<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作ハンドル24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、演出ボタン25右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作ハンドル24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の左部及び右部には、動作する可動演出部材によって、特図変動表示ゲームを含む遊技の演出を行う可動演出装置をなす盤演出装置44が設けられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
また、センターケース40の左下部には、表示装置41で表示する飾り特図変動表示ゲームとは別に飾り特図変動表示ゲームを実行する第4図柄の表示や、始動記憶数の表示を行うサブ情報表示装置90が設けられている。
このサブ情報表示装置90は、第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを実行する第4図柄を表示するサブゲーム表示部をなす単一の発光部で構成された第1サブゲーム表示部91と、第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを実行する第4図柄を表示するサブゲーム表示部をなす単一の発光部で構成された第2サブゲーム表示部92と、を備える。さらに、二つの発光部により第1特図変動表示ゲームを実行する権利である第1始動記憶の数を示す第1サブ表示部93と、二つの発光部により第2特図変動表示ゲームを実行する権利である第2始動記憶の数を示す第2サブ表示部94と、を備える。
第1サブゲーム表示部91と、第2サブゲーム表示部92では、対応する特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す表示や、結果を示す表示を発光部の消灯、点滅、点灯により表示可能である。また、第1サブ表示部93、第2サブ表示部94は、第1始動記憶(特図1保留)、第2始動記憶(特図2保留)の数を、それぞれ二つの発光部の消灯、点滅、点灯により表示可能である。
サブ情報表示装置90を表示装置41とは別途に設けたことで、第4図柄を表示装置41に表示することにより表示装置41の表示領域を占有することがなく、表示領域を有効に活用することができる。なお、サブ情報表示装置90は、盤演出装置44の動作範囲外に設けられており、盤演出装置44が動作する過程でサブ情報表示装置90が覆われてしまうことがないようにされている。
遊技領域32におけるセンターケース40の下方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート34(普図始動ゲート、始動領域、流入領域)が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって普図始動ゲート34よりも下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口、始動領域、流入領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
また、始動入賞口36の直下には、第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動領域、流入領域)が設けられている。
普通変動入賞装置37は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにものとしても良い。
また、普通変動入賞装置37の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
さらに、遊技領域32におけるセンターケース40の下方であって、始動入賞口36よりも右側には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。本実施形態の遊技機では、大入賞口スイッチ38aが2つ設けられ、大入賞口内に流入した遊技球は何れかの大入賞口スイッチ38aに検出されるようになっている。このように大入賞口スイッチ38aを複数設けることで、大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。
本実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37や特別変動入賞装置38への入賞を狙うことができるようになっている。
ここで、本実施形態の遊技機10において、右側遊技領域に対応する位置には、センターケース40の右端部に取り付けられた流路形成部材42が配設されており、右側遊技領域へと発射された遊技球は、流路形成部材42によって形成される流路を通過するよう構成されている。なお、流路形成部材42の少なくとも前面の材質は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球を外部から視認可能な材質になっているので、遊技者等は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球(すなわち、右側遊技領域を流下する遊技球)を、流路形成部材42の前方から流路形成部材42を透して視認することができる。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54,55,56とを備える。
また、一括表示装置50には、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態であることを報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器、右打ち報知部)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器、時短状態報知部)58、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)59、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
なお、一括表示装置50には、更に、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する表示部(表示器)等が設けられていてもよい。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。点滅周期は、例えば100m秒に設定されている。なお、本実施形態の場合、特図1表示器51における特図変動表示ゲームにおいては、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するよう構成されている。
そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。また、普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。
第1遊技状態表示部(右打ち報知部)57は、LEDランプ等で構成され、右打ちよりも左打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(通常打ち時)にはランプを消灯状態にし、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(右打ち時)にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示部(時短状態報知部)58は、LEDランプ等で構成され、時短状態が発生していない通常の遊技状態の場合(変動時間短縮機能未作動時)にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合(変動時間短縮機能作動時)にはランプを点灯状態にする。
第3遊技状態表示部(確率状態表示部)59は、LEDランプ等で構成され、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部60は、LEDランプ等で構成され、例えば、特別遊技状態中でない場合にはランプを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。すなわち、遊技制御装置100が電源遮断状態でも記憶したデータを保持可能なバックアップ記憶手段なす。そして、電源復旧時にはバックアップ記憶手段により保持されたデータに基づき制御を再開可能に構成されている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当り又は小当り)あるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a及び大入賞口スイッチ38aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。
また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
さらに、第3入力ポート124には、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられた確率設定値を複数から選択するための操作部における操作を検出する検出手段をなす設定値変更スイッチ151と設定キースイッチ152からの信号が入力される。
設定キースイッチ152は、操作部のうちの第1操作部をなす設定キー操作部の操作を検出するものである。設定キー操作部は、設定キーを差し込む鍵穴を備え、対応する設定キーを差し込んだ場合にのみ第1位置から第2位置(所定状態)へ当該設定キーを回すことができるように構成されている。設定キースイッチ152は、第2位置へ回した状態となっていることを検出可能なセンサであり、第2位置に回した状態である場合にオン状態となり、第2位置に回していない状態である場合にオフ状態となる。
設定値変更スイッチ151は、操作部のうちの第2操作部をなす設定値変更ボタンの操作を検出するものである。設定値変更ボタンはプッシュ式のボタンであり、設定値変更スイッチ151は、設定値変更ボタンが押下されている状態である場合にオン状態となり、押下されていない場合にオフ状態となる。
これらの操作部を操作することで、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられた確率設定値を選択することができ、選択された確率設定値に対応する確率値が遊技で使用されるようになっている。ここでは確率設定値として設定1〜設定6の6つが用意されている。各確率設定値に割り当てられた確率値は、設定1では1/320、設定2では1/310、設定3では1/300、設定4では1/290、設定5では1/280、設定6では1/270とされている。この確率値は通常確率状態での確率値であり、高確率状態での確率値は通常確率状態での確率値の10倍とされている。
確率設定値を選択する際には、まず、前面枠12を開放した状態とし、さらに設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態で遊技機の電源を投入することで確率設定値を変更可能な確率設定値変更状態となり、この確率設定値変更状態で設定値変更ボタンを押下することで確率設定値を変更することができるようになっている。選択されている確率設定値は確率設定値表示装置153に表示される。
また、前面枠12が閉鎖された状態で設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態として電源を投入した場合や、遊技機の電源を投入した後に設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した場合は、現在選択されている確率設定値が確率設定値表示装置153に表示されるが確率設定値の変更はできない確率設定値確認モードとなる。
確率設定値表示装置153は7セグメント式のディスプレイであり、確率設定値を1〜6の数字で表示するようになっている。もちろん表示態様はこれに限られず、確率設定値を認識できる表示態様であれば良い。また、液晶表示装置など他の形式の表示装置でも良いし、一又は複数のLEDの点灯態様や発光色等により確率設定値を示すものであっても良い。また、確率設定値表示装置153を設けず、算出されたベース値や役物比率を表示するための状態表示装置160を用いて確率設定値の情報を表示するようにしても良い。この場合、確率設定値に関する操作をしている間(確率設定値変更状態や確率設定値確認モードなど)では確率設定値の情報を表示し、それ以外は算出されたベース値や役物比率の表示を優先するようにする。
なお、本実施形態では設定値変更ボタン、設定キー操作部及び確率設定値表示装置153などを遊技制御装置100に設けており、遊技制御装置100が、特図変動表示ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を操作部の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段をなすものとしている。この設定手段の機能を設定用副基板に設け、遊技制御装置100に接続する構成としても良い。すなわち、遊技制御装置100とは別個に設定手段を備えるようにしても良い。この場合、設定値変更スイッチ151や設定キースイッチ152の操作信号が遊技制御装置100に入力されて遊技制御装置100で確率設定値の変更を行うようにしても良いし、設定用副基板側で設定値変更スイッチ151や設定キースイッチ152の操作に基づき確率設定値を変更して決定し、決定結果が遊技制御装置100に送信されるようにしても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)、アウト球検出スイッチ信号(遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出するアウトスイッチでの検出に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、第2出力ポート134は、算出されたベース値や役物比率を表示するための状態表示装置160の表示データを出力する。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。また、出力部130には、選択されている確率設定値を表示する確率設定値表示装置153の表示データを出力するための第6出力ポート170が設けられている。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第2出力ポート134から出力される表示データを受けて状態表示装置160に表示させるための第5ドライバ138eが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46やサブ情報表示装置90を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、前面枠12やガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備え、動作する可動演出部材によって、特図変動表示ゲームを含む遊技の演出を行う可動演出装置をなす枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図3参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図始動記憶数が上限数(例えば、4個)未満ならば普図始動記憶数を加算(+1)してROM111Bに普図始動記憶を1つ記憶する。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、ゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき抽出された普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっている。
そして、普図始動記憶があり普図変動表示ゲームを開始可能な場合、すなわち、普図変動表示ゲームの実行中でなく、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37を開状態に変換する当り状態でもない場合は、最先に記憶された普図始動記憶に記憶された当り判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定し、普図変動表示ゲームを開始する処理を行う。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
また、遊技制御装置100は普図変動表示ゲームを実行する処理として、一括表示装置50に設けられた普図表示器53に、所定の変動時間に亘り予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する普図変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。なお、普図表示器53を表示装置41で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。
普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、当りの種類に対応して普図表示器53に特別の結果態様をなす第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の何れかとなる点灯パターンを停止表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.5秒間又は1.7秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様となる点灯パターンを表示する制御を行う。
また、始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれ内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、始動入賞口36への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第1始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶するとともに、普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第2始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶する。始動入賞口36や普通変動入賞装置37への入賞に基づき、それぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出されるようになっており、抽出された乱数値は、第1始動記憶や第2始動記憶としてRAM111Bに記憶される。そして、この始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の特図1保留表示器54や特図2保留表示器55に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。また、サブ情報表示装置90の第1サブ表示部91や第2サブ表示部92においても表示される。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが開始可能な状態となると、開始する特図変動表示ゲームに応じた最先の始動記憶に記憶された大当り判定用乱数値と、ROM111Bに記憶され、確率設定値に応じて設定される判定値と比較し、特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理などを行う。さらに、遊技制御装置100のCPU111Aは、実行する特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。
そして、第1特図変動表示ゲームを実行する場合は、所定の変動時間に亘り特図1表示器51(変動表示装置)で予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する特図1変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する第1特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、第2特図変動表示ゲームを実行する場合は、所定の変動時間に亘り特図2表示器52(変動表示装置)で予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する特図2変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する第2特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41(変動表示装置)で特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、サブ情報表示装置90のサブゲーム表示部で特図変動表示ゲームに対応して発光部の発光態様を変化させる飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1表示器51又は特図2表示器52に特別結果態様や小当り結果態様となる点灯パターンを表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理を行う。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様や小当り結果態様となる。
特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置100のCPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51又は特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態、第2動作状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が0に設定されている。すなわち、普通変動入賞装置37の動作状態を、第1動作状態と、該第1動作状態よりも入賞が容易な第2動作状態と、の何れかの動作状態で制御するように構成されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、例えば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、例えば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×3回)、となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行うよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定しても良く、例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動時間よりも短い第2変動時間となるように制御することが可能である(例えば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば、2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、例えば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、例えば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
なお、特図1表示器51と特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行(優先して実行)されるようになっている。また、本実施形態の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出するアウトスイッチには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5及び図6に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図7に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図5及び図6に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップS4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート3(第3入力ポート124)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第3入力ポート124には、設定値変更スイッチ151及び設定キースイッチ152からの信号や本体枠開放検出スイッチからの信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第3入力ポート124の状態を読み込むことで、電源投入時における設定値変更スイッチ151及び設定キースイッチ152の状態や、前面枠12(本体枠)の開放状態を把握することができる。すなわち、遊技制御装置100が前面枠12の開閉状態を検出可能な開閉検出手段をなす。上述したように、前面枠12を開放した状態とし、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態で電源を投入した場合には、確率設定値を変更可能な確率設定値変更状態となる。また、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態とせず、設定値変更ボタンを押下した状態で電源を投入した場合には、RAM111Cのクリア(初期化)が行われるようになっている。設定キー操作部や設定値変更ボタンは前面枠12を開状態としなければ操作できないものであることから前面枠12の開放が条件とされている。
待機時間の開始前に第3入力ポート124の状態を読み込むことで、設定値変更ボタンの操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定値変更スイッチ151の状態を読み込むようにすると、電源投入から待機時間の経過まで設定値変更ボタンを操作し続ける必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても良くなり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(ステップS15)。
次いで、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップS16)、正常であれば(ステップS16;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップS17)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS18)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS19)。すなわち、遊技制御装置100が、電源の投入時に記憶手段に記憶されている情報が正当なものであるかを判定する正当性判定手段をなす。チェックサムが一致する場合(ステップS19;Y)は、RAMクリア先頭アドレス2を設定し(ステップS20)、確率設定値変更状態であるかを判定する(ステップS21)。確率設定値変更状態である場合には確率設定値変更中フラグがセットされていることから判別可能である。
この確率設定値変更状態である場合(ステップS21;Y)は、ステップS35に移行し、RAMの初期化の処理と確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理を行う。なお、ここで確率設定値変更中であると判定されるのは、確率設定値変更状態中に電源が遮断され、RAMのデータが正常にバックアップされていた場合であり、この場合は再び確率設定値変更状態となるようにされている。また、確率設定値変更状態でない場合(ステップS21;N)は、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から本体枠(前面枠12)は開放状態であるかを判定する(ステップS22)。
RAM111Cの記憶領域には、先頭から順に確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域、遊技制御用の領域、状態表示用の領域が設定されている。確率設定値用の領域には、現在設定されている確率設定値の情報を格納する確率設定値領域や、確率設定値の変更又は確認の処理で一時的に各種情報を格納する作業領域が設定される。この作業領域には、確率設定値変更状態で選択されている確率設定値の情報を格納する作業用確率設定値領域や、各種フラグを格納する領域が含まれる。また、初期値乱数用の領域には随時更新される大当り図柄初期値乱数、小当り図柄初期値乱数、当り初期値乱数、当り図柄初期値乱数が格納される。また、変動パターン乱数用の領域には、随時更新される変動パターン乱数1〜3が格納される。また、遊技制御用の領域には、遊技制御を行うために必要な情報(各種データやプログラム)が格納されるワーク領域や、スタック領域が設定される。また、状態表示用のワーク領域には、ベース値や役物比率などを表示するために必要な情報が格納されるワーク領域や、スタック領域が設定される。
ベース値は、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球(セーフ球及びアウト球)を検出するアウトスイッチでの遊技球の検出数や入賞領域への入賞に基づく払出数から算出される値であり、ベース値を表示するために必要な情報は、例えば、アウトスイッチでの遊技球の検出数に関する情報と、入賞領域への入賞に基づく払出数に関する情報とを含む。また、役物比率は、遊技機10の電源投入から現在までに入賞口に入賞したことで得られた全賞球数(賞球の合計数)のうち、大当り状態中(すなわち、ファンファーレ及びエンディング中は除外)に大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(いわゆる連続役物比率)であり、役物比率を表示するために必要な情報は、例えば、全賞球数(賞球の合計数)に関する情報と、賞球数(役物別獲得球数)に関する情報とを含む。
RAMクリア先頭アドレス2は、初期値乱数用の領域の先頭アドレスであり、このアドレスを設定した状態でRAMをクリアする処理を行うことで、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域がクリアされることとなる。なお、初期値乱数用の領域及び変動パターン乱数用の領域をクリア対象に含めないようにしても良い。また、後述するRAMクリア先頭アドレス1は、確率設定値用の領域の先頭アドレスであり、このアドレスを設定した状態でRAMをクリアする処理を行うことで、確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域(ワーク領域とスタック領域)がクリアされることとなる。さらに、後述するRAMクリア先頭アドレス3は、遊技制御用の領域の先頭アドレスであり、このアドレスを設定した状態でRAMをクリアする処理を行うことで、遊技制御用の領域がクリアされることとなる。
なお、状態表示用の領域については、後述するタイマ割込み処理での状態表示編集出力処理において正当性を判定して異常である場合に初期化するようにしているが、バックアップされた情報が正常でない場合に設定されるRAMクリア先頭アドレス1が設定された状態でのRAMをクリアする処理において状態表示用の領域についても初期化するようにしても良い。すなわち、RAMクリア先頭アドレス1が設定された状態でのRAMをクリアする処理では、RAM111Cの全ての領域を初期化するようにしても良い。
ステップS18及び後述のステップS57のチェックサム算出処理では、遊技制御用のワーク領域のみを対象としてチェックサムを算出する。なお、確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域、遊技制御用の領域及び状態表示用の領域のうちの一つ又は複数を対象としても良い。複数の領域を対象とする場合、それぞれの領域のチェックサムを個別に算出しておき、正当性を個別に判定するようにしても良いし、それぞれの領域のチェックサムを合算し、正当性を一括して判定するようにしても良い。
本体枠が開放状態である場合は(ステップS22;Y)は、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から設定キースイッチがオン状態であるかを判定する(ステップS23)。設定キースイッチがオン状態である場合(ステップS23;Y)は、ステップS35に移行し、RAMの初期化の処理と確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理を行う。また、設定キースイッチがオン状態でない場合(ステップS23;N)や、本体枠が開放状態でない場合(ステップS22;N)は、ステップS24に移行し、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から設定値変更スイッチがオン状態であるかを判定する(ステップS24)する。
