JP2011016204A - 衝撃式締付工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】作動油をライナ室内に速やかに戻すことができると共に、メインシャフトを比較的安定した状態で軸支することができる衝撃式締付工具を提案することを課題とする。
【解決手段】駆動源であるモータMと、作動油を充填したライナ内にメインシャフト7を軸支し、ライナとメインシャフト7との相対回転によって生じる油圧によってメインシャフト7に間欠的な衝撃を与える油圧パルス発生機構Pと、作動油の圧力に基づいてモータMを停止する自動停止機構とを備える衝撃式締付工具において、メインシャフト7の後端部73は、ライナに形成された軸孔42aにクリアランスを介して回転自在に軸支されており、前記クリアランスは、相対的にクリアランスの大きさが大になる部分と小になる部分を有することを特徴とする衝撃式締付工具。
【選択図】図2

Description

この発明は、ボルトやナットを締付けるための衝撃式締付工具に関する。
作動油を充填したライナの回転によってメインシャフトに間欠的な衝撃力を与える油圧パルス発生機構を備える衝撃式締付工具であって、所定の締付けトルクに達すると、自動的にライナの回転駆動源であるエアモータを停止するシャットオフ機構を備えるものが存在する。
この衝撃式締付工具は、たとえば、特許文献1に示すように、締付トルクが規定値に到達したことを作動油の圧力によって開放されるリリーフバルブにより検知し、リリーフバルブを通過した作動油の圧力でピストン及びロッドを駆動させてパイロットバルブを駆動させ、シャットオフバルブを閉鎖状態とし、エアモータへのエアの供給を遮断するものである。この場合、ピストンを押圧移動させた作動油は、メインシャフトの後端部と、メインシャフトの後端部を軸支するライナ上板との隙間に形成されるクリアランスを通じてライナ室内に戻される。このように、メインシャフトの後端部の外周面と、この外周面に対してメインシャフトの径方向に対向するライナ上板の内周面とで形成されるクリアランスが作動油の通路となることから、作動油をライナ室内に速やかに戻す為、前記クリアランスは、シャットオフ機構を備えない通常の工具に比して、大きく形成されるのが通常である。
公開実用平3−40076号
しかしながら、前記のようにクリアランスを大きく形成すると、作動油をライナ室内に速やかに戻すことができる反面、メインシャフトを軸支する態様が不安定となり、軸ブレが生じるという問題がある。
したがって、本件発明は、作動油をライナ室内に速やかに戻すことができると共に、メインシャフトを比較的安定した状態で軸支することができる衝撃式締付工具を提示することを課題とする。
本件発明は、駆動源であるモータ(M)と、作動油を充填したライナ内にメインシャフト(7)を軸支し、ライナとメインシャフト(7)との相対回転によって生じる油圧によってメインシャフト(7)に間欠的な衝撃を与える油圧パルス発生機構(P)と、作動油の圧力に基づいてモータ(M)を停止する自動停止機構とを備える衝撃式締付工具において、メインシャフト(7)の後端部(73)は、ライナに形成された軸孔(42a)にクリアランスを介して回転自在に軸支されており、前記クリアランスは、相対的にクリアランスの大きさが大になる部分と小になる部分とを少なくとも有することを特徴とする衝撃式締付工具である。
このように、本発明は、作動油が復帰する流路となる上記クリアランスにおいて、その大きさを比較してクリアランスが大きい部分と小さい部分を形成することにより、クリアランスが小となる部分によって安定した軸支を実現して軸ブレを防止する一方、クリアランスが大となる部分によって作動油の流路を確保するものである。これにより、作動油をライナ内に速やかに戻すことができると共に、メインシャフトを比較的安定した状態で軸支することができる。
