別図柄の変動表示の実行回数との合計が所定回数(この例では100回)に達したときに時短制御を終了することを示すフラグである。制限時短フラグがオンしていなければ(制限時短フラグがオフしていれば)、処理を終了する。一方、制限時短フラグがオンしていれば、時短制御を実行可能な変動表示の残り回数を計数する時短回数カウンタをカウントダウンした後(ステップS162)、同時短回数カウンタのカウント値が「0」であるか否かをさらに判別する(ステップS163)。そしてこの結果、同時短回数カウンタの値が「0」であれば時短フラグ及び制限時短フラグをオフする(ステップS164)。時短回数カウンタの値が「0」でなければ時短フラグ及び制限時短フラグをオフすることなく処理を終了する。なお、CPU102は、時短フラグがオフされた当該変動表示を停止した時点で時短制御を終了させる。すなわち、この例では、CPU102は、実行回数に制限のある時短制御を開始するときに時短回数カウンタに初期値として時短制御を実行可能な残り回数である「100回」をセットし、時短回数カウンタの値が0になった時点では時短制御を実行可能な最後(100回目)の変動表示を実行している。そのため、CPU102は、時短フラグがオフされたことに基づいて即座に時短制御を終了することなく、変動表示を停止した時点で時短制御を終了する。
また、この実施の形態では、時短制御を開始するときに時短制御を実行可能な変動表示の実行回数、すなわち、時短制御を実行可能な残りの変動表示回数として100回を時短回数カウンタにセットし、時短制御を実行中に特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の変動表示を開始する毎に時短回数カウンタをカウントダウンすることによって時短制御を実行可能な残りの変動表示回数を計数し、時短回数カウンタが「0」になったときに時短制御を終了すると判断するように構成しているが、これに限らず、時短制御を開始するときに時短回数カウンタに初期値(例えば、0)をセットし、時短制御を実行中に特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の変動表示を開始する毎に時短回数カウンタをカウントアップして時短回数カウンタの値が所定値(例えば、初期値として0をセットした場合には100)に達したときに時短制御を終了すると判断するように構成してもよい。
時短判定処理を終了すると、上記主制御基板101のCPU102は、上記第1特別図柄表示器141aにおける上記第1特別図柄の変動表示制御を開始するとともに上記決定された第1特別図柄の変動パターンを上記サブ統合基板111へのコマンド(第1変動パターンコマンド)としてセットし(ステップS153)、決定した変動パターンの変動時間を第1変動タイマに設定する(ステップS154)。これにより、こうして決定された変動時間だけ上記液晶表示装置50にて第1特別図柄の変動表示に対応した演出制御が行われるようになる。そして、上記第1特別図柄変動処理(ステップS54)にプロセス移行されるよう上述の第1特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS155)、この処理を終了する。
図17は、上記第1特別図柄変動処理(ステップS54)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第1特別図柄プロセスフラグが当該第1特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図17に示されるように、上記主制御基板101のCPU102は、まず、ステップS171の処理として、上記第1特別図柄の変動パターンについての抽選処理(ステップS53)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される第1変動タイマを1減算する。そして、第1変動時間タイマが「0」、すなわち、上記抽選された第1特別図柄の変動時間が経過したと判断されると(ステップS172)、次にステップS173の処理に移行する。すなわち、このステップS173の処理において、上記第1特別図柄停止処理(ステップS55)にプロセス移行されるよう上述の第1特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図18は、上記第1特別図柄停止処理(ステップS55)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第1特別図柄プロセスフラグが当該第1特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図18に示されるように、上記主制御基板101のCPU102は、まず、上記第1停止図柄設定処理にて決定された第1特別図柄の変動表示停止時の態様を上記第1特別図柄表示器141aに表示させるための表示制御を行うとともに(ステップS181)、第1特別図柄の変動表示を停止する旨を通知する第1停止表示コマンドを上記サブ統合基板111へのコマンドとしてセットする(ステップS182)。
また、上記主制御基板101のCPU102は、上記第1大当りフラグがオンしていれば(ステップS183)、大当りの種類に応じた第1大当り制御フラグをオンする(ステップS184)。具体的には、2R大当りであれば第1大当り制御フラグ(2R大当り)をオンし、15R大当りであれば第1大当り制御フラグ(15R大当り)をオンする。第1大当り制御フラグは、第1特別図柄の変動表示の結果として特定態様が導出表示されたことに基づいて上記大当り制御プロセス処理(ステップS43)にて大当り遊技状態の制御を実行することを示すフラグである。また、上記主制御基板101のCPU102は、第1特別図柄の変動表示の結果が大当りとなったことに基づく大当り遊技状態を開始することを示す第1大当り開始コマンドをセットし(ステップS185)、大当り遊技状態を開始するまでの待機時間(大当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS186)。そして、上記第1変動フラグをオフするとともに(ステップS191)、第1特別図柄プロセスフラグを第1特別図柄通常処理に応じた値に更新した時点で(ステップS192)、この処理を終了する。
なお、第1大当り開始コマンドは、サブ統合基板111に送信されるコマンドであり、大当りの種類(15R確変大当り、2R確変大当り、2R非確変大当り)に応じて個々に用意されている。同様に、第2特別図柄の変動表示の結果が大当りとなったことに基づく大当り遊技状態を開始するときには第2大当り開始コマンドをサブ統合基板111に送信する。第2大当り開始コマンドも第2大当り開始コマンド同様大当りの種類(15R確変大当り、2R確変大当り、2R非確変大当り)に応じて個々に用意されている。ステップS185では、大当りの種類(15R確変大当り、2R確変大当り、2R非確変大当り)に応じた第1大当り開始コマンド(15R確変大当りに応じた第1確変大当り開始コマンドA、2R確変大当りに応じた第1確変大当り開始コマンドB、2R非確変大当りに応じた第1非確変大当り開始コマンド)をセットする。これにより、第1大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた大当り遊技状態の演出が液晶表示装置50、ランプ27,92,204a及びスピーカ14,36等により実行される。
また、インターバルタイマには、大当りの種類(第1特別図柄の15R確変大当り、第1特別図柄の2R確変大当り、第1特別図柄の2R非確変大当り、第2特別図柄の15R確変大当り、第2特別図柄の2R確変大当り、第2特別図柄の2R非確変大当り)に応じた大当り遊技状態の開始までの待機時間がセットされる。
また、ステップS183で上記第1大当りフラグがオンしていない場合に第1小当りフラグがオンしていれば(ステップS187)、第1小当り制御フラグをオンする(ステップS188)。第1小当り制御フラグは、第1特別図柄の変動表示の結果として特殊態様が導出表示されたことに基づいて上記小当り制御プロセス処理(ステップS44)にて小当り遊技状態の制御を実行することを示すフラグである。本例ではこの第1小当り制御フラグがオンされると、上記情報出力処理(ステップS18)にて2R大当りとなったことを示す第1大当り情報をパチンコ機1の外部に出力する。また、上記主制御基板101のCPU102は、第1特別図柄の変動表示の結果が小当りとなったことに基づく小当り遊技状態を開始することを示す第1小当り開始コマンドをセットし(ステップS189)、小当り遊技状態を開始するまでの待機時間(小当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS190)。そして、上記第1変動フラグをオフするとともに(ステップS191)、第1特別図柄通常処理(ステップS51)にプロセス移行されるよう上述の第1特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS192)、この処理を終了する。
