JP2011017885A - 光スキャナ、光スキャナを用いた画像表示装置、光スキャナ駆動制御方法、光スキャナ駆動制御プログラム。 - Google Patents

光スキャナ、光スキャナを用いた画像表示装置、光スキャナ駆動制御方法、光スキャナ駆動制御プログラム。 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動周波数を共振周波数と略一致して設定することで、非線形特性を有する光スキャナにおいて大きな光学振れ角を得る。
【解決手段】駆動周波数FXの駆動信号DSが、駆動部5a、5bに供給される(SA2)。光学振れ角ADが検知される(SA4)。検知された光学振れ角ADが角度記憶部26により一時的に記憶される(SA5)。勾配算出部28により、角度記憶部26から前回の設定ステップにおける光学振れ角の値θaと周波数値Faと、現在の設定ステップにおける光学振れ角の値θbと周波数値Fbとが読み出され、勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)の算出が行われる(SA7)。判断部29により、勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、目標勾配値範囲PR1内の値であると判断されると(SA13:Yes)、周波数変更制御部24は、駆動信号DSの駆動周波数の周波数値が変更されないように、信号生成部21を制御する(SA15)。
【選択図】 図8

Description

本発明は、レーザプリンタや投影型表示装置などに用いられる光スキャナ、光スキャナを用いた画像表示装置、光スキャナの駆動制御方法、及び光スキャナの駆動制御プログラムに関する。
従来より、レーザプリンタや投影型表示装置等には光スキャナが使用されている。この光スキャナとして、一般に、ポリゴンミラーを用いるものや、MEMS(Micro−Electro−Mechanical Systems)ミラーを用いるものがある。このうち、MEMSミラーを用いた光スキャナは、ミラー部と、ミラー部を支持し、ミラー部に駆動力を伝達する梁と、その梁に連結し、ミラー部と梁とを囲う固定枠との一体成形により製造されることなどから、ポリゴンミラーと比較して、軽量・小型の光スキャナに適している。
光スキャナが画像表示装置等に用いられる場合、光スキャナの光学振れ角が大きいほど、それだけ、表示画像の画角が大きくなる。従って、大きな画像を表示したり、解像度の高い画像を表示するためには、光スキャナの光学振れ角は大きいほど望ましい。
光スキャナの大きな光学振れ角を得る方法として、共振特性を示すQ値の高い光スキャナを共振周波数にて駆動することが挙げられる。一般に、光スキャナを共振周波数にて駆動するには、光スキャナを駆動するための駆動周波数を、光スキャナの共振周波数に等しく設定すればよい。しかし、Q値の高い光スキャナは、駆動周波数の変化量に対し、光スキャナの光学振れ角が大きく変化し、また、一般に、光スキャナの共振周波数は、温度変化や経年変化等に依存して変化するため、Q値の高い光スキャナを共振周波数にて安定的に駆動することは困難を極める。
上記の問題に鑑み、特許文献1では、光スキャナの駆動周波数を往復掃引し、往復掃引により得られた揺動振幅値が極大となる少なくとも2つの周波数に基づいて共振周波数が決定されている。特許文献1に開示されている光スキャナの駆動方法によれば、決定された共振周波数にて光スキャナを駆動することで、Q値の高い光スキャナでも適切に光スキャナの大きな光学振れ角を得ることができる。
特許文献1の光スキャナにおいては、特許文献1の段落0019に記載の通り、周波数の変化を極めてゆっくりにすれば、駆動周波数の往路掃引の際の揺動振幅値が極大となる周波数と駆動周波数の復路掃引の際の揺動振幅値が極大となる周波数とが合致する。光スキャナの揺動振幅値は、光スキャナの光学振れ角に対応するため、駆動周波数の往路掃引の際の揺動振幅値が極大となる周波数と駆動周波数の復路掃引の際の揺動振幅値が極大となる周波数とが合致するということは、駆動周波数の往路掃引の際の光スキャナの光学振れ角が極大となる周波数と駆動周波数の復路掃引の際の光学振れ角が極大となる周波数とが合致することを意味する。このように、駆動周波数が往路掃引されているか、復路掃引されているかに関らず、光スキャナの光学振れ角が極大となる周波数の値が一意に決まる光スキャナの特性を一般に線形特性と言う。
光スキャナの特性には、もう一つの特性、即ち非線形特性と呼ばれる特性がある。非線形特性を有する光スキャナは、履歴現象と跳躍現象との2つの特徴的な現象を示す。履歴現象とは、駆動周波数を往路掃引しているか、復路掃引しているかによって、光スキャナの光学振れ角が極大となる周波数が異なる現象を指す。跳躍現象とは、駆動周波数の変化量を小さく設定して、駆動周波数を段階的に変化させるに連れ、光スキャナの光学振れ角も小さな変化量で変化していたものが、駆動周波数の微小な変化に対して、光スキャナの光学振れ角が大きく変化する現象を指す。跳躍現象は、通常、光スキャナの光学振れ角が極大となる周波数の近傍において起きる。線形特性を有する光スキャナは、履歴現象、及び跳躍現象を示すことはなく、履歴現象、及び跳躍現象は非線形特性を有する光スキャナに特有な現象と言える。
履歴現象、及び跳躍現象について、図10を用いて詳細に説明する。図10は、縦軸が光学振れ角を表し、横軸が駆動周波数を表し、光スキャナの非線形特性を示す図である。
[アップスイープ]
図10において、実線矢印で示したように、周波数Faよりも低い周波数から駆動周波数を徐々に高くしていった場合、即ち、駆動周波数をアップスイープした場合、光スキャナの光学振れ角は、徐々に大きくなる。光スキャナの光学振れ角は、駆動周波数が共振周波数Fbと等しいときに最大となる。駆動周波数を共振周波数Fbよりも高くすると、光スキャナは跳躍現象を示し、破線矢印で示したように、光スキャナの光学振れ角は急激に小さくなる。
[ダウンスイープ]
図10において、二点鎖線矢印で示したように、周波数Faよりも高い周波数から駆動周波数を徐々に低くしていった場合、即ち、駆動周波数をダウンスイープした場合、光スキャナの光学振れ角は、徐々に大きくなる。駆動周波数が周波数Fa近傍の値をとるようになると、光スキャナが跳躍現象を示し、光スキャナの光学振れ角は、急激に大きくなる。そして、駆動周波数が周波数Faと等しいときに光スキャナの光学振れ角は極大となる。但し、駆動周波数をアップスイープして駆動周波数が共振周波数Fbと等しくなった際の光スキャナの光学振れ角と比較すると、駆動周波数をダウンスイープして駆動周波数が周波数Faと等しくなった際の光スキャナの光学振れ角は小さい。従って、非線形特性を有する光スキャナの最大の光学振れ角を得るには、駆動周波数をアップスイープして駆動周波数が共振周波数Fbと等しくなった時点で、駆動周波数の往路掃引を止め、共振周波数Fbで光スキャナを駆動することが望まれる。
特開2008−310301号公報
しかしながら、非線形特性を有する光スキャナの共振周波数Fbも線形特性を有する光スキャナの共振周波数と同様に、温度変化や経年変化等に依存して変化する。従って、駆動する度に共振周波数Fbを決定し、駆動周波数を共振周波数Fbに等しく設定する必要がある。特許文献1に開示されている技術は、線形特性を有する光スキャナに対して適用されていることが前提となっており、非線形特性を有する光スキャナに応用することができない。何故ならば、例えば、特許文献1に開示されている技術を非線形特性を有する光スキャナに応用しようとすると、非線形特性を有する光スキャナが示す履歴現象により、駆動周波数を往路掃引しているか、復路掃引しているかによって、光スキャナの光学振れ角が極大となる周波数が異なるため、正しく共振周波数Fbを決定することができないといった問題があるためである。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、非線形特性を有する光スキャナの大きな光学振れ角を得ることを目的とするものである。
