JP2011017292A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出口から出た直後の高圧ガスの流れを安定させて吐出脈動および吐出圧損を低減することが可能なスクロール圧縮機を提供する。
【解決手段】蓋部材44は、固定スクロール24の上部の凹部42の開口端42aを閉じることにより吐出チャンバー空間45を形成する。吐出チャンバー空間45は、所定の排出口46aに連通している。蓋部材44は、吐出チャンバー空間45の内部のガスを、所定の排出口46aへ案内するガイド溝67を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、スクロール圧縮機に関する。
従来より、特許文献1(特開2003―286949号公報)に記載されているスクロール圧縮機のように、吐出直後の高圧ガスを高圧空間へ案内するために固定スクロール上部において低圧空間から仕切られたチャンバー空間を有するスクロール圧縮機がある。
このようなスクロール圧縮機では、いわゆる高低圧ドーム型圧縮機と呼ばれるものであり、ケーシング内がスクロール圧縮機構を挟んで上側の低圧空間と下側の高圧空間とに区画されており、駆動軸を介してスクロール圧縮機構に連結されたモータは、下側の高圧空間側に配置されている。
そして、固定スクロールの吐出ポートからチャンバ空間へ吐出される高圧ガスは、固定スクロールに設けられた吐出通路を通ってモータがある高圧空間に吐出される。高圧空間に吐出された高圧ガスは、モータを冷却した後、吐出管から外部へ吐出される。
スクロール圧縮機構の圧縮室から吐出された高圧ガスは、吐出ポート、チャンバ空間、固定スクロール吐出通路へと流れていくが、吐出ポートから固定スクロール吐出通路へ向かうときに、低圧空間とチャンバー空間とを仕切るチャンバカバーに当たるので、高圧ガスの流れの方向が乱れ、固定スクロール吐出通路に向かうまでに圧損が生じるという問題がある。
また、高圧ガスがチャンバーカバーに衝突することにより、吐出脈動が増大し、騒音が増大するという問題がある。
さらに、スクロール圧縮室内部の過圧縮ガスを逃がして過圧縮損失を低減するためにチャンバー空間内部にリリーフ弁が設けられた構造では、このリリーフ弁が吐出ポートと固定スクロール吐出通路を結ぶ線上に設けられている場合、高圧ガスの流れにより、リリーフ弁の挙動が不安定となる影響としては、リリーフ弁のチャタリング音などの異音が生じるという問題がある。また、リリーフ弁の閉じ遅れによって固定スクロールと可動スクロールのラップ間への高圧ガスの逆流で圧縮機の性能が低下したり、一方、リリーフ弁の開き遅れによるラップ間の内部圧力上昇による圧縮機の性能が低下するという問題がある。
さらに、吐出ポートから出た高圧ガスが、狭いチャンバ空間内において、固定スクロールの吐出通路に到達するまでに流れが乱れるという問題がある。この場合も、リリーフ弁への悪影響を及ぼし、リリーフ弁の円滑な開閉が困難になるおそれがある。さらに、吐出ポートからのガスの流れが乱れることによって吐出圧損が生じ、圧縮機の性能低下になるおそれがある。
本発明の課題は、吐出口から出た直後の高圧ガスの流れを安定させて吐出脈動および吐出圧損を低減することが可能なスクロール圧縮機を提供することにある。
第1発明のスクロール圧縮機は、可動スクロールと、固定スクロールと、蓋部材とを備えている。可動スクロールでは、平板状の鏡板の一方の面に螺旋状のラップが設けられている。固定スクロールでは、平板状の鏡板の一方の面には、可動スクロールのラップと組み合わされて圧縮室を形成する螺旋状のラップが設けられている。しかも、固定スクロールの鏡板を貫通して圧縮室に連通する吐出口が形成されている。さらに、固定スクロールの鏡板の他方の面には、吐出口から出る圧縮後のガスが通る凹部が形成されている。蓋部材は、固定スクロールの他方の面に設けられている。蓋部材は、凹部を固定スクロールの開口端を閉じることにより吐出チャンバー空間を形成する。吐出チャンバー空間は、所定の排出口に連通している。蓋部材は、吐出チャンバー空間内部のガスを、所定の排出口へ案内するガイド構造を有する。
