JP2011016797A - 高純度o−トリジンスルホンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも、(工程1)o−トリジンと発煙硫酸とを反応する工程、(工程2)反応混合液を水と混合し、析出したo−トリジンスルホンの硫酸塩を分離する工程、(工程3)o−トリジンスルホンの硫酸塩を水に溶解又は懸濁した状態でアルカリ性にして処理してo−トリジンスルホンとし、粗o−トリジンスルホンとして分離する工程、(工程4)粗o−トリジンスルホンを水に懸濁した状態で酸性にして処理し、次いでpHを調整することで精製する工程、を含んで構成されたことを特徴とする高純度o−トリジンスルホンの製造方法。
【選択図】 なし
Description
1. 少なくとも、
(工程1)o−トリジンと発煙硫酸とを反応させる工程、
(工程2)反応混合液を水と混合し、析出したo−トリジンスルホンの硫酸塩を分離する工程、
(工程3)o−トリジンスルホンの硫酸塩を水に溶解又は懸濁した状態でアルカリ性にして処理してo−トリジンスルホンとし、粗o−トリジンスルホンとして分離する工程、
(工程4)粗o−トリジンスルホンを水に懸濁した状態で酸性にして処理し、次いでアルカリ成分を加えてpHを7以下に調整することで精製する工程、
を含んで構成されたことを特徴とする高純度o−トリジンスルホンの製造方法。
2. o−トリジン1モルに対して、三酸化硫黄が4モル以上になるように発煙硫酸を用いて反応させることを特徴とする前記項1に記載の高純度o−トリジンスルホン類の製造方法。
3. 金属成分の含有量が100ppm以下の高純度o−トリジンスルホン類を得ることを特徴とする前記項1〜2のいずれかに記載の高純度o−トリジンスルホン類の製造方法。
三酸化硫黄は水と反応して直ちに硫酸になる。
なお、原料としてo−トリジンの含水物を用いる場合には、それに含有される水1モルと三酸化硫黄1モルとは直ちに反応して硫酸になるため、o−トリジン類に含まれる水と反応して消費される三酸化硫黄の量(水と等モル量)を除いた三酸化硫黄が、o−トリジン類1モルに対して、4モル以上、好ましくは5モル以上、更に好ましくは5.5モル以上になるように発煙硫酸を用いて反応させるのが好適である。
まず、所定量の発煙硫酸中に所定量のo−トリジンを加えて均一に溶解する。この時に発熱が起こるので、高温にならないように必要なら冷却しながら攪拌下に少量ずつo−トリジンを加え、50℃以下、好ましくは10〜30℃程度で、0.5〜20時間、好ましくは1〜10時間程度攪拌して均一に溶解させるのが好ましい。
次いで、この溶液を徐々に昇温し、最高温度を100℃以下、好ましくは70℃以下、より好ましくは65℃以下、更に好ましくは60℃以下の温度で、0.1〜20時間、好ましくは1〜10時間程度反応を行う。ここでは反応混合物の温度管理が極めて重要である。最高温度が高くなると、発煙硫酸によるスルホン化が更に進行してスルホン酸化合物(o−トリジンスルホンスルホン酸)が目的物のo−トリジンスルホンに対し副生し易くなるので好ましくない。通常、反応の最高温度は10℃以上、好ましくは30℃以上である。
先ず、反応混合液を好ましくは40℃程度以下の温度まで冷却する。反応混合液には三酸化硫黄が残存しているので、反応混合液を大量の水に投入して三酸化硫黄を水と反応させて硫酸にする。この結果、目的物であるo−トリジンスルホンは硫酸塩になって析出する。
析出したo−トリジンスルホンの硫酸塩を濾取する。この操作によって、溶解成分である硫酸などの溶解性の不純物を除くことができる。
すなわち、使用する水の量は、前記条件を満たすように決めるのが好ましい。原料のo−トリジンの量、発煙硫酸の濃度や量などに依存するので一義的に決められないが、通常用いる水の量は、原料のo−トリジン100質量部当たり3000〜4500質量部、好ましくは3000〜4000質量部、より好ましくは3000〜3500質量部程度が好適である。
この懸濁液を濾過して粗o−トリジンスルホンを得ることができる。
また、反応混合液には副生成物であるスルホン酸化合物類(o−トリジンスルホンスルホン酸)の硫酸塩が含まれ、前記処理によっても分離除去できず残存しているので、この副生成物もスルホン酸化合物(o−トリジンスルホンスルホン酸)のナトリウム塩のような塩になって、粗o−トリジンスルホン中に残存している。
粗o−トリジンスルホンの精製は、酸性水溶液で処理して、前工程で加えたアルカリと反応して生じた塩を取り除く方法によって行われる。
具体的には、粗o−トリジンスルホンを完全に溶解させず、酸性水溶液中で懸濁させた状態のままで処理してもよいし、多量の水および酸を添加する事で完全に溶解させても良い。粗o−トリジンスルホンの純度が高く不純物混入の可能性が低い場合には懸濁状態でも良いが、ゴミなどの不純物混入がぬぐい去れない場合は完全に溶解させた後、一旦濾過を行う事が好ましい。