本発明は、本発明の前記クリアランスは、メインシャフト(7)の後端部(73)の外周面と軸孔(42a)の内周面との間に形成されるものであり、メインシャフト(7)の後端部(73)において相対的に軸径が大となる部分と小となる部分を形成して、相対的にクリアランスの大きさが大になる部分と小になる部分とを形成したことを特徴とする衝撃式締付工具である。具体的には、本発明の前記クリアランスは、メインシャフト(7)の後端部(73)の外周面と軸孔(42a)の内周面との間に形成されるものであり、メインシャフト(7)の後端部(73)において相対的に軸径が大となる大径部と小となる小径部を形成して、相対的にクリアランスの大きさが大になる部分と小になる部分とを形成したことを特徴とする衝撃式締付工具である。
このように、メインシャフト(7)の後端部(73)に、相対的に軸径が大となる大径部と小となる小径部を形成すれば、メインシャフト(7)の大径部ではクリアランスが小となり、安定した軸支状態を実現することができ、さらに、小径部では、クリアランスは大となり、作動油の流路を確保することができる。これにより、作動油をライナ内に速やかに戻すことができ、メインシャフト(7)を比較的安定した状態で軸支することができるのである。
また、例えば、軸孔(42a)の孔径において相対的に大となる部分と小となる部分を形成することにより、クリアランスの大きさが大になる部分と小になる部分とを形成することもできる。
本発明は、より具体的には、ライナから流出する作動油の圧力により開放されるリリーフバルブ(80)と、リリーフバルブ(80)を通過した作動油の圧力により駆動するピストン(9)と、ピストン(9)に連動してモータ(M)への高圧空気の供給を遮断するシャットオフバルブ(95)とからなる自動停止機構を備える衝撃式締付工具であって、ライナ上板(4)には、リリーフバルブ(80)を通過した作動油をピストン(9)まで導く通路(41(41A,41B))と、作動油の圧力によって駆動するピストン(9)を軸方向に移動可能に収容したピストン孔(42b)と、メインシャフト(7)の後端部(73)をクリアランスを介して軸支する軸孔(42a)が形成されており、前記クリアランスは、モータ(M)が停止した後に復帰移動するピストン(9)に押圧された作動油が流入するものであり、メインシャフト(7)の後端部(73)の外周面と軸孔(42a)の内周面との間に形成され、相対的にクリアランスの大きさが大になる部分と小になる部分とを少なくとも有し、メインシャフト(7)の後端部(73)の後側部の外周面と、前記外周面に軸径方向に対向する軸孔(42a)の内周面との間に形成されるクリアランスを大になる部分とし、メインシャフト(7)の後端部(73)の前側部の外周面と、前記外周面に軸径方向に対向する軸孔(42a)の内周面との間に形成されるクリアランスを小になる部分としたことを特徴とする衝撃式締付工具である。
なお、本発明は、クリアランスが大となる部分と小となる部分を形成するために、メインシャフト(7)の後端部(73)において、軸径方向に深さを有する溝を刻設し、溝の底面部と軸孔(42a)との間でクリアランスが大となる部分を形成することも可能である。或いは、ライナ上板の軸孔(42a)を構成する内周面において、軸径方向に深さを有する溝を刻設し、溝の底面部とメインシャフト(7)の後端部の外周面との間でクリアランスが大となる部分を形成することも可能である。