ここでは、固定スクロールの凹部を覆う蓋部材が、吐出チャンバー空間内部のガスを所定の排出口へ案内するガイド構造を有している。これにより、吐出脈動を低減し、低騒音化を実現することが可能である。また、吐出圧損を低減することもでき、圧縮機の性能を安定させることが可能である。
第2発明のスクロール圧縮機は、第1発明のスクロール圧縮機であって、蓋部材には、凹部に対向する面において、所定の排出口へガスを案内するガイド溝が形成されている。
ここでは、蓋部材に、凹部に対向する面において所定の排出口へガスを案内するガイド溝が形成されているので、吐出脈動の低減および吐出圧損の低減を達成する。それとともに、蓋部材を加工することにより所望の形状のガイド溝を容易に形成することが可能である。
第3発明のスクロール圧縮機は、第2発明のスクロール圧縮機であって、ガイド溝は、吐出口から所定の排出口へ向かって延びる。
ここでは、ガイド溝が吐出口から所定の排出口へ向かって延びるので、吐出口から吐出されたガスを所定の排出口へ円滑に案内することが可能である。
第4発明のスクロール圧縮機は、第3発明のスクロール圧縮機であって、ガイド溝の幅は、吐出口の近傍より所定の排出口の近傍の方が狭い。
ここでは、ガイド溝の幅が吐出口の近傍より所定の排出口の近傍の方が狭いので、吐出口から吐出されたガスを所定の排出口へ円滑に流入させることが可能である。
第5発明のスクロール圧縮機は、第2発明から第4発明のいずれかのスクロール圧縮機であって、ガイド溝の深さは、吐出口の近傍および所定の排出口の近傍よりも中間付近の方が深い。
ここでは、ガイド溝の深さが吐出口の近傍および所定の排出口の近傍よりも中間付近の方が深いので、吐出口から吐出されたガスは、ガイド溝の傾斜した底面に沿って所定の排出口へ円滑に流れることが可能である。
第6発明のスクロール圧縮機は、第5発明のスクロール圧縮機であって、ガイド溝の深さ方向の断面形状は、中間付近へ向かうにしたがって先細りになるテーパ状である。
ここでは、ガイド溝の深さ方向の断面形状が中間付近へ向かうにしたがって先細りになるテーパ状であるので、吐出口から吐出されたガスがガイド溝の傾斜した底面に沿って所定の排出口へ円滑に流れることが可能である。
第7発明のスクロール圧縮機は、第5発明のスクロール圧縮機であって、ガイド溝の深さ方向の断面形状は、中間付近へ向かうにしたがって上に凸になるように湾曲した円弧状である。
ここでは、ガイド溝の深さ方向の断面形状が中間付近へ向かうにしたがって上に凸になるように湾曲した円弧状であるので、吐出口から吐出されたガスがガイド溝の湾曲したした滑らかな底面に沿って所定の排出口へより円滑に流れることが可能である。
第8発明のスクロール圧縮機は、第2発明から第7発明のいずれかのスクロール圧縮機であって、蓋部材は、金属薄板をプレス加工することによりガイド溝を付けて製造されている。
ここでは、蓋部材が金属薄板をプレス加工することによりガイド溝を付けて製造されているので、所望の形状のガイド溝を容易に形成することが可能である。
第9発明のスクロール圧縮機は、第2発明から第8発明のいずれかのスクロール圧縮機であって、固定スクロールの鏡板には、圧縮室と凹部とを連通する少なくとも1つのリリーフ孔が形成されている。さらに、凹部の内面には、リリーフ孔を開閉するリリーフ弁が設けられている。ガイド溝は、リリーフ弁を避けて所定の排出口へガスを案内する。
ここでは、ガイド溝がリリーフ弁を避けて所定の排出口へガスを案内するので、チャンバー空間内部を流れるガスがリリーフ弁に当たりにくくなっている。このため、リリーフ弁の挙動が安定し、その結果、チャタリング音などの異音の発生を防止し、かつ圧縮機の性能を向上させることが可能である。また、ガスがリリーフ孔から逆流することも防止することが可能であり、圧縮機の性能を向上させることが可能である。