設定値変更スイッチがオン状態でない場合(ステップS24;N)は、ステップS30に移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。また、設定値変更スイッチがオン状態である場合(ステップS24;Y)は、ステップS41に移行し、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用のRAM領域の初期化の処理を行う。すなわち、設定値変更スイッチ151が、外部からの操作が可能な初期化操作部としての機能も有し、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
一方、停電検査領域の値が正常なチェックデータでないと判定された場合(ステップS16;NもしくはステップS17;N)、チェックサムが一致しないと判定された場合(ステップS19;N)は、ステップS25へ移行して、全てのRAM領域の初期化の処理を行う。すなわち、確率設定値用のRAM領域及び状態表示用のRAM領域は、RAM異常が生じた場合にのみ初期化される。また、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用のRAM領域は、上述したように設定値変更スイッチ151がオンにされた場合だけでなく、RAM異常が生じた場合にも初期化される。
まず、RAMクリア先頭アドレス1を設定し(ステップS25)、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から本体枠(前面枠12)は開放状態であるかを判定する(ステップS26)。本体枠が開放状態である場合は(ステップS26;Y)は、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から設定キースイッチがオン状態であるかを判定する(ステップS27)。設定キースイッチがオン状態である場合(ステップS27;Y)は、ステップS35に移行し、RAMを初期化する処理と確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理を行う。なお、後述するように、ステップS35、S36においてはRAMを初期化するようになっており、この場合はRAMクリア先頭アドレス1が設定されているので、確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域(ワーク領域とスタック領域)がクリアされて初期値がセーブされる。なお、状態表示用の領域についてもここで初期化するようにしても良い。
また、設定キースイッチがオン状態でない場合(ステップS27;N)や、本体枠が開放状態でない場合(ステップS26;N)は、設定変更指示のコマンド(特定情報)を演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS28)、RAMアクセスを禁止し(ステップS29)、制御を停止して遊技機の電源の遮断を待つ。演出制御装置300では、設定変更指示のコマンドを受信することに基づき、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音の出力などにより、確率設定値の変更を促す報知を行う。この報知は遊技機の電源遮断まで継続される。
この場合、遊技機の電源を遮断した後、前面枠12を開放した状態として設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態で再度電源を投入すれば、ステップS27の処理で設定キースイッチがオン状態であると判定され(ステップS27;Y)、ステップS35に移行し、RAMを初期化する処理と確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理を行う。なお、ステップS29に移行して制御が停止した場合に、遊技機の電源を遮断した後に前面枠12を開放せずに又は設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態とせずに再度電源を投入した場合は、RAMのデータが異常なままであるとともに確率設定値変更状態への移行もできないので、再びステップS28、S29の処理に至ることとなる。
なお、ステップS28において演出制御装置300に設定変更指示コマンドを送信することで報知を行うようにしているが、遊技制御装置100が報知を行うようにしても良い。例えば、遊技制御装置100が制御する一括表示装置50において報知を行うようにしても良く、特図1表示器51や特図2表示器52において、識別情報として用いられない表示を行うようにしても良いし、異常を報知するための表示器を設けても良い。
停電から正常に復旧した場合の処理として図6のステップS30では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS30)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS31)。
ここで、特図の高確率中でない場合(ステップS31;N)は、ステップS32,S33をスキップしてステップS34へ移行する。また、特図の高確率中である場合(ステップS31;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS32)、遊技盤30に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS33)。
そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS34)、ステップS45へ進む。本実施形態の場合、ステップS34では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、選択されている確率設定値の情報である確率設定値情報、画面指定コマンド(例えば、客待ち状態中の場合には客待ちデモコマンド、それ以外の場合には復旧画面コマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。特に、演出制御装置300に選択されている確率設定値の情報である確率設定値情報を送信することで、確率設定値に応じた演出を行うことや、確率設定値に応じて遊技の演出の選択確率を異ならせるなど、確率設定値を示唆又は報知する演出を実行可能となる。
画面指定コマンドは、再開された遊技の状態に応じたコマンドを送信する。制御の再開に伴い電源遮断により中断された特図変動表示ゲームを再開する場合には、画面指定コマンドとして復旧情報をなす復旧画面コマンドを送信する。さらにこの場合は、再開される特図変動表示ゲームの結果に関する情報も送信する。また、客待ち状態中に電源が遮断されて電源の復旧により客待ち状態で制御を再開する際には画面指定コマンドとして客待ちデモコマンドを送信する。また、制御の再開に伴い電源遮断により中断された特別遊技状態を再開する場合には、画面指定コマンドとして特別遊技状態再開コマンドを送信する。
また、RAMの初期化の処理と確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理として図6のステップS35では、クリア対象のRAM領域を0クリアし(ステップS35)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS36)。ここで、バックアップされた情報が正常でありステップS21又はS23から移行した場合は、RAMクリア先頭アドレス2が設定されているので、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)が0クリアされて初期値がセーブされる。すなわち、確率設定値用の領域及び状態表示用の領域は初期化されない。ただし、初期値乱数用の領域及び変動パターン乱数用の領域はクリアしなくても良い。
一方、バックアップされた情報が異常でありステップS27から移行した場合は、RAMクリア先頭アドレス1が設定されているので、確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域(ワーク領域とスタック領域)がクリアされて初期値がセーブされる。すなわち、遊技制御装置100が、操作部(ここでは設定キー操作部)の操作に基づき記憶手段を初期化可能な初期化手段をなす。なお、状態表示用の領域についてもここで初期化するようにしても良い。
また、初期化すべき領域とは、0クリアした領域のうち0以外の値をセットしたい領域であり、例えば客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。また、すべてのRAM領域を0クリアした場合には、確率設定値用の領域に0がセットされることにより確率設定値は設定1となる。最も確率が低い確率設定値が設定されるようにしたことで、異常や不正行為によりRAMクリアされた場合でも遊技店の被害を最小限とすることができる。なお、初期値として0以外の値を設定するようにすれば、RAM領域の全てが初期化された際に特定の確率設定値(例えば設定3)が設定されるようにすることもできる。
その後、確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理として確率設定値変更中フラグをセットする(ステップS37)。これにより確率設定値変更状態となる。次に、確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブする(ステップS38)。これにより確率設定値表示装置153に現在設定されている確率設定値の情報を表示可能となる。
そして、確率設定値領域の値をロードし、作業用確率設定値領域にセーブし(ステップS39)、確率設定変更中のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS40)、ステップS45に移行する。演出制御装置300では、確率設定変更中のコマンドを受信することに基づき、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音の出力などにより、確率設定値の変更中である旨を示す報知を行う。なお、RAMが初期化されているが、ここではRAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送信しない。また、セキュリティ信号を出力するための設定も行われる。この場合、タイマを設定して所定時間だけセキュリティ信号が出力されるようにしても良いし、確率設定値変更状態である期間では継続してセキュリティ信号が出力されるようにしても良い。また、ここでは未だRAMの初期化が行われていないことから、セキュリティ信号を出力するための設定を行わないようにしても良い。
また、遊技制御用のRAM領域の初期化の処理として図6のステップS41では、RAMクリア先頭アドレス2を設定し(ステップS41)、クリア対象のRAM領域を0クリアし(ステップS42)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS43)。これにより初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)が0クリアされて初期値がセーブされる。また、セキュリティ信号を出力するためのタイマの設定も行われる。すなわち、遊技制御装置100が、操作部(ここでは設定値変更ボタン)の操作に基づき記憶手段を初期化可能な初期化手段をなす。
そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS44)、ステップS45へ進む。本実施形態の場合、ステップS44では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、選択されている確率設定値の情報である確率設定値情報、RAM初期化コマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。特に、演出制御装置300に選択されている確率設定値の情報である確率設定値情報を送信することで、確率設定値に応じた演出を行うことや、確率設定値に応じて遊技の演出の選択確率を異ならせるなど、確率設定値を示唆又は報知する演出を実行可能となる。
ステップS45では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)
回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS45のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS46)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS47)、割込みを許可する(ステップS48)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS49)を行う。本実施形態において、初期値乱数更新処理では、大当り図柄初期値乱数と、小当り図柄初期値乱数と、当り初期値乱数と、当り図柄初期値乱数とを更新(例えば+1更新)する。ここで、「大当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことであり、「小当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの小当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。また、「当り初期値乱数」は、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数のことであり、「当り図柄初期値乱数」は、普図変動表示ゲームの当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。このように、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。なお、小当り図柄乱数は、小当りのない機種では当然存在しない。また、機種によっては、当り図柄初期値乱数が存在しない遊技機もある。
また、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1、あるいは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップS49の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS50)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS51)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS51;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS49)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS49)の前に割り込みを許可する(ステップS48)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS49での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS51;Y)は、ステップS50で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS52)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS52;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS51)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS52;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS53)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS54)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS55)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS56)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS57)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS58)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS59)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(設定値変更ボタン、設定キー操作部)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
なお、以上のメイン処理において、ステップS28の処理を行った後、ステップS26の処理に戻るようにし、設定キースイッチがオン状態とされるまでステップS26〜S28の処理を繰り返し行うようにしても良い。すなわち、遊技の制御を停止して設定キースイッチがオン状態とされるまで待機するようにしても良い。この場合、ステップS26及びS27では、ステップS6で読み込んだ第3入力ポート124の状態ではなく、現時点での第3入力ポート124の状態に基づき判定を行うようにする。さらに、ステップS26〜S28の処理を繰り返し行う状態が一定時間にわたり継続した場合にはステップS29に移行して電源の遮断を待つようにしても良い。
また、ここでは確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態へ移行する条件を、本体枠(前面枠12)が開放状態であり、設定キースイッチがオン状態であることとしたが、前面枠12の開放状態については条件としなくても良い。また、前面枠12の開放とガラス枠15の開放の両方を条件としても良いし、ガラス枠15の開放のみを条件としても良い。
また、設定キースイッチを備えずに、設定値変更スイッチがオン状態であることのみを条件に確率設定値変更状態に移行するようにしても良い。すなわち、ステップS22、S23の処理を行わず、ステップS24で設定値変更スイッチがオン状態である場合(ステップS24;Y)に図6のステップS35に移行するようにしても良い。この場合、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域を初期化する図6のステップS41〜S44の処理は行われなくなるが、確率設定値変更状態で設定を変更せずに終了する又は同じ確率設定値を設定して終了することで初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域のみの初期化を行うことができる。このように設定値変更スイッチがオン状態であることのみを条件として確率設定値変更状態に移行するようにすれば、従来のパチンコ遊技機におけるRAMクリアスイッチの構成を流用することができる。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、制御手段は、電源遮断状態でも記憶内容を保持可能な記憶手段(RAM111C)と、電源の投入時に記憶手段に記憶されている情報が正当なものであるかを判定する正当性判定手段(遊技制御装置100)と、確率設定値を選択するための操作部の操作に基づき記憶手段を初期化可能な初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、正当性判定手段により、記憶手段に記憶されている情報が正当なものでないと判定された場合に、確率設定値の選択を促す報知を行うようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができる。また、RAM111Cが初期化されることにより、遊技店において設定した確率設定値の情報も失われ初期値が設定されることとなるが、確率設定値の選択を促す報知を行うことで、初期化によって遊技店が意図しない確率設定値が設定されたままの状態となることを防止することができる。
また、制御手段は、電源の投入時に操作部が操作されている場合に確率設定値の選択が可能な状態となるように構成され、正当性判定手段により、記憶手段に記憶されている情報が正当なものでないと判定された場合には、電源の遮断まで確率設定値の選択を促す報知を継続するようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができるとともに初期化によって遊技店が意図しない確率設定値が設定されたままの状態となることを防止することができる。
また、制御手段は、正当性判定手段により、記憶手段に記憶されている情報が正当なものでないと判定された場合に、遊技の制御を停止して確率設定値の選択を待機するようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができるとともに初期化によって遊技店が意図しない確率設定値が設定されたままの状態となることを防止することができる。
また、遊技の制御を行う遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段からの情報に基づき演出の制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、遊技制御手段は、正当性判定手段により、記憶手段に記憶されている情報が正当なものでないと判定された場合に、特定情報を演出制御手段に送信して遊技の制御を停止し、演出制御手段は、特定情報を受信することに基づき確率設定値の選択を促す報知を行うようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができるとともに初期化によって遊技店が意図しない確率設定値が設定されたままの状態となることを防止することができる。
また、演出制御手段は、特定情報を受信した場合には、電源の遮断まで確率設定値の選択を促す報知を継続するようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができるとともに初期化によって遊技店が意図しない確率設定値が設定されたままの状態となることを防止することができる。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、第1操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152))及び第2操作部(設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、制御手段は、電源遮断状態でも記憶内容を保持可能な記憶手段(RAM111C)を備え、電源の投入時に、第1操作部及び第2操作部が操作されていない場合は、記憶手段に記憶保持された情報に基づき復旧し、電源の投入時に、第1操作部が操作されている場合は、設定手段による確率設定値の変更を可能とする変更可能状態とし、電源の投入時に、第2操作部のみが操作されている場合は、記憶手段を初期化するようにしたこととなる。したがって、確率設定値の変更とRAMのクリアの作業を最小限の操作部を用いてそれぞれ選択的に行うことができ、遊技店での作業効率を高めることができる。また、操作部を必要以上に設けなくても良くなり遊技機の製造のコストを低減することができ、さらに、操作部を設けるスペースも少なくて済むようになる。
また、設定手段は、変更可能状態において第2操作部を操作することにより、確率設定値を変更可能であることとなる。したがって、同じ操作部を用いて確率設定値を選択する操作と初期化を選択する操作を行うことができ、遊技店での作業効率を高めることができる。また、操作部を必要以上に設けなくても良くなり遊技機の製造のコストを低減することができ、さらに、操作部を設けるスペースも少なくて済むようになる。
また、制御手段は、電源の投入時に記憶手段に記憶されている情報が正当なものであるかを判定する正当性判定手段(遊技制御装置100)を備え、正当性判定手段により記憶手段に記憶されている情報が正当なものでないと判定された場合であって第1操作部が操作されていない場合には、記憶手段の初期化を促す報知を行うようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができる。
また、制御手段は、電源の投入時に第1操作部が操作されている場合は、設定手段による確率設定値の変更を可能とする変更可能状態とするとともに、記憶手段を初期化するように構成され、正当性判定手段により記憶手段に記憶されている情報が正当なものでないと判定された場合であって第1操作部が操作されていない場合には、第1操作部を操作した状態で電源を投入するように促す報知を行うようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができる。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、複数の操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、設定手段により選択された確率設定値の情報を含む制御手段による遊技の制御に必要な情報を記憶可能な記憶手段(RAM111C)と、を備え、制御手段は、複数の操作部のうち所定の操作部が操作された状態で遊技機の電源が投入された場合に、記憶手段を初期化するようにしたこととなる。したがって、確率設定値の変更とRAMのクリアの作業を最小限の操作部を用いてそれぞれ選択的に行うことができ、遊技店での作業効率を高めることができる。また、操作部を必要以上に設けなくても良くなり遊技機の製造のコストを低減することができ、さらに、操作部を設けるスペースも少なくて済むようになる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図7のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS102)。ステップS102では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS103)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS104)を行う。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新する乱数更新処理1(ステップS105)、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2(ステップS106)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS107)を行う。
次に、確率設定値の変更や確認に関する処理を行う確率設定値変更処理(ステップS108)を行い、確率設定値変更状態であるかを判定する(ステップS109)。確率設定値変更状態である場合には確率設定値変更中フラグがセットされていることから判別可能である。確率設定値変更状態でない場合(ステップS109;N)は、確率設定値確認モードであるかを判定する(ステップS110)。確率設定値確認モードは、確率設定値の変更はできないが現在設定されている確率設定値を確認することができる状態である。
確率設定値確認モードでない場合(ステップS110;N)は、遊技の進行に関する処理として、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS111)、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS112)、普図変動表示ゲームに関す処理を行う普図ゲーム処理(ステップS113)を行う。一方、確率設定値変更状態である場合(ステップS109;Y)や、確率設定値確認モードである場合(ステップS110;Y)は、遊技に関する上記の処理を行わずにステップS114に移行する。すなわち、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードでは、遊技の進行を行うことができない状態とされる。
なお、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードである場合には、払出コマンド送信処理(ステップS111)、特図ゲーム処理(ステップS112)、普図ゲーム処理(ステップS113)を行わないようにしたが、これらのうちの一つ又は複数について行うようにしても良い。例えば、払出コマンド送信処理(ステップS111)は行うようにして賞球の払い出しは行われるようにしても良い。また、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードで行わない処理として上述の処理以外の処理を含んでも良い。例えば、確率設定値変更状態では乱数更新処理1(ステップS105)や乱数更新処理2(ステップS106)を行わないようにし、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードでは乱数の更新を行わないようにしても良い。また、確率設定値変更状態と確率設定値確認モードで実行しないようにする処理の種類が異なっていても良い。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS114)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップS115)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップS116)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS117)を行って、アウトスイッチでの遊技球の検出数や入賞領域への入賞に基づく払出数からベース値を算出する処理等を行う状態表示編集出力処理を行い(ステップS118)、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップS104)の詳細について説明する。図8に示すように、出力処理では、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力する出力ポート135にオフデータを出力(リセット)する(ステップS141)。次に、大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37cのデータを出力する出力ポート134に出力するデータを合成し、出力する(ステップS142)。
そして、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新して(ステップS143)、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得する(ステップS144)。本実施形態の場合、デジットカウンタの値は0から3の範囲で+1更新される。次いで、取得したデータと外部情報データを合成して(ステップS145)、合成したデータ(例えば、「扉・枠開放」のデータ、「セキュリティ信号」のデータ)をデジット・外部情報出力用の出力ポート136に出力する(ステップS146)。
その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(ステップS147)、ロードしたデータをセグメント出力用の出力ポート135に出力する(ステップS148)。これにより、一括表示装置50に設けられた複数の発光表示部がダイナミック制御によって制御されることとなる。
続いて、外部情報の各種出力データを合成し(ステップS149)、合成したデータ(例えば、「大当り信号1」のデータ、「大当り信号2」のデータ、「大当り信号3」のデータ、「大当り信号4」のデータ、「図柄確定回数信号」のデータ、「始動口信号」のデータ、「メイン賞球信号」のデータ)と発射許可の出力データを合成して(ステップS150)、合成したデータを外部情報・発射許可信号出力用の出力ポート137へ出力する(ステップS151)。
次に、確率設定値表示装置153における表示内容として確率設定値表示のオフ出力データを設定し(ステップS152)、確率設定値表示許可フラグがセットされているかを判定する(ステップS153)。確率設定値表示許可フラグは、確率設定値表示装置153に確率設定値に関する表示を許可する場合にセットされるフラグである。
この確率設定値表示許可フラグがセットされている場合(ステップS153;Y)は、確率設定値表示データ領域から確率設定値表示データをロードし(ステップS154)、表示データを確率設定値表示の出力ポート134に出力する(ステップS155)。これにより確率設定値表示装置153に確率設定値に関する表示が行われるようになる。一方、確率設定値表示許可フラグがセットされていない場合(ステップS153;N)は、表示データを確率設定値表示の出力ポート134に出力する(ステップS155)。この場合、ステップS152で設定されたオフ出力データが設定され、確率設定値表示装置153には何も表示されない状態となる。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップS156)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップS157)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップS158)。さらに、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップS159)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート5へ合成したデータを出力する(ステップS160)。