本発明は、軸方向に沿って形成されると共に軸径方向に深さを有してブレード(5)を出没可能に収容するブレード溝(70)を有するメインシャフト(7)の後端部(73)において軸方向に隣接する大径部(L4)と小径部(L3)とを形成し、小径部(L3)とブレード溝(70)の間に大径部(L4)が形成され、大径部(L4)に溝部(74)を形成した衝撃式締付工具である。また、本発明は、軸方向に沿って形成されると共に軸径方向に深さを有してブレード(5)を出没可能に収容するブレード溝(70)を有するメインシャフト(7)の後端部(73)において大径部(L4)と小径部(L3)とを形成し、ブレード溝(70)をメインシャフト(7)の後端部(73)の大径部(L4)まで延設すると共に、ブレード溝(70)の後端部と小径部(L3)とを繋いで作動油の流路を構成する溝部(74)を有することを特徴とする衝撃式締付工具として好適に実施される。また、好ましくは、軸方向に沿って形成されると共に軸径方向に深さを有してブレード(5)を出没可能に収容するブレード溝(70)を有するメインシャフト(7)の後端部(73)において大径部(L4)と小径部(L3)とを形成し、ブレード溝(70)の後端部をメインシャフト(7)の後端部(73)の大径部(L4)まで延設すると共に、ブレード溝(70)の後端部と小径部(L3)とを繋いで作動油の流路を構成する溝部(74)を有することを特徴とする衝撃式締付工具として好適に実施される。作動油は、小径部(L3)と軸孔(42a)との間に形成されるクリアランスから溝(74)を通じてブレード溝(70)に至り、最終的にライナ室内に流入して戻される。
このように、メインシャフト(7)の大径部(L4)においてクリアランスを小として軸支状態を安定的なものとしながら、メインシャフト(7)の小径部(L3)においてクリアランスを大として作動油の流入を促進しつつ、更に、大径部(L4)において小径部(L3)とブレード溝(70)の後端部と繋ぐ流路としての溝部(74)を形成すれば、より速やかに作動油をライナ室内に戻すことができる。
本発明によれば、作動油をライナ内に速やかに戻すことができると共に、メインシャフトを安定した状態で軸支することができる。
実施態様に示す衝撃式締付工具の断面図 図1の部分拡大図 図1のX部付近を示す拡大図 図1のX部付近におけるメインシャフトの平面図 図4のA−A線断面図 図4のB−B線断面図 油圧パルス発生機構Pの動作説明図 図7(1)の拡大図 図7(2)の拡大図
本発明に係る衝撃式締付工具の実施形態について、図1〜9を参照して説明する。本発明は、締付トルクが規定値に到達したことを作動油の圧力によって開放されるリリーフバルブ80により検知し、リリーフバルブ80を通過した作動油の圧力でピストン9及びロッド92を介してパイロットバルブ93を駆動させ、シャットオフバルブ95を閉鎖状態に変位し、エアの供給を遮断する衝撃式締付工具において好適に実施される。
本発明は、駆動源であるモータMと、作動油を充填したライナ(ライナ本体、ライナ上板、ライナ下板、ライナケース)内にメインシャフト7を軸支し、ライナとメインシャフト7との相対回転によって生じる油圧によってメインシャフト7に間欠的な衝撃を与える油圧パルス発生機構Pと、作動油の圧力を検知してモータMを停止する自動停止機構とを備える衝撃式締付工具において、ライナに形成された軸孔42aに所定のクリアランスを介して回転自在に軸支されたメインシャフト7を有し、前記クリアランスは相対的にクリアランスの大きさが大になる部分と小になる部分とを少なくとも有することを特徴とする。
これにより、作動油をライナ室内に速やかに戻すことができ、更に、メインシャフト7を比較的安定した状態で軸支することができる。
以下、本発明の各構成要素について詳述する。
(モータM)
ケーシング内に収容されたモータMは、エア供給通路から供給される駆動流体圧によって回転駆動するものであり、切り換えスイッチの操作に応じて正転又は逆転可能な公知のエアモータである。エア供給源からエアを供給する外部エアホースがコネクタを介して工具本体に連結されており、エアホースから供給されるエアは、工具本体中に形成されたエア供給通路96を通ってモータに供給される。
スロットルレバーSLの操作によって開閉操作されるメインバルブから、モータMに圧縮エアが供給される。スロットルレバーSLのON/OFF操作によって回転/停止し、また、スロットルレバーSLの引き込み量に応じてモータMの回転速度は変化する。