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明は、入射した光束を反射するミラー部と、前記ミラー部に連結する捻れ梁部と、を有する揺動体を備える光スキャナであって、前記揺動体を駆動することで、前記ミラー部を揺動軸線周りに揺動させる駆動部と、前記駆動部を駆動するための駆動信号を生成し、前記駆動部に供給する信号生成部と、前記信号生成部により生成される前記駆動信号の駆動周波数の周波数値を設定する設定ステップを繰り返し実行し、この設定ステップの繰り返し実行により前記駆動周波数の周波数値が順次大きく変更されるように前記信号生成部を制御する周波数制御部と、前記駆動信号が前記信号生成部から前記駆動部に供給された際の前記ミラー部の前記揺動軸線周りの揺動角度を検知する検知部と、前記駆動信号が前記信号生成部から前記駆動部に供給された際に、前記検知部により検知された前記揺動角度の値を、前記駆動部に供給された前記駆動信号の前記駆動周波数の周波数値と対応付けて記憶する記憶部と、前記周波数制御部により、先の前記設定ステップで設定された前記駆動周波数の周波数値Faに対応して前記記憶部に記憶された前記揺動角度の値θaと、次の前記設定ステップで設定された前記駆動周波数の周波数値Fbに対応して前記記憶部に記憶された前記揺動角度の値θbとの差分(θb−θa)を、前記周波数値Faと前記周波数値Fbとの差分(Fb−Fa)により割った勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)を算出する算出部と、前記算出部により算出された前記勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、共振点における前記勾配値近傍の所定の第1範囲内の値か否かを判断する判断部と、を備え、前記周波数制御部は、前記判断部により、前記算出部により算出された前記勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、前記第1範囲内の値であると判断された際に、前記駆動周波数の周波数値が変更されないように前記信号生成部を制御し、共振周波数として前記周波数値Fbの前記駆動周波数の前記駆動信号が前記駆動部に供給されるように前記信号生成部を制御することを特徴とするものである。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の発明において、前記周波数制御部は、前記算出部により算出された前記勾配値が前記第1範囲を含む所定の第2範囲内の値である場合に、前記算出部により算出された前記勾配値が前記第2範囲外の値である場合と比較して、連続する2つの前記設定ステップで設定される2つの前記駆動周波数の周波数値の変更幅が小さくなるように前記信号生成部を制御することを特徴とするものである。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の発明において、前記周波数制御部は、前記算出部により算出された前記勾配値が、前記第2範囲を含む所定の第3範囲内の値である場合に、前記算出部により算出された前記勾配値が、前記第3範囲外の値である場合と比較して、連続する2つの前記設定ステップで設定される2つの前記駆動周波数の周波数値の変更幅が小さくなるように、且つ前記第2範囲内の値である場合と比較して、連続する2つの前記設定ステップで設定される2つの前記駆動周波数の周波数値の変更幅が大きくなるように前記信号生成部を制御することを特徴とするものである。
請求項4記載の本発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記周波数制御部は、前記信号生成部が先の前記設定ステップで設定された周波数値の前記駆動周波数の前記駆動信号を前記駆動部に供給した後、予め設定された所定の待機時間後に、次の前記設定ステップを実行することを特徴とするものである。
請求項5記載の本発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記算出部は、周波数値Faの前記駆動周波数の前記駆動信号が前記信号生成部から前記駆動部に供給された際に、前記記憶部に記憶された前記揺動角度の値θaを前記記憶部から読み出し、前記周波数値Faの前記駆動周波数の前記駆動信号が前記信号生成部から前記駆動部に供給された後に、前記周波数制御部により前記周波数値Faが設定された前記設定ステップの次の前記設定ステップで設定された周波数値Fbの前記駆動周波数の前記駆動信号が前記信号生成部から前記駆動部に供給された際に、前記記憶部に記憶された前記揺動角度の値θbを前記記憶部から読み出し、前記揺動角度の値θaとθbとの差分(θb−θa)を、前記駆動周波数の前記周波数値FaとFbとの差分(Fb−Fa)により割った勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)を算出することを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、請求項6記載の本発明は、入射した光束を反射するミラー部と前記ミラー部に連結する捻れ梁部とを有する揺動体と、前記揺動体を駆動することで、前記ミラー部を揺動軸線周りに揺動させる駆動部と、前記駆動部を駆動するための駆動信号を生成し、前記駆動部に供給する信号生成部と、を備える光スキャナに使用される駆動制御方法であって、前記信号生成ステップにより生成される前記駆動信号の駆動周波数の周波数値を設定する設定ステップを繰り返し実行し、この設定ステップの繰り返し実行により前記駆動周波数の周波数値が順次大きく変更されるように前記信号生成部を制御する周波数設定変更ステップと、前記駆動信号が前記信号生成部から前記駆動部に供給された際の前記ミラー部の前記揺動軸線周りの揺動角度を検知する検知ステップと、前記駆動信号が前記信号生成部から前記駆動部に供給された際に、前記検知ステップにより検知された前記揺動角度の値を、前記駆動部に供給された前記駆動信号の前記駆動周波数の周波数値と対応付けて記憶する記憶ステップと、前記周波数設定変更ステップにより、先の前記設定ステップで設定された前記駆動周波数の周波数値Faに対応して前記記憶ステップにより記憶された前記揺動角度の値θaと、次の前記設定ステップで設定された前記駆動周波数の周波数値Fbに対応して前記記憶ステップにより記憶された前記揺動角度の値θbとの差分(θb−θa)を、前記周波数値Faと前記周波数値Fbとの差分(Fb−Fa)により割った勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)を算出する算出ステップと、前記算出ステップにより算出された前記勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、共振点における前記勾配値近傍の所定の第1範囲内の値か否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップにより、前記算出ステップにより算出された前記勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、前記第1範囲内の値であると判断された際に、前記駆動周波数の周波数値が変更されないように前記信号生成部を制御し、共振周波数として前記周波数値Fbの前記駆動周波数の前記駆動信号が前記駆動部に供給されるように前記信号生成部を制御する周波数決定ステップとを備えることを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、請求項7記載の本発明は、入射した光束を反射するミラー部と、前記ミラー部に連結する捻れ梁部と、を有する揺動体と、前記揺動体を駆動することで、前記ミラー部を揺動軸線周りに揺動させる駆動部と、前記駆動部を駆動するための駆動信号を生成し、前記駆動部に供給する信号生成部と、を備える光スキャナに使用される駆動制御プログラムであって、前記信号生成ステップにより生成される前記駆動信号の駆動周波数の周波数値を設定する設定ステップを繰り返し実行し、この設定ステップの繰り返し実行により前記駆動周波数の周波数値が順次大きく変更されるように前記信号生成部を制御する周波数設定変更ステップと、前記駆動信号が前記信号生成部から前記駆動部に供給された際の前記ミラー部の前記揺動軸線周りの揺動角度を検知する検知ステップと、前記駆動信号が前記信号生成部から前記駆動部に供給された際に、前記検知ステップにより検知された前記揺動角度の値を、前記駆動部に供給された前記駆動信号の前記駆動周波数の周波数値と対応付けて記憶する記憶ステップと、前記周波数設定変更ステップにより、先の前記設定ステップで設定された前記駆動周波数の周波数値Faに対応して前記記憶ステップにより記憶された前記揺動角度の値θaと、次の前記設定ステップで設定された前記駆動周波数の周波数値Fbに対応して前記記憶ステップにより記憶された前記揺動角度の値θbとの差分(θb−θa)を、前記周波数値Faと前記周波数値Fbとの差分(Fb−Fa)により割った勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)を算出する算出ステップと、前記算出ステップにより算出された前記勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、共振点における前記勾配値近傍の所定の第1範囲内の値か否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップにより、前記算出ステップにより算出された前記勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、前記第1範囲内の値であると判断された際に、前記駆動周波数の周波数値が変更されないように前記信号生成部を制御し、共振周波数として前記周波数値Fbの前記駆動周波数の前記駆動信号が前記駆動部に供給されるように前記信号生成部を制御する周波数決定ステップとを備え、これらのステップをコンピューターにより実現することを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、請求項8記載の本発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の光スキャナと、前記光スキャナに光を供給する光源部と、前記光スキャナにより走査された走査光を使用者の目に導く光学系と、を備えることを特徴とするものである。