図19は、第2特別図柄プロセス処理(ステップS39)についてその手順を示すフローチャートである。なお、第2特別図柄プロセス処理は上記第1特別図柄プロセス処理の第1特別図柄に対応する部分を第2特別図柄に読み替え、第2特別図柄に対するする部分を第1特別図柄に読み替えた処理を実行するものであるため、詳細な説明は省略する。
第2特別図柄プロセス処理において、主制御基板101のCPU102は、上述の第2特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御基板101のRAM104に格納されている第2大当り判定乱数、第2大当り種類判定乱数などを読み出し、読み出した第2大当り判定乱数に基づいて上記第2特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第2特別図柄通常処理(ステップS61)
2.上記第2大当り種類判定乱数に基づいて大当りの種類(15R確変大当り、2R確変大当り、2R非確変大当り)についての決定処理と、第2特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果及び大当りの種類についての決定処理の結果に基づいて第2特別図柄の変動表示停止時の態様の決定処理などが行われる第2停止図柄設定処理(ステップS62)
3.上記第2変動パターン決定乱数に基づいて上記第2特別図柄表示器141bに表示される第2特別図柄の変動態様や、上記液晶表示装置50で第2特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第2変動パターン設定処理(ステップS63)
4.第2特別図柄表示器141bにおける上記第2特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第2特別図柄変動処理(ステップS64)
5.第2特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果及び大当りの種類についての決定処理の結果に基づいて決定された第2特別図柄の変動表示停止時の態様が上記第2特別図柄表示器141bに表示されるように上記第2特別図柄の変動表示を停止させる第2特別図柄停止処理(ステップS65)
なお、上記第2特別図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図5参照)において、上記第2特別図柄通常処理(ステップS61)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図20は、大当り制御プロセス処理(ステップS43)についてその手順を示すフローチャートである。
大当り制御プロセス処理において、主制御基板101のCPU102は、まず大当り遊技状態の制御を開始することを示す大当り制御フラグ(第1特別図柄の変動表示の結果として特定態様が導出表示されたことに基づいて上記大当り制御プロセス処理(ステップS43)にて大当り遊技状態の制御を実行することを示す第1大当り制御フラグ(第1大当り制御フラグ(2R大当り)、第1大当り制御フラグ(15R大当り))と、第2特別図柄の変動表示の結果として特定態様が導出表示されたことに基づいて上記大当り制御プロセス処理(ステップS43)にて大当り遊技状態の制御を実行することを示す第2大当り制御フラグ(第2大当り制御フラグ(2R大当り)、第2大当り制御フラグ(15R大当り))と、のいずれか)がオンしているか否かを判別し(ステップS70)、大当り制御フラグがオンしていなければ処理を終了する。
大当り制御フラグがオンしていれば上述の大当り制御プロセスフラグに応じて、以下の3つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.上記大当り遊技状態に移行する旨などの遊技者への報知が上記サブ統合基板111によって行われるまで待機する大当り開放前処理(ステップS71)
2.アタッカ装置60により上記大入賞口62が開放状態に制御される大当り開放中処理(ステップS72)
3.大当り遊技状態が終了する旨などの遊技者への報知が上記サブ統合基板111によって行われるまで待機する大当り開放後処理(ステップS73)
なお、上記大当り制御プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図5参照)において、上記大当り開放前処理(ステップS71)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図21は、上記大当り開放前処理(ステップS71)についてその手順を示すフローチャートである。
上記大当り制御プロセスフラグが当該大当り開放前処理を行うべき旨を示しているときは、同図21に示されるように、上記主制御基板101のCPU102は、まず、ステップS201の処理として、アタッカ装置60によって大入賞口62を開放状態にするまでの待機時間を示すインターバルタイマを1減算し、インターバルタイマが0、すなわち、インターバルタイマにセットされた待機時間が経過したか否かを判別する(ステップS202)。
インターバルタイマにセットされた待機時間が経過したら上記主制御基板101のCPU102は、大当り遊技状態の1ラウンドを開始することを示す1ラウンド開始コマンドをセットする(ステップS203)。ラウンド開始コマンドは、サブ統合基板111に送信されるコマンドであり、大当りの種類(第1特別図柄の15R確変大当り、第1特別図柄の2R確変大当り、第1特別図柄の2R非確変大当り、第2特別図柄の15R確変大当り、第2特別図柄の2R確変大当り、第2特別図柄の2R非確変大当り)及び実行するラウンド(1ラウンド〜15ラウンド)に応じて個々に用意されている。ステップS203では、大当りの種類に応じた1ラウンド開始コマンド(第1特別図柄の15R確変大当りに応じた1ラウンド開始コマンドA1、第1特別図柄の2R確変大当り及び2R非確変大当りに応じた1ラウンド開始コマンドB1、第2特別図柄の15R確変大当りに応じた1ラウンド開始コマンドA2、第2特別図柄の2R確変大当り及び2R非確変大当りに応じた1ラウンド開始コマンドB2)をセットする。これにより、大当りの種類及び実行するラウンドに応じた大当り遊技状態の演出が液晶表示装置50、ランプ27,92,204a及びスピーカ14,36等により実行される。
次いで、上記主制御基板101のCPU102は、大当りの種類(15R確変大当り、2R確変大当り、2R非確変大当り)に応じたラウンドの実行回数(15R確変大当りであれば「15回」、2R確変大当り及び2R非確変大当りであれば「2回」)を開放カウンタにセットし(ステップS204)、大当りの種類(第1特別図柄の15R確変大当り、第1特別図柄の2R確変大当り、第1特別図柄の2R非確変大当り、第2特別図柄の15R確変大当り、第2特別図柄の2R確変大当り、第2特別図柄の2R非確変大当り)に応じた開放時間(アタッカ装置60により大入賞口62を開放状態に制御してから閉塞状態に制御するまでの時間)を開放タイマにセットする(ステップS205)。なお、第1特別図柄の変動表示の結果が大当りとなったことに基づく大当り遊技状態で実行されるラウンドの実行回数と第2特別図柄の変動表示の結果が大当りとなったことに基づく大当り遊技状態で実行されるラウンドの実行回数を異ならせてもよいし、第1特別図柄の変動表示の結果が大当りとなったことに基づく大当り遊技状態での開放時間と第2特別図柄の変動表示の結果が大当りとなったことに基づく大当り遊技状態での開放時間とを異ならせてもよいし、ラウンドの実行回数と開放時間との両方を異ならせてもよい。
以上の設定処理を終了すると、上記主制御基板101のCPU102は、開放カウンタを1減算し(ステップS206)、大入賞口62への入球数を計数する入球カウンタを0にセットして(ステップS207)、アタッカ装置60を駆動して大入賞口62を開放状態に制御する(ステップS208)。その後、上記大当り開放中処理(ステップS72)にプロセス移行されるよう上述の大当り制御プロセスフラグを更新した時点で(ステップS209)、この処理を終了する。
なお、インターバルタイマが0でない、すなわち、インターバルタイマにセットした待機時間が経過していないと判断したときには、その後の処理を実行することなく大当り開放前処理を終了する。
図22は、上記大当り開放中処理(ステップS72)についてその手順を示すフローチャートである。なお上述の通り、この大当り開放中処理は、上記ラウンド遊技が繰り返し実行されることによって行われる。
上記大当り制御プロセスフラグが当該大当り開放中処理を行うべき旨を示しているときは、同図22に示されるように、上記主制御基板101のCPU102は、まず、ステップS221の処理として、カウントスイッチ175aによる検出信号に基づいて大入賞口62への遊技球の入球があったか否かを判別する。そして、この入球があることを条件に、ステップS222の処理として、大入賞口62内への遊技球の入球数をカウンタ値として得る入球カウンタをカウントアップし、入球カウンタの値が10以上であれば(ステップS223)、ステップS226に進み、ラウンドを終了するための処理を行う。