モータMの駆動軸M1は、ケーシング内において、軸受けBによって前後両端部が支持されている。軸受けBは、公知のラジアルボールベアリングである。具体的には、各軸受けは、内輪部と、転動体と、転動体を介して内輪部を回転可能に支持する外輪部とからなる。
モータMの駆動軸M1の前端部は、ライナの構成要素であるライナ上板4に嵌合して連結している。モータMの駆動軸M1の前端部には雌型連結部が形成され、ライナ上板4の後端部には雄型連結部が形成され、両者が雄雌嵌合して連結される。雌型連結部は、内面多角形状の凹状に形成され、雄型連結部は凸状且つ外面多角形状に形成される。なお、前記とは逆に、ライナ上板4を雌型連結部とし、モータMの駆動軸を雄型連結部としても良い。
(油圧パルス発生機構P)
ケーシング内に収容された油圧パルス発生機構Pは、モータMの出力を打撃衝撃に変換するものである。図2に示すように、ライナ本体2、ライナケース1、ライナ上板4及びライナ下板3からなるライナの内部に収容した作動油の圧力を利用してメインシャフト7に衝撃力を発生させる油圧パルス発生装置を用いる。具体的には、ライナケース1内にライナ本体2を一体的に固着し、ライナ本体2内にメインシャフト7を嵌挿してライナケース1及びライナ本体2をメインシャフト7に対して回転自在とし、このライナ本体2内にトルクを発生させる為の作動油を充填してライナ本体2の両端に取り付けたライナ下板3とライナ上板4によって閉封している。
ライナ本体2内部は断面楕円形のライナ室20を形成しており、メインシャフト7に形成したブレード用の溝70にばね6を介してブレード5を挿入し、ブレード5がライナ2の断面楕円形の内面に出没可能に当接するものとしている。締め付け作業時にナットが着座するまでの低負荷時は、ライナケース1及びライナ本体2とメインシャフト7が一体的に回転する一方、着座した後の高負荷時は、ライナケース1及びライナ本体2の一回転中に一度だけオイルにピーク圧を発生させ、締め付けトルクを発生するものである。
ライナ下板3には、メインシャフト7の前端部を挿通して軸支するための挿通孔30が形成されており、この挿通孔30の構成壁面とメインシャフト7の外周面との間にできた室内にこれら相互間の気密性(流体密性)を確保するためのOリングを収容させてある。
また、ライナ上板4には、ピストン9を軸方向に移動可能に収容するピストン孔42bが形成されており、ピストン9の外周面における凹部と前記ピストン孔42bの内周面との間にできる室内にこれら相互間の気密性(流体密性)を確保するためのOリングを収容させてある。
図7などに示すとおり、二枚のブレード5,5間のメインシャフト7の外面には、二本の突条を形成して成る第2シール面71,72を設けてあり、前記第2シール面71は階段状に、第2シール面72は直線状に、それぞれ形成してある。
ライナ本体2の内面には、断面楕円形の短軸の両端及び長軸の両端に突状の第1シール面21,22,23,24を設けてある。そして、メインシャフト7に対してライナ2Aが1回転しているときに一度だけ、第1シール面21と第2シール面71が、第1シール面22と第2シール面72が、第1シール面23と一方のブレード5の外周面が、第1シール面24と他方のブレード5の外周面が、それぞれ合致し、これによりライナ室20が2つの高圧室Hと2つの低圧室Lの4室に密閉区画されるようになっている。これを実現するため、第1シール面21は第2シール面71と同じく階段状に、第1シール面22は第2シール面72と同じく直線状に、それぞれ形成してある。
衝撃パルス発生機構Pは、図7の(1)→(2)→(3)→(4)→(5)に示したように作動し、図7の(1)及び(2)は、メインシャフト7に衝撃パルスによる打撃力が発生するときの状態を示している。
