<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作ハンドル24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、演出ボタン25右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作ハンドル24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の左部及び右部には、動作する可動演出部材によって、特図変動表示ゲームを含む遊技の演出を行う可動演出装置をなす盤演出装置44が設けられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
また、センターケース40の左下部には、表示装置41で表示する飾り特図変動表示ゲームとは別に飾り特図変動表示ゲームを実行する第4図柄の表示や、始動記憶数の表示を行うサブ情報表示装置90が設けられている。
このサブ情報表示装置90は、第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを実行する第4図柄を表示するサブゲーム表示部をなす単一の発光部で構成された第1サブゲーム表示部91と、第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを実行する第4図柄を表示するサブゲーム表示部をなす単一の発光部で構成された第2サブゲーム表示部92と、を備える。さらに、二つの発光部により第1特図変動表示ゲームを実行する権利である第1始動記憶の数を示す第1サブ表示部93と、二つの発光部により第2特図変動表示ゲームを実行する権利である第2始動記憶の数を示す第2サブ表示部94と、を備える。
第1サブゲーム表示部91と、第2サブゲーム表示部92では、対応する特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す表示や、結果を示す表示を発光部の消灯、点滅、点灯により表示可能である。また、第1サブ表示部93、第2サブ表示部94は、第1始動記憶(特図1保留)、第2始動記憶(特図2保留)の数を、それぞれ二つの発光部の消灯、点滅、点灯により表示可能である。
サブ情報表示装置90を表示装置41とは別途に設けたことで、第4図柄を表示装置41に表示することにより表示装置41の表示領域を占有することがなく、表示領域を有効に活用することができる。なお、サブ情報表示装置90は、盤演出装置44の動作範囲外に設けられており、盤演出装置44が動作する過程でサブ情報表示装置90が覆われてしまうことがないようにされている。
遊技領域32におけるセンターケース40の下方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート34(普図始動ゲート、始動領域、流入領域)が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって普図始動ゲート34よりも下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口、始動領域、流入領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
また、始動入賞口36の直下には、第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動領域、流入領域)が設けられている。
普通変動入賞装置37は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにものとしても良い。
また、普通変動入賞装置37の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
さらに、遊技領域32におけるセンターケース40の下方であって、始動入賞口36よりも右側には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。本実施形態の遊技機では、大入賞口スイッチ38aが2つ設けられ、大入賞口内に流入した遊技球は何れかの大入賞口スイッチ38aに検出されるようになっている。このように大入賞口スイッチ38aを複数設けることで、大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。
本実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37や特別変動入賞装置38への入賞を狙うことができるようになっている。
ここで、本実施形態の遊技機10において、右側遊技領域に対応する位置には、センターケース40の右端部に取り付けられた流路形成部材42が配設されており、右側遊技領域へと発射された遊技球は、流路形成部材42によって形成される流路を通過するよう構成されている。なお、流路形成部材42の少なくとも前面の材質は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球を外部から視認可能な材質になっているので、遊技者等は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球(すなわち、右側遊技領域を流下する遊技球)を、流路形成部材42の前方から流路形成部材42を透して視認することができる。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54,55,56とを備える。
また、一括表示装置50には、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態であることを報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器、右打ち報知部)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器、時短状態報知部)58、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)59、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
なお、一括表示装置50には、更に、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する表示部(表示器)等が設けられていてもよい。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。点滅周期は、例えば100m秒に設定されている。なお、本実施形態の場合、特図1表示器51における特図変動表示ゲームにおいては、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するよう構成されている。
そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。また、普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。
第1遊技状態表示部(右打ち報知部)57は、LEDランプ等で構成され、右打ちよりも左打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(通常打ち時)にはランプを消灯状態にし、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(右打ち時)にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示部(時短状態報知部)58は、LEDランプ等で構成され、時短状態が発生していない通常の遊技状態の場合(変動時間短縮機能未作動時)にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合(変動時間短縮機能作動時)にはランプを点灯状態にする。
第3遊技状態表示部(確率状態表示部)59は、LEDランプ等で構成され、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部60は、LEDランプ等で構成され、例えば、特別遊技状態中でない場合にはランプを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。すなわち、遊技制御装置100が電源遮断状態でも記憶したデータを保持可能なバックアップ記憶手段なす。そして、電源復旧時にはバックアップ記憶手段により保持されたデータに基づき制御を再開可能に構成されている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当り又は小当り)あるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a及び大入賞口スイッチ38aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。
また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
さらに、第3入力ポート124には、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられた確率設定値を複数から選択するための操作部における操作を検出する検出手段をなす設定値変更スイッチ151と設定キースイッチ152からの信号が入力される。
設定キースイッチ152は、操作部のうちの第1操作部をなす設定キー操作部の操作を検出するものである。設定キー操作部は、設定キーを差し込む鍵穴を備え、対応する設定キーを差し込んだ場合にのみ第1位置から第2位置(所定状態)へ当該設定キーを回すことができるように構成されている。設定キースイッチ152は、第2位置へ回した状態となっていることを検出可能なセンサであり、第2位置に回した状態である場合にオン状態となり、第2位置に回していない状態である場合にオフ状態となる。
設定値変更スイッチ151は、操作部のうちの第2操作部をなす設定値変更ボタンの操作を検出するものである。設定値変更ボタンはプッシュ式のボタンであり、設定値変更スイッチ151は、設定値変更ボタンが押下されている状態である場合にオン状態となり、押下されていない場合にオフ状態となる。
これらの操作部を操作することで、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられた確率設定値を選択することができ、選択された確率設定値に対応する確率値が遊技で使用されるようになっている。ここでは確率設定値として設定1〜設定6の6つが用意されている。各確率設定値に割り当てられた確率値は、設定1では1/320、設定2では1/310、設定3では1/300、設定4では1/290、設定5では1/280、設定6では1/270とされている。この確率値は通常確率状態での確率値であり、高確率状態での確率値は通常確率状態での確率値の10倍とされている。
確率設定値を選択する際には、まず、前面枠12を開放した状態とし、さらに設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態で遊技機の電源を投入することで確率設定値を変更可能な確率設定値変更状態となり、この確率設定値変更状態で設定値変更ボタンを押下することで確率設定値を変更することができるようになっている。選択されている確率設定値は確率設定値表示装置153に表示される。
また、前面枠12が閉鎖された状態で設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態として電源を投入した場合や、遊技機の電源を投入した後に設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した場合は、現在選択されている確率設定値が確率設定値表示装置153に表示されるが確率設定値の変更はできない確率設定値確認モードとなる。
確率設定値表示装置153は7セグメント式のディスプレイであり、確率設定値を1〜6の数字で表示するようになっている。もちろん表示態様はこれに限られず、確率設定値を認識できる表示態様であれば良い。また、液晶表示装置など他の形式の表示装置でも良いし、一又は複数のLEDの点灯態様や発光色等により確率設定値を示すものであっても良い。また、確率設定値表示装置153を設けず、算出されたベース値や役物比率を表示するための状態表示装置160を用いて確率設定値の情報を表示するようにしても良い。この場合、確率設定値に関する操作をしている間(確率設定値変更状態や確率設定値確認モードなど)では確率設定値の情報を表示し、それ以外は算出されたベース値や役物比率の表示を優先するようにする。
なお、本実施形態では設定値変更ボタン、設定キー操作部及び確率設定値表示装置153などを遊技制御装置100に設けており、遊技制御装置100が、特図変動表示ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を操作部の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段をなすものとしている。この設定手段の機能を設定用副基板に設け、遊技制御装置100に接続する構成としても良い。すなわち、遊技制御装置100とは別個に設定手段を備えるようにしても良い。この場合、設定値変更スイッチ151や設定キースイッチ152の操作信号が遊技制御装置100に入力されて遊技制御装置100で確率設定値の変更を行うようにしても良いし、設定用副基板側で設定値変更スイッチ151や設定キースイッチ152の操作に基づき確率設定値を変更して決定し、決定結果が遊技制御装置100に送信されるようにしても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)、アウト球検出スイッチ信号(遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出するアウトスイッチでの検出に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、第2出力ポート134は、算出されたベース値や役物比率を表示するための状態表示装置160の表示データを出力する。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。また、出力部130には、選択されている確率設定値を表示する確率設定値表示装置153の表示データを出力するための第6出力ポート170が設けられている。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第2出力ポート134から出力される表示データを受けて状態表示装置160に表示させるための第5ドライバ138eが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46やサブ情報表示装置90を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備え、動作する可動演出部材によって、特図変動表示ゲームを含む遊技の演出を行う可動演出装置をなす枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図3参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図始動記憶数が上限数(例えば、4個)未満ならば普図始動記憶数を加算(+1)してROM111Bに普図始動記憶を1つ記憶する。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、ゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき抽出された普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっている。
そして、普図始動記憶があり普図変動表示ゲームを開始可能な場合、すなわち、普図変動表示ゲームの実行中でなく、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37を開状態に変換する当り状態でもない場合は、最先に記憶された普図始動記憶に記憶された当り判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定し、普図変動表示ゲームを開始する処理を行う。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
また、遊技制御装置100は普図変動表示ゲームを実行する処理として、一括表示装置50に設けられた普図表示器53に、所定の変動時間に亘り予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する普図変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。なお、普図表示器53を表示装置41で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。
普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、当りの種類に対応して普図表示器53に特別の結果態様をなす第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の何れかとなる点灯パターンを停止表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.5秒間又は1.7秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様となる点灯パターンを表示する制御を行う。
また、始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれ内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、始動入賞口36への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第1始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶するとともに、普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第2始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶する。始動入賞口36や普通変動入賞装置37への入賞に基づき、それぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出されるようになっており、抽出された乱数値は、第1始動記憶や第2始動記憶としてRAM111Bに記憶される。そして、この始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の特図1保留表示器54や特図2保留表示器55に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。また、サブ情報表示装置90の第1サブ表示部91や第2サブ表示部92においても表示される。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが開始可能な状態となると、開始する特図変動表示ゲームに応じた最先の始動記憶に記憶された大当り判定用乱数値と、ROM111Bに記憶され、確率設定値に応じて設定される判定値と比較し、特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理などを行う。さらに、遊技制御装置100のCPU111Aは、実行する特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。
そして、第1特図変動表示ゲームを実行する場合は、所定の変動時間に亘り特図1表示器51(変動表示装置)で予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する特図1変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する第1特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、第2特図変動表示ゲームを実行する場合は、所定の変動時間に亘り特図2表示器52(変動表示装置)で予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する特図2変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する第2特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41(変動表示装置)で特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、サブ情報表示装置90のサブゲーム表示部で特図変動表示ゲームに対応して発光部の発光態様を変化させる飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1表示器51又は特図2表示器52に特別結果態様や小当り結果態様となる点灯パターンを表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理を行う。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様や小当り結果態様となる。
特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置100のCPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51又は特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態、第2動作状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が0に設定されている。すなわち、普通変動入賞装置37の動作状態を、第1動作状態と、該第1動作状態よりも入賞が容易な第2動作状態と、の何れかの動作状態で制御するように構成されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、例えば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、例えば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×3回)、となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行うよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定しても良く、例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動時間よりも短い第2変動時間となるように制御することが可能である(例えば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば、2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、例えば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、例えば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
なお、特図1表示器51と特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行(優先して実行)されるようになっている。また、本実施形態の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出するアウトスイッチには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5及び図6に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図7に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図5及び図6に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップS4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート3(第3入力ポート124)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第3入力ポート124には、設定値変更スイッチ151及び設定キースイッチ152からの信号や本体枠開放検出スイッチからの信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第3入力ポート124の状態を読み込むことで、電源投入時における設定値変更スイッチ151及び設定キースイッチ152の状態や、前面枠12(本体枠)の開放状態を把握することができる。すなわち、遊技制御装置100が前面枠12の開閉状態を検出可能な開閉検出手段をなす。上述したように、前面枠12を開放した状態とし、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態で電源を投入した場合には、確率設定値を変更可能な確率設定値変更状態となる。また、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態とせず、設定値変更ボタンを押下した状態で電源を投入した場合には、RAM111Cのクリア(初期化)が行われるようになっている。設定キー操作部や設定値変更ボタンは前面枠12を開状態としなければ操作できないものであることから前面枠12の開放が条件とされている。
待機時間の開始前に第3入力ポート124の状態を読み込むことで、設定値変更ボタンの操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定値変更スイッチ151の状態を読み込むようにすると、電源投入から待機時間の経過まで設定値変更ボタンを操作し続ける必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても良くなり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(ステップS15)。
次いで、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップS16)、正常であれば(ステップS16;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップS17)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS18)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS19)。すなわち、遊技制御装置100が、電源の投入時に記憶手段に記憶されている情報が正当なものであるかを判定する正当性判定手段をなす。チェックサムが一致する場合(ステップS19;Y)は、RAMクリア先頭アドレス2を設定し(ステップS20)、確率設定値変更状態であるかを判定する(ステップS21)。確率設定値変更状態である場合には確率設定値変更中フラグがセットされていることから判別可能である。
この確率設定値変更状態である場合(ステップS21;Y)は、ステップS35に移行し、RAMの初期化の処理と確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理を行う。なお、ここで確率設定値変更中であると判定されるのは、確率設定値変更状態中に電源が遮断され、RAMのデータが正常にバックアップされていた場合であり、この場合は再び確率設定値変更状態となるようにされている。また、確率設定値変更状態でない場合(ステップS21;N)は、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から本体枠(前面枠12)は開放状態であるかを判定する(ステップS22)。
RAM111Cの記憶領域には、先頭から順に確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域、遊技制御用の領域、状態表示用の領域が設定されている。確率設定値用の領域には、現在設定されている確率設定値の情報を格納する確率設定値領域や、確率設定値の変更又は確認の処理で一時的に各種情報を格納する作業領域が設定される。この作業領域には、確率設定値変更状態で選択されている確率設定値の情報を格納する作業用確率設定値領域や、各種フラグを格納する領域が含まれる。また、初期値乱数用の領域には随時更新される大当り図柄初期値乱数、小当り図柄初期値乱数、当り初期値乱数、当り図柄初期値乱数が格納される。また、変動パターン乱数用の領域には、随時更新される変動パターン乱数1〜3が格納される。また、遊技制御用の領域には、遊技制御を行うために必要な情報(各種データやプログラム)が格納されるワーク領域や、スタック領域が設定される。また、状態表示用のワーク領域には、ベース値や役物比率などを表示するために必要な情報が格納されるワーク領域や、スタック領域が設定される。
ベース値は、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球(セーフ球及びアウト球)を検出するアウトスイッチでの遊技球の検出数や入賞領域への入賞に基づく払出数から算出される値であり、ベース値を表示するために必要な情報は、例えば、アウトスイッチでの遊技球の検出数に関する情報と、入賞領域への入賞に基づく払出数に関する情報とを含む。また、役物比率は、遊技機10の電源投入から現在までに入賞口に入賞したことで得られた全賞球数(賞球の合計数)のうち、大当り状態中(すなわち、ファンファーレ及びエンディング中は除外)に大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(いわゆる連続役物比率)であり、役物比率を表示するために必要な情報は、例えば、全賞球数(賞球の合計数)に関する情報と、賞球数(役物別獲得球数)に関する情報とを含む。
RAMクリア先頭アドレス2は、初期値乱数用の領域の先頭アドレスであり、このアドレスを設定した状態でRAMをクリアする処理を行うことで、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域がクリアされることとなる。なお、初期値乱数用の領域及び変動パターン乱数用の領域をクリア対象に含めないようにしても良い。また、後述するRAMクリア先頭アドレス1は、確率設定値用の領域の先頭アドレスであり、このアドレスを設定した状態でRAMをクリアする処理を行うことで、確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域(ワーク領域とスタック領域)がクリアされることとなる。さらに、後述するRAMクリア先頭アドレス3は、遊技制御用の領域の先頭アドレスであり、このアドレスを設定した状態でRAMをクリアする処理を行うことで、遊技制御用の領域がクリアされることとなる。
なお、状態表示用の領域については、後述するタイマ割込み処理での状態表示編集出力処理において正当性を判定して異常である場合に初期化するようにしているが、バックアップされた情報が正常でない場合に設定されるRAMクリア先頭アドレス1が設定された状態でのRAMをクリアする処理において状態表示用の領域についても初期化するようにしても良い。すなわち、RAMクリア先頭アドレス1が設定された状態でのRAMをクリアする処理では、RAM111Cの全ての領域を初期化するようにしても良い。
ステップS18及び後述のステップS57のチェックサム算出処理では、遊技制御用のワーク領域のみを対象としてチェックサムを算出する。なお、確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域、遊技制御用の領域及び状態表示用の領域のうちの一つ又は複数を対象としても良い。複数の領域を対象とする場合、それぞれの領域のチェックサムを個別に算出しておき、正当性を個別に判定するようにしても良いし、それぞれの領域のチェックサムを合算し、正当性を一括して判定するようにしても良い。
本体枠が開放状態である場合は(ステップS22;Y)は、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から設定キースイッチがオン状態であるかを判定する(ステップS23)。設定キースイッチがオン状態である場合(ステップS23;Y)は、ステップS35に移行し、RAMの初期化の処理と確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理を行う。また、設定キースイッチがオン状態でない場合(ステップS23;N)や、本体枠が開放状態でない場合(ステップS22;N)は、ステップS24に移行し、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から設定値変更スイッチがオン状態であるかを判定する(ステップS24)する。
設定値変更スイッチがオン状態でない場合(ステップS24;N)は、ステップS30に移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。また、設定値変更スイッチがオン状態である場合(ステップS24;Y)は、ステップS41に移行し、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用のRAM領域の初期化の処理を行う。すなわち、設定値変更スイッチ151が、外部からの操作が可能な初期化操作部としての機能も有し、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
一方、停電検査領域の値が正常なチェックデータでないと判定された場合(ステップS16;NもしくはステップS17;N)、チェックサムが一致しないと判定された場合(ステップS19;N)は、ステップS25へ移行して、全てのRAM領域の初期化の処理を行う。すなわち、確率設定値用のRAM領域及び状態表示用のRAM領域は、RAM異常が生じた場合にのみ初期化される。また、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用のRAM領域は、上述したように設定値変更スイッチ151がオンにされた場合だけでなく、RAM異常が生じた場合にも初期化される。
まず、RAMクリア先頭アドレス1を設定し(ステップS25)、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から本体枠(前面枠12)は開放状態であるかを判定する(ステップS26)。本体枠が開放状態である場合は(ステップS26;Y)は、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から設定キースイッチがオン状態であるかを判定する(ステップS27)。設定キースイッチがオン状態である場合(ステップS27;Y)は、ステップS35に移行し、RAMを初期化する処理と確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理を行う。なお、後述するように、ステップS35、S36においてはRAMを初期化するようになっており、この場合はRAMクリア先頭アドレス1が設定されているので、確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域(ワーク領域とスタック領域)がクリアされて初期値がセーブされる。なお、状態表示用の領域についてもここで初期化するようにしても良い。
また、設定キースイッチがオン状態でない場合(ステップS27;N)や、本体枠が開放状態でない場合(ステップS26;N)は、設定変更指示のコマンド(特定情報)を演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS28)、RAMアクセスを禁止し(ステップS29)、制御を停止して遊技機の電源の遮断を待つ。演出制御装置300では、設定変更指示のコマンドを受信することに基づき、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の変更を促す報知を行う。この報知は遊技機の電源遮断まで継続される。
この場合、遊技機の電源を遮断した後、前面枠12を開放した状態として設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態で再度電源を投入すれば、ステップS27の処理で設定キースイッチがオン状態であると判定され(ステップS27;Y)、ステップS35に移行し、RAMを初期化する処理と確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理を行う。なお、ステップS29に移行して制御が停止した場合に、遊技機の電源を遮断した後に前面枠12を開放せずに又は設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態とせずに再度電源を投入した場合は、RAMのデータが異常なままであるとともに確率設定値変更状態への移行もできないので、再びステップS28、S29の処理に至ることとなる。
なお、ステップS28において演出制御装置300に設定変更指示コマンドを送信することで報知を行うようにしているが、遊技制御装置100が報知を行うようにしても良い。例えば、遊技制御装置100が制御する一括表示装置50において報知を行うようにしても良く、特図1表示器51や特図2表示器52において、識別情報として用いられない表示を行うようにしても良いし、異常を報知するための表示器を設けても良い。
停電から正常に復旧した場合の処理として図6のステップS30では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS30)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS31)。
ここで、特図の高確率中でない場合(ステップS31;N)は、ステップS32,S33をスキップしてステップS34へ移行する。また、特図の高確率中である場合(ステップS31;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS32)、遊技盤30に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS33)。
そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS34)、ステップS45へ進む。本実施形態の場合、ステップS34では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、選択されている確率設定値の情報である確率設定値情報、画面指定コマンド(例えば、客待ち状態中の場合には客待ちデモコマンド、それ以外の場合には復旧画面コマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。特に、演出制御装置300に選択されている確率設定値の情報である確率設定値情報を送信することで、確率設定値に応じた演出を行うことや、確率設定値に応じて遊技の演出の選択確率を異ならせるなど、確率設定値を示唆又は報知する演出を実行可能となる。
画面指定コマンドは、再開された遊技の状態に応じたコマンドを送信する。制御の再開に伴い電源遮断により中断された特図変動表示ゲームを再開する場合には、画面指定コマンドとして復旧情報をなす復旧画面コマンドを送信する。さらにこの場合は、再開される特図変動表示ゲームの結果に関する情報も送信する。また、客待ち状態中に電源が遮断されて電源の復旧により客待ち状態で制御を再開する際には画面指定コマンドとして客待ちデモコマンドを送信する。また、制御の再開に伴い電源遮断により中断された特別遊技状態を再開する場合には、画面指定コマンドとして特別遊技状態再開コマンドを送信する。
また、RAMの初期化の処理と確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理として図6のステップS35では、クリア対象のRAM領域を0クリアし(ステップS35)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS36)。ここで、バックアップされた情報が正常でありステップS21又はS23から移行した場合は、RAMクリア先頭アドレス2が設定されているので、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)が0クリアされて初期値がセーブされる。すなわち、確率設定値用の領域及び状態表示用の領域は初期化されない。ただし、初期値乱数用の領域及び変動パターン乱数用の領域はクリアしなくても良い。
一方、バックアップされた情報が異常でありステップS27から移行した場合は、RAMクリア先頭アドレス1が設定されているので、確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域(ワーク領域とスタック領域)がクリアされて初期値がセーブされる。すなわち、遊技制御装置100が、操作部(ここでは設定キー操作部)の操作に基づき記憶手段を初期化可能な初期化手段をなす。なお、状態表示用の領域についてもここで初期化するようにしても良い。
また、初期化すべき領域とは、0クリアした領域のうち0以外の値をセットしたい領域であり、例えば客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。また、すべてのRAM領域を0クリアした場合には、確率設定値用の領域に0がセットされることにより確率設定値は設定1となる。最も確率が低い確率設定値が設定されるようにしたことで、異常や不正行為によりRAMクリアされた場合でも遊技店の被害を最小限とすることができる。なお、初期値として0以外の値を設定するようにすれば、RAM領域の全てが初期化された際に特定の確率設定値(例えば設定3)が設定されるようにすることもできる。
その後、確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理として確率設定値変更中フラグをセットする(ステップS37)。これにより確率設定値変更状態となる。次に、確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブする(ステップS38)。これにより確率設定値表示装置153に現在設定されている確率設定値の情報を表示可能となる。
そして、確率設定値領域の値をロードし、作業用確率設定値領域にセーブし(ステップS39)、確率設定変更中のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS40)、ステップS45に移行する。演出制御装置300では、確率設定変更中のコマンドを受信することに基づき、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の変更中である旨を示す報知を行う。なお、RAMが初期化されているが、ここではRAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送信しない。また、セキュリティ信号を出力するための設定も行われる。この場合、タイマを設定して所定時間だけセキュリティ信号が出力されるようにしても良いし、確率設定値変更状態である期間では継続してセキュリティ信号が出力されるようにしても良い。また、ここでは未だRAMの初期化が行われていないことから、セキュリティ信号を出力するための設定を行わないようにしても良い。
また、遊技制御用のRAM領域の初期化の処理として図6のステップS41では、RAMクリア先頭アドレス2を設定し(ステップS41)、クリア対象のRAM領域を0クリアし(ステップS42)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS43)。これにより初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)が0クリアされて初期値がセーブされる。また、セキュリティ信号を出力するためのタイマの設定も行われる。すなわち、遊技制御装置100が、操作部(ここでは設定値変更ボタン)の操作に基づき記憶手段を初期化可能な初期化手段をなす。
そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS44)、ステップS45へ進む。本実施形態の場合、ステップS44では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、選択されている確率設定値の情報である確率設定値情報、RAM初期化コマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。特に、演出制御装置300に選択されている確率設定値の情報である確率設定値情報を送信することで、確率設定値に応じた演出を行うことや、確率設定値に応じて遊技の演出の選択確率を異ならせるなど、確率設定値を示唆又は報知する演出を実行可能となる。
ステップS45では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS45のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS46)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS47)、割込みを許可する(ステップS48)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS49)を行う。本実施形態において、初期値乱数更新処理では、大当り図柄初期値乱数と、小当り図柄初期値乱数と、当り初期値乱数と、当り図柄初期値乱数とを更新(例えば+1更新)する。ここで、「大当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことであり、「小当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの小当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。また、「当り初期値乱数」は、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数のことであり、「当り図柄初期値乱数」は、普図変動表示ゲームの当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。このように、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。なお、小当り図柄乱数は、小当りのない機種では当然存在しない。また、機種によっては、当り図柄初期値乱数が存在しない遊技機もある。
また、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1、あるいは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップS49の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS50)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS51)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS51;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS49)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS49)の前に割り込みを許可する(ステップS48)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS49での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS51;Y)は、ステップS50で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS52)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS52;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS51)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS52;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS53)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS54)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS55)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS56)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS57)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS58)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS59)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(設定値変更ボタン、設定キー操作部)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
なお、以上のメイン処理において、ステップS28の処理を行った後、ステップS26の処理に戻るようにし、設定キースイッチがオン状態とされるまでステップS26〜S28の処理を繰り返し行うようにしても良い。すなわち、遊技の制御を停止して設定キースイッチがオン状態とされるまで待機するようにしても良い。この場合、ステップS26及びS27では、ステップS6で読み込んだ第3入力ポート124の状態ではなく、現時点での第3入力ポート124の状態に基づき判定を行うようにする。さらに、ステップS26〜S28の処理を繰り返し行う状態が一定時間にわたり継続した場合にはステップS29に移行して電源の遮断を待つようにしても良い。
また、ここでは確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態へ移行する条件を、本体枠(前面枠12)が開放状態であり、設定キースイッチがオン状態であることとしたが、前面枠12の開放状態については条件としなくても良い。また、前面枠12の開放とガラス枠15の開放の両方を条件としても良いし、ガラス枠15の開放のみを条件としても良い。
また、設定キースイッチを備えずに、設定値変更スイッチがオン状態であることのみを条件に確率設定値変更状態に移行するようにしても良い。すなわち、ステップS22、S23の処理を行わず、ステップS24で設定値変更スイッチがオン状態である場合(ステップS24;Y)に図6のステップS35に移行するようにしても良い。この場合、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域を初期化する図6のステップS41〜S44の処理は行われなくなるが、確率設定値変更状態で設定を変更せずに終了する又は同じ確率設定値を設定して終了することで初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域のみの初期化を行うことができる。このように設定値変更スイッチがオン状態であることのみを条件として確率設定値変更状態に移行するようにすれば、従来のパチンコ遊技機におけるRAMクリアスイッチの構成を流用することができる。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、制御手段は、電源遮断状態でも記憶内容を保持可能な記憶手段(RAM111C)と、電源の投入時に記憶手段に記憶されている情報が正当なものであるかを判定する正当性判定手段(遊技制御装置100)と、確率設定値を選択するための操作部の操作に基づき記憶手段を初期化可能な初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、正当性判定手段により、記憶手段に記憶されている情報が正当なものでないと判定された場合に、確率設定値の選択を促す報知を行うようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができる。また、RAM111Cが初期化されることにより、遊技店において設定した確率設定値の情報も失われ初期値が設定されることとなるが、確率設定値の選択を促す報知を行うことで、初期化によって遊技店が意図しない確率設定値が設定されたままの状態となることを防止することができる。
また、制御手段は、電源の投入時に操作部が操作されている場合に確率設定値の選択が可能な状態となるように構成され、正当性判定手段により、記憶手段に記憶されている情報が正当なものでないと判定された場合には、電源の遮断まで確率設定値の選択を促す報知を継続するようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができるとともに初期化によって遊技店が意図しない確率設定値が設定されたままの状態となることを防止することができる。
また、制御手段は、正当性判定手段により、記憶手段に記憶されている情報が正当なものでないと判定された場合に、遊技の制御を停止して確率設定値の選択を待機するようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができるとともに初期化によって遊技店が意図しない確率設定値が設定されたままの状態となることを防止することができる。
また、遊技の制御を行う遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段からの情報に基づき演出の制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、遊技制御手段は、正当性判定手段により、記憶手段に記憶されている情報が正当なものでないと判定された場合に、特定情報を演出制御手段に送信して遊技の制御を停止し、演出制御手段は、特定情報を受信することに基づき確率設定値の選択を促す報知を行うようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができるとともに初期化によって遊技店が意図しない確率設定値が設定されたままの状態となることを防止することができる。
また、演出制御手段は、特定情報を受信した場合には、電源の遮断まで確率設定値の選択を促す報知を継続するようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができるとともに初期化によって遊技店が意図しない確率設定値が設定されたままの状態となることを防止することができる。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、第1操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152))及び第2操作部(設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、制御手段は、電源遮断状態でも記憶内容を保持可能な記憶手段(RAM111C)を備え、電源の投入時に、第1操作部及び第2操作部が操作されていない場合は、記憶手段に記憶保持された情報に基づき復旧し、電源の投入時に、第1操作部が操作されている場合は、設定手段による確率設定値の変更を可能とする変更可能状態とし、電源の投入時に、第2操作部のみが操作されている場合は、記憶手段を初期化するようにしたこととなる。したがって、確率設定値の変更とRAMのクリアの作業を最小限の操作部を用いてそれぞれ選択的に行うことができ、遊技店での作業効率を高めることができる。また、操作部を必要以上に設けなくても良くなり遊技機の製造のコストを低減することができ、さらに、操作部を設けるスペースも少なくて済むようになる。