また、入球カウンタの値が10未満であれば、開放タイマを1減算し(ステップS224)、開放タイマの値が0、すなわち、開放タイマにセットされた大入賞口62の開放時間が経過した場合には(ステップS225)、アタッカ装置60を駆動して大入賞口62を閉塞状態に制御する(ステップS226)。次いで、上記主制御基板101のCPU102は、開放カウンタが0、すなわち、大当りの種類に応じてセットされたラウンドの実行回数を終了したか否かを判別する(ステップS227)。
開放カウンタが0である場合には(ステップS227)、上記主制御基板101のCPU102は、大当りの種類(第1特別図柄の15R確変大当り、第1特別図柄の2R確変大当り、第1特別図柄の2R非確変大当り、第2特別図柄の15R確変大当り、第2特別図柄の2R確変大当り、第2特別図柄の2R非確変大当り)に応じた大当り終了コマンドをセットする(ステップS228)。大当り終了コマンドは、サブ統合基板111に送信されるコマンドであり、大当りの種類(第1特別図柄の15R確変大当りに応じた第1確変大当り終了コマンドA、第1特別図柄の2R確変大当りに応じた第1確変大当り終了コマンドB、第1特別図柄の2R非確変大当りに応じた第1非確変大当り終了コマンド、第2特別図柄の15R確変大当りに応じた第2確変大当り終了コマンドA、第2特別図柄の2R確変大当りに応じた第2確変大当り終了コマンドB、第2特別図柄の2R非確変大当りに応じた第2非確変大当り終了コマンド)に応じて個々に用意されている。これにより、大当りの種類に応じた大当り遊技状態を終了するときの演出が液晶表示装置50、ランプ27,92,204a及びスピーカ14,36等により実行される。
次いで、上記主制御基板101のCPU102は、大当りの種類に応じた終了待機時間をインターバルタイマにセットし(ステップS229)、上記大当り開放後処理(ステップS73)にプロセス移行されるよう上述の大当り制御プロセスフラグを更新した時点で(ステップS232)、この処理を終了する。
また、ステップS227で開閉カウンタが0でない場合には、大当りの種類(第1特別図柄の15R確変大当り、第1特別図柄の2R確変大当り、第1特別図柄の2R非確変大当り、第2特別図柄の15R確変大当り、第2特別図柄の2R確変大当り、第2特別図柄の2R非確変大当り)及び終了するラウンド(1ラウンド〜14ラウンド)に応じたラウンド終了コマンド(1ラウンド終了コマンド〜14ラウンド終了コマンド)をセットする(ステップS230)。ラウンド終了コマンドは、サブ統合基板111に送信されるコマンドであり、大当りの種類及び終了するラウンドに応じて個々に用意されている。ステップS230では、大当りの種類(第1特別図柄の15R確変大当り、第1特別図柄の2R確変大当り、第1特別図柄の2R非確変大当り、第2特別図柄の15R確変大当り、第2特別図柄の2R確変大当り、第2特別図柄の2R非確変大当り)及び終了するラウンドに応じたラウンド終了コマンド(第1特別図柄の15R確変大当りに応じた1ラウンド終了コマンドA1〜14ラウンド終了コマンドA1、第1特別図柄の2R確変大当り及び2R非確変大当りに応じた1ラウンド終了コマンドB1、第2特別図柄の15R確変大当りに応じた1ラウンド終了コマンドA2〜14ラウンド終了コマンドA2、第2特別図柄の2R確変大当り及び2R非確変大当りに応じた1ラウンド終了コマンドB2)をセットする。これにより、大当りの種類及び終了するラウンドに応じた大当り遊技状態の演出が液晶表示装置50、ランプ27,92,204a及びスピーカ14,36等により実行される。
次いで、上記主制御基板101のCPU102は、大当りの種類(第1特別図柄の15R確変大当り、第1特別図柄の2R確変大当り、第1特別図柄の2R非確変大当り、第2特別図柄の15R確変大当り、第2特別図柄の2R確変大当り、第2特別図柄の2R非確変大当り)に応じたラウンド待機時間(アタッカ装置60によって大入賞口62を閉塞状態に制御してから再び大入賞口62を開放状態に制御するまでの時間)をインターバルタイマにセットし(ステップS231)、上記大当り開放後処理(ステップS73)にプロセス移行されるよう上述の大当り制御プロセスフラグを更新した時点で(ステップS232)、この処理を終了する。
なお、ステップS225で開放タイマが0でない、すなわち、開放タイマにセットされた開放時間が経過していないと判断した場合には、以降の処理を実行することなく処理を終了する。これにより、次にタイマ割込が発生した場合に、再び大当り開放中処理が実行される。
このように、この実施の形態では、大当り遊技状態において、開放タイマにセットされた開放時間が経過したこと及び大入賞口62内への遊技球の入球数が所定数(この例では、10個)に達したことのいずれかが成立した場合に実行中のラウンドを終了する。すなわち、開放タイマにセットされた開放時間が経過した場合及び大入賞口62内への入球数が所定数(この例では、10個)に達した場合にラウンドの終了条件が成立したと判断し、実行中のラウンドを終了する処理を行う。
図23は、上記大当り開放後処理(ステップS73)についてその手順を示すフローチャートである。
上記大当り制御プロセスフラグが当該大当り開放後処理を行うべき旨を示しているときは、同図23に示されるように、上記主制御基板101のCPU102は、まず、ステップS251の処理として、アタッカ装置60によって大入賞口62を開放状態にするまでの待機時間を示すインターバルタイマを1減算し、インターバルタイマが0、すなわち、インターバルタイマにセットされた待機時間が経過したか否かを判別する(ステップS252)。インターバルタイマが0でなければ、インターバルタイマにセットされた待機時間が経過していないと判断し、以降の処理を実行することなく処理を終了する。
上記主制御基板101のCPU102は、インターバルタイマにセットされた待機時間が経過したと判断し(ステップS252)、開放カウンタの値が0であることに基づいて大当り遊技状態を終了する場合には(ステップS253)、15R確変大当りを終了するか否かを判別する(ステップS254)。そして、15R確変大当りに基づく大当り遊技状態を終了する場合には上記時短フラグをオンする一方上記制限時短フラグをオフし(ステップS255)、ステップS260に進む。これにより、上記主制御基板101のCPU102は、15R確変大当りに基づく大当り遊技状態の終了後には次に大当り(15R確変大当り、2R確変大当り、2R非確変大当り)となるまで時短制御を実行することになる。
また、ステップS254で15R確変大当り以外に基づく大当り遊技状態を終了する、すなわち、2R確変大当り及び2R非確変大当りのいずれかに基づく大当り遊技状態を終了する場合には、時短フラグがオンしているか否かを判別し(ステップS256)、時短フラグがオンし(ステップS257)、且つ2R確変大当りに基づく大当り遊技状態を終了する場合には(ステップS257)、時短フラグをオンする一方上記制限時短フラグをオフし(ステップS255)、ステップS260に進む。これにより、上記主制御基板101のCPU102は、時短制御を実行しているときに2R確変大当りとなった場合には、大当り遊技状態の終了後に次に大当り(15R確変大当り、2R確変大当り、2R非確変大当り)となるまで時短制御を実行することになる。
一方、ステップS256で時短フラグがオンし、且つ2R非確変大当りに基づく大当り遊技状態を終了する場合には(ステップS257)、時短フラグ及び制限時短フラグをオンし(ステップS258)、上記時短回数カウンタに時短制御を実行可能な変動表示の残り回数として「100回」をセットし(ステップS259)、ステップS260に進む。これにより、上記主制御基板101のCPU102は、時短制御を実行しているときに2R非確変大当りとなった場合には、大当り遊技状態の終了後に実行回数に制限のある時短制御を実行することになる。具体的には、上記主制御基板101のCPU102は、時短制御を実行しているときに2R非確変大当りとなった場合には、大当り遊技状態の終了後に時短制御を開始し、第1特別図柄表示器141aで実行される第1特別図柄の変動表示の実行回数と第2特別図柄表示器141bで実行される第2特別図柄の変動表示の実行回数との合計が100回に達したことに基づいて時短制御を終了する。
また、ステップS256で時短フラグがオンしていなければ時短フラグをオンすることなくステップS260に進む。これにより、上記主制御基板101のCPU102は、時短制御を実行していないときに2R確変大当り及び2R非確変大当りのいずれかとなった場合には、大当り遊技状態の終了後に時短制御を実行しないことになる。
次に、上記主制御基板101のCPU102は、第1特別図柄の変動表示の結果が大当りとなったことに基づく大当り遊技状態を終了する場合であれば第1大当りフラグをオフし、第2特別図柄の変動表示の結果が大当りとなったことに基づく大当り遊技状態を終了する場合であれば第2大当りフラグをオフする(ステップS260)。また、上記主制御基板101のCPU102は、大当り制御フラグ(第1大当り制御フラグ及び第2大当り制御フラグ)をオフする(ステップS261)。また、大当り遊技状態の終了後に高確率状態の制御を実行する場合、すなわち、確変大当りを終了する場合には(ステップS262)、確変フラグをオンし(ステップS263)、大当り遊技状態の終了後に高確率状態の制御を実行しない場合、すなわち、非確変大当りを終了する場合には(ステップS262)、確変フラグをオフする(ステップS264)。そして、上記大当り開放前処理(ステップS71)にプロセス移行されるよう上述の大当り制御プロセスフラグを更新した時点で(ステップS265)、この処理を終了する。