図7の(1)及び(1)を拡大した図8の状態では、第1シール面21と第2シール面71が、第1シール面22と第2シール面72が、第1シール面23と一方のブレード5の外周面が、第1シール面24と他方のブレード5の外周面が、それぞれ合致し、これによりライナ室20が2つの高圧室Hと2つの低圧室Lの4室に密閉区画されている。
そして、図7の(2)及び(2)を拡大した図9の状態では、さらにモータMの回転によってライナが回転すると、高圧室Hの容積は減少するため油は圧縮されて瞬間的に高圧が発生し、この高圧はブレード5を低圧室L側に押しやる。メインシャフト7には上下のブレード5,5を介して瞬間的に偶力が作用して強力なトルクが発生する。
図7の(3)は、メインシャフト7にトルクが発生した後、ライナが90°回転した状態を示している。ライナ室20は上下のブレード5,5を挟んで形成された高圧室Hと低圧室Lが連通して一室となりトルクは発生せず、ライナ本体2はモータMの回転によりさらに回転する。
図7の(4)は、図7の(3)の状態から更に90°回転した状態で打撃時より180°回転した状態を示している。第1シール面21と第2シール面72は合致せず、第1シール面22と第2シール面71とは極一部で合致しているのみである。そのため、これらのシール面間ではシールが行われず、圧力変化は生じないためトルクは発生しない。ライナはそのまま回転する。
図7の(5)は、(4)の状態から更に90°回転し、打撃時より270°回転した状態を示している。この状態では図7の(3)の状態と実質的に同じであり、トルクは発生しない。
さらにライナが回転すると図7の(1)の状態に戻り、第1シール面21と第2シール面71が、第1シール面22と第2シール面72が、第1シール面23と一方のブレード5の外端面が、第1シール面24と他方のブレード5の外端面が、それぞれ合致し、再び打撃力が発生する。
このように、モータMの回転に伴ってライナが回転し、ネジ締め等によってメインシャフト7にかかる負荷によって、ライナがメインシャフト7に対して相対的に回転し、ライナの4個のシール面とメインシャフトの外周面に形成された2個のシール面及び2個のブレードとが当接し互いに摺動すると、2つの高圧室Hと2つの低圧室Lとからなる4つの室が形成され、高圧室Hではオイルが圧縮されており、メインシャフト7が瞬間的に回転して衝撃パルスが発生する。
油圧パルス発生機構Pは、ケーシング内に軸受けBを介して回転可能に支持されている。各軸受けは、上記と同様の公知のラジアルボールベアリングであり、内輪部と外輪部の間に複数の転動体を配置したものである。ライナは、ライナ下板3の先端部分が軸受けBに挿入された状態で支持されると共に、ライナ上板4の先端部分が軸受けBに挿入された状態で支持された状態で回転可能に支持される。
(メインシャフトの後端部)
メインシャフト7は、ライナ上板4に形成された軸孔42aに挿入されて軸支される後端部73と、ライナ下板3に形成された挿通孔30に挿入されて軸支される前端部と、ばね6及びブレード5を収容するブレード溝70を形成した中間部とからなる。
メインシャフト7の後端部73は、図2に示すとおり、ライナ上板4の軸孔42aに挿入され、前記後端部73の外周面とライナ上板4の軸孔42aの内周面との間にクリアランスを介する態様で軸支されている。前記クリアランスは、相対的にクリアランスの大きさが大になる部分と小になる部分とを有する。
すなわち、前記クリアランスは、図3,4に示すとおり、メインシャフト7の後端部73の外周面と軸孔42aの内周面との間に形成され、相対的にクリアランスの大きさが大になる部分と小になる部分とを有し、メインシャフト7の後端部73の後側部(小径部)L3の外周面と、前記外周面に軸径方向に対向する軸孔42aの内周面との間に形成されるクリアランスを大になる部分とし、メインシャフト7の後端部73の前側部(大径部)L4の外周面と、前記外周面に軸径方向に対向する軸孔42aの内周面との間に形成されるクリアランスを小になる部分としている。つまり、図4における点Rを境として、点Rよりも後方部分の軸径D1を、点Rよりも前方部分の軸径D2よりも小さくして、大径部L4と軸方向後側に隣接する小径部L3を形成している。なお、小径部L3の後端には縮径部が形成されている。
