<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、演出ボタン25右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、外周壁31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及び外周壁31に囲繞されて構成される。また、遊技領域32の左側には、外周壁31に沿って設けられ、発射された遊技球を遊技領域32の所定位置まで誘導する誘導路490を形成する誘導壁491が設けられている。
遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。また、センターケース40には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(図7参照)により検出される。また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下部に配された特別変動入賞装置38の右下部には一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図7参照)により検出される。
センターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口36(始動入賞口、始動入賞領域)及び第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える第2始動入賞口97(始動入賞口、始動入賞領域)を備える入賞装置90が設けられている。この入賞装置90は、上部の流入口91に流入した遊技球を内部で第1始動入賞口36と第2始動入賞口97とに交互に振り分ける振分部材92を備えている。この振分部材92は前後方向に沿った回動軸を中心として回動可能であり、流入する遊技球の重みにより傾倒する方向が変化し、左側の第1始動入賞口36と右側の第2始動入賞口97とに交互に遊技球を振り分けるようになっている。第1始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図7参照)により検出され、第2始動入賞口97に入賞した遊技球は、始動口3スイッチ97a(図7参照)により検出される。また、入賞装置90の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、センターケース40の右部には、第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37は、上端側が右方に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図7参照)によって上端側が右方に倒れるように回動して普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図7参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしても良い。
普通変動入賞装置37の右方には、前側が透明なカバーで覆われ上下に連通する流下路615が形成され、普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路615を通って下方へ流下する。この流下路615の下方には誘導部616が設けられている。誘導部616は上面617が左方へ下る傾斜面とされており、下方へ流下する遊技球を上面617で受け止め、特別変動入賞装置38が存在する左方へ誘導するようになっている。また、誘導部616には特図変動表示ゲームに関する情報を表示する情報表示装置630が設けられている。
この情報表示装置630は、第1特図変動表示ゲームの実行権利である第1始動記憶の数を表示する第1情報表示部、第2特図変動表示ゲームの実行権利である第2始動記憶の数を表示する第2情報表示部を備える。また、表示装置41で第1〜第3図柄により表示される飾り特図変動表示ゲームとは別個に第4図柄により第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図1変動表示ゲームを表示する第3情報表示部や、表示装置41で第1〜第3図柄により表示される飾り特図変動表示ゲームとは別個に第4図柄により第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームを表示する第4情報表示部を備える。
第1情報表示部と第2情報表示部はそれぞれ二つの発光部材で構成され、第3情報表示部と第4情報表示部はそれぞれ一つの発光部材で構成されている。第2表示装置にはこれらの六つの発光部材が三つずつ左右に二列で並んで配されている。右列の上部二つの発光部材は第1情報表示部を構成し、左列の上部二つの発光部材は第2情報表示部を構成している。また、右列の下部一つの発光部材は第3情報表示部を構成し、左列の下部一つの発光部材は第4情報表示部を構成している。
第1情報表示部と第2情報表示部はそれぞれ二つの発光部材で構成されているが、それぞれの情報表示部の周囲には二つの発光部材が関連していることがわかるような意匠が施されており、一見して二つの発光部材で一つの情報表示部が構成されていることがわかるようになっている。また、第3情報表示部と第4情報表示部はそれぞれ一つの発光部材で構成されているが、これらの情報表示部の周囲の意匠はそれぞれ独立していることがわかるような意匠とされており、一見して一つの発光部材で情報表示部が構成されていることがわかるようになっている。なお、発光部材の周囲の意匠は遊技機全体の意匠と一体感のあるものとされ、美観を損なわないようにされている。また、発光部材の周囲の意匠は、シールなどを貼付したものではなく誘導部616を構成する部材に成形されたものであり、製造の際の手間やコストを削減できる。
さらに、遊技領域32におけるセンターケース40の右下部には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(下大入賞口)38が配設されている。第1特別変動入賞装置38の構成の詳細については後述するが、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材990が下大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材990が退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち第1特別変動入賞装置38は、駆動装置としての下大入賞口ソレノイド38b(図7参照)により駆動される開閉部材990によって開閉される下大入賞口を備え、特別遊技状態(大当りに基づく第1特別遊技状態や小当りに基づく第2特別遊技状態)中は、下大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより下大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、下大入賞口の内部(入賞領域)には、当該下大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての下大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図7参照)が配設されている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の左側部分には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装置(上大入賞口)39が配設されている。第2特別変動入賞装置38は、下端を中心として上端側が左側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な開閉扉39cを備えており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって上大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、第2特別変動入賞装置39は、例えば、駆動装置としての上大入賞口ソレノイド39b(図7参照)により駆動される開閉扉39cによって開閉される上大入賞口を備え、特別遊技状態(大当りに基づく第1特別遊技状態や小当りに基づく第2特別遊技状態)中は、上大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより上大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、上大入賞口の内部(入賞領域)には、当該上大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての上大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)39a(図7参照)が配設されている。
また、第2特別変動入賞装置39には、開閉扉39cに隣接して開放報知手段39dが設けられている。この開放報知手段39dはLEDを備えており、第2特別変動入賞装置39が開放される際に点灯することで開放を報知するものである。すなわち、第2特別変動入賞装置39を狙うための発射態様(左打ち)を報知する第2報知手段をなすものである。なお、遊技の状況によっては第2特別変動入賞装置39が開放される際に点灯しないこともある。
また、センターケース40の右側部分には、大当りに関連する報知を実行可能な当り報知部43が設けられている。この当り報知部43はLEDを備えており、大当りに関連する報知として第1特別遊技状態中である場合に点灯可能であり、第1特別遊技状態であることを報知可能となっている。なお、第1特別遊技状態中であっても遊技の状況によっては点灯しないこともある。また、大当りに関連する報知として、特別結果となる特図変動表示ゲームの実行中や、特別結果となる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶が存在する場合に点灯可能であり、第1特別遊技状態の発生を確定的に予告する予告表示部としても機能する。なお、開放報知手段39dや当り報知部43は、発光により報知を行うものに限られず、役物の動作や液晶表示等によって報知するものであっても良い。
本実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで入賞装置90の第1始動入賞口36や第2始動入賞口97、一般入賞口35、第2特別変動入賞装置39への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38への入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、図3に示すように、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された特図1変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)51(D1)及び特図2変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)52(D2)と、LEDランプで構成された特図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図1保留表示器54(D11、D12)、特図2変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図2保留表示器55(D13、D14)、とを備える。
また、一括表示装置50には、大当り時のラウンド数(第2特別変動入賞装置39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60(D3〜D7)、時短状態(普電サポート中、特定遊技状態中)であるかを報知する第1遊技状態表示部76(D9)、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊技状況に対応した打ち方を報知する第1報知手段をなす第2遊技状態表示部77(D8)が設けられている。また、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)78(D17)が設けられている。また、一括表示装置50には、普図変動表示ゲーム用の普図表示器74(D10、D18)、普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示器75(D15、D16)を備える。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。点滅周期は、例えば100m秒に設定されている。なお、本実施形態の場合、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームにおいては、図3(b)に示すように、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するようにし、特図1と特図2との区別が可能なように構成されている。また、特図変動表示ゲームを表示するための複数の識別情報(特図、特別図柄)を順次表示することで変動中であることを表示しても良い。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメント(特図1であれば加えて右方下側の8番目のセグメント)を点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(第1始動記憶数=保留数)を、図3(c)に示すように複数のLEDの消灯、点灯(点滅)により表示する。特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる普通変動入賞装置37への入賞球数のうち未消化の球数(第2始動記憶数=保留数)を、図3(c)に示すように複数のLEDの消灯、点灯(点滅)により表示する。ラウンド表示部60はLEDランプ等で構成され、特別遊技状態中でない場合には全てのLEDを消灯状態にし、図3(d)に示すように特別遊技状態中には結果に応じて選択されたラウンド数に対応してLEDを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
第1遊技状態表示部76は、図3(e)に示すように、時短状態である場合はLEDを点灯し、時短状態でない場合はLEDを消灯する。第2遊技状態表示部77は、図3(e)に示すように、左打ちの遊技状況の場合(通常打ち時)にはLEDを消灯状態にし、右打ちの遊技状況の場合(右打ち時)にはLEDを点灯状態にする。第3遊技状態表示部78は、図3(e)に示すように、電源投入時に高確率状態である場合にはLEDを点灯し、高確率状態でない場合はLEDを消灯状態にする。
普図表示器74における普図変動表示ゲームは、普図変動表示ゲームの変動表示中は、図3(g)に示す変動用図柄番号を交互に変更して二つのLEDを交互に点灯して変動中であることを表示する。そして、結果が当りの場合は当り種類に応じた点灯態様で点灯して当りであることを示し、結果がはずれの場合は二つのLEDを消灯してはずれであることを示すようになっている。普図保留表示器75は、普図表示器74の変動開始条件となる普図始動ゲート34の通過球数のうち未消化の球数(普図始動記憶数=保留数)を、図3(f)に示すように複数のLEDの消灯、点灯(点滅)により表示する。
次に第1特別変動入賞装置38の構成について説明する。図2、図4〜図6に示すように第1特別変動入賞装置38は、遊技盤本体80の前面に沿って配される流路後壁962と、当該流路後壁962の前側に配される流路前壁952とに挟まれて、遊技球が一列で流下可能な流下路38fを備える。この流下路38fは、前面側から見て左へ下るように傾斜しており、遊技球は一列で左方へ向かって一列に流下するようになっている。
図5、図6に示すように、この流下路38fの略中央部分の底面は、前後方向にスライド可能な開閉部材990により構成されている。開閉部材990は、図5、図6(a)に示すように前方へ突出して第1特別変動入賞装置38(下大入賞口38d)に遊技球が入賞できない状態である閉状態と、図6(b)に示すように後方へ退避して下大入賞口38dへ遊技球が入賞可能な状態である開状態と、に変換可能となっている。すなわち流下路38fを流下する遊技球は、開閉部材990が閉状態である場合には開閉部材990の上面を流下して下大入賞口38dを通過し、開閉部材990が開状態である場合には下大入賞口へ流入するようになっている。なお、開閉部材990が閉状態である場合に流路前壁952との間には隙間が存在するが、遊技球が流入できない程度の隙間である。
この第1特別変動入賞装置38は、流路前壁952を備える前壁部材950と、流路後壁962を備える後壁部材960と、開閉部材990などが取り付けられる本体部970と、本体部970の裏面を覆うカバー部材979と、を備える。
前壁部材950は、板状の前面部951を備えている。前面部951の前面はガラス枠15のカバーガラス14の裏面に近接して配されるようになっていて、この前面の前方を遊技球が流下することはないようにされる。また、前面部951の前面は遊技者から視認可能な面であり、装飾が施されているとともに一部が光を透過可能なレンズとされている。この前壁部材950の裏面には装飾手段として図示しないLEDが配されるようになっており、光によって第1特別変動入賞装置38を装飾することが可能となっている。なお、第1特別変動入賞装置38を装飾する光の色は、一括表示装置50の発光色とは異なる色とされており、隣接する一括表示装置50の表示がわかりにくくなることを防止している。また、板状の前面部951の上部は、流下路38fの前側の側壁をなす流路前壁952となっている。
図5に示すように流路前壁952の裏面側には、後方に突出する複数の前壁突出部954が設けられている。この前壁突出部954は、左右の側面が斜面となった三角柱状の突出部で、開閉部材990に複数設けられた突出部992のそれぞれの前方に、突出部992に対してわずかに上流側に位置するように設けられている。この前壁突出部954と突出部992は、後述するように流下路38fを流下する遊技球を蛇行させるために、左方へ流下する遊技球を後方へ誘導する機能を有する。すなわち流下路38fを流下する遊技球が接触可能な接触部をなす。前壁突出部954がわずかに上流側に位置することで、左方へ流下する遊技球が前壁突出部954で後方へ誘導された後に突出部992でさらに後方へ誘導されるようになり、効果的に遊技球を誘導できるようにされている。
また、流路後壁962の前面側には、前方に突出する複数の後壁突出部964が設けられている。図5に示すように後壁突出部964は、左右の側面が斜面となった三角柱状の突出部で、開閉部材990に複数設けられた凹部993に隣接する位置に設けられている。後壁突出部964と凹部993は、後述するように流下路38fを流下する遊技球を蛇行させるために、左方へ流下する遊技球を前方へ誘導する機能を有する。すなわち流下路38fを流下する遊技球が接触可能な接触部をなす。後壁突出部964が凹部993に隣接して設けられていることで、凹部993が設けられていない部分で遊技球が流下路38fの右側部分を流下することを防止でき、確実に遊技球を蛇行させることが可能となる。
流下路38fを右から左へ流下する遊技球は、まず最も上流側に位置する後壁突出部964により斜め前側へ誘導され、開閉部材990における流路形成部991に流入する。そして、前壁突出部954により斜め後方へ誘導されるとともに開閉部材990の突出部992により斜め後方へ誘導されて凹部993へ流入する。凹部993に流入した遊技球は、下流側へ向けて斜めに形成された凹部993の下流側の側面や、下流側に隣接する前壁突出部954により再び斜め前方へ誘導される。
以降、前壁突出部954と突出部992による斜め後方への誘導と、凹部993や後壁突出部964による斜め前方への誘導が繰り返され、流下路38fを流下する遊技球は前後に蛇行しながら流下するようになる。これにより、流下路38fに前壁突出部954や後壁突出部964、突出部992、凹部993などの起伏がなく直線的に流下する場合よりも開閉部材990の上に滞留する時間が長くなることとなる。このため、開閉部材990の上に遊技球が常に存在する状態となり、第1特別変動入賞装置38の開放時間が短い場合であっても開閉部材990を開放した際に開閉部材990の上に存在している遊技球が落下して下大入賞口38dに入賞する可能性が高く、短い開放であっても遊技者に入賞に対する期待感を持たせることができる。なお、短開放となるラウンド前において特別変動入賞装置38を閉状態とするインターバル時間について、遊技球が開閉部材990の上で滞留した状態となるのに必要な時間を確保しておくことが好ましい。
なお、流下路38fに起伏として前壁突出部954や後壁突出部964、突出部992、凹部993を設けたが、これ以外のものであっても良い。例えば、起伏として開閉部材990の上面に蛇行する溝を形成し、遊技球が溝に沿って蛇行しながら流下するようにしても良い。また、起伏として開閉部材990の上面に流下方向と略直交するようにリブ状の突出部や溝を設けて、遊技球が流下する際に突出部や溝によって上下方向に動かされながら流下するようにしても良い。
また、特別変動入賞装置38は、前後方向にスライド移動する開閉部材990により開閉するものとしたが、閉状態では下大入賞口38dを覆うように上面が平行な状態となり、開状態とする場合には下方へ回動するような構成としても良い。
図7は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様(ぞろ目又はぞろ目以外であって特定の識別情報の並び順)となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報で停止した状態又は特定の識別情報の並び順の条件を満たしている状態)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当り又は小当り)或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態(普電サポート状態))、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、第2始動入賞口97内の始動口3スイッチ97a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、第1特別変動入賞装置38の下大入賞口スイッチ38a、第2特別変動入賞装置39の上大入賞口スイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、下大入賞口スイッチ38a及び上大入賞口スイッチ39aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され第1特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(下大入賞口ソレノイド)38b、第2特別変動入賞装置39を開成させるソレノイド(上大入賞口ソレノイド)39b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報(大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号及び大当り4信号)など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。すなわち、遊技制御装置100が、遊技機の外部へ情報を出力する出力手段をなす。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される下大入賞口ソレノイド38b、上大入賞口ソレノイド39bや普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置450へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置450との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、図8を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46(開放報知手段39dや当り報知部43を含む)や情報表示装置630を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333が設けられている。また、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。本実施形態の遊技機では、盤演出装置44として、第1下可動部材740、741、第2下可動部材770、可動部材ユニット820、第1上可動部材848、第2上可動部材860、第1中央可動演出部材900、第2中央可動演出部材910、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930が設けられている。
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44の初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図7参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図7参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図始動記憶数が上限数(例えば、4個)未満ならば普図始動記憶数を加算(+1)してROM111Bに普図始動記憶を1つ記憶する。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器に表示される。また、普図始動記憶には、ゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき抽出された普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっている。
そして、普図始動記憶があり普図変動表示ゲームを開始可能な場合、すなわち、普図変動表示ゲームの実行中でなく、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37を開状態に変換する当り状態でもない場合は、最先に記憶された普図始動記憶に記憶された当り判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定し、普図変動表示ゲームを開始する処理を行う。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
また、遊技制御装置100は普図変動表示ゲームを実行する処理として、一括表示装置50に設けられた普図表示器に、所定の変動時間に亘り予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する普図変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。なお、普図表示器を表示装置41で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。
普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、当りの種類に対応して普図表示器に特別の結果態様をなす第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の何れかとなる点灯パターンを停止表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.5秒間又は1.7秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様となる点灯パターンを表示する制御を行う。