その後水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ成分を加えてpHを7以下、好ましくは6以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは4以下、更に好ましくは3以下であって、1.5以上の酸性領域に調整することによって、必要な品質のo−トリジンスルホンを得ることができる。この方法によれば、濾過に要する期間を大幅に短縮できるので生産効率を改善することができる。また、特許文献1に記載されているように、水酸化ナトリウム水溶液を加えて弱アルカリ性にpH調整することによってo−トリジンスルホンを沈殿させ、濾過して回収する方法と比較して、ナトリウムなどの金属成分の含有量を、効果的に抑制することができる。特に、副生成物であるスルホン酸化合物類(o−トリジンスルホンスルホン酸)を多量(1質量%以上)に含む場合であっても、ナトリウムなどの金属成分の含有量を、100ppm以下、好ましくは80ppm以下、より好ましくは60ppm以下に抑制することができる。
[HPLC分析]
HPLC分析条件は以下のとおり。
測定装置:高速液体クロマトグラフ L−7000シリーズ 日立製作所製
カラム:ODS−80Ts 250mm×4.6mm
カラム温度:40℃
溶離液:MeOH/H2O
流量:1ml/min
グラジエント:5/95(0−10min)→50/50(19−45min)
検出器:紫外吸光検出器
検出波長:254nm
この分析条件で、リテンションタイム5〜45分のピークをカウントした。例えばリテンションタイムが22〜24分付近にo−トリジンスルホンスルホン酸の異性体の複数のピーク、24〜28分付近にo−トリジンスルホンの異性体の複数のピークが得られた。
o−トリジンスルホンの純度(%)とo−トリジンスルホンスルホン酸の含有量(%)は、HPLC分析結果(ピーク面積)から下式に従って計算した。
収率(%)は下式に従って算出した。
金属成分の含有量(ppm)は、試料を硫酸と硝酸で加熱分解後、超純水で定容して検液とし、ICP−AES法により下記の測定装置を用いて分析を行った。単位は(μg/g)=(ppm)である。
測定装置:ICP−AES・エスアイアイ・ナノテクノロジー社製SPS5100型
温度計、還流冷却器、撹拌機を付けた内容量500mlの四つ口フラスコに、30質量%発煙硫酸350g(SO3として1.31mоl)を入れ、内温を30℃から40℃に保ちながら、13.1質量%含水o−トリジン36.1g(o−トリジンとして31.4g、0.148mol)を発熱に注意しながら少しずつ添加した。水で分解する量を除いた三酸化硫黄とo−トリジンとのモル比(三酸化硫黄/o−トリジン)は7.1であった。その後、内温30℃で30分撹拌し、更に30分掛けて60℃に昇温し、同温度で2.5時間撹拌した。この反応液を40℃まで冷却した後、約900mlの氷水に注ぎ、析出したo−トリジンスルホン硫酸塩の薄い褐色の結晶を濾取した。この結晶を水700mlに加え、更に40質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9にし、90℃に加温し、生じた遊離のo−トリジンスルホンの粗結晶を濾取した。この粗o−トリジンスルホンを水450mlに投入し、36質量%塩酸水溶液90gを加えて塩酸塩とし80℃に加温し1時間撹拌した。この液に40質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを2に調整し析出した黄色結晶を濾取した。結晶を水及びエタノールで洗浄した後、減圧下110℃で乾燥して、o−トリジンスルホンの結晶38.4gを得た。収率は94.6%だった。HPLC分析で、この結晶のo−トリジン純度は99.5%、不純物o−トリジンスルホンスルホン酸の含有量は0.12%。ナトリウム含有量は52ppmだった。