次に、確率設定値の試験信号出力データをロードする(ステップS161)。ここでは、確率設定値表示データ領域から確率設定値表示データを試験信号出力データとしてロードする。すなわち、試験試射装置への試験信号のうち確率設定値に関する情報については、確率設定値表示装置153の表示用のデータをそのまま用いる。これにより、処理が簡単になるとともに、確率設定値の情報が変化することがなく、正確な情報を出力することが可能となる。もちろん表示用のデータを値の情報に変換して出力するようにしても良い。
そして、設定キースイッチがオン状態であるかを判定し(ステップS162)、オン状態でない場合(ステップS162;N)は、ステップS184に移行する。また、オン状態である場合(ステップS162;Y)は、ロードしたデータと設定キースイッチオン情報を合成して(ステップS163)、ステップS184に移行する。その後、合成したデータを試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート6に出力し(ステップS164)、出力処理を終了する。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップS111)の詳細について説明する。図9に示すように払出コマンド送信処理では、まず、入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする(ステップS181)。
入賞数カウンタ領域は遊技制御装置100のRAM111Cに設けられ、入賞数カウンタ領域1と入賞数カウンタ領域2が設けられている。入賞数カウンタ領域1は、払出制御装置200に対して賞球の払い出しを指示するための払出コマンド(賞球指令)を送信するために用いる領域であって、払出コマンドを未だ送信していない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタをなす。
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に外部装置へ出力するメイン賞球信号を送信するために用いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。なお、外部装置には、このメイン賞球信号の他に、払出制御装置200からも実際に払い出した賞球数が所定数(ここでは10個)になる毎に払出賞球信号が出力されるようになっており、この二つの信号を照合することで、不正な払い出しを監視することが可能となっている。
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(本実施形態の場合、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられており、入賞口への入賞に基づき対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算されるようになっている。つまり、入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能とされている。なお、入賞数カウンタ領域1は入賞数カウンタ領域2よりも広い領域が割り当てられ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにされている。これは、メイン賞球信号が送信先の状態に関係なく送信可能であるのに対し、払出コマンドが送信先である払出制御装置200の状態により送信を保留する場合もあり、より多くの未送信データが蓄積される可能性があるためである。
具体的には、本実施形態の場合、入賞数カウンタ領域1の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ65535入賞まで記憶することができ、入賞数カウンタ領域2の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ255入賞まで記憶することができるよう構成されている。
入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS181)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。そして、カウント数がない場合(ステップS181;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新し(ステップS182)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS183)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS183;Y)と判定すると、ステップS192に移行する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS183;N)と判定すると、ステップS181へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新する。
また、上記ステップS181で、カウント数がある(ステップS181;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS184)、対象の入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数を取得する(ステップS185)。そして、賞球残数領域の値と取得した払出数を加算し(ステップS186)、加算結果を賞球残数領域にセーブする(ステップS187)。なお、この処理の前における賞球残数領域の値としては、メイン賞球信号の出力の基準となる所定数に満たなかった端数が記憶されている。
その後、加算結果から10を減算して(ステップS188)、減算結果が0以上かを判定し(ステップS189)、0以上でない場合(ステップS189;N)は、ステップS192の処理に移行する。また、0以上である場合(ステップS189;Y)は、メイン賞球信号出力回数領域の値を+1更新する(ステップS190)。すなわち、賞球残数が10個になる度に、メイン賞球信号の出力回数を+1更新する。
そして、減算結果を賞球残数領域にセーブして(ステップS191)、ステップS188の処理に戻る。これにより、ホールコンピュータなどの外部の装置にメイン賞球信号が出力されるようになる。すなわち、遊技制御装置100が、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含むメイン賞球信号を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段をなす。なお、メイン賞球信号を出力するようにすることで、大当り中などの遊技球の払い出しが集中する場合に、遊技球の払い出しとともに賞球信号の出力が遅延して、大当り中に発生した正確な賞球数が計数することができないといった不具合を防止することができる。
ここで、ステップS181〜S191の処理は、メイン賞球信号の出力回数を更新する(増やす)処理であり、ステップS192〜S201の処理は、払出コマンドを送信する処理である。
ステップS192では、払出コマンド送信タイマが「0」でなければ−1更新し(ステップS192)、払出コマンド送信タイマが「0」になったかを判定する(ステップS193)。払出コマンド送信タイマが「0」でない場合(ステップS193;N)は、払出コマンド送信処理を終了する。また、払出コマンド送信タイマが「0」である場合(ステップS193;Y)は、払出ビジー信号フラグをチェックして、払出ビジー信号がビジー状態であるかを判定する(ステップS194)。
払出ビジー信号は払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを示す信号であって、払出制御を即座に開始可能でない場合には払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)とされる。つまり、払出ビジー信号は、払出コマンド(賞球指令)を受付可能な状態であるか否かを示す信号とも言える。すなわち、払出ビジー信号が、払出制御手段(払出制御装置200)が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号をなす。
この払出ビジー信号がビジー状態である場合(ステップS194;Y)は、払出コマンド送信処理を終了する。すなわち、本実施形態では、タイマ割込み毎に払出コマンドを送信するのではなく、所定時間が経過し(払出コマンド送信タイマの値が0になり)、且つ、払出制御装置200側が賞球を払い出せる状態である場合に、払出コマンドを送信するよう構成されている。このように払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能でなく、払出コマンドを送信しない場合は、払出コマンドの送信に関する以降の処理を行わないようにすることで、無駄な処理を行うことを防止し制御の負担を軽減するようにしている。
払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)になる条件は、例えば、払出動作中、球貸し動作中、シュート球切れエラー中、オーバーフローエラー中、枠電波不正発生中、払出球検出スイッチ(払い出された球を監視するスイッチ)の異常中、払出不足エラー中、払出過剰エラー中、払出制御装置200のメモリ内に払い出すべき賞球数のカウント(未払い出しの賞球数=獲得遊技球数残)があるとき(=0でないとき)等である。
払出ビジー信号がビジー状態でない場合(ステップS194;N)は、入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする(ステップS195)。入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS195)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。
そして、カウント数がない場合(ステップS195;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(ステップS196)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS197)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS197;Y)と判定すると、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS197;N)と判定すると、ステップS195へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新する。
また、上記ステップS195で、カウント数がある(ステップS195;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS198)、対象の入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出数コマンドを取得する(ステップS199)。そして、取得した払出数コマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップS200)、払出コマンド送信タイマ領域に初期値をセーブして(ステップS201)、払出コマンド送信処理を終了する。払出コマンド送信タイマは送信間隔を管理するためのもので、初期値として、例えば200m秒が設定される。
これにより、入賞領域への一の入賞を単位とした払出コマンド(賞球指令)が生成され、払出制御装置200に送信されるようになる。払出制御装置200はこの払出コマンドに基づき所定数の賞球を払い出す制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御手段(払出制御装置200)から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段をなす。
このように遊技制御装置100が、払出制御装置200から出力される状態信号に基づいて賞球指令を送信する制御を行うので、払出制御装置200が即座に払出制御を実行可能な場合にのみ賞球指令が送信されることとなる。これにより、未だ払い出しが行われていない入賞に対応するデータは遊技制御装置100側で保持されるようになるので停電発生時には遊技制御装置100でバックアップされるようになり、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
従来の遊技機(例えば、特開2000−312759号公報の遊技機)では、何らかの原因により電源の遮断状態が発生した場合、払出制御装置200は自身の記憶手段にデータをバックアップし、電源遮断直前のデータによる払出制御状態を維持するようにしている。しかしながら、従来の遊技機では、バックアップするための機能が必要となるため、コストアップにつながるという問題があった。本発明によれば、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できるようにすることができる。
また、外部の装置に送信されるメイン賞球信号は払出ビジー信号の状態に関係なく出力されるので、遅滞なくメイン賞球信号を出力でき、ホールコンピュータなどの外部の装置では賞球の払い出しの時期を正確に把握でき、例えばベース値を正確に把握できるようになる。また、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタと、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタとを別々に備えるので、送信タイミングが異なる賞球指令とメイン賞球信号の情報を別々に管理でき、情報を確実に管理することができる。
以上のことから、統括的に遊技制御を行うとともに、遊技領域32に設けられた入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号(ビジー信号)に基づいて賞球指令を払出制御手段に送信する制御を行い、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段に送信せず、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしていることとなる。
また、遊技領域32に賞球数の異なる入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)を複数設け、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球数毎に、遊技球の払出制御を指示する賞球指令の未送信の有無を特定可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)を備え、状態信号が払出制御を開始可能であることを示し、かつ、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令がある場合に、賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するようにし、状態信号が当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かの特定を、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令があるか否かの特定よりも先に行うようにしていることとなる。
また、統括的に遊技制御を行うとともに、所定の入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段(遊技制御装置100)と、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含む賞球信号(メイン賞球信号)を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段(遊技制御装置100)と、を備え、外部情報出力手段は、払出制御手段から出力される状態信号が、払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かに関係なく賞球信号の出力を行うようにしたこととなる。
また、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、停電が発生し該停電から復帰した場合には、状態信号が払出制御を開始可能であることを示していたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信せず、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している状態が所定期間に亘って継続していることに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしたこととなる。
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)と、賞球信号(メイン賞球信号)に関する情報を記憶可能な賞球信号カウンタ(遊技制御装置100)と、を備え、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への一の入賞を単位として賞球指令を生成し、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に一の賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するように構成され、賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、払出制御手段への賞球指令への送信に対応させて更新を行うことで、送信していない賞球指令の数を記憶可能とし、外部情報出力手段は、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数を累積し、累積値が所定数に達する毎に賞球信号を遊技機の外部に出力するように構成され、賞球信号カウンタは、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、外部情報出力手段による賞球数の累積処理に対応させて更新を行うことで、未だ累積処理を行っていない賞球数を記憶可能であることとなる。
また、本実施形態では、遊技制御装置100からは、遊技球の払出予定個数が10個になる毎にメイン賞球信号が出力され、払出制御装置200からは、遊技球の払出個数が10個になる毎にメイン賞球信号が出力されるよう構成されている。
具体的には、遊技制御装置100は、10個の払出予定毎(払出コマンドを送信する毎)に、メイン賞球数信号出力回数を+1更新(払出コマンド送信処理内のサブルーチン)し、更新(設定)されている出力回数分、メイン賞球信号を出力する。
予定毎に出力されるメイン賞球信号に対し、払出制御装置200からは実際に10個の払出が行われる毎に賞球信号が送信されるので、予定と結果の整合をとることができ、不正な払出に対応することができる。また、大当り期間中に入賞しても、球切れ等で払出が遅れ、大当り終了後に払い出された場合にも、入賞時に出力されるメイン賞球信号によって、ホールコン(ホールコンピュータ)が正確な情報を収集(判断)することができる。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図10には、タイマ割込み処理における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS107)を示した。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、確率設定値変更状態であるかを判定する(ステップS299)。確率設定値変更状態である場合には確率設定値変更中フラグがセットされていることから判別可能である。確率設定値変更状態でない場合(ステップS299;N)は、確率設定値確認モードであるかを判定する(ステップS300)。確率設定値確認モードは、確率設定値の変更はできないが現在設定されている確率設定値を確認することができる状態である。
確率設定値確認モードでない場合(ステップS300;N)は、遊技の進行に関する処理として、ステップS301以降の処理を行う。一方、確率設定値変更状態である場合(ステップS299;Y)や確率設定値確認モードである場合(ステップS300;Y)は、ステップS309に移行する。すなわち、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードでは、入賞に関する処理を行わず遊技の進行を行うことができない状態とされる。
なお、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードである場合には、特別変動入賞装置38の不正と入賞の監視、普通動入賞装置37の不正と入賞の監視及び常時入賞可能な入賞口への入賞の監視を行わないようにしたが、これらのうちの一つ又は複数について行うようにしても良い。例えば、特別変動入賞装置38や普通変動入賞装置37への不正の監視は行うようにしても良い。また、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードで行わない処理として上述の処理以外の処理を含んでも良い。例えば、ステップS309以降の処理も行わないようにしても良い。また、確率設定値変更状態と確率設定値確認モードで実行しないようにする処理の種類が異なっていても良い。
ステップS301では大入賞口(特別変動入賞装置38)内の一方の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル1を準備し(ステップS301)、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS302)を実行する。
入賞口監視テーブルには、対象のスイッチに入力があるかを判定するデータの位置を示す監視スイッチビット、不正監視情報の下位アドレス、不正入賞数領域の下位アドレス、不正入賞エラー報知コマンド、不正入賞数上限値(不正発生判定個数)、入賞口スイッチテーブルのアドレス、報知タイマ更新情報(許可/更新)の情報が定義されている。また、入賞口監視テーブルのうちの入賞テーブルには、監視の繰り返し回数(スイッチの数)に加えて、各スイッチ毎に、監視スイッチビット、入賞数カウンタ領域1の下位アドレス、入賞数カウンタ領域2の下位アドレスの情報が定義されている。入賞口監視テーブルは、監視対象のスイッチのそれぞれに応じたものが用意されている。
その後、大入賞口(特別変動入賞装置38)内の他方の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル2を準備し(ステップS303)、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS304)を実行する。
次に、普電内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS305)、普電が開いていないにもかかわらず普電に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS306)を実行する。そして、常時入賞可能な入賞口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36aや一般入賞口35の入賞口スイッチ35a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS307)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS308)を行う。
次に、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(ステップS309)。本実施形態の場合、状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。その後、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップS310)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS311)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常1信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は払出制御装置200からのシュート球切れスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が「2」である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップS312)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS313)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はガラス枠開放検出スイッチ63から出力される信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は本体枠開放検出スイッチ64から出力される信号に基づく状態の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が「2」である場合は枠電波不正信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値が「0」であるかを判定し(ステップS314)、エラースキャンカウンタの値が「0」でない場合(ステップS314;N)は、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。また、エラースキャンカウンタの値が「0」である場合(ステップS314;Y)は、遊技機状態監視テーブル3を準備し(ステップS315)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS316)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常2信号に基づく状態の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが「1」から「3」の場合は定義されていない。
その後、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号をチェックする払出ビジー信号チェック処理(ステップS317)を行って、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、ステップS315からS317の処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が「0」の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4m秒毎に行われる場合は、16m秒毎にステップS315からS317の処理が行われることとなる。
〔確率設定値変更処理〕
図11には、タイマ割込み処理における確率設定値変更処理(ステップS108)を示した。この確率設定値変更処理では、まず、確率設定値変更状態であるかを判定し(ステップS401)、確率設定値変更状態でない場合(ステップS401;N)は、確率設定値を確認可能とする処理である確率設定値確認処理を行い(ステップS422)、確率設定値変更処理を終了する。
また、確率設定値変更状態である場合(ステップS401;Y)は、確率設定値消灯タイマが0でなければ−1更新し(ステップS402)、確率設定値消灯タイマが0であるかを判定する。確率設定値消灯タイマが0である場合(ステップS403;Y)は、確率設定値表示許可フラグをセットし(ステップS404)、ステップS405に移行する。この場合は上述した出力処理(図8参照)により確率設定値表示装置153に確率設定値の情報が表示される。また、確率設定値消灯タイマが0でない場合(ステップS403;N)は、ステップS405に移行する。この場合は確率設定値表示許可フラグがセットされていない状態となり、上述した出力処理により確率設定値表示装置153に何も表示しない状態とされる。
その後、確率設定値変更済みであるかを判定する(ステップS405)。確率設定値変更済みとは、後述する確定操作が行われて遊技で使用する確率設定値が新たに設定された状態であり、この場合は確率設定値変更済みフラグがセットされている。確率設定値変更済みである場合(ステップS405;Y)は、ステップS416に移行する。また、確率設定値変更済みでない場合(ステップS405;N)は、設定値変更スイッチからの入力があるかを判定する(ステップS406)。
そして、設定値変更スイッチからの入力があるかの判定(ステップS406)では、設定値変更スイッチからの入力状態がオン状態へ変化したかを判定する。すなわち、確率設定値変更ボタンが押下されたかを判定する。設定値変更スイッチからの入力がない場合(ステップS406;N)は、ステップS411に移行する。
また、設定値変更スイッチからの入力がある場合(ステップS406;Y)は、作業用確率設定値領域の値を0〜5の範囲で+1更新する。作業用確率設定値領域の0〜5の値は設定1〜設定6にそれぞれ対応するものであり、設定値変更ボタンを押下する毎に作業用確率設定値領域の値が+1更新されることで、選択される確率設定値が順次変化することとなる。なお、作業用確率設定値領域の値が5の状態で+1更新された場合は0に戻るようになっている。また、この段階では作業用確率設定値領域の値を変化させるだけであり、遊技に使用する確率設定値を格納する確率設定値領域の値は変化しない。後述する確定操作に基づき選択された確率設定値が確率設定値領域にセーブされることとなる。また、ここでは確率設定値の数を6つとしているが、これ以外の数とすることも可能である。
次に、作業用確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブする(ステップS408)。これにより確率設定値表示装置153に表示するデータは新たに選択された確率設定値の情報となる。そして、確率設定値消灯タイマ領域に初期値(例えば100ms)をセーブして(ステップS409)、確率設定値表示許可フラグをクリアする(ステップS410)。これにより、設定値変更ボタンの操作から所定時間(例えば100ms)にわたり特定表示として、確率設定値表示装置153の表示を消灯して何も表示しないブランク表示を行ってから新たな確率設定値の情報が表示されるようになる。このようにすることで、表示が更新されたことをわかりやすくすることができる。
ここでは、特定表示として何も表示しないブランク表示を設定するようにしたが、これ以外の表示としても良い。例えば、確率設定値の表示として1〜6の数字で行う場合に、この数字以外の表示を特定表示としても良い。すなわち、特定表示を確率設定値の表示としては用いられない表示としても良い。また、確率設定値の表示を連続した点灯状態で表示する場合に、特定表示として更新後の確率設定値の表示を点滅させるようにしても良い。すなわち特定表示を、特定表示の経過後の表示態様と異なる表示態様としても良い。特定表示として用いる表示態様としては、点滅させる表示態様や、特定表示ではない場合と点滅の周期を異ならせた表示態様や、特定表示ではない場合と表示色を異ならせた表示態様などが挙げられる。
また、設定値変更ボタンの操作に基づき演出制御装置300に情報を送信し、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音の出力などにより、選択された確率設定値が変更された旨の報知である特定報知を行うようにしても良い。すなわち、特定表示と併せて又は特定表示に代えて特定報知を行うようにしても良い。また、表示装置41や特図1表示器51、特図2表示器に確率設定値表示装置153と同様の表示を行うようにしても良い。
次に、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチからの入力があるかを判定する(ステップS411)。タッチスイッチは操作ハンドル24への人体の接触を検出可能なセンサであり、接触がある場合に信号を出力するようになっている。このタッチスイッチからの入力がない場合(ステップS411;N)は、確率設定値変更処理を終了する。また、タッチスイッチからの入力がある場合(ステップS411;Y)は、作業用確率設定値領域の値をロードして確率設定値領域にセーブする(ステップS412)。これにより、選択された確率設定値が遊技に使用する確率設定値として設定される。すなわち、操作ハンドル24に触れることが選択した確率設定値を確定する確定操作となる。もちろんこの操作以外の操作を確定操作としても良く、確定操作用の操作部を設定手段に設けても良い。
その後、確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブする(ステップS413)。次に、確率設定値変更済みフラグをセットし(ステップS415)、確率設定値変更のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS416)、確率設定値変更処理を終了する。演出制御装置300では、確率設定値変更のコマンドを受信することに基づき、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音の出力などにより、確率設定値が変更された旨の報知を行う。