請求項1記載の光スキャナによれば、算出部により算出された勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、共振点における勾配値近傍の第1範囲内の値であると判断された際に、その際の周波数値Fbの駆動周波数の駆動信号が駆動部に供給される。従って、駆動周波数が共振周波数と略一致して設定され、非線形特性を有する光スキャナにおいて大きな光学振れ角を得ることができる。
請求項2記載の光スキャナによれば、駆動周波数が共振周波数に近づいた際に、駆動周波数の変更幅が小さく設定される。従って、駆動周波数が共振周波数に近づいた際に、駆動周波数が共振周波数と等しくなったか否かを正確に判断することが可能となる。
請求項3記載の光スキャナによれば、駆動周波数が共振周波数に近づくに連れて、駆動周波数の変更幅が段階的に小さく設定される。従って、駆動周波数が共振周波数に近づいた際に、駆動周波数が共振周波数と等しくなったか否かを更に正確に判断することが可能となる。また、駆動周波数が共振周波数から離れた値である場合に、駆動周波数の変更幅がある程度大きく設定されることで、駆動周波数が共振周波数と略一致して設定されるまでの時間を短縮することができる。
請求項4記載の光スキャナによれば、周波数制御部は、信号生成部が先の設定ステップで設定された周波数値の駆動周波数の駆動信号を駆動部に供給した後、実際に駆動部が供給された駆動信号の駆動周波数で動くまで、次の設定ステップを実行することを待機できる。従って、ミラー部の揺動角度、即ち光スキャナの光学振れ角を、駆動周波数と正確に対応付けて検知することができる。
請求項5記載の光スキャナによれば、駆動信号が信号生成部から駆動部に供給された際に、記憶部に記憶された揺動角度の値が算出部により記憶部から読み出され、算出部により勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が逐次算出される。この算出された勾配値が、共振点における勾配値近傍の第1範囲内の値であると判断された際に、その際の周波数値Fbの駆動周波数の駆動信号が駆動部に供給される。従って、駆動周波数が共振周波数と略一致して設定され、非線形特性を有する光スキャナにおいて大きな光学振れ角を得ることができる。
請求項6記載の駆動制御方法及び請求項7記載の駆動制御プログラムによれば、算出ステップにより算出された勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、共振点における勾配値近傍の第1範囲内の値であると判断された際に、その際の周波数値Fbの駆動周波数の駆動信号が駆動部に供給される。従って、駆動周波数が共振周波数と略一致して設定され、非線形特性を有する光スキャナの最大の光学振れ角を得ることができる。
請求項8記載の画像表示装置によれば、大きな光学振れ角で揺動可能な光スキャナを備えているので、表示画像の画角が大きくなる。従って、大きな画像を表示したり、解像度の高い画像を表示することができる。
本発明の一実施形態に係る光スキャナ1を示す図である。 本実施形態に係る駆動部5aの構成を説明するための説明図である。 本実施形態に係る揺動体2の揺動を説明するための説明図である。 本実施形態に係る駆動信号DSを説明するための説明図である。 上記光スキャナ1の機能ブロック図である。 本実施形態に係る駆動信号DS1を説明するための説明図である。 本実施形態に係る直流電圧SHを説明するための説明図である。 本実施形態に係る駆動信号DSの駆動周波数と光学振れ角との相関関係を示す図である。 上記光スキャナ1の動作制御を示すフローチャートである。 上記光スキャナ1の網膜走査ディスプレイ201における使用例を示す図である。 非線形特性を有する光スキャナの駆動周波数と光学振れ角との相関関係を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して具体的に説明する
[光スキャナ概観]
図1は、本実施形態の光スキャナ1の外観図である。光スキャナ1は、共振型の光スキャナである。図1に示すように、光スキャナ1は、揺動体2と駆動制御部20とBDセンサ50と図示しないベース台とを備える。揺動体2はベース台上に配置される。揺動体2は、ミラー部3と、捻れ梁部4a、4bと、駆動部5a、5bと、固定部6とを備えている。本実施形態における揺動体2が、本発明の揺動体の一例である。本実施形態におけるミラー部3が、本発明のミラー部の一例である。本実施形態における捻れ梁部4a、4bが、本発明の捻れ梁部の一例である。本実施形態における駆動部5a、5bが、本発明の駆動部の一例である。捻れ梁部4a、4bは、ミラー部3に連結する。駆動部5a、5bは、各々、捻れ梁部4a、4bと固定部6とに跨って、捻れ梁部4a、4bと固定部6との上に設けられる。駆動部5a、5bは、リード線15により、駆動制御部20に接続されている。
ミラー部3は、揺動軸線AXの回りに揺動可能で、入射した光束を反射して、走査する。ミラー部3は、入射した光束を反射するための反射面7を備える。以後、簡略化のため、図1に示すように、揺動体2の静止時の、反射面7に平行な面上で、且つ揺動軸線AXに垂直な方向をX軸とし、揺動軸線AXに平行な方向をY軸とし、反射面7に垂直な方向をZ軸として定義する。X軸、Y軸、Z軸の方向の定義は、他の図面においても共通のものとする。
[駆動部の構造]
図2を用いて、駆動部5a、5bの構造について詳細に説明する。図2は、図1における可動梁4a、及び駆動部5a等のYZ平面による断面図を簡略化して示した図である。図2では代表して、駆動部5aのみが示されているが、駆動部5bも駆動部5aと同一の構成を有する。駆動部5aは、図2に示すように、薄板状の圧電体8aが、上部電極9aと下部電極10aとに挟まれた積層体である。圧電体8aは、電圧印加により変形するチタン酸ジルコン酸鉛(以後、「PZT」と記す。)から構成される。図2に示すように、駆動部5aは、図2に示すように、捻れ梁部4aと固定部6とに跨って、捻れ梁部4aと固定部6との上に設けられている。駆動部5bも、駆動部5aと同様に、図示しない圧電体8bと、上部電極9bと下部電極10bとを備える。
圧電体8a、8bがY軸方向に伸縮変形することにより、捻れ梁部4a、4bの駆動部5a、5b近傍の部分がZ軸方向の上側、または下側に屈曲する。捻れ梁部4a、4bの駆動部5a、5b近傍の部分が、各々、上側に屈曲するか、下側に屈曲するかは、上部電極9aと下部電極10aとの間、及び上部電極9bと下部電極10bとの間の電圧の大小によって決定される。なお、Z軸方向の上側、下側とは、各々、Z軸の正の領域側、負の領域側であり、厳密にZ軸方向に平行な方向に限定される意味ではない。
上部電極9a、9bと下部電極10a、10bとは、リード線15により、駆動制御部20に接続されている。駆動制御部20から、リード線15を介して、同位相の駆動信号が駆動部5a、5bに供給される。駆動制御部20から、駆動部5a、5bに同位相の駆動信号が供給されることにより、上部電極9aと下部電極10aとの間、及び上部電極9bと下部電極10bとの間に同じ極性を持った電圧が印加される。このように電圧が印加されることにより、圧電体8a、8bがY軸方向に共に伸び、または縮む。本実施形態における駆動制御部20が、本発明の駆動制御部の一例である。
[揺動体の駆動]