第10発明のスクロール圧縮機は、第1発明から第9発明のいずれかのスクロール圧縮機であって、吐出口は、非円形の形状である。また、吐出口は、その長径の方向と所定の排出口への吐出ガスの流れ方向とが平行になるように配置されている。
ここでは、吐出口が非円形の形状であり、しかも、吐出口がその長径の方向と所定の排出口への吐出ガスの流れ方向とが平行になるように配置されているので、吐出ガスが所定の排出口へ向かって円滑に流れることが可能である。
第1発明によれば、吐出脈動を低減し、低騒音化を実現することができる。また、吐出圧損を低減することもでき、圧縮機の性能を安定させることができる。
第2発明によれば、吐出脈動の低減および吐出圧損の低減を達成する。それとともに、蓋部材を加工することにより所望の形状のガイド溝を容易に形成することができる。
第3発明によれば、吐出口から吐出されたガスを所定の排出口へ円滑に案内することができる。
第4発明によれば、吐出口から吐出されたガスを所定の排出口へ円滑に流入させることができる。
第5発明によれば、吐出口から吐出されたガスは、ガイド溝の傾斜した底面に沿って所定の排出口へ円滑に流れることができる。
第6発明によれば、吐出口から吐出されたガスがガイド溝の傾斜した底面に沿って所定の排出口へ円滑に流れることができる。
第7発明によれば、吐出口から吐出されたガスがガイド溝の湾曲したした滑らかな底面に沿って所定の排出口へより円滑に流れることができる。
第8発明によれば、所望の形状のガイド溝を容易に形成することができる。
第9発明によれば、リリーフ弁の挙動が安定し、その結果、チャタリング音などの異音の発生を防止し、かつ圧縮機の性能を向上させることができる。また、ガスがリリーフ孔から逆流することも防止することができ、圧縮機の性能を向上させることができる。
第10発明によれば、吐出ガスが所定の排出口へ向かって円滑に流れることができる。
本発明の実施形態に係わるスクロール圧縮機の縦断面図。 図1のチャンバーカバーを取り除いた状態のチャンバー空間内部を示す平面図。 図1のチャンバー空間内部のガスの流れを示す断面図。 図1のチャンバーカバーに形成されたガイド溝を示す平面図。 図1のリリーフ孔およびリリーフ弁を示す断面説明図。 本発明の実施形態の変形例に係わる円弧状に湾曲したガイド溝を示すチャンバーカバーの断面図。
つぎに本発明のスクロール圧縮機の実施形態を図面を参照しながら説明する。
〔実施形態〕
つぎに本発明のスクロール圧縮機の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1に示されるスクロール圧縮機1は、高低圧ドーム型のスクロール圧縮機であり、蒸発器や、凝縮器、膨張機構などと共に冷媒回路を構成し、その冷媒回路中のガス冷媒を圧縮する役割を担うものであって、主に、縦長円筒状の密閉ドーム型のケーシング10、スクロール圧縮機構15、オルダムリング39、駆動モータ16、下部主軸受60、吸入管19、および吐出管20から構成されている。以下、このスクロール圧縮機1の構成部品についてそれぞれ詳述していく。
〔スクロール圧縮機1の構成部品の詳細〕
(1)ケーシング
ケーシング10は、略円筒状の胴部ケーシング部11と、胴部ケーシング部11の上端部に気密状に溶接される椀状の上壁部12と、胴部ケーシング部11の下端部に気密状に溶接される椀状の底壁部13とを有する。そして、このケーシング10には、主に、ガス冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構15と、スクロール圧縮機構15の下方に配置される駆動モータ16とが収容されている。このスクロール圧縮機構15と駆動モータ16とは、ケーシング10内を上下方向に延びるように配置される駆動軸17によって連結されている。そして、この結果、スクロール圧縮機構15と駆動モータ16との間には、間隙空間18が生じる。