一方、確率設定値変更済みである場合(ステップS405;Y)は、設定キースイッチがオフであるかを判定する(ステップS416)。設定キースイッチがオフでない場合(ステップS416;N)、すなわち、設定キー操作部の設定キーが第2位置にある場合は、確率設定値変更処理を終了する。また、設定キースイッチがオフである場合(ステップS416;Y)、すなわち、設定キー操作部の設定キーが第2位置にない場合は、RAMクリア先頭アドレス3を設定し(ステップS417)、クリア対象のRAM領域を0クリアし(ステップS418)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS419)。
これにより遊技制御用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)が0クリアされて初期値がセーブされる。また、セキュリティ信号を出力するためのタイマの設定も行われる。すなわち、確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び状態表示用の領域は初期化されない。ただし、初期値乱数用の領域及び変動パターン乱数用の領域はクリアしても良い。また、確率設定値用の領域のうち確率設定値変更状態で選択されている確率設定値の情報や各種フラグを一時的に格納する作業用確率設定値領域など、変更作業にかかわる領域はクリアされる。よって、確率設定値表示許可フラグがクリアされるので、確率設定値表示装置153での表示が終了する。また、確率設定値変更中フラグがクリアされるので確率設定値変更状態が終了する。
次に、確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブし(ステップS420)、確率設定変更終了のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS421)、図6に示すメイン処理のステップS48へ移行する。演出制御装置300では、確率設定値変更のコマンドを受信することに基づき、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音の出力などにより、確率設定値の変更が終了した旨の報知を行う。この報知ではRAMが初期化された旨の報知を兼ねている。
本実施形態の場合、ステップS421では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、選択されている確率設定値の情報である確率設定値情報、確率設定変更終了のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。確率設定変更終了のコマンドはRAM初期化コマンドであっても良い。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。特に、演出制御装置300に選択されている確率設定値の情報である確率設定値情報を送信することで、確率設定値に応じた演出を行うことや、確率設定値に応じて遊技の演出の選択確率を異ならせるなど、確率設定値を示唆又は報知する演出を実行可能となる。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作に基づき複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)を備え、設定手段は、選択された確率設定値の情報を表示する表示部(確率設定値表示装置153)を備え、操作部の操作に基づき確率設定値の選択操作が行われることに伴い表示部の表示を更新する際に、当該更新から一定期間にわたり特定表示を行うようにしたこととなる。したがって、表示が更新されたことを分かり易くすることができ、選択されている確率設定値を明確に把握可能とすることができる。
また、設定手段は、特定表示として、確率設定値の情報の表示として用いられない表示を表示するようにしたこととなる。したがって、表示が更新されたことを分かり易くすることができ、選択されている確率設定値を明確に把握可能とすることができる。
また、設定手段は、特定表示として、一定期間にわたり当該一定期間の経過後とは異なる態様で更新後の情報を表示するようにしたこととなる。したがって、表示が更新されたことを分かり易くすることができ、選択されている確率設定値を明確に把握可能とすることができる。
〔確率設定値確認処理〕
図12には、確率設定値変更処理における確率設定値確認処理(ステップS422)を示した。この確率設定値確認処理では、まず、確率設定値確認モード中であるかを判定する(ステップS431)。確率設定値確認モードは、確率設定値の変更はできないが現在設定されている確率設定値を確認することができる状態である。この確率設定値確認モードである場合には確率設定値確認モード中フラグがセットされていることから判別可能である。
確率設定値確認モードでない場合(ステップS431;N)は、確率設定値表示許可フラグをクリアする(ステップS432)。これにより確率設定値表示装置153の表示として何も表示しない状態が設定される。その後、遊技中であるかを判定する(ステップS433)。
遊技中とは、特図変動表示ゲームの実行中、普図変動表示ゲームの実行中、特別遊技状態中又は普図の当り状態中のいずれかに該当する場合である。すなわち、遊技の状態が確率設定値確認モードを開始することを禁止する禁止状態である場合である。遊技中である場合(ステップS433;Y)は、確率設定値確認処理を終了する。すなわち、遊技中である場合は確率設定値確認モードに移行しない。この場合、演出制御装置300に遊技中であるので確率設定値確認モードに移行できない旨の情報を送信し、その旨の報知を行うようにしても良い。
なお、遊技中(禁止状態)と判定する条件は上述したものに限られるものではない。特図変動表示ゲームの実行中、普図変動表示ゲームの実行中、特別遊技状態中、普図の当り状態中のうちから選択された一又は複数の状態を条件としても良く、例えば、特図変動表示ゲームの実行中又は特別遊技状態中のいずれかに該当する場合に遊技中であるとしても良い。また、上記以外の条件を加えても良く、例えば操作ハンドル24が操作されていてタッチスイッチからの入力がある場合は遊技中であるとして確率設定値確認モードに移行しないようにしても良い。
また、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出するアウトスイッチで遊技球を検出してから所定期間は遊技中であるとして確率設定値確認モードに移行しないようにしても良い。また、前面枠12の閉鎖中は遊技中であるとして確率設定値確認モードに移行しないようにしても良い。また、遊技が行われていない状態で一定期間経過することにより移行する節電モード中は確率設定値確認モードに移行しないようにしても良い。この節電モードは、前面枠12の開放に伴い解除されるようになっており、節電モードであることは前面枠12が閉鎖されているとみなすことができる。
また、遊技中でない場合(ステップS433;N)は、設定キースイッチがオン状態であるか、すなわち、操作部が操作されて所定状態とされているかを判定する(ステップS434)。設定キースイッチがオン状態でない場合(ステップS434;N)は、確率設定値確認処理を終了する。また、設定キースイッチがオン状態である場合(ステップS434;Y)は、確率設定値確認モード中フラグをセットし(ステップS435)、確率設定値表示許可フラグをセットする(ステップS436)。これにより確率設定値確認モードが開始され、確率設定値表示装置153の表示として現在設定されている確率設定値の情報が表示される。
その後、セキュリティ信号制御タイマ領域に初期値をセーブし(ステップS437)、確率設定値確認中のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS438)、確率設定値確認処理を終了する。確率設定値確認モードが開始された場合には外部情報として所定期間にわたりセキュリティ信号が出力される。また、演出制御装置300では、確率設定値確認中のコマンドを受信することに基づき、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音の出力などにより、確率設定値の確認中である旨の報知を行う。
一方、確率設定値確認モード中である場合(ステップS431;Y)は、設定キースイッチがオン状態であるかを判定する(ステップS439)。設定キースイッチがオン状態である場合(ステップS439;Y)は、確率設定値確認処理を終了する。この場合は、確率設定値確認モードが継続する。
また、設定キースイッチがオン状態でない場合(ステップS439;N)は、確率設定値確認モード中フラグをクリアし(ステップS440)、確率設定値表示許可フラグをクリアする(ステップS441)。これにより確率設定値確認モードが終了し、確率設定値表示装置153の表示として何も表示しない状態が設定される。そして、確率設定値確認終了のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS442)、確率設定値確認処理を終了する。演出制御装置300では、確率設定値確認終了のコマンドを受信することに基づき、確率設定値の確認中である旨の報知を終了する。
すなわち、確率設定値確認モードは、電源が投入された状態で設定キー操作部の設定キーを第2位置に回すことで開始され、第2位置から戻すことで終了する。なお、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態で電源を投入した場合には、確率設定値変更状態となる。
以上のように、遊技中である場合に設定キースイッチをオン状態としても確率設定値確認モードに移行しないようにしたことで、遊技の進行中に確率設定値を知られてしまうことを防止でき、遊技の公平性を確保することができる。なお、遊技中である場合に設定キースイッチをオン状態としても確率設定値確認モードに移行しないようにしたが、遊技中に設定キースイッチをオン状態とし、当該オン状態としたまま遊技中でない状態となった場合は、その時点から確率設定値確認モードに移行する。このようにすることで、遊技が進行しない状態となれば自動的に確率設定値を確認することができるようになるので、確認作業の効率を向上することができる。
また、確率設定値確認モードに移行しないようにする条件を遊技中としたが、これに限られるものではなく、遊技制御装置100により制御される遊技の状態に応じて確率設定値確認モードに移行するか否かを選択するものであれば良い。例えば、高確率状態である場合には確率設定値確認モードに移行しないようにしても良い。また、後述するように所定の異常が発生している場合に確率設定値確認モードに移行しないようにしても良い。
以上のことから、始動条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、設定手段は、操作部が操作されて所定状態とされることに基づき、確率設定値の確認が可能な確認状態とすることが可能であり、制御手段により制御される遊技の状態が、確認状態を開始することを禁止する禁止状態である場合には、操作部が所定状態であっても確認状態としないようにしたこととなる。したがって、遊技の状態に応じて確率設定値確認モードに移行するか否かを選択できるようになり、確率設定値が示されることによる不都合を防止できる。
また、禁止状態は、ゲームが実行中の状態であることである。したがって、遊技の進行中に確率設定値を知られてしまうことを防止でき、遊技の公平性を確保することができる。
また、禁止状態は、特別遊技状態中である状態であることである。したがって、遊技の進行中に確率設定値を知られてしまうことを防止でき、遊技の公平性を確保することができる。
また、遊技球が入賞不能な閉状態と、遊技球の入賞が容易な開状態と、に変換可能であり、入賞によりゲームの実行権利を発生可能な普通変動入賞装置37と、所定条件の成立に基づき普図ゲーム(普図変動表示ゲーム)を実行し、当該普図ゲームの結果が特定結果となった場合に普通変動入賞装置37を開状態に変換する当り状態(普図当り状態)を発生可能な普通変動入賞装置制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、禁止状態は、普図ゲームの実行中又は当り状態中である状態であることである。したがって、遊技の進行中に確率設定値を知られてしまうことを防止でき、遊技の公平性を確保することができる。
また、設定手段は、制御手段により制御される遊技の状態が禁止状態である状態において操作部が所定状態とされ、当該所定状態とされたまま禁止状態が終了した場合には、当該禁止状態の終了に基づき確認状態とすることとなる。したがって、遊技が進行しない状態となれば自動的に確率設定値を確認することができるようになるので、確認作業の効率を向上することができる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS112)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図13に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA7)。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA8)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA9)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA10)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA12)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA13)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA14)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA15)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA16)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA17)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA18)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図1表示器51による特別図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA21)、特図2表示器52による特別図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップA22)を行い、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA19の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない結果態様であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。図14に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)を行って、第1始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、第1始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA103にて、第1始動口への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA104)。
ステップA104にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA104にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、当該コマンドを演出制御装置300へ送信する演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第1始動口(始動入賞口36)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態となるが、時短状態中に第1始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
次いで、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108)を行う。
次に、第2始動口(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)を行って、第2始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
ステップA111にて、第2始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA111にて、第2始動口への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップA112)、普通電動役物が作動中である(ステップA112;Y)と判定すると、ステップA114の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA112にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA112;N)と判定すると、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA113)。
普電不正発生中であるかの判定では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
ステップA113にて、普電不正発生中でない(ステップA113;N)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA114)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA115)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA113にて、普電不正発生中である(ステップA113;Y)と判定した場合は、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔ハード乱数取得処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップA102、A110)の詳細について説明する。図15に示すように、ハード乱数取得処理では、まず、第1始動口(始動入賞口36)及び第2始動口(普通変動入賞装置37)のうち、監視対象の始動口の入賞なし情報を設定して(ステップA121)、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA122)。そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合(ステップA122;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。一方、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップA122;Y)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップA123)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるかを判定する(ステップA124)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップA124;N)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、ハード乱数取得処理を終了する。また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップA124;Y)は、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA125)。そして、第1始動口(始動入賞口36)及び第2始動口(普通変動入賞装置37)のうち、監視対象の始動口の入賞あり情報を設定して(ステップA126)、ハード乱数取得処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108、A115)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図16に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA131)、ロードした値を+1更新して(ステップA132)、出
力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA133;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA133;Y)は、ステップA135の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステップA135)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA135;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA135;Y)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ステップA136)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA137)。続けて、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップA138)、ハード乱数取得処理のステップA125にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA139)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA140)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。
次いで、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA142)。
ステップA142にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA142;N)には、ステップA145の処理に移行する。
一方、ステップA142にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA142;Y)には、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA143)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA144)。
次いで、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA145)、特図保留情報判定処理(ステップA146)を行う。
次いで、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域での遊技球の検出に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA146)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図17に示すように、まず、特図始動口スイッチ共通処理のステップA137にてセーブした始動口入賞フラグをチェックして、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA151)。
ステップA151にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA151;N)には、ステップA154の処理に移行する。
一方、ステップA151にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA151;Y)には、特図時短中であるかを判定する(ステップA152)。
ステップA152にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA152;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA152にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA152;N)には、大当り中または小当り中であるかを判定する(ステップA153)。
ステップA153にて、大当り中または小当り中であると判定した場合(ステップA153;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA153にて、大当り中または小当り中でないと判定した場合(ステップA153;N)には、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA154)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA155;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA156)、特図始動口スイッチ共通処理のステップA140にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA157)、ステップA164の処理に移行する。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA155;N)は、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA158)。
ステップA158にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA158;N)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行する。
一方、ステップA158にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA158;Y)には、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA159)を行う。そして、判定結果が小当りでない場合(ステップA160;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行する。
一方、判定結果が小当りである場合(ステップA160;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA161)、特図始動口スイッチ共通処理のステップA143にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA162)、ステップA164の処理に移行する。
そして、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備し(ステップA164)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA165)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA166)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を行う(ステップA167)。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA168)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA169)、特図保留情報判定処理を終了する。
なお、ステップA157における大当り判定処理、ステップA159における小当り判定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される図20、図21に示す処理と同様である。すなわち、設定されている確率設定値に応じた判定が行われる。また、ステップA166における特図情報設定処理、ステップA167における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA8)の詳細について説明する。図18に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA301)。特図2保留数が「0」である(ステップA301;Y)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA305)。そして、特図1保留数が「0」である(ステップA305;Y)と判定すると、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA309)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA309;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA310)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA311)、演出コマンド設定処理(ステップA312)を行う。次いで、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定して(ステップA313)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA314)。そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA315)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA316)、特図普段処理を終了する。すなわち、特図変動表示ゲームを開始可能な状態であるが始動条件が成立しない場合に、待機情報をなす客待ちデモコマンドを演出制御装置300に送信するようにしていることとなる。
一方、ステップA309にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA309;Y)は、ステップA310〜A312の処理を行わずに、ステップA313の処理へ移行する。
また、ステップA301にて、特図2保留数が「0」でない場合(ステップA301;N)は、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA302)。次いで、演出コマンド設定処理(ステップA303)を行い、特図2変動開始処理(ステップA304)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA305にて、特図1保留数が「0」でない場合(ステップA305;N)は、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA306)。次いで、演出コマンド設定処理(ステップA307)を行い、特図1変動開始処理(ステップA308)を行って、特図普段処理を終了する。
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が「0」でない場合には特図2変動開始処理(ステップA304)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA308)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。図19(a)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA321)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定するとともに、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判別するための小当りフラグにはずれ情報や小当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA324)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA325)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA326)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA327)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA328)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA329)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA330)、特図1の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA331)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA332)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100ms)を設定する(ステップA333)。次いで、特図1変動図柄番号領域に初期値(ここでは「0」)をセーブして(ステップA334)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA304)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図19(a)に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