また、設定手段は、変更可能状態において第2操作部を操作することにより、確率設定値を変更可能であることとなる。したがって、同じ操作部を用いて確率設定値を選択する操作と初期化を選択する操作を行うことができ、遊技店での作業効率を高めることができる。また、操作部を必要以上に設けなくても良くなり遊技機の製造のコストを低減することができ、さらに、操作部を設けるスペースも少なくて済むようになる。
また、制御手段は、電源の投入時に記憶手段に記憶されている情報が正当なものであるかを判定する正当性判定手段(遊技制御装置100)を備え、正当性判定手段により記憶手段に記憶されている情報が正当なものでないと判定された場合であって第1操作部が操作されていない場合には、記憶手段の初期化を促す報知を行うようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができる。
また、制御手段は、電源の投入時に第1操作部が操作されている場合は、設定手段による確率設定値の変更を可能とする変更可能状態とするとともに、記憶手段を初期化するように構成され、正当性判定手段により記憶手段に記憶されている情報が正当なものでないと判定された場合であって第1操作部が操作されていない場合には、第1操作部を操作した状態で電源を投入するように促す報知を行うようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができる。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、複数の操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、設定手段により選択された確率設定値の情報を含む制御手段による遊技の制御に必要な情報を記憶可能な記憶手段(RAM111C)と、を備え、制御手段は、複数の操作部のうち所定の操作部が操作された状態で遊技機の電源が投入された場合に、記憶手段を初期化するようにしたこととなる。したがって、確率設定値の変更とRAMのクリアの作業を最小限の操作部を用いてそれぞれ選択的に行うことができ、遊技店での作業効率を高めることができる。また、操作部を必要以上に設けなくても良くなり遊技機の製造のコストを低減することができ、さらに、操作部を設けるスペースも少なくて済むようになる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図7のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS102)。ステップS102では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS103)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS104)を行う。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新する乱数更新処理1(ステップS105)、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2(ステップS106)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS107)を行う。
次に、確率設定値の変更や確認に関する処理を行う確率設定値変更処理(ステップS108)を行い、確率設定値変更状態であるかを判定する(ステップS109)。確率設定値変更状態である場合には確率設定値変更中フラグがセットされていることから判別可能である。確率設定値変更状態でない場合(ステップS109;N)は、確率設定値確認モードであるかを判定する(ステップS110)。確率設定値確認モードは、確率設定値の変更はできないが現在設定されている確率設定値を確認することができる状態である。
確率設定値確認モードでない場合(ステップS110;N)は、遊技の進行に関する処理として、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS111)、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS112)、普図変動表示ゲームに関す処理を行う普図ゲーム処理(ステップS113)を行う。一方、確率設定値変更状態である場合(ステップS109;Y)や、確率設定値確認モードである場合(ステップS110;Y)は、遊技に関する上記の処理を行わずにステップS114に移行する。すなわち、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードでは、遊技の進行を行うことができない状態とされる。
なお、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードである場合には、払出コマンド送信処理(ステップS111)、特図ゲーム処理(ステップS112)、普図ゲーム処理(ステップS113)を行わないようにしたが、これらのうちの一つ又は複数について行うようにしても良い。例えば、払出コマンド送信処理(ステップS111)は行うようにして賞球の払い出しは行われるようにしても良い。また、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードで行わない処理として上述の処理以外の処理を含んでも良い。例えば、確率設定値変更状態では乱数更新処理1(ステップS105)や乱数更新処理2(ステップS106)を行わないようにし、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードでは乱数の更新を行わないようにしても良い。また、確率設定値変更状態と確率設定値確認モードで実行しないようにする処理の種類が異なっていても良い。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS114)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップS115)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップS116)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS117)を行って、アウトスイッチでの遊技球の検出数や入賞領域への入賞に基づく払出数からベース値を算出する処理等を行う状態表示編集出力処理を行い(ステップS118)、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップS104)の詳細について説明する。図8に示すように、出力処理では、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力する出力ポート135にオフデータを出力(リセット)する(ステップS141)。次に、大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37cのデータを出力する出力ポート134に出力するデータを合成し、出力する(ステップS142)。
そして、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新して(ステップS143)、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得する(ステップS144)。本実施形態の場合、デジットカウンタの値は0から3の範囲で+1更新される。次いで、取得したデータと外部情報データを合成して(ステップS145)、合成したデータ(例えば、「扉・枠開放」のデータ、「セキュリティ信号」のデータ)をデジット・外部情報出力用の出力ポート136に出力する(ステップS146)。
その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(ステップS147)、ロードしたデータをセグメント出力用の出力ポート135に出力する(ステップS148)。これにより、一括表示装置50に設けられた複数の発光表示部がダイナミック制御によって制御されることとなる。
続いて、外部情報の各種出力データを合成し(ステップS149)、合成したデータ(例えば、「大当り信号1」のデータ、「大当り信号2」のデータ、「大当り信号3」のデータ、「大当り信号4」のデータ、「図柄確定回数信号」のデータ、「始動口信号」のデータ、「メイン賞球信号」のデータ)と発射許可の出力データを合成して(ステップS150)、合成したデータを外部情報・発射許可信号出力用の出力ポート137へ出力する(ステップS151)。
次に、確率設定値表示装置153における表示内容として確率設定値表示のオフ出力データを設定し(ステップS152)、確率設定値表示許可フラグがセットされているかを判定する(ステップS153)。確率設定値表示許可フラグは、確率設定値表示装置153に確率設定値に関する表示を許可する場合にセットされるフラグである。
この確率設定値表示許可フラグがセットされている場合(ステップS153;Y)は、確率設定値表示データ領域から確率設定値表示データをロードし(ステップS154)、表示データを確率設定値表示の出力ポート134に出力する(ステップS155)。これにより確率設定値表示装置153に確率設定値に関する表示が行われるようになる。一方、確率設定値表示許可フラグがセットされていない場合(ステップS153;N)は、表示データを確率設定値表示の出力ポート134に出力する(ステップS155)。この場合、ステップS152で設定されたオフ出力データが設定され、確率設定値表示装置153には何も表示されない状態となる。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップS156)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップS157)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップS158)。さらに、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップS159)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート5へ合成したデータを出力する(ステップS160)。
次に、確率設定値の試験信号出力データをロードする(ステップS161)。ここでは、確率設定値表示データ領域から確率設定値表示データを試験信号出力データとしてロードする。すなわち、試験試射装置への試験信号のうち確率設定値に関する情報については、確率設定値表示装置153の表示用のデータをそのまま用いる。これにより、処理が簡単になるとともに、確率設定値の情報が変化することがなく、正確な情報を出力することが可能となる。もちろん表示用のデータを値の情報に変換して出力するようにしても良い。
そして、設定キースイッチがオン状態であるかを判定し(ステップS162)、オン状態でない場合(ステップS162;N)は、ステップS184に移行する。また、オン状態である場合(ステップS162;Y)は、ロードしたデータと設定キースイッチオン情報を合成して(ステップS163)、ステップS184に移行する。その後、合成したデータを試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート6に出力し(ステップS164)、出力処理を終了する。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップS111)の詳細について説明する。図9に示すように払出コマンド送信処理では、まず、入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする(ステップS181)。
入賞数カウンタ領域は遊技制御装置100のRAM111Cに設けられ、入賞数カウンタ領域1と入賞数カウンタ領域2が設けられている。入賞数カウンタ領域1は、払出制御装置200に対して賞球の払い出しを指示するための払出コマンド(賞球指令)を送信するために用いる領域であって、払出コマンドを未だ送信していない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタをなす。
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に外部装置へ出力するメイン賞球信号を送信するために用いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。なお、外部装置には、このメイン賞球信号の他に、払出制御装置200からも実際に払い出した賞球数が所定数(ここでは10個)になる毎に払出賞球信号が出力されるようになっており、この二つの信号を照合することで、不正な払い出しを監視することが可能となっている。
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(本実施形態の場合、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられており、入賞口への入賞に基づき対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算されるようになっている。つまり、入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能とされている。なお、入賞数カウンタ領域1は入賞数カウンタ領域2よりも広い領域が割り当てられ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにされている。これは、メイン賞球信号が送信先の状態に関係なく送信可能であるのに対し、払出コマンドが送信先である払出制御装置200の状態により送信を保留する場合もあり、より多くの未送信データが蓄積される可能性があるためである。
具体的には、本実施形態の場合、入賞数カウンタ領域1の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ65535入賞まで記憶することができ、入賞数カウンタ領域2の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ255入賞まで記憶することができるよう構成されている。
入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS181)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。そして、カウント数がない場合(ステップS181;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新し(ステップS182)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS183)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS183;Y)と判定すると、ステップS192に移行する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS183;N)と判定すると、ステップS181へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新する。
また、上記ステップS181で、カウント数がある(ステップS181;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS184)、対象の入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数を取得する(ステップS185)。そして、賞球残数領域の値と取得した払出数を加算し(ステップS186)、加算結果を賞球残数領域にセーブする(ステップS187)。なお、この処理の前における賞球残数領域の値としては、メイン賞球信号の出力の基準となる所定数に満たなかった端数が記憶されている。
その後、加算結果から10を減算して(ステップS188)、減算結果が0以上かを判定し(ステップS189)、0以上でない場合(ステップS189;N)は、ステップS192の処理に移行する。また、0以上である場合(ステップS189;Y)は、メイン賞球信号出力回数領域の値を+1更新する(ステップS190)。すなわち、賞球残数が10個になる度に、メイン賞球信号の出力回数を+1更新する。
そして、減算結果を賞球残数領域にセーブして(ステップS191)、ステップS188の処理に戻る。これにより、ホールコンピュータなどの外部の装置にメイン賞球信号が出力されるようになる。すなわち、遊技制御装置100が、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含むメイン賞球信号を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段をなす。なお、メイン賞球信号を出力するようにすることで、大当り中などの遊技球の払い出しが集中する場合に、遊技球の払い出しとともに賞球信号の出力が遅延して、大当り中に発生した正確な賞球数が計数することができないといった不具合を防止することができる。
ここで、ステップS181〜S191の処理は、メイン賞球信号の出力回数を更新する(増やす)処理であり、ステップS192〜S201の処理は、払出コマンドを送信する処理である。
ステップS192では、払出コマンド送信タイマが「0」でなければ−1更新し(ステップS192)、払出コマンド送信タイマが「0」になったかを判定する(ステップS193)。払出コマンド送信タイマが「0」でない場合(ステップS193;N)は、払出コマンド送信処理を終了する。また、払出コマンド送信タイマが「0」である場合(ステップS193;Y)は、払出ビジー信号フラグをチェックして、払出ビジー信号がビジー状態であるかを判定する(ステップS194)。
払出ビジー信号は払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを示す信号であって、払出制御を即座に開始可能でない場合には払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)とされる。つまり、払出ビジー信号は、払出コマンド(賞球指令)を受付可能な状態であるか否かを示す信号とも言える。すなわち、払出ビジー信号が、払出制御手段(払出制御装置200)が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号をなす。
この払出ビジー信号がビジー状態である場合(ステップS194;Y)は、払出コマンド送信処理を終了する。すなわち、本実施形態では、タイマ割込み毎に払出コマンドを送信するのではなく、所定時間が経過し(払出コマンド送信タイマの値が0になり)、且つ、払出制御装置200側が賞球を払い出せる状態である場合に、払出コマンドを送信するよう構成されている。このように払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能でなく、払出コマンドを送信しない場合は、払出コマンドの送信に関する以降の処理を行わないようにすることで、無駄な処理を行うことを防止し制御の負担を軽減するようにしている。
払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)になる条件は、例えば、払出動作中、球貸し動作中、シュート球切れエラー中、オーバーフローエラー中、枠電波不正発生中、払出球検出スイッチ(払い出された球を監視するスイッチ)の異常中、払出不足エラー中、払出過剰エラー中、払出制御装置200のメモリ内に払い出すべき賞球数のカウント(未払い出しの賞球数=獲得遊技球数残)があるとき(=0でないとき)等である。
払出ビジー信号がビジー状態でない場合(ステップS194;N)は、入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする(ステップS195)。入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS195)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。
そして、カウント数がない場合(ステップS195;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(ステップS196)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS197)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS197;Y)と判定すると、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS197;N)と判定すると、ステップS195へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新する。
また、上記ステップS195で、カウント数がある(ステップS195;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS198)、対象の入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出数コマンドを取得する(ステップS199)。そして、取得した払出数コマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップS200)、払出コマンド送信タイマ領域に初期値をセーブして(ステップS201)、払出コマンド送信処理を終了する。払出コマンド送信タイマは送信間隔を管理するためのもので、初期値として、例えば200m秒が設定される。
これにより、入賞領域への一の入賞を単位とした払出コマンド(賞球指令)が生成され、払出制御装置200に送信されるようになる。払出制御装置200はこの払出コマンドに基づき所定数の賞球を払い出す制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御手段(払出制御装置200)から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段をなす。
このように遊技制御装置100が、払出制御装置200から出力される状態信号に基づいて賞球指令を送信する制御を行うので、払出制御装置200が即座に払出制御を実行可能な場合にのみ賞球指令が送信されることとなる。これにより、未だ払い出しが行われていない入賞に対応するデータは遊技制御装置100側で保持されるようになるので停電発生時には遊技制御装置100でバックアップされるようになり、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
従来の遊技機(例えば、特開2000−312759号公報の遊技機)では、何らかの原因により電源の遮断状態が発生した場合、払出制御装置200は自身の記憶手段にデータをバックアップし、電源遮断直前のデータによる払出制御状態を維持するようにしている。しかしながら、従来の遊技機では、バックアップするための機能が必要となるため、コストアップにつながるという問題があった。本発明によれば、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できるようにすることができる。
また、外部の装置に送信されるメイン賞球信号は払出ビジー信号の状態に関係なく出力されるので、遅滞なくメイン賞球信号を出力でき、ホールコンピュータなどの外部の装置では賞球の払い出しの時期を正確に把握でき、例えばベース値を正確に把握できるようになる。また、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタと、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタとを別々に備えるので、送信タイミングが異なる賞球指令とメイン賞球信号の情報を別々に管理でき、情報を確実に管理することができる。
以上のことから、統括的に遊技制御を行うとともに、遊技領域32に設けられた入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号(ビジー信号)に基づいて賞球指令を払出制御手段に送信する制御を行い、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段に送信せず、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしていることとなる。
また、遊技領域32に賞球数の異なる入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)を複数設け、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球数毎に、遊技球の払出制御を指示する賞球指令の未送信の有無を特定可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)を備え、状態信号が払出制御を開始可能であることを示し、かつ、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令がある場合に、賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するようにし、状態信号が当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かの特定を、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令があるか否かの特定よりも先に行うようにしていることとなる。
また、統括的に遊技制御を行うとともに、所定の入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段(遊技制御装置100)と、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含む賞球信号(メイン賞球信号)を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段(遊技制御装置100)と、を備え、外部情報出力手段は、払出制御手段から出力される状態信号が、払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かに関係なく賞球信号の出力を行うようにしたこととなる。
また、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、停電が発生し該停電から復帰した場合には、状態信号が払出制御を開始可能であることを示していたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信せず、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している状態が所定期間に亘って継続していることに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしたこととなる。
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)と、賞球信号(メイン賞球信号)に関する情報を記憶可能な賞球信号カウンタ(遊技制御装置100)と、を備え、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への一の入賞を単位として賞球指令を生成し、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に一の賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するように構成され、賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、払出制御手段への賞球指令への送信に対応させて更新を行うことで、送信していない賞球指令の数を記憶可能とし、外部情報出力手段は、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数を累積し、累積値が所定数に達する毎に賞球信号を遊技機の外部に出力するように構成され、賞球信号カウンタは、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、外部情報出力手段による賞球数の累積処理に対応させて更新を行うことで、未だ累積処理を行っていない賞球数を記憶可能であることとなる。
また、本実施形態では、遊技制御装置100からは、遊技球の払出予定個数が10個になる毎にメイン賞球信号が出力され、払出制御装置200からは、遊技球の払出個数が10個になる毎にメイン賞球信号が出力されるよう構成されている。
具体的には、遊技制御装置100は、10個の払出予定毎(払出コマンドを送信する毎)に、メイン賞球数信号出力回数を+1更新(払出コマンド送信処理内のサブルーチン)し、更新(設定)されている出力回数分、メイン賞球信号を出力する。
予定毎に出力されるメイン賞球信号に対し、払出制御装置200からは実際に10個の払出が行われる毎に賞球信号が送信されるので、予定と結果の整合をとることができ、不正な払出に対応することができる。また、大当り期間中に入賞しても、球切れ等で払出が遅れ、大当り終了後に払い出された場合にも、入賞時に出力されるメイン賞球信号によって、ホールコン(ホールコンピュータ)が正確な情報を収集(判断)することができる。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図10には、タイマ割込み処理における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS107)を示した。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、確率設定値変更状態であるかを判定する(ステップS299)。確率設定値変更状態である場合には確率設定値変更中フラグがセットされていることから判別可能である。確率設定値変更状態でない場合(ステップS299;N)は、確率設定値確認モードであるかを判定する(ステップS300)。確率設定値確認モードは、確率設定値の変更はできないが現在設定されている確率設定値を確認することができる状態である。
確率設定値確認モードでない場合(ステップS300;N)は、遊技の進行に関する処理として、ステップS301以降の処理を行う。一方、確率設定値変更状態である場合(ステップS299;Y)や確率設定値確認モードである場合(ステップS300;Y)は、ステップS309に移行する。すなわち、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードでは、入賞に関する処理を行わず遊技の進行を行うことができない状態とされる。
なお、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードである場合には、特別変動入賞装置38の不正と入賞の監視、普通動入賞装置37の不正と入賞の監視及び常時入賞可能な入賞口への入賞の監視を行わないようにしたが、これらのうちの一つ又は複数について行うようにしても良い。例えば、特別変動入賞装置38や普通変動入賞装置37への不正の監視は行うようにしても良い。また、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードで行わない処理として上述の処理以外の処理を含んでも良い。例えば、ステップS309以降の処理も行わないようにしても良い。また、確率設定値変更状態と確率設定値確認モードで実行しないようにする処理の種類が異なっていても良い。
ステップS301では大入賞口(特別変動入賞装置38)内の一方の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル1を準備し(ステップS301)、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS302)を実行する。
入賞口監視テーブルには、対象のスイッチに入力があるかを判定するデータの位置を示す監視スイッチビット、不正監視情報の下位アドレス、不正入賞数領域の下位アドレス、不正入賞エラー報知コマンド、不正入賞数上限値(不正発生判定個数)、入賞口スイッチテーブルのアドレス、報知タイマ更新情報(許可/更新)の情報が定義されている。また、入賞口監視テーブルのうちの入賞テーブルには、監視の繰り返し回数(スイッチの数)に加えて、各スイッチ毎に、監視スイッチビット、入賞数カウンタ領域1の下位アドレス、入賞数カウンタ領域2の下位アドレスの情報が定義されている。入賞口監視テーブルは、監視対象のスイッチのそれぞれに応じたものが用意されている。
その後、大入賞口(特別変動入賞装置38)内の他方の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル2を準備し(ステップS303)、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS304)を実行する。
次に、普電内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS305)、普電が開いていないにもかかわらず普電に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS306)を実行する。そして、常時入賞可能な入賞口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36aや一般入賞口35の入賞口スイッチ35a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS307)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS308)を行う。
次に、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(ステップS309)。本実施形態の場合、状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。その後、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップS310)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS311)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常1信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は払出制御装置200からのシュート球切れスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が「2」である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップS312)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS313)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はガラス枠開放検出スイッチ63から出力される信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は本体枠開放検出スイッチ64から出力される信号に基づく状態の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が「2」である場合は枠電波不正信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値が「0」であるかを判定し(ステップS314)、エラースキャンカウンタの値が「0」でない場合(ステップS314;N)は、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。また、エラースキャンカウンタの値が「0」である場合(ステップS314;Y)は、遊技機状態監視テーブル3を準備し(ステップS315)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS316)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常2信号に基づく状態の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが「1」から「3」の場合は定義されていない。
その後、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号をチェックする払出ビジー信号チェック処理(ステップS317)を行って、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、ステップS315からS317の処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が「0」の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4m秒毎に行われる場合は、16m秒毎にステップS315からS317の処理が行われることとなる。
〔確率設定値変更処理〕
図11には、タイマ割込み処理における確率設定値変更処理(ステップS108)を示した。この確率設定値変更処理では、まず、確率設定値変更状態であるかを判定し(ステップS401)、確率設定値変更状態でない場合(ステップS401;N)は、確率設定値を確認可能とする処理である確率設定値確認処理を行い(ステップS422)、確率設定値変更処理を終了する。
また、確率設定値変更状態である場合(ステップS401;Y)は、確率設定値消灯タイマが0でなければ−1更新し(ステップS402)、確率設定値消灯タイマが0であるかを判定する。確率設定値消灯タイマが0である場合(ステップS403;Y)は、確率設定値表示許可フラグをセットし(ステップS404)、ステップS405に移行する。この場合は上述した出力処理(図8参照)により確率設定値表示装置153に確率設定値の情報が表示される。また、確率設定値消灯タイマが0でない場合(ステップS403;N)は、ステップS405に移行する。この場合は確率設定値表示許可フラグがセットされていない状態となり、上述した出力処理により確率設定値表示装置153に何も表示しない状態とされる。
その後、確率設定値変更済みであるかを判定する(ステップS405)。確率設定値変更済みとは、後述する確定操作が行われて遊技で使用する確率設定値が新たに設定された状態であり、この場合は確率設定値変更済みフラグがセットされている。確率設定値変更済みである場合(ステップS405;Y)は、ステップS416に移行する。また、確率設定値変更済みでない場合(ステップS405;N)は、設定値変更スイッチからの入力があるかを判定する(ステップS406)。
そして、設定値変更スイッチからの入力があるかの判定(ステップS406)では、設定値変更スイッチからの入力状態がオン状態へ変化したかを判定する。すなわち、確率設定値変更ボタンが押下されたかを判定する。設定値変更スイッチからの入力がない場合(ステップS406;N)は、ステップS411に移行する。
また、設定値変更スイッチからの入力がある場合(ステップS406;Y)は、作業用確率設定値領域の値を0〜5の範囲で+1更新する。作業用確率設定値領域の0〜5の値は設定1〜設定6にそれぞれ対応するものであり、設定値変更ボタンを押下する毎に作業用確率設定値領域の値が+1更新されることで、選択される確率設定値が順次変化することとなる。なお、作業用確率設定値領域の値が5の状態で+1更新された場合は0に戻るようになっている。また、この段階では作業用確率設定値領域の値を変化させるだけであり、遊技に使用する確率設定値を格納する確率設定値領域の値は変化しない。後述する確定操作に基づき選択された確率設定値が確率設定値領域にセーブされることとなる。また、ここでは確率設定値の数を6つとしているが、これ以外の数とすることも可能である。
次に、作業用確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブする(ステップS408)。これにより確率設定値表示装置153に表示するデータは新たに選択された確率設定値の情報となる。そして、確率設定値消灯タイマ領域に初期値(例えば100ms)をセーブして(ステップS409)、確率設定値表示許可フラグをクリアする(ステップS410)。これにより、設定値変更ボタンの操作から所定時間(例えば100ms)にわたり特定表示として、確率設定値表示装置153の表示を消灯して何も表示しないブランク表示を行ってから新たな確率設定値の情報が表示されるようになる。このようにすることで、表示が更新されたことをわかりやすくすることができる。
ここでは、特定表示として何も表示しないブランク表示を設定するようにしたが、これ以外の表示としても良い。例えば、確率設定値の表示として1〜6の数字で行う場合に、この数字以外の表示を特定表示としても良い。すなわち、特定表示を確率設定値の表示としては用いられない表示としても良い。また、確率設定値の表示を連続した点灯状態で表示する場合に、特定表示として更新後の確率設定値の表示を点滅させるようにしても良い。すなわち特定表示を、特定表示の経過後の表示態様と異なる表示態様としても良い。特定表示として用いる表示態様としては、点滅させる表示態様や、特定表示ではない場合と点滅の周期を異ならせた表示態様や、特定表示ではない場合と表示色を異ならせた表示態様などが挙げられる。
また、設定値変更ボタンの操作に基づき演出制御装置300に情報を送信し、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、選択された確率設定値が変更された旨の報知である特定報知を行うようにしても良い。すなわち、特定表示と併せて又は特定表示に代えて特定報知を行うようにしても良い。また、表示装置41や特図1表示器51、特図2表示器に確率設定値表示装置153と同様の表示を行うようにしても良い。
次に、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチからの入力があるかを判定する(ステップS411)。タッチスイッチは操作ハンドル24への人体の接触を検出可能なセンサであり、接触がある場合に信号を出力するようになっている。このタッチスイッチからの入力がない場合(ステップS411;N)は、確率設定値変更処理を終了する。また、タッチスイッチからの入力がある場合(ステップS411;Y)は、作業用確率設定値領域の値をロードして確率設定値領域にセーブする(ステップS412)。これにより、選択された確率設定値が遊技に使用する確率設定値として設定される。すなわち、操作ハンドル24に触れることが選択した確率設定値を確定する確定操作となる。もちろんこの操作以外の操作を確定操作としても良く、確定操作用の操作部を設定手段に設けても良い。
その後、確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブする(ステップS413)。次に、確率設定値変更済みフラグをセットし(ステップS414)、確率設定値変更のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS415)、確率設定値変更処理を終了する。演出制御装置300では、確率設定値変更のコマンドを受信することに基づき、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値が変更された旨の報知を行う。
一方、確率設定値変更済みである場合(ステップS405;Y)は、設定キースイッチがオフであるかを判定する(ステップS416)。設定キースイッチがオフでない場合(ステップS416;N)、すなわち、設定キー操作部の設定キーが第2位置にある場合は、確率設定値変更処理を終了する。また、設定キースイッチがオフである場合(ステップS416;Y)、すなわち、設定キー操作部の設定キーが第2位置にない場合は、RAMクリア先頭アドレス3を設定し(ステップS417)、クリア対象のRAM領域を0クリアし(ステップS418)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS419)。
これにより遊技制御用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)が0クリアされて初期値がセーブされる。また、セキュリティ信号を出力するためのタイマの設定も行われる。すなわち、確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び状態表示用の領域は初期化されない。ただし、初期値乱数用の領域及び変動パターン乱数用の領域はクリアしても良い。また、確率設定値用の領域のうち確率設定値変更状態で選択されている確率設定値の情報や各種フラグを一時的に格納する作業用確率設定値領域など、変更作業にかかわる領域はクリアされる。よって、確率設定値表示許可フラグがクリアされるので、確率設定値表示装置153での表示が終了する。また、確率設定値変更中フラグがクリアされるので確率設定値変更状態が終了する。
次に、確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブし(ステップS420)、確率設定変更終了のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS421)、図6に示すメイン処理のステップS48へ移行する。演出制御装置300では、確率設定値変更のコマンドを受信することに基づき、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の変更が終了した旨の報知を行う。この報知ではRAMが初期化された旨の報知を兼ねている。
本実施形態の場合、ステップS421では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、選択されている確率設定値の情報である確率設定値情報、確率設定変更終了のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。確率設定変更終了のコマンドはRAM初期化コマンドであっても良い。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。特に、演出制御装置300に選択されている確率設定値の情報である確率設定値情報を送信することで、確率設定値に応じた演出を行うことや、確率設定値に応じて遊技の演出の選択確率を異ならせるなど、確率設定値を示唆又は報知する演出を実行可能となる。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作に基づき複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)を備え、設定手段は、選択された確率設定値の情報を表示する表示部(確率設定値表示装置153)を備え、操作部の操作に基づき確率設定値の選択操作が行われることに伴い表示部の表示を更新する際に、当該更新から一定期間にわたり特定表示を行うようにしたこととなる。したがって、表示が更新されたことを分かり易くすることができ、選択されている確率設定値を明確に把握可能とすることができる。
また、設定手段は、特定表示として、確率設定値の情報の表示として用いられない表示を表示するようにしたこととなる。したがって、表示が更新されたことを分かり易くすることができ、選択されている確率設定値を明確に把握可能とすることができる。
また、設定手段は、特定表示として、一定期間にわたり当該一定期間の経過後とは異なる態様で更新後の情報を表示するようにしたこととなる。したがって、表示が更新されたことを分かり易くすることができ、選択されている確率設定値を明確に把握可能とすることができる。
〔確率設定値確認処理〕
図12には、確率設定値変更処理における確率設定値確認処理(ステップS422)を示した。この確率設定値確認処理では、まず、確率設定値確認モード中であるかを判定する(ステップS431)。確率設定値確認モードは、確率設定値の変更はできないが現在設定されている確率設定値を確認することができる状態である。この確率設定値確認モードである場合には確率設定値確認モード中フラグがセットされていることから判別可能である。
確率設定値確認モードでない場合(ステップS431;N)は、確率設定値表示許可フラグをクリアする(ステップS432)。これにより確率設定値表示装置153の表示として何も表示しない状態が設定される。その後、遊技中であるかを判定する(ステップS433)。
遊技中とは、特図変動表示ゲームの実行中、普図変動表示ゲームの実行中、特別遊技状態中又は普図の当り状態中のいずれかに該当する場合である。すなわち、遊技の状態が確率設定値確認モードを開始することを禁止する禁止状態である場合である。遊技中である場合(ステップS433;Y)は、確率設定値確認処理を終了する。すなわち、遊技中である場合は確率設定値確認モードに移行しない。この場合、演出制御装置300に遊技中であるので確率設定値確認モードに移行できない旨の情報を送信し、その旨の報知を行うようにしても良い。
なお、遊技中(禁止状態)と判定する条件は上述したものに限られるものではない。特図変動表示ゲームの実行中、普図変動表示ゲームの実行中、特別遊技状態中、普図の当り状態中のうちから選択された一又は複数の状態を条件としても良く、例えば、特図変動表示ゲームの実行中又は特別遊技状態中のいずれかに該当する場合に遊技中であるとしても良い。また、上記以外の条件を加えても良く、例えば操作ハンドル24が操作されていてタッチスイッチからの入力がある場合は遊技中であるとして確率設定値確認モードに移行しないようにしても良い。
また、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出するアウトスイッチで遊技球を検出してから所定期間は遊技中であるとして確率設定値確認モードに移行しないようにしても良い。また、前面枠12の閉鎖中は遊技中であるとして確率設定値確認モードに移行しないようにしても良い。また、遊技が行われていない状態で一定期間経過することにより移行する節電モード中は確率設定値確認モードに移行しないようにしても良い。この節電モードは、前面枠12の開放に伴い解除されるようになっており、節電モードであることは前面枠12が閉鎖されているとみなすことができる。
また、遊技中でない場合(ステップS433;N)は、設定キースイッチがオン状態であるか、すなわち、操作部が操作されて所定状態とされているかを判定する(ステップS434)。設定キースイッチがオン状態でない場合(ステップS434;N)は、確率設定値確認処理を終了する。また、設定キースイッチがオン状態である場合(ステップS434;Y)は、確率設定値確認モード中フラグをセットし(ステップS435)、確率設定値表示許可フラグをセットする(ステップS436)。これにより確率設定値確認モードが開始され、確率設定値表示装置153の表示として現在設定されている確率設定値の情報が表示される。
その後、セキュリティ信号制御タイマ領域に初期値をセーブし(ステップS437)、確率設定値確認中のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS438)、確率設定値確認処理を終了する。確率設定値確認モードが開始された場合には外部情報として所定期間にわたりセキュリティ信号が出力される。また、演出制御装置300では、確率設定値確認中のコマンドを受信することに基づき、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の確認中である旨の報知を行う。
一方、確率設定値確認モード中である場合(ステップS431;Y)は、設定キースイッチがオン状態であるかを判定する(ステップS439)。設定キースイッチがオン状態である場合(ステップS439;Y)は、確率設定値確認処理を終了する。この場合は、確率設定値確認モードが継続する。
また、設定キースイッチがオン状態でない場合(ステップS439;N)は、確率設定値確認モード中フラグをクリアし(ステップS440)、確率設定値表示許可フラグをクリアする(ステップS441)。これにより確率設定値確認モードが終了し、確率設定値表示装置153の表示として何も表示しない状態が設定される。そして、確率設定値確認終了のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS442)、確率設定値確認処理を終了する。演出制御装置300では、確率設定値確認終了のコマンドを受信することに基づき、確率設定値の確認中である旨の報知を終了する。
すなわち、確率設定値確認モードは、電源が投入された状態で設定キー操作部の設定キーを第2位置に回すことで開始され、第2位置から戻すことで終了する。なお、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態で電源を投入した場合には、確率設定値変更状態となる。
以上のように、遊技中である場合に設定キースイッチをオン状態としても確率設定値確認モードに移行しないようにしたことで、遊技の進行中に確率設定値を知られてしまうことを防止でき、遊技の公平性を確保することができる。なお、遊技中である場合に設定キースイッチをオン状態としても確率設定値確認モードに移行しないようにしたが、遊技中に設定キースイッチをオン状態とし、当該オン状態としたまま遊技中でない状態となった場合は、その時点から確率設定値確認モードに移行する。このようにすることで、遊技が進行しない状態となれば自動的に確率設定値を確認することができるようになるので、確認作業の効率を向上することができる。
また、確率設定値確認モードに移行しないようにする条件を遊技中としたが、これに限られるものではなく、遊技制御装置100により制御される遊技の状態に応じて確率設定値確認モードに移行するか否かを選択するものであれば良い。例えば、高確率状態である場合には確率設定値確認モードに移行しないようにしても良い。また、後述するように所定の異常が発生している場合に確率設定値確認モードに移行しないようにしても良い。
以上のことから、始動条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、設定手段は、操作部が操作されて所定状態とされることに基づき、確率設定値の確認が可能な確認状態とすることが可能であり、制御手段により制御される遊技の状態が、確認状態を開始することを禁止する禁止状態である場合には、操作部が所定状態であっても確認状態としないようにしたこととなる。したがって、遊技の状態に応じて確率設定値確認モードに移行するか否かを選択できるようになり、確率設定値が示されることによる不都合を防止できる。
また、禁止状態は、ゲームが実行中の状態であることである。したがって、遊技の進行中に確率設定値を知られてしまうことを防止でき、遊技の公平性を確保することができる。
また、禁止状態は、特別遊技状態中である状態であることである。したがって、遊技の進行中に確率設定値を知られてしまうことを防止でき、遊技の公平性を確保することができる。
また、遊技球が入賞不能な閉状態と、遊技球の入賞が容易な開状態と、に変換可能であり、入賞によりゲームの実行権利を発生可能な普通変動入賞装置37と、所定条件の成立に基づき普図ゲーム(普図変動表示ゲーム)を実行し、当該普図ゲームの結果が特定結果となった場合に普通変動入賞装置37を開状態に変換する当り状態(普図当り状態)を発生可能な普通変動入賞装置制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、禁止状態は、普図ゲームの実行中又は当り状態中である状態であることである。したがって、遊技の進行中に確率設定値を知られてしまうことを防止でき、遊技の公平性を確保することができる。