また、第1始動入賞口36への入賞球、第2始動入賞口97への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれ内部に設けられた始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97aによって検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、第1始動入賞口36への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第1始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶するとともに、第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第2始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶する。第1始動入賞口36や第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37への入賞に基づき、それぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出されるようになっており、抽出された乱数値は、第1始動記憶や第2始動記憶としてRAM111Bに記憶される。そして、この始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の特図1保留表示器や特図2保留表示器に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。さらに情報表示装置630でも表示される。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが開始可能な状態となると、開始する特図変動表示ゲームに応じた最先の始動記憶に記憶された大当り判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理などを行う。さらに、遊技制御装置100のCPU111Aは、実行する特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。
そして、第1特図変動表示ゲームを実行する場合は、所定の変動時間に亘り特図1表示器51(変動表示装置)で予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する特図1変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する第1特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、第2特図変動表示ゲームを実行する場合は、所定の変動時間に亘り特図2表示器52(変動表示装置)で予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する特図2変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する第2特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41(変動表示装置)や情報表示装置630で特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。また、情報表示装置630における飾り特図変動表示ゲームは、変動表示中は発光部材を点滅させ、停止時間となると発光部材を特図変動表示ゲームの結果に対応した発光態様(点灯、点滅、消灯など)とする。すなわち発光部材の発光態様で構成される飾り特別図柄(第4図柄)により結果態様を表示する。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が特別結果(大当りや小当り)の場合は、特図1表示器51又は特図2表示器52に特別結果態様や小当り結果態様となる点灯パターンを表示するとともに、特別遊技状態(大当りに基づく第1特別遊技状態や小当りに基づく第2特別遊技状態)を発生させる処理を行う。また、これに対応して表示装置41や情報表示装置630に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様や小当り結果態様となる。
特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置100のCPU111Aは、例えば、下大入賞口ソレノイド38bにより第1特別変動入賞装置38の開閉部材990を開放させ、下大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御や、上大入賞口ソレノイド39bにより第2特別変動入賞装置39の開閉扉39bを開放させ、上大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51又は特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、第1特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、第1特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が0に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、例えば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、例えば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×3回)、となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行うよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定しても良く、例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動時間よりも短い第2変動時間となるように制御することが可能である(例えば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば、2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、例えば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、例えば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
なお、特図1表示器51と特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、本実施形態の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、第2始動入賞口97内の始動口3スイッチ97a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、下大入賞口スイッチ38a、上大入賞口スイッチ39aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図9、図10には、特別遊技状態における第1特別変動入賞装置38及び第2特別変動入賞装置39の動作を示した。特別結果の種類には大当りと小当りがあり、大当りには16R確変A〜D、6R確変A、6R確変B、6R通常の6種類があり、大当り図柄乱数に基づき選択される。各大当り種類の数字はラウンド数を示し、確変とは第1特別遊技状態の終了後に高確率状態(確変状態)となることを示し、通常とは第1特別遊技状態の終了後に通常確率状態(低確率状態)となることを示している。
また、小当りには小当りA、小当りBの2種類があり、小当り図柄乱数に基づき選択される。小当りに基づく第2特別遊技状態では大当りに基づく第1特別遊技状態と同様に第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置が開放される。ただし、大当りは条件装置の作動を伴う特別結果(第1特別結果)であり、小当りは条件装置の作動を伴わない特別結果(第2特別結果)である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
図9には、各大当り種類での各ラウンドにおける開放態様を示した。なお、開放態様の詳細は図10に示している。図9(a)に示すように16R確変Aでは、1ラウンド目に第2特別変動入賞装置39(上大入賞口)を上A開放の開放態様で動作し、2ラウンド目は第1特別変動入賞装置38(下第入賞口)を下D開放の開放態様で動作する。そして、3ラウンド目以降は、第1特別変動入賞装置38を下E開放の開放態様で動作する。
図9(b)に示すように16R確変Bは1〜6ラウンド目までは16R確変Aと同様の開放態様である。7ラウンド目以降は第1特別変動入賞装置38を下F開放の開放態様で動作する。また、図9(c)に示すように6R確変Aは、1〜6ラウンド目まで16R確変A及びBと同様の開放態様である。16R確変Bの7ラウンド目以降は、短開放(ここでは100ms)のみを行う下F開放であって入賞の可能性が低いことから、16R確変Bと6R確変Aとで獲得が期待される賞球数は略同じである。なお、16R確変A、16R確変B及び6R確変Aは、1〜6ラウンド目まで開放態様は同じであり、動作だけからこれらを判別することは困難である。ただし、演出を異なるものとした場合は判別可能となる。
図9(d)に示すように16R確変Cは、1ラウンド目に第2特別変動入賞装置39を上B開放の開放態様で動作し、2ラウンド目以降は16R確変Aと同様の開放態様で動作する。図9(e)に示すように16R確変Dは1〜6ラウンド目までは16R確変Cと同様の開放態様である。7ラウンド目以降は第1特別変動入賞装置38を下F開放の開放態様で動作する。また、図9(f)に示すように6R確変Bは、1〜6ラウンド目まで16R確変C及びDと同様の開放態様である。16R確変Dの7ラウンド目以降は、短開放(ここでは100ms)のみを行う下F開放であって入賞の可能性が低いことから、16R確変Dと6R確変Bとで獲得が期待される賞球数は略同じである。なお、16R確変C、16R確変D及び6R確変Bは、1〜6ラウンド目まで開放態様は同じであり、動作だけからこれらを判別することは困難である。ただし、演出を異なるものとした場合は判別可能となる。
図9(g)に示すように小当りAでは、第2特別変動入賞装置39を上C開放の開放態様で動作する。後述するように上C開放は上B開放の動作を途中まで行う動作である。また、16R確変C、16R確変D、6R確変B及び小当りAについては、特別遊技状態の開始から共通の演出を行うようになっており、第2特別変動入賞装置39が同じ動作を行い、かつ、共通の演出を行っている期間ではこれらの当りを判別することは困難である。また、図9(h)に示すように小当りBでは第1特別変動入賞装置38を下G開放の開放態様で動作する。
図10には、各開放態様の詳細を示した。図10(a)に示すように上A開放では、ラウンドの開始に伴い第2特別変動入賞装置39を開放し(t11)、100msの開放可能時間が経過すると第2特別変動入賞装置39を閉鎖してラウンドを終了する(t12)。なお、所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞した場合もラウンドが終了することとなるが、開放可能時間が短いため所定個数の入賞が発生することは稀であり基本的には開放可能時間の経過に伴いラウンドが終了する。上A開放が行われたラウンドの後のインターバル期間としては7900msが設定され、このインターバル期間の経過に伴い次のラウンドが開始される。なお、インターバル期間の長さは残存球処理時間とインターバル時間を合わせた長さである。
図10(b)に示すように上B開放では、ラウンドの開始に伴い第2特別変動入賞装置39を開放し(t21)、100msの開放可能時間が経過すると第2特別変動入賞装置39を一旦閉鎖する(t22)。その後、9900msの閉鎖(t22〜t23)、1500msの開放(t23〜t24)、9900msの閉鎖(t24〜t25)、100msの開放(t23〜t26)、7000msの閉鎖(t26〜t27)、100msの開放(t27〜t28)を行ってラウンドを終了する(t28)。なお、所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞した場合もラウンドが終了することとなるが、開放可能時間が短いため所定個数の入賞が発生することは稀であり基本的には開放可能時間の経過に伴いラウンドが終了する。上B開放が行われたラウンドの後のインターバル期間としては7900msが設定される。
図10(c)に示すように小当りAの場合に選択される上C開放では、上B開放のt21〜t26までの動作と同じ動作(t31〜t36)を行ってラウンドを終了する。なお、所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞した場合もラウンドが終了することとなるが、開放可能時間が短いため所定個数の入賞が発生することは稀であり基本的には開放可能時間の経過に伴いラウンドが終了する。上C開放が行われたラウンドの後はエンディング期間として10000msが設定され、このエンディング期間の経過に伴い第2特別遊技状態が終了する。なお、エンディング期間の長さは残存球処理時間とエンディング時間を合わせた長さである。
図10(d)に示すように下D開放では、ラウンドの開始に伴い第1特別変動入賞装置38を開放し(t41)、100msの開放可能時間が経過すると第1特別変動入賞装置38を一旦閉鎖する(t42)。その後、3900msの閉鎖(t42〜t43)の後に再び24900msの開放(t43〜t44)を行ってラウンドを終了する。なお、所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞した場合もラウンドが終了する。最初の開放である第1開放(t41〜t42)は、開放可能時間が短いため所定個数の入賞が発生することは稀であり、2回目の開放である第2開放(t43〜t44)で所定個数の遊技球が入賞するか開放可能時間が経過することに伴いラウンドが終了することとなる。下D開放が行われたラウンドの後のインターバル期間としては1000msが設定される。
図10(e)に示すように下E開放では、ラウンドの開始に伴い第1特別変動入賞装置38を開放し(t51)、25000msの開放可能時間が経過すると第1特別変動入賞装置38を閉鎖してラウンドを終了する(t52)。なお、所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞した場合もラウンドが終了する。下E開放が行われたラウンドが最終ラウンドでなければインターバル期間として1000msが設定される。また、最終ラウンドである場合にはエンディング期間として16000msが設定される。
図10(f)に示すように下F開放では、ラウンドの開始に伴い第1特別変動入賞装置38を開放し(t61)、100msの開放可能時間が経過すると第1特別変動入賞装置38を閉鎖してラウンドを終了する(t62)。なお、所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞した場合もラウンドが終了することとなるが、開放可能時間が短いため所定個数の入賞が発生することは稀であり基本的には開放可能時間の経過に伴いラウンドが終了する。下F開放が行われたラウンドが最終ラウンドでなければインターバル期間として1000msが設定される。また、第1特別遊技状態である場合の最終ラウンドであればエンディング期間として16000msが設定される。また、第2特別遊技状態である場合はエンディング期間として7000msが設定される。
図11から図14には、特別遊技状態における特別変動入賞装置の開放態様、演出の実行態様、遊技機10の外部の装置である外部装置へ出力される外部情報の出力態様の一例を示した。なお、外部装置には、遊技店に設置されて遊技機の情報を管理するためのホールコンピュータや、遊技機の側方に隣接して設けられて貸球の処理等を行う台間機、遊技機10の上方に設けられて特図変動表示ゲームの実行回数や特別遊技状態の実行回数などを表示する遊技情報表示装置などが含まれる。
図中において変動表示ゲームには、遊技制御装置100が制御する特図変動表示ゲームと、遊技制御装置100からの情報に基づき演出制御装置300が制御する飾り特図変動表示ゲームの両方を含む。また、遊技状態は、遊技制御装置100が把握する遊技状態である。演出は演出制御装置300によって制御される表示装置41やランプ、LED及び音声による演出である。
また、開放報知手段は第2特別変動入賞装置39に設けられ、演出制御装置300に制御されて当該第2特別変動入賞装置39を狙うことを報知可能な開放報知手段39dである。また、右打ち指示表示は、演出制御装置300に制御される表示装置41において行われる右打ちを指示する表示であって遊技球の発射態様を報知するものである。右打ち指示表示を表示装置41とは別の表示装置において行うようにしても良い。また、右打ち報知は一括表示装置50における第2遊技状態表示部77での報知である。すなわち、遊技制御装置100が制御する一括表示装置50の第2遊技状態表示部77が発射態様を報知する第1報知手段をなし、演出制御装置300により制御される開放報知手段39dが発射態様を報知する第2報知手段をなすものである。また、演出制御装置300により制御される表示装置41で表示する右打ち指示表示が発射態様を報知する第3報知手段をなすものである。また、当り報知部は、遊技盤30に設けられ第1特別遊技状態中であることを報知可能な当り報知部43である。
また、特別遊技状態に関する外部情報には大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号及び大当り4信号がある。大当り1信号及び大当り3信号は、大当りに基づく第1特別遊技状態中と小当りAに基づく第2特別遊技状態中に出力される(ON状態とされる)。小当りAについてはその開放態様(上C開放)から入賞の可能性があるため大当り1信号を出力するが、小当りBについてはほとんど入賞の可能性がないことから大当り1信号は出力しない。大当り2信号は、第1特別遊技状態中及び普通変動入賞装置37の時短動作状態中(普電サポート中)に出力され、第2特別遊技状態中には出力されない。大当り4信号は、第1特別遊技状態中に出力され、第2特別遊技状態中には出力されない。外部装置では大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号及び大当り4信号に基づき特別遊技状態の実行の有無や種類、時短状態の有無を把握し、情報の表示等を行うようにしている。
図11には、結果が16R確変A、16R確変B及び6R確変Aである場合の例を示した。これらの結果となる特図変動表示ゲームが変動表示されている状態(t101まで)では、第1特別変動入賞装置38及び第2特別変動入賞装置39は閉状態となっている。また、遊技制御装置100では遊技状態が変動表示中とされ、演出は変動表示中に対応した変動演出が実行される。また、第2特別変動入賞装置39を狙うことを指示する報知が可能な開放報知手段39dは消灯して報知をしない状態とされる。
さらに、右打ち指示表示や第2遊技状態表示部77での右打ち報知は遊技状況に応じた表示とされ、左打ちの遊技状況である通常遊技状態(普電サポート中(確変状態や時短状態)でなく、特別遊技状態でもない状態)であれば非表示及び消灯とされ、右打ちの遊技状況である普電サポート中であれば表示及び点灯とされる。また、当り報知部43では第1特別遊技状態中でないため消灯して報知をしない状態とされる。なお、この例では当り報知部43の点灯による予告表示はされていないものとする。
特図変動表示ゲームの変動時間が終了すると、変動表示が終了して結果を表示する停止表示時間が開始される(t101)。これに伴い遊技制御装置100での遊技状態は停止表示状態となり、演出として停止結果を報知する結果報知演出が開始される。
その後、停止表示時間が終了すると特別遊技状態が開始される(t102)。特別遊技状態の開始に伴い、遊技制御装置100での遊技状態はファンファーレ状態(t102〜t103)となる。演出は結果報知演出が当該ファンファーレ状態の終了まで継続される。また、ファンファーレ状態では第1特別変動入賞装置38及び第2特別変動入賞装置39は閉状態となっており、開放報知手段39dは消灯して報知しない状態のままとされる。また、当り報知部43では特別遊技状態の開始(t102)に伴い点灯状態とされて第1特別遊技状態中であることを報知する状態となる。
右打ち指示表示や右打ち報知については、ファンファーレ状態の後の1ラウンド目が左打ちで狙う第2特別変動入賞装置39を開放するラウンドであるので、ファンファーレ状態の開始に伴い左打ちを指示する状態とされる(t102)。すなわち、特別遊技状態の開始前の遊技状況が左打ちの遊技状況であれば右打ち指示報知の非表示及び右打ち報知の消灯がそのまま継続される。また、特別遊技状態の開始前の遊技状況が右打ちの遊技状況であれば特別遊技状態の開始に伴い右打ち指示報知が非表示とされるとともに右打ち報知が消灯される。この報知状態は右打ちの遊技状況となる2ラウンド目の開始まで継続される。
大当り1信号、大当り2信号及び大当り4信号については、特別遊技状態が開始(t102)されても出力されない状態のままとされる。これに対して大当り3信号については特別遊技状態の開始時(t102)から出力される。外部装置では大当り3信号を使用すればこの時点から特別遊技状態の実行を把握可能となる。
その後、ファンファーレ状態が終了すると遊技制御装置100での遊技状態は1ラウンド目となる(t103〜t104)。これに伴い第2特別変動入賞装置39が開状態とされる。この例では結果が16R確変A、16R確変B及び6R確変Aである場合であるので、1ラウンド目は上A開放とされる。
また、1ラウンド目の開始に伴い演出として特別遊技状態の開始を報知するファンファーレ演出が開始される(t103)。1ラウンド目は上A開放であって第2特別変動入賞装置39を短開放するのみであってほとんど入賞の可能性がないため、第2特別変動入賞装置39の開放を遊技者に意識させないためにラウンド演出ではなくファンファーレ演出を行うようにしている。また、同様に第2特別変動入賞装置39をの開放を遊技者に意識させないために開放報知手段39dでは消灯状態を維持して、第2特別変動入賞装置39を狙うことを指示する報知を行わないようにしている。すなわち、第2報知手段をなす開放報知手段39dは、第2特別変動入賞装置39の開放態様が上A開放である場合には発射態様の指示を行わないようにしている。
特に、右打ちの遊技状況で特別結果が導出された場合には、ほとんど入賞の可能性がない1ラウンド目のために左打ちに戻し、その後の2ラウンド目から再び右打ちにすることは、操作が煩雑であるとともに無駄な遊技球の発射が行われてしまうこととなる。このため、演出上では1ラウンド目を意識させないようにしている。右打ち指示表示や右打ち報知については遊技状況に応じて左打ちに対応した表示としているが、右打ち指示表示における左打ちに対応した報知は発射方向の表示を行わないというものであり、また、右打ち報知での報知はそれほど目立たない表示であって左打ちを強く意識させるものではない。
この1ラウンド目の終了に伴い第2特別変動入賞装置39が閉状態とされ、遊技制御装置100での遊技状態はインターバル状態となる(t104〜t105)。演出はインターバル状態でもファンファーレ演出が継続される。また、開放報知手段39d、右打ち指示表示、右打ち報知及び当り報知部43も1ラウンド目での状態が維持される。
そして、インターバル状態の終了に伴い、遊技制御装置100での遊技状態は2ラウンド目となる(t105〜t108)。これに伴い第1特別変動入賞装置38が開状態とされる。この例では2ラウンド目は下D開放とされる。すなわち、この2ラウンド目は、当該ラウンドが開始されることにより開放される特別変動入賞装置が変更されるラウンドである特定ラウンドをなす。
下D開放は、第1特別変動入賞装置38を第1開放時間(t105〜t106)にわたり開放する第1開放の後に所定の閉鎖時間(t106〜t107)にわたり閉鎖し、この閉鎖時間の経過後に第2開放時間(t107〜t108)にわたり開放する第2開放を行う特定開放態様となっている。この第1開放時間と閉鎖時間にわたり演出として右打ちを指示する右打ち指示演出が行われる(t105〜t107)。さらに、2ラウンド目の開始に伴い、右打ち指示表示や右打ち報知も右打ちを示す状態とされる。
このように第1開放を行うことで、動作により開放される特別変動入賞装置を遊技者に意識させることができ、さらに右打ち指示演出や右打ち指示表示及び右打ち報知を開始することで、第1特別変動入賞装置38を狙うべきことを遊技者に意識させることができる。また、第1開放の後に一旦閉鎖状態とすることで、遊技者が第1特別変動入賞装置38を狙うべきことを認識して右打ちに変更するための猶予期間を設けることができる。
すなわち、第1特別変動入賞装置38を開放したまま右打ち指示演出を行うと、第1特別変動入賞装置38を狙うべきことを認識するまでの間に開放可能時間を消費してしまうが、猶予期間を設けて当該猶予期間が経過した後に第2開放を行うことで、遊技者が確実に利益を得ることができるようになる。また、この第2開放の開始に伴い、演出としてラウンド演出を開始し(t107)、第2開放の開始から2ラウンド目が開始したかのような印象を与えるようにしている。
また、大当り1信号、大当り2信号及び大当り4信号については2ラウンド目の開始から出力を開始するようにしている。すなわち、演出の見た目上で第1特別遊技状態であることが明確に認識できるようになってからこれらの大当り信号を出力するようにしている。これにより、外部装置において大当り1信号、大当り2信号及び大当り4信号に基づき第1特別遊技状態の開始を報知するようにすれば、遊技機での演出と外部装置での報知が一致するようになる。なお、大当り3信号については特別遊技状態の開始時から出力されるので、この信号から外部装置で特別遊技状態の開始タイミングを正確に把握することも可能である。
すなわち、特別遊技状態の開始時より後の所定タイミングである2ラウンド目の開始時(t105)に、特別遊技状態が実行中である旨の情報である第1外部情報の出力が開始されている。また、この情報は、導出された特別結果の種類を判別可能とする判別情報としても機能する。また、第1外部情報や判別情報とは別に、特別遊技状態が実行中である旨の情報である第2外部情報の出力を、特別遊技状態の開始時から開始していることとなる。
図12には、結果が小当りBである場合の例を示した。小当りBとなる特図変動表示ゲームの変動表示時間の終了までは図11の場合と同様である。そして、変動表示時間が終了すると、変動表示が終了して結果を表示する停止表示時間が開始される(t121)。これに伴い遊技制御装置100での遊技状態は停止表示状態となり、演出として停止結果を報知する結果報知演出が開始される。
この停止表示時間が終了すると特別遊技状態として第2特別遊技状態が開始される(t122)。この第2特別遊技状態の開始に伴い、遊技制御装置100での遊技状態はファンファーレ状態(t122〜t123)となり、その後に1ラウンド目となって第1特別変動入賞装置38の開放が行われる(t123〜t124)。そして、1ラウンド目が終了すると第1特別変動入賞装置38が閉鎖されてエンディング状態(t124〜t125)となり、このエンディング状態の終了に伴い第2特別遊技状態が終了する(t125)。
小当りBの場合の演出としては、停止表示時間の開始(t121)から第2特別遊技状態の終了(t125)までの期間にわたり結果報知演出を行う。ここでの結果報知演出は停止結果を表示したままの状態を維持するものである。小当りBでの第1特別変動入賞装置38の開放時間は僅かな時間であってほとんど入賞の可能性がないため、停止結果を表示する結果報知演出を行うのみとして、単に停止時間が長くなったかのように思わせて第1特別変動入賞装置38の開放を遊技者に意識させないようにしている。