図19(b)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA341)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA344)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA348)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA349)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA350)、特図2の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA351)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA352)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100ms)を設定する(ステップA353)。次いで、特図2変動図柄番号領域に初期値(ここでは「0」)をセーブして(ステップA354)、特図2変動開始処理を終了する。
なお、上述の特図1変動開始処理や特図2変動開始処理において特図変動表示ゲームの変動パターンを選択する際に、設定されている確率設定値の情報を参照するようにしても良い。これにより、確率設定値に応じた変動パターンを選択することや、確率設定値に応じて変動パターンの選択確率を異ならせるなど、確率設定値を示唆又は報知する演出を実行可能となる。
〔大当り判定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップA322)及び特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップA342)において行われる大当り判定処理の詳細について説明する。
図20に示すようにこの大当り判定処理では、まず、確率設定値に対応する上限判定値テーブルを設定する(ステップA381)。上限判定値テーブルは確率設定値毎に設けられており、それぞれ高確率状態での上限判定値と低確率状態(通常確率状態)での上限判定値とが規定されている。ここでは現在設定されている確率設定値に応じて対応するテーブルを設定する。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。確率設定値に対応した上限判定値テーブルを設定することで、確率設定値に対応した確率値で大当り判定が行われるようになる。
次に、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップA382)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満かを判定する(ステップA383)。ここでは下限判定値の値は、確率設定値や確率状態(高確率状態又は通常確率状態)によらず同一の値となっているが、確率設定値や確率状態により下限判定値を異ならせても良い。この場合は上限判定値と同様に、確率設定値毎に下限判定値が規定された下限判定値テーブルを確率設定値に応じて選択するようにし、確率状態に応じて使用する下限判定値を選択して設定するようにする。もちろん上限判定値テーブルと下限判定値テーブルをまとめて判定値テーブルとしても良い。
大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA383;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA389)、大当り判定処理を終了する。なお、ステップA389でのはずれとは大当りでないことを意味し、後の小当り判定処理で小当りと判定される可能性がある。また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップA383;N)は、高確率状態であるかを判定する(ステップA384)。そして、高確率状態である場合(ステップA384;Y)は、高確率中の上限判定値を取得し(ステップA385)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA387)。また、高確率状態でない場合(ステップA384;N)は、低確率中の上限判定値を設定し(ステップA386)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA387)。ここで取得する上限判定値は、上述のステップA381で設定された上限判定値テーブルを参照して取得する。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA387;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA358)、大当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップA387;N)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(ステップA389)、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップA322)及び特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップA342)において行われる小当り判定処理の詳細について説明する。
図21に示すようにこの小当り判定処理では、まず、確率設定値に対応する小当り上限判定値を設定する(ステップA401)。小当り上限判定値は確率設定値毎に設けられている。また、小当り確率は高確率状態であるか否かにかかわらず一定である。また、同一の確率設定値における大当り判定値の範囲と小当り判定値の範囲は重なることがないようにされている。異なる確率設定値どうしでの大当り判定値の範囲と小当り判定値の範囲は重なっていても良いが、重ならないようにしても良い。
なお、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である小当り下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である小当り上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。確率設定値に対応した小当り上限判定値を設定することで、確率設定値に対応した確率値で小当り判定が行われるようになる。
次に、対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満かを判定する(ステップA402)。ここでは小当り下限判定値の値は異なる確率設定値であっても同一となっている。大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(ステップA402;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA404)、大当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合(ステップA402;N)は、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいかを判定する(ステップA403)。
大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(ステップA403;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA404)、小当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(ステップA403;N)、すなわち小当りである場合は、判定結果として小当りを設定し(ステップA405)、小当り判定処理を終了する。
なお、大当り判定の場合と同様に、先に確率設定値に対応する小当り上限判定値テーブルを設定し、設定された上限判定値テーブルから小当り上限判定値を取得するようにしても良いし、確率設定値毎に設けられた判定値テーブルに大当り判定での上限判定値と小当り判定での小当り上限判定値をまとめて規定しても良い。さらに、小当り下限判定値の値は異なる確率設定値であっても同一となっているが、確率設定値により小当り下限判定値を異ならせても良く、この場合は、確率設定値に応じて小当り下限判定値を選択するようにする。
また、確率設定値に対応する上限値設定テーブルを設定する処理(ステップA381)や、確率設定値に対応した小当り上限判定値を設定する処理(ステップA401)において、参照した確率設定値を示す値がどの確率設定値にも対応しないなどの異常な値である場合は、予め定めた確率設定値(例えば設定1)であるものとして設定を行うようにしても良いし、異常が発生したとして遊技を停止しエラー報知を行うようにしても良い。また、大当りの判定毎及び小当りの判定毎に確率設定値を参照しているが、確率設定値変更状態において確率設定値を設定した際に当該設定した確率設定値に対応する上限値設定テーブルや小当り上限判定値を設定する処理を行っておき、大当りの判定時や小当りの判定時にはこれを参照するのみとしても良い。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA9)の詳細について説明する。図22に示すように、特図変動中処理では、まず、変動図柄判別フラグ(特図1変動フラグ又は特図2変動フラグ)に対応する図柄停止コマンドを準備し(ステップA601)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA602)。すなわち、実行中の特図変動表示ゲームの変動時間が終了して結果を導出表示することに伴い停止情報をなす図柄停止コマンドが演出制御装置300に送信されることとなる。演出制御装置300では、この図柄停止コマンドの受信に伴い、当該特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームの変動表示を停止して結果を停止表示する。
その後、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定して(ステップA603)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA604)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターン、大当り図柄パターン又は小当り図柄パターンの何れであっても表示時間として600m秒を設定するが、停止図柄パターンによって表示時間を異ならせても良い。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。
次いで、処理番号として特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し(ステップA605)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA606)。
次に、特図1の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA607)、特図2の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA608)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば256m秒)をセーブする(ステップA609)。その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA610)、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブして(ステップA611)、特図変動中処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図23及び図24に示すように、特図表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグをロードして(ステップA701)、RWMの小当りフラグ領域をクリアする処理(ステップA702)を行う。
次いで、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA703)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA704)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA705)、大当りである(ステップA705;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA708)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA709)。
一方、ステップA705にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA705;N)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA706)、大当りである(ステップA706;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA707)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行う。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、「16」又は「4」)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA710)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA711)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA712)、演出コマンド設定処理(ステップA713)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)を行う。続けて、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA716)、演出コマンド設定処理(ステップA717)を行う。このファンファーレコマンドが特別遊技状態の開始時に演出制御装置300に送信される特別遊技状態開始情報をなす。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA718)。本実施形態の場合、ステップA718において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号は、出玉のある大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1以外)である場合にはON、出玉のない大当り(所謂、突確大当りなど。大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1)である場合には、時短状態中での大当り時であればON、それ以外ではOFFとなる。また、大当り3信号は、出玉のある大当りである場合にはON、出玉のない大当りである場合にはOFFとなる。
その後、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000m秒、4700m秒、7700m秒又は300m秒)を設定して(ステップA719)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA720)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA721)。これにより特別結果が発生した際における特図の確率状態、時短状態の情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞装置38)の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップA722)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA723)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)を行い、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れかで結果が特別結果となることに基づき、特別変動入賞装置38を開状態に変換する特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生手段をなす。
一方、ステップA706にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA706;N)は、ロードした小当りフラグが小当りかを判定する(ステップA725)。
ステップA725にて、小当りフラグが小当りであると判定した場合(ステップA725;Y)には、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための高確率変動回数領域の値(高確率変動回数)を更新する高確率変動回数更新処理(ステップA726)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA727)を行って、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるかを判定する(ステップA728)。
ステップA728にて、特図の高確率中でないと判定した場合(ステップA728;N)には、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、準備して(ステップA729)、演出コマンド設定処理(ステップA730)を行う。次いで、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップA731)、演出コマンド設定処理(ステップA732)を行って、ステップA733の処理に移行する。この小当りファンファーレコマンドも特別遊技状態の開始時に演出制御装置300に送信される特別遊技状態開始情報をなす。
また、ステップA728にて、特図の高確率中であると判定した場合(ステップA728;Y)には、ステップA733の処理に移行する。このように、本実施形態の遊技機10においては、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態である場合には、小当りの発生で大入賞口は開くが、小当りの発生を遊技者に意識させないようにするために、表示装置41に表示される画面を変化させないようになっている。
そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA733)。次いで、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(ステップA734)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA735)。
次いで、小当りファンファーレ時間(例えば0.3秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA736)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大当り+小当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA737)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA738)。
次いで、大入賞口不正入賞数領域をクリアして(ステップA739)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA740)。
次いで、右打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA741)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA742)、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA725にて、小当りフラグが小当りでないと判定した場合(ステップA725;N)には、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための高確率変動回数領域の値(高確率変動回数)を更新する高確率変動回数更新処理(ステップA743)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA744)を行い、演出モード番号に対応する切替準備残り回転数を設定して(ステップA745)、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致するかを判定する(ステップA746)。なお、切替準備残り回転数は、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて異なる値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの何れかの演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよい。
ステップA746にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致しないと判定した場合(ステップA746;N)には、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(ステップA749)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブして(ステップA750)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(ステップA751)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA752)、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA746にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致すると判定した場合(ステップA746;Y)には、演出モード切替準備コマンドを準備して(ステップA747)、演出コマンド設定処理(ステップA748)を行った後に、ステップA749の処理に移行する。演出モード切替準備コマンドは、演出モードが切り替わる数回転前から先読み演出を行わないようにするためのコマンドであり、演出モード切替準備コマンドを演出制御装置300に送信することによって、モードをまたいで演出に矛盾等が生じないようにすることができる。
〔普図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(ステップS113)の詳細について説明する。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
図25に示すように、普図ゲーム処理では、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理(ステップB1)を行い、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)を行う。次に、普図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップB3)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、普図ゲーム処理タイマの値が「0」となったかを判定する(ステップB4)。
普図ゲーム処理タイマの値が「0」である(ステップB4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていたと判定すると、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップB5)を行って、当該テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップB6)を行う。そして、普図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップB7)。
ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「0」の場合は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理(ステップB8)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「1」の場合は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理(ステップB9)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「2」の場合は、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理(ステップB10)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、あるいは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理(ステップB11)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理(ステップB12)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理(ステップB13)を行う。
その後、普図表示器による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備した後(ステップB14)、普図表示器53による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップB15)を行って、普図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップB4にて、普図ゲーム処理タイマの値が「0」でない(ステップB4;N)、すなわちタイムアップしていないと判定すると、ステップB14の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
〔普図普段処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図普段処理(ステップB8)の詳細について説明する。図26に示すように、普図普段処理では、まず、普図保留数が「0」であるかを判定し(ステップB301)、普図保留数が「0」である場合(ステップB301;Y)は、処理番号として普図普段処理にかかる「0」を設定し(ステップB322)、普図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップB323)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップB324)、普図普段処理を終了する。
また、普図保留数が「0」でない場合(ステップB301;N)は、RWMの当り乱数格納領域(保留数1用)、当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードし、ロードした領域、すなわち当り乱数格納領域(保留数1用)及び当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップB302)、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率(すなわち、普図低確率)よりも高くされた普図高確率中であるか、すなわち時短状態中であるかを判定する(ステップB303)。
普図高確率中でない場合(ステップB303;N)は、普図低確率時の下限判定値(低確率下限判定値)を設定し(ステップB304)、普図高確率中である場合(ステップB303;Y)は、普図高確率時の下限判定値(高確率下限判定値)を設定する(ステップB305)。
その後、当り乱数の値が上限判定値以上であるかを判定し(ステップB306)、当り乱数の値が上限判定値以上でない場合(ステップB306;N)は、当り乱数の値がステップB304又はB305にて設定した下限判定値未満であるかを判定する(ステップB307)。
当り乱数の値が上限判定値以上である場合(ステップB306;Y)や、当り乱数の値がステップB304又はB305にて設定した下限判定値未満である場合(ステップB307;Y)は、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブし(ステップB308)、はずれ停止図柄番号を設定し(ステップB309)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB310)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB314)。
一方、当り乱数の値がステップB304又はB305にて設定した下限判定値未満でない場合(ステップB307;N)は、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(ステップB311)、ステップB302にてロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(ステップB312)、停止図柄番号に対応する停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB313)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB314)。
本実施形態の場合、普図低確率時における当りの確率は0/251、普図高確率時における当りの確率は250/251であり、上限判定値は「251」、低確率下限判定値は「251」、高確率下限判定値は「1」である。したがって、普図低確率時は、当り乱数の値が「0」〜「250」全ての場合ではずれとなる。また、普図高確率時は、当り乱数の値が「1」〜「250」の何れかである場合が当り、当り乱数の値が「0」である場合がはずれとなる。
また、本実施形態の場合、当り図柄は2種類ある。
停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブ(ステップB314)した後、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB315)。
その後、当り乱数格納領域をシフトし(ステップB316)、シフト後の空き領域を0クリアして(ステップB317)、普図保留数を−1更新する(ステップB318)。すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2〜4の順位を1つずつ繰り上げる処理を行う。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
次いで、変動パターン乱数3を抽出して(ステップB319)、当該変動パターン乱数3に対応する変動時間を設定し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB320)。そして、普図変動中処理に移行するための普図変動中処理移行設定処理(ステップB321)を行い、普図普段処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、普図始動ゲート34(流入領域)での遊技球の検出に基づいて(普図始動記憶に基づいて)変動表示ゲームとして普図変動表示ゲームを実行するゲーム実行手段をなす。
本実施形態の場合、ステップB320では、変動時間として、200/256の確率で500m秒が設定され、40/256の確率で1500m秒が設定され、16/256の確率で3000m秒が設定される。
〔普図変動中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図変動中処理(ステップB9)の詳細について説明する。図27に示すように、普図変動中処理では、まず、処理番号として普図表示中処理にかかる「2」に設定し(ステップB401)、当該処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB402)。その後、普図表示器53における普図変動表示ゲームの結果の表示時間である普図表示時間(例えば600m秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB403)、普図の変動終了に関する信号(例えば、普通図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB404)、普図変動表示ゲームが停止中であることを示す停止フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブして(ステップB405)、普図変動中処理を終了する。