図3、図4を用いて、揺動体2の駆動について説明する。図3は、簡略化のため、ミラー部3と捻れ梁部4a、4bとのみを示している。図3において、二点鎖線により示した揺動体2は静止時の揺動体2を示す。また、実線により示された揺動体2は、揺動体2が駆動され、ミラー部3がある揺動角度の値Φに達した際の揺動体2である。捻れ梁部4a、4bは構造を簡略化し、示されている。図4は、駆動制御部20から駆動部5a、5bに供給される同位相の駆動信号DSを示す図である。図4において、縦軸は駆動部5a、5bの上部電極9a、9bと下部電極10a、10bとの間に印加される電圧Vtであり、横軸は時間Tmである。駆動制御部20は、駆動部5a、5bを駆動するための駆動信号DSを生成し、駆動信号DSを駆動部5a、5bに供給する。駆動部5aと駆動部5bとに供給される駆動信号DSは少なくとも同じ位相を有していればよいが、本実施形態においては、駆動部5aと駆動部5bとに供給される駆動信号DSは、同じ振幅と同じ位相とを有している。駆動信号DSの周期性により、駆動部5a、5bの圧電体8a、8bは、Y軸方向に共に伸び、または縮む。即ち、例えば、図4において破線と矢印とで示した時間Tm1〜Tm2においては、上部電極9a、9bと下部電極10a、10bとに印加される電圧Vtが徐々に大きくなる。電圧Vtが徐々に大きくなると、圧電体8a、8bは、共にY軸方向に縮む。また、図4において一点鎖線と矢印とで示した時間Tm3〜Tm4においては、上部電極9a、9bと下部電極10a、10bとに印加される電圧Vtが徐々に小さくなる。電圧Vtが徐々に小さくなると、圧電体8a、8bは、共にY軸方向に伸びる。このようにして圧電体8a、8bがY軸方向に共に伸び、または縮むことにより、捻れ梁部4a、4bの駆動部5a、5b近傍の部分がZ軸方向の上側、または下側に屈曲する。図4に示した同位相の駆動信号DSの周期性により、上部電極9aと下部電極10aとの間、及び上部電極9bと下部電極10bとの間に印加される電圧が周期的に変化する。上部電極9aと下部電極10aとの間、及び上部電極9bと下部電極10bとの間に印加される電圧が周期的に変化することで、捻れ梁部4a、4bの駆動部5a、5b近傍の部分がZ軸方向の上側、または下側に周期的に屈曲する。捻れ梁部4a、4bの駆動部5a、5b近傍の部分がZ軸方向の上側、または下側に周期的に屈曲することで、捻れ梁部4a、4bが図3に示すように揺動軸線AXを中心に捻れ振動する。捻れ梁部4a、4bが揺動軸線AXを中心に捻れ振動することで、ミラー部3は、図3に示すように、揺動軸線AXを中心に揺動する。ミラー部3の反射面7は、揺動軸線AXを中心に揺動しながら、入射した光束を反射する。このように光束が反射面7により反射されることで、光束が走査される。
[電気的構成]
図5を用いて、本実施形態に係る光スキャナ1の電気的構成について詳細に説明する。図5は、本実施形態に係る光スキャナ1の電気的構成を示す説明図である。図5に示すように、駆動制御部20は、駆動信号生成部21と、信号重畳回路22と、直流電圧印加部23と、周波数変更制御部24と、待機時間記憶部25と、角度記憶部26と、角度計測部27と、勾配算出部28と、判断部29と、勾配記憶部30とを備える。図5において、揺動体2は、構成を簡略化して示されており、ミラー部3と駆動部5a、5bとのみが示されている。駆動制御部20は、CPU、ROM、RAM等を含むマイコン等により構成される。
図4、図5、図6A、及び図6Bを用いて、駆動部5a、5bに供給される駆動信号について詳細に説明する。図6A、図6Bにおいて、縦軸は駆動部5a、5bの上部電極9a、9bと下部電極10a、10bとに印加される電圧Vtであり、横軸は時間Tmである。駆動信号生成部21は、図6Aに示すような、駆動部5a、5bを駆動するための駆動信号DS1を生成し、駆動信号DS1を信号重畳回路22に供給する。また、駆動信号生成部21は、駆動信号DS1の振幅Vhの情報を直流電圧印加部23に供給する。直流電圧印加部23は、駆動信号生成部21から直流電圧印加部23に供給された駆動信号DS1の振幅Vhの情報に基づき、図6Bに示すような直流電圧SHを生成する。直流電圧SHは、図6A、及び図6Bに示すように、どの時間Tmにおいても駆動信号DS1の振幅Vhと同じ電圧値を有する。
信号重畳回路22は、駆動信号生成部21から供給された駆動信号DS1と、直流電圧印加部23から供給される直流電圧SHとを重畳する。信号重畳回路22により、駆動信号DS1と、直流電圧SHとが重畳されると、駆動信号生成部21から信号重畳回路22に供給された駆動信号DS1は、図4に示したように、電圧Vtの下限値が0ボルトになるように、電圧Vtの正の方向に駆動信号DS1の振幅Vh分シフトされ、駆動信号DSが生成される。信号重畳回路22は、駆動信号DS1と、直流電圧SHとを重畳すると、駆動信号DSを揺動体2の駆動部5a、5bに供給する。本実施形態における駆動信号生成部21と、信号重畳回路22と、直流電圧印加部23とが、本発明の信号生成部の一例である。
周波数変更制御部24は、駆動信号生成部21により生成される駆動信号DS1の駆動周波数の周波数値を設定する設定ステップを繰り返し実行する。周波数変更制御部24は、設定ステップを繰り返し実行することで、駆動信号DS1の駆動周波数の周波数値が順次大きく変更されるように、駆動信号生成部21を制御する。周波数変更制御部24が、設定ステップを繰り返し実行することで、駆動信号DSの駆動周波数の周波数値も順次大きく変更される。周波数変更制御部24は、信号重畳回路22が駆動信号DSを駆動部5a、5bに供給した後、所定の待機時間、次の設定ステップに移行するのを待機する。所定の待機時間は、実際に駆動部5a、5bの圧電体8a、8bが駆動信号DSの駆動周波数で駆動されるまでかかる時間として、予め設定され、待機時間記憶部25により記憶されている。周波数変更制御部24は、駆動信号DSの駆動周波数の周波数値を、角度記憶部26に供給する。本実施形態における周波数変更制御部24が、本発明の周波数制御部の一例であり、周波数変更制御部24の動作が、周波数変更設定ステップの一例である。
駆動部5a、5bの圧電体8a、8bは、信号重畳回路22から駆動部5a、5bに駆動信号DSが供給されると、駆動部5a、5bが駆動され、揺動体2が駆動される。揺動体2が駆動されることで、ミラー部3が揺動し、ミラー部3の反射面7が、光スキャナ1の外部に設けられた光源LDからミラー部3に供給された光束を反射する。
BDセンサ50は、図1、図5に示すように、予め反射面7に対し所定の位置で設けられている。BDセンサ50は、ミラー部3の反射面7により反射され、BDセンサ50を通過した反射光を検知する。BDセンサ50は、反射光がBDセンサ50を通過するタイミングを示すタイミング信号TSを生成し、駆動制御部20の角度計測部27に供給する。角度計測部27は、BDセンサ50から供給されたタイミング信号TSに基づき、光スキャナ1の光学振れ角の値を計測する。なお、角度計測部27により計測される光スキャナ1の光学振れ角の値は、周知のようにミラー部3の揺動角度の値と比例関係にある。そのため、本実施形態における光学振れ角が、本発明の揺動角度に対応している。光学振れ角の計測には、特開2008−310301号公報に開示されている公知の技術が用いられる。角度計測部27は、計測された光学振れ角の値を、角度記憶部26に供給する。本実施形態におけるBDセンサ50と角度計測部27とが、本発明の検知部の一例であり、光学振れ角の計測動作が、検知ステップの一例である。
角度記憶部26は、角度計測部27から供給された光学振れ角の値を、周波数変更制御部24から供給された駆動信号DSの駆動周波数の周波数値と対応付けて記憶する。このように、周波数変更制御部24が実行する各設定ステップ毎の周波数値と、その周波数値の駆動周波数の駆動信号DSが駆動部5a、5bに供給された際の光学振れ角の値とが、対応付けられて、角度記憶部26により順次記憶される。この対応付けられた記憶により、図7に示すような、駆動信号DSの駆動周波数と光学振れ角との相関関係を検知することができる。本実施形態における角度記憶部26が、本発明の記憶部の一例であり、その記憶動作が、記憶ステップの一例である。
勾配算出部28は、周波数変更制御部24が実行する各設定ステップ毎に、角度記憶部26により記憶された光学振れ角の値θbを周波数値Fbとともに角度記憶部26から読み出す。その際、勾配算出部28は、前回の設定ステップにおいて、角度記憶部26により記憶された光学振れ角の値θaも併せて前回の設定ステップにおける周波数値Faとともに角度記憶部26から読み出す。勾配算出部28は、光学振れ角の値θa、θbと周波数値Fa、Fbとを読み出すと、勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)を算出する。勾配算出部28は、算出された勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)を判断部29に供給する。本実施形態における勾配算出部28が、本発明の算出部の一例であり、勾配算出動作が、算出ステップの一例である。