(2)スクロール圧縮機構
スクロール圧縮機構15は、図1に示されるように、主に、ハウジング23と、ハウジング23の上方に密着して配置される固定スクロール24と、固定スクロール24に噛合する可動スクロール26とから構成されている。
以下、このスクロール圧縮機構15の構成部品についてそれぞれ詳述していく。
a)固定スクロール
固定スクロール24は、図1〜4に示されるように、主に、平板状の鏡板24aと、鏡板24aの下面に形成された渦巻き状(インボリュート状)のラップ24bとから構成されている。
鏡板24aには、後述する圧縮室40に連通する吐出ポート41が鏡板24aの略中心に貫通して形成されている。吐出ポート41は、鏡板24aの中央部分において上下方向に延びるように形成されている。吐出ポート41の開口面の形状は、開口面積を大きくして吐出圧損を低減するため、非円形の形状である。なお、符号80は、吐出ポート41を開閉する逆止弁である吐出弁を示す。
図2に示されるように、吐出ポート41の形状は、非円形の形状であり、一部くぼんだ楕円状の異形ポートである。吐出ポート41は、その長径D1の方向と吐出通路46の開口46aへの吐出ガスの流れ方向F1とが平行になるように配置されており、これにより、吐出ガスが吐出通路46の開口46aへ向かって円滑に流れることが可能である。
さらに、鏡板24aの上面には、吐出ポート41に連通する拡大凹部42が形成されている。拡大凹部42は、鏡板24aの上面に凹設された水平方向に広がる凹部により構成されている。
固定スクロール24の上面には、この拡大凹部42を塞ぐようにチャンバーカバー44がボルト44aにより締結固定されている。そして、拡大凹部42にチャンバーカバー44が覆い被せられることによりスクロール圧縮機構15の運転音を消音させる膨張室からなる吐出チャンバー空間45が形成されている。固定スクロール24とチャンバーカバー44とは、図示しないパッキンを介して密着させることによりシールされている。
また、図1〜2および図5に示されるように、固定スクロール24の鏡板24aには、3本の丸穴形状のリリーフ孔61が貫通して形成されている。具体的には、リリーフ孔61は、可動スクロール1周につき、圧縮室40が、3箇所のリリーフ孔61を通過するように配置されている。
なお、図1〜2および図5に示されるように、リリーフ孔61は、鏡板24a背面側(上面付近)に形成された座ぐり部65を有している。
さらに、図1〜2および図5に示されるように、固定スクロール24の鏡板24aの上面における拡大凹部42の内面には、それぞれのリリーフ孔61を閉じる逆止弁であるリリーフ弁66が設けられている。
本実施形態では、図1〜4に示されるように、固定スクロール24の背面側(ラップ24bの形成された側)の面に設けられた拡大凹部42の開口端42aを、チャンバーカバー44によって閉じることにより吐出チャンバー空間45を形成している。この吐出チャンバー空間45は、所定の排出口(本実施形態では、吐出通路46の開口46a)に連通している。このチャンバーカバー44は、吐出チャンバー空間45の内部のガスを、流れ方向F1に沿って所定の排出口である吐出通路46の開口46aへ案内するガイド構造を有する。
具体的には、図3〜4に示されるように、チャンバーカバー44には、拡大凹部42に対向する面において、吐出通路46の開口46aへガスを案内するガイド溝67が形成されている。
図2および図4に示されるように、ガイド溝67は、円形部分67aと長穴部分67bとが連通して形成されており、いわゆる前方後円墳のような形状を有している。ガイド溝67は、円形部分67aが吐出ポート41の直上に位置し、長穴部分67bが吐出ポート41から吐出通路46の開口46aへ向かって延びるように配置されている。