温度計、還流冷却器、撹拌機を付けた内容量500mlの四つ口フラスコに、30質量%発煙硫酸304g(SO3として1.14mоl)を入れ、内温を30℃から40℃に保ちながら、13.1質量%含水o−トリジン35.7g(o−トリジンとして31.0g、0.146mol)を発熱に注意しながら少しずつ添加した。水で分解する量を除いた三酸化硫黄とo−トリジンとのモル比(三酸化硫黄/o−トリジン)は6.0であった。その後、内温30℃で30分撹拌し、更に30分掛けて60℃に昇温し、同温度で2.5時間撹拌した。この反応液を40℃まで冷却した後、約900mlの氷水に注ぎ、析出したo−トリジンスルホン硫酸塩の薄い褐色の結晶を濾取した。この結晶を水700mlに加え、更に40質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9にし、90℃に加温し、生じた遊離のo−トリジンスルホンの粗結晶を濾取した。この粗o−トリジンスルホンを水450mlに投入し、36質量%塩酸水溶液90gを加えて塩酸塩とし80℃に加温し1時間撹拌した。この液に40質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを4に調整し析出した黄色結晶を濾取した。結晶を水及びエタノールで洗浄した後、減圧下110℃で乾燥して、o−トリジンスルホンの結晶38.0gを得た。収率は94.7%だった。HPLC分析で、この結晶のo−トリジン純度は99.3%、不純物o−トリジンスルホンスルホン酸含有量は0.16%。ナトリウム含有量は54ppmだった。
温度計、還流冷却器、撹拌機を付けた内容量500mlの四つ口フラスコに、30質量%発煙硫酸350g(SO3として1.31mоl)を入れ、内温を30℃から40℃に保ちながら、20質量%含水o−トリジン38.7g(o−トリジンとして31.0g、0.146mol)を発熱に注意しながら少しずつ添加した。水で分解する量を除いた三酸化硫黄とo−トリジンとのモル比(三酸化硫黄/o−トリジン)は6.0であった。その後、内温30℃で30分撹拌し、更に30分掛けて60℃に昇温し、同温度で1時間撹拌、更に30分掛けて80℃に昇温し、同温度で1.5時間撹拌した。この反応液を40℃まで冷却した後、約1000mlの氷水に注ぎ、析出したo−トリジンスルホン硫酸塩の薄い褐色の結晶を濾取した。この硫酸塩結晶を水750mlに加え、更に40質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9にし、90℃に加温し、生じた遊離のo−トリジンスルホンの粗結晶を濾取した。この粗o−トリジンスルホンを水600mlに投入し、36質量%塩酸水溶液95gを加えて塩酸塩とし加温して80℃で2時間撹拌した。この液を冷却し、室温で40質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを2に調整し析出した黄色結晶を濾取した。結晶を水及びエタノールで洗浄した後、減圧下110℃で乾燥して、o−トリジンスルホンの黄色結晶37.9g(0.138mоl)を収率94.5%で得た。得られた結晶のo−トリジンスルホン純度はHPLC分析で98.7%、不純物o−トリジンスルホンスルホン酸の含有量は1.13%。ナトリウム含有量は82ppmだった。
温度計、還流冷却器、撹拌機を付けた内容量500mlの四つ口フラスコに、30質量%発煙硫酸356g(SO3として1.33mоl)を入れ、内温を30℃から40℃に保ちながら、20質量%含水o−トリジン38.7g(o−トリジンとして31.0g、0.146mol)を発熱に注意しながら少しずつ添加した。水で分解する量を除いた三酸化硫黄とo−トリジンとのモル比(三酸化硫黄/o−トリジン)は6.2であった。その後、内温30℃で30分撹拌し、更に30分掛けて60℃に昇温し、同温度で1時間撹拌、更に30分掛けて80℃に昇温し、同温度で1.5時間撹拌した。この反応液を40℃まで冷却した後、約1000mlの氷水に注ぎ、析出したo−トリジンスルホン硫酸塩の薄い褐色の結晶を濾取した。この硫酸塩結晶を水750mlに加え、更に40質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9にし、90℃に加温し、生じた遊離のo−トリジンスルホンの粗結晶を濾取した。この粗o−トリジンスルホンを水600mlに投入し、36質量%塩酸水溶液95gを加えて塩酸塩とし加温して80℃で2時間撹拌した。この液を冷却し、室温で40質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを4に調整し析出した黄色結晶を濾取した。結晶を水及びエタノールで洗浄した後、減圧下110℃で乾燥して、o−トリジンスルホンの黄色結晶36.4g(0.138mоl)を収率90.9%で得た。得られた結晶のo−トリジンスルホン純度はHPLC分析で98.5%、不純物o−トリジンスルホンスルホン酸の含有量は1.22%。ナトリウム含有量は95ppmだった。