判断部29は、勾配算出部28により算出された勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が予め設定された所定の勾配値範囲内の値であるか否かを判断する。所定の勾配値範囲は、予め複数種、設定されている。一例として、所定の勾配値範囲の一種である目標勾配値範囲PR1を挙げ、判断部29の機能を説明する。判断部29は、勾配記憶部30により予め記憶されている目標勾配値範囲PR1を読み出す。目標勾配値範囲PR1は、0deg/kHz近傍の範囲、即ち、例えば範囲0〜10deg/kHzである。ただし、範囲A〜Bdeg/kHzとは、Adeg/kHz以上で、且つBdeg/kHzより小さい範囲を示すものとする。この定義は以下の記載においても共通のものとする。判断部29は、勾配算出部28から供給された勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が目標勾配値範囲PR1内の値であるか否かを判断する。駆動周波数が共振周波数と等しくなる際の勾配値(以後、「共振点における勾配値」と記す。)、即ち目標勾配値は通常0deg/kHzである。従って、判断部29により勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が目標勾配値範囲PR1内、即ち範囲0〜10deg/kHzの値であると判断された場合、駆動周波数は限りなく共振周波数に近づいたことを意味する。判断部29は、勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が目標勾配値範囲PR1内の値であるか否かの判断結果を、周波数変更制御部24に供給する。本実施形態における判断部29が、本発明の判断部の一例であり、その判断動作が、判断ステップの一例である。本実施形態における目標勾配値範囲PR1が、本発明の第1範囲の一例である。なお、本実施形態における、共振点における勾配値が、本発明の共振点における勾配値の一例である。
周波数変更制御部24は、判断部29から供給された判断結果に基づき、駆動信号生成部21の信号生成動作を制御する。具体的には、判断部29により、勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が目標勾配値範囲PR1内の値であると判断された際に、駆動信号DSの駆動周波数の周波数値が変更されないように、周波数変更制御部24は、駆動信号DS1の駆動周波数の周波数値を設定する設定ステップの繰り返し実行をストップする。すなわち、周波数変更制御部24は、駆動信号生成部21が生成する駆動信号DS1の駆動周波数の周波数値が変更されないように駆動信号生成部21の動作を制御する。このように、周波数変更制御部24が駆動信号生成部21の信号生成動作を制御することで、駆動周波数が共振周波数と略一致して設定される。従って、共振周波数に限りなく近い駆動周波数の駆動信号DSが、駆動部5a、5bに供給され、非線形特性を有する光スキャナ1の大きな光学振れ角を得ることが可能となる。
スイッチSWは、光スキャナ1の使用者によって押されると、駆動制御部20に電源ON、または電源OFFの指令を供給する。駆動制御部20に電源ONの指令が供給されると、光スキャナ1の動作が始まり、電源OFFの指令が供給されると動作が終了する。
[光スキャナの動作制御]
図7、図8を用いて、本実施形態に係る光スキャナ1の動作制御について詳細に説明する。図7は、光スキャナ1の光学振れ角と駆動信号DSの駆動周波数との関係を示す図である。図8は、光スキャナ1の動作制御を示すフローチャートである。図8一連の動作制御は、駆動制御部20を構成するCPUにより実行される。
図8に示す処理では、先ず、駆動周波数の周波数値FX(以後、「駆動周波数FX」と記す。)が予め設定された初期周波数値FIと等しく設定される(ステップSA1、以後SA1と記す)。即ち、FX=FIと設定される。初期周波数値FIは、図7において一点鎖線と双方向矢印とにより表された線形領域LRのいずれかの値である必要がある。線形領域LRは、駆動周波数FXを徐々に高くしていった場合、即ち駆動周波数FXをアップスイープした場合と、駆動周波数FXを徐々に低くしていった場合、即ち駆動周波数FXをダウンスイープした場合とで、検知される光学振れ角の値(以後、「光学振れ角AD」と記す。)に相違がない周波数領域である。
駆動周波数FXが初期周波数値FIと等しく設定されると、信号重畳回路22により、駆動周波数FXの駆動信号DSが、駆動部5a、5bに供給される(SA2)。駆動周波数FXの駆動信号DSが、駆動部5a、5bに供給されると、周波数変更制御部24は、実際に駆動部5a、5bの圧電体8a、8bが駆動周波数FXで駆動されるまでかかる時間として、予め待機時間記憶部25に記憶されている所定の待機時間20m秒間、次の設定ステップに移行するのを待機する(SA3)。
周波数変更制御部24の待機が行われると、光学振れ角ADが検知される(SA4)。具体的には、BDセンサ50により、反射光の検知が行われ、角度計測部27により、光学振れ角ADが計測される。光学振れ角ADが検知されると、検知された光学振れ角ADが角度記憶部26により一時的に記憶される(SA5)。
光学振れ角ADが角度記憶部26により記憶されると、現在の設定ステップが最初の設定ステップであるか否かが判断される(SA6)。現在の設定ステップが最初の設定ステップでないと判断されると(SA6:No)、勾配算出部28により、角度記憶部26から、前回の設定ステップにおける光学振れ角の値θaと周波数値Faと、現在の設定ステップにおける光学振れ角の値θbと周波数値Fbとが読み出され、勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)の算出が行われる(SA7)。勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)の算出が行われると、処理がSA9に移行する。SA6において、現在の設定ステップが最初の設定ステップ、即ち、Fa=Fb=FIであると判断されると(SA6:Yes)、勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)の初期設定が行われる(SA8)。具体的には、勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、予め設定された所定の初期勾配値100deg/kHzと等しく設定される(SA8)。勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)の初期設定が行われると、処理がSA9に移行する。
算出、または初期設定された勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)は、SA9において、判断部29により、予め設定された所定の勾配値範囲PR3内の値であるか否か判断される(SA9)。所定の勾配値範囲PR3は、前述の所定の勾配値範囲の一種であり、50〜80deg/kHzの勾配値の範囲として予め設定され、勾配記憶部30に記憶されている。勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、予め設定された所定の勾配値範囲PR3内の値でないと判断されると(SA9:No)、周波数変更制御部24は、次の設定ステップに移行する。周波数変更制御部24が次の設定ステップに移行すると、駆動周波数FXが20Hz分高くなるように、周波数変更制御部24が駆動信号生成部21を制御する(SA10)。SA10において、駆動信号生成部21が、周波数変更制御部24により制御されると、処理はSA2に移行する。処理がSA2に移行すると、信号重畳回路22により、前回の設定ステップにおける駆動周波数FXより20Hz分高い駆動周波数FXの駆動信号DSが、駆動部5a、5bに供給される。なお、SA8において、勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、初期勾配値100deg/kHzと等しく設定され、SA9に処理が移行した場合、SA9において判断部29により勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、所定の勾配値範囲PR3、即ち50〜80deg/kHz内の値でないと判断されるため、処理はSA10に移行する。
勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、予め設定された所定の勾配値範囲PR3内の値であると判断されると(SA9:Yes)、勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、判断部29により、予め設定された所定の勾配値範囲PR2内の値であるか否か判断される(SA11)。所定の勾配値範囲PR2は、前述の所定の勾配値範囲の一種であり、10〜50deg/kHzの勾配値の範囲として予め設定され、勾配記憶部30に記憶されている。勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、予め設定された所定の勾配値範囲PR2内の値でないと判断されると(SA11:No)、周波数変更制御部24は、次の設定ステップに移行する。周波数変更制御部24が次の設定ステップに移行すると、駆動周波数FXが10Hz分高くなるように、周波数変更制御部24が駆動信号生成部21を制御する(SA12)。SA12において、駆動信号生成部21が、周波数変更制御部24により制御されると、処理はSA2に移行する。処理がSA2に移行すると、信号重畳回路22により、前回の設定ステップにおける駆動周波数FXより10Hz分高い駆動周波数FXの駆動信号DSが、駆動部5a、5bに供給される。
勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、予め設定された所定の勾配値範囲PR2内の値であると判断されると(SA11:Yes)、勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、判断部29により、前述の目標勾配値範囲PR1内の値であるか否か判断される(SA13)。目標勾配値範囲PR1は、前述の通り、0〜10deg/kHzの勾配値の範囲として予め設定されている。勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、目標勾配値範囲PR1内の値でないと判断されると(SA13:No)、周波数変更制御部24は、次の設定ステップに移行する。周波数変更制御部24が次の設定ステップに移行すると、駆動周波数FXが1Hz分高くなるように、周波数変更制御部24が駆動信号生成部21を制御する(SA14)。SA14において、駆動信号生成部21が、周波数変更制御部24により制御されると、処理はSA2に移行する。処理がSA2に移行すると、信号重畳回路22により、前回の設定ステップにおける駆動周波数FXより1Hz分高い駆動周波数FXの駆動信号DSが、駆動部5a、5bに供給される。勾配値範囲PR3が、50〜80deg/kHz、勾配値範囲PR2が、10〜50deg/kHz、目標勾配値範囲PR1が、0〜10deg/kHzのように設定され、駆動周波数FXの変更幅が上述のように設定されていることにより、勾配値が、共振点における勾配値0deg/kHzに近づくに連れ、駆動周波数FXの変更幅が小さく設定される。従って、駆動周波数が共振周波数と等しくなったか否かを正確に判断することが可能となる。また、共振周波数からある程度離れた範囲において、即ち、勾配値が勾配値範囲PR3のような勾配値範囲内にある際の周波数範囲において、駆動周波数の変更幅がある程度大きく設定されることで、駆動周波数が共振周波数と略一致して設定されるまでの時間を短縮することができる。
判断部29により、勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、目標勾配値範囲PR1内の値であると判断されると(SA13:Yes)、周波数変更制御部24は、判断部29から供給されたこの判断結果に基づき、駆動信号生成部21を制御する。具体的には、駆動信号DSの駆動周波数の周波数値が変更されないように、周波数変更制御部24は、駆動信号DS1の駆動周波数の周波数値を設定する設定ステップの繰り返し実行をストップする(SA15)。設定ステップの繰り返し実行がストップされることにより、駆動周波数FXは現在の設定ステップにおける周波数値Fbと等しくなる。従って、駆動周波数が共振周波数に限りなく近く設定され、共振周波数として駆動周波数FXの駆動信号DSが駆動部5a、5bに供給される。本実施形態における勾配値範囲PR2が、本発明の第2範囲の一例である。本実施形態における勾配値範囲PR3が、本発明の第3範囲の一例である。
本実施形態における各種勾配値範囲とその範囲における処理について更に詳細に説明するために、図7に、勾配値範囲PR1、PR2、及びPR3における各々の駆動周波数の範囲FR1、FR2、及びFR3を二点鎖線と双方向矢印とで示す。範囲FR1は駆動周波数が共振周波数に極めて近い範囲であり、この範囲内に駆動周波数が達した際に、設定ステップの繰り返し実行がストップされる。駆動周波数が範囲FR2内の値である場合、周波数変更制御部24が次の設定ステップに移行する際、駆動周波数FXが1Hz分高くなるように、周波数変更制御部24が駆動信号生成部21を制御する。駆動周波数が範囲FR3内の値である場合、周波数変更制御部24が次の設定ステップに移行する際、駆動周波数FXが10Hz分高くなるように、周波数変更制御部24が駆動信号生成部21を制御する。
設定ステップの繰り返し実行がストップされると、電源スイッチSWから電源OFFの指令が供給されたか否かが判断される。電源OFFの指令が供給されていないと判断されると、駆動周波数FXの駆動信号DSが駆動部5a、5bに供給され続ける。電源OFFの指令が供給されたと判断されると、駆動信号DSの供給処理が終了する。
本実施形態において、駆動周波数FXの初期値は、予め設定された初期周波数値FIと等しく設定されている。初期周波数値FIは、図7において一点鎖線と双方向矢印とにより表された線形領域LRのいずれかの値である必要がある。これは、駆動周波数FXの初期値を線形領域LRの周波数値よりも高い周波数値に設定した場合、その初期値の駆動周波数FXで駆動部5a、5bを駆動すると、跳躍現象を起こし、光スキャナ1の光学振れ角が小さくなってしまうためである。初期周波数値FIの設定は、図8に示す光スキャナ1の一連の駆動周波数の決定処理の前、即ち例えば光スキャナ1の工場出荷時に、駆動周波数FXのアップスイープとダウンスイープとを行うことで、線形領域LRを割り出し、割り出した線形領域LRにおけるいずれかの周波数値と初期周波数値とを等しく設定することで行われる。
[光スキャナ使用例]
本実施形態に係る光スキャナ1の網膜走査ディスプレイ201における使用例について、図9を用いて説明する。網膜走査ディスプレイ201とは、ヘッドマウントディスプレイ装置(以後、「HMD」と記す。)の一形態である。網膜走査ディスプレイ201は、装着者の頭部およびその近辺に装着され、画像光を装着者の眼に導き、装着者の網膜上で2次元方向に走査することにより、画像情報に対応する画像が装着者により視認されるように構成されたものである。本実施形態に係る光スキャナ1は、図9に示した共振型偏向素子261と偏向素子281とに用いられる。ただし、駆動制御部20は、水平走査制御回路262と垂直走査制御回路282とに対応するものである。
網膜走査ディスプレイ201は、光束生成部220と、水平走査部260と、垂直走査部280とを備えている。
光束生成部220は、外部から供給される画像情報Sに基づいて画像光を生成し、生成された画像光を水平走査部260に供給する。水平走査部260は、光束生成部220により生成された画像光を水平方向に走査し、水平方向に走査された画像光をリレー光学系270を介して、垂直走査部280に供給する。垂直走査部280は、リレー光学系270を介して、水平走査部260から供給された画像光を垂直方向に走査し、垂直方向に走査された画像光をリレー光学系290を介して、装着者の瞳孔Eaに供給する。
光束生成部220は、信号処理回路221と、光源部230と、光合成部240と、を備えている。本実施形態における光束生成部220が、本発明の光源部の一例である。
信号処理回路221は、外部から供給された画像データSを受信する。信号処理回路221は、画像データSに基づいて、画像を合成するための要素となる青、赤、緑の各画像信号、B映像信号、R映像信号、G映像信号を生成し、光源部230に供給する。信号処理回路221は、水平走査部260を駆動するための水平同期信号を水平走査部260に供給し、垂直走査部280を駆動するための垂直同期信号を垂直走査部280に供給する。
光源部230は、信号処理回路221から供給されるB映像信号、R映像信号、G映像信号をそれぞれ画像光にする画像光出力部として機能する。光源部230は、青色の画像光を発生するBレーザ234及びBレーザ234を駆動するBレーザドライバ231と、赤色の画像光を発生するRレーザ235及びRレーザ235を駆動するRレーザドライバ232と、緑色の画像光を発生するGレーザ236及びGレーザ236を駆動するGレーザドライバ233と、を備えている。
光合成部240は、光源部230から出力された3つの画像光を供給され、3つの画像光を1つの画像光に合成して任意の画像光を生成する。光合成部240は、コリメート光学系241、242、243と、このコリメートされた画像光を合成するためのダイクロイックミラー244、245、246と、合成された画像光を伝送ケーブル250に導く結合光学系247とを備えている。各レーザ234、235、236から出射したレーザ光は、コリメート光学系241、242、243によってそれぞれ平行光化された後に、ダイクロイックミラー244、245、246に入射される。その後、これらのダイクロイックミラー244、245、246により、各画像光が波長に関して選択的に反射または透過される。コリメート光学系251は、伝送ケーブル250を介して出射される画像光を平行光化し、水平走査部260に導く。