〔普図表示中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図表示中処理(ステップB10)の詳細について説明する。図28に示すように、普図表示中処理では、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグ(当り情報又ははずれ情報)をロードし(ステップB501)、RWMの当りフラグ領域をクリアして(ステップB502)、ロードされた当りフラグが当り情報かを判定する(ステップB503)。
当りフラグが当り情報でない場合(ステップB503;N)は、処理番号として普図普段処理にかかる「0」を設定し(ステップB515)、当該処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB516)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップB517)、普図表示中処理を終了する。
一方、当りフラグが当り情報である場合(ステップB503;Y)は、当り中処理設定テーブルを設定して(ステップB504)、普図停止図柄情報に対応する当り開始ポインタの値(例えば、「0」又は「5」)を取得し、普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(ステップB505)。次いで、普図停止図柄情報に対応する当り終了ポインタの値(例えば、「4」又は「7」)を取得し、普図当り終了ポインタ領域にセーブする(ステップB506)。次いで、普図停止図柄情報に対応する普電開放時間(例えば、1700m秒又は2600m秒)を取得し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB507)。
次いで、普図当り中処理に移行するための処理番号として「3」を設定し(ステップB508)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB509)。その後、普図変動表示ゲームの当りの開始に関する信号(例えば、普通図柄1当り中信号をON)と、普電作動開始に関する信号(例えば、普通電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB510)、普電ソレノイドを駆動(オン)する信号を出力するため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(ステップB511)。
さらに、普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電カウント数領域の情報をクリアして(ステップB512)、普電不正監視期間における普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域の情報をクリアする(ステップB513)。そして、普通変動入賞装置37の不正監視期間外を規定するフラグ(不正監視期間外フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB514)、普図表示中処理を終了する。
〔普図当り中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り中処理(ステップB11)の詳細について説明する。図29に示すように、普図当り中処理では、まず、普図当り中制御ポインタをロードし、準備して(ステップB601)、ロードした普図当り中制御ポインタの値が上限値以上であるかを判定する(ステップB602)。
そして、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上でない場合(ステップB602;N)は、普図当り中制御ポインタを+1更新して(ステップB603)、普図当り中制御ポインタの値(ステップB603で+1更新する前の値)に応じた分岐処理を行う(ステップB604)。
また、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上である場合(ステップB602;Y)は、ステップB603における普図当り中処理制御ポインタ領域を+1更新する処理を行わずに、普図当り中制御ポインタの値に応じた分岐処理を行う(ステップB604)。
制御ポインタの値が「0」、「2」又は「5」であった場合は、ステップB605へ移行して、普通変動入賞装置37の閉塞を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の閉塞後のウェイト時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB605)、普電ソレノイド37cをオフさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB606)、普図当り中処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「1」又は「3」であった場合は、ステップB607へ移行して、普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB607)、普電ソレノイド37cをオンさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップB608)、普図当り中処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「6」であった場合は、ステップB609へ移行して、普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB609)、普電ソレノイド37cをオンさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップB610)、普図当り中処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「4」又は「7」であった場合は、ステップB611へ移行して、普通変動入賞装置37の開放制御を終了して普電残存球処理を行うため、処理番号として「4」を設定する(ステップB611)。そして、この処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップB612)、普電残存球処理時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB613)。その後、普電ソレノイド37cをオフさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB614)、普図当り中処理を終了する。
ここで、本実施形態では、例えば、ステップB605にてウェイト時間として300m秒を、ステップB607にて普電開放時間として1700m秒を、ステップB609にて普電開放時間として2600m秒を、ステップB613にて普電残存球処理時間として600m秒をセーブする。
さらに、普図停止図柄が「当り図柄1」である場合は、図28に示す普図表示中処理のステップB505において、当り開始ポインタの値として「0」が取得され、普図表示中処理のステップB506において、当り終了ポインタの値として「4」が取得され、普図表示中処理のステップB507において、普電開放時間として「1700m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「1700m秒」であるため普電が1700m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「0」であるため300m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「1」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「2」に更新されるため300m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「3」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「4」に更新されるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
また、普図停止図柄が「当り図柄2」である場合は、図28に示す普図表示中処理のステップB505において、当り開始ポインタの値として「5」が取得され、普図表示中処理のステップB506において、当り終了ポインタの値として「7」が取得され、普図表示中処理のステップB507において、普電開放時間として「2600m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「2600m秒」であるため普電が2600m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「5」であるため300m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「6」に更新されるため普電が2600m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「7」に更新されるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。すなわち、遊技制御手段100が所定条件の成立に基づき普図ゲーム(普図変動表示ゲーム)を実行し、当該普図ゲームの結果が特定結果となった場合に普通変動入賞装置37を開状態に変換する当り状態(普図当り状態)を発生可能な普通変動入賞装置制御手段をなす。
〔外部情報編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS117)の詳細について説明する。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップS111)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS107)、磁石不正監視処理(ステップS115)、盤電波不正監視処理(ステップS116)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
図30及び図31に示すように、外部情報編集処理では、まず、ガラス枠開放エラーの発生中でもなく(ステップS801;N)、本体枠開放エラーの発生中でもない場合(ステップS802;N)には、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS803)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS804)、ステップS807の処理に移行する。
一方、ガラス枠開放エラーの発生中である場合(ステップS801;Y)、あるいは、本体枠開放エラーの発生中である場合(ステップS802;Y)には、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS805)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS806)、ステップS807の処理に移行する。
そして、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータの初期化が行われた時から所定時間(例えば256m秒)を計時するセキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS807)。なお、セキュリティ信号制御タイマの初期値は、メイン処理においてRAMクリアで起動したときのRAM初期値設定時に設定され、セキュリティ信号制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS808)。
セキュリティ信号制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS808;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS809)、ステップS810の処理に移行する。また、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」である場合(ステップS808;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、ステップS809の処理を行わずに、ステップS810の処理に移行する。
そして、磁石不正の発生中である場合(ステップS810;Y)、盤電波不正の発生中である場合(ステップS811;Y)、枠電波不正の発生中である場合(ステップS812;Y)、普電不正の発生中である場合(ステップS813;Y)、あるいは、大入賞口不正の発生中である場合(ステップS814;Y)は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS817)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS818)、ステップS819の処理に移行する。すなわち、エラーの発生が外部情報として出力される。
一方、磁石不正の発生中でもなく(ステップS810;N)、盤電波不正の発生中でもなく(ステップS811;N)、枠電波不正の発生中でもなく(ステップS812;N)、普電不正の発生中でもなく(ステップS813;N)、大入賞口不正の発生中でもない場合(ステップS814;N)は、スイッチ異常の発生中であるかを判定する(ステップS815)。
スイッチ異常の発生中である場合(ステップS815;Y)には、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS818)、ステップS819の処理に移行する。また、スイッチ異常の発生中でない場合(ステップS815;N)には、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS816)、ステップS819の処理に移行する。
そして、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理(ステップS819)を行い、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理(ステップS820)を行う。
次に、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための図柄確定回数制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS821)。なお、図柄確定回数制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、図柄確定回数制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS822)。
図柄確定回数制御タイマの値が「0」である場合(ステップS822;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、図柄確定回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS823)、外部情報編集処理を終了する。
また、図柄確定回数制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS822;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、図柄確定回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS824)、外部情報編集処理を終了する。
次に演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311では、図32に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。
〔メイン処理〕
図32に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25やタッチパネル29の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出ボタン25やタッチパネル29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25やタッチパネル29からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)には、画面描画を指示する(ステップC16)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や枠装飾装置18、サブ情報表示装置90などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行い、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図33には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステップC208)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC210;Y)には、受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図34には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップC234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC234;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC241;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するために必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
また、電源投入に関するコマンドや、確率設定値に関するコマンドについては単発系コマンド処理で対応する処理が行われるようになっている。電源投入に関するコマンドとしては、停電復旧時のコマンドやRAM初期化時のコマンドが挙げられる。確率設定値に関するコマンドとしては、確率設定変更中、確率設定値変更、確率設定変更終了、確率設定値確認中、確率設定値確認終了の各コマンドが挙げられる。
〔先読み図柄系コマンド処理〕
図35には、上述の受信コマンド解析処理における先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を示した。この先読み図柄系コマンド処理では、まず、最新の保留情報が特図1保留であるかを判定する(ステップC301)。最新の保留情報が特図1保留である場合(ステップC301;Y)、すなわち、受信した先読み図柄系コマンドが特図1保留に関するものである場合は、コマンドを特図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブし(ステップC302)、先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットして(ステップC304)、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
また、最新の保留情報が特図1保留でない場合(ステップC301;N)、すなわち、受信した先読み図柄系コマンドが特図2保留に関するものである場合は、コマンドを特図2保留数に対応する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブし(ステップC303)、先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットして(ステップC304)、先読み図柄系コマンド処理を終了する。ステップC304で先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットするのは、先読み図柄コマンドと先読み変動コマンド(先読み変動パターンコマンド)とがセット(ペア)のためである。
〔先読み変動系コマンド処理〕
図36には、上述の受信コマンド解析処理における先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を示した。この先読み変動系コマンド処理では、まず、先読み変動コマンド受信待ち中であるかを判定する(ステップC311)。ここでは、上述の先読み図柄系コマンド処理で設定される先読み変動コマンド受信待ちフラグがある場合に受信待ち中と判定するようになっている。先読み変動コマンド受信待ち中でない場合(ステップC311;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、先読み変動コマンド受信待ち中である場合(ステップC311;Y)は、先読み変動コマンド受信待ちフラグをクリアする(ステップC312)。
その後、ステップC313〜C316の処理では、遊技制御装置100から受信した先読み変動コマンド(先読み変動パターンコマンド)を、演出制御装置300での処理に便利なように変換する処理を行う。まず、最新保留情報の図柄の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定する処理(ステップC313)を行って、今回受信した先読み変動系コマンドに対応する始動記憶の特図種別の情報と当該特図種別の現在の保留数とに応じて、MODEを変換するためのMODE変換テーブルを設定する。
次いで、設定したMODE変換テーブルを参照して、先読み変動コマンドのMODEに対応するサブ内先読み変動コマンドMODEを取得する(ステップC314)。さらに、先読み変動ACT変換テーブルを設定して(ステップC315)、先読み変動コマンドのACTに対応するサブ内先読み変換コマンドACTを取得する(ステップC316)。
MODEには前半変動の情報が含まれているが、このMODEに基づき設定される前半変動の内容や時間は判定時における保留数によって変化するので、事前判定時の判定と特図変動表示ゲーム開始時の判定とで判定結果が異なる場合がある。よって、判定時の保留数に影響されずに先読み予告演出の処理を容易かつ確実に行うことができるようにするために、現在の保留数に応じた変換態様でMODEを変換し、判定時の保留数によらずに共通して扱うことができるようにしている。例えば、リーチなしはずれ変動であって保留の状況によっては短い前半変動時間になる可能性があるものや、リーチなしはずれ変動であって保留の状況にかかわらず長い前半変動時間となるもののように、先読み予告演出の設定で考慮する事項で区分けしたMODEに変換しておき、先読み予告演出の処理を容易かつ確実に行うことができるようにする。
また、ACTにはリーチの有無やリーチの種類などの後半変動の情報が含まれている。このACTに基づき設定される後半変動の内容は判定時の保留数によって変化することはない。しかし、例えばノーマルリーチでも、最終停止図柄がリーチ図柄の1コマ手前で停止するはずれと、1コマ先で停止するはずれと、当りの場合とが設定されているように、同種のリーチでも様々な態様があり、このそれぞれに対応したACTが設定されているため、値の範囲が広いものとなっている。このため、同一系統のリーチに対応するACTを同一のACTに変換することで数を減らし、先読み予告演出の処理におけるチェックなどの処理負担を軽減するようにしている。
次いで、変換後のMODE、ACTは共に0以外であるかを判定する(ステップC317)。変換後のMODE、ACTは共に0以外でない場合(ステップC317;N)は、異常なコマンド値であるので先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、変換後のMODE、ACTは共に0以外である場合(ステップC317;Y)は、変換後コマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域にセーブして(ステップC318)、MODEとACTの組合せ(コマンド組合せ)が正常であるかを判定する先読みコマンド整合チェック処理(ステップC319)を行う。
先読みコマンド整合チェック処理(ステップC319)の結果、コマンド組合せが正常でない場合(ステップC320;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、コマンド組合せが正常である場合(ステップC320;Y)は、先読み予告演出の実行を抽選する先読み抽選処理(ステップC321)を行い、先読み予告演出を発生するかを判定する(ステップC322)。
そして、先読み予告演出を発生しない場合(ステップC322;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、先読み予告演出を発生する場合(ステップC322;Y)は、当該発生する先読み予告演出(すなわち、先読み抽選処理(ステップC321)で選出された先読み予告演出)が、直ちに開始する演出であるかを判定する(ステップC323)。直ちに開始する演出とは、例えば、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示の表示態様を現時点から変更する保留変化予告である。また、直ちに開始しない演出とは、特図変動表示ゲームの実行中に行う先読み予告演出であって、複数の特図変動表示ゲームに亘り連続で特定の演出やリーチ状態を発生させる演出や、変動表示中に登場するキャラクタによって予告を行う演出、飾り特図始動記憶表示の表示態様を現時点よりも後のタイミングで変更する保留変化予告などである。なお、このような直ちに開始しない演出の実行を開始するタイミングとしては、特図変動表示ゲームの実行中であればその特図変動表示ゲームが終了し、次の特図変動表示ゲームの実行が開始されるタイミングなどが該当する。
直ちに開始する演出でない場合(ステップC323;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。この場合は、先読み予告演出を実行する特図変動表示ゲームの開始時などに予告の設定を行う。一方、直ちに開始する演出である場合(ステップC323;Y)は、選出された先読み予告演出に対応する表示を設定し(ステップC324)、先読み変動系コマンド処理を終了する。
なお、遊技制御装置100において普図始動記憶についての事前判定処理を行って演出制御装置300に結果を送信するようにしても良い。そして演出制御装置300では上述の処理と同様の処理により普図変動表示ゲームについての先読み予告演出を行うようにしても良い。
〔変動系コマンド処理〕
図37には、上述の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(ステップC236)を示した。この変動系コマンド処理では、まず、特図種別が未確定であるかを判定する(ステップC361)。特図種別とは、特図の種別が特図1か特図2かを示す情報であり、上述の図柄系コマンド処理のステップC251で設定される情報である。
この特図種別が未確定である場合(ステップC361;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、特図種別が未確定でない場合(ステップC361;N)、すなわち特図種別が設定されている場合は、変動コマンドと図柄コマンドの組み合わせをチェックし(ステップC362)、変動コマンドと図柄種別が不整合であるかを判定する(ステップC363)。
変動コマンドと図柄種別が不整合である場合(ステップC363;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、変動コマンドと図柄種別が不整合でない場合(ステップC363;N)は、変動コマンドから変動パターン種別を判別する(ステップC364)。図柄種別とは図柄のカテゴリを意味し、図柄種別には例えば、はずれ図柄、16R電サポ100回図柄、16R電サポなし図柄、2R電サポ100回図柄、小当り図柄などがある。変動コマンドと図柄種別が不整合である場合とは、はずれの変動コマンド(変動パターンコマンド)を受信したのに、16R電サポ100回図柄の図柄コマンドを受信していた時のような、演出を行う上で矛盾してしまう組み合わせ(変動コマンドと図柄種別の組み合わせ)であることを意味する。
変動コマンドから変動パターン種別を判別する処理(ステップC364)では、受信したコマンドに応じて、特図の変動表示演出の大まかな分類である変動パターン種別を判別する。そして、変動コマンドに応じた演出を行うための情報を設定する変動演出設定処理を行う(ステップC365)。
次に、P機状態(パチンコ機の状態)として特図変動中を設定する(ステップC366)。ここで、特図変動中とは、特図の変動中(客待ちデモ中や大当り中、或いはファンファーレ中等でないこと)を表している。さらに、先読み演出回数(先読み実行回数)がゼロでなければ先読み演出回数を−1更新(先読み演出回数を1だけ減らす処理)し(ステップC367)、変動系コマンド処理を終了する。
〔変動演出設定処理〕
図38には、上述の変動系コマンド処理における変動演出設定処理(ステップC364)を示した。この変動演出設定処理では、まず、変動パターン種別がリーチなし変動であるかを判定する(ステップC381)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(ステップC381;Y)は、機種コード及び特図種別とその時点の演出モードに対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC382)。なお、リーチなし変動であるので図柄種別は必ずはずれ図柄であり、ここでは図柄種別を特に参照しなくてもよい。なお演出モードは、演出制御装置300が管理する遊技モードに相当し、機種によって当然異なるが、ここでは通常モード及び時短モードなどがある。さらに、各モード内に予告演出の振り分け率や表示装置41における飾り特図変動表示ゲームの演出態様を異ならせた複数のモードを設けている。
次に、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(ステップC383)。これによりリーチなし変動の場合には、各変動中に出現する予告演出の抽選内容(具体的には各予告演出態様の出現率)を保留数に応じて変化させることが可能となる。その後、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC386)。
一方、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(ステップC381;N)は、機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC384)。そして、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC385)、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC386)。
次に、後半変動の予告演出を抽選する。なお、特図変動表示ゲームの後半変動とはいわゆるリーチアクション(例えば、特図の複数列の表示領域のうち特定領域を除く表示領域が大当りとなる特別結果態様(特別な図柄の組合せ)で変動表示が停止していて、特定領域のみで変動表示している状態)の変動表示である。一方、特図変動表示ゲームの前半変動とはリーチアクション開始前までの変動表示である。
まず、機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC387)。後半予告振分グループアドレステーブルは、後半予告振分グループテーブルのアドレスを選択するためのテーブルである。そして、後半予告振分グループアドレステーブルを参照してACTに対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC388)、後半予告振分グループテーブルを使って後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(ステップC389)。
その後、MODE、ACTに対応する変動演出の内容を決定し(ステップC390)、予告抽選結果に対応する演出の内容を決定する(ステップC391)。これにより、飾り特図変動表示ゲームの変動時間や主なリーチ内容などの演出や予告、実行中記憶表示部84の表示態様などが決定されることとなる。また、後述するように特別結果となる可能性の高さである期待度を示唆する特定演出の実行の有無やその回数についても決定する。
次いで、決定された特図変動表示ゲームの変動パターン(リーチ演出など)や予告内容も参照して停止図柄を決定する停止図柄設定処理を行う(ステップC392)。次に、変動演出の表示設定を行い(ステップC393)、予告演出の表示設定を行う(ステップC394)。これらの処理により、上述したように設定された飾り特図変動表示ゲームでの演出や予告が実行可能となる。その後、特図種別に対応する保留減少の表示設定を行う(ステップC395)。この処理では特図変動表示ゲームを開始する際に対応する始動記憶の減少に対応して飾り特図始動記憶表示を減少させる設定を行う。