また、開放報知手段39dは第2特別変動入賞装置39を開放しないため消灯状態を維持する。また、右打ち指示表示については、第2特別遊技状態の終了まで小当りB発生時の状態が維持される。小当りBに基づく第2特別遊技状態では、第1特別変動入賞装置38が開放されるため、右打ちの遊技状況であるが、小当り発生時の遊技状態が左打ちの遊技状況である通常遊技状態である場合に、ほとんど入賞の可能性がないにも関わらず右打ちを指示すると、操作が煩雑であるとともに無駄な遊技球の発射が行われてしまうこととなる。このため、通常遊技状態で小当りBが発生した場合には、第3報知手段をなす右打ち指示表示については右打ちの遊技状況ではあるが右打ちの報知をしないようにしている。
これに対して右打ち報知は第2特別遊技状態中においては右打ちを示す状態とする。すなわち、第1報知手段をなす右打ち報知は遊技状況に係らず常に報知を行う。右打ち指示表示における左打ちに対応した報知は発射方向の表示を行わないものであるので右打ちの遊技状況であっても問題はない。また、右打ち報知での報知はそれほど目立たない表示であるので遊技者に右打ちを強く意識させるものではない。
また、当り報知部43でも報知は行わず、特別遊技状態であることを意識させないようにしている。なお、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号及び大当り4信号は、小当りBに基づく第2特別遊技状態中はいずれも出力されない。もちろん特別遊技状態であることを判別可能な情報を出力しても良いしい、小当りBの発生を判別可能な情報を出力するようにしても良い。
図13には、結果が16R確変C、16R確変D及び6R確変Bである場合の例を示した。これらの結果となる特図変動表示ゲームが変動表示されている状態(t131まで)では、図11に示した場合と同様である。そして、特図変動表示ゲームの変動時間が終了すると、変動表示が終了して結果を表示する停止表示時間が開始される(t101)。これに伴い遊技制御装置100での遊技状態は停止表示状態となり、演出として停止結果を報知する結果報知演出が開始される。
その後、停止表示時間が終了すると特別遊技状態が開始される(t132)。特別遊技状態の開始に伴い、遊技制御装置100での遊技状態はファンファーレ状態(t132〜t133)となる。演出は結果報知演出が当該ファンファーレ状態の終了まで継続される。
右打ち指示表示や右打ち報知については、ファンファーレ状態の後の1ラウンド目が左打ちで狙う第2特別変動入賞装置39を開放するラウンドであるので、ファンファーレ状態の遊技状況の開始に伴い左打ちを指示する状態とされる(t132)。この状態は右打ちの遊技状況となる2ラウンド目の開始まで継続される。これに対して、第2特別変動入賞装置39を狙うことを報知する開放報知手段39dは、ファンファーレ状態では消灯して報知しない状態とされる。また、当り報知部43では消灯状態が維持される。第1特別遊技状態中ではあるがこの期間では小当りAとの判別を困難とする状態とされているため、当り報知部43での報知を行わないようにして第1特別遊技状態であることを把握困難としている。
大当り1信号、大当り2信号及び大当り4信号については、特別遊技状態が開始(t132)されても出力されない状態のままとされる。これに対して大当り3信号については特別遊技状態の開始時(t132)から出力される。外部装置では大当り3信号を使用すればこの時点から特別遊技状態の実行を把握可能となる。
その後、ファンファーレ状態が終了すると遊技制御装置100での遊技状態は1ラウンド目となる(t133〜t141)。これに伴い第2特別変動入賞装置39が開状態とされる。この例では結果が16R確変C、16R確変D及び6R確変Bである場合であるので、1ラウンド目は上B開放とされる。
また、1ラウンド目の開始に伴い演出として特定演出が開始される。特定演出は、大当りと小当りの何れであるかを報知する演出である。この特定演出では、まず、導入演出(t133〜t136)を行う。導入演出は後に続く振分演出の説明などを行うものである。振分演出(t136〜t139)は大当りと小当りの何れであるかを振り分ける演出を行うものであり、結果演出(t139〜t140)は大当りと小当りの何れであるかの結果を報知するものである。
振分演出としては、後述するように表示装置41の表示においてクルーン上を転動する遊技球によって振り分けられるような演出を行うクルーン演出と、表示装置41に表示したルーレットによって振り分けられるような演出を行うルーレット演出とがある。導入演出の期間において第2特別変動入賞装置39への入賞があった場合にはクルーン演出を行い、入賞がなかった場合はルーレット演出を行う。これにより、第2特別変動入賞装置39へ入賞した遊技球により大当りの抽選が行われているかのような印象を与え、あたかも第2特別変動入賞装置39が極めて高確率で大当りを発生する始動入賞口であるかのように見せることが可能となる。
導入演出の前半(t133〜t135)においては第2特別変動入賞装置39へ入賞させるとクルーン演出で振り分けが行われる旨の説明が行われる。そして、導入演出の後半(t135〜t136)では、第2特別変動入賞装置39への入賞を促す演出が行われる。この導入演出の前半(t133〜t135)では、第2特別変動入賞装置39を第1開放時間(t133〜t134)にわたり開放する第1開放の後に所定の閉鎖時間(t134〜t135)にわたり閉鎖する。そして、導入演出の後半(t135〜t136)では、第2開放時間(t135〜t136)にわたり開放する第2開放を行うようになっている。すなわち、導入演出の期間においては第2特別変動入賞装置39を特定開放態様で動作するようになっている。
これにより、図11の2ラウンド目と同様に、第1開放での動作により開放される特別変動入賞装置を遊技者に意識させることができるようになる。また、第1開放の後に一旦閉鎖状態とすることで、開放可能時間を消費せずに遊技者が第2特別変動入賞装置39を狙うべきことを認識して左打ちをするための猶予期間を設けることができる。そして、この猶予期間が経過した後に第2開放を行うことで、遊技者が確実に第2特別変動入賞装置39へ入賞させることができるようになる。
また、開放報知手段39dは、第2開放の期間でのみ点灯状態として第2特別変動入賞装置39を狙うことを報知する。1ラウンド目においては第2特別変動入賞装置39が開放するので、第2特別変動入賞装置39を狙うべき遊技状況ではあるが、開放報知手段39dによる報知は第2特別変動入賞装置39への入賞の可能性が高い第2開放の期間のみとし、その他の状態では報知を行わないようにしている。
導入演出の後に振分演出が行われ(t136〜t139)、その後、結果演出が行われる(t139〜t140)。この例では特定演出において大当りであることを報知する結果演出が行われることとなる。また、大当りであることを報知する結果演出の開始に伴い、大当りであることが明確に認識可能な状態となるので、この時点から当り報知部43の点灯を開始し第1特別遊技状態であることを報知する(t139)。大当りであることを報知する結果演出を行った後にファンファーレ演出が行われる(t140〜t141)。これにより、特定演出の終了時(t140)から特別遊技状態が開始したかのように見せることができる。
ファンファーレ演出は1ラウンド目の終了(t141)をまたぎ、1ラウンド目の後のインターバル状態の終了(t142)まで継続され、インターバル状態の終了に伴い、2ラウンド目が開始される(t142)。これに伴い遊技制御装置100での遊技状態は2ラウンド目となり、第1特別変動入賞装置38が開状態とされる。2ラウンド目における演出等は図11と同様であって、このラウンドから発射方向が左打ちから右打ちに変更されるので、特定開放態様での動作と右打ち指示演出を行う。
また、大当り1信号、大当り2信号及び大当り4信号については2ラウンド目の開始から出力を開始するようにしている。すなわち、演出の見た目上で第1特別遊技状態であることが明確に認識できるようになってからこれらの大当り信号を出力するようにしている。これにより、外部装置において大当り1信号、大当り2信号及び大当り4信号に基づき第1特別遊技状態の開始を報知するようにすれば、遊技機での演出と外部装置での報知が一致するようになる。なお、大当り3信号については特別遊技状態の開始時から出力されるので、この信号から外部装置で特別遊技状態の開始タイミングを正確に把握することも可能である。
図14には、結果が小当りAである場合の例を示した。この場合は1ラウンド目が上C開放とされるが、少なくともこの1ラウンド目が終了するまで(t158)は図13と同様である。そして、1ラウンド目が終了すると第2特別変動入賞装置39が閉鎖され、遊技制御装置100での遊技状態はエンディング状態(t159〜t161)となり、このエンディング状態の終了に伴い第2特別遊技状態が終了する(t161)。
遊技制御装置100での遊技状態がエンディング状態となっても演出では図13と同様の振分演出が行われており、この振分演出の終了(t159)までは第2特別変動入賞装置39の動作や演出から大当りと小当りを判別することは困難である。なお、一括装置50の特図表示器では結果に応じた結果態様が表示されていることから、判別は可能である。よって、少なくともここまでは16R確変C、16R確変D及び6R確変Bと小当りAを判別することは困難である。
振分演出が終了すると結果演出が開始される(t159)。この例では小当りであることを報知する結果演出が行われ(t159〜t160)、この演出により遊技者が明確に小当りであることを認識可能となる。また、この例では小当りであるので当り報知部43は消灯状態が継続される。
また、結果演出の開始に伴い、大当り1信号の出力が開始される(t159)。すなわち、演出の見た目上で第2特別遊技状態であることが明確に認識できるようになってから大当り1信号が出力されるようにしている。これにより、外部装置において大当り1信号の出力開始に伴い第2特別遊技状態の開始を報知するようにすれば、遊技機での演出における報知と外部装置での報知が一致するようになる。なお、小当りであるので大当り2信号については出力されず、このことから特別結果の種類を把握可能となる。
すなわち、図13の場合は特別遊技状態の開始時より後の所定タイミングである2ラウンド目の開始時であって右打ち指示演出の開始時に(t142)、図14の場合は特別遊技状態の開始時より後の所定タイミングである結果演出の開始時(t159)に、特別遊技状態が実行中である旨の情報である第1外部情報と、導出された特別結果の種類を判別可能とする情報である判別情報の出力が開始されていることとなる。いずれの出力タイミングも所定の演出の開始タイミングとされている。また、大当りの場合と小当りの場合では、第1外部情報や判別情報の特別遊技状態の開始からの出力タイミングが異なっており、このことからも大当りと小当りを判別可能である。
また、大当り3信号については第2特別遊技状態の開始から出力されているので、外部装置で第2特別遊技状態の開始タイミングを正確に把握することも可能である。すなわち、第1外部情報や判別情報とは別に、特別遊技状態が実行中である旨の情報である第2外部情報の出力を、特別遊技状態の開始時から開始するようにしていることとなる。
結果演出が終了すると結果報知演出となり、小当り発生時に導出された結果態様を表示する状態となる(t160)。その後、エンディング状態の終了に伴い次の特図変動表示ゲームが開始される(t161)。また、第2特別遊技状態の終了に伴い大当り1信号及び大当り3信号の出力を終了する。なお、確変状態や時短状態で小当りが発生した場合は、時短動作状態が継続するので大当り1信号の出力は継続される。
図15〜図18には、表示装置41での表示の一例を示した。図15に示すように表示装置41の表示領域の中央には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第1飾りゲームを表示する飾り特図変動表示ゲーム表示部85が設けられる。ここでは、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを表示する。表示領域の左上部には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第2飾りゲームを表示する第2飾りゲーム表示部88が設けられている。この第2飾りゲーム表示部88に表示される第2飾りゲームは、飾り特図変動表示ゲーム表示部85に表示される第1飾りゲームと同様に、左領域、中領域、右領域の各領域で識別情報を変動表示した後に停止して結果を表示するようになっている。
また、表示領域の中央下部には始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する記憶表示部83が設けられる。記憶表示部83には、第1始動記憶を表示する第1記憶表示部83aと、第2始動記憶を表示する第2記憶表示部83bとが設けられている。第1記憶表示部83aに表示される飾り特図始動記憶表示は、第1始動記憶と一対一に対応し、記憶順に並んで表示されるものであり、ここでは3つの第1始動記憶があることを示している。左端の飾り特図始動記憶表示が最先に記憶された第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示であり、消化される毎に左へ移行するようになっている。
また、それぞれの始動記憶に対応する特図1変動表示ゲームの結果や変動パターン等の先読み結果をその表示態様により示唆することが可能である。なお、図15(a)では、消化順序が1番目の第1始動記憶について飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる先読み演出が行われている。また、第2記憶表示部83bでは第1記憶表示部83aと同様に第2始動記憶と一対一に対応した飾り特図始動記憶表示を表示する。ここでは第2始動記憶が0であることを示している。
第1記憶表示部83aの左方には、現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部84が設けられる。この実行中記憶表示部84には、特図変動表示ゲームの開始時に第1記憶表示部83a又は第2記憶表示部83bの左端にある飾り特図始動記憶表示が移行し、実行される特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等をその表示態様により示唆するようになっている。
表示領域の右上部には、始動記憶数を表示する始動記憶数表示部86が設けられる。この始動記憶数表示部86には、第1始動記憶の数を表示する第1始動記憶数表示部86aと、第2始動記憶の数を表示する第2始動記憶数表示部86bとが設けられている。
図15(a)に示す状態から第1始動記憶が消化されて減少すると、図15(b)に示すように第1記憶表示部83aの左端にある飾り特図始動記憶表示が実行中記憶表示部84へ流入する表示が行われる。ここでは、実行中記憶表示部84においても先読み演出と同様の態様で特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等が示唆されている。また、始動記憶数表示部86では、第1始動記憶数表示部86aの数値が1つ減少する。
そして、飾り特図変動表示ゲーム表示部85では第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが開始され、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報の変動表示が開始される。また、第2飾りゲーム表示部88においても第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが開始され、左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が開始される。
その後、まず、図15(c)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85の左変動表示領域で識別情報が仮停止する。仮停止している状態では識別情報が揺れるように表示され、完全に停止していないことが示されている。また、第2飾りゲーム表示部88では左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が継続される。次に、図15(d)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85の右変動表示領域で識別情報が仮停止する。ここでは、左変動表示領域と右変動表示領域で同じ識別情報が停止して特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様であるリーチ状態となっており、リーチ演出が開始される。もちろん左変動表示領域と右変動表示領域が停止した時点で特別結果態様となる表示条件からはずれてリーチ状態とならない場合もある。また、第2飾りゲーム表示部88では左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が継続される。このようにリーチ状態で右変動表示領域が仮停止するまでが前半変動であり、以降が後半変動となる。
そして、図15(e)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85の中変動表示領域で識別情報が仮停止し、飾り特図変動表示ゲーム表示部85の全ての変動表示領域で識別情報が仮停止した状態となる。なお、仮停止している状態は変動表示中と同等であり、ここでは未だ変動表示中の状態である。また、第2飾りゲーム表示部88では左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が継続される。
その後、変動時間が終了すると図15(f)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85の識別情報が停止した状態となり、結果態様を表示する状態となる。第2飾りゲーム表示部88でも左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が終了して識別情報が停止した状態となり、結果態様を表示する状態となる。すなわち、第1飾りゲームと第2飾りゲームは、第1飾りゲームで一の変動表示領域で識別情報が仮停止した時点から変動表示が終了して識別情報が停止した状態となるまでは非同期となる。
さらに、停止表示時間の終了に伴い特図変動表示ゲーム及び飾り特図変動表示ゲームが終了する。これに伴い図15(g)に示すように実行中記憶表示部84の表示が消去され、次の飾り特図変動表示ゲームを開始可能な状態となる。なお、図15(g)の状態で始動記憶がなければ客待ち状態となる。また、図15(g)の状態で結果が特別結果であれば特別遊技状態となる。
図16〜図18には、特定演出を実行する図13、図14の例に沿った表示装置41での表示の一例を示した。図16(a)に示すように変動表示している状態から、図16(b)に示すように左変動表示領域と右変動表示領域の識別情報が仮停止した状態となり、図16(c)に示すように中変動表示領域の識別情報が仮停止し、図16(d)に示すように変動表示が終了して結果が停止表示される(図13のt131、図14のt151)。
ここでは、「2始1」の結果態様が停止表示されているが、この結果態様は第1飾りゲームにおいて16R確変C,16R確変D、6R確変B及び小当りAの場合に共通して用いられる特別結果態様である共通特別結果態様であって、特別結果態様から当りの種類が判別できないようにしている。よって、図16(b)及び(c)の状態でも特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様であるリーチ状態である。また、「始」の識別情報は、共通特別結果態様を導出可能なリーチ演出の開始から結果態様の表示の終了までの期間において「4」の識別情報に替えて用いられる識別情報である。なお、第2飾りゲームでは「4」の識別情報を用いて共通特別結果態様は「241」とされている。
停止表示時間(図13のt131〜t132、図14のt151〜t152)にわたり図16(d)に示すような表示がなされた後に特別遊技状態が開始され、遊技制御装置100での遊技状態はファンファーレ状態(図13のt132〜t133、図14のt152〜t153)となって図16(e)に示すような演出表示が行われる。この図16(d)、(e)の表示は共通特別結果態様に対応した結果報知演出をなすものである(図13のt131〜t133、図14のt151〜t153)。
次に、特定演出が開始される。まず、導入演出の前半(図13のt133〜t135、図14のt153〜t155)において、図16(f)に示すようにクルーン演出においてVの穴に遊技球が流入する演出が行われれば大当りである旨の説明表示が行われる。この際には第2特別変動入賞装置39の第1開放が行われることで、表示装置41での表示と併せて入賞させるべき特別変動入賞装置を示すようになっている。なお、第2特別変動入賞装置39が開放して第2特別変動入賞装置39を狙うべき遊技状況ではあるが、この時点では入賞できるほどの時間にわたり開放しないため第2特別変動入賞装置39を狙うことを報知する開放報知手段39dは点灯せずに報知が行われていない状態のままとなる。
その後、導入演出の後半(図13のt135〜t136、図14のt155〜t156)において第2特別変動入賞装置39の第2開放を行い、図16(g)に示すように第2特別変動入賞装置39への入賞を促す表示を行うとともに、開放報知手段39dを点灯(ここでは網掛けで示す)させて第2特別変動入賞装置39を開放する。
そして、第2特別変動入賞装置39への入賞があれば、振分演出(図13のt136〜t139、図14のt156〜t159)として図17に示すようなクルーン演出を行う。このクルーン演出では、まず、図17(a)、(b)に示すようにクルーン上を遊技球が転動する画像を表示する。この際に図17(b)に示すように第2特別変動入賞装置39が開放されて第2特別変動入賞装置39を狙うべき遊技状況となっているが、入賞できるほどの時間にわたり開放しないため第2特別変動入賞装置39を狙うことを報知する開放報知手段39dは点灯せずに報知が行われていない状態のままとし、表示装置41における振分演出への意識をそらさないようにしている。
振分演出が終了すると結果演出が行われる(図13のt139〜t140、図14のt159〜t160)。振分演出までは複数種類の特別結果について共通の共通演出であり、この結果演出から複数種類の特別結果に応じた個別の演出となる。結果が大当りであれば図17(c)に示すようにVの穴へ遊技球が流入する演出が行われ、図17(d)に示すようなファンファーレ演出(図13のt140〜t142)が行われる。また、このファンファーレ演出において第2飾りゲーム表示部88に大当りを示す特別結果態様として「555」の結果態様が表示される。「555」の結果態様は16R確変C、16R確変D及び6R確変Bで共通の結果態様であり、この時点ではいずれの特別結果であるかを明確に報知せずに後に報知を行うようにしている。もちろん、この時点でいずれの特別結果であるかを報知するようにしても良い。
大当りの場合はこのファンファーレ演出が終了して2ラウンド目が開始される場合に特別遊技状態が実行中である旨の情報である第1外部情報や、導出された特別結果の種類を判別可能とする情報である判別情報の出力が開始され、外部装置ではこの情報を用いて大当りの発生を報知可能となる。
一方、結果が小当りであれば図17(e)に示すようにV以外の穴へ遊技球が流入する演出が行われ、図17(f)に示すように結果報知演出となる(図14のt160〜t161)。この結果報知演出では、第2特別遊技状態の開始直前の結果態様を表示する状態となるが、第1飾りゲームにおける共通特別結果態様では「始」の識別情報に替えて「4」の識別情報を用い、はずれである印象を持たせるようにしている。なお、特別結果が導出された際の「2始1」の結果態様を表示するようにしても良い。
また、小当りの場合は図17(e)に示すような結果演出の開始時に特別遊技状態が実行中である旨の情報である第1外部情報や、導出された特別結果の種類を判別可能とする情報である判別情報の出力が開始され、外部装置ではこの情報を用いて小当りの発生を報知可能となる。
また、導入演出において第2特別変動入賞装置39への入賞がなければ、振分演出(図13のt136〜t139、図14のt156〜t159)として図18に示すようなルーレット演出が行われる。このルーレット演出では、まず、図18(a)に示すように矢印の位置にVと示された領域が停止すれば大当りである旨の説明が行われ、図10(b)に示すようにルーレットが回転する画像を表示する。この際にも図18(b)に示すように第2特別変動入賞装置39が開放されて第2特別変動入賞装置39を狙うべき遊技状況となっているが、入賞できるほどの時間にわたり開放しないため第2特別変動入賞装置39を狙うことを報知する開放報知手段39dは点灯せずに報知が行われていない状態のままとし、表示装置41における振分演出への意識をそらさないようにしている。
振分演出が終了すると結果演出が行われる(図13のt139〜t140、図14のt159〜t160)。結果が大当りであれば図18(c)に示すようにVと示された領域が矢印の位置で停止する演出が行われ、図18(d)に示すようなファンファーレ演出(図13のt140〜t142)が行われる。一方、結果が小当りであれば図18(e)に示すようにVと示された領域以外の領域が矢印の位置で停止する演出が行われ、図18(f)に示すように結果報知演出となる(図14のt160〜t161)。
なお、特別遊技状態が実行中である旨の情報である第1外部情報や、導出された特別結果の種類を判別可能とする情報である判別情報の出力は、特別遊技状態の開始時より後の所定タイミングから開始すればよく、上述したタイミングに限られるものではない。特別遊技状態の開始時より後の所定タイミングから開始することで、遊技機10の上方に設けられて特図変動表示ゲームの実行回数や特別遊技状態の実行回数などを表示する遊技情報表示装置での特別遊技状態の報知が、遊技機における特別遊技状態の演出の開始に先立って行われてしまうこと防止できる。これについては特別結果の種類を振り分ける特定演出の実行の有無にかかわらず奏する効果である。そして、特に特定演出で結果が判明するタイミングよりも後のタイミングから出力することで、遊技情報表示装置の表示から特別結果の種類が判明してしまうことを防止できる。特定演出で結果が判明するタイミングよりも後のタイミングであればどのタイミングであっても良い。
また、導出された特別結果の種類を判別可能とする情報である判別情報について、本実施形態では大当りと小当りの判別を可能としたが、大当りの種類や小当りの種類などより詳細な判別ができるようにしても良い。例えば、各大当り信号の出力の有無や出力開始タイミング等により種類を判別できるようにすれば良い。
また、第2特別変動入賞装置39を狙うことを報知する開放報知手段39dを設けたが、第1特別変動入賞装置38を狙うことを報知する報知手段や、入賞装置90を狙うことを報知する報知手段などを設けても良い。すなわち、遊技球を検出可能な検出部について、当該検出部を狙うべきことを報知可能な報知手段を設けても良い。そして、これらの報知手段についても対応する検出部を狙うべき遊技状況ではあるが報知を行わない期間を設けるようにしても良い。
以上のことから、始動条件の成立に基づき、識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、遊技機10の外部へ情報を出力する出力手段(遊技制御装置100)を備え、出力手段は、特別遊技状態が実行中である旨の情報である第1外部情報の出力及び/又は特別結果の種類を判別可能とする情報である判別情報の出力を、特別遊技状態の開始時より後の所定タイミングから開始するようにしたこととなる。したがって、遊技機における報知よりも先に外部装置による報知から遊技者が特別遊技状態に関する情報を把握してしまうことを防止でき、遊技の興趣を高めることができる。