また、設定手段は、制御手段により制御される遊技の状態が禁止状態である状態において操作部が所定状態とされ、当該所定状態とされたまま禁止状態が終了した場合には、当該禁止状態の終了に基づき確認状態とすることとなる。したがって、遊技が進行しない状態となれば自動的に確率設定値を確認することができるようになるので、確認作業の効率を向上することができる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS112)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図13に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA7)。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA8)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA9)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA10)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA12)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA13)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA14)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA15)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA16)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA17)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA18)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図1表示器51による特別図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA21)、特図2表示器52による特別図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップA22)を行い、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA19の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない結果態様であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。図14に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)を行って、第1始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、第1始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA103にて、第1始動口への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA104)。
ステップA104にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA104にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、当該コマンドを演出制御装置300へ送信する演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第1始動口(始動入賞口36)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態となるが、時短状態中に第1始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
次いで、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108)を行う。
次に、第2始動口(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)を行って、第2始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
ステップA111にて、第2始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA111にて、第2始動口への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップA112)、普通電動役物が作動中である(ステップA112;Y)と判定すると、ステップA114の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA112にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA112;N)と判定すると、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA113)。
普電不正発生中であるかの判定では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
ステップA113にて、普電不正発生中でない(ステップA113;N)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA114)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA115)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA113にて、普電不正発生中である(ステップA113;Y)と判定した場合は、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔ハード乱数取得処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップA102、A110)の詳細について説明する。図15に示すように、ハード乱数取得処理では、まず、第1始動口(始動入賞口36)及び第2始動口(普通変動入賞装置37)のうち、監視対象の始動口の入賞なし情報を設定して(ステップA121)、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA122)。そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合(ステップA122;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。一方、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップA122;Y)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップA123)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるかを判定する(ステップA124)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップA124;N)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、ハード乱数取得処理を終了する。また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップA124;Y)は、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA125)。そして、第1始動口(始動入賞口36)及び第2始動口(普通変動入賞装置37)のうち、監視対象の始動口の入賞あり情報を設定して(ステップA126)、ハード乱数取得処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108、A115)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図16に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA131)、ロードした値を+1更新して(ステップA132)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA133;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA133;Y)は、ステップA135の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステップA135)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA135;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA135;Y)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ステップA136)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA137)。続けて、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップA138)、ハード乱数取得処理のステップA125にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA139)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA140)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。
次いで、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA142)。
ステップA142にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA142;N)には、ステップA145の処理に移行する。
一方、ステップA142にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA142;Y)には、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA143)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA144)。
次いで、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA145)、特図保留情報判定処理(ステップA146)を行う。
次いで、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域での遊技球の検出に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA146)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図17に示すように、まず、特図始動口スイッチ共通処理のステップA137にてセーブした始動口入賞フラグをチェックして、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA151)。
ステップA151にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA151;N)には、ステップA154の処理に移行する。
一方、ステップA151にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA151;Y)には、特図時短中であるかを判定する(ステップA152)。
ステップA152にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA152;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA152にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA152;N)には、大当り中または小当り中であるかを判定する(ステップA153)。
ステップA153にて、大当り中または小当り中であると判定した場合(ステップA153;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA153にて、大当り中または小当り中でないと判定した場合(ステップA153;N)には、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA154)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA155;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA156)、特図始動口スイッチ共通処理のステップA140にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA157)、ステップA164の処理に移行する。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA155;N)は、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA158)。
ステップA158にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA158;N)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行する。
一方、ステップA158にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA158;Y)には、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA159)を行う。そして、判定結果が小当りでない場合(ステップA160;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行する。
一方、判定結果が小当りである場合(ステップA160;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA161)、特図始動口スイッチ共通処理のステップA143にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA162)、ステップA164の処理に移行する。
そして、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備し(ステップA164)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA165)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA166)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を行う(ステップA167)。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA168)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA169)、特図保留情報判定処理を終了する。
なお、ステップA157における大当り判定処理、ステップA159における小当り判定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される図20、図21に示す処理と同様である。すなわち、設定されている確率設定値に応じた判定が行われる。また、ステップA166における特図情報設定処理、ステップA167における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA8)の詳細について説明する。図18に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA301)。特図2保留数が「0」である(ステップA301;Y)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA305)。そして、特図1保留数が「0」である(ステップA305;Y)と判定すると、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA309)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA309;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA310)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA311)、演出コマンド設定処理(ステップA312)を行う。次いで、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定して(ステップA313)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA314)。そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA315)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA316)、特図普段処理を終了する。すなわち、特図変動表示ゲームを開始可能な状態であるが始動条件が成立しない場合に、待機情報をなす客待ちデモコマンドを演出制御装置300に送信するようにしていることとなる。
一方、ステップA309にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA309;Y)は、ステップA310〜A312の処理を行わずに、ステップA313の処理へ移行する。
また、ステップA301にて、特図2保留数が「0」でない場合(ステップA301;N)は、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA302)。次いで、演出コマンド設定処理(ステップA303)を行い、特図2変動開始処理(ステップA304)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA305にて、特図1保留数が「0」でない場合(ステップA305;N)は、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA306)。次いで、演出コマンド設定処理(ステップA307)を行い、特図1変動開始処理(ステップA308)を行って、特図普段処理を終了する。
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が「0」でない場合には特図2変動開始処理(ステップA304)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA308)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。図19(a)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA321)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定するとともに、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判別するための小当りフラグにはずれ情報や小当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA324)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA325)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA326)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA327)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA328)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA329)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA330)、特図1の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA331)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA332)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100ms)を設定する(ステップA333)。次いで、特図1変動図柄番号領域に初期値(ここでは「0」)をセーブして(ステップA334)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA304)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図19(a)に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
図19(b)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA341)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA344)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA348)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA349)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA350)、特図2の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA351)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA352)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100ms)を設定する(ステップA353)。次いで、特図2変動図柄番号領域に初期値(ここでは「0」)をセーブして(ステップA354)、特図2変動開始処理を終了する。
なお、上述の特図1変動開始処理や特図2変動開始処理において特図変動表示ゲームの変動パターンを選択する際に、設定されている確率設定値の情報を参照するようにしても良い。これにより、確率設定値に応じた変動パターンを選択することや、確率設定値に応じて変動パターンの選択確率を異ならせるなど、確率設定値を示唆又は報知する演出を実行可能となる。
〔大当り判定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップA322)及び特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップA342)において行われる大当り判定処理の詳細について説明する。
図20に示すようにこの大当り判定処理では、まず、確率設定値に対応する上限判定値テーブルを設定する(ステップA381)。上限判定値テーブルは確率設定値毎に設けられており、それぞれ高確率状態での上限判定値と低確率状態(通常確率状態)での上限判定値とが規定されている。ここでは現在設定されている確率設定値に応じて対応するテーブルを設定する。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。確率設定値に対応した上限判定値テーブルを設定することで、確率設定値に対応した確率値で大当り判定が行われるようになる。
次に、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップA382)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満かを判定する(ステップA383)。ここでは下限判定値の値は、確率設定値や確率状態(高確率状態又は通常確率状態)によらず同一の値となっているが、確率設定値や確率状態により下限判定値を異ならせても良い。この場合は上限判定値と同様に、確率設定値毎に下限判定値が規定された下限判定値テーブルを確率設定値に応じて選択するようにし、確率状態に応じて使用する下限判定値を選択して設定するようにする。もちろん上限判定値テーブルと下限判定値テーブルをまとめて判定値テーブルとしても良い。
大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA383;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA389)、大当り判定処理を終了する。なお、ステップA389でのはずれとは大当りでないことを意味し、後の小当り判定処理で小当りと判定される可能性がある。また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップA383;N)は、高確率状態であるかを判定する(ステップA384)。そして、高確率状態である場合(ステップA384;Y)は、高確率中の上限判定値を取得し(ステップA385)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA387)。また、高確率状態でない場合(ステップA384;N)は、低確率中の上限判定値を設定し(ステップA386)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA387)。ここで取得する上限判定値は、上述のステップA381で設定された上限判定値テーブルを参照して取得する。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA387;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA358)、大当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップA387;N)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(ステップA389)、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップA322)及び特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップA342)において行われる小当り判定処理の詳細について説明する。
図21に示すようにこの小当り判定処理では、まず、確率設定値に対応する小当り上限判定値を設定する(ステップA401)。小当り上限判定値は確率設定値毎に設けられている。また、小当り確率は高確率状態であるか否かにかかわらず一定である。また、同一の確率設定値における大当り判定値の範囲と小当り判定値の範囲は重なることがないようにされている。異なる確率設定値どうしでの大当り判定値の範囲と小当り判定値の範囲は重なっていても良いが、重ならないようにしても良い。
なお、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である小当り下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である小当り上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。確率設定値に対応した小当り上限判定値を設定することで、確率設定値に対応した確率値で小当り判定が行われるようになる。
次に、対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満かを判定する(ステップA402)。ここでは小当り下限判定値の値は異なる確率設定値であっても同一となっている。大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(ステップA402;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA404)、大当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合(ステップA402;N)は、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいかを判定する(ステップA403)。
大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(ステップA403;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA404)、小当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(ステップA403;N)、すなわち小当りである場合は、判定結果として小当りを設定し(ステップA405)、小当り判定処理を終了する。
なお、大当り判定の場合と同様に、先に確率設定値に対応する小当り上限判定値テーブルを設定し、設定された上限判定値テーブルから小当り上限判定値を取得するようにしても良いし、確率設定値毎に設けられた判定値テーブルに大当り判定での上限判定値と小当り判定での小当り上限判定値をまとめて規定しても良い。さらに、小当り下限判定値の値は異なる確率設定値であっても同一となっているが、確率設定値により小当り下限判定値を異ならせても良く、この場合は、確率設定値に応じて小当り下限判定値を選択するようにする。
また、確率設定値に対応する上限値設定テーブルを設定する処理(ステップA381)や、確率設定値に対応した小当り上限判定値を設定する処理(ステップA401)において、参照した確率設定値を示す値がどの確率設定値にも対応しないなどの異常な値である場合は、予め定めた確率設定値(例えば設定1)であるものとして設定を行うようにしても良いし、異常が発生したとして遊技を停止しエラー報知を行うようにしても良い。また、大当りの判定毎及び小当りの判定毎に確率設定値を参照しているが、確率設定値変更状態において確率設定値を設定した際に当該設定した確率設定値に対応する上限値設定テーブルや小当り上限判定値を設定する処理を行っておき、大当りの判定時や小当りの判定時にはこれを参照するのみとしても良い。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA9)の詳細について説明する。図22に示すように、特図変動中処理では、まず、変動図柄判別フラグ(特図1変動フラグ又は特図2変動フラグ)に対応する図柄停止コマンドを準備し(ステップA601)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA602)。すなわち、実行中の特図変動表示ゲームの変動時間が終了して結果を導出表示することに伴い停止情報をなす図柄停止コマンドが演出制御装置300に送信されることとなる。演出制御装置300では、この図柄停止コマンドの受信に伴い、当該特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームの変動表示を停止して結果を停止表示する。
その後、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定して(ステップA603)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA604)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターン、大当り図柄パターン又は小当り図柄パターンの何れであっても表示時間として600m秒を設定するが、停止図柄パターンによって表示時間を異ならせても良い。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。
次いで、処理番号として特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し(ステップA605)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA606)。
次に、特図1の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA607)、特図2の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA608)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば256m秒)をセーブする(ステップA609)。その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA610)、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブして(ステップA611)、特図変動中処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図23及び図24に示すように、特図表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグをロードして(ステップA701)、RWMの小当りフラグ領域をクリアする処理(ステップA702)を行う。
次いで、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA703)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA704)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA705)、大当りである(ステップA705;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA708)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA709)。
一方、ステップA705にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA705;N)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA706)、大当りである(ステップA706;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA707)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行う。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、「16」又は「4」)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA710)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA711)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA712)、演出コマンド設定処理(ステップA713)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)を行う。続けて、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA716)、演出コマンド設定処理(ステップA717)を行う。このファンファーレコマンドが特別遊技状態の開始時に演出制御装置300に送信される特別遊技状態開始情報をなす。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA718)。本実施形態の場合、ステップA718において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号は、出玉のある大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1以外)である場合にはON、出玉のない大当り(所謂、突確大当りなど。大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1)である場合には、時短状態中での大当り時であればON、それ以外ではOFFとなる。また、大当り3信号は、出玉のある大当りである場合にはON、出玉のない大当りである場合にはOFFとなる。
その後、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000m秒、4700m秒、7700m秒又は300m秒)を設定して(ステップA719)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA720)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA721)。これにより特別結果が発生した際における特図の確率状態、時短状態の情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞装置38)の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップA722)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA723)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)を行い、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れかで結果が特別結果となることに基づき、特別変動入賞装置38を開状態に変換する特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生手段をなす。
一方、ステップA706にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA706;N)は、ロードした小当りフラグが小当りかを判定する(ステップA725)。
ステップA725にて、小当りフラグが小当りであると判定した場合(ステップA725;Y)には、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための高確率変動回数領域の値(高確率変動回数)を更新する高確率変動回数更新処理(ステップA726)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA727)を行って、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるかを判定する(ステップA728)。
ステップA728にて、特図の高確率中でないと判定した場合(ステップA728;N)には、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、準備して(ステップA729)、演出コマンド設定処理(ステップA730)を行う。次いで、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップA731)、演出コマンド設定処理(ステップA732)を行って、ステップA733の処理に移行する。この小当りファンファーレコマンドも特別遊技状態の開始時に演出制御装置300に送信される特別遊技状態開始情報をなす。
また、ステップA728にて、特図の高確率中であると判定した場合(ステップA728;Y)には、ステップA733の処理に移行する。このように、本実施形態の遊技機10においては、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態である場合には、小当りの発生で大入賞口は開くが、小当りの発生を遊技者に意識させないようにするために、表示装置41に表示される画面を変化させないようになっている。
そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA733)。次いで、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(ステップA734)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA735)。
次いで、小当りファンファーレ時間(例えば0.3秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA736)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大当り+小当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA737)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA738)。
次いで、大入賞口不正入賞数領域をクリアして(ステップA739)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA740)。
次いで、右打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA741)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA742)、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA725にて、小当りフラグが小当りでないと判定した場合(ステップA725;N)には、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための高確率変動回数領域の値(高確率変動回数)を更新する高確率変動回数更新処理(ステップA743)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA744)を行い、演出モード番号に対応する切替準備残り回転数を設定して(ステップA745)、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致するかを判定する(ステップA746)。なお、切替準備残り回転数は、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて異なる値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの何れかの演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよい。
ステップA746にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致しないと判定した場合(ステップA746;N)には、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(ステップA749)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブして(ステップA750)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(ステップA751)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA752)、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA746にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致すると判定した場合(ステップA746;Y)には、演出モード切替準備コマンドを準備して(ステップA747)、演出コマンド設定処理(ステップA748)を行った後に、ステップA749の処理に移行する。演出モード切替準備コマンドは、演出モードが切り替わる数回転前から先読み演出を行わないようにするためのコマンドであり、演出モード切替準備コマンドを演出制御装置300に送信することによって、モードをまたいで演出に矛盾等が生じないようにすることができる。
〔普図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(ステップS113)の詳細について説明する。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
図25に示すように、普図ゲーム処理では、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理(ステップB1)を行い、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)を行う。次に、普図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップB3)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、普図ゲーム処理タイマの値が「0」となったかを判定する(ステップB4)。
普図ゲーム処理タイマの値が「0」である(ステップB4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていたと判定すると、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップB5)を行って、当該テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップB6)を行う。そして、普図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップB7)。
ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「0」の場合は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理(ステップB8)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「1」の場合は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理(ステップB9)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「2」の場合は、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理(ステップB10)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、あるいは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理(ステップB11)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理(ステップB12)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理(ステップB13)を行う。
その後、普図表示器による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備した後(ステップB14)、普図表示器53による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップB15)を行って、普図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップB4にて、普図ゲーム処理タイマの値が「0」でない(ステップB4;N)、すなわちタイムアップしていないと判定すると、ステップB14の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
〔普図普段処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図普段処理(ステップB8)の詳細について説明する。図26に示すように、普図普段処理では、まず、普図保留数が「0」であるかを判定し(ステップB301)、普図保留数が「0」である場合(ステップB301;Y)は、処理番号として普図普段処理にかかる「0」を設定し(ステップB322)、普図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップB323)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップB324)、普図普段処理を終了する。
また、普図保留数が「0」でない場合(ステップB301;N)は、RWMの当り乱数格納領域(保留数1用)、当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードし、ロードした領域、すなわち当り乱数格納領域(保留数1用)及び当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップB302)、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率(すなわち、普図低確率)よりも高くされた普図高確率中であるか、すなわち時短状態中であるかを判定する(ステップB303)。
普図高確率中でない場合(ステップB303;N)は、普図低確率時の下限判定値(低確率下限判定値)を設定し(ステップB304)、普図高確率中である場合(ステップB303;Y)は、普図高確率時の下限判定値(高確率下限判定値)を設定する(ステップB305)。
その後、当り乱数の値が上限判定値以上であるかを判定し(ステップB306)、当り乱数の値が上限判定値以上でない場合(ステップB306;N)は、当り乱数の値がステップB304又はB305にて設定した下限判定値未満であるかを判定する(ステップB307)。
当り乱数の値が上限判定値以上である場合(ステップB306;Y)や、当り乱数の値がステップB304又はB305にて設定した下限判定値未満である場合(ステップB307;Y)は、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブし(ステップB308)、はずれ停止図柄番号を設定し(ステップB309)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB310)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB314)。
一方、当り乱数の値がステップB304又はB305にて設定した下限判定値未満でない場合(ステップB307;N)は、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(ステップB311)、ステップB302にてロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(ステップB312)、停止図柄番号に対応する停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB313)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB314)。
本実施形態の場合、普図低確率時における当りの確率は0/251、普図高確率時における当りの確率は250/251であり、上限判定値は「251」、低確率下限判定値は「251」、高確率下限判定値は「1」である。したがって、普図低確率時は、当り乱数の値が「0」〜「250」全ての場合ではずれとなる。また、普図高確率時は、当り乱数の値が「1」〜「250」の何れかである場合が当り、当り乱数の値が「0」である場合がはずれとなる。
また、本実施形態の場合、当り図柄は2種類ある。
停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブ(ステップB314)した後、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB315)。
その後、当り乱数格納領域をシフトし(ステップB316)、シフト後の空き領域を0クリアして(ステップB317)、普図保留数を−1更新する(ステップB318)。すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2〜4の順位を1つずつ繰り上げる処理を行う。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
次いで、変動パターン乱数3を抽出して(ステップB319)、当該変動パターン乱数3に対応する変動時間を設定し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB320)。そして、普図変動中処理に移行するための普図変動中処理移行設定処理(ステップB321)を行い、普図普段処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、普図始動ゲート34(流入領域)での遊技球の検出に基づいて(普図始動記憶に基づいて)変動表示ゲームとして普図変動表示ゲームを実行するゲーム実行手段をなす。
本実施形態の場合、ステップB320では、変動時間として、200/256の確率で500m秒が設定され、40/256の確率で1500m秒が設定され、16/256の確率で3000m秒が設定される。
〔普図変動中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図変動中処理(ステップB9)の詳細について説明する。図27に示すように、普図変動中処理では、まず、処理番号として普図表示中処理にかかる「2」に設定し(ステップB401)、当該処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB402)。その後、普図表示器53における普図変動表示ゲームの結果の表示時間である普図表示時間(例えば600m秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB403)、普図の変動終了に関する信号(例えば、普通図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB404)、普図変動表示ゲームが停止中であることを示す停止フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブして(ステップB405)、普図変動中処理を終了する。
〔普図表示中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図表示中処理(ステップB10)の詳細について説明する。図28に示すように、普図表示中処理では、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグ(当り情報又ははずれ情報)をロードし(ステップB501)、RWMの当りフラグ領域をクリアして(ステップB502)、ロードされた当りフラグが当り情報かを判定する(ステップB503)。