平行光化された画像光は、水平走査部260、リレー光学系270、垂直走査部280、及びリレー光学系290により、2次元的に走査された画像光に変換される。水平走査部260は、コリメート光学系251で平行光化された画像光を画像表示のために水平方向に往復走査する。リレー光学系270は、水平走査部260と垂直走査部280との間に設けられ、水平走査部260により走査された画像光を、垂直走査部280に導く。垂直走査部280は、水平走査部260で水平方向に走査された画像光を垂直方向に往復走査する。リレー光学系290は、水平方向と垂直方向とに走査(2次元的に走査)された画像光を瞳孔Eaへ出射する。本実施形態におけるリレー光学系270、及びリレー光学系290等が、本発明の光学系の一例である。
水平走査部260は、共振型偏向素子261と、水平走査制御回路262と、を備えている。本実施形態に係る光スキャナ1は、共振型偏向素子261に用いられる。共振型偏向素子261は、画像光を水平方向に走査するための反射面を有する。水平走査制御回路262は、信号処理回路221から供給される水平同期信号に基づいて、共振型偏向素子261を共振させる。リレー光学系270は、水平走査部260と垂直走査部280との間で画像光を中継する。共振型偏向素子261によって水平方向に走査された光は、リレー光学系270によって垂直走査部280内の偏向素子281の反射面に収束される。
垂直走査部280は、偏向素子281と、垂直走査制御回路282と、を備えている。本実施形態に係る光スキャナ1は、偏向素子281に用いられる。偏向素子281は、リレー光学系270により導かれた画像光を垂直方向に走査する。垂直走査制御回路282は、信号処理回路221から供給される垂直同期信号に基づいて、偏向素子281を揺動させる。共振型偏向素子261により水平方向に走査され、偏向素子281によって垂直方向に走査された画像光は、2次元的に走査された走査画像光としてリレー光学系290へ出射される。
リレー光学系290は、垂直走査部280と装着者の瞳孔Eaとの間で画像光を中継する。共振型偏向素子261により水平方向に走査され、偏向素子281によって垂直方向に走査された画像光は、リレー光学系290によって装着者の瞳孔Eaに収束される。このようにして、装着者は画像情報に対応する画像を視認することができる。
(変形例)
本実施形態におけるSA15において、設定ステップの繰り返し実行がストップされると、駆動周波数FXの駆動信号DSが駆動部5a、5bに供給され続けるか、駆動信号DSの供給処理が終了するか、であった。しかし、光スキャナ1の共振周波数は、温度変化や経年変化等に依存して変化する。従って、図8に示したSA13の後、所定時間後にSA2に戻り、再び勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)を算出することで、駆動周波数が共振周波数からずれていないかを確認する処理を設けてもよい。この場合、駆動周波数が共振周波数からずれていると判断された際には、SA10、SA12、及びSA14等で示したように駆動周波数を調整して、駆動周波数が共振周波数と略一致するまで処理を続ける必要がある。
本実施形態において、駆動周波数FXの初期値の設定は、図8に示す一連の駆動周波数の決定処理の前に予め行われていたが、この初期値設定ステップが、図8に示す処理に含まれていても良い。即ち、例えば、図8に示したSA1の代わりに、駆動周波数FXのアップスイープとダウンスイープとが行われ、線形領域LRが割り出されるステップと、割り出された線形領域LRにおけるいずれかの周波数値と初期周波数値とが等しく設定されるステップとが設けられても良い。その場合、線形領域LRが割り出されるステップと、割り出された線形領域LRにおけるいずれかの周波数値と初期周波数値とが等しく設定されるステップとは駆動制御部20により行われる。
本実施形態において、光スキャナ1はBDセンサ50を備えていたが、これに限らず、光スキャナ1は、BDセンサ50を備えず、光スキャナ1とBDセンサ50とは、別個の装置であってもよい。この場合、光スキャナ1の角度計測部27は、光スキャナ1の外部に設けられたBDセンサ50からタイミング信号TSを受け取る信号受取部としての機能を有する必要がある。
本実施形態において、本発明の検知部の一例としてBDセンサ50を挙げたが、これに限らず、駆動部5a、5bの揺動軸線AXを挟んだ反対側における捻れ梁部4a、4bと固定部6とに跨って、圧電体と電極から構成された検出用素子を設け、検出用素子の出力電圧から光学振れ角を算出し、検知してもよい。検出用素子には、例えば、特開2007−199682号公報に開示されている公知の技術が用いられる。
本実施形態において、勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、目標勾配値範囲PR1内の値であると判断された場合に、設定ステップの繰り返し実行をストップしていたが、これに限らず、例えば、勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)の対数log{(θb−θa)/(Fb−Fa)}が目標とする対数範囲内の値であると判断された場合に、設定ステップの繰り返し実行をストップしてもよい。即ち、本発明における勾配値は、本実施形態における勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)のみならず、対数log{(θb−θa)/(Fb−Fa)}のような、勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)と関連性のある値も含む。
本実施形態において、光スキャナ1の使用例として、網膜走査ディスプレイ201を示したが、これに限らず、電子写真式複合機や、レーザプリンタ、バーコードリーダ等に用いられてもよい。
本実施形態において、圧電体8a、8bが駆動周波数FXで駆動されるまでかかる時間として、周波数変更制御部24が待機する待機時間は、予め待機時間記憶部25に記憶されている所定の待機時間20m秒間であった。しかし、これに限らず、例えば、駆動周波数FXに応じて待機時間が制御されるように構成し、制御された待機時間、周波数変更制御部24が待機するようにしてもよい。この場合、待機時間の制御は駆動制御部20により行われる。
本実施形態において駆動周波数が共振周波数と略一致して設定されるまでの時間を短縮するために駆動周波数の変更幅がある程度大きく設定される勾配値範囲PR3のような勾配値範囲は複数設定されていてもよい。即ち、例えば、80〜100deg/kHzの範囲の勾配値範囲PR4が設定されていてもよい。この場合、勾配値範囲PR4内における駆動周波数の変更幅が、勾配値範囲PR3における駆動周波数の変更幅よりも大きく設定されることで、駆動周波数が共振周波数と略一致して設定されるまでの時間を可及的に短縮することができる。
1 光スキャナ
2 揺動体
3 ミラー部
4a、4b 捻れ梁部
5a、5b 駆動部
6 固定部
7 反射面
20 駆動制御部
21 駆動信号生成部
22 信号重畳回路
23 直流電圧印加部
24 周波数変更制御部
25 待機時間記憶部
26 角度記憶部
27 角度計測部
28 勾配算出部
29 判断部
30 勾配記憶部
50 検知部

Claims (8)

  1. 入射した光束を反射するミラー部と、前記ミラー部に連結する捻れ梁部と、を有する揺動体を備える光スキャナであって、
    前記揺動体を駆動することで、前記ミラー部を揺動軸線周りに揺動させる駆動部と、
    前記駆動部を駆動するための駆動信号を生成し、前記駆動部に供給する信号生成部と、
    前記信号生成部により生成される前記駆動信号の駆動周波数の周波数値を設定する設定ステップを繰り返し実行し、この設定ステップの繰り返し実行により前記駆動周波数の周波数値が順次大きく変更されるように前記信号生成部を制御する周波数制御部と、
    前記駆動信号が前記信号生成部から前記駆動部に供給された際の前記ミラー部の前記揺動軸線周りの揺動角度を検知する検知部と、
    前記駆動信号が前記信号生成部から前記駆動部に供給された際に、前記検知部により検知された前記揺動角度の値を、前記駆動部に供給された前記駆動信号の前記駆動周波数の周波数値と対応付けて記憶する記憶部と、