円形部分67aの直径は、吐出ポート41の長径D1よりも若干大きい程度の大きさ(例えば、D1の2、3倍程度)に設定されている。
ガイド溝67の幅は、図4に示されるように、吐出ポート41の近傍に位置する円形部分67aの幅W1よりも、吐出通路46の開口46aの近傍に位置する長穴部分67bの幅W2の方が狭い。
長穴部分67bの幅W2は、吐出通路46の開口46aの幅とほぼ同じか、若干大きい幅になるように設定されており、吐出通路46の開口46aへ吐出ガスが円滑に流入できるようにしている。
ガイド溝67は、種々の方法により形成することが可能であるが、本実施形態では、金属薄板からなるチャンバーカバー44にプレス加工を施すことにより、所望の形状のガイド溝67を容易に形成することが可能である。図3〜4に示されるガイド溝67は、同一深さで、円形と長穴を組み合わせた前方後円墳状の形状を有している。
ガイド溝67は、図2に示されるように、3個のリリーフ弁66を避けて所定の排出口である吐出通路46の開口46aへ吐出ガスを案内するように配置されている。
b)可動スクロール
可動スクロール26は、図1に示されるように、主に、鏡板26aと、鏡板26aの上面に形成された渦巻き状(インボリュート状)のラップ26bと、鏡板26aの下面に形成された軸受部26cと、鏡板26aの両端部に形成される溝部26dとから構成されている。
可動スクロール26は、駆動軸17の外側に嵌合する軸受部26cを有している。
可動スクロール26は、溝部26dにオルダムリング39が嵌め込まれることによりハウジング23に支持される。また、軸受部26cには駆動軸17の上端が嵌入される。可動スクロール26は、このようにスクロール圧縮機構15に組み込まれることによって駆動軸17の回転により自転することなくハウジング23内を公転する。そして、可動スクロール26のラップ26bは固定スクロール24のラップ24bに噛合させられており、両ラップ24b,26bの接触部の間には圧縮室40が形成されている。そして、この圧縮室40では、可動スクロール26の公転に伴い、両ラップ24b,26b間の容積が中心に向かって収縮する。本実施形態に係るスクロール圧縮機1では、このようにしてガス冷媒を圧縮するようになっている。
c)ハウジング
ハウジング23は、その外周面において周方向の全体に亘って胴部ケーシング部11に圧入固定されている。つまり、胴部ケーシング部11とハウジング23とは全周に亘って気密状に密着されている。このため、ケーシング10の内部は、ハウジング23下方の高圧空間28とハウジング23上方の低圧空間29とに区画されていることになる。また、このハウジング23には、上端面が固定スクロール24の下端面と密着するように、固定スクロール24がボルト等により固定されている。また、このハウジング23には、上面中央に凹設されたハウジング凹部31と、下面中央から下方に延設された軸受部32とが形成されている。そして、この軸受部32には、上下方向に貫通する軸受孔33が形成されており、この軸受孔33に駆動軸17が軸受メタル34を介して回転自在に嵌入されている。
d)その他
また、このスクロール圧縮機構15には、固定スクロール24とハウジング23とに亘り、吐出通路46が形成されている。この吐出通路46は、固定スクロール24とハウジング23に切欠形成されたハウジング側通路48とが連通するように形成されている。そして、吐出通路46の上端は拡大凹部42に開口し、吐出通路46の下端、即ちハウジング側通路48の下端はハウジング23の下端面に開口している。つまり、このハウジング側通路48の下端開口により、吐出通路46の冷媒を間隙空間18に流出させる吐出ポート49が構成されていることになる。
(3)オルダムリング