そして、BGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である装飾番号を設定し(ステップC396)、特図種別に対応する飾り特図変動(識別情報の変動表示)の表示設定を行う(ステップC397)。さらに、サブ情報表示装置90において、識別情報の変動表示とは別に飾り特図変動表示ゲームを表示する第4図柄の変動表示を設定するために、特図種別に対応する第4図柄変動の表示設定を行い(ステップC398)、変動演出設定処理を終了する。
次に、演出制御装置300による演出の一例について説明する。まず、表示装置41における演出について説明する。図39(a)に示すように表示装置41の表示領域の中央には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第1飾りゲームを表示する飾り特図変動表示ゲーム表示部85が設けられる。ここでは、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを表示する。表示領域の左上部には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第2飾りゲームを表示する第2飾りゲーム表示部88が設けられている。この第2飾りゲーム表示部88に表示される第2飾りゲームは、飾り特図変動表示ゲーム表示部85に表示される第1飾りゲームと同様に、左領域、中領域、右領域の各領域で識別情報を変動表示した後に停止して結果を表示するようになっている。
また、表示領域の中央下部には始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する記憶表示部83が設けられる。記憶表示部83には、第1始動記憶を表示する第1記憶表示部83aと、第2始動記憶を表示する第2記憶表示部83bとが設けられている。第1記憶表示部83aに表示される飾り特図始動記憶表示は、第1始動記憶と一対一に対応し、記憶順に並んで表示されるものであり、ここでは3つの第1始動記憶があることを示している。左端の飾り特図始動記憶表示が最先に記憶された第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示であり、消化される毎に左へ移行するようになっている。
また、それぞれの始動記憶に対応する特図1変動表示ゲームの結果や変動パターン等の先読み結果をその表示態様により示唆することが可能である。なお、図39(a)では、消化順序が1番目の第1始動記憶について飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる先読み演出が行われている。また、第2記憶表示部83bでは第1記憶表示部83aと同様に第2始動記憶と一対一に対応した飾り特図始動記憶表示を表示する。ここでは第2始動記憶が0であることを示している。
第1記憶表示部83aの左方には、現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部84が設けられる。この実行中記憶表示部84には、特図変動表示ゲームの開始時に第1記憶表示部83a又は第2記憶表示部83bの左端にある飾り特図始動記憶表示が移行し、実行される特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等をその表示態様により示唆するようになっている。
表示領域の右上部には、始動記憶数を表示する始動記憶数表示部86が設けられる。この始動記憶数表示部86には、第1始動記憶の数を表示する第1始動記憶数表示部86aと、第2始動記憶の数を表示する第2始動記憶数表示部86bとが設けられている。
図39(a)に示す状態から第1始動記憶が消化されて減少すると、図39(b)に示すように第1記憶表示部83aの左端にある飾り特図始動記憶表示が実行中記憶表示部84へ流入する表示が行われる。ここでは、実行中記憶表示部84においても先読み演出と同様の態様で特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等が示唆されている。また、始動記憶数表示部86では、第1始動記憶数表示部86aの数値が1つ減少する。
そして、飾り特図変動表示ゲーム表示部85では第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが開始され、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報の変動表示が開始される。また、第2飾りゲーム表示部88においても第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが開始され、左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が開始される。
その後、まず、図39(c)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85の左変動表示領域で識別情報が仮停止する。仮停止している状態では識別情報が揺れるように表示され、完全に停止していないことが示されている。また、第2飾りゲーム表示部88では左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が継続される。次に、図39(d)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85の右変動表示領域で識別情報が仮停止する。ここでは、左変動表示領域と右変動表示領域で同じ識別情報が停止するリーチ状態となっており、リーチ演出が開始される。もちろん左変動表示領域と右変動表示領域で異なる識別情報が停止してリーチ状態とならない場合もある。また、第2飾りゲーム表示部88では左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が継続される。このようにリーチ状態で右変動表示領域が仮停止するまでが前半変動であり、以降が後半変動となる。
そして、図39(e)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85の中変動表示領域で識別情報が仮停止し、飾り特図変動表示ゲーム表示部85の全ての変動表示領域で識別情報が仮停止した状態となる。なお、仮停止している状態は変動表示中と同等であり、ここでは未だ変動表示中の状態である。また、第2飾りゲーム表示部88では左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が継続される。
なお、本実施形態の遊技機では擬似連変動パターンを選択可能である。この擬似連変動パターンは、特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームにおいて特別結果態様以外の結果態様で仮停止した後に再度変動表示を開始する再変動表示を一回以上行う変動パターンである。また、特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームにおいて複数の識別情報を所定時間変動表示した後に仮停止する単位変動表示を二回以上の複数回行って結果態様を導出する変動パターンであるとも言える。
この擬似連変動パターンである場合は、図39(d)の状態から図39(f)に示すように中変動表示領域で「連」の識別情報が仮停止し、その後図39(b)の変動表示を行う状態に移行する。「連」の識別情報は飾り特図変動表示ゲームの結果態様としては用いられない識別情報である。擬似連変動パターンでは仮停止と再変動を複数回繰り返すことが可能であり、図39(b)、(c)、(d)、(f)を所定回数繰り返して行い、飾り特図変動表示ゲームの変動時間が終了する際には、図39(d)の状態から図39(e)に示す仮停止の状態となる。
その後、変動時間が終了すると図39(g)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85の識別情報が停止した状態となり、結果態様を表示する状態となる。第2飾りゲーム表示部88でも左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が終了して識別情報が停止した状態となり、結果態様を表示する状態となる。さらに、停止時間の終了に伴い特図変動表示ゲーム及び飾り特図変動表示ゲームが終了する。これに伴い図39(h)に示すように実行中記憶表示部84の表示が消去され、次の飾り特図変動表示ゲームを開始可能な状態となる。なお、図39(h)の状態で始動記憶がなければ客待ち状態となる。また、図39(h)の状態で結果が特別結果であれば特別遊技状態となる。
本実施形態の遊技機では、特定音を発することにより特別結果となる可能性の高さである期待度を示唆することが可能となっている。このような特定音を発することが可能な演出として、本実施形態の遊技機では飾り特図変動表示ゲームの実行中に演出ボタン25の操作を伴うボタン演出を実行可能となっている。このボタン演出では、図40(a)に示すように表示装置41に演出ボタン25の押下操作を指示する操作指示表示81が行われる。また、操作可能時間を示す残時間表示82も併せて行われる。さらに、スピーカ19a,19bから「押せ」の音声が発せられる。この音声は操作指示表示81に表示された「押せ!!」の文字と対応する音声である。この音声は特定音ではなく、単に操作を指示する音声である。
そして、遊技者が演出ボタン25を押下すると、操作指示表示81及び残時間表示82が消去されるとともに、操作に対応した演出が実行される。また、操作に対応した演出として、図40(b)に示すようにスピーカ19a,19bから「まだまだ」の音声が発せられるとともに、表示装置41に「まだまだ!!」の関連表示83を行う演出を実行し、図40(c)に示すように演出を終了する。この「まだまだ」の音声は特別結果となる可能性の高さである期待度を示唆するための特定音をなすものであり、表示装置41に表示された「まだまだ!!」の文字は発せられた音声と関連する関連表示である。
また、特定音を発することが可能な演出として擬似連変動パターンの場合にもボタン演出と同様の演出を実行可能である。図40(d)に示すように再変動があることを示す「連」が仮停止した際に、図40(e)に示すようにスピーカ19a,19bから「まだまだ」の音声が発せられるとともに、表示装置41に「まだまだ!!」の関連表示83を行う演出を実行する。この「まだまだ」の音声は特別結果となる可能性の高さである期待度を示唆するための特定音をなすものであり、表示装置41に表示された「まだまだ!!」の文字は発せられた音声と関連する関連表示である。
このように、一の特図変動表示ゲームにおいて実行可能な別個の演出において、共通して特定音を発することが可能となっており、この特定音を発する演出が期待度を示唆することが可能な特定演出をなす。本実施形態では、この特定演出が実行される回数により期待度を示唆することが可能となっている。なお、特定演出において関連表示83は表示してもしなくても良く、この関連表示83の有無が示唆する期待度に影響するようにしても良いし、しないようにしても良い。
図41には、特定演出により期待度を示唆する演出の一例を示した。例えば演出1は、擬似連変動パターンとして4回の仮停止を行う変動パターンであり、ボタン演出は行わないので、仮停止のそれぞれで特定演出が行われることで4回の特定演出が実行されるようにするものである。この演出が実行された場合に示唆される期待度は100%である。すなわち特別結果となることを確定的に報知する演出である。
また、演出2は、擬似連変動パターンとして3回の仮停止を行う変動パターンであり、ボタン演出は行わないので、仮停止のそれぞれで特定演出が行われることで3回の特定演出が実行されるようにするものである。この演出が実行された場合に示唆される期待度は50%である。演出3は、擬似連変動パターンとして2回の仮停止を行う変動パターンであり、ボタン演出を1回行うので、ボタン演出と2回の仮停止のぞれぞれで特定演出が行われることで3回の特定演出が実行されるようにするものである。この演出が実行された場合に示唆される期待度は25%である。
演出2と演出3では同じ回数の特定演出を行うものであるが、特定演出を実行する機会が異なり期待度も異なるようにしている。演出4と演出5も同様である。もちろん特定演出を実行する機会に関わらず特定演出を実行する回数のみで期待度を示唆するようにしても良く、演出2と演出3や演出4と演出5で示唆する期待度が同じとなるようにしても良い。
このように、特定音を発する特定演出の実行回数により期待度を示唆するようにしたことで遊技者にとって分かり易い演出とすることができる。また、遊技者が各回の演出に注目するようになり演出の効果を高めることができる。また、特定音を発するので表示装置41から目を離していても把握することができ、特定演出の実行を確実に把握可能となる。また、同じ特定音が繰り返し発せられることで遊技者を繰り返し高揚させることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、ボタン演出と擬似連変動パターンのように異なる演出において共通の特定演出を実行可能とし、この特定演出により期待度を示唆するようにしたことで、特図変動表示ゲームの全期間に亘り特定演出が実行されるか否かに注目するようになり、遊技に集中するようになって遊技の興趣を向上することができる。
図38に示した変動演出設定処理においては、実行する特図変動表示ゲームの結果やリーチ状態の有無に基づき、特定演出の実行の有無や実行する場合に演出1〜5のいずれを実行するかを決定する。例えば結果が大当りである場合には結果がはずれである場合よりも高い確率で特定演出の実行を選択する。また、結果が大当りである場合には結果がはずれである場合よりも期待度の高い演出が選択される確率を高くする。
なお、上述の例では演出1〜演出5の5つのパターンから選択するようにしたが、ボタン演出の実行の有無と擬似連パターンの実行の有無を独立して選択できるようにしても良い。この場合は、実行する特定演出の回数又は示唆する期待度を先に決めておき、この決定結果に基づきボタン演出の有無や回数、擬似連変動パターンの有無や回数をそれぞれ選択するようにする。
また、特定演出をボタン演出と疑似連変動パターンとしたが、これ以外の演出であっても良い。また、ボタン演出は一の特図変動表示ゲームで一回のみ実行可能としても良いし、複数回実行可能としても良い。また、他の演出の実行に関わらず変動開始から停止までの期間におけるどのタイミングでも特定演出を実行可能としても良い。特に、時短状態のように変動時間が短い場合には、変動開始に伴い特定音を必要な回数だけ発するようにしても良い。
また、特定演出の実行に併せて枠装飾装置18や盤装飾装置46のようなLEDの発光による演出を行う発光演出装置を特定の発光態様で発光させるようにしても良い。また、特定演出の実行回数を表示するようにしても良いし、示唆される期待度を表示するようにしても良い。
また、特定音は台詞を含む音声とし関連表示は当該台詞を文字にしたものとしたが、特定音は台詞を含まない音とし関連表示を当該特定音の擬音語としても良い。また、特定演出が実行された回数を表示するようにしても良く、これに伴い示唆される信頼度を表示するようにしても良い。さらに、特定音の音量の大小が期待度を示唆する要素の一つとなるようにしても良い。また、同じセリフであるが声色が異なる複数種類の特定音を設定し、声色の種類により示唆される期待度が異なるようにしても良い。
また、特定音として複数の音声を設定しておき、いずれかが発せられ場合や、全てが同時に又は所定期間内に発せられ場合に特定演出としても良い。例えば、図40(a)の「押せ」の音声も特定音の一つとしてこの音声が発せられれば特定演出としても良いし、一のボタン演出において図40(a)の「押せ」の音声と図40(b)の「まだまだ」の音声の両方が発せられた場合に特定演出としても良い。
また、特定音は、スピーカ19a,19bから発する音であっても良いし、盤演出装置44や前面枠12に設けた演出装置の動作に伴い発せられる動作音や、遊技球の払い出しに伴い払出装置から発せられる動作音であっても良い。また、遊技球の動きに関連する動作音であっても良く、例えば、遊技球の払い出しに伴って遊技球が払出装置、流路、上皿21、下皿23又は他の遊技球等に接触することで発せられる音であっても良い。
また、特定音は遊技領域に発射された遊技球がカバーガラス14、遊技釘、センターケース40などの遊技盤に設けられた構造物等に接触することで発せられる音であっても良い。この場合は遊技者の操作によらずに遊技機の制御により発せられる音が好ましく、例えば遊技領域内で遊技球を停留する停留装置を備え、この停留装置による停留が解除された遊技球がカバーガラス14、遊技釘、センターケース40などの遊技盤に設けられた構造物等に接触することで発せられる音が挙げられる。また、遊技球の流路、遊技領域32、センターケース40など遊技球が接触する部位に、遊技球が接触することで音を発する金属製のベルなどの音発生部材を設けるようにしても良い。
すなわち、特定音は遊技機から発せられる音であり、遊技制御装置100や演出制御装置300などの制御手段の制御に基づき発せられる音であるとも言え、偶然ではなく故意に発せられる音であるとも言える。また、演出に沿って発せられる音であるとも言える。また、スピーカ19a,19bから発する音は記憶手段に記憶されている音データに基づき発せられる音であり、動作音は記憶手段に記憶されている音データに基づき発せられる音ではない音と言える。
また、図41に示した演出に加えて図42(a)、(c)に示すように関連表示83を行う場合と、図42(b)、(d)に示すように関連表示83を行わない場合とで示唆する期待度が異なる場合があるようにしても良い。例えば図42(e)に示すように、擬似連変動パターンとして2回の仮停止を行う変動パターンであり、ボタン演出を1回行うことで3回の特定演出が実行される演出3として、それぞれ関連表示83を行う回数が異なる演出3−1、演出3−2、演出3−3を設けるようにし、それぞれ期待度が異なるようにする。このようにすることで、遊技者が特定音に加えて関連表示83が行われるか否かに対しても注目するようになり、遊技の興趣を向上することができる。
さらに、関連表示83の表示態様によって示唆する期待度が異なるようにしても良い。例えば、文字の色や文字を装飾する背景、文字の大きさ、文字の書体、文字の向き、関連表示が表示される際の演出表示などが挙げられる。
また、図41に示した演出に加えて図42(f)に示すように特定演出を実行可能なタイミングの全てで特定演出を行わない場合があっても良く、特定演出の回数及び実行タイミングによって期待度が異なるようにしても良い。例えば、演出3−4では実行可能なタイミングは3回あるが、このうちのボタン演出では特定演出を実行せず、擬似連1回目、2回目の2回のみ特定演出を実行する場合である。また、演出3−5では実行可能なタイミングは3回あるが、このうちのボタン演出と擬似連2回目の2回のみ特定演出を実行する場合である。このように特定演出の実行回数が同じである演出3−4と演出3−5で、示唆する期待度が異なるようにしており、特定演出の実行タイミングも期待度を示唆する要素としている。
また、演出3−4では擬似連1回目と2回目の連続する実行機会において特定演出が実行されているのに対して、演出3−5ではボタン演出と擬似連2回目の間にある実行機会である擬似連1回目の実行機会において特定演出が実行されていない。このように予め設定された実行機会において、特定演出が連続して実行されている場合には示唆する期待度が高くなるようにされている。このように特定演出が連続して実行されていないことを遊技者が明確に把握可能とするために、演出3−5における擬似連1回目の実行機会では特定音ではない音を発することや文字の表示を行うようにしても良い。
また、演出3−6は擬似連1回目のみで特定演出を実行する場合である。この場合、図41に示した演出4と同じ期待度を示唆するようにしている。演出3−7も図41に示した演出5と同じ期待度を示唆するようにしている。
また、図42(e)と(f)を組み合わせて、関連表示83の有無、特定演出の回数、実行タイミングを考慮して期待度を設定するようにしても良い。例えば、演出3−2、演出3−3において、関連表示83を行う演出がボタン演出と擬似連変動パターンのいずれであるか及び擬似連変動パターンにおける何回目の仮停止であるかによって期待度が異なるようにしても良い。
図42に示すように特定演出を行う場合は、図41や図42(e)(f)に示すような演出パターンから選択するようにしても良いし、特定演出とは関係なくボタン演出や擬似連変動パターンなどの演出を決定し、その後、決定された演出のどこで特定演出を行うかを設定するようにしても良い。
また、期待度の示唆に影響する演出のバリエーションとして、図43(a)に示すように特定音を発せず関連表示83のみ行う場合や、図43(b)に示すように特定音を発するが当該特定音と関連しない表示を行う場合を設定しても良い。また、図43(c)に示すように特定音とは異なる音声を発するとともに当該音声に関連する表示を行う場合や、図43(d)に示すように特定音とは異なる音声を発するが特定音に関連する関連表示83を行う場合を設定しても良い。そして、図43に示したような演出を含めて実行された演出と実行タイミングとに対応して示唆する期待度を設定することも可能である。
また、図43(a)〜(d)に示すような演出を実行可能とする場合に、「まだまだ」の音声を第1特定音とし、「まだまだ!!」の表示を第1関連表示とし、「いくぞ」の音声を第2特定音とし、「いくぞ!!」の表示を第2関連表示としても良い。そして、一の特定演出において実行される第1特定音、第1関連表示、第2特定音及び第2関連表示の組み合わせと実行されたタイミングとに対応して示唆する期待度が変化するようにすることも可能である。もちろん特定音及び関連表示を3つ以上の複数としても良い。
また、特定演出を上述したように特定音(ここでは「まだまだ」)を発する演出に限らず、特定演出とする条件をこれ以外の条件としても良い。例えば、特定音を発することと関連表示83を表示することとの少なくとも一方が実行されることを特定演出としても良い。また、特定音を発する演出以外の演出を特定演出としても良い。例えば、枠装飾装置18や盤装飾装置46のようなLEDの発光による演出のうちの特定の発光態様の演出を特定演出としてもよい。また、盤演出装置44の動作による演出のうちの特定の盤演出装置44の特定の動作を特定演出としても良い。また、表示装置41の表示による演出のうちキャラクタ表示などの特定の表示を特定演出としても良い。そして、これらの特定演出が繰り返し行われた回数により期待度を示唆するようにする。
また、特定演出は予め定められているものとしたが、特定演出となる演出が遊技中に変更されるようにしても良い。例えば、特図変動表示ゲームの開始時等に当該特図変動表示ゲームにおける演出を指定し、この指定された演出を特定演出として実行回数等により期待度が示唆されるようにしても良い。また、客待ち状態や変動表示中において遊技説明を行う際に音を発するようにし、当該音を特定音として実行回数等により期待度が示唆されるようにしても良い。また、特定演出により期待度を示唆するとしたが、確率設定値を示唆するようにしても良い。
また、特定演出の実行回数による期待度の示唆を先読み演出として行うようにしても良い。図43(e)には特定演出の実行回数による先読み演出の一例を示した。ここでは、ゲームAからDを実行する4つの始動記憶が存在している状態において、最新の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームであるゲームDについての期待度を、ゲームAからDにおいて示唆する先読み演出の例を示した。
まず、ゲームAの実行前にゲームDを実行する始動記憶が存在しており、当該始動記憶について先読み変動系コマンド処理(図36参照)において先読み演出を実行すること及びその内容が決定される。ここでは特定音を発する特定演出を7回実行することが決定されている。そして、この決定に基づき先読み演出が実行される。ここではゲームAにおいて特定音を発する特定演出が3回実行され、ゲームBでは特定演出が1回実行され、ゲームCでは特定演出が2回実行され、ゲームDでは特定演出が1回実行されて合計で7回の特定演出が実行されており、遊技者はこの実行回数からゲームDについての期待度を推測することが可能となる。
このようにゲームDを実行する始動記憶の発生からゲームDにおいて結果が示されるまでの期間において期待度を示唆する特定演出を行うことで、長期間にわたり遊技者の興味を引き付けることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、特定演出の実行回数により期待度を示唆するという演出内容であるので、特定演出の実行機会が多くなって実行可能な特定演出の回数が増えて演出に幅を持たせることができる。また、複数のゲームにわたって実行される特定演出の回数を通算した回数により期待度を示唆できるので、演出の幅が広がり遊技の興趣を向上することができる。
なお、上述のような先読み演出において、複数のゲームにわたり実行される特定演出がどの始動記憶又は特図変動表示ゲームを対象にしているのかを示す情報を表示するようにし、実行回数を通算する対象を明確にしても良い。また、通算した実行回数を表示するようにして、当該回数が0クリアされない限り通算されていることを示すようにしても良い。
また、本実施形態及び後述の変形例において、音には人の声や動物の鳴き声などの音声の他に機械音や効果音など人の聴覚で認識可能な全ての音が含まれ得る。また、「まだまだ」など音声として説明した箇所についても音声ではない音を用いることも可能である。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機10において、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、所定期間において特定音を発する回数により特別結果が導出される可能性の高さである期待度を示唆可能であることとなる。したがって、演出内容と特別結果が導出される可能性の高さの関係性が解りやすくなり、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段に制御されて遊技に関する情報を表示可能な表示装置41を備え、演出制御手段は、特定音を発することに伴い表示装置41に当該特定音に関連する関連表示83を表示可能であり、関連表示83を行う場合と、関連表示83を行わない場合とで示唆する期待度が異なるようにしたこととなる。したがって、演出内容と特別結果が導出される可能性の高さの関係性が解りやすくなり、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、特定音として台詞を含む音声を発するように構成され、関連表示83として台詞を文字にした文字表示を行うようにしたこととなる。したがって、特定音と関連表示83の関連性が解りやすくなり、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、一のゲームで独立して実行される複数の演出において共通して特定音を発することが可能であることとなる。当該遊技機で長期間遊技を行っている遊技者はそれぞれの演出内容を把握してしまっており、演出の開始時点で以降の展開が分かってしまい興味を失うことから遊技者の興味を長い期間にわたり引き付けることができず十分に遊技の興趣を高めることができなかったが、このようにすることでゲーム中におけるどのタイミングで特定演出が発生するかがわからなくなり、ゲーム中の全期間わたり遊技者の興味を引き付けることができて遊技の興趣を向上することができる。
また、遊技球が入賞可能な始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)と、始動入賞口への遊技球の入賞に基づき乱数を抽出して、ゲームを実行する権利を乱数とともに始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、乱数を当該始動記憶に基づくゲームが実行されるよりも前に判定することが可能な事前判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、演出制御手段は、事前判定手段の判定結果に基づき、複数のゲームにわたって連続的な演出を実行可能であり、当該連続的な演出として、複数のゲームにおいて特定音を発する演出を実行可能であり、当該複数のゲームにおいて発せられた特定音の回数により、特定の始動記憶に基づくゲームの期待度を示唆可能であることとなる。したがって、連続的な演出の興趣を高めることができる。また、連続的な演出を実行する複数のゲームにわたり遊技者の興味を引き付けることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機10において、遊技の演出を制御する演出制御手段と、演出制御手段に制御されて遊技に関する演出を実行可能な演出装置(枠装飾装置18、盤演出装置44、盤装飾装置46)と、を備え、演出制御手段は、特定音を発するとともに当該特定音に伴って演出装置により演出を行う特定演出を実行可能であり、所定期間において特定演出を実行する回数により特別結果が導出される可能性の高さである期待度を示唆可能であることとなる。したがって、演出内容と特別結果が導出される可能性の高さの関係性が解りやすくなり、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出装置には、遊技に関する情報を表示可能な表示装置41が含まれ、演出制御手段は、特定演出において特定の画像(関連表示83)を表示装置41に表示するようにしたこととなる。したがって、演出内容と特別結果が導出される可能性の高さの関係性が解りやすくなり、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出装置には、発光態様により演出を行う発光演出装置(枠装飾装置18、盤装飾装置46)が含まれ、演出制御手段は、特定演出において特定の発光態様で発光演出装置を発光させるようにしたこととなる。したがって、演出内容と特別結果が導出される可能性の高さの関係性が解りやすくなり、遊技の興趣を向上することができる。
〔第1変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、連続する特定演出における先の特定演出から後の特定演出までの期間である実行期間(実行間隔)により期待度を示唆することが可能である。
本変形例の遊技機では、図41に示した演出に加えて図44(a)に示すような演出が可能である。図44(a)に示すように、擬似連変動パターンとして3回の仮停止を行う変動パターンでありボタン演出を行わないことで3回の特定演出が実行される演出2として、特定演出の実行間隔が異なる演出2−1、演出2−2を設けるようにし、それぞれ期待度が異なるようにする。
図44(b)には演出2−1での実行態様を示し、図44(c)には演出2−2での実行態様を示した。図44(b)における特定演出の実行タイミングである仮停止の間隔(t11〜t12、t12〜t13)よりも、図44(c)における特定演出の実行タイミングである仮停止の間隔(t21〜t22、t22〜t23)の方が長くなっている。すなわち図44(b)は短間隔、図44(c)は長間隔となっている。また、図44(b)で擬似連変動パターンを実行する全期間(t11〜t14)と、図44(c)で擬似連変動パターンを実行する全期間(t21〜t24)とは、同じ期間となっているが、図44(b)の方が(c)よりも連続する二つの特定演出の間隔として短いものが含まれていることとなる。
この実行間隔の違いは遊技者が認識できる程度の差があり、演出2−1と演出2−2の何れであるかを認識可能とされている。もちろん遊技者が認識困難な程度の差としても良い。また、図44(b)でのt11〜t12の実行間隔とt12〜t13の実行間隔は同じとしたが異なっていても良い。図44(c)でのt21〜t22の実行間隔とt22〜t23の実行間隔も同様に異なっていても良い。
さらに、実行間隔として短間隔と長間隔の2種類の間隔のうちから、一の特図変動表示ゲームにおける擬似連変動パターンにおいてこれらを適宜選択して組み合わせられるようにしても良い。そして、短間隔と長間隔の数及び組み合わせ方などにより期待度を示唆するようにしても良い。また、図44(a)に替えて図44(d)に示すようにしても良く、実行間隔が異なっていても特定演出の実行回数が同じであれば示唆する期待度が同じとなるようにしても良い。
さらに、図44(e)に示すように、最初の特定演出の実行タイミング(t21)から最後(ここでは3回目)の特定演出の実行タイミング(t23)までの期間は、図44(c)と同じであるが、連続する二つの特定演出の実行間隔が異なるパターンを選択可能としても良く、図44(c)と(e)で示唆する期待度が異なるようにしても良い。例えば、図44(c)よりも図44(e)の方が連続する二つの特定演出の間隔として短いものが含まれていることから、示唆する期待度が高いものとしても良い。すなわち、図44(c)と(e)は、連続する二つの特定演出の実行間隔の累計値は同じであるが、含まれる実行間隔が異なるものであり、この含まれる実行間隔により示唆する期待度が異なるようにしている。もちろん、図44(c)と(e)で示唆する期待度が同じであっても良いし、図44(c)の方が(e)よりも期待度が高いものとしても良い。
また、ここでは特定演出の実行機会の一つである擬似連変動パターンンにおける仮停止のタイミングを変化させることで特定演出の実行間隔を変化させるようにしたが、ボタン演出と擬似連変動パターンでの仮停止の間隔など、他の特定演出の実行機会との間隔を変化させることができるようにし、これにより期待度を示唆するようにしても良い。また、本変形例における特定演出の実行間隔を変化させる構成を他の実施形態、変形例にも適用可能であり、期待度を示唆する要素の一つとして利用可能である。