当りフラグが当り情報でない場合(ステップB503;N)は、処理番号として普図普段処理にかかる「0」を設定し(ステップB515)、当該処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB516)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップB517)、普図表示中処理を終了する。
一方、当りフラグが当り情報である場合(ステップB503;Y)は、当り中処理設定テーブルを設定して(ステップB504)、普図停止図柄情報に対応する当り開始ポインタの値(例えば、「0」又は「5」)を取得し、普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(ステップB505)。次いで、普図停止図柄情報に対応する当り終了ポインタの値(例えば、「4」又は「7」)を取得し、普図当り終了ポインタ領域にセーブする(ステップB506)。次いで、普図停止図柄情報に対応する普電開放時間(例えば、1700m秒又は2600m秒)を取得し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB507)。
次いで、普図当り中処理に移行するための処理番号として「3」を設定し(ステップB508)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB509)。その後、普図変動表示ゲームの当りの開始に関する信号(例えば、普通図柄1当り中信号をON)と、普電作動開始に関する信号(例えば、普通電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB510)、普電ソレノイドを駆動(オン)する信号を出力するため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(ステップB511)。
さらに、普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電カウント数領域の情報をクリアして(ステップB512)、普電不正監視期間における普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域の情報をクリアする(ステップB513)。そして、普通変動入賞装置37の不正監視期間外を規定するフラグ(不正監視期間外フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB514)、普図表示中処理を終了する。
〔普図当り中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り中処理(ステップB11)の詳細について説明する。図29に示すように、普図当り中処理では、まず、普図当り中制御ポインタをロードし、準備して(ステップB601)、ロードした普図当り中制御ポインタの値が上限値以上であるかを判定する(ステップB602)。
そして、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上でない場合(ステップB602;N)は、普図当り中制御ポインタを+1更新して(ステップB603)、普図当り中制御ポインタの値(ステップB603で+1更新する前の値)に応じた分岐処理を行う(ステップB604)。
また、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上である場合(ステップB602;Y)は、ステップB603における普図当り中処理制御ポインタ領域を+1更新する処理を行わずに、普図当り中制御ポインタの値に応じた分岐処理を行う(ステップB604)。
制御ポインタの値が「0」、「2」又は「5」であった場合は、ステップB605へ移行して、普通変動入賞装置37の閉塞を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の閉塞後のウェイト時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB605)、普電ソレノイド37cをオフさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB606)、普図当り中処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「1」又は「3」であった場合は、ステップB607へ移行して、普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB607)、普電ソレノイド37cをオンさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップB608)、普図当り中処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「6」であった場合は、ステップB609へ移行して、普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB609)、普電ソレノイド37cをオンさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップB610)、普図当り中処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「4」又は「7」であった場合は、ステップB611へ移行して、普通変動入賞装置37の開放制御を終了して普電残存球処理を行うため、処理番号として「4」を設定する(ステップB611)。そして、この処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップB612)、普電残存球処理時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB613)。その後、普電ソレノイド37cをオフさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB614)、普図当り中処理を終了する。
ここで、本実施形態では、例えば、ステップB605にてウェイト時間として300m秒を、ステップB607にて普電開放時間として1700m秒を、ステップB609にて普電開放時間として2600m秒を、ステップB613にて普電残存球処理時間として600m秒をセーブする。
さらに、普図停止図柄が「当り図柄1」である場合は、図28に示す普図表示中処理のステップB505において、当り開始ポインタの値として「0」が取得され、普図表示中処理のステップB506において、当り終了ポインタの値として「4」が取得され、普図表示中処理のステップB507において、普電開放時間として「1700m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「1700m秒」であるため普電が1700m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「0」であるため300m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「1」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「2」に更新されるため300m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「3」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「4」に更新されるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
また、普図停止図柄が「当り図柄2」である場合は、図28に示す普図表示中処理のステップB505において、当り開始ポインタの値として「5」が取得され、普図表示中処理のステップB506において、当り終了ポインタの値として「7」が取得され、普図表示中処理のステップB507において、普電開放時間として「2600m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「2600m秒」であるため普電が2600m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「5」であるため300m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「6」に更新されるため普電が2600m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「7」に更新されるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。すなわち、遊技制御手段100が所定条件の成立に基づき普図ゲーム(普図変動表示ゲーム)を実行し、当該普図ゲームの結果が特定結果となった場合に普通変動入賞装置37を開状態に変換する当り状態(普図当り状態)を発生可能な普通変動入賞装置制御手段をなす。
〔外部情報編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS117)の詳細について説明する。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップS111)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS107)、磁石不正監視処理(ステップS115)、盤電波不正監視処理(ステップS116)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
図30及び図31に示すように、外部情報編集処理では、まず、ガラス枠開放エラーの発生中でもなく(ステップS801;N)、本体枠開放エラーの発生中でもない場合(ステップS802;N)には、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS803)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS804)、ステップS807の処理に移行する。
一方、ガラス枠開放エラーの発生中である場合(ステップS801;Y)、あるいは、本体枠開放エラーの発生中である場合(ステップS802;Y)には、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS805)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS806)、ステップS807の処理に移行する。
そして、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータの初期化が行われた時から所定時間(例えば256m秒)を計時するセキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS807)。なお、セキュリティ信号制御タイマの初期値は、メイン処理においてRAMクリアで起動したときのRAM初期値設定時に設定され、セキュリティ信号制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS808)。
セキュリティ信号制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS808;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS809)、ステップS810の処理に移行する。また、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」である場合(ステップS808;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、ステップS809の処理を行わずに、ステップS810の処理に移行する。
そして、磁石不正の発生中である場合(ステップS810;Y)、盤電波不正の発生中である場合(ステップS811;Y)、枠電波不正の発生中である場合(ステップS812;Y)、普電不正の発生中である場合(ステップS813;Y)、あるいは、大入賞口不正の発生中である場合(ステップS814;Y)は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS817)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS818)、ステップS819の処理に移行する。すなわち、エラーの発生が外部情報として出力される。
一方、磁石不正の発生中でもなく(ステップS810;N)、盤電波不正の発生中でもなく(ステップS811;N)、枠電波不正の発生中でもなく(ステップS812;N)、普電不正の発生中でもなく(ステップS813;N)、大入賞口不正の発生中でもない場合(ステップS814;N)は、スイッチ異常の発生中であるかを判定する(ステップS815)。
スイッチ異常の発生中である場合(ステップS815;Y)には、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS818)、ステップS819の処理に移行する。また、スイッチ異常の発生中でない場合(ステップS815;N)には、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS816)、ステップS819の処理に移行する。
そして、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理(ステップS819)を行い、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理(ステップS820)を行う。
次に、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための図柄確定回数制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS821)。なお、図柄確定回数制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、図柄確定回数制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS822)。
図柄確定回数制御タイマの値が「0」である場合(ステップS822;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、図柄確定回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS823)、外部情報編集処理を終了する。
また、図柄確定回数制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS822;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、図柄確定回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS824)、外部情報編集処理を終了する。
次に演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311では、図32に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。
〔メイン処理〕
図32に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25やタッチパネル29の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出ボタン25やタッチパネル29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25やタッチパネル29からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)には、画面描画を指示する(ステップC16)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や枠装飾装置18、サブ情報表示装置90などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行い、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図33には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステップC208)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC210;Y)には、受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図34には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップC234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC234;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC241;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するために必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
また、電源投入に関するコマンドや、確率設定値に関するコマンドについては単発系コマンド処理で対応する処理が行われるようになっている。電源投入に関するコマンドとしては、停電復旧時のコマンドやRAM初期化時のコマンドが挙げられる。確率設定値に関するコマンドとしては、確率設定変更中、確率設定値変更、確率設定変更終了、確率設定値確認中、確率設定値確認終了の各コマンドが挙げられる。
なお、以上の第1実施形態では、電源の投入後に設定キースイッチ152をオン状態とした場合には確率設定値確認モードに移行するようにしたが、電源の投入後に設定キースイッチ152をオン状態とした場合でも確率設定値変更状態に移行するようにしても良い。ただし、確率設定値変更状態の終了に伴いRAMが初期化されるので、特図変動表示ゲームの実行中、普図変動表示ゲームの実行中、特別遊技状態中又は普図の当り状態中のいずれにも該当しないことを条件としても良い。また、客待ち状態であることを条件としても良い。また、操作ハンドル24が操作されていてタッチスイッチからの入力がある場合は確率設定値変更状態に移行できないようにしても良い。
また、確率設定値変更状態の終了に伴いRAM111Cの初期化を行うとしたが、RAM111Cのデータに異常があると判定された場合以外はRAM111Cの初期化を行わないようにしても良い。
また、各確率設定値に対応する確率値をそれぞれ異なるものとしたが、異なる確率設定値に対して同じ確率値を割り当てても良い。図35(a)には、本実施形態での確率設定値を示した。RAM111Cの確率設定値領域の値は0〜5の値を取るようになっている。作業用確率設定値領域も同じである。この確率設定値領域の値に対応して確率設定値として設定1〜設定6が割り当てられている。確率設定値表示装置153の表示は確率設定値の値に対応して1〜6の表示がなされる。確率値は、設定1〜設定6でそれぞれ異なる確率値が割り当てられている。
図35(b)には、確率値の割り当てが異なる例を示した。この例では、設定4〜設定6として設定1〜設定3の確率値が割り当てられている。よって、実質的には3段階の確率値を切り替え可能となっている。これ以外は図35(a)と同様である。このようにすることで、6段階の確率値が不要な場合には確率値だけを異ならせればよく、容易に設計変更が可能となる。
なお、どの確率設定値にどの確率値を割り当てるかは自由であり、例えば、設定1と設定6、設定2と設定5、設定3と設定4を同じ確率値としても良い。設定値変更ボタンの操作により確率設定値領域(作業用確率設定値領域)の値は+1更新されるので、割り当てを変えることで設定値変更ボタンを操作した際に変化する確率値の順序が異なる順序となる。また、例えば、2つの確率設定値について他の確率設定値と同じ確率値を割り当てれば変化の段階を4段階とすることができ、1段階〜6段階の任意の段階とすることができる。
図35(c)にも、確率値の割り当てが異なる例を示した。この例では、図35(b)において設定4〜設定6であったものを設定1〜設定3とし、確率設定値表示装置153での表示もこれに対応して1〜3としている。これにより、確率設定値表示装置153の表示と確率値が対応するようになり、作業を行う係員が確率値を把握しやすくすることができる。
図35(d)にも、確率値の割り当てが異なる例を示した。この例では、全て設定1であり、確率設定値表示装置153の表示も全て1であり、確率値も全て同じである。すなわち、実質的に一つの確率値だけを設定可能となり、確率値を変化させる機能が不要な場合でも遊技制御装置100の構成を変更せずに値の設定だけで対応することが可能となる。このようにした場合、設定値変更ボタンを操作しても確率設定値表示装置153では同じ表示がなされるとなるが、上述したように特定表示(例えばブランク表示)が行われることで、操作が受け付けられたことを作業員が把握しやすくなる。
なお、確率設定値領域の値の数を6つとしたが、これ以外の数であっても良い。例えば、図35(b)や(c)の場合に確率設定値領域の値の数も3つとしても良い。また、図35(d)の場合に確率設定値領域の値の数を1つとしても良い。また、より多くの段階数を設定可能とするために、確率設定値領域の値の数を7以上としても良い。また、確率値が割り当てられた確率設定値を選択するようにしたが、確率値を選択するようにしても良い。この場合、確率設定値表示装置153には選択されている確率値を表示するようにする。
また、確率設定値に応じて大当りの確率値を割り当てているが、小当りの確率値も割り当てられており、確率設定値の変更に対応して小当りの確率値も変更されるようになっている。各確率設定値に対応する大当りの確率値と小当りの確率値はそれぞれ独立して決めることが可能である。ただし、特図変動表示ゲームの結果として大当りと小当りのみとする場合には、大当りの確率値に応じた小当りの確率値を設定する必要がある。また、大当りの確率値を設定するための確率設定値と、小当りの確率値を設定するための確率設定値をそれぞれ別々に設定できるようにしても良い。また、小当りの確率値を確率設定値に関わらず一定値としても良い。さらに、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率についても大当りとなる確率値を規定する確率設定値に応じて設定されるようにしても良いし、独立して設定できるようにしても良い。
また、設定値変更ボタン、設定キー操作部及び確率設定値表示装置153などを設定用副基板に設けて遊技制御装置100に接続する構成とした場合に、確率値を変化させる機能が不要な場合にはこの設定用副基板を取り外し、遊技制御装置100の設定用副基板との接続部にはGND接続等の終端処理を行った副基板等を接続するようにしても良い。このようにすることで、遊技制御装置100の構成を変更せずに確率値を変化させる機能だけをなくすことができ、コストの低減を図ることができる。また、確率変動機能を有しない遊技機において、確率設定値毎に作動確率Mを設けても良い。
〔第1変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技制御装置100が電源の投入時に払出制御装置200に対して払い出しを指示するコマンドを送信するようにしている。
本変形例での払出制御装置200は、電源遮断状態でも記憶内容を保持可能な記憶手段を備えている。この記憶手段には、遊技制御装置100から受信した払出コマンドの情報を記憶するようになっており、ここに記憶された情報に基づき払い出しを行うようになっている。このように払出制御装置200の記憶手段が、電源遮断状態での記憶内容を保持可能であるので、遊技制御装置100は払出ビジー信号の状態にかかわらず払出コマンドを順次送信するようになっている。よって、未払出の払出コマンドの情報は払出制御装置200の記憶手段に蓄積されるようになっている。
〔メイン処理〕
本変形例の遊技機では、図5に示したメイン処理に替えて図36に示すメイン処理を行う。この処理では、設定変更指示のコマンド(特定情報)を演出制御基板(演出制御装置300)に送信する場合(ステップS28)には、払出制御装置200に払い出し指示のコマンド(特定情報)を送信する(ステップS81)ようになっている。払出制御装置200では、この払い出し指示のコマンドを受信することに基づき、自身の記憶手段にバックアップされた情報に基づき払い出しを開始する。このようにすることで、遊技制御装置100のバックアップデータが破損している場合でも、払出制御装置200に記憶されていた情報に基づき払い出しを行うことができ、遊技者の利益を損なうことを防止できる。
なお、演出制御装置300では、設定変更指示のコマンドを受信することに基づき、確率設定値の変更を促す報知を行うことに加えて、払い出しが行われる可能性がある旨の報知も行うようにしても良い。また、払出制御装置200に払い出し指示のコマンド(特定情報)を送信するのは、上記の場合に限られず、例えば、図6において確率設定変更中のコマンドを演出制御装置300に送信する場合(ステップS40)や、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送信する場合(ステップS44)にも払出制御装置200に払い出し指示のコマンド(特定情報)を送信するようにしても良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段からの情報に基づき、遊技の演出の制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段からの払出情報に基づき、遊技媒体を払い出す制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、電源遮断状態でも記憶内容を保持可能な記憶手段(RAM111C)と、電源の投入時に記憶手段に記憶されている情報が正当なものであるかを判定する正当性判定手段(遊技制御装置100)と、確率設定値を選択するための操作部の操作に基づき記憶手段を初期化可能な初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、正当性判定手段により、記憶手段に記憶されている情報が正当なものでないと判定された場合に、特定情報を演出制御手段及び払出制御手段に送信して遊技の制御を停止し、演出制御手段は、特定情報を受信することに基づき確率設定値の選択を促す報知を行い、払出制御手段は、電源遮断状態でも記憶内容を保持可能であり、遊技制御手段から受信した払出情報を記憶可能な払出情報記憶手段を備え、特定情報を受信すると、払出情報記憶手段に記憶された払出情報に基づき遊技媒体を払い出す制御を行うようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができるとともに、遊技者が得た利益を損なわないようにすることができる。また、RAM111Cが初期化されることにより、遊技店において設定した確率設定値の情報も失われ初期値が設定されることとなるが、確率設定値の選択を促す報知を行うことで、初期化によって遊技店が意図しない確率設定値が設定されたままの状態となることを防止することができる。
〔第2変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、選択した確率設定値の確定条件が複数用意されている。
〔確率設定値変更処理〕
本変形例の遊技機では、図11に示した確率設定値変更処理に替えて図37に示す確率設定値変更処理を行う。この確率設定値変更処理では、選択した確率設定値を確定するための条件が成立したかを監視する確定条件監視処理(ステップS450)を行う。
〔確定条件監視処理〕
図38に示すように確定条件監視処理では、まず、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチからの入力があるかを判定し(ステップS411)、タッチスイッチからの入力がある場合(ステップS411;Y)は、終了待機フラグをクリアし(ステップS457)、ステップS412〜S415の処理を行って確定条件監視処理を終了する。
すなわち、作業員が操作ハンドル24に触れる第1操作を行うことでタッチスイッチからの入力を条件とする第1確定条件が成立し、選択された確率設定値が設定されるようになっている。なお、終了待機フラグは後述するように第2確定条件の成立を監視するために用いるフラグであり、ここではタッチスイッチからの入力を条件とする第1確定条件が成立したことにより第2確定条件を監視する必要がなくなったため、終了待機フラグはクリアするようにしている。
一方、タッチスイッチからの入力がない場合(ステップS411;N)、つまり第1確定条件が成立していない場合は、終了待機フラグがあるかを判定する(ステップS451)。終了待機フラグがある場合(ステップS451;Y)は、ステップS455に移行する。この場合は既に第2確定条件の監視が開始されている状態である。また、終了待機フラグがない場合(ステップS451;N)は、設定キースイッチがオフ状態であるかを判定する(ステップS452)。
設定キースイッチがオフ状態でない場合(ステップS452;N)は、確定条件監視処理を終了する。この場合は確率設定値変更状態が継続する。また、設定キースイッチがオフ状態である場合(ステップS452;Y)は、変更終了タイマ領域に初期値(例えば3秒)をセーブし(ステップS453)、終了待機フラグをセットする(ステップS454)。
その後、変更終了タイマが0でなければ−1更新し(ステップS455)、変更終了タイマが0であるかを判定する(ステップS456)。変更終了タイマが0でない場合(ステップS456;N)は、確定条件監視処理を終了する。また、変更終了タイマが0である場合(ステップS456;Y)は、ステップS457以降の処理を行い、確定条件監視処理を終了する。すなわち、第2操作をなす設定キースイッチをオフ状態とする操作が行われてから所定時間(例えば3秒)が経過することで第2確定条件が成立し、選択された確率設定値が設定されるようになっている。
以上のように本変形例では、第1確定条件と第2確定条件のいずれかが成立することで選択された確率設定値が遊技に使用する確率設定値として設定されるようになっている。これらの確定条件が成立するまでは、選択された確率設定値は作業用確率設定値領域に記憶されており、遊技で使用する確率設定値が記憶された確率設定値領域の情報は変更されていない。よって、確定条件が成立する前に電源が遮断された場合には、選択された確率設定値は破棄され、元の確率設定値が設定された状態となる。
なお、確率設定値変更状態では、操作ハンドル24にタッチすることにより選択された確率設定値が設定されることを報知するようにしても良い。この報知は確率設定値変更状態において常に行うようにしても良いし、終了待機フラグが設定されている状態でのみ行うようにしても良い。また、第1確定条件及び第2確定条件は、上述の条件に限られず任意に設定可能である。例えば、第2確定条件を設定キースイッチがオフ状態となることのみとしても良い。また、3つ以上の確定条件を用意して何れかが成立したことにより選択された確率設定値が設定されるようにしても良い。
また、確定条件が成立する前に電源が遮断された場合に元の確率設定値が設定された状態となるとしたが、所定の確率設定値が設定されるようにしても良い。例えば、確率設定値変更状態が開始されたことに基づき確率設定値領域の情報を初期値(例えば設定1)に設定し、確定条件が成立する前に電源が遮断された場合にはこの初期値が設定された状態となるようにしても良い。この場合の初期値は任意の確率設定値を予め設定しておくことが可能であるが、例えば、RAM111Cの確率設定値用の領域が初期化された際に設定される確率設定値と同じ確率設定値としても良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、設定手段は、複数の確定条件のうちのいずれかが成立したことに基づき選択された確率設定値を設定するようにしたこととなる。したがって、確率設定値の変更を確実に行うことができる。また、複数の確定条件を備えることで作業の自由度が高まり、遊技店での作業効率を高めることができる。
また、設定手段は、複数の確定条件のいずれか成立する前に電源が遮断された場合は、選択された確率設定値を設定しないようにしたこととなる。したがって、意図せず確率設定値が変更されることを防止できる。
また、複数の確定条件として、第1確定条件と、第2確定条件と、を含み、第1確定条件は所定の第1操作が行われたことであり、第2確定条件は第1操作とは異なる所定の第2操作が行われた後に所定時間が経過することであることとなる。したがって、確率設定値の変更を確実に行うことができる。
〔第3変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、設定手段に設定キー操作部を備えておらず設定キースイッチ152は設けられていない。また、確率設定値を変更可能な変更可能状態への移行条件が異なっている。
〔メイン処理〕
本変形例の遊技機では、図5に示したメイン処理に替えて図39に示すメイン処理を行う。この処理では、バックアップされた情報が正常であり、確率設定値変更状態でない場合(ステップS21;N)に、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から設定値変更スイッチがオン状態であるかを判定する(ステップS61)。
設定値変更スイッチがオン状態でない場合(ステップS61;N)は、停電から正常に復旧した場合の処理を行うために図6のステップS30に移行する。また、設定値変更スイッチがオン状態である場合(ステップS61;Y)は、移行判定処理を行う(ステップS62)。後述するように移行判定処理では、確率設定値変更状態への移行条件が成立したかの判定を行い、移行条件が成立した場合には確率設定値変更中フラグがセットされるようになっている。
移行判定処理で確率設定値変更中フラグがセットされた場合(ステップS63;Y)は、RAMの初期化の処理と設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理を行うために図6のステップS35に移行する。なお、本変形例では、移行判定処理で確率設定値変更中フラグがセットされるので、ステップS37の処理は行わなくても良い。また、移行判定処理で確率設定値変更中フラグがセットされなかった場合(ステップS63;N)は、遊技制御用のRAM領域の初期化の処理を行うために図6のステップS41に移行する。
一方、バックアップされた情報が正常でなかった場合に、RAMクリア先頭アドレス1を設定(ステップS25)した後、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から設定値変更スイッチがオン状態であるかを判定する(ステップS64)。設定値変更スイッチがオン状態でない場合(ステップS64;N)は、設定変更指示のコマンド(特定情報)を演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS28)、RAMアクセスを禁止し(ステップS29)、制御を停止して遊技機の電源の遮断を待つ。
また、設定値変更スイッチがオン状態である場合(ステップS64;Y)は、移行判定処理を行う(ステップS65)。この移行判定処理はステップS62と同じ処理である。移行判定処理で確率設定値変更中フラグがセットされた場合(ステップS66;Y)は、RAMの初期化の処理と確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理を行うために図6のステップS35に移行する。また、移行判定処理で確率設定値変更中フラグがセットされなかった場合(ステップS66;N)は、ステップS27に移行する。
〔移行判定処理〕
図40には、上述のメイン処理における移行判定処理(ステップS62、S65)を示した。この移行判定処理では、まず、移行待機タイマ領域に初期値(例えば30秒)をセーブし(ステップS71)、入力ポート1の状態を読み込み(ステップS72)、移行条件が成立したかを判定する(ステップS73)。
本変形例では、所定時間内に係員が所定の順序で入賞領域に遊技球を入れることで確率設定値変更状態に移行させることができるようにされており、遊技領域32に設けられた入賞領域からの検出信号が入力される入力ポート1の状態からこの移行条件が成立したかを判定するようになっている。この移行条件が成立した場合(ステップS73;Y)は、確率設定値変更中フラグをセットし(ステップS76)、移行判定処理を終了する。これにより確率設定値変更状態に移行することとなる。
また、移行条件が成立していない場合(ステップS73;N)は、移行待機タイマが0でなければ−1更新し(ステップS74)、移行待機タイマが0であるかを判定する(ステップS75)。そして、移行待機タイマが0でない場合(ステップS75;N)は、ステップS72に戻る。すなわち、所定時間(例えば30秒)にわたり入賞領域からの検出信号を監視するようになっている。
また、移行待機タイマが0である場合(ステップS75;Y)は、移行判定処理を終了する。すなわち、所定時間内に移行条件が成立しなかった場合は、確率設定値変更中フラグをセットせずに移行判定処理を終了する。これにより、バックアップされたデータが正常である場合には遊技制御用のRAM領域の初期化の処理を行うために図6のステップS41に移行することとなり、バックアップされたデータが異常である場合にはステップS28、S29の処理が行われて制御が停止することとなる。
なお、移行条件は遊技店において変更可能としても良いし、変更できないものとしても良い。また、移行条件を所定の順序で入賞領域に遊技球を入れることとしたが、順序は問わずに所定の入賞領域に所定数の遊技球を入れることとしても良い。また、一つの検出手段での所定の検出を移行条件としても良い。この場合、単に当該検出手段で検出があったことのみを条件としても良いし、当該検出手段で複数回の検出が所定態様(検出回数や検出間隔など)であったことを所定条件としても良い。
また、移行条件を成立させるために用いる検出手段として入賞領域の検出センサを用いたが、これ以外の検出センサを使用可能としても良い。例えば、操作ハンドル24のタッチセンサや設定値変更スイッチ151を使用可能としても良い。ただし、入賞領域の検出センサのように遊技中に遊技者が自由に操作することができない検出手段での検出を移行条件に含むようにすることが好ましい。
また、前面枠12を開放した状態でのみ操作可能な位置に複数のディップスイッチを設け、移行条件を成立させるために用いる検出手段として用い、各ディップスイッチの状態が所定の状態である場合に移行条件が成立するようにしても良い。また、前面枠12を開放した状態でのみ操作可能な位置にキーボードを設けて移行条件を成立させるために用いる検出手段として用い、キーボードから入力されたパスワードにより移行条件が成立するようにしても良い。
また、遊技機の電源投入時に設定値変更スイッチ151がオン状態とされている場合にのみ移行条件の成立を監視して確率設定値変更状態への移行を可能としたが、遊技機の電源投入時に設定値変更スイッチ151がオン状態とされていない場合でも移行条件の成立を監視して確率設定値変更状態への移行を可能としても良い。この場合は、遊技機の電源の投入に基づき常に移行条件の成立を監視する期間が必ず設定されるようにしても良いし、電源の投入後に設定値変更スイッチ151が操作された場合に移行条件の成立を監視する期間を開始するようにしても良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技において使用される検出手段(ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、大入賞口スイッチ38a)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作に基づき複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)を備え、設定手段は、検出手段で予め定められた態様の検出があった場合に、確率設定値の選択を可能とするようにしたこととなる。したがって、検出手段での予め定められた態様の検出が設定キーと同等の機能をなすので不正に確率設定値の変更が行われることを防止できる。また、同時に確率設定値の変更作業を実行可能な遊技機の数が設定キーの個数に限られることもなく、複数の遊技機で同時に確率設定値の変更作業を行うことができて作業の効率が向上する。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技において使用される複数の検出手段(ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、大入賞口スイッチ38a)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作に基づき複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)を備え、設定手段は、複数の検出手段で予め定められた態様の検出があった場合に、確率設定値の選択を可能とするようにしたこととなる。したがって、検出手段での予め定められた態様の検出が設定キーと同等の機能をなすので不正に確率設定値の変更が行われることを防止できる。また、同時に確率設定値の変更作業を実行可能な遊技機の数が設定キーの個数に限られることもなく、複数の遊技機で同時に確率設定値の変更作業を行うことができて作業の効率が向上する。
設定手段は、電源の投入後の一定期間において検出手段で前記予め定められた態様の検出があった場合に、確率設定値の選択を可能とするようにしたこととなる。したがって、意図せず確率設定値が変更されることを防止できる。
また、複数の検出手段は、遊技者が操作不能なものであることとなる。したがって、意図せず確率設定値が変更されることを防止できる。
〔第4変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、確率設定値の変更をディップスイッチにより構成された設定値変更操作部で行うようにしている。
設定値変更操作部をなすディップスイッチは前面枠12を開放した状態でのみ操作可能な位置に設けられており、その入力状態はCPU111Aに入力されるようになっている。図41に示すように、設定値変更操作部としてSW1〜SW3の3つのディップスイッチが設けられており、各確率設定値に対応したディップスイッチの状態が規定されている。
〔確率設定値変更処理〕
本変形例の遊技機では、図11に示した確率設定値変更処理に替えて図42に示す確率設定値変更処理を行う。この確率設定値変更処理では、設定値変更操作部の状態が変化したかを判定し(ステップS461)、変化した場合(ステップS461)は、作業用確率設定値領域の値を対応する値に設定するようにしている(ステップS462)。これにより、確率設定値変更状態中に設定値変更操作部を操作し、所望の確率設定値に対応する状態として確率設定値変更状態を終了することで、所望の確率設定値が設定されることとなる。
このようにディップスイッチを用いることで、所望の確率設定値を設定する作業が容易になるとともに、設定した確率設定値を一見して把握することができるようになる。なお、設定されている確率設定値を一見して把握可能であるので、確率設定値表示装置153は設けないようにしても良い。また、前面枠12を開放した際にディップスイッチの状態がすぐに見えてしまわないように、ディップスイッチを覆うカバーを取り付け可能としても良い。
また、各ディップスイッチの状態を把握しやすくするため、各ディップスイッチに対応して確認用LEDを設け、対応するディップスイッチがONである場合に点灯するようにしても良い。また、確認用LEDの点灯は、常時行うようにしても良いし、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードでのみ点灯するようにしても良い。
また、設定値変更操作部としてはディップスイッチに限られるものではなく、トグルスイッチやロータリー式のスイッチなどでも良く、各スイッチの状態を視認することで確率設定値を把握できるものであればどのようなものでも良い。
また、設定キースイッチ152の状態により確率設定値変更状態とするようにしたが、上述の第3変形例のように設定値変更スイッチ151の状態により確率設定値変更状態に移行可能とし、所定時間の経過で確率設定値変更状態が終了するようにしても良い。この場合、当該所定時間の経過時の設定値変更操作部の状態に基づき確率設定値を設定するようにしても良いし、所定の確定操作があった時点の設定値変更操作部の状態に基づき確率設定値を設定するようにしても良い。
また、確率設定値変更状態ではない場合に、現在設定されている確率設定値と、設定値変更操作部の状態を比較し、両者の状態が一致するかを監視する監視処理を行うようにしても良い。監視処理は確率設定値変更状態でない場合に常時行うようにしても良いし、電源の投入時や特図変動表示ゲームの開始時など所定の時期にのみ行うようにしても良い。また、一定時間ごとに定期的に行うようにしても良い。監視処理により両者の状態が一致しないと判定された場合には、異常が発生した旨の報知を行うようにしても良いし、遊技を停止するようにしても良い。
〔第5変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第5変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、確率設定値の変更を可能な状態とするための設定キースイッチ152とCPU111Aとの間の配線が断線している場合は遊技を行うことができないようにされている。
本変形例では、設定値変更ボタン、設定キー操作部及び確率設定値表示装置153などを備えた設定手段をなす設定用副基板を備え、この設定用副基板が遊技制御装置100に接続されるようになっている。例えば図43(a)に示すように、設定用副基板に設けられた設定キースイッチ152からの配線は、コネクタ154を介して遊技制御装置100と接続されている。なお、ここでは設定値変更スイッチ151については図示を省略している。
図43(a)には設定キー操作部の設定キーが第2位置にない状態である場合を示した。この状態では設定キースイッチ152が閉じた状態となってCPU111Aへの入力はLOWとなるようにされ、設定キースイッチ152からの入力がオフ状態であると認識されるようになっている。これに基づき確率設定値変更状態とならないようにされて遊技の進行が可能な状態となる。また、本変形例の遊技機では、設定キースイッチ152の状態を視覚的に認識可能とする確認手段をなすLEDが設けられている。図14(a)の状態では、確認手段は消灯した状態となり、設定キースイッチ152がオフ状態であると認識されていることを確認可能となる。
図43(b)には設定キー操作部の設定キーが第2位置にある状態である場合を示した。この状態では設定キースイッチ152が開いた状態となってCPU111Aへの入力はHIとなるようにされ、設定キースイッチ152がオン状態であると認識されるようになっている。また、確認手段は点灯した状態となり、設定キースイッチ152がオン状態であると認識されていることを確認可能となる。
上述したように、電源の投入時に設定キー操作部の設定キーが第2位置とされて設定キースイッチ152からの入力がオン状態となっていることを条件に確率設定値変更状態となるように構成されている。すなわち、設定キースイッチ152からオン状態の入力がなされることが、操作部が特定の状態となるように操作されたことに基づき入力される特定操作情報をなし、この特定操作情報の入力に基づき確率設定値の選択が可能な確率設定値変更状態となる。この確率設定値変更状態では遊技の進行ができない状態とされ、確率設定値変更状態を終了することで遊技の進行が可能となる。
図43(c)には設定キースイッチ152とCPU111Aの間の配線が断線した場合を示し、図43(d)にはコネクタ154が抜けた場合を示した。いずれの場合もCPU111Aへの入力はHIとなるようにされ、設定キースイッチ152がオン状態であると認識されるようになっている。また、確認手段は点灯した状態となり、設定キースイッチ152がオン状態であると認識されていることを確認可能となる。
すなわち、確率設定値を変更可能とする際と同じ状態になることからこの場合にも特定操作情報が入力されることとなる。これにより確率設定値変更状態となって遊技の進行ができない状態となる。このように、断線やコネクタ抜けである場合にも特定操作情報が入力されるようにしたことで、異常である場合に遊技が進行してしまうことを防止できる。また、設定キー操作部の設定キーが第2位置にないにもかかわらず確認手段が点灯した状態となるので、異常が発生していることを視覚的に確認することが可能となる。
なお、ここでは設定キースイッチ152と遊技制御装置100がコネクタ154により接続されている例を挙げたが、コネクタ154を介さずに直接接続されていても良い。また、設定キースイッチ152等を備えた設定手段をなす設定用副基板が遊技制御装置100とは別個に備えられているとしたが、遊技制御装置100に設定キースイッチ152等を設けて設定手段が遊技制御装置100と一体となっていても良く、この場合も同様の構成により設定キースイッチ152とCPU111Aとの間の断線やコネクタ抜けを検出することが可能である。
また、ここでは設定キースイッチ152と遊技制御装置100の接続が途絶えた場合に特定操作情報が入力されるようにしたが、設定用副基板と遊技制御装置100の接続が途絶えた場合に特定操作情報が入力されるようにしても良い。また、設定用副基板が当該設定用副基板内での設定キースイッチ152等の接続状況を確認し、異常がある場合には設定用副基板が特定操作情報を出力するようにしても良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、制御手段と接続され、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、操作部が特定の状態となるように操作されたことに基づき、特定操作情報が制御手段に入力されて確率設定値の選択が可能となるように構成され、制御手段は、特定操作情報が入力されている状態では遊技の進行を行わないように構成され、設定手段と制御手段との間の配線が断線している場合は、制御手段に特定操作情報が入力されるようにしたこととなる。したがって、不正に確率設定値を変更する行為を未然に防止することができる。
また、操作部が特定の状態となるように操作された状態で電源が投入された場合に、確率設定値の選択が可能となるようにしたこととなる。したがって、不正に確率設定値を変更する行為を未然に防止することができる。
〔第6変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第6変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、確率設定値確認モードへの移行条件が異なる。
〔確率設定値確認処理〕
本変形例では、図12に示した確率設定値確認処理に替えて図44に示す確率設定値確認処理を行う。この確率設定値確認処理では、遊技中である場合(ステップS433;Y)に、オフ状態確認フラグをクリアして(ステップS474)、確率設定値確認処理を終了する。また、遊技中でない場合(ステップS433;N)に、設定キースイッチがオン状態であるかを判定し(ステップS434)、オン状態でない場合(ステップS434;N)は、オフ状態確認フラグをセットして(ステップS473)、確率設定値確認処理を終了する。このオフ状態確認フラグは、遊技中でない状態で設定キースイッチがオフ状態となっていたことを示す情報である。
そして、設定キースイッチがオン状態である場合(ステップS434;Y)は、オフ状態確認フラグがあるかを判定する(ステップS471)。オフ状態確認フラグがある場合(ステップS471;Y)は、オフ状態確認フラグをクリアして(ステップS472)、ステップS435以降の処理を行い、確率設定値確認モードに移行する。一方、オフ状態確認フラグがない場合(ステップS471;N)は、確率設定値確認処理を終了する。すなわち、遊技中に設定キースイッチがオン状態とされたまま遊技中でない状態となった場合には、確率設定値確認モードに移行しないようにされ、遊技中でない状態で設定キースイッチがオフ状態からオン状態に変化した場合に確率設定値確認モードに移行するようにしている。
このように、遊技中から設定キースイッチがオン状態とされたままの場合に確率設定値確認モードに移行しないようにすることで、確率設定値確認モードに移行できない禁止状態である遊技中に意図せず設定キースイッチをオン状態としていた場合に、その後に遊技中でない状態(禁止状態でない状態)となって、確率設定値確認モードに移行して確率設定値が表示されてしまうことを防止できる。すなわち、確率設定値を確認する意思を持って操作した場合にのみ確率設定値が確認できる状態となるようにすることができる。
以上のことから、設定手段(遊技制御装置100)は、制御手段(遊技制御装置100)により制御される遊技の状態が禁止状態でない状態において操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152))の状態が所定状態に変更された場合にのみ確認状態とするようにしたこととなる。したがって、意図せず確率設定値が示されてしまうことを防止できる。
〔第7変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第7変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、第1操作部をなす設定キー操作部、第2操作部をなす設定値変更ボタンに加えて、第3操作部としてRAMクリアボタンを備えている。RAMクリアボタンの操作を検出するRAMクリアスイッチからの信号は遊技制御装置100に入力されるようになっている。また、RAMクリアボタンも設定キー操作部や設定値変更ボタンと同様に、前面枠12を開状態としなければ操作できないようにされている。
〔メイン処理〕
本変形例では、図5に示したメイン処理に替えて図45に示すメイン処理を行う。このメイン処理では、RAMクリアスイッチがオン状態(RAMクリアボタンが押下操作された状態)である場合(ステップS481;Y)にステップS41に移行する。すなわち、RAMクリアスイッチがRAM111Cの初期化を行わせるための操作部をなす。
〔確率設定値変更処理〕
また、図11に示した確率設定値変更処理に替えて図46に示す確率設定値変更処理を行う。この確率設定値変更処理では、RAMクリアスイッチからの入力がある(オン状態である)場合(ステップS482;Y)に、ステップS412以降の処理を行い、選択された確率設定値を確定する処理を行う。
このように、RAMクリアボタンを押下した状態で電源を投入することでRAM111Cの初期化を行うことができ、このRAMクリアボタンにより確率設定値の確定を行うことができるので、RAMの初期化と確率設定値の確定の作業を最小限の操作部を用いてそれぞれ選択的に行うことができ、遊技店での作業効率を高めることができる。また、操作部を必要以上に設けなくても良くなり遊技機の製造のコストを低減することができ、さらに、操作部を設けるスペースも少なくて済むようになる。
また、電源投入時に設定キースイッチを操作した場合には確率設定値変更状態に移行するとともにRAMの初期化が行われるのに対し、電源投入時にRAMクリアボタンを操作した場合には確率設定値変更状態には移行せずにRAMの初期化のみを行うことができるので、RAMの初期化のみを行いたい場合に、設定キースイッチを操作する必要や確率設定値変更状態に移行してしまうことがなく、遊技店での作業効率を高めることができる。