オルダムリング39は、上述したように、可動スクロール26の自転運動を防止するための部材であって、ハウジング23に形成されるオルダム溝(図示せず)に嵌め込まれている。なお、このオルダム溝は、長円形状の溝であって、ハウジング23において互いに対向する位置に配設されている。
(4)駆動モータ
駆動モータ16は、主に、ケーシング10の内壁面に固定された環状のステータ51と、ステータ51の内側に僅かな隙間(エアギャップ通路)をもって回転自在に収容されたロータ52とから構成されている。
ステータ51には、ティース部に銅線が巻回されており、上方および下方にコイルエンド53が形成されている。また、ステータ51の外周面には、ステータ51の上端面から下端面に亘り且つ周方向に所定間隔をおいて複数個所に切欠形成されているコアカット部が設けられている。そして、このコアカット部により、胴部ケーシング部11とステータ51との間に上下方向に延びるモータ冷却通路55が形成されている。
ロータ52は、上下方向に延びるように胴部ケーシング部11の軸心に配置された駆動軸17を介してスクロール圧縮機構15の可動スクロール26に駆動連結されている。また、吐出通路46の吐出ポート49を流出した冷媒をモータ冷却通路55に案内する案内板58が、間隙空間18に配設されている。
(5)下部主軸受
下部主軸受60は、駆動モータ16の下方の下部空間に配設されている。この下部主軸受60は、胴部ケーシング部11に固定されるとともに駆動軸17の下端側軸受を構成し、駆動軸17を支持している。
(6)吸入管
吸入管19は、冷媒回路の冷媒をスクロール圧縮機構15に導くためのものであって、ケーシング10の上壁部12に気密状に嵌入されている。吸入管19は、低圧空間29を上下方向に貫通すると共に、内端部が固定スクロール24に嵌入されている。
(7)吐出管
吐出管20は、ケーシング10内の冷媒をケーシング10外に吐出させるためのものであって、ケーシング10の胴部ケーシング部11に気密状に嵌入されている。そして、この吐出管20は、高圧空間28である間隙空間18に連通している。
〔スクロール圧縮機1の運転動作〕
つぎに、スクロール圧縮機1の運転動作について図1を参照しながら簡単に説明する。まず、駆動モータ16が駆動されると、駆動軸17が回転し、可動スクロール26が自転することなく公転運転を行う。すると、低圧のガス冷媒が、吸入管19を通って圧縮室40の周縁側から圧縮室40に吸引され、圧縮室40の容積変化に伴って圧縮され、高圧のガス冷媒となる。そして、この高圧のガス冷媒は、圧縮室40の中央部から吐出ポート41を通って吐出チャンバー空間45へ吐出される。また、圧縮室40内部に過圧縮ガスが生じる場合(圧縮室40の内圧がリリーフ弁66の閉弁圧以上の場合)には、過圧縮ガスは、リリーフ孔61を通じて吐出チャンバー空間45へ吐出される。その後、吐出通路46、ハウジング側通路48、吐出ポート49を通って間隙空間18へ流出し、案内板58と胴部ケーシング部11の内面との間を下側に向かって流れる。
このとき、チャンバーカバー44のガイド溝67は、吐出ポート41から吐出チャンバー空間45へ吐出された高圧のガス冷媒を、所定の吐出通路46の開口46aへ円滑に案内することが可能である。
そして、このガス冷媒は、案内板58と胴部ケーシング部11の内面との間を下側に向かって流れ、モータ冷却通路55を下側に向かって流れ、モータ下部空間にまで流れた後、反転してステータ51とロータ52との間のエアギャップ通路、または吐出通路46に対向する側(図1における左側)のモータ冷却通路55を上方に向かって流れる。その後、吐出管20から、ケーシング10外に吐出される。そして、ケーシング10外に吐出されたガス冷媒は、冷媒回路を循環した後、再度吸入管19を通ってスクロール圧縮機構15に吸入されて圧縮される。
<特徴>
(1)