温度計、還流冷却器、撹拌機を付けた内容量500mlの四つ口フラスコに、30質量%発煙硫酸314g(SO3として1.31mоl)を入れ、内温を30℃から40℃に保ちながら、17.8質量%含水o−トリジン36.5g(o−トリジンとして31.0g、0.146mol)を発熱に注意しながら少しずつ添加した。水で分解する量を除いた三酸化硫黄とo−トリジンとのモル比(三酸化硫黄/o−トリジン)は6.2であった。その後、内温30℃で30分撹拌し、更に30分掛けて60℃に昇温し、同温度で1時間撹拌、更に30分掛けて80℃に昇温し、同温度で1.5時間撹拌した。この反応液を40℃まで冷却した後、約1000mlの氷水に注ぎ、析出したo−トリジンスルホン硫酸塩の薄い褐色の結晶を濾取した。この硫酸塩結晶を水750mlに加え、更に40質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9にし、90℃に加温し、生じた遊離のo−トリジンスルホンの粗結晶を濾取した。この粗o−トリジンスルホンを水600mlに投入し、36質量%塩酸水溶液95gを加えて塩酸塩とし加温して80℃で2時間撹拌した。この液を冷却し、室温で40質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを6に調整し析出した黄色結晶を濾取した。結晶を水及びエタノールで洗浄した後、減圧下110℃で乾燥して、o−トリジンスルホンの黄色結晶を得た。得られた結晶のo−トリジンスルホン純度はHPLC分析で98.6%、不純物o−トリジンスルホンスルホン酸の含有量は1.43%。ナトリウム含有量は58ppmだった。
温度計、還流冷却器、撹拌機を付けた内容量500mlの四つ口フラスコに、30質量%発煙硫酸309g(SO3として1.33mоl)を入れ、内温を30℃から40℃に保ちながら、o−トリジン31.0g(0.146mol)を発熱に注意しながら少しずつ添加した。水で分解する量を除いた三酸化硫黄とo−トリジンとのモル比(三酸化硫黄/o−トリジン)は6.1であった。その後、内温30℃で30分撹拌し、更に30分掛けて60℃に昇温し、同温度で1時間撹拌、更に30分掛けて80℃に昇温し、同温度で1.5時間撹拌した。この反応液を40℃まで冷却した後、約420mlの氷水に注ぎ、析出したo−トリジンスルホン硫酸塩の薄い褐色の結晶を濾取した。この硫酸塩結晶を水310mlに加え、更に40質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9にし、90℃に加温し、生じた遊離のo−トリジンスルホンの粗結晶を濾取した。この粗o−トリジンスルホンを水294mlに投入し、36質量%塩酸水溶液46gを加えて塩酸塩とし加温して80℃で2時間撹拌した。この液を冷却し、室温で40質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを2に調整し析出した黄色結晶を濾取した。結晶を水及びエタノールで洗浄した後、減圧下110℃で乾燥して、o−トリジンスルホンの黄色結晶35.5g(0.130mоl)を収率88.7%で得た。得られた結晶のo−トリジンスルホン純度はHPLC分析で98.5%、不純物o−トリジンスルホンスルホン酸の含有量は1.22%。ナトリウム含有量は95ppmだった。
温度計、還流冷却器、撹拌機を付けた内容量500mlの四つ口フラスコに、30質量%発煙硫酸356g(SO3として1.33mоl)を入れ、内温を30℃から40℃に保ちながら、20質量%含水o−トリジン38.7g(o−トリジンとして31.0g、0.146mol)を発熱に注意しながら少しずつ添加した。水で分解する量を除いた三酸化硫黄とo−トリジンとのモル比(三酸化硫黄/o−トリジン)は6.2であった。その後、内温30℃で30分撹拌し、更に30分掛けて60℃に昇温し、同温度で1時間撹拌、更に30分掛けて80℃に昇温し、同温度で1.5時間撹拌した。この反応液を40℃まで冷却した後、約1800mlの氷水に注ぎ、析出したo−トリジンスルホン硫酸塩の薄い褐色の結晶を濾過してウェット結晶を得た。この硫酸塩結晶を水750mlに加え、更に40質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9にし、90℃に加温し、生じた遊離のo−トリジンスルホンの粗結晶を濾取した。この粗o−トリジンスルホンを水1800mlに投入し、36質量%塩酸水溶液360gを加えて加温して80℃とし、塩酸塩として溶解させ2時間撹拌した。この液の不溶物を濾別後、液を冷却し、室温で40質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9に調整し析出した黄色結晶を濾取した。結晶を水及びエタノールで洗浄した後、減圧下110℃で乾燥して、o−トリジンスルホンの黄色結晶34.4g(0.125mоl)を収率85.6%で得た。得られた結晶のo−トリジンスルホン純度はHPLC分析で98.2%、不純物o−トリジンスルホンスルホン酸の含有量は1.26%。ナトリウム含有量は190ppmだった。