    前記周波数制御部により、先の前記設定ステップで設定された前記駆動周波数の周波数値Faに対応して前記記憶部に記憶された前記揺動角度の値θaと、次の前記設定ステップで設定された前記駆動周波数の周波数値Fbに対応して前記記憶部に記憶された前記揺動角度の値θbとの差分(θb−θa)を、前記周波数値Faと前記周波数値Fbとの差分(Fb−Fa)により割った勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)を算出する算出部と、
    前記算出部により算出された前記勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、共振点における前記勾配値近傍の所定の第1範囲内の値か否かを判断する判断部と、を備え、
    前記周波数制御部は、前記判断部により、前記算出部により算出された前記勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、前記第1範囲内の値であると判断された際に、前記駆動周波数の周波数値が変更されないように前記信号生成部を制御し、共振周波数として前記周波数値Fbの前記駆動周波数の前記駆動信号が前記駆動部に供給されるように前記信号生成部を制御することを特徴とする光スキャナ。
  2. 前記周波数制御部は、前記算出部により算出された前記勾配値が前記第1範囲を含む所定の第2範囲内の値である場合に、前記算出部により算出された前記勾配値が前記第2範囲外の値である場合と比較して、連続する2つの前記設定ステップで設定される2つの前記駆動周波数の周波数値の変更幅が小さくなるように前記信号生成部を制御することを特徴とする請求項1に記載の光スキャナ。
  3. 前記周波数制御部は、前記算出部により算出された前記勾配値が、前記第2範囲を含む所定の第3範囲内の値である場合に、前記算出部により算出された前記勾配値が、前記第3範囲外の値である場合と比較して、連続する2つの前記設定ステップで設定される2つの前記駆動周波数の周波数値の変更幅が小さくなるように、且つ前記第2範囲内の値である場合と比較して、連続する2つの前記設定ステップで設定される2つの前記駆動周波数の周波数値の変更幅が大きくなるように前記信号生成部を制御することを特徴とする請求項2に記載の光スキャナ。
  4. 前記周波数制御部は、前記信号生成部が先の前記設定ステップで設定された周波数値の前記駆動周波数の前記駆動信号を前記駆動部に供給した後、予め設定された所定の待機時間後に、次の前記設定ステップを実行することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光スキャナ。
  5. 前記算出部は、周波数値Faの前記駆動周波数の前記駆動信号が前記信号生成部から前記駆動部に供給された際に、前記記憶部に記憶された前記揺動角度の値θaを前記記憶部から読み出し、前記周波数値Faの前記駆動周波数の前記駆動信号が前記信号生成部から前記駆動部に供給された後に、前記周波数制御部により前記周波数値Faが設定された前記設定ステップの次の前記設定ステップで設定された周波数値Fbの前記駆動周波数の前記駆動信号が前記信号生成部から前記駆動部に供給された際に、前記記憶部に記憶された前記揺動角度の値θbを前記記憶部から読み出し、前記揺動角度の値θaとθbとの差分(θb−θa)を、前記駆動周波数の前記周波数値FaとFbとの差分(Fb−Fa)により割った勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)を算出することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光スキャナ。
  6. 入射した光束を反射するミラー部と前記ミラー部に連結する捻れ梁部とを有する揺動体と、前記揺動体を駆動することで、前記ミラー部を揺動軸線周りに揺動させる駆動部と、前記駆動部を駆動するための駆動信号を生成し、前記駆動部に供給する信号生成部と、を備える光スキャナに使用される駆動制御方法であって、
    前記信号生成ステップにより生成される前記駆動信号の駆動周波数の周波数値を設定する設定ステップを繰り返し実行し、この設定ステップの繰り返し実行により前記駆動周波数の周波数値が順次大きく変更されるように前記信号生成部を制御する周波数設定変更ステップと、
    前記駆動信号が前記信号生成部から前記駆動部に供給された際の前記ミラー部の前記揺動軸線周りの揺動角度を検知する検知ステップと、
    前記駆動信号が前記信号生成部から前記駆動部に供給された際に、前記検知ステップにより検知された前記揺動角度の値を、前記駆動部に供給された前記駆動信号の前記駆動周波数の周波数値と対応付けて記憶する記憶ステップと、
    前記周波数設定変更ステップにより、先の前記設定ステップで設定された前記駆動周波数の周波数値Faに対応して前記記憶ステップにより記憶された前記揺動角度の値θaと、次の前記設定ステップで設定された前記駆動周波数の周波数値Fbに対応して前記記憶ステップにより記憶された前記揺動角度の値θbとの差分(θb−θa)を、前記周波数値Faと前記周波数値Fbとの差分(Fb−Fa)により割った勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)を算出する算出ステップと、
    前記算出ステップにより算出された前記勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、共振点における前記勾配値近傍の所定の第1範囲内の値か否かを判断する判断ステップと、
    前記判断ステップにより、前記算出ステップにより算出された前記勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、前記第1範囲内の値であると判断された際に、前記駆動周波数の周波数値が変更されないように前記信号生成部を制御し、共振周波数として前記周波数値Fbの前記駆動周波数の前記駆動信号が前記駆動部に供給されるように前記信号生成部を制御する周波数決定ステップとを備えることを特徴とする駆動制御方法。
  7. 入射した光束を反射するミラー部と、前記ミラー部に連結する捻れ梁部と、を有する揺動体と、前記揺動体を駆動することで、前記ミラー部を揺動軸線周りに揺動させる駆動部と、前記駆動部を駆動するための駆動信号を生成し、前記駆動部に供給する信号生成部と、を備える光スキャナに使用される駆動制御プログラムであって、
    前記信号生成ステップにより生成される前記駆動信号の駆動周波数の周波数値を設定する設定ステップを繰り返し実行し、この設定ステップの繰り返し実行により前記駆動周波数の周波数値が順次大きく変更されるように前記信号生成部を制御する周波数設定変更ステップと、
    前記駆動信号が前記信号生成部から前記駆動部に供給された際の前記ミラー部の前記揺動軸線周りの揺動角度を検知する検知ステップと、
    前記駆動信号が前記信号生成部から前記駆動部に供給された際に、前記検知ステップにより検知された前記揺動角度の値を、前記駆動部に供給された前記駆動信号の前記駆動周波数の周波数値と対応付けて記憶する記憶ステップと、
    前記周波数設定変更ステップにより、先の前記設定ステップで設定された前記駆動周波数の周波数値Faに対応して前記記憶ステップにより記憶された前記揺動角度の値θaと、次の前記設定ステップで設定された前記駆動周波数の周波数値Fbに対応して前記記憶ステップにより記憶された前記揺動角度の値θbとの差分(θb−θa)を、前記周波数値Faと前記周波数値Fbとの差分(Fb−Fa)により割った勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)を算出する算出ステップと、
    前記算出ステップにより算出された前記勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、共振点における前記勾配値近傍の所定の第1範囲内の値か否かを判断する判断ステップと、
    前記判断ステップにより、前記算出ステップにより算出された前記勾配値(θb−θa)/(Fb−Fa)が、前記第1範囲内の値であると判断された際に、前記駆動周波数の周波数値が変更されないように前記信号生成部を制御し、共振周波数として前記周波数値Fbの前記駆動周波数の前記駆動信号が前記駆動部に供給されるように前記信号生成部を制御する周波数決定ステップとを備え、
    これらのステップをコンピューターにより実現する駆動制御プログラム。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の光スキャナと、
    前記光スキャナに光を供給する光源部と、
    前記光スキャナにより走査された走査光を使用者の目に導く光学系と、を備えることを特徴とする画像表示装置。
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