なお、連続する特定演出における先の特定演出から後の特定演出までの期間である実行期間(実行間隔)により期待度を示唆するとしたが、特定演出自体の実行期間が期待度を示唆する要素の一つとしても良いし、特定演出自体の実行期間のみで期待度を示唆するようにしても良い。例えば、擬似連変動パターンで仮停止する時間が特定演出を実行する実行期間をなすようにし、この仮停止の時間を選択できるようにしてこの時間の長短により期待度を示唆するようにしても良い。また、上述の第1実施形態のように特定音を発することが特定演出となるようにした場合は、特定音を発する時間を選択できるようにしてこの時間の長短により期待度を示唆するようにしても良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機10において、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、所定期間において複数回の特定演出を実行可能であり、連続する特定演出における先の特定演出から後の特定演出までの期間である実行期間(実行間隔)を選択することが可能であることとなる。当該遊技機で長期間遊技を行っている遊技者はそれぞれの演出内容を把握してしまっており、演出の開始時点で以降の展開が分かってしまい興味を失うことから遊技者の興味を長い期間にわたり引き付けることができず十分に遊技の興趣を高めることができなかったが、このようにすることで同じ特定演出でも変化が生まれて遊技者の興味を引き付けることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、所定期間において特定演出を実行する回数により特別結果が導出される可能性の高さである期待度を示唆可能であることとなる。したがって、演出内容と特別結果が導出される可能性の高さの関係性が解りやすくなり、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、特定演出を実行する回数が同じであれば実行間隔にかかわらず同じ期待度を示唆するようにしたこととなる。したがって、特定演出を実行する回数による期待度の示唆に加えて特定演出の実行タイミングの変化による興趣を持たせることができる。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機10において、遊技の演出を制御する演出制御手段を備え、演出制御手段は、所定期間において複数回の特定演出を実行可能であり、連続する特定演出における先の特定演出から後の特定演出までの期間である実行期間(実行間隔)を選択することが可能であり、選択する実行期間の組合せにより特別結果が導出される可能性の高さである期待度を示唆可能であることとなる。したがって、演出内容と特別結果が導出される可能性の高さの関係性が解りやすくなり、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段に制御されて遊技の演出を表示可能な表示装置41を備え、演出制御手段は、ゲームに対応して複数の識別情報を変動表示した後にゲームの結果に対応する結果表示を停止表示する飾りゲームを表示装置41に表示可能であり、飾りゲームにおいて、複数の識別情報を所定時間変動表示した後に仮停止する単位変動表示を二回以上の複数回行って結果表示を行う擬似連演出が可能であり、仮停止を行う際に特定演出を実行するように構成され、実行期間の組合せが異なるが実行期間の累計値が同じとなる擬似連演出では、より短い実行期間を含む擬似連演出の方が示唆する期待度が高くなるようにしたこととなる。したがって、演出内容と特別結果が導出される可能性の高さの関係性が解りやすくなり、遊技の興趣を向上することができる。
〔第2変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技機から発せられる複数種類の音により期待度を示唆することが可能となっている。
図45に示すように、本変形例では遊技機から発せられる複数種類の音として、盤演出装置44が動作することで当該盤演出装置44から発せられる動作音と、盤演出装置44の動作に伴ってスピーカ19a,19bから発することが可能な動作関連音と、盤演出装置44の動作とは関係なくスピーカ19a,19bから発することが可能な演出音であるBGMと、が設定されている。そして、特図変動表示ゲームの実行中における所定のタイミング(t31)でのこれらの発音態様により期待度を示唆可能となっている。
図45(a)に示すように、所定のタイミングにおいて盤演出装置44の動作による動作音が発せられず、動作関連音も発せられずにBGMだけが発せられた状態である場合には示唆する期待度が最も低い10%となる。図45(b)に示すように所定のタイミングにおいて動作関連音とBGMが発せられた場合は示唆する期待度が40%となり、図45(c)に示すように所定のタイミングにおいて動作音とBGMが発せられ場合は示唆する期待度が50%となる。そして、図45(b)に示すように所定のタイミングにおいて動作音、動作関連音及びBGMの全てが発せられた場合は示唆する期待度が70%となる。
このように、所定のタイミングにおいて遊技機から発せられる音により期待度を示唆するようにしたことで、遊技者が表示装置41から目を離していても期待度を把握することができ、特定演出の実行を確実に把握可能となる。また、盤演出装置44から発せられる動作音が期待度を示す要素の一つとなるようにしたので、従来にない報知が可能となり遊技の興趣を向上することができる。また、動作音を発することに伴い振動も発生するため、遊技者に対して聴覚以外の感覚により期待度を示唆することが可能となり、斬新な報知が可能となる。
また、上述の期待度は図45(a)の状態を基本として、動作関連音が発せられることにより30%が加算され、動作音が発せられることにより40%が加算されるようになっている。さらに、図45(e)から(h)に示すように、BGMが発せられないことで10%が加算されるようになっている。このように各種の音に期待度の加算値が関連付けられていることで、遊技者が容易に期待度を把握することができるようになっている。
また、期待度を示唆する音を発することが可能な所定タイミングであることを示す表示や音、発光を行うようにしても良い。そして、当該所定タイミングよりも早く又は遅く期待度を示唆する音を発することを可能とし、所定タイミングからのずれについても期待度を示唆する要素としても良い。図46には所定タイミングからのずれによる期待度の示唆の一例を示した。
図46(a)に示すように、所定タイミング(t31)において動作音、動作関連音及びBGMを発することで期待度が70%であることを示唆する場合(図45(d)に示す場合)に対して、図46(b)は動作関連音が所定タイミング(t31)よりも遅れて発せられている。この場合は示唆する期待度が図46(a)の場合よりも5%加算される。また、図46(c)に示すように動作関連音が所定タイミング(t31)よりも早く発せられた場合は示唆する期待度が図46(a)の場合よりも5%減算される。
また、図46(d)に示すように動作音が所定タイミング(t31)よりも遅れて発せられた場合は示唆する期待度が図46(a)の場合よりも10%加算され、図46(e)に示すように動作音が所定タイミング(t31)よりも早く発せられた場合は示唆する期待度が図46(a)の場合よりも10%減算される。
また、図46(f)に示すように動作音及び動作関連音が所定タイミング(t31)よりも遅れて発せられ場合は示唆する期待度が図46(a)の場合よりも15%加算され、図46(e)に示すように動作音及び動作関連音が所定タイミング(t31)よりも早く発せられ場合は示唆する期待度が図46(a)の場合よりも15%減算される。
すなわち、所定タイミングよりも遅くなることで示唆する期待度が加算され、早くなることで示唆する期待度が減算される。加算又は減算の値は音の種類によって決まっており、動作音の場合は10%、動作関連音の場合は5%となっている。このように加算減算される値も決まっていることで遊技者が示唆された期待度を把握しやすくなる。
なお、BGMを消音とするタイミングについても所定タイミングより早くしたり遅くしたりすることが可能であり、これに応じて示唆する期待度を変化させることが可能である。また、所定タイミングからのずれ幅によって加算又は減算の値が異なるようにしても良い。
また、動作音が発せられていることを報知するようにしても良い。このような報知としては表示装置41に表示を行うことや、特定のLEDを点灯するなどが挙げられる。動作音はスピーカ19a、19bから発せられる音に比べて小さいことが多いため、このような報知を行うことで遊技者は動作音が発せられていることを明確に認識可能となる。また、動作音を発する盤演出装置44が動作不良により動作不能状態となっており動作音を発することができない状態であっても本来であれば動作音が発せられていることを報知することができ、期待度の示唆に影響を与えないようにすることができる。
また、動作音は盤演出装置44の動作に伴う音であればどのような音でも良いが、盤演出装置44を動作範囲内で複数回往復動作させることで発生する振動音とすれば遊技者が聴覚的に認識しやすくなるとともに、振動が手などに伝わることによっても認識が可能となる。また、動作音は歯車やモータのような盤演出装置44を動作させるための動作機構から発せられるものでも良いし、動作機構とは別に動作に伴い音を発生させる機能を有する音発生部材を盤演出装置44に設けてこの音発生部材から発するようにしても良い。
また、盤演出装置44が動作音を発する際に、遊技者から見えない位置で盤演出装置44を動作させるようにしても良い。このようにすれば遊技者が動作音及び振動の発生により集中するようになり、遊技の興趣を向上することができる。また、動作音の音量は遊技店の営業中に遊技者が認識できる程度の大きさであることが好ましいが、遊技者が認識困難な音量であっても良い。
また、遊技機から発せられる複数種類の音は上述の組み合わせに限られず、どのようなものであっても良い。例えば、複数ある盤演出装置44のうち特定の一つの盤演出装置44の動作に基づく音のみを動作音としても良い。また、複数ある盤演出装置44のそれぞれの動作に基づく音を第1動作音、第2動作音のように別個の動作音として定義し、期待度を示唆する複数種類の音にこれら複数の動作音を含むようにしても良い。
また、動作音は盤演出装置44に限られず、前面枠12に設けた演出装置の動作に伴い発せられる動作音、遊技球の払い出しに伴い発せられる動作音などであっても良い。前面枠12に設けた演出装置としては、突出割合を変化可能に動作する演出ボタン25などが挙げられる。図47にはこのような演出ボタン25を備える場合の一例を示した。
演出ボタン25が初期位置にある状態で、まず演出ボタン25の動作に関連した動作関連音がスピーカ19a、19bから発せられる(t41)。その後演出ボタン25が初期位置から突出位置へ突出する動作を開始し(t42)、突出位置となることで動作を停止する(t44)。この演出ボタン25の動作に伴い第1動作音が発せられる(t42〜t44)。なお、動作関連音は演出ボタン25が突出位置に至る前に終了しているが(t43)、突出位置に至るまで継続して発するようにしても良い。
演出ボタン25が突出位置に至ることに伴い、遊技者による演出ボタン25の操作を待機する操作待機状態(t44)となる。この操作待機状態では、動作関連音や動作音が発せられない状態とされ、さらにはBGMが消音状態とされるとともに、盤装飾装置46、枠装飾装置18に設けられたLEDの一部または全部が消灯状態となる。なお、BGMや動作関連音以外の音については発するようにしても良い。
そして、遊技者が演出ボタン25を押下操作すると(t45)、操作に伴いスピーカ19a、19bから操作音が発せられる。また、操作待機状態が解除されてBGMが発せられるとともにLEDの発光が再開される。また、操作に伴い演出ボタン25は突出位置から押下されることで初期位置に戻り以降は初期位置のままとなる。さらに、演出ボタン25の操作に伴い盤演出装置44が動作して第2動作音が発せられるとともに、動作関連音がスピーカ19a、19bから発せられる。
そして、このように発せられる動作関連音、第1動作音、第2動作音、操作音及びBGMのそれぞれについての有無や、演出ボタン25の突出位置への動作及び盤演出装置44の動作の有無、LEDの消灯の有無によって期待度を示唆することが可能である。
また、図47では第1動作音と第2動作音は別々の演出装置により発せられるようにしたが、一の盤演出装置44が動作態様や動作範囲を異ならせることで異なる動作音を発することが可能とし、これらを第1動作音、第2動作音としても良い。例えば、初期位置から第1位置へ動作する際の動作音を第1動作音とし、第1位置から第2位置へ動作する際の動作音を第2動作音としても良い。さらに、第1位置から初期位置へ戻る際の動作音を第3動作音とし、第2位置から第1位置へ戻る際の動作音を第4動作音としても良い。
また、動作音は初期位置から第1位置や第2位置へ動作する際の動作音よりも第1位置や第2位置から初期位置へ戻る際の動作音の方が大きくなるようにしても良い。初期位置から第1位置や第2位置へ動作する際には遊技者の注目が動作に集中するために動作音を聞き逃す可能性があるが、初期位置へ戻る際には動作への注目が高くないため動作音を確実に聞くことが可能となる。
また、一の盤演出装置44が動作態様や動作範囲を異ならせることで、第1動作音のみを発する場合と、第1動作音及び第2動作音を同時に発する場合とを可能とし、期待度を示唆する複数種類の音にこれら複数の動作音を含むようにしても良い。例えば、初期位置から第1位置へ動作する際に第1動作音を発するようにし、第1位置から第2位置へ動作する際に第1動作音と第2動作音を同時に発するようにしても良い。さらに、第1位置から初期位置へ戻る際に第3動作音を発するようにし、第2位置から第1位置へ戻る際に第3動作音と第4動作音を同時に発するようにしても良い。
また、本変形例において期待度を示唆する音の一部又は全部が第1実施形態等における特定音を兼ねるようにしても良い。例えば、特図変動表示ゲームの開始時や、リーチ状態が開始される際、リーチ状態がSPリーチに発展する際、疑似連変動パターンの1回目の仮停止時など疑似連変動パターンにおける仮停止や再変動の際、演出ボタン25が操作された際などに特定音として盤演出装置44の動作音を発するようにしても良い。また、このように他の演出により認識しやすいタイミングではなく、他の演出で特別な演出が行われないような遊技者が予期しないタイミングにおいて特定音をなす動作音を発するようにしても良い。
さらに、特定音はスピーカ19a、19bから発せられる音とし、この特定音が発せられることに伴って盤演出装置44の動作音を発することを可能とし、特定音とともに動作音が発せられるか否かにより示唆される期待度が異なるようにしても良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機10において、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、第1音(例えば動作関連音)と、第1音とは異なる第2音(例えば動作音)と、を発することにより特別結果が導出される可能性の高さである期待度を示唆可能であり、第2音を伴わずに第1音を発する第1音演出(例えば図45(b))と、第1音を伴わずに第2音を発する第2音演出(例えば図45(c))と、第1音を伴って第2音を発する第3音演出(例えば図45(d))と、を実行可能であり、第1音演出、第2音演出及び第3音演出は、それぞれ示唆する期待度が異なるようにしたこととなる。したがって、演出内容と特別結果が導出される可能性の高さの関係性が解りやすくなり、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段に制御されて可動部材を動作させることにより遊技の演出を行う可動演出装置(盤演出装置44)と、演出制御手段に制御されて音を発するスピーカ19a、19bと、を備え、第1音は、スピーカ19a、19bから発することが可能であって可動演出装置の動作に関連する動作関連音であり、第2音は、可動演出装置を動作することで当該可動演出装置から発せられる動作音であることとなる。したがって、音が発生する部位や音の種類が異なることでそれぞれの音を聞き分けやすくなり演出内容と特別結果が導出される可能性の高さの関係性が解りやすくなって、遊技の興趣を向上することができる。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機10において、遊技の演出を制御する演出制御手段と、演出制御手段に制御されて可動部材を動作させることにより遊技の演出を行う可動演出装置と、演出制御手段に制御されて音を発するスピーカ19a、19bと、を備え、演出制御手段は、スピーカ19a、19bから発することが可能であって可動演出装置の動作に関連する動作関連音と、スピーカ19a、19bから発することが可能である演出音と、可動演出装置を動作することで当該可動演出装置から発せられる動作音と、の発音態様により特別結果が導出される可能性の高さである期待度を示唆可能であることとなる。なお、演出音としては例えばBGMが挙げられる。この他に動作関連音以外の音を演出音としても良く、例えば、BGMとは別の音であって、キャラクタ等の演出表示や遊技者の操作に対応して又はこれらと対応せずに発せられる効果音又は音声が挙げられる。したがって、演出内容と特別結果が導出される可能性の高さの関係性が解りやすくなり、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、ゲームの実行中における所定タイミングにおいて、動作関連音、演出音及び動作音を同時に発する第1演出(例えば図45(d))と、動作関連音及び動作音を伴わずに演出音を発する第2演出(例えば図45(a))と、のいずれかを実行可能であり、第1演出と第2演出は、それぞれ示唆する期待度が異なるようにしたこととなる。したがって、演出内容と特別結果が導出される可能性の高さの関係性が解りやすくなり、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、所定タイミングにおいて、第1演出と、第2演出と、演出音を伴わずに動作関連音及び動作音を発する第3演出(例えば図45(h))と、のいずれかを実行可能であり、第1演出、第2演出及び第3演出は、それぞれ示唆する期待度が異なるようにしたこととなる。したがって、演出内容と特別結果が導出される可能性の高さの関係性が解りやすくなり、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、可動部材を複数回往復動作することにより動作音を発することとなる。したがって、音が発生する部位や音の種類が異なることでそれぞれの音を聞き分けやすくなり演出内容と特別結果が導出される可能性の高さの関係性が解りやすくなって、遊技の興趣を向上することができる。
〔第3変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特図変動表示ゲームの結果が示されることに関連して遊技機から発せられる音を制御するようにしている。
本変形例の遊技機では、飾り特図変動表示ゲームにおいて特図変動表示ゲームの結果を示す際に、結果提示音を発することが可能となっている。この結果提示音は例えばスピーカ19a,19bから発せられる音であり、特図変動表示ゲームの結果に応じた音となっている。なお、盤演出装置44などの動作する演出装置を動作することにより発せられる動作音を結果提示音としても良い。
図48には結果提示音が発せられる場合の一例を示した。図48(a)には結果が大当りとなる場合を示した。ここではリーチ状態で飾り特図変動表示ゲームが進行しており、BGMとして飾り特図変動表示ゲームの演出内容に対応したゲームBGMが発せられている。この際のゲームBGMはリーチ演出に対応するBGMとなっている。そして、結果が示されるタイミングの所定時間前となると、BGMが消音状態とされる音量低下演出が開始される(t51)。
その後、飾り特図変動表示ゲーム表示部85で全ての変動表示領域の識別情報が仮停止した状態(図39(e)参照)となり結果が示される(t52)。この仮停止した状態は結果を確定的に示すものではないが、大当りであるか否かを示すこととにはなり、いちおうの結果が示された状態であると言える。このように全ての識別情報が仮停止する際には結果提示音が発せられる。また、全ての識別情報が仮停止するタイミングで遊技者が演出ボタン25を押下操作すると、この操作に伴い操作音が発せられるようになっている。
全ての識別情報が仮停止して結果が示される際にはBGMが消音状態となっているが、結果提示音や操作音は音量の低下なく発せられるようになっている。このタイミングで発せられる結果提示音や操作音は、結果(ここでは大当り)に対応した結果提示音や操作音が発せられる。もちろん結果提示音と操作音の一方又は両方について結果に関係なく発せられる音としても良い。
結果提示音を発することが終了した後に盤演出装置44を動作することによる動作音が発せられる(t53〜t54)。この動作音が発せられる期間もBGMは消音状態のままとされる。そして、特図変動表示ゲームの変動時間が終了すると飾り特図変動表示ゲーム表示部85では仮停止の状態から停止した状態となる(t55)。この際に音量低下演出が終了してBGMが再び発せられるようになる。ここでは特図変動表示ゲームの停止時間であって未だ特図変動表示ゲームが終了してはいないので、BGMとして飾り特図変動表示ゲームの演出内容に対応したゲームBGMが発せられる。この際のゲームBGMは結果表示演出に対応するBGMとなっている。すなわち、結果が大当りの特図変動表示ゲームの場合は、BGMを消音状態した後に当該特図変動表示ゲームで再びBGMが発せられる。
特図変動表示ゲームの停止時間が終了すると特別遊技状態が開始される(t56)。これに伴い飾り特図変動表示ゲームの演出内容に対応したゲームBGMが終了し、遊技状態に対応した特別遊技状態BGMが発せられる。この際の特別遊技状態BGMはファンファーレ演出に対応するBGMとなっている。
図48(b)には結果がはずれとなる場合を示した。まず、リーチ状態で飾り特図変動表示ゲームが進行していて、BGMとして飾り特図変動表示ゲームの演出内容に対応したゲームBGMとしてリーチ演出に対応するBGMが発せられている。そして、結果が示されるタイミングの所定時間前となると、BGMが消音状態とされる音量低下演出が開始される(t61)。
その後、飾り特図変動表示ゲーム表示部85で全ての変動表示領域の識別情報が仮停止した状態となり結果が示される(t62)。全ての識別情報が仮停止する際には、結果(ここでははずれ)に対応した結果提示音が発せられる。また、全ての識別情報が仮停止するタイミングで遊技者が演出ボタン25を押下操作すると、この操作に伴い操作音が発せられる。結果がはずれの場合も全ての識別情報が仮停止して結果が示される際にはBGMが消音状態となっており、結果提示音や操作音は音量の低下なく発せられる。また、ここでは結果がはずれであるので盤演出装置44を動作することによる動作音は発せられないが発するようにしても良い。
そして、特図変動表示ゲームの変動時間が終了すると飾り特図変動表示ゲームでは仮停止の状態から停止した状態となる(t64)。停止時間においても引き続きBGMが消音状態とされ、特図変動表示ゲームの停止時間が終了して次の特図変動表示ゲームが開始されることに基づき音量低下演出が終了してBGMが発せられるようになる。すなわち、結果がはずれの特図変動表示ゲームの場合は、BGMを消音状態した後に当該特図変動表示ゲームで再びBGMを発せず、次の特図変動表示ゲームまで(もしくは客待ち演出の開始まで)BGMを消音状態としたままとする。
以上のように、結果が示される際に音量低下演出を行うことで、遊技者の意識を示される結果に集中させることができ、大当りへの期待を高めて遊技の興趣を向上することができる。また、結果提示音を発することにより結果が示されることを報知でき、この際にBGMを消音状態又は音量を低下させた状態とすることで結果提示音がより目立つようになり、視覚的にだけでなく聴覚的にも結果を把握することが可能となる。また、音量低下演出において盤演出装置44の動作に伴う動作音を発することを可能としたことで、基本的にはスピーカ19a,19bから発せられる音よりも音量が小さい動作音を聞きやすくすることができ、従来にない演出効果を持たせることができる。
なお、図48では、音量低下演出においてBGMを消音状態とするとしたが、BGMの音量を音量低下演出でない場合よりも低下させるものとしても良い。また、BGM以外の音も消音状態又は音量を低下させるものとしても良い。例えば、BGMとは別の音であって、キャラクタ等の演出表示や遊技者の操作に対応して又はこれらと対応せずに発せられる効果音又は音声が挙げられる。すなわち、結果提示音以外の音として、BGM、効果音又は音声を含む演出音を消音状態又は音量を低下させるようにしても良い。さらに、図48では演出ボタン25の操作に伴う操作音は音量を低下させないとしたが、この操作音ついても消音状態又は音量を低下させるようにしても良い。
また、音量低下演出を結果が示される所定時間前から開始するとしたが、結果が示されるタイミングで開始するようにしても良いし、結果が示された後に開始するようにしても良い。また、音量低下演出を結果が示される際に行う結果提示演出としたが、結果が示される際以外で行うようにしても良い。この場合の音量低下演出では結果提示音を発しないが演出ボタン25の操作に伴う操作音や盤演出装置44の動作に伴う動作音は上述と同様に音量を低下させることなく発するようにしても良いし、消音状態又は音量を低下させるようにしても良い。
また、音量低下演出の開始及び終了の際には、BGMをフェードアウト、フェードインすることで音量を変化させても良い。また、音量低下演出の開始から結果提示音が発せられるまでの期間については、BGM以外のリーチ演出に関連する音については発するようにしても良いし、これらの音についても発しないようにしても良い。また、リーチ演出に関連する音とは別に特別結果が示されることを煽るような音を発するようにしても良い。また、BGMの消音又は音量の低下に伴い枠装飾装置18や盤装飾装置46に備えられたLEDを消灯するようにしても良い。そして、BGMの音量の消音又は低下が終了することに伴い枠装飾装置18や盤装飾装置46に備えられたLEDの点灯を再開するようにしても良い。
また、音量低下演出においてBGMを消音状態とする制御は、BGMの再生を継続したまま音量を0とするようにしても良いし、BGMとして無音のBGMを再生するようにしても良い。また、音量低下演出の間にBGMを進行させ、音量低下演出が終了してBGMを再開した際には音量低下演出を実行しなかった場合と同じようにBGMが進行した状態となるようにしても良い。このようにすることで、飾り特図変動表示ゲームでの演出内容に対応して特図変動表示ゲームの終了までにわたる一連のBGMが設定されている場合に、当該演出内容とBGMとがずれることがなく、違和感のない演出を行うことができる。もちろん、音量低下演出の終了後にBGMを再開する際に、BGMの最初から再生するようにしても良い。
また、図48(a)において結果提示音と動作音は同時に発せられないようにしたが、同時に発せられるようにしても良い。また、結果提示音の後に動作音を発するようにしたが、動作音についても結果が示されるタイミングで発するようにしても良い。また、図48(a)においてBGMを再び発するタイミングを停止時間の開始としたが、これ以外のタイミングであっても良く、少なくとも停止時間が終了する前までにBGMを再開するようにすれば良い。
また、音量低下演出においてBGM以外の音については音量を低下させないとしたが、少なくとも結果提示音については音量を低下させないようにし、それ以外の音については音量を低下させるようにしても良い。また、結果が大当りの場合とはずれの場合で音量低下演出の長さが異なるようにしたが同じ長さとしても良い。また、音量低下演出において動作音を発する場合と発しない場合とで音量低下演出の長さが異なるようにしたが同じ長さとしても良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、ゲームの結果を示す際に結果提示音を発する制御が可能であり、結果提示音を発する際に、他の音の音量を低下又は消音状態とすることが可能であることとなる。したがって、結果提示音を発することにより結果が示されることを報知でき、この際に他の音を消音状態又は音量を低下させた状態とすることで結果提示音がより目立つようになり、視覚的にだけでなく聴覚的にも結果を把握することが可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、スピーカ19a,19bからBGM、効果音又は音声を発する制御が可能であり、結果提示音を発する際に、他の音としてBGM、効果音又は音声の音量を低下又は消音状態とすることが可能であることとなる。したがって、BGM、効果音又は音声を消音状態又は音量を低下させた状態とすることで結果提示音がより目立つようになり、視覚的にだけでなく聴覚的にも結果を把握することが可能となり、遊技の興趣を向上することができる。なお、ここでの効果音や音声は、例えば、BGMとは別の音であって、キャラクタ等の演出表示や遊技者の操作に対応して又はこれらと対応せずに発せられる効果音又は音声が挙げられる。
また、演出制御手段に制御されて可動部材を動作させることにより遊技の演出を行う可動演出装置(盤演出装置44)を備え、演出制御手段は、可動演出装置を動作することで当該可動演出装置から動作音を発する制御が可能であり、結果提示音を発するとともに当該結果対応音を発することに対応して動作音を発する結果提示演出を実行可能であり、当該結果提示演出の実行期間では、BGM、効果音又は音声の音量を低下又は消音状態とすることが可能であることとなる。したがって、BGM、効果音又は音声を消音状態又は音量を低下させた状態とすることで結果提示音及び動作音がより目立つようになり、視覚的にだけでなく聴覚的にも結果を把握することが可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技の演出を制御する演出制御手段と、演出制御手段に制御されて可動部材を動作させることにより遊技の演出を行う可動演出装置と、演出制御手段に制御されて音を発するスピーカ19a,19bと、を備え、演出制御手段は、スピーカ19a,19bから可動演出装置の動作に関連する動作関連音と、演出音と、を発する制御が可能であり、所定期間において演出音の音量を低下又は消音状態とする音量低下演出を実行可能であり、当該音量低下演出においては動作関連音の音量は低下させないことが可能であることとなる。なお、演出音としては例えばBGMが挙げられる。この他に動作関連音以外の音を演出音としても良く、例えば、BGMとは別の音であって、キャラクタ等の演出表示や遊技者の操作に対応して又はこれらと対応せずに発せられる効果音又は音声が挙げられる。したがって、BGMを消音状態又は音量を低下させた状態とすることで動作関連音がより目立つようになり、視覚的にだけでなく聴覚的にも動作を認識することが可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、ゲームの結果を示す際に結果提示音を発する制御が可能であり、音量低下演出においては結果提示音の音量は低下させないようにしたこととなる。したがって、演出音を消音状態又は音量を低下させた状態とすることで結果提示音がより目立つようになり、視覚的にだけでなく聴覚的にも結果の提示を把握することが可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、ゲームの結果に応じた結果提示音を発するようにしたこととなる。したがって、演出音を消音状態又は音量を低下させた状態とすることで結果提示音がより目立つようになり、視覚的にだけでなく聴覚的にも結果を把握することが可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技の演出を制御する演出制御手段と、演出制御手段に制御されて可動部材を動作させることにより遊技の演出を行う可動演出装置と、演出制御手段に制御されて音を発するスピーカ19a,19bと、を備え、演出制御手段は、スピーカから演出音を発する制御と、可動演出装置を動作することで当該可動演出装置から動作音を発する制御が可能であり、演出音の音量を低下又は消音状態とするとともに動作音を発することが可能な音量低下演出をゲームの所定期間にわたり実行可能であり、音量低下演出において動作音を発しない場合には当該音量低下演出の終了後に当該音量低下演出を実行したゲームにおいて演出音を発しないようにしたこととなる。したがって、演出音を消音状態又は音量を低下させた状態とすることで動作音がより目立つようになり、視覚的にだけでなく聴覚的にも遊技の興趣を向上することができる。また、動作音が発せられれば再度演出音を聞くことができるという演出を行うことが可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、音量低下演出をゲームの結果を示す際に実行可能であり、ゲームの結果が特別結果でない場合には音量低下演出において動作音を発しないようにしたこととなる。したがって、視覚的にだけでなく聴覚的にも結果を把握することが可能となり遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、ゲームの結果が特別結果である場合には音量低下演出において動作音を発し、当該音量低下演出の終了後に当該ゲームにおいて演出音の音量を低下させずに発するようにしたこととなる。したがって、視覚的にだけでなく聴覚的にも結果を把握することが可能となり遊技の興趣を向上することができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。