また、出力手段は、導出された特別結果の種類に応じたタイミングで第1外部情報及び/又は判別情報の出力を開始するようにしたこととなる。したがって、出力タイミングから特別結果の種類を把握可能となる。
また、特別遊技状態において遊技球が入賞不能な閉状態から遊技球が入賞可能な開状態に変換可能な特別変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)と、特別遊技状態において特別変動入賞装置の動作制御を行う動作制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、動作制御手段は、特別変動入賞装置を予め定められた態様で開放するラウンドを、特別遊技状態の開始から所定期間経過後から特別結果に応じた回数実行するように構成され、出力手段は、所定のラウンドの開始を所定タイミングとして第1外部情報及び/又は判別情報の出力を開始するようにしたこととなる。したがって、特別変動入賞装置の開放と合わせて外部装置での報知が開始可能となり、違和感のない報知が可能となる。また、特別変動入賞装置の開放の制御と併せて外部情報の出力制御を行うことができ、制御の負担を軽減することができる。
また、特別遊技状態において遊技球が入賞不能な閉状態から遊技球が入賞可能な開状態に変換可能な特別変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)と、特別遊技状態において特別変動入賞装置の動作制御を行う動作制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、出力手段は、動作制御手段が特別変動入賞装置の閉動作又は開動作を行うタイミングを所定のタイミングとして第1外部情報及び/又は判別情報の出力を開始するようにしたこととなる。したがって、特別変動入賞装置の開放又は閉鎖と合わせて外部装置での報知が開始可能となり、違和感のない報知が可能となる。また、特別変動入賞装置の開放又は閉鎖の制御と併せて外部情報の出力制御を行うことができ、制御の負担を軽減することができる。
また、出力手段は、第1外部情報及び/又は判別情報とは別に、特別遊技状態が実行中である旨の情報である第2外部情報の出力を、特別遊技状態の開始時から開始するようにしたこととなる。したがって、外部装置で第2外部情報を使用すれば特別遊技状態の開始を把握可能となる。
また、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、特別遊技状態の開始時より後の所定タイミングから、特別遊技状態に関する所定の演出を開始し、出力手段は、特別遊技状態が実行中である旨の情報である第1外部情報及び/又は判別情報の出力を、所定タイミング以降から開始するようにしたこととなる。したがって、遊技機における演出よりも先に外部装置による報知から遊技者が特別遊技状態に関する情報を把握してしまうことを防止でき、遊技の興趣を高めることができる。
また、特別結果には複数種類があり、導出された特別結果の種類に応じて特別遊技状態の実行態様が決定されるように構成され、演出制御手段は、特別遊技状態の開始から所定タイミングまでは所定の複数種類の特別結果について共通演出を実行し、所定タイミングからは所定の演出として所定の複数種類の特別結果に応じた演出を実行可能であることとなる。したがって、遊技機における演出よりも先に外部装置による報知から遊技者が特別遊技状態に関する情報を把握してしまうことを防止でき、遊技の興趣を高めることができる。
また、始動条件の成立に基づき、識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、特別遊技状態において遊技球が入賞不能な閉状態から遊技球が入賞可能な開状態に変換可能な特別変動入賞装置をなす第1特別変動入賞装置38及び第2特別変動入賞装置39と、特別遊技状態において第1特別変動入賞装置及び第2特別変動入賞装置の動作制御を行う動作制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、動作制御手段は、特別遊技状態におけるラウンド毎に第1特別変動入賞装置38及び第2特別変動入賞装置39のうちの一方を開放するように制御し、特別遊技状態における初回のラウンドと、2回目以降のラウンドであって当該ラウンドが開始されることにより開放する特別変動入賞装置が変更されるラウンドである特定ラウンドと、のいずれか一方又は両方において、当該ラウンドの開始に伴い第1開放時間にわたり開放する第1開放を行った後に所定の閉鎖時間にわたり閉鎖し、当該閉鎖時間の経過後に第2開放時間にわたり開放する第2開放を行う開放態様である特定開放態様を実行するようにしたこととなる。したがって、遊技者に対して狙うべき特別変動入賞装置を確実に知らせることが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
また、狙うべき特別変動入賞装置への遊技球の発射態様を指示する指示手段(演出制御装置300)を備え、指示手段は、特定開放態様が実行されるラウンドにおける第2開放の開始までに、狙うべき特別変動入賞装置への遊技球の発射態様を指示するようにしたこととなる。したがって、遊技者に対して狙うべき特別変動入賞装置を確実に知らせることが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
また、動作制御手段は、第1開放時間を第2開放時間よりも短い時間とすることとなる。したがって、遊技者に対して狙うべき特別変動入賞装置を確実に知らせることが可能となるとともに、入賞させるための十分な期間を与えることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、始動条件の成立に基づき、識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機10において、遊技球が流下可能な遊技領域32と、遊技領域32に設けられ遊技球を検出可能な複数の検出部(第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)と、遊技状況に応じて決定される狙うべき検出部を狙うための遊技球の発射態様を報知する第1報知手段(遊技制御装置100、第2遊技状態表示部77)及び第2報知手段(演出制御装置300、開放報知手段39d)と、を備え、第1報知手段は、遊技状況に係らず常に報知を行い、第2報知手段は、遊技状況に応じて発射態様の指示を実行しないことが可能であることとなる。したがって、遊技の状況に応じた報知が可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
また、遊技状況に応じて決定される狙うべき検出部を狙うための遊技球の発射態様を報知する第3報知手段(演出制御装置300、表示装置41)を備え、第3報知手段は、遊技状況に応じて発射態様の指示を実行しないことが可能であることとなる。したがって、遊技の状況に応じた報知が可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
また、検出部として、特別遊技状態において遊技球が入賞不能な閉状態から遊技球が入賞可能な開状態に変換可能な特別変動入賞装置をなす第1特別変動入賞装置38及び第2特別変動入賞装置39と、特別遊技状態において第1特別変動入賞装置38及び第2特別変動入賞装置39の動作制御を行う動作制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、第1特別変動入賞装置38及び第2特別変動入賞装置39は、一方が遊技領域32の左側に配され、他方が遊技領域32の右側に配され、動作制御手段は、特別遊技状態におけるラウンド毎に第1特別変動入賞装置38及び第2特別変動入賞装置39のうちの一方を開放するように制御し、第1報知手段は、特別遊技状態において開放される特別変動入賞装置を狙うための遊技球の発射態様の指示を常に行い、第2報知手段及び/又は第3報知手段は、特別変動入賞装置が所定の開放態様である場合にのみ遊技球の発射態様の指示を行うようにしたこととなる。したがって、遊技の状況に応じた報知が可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図19及び図20に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図21に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図19及び図20に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップS4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS15)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップS16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップS16;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップS17)、正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップS18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS18;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS19)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS20)。チェックサムが一致する場合(ステップS20;Y)は、図20のステップS21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS16;Y)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS17;NもしくはステップS18;N)、チェックサムが正常でない(ステップS20;N)と判定された場合は、図20のステップS26へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
図20のステップS21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、特図の高確率中でない場合(ステップS22;N)は、ステップS23,S24をスキップしてステップS25へ移行する。また、特図の高確率中である場合(ステップS22;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS23)、遊技盤30に設けられる高確率報知LED(エラー表示器、第3遊技状態表示部78)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS24)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS25)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS25では、まず、機種指定コマンドを送信し、さらに特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、停電復旧コマンド、画面指定のコマンド(客待ち中なら客待ちデモ画面のコマンド、それ以外なら復旧画面のコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
一方、ステップS16、S17、S18、S20からステップS26へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS26)、ビジー信号ステータス領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップS27)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS28)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS29)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS30)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS30では、まず、機種指定コマンドを送信し、さらに、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。すなわち、停電復旧の場合もRAMが初期化された場合も機種指定コマンドが演出制御装置300に対して最初に送信されるようになっており、この機種指定コマンドが遊技機の電源投入後に演出制御装置300に対して最初に送信される情報となる。
ステップS31では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS31のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS32)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS33)、割込みを許可する(ステップS34)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS35)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップS35の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS36)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS37)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS37;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS35)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS35)の前に割り込みを許可する(ステップS34)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS35での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS37;Y)は、ステップS36で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS38)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS38;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS37)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS38;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS39)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS40)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS41)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS42)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS43)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS44)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS45)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図21に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図21のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS102)。ステップS102では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS103)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(下大入賞口ソレノイド38b、上大入賞口ソレノイド39b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS104)を行う。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS105)、乱数更新処理1(ステップS106)、乱数更新処理2(ステップS107)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、下大入賞口スイッチ38a、上大入賞口スイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS109)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS110)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS111)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップS112)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップS113)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS114)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップS104)の詳細について説明する。図22に示すように、出力処理では、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力する出力ポート135にオフデータを出力(リセット)する(ステップS161)。次に、普電ソレノイド37cや下大入賞口ソレノイド38b、上大入賞口ソレノイド39bのデータを出力する出力ポート134に出力するデータを合成し、出力する(ステップS162)。
そして、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新して(ステップS163)、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得する(ステップS164)。本実施形態の場合、デジットカウンタの値は0から3の範囲で+1更新される。次いで、取得したデータと外部情報データを合成して(ステップS165)、合成したデータ(例えば、「扉・枠開放」のデータ、「セキュリティ信号」のデータ)をデジット・外部情報出力用の出力ポート136に出力する(ステップS166)。
その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(ステップS167)、ロードしたデータをセグメント出力用の出力ポート135に出力する(ステップS168)。これにより、一括表示装置50に設けられた複数の発光表示部がダイナミック制御によって制御されることとなる。
続いて、外部情報の各種出力データを合成し(ステップS169)、合成したデータ(例えば、「大当り1信号」のデータ、「大当り2信号」のデータ、「大当り3信号」のデータ、「大当り4信号」のデータ、「図柄確定回数信号」のデータ、「始動口信号」のデータ、「メイン賞球信号」のデータ)と発射許可の出力データを合成して(ステップS170)、合成したデータを外部情報・発射許可信号出力用の出力ポート137へ出力する(ステップS171)。次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップS172)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップS173)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップS174)。さらに、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップS175)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート5へ合成したデータを出力し(ステップS176)、出力処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS109)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図23に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた下大入賞口スイッチ38a及び第2特別変動入賞装置38内に設けられた上大入賞口スイッチ39aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA7)。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA8)を行う。ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA9)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA10)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)を行う。ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA12)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA13)を行う。ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA14)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA15)を行う。ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA16)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA17)を行う。ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA18)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA21)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA22)を行い、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA19の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない結果態様であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。図24に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(第1始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)を行う。このハード乱数取得処理では、対象となる始動口スイッチ(ここでは始動口1スイッチ36a)に入力があった場合にラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し、対象となる始動口への入賞があったことを示す情報の設定を行う。その後、特図1の始動口である第1始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、第1始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA103にて、第1始動口への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA104)。
ステップA104にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA104にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第1始動口(第1始動入賞口36)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は右打ちの遊技状況となるが、時短状態中に第1始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。次いで、第1始動口(第1始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108)を行う。
次に、第2始動口(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)を行う。このハード乱数取得処理では、対象となる始動口スイッチ(ここでは始動口2スイッチ37a)に入力があった場合にラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し、対象となる始動口への入賞があったことを示す情報の設定を行う。その後、特図2の始動口である第2始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
ステップA111にて、第2始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、ステップA116の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA111にて、第2始動口への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップA112)、普通電動役物が作動中である(ステップA112;Y)と判定すると、ステップA114の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA112にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA112;N)と判定すると、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA113)。
ステップA113では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば、5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
ステップA113にて、普電不正発生中でないと判定した場合(ステップA113;N)は、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップA114)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA115)を行った後、ステップA116の処理に移行して、それ以降の処理を行う。また、ステップA113にて、普電不正発生中であると判定した場合(ステップA113;Y)は、ステップA116の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