以上のことから、設定手段(遊技制御装置100)は、複数の操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151)、RAMクリアボタン(RAMクリアスイッチ))のうち所定の操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、RAMクリアボタン(RAMクリアスイッチ))が操作された状態で遊技機の電源が投入された場合に、記憶手段(RAM111C)を初期化することが可能である。また、所定の操作部(RAMクリアボタン(RAMクリアスイッチ))を操作することにより、選択した確率設定値を確定可能であることとなる。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、第1操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152))、第2操作部(設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))及び第3操作部(RAMクリアボタン(RAMクリアスイッチ))の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、設定手段により選択された確率設定値の情報を含む制御手段による遊技の制御に必要な情報を記憶可能な記憶手段(RAM111C)と、遊技機10の前面を覆い、閉状態と、開状態と、に変換可能な本体枠(前面枠12)と、本体枠の開閉状態を検出可能な開閉検出手段(遊技制御装置100)と、を備え、制御手段は、本体枠が開状態であると開閉検出手段により検出され、かつ、第1操作部が操作された状態で遊技機の電源が投入された場合には、確率設定値の変更を可能な状態とするとともに記憶手段を初期化するようにし、本体枠が開状態であると開閉検出手段により検出され、かつ、第3操作部が操作された状態で遊技機の電源が投入された場合には、確率設定値の変更を可能な状態とせずに記憶手段を初期化するようにしたこととなる。したがって、RAMの初期化のみを行いたい場合に確率設定値の変更操作を行う必要がなく、遊技店での作業効率を高めることができる。
また、制御手段は、本体枠が開状態であると開閉検出手段により検出され、かつ、第1操作部及び第3操作部が操作された状態で遊技機の電源が投入された場合には、確率設定値の変更を可能な状態とするとともに記憶手段を初期化するようにし、本体枠が閉状態であると開閉検出手段により検出され、かつ、第1操作部及び第3操作部が操作された状態で遊技機の電源が投入された場合には、確率設定値の変更を可能な状態とせずに記憶手段を初期化するようにしたこととなる。したがって、第1操作部及び第3操作部を同時に操作しても確率設定値変更状態に移行でき、遊技店での作業効率を高めることができる。また、本体枠が閉状態である場合は第1操作部が操作されていても確率設定値変更状態に移行しないので不正行為を防止できる。
なお、図45では設定キースイッチの状態をRAMクリアスイッチの状態の確認より先に行うことで設定キー操作部とRAMクリアボタンが同時に操作された場合でも確率設定値変更状態に移行するようにしているが、設定キースイッチがオン状態でありかつRAMクリアスイッチがオン状態であることを確率設定値変更状態への移行条件としても良い。複数の操作部の操作を条件とすることで、確率設定値変更状態への移行の意思を明確に確認することができる。
また、RAMクリアボタンを備えない第1実施形態の遊技機の場合は、本体枠が開状態であると開閉検出手段により検出され、かつ、設定キー操作部及び設定値変更ボタンが操作された状態で遊技機の電源が投入された場合には、確率設定値の変更を可能な状態とするとともに記憶手段を初期化するようにし、本体枠が閉状態であると開閉検出手段により検出され、かつ、設定キー操作部及び設定値変更ボタンが操作された状態で遊技機の電源が投入された場合には、確率設定値の変更を可能な状態とせずに記憶手段を初期化するようにしたこととなると言える。この場合も設定キースイッチがオン状態でありかつ設定値変更スイッチがオン状態であることを確率設定値変更状態への移行条件としても良い。
また、設定手段は、第2操作部を操作することにより、確率設定値を変更可能であることとなる。また、設定手段は、第3操作部を操作することにより、選択した確率設定値を確定可能であることとなる。
なお、図46において確率値変更スイッチとRAMクリアスイッチの機能を入れ替えても良い。すなわち、RAMクリアスイッチからの入力がある場合に、ステップS407以降の処理を行い、選択される確率設定値を変化させ、設定値変更スイッチからの入力がある場合に、ステップS412以降の処理を行い、選択された確率設定値を確定する処理を行うようにしても良い。
〔第8変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第8変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、確率設定値の確定操作が異なる。
〔確率設定値変更処理〕
本変形例では、図11に示した確率設定値変更処理に替えて図47に示す確率設定値変更処理を行う。この確率設定値変更処理では、設定値変更スイッチが第1入力態様で操作された場合(ステップS491;Y)に、ステップS407以降の処理を行い、選択される確率設定値を変化させる。また、設定値変更スイッチが第2入力態様で操作された場合(ステップS492;Y)に、ステップS412以降の処理を行い、選択された確率設定値を確定する処理を行う。
ここでの第1入力態様は、設定値変更ボタンが押下されて予め定められた規定時間未満で押下を終了する入力態様であって、当該押下を終了した時点で第1入力態様があったものと判断するようにしている。すなわち、短時間の押下操作であって設定値変更ボタンから手を離した際(設定値変更スイッチ151がオフ状態に変化した際)に確率設定値が変更されるようになっている。なお、設定値変更ボタンから手を離した時点としたのは、次に説明する第2入力態様を行った場合に確率設定値が更新されないようにするためである。
また、第2入力態様は、設定値変更ボタンが押下されて予め定められた規定時間以上で押下を終了する入力態様であって、当該規定時間を経過した時点で第2入力態様があったものと判断するようにしている。すなわち、規定時間を超える長時間の押下操作があった際(設定値変更スイッチ151が規定時間以上オン状態となった際)に確率設定値を確定するようにしている。
このように、設定値変更ボタンにより確率設定値の選択と確定を行うことができ、さらに設定値変更ボタンを押下した状態で電源を投入することでRAM111Cの初期化を行うことができるので、確率設定値の変更、確定とRAMのクリアの作業を最小限の操作部を用いてそれぞれ選択的に行うことができ、遊技店での作業効率を高めることができる。また、操作部を必要以上に設けなくても良くなり遊技機の製造のコストを低減することができ、さらに、操作部を設けるスペースも少なくて済むようになる。なお、第1入力態様と第2入力態様は上述の操作に限られず、それぞれを判別できる操作であればどのようなものであっても良い。
以上のことから、設定手段(遊技制御装置100)は、複数の操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))のうち所定の操作部が操作された状態で遊技機の電源が投入された場合に、記憶手段(RAM111C)を初期化することが可能であるとともに、所定の操作部を操作することにより、選択した確率設定値を確定可能であることとなる。
〔第9変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第9変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、確率設定値確認モードへの移行条件が異なる。
〔確率設定値確認処理〕
本変形例では、図12に示した確率設定値確認処理に替えて図48に示す確率設定値確認処理を行う。この確率設定値確認処理では、遊技中でない場合(ステップS433;N)に、所定の異常が発生しているかを判定する(ステップS501)。そして、所定の異常が発生している場合(ステップS501;Y)は、確率設定値確認処理を終了して確率設定値確認モードに移行しないようにしている。
所定の異常は任意に設定可能であるが、ここでは、磁石不正、盤電波不正、枠電波不正、普電不正及び大入賞口不正である。このいずれかの異常が発生中である場合は所定の異常が発生していると判定される。これらの異常は不正行為に起因する異常であり、このような異常が発生している場合に確率設定値確認モードに移行しないようにすることで、不正行為を行う者に確率設定値が知られてしまうことを防止することができる。
また、コネクタ抜けなどの発生によるスイッチ異常、シュート球切れエラー、オーバーフローエラー、払出異常エラー及びガラス枠開放エラーは所定の異常に含まれないが、これらを所定の異常に含んでも良い。また、前面枠12を開放して設定キー操作部や設定値変更ボタンを操作することとなるので、前面枠開放エラーについては所定の異常に含まないようにする。
また、図30に示したようにこれらの異常のいずれかが発生している場合には、特定外部情報をなすセキュリティ信号が外部に出力される状態となり、遊技店側に異常の発生を知らせるようになっており、この異常の発生の報知を受けて係員が確認するまでの間に確率設定値が知られてしまうことを防止できる。
なお、このセキュリティ信号は、RAM111Cの初期化が行われた場合や、確率設定値確認モードが開始された場合にも所定期間にわたり出力され、遊技機の確認を促すようにしている。遊技機の外部の装置では、所定時間を超えてセキュリティ信号が出力されることに基づき所定の異常が発生していることを把握可能となる。
また、所定の異常が発生している場合に設定キースイッチをオン状態としても確率設定値確認モードに移行しないようにしたが、所定の異常が発生している場合に設定キースイッチをオン状態とし、当該オン状態としたまま所定の異常がすべて解消した場合は、その時点から確率設定値確認モードに移行する。このようにすることで、所定の異常がすべて解消すれば自動的に確率設定値を確認することができるようになるので、確認作業の効率を向上することができる。
また、上述の第6変形例の構成を適用して、所定の異常が発生していない状態で設定キースイッチをオフ状態からオン状態に変化させた場合にのみ確率設定値確認モードに移行するようにしても良い。この場合、遊技中である場合(ステップS433;Y)及び所定の異常発生中である場合(ステップS501;Y)には、オフ状態確認フラグをクリアするようにする。
このように、所定の異常が発生している状態から設定キースイッチがオン状態とされたままの場合に確率設定値確認モードに移行しないようにすることで、確率設定値確認モードに移行できない禁止状態である所定の異常が発生している状態で意図せず設定キースイッチをオン状態としていた場合に、その後に所定の異常がすべて解消した状態(禁止状態でない状態)となって、確率設定値確認モードに移行して確率設定値が表示されてしまうことを防止できる。すなわち、確率設定値を確認する意思を持って操作した場合にのみ確率設定値が確認できる状態となるようにすることができる。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、設定手段は、操作部が操作されて所定状態とされることに基づき、確率設定値の確認が可能な確認状態とすることが可能であり、制御手段により制御される遊技の状態が、所定の異常が発生している状態である場合には、操作部が所定状態であっても確認状態としないようにしたこととなる。したがって、遊技の状態に応じて確率設定値確認モードに移行するか否かを選択できるようになり、確率設定値が示されることによる不都合を防止できる。
また、所定の異常には複数種類の異常が含まれ、制御手段は、遊技機の外部に情報を出力可能であり、所定の異常のいずれかが発生している場合には、所定の異常のすべてが解消されるまで特定外部情報(セキュリティ信号)を外部に出力するようにしたこととなる。したがって、所定の異常が発生していることを遊技機の外部に報知できるとともに、確率設定値の確認を行うことができない状態であることを外部に報知できるようになり、確率設定値が示されることによる不都合を防止できる。
また、遊技の制御に必要な情報を記憶可能な記憶手段(RAM111C)を備え、制御手段は、記憶手段が初期化された場合及び確認状態が開始された場合に、所定期間にわたり特定外部情報を出力するようにしたこととなる。したがって、遊技機の確認が必要な状況が発生していることを遊技機の外部に報知できる。
また、設定手段は、所定の異常が発生している状態において操作部が所定状態とされ、当該所定状態とされたまま所定の異常がすべて解消した場合には、当該所定の異常がすべて解消したことに基づき確認状態とするようにしたこととなる。したがって、所定の異常が発生していない状態となれば自動的に確率設定値を確認することができるようになるので、確認作業の効率を向上することができる。
また、設定手段は、所定の異常が発生していない状態において操作部が所定状態に変更された場合にのみ確認状態とするようにしたこととなる。したがって、意図せず確率設定値が示されてしまうことを防止できる。
〔第10変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第10変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技中でも確率設定値確認モードへの移行が可能である。
〔確率設定値確認処理〕
本変形例では、図12に示した確率設定値確認処理に替えて図49に示す確率設定値確認処理を行う。この確率設定値確認処理では、設定キースイッチがオン状態である場合(ステップS434;Y)に、遊技中であるかを判定する(ステップS511)。遊技中でない場合(ステップS511;N)は、ステップS435に移行する。
一方、遊技中である場合(ステップS511;Y)は、遊技中断を設定し(ステップS512)、遊技中断フラグをセットして(ステップS513)、ステップS435に移行する。これにより、遊技中であっても確率設定値確認モードに移行でき、確率設定値確認モード中は遊技が中断された状態となる。
また、ステップS442の処理を行った後、遊技中断フラグがあるかを判定する(ステップS514)。遊技中断フラグがない場合(ステップS514;N)、すなわち遊技が中断されていない場合は、確率設定値確認処理を終了する。また、遊技中断フラグがある場合(ステップS514;Y)、すなわち遊技が中断されている場合は、遊技再開を設定し(ステップS515)、遊技中断フラグをクリアして(ステップS516)、確率設定値確認処理を終了する。これにより、確率設定値確認モードの終了に伴い中断されていた遊技が再開されるようになる。
遊技を中断している状態では、一括表示装置50の表示を一旦消去するようにしても良いし、中断直前の状態を継続するようにしても良い。また、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの変動表示中に遊技が中断された場合には、一括表示装置50での変動表示を継続するようにしても良い。また、一括表示装置50に中断状態であることを示す表示を行うようにしても良い。
また、遊技を中断する際に演出制御装置300に対して中断コマンドを送信し、遊技を再開する際に演出制御装置300に再開コマンドを送信するようにして、表示装置41や音声、LED等の発光部材又は可動役物により中断に対応した演出を行うようにしても良い。また、遊技を再開する際における表示装置41での表示等は、停電復旧時における表示装置41での表示等と同様としても良い。
また、遊技の中断中であっても始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35及び特別変動入賞装置38への入賞を有効としても良いし、無効としても良い。また、遊技の中断中であっても遊技球の払い出しは継続するようにしても良い。
〔第11変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第11変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、確率設定値の変更に伴う音声を出力するようにしている。
図50(a)には確率設定値の変更を行う場合の一例を示した。遊技機の電源がオフ状態である状態で設定キー操作部の設定キーを第2位置に回して設定キースイッチがオン状態となる状態とし(t11)、この状態で遊技機の電源を投入すると設定値変更状態となる(t12)。設定値変更状態となることに基づき遊技制御装置100から確率設定変更中のコマンドが演出制御装置300に送信され、演出制御装置300ではこのコマンドの受信に基づき確率設定値変更状態であることを報知する変更中報知音声を出力する。変更中報知音声としてはどのような音声であっても良いが、例えば「確率設定値の変更中です」という音声や、特定の音楽又は警報音が挙げられる。また、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作によっても確率設定値変更状態であることを報知するようにしても良い。例えば、表示装置41に「確率設定値の変更中です」との表示を行っても良い。すなわち、遊技で使用する演出装置を用いて確率設定値変更状態であることを報知するようしている。このように演出装置を用いて報知を行うことで、確率設定値変更状態であることを明確に報知でき、営業中に不正に確率設定値変更状態とされた場合でも遊技店の店員や周囲の遊技者が気づくことができ、不正な遊技が行われることを未然に防止することができる。
そして、設定キー操作部の設定キーを第1位置に回して設定キースイッチがオフ状態となる状態とすると確率設定値変更状態が終了する(t13)。設定値変更状態が終了することに基づき遊技制御装置100から確率設定変更終了のコマンドが演出制御装置300に送信され、演出制御装置300ではこのコマンドの受信に基づき所定期間(例えば3分)にわたり設定された確率設定値の情報を報知するための確率設定値報知音声を出力する(t13〜t14)。その後、遊技の状態に応じた音声の出力が行われる(t14)。
確率設定値報知音声としてはどのような音声であっても良いが、例えば図50(b)に示すように、設定された確率設定値に応じた音声を出力する。例えば確率設定値が1である場合は「確率設定値1が設定されました」という音声が出力される。もちろんこれ以外の音声であっても良いし特定の音楽又は警報音であっても良い。また、表示装置41においても同様に設定された確率設定値に応じた表示が行われる。例えば確率設定値が1である場合は「確率設定値1が設定されました」という表示が行われる。もちろんこれ以外の表示であっても良い。
この他に、サブ情報表示装置90の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作を設定された確率設定値に応じたものとして確率設定値を報知するようにしても良い。すなわち、遊技で使用する演出装置を用いて確率設定値を報知するようしている。このように演出装置を用いて報知を行うことで、確率設定値が変更されたことを明確に報知でき、営業中に不正に確率設定値が変更された場合でも遊技店の店員や周囲の遊技者が気づくことができ、不正な遊技が行われることを未然に防止することができる。
なお、確率設定値変更状態である場合に、確率設定値変更状態である旨を示す外部情報を出力するようにし、外部装置(ホールコンピュータなど)で確率設定値変更状態であることを把握可能としても良い。また、確率設定値確認モードである場合にも同様に、確率設定値確認モードである旨を示す外部情報を出力するようにし、外部装置(ホールコンピュータなど)で確率設定値確認モードであることを把握可能としても良い。このようにすることで、遊技店側で確率設定値変更状態や確率設定値確認モードであることを即座に把握でき、不正行為を未然に防止することができる。
また、確率設定値変更状態の終了後の所定期間は遊技の進行ができないようにしても良い。また、この遊技の進行ができない期間にわたり確率設定値報知音声を出力するようにしても良い。このようにすることで、営業中において不正に確率設定値が変更されたとしてもすぐには遊技を行うことができず、不正に遊技が進行されることを防止できる。また、確率設定値確認モードである場合に、当該確率設定値確認モードであることをスピーカ19a、19b、表示装置41、サブ情報表示装置90、枠装飾装置18、盤装飾装置46、盤演出装置44などの演出装置により報知するようにしても良い。
また、確率設定値変更状態において操作により確率設定値が更新される毎に更新された確率設定値に応じた音声を出力するようにしても良い。また、他の演出装置でも同様に確率設定値の更新に対応して更新後の確率設定値を報知するようにしても良い。これにより選択している確率設定値を容易に確認することができる。
以上のことから、始動条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、遊技の演出を行う演出装置(スピーカ19a、19b、表示装置41、サブ情報表示装置90、枠装飾装置18、盤装飾装置46、盤演出装置44)と、を備え、選択された確率設定値を演出装置により報知可能であることとなる。したがって、不正行為を未然に防止することができる。また、確率設定値を変更可能な状態であることを演出装置により報知可能であることとなる。また、確率設定値を確認可能な状態であることを演出装置により報知可能であることとなる。
また、確率設定値変更状態の終了後、所定期間にわたり遊技の進行を禁止するようにしたこととなる。したがって、営業中において不正に確率設定値が変更されたとしてもすぐには遊技を行うことができず、不正に遊技が進行されることを防止できる。
前述したように、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理において、遊技制御装置100のCPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、特別遊技状態(大当り遊技状態)中や小当り遊技状態中に、大入賞口に所定個数の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放するラウンド遊技を所定回実行する。
図51〜図61に、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理を説明するフローチャートを示す。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
上述の特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)の詳細について説明する。
図51に示すように、大入賞口スイッチ監視処理では、まず、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるかを判定する(ステップA201)。
大入賞口開放中処理中である場合(ステップA201;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、大入賞口開放中処理中でない場合(ステップA201;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「5」であるか、すなわち大入賞口残存球処理中であるかを判定する(ステップA202)。
大入賞口残存球処理中である場合(ステップA202;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、大入賞口残存球処理中でない場合(ステップA202;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「8」であるか、すなわち小当り中処理中であるかを判定する(ステップA203)。
小当り中処理中である場合(ステップA203;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、小当り中処理中でない場合(ステップA203;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「9」であるか、すなわち小当り残存球処理中であるかを判定する(ステップA204)。
特図ゲーム処理タイマが「0」になるまで特図ゲーム処理番号は次に移行しないため、このように特図ゲーム処理番号によって遊技の進行状態をチェックすることができる。
小当り残存球処理中でない場合(ステップA204;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、小当り残存球処理中である場合(ステップA204;Y)は、ステップA205の処理に移行する。
ステップA205では、入賞カウンタに「0」をセットする(ステップA205)。そして、大入賞口スイッチ1(2つの大入賞口スイッチ38aのうちの一方)に入力があるかを判定する(ステップA206)。
大入賞口スイッチ1に入力がない場合(ステップA206;N)は、大入賞口スイッチ2(2つの大入賞口スイッチ38aのうちの他方)に入力があるかを判定する(ステップA210)。また、大入賞口スイッチ1に入力がある場合(ステップA206;Y)は、大入賞口カウントコマンドを準備して(ステップA207)、演出コマンド設定処理(ステップA208)を行う。そして、入賞カウンタを+1更新し(ステップA209)、大入賞口スイッチ2(2つの大入賞口スイッチ38aのうちの他方)に入力があるかを判定する(ステップA210)。
大入賞口スイッチ2に入力がない場合(ステップA210;N)は、入賞カウンタの値が0であるかを判定する(ステップA214)。また、大入賞口スイッチ2に入力がある場合(ステップA210;Y)は、大入賞口カウントコマンドを準備して(ステップA211)、演出コマンド設定処理(ステップA212)を行う。そして、入賞カウンタを+1更新し(ステップA213)、入賞カウンタの値が0であるかを判定する(ステップA214)。
入賞カウンタの値が「0」である場合(ステップA214;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、入賞カウンタの値が「0」でない場合(ステップA214;N)は、大入賞口残存球処理中であるかを判定する(ステップA215)。
大入賞口残存球処理中である場合(ステップA215;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、大入賞口残存球処理中でない場合(ステップA215;N)は、小当り残存球処理中であるかを判定する(ステップA216)。
小当り残存球処理中である場合(ステップA216;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り残存球処理中でない場合(ステップA216;N)は、入賞カウンタの値を大入賞口カウント数に加算し(ステップA217)、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数。例えば「10」)以上となったかを判定する(ステップA218)。
大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(ステップA218;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(ステップA218;Y)は、大入賞口カウント数を上限値に留め(ステップA219)、特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアして(ステップA220)、小当り中処理中であるかを判定する(ステップA221)。
小当り中処理中でない場合(ステップA221;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り中処理中である場合(ステップA221;Y)は、大入賞口制御ポインタ領域に小当り開放動作終了の値をセーブして(ステップA222)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)の詳細について説明する。
図52に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(ステップA901)、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップA902)、演出コマンド設定処理(ステップA903)を行う。
次いで、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA904)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA905)、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定する(ステップA906)。
ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA906;Y)は、短開放(第2開放態様)用の大入賞口開放時間(例えば0.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA907)、ステップA909の処理に移行する。また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA906;N)は、長開放(第1開放態様)用の大入賞口開放時間(例えば29秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA908)、ステップA909の処理に移行する。
ここで、本実施形態においては、大当りパターンを示す大入賞口開放情報として、大入賞口開放情報1(4R:全て短開放)、大入賞口開放情報2(16R:全て長開放)、大入賞口開放情報3(16R:1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)、大入賞口開放情報4(4R:全て長開放)、大入賞口開放情報5(16R:全て長開放)、大入賞口開放情報6(16R:1〜8Rは長開放、9〜16Rは短開放)、大入賞口開放情報7(16R:1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)が設定されている。
したがって、大入賞口動作判定テーブルには、大入賞口開放情報1データと開放切替判定値「0」とが、大入賞口開放情報2データと開放切替判定値「16」とが、大入賞口開放情報3データと開放切替判定値「4」とが、大入賞口開放情報4データと開放切替判定値「4」とが、大入賞口開放情報5データと開放切替判定値「16」とが、大入賞口開放情報6データと開放切替判定値「8」とが、大入賞口開放情報7データと開放切替判定値「4」とが対応付けて記憶されている。そして、ラウンド数が開放切替判定値以下である間は長開放、ラウンド数が開放切替判定値を上回ると短開放となる開放動作を行うようになっている。
ステップA909では、処理番号を大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定する(ステップA909)。そして、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA910)。
次いで、大入賞口の開放開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA911)、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアする(ステップA912)。その後、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップA913)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップA12)の詳細について説明する。
図53に示すように、大入賞口開放中処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA1001)。
最終ラウンドでない場合(ステップA1001;N)は、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA1002)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA1003)、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定する(ステップA1004)。
ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA1004;Y)には、短閉鎖用の残存球処理時間(例えば1.4秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1005)、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを準備して(ステップA1007)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、ステップA1011の処理に移行する。また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA1004;N)には、長閉鎖用の残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1006)、インターバルコマンドを準備して(ステップA1007)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、ステップA1011の処理に移行する。
一方、最終ラウンドである場合(ステップA1001;Y)は、最終用の残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1008)、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを準備して(ステップA1009)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、ステップA1011の処理に移行する。
ステップA1011では、処理番号を大入賞口残存球処理にかかる「5」に設定する(ステップA1011)。そして、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1012)。その後、特別変動入賞装置38の開閉扉38cを閉鎖するために、大入賞口ソレノイド38bをオフさせるためのオフデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブして(ステップA1013)、大入賞口開放中処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップA13)の詳細について説明する。
図54に示すように、大入賞口残存球処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA1101)。
特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(ステップA1101;N)は、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA1102)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA1103)、通常用のインターバル時間(例えば0.1秒)を設定する(ステップA1104)。
次いで、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定し(ステップA1105)、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA1105;Y)には、ステップA1109の処理に移行する。また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA1105;N)には、大入賞口開放情報はランクダウン演出系の値であるかを判定する(ステップA1106)。
ここで、ランクダウン演出とは、以降のラウンドが短開放ラウンドとなることを報知する演出が該当する。具体的には、大当りパターンを示す大入賞口開放情報として、大入賞口開放情報2(16R:全て長開放)と大入賞口開放情報3(16R:1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)の何れかが選択された場合に、大当りラウンドの1R〜3Rまで表示装置41の表示画面に所定の大当りラウンド演出を表示し、4R目でラウンド継続報知演出を実行する。選択された大入賞口開放情報が大入賞口開放情報2であれば、ラウンド継続報知演出において長開放が継続することが報知され、5R目以降のラウンドにおいても大入賞口が長開放で開放される。また、選択された大入賞口開放情報が大入賞口開放情報3であれば、ラウンド継続報知演出においてランクダウン演出が行われて短開放となることが報知され、5R目以降のラウンドにおいて大入賞口が短開放で開放される。
大入賞口開放情報がランクダウン演出系の値でない場合(ステップA1106;N)は、ステップA1109の処理に移行する。また、大入賞口開放情報がランクダウン演出系の値である場合(ステップA1106;Y)は、ラウンド数が特殊演出ラウンドの値(例えば、4R)であるかを判定する(ステップA1107)。
ラウンド数が特殊演出ラウンドの値でない場合(ステップA1107;N)は、ステップA1109の処理に移行する。また、ラウンド数が特殊演出ラウンドの値である場合(ステップA1107;Y)、例えばラウンド数が4Rである場合は、ランクダウン演出用のインターバル時間(例えば3.6秒)を設定して(ステップA1108)、ステップA1109の処理に移行する。なお、特殊ラウンド数は1種類に限らず、例えば2Rと4Rと8Rというように複数種類設けても良い。
ステップA1109では、ステップA1104又はA1108にて設定したインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA1109)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(ステップA1110)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップA1111)、大入賞口(特別変動入賞装置38)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA1112)、大入賞口残存球処理を終了する。
一方、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(ステップA1101;Y)は、特別結果が導出された際の演出モードを記憶する特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1113)、ロードしたフラグと大入賞口開放情報と停止図柄パターンとに対応するエンディング時間を設定して(ステップA1114)、設定したエンディング時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA1115)。
次いで、大当り終了処理に係る処理番号として「6」を設定し(ステップA1116)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブして(ステップA1117)、大入賞口(特別変動入賞装置38)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1118)。
次いで、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1119)、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をクリアして(ステップA1120)、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数上限値領域の情報をクリアする(ステップA1121)。その後、ラウンド数の上限値判定用のフラグを記憶するラウンド数上限値情報領域の情報をクリアし(ステップA1122)、大入賞口の開放情報判定用のフラグを記憶する大入賞口開放情報領域の情報をクリアして(ステップA1123)、大入賞口残存球処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA14)の詳細について説明する。
図55に示すように、大当り終了処理では、まず、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された時間短縮判定データが、時短作動データかを判定する(ステップA1201)。
時短作動データでない場合(ステップA1201;N)は、大当り終了設定処理1を行い(ステップA1202)、時短作動データである場合(ステップA1201;Y)は、大当り終了設定処理2を行う(ステップA1203)。
次いで、演出モード情報アドレステーブルを設定して(ステップA1204)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA1205)。
次いで、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(ステップA1206)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得し、RAM内の演出残り回転数領域にセーブして(ステップA1207)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(ステップA1208)。
次いで、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1209)、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA1210)、演出コマンド設定処理(ステップA1211)を行う。
次いで、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA1212)、演出コマンド設定処理(ステップA1213)を行い、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを準備して(ステップA1214)、演出コマンド設定処理(ステップA1215)を行う。
次いで、大当り終了後は時短ありかを判定し(ステップA1216)、時短ありである場合(ステップA1216;Y)には、ステップA1219の処理に移行する。また、時短ありでない場合(ステップA1216;N)には、左打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA1217)、演出コマンド設定処理(ステップA1218)を行った後に、ステップA1219の処理に移行する。
ステップA1219では、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定する(ステップA1219)。そして、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1220)。
次いで、大当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF、大当り3信号をOFF、大当り4信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1221)、大当りの終了に関する信号(例えば、条件装置作動中信号をOFF、役物連続作動装置作動中信号をOFF、特別図柄1当り信号をOFF、特別図柄2当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1222)。
次いで、時間短縮判定フラグ領域の情報をクリアし(ステップA1223)、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をクリアして(ステップA1224)、演出モード移行情報領域の情報をクリアする(ステップA1225)。その後、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアし(ステップA1226)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA1227)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理1〕
次に、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA1202)の詳細について説明する。
図56(a)に示すように、大当り終了設定処理1では、まず、時短なしに関する信号(例えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA1231)、高確率&時短なしの開始に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をON、特別図柄2高確率状態信号をON、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF、普通図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、普通電動役物1開放延長状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1232)。
次いで、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(ステップA1233)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&時短なしフラグをセーブして(ステップA1234)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA1235)。その後、高確率変動回数領域に初期値(例えば100)をセーブする(ステップA1236)。
次いで、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA1237)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA1238)、大当り終了設定処理1を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態(確変状態)となるとともに時短状態でない状態となる。また、高確率変動回数領域に初期値(例えば100)をセットすることで、所定回数(例えば100回)の特図変動表示ゲームの実行により高確率状態が終了する。
〔大当り終了設定処理2〕
次に、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA1203)の詳細について説明する。
図56(b)に示すように、大当り終了設定処理2では、まず、時短の開始に関する信号(例えば、大当り2信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA1241)。時短の開始に関する信号は、大当り中から出力されているので継続する形で、外部情報出力データ領域にセーブされる。
次いで、高確率&時短の開始に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をON、特別図柄2高確率状態信号をON、特別図柄1変動時間短縮状態信号をON、特別図柄2変動時間短縮状態信号をON、普通図柄1高確率状態信号をON、普通図柄1変動時間短縮状態信号をON、普通電動役物1開放延長状態信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1242)。
次いで、遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブし(ステップA1243)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&時短ありフラグをセーブして(ステップA1244)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短ありフラグをセーブする(ステップA1245)。その後、高確率変動回数領域に初期値(例えば100)をセーブして(ステップA1246)、大当り終了設定処理2を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態(確変状態)となるとともに時短状態となる。また、高確率変動回数領域に初期値(例えば100)をセットすることで、所定回数(例えば100回)の特図変動表示ゲームの実行により高確率状態が終了する。
なお、本実施形態の場合、時短状態中は右打ちモードであるが、特別遊技状態中から右打ちモードが設定されているので、大当り終了設定処理2では右打ちに関する設定を行わない。
〔小当りファンファーレ中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当りファンファーレ中処理(ステップA15)の詳細について説明する。
図57に示すように、小当りファンファーレ中処理では、まず、処理番号として小当り中処理にかかる「8」を設定して(ステップA1301)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1302)。
次いで、小当り遊技における大入賞口の開放時間(例えば0.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA1303)、小当り動作の開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1304)。
次いで、特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放するために、大入賞口ソレノイド38bをオンさせるためのオンデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブする(ステップA1305)。その後、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1306)、小当り中制御ポインタ領域に小当り動作初期値(例えば「0」)をセーブして(ステップA1307)、小当りファンファーレ中処理を終了する。
〔小当り中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り中処理(ステップA16)の詳細について説明する。
図58に示すように、小当り中処理では、まず、小当り中制御ポインタの値をロードして(ステップA1401)、ロードした値が小当り動作終了値(例えば「6」)以上であるかを判定する(ステップA1402)。
ロードした値が小当り動作終了値以上でない場合(ステップA1402;N)には、小当り中制御ポインタを+1更新し(ステップA1403)、小当り動作移行設定処理(ステップA1404)を行って、小当り中処理を終了する。
一方、ロードした値が小当り動作終了値以上である場合(ステップA1402;Y)には、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1405)、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグであるかを判定する(ステップA1406)。これにより、特図高確率中での小当りかを判定する。なお、ここでは、時短状態中であるか否かは問わない。
ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグである場合(ステップA1406;Y)には、ステップA1409の処理に移行する。また、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグでない場合(ステップA1406;N)には、小当り終了画面のコマンドを準備し(ステップA1407)、演出コマンド設定処理(ステップA1408)を行って、ステップA1409の処理に移行する。
ステップA1409では、処理番号として小当り残存球処理にかかる「9」を設定する(ステップA1409)。そして、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1410)。その後、小当り残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1411)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップA1412)、小当り中処理を終了する。
〔小当り動作移行設定処理〕
次に、上述の小当り中処理における小当り動作移行設定処理(ステップA1404)の詳細について説明する。
図59に示すように、小当り動作移行設定処理では、制御ポインタ(小当り中制御ポインタ)に応じて分岐処理(ステップA1421)を行う。
ステップA1421にて、制御ポインタが「0」,「2」,「4」の場合は、制御ポインタに対応するウェイト時間(例えば1500m秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1422)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップA1423)、小当り動作移行設定処理を終了する。
また、ステップA1421にて、制御ポインタが「1」,「3」,「5」の場合は、制御ポインタに対応する大入賞口開放時間(例えば200m秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1424)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップA1425)、小当り動作移行設定処理を終了する。
ここで、本実施形態の場合、300m秒の小当りファンファーレ時間の後に、200m秒の開放と1500m秒の閉鎖とを交互に行い、開放の終了時及び閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが順次更新される。
具体的には、1回目の200m秒開放の終了時(すなわち、1回目の200m秒開放から1回目の1500m秒閉鎖への切り替わり時)に小当り中制御ポインタが「0」に更新され、1回目の1500m秒閉鎖の終了時(すなわち、1回目の1500m秒閉鎖から2回目の200m秒開放への切り替わり時)に小当り中制御ポインタが「1」に更新され、2回目の200m秒開放の終了時に小当り中制御ポインタが「2」に更新され、2回目の1500m秒閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが「3」に更新され、3回目の200m秒開放の終了時に小当り中制御ポインタが「4」に更新され、3回目の1500m秒閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが「5」に更新される。そして、4回目の200m秒開放の終了時に小当り中制御ポインタが「6」に更新され、1900m秒の小当り残存球時間と、その後の100m秒の小当りエンディング時間との経過後に、小当り状態が終了する。したがって、4回目の200m秒開放の後に、2000m秒間閉鎖されるので、見た目のエンディング時間は2000m秒となる。
〔小当り残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップA17)の詳細について説明する。
図60に示すように、小当り残存球処理では、まず、処理番号として小当り終了処理にかかる「10」を設定して(ステップA1501)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1502)。
次いで、小当りエンディング時間(例えば0.1秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA1503)、小当り動作の終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1504)。その後、大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1505)、小当り中制御ポインタ領域の情報をクリア(例えば0クリア)して(ステップA1506)、小当り残存球処理を終了する。