なお、軸孔42aは、後側端部において拡径している。したがって、軸孔42aの後側端部とこれに対して軸径方向に対向するメインシャフト7の後端部73との間に形成されるクリアランスは相対的に大きく形成される。つまり、前記クリアランスは、軸孔42aのうち前記後側端部を除く部分とこれに対して軸径方向に対向するメインシャフト7の後端部73との間に形成されるクリアランスよりも大きい。
また、図3〜5に示すとおり、メインシャフト7の後端部73の外周面には、メインシャフト7の軸径方向に所定深さを有すると共に軸方向に所定の長さを有する溝部74が形成されている。溝部74は、メインシャフト7の後端部73の大径部L4まで延設されたブレード溝70の後端部から小径部L3に至る範囲に形成される。図4に示すように、溝部74は、平面視において半円形状のブレード溝70の後端部と小径部L3とを繋いで作動油の流路となる。作動油は、小径部L3と軸孔42aとの間に形成されるクリアランスから溝部74を通じてブレード溝70に至り、最終的にライナ室内に流入して戻されることになる。このように、メインシャフト7の大径部L4においてクリアランスを小として軸支状態を安定的なものとしながら、メインシャフト7の小径部L3においてクリアランスを大として作動油の流入を促進しつつ、更に、小径部L3とブレード溝70の端部とを繋ぐ流路としての溝部74を形成すれば、より速やかに作動油をライナ室内に戻すことができる。
溝部74の長さは、メインシャフト7の後端縁から所定距離L1を介した点から前方へ所定距離L2を介した点までの間に形成される。また、メインシャフト7の後端部73は、溝部74の長さの範囲に内包される点Rを境として、点Rよりも後方部分の軸径D1を、点Rよりも前方部分の軸径D2よりも小さくしている。
溝部74は、図3、4に示すとおり、底面部74cの両側及び後側に壁部74a,74bを形成した凹溝である。具体的には、底面部74cと、前記底面部74cの両側に所定間隔を介して立設した各側壁部74a,74aと,底面部74cの後方端に立設した後壁部74bとからなる凹状溝である。そして、溝部74の一部が小径部L3の範囲に及ぶため、図3に示すとおり、両側壁部74a,74aのうちの後壁側の端部分は他の部分に比して低壁であり、また、後壁部74bも前記他の部分に比して低壁である。
なお、溝部74は、周方向に180°の間隔を介して2つの溝が形成されているが、周方向に90°の間隔を介して4つの溝を形成することも可能であり、その数は特に限定されない。また、溝の形態は上記に限るものではなく、メインシャフト7の後端部73の外周面において、周方向に刻設した環状溝や螺旋状溝でも良く、ライナ上板4の内周面において、周方向に刻設した環状溝や螺旋状溝でも良い。
なお、本実施態様において、大径部L4の外周面とこれに対向する軸孔42aの内周面との間に形成されるクリアランス(軸孔42aの孔径D4と軸径D2の差)は20μmであり、小径部L3の外周面とこれに対向する軸孔42aの内周面との間に形成されるクリアランス(軸孔42aの孔径D4と軸径D1の差)は30μmであり、クリアランスの大きさは10μmの相違を設けている。また、本実施態様の図6において、溝部74の軸径D3は、大径部L4の軸径D2及び小径部L3の軸径D1よりも小さく、溝部74の深さは0.5mmである。
(シャットオフ機構)
油圧パルス発生装置Pは、図2に示すように、高圧室Hに連通された連通路83を有するリリーフバルブ軸81と、連通路83を開閉可能とするべく、リリーフバルブ軸81の軸端部に配設されると共に連通路83の開口を閉鎖する方向にばね82にて付勢されたリリーフバルブ80とを備えている。