また、上記主制御基板101のCPU102は、インターバルタイマにセットされた待機時間が経過したと判断し(ステップS252)、開放カウンタが0でないことに基づいて次のラウンドを開始する場合には(ステップS253)、大当りの種類(第1特別図柄の15R確変大当り、第1特別図柄の2R確変大当り、第1特別図柄の2R非確変大当り、第2特別図柄の15R確変大当り、第2特別図柄の2R確変大当り、第2特別図柄の2R非確変大当り)及び実行するラウンドに応じたラウンド開始コマンド(第1特別図柄の15R確変大当りに応じた2ラウンド開始コマンドA1〜15ラウンド開始コマンドA1、第1特別図柄の2R確変大当り及び2R非確変大当りに応じた2ラウンド開始コマンドB1、第2特別図柄の15R確変大当りに応じた2ラウンド開始コマンドA2〜15ラウンド開始コマンドA2、第2特別図柄の2R確変大当り及び2R非確変大当りに応じた2ラウンド開始コマンドB2)をセットする(ステップS266)。
また、CPU102は、開放カウンタが13、すなわち15R大当り遊技状態においてラウンドを2回実行したか否かを判定し(ステップS267)、開放カウンタが13であれば外部出力フラグをオンする(ステップS268)。この外部出力フラグがオンされると、CPU102は、上記情報出力処理(ステップS18)にて15R大当りとなったことを示す第2大当り情報をパチンコ機1の外部に出力する。また、CPU102は上記情報出力処理にて第2大当り情報をパチンコ機1の外部に出力した後に上記外部出力フラグをオフする。これにより、15R大当りとなった場合にはその旨を示す第2大当り情報をパチンコ機1の外部に出力するタイミングを従来の遊技機に比べて遅延させることができる。
次いで、CPU102は、大当りの種類に応じた開放時間を開放タイマにセットし(ステップS269)、上記入球カウンタを0にセットし(ステップS270)、開放カウンタを1減算し(ステップS271)、アタッカ装置60を駆動して大入賞口62を開放状態に制御する(ステップS272)。そして、上記大当り開放中処理(ステップS72)にプロセス移行されるよう上述の大当り制御プロセスフラグを更新した時点で(ステップS273)、この処理を終了する。
ステップS273で大当り開放中処理にプロセス移行されるように大当り制御プロセスフラグを更新することにより、次にタイマ割込が発生した場合に大当り開放中処理が実行される。また、大当り開放中処理では、ラウンドの終了条件が成立したことに基づいて大当り開放後処理にプロセス移行されるように大当り制御プロセスフラグを更新する。つまり、大当り遊技状態では、大当り開放前処理で設定した内容に基づいて大当り開放中処理を実行して最初のラウンド(1ラウンド)を実行した後、大当り開放後処理と大当り開放中処理とを繰り返し実行することにより大当り遊技状態のラウンドを実行する。
図24は、小当り制御プロセス処理(ステップS44)についてその手順を示すフローチャートである。
小当り制御プロセス処理において、主制御基板101のCPU102は、まず小当り遊技状態の制御を開始することを示す小当り制御フラグ(第1小当り制御フラグと第2小当り制御フラグとのいずれか)がオンしているか否かを判別し(ステップS80)、小当り制御フラグがオンしていなければ処理を終了する。
小当り制御フラグがオンしていれば上述の小当り制御プロセスフラグに応じて、以下の3つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.上記小当り遊技状態に移行する旨などの遊技者への報知が上記サブ統合基板111によって行われるまで待機する小当り開放前処理(ステップS81)
2.アタッカ装置60により上記大入賞口62が開放状態に制御される小当り開放中処理(ステップS82)
3.小当り遊技状態が終了する旨などの遊技者への報知が上記サブ統合基板111によって行われるまで待機する小当り開放後処理(ステップS83)
なお、上記小当り制御プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図5参照)において、上記小当り開放前処理(ステップS81)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図25は、上記小当り開放前処理(ステップS81)についてその手順を示すフローチャートである。
上記小当り制御プロセスフラグが当該小当り開放前処理を行うべき旨を示しているときは、同図25に示されるように、上記主制御基板101のCPU102は、まず、ステップS301の処理として、アタッカ装置60によって大入賞口62を開放状態にするまでの待機時間を示すインターバルタイマを1減算し、インターバルタイマが0、すなわち、インターバルタイマにセットされた待機時間が経過したか否かを判別する(ステップS302)。
インターバルタイマにセットされた待機時間が経過したら上記主制御基板101のCPU102は、小当り遊技状態の1ラウンドを開始することを示す1ラウンド開始コマンドをセットする(ステップS303)。ラウンド開始コマンドは、サブ統合基板111に送信されるコマンドであり、小当りの種類(第1特別図柄の小当り、第2特別図柄の小当り)及び実行するラウンド(1ラウンド〜2ラウンド)に応じて個々に用意されている。ステップS303では、小当りの種類に応じた1ラウンド開始コマンド(第1特別図柄の小当りに応じた1ラウンド開始コマンドC1、第2特別図柄の小当りに応じた1ラウンド開始コマンドC2)をセットする。これにより、小当りの種類及び実行するラウンドに応じた小当り遊技状態の演出が液晶表示装置50、ランプ27,92,204a及びスピーカ14,36等により実行される。
次いで、上記主制御基板101のCPU102は、小当りに応じたラウンドの実行回数「2回」を開放カウンタにセットし(ステップS304)、小当りの種類(第1特別図柄の小当り、第2特別図柄の小当り)に応じた開放時間(アタッカ装置60により大入賞口62を開放状態に制御してから閉塞状態に制御するまでの時間)を開放タイマにセットする(ステップS305)。なお、第1特別図柄の変動表示の結果が小当りとなったことに基づく小当り遊技状態で実行されるラウンドの実行回数と第2特別図柄の変動表示の結果が小当りとなったことに基づく小当り遊技状態で実行されるラウンドの実行回数を異ならせてもよいし、第1特別図柄の変動表示の結果が小当りとなったことに基づく小当り遊技状態での開放時間と第2特別図柄の変動表示の結果が小当りとなったことに基づく小当り遊技状態での開放時間とを異ならせてもよいし、ラウンドの実行回数と開放時間との両方を異ならせてもよい。
以上の設定処理を終了すると、上記主制御基板101のCPU102は、開放カウンタを1減算し(ステップS306)、アタッカ装置60を駆動して大入賞口62を開放状態に制御する(ステップS307)。その後、上記小当り開放中処理(ステップS82)にプロセス移行されるよう上述の小当り制御プロセスフラグを更新した時点で(ステップS308)、この処理を終了する。
なお、インターバルタイマが0でない、すなわち、インターバルタイマにセットした待機時間が経過していないと判断したときには、その後の処理を実行することなく小当り開放前処理を終了する。
図26は、上記小当り開放中処理(ステップS82)についてその手順を示すフローチャートである。なお上述の通り、この小当り開放中処理は、上記ラウンド遊技が繰り返し実行されることによって行われる。
上記小当り制御プロセスフラグが当該小当り開放中処理を行うべき旨を示しているときは、同図26に示されるように、上記主制御基板101のCPU102は、開放タイマを1減算し(ステップS321)、開放タイマの値が0、すなわち、開放タイマにセットされた大入賞口62の開放時間が経過した場合には(ステップS322)、アタッカ装置60を駆動して大入賞口62を閉塞状態に制御する(ステップS323)。次いで、上記主制御基板101のCPU102は、開放カウンタが0、すなわち、小当りの種類に応じてセットされたラウンドの実行回数を終了したか否かを判別する(ステップS324)。
開放カウンタが0である場合には(ステップS324)、上記主制御基板101のCPU102は、小当りの種類(第1特別図柄の小当り、第2特別図柄の小当り)に応じた小当り終了コマンドをセットする(ステップS325)。小当り終了コマンドは、サブ統合基板111に送信されるコマンドであり、小当りの種類(第1特別図柄の小当りに応じた第1小当り終了コマンド、第2特別図柄の小当りに応じた第2小当り終了コマンド)に応じて個々に用意されている。これにより、小当りの種類に応じた小当り遊技状態を終了するときの演出が液晶表示装置50、ランプ27,92,204a及びスピーカ14,36等により実行される。
次いで、上記主制御基板101のCPU102は、小当りの種類に応じた終了待機時間をインターバルタイマにセットし(ステップS326)、上記小当り開放後処理(ステップS83)にプロセス移行されるよう上述の小当り制御プロセスフラグを更新した時点で(ステップS329)、この処理を終了する。