次に、第3始動口(第2始動入賞口97)入賞監視テーブルを準備し(ステップA116)、ハード乱数取得処理(ステップA117)を行う。このハード乱数取得処理では、対象となる始動口スイッチ(ここでは始動口3スイッチ97a)に入力があった場合にラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し、対象となる始動口への入賞があったことを示す情報の設定を行う。その後、特図2の始動口である第3始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA118)。ステップA118にて、第3始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA118;N)は、始動口スイッチ監視処理を終了する。一方、ステップA118にて、第3始動口への入賞があると判定した場合(ステップA118;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA119)。
ステップA119にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA119;N)には、ステップA122の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA119にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA119;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA120)、演出コマンド設定処理(ステップA121)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA120)、演出コマンド設定処理(ステップA121)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第3始動口(第2始動入賞口97)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は右打ちの遊技状況となるが、時短状態中に第3始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。次いで、第3始動口(第2始動入賞口97)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA122)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA123)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108,A115,A123)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図25に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ97aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA141)、ロードした値を+1更新して(ステップA142)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA143)。
出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA143;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA144)、ステップA145の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA143;Y)は、ステップA145の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定して、セーブしないよう構成されている。
次に、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ97aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステップA145)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA145;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA145;Y)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ステップA146)、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)を行って、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA149)。続けて、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップA150)、ステップA102,A110,A117のハード乱数取得処理にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA151)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA152)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA153)。この大当り図柄乱数は、特図保留情報判定処理(ステップA160)で使用する。
次いで、変動パターン乱数(本実施形態の場合、変動パターン乱数1から3)を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブし(ステップA154)、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA156)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA157)。ステップA158では、特図1保留数と特図2保留数の合計に対応する変動順序フラグ格納領域のアドレス(保留1から8までの何れかの場所)を算出し(ステップA158)、算出した領域に対象(特図1または特図2)の変動順序フラグをセーブし(ステップA159)、特図保留情報判定処理(ステップA160)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、特図1の始動口である第1始動入賞口36への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、特図2の始動口である第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA160)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図26に示すように、まず、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA161)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA162;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA163)、ステップA152にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA164)、ステップA171の処理に移行する。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA162;N)は、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA166)を行う。そして、判定結果が小当りでない場合(ステップA167;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA170)、ステップA171の処理に移行する。一方、判定結果が小当りである場合(ステップA167;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA168)、ステップA156にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA169)、ステップA171の処理に移行する。
そして、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備し(ステップA171)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA172)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA173)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を行う(ステップA174)。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA175)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA176)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップA173における特図情報設定処理、ステップA174における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)の詳細について説明する。図27に示すように、大入賞口スイッチ監視処理では、まず、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるかを判定する(ステップA201)。大入賞口開放中処理中である場合(ステップA201;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、大入賞口開放中処理中でない場合(ステップA201;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「5」であるか、すなわち大入賞口残存球処理中であるかを判定する(ステップA202)。
大入賞口残存球処理中である場合は(ステップA202;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、大入賞口残存球処理中でない場合は(ステップA205;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「8」であるか、すなわち小当り中処理中であるかを判定する(ステップA203)。小当り中処理中である場合は(ステップA204;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、小当り中処理中でない場合(ステップA203;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「9」であるか、すなわち小当り残存球処理中であるかを判定する(ステップA204)。特図ゲーム処理タイマが「0」になるまで特図ゲーム処理番号は次に移行しないため、このように特図ゲーム処理番号によって遊技の進行状態をチェックすることができる。
小当り残存球処理中でない場合(ステップA204;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、小当り残存球処理中である場合(ステップA204;Y)は、ステップA205の処理に移行する。そして、入賞カウンタに「0」をセットして(ステップA205)、大入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップA206)。
大入賞口スイッチに入力がない場合(ステップA206;N)は、入賞カウンタの値が0であるかを判定する(ステップA214)。また、大入賞口スイッチに入力がある場合(ステップA206;Y)は、大入賞口カウントコマンドを準備して(ステップA207)、演出コマンド設定処理(ステップA208)を行う。そして、入賞カウンタを+1更新し(ステップA209)、入賞カウンタの値が0であるかを判定する(ステップA214)。
入賞カウンタの値が「0」であるかの判定(ステップA214)において、入賞カウンタの値が「0」である場合(ステップA214;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、入賞カウンタの値が「0」でない場合(ステップA214;N)は、大入賞口残存球処理中であるかを判定する(ステップA215)。大入賞口残存球処理中である場合(ステップA215;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、大入賞口残存球処理中でない場合(ステップA215;N)は、小当り残存球処理中であるかを判定する(ステップA216)。小当り残存球処理中である場合(ステップA216;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り残存球処理中でない場合(ステップA216;N)は、入賞カウンタの値を大入賞口カウント数に加算し(ステップA217)、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数。例えば「9」)以上となったかを判定する(ステップA218)。
大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(ステップA218;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(ステップA218;Y)は、大入賞口カウント数を上限値に留め(ステップA219)、特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアして(ステップA220)、大入賞口制御ポインタ領域に大当り開放動作終了の値をセーブし(ステップA221)、小当り中処理中であるかを判定する(ステップA221)。小当り中処理中でない場合(ステップA222;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り中処理中である場合(ステップA222;Y)は、大入賞口制御ポインタ領域に小当り開放動作終了の値をセーブして(ステップA223)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA8)の詳細について説明する。図28に示すように、特図普段処理では、先ず、特図1保留数及び特図2保留数は共に「0」であるか判定する(ステップA301)。ステップA301で、特図1保留数及び特図2保留数は共に「0」でないと判定した場合(ステップA301;N)には、変動順序フラグ格納領域(保留数合計1用)からフラグをロードして(ステップA302)、今回の変動が特図1の変動であるか判定する(ステップA303)。
ステップA303で、今回の変動が特図1の変動であると判定した場合(ステップA303;Y)には、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA304)、演出コマンド設定処理(ステップA305)を行い、特図1変動開始処理(ステップA306)を行って、特図普段処理を終了する。なお、この時点では、特図1保留数は−1更新されていないが、ステップA304では、−1更新された値に対応するコマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。
一方、ステップA303で、今回の変動が特図1の変動でないと判定した場合(ステップA303;N)、すなわち今回の変動が特図2の変動である場合には、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA307)、演出コマンド設定処理(ステップA308)を行い、特図2変動開始処理(ステップA309)を行って、特図普段処理を終了する。なお、この時点では、特図2保留数は−1更新されていないが、ステップA307では、−1更新された値に対応するコマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。
また、ステップA301で、特図1保留数及び特図2保留数は共に「0」であると判定した場合(ステップA301;Y)には、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA310)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA310;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA311)。続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA312)、演出コマンド設定処理(ステップA313)を行う。
次いで、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定し(ステップA314)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブして(ステップA315)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(ステップA316)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA317)、特図普段処理を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA306)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。図29に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップA321)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA324)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA325)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA326)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA327)を行う。次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA328)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA329)。
次いで、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA330)、特図1の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA331)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA332)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば、52m秒)をセーブし(ステップA333)、特図1変動図柄番号領域に初期値(例えば、0)をセーブして(ステップA334)、特図1変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
図30には、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を示した。この大当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ領域にはずれ情報をセーブして(ステップA361)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップA362)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA363)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップA364)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA365)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップA365)の判定結果が大当りである場合(ステップA366;Y)は、ステップA362にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップA367)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップA365)の判定結果が大当りでない場合(ステップA366;N)は、準備した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA368)を行う。
そして、小当り判定処理(ステップA368)の判定結果が小当りである場合(ステップA369;Y)は、ステップA361にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ領域に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップA370)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、小当り判定処理(ステップA368)の判定結果が小当りでない場合(ステップA369;N)は、大当りフラグ1領域にも小当りフラグ領域にもはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ1設定処理を終了する。このように、特図変動表示ゲームの結果は、「大当り」、「小当り」、及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図31には、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA323)を示した。この特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りかを判定し(ステップA401)、大当りである場合(ステップA401;Y)は、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA402)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定して(ステップA403)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA404)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定して(ステップA405)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA406)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブして(ステップA407)、停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得し、確率変動判定データ領域にセーブして(ステップA408)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA409)。
これらの情報は、特別遊技状態の実行態様、及び特別遊技状態の終了後の演出モードを設定するためのものである。本実施形態の場合、当りを契機に演出モードが移行し、当り図柄の種類(大当り図柄の種類、又は小当り)に応じて当り終了後に移行する演出モードの移行先が変化する。例えば移行先の演出モードが確変確定となる専用の演出モードとなるのか、確変であるか否か区別が困難な演出モードに移行するかが決定される。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。
一方、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA401;N)は、小当りフラグが小当りかを判定し(ステップA410)、小当りである場合(ステップA410;Y)は、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードする(ステップA411)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(ステップA412)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA413)。その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA414)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA415)。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。
また、小当りフラグが小当りでない場合(ステップA410;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(ステップA416)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA417)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA419)、演出コマンド設定処理(ステップA420)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA421)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(ステップA422)、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップA423)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図情報設定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理、特図1変動開始処理における特図情報設定処理(ステップA173、A324)の詳細について説明する。本実施形態の場合、確率状態(低/高確率、時短あり/なし)は変動の振り分けに影響せず、遊技制御装置100が管理している演出モードが変動の振り分けに影響する。演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
図32に示すように特図情報設定処理では、まず、前半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ステップA451)、演出モード情報に対応する前半変動グループ選択ポインタを取得する(ステップA452)。次いで、前半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(ステップA453)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(ステップA454)。
次いで、前半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(ステップA455)、加算して得た値を変動振分情報1領域にセーブする(ステップA456)。これにより変動振分情報1領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、機種の仕様次第であるが、保留数が多い時に変動時間を短くするのははずれの場合のみであるため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は前半変動の振り分けに影響しない。なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