〔小当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り終了処理(ステップA18)の詳細について説明する。
図61に示すように、小当り終了処理では、まず、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1601)、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグであるかを判定する(ステップA1602)。
ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグである場合(ステップA1602;Y)は、ステップA1619の処理に移行する。また、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグでない場合(ステップA1602;N)は、演出モード情報アドレステーブルを設定して(ステップA1603)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA1604)。
次いで、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(ステップA1605)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得し、RAM内の演出残り回転数領域にセーブして(ステップA1606)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(ステップA1607)。その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1608)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するかを判定する(ステップA1609)。
準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(ステップA1609;Y)は、ステップA1619の処理に移行する。
一方、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(ステップA1609;N)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA1610)、演出コマンド設定処理(ステップA1611)を行う。
次いで、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA1612)、演出コマンド設定処理(ステップA1613)を行い、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを準備して(ステップA1614)、演出コマンド設定処理(ステップA1615)を行う。
次いで、新たな演出モードは左打ちするモードであるかを判定し(ステップA1616)、左打ちするモードでない場合(ステップA1616;N)には、ステップA1619の処理に移行する。また、左打ちするモードである場合(ステップA1616;Y)には、左打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA1617)、演出コマンド設定処理(ステップA1618)を行った後に、ステップA1619の処理に移行する。
ステップA1619では、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードする(ステップA1619)。そして、ロードしたフラグが特図時短中(時短状態中)に関するフラグであるかを判定する(ステップA1620)。
ロードしたフラグが特図時短中に関するフラグである場合(ステップA1620;Y)には、ステップA1623の処理に移行する。また、ロードしたフラグが特図時短中に関するフラグでない場合(ステップA1620;N)には、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA1621)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA1622)、ステップA1623の処理に移行する。
ステップA1623では、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定する(ステップA1623)。そして、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1624)。その後、小当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1625)、小当りの終了に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1626)。
次いで、変動図柄判別フラグ領域の情報をクリアし(ステップA1627)、演出モード移行情報領域の情報をクリアして(ステップA1628)、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアする(ステップA1629)。その後、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA1630)、小当り終了処理を終了する。
<オーバー入賞報知演出>
遊技機10は、特別遊技状態中に大入賞口(特別変動入賞装置38)へのオーバー入賞が発生した場合に、オーバー入賞の発生を報知するオーバー入賞報知演出を実行可能である。ここで、大入賞口へのオーバー入賞が発生した場合とは、一のラウンド遊技中に大入賞口へ入賞した遊技球数が入賞上限数(例えば10個)を超えた場合である。
本実施形態のオーバー入賞報知演出には、例えば図62に示すように、第1報知態様(第1演出態様)のオーバー入賞報知演出と、第2報知態様(第2演出態様)のオーバー入賞報知演出と、第3報知態様(第3演出態様)のオーバー入賞報知演出とがある。
第1報知態様のオーバー入賞報知演出は、オーバー入賞の発生を報知(示唆)することができる。なお、本実施形態において、第1報知態様にはタイプ1とタイプ2の2種類があるが、無論、第1報知態様の種類は2種類に限定されない。すなわち、第1報知態様の種類は、1種類であっても良いし、複数種類であっても良い。
第2報知態様のオーバー入賞報知演出は、オーバー入賞の発生を報知(示唆)するとともに、先読み予告として特図変動表示ゲームの結果が特別結果となる期待度を報知(示唆)することができる。なお、本実施形態において、第2報知態様にはタイプ1〜4の4種類があるが、無論、第2報知態様の種類は4種類に限定されない。すなわち、第2報知態様の種類は、1種類であっても良いし、複数種類であっても良い。
第3報知態様のオーバー入賞報知演出は、オーバー入賞の発生を報知(示唆)するとともに、現在設定されている確率設定値を報知(示唆)することができる。なお、本実施形態において、第3報知態様にはタイプ1〜4の4種類があるが、無論、第3報知態様の種類は4種類に限定されない。すなわち、第3報知態様の種類は、1種類であっても良いし、複数種類であっても良い。
図63に、オーバー入賞報知演出に関する処理の一例を示す。
演出制御装置300は、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを実行し、当該飾り特図変動表示ゲームの結果態様によって、当該飾り特図変動表示ゲームに対応する特図変動表示ゲームの結果を表示する。
飾り特図変動表示ゲームの実行中、表示装置41には、例えば図63(a)に示すように、飾り特図変動表示ゲームを表示する飾り特図変動表示ゲーム表示部41aと、未消化の第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する第1待機中保留表示部41b1と、未消化の第2始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する第2待機中保留表示部41b2と、消化中の始動記憶(現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶)に関する情報を表示する実行中保留表示部41cと、飾り特図変動表示ゲーム表示部41aにて変動表示される飾り特別図柄(識別情報)よりも相対的に小さい小図柄を変動表示する小図柄用変動表示部41dと、未消化の始動記憶の数を数字にて表示する数字保留表示部41eとが設けられる。
そして、例えば図63(a)に示すように、飾り特図変動表示ゲームに対応する特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合には、演出制御装置300は、特別遊技状態の開始時に、報知態様振分テーブルを参照し、当該飾り特図変動表示ゲームの結果態様に基づいて、特別遊技状態中に実行するオーバー入賞報知演出の報知態様を決定する。その後、決定した報知態様に対応するタイプ振分テーブルを参照し、報知態様のタイプを決定する。
報知態様振分テーブルの一例を図64Aに示す。報知態様振分テーブルには、飾り特図変動表示ゲームの結果態様ごとに、オーバー入賞報知演出の報知態様が設定されている。
ここで、本実施形態において、飾り特別図柄には、図柄識別部分として数字部分を有する図柄1〜9と、図柄識別部分としてキャラクタ部分を有する図柄A〜Cとの12種類があり、飾り特図変動表示ゲームでは、飾り特図変動表示ゲーム表示部41aの左、中、右の変動表示領域のそれぞれにおいて図柄1〜9及び図柄A〜Cが所定の順で変動表示される。また、飾り特図変動表示ゲームの特別結果態様(大当り結果態様)には、一般図柄(図柄1〜9)のゾロ目からなる特別結果態様と、特殊図柄(図柄A〜C)のゾロ目からなる特別結果態様とがある。
図64Aに示す例では、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が偶数図柄のゾロ目(「2,2,2」、「4,4,4」、「6,6,6」、「8,8,8」)からなる特別結果態様である場合には、当該特別結果態様に基づく特別遊技状態中に実行するオーバー入賞報知演出の報知態様として第1報知態様が選択される。また、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が図柄7のゾロ目(「7,7,7」)からなる特別結果態様である場合には第2報知態様が選択され、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が図柄7以外の奇数図柄のゾロ目(「1,1,1」、「3,3,3」、「5,5,5」、「9,9,9」)からなる特別結果態様である場合には第3報知態様が選択される。また、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が特殊図柄A(図柄A)のゾロ目からなる特別結果態様である場合には第1報知態様が選択され、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が特殊図柄B(図柄B)のゾロ目からなる特別結果態様である場合には第2報知態様が選択され、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が特殊図柄C(図柄C)のゾロ目からなる特別結果態様である場合には第3報知態様が選択されるようになっている。
なお、図64Aに示す例では、第2報知態様が最も選択されにくくなっているが、報知態様の選択率は、これに限定されず適宜変更可能であり、例えば第3報知態様<第2報知態様<第1報知態様の順に高くなっても良い。
オーバー入賞報知演出の報知態様を第1報知態様に決定した場合には、演出制御装置300は、第1報知態様のタイプ振分テーブルを参照し、当該飾り特図変動表示ゲームの結果態様に基づいて、第1報知態様のタイプを決定する。
第1報知態様のタイプ振分テーブルの一例を図64B(a)に示す。第1報知態様のタイプ振分テーブルには、飾り特図変動表示ゲームの結果態様ごとに、タイプ及び対応するタイプの選択率が設定されている。
図64B(a)に示す例では、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が偶数図柄のゾロ目からなる特別結果態様である場合には、タイプ1(「すごい!」)の方がタイプ2(「さすが!」)よりも選択されやすく、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が特殊図柄Aのゾロ目からなる特別結果態様である場合には、タイプ2(「さすが!」)の方がタイプ1(「すごい!」)よりも選択されやすくなっている。
また、オーバー入賞報知演出の報知態様を第2報知態様に決定した場合には、演出制御装置300は、未消化の始動記憶があるか否か判定する。
そして、未消化の始動記憶がない場合には、オーバー入賞報知演出の報知態様を、第2報知態様に替えて、第1報知態様に決定するとともに、当該第1報知態様のタイプを、例えばタイプ2(「さすが!」)に決定する。
一方、未消化の始動記憶がある場合には、遊技制御装置100からの先読み結果情報(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド)に基づいて、未消化の始動記憶の中に結果が大当りとなる始動記憶(結果が大当りとなる特図変動表示ゲームに対応する始動記憶)があるか否か判定する。
そして、未消化の始動記憶の中に結果が大当りとなる始動記憶がない場合には、遊技制御装置100からの先読み結果情報に基づいて、未消化の始動記憶に対応するリーチ系統を取得する。未消化の始動記憶が複数ある場合には、例えば、その中で最も期待度が高いリーチ系統を取得する。その後、はずれ用の第2報知態様のタイプ振分テーブルを参照し、取得したリーチ系統に基づいて、第2報知態様のタイプを決定する。
一方、未消化の始動記憶の中に結果が大当りとなる始動記憶がある場合には、遊技制御装置100からの先読み結果情報に基づいて、結果が大当りとなる未消化の始動記憶に対応するリーチ系統を取得する。結果が大当りとなる未消化の始動記憶が複数ある場合には、例えば、その中で最も期待度が高いリーチ系統を取得する。その後、大当り用の第2報知態様のタイプ振分テーブルを参照し、取得したリーチ系統に基づいて、第2報知態様のタイプを決定する。
はずれ用の第2報知態様のタイプ振分テーブルの一例を図64B(b)に示し、大当り用の第2報知態様のタイプ振分テーブルの一例を図64B(c)に示す。第2報知態様のタイプ振分テーブルには、リーチ系統ごとに、タイプ及び対応するタイプの選択率が設定されている。図64B(b),(c)に示す例では、リーチ系統の期待度が高いほど、期待度の高いタイプが選択されやすくなっている。
第2報知態様のタイプ4(「おめでとう!」)は、未消化の始動記憶の中に結果が大当りとなる始動記憶がある場合にのみ選択されるため、第2報知態様のタイプ4でオーバー入賞報知演出を実行することによって、オーバー入賞の発生を報知するとともに、未消化の始動記憶の中に結果が大当りとなる始動記憶があることを確定的に示唆することができる(図62参照)。
また、オーバー入賞報知演出の報知態様を第3報知態様に決定した場合には、演出制御装置300は、現在設定されている確率設定値を取得する。
演出制御装置300は、例えば、遊技制御装置100から送信される確率設定変更終了のコマンド(図11のステップS421参照)に基づいて、記憶手段(FeRAM323等)に記憶されている情報(現在設定されている確率設定値)を更新するよう構成されている。したがって、演出制御装置300は、記憶手段から現在設定されている確率設定値を取得することができる。その後、第3報知態様のタイプ振分テーブルを参照し、取得した確率設定値に基づいて、第3報知態様のタイプを決定する。
第3報知態様のタイプ振分テーブルの一例を図64B(d)に示す。第3報知態様のタイプ振分テーブルには、確率設定値ごとに、タイプ及び対応するタイプの選択率が設定されている。
第3報知態様のタイプ4(「おめでとう!」)は、確率設定値が「6」である場合にのみ選択されるため、第3報知態様のタイプ4でオーバー入賞報知演出を実行することによって、オーバー入賞の発生を報知するとともに、確率設定値が「6」であることを確定的に示唆することができる(図62参照)。
次いで、演出制御装置300は、大入賞口へのオーバー入賞が発生したか否か判定する。
演出制御装置300は、例えば、遊技制御装置100から送信されるラウンドコマンド(図52のステップA902参照)に基づいて、記憶手段(FeRAM323等)に記憶されている情報(大入賞口カウント数)を0クリアするとともに、遊技制御装置100から送信される大入賞口カウントコマンド(図51のステップA207,A211参照)に基づいて、記憶手段(FeRAM323等)に記憶されている情報(大入賞口カウント数)を+1更新するよう構成されている。したがって、演出制御装置300は、記憶手段に記憶されている情報に基づいて大入賞口へのオーバー入賞が発生したか否か判定することができる。
あるいは、遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ監視処理(図51)において大入賞口カウント数が上限値以上となったと判定した場合(ステップA218;Y)に大入賞口カウント数が上限値を上回るか否か判定して、上回ると判定した場合に大入賞口へのオーバー入賞が発生したことを報知するコマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300は、このコマンドに基づいて大入賞口へのオーバー入賞が発生したと判定するよう構成することも可能である。
そして、大入賞口へのオーバー入賞が発生したと判定した場合には、演出制御装置300は、例えば図63(b)に示すように、表示装置41及びスピーカ19a,19bの少なくとも一方を用いて、特別遊技状態の開始時に決定した報知態様及びタイプのオーバー入賞報知演出を実行する。
図63に示す例では、オーバー入賞報知演出の報知態様が第2報知態様に決定されるとともに、当該第2報知態様のタイプがタイプ3に決定された場合に実行されるオーバー入賞報知演出を示している。すなわち、オーバー入賞報知演出が第2報知態様のタイプ3で実行されて、「激熱だね!」というセリフ画像が表示装置41に表示されたり、「激熱だね!」という音声がスピーカ19a,19bから出力されたりしている。これにより、オーバー入賞の発生を報知するとともに、大当り期待度が高いことを示唆することができる(図62参照)。
ここで、図62に示すように、第2報知態様のタイプ4が選択された場合と第3報知態様のタイプ4が選択された場合とでは、同じオーバー入賞報知演出が実行される(すなわち、「おめでとう!」というセリフ画像が表示装置41に表示されたり、「おめでとう!」という音声がスピーカ19a,19bから出力されたりする)ようになっている。これにより、遊技者は、オーバー入賞報知演出の実行時には、当該オーバー入賞報知演出の報知態様が第2報知態様と第3報知態様のいずれであるのか把握できないが、遊技を継続しても(すなわち、当該オーバー入賞報知演出の実行時に未消化であった始動記憶を全て消化しても)大当りしない場合には、第3報知態様であった(すなわち、確率設定値が「6」である)と把握することができ、その後の遊技の期待度が向上する。
なお、オーバー入賞の発生を、特定の演出に関与させるよう構成することも可能である。具体的には、例えば、図63(c)に示すように、特別遊技状態中に大入賞口へのオーバー入賞が発生した場合、当該特別遊技状態の終了後に、飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させて先読み結果を報知(示唆)する保留変化演出を実行しても良い。また、「オーバー入賞の発生を、特定の演出に関与させる」は、「特別遊技状態中にオーバー入賞が発生した場合に、当該特別遊技状態後に保留変化演出を実行する」に限定されず適宜変更可能であり、例えば、「特別遊技状態中にオーバー入賞が発生した場合に、当該特別遊技状態中に実行する演出(ラウンド演出、インターバル演出、エンディング演出、ラウンド継続報知演出等)の演出態様を変化させる」であっても良い。
また、演出制御装置300は、特別遊技状態が開始してからの大入賞口(特別変動入賞装置38)へのオーバー入賞が発生した回数をカウントし、当該特別遊技状態における最終ラウンド目のラウンド遊技に対応するラウンド演出中に、当該特別遊技状態において発生したオーバー入賞の回数を評価するオーバー入賞評価演出を実行しても良い。
オーバー入賞評価演出には、例えば図65(a)に示すように、第1評価態様(第1演出態様)のオーバー入賞評価演出と、第2評価態様(第2演出態様)のオーバー入賞評価演出と、第3評価態様(第3演出態様)のオーバー入賞評価演出とがある。
第1評価態様のオーバー入賞評価演出は、実行中の特別遊技状態におけるオーバー入賞の発生回数、すなわちオーバー入賞報知演出の実行回数を報知(示唆)することができる。なお、図65(a)に示す例において、第1評価態様にはタイプ1とタイプ2の2種類があるが、無論、第1評価態様の種類は2種類に限定されない。すなわち、第1評価態様の種類は、1種類であっても良いし、複数種類であっても良い。
第2評価態様のオーバー入賞評価演出は、実行中の特別遊技状態におけるオーバー入賞の発生回数を報知(示唆)するとともに、先読み予告として特図変動表示ゲームの結果が特別結果となる期待度を報知(示唆)することができる。なお、図65(a)に示す例において、第2評価態様にはタイプ1〜4の4種類があるが、無論、第2評価態様の種類は4種類に限定されない。すなわち、第2評価態様の種類は、1種類であっても良いし、複数種類であっても良い。
第3評価態様のオーバー入賞評価演出は、実行中の特別遊技状態におけるオーバー入賞の発生回数を報知(示唆)するとともに、現在設定されている確率設定値を報知(示唆)することができる。なお、図65(a)に示す例において、第3評価態様にはタイプ1〜4の4種類があるが、無論、第3評価態様の種類は4種類に限定されない。すなわち、第3評価態様の種類は、1種類であっても良いし、複数種類であっても良い。
例えば図65(b)に示すように、第1評価態様のオーバー入賞評価演出では、オーバー入賞の発生回数を報知する文字画像(例えば「オーバー入賞したラウンドは○回だったよ!」)を表示装置41に表示する。そして、当該文字画像の表示態様が、第1評価態様のタイプ1とタイプ2でそれぞれ異なる。
また、例えば図65(c)に示すように、第2評価態様のオーバー入賞評価演出では、オーバー入賞の発生回数を報知する文字画像と、キャラクタAのキャラクタ画像とを表示装置41に表示する。そして、当該文字画像の表示態様が、第2評価態様のタイプ1〜4でそれぞれ異なる。
また、例えば図65(d)に示すように、第3評価態様のオーバー入賞評価演出では、オーバー入賞の発生回数を報知する文字画像と、キャラクタBのキャラクタ画像とを表示装置41に表示する。そして、当該文字画像の表示態様が、第3評価態様のタイプ1〜4でそれぞれ異なる。
飾り特図変動表示ゲームに対応する特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合には、演出制御装置300は、所定のタイミング(例えば特別遊技状態の開始時)において、評価態様振分テーブル(図示省略)を参照し、所定条件(例えば当該飾り特図変動表示ゲームの結果態様)に基づいて、特別遊技状態中に実行するオーバー入賞評価演出の評価態様を決定する。
その後、オーバー入賞評価演出の評価態様を第1評価態様に決定した場合には、演出制御装置300は、第1評価態様のタイプ振分テーブル(図示省略)を参照し、所定条件(例えば当該飾り特図変動表示ゲームの結果態様)に基づいて、第1評価態様のタイプを決定する。
また、オーバー入賞評価演出の評価態様を第2評価態様に決定した場合には、演出制御装置300は、未消化の始動記憶があるか否か判定する。
そして、未消化の始動記憶がない場合には、オーバー入賞評価演出の評価態様を、第2評価に替えて、第1評価態様に決定するとともに、当該第1評価態様のタイプを、例えばタイプ2に決定する。
一方、未消化の始動記憶がある場合には、遊技制御装置100からの先読み結果情報(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド)に基づいて、未消化の始動記憶の中に結果が大当りとなる始動記憶があるか否か判定する。
そして、未消化の始動記憶の中に結果が大当りとなる始動記憶がない場合には、はずれ用の第2評価態様のタイプ振分テーブル(図示省略)を参照して、所定条件(例えば未消化の始動記憶に対応するリーチ系統)に基づいて、第2評価態様のタイプを決定する。
一方、未消化の始動記憶の中に結果が大当りとなる始動記憶がある場合には、大当り用の第2評価態様のタイプ振分テーブル(図示省略)を参照し、所定条件(例えば未消化の始動記憶に対応するリーチ系統)に基づいて、第2評価態様のタイプを決定する。
また、オーバー入賞評価演出の評価態様を第3評価態様に決定した場合には、演出制御装置300は、第3評価態様のタイプ振分テーブル(図示省略)を参照し、現在設定されている確率設定値に基づいて、第3評価態様のタイプを決定する。
その後、演出制御装置300は、最終ラウンド目のラウンド遊技に対応するラウンド演出の実行中に、表示装置41を用いて、所定のタイミング(例えば特別遊技状態の開始時)において決定した評価態様及びタイプのオーバー入賞評価演出を実行する。
ここで、文字画像全体を、決定したタイプに応じた表示態様で表示しても良いし、文字画像の一部(例えば、数字部分)のみを、決定したタイプに応じた表示態様で表示しても良い。すなわち、例えば図65(a)に示す例において、第1評価態様のタイプAが選択され、オーバー入賞したラウンドが5回であった場合、「オーバー入賞したラウンドは5回だったよ!」という文字列を構成する各文字を白色で表示しても良いし、「オーバー入賞したラウンドは5回だったよ!」という文字列を構成する各文字のうち「5」のみを白色で表示し、それ以外の文字を“その他の色”で表示しても良い。“その他の色”は、例えば黒色等、評価態様の各タイプに対応しない色(図65(a)に示す例では、白、青、緑、赤以外の色)が好ましい。例えば、文字画像のうち数字部分のみを決定したタイプに応じた表示態様で表示する場合、オ―バー入賞した回数(若しくはオーバー入賞報知演出が実行された回数)を示す数字部分が他の文字と異なる表示態様で表示されるため、数字部分(すなわち、文字画像の中で遊技者が最も知りたい情報を示す部分)に注目を集めることができる。さらに、その数字部分の表示態様によって大当り期待度や確率設定を示唆可能であるため、オーバー入賞に対する興趣が向上する。
なお、タイプに応じた表示態様は、色だけでなく、透明度、フォント、角度(正体、斜体等)、裸眼で3Dと認識できるか否か、文字の動き(揺動するか否か、摺動する速度が異なる等)等であっても良い。
文字画像のデータの持ち方としては、例えば、「オーバー入賞したラウンドは 回だったよ!」というデータと、「数字(1〜16等)」のデータを個別に持ち、遊技機内で合成して表示させるようにしても良い。オーバー入賞の発生回数も表示態様も可変であり、文字と数字がセットになった画像を実施可能な数全てデータで持つとデータ容量が多くなるが、個別に持つことで臨機応変に対応でき、データ容量が少なくて済む。
また、オーバー入賞報知演出の報知態様を決定するタイミングは、特別遊技状態の開始時に限定されず適宜変更可能であり、例えば、各ラウンド遊技の開始時であっても良いし、オーバー入賞の発生時であっても良い。
また、報知態様のタイプを決定するタイミングは、特別遊技状態の開始時に限定されず適宜変更可能であり、例えば、各ラウンド遊技の開始時であっても良いし、オーバー入賞の発生時であっても良い。
また、オーバー入賞報知演出の報知態様を決定するタイミングと、報知態様のタイプを決定するタイミングは、同時でなくても良い。すなわち、特別遊技状態の開始時にオーバー入賞報知演出の報知態様を決定し、その後、各ラウンド遊技の開始時に報知態様のタイプを決定しても良い。
また、飾り特図変動表示ゲームの特別結果態様とオーバー入賞報知演出の報知態様は1:1で対応していなくても良い。すなわち、飾り特図変動表示ゲームの特別結果態様にかかわらず第1〜第3報知態様を選択可能とし、飾り特図変動表示ゲームの特別結果態様に応じて第1〜第3報知態様の選択率を異ならせても良い。具体的には、例えば、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が偶数図柄のゾロ目からなる特別結果態様である場合には、第1〜第3報知態様を選択可能であり、その中で第1報知態様が最も選択されやすく、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が図柄7のゾロ目からなる特別結果態様である場合には、第1〜第3報知態様を選択可能であり、その中で第2報知態様が最も選択されやすく、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が図柄7以外の奇数図柄のゾロ目からなる特別結果態様である場合には、第1〜第3報知態様を選択可能であり、その中で第3報知態様が最も選択されやすく、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が特殊図柄Aのゾロ目からなる特別結果態様である場合には、第1〜第3報知態様を選択可能であり、その中で第1報知態様が最も選択されやすく、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が特殊図柄Bのゾロ目からなる特別結果態様である場合には、第1〜第3報知態様を選択可能であり、その中で第2報知態様が最も選択されやすく、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が特殊図柄Cのゾロ目からなる特別結果態様である場合には、第1〜第3報知態様を選択可能であり、その中で第3報知態様が最も選択されやすくなっていても良い。
また、オーバー入賞報知演出の報知態様の振り分けに使用する情報は、飾り特図変動表示ゲームの結果態様に限定されず適宜変更可能であり、例えば、未消化の始動記憶に対応するリーチ系統であっても良いし、未消化の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果であっても良い。
また、第1報知態様のタイプの振り分けに使用する情報は、飾り特図変動表示ゲームの結果態様に限定されず適宜変更可能であり、例えば、未消化の始動記憶に対応するリーチ系統であっても良いし、未消化の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果であっても良い。
また、第2報知態様のタイプの振り分けに使用する情報は、未消化の始動記憶に対応するリーチ系統に限定されず適宜変更可能であり、例えば、未消化の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果であっても良い。
また、大入賞口へのオーバー入賞が発生した場合に加えて(あるいは替えて)、始動入賞口へのオーバー入賞が発生した場合にも、オーバー入賞報知演出を実行しても良い。始動入賞口へのオーバー入賞が発生した場合とは、第1始動記憶(始動入賞口36への入賞に対応する始動記憶)の記憶数が上限数(例えば、4個)である状態で始動入賞口36へ遊技球が入賞した場合や、第2始動記憶(普通変動入賞装置37への入賞に対応する始動記憶)の記憶数を上限数(例えば、4個)である状態で普通変動入賞装置37へ遊技球が入賞した場合である。
特図時短中(普電サポート中)は、大当りがなかなか発生せず上皿21の遊技球がなくなってしまって間延び感や興趣の低下を生じる可能性があるが、始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)へのオーバー入賞が発生した場合にオーバー入賞報知演出を実行することで、注視できるポイントが増えて遊技の興趣が向上する。また、オーバー入賞報知演出を実行することで、大当り期待度を示唆可能であるため、始動入賞に対する興味が維持可能となる。
このように本実施形態の遊技機10によれば、所定条件の成立に基づき実行されるゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果となった場合に、変動入賞装置(特別変動入賞装置38)を遊技球が入賞しやすい状態に変換可能な遊技機において、変動入賞装置への遊技球の入賞数が予め定められた規定数(本実施形態の場合、入賞上限数)を突破した場合に、該規定数を突破したことを報知する規定数突破演出(オーバー入賞報知演出)を実行する規定数突破演出手段(演出制御装置300)を備え、規定数突破演出手段は、規定数突破演出において、規定数を突破したことを報知するとともに、所定情報(本実施形態の場合、大当り期待度や確率設定値)を示唆可能である(図62参照)。
したがって、規定数突破演出(オーバー入賞報知演出)によって、変動入賞装置への遊技球の入賞数が規定数を突破したことを報知できるだけでなく、所定情報も示唆できるため、規定数突破演出の興趣を高めることができる。
なお、規定数を突破したか否か(すなわち、規定数を超えたか否か)の判定の仕方は、適宜選択可能である。具体的には、本実施形態においては、例えば、[1]大入賞口への遊技球の入賞数が「入賞上限数」を上回るか否か判定し、“入賞上限数”を上回ると判定した場合に、規定数を突破したと判定する(すなわち規定数突破演出を実行する)ことも可能であるし、[2]大入賞口への遊技球の入賞数が“入賞上限数”以下であるか否か判定し、“入賞上限数”以下でないと判定した場合に、規定数を突破したと判定する(すなわち規定数突破演出を実行する)ことも可能であるし、[3]大入賞口への遊技球の入賞数が“入賞上限数+1”であるか否か判定し、“入賞上限数+1”であると判定した場合に、規定数を突破したと判定する(すなわち規定数突破演出を実行する)ことも可能であるし、[4]大入賞口への遊技球の入賞数が“入賞上限数+1”以上であるか否か判定し、“入賞上限数+1”以上であると判定した場合に、規定数を突破したと判定する(すなわち規定数突破演出を実行する)ことも可能であるし、[5]大入賞口への遊技球の入賞数が“入賞上限数+1”未満であるか否か判定し、“入賞上限数+1”未満でないと判定した場合に、規定数を突破したと判定する(すなわち規定数突破演出を実行する)ことも可能である。
また、規定数突破演出は、特別遊技状態中だけでなく、小当り遊技状態中に実行しても良い。規定数突破演出を小当り遊技状態中に実行する場合、特別変動入賞装置38(大入賞口)への遊技球の入賞数が規定数(入賞上限数、すなわち一のラウンド遊技中に大入賞口へ入賞可能な遊技球数)を突破した場合に、規定数突破演出(オーバー入賞報知演出)を実行しても良い。
また、小当りRUSHモード(小当りが高頻度で発生することから演出モード)を搭載している遊技機においては、小当りRUSHモード中の払出数が所定数(特定の特別遊技状態(例えば、4R全て短開放の特別遊技状態)における想定払出数や、特別遊技状態の所定期間(例えば、4Rまでは全て長開放で5R以降は全て短開放の特別遊技状態における1〜4Rの期間)における想定払出数や、規定数(例えば、1000))を超えた場合に、特別変動入賞装置38(大入賞口)への遊技球の入賞数が規定数を突破したと判定して、規定数突破演出を実行するよう構成しても良い。このように構成した場合、規定数突破演出によって、所定数よりも多く遊技球を獲得できたことを報知できるとともに、所定情報(本実施形態の場合、大当り期待度や確率設定値)も示唆可能であるため、小当りRUSHモードで獲得遊技球が増えて興趣が高まっているところに、さらに所定情報の示唆を行うことで興趣がさらに上昇するとともに、画面や音やLEDに対しても注視させることができて間延びしない。
また、変動入賞装置は、特別変動入賞装置38に限定されず、普通変動入賞装置37であっても良い。変動入賞装置が普通変動入賞装置37である場合、可動部材37bの1回の開状態における普通変動入賞装置37への遊技球の入賞数が規定数(例えば3個)を突破した場合に、規定数突破演出(オーバー入賞報知演出)を実行しても良いし、第2始動記憶(普通変動入賞装置37への入賞に対応する始動記憶)の記憶数が上限数(例えば、4個)である状態で普通変動入賞装置37へ遊技球が入賞した場合に規定数を突破したと判定して、規定数突破演出(オーバー入賞報知演出)を実行しても良い。
また、本実施形態の遊技機10によれば、始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき実行されるゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果となった場合に、大入賞口(特別変動入賞装置38)を遊技球が入賞しやすい状態に変換するラウンド遊技を複数回実行する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、ラウンド遊技における大入賞口への遊技球の入賞数が所定の上限数(入賞上限数(例えば10個))を超えた場合に、オーバー入賞の発生を報知するオーバー入賞報知演出を実行する報知手段(演出制御装置300)を備え、報知手段は、オーバー入賞報知演出において、オーバー入賞の発生を報知するとともに、所定情報(本実施形態の場合、大当り期待度や確率設定値)を示唆可能であるよう構成されている(図62参照)。
したがって、オーバー入賞報知演出によって、大入賞口へのオーバー入賞の発生を報知できるだけでなく所定情報も示唆できるため、オーバー入賞報知演出の興趣を高めることができる。
なお、特定のラウンド遊技(例えば、1ラウンド目のラウンド遊技、最終ラウンド目のラウンド遊技、Vラウンド遊技、確変昇格演出実行ラウンド遊技)では、オーバー入賞が発生してもオーバー入賞報知演出を実行しないように構成することも可能である。ここで「Vラウンド遊技」とは、特定領域へ流入した遊技球を検出するVスイッチを有する大入賞口と、Vスイッチを有しない大入賞口とを備え、Vスイッチによって遊技球が検出された場合に特別遊技状態の終了後に特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となる遊技機において、Vスイッチを有する大入賞口を狙わせるラウンド遊技のことである。また、「確変昇格演出」とは、特別遊技状態の終了後に特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となるか否かを決定する演出であり、「確変昇格演出実行ラウンド遊技」とは、確変昇格演出が実行されるラウンド遊技のことである。
1ラウンド目のラウンド遊技の実行中は、どの種類の大当りが発生したのか(確変大当りが発生したか否か、16R大当りが発生したか否か等)を報知する演出等を実行する。また、最終ラウンド目のラウンド遊技の実行中は、特別遊技状態中に獲得した遊技球数を報知する演出等を実行する。また、Vラウンド遊技の実行中は、Vスイッチを有する大入賞口を狙うよう報知する演出等を実行する。また、確変昇格演出実行ラウンド遊技では、確変昇格演出等を実行する。これらの演出は、遊技結果や遊技結果に影響する事柄を報知する特定演出、すなわちオーバー入賞よりも遊技者が知りたい情報を報知する特定演出である。したがって、特定のラウンド遊技の実行中はオーバー入賞報知演出を実行しないよう構成することで、オーバー入賞報知演出と特定演出とが重複して実行されないため、特定演出がオーバー入報知演出によって邪魔されることがない。よって、興趣の低下を防止できるとともに、遊技者が知りたい情報を確実に報知できる。
また、少なくとも特定のラウンド遊技では、特定演出の邪魔にならないオーバー入賞報知演出を実行することも可能である。具体的には、特定演出に使用する演出装置と、オーバー入賞報知演出に使用する演出装置とを異ならせても良い。すなわち、演出装置としては、表示装置(表示装置41など)、音響装置(スピーカ19a,19bなど)、発光装置(枠装飾装置18や盤装飾装置46など)、役物装置(盤演出装置44など)、振動装置(振動するボタンやウーハーなど)、送風装置(遊技者に向かって風を出す装置など)等が挙げられるが、例えば、特定のラウンド遊技では、表示装置及び音響装置によって特定演出を実行し、発光装置及び送風装置によってオーバー入賞報知演出を実行するよう構成しても良い。このように構成することで、オーバー入賞報知演出と特定演出とが重複して実行されても、特定演出がオーバー入報知演出によって邪魔されないため、興趣の低下を防止できる。また、所定情報(本実施形態の場合、大当り期待度や確率設定値)の示唆と一緒に特定演出を実行できるため興趣の向上が可能となる。
また、左打ちの方が入賞しやすい大入賞口と、右打ちの方が入賞しやすい大入賞口とを備え、特別遊技状態中に打ち方を変更させる(左打ちから右打ちへと変更させたり、右打ちから左打ちへと変更させたりする)遊技機において、打ち方の変更直前から変更直後までの間は、オーバー入賞が発生してもオーバー入賞報知演出を実行しないように構成することも可能である。
また、特定のラウンド遊技では、所定情報も示唆するオーバー入賞報知演出(本実施形態の場合、第2報知態様又は第3報知態様のオーバー入賞報知演出)のみを実行可能とし、特定のラウンド遊技以外のラウンド遊技では、所定情報は示唆しないオーバー入賞報知演出(本実施形態の場合、第1報知態様のオーバー入賞報知演出)のみを実行可能としても良い。すなわち、特定のラウンド遊技では、所定情報は示唆しないオーバー入賞報知演出を実行不可能とし、特定のラウンド遊技以外のラウンド遊技では、所定情報も報知(示唆)するオーバー入賞報知演出を実行不可能としても良い。
また、オーバー入賞報知演出の報知態様を第2報知態様又は第3報知態様に決定した場合には、特定のラウンド遊技では、報知態様のタイプとしてタイプ4が選択されやすい(あるいは、タイプ4しか選択されない)ようにしても良い。あるいは、逆に、特定のラウンド遊技では、報知態様のタイプとしてタイプ4が選択されにくい(あるいは、タイプ4は選択されない)ようにしても良い。タイプ4は期待度が最も高いタイプであるため、第2報知態様のタイプ4や第3報知態様のタイプ4で実行されるオーバー入賞報知演出は遊技者の目を引く演出であると言える。このようなオーバー入賞報知演出(すなわち第2報知態様のタイプ4や第3報知態様のタイプ4で実行されるオーバー入賞報知演出)を、特定のラウンド遊技では実行しないよう構成することで、特定のラウンド遊技に注目させることができ、興趣が向上する。
また、1ラウンド目のラウンド遊技から特定のラウンド遊技まで続けてオーバー入賞が発生した場合、特定のラウンド遊技よりも後のラウンド遊技では、オーバー入賞が発生した際に特定の報知態様でのみオーバー入賞報知演出を実行しても良い。具体的には、例えば、1ラウンド目のラウンド遊技から5ラウンド目のラウンド遊技まで続けて(すなわち、5回続けて)オーバー入賞が発生した場合には、6〜16ラウンド目のラウンド遊技では、オーバー入賞が発生した際に第2報知態様又は第3報知態様でオーバー入賞報知演出を実行する(すなわち、第1報知態様のオーバー入賞報知演出は実行しない)ように構成しても良い。また、例えば、1ラウンド目のラウンド遊技から15ラウンド目のラウンド遊技まで続けて(すなわち、15回続けて)オーバー入賞が発生した場合には、16ラウンド目のラウンド遊技では、オーバー入賞が発生した際に第3報知態様でオーバー入賞報知演出を実行する(すなわち、第1報知態様のオーバー入賞報知演出や第2報知態様のオーバー入賞報知演出は実行しない)ように構成しても良い。
また、2回続けてオーバー入賞が発生した場合には、2回目のオーバー入賞の発生時にはオーバー入賞報知演出を実行しないようにしても良い。これにより、オーバー入賞報知演出が連続しない(重複しない)ので、分かりやすいオーバー入賞報知演出を実行できる。
また、大入賞口へのオーバー入賞が発生したという条件と、一般入賞口35への遊技球の入賞数が規定数(例えば1ラウンドで3個)を超えたという条件のいずれか一方を満たした場合に、オーバー入賞報知演出を実行するようにしても良い。これにより、大入賞口へのオーバー入賞が発生したという条件だけでなく、一般入賞口35への遊技球の入賞数が規定数を超えたという条件も追加することで、オーバー入賞報知演出の実行頻度が増加するため、興趣が向上する。
あるいは、大入賞口へのオーバー入賞が発生したという条件と、一般入賞口35への遊技球の入賞数が規定数を超えたという条件との両方を満たした場合に、オーバー入賞報知演出を実行するようにしても良い。
また、オーバー入賞報知演出は、特別遊技状態中だけでなく、小当り遊技状態中に実行しても良い。
また、本実施形態の遊技機10において、始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて入賞記憶を記憶する入賞記憶手段(遊技制御装置100)と、入賞記憶手段に所定の上限数まで入賞記憶が記憶されている状態で始動入賞口へ遊技球が入賞した場合に、規定数を突破したことを報知する規定数突破演出(オーバー入賞報知演出)を実行する規定数突破演出手段(演出制御装置300)を備え、規定数突破演出手段は、規定数突破演出において、規定数を突破したことを報知するとともに、所定情報(本実施形態の場合、大当り期待度や確率設定値)を示唆可能であるよう構成することができる。
このように構成することで、規定数突破演出(オーバー入賞報知演出)によって、始動入賞口への遊技球の入賞数が規定数を突破したことを報知できるだけでなく、所定情報も示唆できるため、規定数突破演出の興趣を高めることができる。
すなわち、本実施形態の遊技機10において、始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて入賞記憶を記憶する入賞記憶手段(遊技制御装置100)と、入賞記憶手段に所定の上限数まで入賞記憶が記憶されている状態で始動入賞口へ遊技球が入賞した場合に、オーバー入賞の発生を報知するオーバー入賞報知演出を実行する報知手段(演出制御装置300)を備え、報知手段は、オーバー入賞報知演出において、オーバー入賞の発生を報知するとともに、所定情報(本実施形態の場合、大当り期待度や確率設定値)を示唆可能であるよう構成することができる。
このように構成することで、オーバー入賞報知演出によって、始動入賞口へのオーバー入賞の発生を報知できるだけでなく所定情報も示唆できるため、オーバー入賞報知演出の興趣を高めることができる。
なお、例えば、飾り特図始動記憶表示のシフト時、飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させて先読み結果を報知(示唆)する保留変化演出の実行中、期待度の高いリーチ演出の実行中、飾り特図変動表示ゲームにおける結果態様の表示中(図柄停止中)等の、遊技者が注目する演出が実行されている場合には、始動入賞口へのオーバー入賞の発生を報知するオーバー入賞報知演出を実行しないよう構成しても良い。
また、本実施形態の遊技機10において、ゲーム(特図変動表示ゲーム)の抽選に用いる確率値が割り当てられた複数の確率設定値のうちから一の確率設定値を設定可能な設定手段(遊技制御装置100)を備え、規定数突破演出手段(演出制御装置300)は、所定情報は示唆せずに規定数を突破したことを報知する第1演出態様(第1報知態様)と、規定数を突破したことを報知するとともに、所定情報としてゲームの結果が特別結果となる期待度(大当り期待度)を示唆する第2演出態様(第2報知態様)と、規定数を突破したことを報知するとともに、所定情報として確率設定値を示唆する第3演出態様(第3報知態様)と、のいずれかで規定数突破演出(オーバー入賞報知演出)を実行するよう構成することができる(図62参照)。
このように構成することで、規定数突破演出(オーバー入賞報知演出)によって、変動入賞装置への遊技球の入賞数が規定数を突破したことを報知できるだけでなく、大当り期待度や確率設定値も示唆できるため、規定数突破演出の興趣を高めることができる。
なお、オーバー入賞報知演出によって示唆可能な所定情報は、未消化の始動記憶の大当り期待度、現在設定されている確率設定値に限定されず適宜変更可能であり、例えば、未消化の始動記憶のリーチ発生期待度であっても良いし、未消化の始動記憶の確変移行期待度であっても良い。
また、規定数突破演出(オーバー入賞報知演出)は、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、スピーカ19a,19bからの音声、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作のうち少なくとも一つによって、オーバー入賞の発生や所定情報を報知(示唆)する演出であれば良い。また、遊技機10が、演出装置として振動装置や送風装置を備えている場合には、振動装置や送風装置を用いて、規定数突破演出(オーバー入賞報知演出)を実行することも可能である。
また、本実施形態の遊技機10において、規定数突破演出(オーバー入賞報知演出)が実行された実行回数(すなわち、オーバー入賞が発生した回数)を評価する評価演出(オーバー入賞評価演出)を実行する評価演出手段(演出制御装置300)を備え、評価演出手段は、特別遊技状態における特定のラウンド遊技(本実施形態の場合、最終ラウンド目のラウンド遊技)の実行中に評価演出を実行可能であり、評価演出において、実行回数を評価するとともに、所定情報(本実施形態の場合、大当り期待度や確率設定値)を示唆可能であるよう構成することができる(図65参照)。
このように構成することで、入賞口への遊技球の入賞数が予め定められた規定数を突破したことを報知する演出として、規定数突破演出(オーバー入賞報知演出)だけでなく、規定数突破演出の実行回数を評価する評価演出(オーバー入賞評価演出)も実行することができるため、入賞口への遊技球の入賞数が予め定められた規定数を突破したことを報知する演出の興趣を高めることができる。
なお、評価演出(オーバー入賞評価演出)は、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、スピーカ19a,19bからの音声、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作のうち少なくとも一つによって、オーバー入賞の発生回数や所定情報を報知(示唆)する演出であれば良い。また、遊技機10が、演出装置として振動装置や送風装置を備えている場合には、振動装置や送風装置を用いて、評価演出(オーバー入賞評価演出)を実行することも可能である。
また、始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)へのオーバー入賞が発生した場合に規定数突破演出(オーバー入賞報知演出)を実行し、所定期間における規定数突破演出の実行回数を評価する評価演出(オーバー入賞評価演出)を実行しても良い。また、一般入賞口35への遊技球の入賞数が規定数(例えば1ラウンドで3個)を突破した場合に規定数突破演出を実行し、所定期間における規定数突破演出の実行回数を評価する評価演出を実行しても良い。
評価演出の対象となる入賞口をいずれにするか(大入賞口にするか始動入賞口にするか一般入賞口にするか)は、大当りの種類や遊技状態に応じて変更しても良い。
また、本実施形態の遊技機10において、規定数突破演出手段(演出制御装置300)は、規定数突破演出において、規定数を突破したことを報知するとともに、所定情報(本実施形態の場合、大当り期待度や確率設定値)を示唆可能であるよう構成することができる。
したがって、規定数突破演出(オーバー入賞報知演出)によって、変動入賞装置への遊技球の入賞数が規定数を突破したことを報知できるだけでなく、所定情報も示唆できるため、入賞口への遊技球の入賞数が予め定められた規定数を突破したことを報知する演出の興趣を高めることができる。
なお、評価演出(オーバー入賞評価演出)を実行可能に構成されている場合、規定数突破演出(オーバー入賞報知演出)は所定情報を示唆可能でなくても良い。
<入賞数報知演出>
遊技機10は、ラウンド遊技中に大入賞口(特別変動入賞装置38)へ入賞した遊技球数を報知する入賞数報知演出を実行可能である。演出制御装置300は、特別遊技状態中に、大当り中演出(ファンファーレ演出、ラウンド演出、インターバル演出、及びエンディング演出)を実行する。入賞数報知演出は、大当り中演出のうちラウンド演出において実行される。
なお、本実施形態では、入賞上限数(すなわち、一のラウンド遊技中に大入賞口へ入賞可能な遊技球数)を10個とするが、入賞上限数はこれに限定されず適宜変更可能である。
具体的には、例えば図66(a)に示すように、遊技制御装置100は、特図変動中処理(図22)のステップA603にて設定した表示時間(特図の停止表示時間)が終了すると、大当りファンファーレ時間(図23のステップA720参照)を設定するとともに、ファンファーレコマンド(図23のステップA716参照)を演出制御装置300に送信する。演出制御装置300は、例えば図66(b)に示すように、遊技制御装置100からのファンファーレコマンドの受信に基づいてファンファーレ演出を開始する。
次いで、例えば図66(a)に示すように、遊技制御装置100は、設定した大当りファンファーレ時間が終了すると、1ラウンド目の大入賞口開放時間(図52のステップA907,A908参照)を設定して1ラウンド目のラウンド遊技を開始するとともに、ラウンドコマンド(図52のステップA902参照)を演出制御装置300に送信する。演出制御装置300は、例えば図66(b)に示すように、遊技制御装置100からのラウンドコマンドの受信に基づいて、1ラウンド目のラウンド遊技に対応するラウンド演出を開始する。
次いで、例えば図66(a)に示すように、遊技制御装置100は、設定した大入賞口開放時間が終了すると、残存球処理時間(図53のステップA1005,A1006参照)を設定するとともに、インターバルコマンド(図53のステップA1007参照)を演出制御装置300に送信する。演出制御装置300は、例えば図66(b)に示すように、遊技制御装置100からのインターバルコマンドの受信に基づいてインターバル演出を開始する。
次いで、例えば図66(a)に示すように、遊技制御装置100は、設定した残存球処理時間が終了すると、インターバル時間(図54のステップA1109参照)を設定する。
次いで、遊技制御装置100は、設定したインターバル時間が終了すると、2ラウンド目の大入賞口開放時間を設定して2ラウンド目のラウンド遊技を開始するとともに、ラウンドコマンドを演出制御装置300に送信する。演出制御装置300は、例えば図66(b)に示すように、遊技制御装置100からのラウンドコマンドの受信に基づいて、2ラウンド目のラウンド遊技に対応するラウンド演出を開始する。
そして、例えば図66(a)に示すように、遊技制御装置100は、最終ラウンド目の大入賞口開放時間が終了すると、最終用の残存球処理時間(図53のステップA1008参照)を設定するとともに、エンディングコマンド(図53のステップA1009参照)を演出制御装置300に送信する。演出制御装置300は、例えば図66(b)に示すように、遊技制御装置100からのエンディングコマンドの受信に基づいてエンディング演出を開始する。
その後、例えば図66(a)に示すように、遊技制御装置100は、設定した残存球処理時間が終了すると、エンディング時間(図54のステップA1115参照)を設定し、設定したエンディング時間が終了すると、特別遊技状態を終了する。
図67に、入賞数報知演出に関する処理の一例を示す。
演出制御装置300は、例えば図67(a)に示すように、結果が大当りである特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが終了すると、例えば図67(b)に示すように、ファンファーレ演出を開始する。
次いで、演出制御装置300は、ファンファーレ演出が終了すると、例えば図67(c)に示すように、1ラウンド目のラウンド遊技に対応するラウンド演出を開始する。さらに、ラウンド演出の開始とともに、入賞数報知演出を開始して、入賞上限数(10個)と同数の入賞報知画像M1を表示する。これにより、遊技者は、実行中のラウンド遊技における入賞上限数を把握することができる。