また、ステップS324で開閉カウンタが0でない場合には、小当りの種類(第1特別図柄の小当り、第2特別図柄の小当り)及び終了するラウンド(1ラウンド)に応じたラウンド終了コマンド(1ラウンド終了コマンド)をセットする(ステップS327)。ラウンド終了コマンドは、サブ統合基板111に送信されるコマンドであり、小当りの種類及び終了するラウンドに応じて個々に用意されている。ステップS327では、小当りの種類(第1特別図柄の小当り、第2特別図柄の小当り)及び終了するラウンドに応じたラウンド終了コマンド(第1特別図柄の小当りに応じた1ラウンド終了コマンドC1、第2特別図柄の小当りに応じた1ラウンド終了コマンドC2)をセットする。これにより、小当りの種類及び終了するラウンドに応じた小当り遊技状態の演出が液晶表示装置50、ランプ27,92,204a及びスピーカ14,36等により実行される。
次いで、上記主制御基板101のCPU102は、小当りの種類(第1特別図柄の小当り、第2特別図柄の小当り)に応じたラウンド待機時間(アタッカ装置60によって大入賞口62を閉塞状態に制御してから再び大入賞口62を開放状態に制御するまでの時間)をインターバルタイマにセットし(ステップS328)、上記小当り開放後処理(ステップS83)にプロセス移行されるよう上述の小当り制御プロセスフラグを更新した時点で(ステップS329)、この処理を終了する。
なお、ステップS322で開放タイマが0でない、すなわち、開放タイマにセットされた開放時間が経過していないと判断した場合には、以降の処理を実行することなく処理を終了する。これにより、次にタイマ割込が発生した場合に、再び小当り開放中処理が実行される。
このように、この実施の形態では、小当り遊技状態において、開放タイマにセットされた開放時間が経過した場合に実行中のラウンドを終了する。すなわち、開放タイマにセットされた開放時間が経過した場合にラウンドの終了条件が成立したと判断し、実行中のラウンドを終了する処理を行う。
図27は、上記小当り開放後処理(ステップS83)についてその手順を示すフローチャートである。
上記小当り制御プロセスフラグが当該小当り開放後処理を行うべき旨を示しているときは、同図27に示されるように、上記主制御基板101のCPU102は、まず、ステップS351の処理として、アタッカ装置60によって大入賞口62を開放状態にするまでの待機時間を示すインターバルタイマを1減算し、インターバルタイマが0、すなわち、インターバルタイマにセットされた待機時間が経過したか否かを判別する(ステップS352)。インターバルタイマが0でなければ、インターバルタイマにセットされた待機時間が経過していないと判断し、以降の処理を実行することなく処理を終了する。
上記主制御基板101のCPU102は、インターバルタイマにセットされた待機時間が経過したと判断し(ステップS352)、開放カウンタの値が0であることに基づいて小当り遊技状態を終了する場合に(ステップS353)、第1特別図柄の変動表示の結果が小当りとなったことに基づく小当り遊技状態を終了する場合には第1小当りフラグをオフし、第2特別図柄の変動表示の結果が小当りとなったことに基づく小当り遊技状態を終了する場合には第2小当りフラグをオフする(ステップS354)。次いで、上記主制御基板101のCPU102は、小当り制御フラグ(第1小当り制御フラグ及び第2小当り制御フラグ)をオフする(ステップS355)。そして、上記小当り開放前処理(ステップS81)にプロセス移行されるよう上述の小当り制御プロセスフラグを更新した時点で(ステップS356)、この処理を終了する。
また、上記主制御基板101のCPU102は、インターバルタイマにセットされた待機時間が経過したと判断し(ステップS352)、開放カウンタが0でないことに基づいて次のラウンドを開始する場合には(ステップS353)、小当りの種類(第1特別図柄の小当り、第2特別図柄の小当り)及び実行するラウンドに応じたラウンド開始コマンド(第1特別図柄の小当りに応じた2ラウンド開始コマンドC1、第2特別図柄の小当りに応じた2ラウンド開始コマンドC2)をセットする(ステップS357)。そして、小当りの種類に応じた開放時間を開放タイマにセットする(ステップS358)。次いで、開放カウンタを1減算し(ステップS359)、アタッカ装置60を駆動して大入賞口62を開放状態に制御する(ステップS360)。そして、上記小当り開放中処理(ステップS82)にプロセス移行されるよう上述の小当り制御プロセスフラグを更新した時点で(ステップS361)、この処理を終了する。
ステップS361で小当り開放中処理にプロセス移行されるように小当り制御プロセスフラグを更新することにより、次にタイマ割込が発生した場合に小当り開放中処理が実行される。また、小当り開放中処理では、ラウンドの終了条件が成立したことに基づいて小当り開放後処理にプロセス移行されるように小当り制御プロセスフラグを更新する。つまり、小当り遊技状態では、小当り開放前処理で設定した内容に基づいて小当り開放中処理を実行して最初のラウンド(1ラウンド)を実行した後、小当り開放後処理と小当り開放中処理とを繰り返し実行することにより小当り遊技状態のラウンドを実行する。
なお、小当り遊技状態を終了するとき、具体的には小当り開放後処理で開放カウンタが0であることに基づいて小当り遊技状態を終了する場合には、時短フラグ、時短回数カウンタ、及び確変フラグの更新(具体的には、時短フラグのオン・オフ切り替え、時短回数カウンタに初期値「100回」セット、確変フラグのオン・オフ切り替え)を行わない。そのため、小当り遊技状態の終了後には小当り遊技状態を開始する以前の状態に継続して制御する。一方、大当り遊技状態を終了するとき、具体的には大当り開放後処理で開放カウンタが0であることに基づいて大当り遊技状態を終了する場合には、時短フラグ、時短回数カウンタ、及び確変フラグの更新(具体的には、時短フラグのオン・オフ切り替え、時短回数カウンタに初期値「100回」セット、確変フラグのオン・オフ切り替え)を行う。
次に、サブ統合基板111に搭載される統合CPU112によって実行される処理について説明する。図28は、当該パチンコ機1に電源が投入されたときに上記サブ統合基板111の統合CPU112によって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
図28に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、統合CPU112は、初期設定処理を行う(ステップS501)。この初期設定処理は、サブ統合基板111に搭載される統合RAM114をクリアする処理等が行われる。なお、ステップS501の初期設定処理では、主制御基板101のデータを初期化したことを通知する初期化コマンドを受信したことに基づいて統合RAM114をクリアする処理が実行され、初期化コマンドを受信していない場合、すなわち主制御基板101のデータを初期化しなかった場合にはパチンコ機1の電力供給を停止する以前の状態に継続して制御する。また、初期設定処理を終了するまでは割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS501)が終了すると、16ms経過フラグがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS502)。
この実施の形態では、統合CPU112は、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16ms経過したときに16ms経過フラグをオンするとともに、16ms経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS502で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS503)、16ms定常処理を行う(ステップS504)。
この16ms定常処理では、主制御基板101から受信したコマンドにもとづいて液晶表示装置50、ランプ27,92,204a及びスピーカ14,36等を制御する処理が実行される。16ms定常処理を終了すると、再びステップS502に戻り、16ms経過フラグがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS503〜ステップS504を繰り返し行う。一方、ステップS502で16ms経過フラグがセットされていない(16ms経過フラグが「0」)ときには、16ms経過フラグがセットされるまでループ処理を行う。
図29は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、統合CPU112は、ステップS601〜ステップS606の処理を実行する。ステップS601のコマンド解析処理では、主制御基板101から受信したコマンドを解析する。ステップS602の演出制御処理では、主制御基板101から受信したコマンド(第1特別図柄の変動パターンを示すコマンド(第1変動パターンコマンド)及び主制御基板101から受信した第2特別図柄の変動パターンを示すコマンド(第2変動パターンコマンド)等)にもとづいて液晶表示装置50を表示制御するための処理を実行する。