次いで、後半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ステップA457)、演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタを取得する(ステップA458)。次いで、後半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(ステップA459)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(ステップA460)。
次いで、後半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(ステップA461)、加算して得た値を変動振分情報2領域にセーブして(ステップA462)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、はずれの場合のみ保留数に応じてリーチの発生率が変化する(保留数が多い時にリーチの発生率が低くなる)ため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は後半変動の振り分けに影響しない。
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理、特図1変動開始処理における変動パターン設定処理(ステップA174、A326)の詳細について説明する。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
図33に示すように変動パターン設定処理では、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(ステップA471)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA472)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードし、準備する(ステップA473)。本実施形態において、後半変動グループテーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造が異なる。具体的には、当り用は1バイトサイズ、はずれ用は2バイトサイズとなっている。はずれの発生率よりも当りの発生率が低く、1バイトでも足りるため、データ容量の節約の観点から、当り用は1バイトサイズになっている。したがって、当り時は、2バイトの変動パターン乱数1の下位の値だけを使用している。また、当りの発生率よりもはずれの発生率は高く、より多様な演出を出現させたいため、はずれ用は2バイトサイズになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定し(ステップA474)、はずれである場合(ステップA474;Y)には、2バイト振り分け処理(ステップA475)を行って、ステップA477の処理に移行する。また、はずれでない場合(ステップA474;N)には、振り分け処理(ステップA476)を行って、ステップA477の処理に移行する。
そして、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA477)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準備する(ステップA478)。そして、振り分け処理(ステップA479)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(ステップA480)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、前半変動グループテーブルを設定し(ステップA481)、変動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップA482)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA483)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードし、準備する(ステップA484)。その後、振り分け処理(ステップA485)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し、前半変動番号領域にセーブして(ステップA486)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA327)の詳細について説明する。図34に示すように変動開始情報設定処理では、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(ステップA491)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA492)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA493)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA494)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA495)。
そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップA496)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA497)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップA498)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(ステップA499)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA500)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新して(ステップA501)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(ステップA502)。次いで、乱数格納領域をシフトし(ステップA503)、シフト後の空き領域をクリアする(ステップA504)。さらに、変動順序フラグ格納領域をシフトし(ステップA505)、シフト後の空き領域をクリアして(ステップA506)、変動開始情報設定処理を終了する。
なお、特図2変動開始処理(ステップA309)については、図29〜図34に示した特図1変動開始処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、第1始動入賞口(第1始動入賞口36)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、判定手段(遊技制御装置100)による判定結果に基づき変動表示ゲームの実行を制御する変動表示ゲーム実行制御手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA9)の詳細について説明する。図35に示すように、特図変動中処理では、まず、変動図柄判別フラグに対応する図柄停止コマンドを準備して(ステップA601)、演出コマンド設定処理(ステップA602)を行う。次いで、停止図柄パターン番号に対応する表示時間を設定して(ステップA603)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA604)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として600m秒を設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合には表示時間として1000m秒を設定し、停止図柄パターンが小当り図柄パターンである場合には表示時間として1000m秒を設定する。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止表示時間を設定する停止時間設定手段をなす。
そして、処理番号として特図表示中処理にかかる「2」を設定し(ステップA605)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA606)。さらに、特図1の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA607)、特図2の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA608)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば、256m秒)をセーブする(ステップA609)。その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA610)、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブして(ステップA611)、特図変動中処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図36及び図37に示すように、特図表示中処理では、まず、特図1変動開始処理又は特図2変動開始処理にて設定された小当りフラグをロードして(ステップA701)、RWMの小当りフラグ領域をクリアする処理(ステップA702)を行う。
次いで、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA703)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA704)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA705)、大当りである(ステップA705;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA708)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA709)。
一方、ステップA705にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA705;N)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA706)、大当りである(ステップA706;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA707)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行う。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、「16」又は「6」)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA710)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA711)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA712)、演出コマンド設定処理(ステップA713)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)を行う。続けて、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA716)、演出コマンド設定処理(ステップA717)を行う。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA718)。本実施形態の場合、ステップA718において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と遊技状態とで決まる。例えば、大当り2信号は時短状態中での大当り時であればONが継続され、それ以外ではOFFが継続される。また、大当り3信号はONとなる。大当り1信号及び大当り4信号はこの時点ではOFFのままとされる。
その後、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間(例えば500m秒)を設定して(ステップA719)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA720)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA721)。これにより特別結果が発生した際における特図の確率状態、時短状態の情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(ここでは第2特別変動入賞装置39)の大入賞口不正入賞数領域(上大入賞口不正入賞数領域)をクリアし(ステップA722)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域(上大入賞口不正監視期間フラグ領域)に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA723)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)を行い、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れかで結果が特別結果となることに基づき、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39を開状態に変換する特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生手段をなす。
一方、ステップA706にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA706;N)は、ロードした小当りフラグが小当りかを判定する(ステップA725)。ステップA725にて、小当りフラグが小当りであると判定した場合(ステップA725;Y)には、時間短縮変動回数更新処理(ステップA726)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA727)を行う。
そして、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、準備して(ステップA729)、演出コマンド設定処理(ステップA730)を行う。次いで、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップA731)、演出コマンド設定処理(ステップA732)を行って、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA733)。その後、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(ステップA734)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA725にて、小当りフラグが小当りでないと判定した場合(ステップA725;N)には、時間短縮変動回数更新処理(ステップA735)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA736)を行い、演出モード番号に対応する切替準備残り回転数を設定して(ステップA737)、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致するかを判定する(ステップA738)。なお、切替準備残り回転数は、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて異なる値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの何れかの演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよい。
ステップA738にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致しないと判定した場合(ステップA738;N)には、特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)を行い、特図表示中処理を終了する。一方、ステップA738にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致すると判定した場合(ステップA738;Y)には、演出モード切替準備コマンドを準備して(ステップA739)、演出コマンド設定処理(ステップA740)を行った後に、特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)を行い、特図表示中処理を終了する。演出モード切替準備コマンドは、演出モードが切り替わる数回転前から先読み演出を行わないようにするためのコマンドであり、演出モード切替準備コマンドを演出制御装置300に送信することによって、モードをまたいで演出に矛盾等が生じないようにすることができる。
〔時間短縮変動回数更新処理〕
次に、上述の特図表示中処理における時間短縮変動回数更新処理(ステップA726、A735)の詳細について説明する。図38に示すように、時間短縮変動回数更新処理では、特図時短中(時短状態中)であるかを判定する(ステップA751)。特図時短中でない場合(ステップA751;N)は、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、特図時短中である場合(ステップA751;Y)は、特図高確率中(高確率状態中)であるかを判定する(ステップA752)。特図高確率中でない場合(ステップA752;N)は、ステップA757に移行する。また、特図高確率中である場合(ステップA752;Y)は、高確率変動回数を−1更新して(ステップA753)、高確率変動回数が「0」となったかを判定する(ステップA754)。
高確率変動回数が「0」でない場合(ステップA754;N)は、ステップA757に移行する。また、高確率変動回数が「0」となった場合(ステップA754;Y)、すなわち今回の特図変動表示ゲームで高確率状態が終了する場合は、高確率報知フラグ領域をクリアして(ステップA755)、ステップA757に移行する。
次に、時間短縮変動回数を−1更新して(ステップA757)、時間短縮変動回数が「0」となったかを判定する(ステップA758)。時間短縮変動回数が「0」でない場合(ステップA758;N)は、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、時間短縮変動回数が「0」となった場合(ステップA758;Y)、すなわち今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合は、時短終了に関する信号(例えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA759)。
次いで、高確率&時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA760)。なお、本実施形態の遊技機では、高確率状態も時短状態も同じ回数の特図変動表示ゲームを実行することにより終了するようになっているので、高確率変動回数が0となった場合には時間短縮変動回数も0となって、高確率状態と時短状態が同時に終了するようになっている。ステップA760では、例えば、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFFに設定する。なお、特図が高確率状態中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号は常時OFFされている。
次いで、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(ステップA761)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブして(ステップA762)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA763)。さらに、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA764)、右打ち中の表示LED(例えば、第2遊技状態表示部77)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA765)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)の詳細について説明する。図39に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(ステップA791)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA792)。
次に、高確率状態と時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA794)。なお、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号は常時OFFされている。その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステップA795)、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブして(ステップA796)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブする(ステップA797)。
そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA798)、高確率状態の表示に係る遊技盤30に設けた遊技状態表示LED(第3遊技状態表示部)を消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアして(ステップA799)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA800)。次に、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA801)、時短状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための時間短縮変動回数領域をクリアする(ステップA802)。これにより高確率状態及び時短状態が終了し、通常確率状態かつ通常状態となる。
その後、演出モード番号領域に演出モード1の番号をセーブし(ステップA803)、演出残り回転数領域をクリアして(ステップA804)、次モード移行情報領域に更新なしコードをセーブする(ステップA805)。そして、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA806)、右打ち中の表示LED(例えば、第2遊技状態表示部77)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA807)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。これにより、特別遊技状態の発生に伴い演出モードの情報が一旦クリアされることとなる。
〔小当りファンファーレ中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理における小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(ステップA734)の詳細について説明する。図40に示すように、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1では、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(ステップA811)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA812)。
次いで、種類が小当りAであるかを判定する(ステップA813)。小当りAである場合(ステップA813;Y)は、小当りの開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA814)。ここでは大当り3信号をONとする。そして、外部情報の出力タイミングを制御するための外部情報出力タイマ領域に初期値(ここでは26000msに相当する値)を設定する(ステップA815)。これにより、大当り1信号が第2特別遊技状態の開始から26000ms後に出力されるようになる。
その後、小当りファンファーレ時間(ここでは500ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA816)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA817)。次いで、上大入賞口不正入賞数領域をクリアして(ステップA818)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA819)。次いで、左打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA820)、右打ち中の表示LED(例えば、第2遊技状態表示部77)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA821)、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1を終了する。
一方、小当りAでない場合(ステップA813;N)、すなわち小当りBである場合は、小当りファンファーレ時間(ここでは100ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA822)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA823)。
次いで、下大入賞口不正入賞数領域をクリアして(ステップA824)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA825)。次いで、右打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA826)、右打ち中の表示LED(例えば、第2遊技状態表示部77)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA827)、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図41に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(ステップA841)、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップA842)、演出コマンド設定処理(ステップA843)を行う。
その後、大入賞口開放テーブルを設定し(ステップA844)、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する大入賞口開放データを取得してセーブする(ステップA845)。大入賞口開放データは、第1特別変動入賞装置38と第2特別変動入賞装置39の何れを開放するかや、開放時間等の開放態様を示すデータである。