本実施形態のスクロール圧縮機1では、固定スクロール24の背面側(ラップ24bの形成された側)の面に設けられた拡大凹部42の開口端42aを、チャンバーカバー44によって閉じることにより吐出チャンバー空間45を形成しており、しかも、この吐出チャンバー空間45は、所定の排出口(吐出通路46の開口46a)に連通している。このチャンバーカバー44は、吐出チャンバー空間45の内部のガスを、流れ方向F1に沿って所定の排出口である吐出通路46の開口46aへ案内するために、チャンバーカバー44にガイド溝67を設けたガイド構造を有している。
これにより、吐出ポート41から吐出された高圧ガスの吐出脈動を低減し、低騒音化を実現することが可能である。また、吐出圧損を低減することもできるので、圧縮機の性能を安定させることが可能である。
(2)
本実施形態のスクロール圧縮機1では、チャンバーカバー44には、拡大凹部42に対向する面において、吐出通路46の開口46aへガスを案内するガイド溝67が形成されているので、チャンバーカバー44にプレス加工などを施すことにより所望の形状のガイド溝67を容易に形成することが可能である。
(3)
本実施形態のスクロール圧縮機1では、ガイド溝67は、吐出ポート41から吐出通路46の開口46aへ向かって延びている。このため、吐出ポート41から吐出された高圧ガスを吐出通路46の開口46aへ円滑に案内することが可能である。
(4)
本実施形態のスクロール圧縮機1では、ガイド溝67の幅は、吐出ポート41の近傍の幅W1より吐出通路46の開口46aの近傍の幅W2の方が狭いので、吐出ポート41から吐出された高圧ガスを吐出通路46の開口46aへ円滑に流入させることが可能である。
(5)
本実施形態のスクロール圧縮機1では、蓋部材であるチャンバーカバー44が、金属薄板をプレス加工することによりガイド溝67を付けて製造されているので、所望の形状のガイド溝67を容易に形成することが可能である。
(6)
本実施形態のスクロール圧縮機1では、ガイド溝67は、図2に示されるように、リリーフ弁66を避けて所定の排出口である吐出通路46の開口46aへ吐出ガスを案内するように配置されている。このため、吐出チャンバー空間45内部を流れるガスがリリーフ弁66に当たりにくくなっているので、リリーフ弁66の挙動が安定し、その結果、チャタリング音などの異音の発生を防止し、かつ圧縮機の性能を向上させることが可能である。さらに、吐出ガスがリリーフ孔61から逆流することを防止することも可能であり、圧縮機の性能をさらに向上させることが可能である。
<変形例>
(A)
実施形態のスクロール圧縮機1では、図3に示されるようにガイド溝67が同一の深さで形成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の変形例として、図6に示されるように、ガイド溝68は、その深さは、吐出ポート41の近傍の深さY1および吐出通路46の開口46aの近傍の深さY3よりも中間付近の深さY2の方が深いような形状にすれば、吐出ポート41から出た吐出ガスは、ガイド溝68の傾斜した底面68aに沿って吐出通路46の開口46aへ円滑に流れることが可能である。
このような形状のガイド溝68も、金属薄板からなるチャンバーカバー44をプレス加工することにより容易に製造することができる。
(B)
特に、図6に示されるガイド溝68の深さ方向の断面形状は、中間付近へ向かうにしたがって上に凸になるように湾曲した円弧状である。このようななめらな曲線で構成された形状にすることにより、吐出ポート41から出た吐出ガスを、湾曲した底面68aに案内されて流れ方向F2に沿って、吐出通路46の開口46aへより円滑に案内することが可能である。
(C)
また、他の変形例として、ガイド溝68の深さ方向の断面形状を、中間付近へ向かうにしたがって先細りになるテーパ状(三角形断面になるような形状)にしても、吐出ポート41から出た吐出ガスは、ガイド溝68の傾斜した底面68aに沿って吐出通路46の開口46aへ円滑に流れることが可能である。