また、ステップS603の音制御処理では、スピーカ14,36に関わる制御処理を実行する。ステップS604のランプ制御処理では、パチンコ機1に設けられたランプ27,92,204aに関わる制御処理を実行する。ステップS605の情報出力処理では、スピーカ14,36の出力信号を送信する処理、ランプ27,92,204aの点灯信号を送信する処理などを実行する。ステップS606の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS602)で各種設定に用いられる乱数を保持する演出用乱数カウンタを更新する処理を実行する。
なお、16ms定常処理におけるステップS601〜ステップS606の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときに直ぐに16ms定常処理を最初から(ステップS601のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS502で16ms経過フラグがセットされていると判定されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS606)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
次に、液晶表示装置50で実行される演出の態様例について説明する。図30及び図31は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示に関連して液晶表示装置50で実行される演出の一例である。
この例では上記主制御基板101のCPU102は、第1特別図柄表示器141aにおける第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄表示器141bにおける第2特別図柄の変動表示との一方を実行しているときには他方の変動表示を実行しない。上記サブ統合基板111の統合CPU112は、第1特別図柄表示器141aにおける第1特別図柄の変動表示に同期して液晶表示装置50に第1特別図柄の変動表示に関連した演出を実行し、第2特別図柄表示器141bにおける第2特別図柄の変動表示に同期して液晶表示装置50に第2特別図柄の変動表示に関連した演出を実行する。
図30(A)に示すように、この例では、上記サブ統合基板111の統合CPU112は液晶表示装置50に背景画像50cとして家や木を表示制御するとともにメインキャラクタ50aの歩く態様を表示制御している。また、統合CPU112は、メインキャラクタ50aの動作に応じて背景画像50cを切り替えて表示制御することによりメインキャラクタ50aが歩いて移動している態様を表示制御する。なお、本例では液晶表示装置50には第1特別図柄及び第2特別図柄に対応する図柄(例えば装飾図柄)を表示しない構成としているが、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応する図柄を液晶表示装置50に表示して第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示させ、第1特別図柄及び第2特別図柄の停止表示に同期してこれらの停止図柄に応じた図柄を停止表示するように構成してもよい。この場合には、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応する図柄の表示結果によって2R大当り、15R大当り、小当り、及びはずれのいずれとなったのかを判別困難となるようにしてもよく、例えば液晶表示装置50の左下部等に縮小して第1特別図柄及び第2特別図柄に対応する図柄を表示することで2R大当り、15R大当り、小当り、及びはずれのいずれとなったのかを判別困難となるようにしてもよい。
また、統合CPU112は、通常、第1特別図柄表示器141aで第1特別図柄の変動表示を実行しているとき及び第2特別図柄表示器141bで第2特別図柄の変動表示を実行しているときには、メインキャラクタ50aが歩いて移動している態様を継続して表示制御する(図30(A)〜図30(B))。
そして、主制御基板101のCPU102から2R確変大当り、2R非確変大当り及び小当りのいずれかを指示する変動パターンコマンドを受信した場合には、統合CPU112は第1停止表示コマンド及び第2停止表示コマンドのいずれかを受信したことに基づいて液晶表示装置50に「??」を表示制御するとともにメインキャラクタ50aが立ち止まって辺りを見回す態様を表示制御する(図30(C)〜図30(D)、図30(C’)〜図30(D’))。
第1特別図柄表示器141a及び第2特別図柄表示器141bのいずれかに2R確変大当り図柄(低利益特別態様)又は小当り図柄(特殊態様)を停止表示した場合、すなわち2R確変大当り及び小当りのいずれかとなる場合には、2R確変大当りに応じた大当り終了コマンド(第1特別図柄の2R確変大当りに応じた第1確変大当り終了コマンドB、第2特別図柄の2R確変大当りに応じた第2確変大当り終了コマンドB)又は小当り終了コマンド(第1特別図柄の小当りに応じた第1小当り終了コマンド、第2特別図柄の小当りに応じた第2小当り終了コマンド)を受信するまで液晶表示装置50に「??」を表示制御するとともにメインキャラクタ50aが立ち止まって辺りを見回す態様を表示制御し(図30(C)〜図30(D))、これらのコマンドを受信したことに基づいて再びメインキャラクタ50aが歩いて移動する態様を表示制御する(図30(A))。すなわち、上記短縮開閉サイクルを2回実行している間にはメインキャラクタ50aが立ち止まって辺りを見回す態様を表示制御し(図30(C)〜図30(D))、2回の短縮開閉サイクルを実行した後、第1確変大当り終了コマンドB、第1小当り終了コマンド、第2確変大当り終了コマンドB及び第2小当り終了コマンドのうちいずれかのコマンドを受信したことに基づいて再びメインキャラクタ50aが歩いて移動する態様を表示制御する(図30(A))。これにより、液晶表示装置50の演出に注目している遊技者にアタッカ装置60を開閉制御していることを悟られ難くすることができる。
また、第1特別図柄表示器141a及び第2特別図柄表示器141bのいずれかに2R非確変大当り図柄(低利益非特別態様)を停止表示した場合、すなわち2R非確変大当りとなる場合には、2R非確変大当りに応じた大当り終了コマンド(第1特別図柄の2R非確変大当りに応じた第1非確変大当り終了コマンド、第2特別図柄の2R非確変大当りに応じた第2非確変大当り終了コマンド)を受信したことに基づいて液晶表示装置50に「!!!」を表示制御して何かを発見したことを通知するとともにサブキャラクタ50bが出現する態様を表示制御し(図31(E))、液晶表示装置50に「勝負だ!」を表示制御してメインキャラクタ50aとサブキャラクタ50bとが戦う態様を表示制御する(図31(F))。次いで、統合CPU112は液晶表示装置50に「敗北…」を表示制御するとともにメインキャラクタ50aがサブキャラクタ50bに負けた態様を表示制御して高確率状態の制御を終了することを通知する(図31(G))。なお、図31(E)〜図31(G)に示す演出は大当り開放中処理(ステップS72)のステップS229でインターバルタイマにセットした終了待機時間内に実行される。そして、この終了待機時間が経過するとCPU112は再びメインキャラクタ50aが歩いて移動する態様を表示制御する(図30(A))。
このように、2R確変大当り及び小当りのいずれかとなったときには2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態となったことを通知することなく所定の演出表示(メインキャラクタ50aが立ち止まって辺りを見回す態様、以下、特定演出表示と呼ぶ)を実行する。また、主制御基板101のCPU102によって時短制御を伴う高確率状態に制御しているときに2R確変大当り及び小当りのいずれかとなったときには2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態の終了後に再び時短制御を伴う高確率状態に制御する。2R確変大当り及び小当りとなって2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態に制御していることを遊技者に把握された場合には、2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態で賞球の獲得が困難であるために遊技興趣を低下させてしまう虞がある。本例では、2R確変大当り及び小当りとなった場合には2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態となったことを通知することなく所定の演出表示を実行することにより2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態に制御していることを遊技者に把握され難くするため、遊技興趣の低下を抑止することができる。