その後、大入賞口開放データに対応する大入賞口開放時間(ここでは100ms又は25000ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA846)、大入賞口開放データに対応する当り開始ポインタ値を取得して特図当り中制御ポインタ領域にセーブする(ステップA847)。さらに、大入賞口開放データに対応する当り終了ポインタ値を取得して特図当り終了ポインタ領域にセーブし(ステップA848)、1ラウンド目の開始であるかを判定する(ステップA849)。
そして、1ラウンド目の開始である場合(ステップA849;Y)は、大入賞口開放中処理移行設定処理1を行い(ステップA850)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。また、1ラウンド目の開始でない場合(ステップA849;N)は、大入賞口開放中処理移行設定処理2を行い(ステップA851)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理1〕
図42には、上述のファンファーレ/インターバル中処理における大入賞口開放中処理移行設定処理1(ステップA850)を示した。この大入賞口開放中処理移行設定処理1においては、まず、処理番号を大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定し(ステップA871)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA872)。その後、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA873)、上大入賞口の開放開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA874)。
そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に上大入賞口オンデータをセーブして(ステップA875)、上大入賞口作動中情報を上大入賞口状態フラグ領域にセーブする(ステップA876)。次に、上大入賞口不正入賞数領域を0クリアし(ステップA877)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップA878)、大入賞口開放中処理移行設定処理1を終了する。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理2〕
図43には、上述のファンファーレ/インターバル中処理における大入賞口開放中処理移行設定処理2(ステップA851)を示した。この大入賞口開放中処理移行設定処理2においては、まず、処理番号を大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定し(ステップA881)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA882)。その後、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA883)、下大入賞口の開放開始に関する信号(例えば、特別電動役物2作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA884)。
そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に下大入賞口オンデータをセーブして(ステップA885)、下大入賞口作動中情報を下大入賞口状態フラグ領域にセーブする(ステップA886)。次に、下大入賞口不正入賞数領域を0クリアし(ステップA887)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA888)。
次に、2ラウンド目の開始であるかを判定し(ステップA889)、2ラウンド目の開始である場合(ステップA889;Y)は、大当りの開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA890)、大入賞口開放中処理移行設定処理2を終了する。ここでは大当り1信号、大当り2信号、大当り4信号をONとする。
〔大入賞口開放中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップA12)の詳細について説明する。図44に示すように、大入賞口開放中処理では、まず、大入賞口開放データは開閉するパターンであるかを判定する(ステップA901)。開閉するパターンとは一のラウンド中に開閉を行う開放パターンであり、本実施形態では上B開放及び下D開放(図10参照)である。なお、上C開放については小当り中処理により制御を行う。大入賞口開放データは開閉するパターンである場合(ステップA901;Y)は、特図当り中制御ポインタをロードして準備し(ステップA902)、ロードした値が特図当り終了ポインタの値以上であるかを判定する(ステップA903)。
そして、ロードした値が特図当り終了ポインタの値以上でない場合(ステップA903;N)、すなわち、現在実行中のラウンドにおいてまだ開閉動作を行う場合は、大当り動作移行設定処理を行い(ステップA904)、特図当り中制御ポインタ領域の値を+1更新し(ステップA905)、大入賞口開放中処理を終了する。
図45に示すように大当り動作移行設定処理では、特図当り中制御ポインタによる分岐処理を行う(ステップA921)。特図当り中制御ポインタの値が0、2及び4である場合は、特図当り中制御ポインタ領域の値に応じたウェイト時間(ここでは9900ms又は7000ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA922)、第2特別変動入賞装置39を閉状態とするために大入賞口ソレノイド出力データ領域に上大入賞口オフデータをセーブして(ステップA923)、大当り動作移行設定処理を終了する。
また、特図当り中制御ポインタの値が1、3及び5である場合は、特図当り中制御ポインタ領域の値に応じた開放時間(ここでは100ms又は1500ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA924)、第2特別変動入賞装置39を開状態とするために大入賞口ソレノイド出力データ領域に上大入賞口オンデータをセーブし(ステップA925)、大当り動作移行設定処理を終了する。
また、特図当り中制御ポインタの値が7である場合は、特図当り中制御ポインタ領域の値に応じたウェイト時間(ここでは3900ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA926)、第1特別変動入賞装置38を閉状態とするために大入賞口ソレノイド出力データ領域に下大入賞口オフデータをセーブして(ステップA927)、大当り動作移行設定処理を終了する。
また、特図当り中制御ポインタの値が8である場合は、特図当り中制御ポインタ領域の値に応じた開放時間(ここでは24900ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA928)、第1特別変動入賞装置38を開状態とするために大入賞口ソレノイド出力データ領域に下大入賞口オンデータをセーブし(ステップA929)、大当り動作移行設定処理を終了する。
図44に戻り、大入賞口開放データは開閉するパターンでない場合(ステップA901;N)や、ロードした値が特図当り終了ポインタの値以上である場合(ステップA903;Y)は、大入賞口開放データとラウンド数に対応する残存球処理時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA906)、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA907)。
そして、最終ラウンドでない場合(ステップA907;N)は、インターバルコマンドを準備して(ステップA908)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA909)、ステップA912に移行する。また、最終ラウンドである場合(ステップA907;Y)は、エンディングコマンドを準備して(ステップA910)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA911)、ステップA912に移行する。
そして、処理番号を大入賞口残存球処理にかかる「5」に設定して(ステップA912)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップA913)、第1特別変動入賞装置38の開閉部材990又は第2特別変動入賞装置39の開閉扉39cを閉鎖するために、下大入賞口ソレノイド38b及び上大入賞口ソレノイド39bをオフさせるためのオフデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブして(ステップA914)、大入賞口開放中処理を終了する。なお、ステップA916では、下大入賞口ソレノイド38b及び上大入賞口ソレノイド39bのオフデータを設定するようにしているが、開放中の特別変動入賞装置の大入賞口ソレノイドのオフデータのみを設定するようにしても良い。
〔大入賞口残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップA13)の詳細について説明する。図46に示すように、大入賞口残存球処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA951)。
そして、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(ステップA951;Y)は、大入賞口開放データとラウンド数に対応するエンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA952)。なお、図10に示したエンディング期間の時間値は、上述の残存球処理時間とここで設定されるエンディング時間を合算した値である。
次に、大当り終了処理に係る処理番号として「6」を設定して(ステップA953)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA954)。その後、大入賞口(第1特別変動入賞装置38及び第2特別変動入賞装置39)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA955)。
次に、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA956)、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をクリアして(ステップA957)、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数上限値領域の情報をクリアする(ステップA958)。そして、ラウンド数の上限値判定用のフラグを記憶するラウンド数上限値情報領域の情報をクリアし(ステップA959)、大入賞口の開放情報判定用のフラグを記憶する大入賞口開放情報領域の情報をクリアする(ステップA960)。さらに、特図当り中制御ポインタ領域をクリアし(ステップA961)、特図当り終了ポインタ領域をクリアして(ステップA962)、大入賞口残存球処理を終了する。
一方、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(ステップA951;N)は、大入賞口開放データとラウンド数に対応するインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA963)。なお、図10に示したインターバル期間の時間値は、上述の残存球処理時間とここで設定されるインターバル時間を合算した値である。
そして、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定して(ステップA964)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA965)。次に、大入賞口(第1特別変動入賞装置38及び第2特別変動入賞装置39)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA966)、大入賞口残存球処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA14)の詳細について説明する。図47に示すように、この大当り終了処理では、まず、今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果の種類に基づき設定される確率変動判定フラグが、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる場合に設定される高確率データかを判定する(ステップA1201)。
高確率データでない場合(ステップA1201;N)は、大当り終了設定処理1を行い(ステップA1202)、高確率データである場合(ステップA1201;Y)は、大当り終了設定処理2を行って(ステップA1203)、特図ゲームモードフラグに対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1204)、コマンド設定処理(ステップA1205)を行う。
次に、遊技制御装置100での演出モードの管理に必要な情報をセーブする処理として、まず、停止図柄パターンに対応する演出モード情報設定テーブルを設定する(ステップA1206)。そして、設定された演出モード情報設定テーブルを参照して、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出モード番号を取得して演出モード番号領域にセーブする(ステップA1207)。さらに、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出残り回転数を取得して演出残り回転数領域にセーブし(ステップA1208)、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得して次モード移行情報領域にセーブする(ステップA1209)。
その後、新たな演出モード番号に対応するコマンドを準備し(ステップA1210)、コマンドを演出モードコマンド領域にセーブして(ステップA1211)、コマンド設定処理(ステップA1212)を行う。そして、特図普段処理移行設定処理2を行い(ステップA1213)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理1〕
図48には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA1202)を示した。この大当り終了設定処理1では、まず、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA1221)。ここでは大当り2信号をONとする。次に、時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA1222)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブして(ステップA1223)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短フラグをセーブする(ステップA1224)。
その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブし(ステップA1225)、時間短縮変動回数領域に初期値(例えば100)をセーブする(ステップA1226)。さらに、高確率変動回数領域を0クリアし(ステップA1227)、遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブて(ステップA1228)、大当り終了設定処理1を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態となるとともに時短状態となる。また、時短変動回数領域に初期値(例えば100)をセットすることで、所定回数(例えば100回)の特図変動表示ゲームの実行により時短状態が終了するようになる。
〔大当り終了設定処理2〕
図49には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA1203)を示した。この大当り終了設定処理2では、まず、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA1231)。ここでは大当り2信号をONとする。次に、高確率及び時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA1232)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブして(ステップA1233)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短フラグをセーブする(ステップA1234)。
その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブし(ステップA1235)、時間短縮変動回数領域に初期値(例えば100)をセーブする(ステップA1236)。さらに、高確率変動回数領域に初期値(例えば100)をセーブし(ステップA1237)、遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブて(ステップA1238)、大当り終了設定処理2を終了する。以上の処理により、特別遊技状態の終了後、所定回数(例えば100回)の特図変動表示ゲームの実行により高確率状態及び時短状態が終了するようになる。
すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定期間にわたり、普通変動入賞装置37を開状態とする期間を延長する特定遊技状態(時短状態)を発生可能な特定遊技状態発生制御手段をなす。
〔特図普段処理移行設定処理2〕
図50には上記した大当り終了処理における特図普段処理移行設定処理2(ステップA1219)を示した。この特図普段処理移行設定処理2においては、まず、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップA1241)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1242)。
その後、大当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF、大当り3信号をOFF、大当り4信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1243)、大当りの終了に関する信号(例えば、条件装置作動中信号をOFF、役物連続作動装置作動中信号をOFF、特別図柄1当り信号をOFF、特別図柄2当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1244)。続いて、確率変動判定フラグ領域の情報をクリアし(ステップA1245)、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をクリアして(ステップA1246)、演出モード移行情報領域の情報をクリアする(ステップA1247)。そして、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアし(ステップA1248)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA1249)、特図普段処理移行設定処理2を終了する。
〔小当りファンファーレ中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当りファンファーレ中処理(ステップA15)の詳細について説明する。図51に示すように小当りファンファーレ中処理では、まず、処理番号として小当り中処理にかかる「8」を設定して(ステップA1311)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1312)。
次いで、小当り遊技における最初の大入賞口の開放時間(ここでは100ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA1313)、小当り動作の開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1314)。そして、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1315)、種類が小当りAであるかを判定する(ステップA1316)。
種類が小当りAである場合(ステップA1316;Y)は、特図当り中制御ポインタ領域に小当りA動作初期値(ここでは0)をセーブする(ステップA1317)。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に上大入賞口オンデータをセーブし(ステップA1318)、上大入賞口作動中情報を上大入賞口状態フラグ領域にセーブして(ステップA1319)、小当りファンファーレ中処理を終了する。
一方、種類が小当りAでない場合(ステップA1316;N)、すなわち小当りBである場合は、特図当り中制御ポインタ領域に小当りB動作初期値(ここでは4)をセーブする(ステップA1320)。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に下大入賞口オンデータをセーブし(ステップA1321)、下大入賞口作動中情報を下大入賞口状態フラグ領域にセーブして(ステップA1322)、小当りファンファーレ中処理を終了する。
〔小当り中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り中処理(ステップA16)の詳細について説明する。図52に示すように、小当り中処理では、まず、特図当り中制御ポインタの値をロードして(ステップA1401)、ロードした値が小当り動作終了値(例えば「4」)以上であるかを判定する(ステップA1402)。ロードした値が小当り動作終了値以上でない場合(ステップA1402;N)には、小当り動作移行設定処理(ステップA1403)を行って、特図当り中制御ポインタを+1更新し(ステップA1404)、小当り中処理を終了する。
一方、ロードした値が小当り動作終了値以上である場合(ステップA1402;Y)には、処理番号として小当り残存球処理にかかる「9」を設定して(ステップA1404)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1405)。次いで、小当り残存球処理時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1406)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップA1407)、小当り中処理を終了する。
〔小当り動作移行設定処理〕
次に、上述の小当り中処理における小当り動作移行設定処理(ステップA1403)の詳細について説明する。図53に示すように、小当り動作移行設定処理では、制御ポインタ(特図当り中制御ポインタ)に応じて分岐処理(ステップA1411)を行う。
ステップA1411にて、制御ポインタが0又は2の場合は、制御ポインタに対応するウェイト時間(ここでは9900ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1412)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップA1413)、小当り動作移行設定処理を終了する。
また、ステップA1411にて、制御ポインタが1又は3の場合は、制御ポインタに対応する大入賞口開放時間(ここでは100ms又は1500ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1414)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップA1415)、小当り動作移行設定処理を終了する。これにより、図10に示した上C開放の制御が行われることとなる。
〔小当り残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップA17)の詳細について説明する。図54に示すように小当り残存球処理では、まず、小当り種類に対応する小当りエンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA1511)。なお、図10に示したエンディング期間の時間値は、上述の小当り残存球処理時間とここで設定される小当りエンディング時間を合算した値である。次に、処理番号として小当り終了処理にかかる「10」を設定して(ステップA1512)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1513)。
次いで、小当り動作の終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA1514)、大入賞口カウント数領域の情報をクリアする(ステップA1515)。そして、大入賞口の開放情報判定用のフラグを記憶する大入賞口開放情報領域の情報をクリアし(ステップA1516)、特図当り中制御ポインタ領域の情報をクリア(例えば0クリア)して(ステップA1517)、小当り残存球処理を終了する。
〔小当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り終了処理(ステップA18)の詳細について説明する。図55に示すように、小当り終了処理では、まず、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1601)、ロードしたフラグが普電サポート中に関するフラグであるかを判定する(ステップA1602)。ロードしたフラグが普電サポート中に関するフラグでない場合(ステップA1602;N)は、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA1603)、右打ち中の表示LED(第2遊技状態表示部77)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA1604)、ステップA1607に移行する。
また、ロードしたフラグが普電サポート中に関するフラグである場合(ステップA1602;Y)は、右打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA1605)、右打ち中の表示LED(第2遊技状態表示部77)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA1606)、ステップA1607に移行する。
次に、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定して(ステップA1607)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1608)。次いで、小当りの終了に関する信号(ここでは大当り1信号及び大当り3信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1609)、小当りの終了に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1610)。