本発明は、固定スクロールの上方の空間に吐出チャンバー空間が形成されたスクロール圧縮機に種々適用することが可能である。
1 スクロール圧縮機
24 固定スクロール
24a 鏡板
24b ラップ
26 可動スクロール
26a 鏡板
26b ラップ
40 圧縮室
41 吐出ポート
44 チャンバーカバー
45 吐出チャンバー空間
61 リリーフ孔
65 座ぐり穴
66 リリーフ弁
67、68 ガイド溝
特開2003―286949号公報

Claims (10)

  1. 平板状の鏡板(26a)の一方の面に螺旋状のラップ(26b)が設けられた可動スクロール(26)と、
    平板状の鏡板(24a)の一方の面には、前記可動スクロール(26)のラップ(26b)と組み合わされて圧縮室(40)を形成する螺旋状のラップ(24b)が設けられ、前記鏡板(24a)を貫通して前記圧縮室(40)に連通する吐出口(41)が形成され、さらに、前記鏡板の他方の面には、前記吐出口(41)から出る圧縮後のガスが通る凹部(42)が形成された固定スクロール(24)と、
    前記固定スクロール(24)の他方の面に設けられ、前記凹部(42)の開口端(42a)を閉じることにより吐出チャンバー空間(45)を形成する蓋部材(44)と
    を備えており、
    前記吐出チャンバー空間(45)は、所定の排出口(46a)に連通しており、
    前記蓋部材(44)は、前記吐出チャンバー空間(45)内部のガスを、前記所定の排出口(46a)へ案内するガイド構造を有する、
    スクロール圧縮機(1)。
  2. 前記蓋部材(44)には、前記凹部(42)に対向する面において、前記所定の排出口(46a)へガスを案内するガイド溝(67、68)が形成されている、
    請求項1に記載のスクロール圧縮機(1)。
  3. 前記ガイド溝(67、68)は、前記吐出口(41)から前記所定の排出口(46a)へ向かって延びる、
    請求項2に記載のスクロール圧縮機(1)。
  4. 前記ガイド溝(67、68)の幅は、前記吐出口(41)の近傍より前記所定の排出口(46a)の近傍の方が狭い、
    請求項3に記載のスクロール圧縮機(1)。
  5. 前記ガイド溝(68)の深さは、前記吐出口(41)の近傍および前記所定の排出口(46a)の近傍よりも中間付近の方が深い、
    請求項2から4のいずれかに記載のスクロール圧縮機(1)。
  6. 前記ガイド溝(68)の深さ方向の断面形状は、中間付近へ向かうにしたがって先細りになるテーパ状である、
    請求項5に記載のスクロール圧縮機(1)。
  7. 前記ガイド溝(68)の深さ方向の断面形状は、中間付近へ向かうにしたがって上に凸になるように湾曲した円弧状である、
    請求項5に記載のスクロール圧縮機(1)。
  8. 前記蓋部材(44)は、金属薄板をプレス加工することにより前記ガイド溝(67、68)を付けて製造されている、
    請求項2から7のいずれかに記載のスクロール圧縮機(1)。
  9. 前記固定スクロール(24)の鏡板(24a)には、前記圧縮室(40)と前記凹部(42)とを連通する少なくとも1つのリリーフ孔(61)が形成され、さらに、前記凹部(42)の内面には、前記リリーフ孔(61)を開閉するリリーフ弁(66)が設けられ、
    前記ガイド溝(67、68)は、前記リリーフ弁(66)を避けて前記所定の排出口(46a)へガスを案内する、
    請求項2から8のいずれかに記載のスクロール圧縮機(1)。
  10. 前記吐出口(41)は、非円形の形状であり、長径(D1)の方向と前記所定の排出口(46a)への吐出ガスの流れ方向(F1)とが平行になるように配置されている、請求項1から9のいずれかに記載のスクロール圧縮機(1)。
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