また、主制御基板101のCPU102から15R確変大当りとなる変動パターンコマンドを受信した場合には、統合CPU112は第1停止表示コマンド及び第2停止表示コマンドのいずれかを受信したことに基づいて液晶表示装置50に「??」を表示制御してメインキャラクタ50aが立ち止まって辺りを見回す態様を表示制御する(図30(C’)〜図30(D’))。統合CPU112は、2ラウンドに応じたラウンド終了コマンドを受信するまで液晶表示装置50に「??」を表示制御するとともにメインキャラクタ50aが立ち止まって辺りを見回す態様を表示制御し(図30(C’)〜図30(D’))、このコマンドを受信したことに基づいて液晶表示装置50に「!!!」を表示制御して何かを発見したことを通知するとともにサブキャラクタ50bが出現する態様を表示制御し(図31(E’))、液晶表示装置50に「勝負だ!」を表示制御してメインキャラクタ50aとサブキャラクタ50bとが戦う態様を表示制御する(図31(F’))。次いで、統合CPU112は液晶表示装置50に「勝利!確変大当り確定!!」を表示制御するとともにメインキャラクタ50aがサブキャラクタ50bに勝利した態様を表示制御して15R大当り遊技状態に制御することを通知する(図31(G’))。なお、図31(E’)〜図31(G’)に示す演出は大当り開放中処理(ステップS72)のステップS230でインターバルタイマにセットしたラウンド待機時間内に実行される。そして、このラウンド待機時間が経過するとCPU112は15R大当り遊技状態の3ラウンドから15ラウンドに応じた演出を実行する。
このように、本実施形態では15回のラウンドが実行される15R大当り遊技状態となった場合には、まず2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態と同様の制御(短縮開閉サイクル)を2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態と同一期間に亘って実行した後に残りのラウンドを実行し、2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態と同様の制御を実行した後に第2大当り情報をパチンコ機1の外部(例えば遊技場に設置されているホール管理用コンピュータ等)に出力するため、該第2大当り情報を受信したことに基づいてホール管理用コンピュータ等により実行される15R大当り遊技状態の実行回数を表示するデータ表示器の更新時期を、2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態が実行されていた場合にこれらの制御を終了するまでの期間と同一期間だけ遅らせることができる。
また、本実施形態では、液晶表示装置50の表示内容からは15R大当り遊技状態、2R大当り遊技状態、及び小当り遊技状態のいずれとなったのかを判別することが困難となるように制御するとともに、データ表示器に2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態の実行回数を表示していないため、2R大当り遊技状態又は小当り遊技状態となった場合であっても、2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態の制御を終了するまでは液晶表示装置50の表示内容及びデータ表示器からは15R大当り遊技状態、2R大当り遊技状態、及び小当り遊技状態のいずれとなったのかを判別することが困難となり、15R大当り遊技状態への期待を抱かせつつ2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態の制御を実行することができる。
また、15回のラウンドが実行される15R大当り遊技状態となった場合には、まず2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態と同様の制御(2回の短縮開閉サイクル)を2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態と同一期間に亘って実行した後に残りのラウンドを実行し、2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態と同様の制御を実行した後に第2大当り情報をパチンコ機1の外部(例えば遊技場に設置されているホール管理用コンピュータ等)に出力し、2回のラウンドが実行される2R大当り遊技状態となった場合には、2回の短縮開閉サイクルを実行した後に第1大当り情報をパチンコ機1の外部に出力するように構成した場合にも、第2大当り情報を受信したことに基づいてホール管理用コンピュータ等により実行される15R大当り遊技状態の実行回数を表示するデータ表示器の更新時期を、2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態が実行されていた場合にこれらの制御を終了するまでの期間と同一期間だけ遅らせることができ、さらに2R大当り遊技状態の実行回数をデータ表示器に表示する場合であっても2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態の制御を終了するまでは液晶表示装置50の表示内容及びデータ表示器からは15R大当り遊技状態、2R大当り遊技状態、及び小当り遊技状態のいずれとなったのかを判別することが困難となり、15R大当り遊技状態への期待を抱かせつつ2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態の制御を実行することができる。
また、15R確変大当りとなる変動パターンコマンドを受信した場合には2R非確変大当りとなる変動パターンコマンドを受信したときに実行される演出と同様の演出を実行して表示結果に応じた演出結果を表示する。具体的には、15R確変大当りとなる変動パターンコマンドを受信した場合及び2R非確変大当りとなる変動パターンコマンドを受信した場合には、同様の演出(2R非確変大当りとなる変動パターンコマンドを受信した場合には図30(C)〜図31(F)、15R確変大当りとなる変動パターンコマンドを受信した場合には図30(C’)〜図31(F’)に示す演出)を実行し、15R確変大当りとなる変動パターンコマンドを受信していれば演出結果としてメインキャラクタ50aがサブキャラクタ50bに勝利した態様(図31(G’))を表示し、2R非確変大当りとなる変動パターンコマンドを受信していれば演出結果としてメインキャラクタ50aがサブキャラクタ50bに敗北した態様(図31(G))を表示する。
また、15R確変大当りとなる変動パターンコマンドを受信した場合及び2R非確変大当りとなる変動パターンコマンドを受信した場合に同様の演出を実行して異なる演出結果を表示するため、演出結果が表示されるまで2R非確変大当りとなるか15R確変大当りとなるかを判別することが困難になり、演出結果が表示されるまでは15R確変大当りに対する期待を高めることができ、長期間に亘って液晶表示装置50で実行される演出表示に注目させることができる。
また、15R確変大当りとなる変動パターンコマンドを受信した場合及び2R非確変大当りとなる変動パターンコマンドを受信した場合には、2R確変大当りとなる変動パターンコマンドを受信した場合、及び小当りとなる変動パターンコマンドを受信した場合に実行される演出(特定演出表示)と同様の演出を実行した後、サブキャラクタ50bが出現する態様を表示制御する。具体的には、15R確変大当り及び2R非確変大当りとなる変動パターンコマンドを受信した場合には2R確変大当り及び小当りのいずれかとなる変動パターンコマンドを受信したときに実行される特定演出表示(メインキャラクタ50aが立ち止まって辺りを見回す態様)と同様の演出(2R非確変大当りであれば図30(C)〜図30(D)、15R確変大当りであれば図30(C’)〜図30(D’))を実行した後、サブキャラクタ50bが出現する態様(2R非確変大当りであれば図31(E)、15R確変大当りであれば図31(E’))を表示制御する。
これにより、15R確変大当りとなる変動パターンコマンドを受信した場合及び2R非確変大当りとなる変動パターンコマンドを受信した場合に2R確変大当り及び小当りのいずれかとなる変動パターンコマンドを受信したときに実行される特定演出表示と同様の演出を実行した後、所定の演出(サブキャラクタ50bが出現する態様)を実行するため、特定演出表示が実行されたときに所定の演出表示が実行されるか否かに注目させることができ、2R確変大当り及び小当りのいずれかとなったときに特定演出表示が実行された場合に2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態を実行していることを遊技者に悟られ難くなる。
また、上述したように、この例では15R確変大当りとなった場合には15R大当り遊技状態の終了後に時短制御を伴う高確率状態に制御する。また、2R確変大当り及び2R非確変大当りとなった場合には既に時短制御を実行していれば2R大当り遊技状態の終了後に時短制御を実行し、時短制御を実行していなければ2R大当り遊技状態の終了後に時短制御を実行しない。また、主制御基板101のCPU102によって時短制御を実行しているときには時短制御を実行していないときよりも下始動口54への遊技球の入球割合が増加し、時短制御を実行しているときには第1特別図柄表示器141aにおける第1特別図柄の変動表示よりも高い割合で第2特別図柄表示器141bにおける第2特別図柄の変動表示が実行される。