次いで、変動図柄判別フラグ領域の情報をクリアし(ステップA1611)、演出モード移行情報領域の情報をクリアして(ステップA1612)、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアする(ステップA1613)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA1614)、小当り終了処理を終了する。
〔セグメントLED編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理におけるセグメントLED編集処理(ステップS112)の詳細について説明する。セグメントLED編集処理では、一括表示装置50に設けられた特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器75、第1遊技状態表示部76、第2遊技状態表示部77、第3遊技状態表示部78、ラウンド表示部60を構成するセグメントLEDの駆動に関する設定等を行う。
図56に示すように、セグメントLED編集処理では、まず、点滅制御タイマを+1更新して(ステップS501)、点滅制御タイマの特定ビットが1か否かによって、出力オンタイミングであるかを判定する(ステップS502)。本実施形態では、点滅制御タイマのビット5が1である場合に出力オンタイミングであると判定することで、128m秒の点滅周期を作っている。
出力オンタイミングである場合(ステップS502;Y)は、普図保留表示器での表示態様が規定された普図保留数表示テーブル1,2のうちの、普図保留数表示テーブル1を設定し(ステップS503)、出力オンタイミングでない場合(ステップS502;N)は、普図保留数表示テーブル2を設定する(ステップS504)。そして、設定した普図保留数表示テーブルから普図保留数に対応する表示データを取得し、RAM111C内に設けられた普図保留表示器用のセグメント領域にセーブする(ステップS505)。本実施形態では、普図保留数が「0」〜「2」の何れかであれば、どちらの普図保留数表示テーブルが設定された場合であっても、表示データは同じになる。
次に、出力オンタイミングであるかを判定し(ステップS506)、出力オンタイミングである場合(ステップS506;Y)は、特図1保留表示器での表示態様が規定された特図1保留数表示テーブル1,2のうちの、特図1保留数表示テーブル1を設定し(ステップS507)、出力オンタイミングでない場合(ステップS506;N)は、特図1保留数表示テーブル2を設定する(ステップS508)。そして、設定した特図1保留数表示テーブルから特図1保留数に対応する表示データを取得し、RAM111C内に設けられた特図1保留表示器用のセグメント領域にセーブする(ステップS509)。
その後、出力オンタイミングであるかを判定し(ステップS510)、出力オンタイミングである場合(ステップS510;Y)は、特図2保留表示器での表示態様が規定された特図2保留数表示テーブル1,2のうちの、特図2保留数表示テーブル1を設定し(ステップS511)、出力オンタイミングでない場合(ステップS510;N)は、特図2保留数表示テーブル2を設定する(ステップS512)。そして、設定した特図2保留数表示テーブルから特図2保留数に対応する表示データを取得し、RAM111C内に設けられた特図2保留表示器用のセグメント領域にセーブする(ステップS513)。さらに、ラウンド表示部での表示態様が規定されたラウンド表示テーブルを設定して(ステップS514)、ラウンド表示LEDポインタに対応する表示データを取得し、RAM111C内に設けられたラウンド表示部用のセグメント領域にセーブする(ステップS515)。
次に、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第1遊技状態表示部76での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル1を設定して(ステップS516)、遊技状態表示番号に対応する表示データを取得し、RAM111C内に設けられた第1遊技状態表示部76用のセグメント領域にセーブする(ステップS517)。本実施形態では、1個のLEDからなる第1遊技状態表示部76を、通常中には消灯させ、特図時短中(普電サポート中)には点灯させるよう構成されている。
その後、右打ちの遊技状況であることを報知する第2遊技状態表示部77での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル2を設定して(ステップS518)、遊技状態表示番号2に対応する表示データを取得し、RAM111C内に設けられた第2遊技状態表示部77用のセグメント領域にセーブする(ステップS519)。本実施形態では、1個のLEDからなる第2遊技状態表示部77を、通常打ち(左打ち)時には消灯させ、右打ち時には点灯させるよう構成されている。
そして、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっている場合にオンとされる高確率報知フラグがオンであるかを判定し(ステップS520)、高確率報知フラグがオンであれば(ステップS520;Y)、高確率報知LED(第3遊技状態表示部78)のオフデータをセグメント領域にセーブして、セグメントLED編集処理を終了する。
〔外部情報編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS114)の詳細について説明する。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップS105)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)、磁石不正監視処理(ステップS112)、盤電波不正監視処理(ステップS113)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
図57及び図58に示すように、外部情報編集処理では、まず、ガラス枠開放エラーの発生中でもなく(ステップS801;N)、本体枠開放エラーの発生中でもない場合(ステップS802;N)には、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS803)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS804)、ステップS807の処理に移行する。
一方、ガラス枠開放エラーの発生中である場合(ステップS801;Y)、あるいは、本体枠開放エラーの発生中である場合(ステップS802;Y)には、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS805)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS806)、ステップS807の処理に移行する。
そして、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータの初期化が行われた時から所定時間(例えば256m秒)を計時するセキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS807)。なお、セキュリティ信号制御タイマの初期値は、メイン処理においてRAMクリアで起動したときのRAM初期値設定時に設定され、セキュリティ信号制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS808)。
セキュリティ信号制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS808;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS809)、ステップS810の処理に移行する。また、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」である場合(ステップS808;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、ステップS809の処理を行わずに、ステップS810の処理に移行する。
そして、磁石不正の発生中である場合(ステップS810;Y)、盤電波不正の発生中である場合(ステップS811;Y)、枠電波不正の発生中である場合(ステップS812;Y)、普電不正の発生中である場合(ステップS813;Y)、あるいは、大入賞口不正の発生中である場合(ステップS814;Y)は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS816)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS817)、ステップS818の処理に移行する。すなわち、エラーの発生が外部情報として出力される。
一方、磁石不正の発生中でもなく(ステップS810;N)、盤電波不正の発生中でもなく(ステップS811;N)、枠電波不正の発生中でもなく(ステップS812;N)、普電不正の発生中でもなく(ステップS813;N)、大入賞口不正の発生中でもない場合(ステップS814;N)は、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS815)、ステップS818の処理に移行する。
そして、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理(ステップS818)を行い、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理(ステップS819)を行う。次に、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための図柄確定回数制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS820)。なお、図柄確定回数制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、図柄確定回数制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS821)。
図柄確定回数制御タイマの値が「0」である場合(ステップS821;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、図柄確定回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS822)、ステップS824に移行する。また、図柄確定回数制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS821;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、図柄確定回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS823)、ステップS824に移行する。
次に、小当りAの場合に外部情報の出力タイミングを制御するための外部情報出力タイマが「0」であるかを判定する(ステップS824)。外部情報出力タイマが「0」である場合(ステップS824;Y)は、外部情報編集処理を終了する。また、外部情報出力タイマが「0」でない場合(ステップS824;N)は、外部情報出力タイマを−1更新する(ステップS825)。なお、外部情報出力タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、外部情報出力タイマの値が「0」となったかを判定する(ステップS826)。
外部情報出力タイマの値が「0」でない場合(ステップS826;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、外部情報編集処理を終了する。また、外部情報出力タイマの値が「0」となった場合(ステップS826;Y)、すなわちタイムアップした場合は、小当りの開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS827)、外部情報編集処理を終了する。ここでは大当り1信号をONとする。これにより、大当り1信号が小当りAに基づく第2特別遊技状態の開始から所定時間の経過後(ここでは26000ms後)に出力されるようになる。
このように外部情報出力タイマによって外部情報の出力タイミングを制御することで、任意のタイミングで外部情報を出力するように設定することができる。ここでは小当りAの開始に関する信号を第2特別遊技状態の開始から所定時間の経過後に出力するようにしているが、このタイミングは特定演出において小当りAであることが判明する結果演出の開始タイミングである。このタイミングまで外部情報の出力を待機することで、遊技機に隣接して設けられた外部装置の表示により遊技者が小当りであることを把握できてしまうことを防止できる。
なお、小当りAと途中まで同じ動作態様及び演出態様とする大当りの場合は、特定演出において大当りであることが判明するタイミングよりも後の2ラウンド目から大当りの開始に関する信号を出力するようにしている。2ラウンド目から出力するようにすることで、特図ゲーム処理タイマのタイムアップに伴い外部情報を出力させるように設定でき、別途の外部情報出力タイマを用いなくてもよいため、制御の負担を軽減することができる。もちろん小当りAの場合と同様に特定演出において大当りであることが判明するタイミングから外部情報を出力するようにしても良い。
また、別途の外部情報出力タイマを設けるようにしたが、特図ゲーム処理タイマなどの他の処理で用いるタイマの値を監視して同様の制御を行うようにしても良い。また、小当りの開始に関する信号に限られず、大当りの開始に関する信号などの他の外部情報についても外部情報出力タイマによって出力タイミングを制御するようにしても良い。
〔メイン処理〕
次に、演出を制御する演出制御装置300での制御について説明する。上述のような演出を行うために本実施形態の遊技機では、演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311によって図59に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。図59に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25やタッチパネル29の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出ボタン25やタッチパネル29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25やタッチパネル29からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)には、画面描画を指示する(ステップC17)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や枠装飾装置18などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行う。そして、可動演出装置の初期動作の設定を行う初期動作処理を行い(ステップC20)、演出モードを管理するための演出モード管理処理を行って(ステップC21)、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図60には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、当該受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステップC208)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC210;Y)には、当該受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図61には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップC234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC234;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC241;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するために必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、或いは先読み予告演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(或いはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り始動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
〔大当り系コマンド処理〕
図62には、上述の受信コマンド解析処理における大当り系コマンド処理(ステップC238)を示した。この大当り系コマンド処理では、まず、MODEはファンファーレであるかを判定する(ステップC401)。すなわち、受信したコマンドが図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドや小当りファンファーレコマンドであるかを判定する。そして、MODEはファンファーレである場合(ステップC401;Y)は、大当り種類や小当り種類に応じたファンファーレ状態時における表示画像の設定などを行うファンファーレ演出設定処理を行い(ステップC402)、P機状態をファンファーレ中に設定して(ステップC403)、大当り系コマンド処理を終了する。
MODEはファンファーレでない場合(ステップC401;N)は、MODEはラウンドであるかを判定する(ステップC404)。すなわち、受信したコマンドが特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドであるかを判定する。そして、MODEはラウンドである場合(ステップC404;Y)は、ラウンド数表示情報の更新などを行うラウンド演出設定処理を行い(ステップC405)、P機状態をラウンド中に設定し(ステップC406)、大当り系コマンド処理を終了する。
MODEはラウンドでない場合(ステップC404;N)は、MODEはインターバルであるかを判定する(ステップC407)。すなわち、受信したコマンドがラウンド間のインターバルに関するインターバルコマンドであるかを判定する。そして、MODEはインターバルである場合(ステップC407;Y)は、大当り種類や小当り種類、ラウンド数に応じたインターバル状態時における演出の設定を行うインターバル演出設定処理を行い(ステップC408)、P機状態をインターバル中に設定し(ステップC409)、大当り系コマンド処理を終了する。また、MODEはインターバルでない場合(ステップC407;N)は、MODEはエンディングであるかを判定する(ステップC410)。すなわち、受信したコマンドが最終ラウンド終了後のエンディングに関するエンディングコマンドであるかを判定する。
MODEはエンディングである場合(ステップC410;Y)は、例えば、特別遊技状態の終了後に高確率状態になる場合には、高確率状態となる旨の報知を行う画面情報を設定するなど、大当り終了後の遊技状態に対応する画面情報の設定などを行うエンディング演出設定処理を行い(ステップC411)、P機状態をエンディング中に設定し(ステップC412)、大当り系コマンド処理を終了する。また、MODEはエンディングでない場合(ステップC410;N)は、MODEはカウントであるかを判定する(ステップC413)。すなわち、受信したコマンドが第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39への入賞に基づく大入賞口カウントコマンドであるかを判定する。
MODEはカウントでない場合(ステップC413;N)は、大当り系コマンド処理を終了する。MODEはカウントである場合(ステップC413;Y)は、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39への入賞に対応した演出を設定するカウント演出設定処理(ステップC414)を行い、大当り系コマンド処理を終了する。
ファンファーレ演出設定処理(ステップC402)、ラウンド演出設定処理(ステップC405)、インターバル演出設定処理(ステップC408)では、大当り種類や小当り種類、ラウンド数に応じた演出を設定する。これにより、特に図11〜図14に示したような演出や右打ち指示表示の表示の設定、開放報知手段39dや当り報知部43の点灯、消灯の設定が行われる。
〔第1変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、発射方向の指示の開始タイミングが異なる。図63には、特別遊技状態における発射方向の報知の一例について示した。図63(a)には、図13に示したように結果が16R確変C、16R確変D及び6R確変Bである場合について示した。
この場合、ファンファーレ状態の後の1ラウンド目が左打ちで狙う第2特別変動入賞装置39を開放するラウンドであるので、ファンファーレ状態の開始に伴い開放報知手段39dが第2特別変動入賞装置39を狙うことを報知する状態(左打ちを指示する状態)とされる(t132)。このように第2特別変動入賞装置39が開放されるよりも前から報知を開始することで、遊技者が確実に入賞させることが可能となる。
この開放報知手段39dによる報知は、第2特別変動入賞装置39が開放される1ラウンド目の終了まで継続される。すなわち、2ラウンド目は第1特別変動入賞装置38が開放されることから右打ちとなるため、この2ラウンド目が開始される前のインターバル状態の開始で開放報知手段39dによる報知が終了するようにしている。これにより、第2特別変動入賞装置39の開放が終了した後に無駄に遊技球を発射することを防止できる。
右打ち指示表示では、ファンファーレ状態の後の1ラウンド目が左打ちで狙う第2特別変動入賞装置39を開放するラウンドであるので、ファンファーレ状態の開始に伴い左打ちに対応した状態とされる(t132)。これにより、特別遊技状態の開始前の遊技状態が右打ちをする遊技状態であった場合に、第2特別変動入賞装置39が開放されるよりも前から左打ちに戻すことができて遊技者が確実に入賞させることが可能となる。なお、特別結果の導出時(t131)から左打ちに対応した状態としても良い。
そして、第1特別変動入賞装置38が開放されて右打ちとなる2ラウンド目の開始よりも前のインターバル状態の開始時から右打ちを指示する状態とされる。第1特別変動入賞装置39が開放されるよりも前から右打ち報知を開始することで、遊技者が確実に入賞させることが可能となる。
一括表示装置50における第2遊技状態表示部77での右打ち報知は、特別遊技状態の開始時に左打ちを指示する状態とされ、2ラウンド目の開始時に右打ちを指示する状態とされる。すなわち、右打ち報知では遊技状況に対応した報知が行われる。
図63(b)には、特別遊技状態が終了する際の例を示した。開放報知手段39dによる報知は、第2特別変動入賞装置39が開放されないため報知を行わない状態が継続される。仮に16ラウンド目が第2特別変動入賞装置39を開放するラウンドであった場合には、16ラウンド目においては第2特別変動入賞装置39を狙うことを報知する状態とし、16ラウンド目が終了してエンディング状態が開始される際に報知を終了するようにする(t173)。これにより、第2特別変動入賞装置39の開放が終了した後に無駄に遊技球を発射することを防止できる。
右打ち指示表示は、16ラウンド目の終了までは第1特別変動入賞装置38が開放されるため、右打ちを指示する状態とされる。そして、16ラウンド目が終了してエンディング状態が開始されると(t173)、特別遊技状態の終了後の特図変動表示ゲームにおける発射方向に対応した表示とされる。ここでは特別遊技状態の終了後は必ず普電サポート状態となるため右打ちを指示する状態が継続されるが、特別遊技状態の終了後に普電サポート状態とならない場合がある場合には、このエンディング状態の開始から左打ちを指示する状態とする。
また、右打ち報知についても、特別遊技状態の終了後は必ず普電サポート状態となるため右打ちを指示する状態が継続されるが、特別遊技状態の終了後に普電サポート状態とならない場合がある場合には、特別遊技状態の終了(t174)から左打ちを指示する状態とする。すなわち、右打ち報知では遊技状況に対応した報知が行われるようにする。
以上のように、遊技状況が変化して狙うべき検出部が変更されることが予定されている場合に、当該予定されているタイミングよりも前から当該変更後の狙うべき検出部に応じた発射態様を指示可能であることで、遊技者に発射方向を変更するための猶予を与え、確実に利益を得られるようにすることができる。なお、発射方向が変化する前から変化後の発射方向を報知する場合、すなわち右打ち報知での報知と異なる発射方向の報知を行う場合には、当該報知が変化後の発射方向を報知していることを示す予告報知を併せて行うようにしても良い。また、予告報知では、発射方向が変更されるまでの残り時間の報知を行うようにしても良い。
以上のことから、始動条件の成立に基づき、識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機10において、遊技球が流下可能な遊技領域32と、遊技領域32に設けられ遊技球を検出可能な複数の検出部(第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)と、遊技状況に応じて、狙うべき検出部への遊技球の発射態様を指示する報知手段(遊技制御装置100、第2遊技状態表示部77、演出制御装置300、開放報知手段39d、表示装置41)と、を備え、報知手段は、遊技状況が変化して狙うべき検出部が変更されることが予定されている場合に、当該予定されているタイミングよりも前から当該変更後の狙うべき検出部に応じた発射態様を指示可能であることととなる。したがって、遊技者に発射方向を変更するための猶予を与え、確実に利益を得られるようにすることができる。
また、検出部として、特別遊技状態において遊技球が入賞不能な閉状態から遊技球が入賞可能な開状態に変換可能な特別変動入賞装置をなす第1特別変動入賞装置38及び第2特別変動入賞装置39と、特別遊技状態において第1特別変動入賞装置38及び第2特別変動入賞装置39の動作制御を行う動作制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、動作制御手段は、特別遊技状態におけるラウンド毎に第1特別変動入賞装置38及び第2特別変動入賞装置39のうちの一方を開放するように制御し、報知手段は、特別遊技状態における初回のラウンドと、2回目以降のラウンドであって当該ラウンドが開始されることにより開放する特別変動入賞装置が変更されるラウンドである特定ラウンドと、のいずれか一方又は両方において、当該ラウンドの開始よりも前から当該ラウンドで狙うべき特別変動入賞装置に応じた発射態様を指示可能であることとなる。
また、報知手段は、特定ラウンドの直前のラウンドにおける特別変動入賞装置の開放がすべて終了した後から当該特定ラウンドで狙うべき特別変動入賞装置に応じた発射態様を指示可能であることとなる。
また、検出部として、特別遊技状態において遊技球が入賞不能な閉状態から遊技球が入賞可能な開状態に変換可能な特別変動入賞装置を備え、報知手段は、特別遊技状態における特別変動入賞装置の開放がすべて終了してからゲームが開始されるまでの間に、ゲームの実行中における発射態様を指示可能であることとなる。
また、報知手段は、遊技状況が変化して狙うべき検出部が変更されることが予定されている場合に、当該予定されているタイミングよりも前から当該変更後の狙うべき検出部に応じた発射態様を指示する場合には、当該予定されているタイミングからの発射態様を指示していることを示す予定報知を行うようにしたこととなる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。