その後、演出制御装置300は、例えば図67(d)〜(f)に示すように、大入賞口へ遊技球が入賞するごとに、入賞報知画像M1を1個ずつ消去する。これにより、消去された入賞報知画像M1の個数が、実行中のラウンド遊技において大入賞口へ入賞した遊技球数と一致するため、遊技者は、実行中のラウンド遊技において大入賞口へ入賞した遊技球数を把握することができる。そして、大入賞口へのオーバー入賞が発生した場合には、オーバー入賞報知演出を実行する(図63(b)参照)。
次いで、演出制御装置300は、1ラウンド目のラウンド遊技に対応するラウンド演出が終了すると、インターバル演出を開始する。
次いで、演出制御装置300は、インターバル演出が終了すると、例えば図67(g)に示すように、2ラウンド目のラウンド遊技に対応するラウンド演出を開始するとともに、入賞数報知演出を開始して、入賞上限数と同数の入賞報知画像M1を表示する。そして、大入賞口へ遊技球が入賞するごとに入賞報知画像M1を1個ずつ消去し、大入賞口へのオーバー入賞が発生した場合にはオーバー入賞報知演出を実行する。演出制御装置300は、このような処理を、最終ラウンド目のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。
ここで、入賞数報知演出はラウンド演出とともに開始するため、例えば図66(c)に示すように、ファンファーレ演出の実行時間が長く、大入賞口開放時間が開始してもファンファーレ演出が終了しない場合には、ファンファーレ演出の実行中、すなわち入賞数報知演出の開始前に、大入賞口へ遊技球が入賞する可能性がある。そこで、本実施形態では、入賞数報知演出の開始前に大入賞口へ遊技球が入賞した場合には、入賞数報知演出が開始した後に、入賞数報知演出の開始前に大入賞口へ入賞した遊技球数と同数の入賞報知画像M1を1個ずつ消去する。
具体的には、演出制御装置300は、例えば図68(a)に示すように、結果が大当りである特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが終了すると、例えば図68(b)に示すように、ファンファーレ演出を開始する。そして、ファンファーレ演出の実行中に大入賞口へ遊技球が入賞する。ここでは、2個の遊技球がファンファーレ演出の実行中に大入賞口へ入賞したとする。
次いで、演出制御装置300は、ファンファーレ演出が終了すると、例えば図68(c)に示すように、1ラウンド目のラウンド遊技に対応するラウンド演出を開始するとともに、入賞数報知演出を開始して、入賞上限数と同数の入賞報知画像M1を表示する。そして、例えば図68(d)〜(e)に示すように、ファンファーレ演出の実行中(すなわち入賞数報知演出の開始前)に大入賞口へ入賞した遊技球数と同数の入賞報知画像M1を1個ずつ消去する。これにより、消去された入賞報知画像M1の個数が、ファンファーレ演出の実行中に大入賞口へ入賞した遊技球数と一致するため、遊技者は、ファンファーレ演出の実行中(すなわち入賞数報知演出の開始前)に大入賞口へ入賞した遊技球数を把握することができる。
その後、演出制御装置300は、例えば図68(f)〜(g)に示すように、大入賞口へ遊技球が入賞するごとに、入賞報知画像M1を1個ずつ消去する。そして、大入賞口へのオーバー入賞が発生した場合には、オーバー入賞報知演出を実行する(図63(b)参照)。
ファンファーレ演出は、例えば図67(b)に示すように特別遊技状態の開始を報知する開始報知演出であっても良いし、例えば図68(b)に示すように遊技者の演出ボタン25(タッチパネル29を含む)の操作を介入させた操作介入演出であっても良い。
ファンファーレ演出として実行する操作介入演出は、例えば、大当り中演出の実行中にスピーカ19a,19bから出力する楽曲を選択する演出(図68(b)参照)、大当り中演出の実行中に出現するキャラクタを選択する演出、大当り中演出の演出モードを選択する演出などである。
なお、入賞報知画像M1の消去態様は適宜選択可能であり、例えば、入賞報知画像M1が瞬時に消える態様であっても良いし、入賞報知画像M1が徐々に薄くなってやがて消える態様(フェードアウト態様)であっても良いし、入賞報知画像M1が表示装置41の表示領域外へと移動して消える態様であっても良いし、入賞報知画像M1が所定のキャラクタ画像によって表示装置41の表示領域外へと吹き飛ばされて消える態様であっても良い。
また、大入賞口への連続入賞が発生した場合(すなわち、複数の遊技球が大入賞口へ略同時に流入した場合)には、通常の消去態様とは異なる消去態様で、連続入賞した遊技球数と同数の入賞報知画像M1を消去するよう構成しても良い。例えば、通常の消去態様が、瞬時に消える態様であり、かつ1個ずつ入賞報知態様Mを消去する態様である場合には、連続入賞した遊技球数と同数の入賞報知態様M1を瞬時に消える態様で同時に消去しても良いし、連続入賞した遊技球数と同数の入賞報知態様M1をフェードアウト態様で1個ずつ(あるいは同時に)消去しても良い。
また、特定のラウンド遊技(例えば、短開放用の大入賞口開放時間が設定されるラウンド遊技)に対応するラウンド演出では、入賞数報知演出を実行しないよう構成しても良い。
また、特定のラウンド遊技に対応するラウンド演出中に実行する入賞数報知演出の演出態様を、特定のラウンド遊技以外のラウンド遊技に対応するラウンド演出中に実行する入賞数報知演出の演出態様と異ならせても良い。具体的には、例えば、長開放用の大入賞口開放時間が設定されるラウンド遊技(特定のラウンド遊技以外のラウンド遊技)中に実行する入賞数報知演出では、例えば図67や図68に示すように、大入賞口へ遊技球が入賞するごとに入賞報知画像M1を1個ずつ消去する消去演出のみを実行し、短開放用の大入賞口開放時間が設定されるラウンド遊技(特定のラウンド遊技)中に実行する入賞数報知演出では、例えば図69(a)に示すように、大入賞口へ遊技球が入賞するごとに入賞報知画像M1を1個ずつ消去する消去演出とともに、消去演出以外の演出を実行しても良い。図69(a)に示す例では、消去演出以外の演出として、大入賞口へ遊技球が入賞したことに基づき所定のキャラクタが出現して当該キャラクタが所定のセリフ(「すごいね」等)を発する演出を実行している。
また、入賞数報知演出は、例えば図69(b)に示すように、入賞数報知演出の開始時に入賞上限数と同数の入賞報知画像M1を表示せず、大入賞口へ遊技球が入賞するごとに入賞報知画像M1を1個ずつ出現させる演出であっても良い。この場合、表示されている入賞報知画像M1の個数が、実行中のラウンド遊技において大入賞口へ入賞した遊技球数と一致するため、遊技者は、実行中のラウンド遊技において大入賞口へ入賞した遊技球数を把握することができる。
なお、この場合、入賞数報知演出の開始前(すなわちファンファーレ演出の実行中)に大入賞口へ遊技球が入賞した場合には、入賞数報知演出が開始した後に、入賞数報知演出の開始前に大入賞口へ入賞した遊技球数と同数の入賞報知画像M1を1個ずつ出現させる。また、この場合、入賞報知画像M1の出現態様は適宜選択可能であり、例えば、入賞報知画像M1が瞬時に現れる態様であっても良いし、入賞報知画像M1が徐々に濃くなる態様(フェードイン態様)であっても良いし、入賞報知画像M1が表示装置41の表示領域外から表示領域内の定位置へと移動してくる態様であっても良い。また、この場合、大入賞口への連続入賞が発生した場合(すなわち、複数の遊技球が大入賞口へ略同時に流入した場合)には、通常の出現態様とは異なる出現態様で、連続入賞した遊技球数と同数の入賞報知画像M1を出現させるよう構成しても良い。
また、例えば図69(c)に示すように、現在のラウンド数をラウンド報知画像M2によって報知するようにしても良い。図69(c)に示す例では、ラウンド演出を実行するごとにラウンド報知画像M2を1個ずつ出現させている、すなわち表示されているラウンド報知画像M2の個数が現在のラウンド数と一致しているが、その逆であっても良い。すなわち、ラウンド数上限値(本実施形態の場合、「16」又は「4」)と同数のラウンド報知画像M2をファンファーレ演出中(あるいは、1ラウンド目のラウンド遊技に対応するラウンド演出の開始時)に表示して、ラウンド演出を実行するごとにラウンド報知画像M2を1個ずつ消去するようにしても良い。この場合、表示されているラウンド報知画像M2の個数が残りのラウンド数と一致することとなる。
また、ラウンド報知画像M2とラウンド数とは1:1で対応していなくても良い。すなわち、所定の複数回(例えば4回)のラウンド演出を実行するごとにラウンド報知画像M2を1個ずつ出現させても良い。あるいは、逆に、“ラウンド数上限値÷所定の複数回”と同数のラウンド報知画像M2をファンファーレ演出中等に表示して、当該所定の複数回のラウンド演出を実行するごとにラウンド報知画像M2を1個ずつ消去するようにしても良い。
また、図69(c)に示す例では、ラウンド数上限値と同数の点線○画像(すなわち、ラウンド報知画像M2が表示される領域を示す画像)をファンファーレ演出中等に表示しているが、最初からラウンド数上限値と同数の点線○画像を表示する必要はない。例えば、大当りパターンを示す大入賞口開放情報として、大入賞口開放情報2(16R:全て長開放)と大入賞口開放情報3(16R:1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)の何れかが選択された際に、4R目でラウンド継続報知演出を実行し、選択された大入賞口開放情報が大入賞口開放情報2であれば、ラウンド継続報知演出においてラウンド継続が報知され、5R目以降のラウンドにおいても大入賞口が長開放で開放され、選択された大入賞口開放情報が大入賞口開放情報3であれば、ラウンド継続報知演出においてランクダウン演出が行われてラウンド非継続が報知され、5R目以降のラウンドにおいて大入賞口が短開放で開放される場合がある。このような場合に、最初は4個の点線○画像を表示して、ラウンド継続報知演出においてラウンド継続が報知された際には残りの点線○画像を表示し、ラウンド継続報知演出においてラウンド非継続が報知された際には残りの点線○画像を表示しないようにしても良い。これにより、追加で表示される点線○画像によって以降のラウンドが長開放であることを報知でき、興趣が向上する。
また、入賞報知画像M1やラウンド報知画像M2は、円形状の画像に限定されず適宜変更可能であり、例えば、多角形状の画像であっても良いし、キャラクタ画像であっても良い。また、入賞報知画像M1とラウンド報知画像M2とは異なる形状であっても良い。
また、入賞報知画像M1は、例えば図70に示すように、表示装置41の表示領域に表示される所定画像の手前側に当該所定画像に重ねて表示されるもの、すなわち表示装置41に表示される所定画像を隠すものであっても良い。
具体的には、演出制御装置300は、例えば図71(a)に示すように、ラウンド演出の開始とともに、入賞数報知演出を開始して、入賞上限数と同数のパネル状(ここでは矩形パネル状)の入賞報知画像M1を、表示装置41に表示される所定画像(ここではキャラクタ画像、セリフ画像、及び装飾画像)の手前側に表示する。その後、演出制御装置300は、例えば図71(b)〜(g)に示すように、大入賞口へ遊技球が入賞するごとに、入賞報知画像M1を1個ずつ消去する。これにより、入賞上限数と同数のパネル状の入賞報知画像M1によって隠蔽されていた所定画像が、徐々に視認可能となる。そして、大入賞口へのオーバー入賞が発生した場合には、例えば図71(h)に示すように、オーバー入賞報知演出を実行する。ここでは、入賞報知画像M1によって隠蔽されていた所定画像を利用したオーバー入賞報知演出が実行されている。
なお、図70及び図71に示す例では、所定画像は、キャラクタ画像とセリフ画像と装飾画像とであるが、所定画像はこれらに限定されず適宜変更可能である。
また、図70及び図71に示す例では、パネル状の入賞報知画像M1の形状及びサイズが、表示装置41の表示領域を入賞上限数と同数分分割して得られる小領域の形状及びサイズと同一であるため、表示装置41に表示される所定画像の全体が、入賞上限数と同数のパネル状の入賞報知画像M1によって隠蔽されているが、パネル状の入賞報知画像M1の形状及びサイズは適宜変更可能である。すなわち、入賞上限数と同数のパネル状の入賞報知画像M1によって、表示装置41に表示される所定画像の少なくとも一部を隠蔽できれば良い。
また、図71に示す例では、大入賞口へのオーバー入賞が発生した場合にオーバー入賞報知演出を実行しているが、入賞報知演出の開始時にオーバー入賞報知演出も開始し、パネル状の入賞報知画像M1によって当該オーバー入賞報知演出に関する画像(例えば、図71(h)に示す画像、以下「オーバー入賞報知画像」という)を隠蔽するようにしても良い。具体的には、入賞数報知演出の開始時に、“入賞上限数+1”と同数のパネル状の入賞報知画像M1を、所定画像としてのオーバー入賞報知画像の手前側に表示する。その際、オーバー入賞報知画像のうちのセリフ画像以外(例えばキャラクタ画像や装飾画像)は、入賞上限数と同数のパネル状の入賞報知画像M1によって隠蔽されるとともに、オーバー入賞報知画像のうちのセリフ画像(例えば「激熱だね!」)は、残りのパネル状の入賞報知画像M1によって隠蔽されるようにする。そして、大入賞口へ遊技球が入賞するごとに、セリフ画像以外を隠蔽する入賞報知画像M1を1個ずつ消去し、オーバー入賞が発生した場合に、セリフ画像を隠蔽する入賞報知画像M1を消去するようにしても良い。これにより、オーバー入賞が発生する前からオーバー入賞報知画像の一部が視認可能となるため、オーバー入賞に対する興趣が向上する。
さらに、この場合、大入賞口へのオーバー入賞が発生したという条件と、一般入賞口35への遊技球の入賞数が規定数(例えば1ラウンドで3個)を超えたという条件のいずれか一方を満たした場合に、セリフ画像を隠蔽する入賞報知画像M1を消去するようにしても良い。これにより、大入賞口へのオーバー入賞が発生したという条件だけでなく、一般入賞口35への遊技球の入賞数が規定数を超えたという条件も追加することで、セリフ画像を隠蔽する入賞報知画像M1の消去確率が高まるため、興趣が向上する。
あるいは、大入賞口へのオーバー入賞が発生したという条件と、一般入賞口35への遊技球の入賞数が規定数を超えたという条件との両方を満たした場合に、セリフ画像を隠蔽する入賞報知画像M1を消去するようにしても良い。
また、この場合、パネル状の入賞報知画像M1は、オーバー入賞報知画像を隠蔽する(視認不能にする)画像ではなく、オーバー入賞報知画像を視認困難にする画像(例えば半透明の画像)であっても良い。これにより、セリフ画像を隠蔽する入賞報知画像M1が消去されなくても、オーバー入賞報知演出によって報知又は示唆されるの内容を推測できるため、興趣の低下を抑制することができる。
また、パネル状の入賞報知画像M1(所定画像を視認不能にする入賞報知画像M1であっても良いし、所定画像を視認困難にする入賞報知画像M1であっても良い)は、大入賞口へ遊技球が入賞したときやオーバー入賞が発生したときに消去するのではなく、徐々に透明になるように変化させても良い。この場合、透明になった入賞報知画像M1を介して、所定画像のうち当該入賞報知画像M1によって隠蔽されていた部分が視認可能になる。
また、入賞数報知演出は、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、スピーカ19a,19bからの音声、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作のうち少なくとも一つによって、実行中のラウンド遊技において大入賞口へ入賞した遊技球数を報知する演出であれば良い。また、遊技機10が、演出装置として振動装置や送風装置を備えている場合には、振動装置や送風装置を用いて、入賞数報知演出を実行することも可能である。
すなわち、入賞数報知演出は、例えば図72に示すように、枠装飾装置18のLEDの発光によって、実行中のラウンド遊技において大入賞口へ入賞した遊技球数を報知する演出であっても良い。具体的には、演出制御装置300は、例えば図72(a)に示すように、ラウンド演出の開始とともに、入賞数報知演出を開始して、枠装飾装置18のLEDのうち、ガラス枠15の所定領域に配置されたLEDを点灯させる。ここで、ガラス枠15の所定領域とは、入賞上限数(10個)と同数の領域15a〜15jである。
その後、演出制御装置300は、例えば図72(b)〜(c)に示すように、大入賞口へ遊技球が入賞するごとに、第1領域15aに配置されたLED→第2領域15bに配置されたLED→第3領域15cに配置されたLED→第4領域15dに配置されたLED→第5領域15eに配置されたLED→第6領域15fに配置されたLED→第7領域15gに配置されたLED→第8領域15hに配置されたLED→第9領域15iに配置されたLED→第10領域15jに配置されたLEDの順に消灯させる。これにより、非発光状態の領域の個数が、実行中のラウンド遊技において大入賞口へ入賞した遊技球数と一致するため、遊技者は、実行中のラウンド遊技において大入賞口へ入賞した遊技球数を把握することができる。
あるいは、逆に、入賞数報知演出の開始時にガラス枠15の所定領域に配置されたLEDを消灯して、大入賞口へ遊技球が入賞するごとに、第1領域15aに配置されたLED→第2領域15bに配置されたLED→第3領域15cに配置されたLED→…の順に点灯させても良い。この場合、発光状態の領域の個数が、実行中のラウンド遊技において大入賞口へ入賞した遊技球数と一致するため、遊技者は、実行中のラウンド遊技において大入賞口へ入賞した遊技球数を把握することができる。
また、入賞数報知演出に替えて、大入賞口への遊技球の入賞に基づく払出数を報知する払出数報知演出を実行することも可能である。
また、払出数報知演出は、例えば図73に示すように、大入賞口への遊技球の入賞に基づく払出数と、一般入賞口35への遊技球の入賞に基づく払出数との和を報知する演出であっても良い。
具体的には、例えば図73(a)に示すように、演出制御装置300は、ラウンド演出の開始とともに払出数報知演出を開始して、実行中のラウンド遊技における払出合計数を表示する。具体的には、一般入賞口35へ遊技球が入賞するごとに、例えば「+10」を払出合計数に加算し、大入賞口へ遊技球が入賞するごとに、例えば「+14」を払出合計数に加算する。さらに、ファンファーレ演出の実行中、すなわち払出数報知演出の開始前に、大入賞口や一般入賞口35へ遊技球が入賞して当該入賞に基づく払出が行われた際には、例えば図74に示すように、払出数報知演出が開始した後に、ファンファーレ演出の実行中に払い出された遊技球数を払出合計数に加算する。これにより、遊技者は実行中のラウンド遊技における払出合計数を把握できるため、興趣が向上する。
なお、この場合、払出数報知演出は、実行中のラウンド遊技における払出合計数を報知する演出ではなく、発生中の特別遊技状態における払出合計数を報知する演出であっても良い。すなわち、次のラウンド遊技が開始すると、払出合計数を0クリアするのはなく、特別遊技状態が終了するまで継続して払出合計数を更新(加算)するようにしても良い。これにより、遊技者は、1回の特別遊技状態における払出合計数を把握できるため、興趣が向上する。
あるいは、例えば図73(b)に示すように、演出制御装置300は、ラウンド演出の開始とともに払出数報知演出を開始して、実行中のラウンド遊技における払出残り数を表示する。具体的には、一般入賞口35へ遊技球が入賞するごとに、例えば「+10」を払出残り数から減算し、大入賞口へ遊技球が入賞するごとに、例えば「+14」を払出残り数から減算する。さらに、払出残り数が「0」になっても遊技球の払い出しがあった場合(すなわち、1回のラウンド遊技における想定払出数を超える遊技球の払い出しがあった場合)には、特定演出(例えば「?」や「やったね!」などの文字画像を表示する演出)を実行する。さらに、ファンファーレ演出の実行中、すなわち払出数報知演出の開始前に、大入賞口や一般入賞口35へ遊技球が入賞して当該入賞に基づく払出が行われた際には、例えば図75に示すように、払出数報知演出が開始した後に、ファンファーレ演出の実行中に払い出された遊技球数を払出残り数から減算する。これにより、遊技者は実行中のラウンド遊技における払出残り数や、1回のラウンド遊技における想定払出数を超える遊技球の払い出しがあったことを把握できるため、興趣が向上する。
なお、この場合、払出数報知演出は、実行中のラウンド遊技における払出残り数を報知する演出ではなく、発生中の特別遊技状態における払出残り数を報知する演出であっても良い。すなわち、次のラウンド遊技が開始すると、1回のラウンド遊技における想定払出数(例えば「150」)を表示して、当該想定払出数を減算していくのではなく、最初のラウンド遊技の開始時に1回の特別遊技状態における想定払出数(例えば「2000」)を表示して、特別遊技状態が終了するまで継続して当該想定払出数を減算していくようにしても良い。これにより、遊技者は、1回の特別遊技状態における払出残り数を把握できるため、興趣が向上する。
払出数報知演出は、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、スピーカ19a,19bからの音声、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作のうち少なくとも一つによって、実行中のラウンド遊技において大入賞口へ入賞した遊技球数を報知する演出であれば良い。また、遊技機10が、演出装置として振動装置や送風装置を備えている場合には、振動装置や送風装置を用いて、払出数報知演出を実行することも可能である。
このように本実施形態の遊技機10によれば、所定条件の成立に基づき実行されるゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果となった場合に、大入賞口(特別変動入賞装置38)を遊技球が入賞しやすい状態に変換するラウンド遊技を複数回実行する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、ラウンド遊技は、大入賞口への遊技球の入賞数が規定数(入賞上限数)に達した場合、又は所定時間(大入賞口開放時間)が経過した場合に終了し、演出制御手段は、特別遊技状態の発生開始時に行う開始演出(ファンファーレ演出)と、ラウンド遊技中に行うラウンド演出と、を含む特別遊技中演出(大当り中演出)を実行可能であり、特別遊技状態における特定のラウンド遊技(本実施形態の場合、1ラウンド目のラウンド遊技)の実行中に、開始演出を終了して当該特定のラウンド遊技に対応するラウンド演出を開始することが可能であり(図66(c)参照)、ラウンド演出において、大入賞口への遊技球の入賞に対応した入賞数報知演出を実行可能であり、開始演出が終了した後の特定のラウンド遊技に対応するラウンド演出において、当該開始演出の実行中に大入賞口へ入賞した遊技球の個数分の入賞数報知演出を実行する(図68参照)。
したがって、ラウンド演出において、大入賞口への遊技球の入賞に対応した入賞数報知演出を実行可能であり、さらに、開始演出が終了した後の特定のラウンド遊技に対応するラウンド演出においては、当該開始演出の実行中に大入賞口へ入賞した遊技球の個数分の入賞数報知演出を実行するため、特別遊技中演出(大当り中演出)の興趣を高めることができる。
なお、特定のラウンド遊技は、最初のラウンド遊技(1ラウンド目のラウンド遊技)に限定されない。すなわち、特定のラウンド遊技は、2ラウンド目のラウンド遊技等、最初のラウンド遊技以外のラウンド遊技であっても良い。
また、入賞数報知演出は、特別遊技状態中だけでなく、小当り遊技状態中に実行しても良い。
また、本実施形態の遊技機10によれば、ラウンド演出において、規定数と同数の所定画像(入賞報知画像M1)を表示した後、大入賞口への遊技球の入賞ごと当該所定画像を消去していく入賞数報知演出を実行可能であり、開始演出では所定画像を表示せず、当該開始演出の実行中に大入賞口へ遊技球が入賞した場合には、特定のラウンド遊技に対応するラウンド演出において実行される入賞数報知演出で、当該開始演出の実行中に大入賞口へ入賞した遊技球の個数分の所定画像を消去するよう構成することができる(図68参照)。
このように構成することで、実行中のラウンド遊技において大入賞口へ入賞した遊技球数を報知できるとともに、入賞数報知演出の開始前に大入賞口へ入賞した遊技球数も報知できるため、特別遊技中演出(大当り中演出)の興趣を高めることができる。
また、開始演出(ファンファーレ演出)中は所定画像(入賞報知画像M1)を表示せず、ラウンド演出中にのみ所定画像を表示するため、常に所定画像が表示される場合(開始演出中も所定画像が表示される場合)に比べて、ラウンド演出に特別感を与えることができる。したがって、ラウンド演出の興趣が向上するため、特別遊技中演出の興趣を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10において、演出制御手段(演出制御装置300)は、特別遊技状態の発生開始時に行う開始演出(ファンファーレ演出)と、ラウンド遊技中に行うラウンド演出と、を含む特別遊技中演出(大当り中演出)を実行可能であり、特別遊技状態における特定のラウンド遊技(本実施形態の場合、1ラウンド目のラウンド遊技)の実行中に、開始演出を終了して当該特定のラウンド遊技に対応するラウンド演出を開始することが可能であり(図66(c)参照)、ラウンド演出において、大入賞口(特別変動入賞装置38)への遊技球の入賞ごと所定画像(入賞報知画像M1)を表示していく入賞数報知演出を実行可能であり(図69(b)参照)、開始演出では所定画像を表示せず、当該開始演出の実行中に大入賞口へ遊技球が入賞した場合には、特定のラウンド遊技に対応するラウンド演出において実行される入賞数報知演出で、当該開始演出の実行中に大入賞口へ入賞した遊技球の個数分の所定画像を表示するよう構成することができる。
このように構成することで、実行中のラウンド遊技において大入賞口へ入賞した遊技球数を報知できるとともに、入賞数報知演出の開始前に大入賞口へ入賞した遊技球数も報知できるため、特別遊技中演出(大当り中演出)の興趣を高めることができる。
また、開始演出(ファンファーレ演出)中は所定画像(入賞報知画像M1)を表示せず、ラウンド演出中にのみ所定画像を表示するため、常に所定画像が表示される場合(開始演出中も所定画像が表示される場合)に比べて、ラウンド演出に特別感を与えることができる。したがって、ラウンド演出の興趣が向上するため、特別遊技中演出の興趣を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10において、演出制御手段(演出制御装置300)は、開始演出(ファンファーレ演出)において、複数の選択肢のうちから一の選択肢を遊技者に選択させる選択演出(操作介入演出)を実行可能であるよう構成することができる(図68(b)参照)。
このように構成することで、開始演出(ファンファーレ演出)中に所定画像(入賞報知画像M1)を表示しないメリットを拡大することができる。すなわち、開始演出中には所定画像を表示しないため、選択演出に集中させることができることとなって、開始演出の興趣が向上し、特別遊技中演出の興趣を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10において、遊技球の入賞に基づき所定数の遊技球の払い出しが行われる一般入賞口35と、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、ラウンド遊技は、大入賞口(特別変動入賞装置38)への遊技球の入賞数(入賞上限数)が規定数に達した場合、又は所定時間(大入賞口開放時間)が経過した場合に終了し、演出制御手段は、特別遊技状態の発生開始時に行う開始演出(ファンファーレ演出)と、ラウンド遊技中に行うラウンド演出と、を含む特別遊技中演出(大当り中演出)を実行可能であり、特別遊技状態における特定のラウンド遊技(本実施形態の場合、1ラウンド目のラウンド遊技)の実行中に、開始演出を終了して当該特定のラウンド遊技に対応するラウンド演出を開始することが可能であり(図66(c)参照)、ラウンド演出において、大入賞口及び一般入賞口35への遊技球の入賞に基づく払出数に対応した払出数報知演出を実行可能であり、開始演出が終了した後の特定のラウンド遊技に対応するラウンド演出において、当該開始演出の実行中における大入賞口及び一般入賞口35への遊技球の入賞に基づく払出数分の払出数報知演出を実行するよう構成することができる(図74及び図75参照)。
このように構成することで、ラウンド演出において、大入賞口及び一般入賞口35への遊技球の入賞に基づく払出数に対応した払出数報知演出を実行可能であり、さらに、開始演出が終了した後の特定のラウンド遊技に対応するラウンド演出においては、当該開始演出の実行中における大入賞口及び一般入賞口35への遊技球の入賞に基づく払出数分の払出数報知演出を実行することができるため、特別遊技中演出(大当り中演出)の興趣を高めることができる。
<第1獲得出玉数報知演出>
遊技機10は、特別遊技状態の終了時に当該特別遊技状態での払出合計数を報知する第1獲得出玉数報知演出を実行可能である。
本実施形態では、大入賞口への遊技球の入賞に基づく払出数と一般入賞口35への遊技球の入賞に基づく払出数との和を、払出合計数とする。なお、払出合計数は、大入賞口への遊技球の入賞に基づく払出数であっても良いし、大入賞口への遊技球の入賞に基づく払出数と一般入賞口35への遊技球の入賞に基づく払出数との和であっても良い。
〔不正&入賞監視処理〕
まず、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における不正&入賞監視処理(ステップS302,S304,S306)を図76に示した。この不正&入賞監視処理は、特別変動入賞装置38の二つの大入賞口スイッチ38aの各々及び普通変動入賞装置37の始動口2スイッチ37aに対して行われる処理である。大入賞口(特別変動入賞装置38)や普電(普通変動入賞装置37)については、無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行われ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をする。
この不正&入賞監視処理においては、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックし(ステップS321)、不正監視期間中であるかを判定する(ステップS322)。不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチが大入賞口スイッチ38aである場合は特別変動入賞装置38を開放する特別遊技状態中以外の期間であり、エラー監視対象の入賞口スイッチが始動口2スイッチ37aである場合は普図の当りに基づき普通変動入賞装置37の開放制御を実行している状態以外の期間である。
そして、不正監視期間である場合(ステップS322;Y)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップS323)。対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップS323;N)は、対象の報知タイマ更新情報をロードする(ステップS332)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップS323;Y)は、対象の不正入賞数を+1更新し(ステップS324)、更新後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上であるかを判定する(ステップS325)。
本実施形態の場合、エラー監視対象の入賞口スイッチの種類にかかわらず、不正発生判定個数を5個に設定しているが、不正発生個数は、入賞口スイッチの種類毎に異なる個数を定義することもできる。判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球が大入賞口スイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しないようにするためであり、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。
そして、不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上でない場合(ステップS325;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備する(ステップS330)。入賞口スイッチ/状態監視処理にて準備された入賞口監視テーブル(不正監視テーブル)には、対象のスイッチに入力があるかを判定するデータの位置を示す監視スイッチビット、不正監視情報の下位アドレス、不正入賞数領域の下位アドレス、不正入賞エラー報知コマンド、不正入賞数上限値(不正発生判定個数)、入賞口スイッチテーブルのアドレス、報知タイマ更新情報(許可/更新)の情報が定義されている。
また、不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上である場合(ステップS325;Y)は、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップS326)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値(例えば、60000m秒)をセーブする(ステップS327)。次に、対象の不正発生コマンドを準備し(ステップS328)、不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備して(ステップS329)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS340)。
一方、不正監視期間中でない場合(ステップS322;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備し(ステップS330)、賞球の設定を行う入賞数カウンタ更新処理(ステップS331)を行う。そして、対象の報知タイマ更新情報をロードし(ステップS332)、報知タイマの更新許可の有無を判定する(ステップS333)。そして、報知タイマの更新が許可されない場合(ステップS333;N)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、報知タイマの更新が許可される場合(ステップS333;Y)は、対象の報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップS334)。なお、報知タイマの最小値は0に設定されている。
報知タイマの更新は、エラー監視対象の入賞口スイッチが一方の大入賞口スイッチ38aである場合は許可され、エラー監視対象の入賞口スイッチが他方の大入賞口スイッチ38aである場合は許可されない。これにより、特別変動入賞装置38についての不正報知について、報知タイマの更新が倍の頻度で行われてしまい、規定時間(例えば、60000m秒)の半分でタイムアップしてしまうことを防止している。なお、エラー監視対象の入賞口スイッチが始動口2スイッチ37aである場合は報知タイマの更新は常に許可される。
その後、報知タイマの値が0であるかを判定し(ステップS335)、値が0でない場合(ステップS335;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、不正&入賞監視処理を終了する。また、値が0である場合(ステップS335;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、対象の不正解除コマンドを準備し(ステップS336)、不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(ステップS337)。そして、報知タイマの値が0になった瞬間であるかを判定する(ステップS338)。
報知タイマの値が0になった瞬間である場合(ステップS338;Y)、すなわち今回の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、対象の不正入賞数をクリアし(ステップS339)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS340)。また、報知タイマの値が0になった瞬間でない場合(ステップS338;N)、すなわち前回以前の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS340)。
そして、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致した場合(ステップS340;Y)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップS340;N)は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(ステップS341)、演出コマンド設定処理を行い(ステップS342)、不正&入賞監視処理を終了する。以上の処理により、エラーの発生に伴いエラー報知コマンドが演出制御装置300に送信され、エラーの解除に伴い不正入賞エラー解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、エラー報知の開始、終了が設定されることとなる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
図77には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理及び不正&入賞監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップS308,S331)を示した。この入賞数カウンタ更新処理においては、まず、入賞口監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得し(ステップS351)、対象の入賞口スイッチに入力(正確には入力の変化)があるかを判定する(ステップS352)。入賞口スイッチ/状態監視処理にて準備された入賞口監視テーブル(不正監視テーブル)のうちの入賞テーブルには、監視の繰り返し回数(スイッチの数)に加えて、スイッチ毎に、監視スイッチビット、入賞数カウンタ領域1の下位アドレス、入賞数カウンタ領域2の下位アドレスの情報が定義されている。
対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップS352;N)は、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新して(ステップS363)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS364)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップS352;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域1の値をロードし(ステップS353)、ロードした値を+1更新して(ステップS354)、オーバーフローするか判定する(ステップS355)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップS355;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域1にセーブし(ステップS356)、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップS357)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップS355;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップS357)。本実施形態の場合、ステップS354では、賞球(払出コマンド送信)のためのカウンタを更新している。カウンタサイズは2バイト(0〜65535の範囲)である。
対象の入賞数カウンタ領域2の値をロード(ステップS357)した後、ロードした値を+1更新して(ステップS358)、オーバーフローするか判定する(ステップS359)。本実施形態の場合、ステップS358では、メイン賞球信号のためのカウンタを更新している。カウンタサイズは1バイト(0〜255の範囲)である。そして、オーバーフローが発生した場合(ステップS359;Y)は、ステップS361に移行する。また、オーバーフローが発生していない場合(ステップS359;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域2にセーブし(ステップS360)、ステップS361に移行する。
その後、対象のスイッチに対応する入賞検知コマンドを準備し(ステップS361)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS362)。対象のスイッチに対応する入賞検知コマンドを演出制御装置300に送信することで、演出制御装置300において各スイッチでの検出回数を記録することが可能となる。また、大入賞口スイッチ38aに対応する入賞検知コマンドや、一般入賞口35の入賞口スイッチ35aに対応する入賞検知コマンドを演出制御装置300に送信することで、演出制御装置300において各ラウンド遊技での払出合計数を算出することができるため、払出数報知演出や第1獲得出玉数報知演出や第2獲得出玉数報知演出を実行することが可能となる。
そして、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新して(ステップS363)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS364)。全スイッチの監視が終了していない場合(ステップS364;N)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する処理(ステップS352)に戻る。また、全スイッチの監視が終了した場合(ステップS364;Y)は、入賞数カウンタ更新処理を終了する。以上の処理により、入賞領域への入賞に基づき入賞数カウンタ領域1及び2が更新されて入賞の情報が記憶されることとなる。
前述したように、演出制御装置300は、特別遊技状態中に、大当り中演出(ファンファーレ演出、ラウンド演出、インターバル演出、及びエンディング演出)を実行する。第1獲得出玉数報知演出は、大当り中演出のうちエンディング演出において実行される。一方、前述した払出数報知演出は、大当り中演出のうちラウンド演出において実行される。したがって、第1獲得出玉数報知演出と払出数報知演出とでは、大当り中演出において払出合計数を報知する点で共通する。
図78(a)及び図79に、払出数報知演出及び第1獲得出玉数報知演出に関する処理の一例を示す。
演出制御装置300は、ファンファーレ演出が終了すると、1ラウンド目のラウンド遊技に対応するラウンド演出を開始するとともに払出数報知演出を開始し、1ラウンド目のラウンド遊技に対応するラウンド演出が終了すると、インターバル演出を開始し、インターバル演出が終了すると、2ラウンド目のラウンド遊技に対応するラウンド演出を開始するとともに払出数報知演出を開始する。演出制御装置300は、このような処理を、最終ラウンド目のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。
そして、演出制御装置300は、例えば図78(a)に示すように、最終ラウンド目のラウンド遊技に対応するラウンド演出が終了すると、エンディング演出を開始する(t21)。最終ラウンド目のラウンド遊技に対応するラウンド演出の終了時(すなわち、最終ラウンド目のラウンド遊技に対応するラウンド演出とともに開始した払出数報知演出の終了時)には、例えば図79(a)に示すように、最終ラウンド目のラウンド遊技での払出合計数の最終結果が表示装置41に表示される。
演出制御装置300は、エンディング演出の開始とともに、発生中の特別遊技状態での払出合計数(すなわち、発生中の特別遊技状態における各ラウンド遊技での払出合計数の和)を報知する第1獲得出玉数報知演出を行う(t21)。これにより、例えば図79(b)に示すように、発生中の特別遊技状態での払出合計数を報知する報知画像G11が表示装置41に表示される。
次いで、演出制御装置300は、第1獲得出玉数報知演出が終了すると、特別遊技状態の終了を報知する第1遊技状態切替報知演出を行う(t22)。これにより、例えば図79(c)に示すように、所定の報知画像(例えば桜柄画像)が表示装置41に表示される。
次いで、演出制御装置300は、第1遊技状態切替報知演出が終了すると、次の特図変動表示ゲームに対応する変動演出を行う(t23)。これにより、例えば図79(d)に示すように、当該次の特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが表示装置41に表示される。
前述したように、払出数報知演出は、実行中のラウンド遊技での払出合計数を報知する演出ではなく、発生中の特別遊技状態での払出合計数をリアルタイムで報知する演出であっても良い。すなわち、次のラウンド遊技が開始すると、払出合計数を0クリアするのはなく、特別遊技状態が終了するまで継続して払出合計数を更新(加算)するようにしても良い。したがって、払出数報知演出が発生中の特別遊技状態での払出合計数をリアルタイムで報知する演出である場合には、払出数報知演出によって最終的に報知される情報(すなわち、最終ラウンド目のラウンド遊技に対応するラウンド演出の終了時に払出数報知演出によって報知される情報)と、第1獲得出玉数報知演出によって報知される情報とが同一となる。
また、前述したように、払出数報知演出は、払出合計数を報知する演出ではなく、払出残り数を報知する演出であっても良い。
なお、図79以降の図面においては、第1待機中保留表示部41b1、第2待機中保留表示部41b2、実行中保留表示部41c、小図柄用変動表示部41d、数字保留表示部41eの図示を省略している。
ここで、払出合計数が少ない場合に払出合計数を報知すると、遊技者が不快に感じ、興趣が低下してしまう虞がある。また、例えば遊技機にトラブルが生じて大入賞口へ遊技球を入賞させることができなかった等、遊技者以外に原因する不具合によって払出合計数が少なくなってしまった場合に払出合計数を報知すると、遊技者の不快感を助長してしまう虞がある。さらに、本実施形態では、ラウンド演出中に払出数報知演出を実行して払出合計数を報知し、その後のエンディング演出中に第1獲得出玉数報知演出を実行して払出合計数を報知するため、第1獲得出玉数報知演出によって遊技者の不快感が再燃してしまう虞がある。そこで、本実施形態では、特別遊技状態中に大入賞口へ入賞した遊技球数が第1所定数(例えば1個)未満である場合には、第1獲得出玉数報知演出を実行しない、すなわち発生中の特別遊技状態での払出合計数を報知する報知画像G11を表示装置41に表示しないこととする。
演出制御装置300は、各スイッチでの検出回数をRAM322(図4参照)の検出回数記憶領域に記憶しており、対象のスイッチに対応する入賞検知コマンド(図77のステップS361参照)を遊技制御装置100から受信すると、RAM322の検出回数記憶領域に記憶されている検出回数のうち当該対象のスイッチでの検出回数を更新するようになっている。
1回の特別遊技状態中に大入賞口へ入賞した遊技球数は、例えば、ファンファーレコマンドを受信してからエンディングコマンドを受信するまでの期間における大入賞口スイッチ38aでの検出回数、すなわちファンファーレコマンド受信時の大入賞口スイッチ38aでの検出回数とエンディングコマンド受信時の大入賞口スイッチ38aでの検出回数との差である。したがって、ファンファーレコマンドの受信時とエンディングコマンドの受信時にRAM322の検出回数記憶領域から大入賞口スイッチ38aでの検出回数を取得し、ファンファーレコマンドの受信時に取得した検出回数とエンディングコマンドの受信時に取得した検出回数との差を算出することで、特別遊技状態中に大入賞口へ入賞した遊技球数が第1所定数未満であるか否かを判定することができる。
演出制御装置300は、RAM322の検出回数記憶領域に記憶されている情報に基づいて、特別遊技状態中に大入賞口へ入賞した遊技球数が第1所定数(例えば1個)未満であるか否かを判定する。そして、第1所定数未満でないと判定した場合には、RAM322の検出回数記憶領域に記憶されている情報に基づいて、当該特別遊技状態での払出合計数を算出して第1獲得出玉数報知演出を実行する(図78(a)参照)。一方、第1所定数未満であると判定した場合には、第1獲得出玉数報知演出に替えて代替演出を実行する(図78(b)参照)。
本実施形態では、例えば図78(b)に示すように、代替演出として、第1遊技状態切替報知演出を実行する。具体的には、演出制御装置300は、特別遊技状態中に大入賞口へ入賞した遊技球数が第1所定数未満でないと判定した場合には、第1期間(t21〜t22)に第1獲得出玉数報知演出を実行し、その後の第2期間(t22〜t23)に第1遊技状態切替報知演出を実行する。一方、特別遊技状態中に大入賞口へ入賞した遊技球数が第1所定数未満であると判定した場合には、第1遊技状態切替報知演出の実行時間を延長する延長処理を行って、第2期間(t22〜t23)だけでなく第1期間(t21〜t22)にも第1遊技状態切替報知演出を実行する。これにより、払出合計数が少ない場合には第1獲得出玉数報知演出が実行されないため、遊技者の不快感を軽減することができる。
また、演出制御装置300は、RAM322に記憶されている情報に基づいて払出合計数を算出し、当該算出した払出合計数を第1獲得出玉数報知演出によって報知する。RAM322は電力が供給されないと記憶内容を保持することができないため、例えば特別遊技状態中に停電が発生した場合には、第1獲得出玉数報知演出によって正確な払出合計数を報知できないことがある。これに対し、本実施形態では、RAM322に記憶されている情報に基づいて、払出合計数を算出するだけでなく、第1獲得出玉数報知演出を実行するか否かも決定するため、正確な払出合計数を報知できない第1獲得出玉数報知演出の実行確率を低減することができる。
なお、例えば図78(c),(d)に示すように、演出制御装置300は、特別遊技状態中に大入賞口へ入賞した遊技球数が第1所定数未満でないと判定した場合には、第1期間(t31〜t32)に第1獲得出玉数報知演出を実行し、その後の第2期間(t32〜t33)に第1遊技状態切替報知演出を実行する。一方、特別遊技状態中に大入賞口へ入賞した遊技球数が第1所定数未満であると判定した場合には、第1期間(t31〜t32)に代替演出として第1遊技状態切替報知演出と同一の演出を実行し、その後の第2期間(t32〜t33)に第1遊技状態切替報知演出を実行するよう構成することも可能である。このように構成した場合も、払出合計数が少ない場合には第1獲得出玉数報知演出が実行されないため、遊技者の不快感を軽減することができる。
また、例えば図78(e),(f)に示すように、演出制御装置300は、特別遊技状態中に大入賞口へ入賞した遊技球数が第1所定数未満でないと判定した場合には、第1期間(t21〜t22)に通常の第1獲得出玉数報知演出(第1演出態様の第1獲得出玉数報知演出)を実行し、その後の第2期間(t22〜t23)に第1遊技状態切替報知演出を実行する。一方、特別遊技状態中に大入賞口へ入賞した遊技球数が第1所定数未満であると判定した場合には、第1期間(t21〜t22)に代替演出として第2演出態様の第1獲得出玉数報知演出を実行し、その後の第2期間(t22〜t23)に第1遊技状態切替報知演出を実行するよう構成することも可能である。第1演出態様の第1獲得出玉数報知演出では、例えば図79(b)に示すように、発生中の特別遊技状態での払出合計数を報知する報知画像G11に加えて所定のキャラクタ画像G12が表示装置41に表示されるのに対し、第2演出態様の第1獲得出玉数報知演出では、例えば図79(e)に示すように、発生中の特別遊技状態での払出合計数を報知する報知画像G11は表示されるが所定のキャラクタ画像G12が表示されない。このように構成することによって、払出合計数が少ない場合には通常と異なる表示になり、遊技者の不快感を軽減することができる。また、キャラクタ画像G12が表示されることで遊技者に特別感与えることができるとともに、特別遊技状態中に大入賞口へ入賞させる意欲を増加させることができる。
図78(a),(b)や図78(e),(f)に示す例では、特別遊技状態の終了時に第1遊技状態切替報知演出を実行する仕様となっており、図78(c),(d)に示す例では、特別遊技状態終了直後の変動表示ゲームの開始時に第1遊技状態切替報知演出を実行する仕様となっているが、仕様は適宜変更可能である。すなわち、例えば、特別遊技状態の終了時に第1遊技状態切替報知演出を実行する仕様において、第1期間(t21〜t22)に代替演出として第1遊技状態切替報知演出と同一の演出を実行しても良い。また、特別遊技状態終了直後の変動表示ゲームの開始時に第1遊技状態切替報知演出を実行する仕様において、第1期間(t31〜t32)に代替演出として第2演出態様の第1獲得出玉数報知演出を実行しても良い。
また、代替演出は、第1遊技状態切替報知演出や第2演出態様の第1獲得出玉数報知演出に限定されず、第1獲得出玉数報知演出や第1遊技状態切替報知演出とは異なる演出であっても良い。
また、図78(a)〜(f)に示す例では、第1期間(t21〜t22、t31〜32)の全部で代替演出を実行しているが、代替演出を実行する期間は、第1期間の一部だけであっても良い。
また、第1遊技状態切替報知演出は、大当り終了後の遊技状態(低確率状態か高確率状態か、時短状態か時短状態でない状態か等)に応じた画像や、現在設定されている確率設定値を示唆する画像を表示する演出であっても良い。これにより、第1遊技状態切替報知演出の興趣が向上する。
このように本実施形態の遊技機10によれば、所定条件の成立に基づき実行されるゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果となった場合に、変動入賞装置(特別変動入賞装置38)を遊技球が入賞しやすい状態に変換する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、当該遊技機10への電源供給が停止すると記憶された情報の記憶保持が不可能な記憶手段(RAM322)と、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、記憶手段は、変動入賞装置への遊技球の入賞数又は変動入賞装置への入賞に基づいて払い出される遊技球に応じた払出遊技球数を記憶可能であり、演出制御手段は、特別遊技状態の終了時に、当該特別遊技状態における入賞数又は払出遊技球数を報知する報知演出(第1演出態様の第1獲得出玉数報知演出)を実行可能であり、記憶手段に記憶されている特別遊技状態における入賞数又は払出遊技球数が所定数(第1所定数)未満である場合には、報知演出を実行せずに代替演出(第1遊技状態切替報知演出や第2演出態様の第1獲得出玉数報知演出)を実行する(図78(a),(b)や図78(c),(d)や図78(e),(f)参照)。
したがって、特別遊技状態における変動入賞装置(本実施形態の場合、大入賞口)への遊技球の入賞に基づく払出数が少ない場合には、獲得出玉数報知演出(第1演出態様の第1獲得出玉数報知演出)が実行されないため、遊技者の不快感を軽減することができ、獲得出玉数報知演出の興趣を高めることができる。
なお、変動入賞装置は、大入賞口(特別変動入賞装置38)に限定されず適宜変更可能であり、例えば、普通変動入賞装置37や、Vスイッチを有する大入賞口などであっても良い。
また、実施形態では、記憶手段(RAM322)に入賞数(大入賞口スイッチ38aでの検出回数)を記憶するようにしたが、記憶手段に払出遊技球数(大入賞口への遊技球の入賞に基づく払出数)を記憶するようにしても良い。
また、実施形態では、報知演出(第1演出態様の第1獲得出玉数報知演出)によって特別遊技状態における払出遊技球数(特別遊技状態での払出合計数)を報知するようにしたが、報知演出によって特別遊技状態における入賞数(特別遊技状態での大入賞口への遊技球の入賞数、あるいは、特別遊技状態での大入賞口への遊技球の入賞数と特別遊技状態での一般入賞口35への遊技球の入賞数との和)を報知するようにしても良い。
また、所定数(第1所定数)は、1個に限定されず、複数個であっても良い。