温度計、還流冷却器、撹拌機を付けた内容量500mlの四つ口フラスコに、30質量%発煙硫酸314g(SO3として1.33mоl)を入れ、内温を30℃から40℃に保ちながら、17.8質量%含水o−トリジン36.5g(o−トリジンとして31.0g、0.146mol)を発熱に注意しながら少しずつ添加した。水で分解する量を除いた三酸化硫黄とo−トリジンとのモル比(三酸化硫黄/o−トリジン)は6.2であった。その後、内温30℃で30分撹拌し、更に30分掛けて60℃に昇温し、同温度で1時間撹拌、更に30分掛けて80℃に昇温し、同温度で1.5時間撹拌した。この反応液を40℃まで冷却した後、約1000mlの氷水に注ぎ、析出したo−トリジンスルホン硫酸塩の薄い褐色の結晶を濾過してウェット結晶を得た。この硫酸塩結晶を水750mlに加え、更に40質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9にし、90℃に加温し、生じた遊離のo−トリジンスルホンの粗結晶を濾取した。この粗o−トリジンスルホンを水600mlに投入し、36質量%塩酸水溶液100gを加えて加温して80℃とし、塩酸塩とし加温して80℃で2時間撹拌した。この液を冷却し、室温で40質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを2に調整し析出した黄色結晶を濾取した。結晶を水及びエタノールで洗浄した後、減圧下110℃で乾燥して、o−トリジンスルホンの黄色結晶を得た。得られた結晶のo−トリジンスルホン純度はHPLC分析で98.4%、不純物o−トリジンスルホンスルホン酸の含有量は1.09%。ナトリウム含有量は210ppmだった。
温度計、還流冷却器、撹拌機を付けた内容量500mlの四つ口フラスコに、30質量%発煙硫酸420g(三酸化硫黄として1.57mоl)を入れ、内温を30℃から40℃に保ちながら、28.8質量%含水o−トリジン43.6g(o−トリジンとして31.0g、0.146mol)を発熱に注意しながら少しずつ添加した。水で分解する量を除いた三酸化硫黄とo−トリジンとのモル比(三酸化硫黄/o−トリジン)は6.0であった。その後、内温30℃で30分撹拌し、更に30分掛けて60℃に昇温し、同温度で2.5時間撹拌した。この反応液を40℃まで冷却した後、約1300mlの氷水に注ぎ、析出したo−トリジンスルホン硫酸塩の薄い褐色の結晶を濾取した。この結晶を水750mlに加え、更に40質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9にし、90℃に加温し、生じた遊離のo−トリジンスルホンの粗結晶を濾取した。この粗o−トリジンスルホンを水1450mlに投入し、36質量%塩酸水溶液268gを加えて塩酸塩とし75℃に加温して溶解させた。この液に活性炭0.3g、ハイドロサルファイトナトリウム0.4gを加え1時間撹拌し、不溶解物を濾過し、40質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9に調整し析出した黄色結晶を濾取した。結晶を水及びエタノールで洗浄した後、減圧下110℃で乾燥して、o−トリジンスルホンの結晶36.9gを得た。収率は91.9%だった。HPLC分析で、この結晶のo−トリジン純度は99.4%、不純物o−トリジンスルホンスルホン酸含有量は0.11%、ナトリウム含有量は79ppmだった。
Claims (3)
- 少なくとも、
(工程1)o−トリジンと発煙硫酸とを反応させる工程、
(工程2)反応混合液を水と混合し、析出したo−トリジンスルホンの硫酸塩を分離する工程、
(工程3)o−トリジンスルホンの硫酸塩を水に溶解又は懸濁した状態でアルカリ性にして処理してo−トリジンスルホンとし、粗o−トリジンスルホンとして分離する工程、
(工程4)粗o−トリジンスルホンを水に懸濁した状態で酸性にして処理し、次いでアルカリ成分を加えてpHを7以下に調整することで精製する工程、
を含んで構成されたことを特徴とする高純度o−トリジンスルホンの製造方法。 - o−トリジン1モルに対して、三酸化硫黄が4モル以上になるように発煙硫酸を用いて反応させることを特徴とする請求項1に記載の高純度o−トリジンスルホン類の製造方法。
- 金属成分の含有量が100ppm以下の高純度o−トリジンスルホン類を得ることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の高純度o−トリジンスルホン類の製造方法。
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