なお、本実施形態では、下始動口54を入球装置56と一体形成し、開閉部材56aが左右に拡開した状態に変位したときに下始動口56に遊技球が入球可能となり、開閉部材56aが閉じた状態に変位すると遊技球が入球できないように構成したが、これに限らず、開閉部材56aが左右に拡開した状態に変位する等により入球装置56が開放状態になっているときに遊技球が下始動口54に入球しやすく、開閉部材56aが閉じた状態に変位する等により入球装置56が閉塞状態になっているときに遊技球が下始動口54に入球し難いように構成してもよい。
また、上記実施形態では、大当りとして15ラウンドの大当り遊技状態に制御した後、常に時短制御を伴う高確率状態に制御する15R確変大当り、2ラウンドの大当り遊技状態に制御した後、大当り遊技状態に制御する以前に時短制御を実行していれば時短制御を伴う高確率状態に制御し、大当り遊技状態に制御する以前に時短制御を実行していなければ時短制御を伴わない高確率状態に制御する2R確変大当り、2ラウンドの大当り遊技状態に制御した後、大当り遊技状態に制御する以前に時短制御を実行してれば時短状態に制御し、大当り遊技状態に制御する以前に時短制御を実行していなければ通常状態に制御する2R非確変大当り、のいずれかに制御するパチンコ機1を示したが、これに限らず、15ラウンドの大当り遊技状態に制御した後、常に時短制御を伴う高確率状態に制御する15R確変大当り、15ラウンドの大当り遊技状態に制御した後、常に時短状態に制御する15R非確変大当り、2ラウンドの大当り遊技状態に制御した後、大当り遊技状態に制御する以前に時短制御を実行していれば時短制御を伴う高確率状態に制御し、大当り遊技状態に制御する以前に時短制御を実行していなければ時短制御を伴わない高確率状態に制御する2R確変大当りA、2ラウンドの大当り遊技状態に制御した後、常に時短制御を伴う高確率状態に制御する2R確変大当りB、2ラウンドの大当り遊技状態に制御した後、大当り遊技状態に制御する以前に時短制御を実行してれば時短状態に制御し、大当り遊技状態に制御する以前に時短制御を実行していなければ通常状態に制御する2R非確変大当りA、2ラウンドの大当り遊技状態に制御した後、常に時短状態に制御する2R非確変大当りB、などの大当りのうち任意の組み合わせ(全部でもよい)のいずれかに制御するパチンコ機1であってもよい。
上記実施形態から把握し得る技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
遊技盤の前面に形成され、発射手段から発射された遊技球が打ち込まれる遊技領域と、該遊技領域に設けられた始動口と、該始動口に遊技球が入球したことに基づいて遊技者に所定の利益を付与する利益付与状態に制御するか否かを判定する利益付与判定手段と、該利益付与判定手段の判定がなされたことに基づいて複数種類の図柄情報の変動表示を開始して所定期間経過後に所定の表示結果を導出表示する表示手段と、を備え、前記利益付与判定手段により前記利益付与状態に制御すると判定されたことに基づいて前記表示手段に特定表示結果を導出表示する遊技機において、
前記遊技領域に設けられ、遊技球の受け入れが容易な開放状態と遊技球の受け入れが困難な閉塞状態とに変化可能な特定開閉手段と、
前記利益付与判定手段によって前記利益付与状態に制御すると判定されたときに遊技者に付与される利益が異なる複数種類の利益付与状態のうちいずれかに決定する利益種類決定手段と、
該利益種類決定手段によって前記複数種類の利益付与状態のうち第1利益付与状態に決定されたことに基づいて、前記特定開閉手段を第1開閉態様で前記開放状態と前記閉塞状態とに開閉制御して前記第1利益付与状態に制御する第1利益付与状態制御手段と、
前記利益種類決定手段によって前記複数種類の利益付与状態のうち前記第1利益付与状態よりも遊技者に付与される利益が多い第2利益付与状態に決定されたことに基づいて、前記特定開閉手段を前記第1開閉態様と同様の態様で前記開放状態と前記閉塞状態とに開閉制御した後、前記第1開閉態様よりも遊技者にとって有利な第2開閉態様で前記開放状態と前記閉塞状態とに開閉制御して前記第2利益付与状態に制御する第2利益付与状態制御手段と、
前記利益付与状態となった場合にその旨を示す遊技情報信号を遊技機外部に出力する情報出力手段と、を備え、
前記情報出力手段は、前記第1利益付与状態となった場合に、前記遊技情報信号として前記第1利益付与状態となったことを示す第1遊技情報信号を、前記第1開閉態様で前記特定開閉手段を前記開放状態と前記閉塞状態とに開閉制御する以前に出力し、前記第2利益付与状態となった場合に、前記第1利益付与状態となったことを示す前記第1遊技情報信号を、前記第1開閉態様と同様の態様で前記特定開閉手段を前記開放状態と前記閉塞状態とに開閉制御する以前に出力することにより前記第1利益付与状態となったことを仮通知するとともに、前記第2利益付与状態となったことを示す第2遊技情報信号を、前記第1開閉態様と同様の態様で前記特定開閉手段を前記開放状態と前記閉塞状態とに開閉制御した後、前記第2開閉態様で前記特定開閉手段を前記開放状態と前記閉塞状態とに開閉制御する以前に出力することにより前記第2利益付与状態となっていたことを確定通知する。
このように構成することにより、第2利益付与状態となった場合に、第1開閉態様と同様の態様で特定開閉手段を開放状態と閉塞状態とに開閉制御して第2利益付与状態よりも付与される利益が少ない第1利益付与状態と同様の制御を終了するまでは第2利益付与状態となったことを示す第2遊技情報信号を遊技機外部に出力することを抑止し、第1開閉態様と同様の態様で特定開閉手段を開放状態と閉塞状態とに開閉制御した後、第2開閉態様で特定開閉手段を開放状態と閉塞状態とに開閉制御する以前に出力することができる。
なお、従来から遊技店において、複数の遊技機が設置される遊技島には遊技機毎に対応する表示器が複数設けられ、各遊技機から出力される情報に基づいてホール管理用コンピュータが対応する表示器を表示制御することにより遊技に関わるデータを表示している。具体的には、表示器では対応する遊技機の利益付与状態の発生回数等を表示する。請求項1に係る発明では、このような表示器(第2利益付与状態の発生回数を表示する一方で第1利益付与状態の発生回数を表示しないものや第1利益付与状態の発生回数と第2利益付与状態の発生回数とを個々に若しくは合算して表示するもの)を遊技島に備える場合に特に有効であり、第1利益付与状態となった場合に、第1開閉態様で特定開閉手段を開放状態と閉塞状態とに開閉制御する以前に第1利益付与状態となったことを示す第1遊技情報信号を遊技機外部に出力し、第2利益付与状態となった場合に、第1開閉態様と同様の態様で特定開閉手段を開放状態と閉塞状態とに開閉制御する以前に第1遊技情報信号を遊技機外部に出力するとともに、第1開閉態様と同様の態様で特定開閉手段を開放状態と閉塞状態とに開閉制御して第2利益付与状態よりも付与される利益が少ない第1利益付与状態と同様の制御を終了した後、第2開閉態様で特定開閉手段を開放状態と閉塞状態とに開閉制御する以前に第2利益付与状態となったことを示す第2遊技情報信号を遊技機外部に出力することにより、第1利益付与状態となった場合には第1開閉態様で特定開閉手段を開放状態と閉塞状態とに開閉制御する以前に、第2利益付与状態となった場合には第1開閉態様と同様の態様で特定開閉手段を開放状態と閉塞状態とに開閉制御する以前に表示器に表示される利益付与状態の発生回数(第1利益付与状態の発生回数と第2利益付与状態の発生回数とを合算して表示するもの)を更新させることや、第1利益付与状態となった場合には第1開閉態様で特定開閉手段を開放状態と閉塞状態とに開閉制御する以前に、第2利益付与状態となった場合には第1開閉態様と同様の態様で特定開閉手段を開放状態と閉塞状態とに開閉制御する以前に表示器に表示される第1利益付与状態の発生回数を更新し、第2利益付与状態であれば第1開閉態様と同様の態様で特定開閉手段を開放状態と閉塞状態とに開閉制御して第1利益付与状態と同様の制御を終了してから第2開閉態様で特定開閉手段を開放状態と閉塞状態とに開閉制御するまでの間に表示器に表示される第1利益付与状態の発生回数を1回分減らして第2利益付与状態の発生回数を1回分増やすように更新させることにより真の表示を行うようにすることができ、これにより第1利益付与状態となった場合には少なくとも第1開閉態様で特定開閉手段を開放状態と閉塞状態とに開閉制御して第1利益付与状態の制御を終了する以前に、第2利益付与状態となった場合には少なくとも第1開閉態様と同様の態様で特定開閉手段を開放状態と閉塞状態とに開閉制御して第1利益付与状態と同様の制御を終了する以前には遊技島に設けられる表示器の表示内容から第2利益付与状態であるか否かの判別を困難にし、第1利益付与状態となった場合であっても少なくとも第1開閉態様で特定開閉手段を開放状態と閉塞状態とに開閉制御して第1利益付与状態の制御を終了するまでは第2利益付与状態に対する期待を抱かせることができるため、長期間に亘って第2利益付与状態に対する期待を維持させることができ、遊技興趣の低下を抑止可能である。