また、記憶手段に記憶されている特別遊技状態における入賞数又は払出遊技球数のうち、当該特別遊技状態中の所定期間(例えば、特定のラウンド遊技の期間(1ラウンド目のラウンド遊技の期間、最終ラウンド目のラウンド遊技の期間、Vラウンド遊技の期間等)、特定の複数のラウンド遊技の期間(2ラウンド目のラウンド遊技から3ラウンド目のラウンド遊技までの期間、1ラウンド目のラウンド遊技から5ラウンド目のラウンド遊技までの期間、3ラウンド目のラウンド遊技からVラウンド遊技までの期間等))における入賞数又は払出遊技球数が所定数(第1所定数)未満である場合に、報知演出(第1演出態様の第1獲得出玉数報知演出)を実行せずに代替演出(第1遊技状態切替報知演出や第2演出態様の第1獲得出玉数報知演出)を実行するようにしても良い。
また、キャラクタ画像G12の表示態様を、特別遊技状態における入賞数又は払出遊技球数に応じて変化させるようにしても良い。
また、特別遊技状態における入賞数又は払出遊技球数が所定数未満である場合だけでなく、所定のエラーが発生した場合にも、獲得出玉数報知演出(第1演出態様の第1獲得出玉数報知演出)の実行をキャンセルして、代替演出を実行するよう構成しても良い。
また、本実施形態の遊技機10において、演出制御手段(演出制御装置300)は、報知演出(第1演出態様の第1獲得出玉数報知演出)が実行される第1期間(t21〜t22、t31〜t32)後の第2期間(t22〜t23、t32〜t33)に、遊技状態が切り替わることを報知する遊技状態切替報知演出(第1遊技状態切替報知演出)を実行可能であり、入賞数(特別遊技状態中における大入賞口への遊技球の入賞数)又は払出遊技球数(特別遊技状態中における大入賞口への遊技球の入賞に基づく払出数)が所定数(第1所定数)未満である場合には、第1期間及び第2期間に亘って遊技状態切替報知演出を代替演出として実行するよう構成することができる(図78(a),(b)や図78(c),(d)参照)。
このように構成することによって、遊技状態切替報知演出(第1遊技状態切替報知演出)が延長される(図78(c),(d)に示す例の場合は、延長されたように見える)ため、遊技者に違和感を与えることなく、獲得出玉数報知演出(第1獲得出玉数報知演出)の実行をキャンセルすることができる。
また、本実施形態の遊技機10によれば、所定条件の成立に基づき実行されるゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果となった場合に、変動入賞装置(特別変動入賞装置38)を遊技球が入賞しやすい状態に変換する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、所定のタイミングで所定画像(本実施形態の場合、報知画像G11、キャラクタ画像G12)を表示装置41に表示する表示制御手段(演出制御装置300)を備え、表示制御手段は、特別遊技状態中の所定期間(本実施形態の場合、ファンファーレコマンドを受信してからエンディングコマンドを受信するまでの期間)における変動入賞装置への遊技球の入賞数が所定数(第1所定数)以上でなかった場合には、所定画像を表示しない(図78(a),(b)や図78(c),(d)や図78(e),(f)参照)。具体的には、図78(a),(b)や図78(c),(d)に示す例では、報知画像G11及びキャラクタ画像G12の表示が中止されており、図78(e),(f)に示す例では、キャラクタ画像G12の表示が中止されている。
したがって、特別遊技状態中の所定期間における変動入賞装置への遊技球の入賞数が所定数(第1所定数)に達しなかった場合には、所定のタイミングになっても所定画像が表示されないため、所定のタイミングになると必ず所定画像を表示するだけの遊技機に比べて、遊技の興趣を高めることができる。
なお、所定画像は、報知画像G11やキャラクタ画像G12に限定されず適宜変更可能であり、例えば、メーカ名や機種名、特別遊技状態の連荘回数や入賞領域(大入賞口、一般入賞口、普電等)への入賞数(又は入賞領域への入賞に応じて払出される遊技球数)に応じた称号を表す称号画像などであっても良い。
<第2獲得出玉数報知演出>
遊技機10は、時短状態(電サポ状態)の終了時に当該時短状態での払出合計数を報知する第2獲得出玉数報知演出を実行可能である。
本実施形態では、例えば図56に示すように、特別遊技状態の終了後に時短状態を発生可能である。具体的には、時間短縮判定データが時短作動データでない場合(ステップA1201;N)、すなわち特図変動表示ゲームの結果が時短状態を発生させない特別結果である場合には、図56(a)に示す大当り終了設定処理1が実行され、時間短縮判定データが時短作動データである場合(ステップA1201;Y)、すなわち特図変動表示ゲームの結果が時短状態を発生させる特別結果である場合には、図56(b)に示す大当り終了設定処理2が実行される。そして、図56(b)に示す大当り終了設定処理2によって、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態(確変状態)となるとともに時短状態となる。また、高確率変動回数領域に初期値(例えば100)をセットすることで、例えば図80に示すように、所定回数(例えば100回)の特図変動表示ゲームの実行により高確率状態及び時短状態が終了する。
〔高確率変動回数更新処理〕
図80に、上述の特図表示中処理における高確率変動回数更新処理(ステップA726、A743)の詳細について説明する。この高確率変動回数更新処理では、まず、特図高確率中(高確率状態中)であるかを判定する(ステップA761)。特図高確率中でない場合(ステップA761;N)は、高確率変動回数更新処理を終了する。また、特図高確率中である場合(ステップA761;Y)は、高確率変動回数を−1更新して(ステップA762)、高確率変動回数が「0」となったかを判定する(ステップA763)。
高確率変動回数が「0」でない場合(ステップA763;N)には、高確率変動回数更新処理を終了する。また、高確率変動回数が「0」となった場合(ステップA763;Y)には、高確率報知フラグ領域をクリアして(ステップA764)、高確率終了に関する信号(例えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA765)。
次いで、高確率状態と時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA766)。なお、「高確率&時短あり」の状態と「高確率&時短なし」の状態とがあり、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号は常時OFFされている。
次いで、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(ステップA767)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&時短なしフラグをセーブして(ステップA768)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA769)。
次いで、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA770)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA771)、高確率変動回数更新処理を終了する。
図81(a)に時短状態の一例を示す。
時短なし状態(時短状態でない状態)において特図変動表示ゲームの結果が特別結果となり、当該特別結果が時短状態を発生させる特別結果である場合には、当該特別結果に基づく特別遊技状態が終了すると、時短あり状態(時短状態)が開始する(t51)。これにより、高確率変動回数の更新が開始される。
最後の特別遊技状態が終了してからの特図変動表示ゲームの実行回数が所定回数(例えば100回)に達する前に特図変動表示ゲームの結果が特別結果となり、当該特別結果が時短状態を発生させる特別結果である場合には、当該特別結果に基づく特別遊技状態の終了時に高確率変動回数の更新がリセットされて、時短あり状態(時短状態)が延長される(t52)。
そして、最後の特別遊技状態が終了してからの特図変動表示ゲームの実行回数が所定回数(例えば100回)に達すると、すなわち高確率変動回数が「0」になると、時短あり状態(時短状態)が終了する(t53)。
図81(b)及び図82に、第2獲得出玉数報知演出に関する処理の一例を示す。
演出制御装置300は、例えば図81(b)に示すように、時短最終変動(すなわち、最後の特別遊技状態が終了してから所定回数(例えば100回)目の特図変動表示ゲーム)が開始すると、時短最終変動に対応する変動演出を行う。これにより、時短最終変動に対応する飾り特図変動表示ゲームが表示装置41に表示される。
次いで、演出制御装置300は、変動演出が終了すると、発生中の時短状態での払出合計数(すなわち、発生中の時短状態における各特別遊技状態での払出合計数の和)を報知する第2獲得出玉数報知演出を行う(t61)。これにより、例えば図82(a)に示すように、時短最終変動に対応する飾り特図変動表示ゲームの最終結果態様が導出され、その後、例えば図82(b)に示すように、発生中の時短状態での払出合計数を報知する報知画像G13が表示装置41に表示される。ここで、「発生中の時短状態」には、時短状態でない状態での特別遊技状態(初当り)も含まれる。
次いで、演出制御装置300は、第2獲得出玉数報知演出が終了すると、時短状態の終了を報知する第2遊技状態切替報知演出を行う(t62)。これにより、例えば図82(c)に示すように、所定の報知画像(例えば砂嵐画像)が表示装置41に表示される。
次いで、演出制御装置300は、第2遊技状態切替報知演出が終了すると、次の特図変動表示ゲームに対応する変動演出を行う(t63)。これにより、例えば図82(d)に示すように、当該次の特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが表示装置41に表示される。
ここで、払出合計数が少ない場合に払出合計数を報知すると、遊技者が不快に感じ、興趣が低下してしまう虞がある。また、例えば遊技機にトラブルが生じて大入賞口へ遊技球を入賞させることができなかった等、遊技者以外に原因する不具合によって払出合計数が少なくなってしまった場合に払出合計数を報知すると、遊技者の不快感を助長してしまう虞がある。さらに、本実施形態では、特別遊技状態中に払出数報知演出を実行して払出合計数を報知するとともに、当該特別遊技状態の終了時に第1獲得出玉数報知演出を実行して払出合計数を報知し、その後、時短状態の終了時に第2獲得出玉数報知演出を実行して払出合計数を報知するため、第2獲得出玉数報知演出によって遊技者の不快感が再燃してしまう虞がある。そこで、本実施形態では、時短状態中(初当りも含む)に大入賞口へ入賞した遊技球数が第2所定数(例えば1個)未満である場合には、第2獲得出玉数報知演出を実行しない、すなわち発生中の時短状態での払出合計数を報知する報知画像G13を表示装置41に表示しないこととする。
演出制御装置300は、RAM322の検出回数記憶領域に記憶されている情報に基づいて、時短状態中(初当りも含む)に大入賞口へ入賞した遊技球数が第2所定数(例えば1個)未満であるか否かを判定する。そして、第2所定数未満でないと判定した場合には、RAM322の検出回数記憶領域に記憶されている情報に基づいて、当該時短状態での払出合計数(初当りでの払出合計数を含む)を算出して第2獲得出玉数報知演出を実行する(図81(b)参照)。一方、第2所定数未満であると判定した場合には、第2獲得出玉数報知演出に替えて代替演出を実行する(図81(c)参照)。
本実施形態では、例えば図81(c)に示すように、代替演出として、第2遊技状態切替報知演出を実行する。具体的には、演出制御装置300は、時短状態中に大入賞口へ入賞した遊技球数が第2所定数未満でないと判定した場合には、第1期間(t61〜t62)に第2獲得出玉数報知演出を実行し、その後の第2期間(t62〜t63)に第2遊技状態切替報知演出を実行する。一方、時短状態中に大入賞口へ入賞した遊技球数が第2所定数未満であると判定した場合には、第2遊技状態切替報知演出の実行時間を延長する延長処理を行って、第2期間(t62〜t63)だけでなく第1期間(t61〜t62)にも第2遊技状態切替報知演出を実行する。これにより、払出合計数が少ない場合には第2獲得出玉数報知演出が実行されないため、遊技者の不快感を軽減することができる。
また、演出制御装置300は、RAM322に記憶されている情報に基づいて払出合計数を算出し、当該算出した払出合計数を第2獲得出玉数報知演出によって報知する。RAM322は電力が供給されないと記憶内容を保持することができないため、例えば時短状態中に停電が発生した場合には、第2獲得出玉数報知演出によって正確な払出合計数を報知できないことがある。これに対し、本実施形態では、RAM322に記憶されている情報に基づいて、払出合計数を算出するだけでなく、第2獲得出玉数報知演出を実行するか否かも決定するため、正確な払出合計数を報知できない第2獲得出玉数報知演出の実行確率を低減することができる。
なお、例えば図81(d),(e)に示すように、演出制御装置300は、時短状態中に大入賞口へ入賞した遊技球数が第2所定数未満でないと判定した場合には、第1期間(t71〜t72)に第2獲得出玉数報知演出を実行し、その後の第2期間(t72〜t73)に第2遊技状態切替報知演出を実行する。一方、時短状態中に大入賞口へ入賞した遊技球数が第2所定数未満であると判定した場合には、第1期間(t71〜t72)に代替演出として第2遊技状態切替報知演出と同一の演出を実行し、その後の第2期間(t72〜t73)に第2遊技状態切替報知演出を実行するよう構成することも可能である。このように構成した場合も、払出合計数が少ない場合には第2獲得出玉数報知演出が実行されないため、遊技者の不快感を軽減することができる。
また、例えば図81(f),(g)に示すように、演出制御装置300は、時短状態中に大入賞口へ入賞した遊技球数が第2所定数未満でないと判定した場合には、第1期間(t61〜t62)に通常の第2獲得出玉数報知演出(第1演出態様の第2獲得出玉数報知演出)を実行し、その後の第2期間(t62〜t63)に第2遊技状態切替報知演出を実行する。一方、時短状態中に大入賞口へ入賞した遊技球数が第2所定数未満であると判定した場合には、第1期間(t61〜t62)に代替演出として第2演出態様の第2獲得出玉数報知演出を実行し、その後の第2期間(t62〜t63)に第2遊技状態切替報知演出を実行するよう構成することも可能である。第1演出態様の第2獲得出玉数報知演出では、例えば図82(b)に示すように、発生中の時短状態での払出合計数を報知する報知画像G13に加えて所定のキャラクタ画像G14が表示装置41に表示されるのに対し、第2演出態様の第2獲得出玉数報知演出では、例えば図82(e)に示すように、発生中の時短状態での払出合計数を報知する報知画像G13は表示されるが所定のキャラクタ画像G14が表示されない。このように構成することによって、払出合計数が少ない場合には通常と異なる表示になり、遊技者に特別感を与えることができるため、遊技者の不快感を軽減することができる。
図81(b),(c)や図81(f),(g)に示す例では、時短状態の終了時に第2遊技状態切替報知演出を実行する仕様となっており、図81(d),(e)に示す例では、時短状態終了直後の変動表示ゲームの開始時に第2遊技状態切替報知演出を実行する仕様となっているが、仕様は適宜変更可能である。すなわち、例えば、時短状態の終了時に第2遊技状態切替報知演出を実行する仕様において、第1期間(t61〜t62)に代替演出として第2遊技状態切替報知演出と同一の演出を実行しても良い。また、時短状態終了直後の変動表示ゲームの開始時に第2遊技状態切替報知演出を実行する仕様において、第1期間(t71〜t72)に代替演出として第2演出態様の第2獲得出玉数報知演出を実行しても良い。
また、代替演出は、第2遊技状態切替報知演出や第2演出態様の第2獲得出玉数報知演出に限定されず、第2獲得出玉数報知演出や第2遊技状態切替報知演出とは異なる演出であっても良い。
また、図81(b)〜(g)に示す例では、第1期間(t61〜t62、t71〜72)の全部で代替演出を実行しているが、代替演出を実行する期間は、第1期間の一部だけであっても良い。
また、第2獲得出玉数報知演出は、時短状態の終了時だけでなく、時短状態の開始から終了までに亘って実行しても良い。すなわち、第2獲得出玉数報知演出として、時短状態が終了するまで継続して払出合計数を更新(加算)することによって、発生中の時短状態での払出合計数をリアルタイムで報知する演出を行っても良い。さらに、第2獲得出玉数報知演出が、発生中の時短状態での払出合計数をリアルタイムで報知する演出である場合、当該時短状態中に大入賞口へ入賞した遊技球数が第2所定数以上になってから、当該第2獲得出玉数報知演出を開始しても良い。
このように本実施形態の遊技機10によれば、所定条件の成立に基づき実行されるゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果となった場合に、変動入賞装置(特別変動入賞装置38)を遊技球が入賞しやすい状態に変換する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、当該遊技機10への電源供給が停止すると記憶された情報の記憶保持が不可能な記憶手段(RAM322)と、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、特別遊技状態の終了後に、特別遊技状態と異なる特定遊技状態(時短状態)を発生可能であり、記憶手段は、変動入賞装置への遊技球の入賞数又は変動入賞装置への入賞に基づいて払い出される遊技球に応じた払出遊技球数を記憶可能であり、演出制御手段は、特定遊技状態の終了時に、当該特定遊技状態における入賞数又は払出遊技球数を報知する報知演出(第1演出態様の第2獲得出玉数報知演出)を実行可能であり、記憶手段に記憶されている特定遊技状態における入賞数又は払出遊技球数が所定数(第2所定数)未満である場合には、報知演出を実行せずに代替演出(第2遊技状態切替報知演出や第2演出態様の第2獲得出玉数報知演出)を実行する(図81(b),(c)や図81(d),(e)や図81(f),(g)参照)。
したがって、特定遊技状態における変動入賞装置(本実施形態の場合、大入賞口)への遊技球の入賞に基づく払出数が少ない場合には、獲得出玉数報知演出(第1演出態様の第2獲得出玉数報知演出)が実行されないため、遊技者の不快感を軽減することができ、獲得出玉数報知演出の興趣を高めることができる。
なお、変動入賞装置は、大入賞口(特別変動入賞装置38)に限定されず適宜変更可能であり、例えば、普通変動入賞装置37や、Vスイッチを有する大入賞口などであっても良い。
また、実施形態では、記憶手段(RAM322)に入賞数(大入賞口スイッチ38aでの検出回数)を記憶するようにしたが、記憶手段に払出遊技球数(大入賞口への遊技球の入賞に基づく払出数)を記憶するようにしても良い。
また、実施形態では、報知演出(第1演出態様の第2獲得出玉数報知演出)によって特定遊技状態における払出遊技球数(時短状態での払出合計数)を報知するようにしたが、報知演出によって特定遊技状態における入賞数(時短状態での大入賞口への遊技球の入賞数、あるいは、時短状態での大入賞口への遊技球の入賞数と時短状態での一般入賞口35への遊技球の入賞数との和)を報知するようにしても良い。
また、所定数(第2所定数)は、1個に限定されず、複数個であっても良い。
また、記憶手段に記憶されている特定遊技状態における入賞数又は払出遊技球数のうち、当該特定遊技状態中の所定期間における入賞数又は払出遊技球数が所定数(第2所定数)未満である場合に、報知演出(第1演出態様の第2獲得出玉数報知演出)を実行せずに代替演出(第2遊技状態切替報知演出や第2演出態様の第2獲得出玉数報知演出)を実行するようにしても良い。具体的には、例えば、特定遊技状態が、第1期間(リーチにならずに即当たり報知演出の出現頻度が高い期間)、第2期間(通常と同じ演出の頻度の期間)、第3期間(時短状態の残り回数をカウントダウンし、予告等の演出頻度が第1期間及び第2期間と異なる(例えば第1期間や第2期間よりも低い)期間)、及び第4期間(時短状態の最終の1回転前の変動時間が固定値の期間)の4つの期間に区分けされる場合、これら4つの期間のうち一の期間での入賞数又は払出遊技球数が所定数未満である場合や、これら4つの期間のうち複数の期間での合計入賞数又は合計払出遊技球数が所定数未満である場合に、報知演出を実行せずに代替演出を実行するようにしても良い。
また、特定遊技状態における入賞数又は払出遊技球数が所定数以上であるという第1条件と、当該特定遊技状態中の各特別遊技状態のいずれかにおける入賞数又は払出遊技球数が規定数以上であるという第2条件の両方を満たす場合に、報知演出(第1演出態様の第2獲得出玉数報知演出)を実行し、第1条件と第2条件の少なくとも一方を満たさない場合には、報知演出(第1演出態様の第2獲得出玉数報知演出)を実行せずに代替演出(第2遊技状態切替報知演出や第2演出態様の第2獲得出玉数報知演出)を実行するようにしても良い。
また、キャラクタ画像G14の表示態様を、特定遊技状態における入賞数又は払出遊技球数に応じて変化させるようにしても良い。
また、特定遊技状態における入賞数又は払出遊技球数が所定数未満である場合だけでなく、所定のエラーが発生した場合にも、獲得出玉数報知演出(第1演出態様の第2獲得出玉数報知演出)の実行をキャンセルして、代替演出を実行するよう構成しても良い。
また、本実施形態の遊技機10において、演出制御手段(演出制御装置300)は、報知演出(第1演出態様の第2獲得出玉数報知演出)が実行される第1期間(t61〜t62、t71〜t72)後の第2期間(t62〜t63、t72〜t73)に、遊技状態が切り替わることを報知する遊技状態切替報知演出(第2遊技状態切替報知演出)を実行可能であり、入賞数(時短状態中(初当りも含む)における大入賞口への遊技球の入賞数)又は払出遊技球数(時短状態中(初当りも含む)における大入賞口への遊技球の入賞に基づく払出数)が所定数(第2所定数)未満である場合には、第1期間及び第2期間に亘って遊技状態切替報知演出を代替演出として実行するよう構成することができる(図81(b),(c)や図81(d),(e)参照)。
このように構成することによって、遊技状態切替報知演出(第2遊技状態切替報知演出)が延長される(図81(d),(e)に示す例の場合は、延長されたように見える)ため、遊技者に違和感を与えることなく、獲得出玉数報知演出(第2獲得出玉数報知演出)の実行をキャンセルすることができる。
また、本実施形態の遊技機10によれば、所定条件の成立に基づき実行されるゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果となった場合に、変動入賞装置(特別変動入賞装置38)を遊技球が入賞しやすい状態に変換する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、所定のタイミングで所定画像(本実施形態の場合、報知画像G13、キャラクタ画像G14)を表示装置41に表示する表示制御手段(演出制御装置300)を備え、特別遊技状態の終了後に、特別遊技状態と異なる特定遊技状態(時短状態)を発生可能であり、表示制御手段は、特定遊技状態における変動入賞装置への遊技球の入賞数が所定数(第2所定数)以上でなかった場合には、所定画像を表示しない(図81(b),(c)や図81(d),(e)や図81(f),(g)参照)。具体的には、図81(b),(c)や図81(d),(e)に示す例では、報知画像G13及びキャラクタ画像G14の表示が中止されており、図81(f),(g)に示す例では、キャラクタ画像G13の表示が中止されている。
したがって、特定遊技状態における変動入賞装置への遊技球の入賞数が所定数(第2所定数)に達しなかった場合には、所定のタイミングになっても所定画像が表示されないため、所定のタイミングになると必ず所定画像を表示するだけの遊技機に比べて、遊技の興趣を高めることができる。
なお、所定画像は、報知画像G13やキャラクタ画像G14に限定されず適宜変更可能であり、例えば、メーカ名や機種名、特別遊技状態の連荘回数や入賞領域(大入賞口、一般入賞口、普電等)への入賞数(又は入賞領域への入賞に応じて払出される遊技球数)に応じた称号を表す称号画像などであっても良い。
<再変動演出>
遊技機10は、特図変動表示ゲームの途中で飾り特別図柄を仮停止表示した後に再変動表示する再変動演出を一回以上行う擬似連演出を実行可能である。
特別変動表示ゲームの開始から終了までの期間は、例えば図83に示すように、リーチ状態となる前の区間、すなわちリーチ前演出が実行される区間である第1区間と、リーチ状態となった後の区間であって、Nリーチ演出が実行される区間である第2区間と、リーチ状態となった後の区間であって、SPリーチ演出が実行される区間である第3区間とに区分することができる。本実施形態の遊技機10は、第1区間と第2区間と第3区間のうち少なくとも一の区間において再変動演出を行う擬似連演出を実行可能である。
ここで、「リーチ前演出」とは、例えば、リーチ前変動態様(例えば、左図柄(左変動表示領域の飾り特別図柄)と中図柄(中変動表示領域の飾り特別図柄)と右図柄(右変動表示領域の飾り特別図柄)の全てが高速変動する態様)での飾り特別図柄の変動表示とともに実行される演出である。また、リーチ前演出の実行中には、リーチ状態が形成される前に実行される各種予告演出を実行可能である。すなわち、リーチ状態が形成される前に実行される各種予告演出は、リーチ前演出に含まれる。
また、「Nリーチ演出」とは、例えば、リーチ変動態様(例えば、左図柄と中図柄と右図柄のうち、リーチ図柄を構成する図柄が仮停止するとともに、リーチ図柄を構成しない図柄が高速変動する態様)での飾り特別図柄の変動表示とともに実行される演出であって、Nリーチ中であることを示唆(又は確定報知)する表示等を行う演出である。具体的には、例えば、「リーチ」という画像を表示する演出、Nリーチの種類名を表示する演出、Nリーチに対応した演出画像やキャラクタ画像(大当り期待度を示唆する画像を含む)を表示する演出等である。
また、「SPリーチ演出」とは、例えば、リーチ変動態様での飾り特別図柄の変動表示ととともに実行される演出であって、SPリーチ中であることを示唆(又は確定報知)する表示等を行う演出である。具体的には、例えば、SPリーチの種類名を表示する演出、SPリーチ対応した演出画像やキャラクタ画像(大当り期待度を示唆する画像を含む)を表示する演出等である。
演出制御装置300は、例えば、特図変動表示ゲームの開始時に、当該特図変動表示ゲームの途中で擬似連演出を実行するか否か決定する擬似連演出抽選を行う。この擬似連演出抽選では、第1区間と第2区間と第3区間のうちいずれの区間で再変動演出を行うかも決定される。以下、第1区間で行う再変動演出を「再変動演出A」、第2区間で行う再変動演出を「再変動演出B」、第3区間で行う再変動演出を「再変動演出C」という。すなわち、擬似連演出抽選では、擬似連演出を実行するか否かが決定されるとともに、擬似連演出を実行する場合には、再変動演出Aを実行するか否か(再変動演出Aを実行する場合にはその演出態様も)と、再変動演出Bを実行するか否か(再変動演出Bを実行する場合にはその演出態様も)と、再変動演出Cを実行するか否か(再変動演出Cを実行する場合にはその演出態様も)とが決定される。
なお、第1区間と第2区間と第3区間のうち、一の区間で再変動演出を行うこと(すなわち、再変動演出A〜Cのいずれか1つを行うこと)が決定される場合もあるし、二の区間で再変動演出を行うこと(すなわち、再変動演出A〜Cのいずれか2つを行うこと)が決定される場合もあるし、全ての区間で再変動演出を行うこと(すなわち、再変動演出A〜Cの全部を行うこと)が決定される場合もある。
また、どの区間で再変動演出を実行するのかや、各区間で実行される再変動演出の種類(演出態様)などを予め設定した複数種類のテーブルを記憶しておき、どのテーブルを参照して実施するかを、例えば擬似連演出抽選で決定するようにしても良い。
再変動演出は、当該再変動演出を行うタイミング(区間)によって、特別結果態様が導出される可能性(大当り期待度)が異なる。本実施形態において、大当り期待度は、再変動演出A<再変動演出B<再変動演出Cの順に高くなっており、再変動演出Cの大当り期待度は100%となっている。すなわち、対象の特図変動表示ゲームの結果が特別結果(大当り結果)である場合のみ、第3区間で再変動演出を実行可能となっている。
特図変動表示ゲームの開始とともに第1区間が開始する。そして、特図変動表示ゲームが開始すると、演出制御装置300は、当該特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを開始して、まず、リーチ前演出を実行する。
当該特図変動表示ゲームを対象とした擬似連演出抽選に当選した場合であって、当該擬似連演出抽選において第1区間で再変動演出を行うことが決定された場合には、演出制御装置300は、例えば図83に示すように、第1区間内の所定のタイミング(例えば、変動開始直後(高速変動となる前)のタイミング、高速変動となった直後のタイミング、左図柄及び右図柄の一方が仮停止したタイミング、左図柄及び右図柄の両方が仮停止したタイミング等)で再変動演出Aを行う。再変動演出Aでは、仮停止パターン1で飾り特別図柄の仮停止表示が行われ、その後、仮停止表示された飾り特別図柄が再変動表示されるとともにリーチ前演出が行われる。そして、再変動演出Aでのリーチ前演出の実行後、当該特図変動表示ゲームでリーチ状態が発生する場合にはNリーチ演出(第2区間)に移行し、当該特図変動表示ゲームでリーチ状態が発生しない場合には当該特図変動表示ゲームが終了する。再変動演出Aでのリーチ前演出の実行後、Nリーチ演出(第2区間)に移行せずに、SPリーチ演出(第3区間)に移行する場合があっても良い。
図84に再変動演出Aの一例を示す。
特図変動表示ゲームが開始すると、当該特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが開始されて、例えば図84(a)に示すように、リーチ前演出が実行される。
次いで、再変動演出Aの開始タイミングになると、例えば図84(b)に示すように、仮停止パターン1で飾り特別図柄の仮停止表示が行われ、その後、例えば図84(c)に示すように、飾り特別図柄が再変動表示されるとともにリーチ前演出が行われる。
仮停止パターン1は、リーチ図柄を含まないはずれ結果態様で仮停止するパターンであり、例えば図84(b)に示すように、左、中、右の変動表示領域の各々に異なる飾り特別図柄が仮停止するパターンである。
なお、仮停止パターン1は、例えば図84(d)に示すように、仮停止時専用図柄G1を含むパターンであっても良い。ここで、仮停止時専用図柄G21とは、飾り特図変動表示ゲームの最終結果態様を構成する飾り特別図柄としては用いられない図柄である。仮停止時専用図柄G21は、「擬」や「擬似連」などの擬似連図柄(擬似連であることを報知する飾り特別図柄)であっても良いし、「発展」などの発展図柄(より期待度の高いリーチへの発展を報知する飾り特別図柄)であっても良いし、所定のキャラクタ画像であっても良い。
また、仮停止パターン1は、左図柄と中図柄と右図柄の全てを仮停止するパターンではなく、例えば図84(e)に示すように、左図柄と中図柄と右図柄の一部を仮停止して、残りを識別可能な速さで変動表示(低速変動)するパターンであっても良い。ここで言う「低速変動」とは、小図柄用変動表示部41dでの変動よりも低速な変動であっても良いし、飾り特図変動表示ゲーム表示部41aでの高速変動(区間開始直後や仮停止直前の変動)よりも低速な変動であっても良い。
一方、当該特図変動表示ゲームを対象とした擬似連演出抽選において第1区間で再変動演出を行うことが決定されなかった場合(当該特図変動表示ゲームを対象とした擬似連演出抽選に落選した場合も含む)には、第1区間で再変動演出が行われることなく、第1区間が終了する。第1区間が終了すると、当該特図変動表示ゲームでリーチ状態が発生する場合にはNリーチ演出(第2区間)又はSPリーチ演出(第3区間)に移行し、当該特図変動表示ゲームでリーチ状態が発生しない場合には当該特図変動表示ゲームが終了する。当該特図変動表示ゲームが終了すると、当該特図変動表示ゲームの結果が大当り結果である場合には特別遊技状態に移行し、当該特図変動表示ゲームの結果が小当り結果である場合には小当り遊技状態に移行し、当該特図変動表示ゲームの結果がはずれ結果である場合には次の特図変動表示ゲーム(すなわち第1区間)が開始する。
第2区間に移行すると、演出制御装置300は、Nリーチ演出を実行する。
当該特図変動表示ゲームを対象とした擬似連演出抽選に当選した場合であって、当該擬似連演出抽選において第2区間で再変動演出を行うことが決定された場合には、演出制御装置300は、例えば図83に示すように、第2区間内の所定のタイミング(例えば、Nリーチ演出の開始直後のタイミング、Nリーチ演出の終了間際のタイミング(具体的には、はずれに対応した演出が実行される前や実行された後のタイミング)、Nリーチ演出が終了して通常画面に戻ったタイミング(具体的には、リーチとなった時の背景画像が表示されるタイミング)等)で再変動演出Bを行う。再変動演出Bでは、仮停止パターン2で飾り特別図柄の仮停止表示が行われ、その後、仮停止表示された飾り特別図柄が再変動表示されるとともにリーチ前演出及びNリーチ演出が行われる。そして、再変動演出BでのNリーチ演出の実行後、当該特図変動表示ゲームでSPリーチに発展する場合にはSPリーチ演出(第3区間)に移行し、当該特図変動表示ゲームでSPリーチに発展しない場合には当該特図変動表示ゲームが終了する。
図85に再変動演出Bの一例を示す。
第2区間に移行すると、例えば図85(a)に示すように、Nリーチ演出が実行される。
次いで、再変動演出Bの開始タイミングになると、例えば図85(b)に示すように、仮停止パターン2で飾り特別図柄の仮停止表示が行われ、その後、例えば図85(c),(d)に示すように、飾り特別図柄が再変動表示されるとともにリーチ前演出及びNリーチ演出が行われる。
仮停止パターン2は、リーチ図柄を含むはずれ結果態様で仮停止するパターンであり、例えば図85(b)に示すように、左、中、右の変動表示領域のうち二の変動表示領域に同一の飾り特別図柄が仮停止してリーチ図柄を構成するとともに、残りの変動表示領域に仮停止時専用図柄G21が仮停止するパターンである。
なお、仮停止パターン2は、例えば図85(e)に示すように仮停止時専用図柄G21を含まないパターンであっても良い。
また、仮停止パターン2は、左図柄と中図柄と右図柄の全てを仮停止するパターンではなく、例えば図85(f)に示すように、左図柄と中図柄と右図柄の一部を仮停止して、残りを識別可能な速さで変動表示(低速変動)するパターンであっても良い。ここで言う「低速変動」とは、小図柄用変動表示部41dでの変動よりも低速な変動であっても良いし、飾り特図変動表示ゲーム表示部41aでの高速変動(区間開始直後や仮停止直前の変動)よりも低速な変動であっても良い。
また、再変動演出Bにおいては、少なくともNリーチ演出が実行されれば良い。すなわち、再変動演出Bにおいては、リーチ前演出を省略して、仮停止状態から、そのままリーチ図柄以外の図柄(図85に示す例では中図柄)のみを再変動表示してNリーチ演出を行っても良い。
一方、当該特図変動表示ゲームを対象とした擬似連演出抽選において第2区間で再変動演出を行うことが決定されなかった場合(当該特図変動表示ゲームを対象とした擬似連演出抽選に落選した場合も含む)には、第2区間で再変動演出が行われることなく、第2区間が終了する。第2区間が終了すると、当該特図変動表示ゲームでSPリーチに発展する場合には第3区間に移行し、当該特図変動表示ゲームでSPリーチに発展しない場合には当該特図変動表示ゲームが終了する。
第3区間に移行すると、演出制御装置300は、SPリーチ演出を実行する。
当該特図変動表示ゲームを対象とした擬似連演出抽選に当選した場合であって、当該擬似連演出抽選において第3区間で再変動演出を行うことが決定された場合には、演出制御装置300は、例えば図83に示すように、第3区間内の所定のタイミング(例えば、SPリーチ演出の開始直後のタイミング、SPリーチ演出の終了間際のタイミング(具体的には、はずれに対応した演出が実行される前や実行された後のタイミング)、SPリーチ演出が終了して通常画面に戻ったタイミング(具体的には、リーチとなった時の背景画像が表示されるタイミング)、SPリーチ演出におけるチャンスアップ演出(文字色変化演出やカットイン演出など)が実行されるタイミング等)で再変動演出Cを行う。再変動演出Cでは、仮停止パターン3で飾り特別図柄を仮停止表示が行われ、その後、仮停止表示された飾り特別図柄が再変動表示されるとともにSPリーチ演出が行われる。本実施形態においては、当該特図変動表示ゲームの結果が大当り結果である場合のみ再変動演出Cを実行可能であるため、再変動演出CでのSPリーチ演出を経て当該特図変動表示ゲームが終了すると、特別遊技状態に移行する。
図86に再変動演出Cの一例を示す。
第3区間に移行すると、例えば図86(a)に示すように、SPリーチ演出が実行される。
次いで、再変動演出Cの開始タイミングになると、例えば図86(b)に示すように、仮停止パターン3で飾り特別図柄の仮停止表示が行われ、その後、例えば図86(c)に示すように、飾り特別図柄が再変動表示されるとともにSPリーチ演出が行われる。そして、再変動演出Cが終了すると、例えば図86(d)に示すように、飾り特図変動表示ゲームの結果態様(最終結果態様)として大当り結果態様(特別結果態様)が導出されて、その後、特別遊技状態に移行する。
仮停止パターン3は、リーチ図柄を含む結果態様(はずれ結果態様であっても、大当り結果態様であっても良い)で仮停止するパターンであり、例えば図85(b)に示すように、左、中、右の変動表示領域のうち二の変動表示領域に同一の飾り特別図柄が仮停止してリーチ図柄を構成するとともに、残りの変動表示領域にそれ以外の飾り特別図柄(仮停止時専用図柄G21は除く)が仮停止するパターンや、例えば図86(e)に示すように大当り結果態様で仮停止するパターンである。
なお、仮停止パターン3が大当り結果態様で仮停止するパターン(図86(e)参照)である場合、再変動演出CでのSPリーチ演出を省略しても良い。すなわち、仮停止状態から、そのまま停止状態に変化して、飾り特図変動表示ゲームの結果態様(最終結果態様)として大当り結果態様を導出しても良い。また、再変動演出CでのSPリーチ演出を省略する場合、仮停止パターン3で飾り特別図柄の仮停止表示を行った後、当該仮停止表示に連続して再変動演出D(例えば、図柄の昇格演出や再抽選演出)を実行しても良い。
また、仮停止パターン3は、左図柄と中図柄と右図柄の全てを仮停止するパターンではなく、例えば図86(f)に示すように、左図柄と中図柄と右図柄の一部を仮停止して、残りを識別可能な速さで変動表示(低速変動)するパターンであっても良い。ここで言う「低速変動」とは、小図柄用変動表示部41dでの変動よりも低速な変動であっても良いし、飾り特図変動表示ゲーム表示部41aでの高速変動(区間開始直後や仮停止直前の変動)よりも低速な変動であっても良い。
また、再変動演出Cにおいては、少なくともSPリーチ演出が実行されれば良い。すなわち、再変動演出Cにおいては、SPリーチ演出に加えて、リーチ前演出やNリーチ演出を行っても良い。その場合、特図変動表示ゲームの変動時間が長くなりすぎることが考えられるため、再変動演出Cが実行される前に実行されていた各演出の演出時間よりも短い方が望ましい。
一方、当該特図変動表示ゲームを対象とした擬似連演出抽選において第3区間で再変動演出を行うことが決定されなかった場合(当該特図変動表示ゲームを対象とした擬似連演出抽選に落選した場合も含む)には、第3区間で再変動演出が行われることなく、当該特図変動表示ゲームが終了し、当該特図変動表示ゲームの終了とともに、第3区間が終了する。
このように、第1区間で実行される再変動演出Aでは、第1区間と同じ変動表示及び演出(リーチ前変動態様での変動表示及びリーチ前演出)が行われる。また、第2区間で実行される再変動演出Bでは、第2区間と同じ変動表示及び演出(リーチ変動態様での変動表示及びNリーチ演出)が行われ、第3区間で実行される再変動演出Cでは、第3区間と同じ変動表示及び演出(リーチ変動態様での変動表示及びSPリーチ演出)が行われる。すなわち、再変動演出の開始時(当該再変動演出が発生する直前)に実行されていた変動表示及び演出と同等(又はそれ以上)の期待度を有する変動表示及び演出を行うよう構成されている。
例えば、第2区間で再変動演出が実行された場合に、当該再変動演出において、第2区間での変動表示や演出と同等(又はそれ以上)の期待度を有する変動表示や演出が行われずに、第2区間での変動表示や演出よりも期待度が低い変動表示や演出(例えばリーチなし演出)のみが行われて、その後、第3区間に移行せずに、特図変動表示ゲームが終了すると、遊技者は、せっかく再変動演出が発生したのに不利な状態に移行したと感じる格下げ感を受けてしまう可能性がある。これに対し、本実施形態では、再変動演出の開始時に実行されていた変動表示及び演出と同等(又はそれ以上)の期待度を有する変動表示及び演出を行うことで、再変動演出によって遊技者に格下げ感を与えてしまうことを回避している。すなわち、本実施形態の再変動演出は、遊技者に格下げ感を与えない演出となっている。
前述したように、SPリーチには、SP1リーチとSP2リーチとSP3リーチとプレミアリーチがあり、期待値(大当り期待度)は、SP1リーチ<SP2リーチ<SP3リーチ<プレミアリーチの順に高くなっている。再変動演出によって遊技者に格下げ感を与えない等の観点から、再変動演出Cとして、再変動演出Cの開始時(再変動演出Cが発生する直前)に実行していたSPリーチ演出と同等又はそれ以上の期待度を有するSPリーチ演出を実行することが好ましい。すなわち、再変動演出Cの開始時にSP3リーチ態様のSPリーチ演出を実行していた場合には、当該再変動演出Cとして、SP3リーチ態様のSPリーチ演出又はプレミアリーチ態様のSPリーチ演出を行うことが好ましい。
また、遊技機10が、飾り特図変動表示ゲームにおいて、確変図柄が揃う最終結果態様が導出された際には、特別遊技状態の終了後に特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態(確変状態)となり、非確変図柄(通常図柄)が揃う最終結果態様が導出された際には、特別遊技状態の終了後に特図変動表示ゲームの確率状態が低確率状態(通常確率状態)となる遊技機である場合、再変動演出によって遊技者に格下げ感を与えない等の観点から、例えば図85(a)に示すように、再変動演出Bの開始時(再変動演出Bが発生する直前)に実行していたNリーチ演出においてリーチ図柄が確変図柄(例えば奇数図柄)で構成される場合には、例えば図85(d)に示すように、当該再変動演出Bでの再変動表示(Nリーチ演出)におけるリーチ図柄は、非確変図柄(例えば偶数図柄)で構成されないことが好ましい。再変動演出Cについても同様である。
ここで、リーチ前演出の実行中には、予告演出を実行可能である。本実施形態では、リーチ前演出の実行中に行う予告演出として、例えば図84(a)、図84(c)、図85(c)に示すように、実行中の特図変動表示ゲームの結果が特別結果となる期待度(大当り期待度)を示唆する予告キャラ画像G22を表示する予告キャラ演出を実行する。リーチ前演出は、第1区間(再変動演出Aが実行される場合は、第1区間のうち再変動演出Aが実行される前の期間)と再変動演出Aと再変動演出Bとで行われるため、第1区間と再変動演出Aと再変動演出Bのそれぞれにおいて予告キャラ演出を実行可能である。
なお、本実施形態の場合、例えば図87(a)に示すように、予告キャラ画像G22は5種類あるが、予告キャラ画像G22の種類は5種類に限定されず、複数種類であれば良い。
演出制御装置300は、例えば、特図変動表示ゲームの開始時に、当該特図変動表示ゲームの第1区間(再変動演出Aが実行される場合は、第1区間のうち再変動演出Aが実行される前の期間)中に予告キャラ演出を実行するか否か決定する第1予告演出抽選を行う。そして、第1予告演出抽選に当選した場合には、遊技制御装置100からの結果情報(変動系コマンド及び図柄系コマンド)に基づいて、当該特図変動表示ゲームのリーチ系統を取得する。その後、第1区間用の予告キャラ演出振分テーブルを参照して、取得したリーチ系統に基づいて、第1区間中に実行する予告キャラ演出の演出態様を決定する。
図87(b)に第1区間用の予告キャラ演出振分テーブルの一例を示す。
予告キャラ演出には、予告キャラ画像G22として第1予告キャラが出現する第1演出態様の予告キャラ演出と、予告キャラ画像G22として第1予告キャラよりも大当り期待度が高い第2予告キャラが出現する第2演出態様の予告キャラ演出と、予告キャラ画像G22として第1〜第2予告キャラよりも大当り期待度が高い第3予告キャラが出現する第3演出態様の予告キャラ演出と、予告キャラ画像G22として第1〜第3予告キャラよりも大当り期待度が高い第4予告キャラが出現する第4演出態様の予告キャラ演出と、予告キャラ画像G22として第1〜第4予告キャラよりも大当り期待度が高い第5予告キャラが出現する第5演出態様の予告キャラ演出とがある。図87(b)に示す例の場合、第1区間中には、第1演出態様、第2演出態様、第3演出態様の予告キャラ演出は実行されるが、第4演出態様、第5演出態様の予告キャラ演出は実行されないようになっている。
なお、図87(b)、図88(a)、図88(b)において、リーチ系統の「リーチなし」は第1区間の終了後に第2区間へ移行しない場合に相当し、リーチ系統の「Nリーチ」は第2区間の終了後に第3区間へ移行しない場合に相当し、リーチ系統の「SPリーチ」は第2区間の終了後に第3区間へ移行する場合に相当する。
また、当該特図変動表示ゲームを対象とした擬似連演出抽選において第1区間で再変動演出を行うことが決定された場合、すなわち当該特図変動表示ゲームを対象とした擬似連演出抽選において再変動演出Aを行うことが決定された場合には、再変動演出A中に予告キャラ演出を実行するか否か決定する第2予告演出抽選を行う。そして、第2予告演出抽選に当選した場合には、遊技制御装置100からの結果情報(変動系コマンド及び図柄系コマンド)に基づいて、当該特図変動表示ゲームのリーチ系統を取得する。その後、再変動演出A用の予告キャラ演出振分テーブルを参照して、取得したリーチ系統と前回の予告キャラに基づいて、再変動演出A中に実行する予告キャラ演出の演出態様を決定する。
図88(a)に再変動演出A用の予告キャラ演出振分テーブルの一例を示す。
再変動演出A中に実行する予告キャラ演出の演出態様は、特図変動表示ゲームのリーチ系統だけでなく、前回の予告キャラ、すなわち前回の予告キャラ演出(第1区間中に実行する予告キャラ演出)の演出態様も考慮して決定される。図88(a)における前回の予告キャラの「なし」は、第1予告演出抽選に落選した場合、すなわち第1区間中に予告キャラ演出が実行されない場合である。
例えば図88(a)に示すように、前回の予告キャラが「第2予告キャラ」であった場合、すなわち前回の予告キャラ演出の演出態様が第2演出態様であった場合には、第2演出態様よりも期待度が低い第1演出態様は選択されないようになっており、前回の予告キャラが「第3予告キャラ」であった場合、すなわち前回の予告キャラ演出の演出態様が第3演出態様であった場合には、第3演出態様よりも期待度が低い第1演出態様及び第2演出態様は選択されないようになっている。すなわち、前回の予告キャラ演出と同等又はそれ以上の期待度を有する予告キャラ演出が実行されるようになっている。これにより、再変動演出によって遊技者に格下げ感を与えてしまうことを回避している。
また、当該特図変動表示ゲームを対象とした擬似連演出抽選において第2区間で再変動演出を行うことが決定された場合、すなわち当該特図変動表示ゲームを対象とした擬似連演出抽選において再変動演出Bを行うことが決定された場合には、再変動演出B中に予告キャラ演出を実行するか否か決定する第3予告演出抽選を行う。そして、第3予告演出抽選に当選した場合には、遊技制御装置100からの結果情報(変動系コマンド及び図柄系コマンド)に基づいて、当該特図変動表示ゲームのリーチ系統を取得する。その後、再変動演出B用の予告キャラ演出振分テーブルを参照して、取得したリーチ系統と前回の予告キャラに基づいて、再変動演出B中に実行する予告キャラ演出の演出態様を決定する。
図88(b)に再変動演出B用の予告キャラ演出振分テーブルの一例を示す。
再変動演出B中に実行する予告キャラ演出の演出態様は、特図変動表示ゲームのリーチ系統だけでなく、前回の予告キャラ、すなわち前回の予告キャラ演出(第2予告演出抽選に当選した場合には再変動演出A中に実行する予告キャラ演出、第1予告演出抽選に当選し第2予告演出抽選に落選した場合には第1区間中に実行する予告キャラ演出)の演出態様も考慮して決定される。図88(b)における前回の予告キャラの「なし」は、第1予告演出抽選と第2予告演出抽選の双方に落選した場合、すなわち第1区間中にも再変動演出A中にも予告キャラ演出が実行されない場合である。
例えば図88(b)に示すように、再変動演出B用の予告キャラ演出振分テーブルでは、再変動演出A用の予告キャラ演出振分テーブルと同様、前回の予告キャラ演出と同等又はそれ以上の期待度を有する予告キャラ演出が実行されるようになっている。これにより、再変動演出によって遊技者に格下げ感を与えてしまうことを防止している。
また、Nリーチ演出の実行中やSPリーチ演出の実行中にも、予告演出を実行可能である。リーチ前演出の実行中に実行可能な予告演出(例えば予告キャラ演出)と同様、Nリーチ演出の実行中やSPリーチ演出の実行中に実行可能な予告演出でも、前回の予告演出と同等又はそれ以上の期待度を有する予告演出が実行されるようになっている。これにより、再変動演出によって遊技者に格下げ感を与えてしまうことを回避している。
このように本実施形態の遊技機10によれば、所定条件の成立に基づき複数の変動表示領域で識別情報(飾り特別図柄)を変動表示するゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を実行し、当該ゲームの停止結果が特別結果となった場合に特別遊技状態を発生可能な遊技機において、複数の変動表示領域において識別情報の仮停止表示を行った後に当該複数の変動表示領域の少なくとも一部において識別情報の再変動表示を行う再変動演出(再変動演出A〜C)を実行可能であり、ゲームの開始から終了までの期間は、リーチ状態が形成される前のリーチ前変動表示(リーチ前変動態様での飾り特別図柄の変動表示)が行われる区間である第1区間と、リーチ状態が形成された後の区間であって第1演出(Nリーチ演出)が行われる区間である第2区間と、リーチ状態が形成された後の区間であって第1演出と異なる第2演出(SPリーチ演出)が行われる区間である第3区間と、によって形成され得るものであり(図83参照)、第1区間において実行される再変動演出では、第1仮停止態様(仮停止パターン1)で識別情報の仮停止表示を行い(図84(b),(d)参照)、第2区間において実行される再変動演出では、第1仮停止態様とは異なる第2仮停止態様(仮停止パターン2)で識別情報の仮停止表示を行い(図85(b),(e)参照)、第3区間において実行される再変動演出では、第1仮停止態様及び第2仮停止態様とは異なる第3仮停止態様(仮停止パターン3)で識別情報の仮停止表示を行う(図86(b),(e)参照)。
すなわち、再変動演出が実行される区間によって仮停止態様(仮停止パターン)が異なる。したがって、仮停止態様が異なる複数種類の再変動演出を実行でき、また、再変動演出での仮停止態様によって現在の区間を示唆できるため、再変動演出の興趣を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10において、第1区間に再変動演出が実行される場合には、リーチ前変動表示(リーチ前変動態様での飾り特別図柄の変動表示)が行われ、その後、第2区間に移行するか、あるいは、第2区間に移行せずにゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)が終了するよう構成することができる(図83参照)。
このように構成することで、再変動演出の開始時に実行されていた変動表示と同じ変動表示(リーチ前変動表示)を行うことができ、再変動演出によって遊技者に格下げ感を与えてしまうことがないため、再変動演出の興趣を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10において、第2区間に再変動演出が実行される場合には、第1演出(Nリーチ演出)が行われ、その後、第3区間に移行するか、あるいは、第3区間に移行せずにゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)が終了するよう構成することができる(図83参照)。
このように構成することで、再変動演出の開始時に実行されていた演出と同じ演出(第1演出(Nリーチ演出))を行うことができ、再変動演出によって遊技者に格下げ感を与えてしまうことがないため、再変動演出の興趣を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10において、第3区間に再変動演出が実行される場合には、ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果となるよう構成することができる(図83参照)。
このように構成することで、第3区間に実行される再変動演出が期待度の高い演出になるため、再変動演出の興趣を高めることができる。
なお、対象の特図変動表示ゲームの結果がはずれ結果である場合にも、第3区間で再変動演出を実行可能としても良い。すなわち、再変動演出Cの大当り期待度は100%でなくても良い。
また、本実施形態の遊技機10において、第1仮停止態様(仮停止パターン1)は、リーチ状態を形成する識別情報(リーチ図柄)を含まない態様(図84(b),(d)参照)であり、第2仮停止態様(仮停止パターン2)は、リーチ状態を形成する識別情報(リーチ図柄)とゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)の停止結果において導出されない特殊識別情報(仮停止時専用図柄G21)とを含む態様(図85(b)参照)であり、第3仮停止態様(仮停止パターン3)は、リーチ状態を形成する識別情報(リーチ図柄)を含むが特殊識別情報仮停止時専用図柄G21)は含まない態様(図86(b),(e)参照)であるよう構成することができる。
このように構成することで、第1仮停止態様と第2仮停止態様と第3仮停止態様の違いが明確になるため、再変動演出の興趣を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10によれば、所定条件の成立に基づき複数の識別情報(飾り特別図柄)を変動するゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に特別遊技状態を発生可能な遊技機において、ゲームの開始から終了までの期間は、複数の区間(例えば第1〜第3区間)によって構成され得るものであり(図83参照)、複数の区間のそれぞれで、複数の識別情報のうち一部を仮停止した後に再変動する再変動演出(例えば再変動演出A〜C)を実行可能であり、再変動演出が実行される一の区間において、再変動演出が実行される際の仮停止しない識別情報(例えば中図柄)の変動態様が、当該一の区間となった直後の識別情報の変動態様と異なる(図84(e)、図85(f)、図86(f)参照)。具体的には、再変動演出が実行される際の仮停止しない識別情報の変動態様は、例えば識別情報を低速変動する態様であり、一の区間となった直後の識別情報の変動態様は、例えば識別情報を高速変動する態様である。
すなわち、再変動演出が実行される際の仮停止しない識別情報の変動態様が、再変動演出が実行される前の識別情報の変動態様と異なる。したがって、再変動演出での仮停止中に仮停止されない識別情報の変動態様が、再変動演出前の識別情報の変動態様と異なるため、再変動演出の興趣を高めることができる。
なお、ゲームの開始から終了までの期間に含まれる複数の区間は、第1〜第3区間の3つの区間に限定されず適宜変更可能である。
また、再変動演出において実行される飾り特別図柄の再変動表示は、特図変動表示ゲームの途中で飾り特別図柄を所定の結果態様(例えば、特別結果態様以外の結果態様)で仮停止した後に再度変動する再変動表示を一回以上行うことに限定されず適宜変更可能である。具体的には、再変動演出において実行される飾り特別図柄の再変動表示は、特図変動表示ゲームの途中で飾り特別図柄を所定の結果態様(例えば、特別結果態様)で仮停止した後に再度変動、停止して最終結果態様を導出する再抽選演出であっても良い。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。