リリーフバルブ軸81においてリリーフバルブ80の下流側に形成された通路は、ライナ上板4に設けた通路41Aに連通し、通路41Bを介して、ばね91の一端に連結されて前方へ付勢されたピストン9の端部まで連通している。
なお、通路41Bは、ライナ上板ブロック44に形成されており、軸方向に貫通した通路と、軸径方向に貫通した通路とからなり、軸方向に貫通した通路は、広径通路と小径通路とからなり、広径通路の一端がピストン9方向に開口しており、広径通路の他端には、小径通路の一端に連通し、小径通路の他端はメインシャフト7の後端面方向に開口している。また、通路41Bのうち、軸径方向に貫通した通路の一端は通路41Aに連通し、他端の開口はライナ上板4の内周面によって閉鎖されている。また、通路41Bはその中間部において前記広径通路に連通している。
前後方向に移動可能なピストン9には、モータMに形成された貫通孔に挿入されて前後方向に移動可能なロッド92が連結されている。また、ロッド92の後端には、ばね94の一端に連結して前方に付勢されたパイロットバルブ93と、ばね94の他端部に連結したシャットオフバルブ95を配設している。
なお、メインシャフト7の後端部73、通路41Bを形成したライナ上板ブロック44、ピストン9は、ライナ上板4に形成された貫通孔に順次挿入されている。具体的には、メインシャフト7の後端部73は、軸孔42aに、ライナ上板ブロック44は前記軸孔42aよりも小径のブロック用孔に、ピストン9は前記ブロック用孔よりも小径であるピストン孔42bに、各々挿入される。
なお、締付けトルクの調整は、調整軸84を回動操作し、リリーフバルブ軸81の位置を前後方向に移動させ、ばね82の付勢力を調整すると共に、バイパス通路と通路83を繋ぐ通路85の開口量を調整して行う。
リリーフバルブ80は、締付トルクが規定値に達するまでは、ばね82の付勢力によって作動油の圧力に抗して、リリーフバルブ軸81の通路83の開口を閉鎖した閉鎖位置を維持する。締付トルクが規定値に達すると、リリーフバルブ80が作動油の圧力によって後方に移動して開放位置となり、前記開口は開放され、作動油はリリーフバルブ80を通過し、ライナ上板4に形成された通路41A及び41Bを通って、ライナ上板4内に形成されたシリンダ室に流入する。シリンダ室内に流入した作動油は、シリンダ室内に停止しているピストン9を後方へ押圧して移動させる。後方へ移動するピストン9に伴ってロッド92が後方へ移動し、ばね94によって前方へ付勢されたパイロッドバルブ93を閉鎖位置から後方へ移動させて開放位置に変位される。パイロットバルブ93が開通すると、パイロットバルブ93の図2中右側のエアが大気中に解放されるため、シャットオフバルブ95の前後のエアバランスがくずれ、シャットオフバルブ95が開放位置から前方向に移動して閉鎖位置に変位し、エア供給路96からモータへのエアの供給を遮断してモータMは停止する。モータMが停止すると、ピストン9を後方へ押圧する作動油の圧力がなくなり、その結果、ばね94及びばね91の付勢力により、ロッド92及びピストン9が前方向に移動して停止位置まで復帰する。
したがって、ピストン9の前側に残留する作動油は、ピストンの前方への復帰移動に伴って、通路41Bを通過し、次いで、ライナ上板4とメインシャフト7の後端部73との隙間を通じて油圧パルス発生装置のライナ室20内に戻るが、その際、小径部L3から溝部74を経てライナ室20内に戻る。
M モータ
P 衝撃発生部
7 メインシャフト
73 メインシャフトの後端部
74 溝

Claims (3)

  1. 駆動源であるモータ(M)と、作動油を充填したライナ内にメインシャフト(7)を軸支し、ライナとメインシャフト(7)との相対回転によって生じる油圧によってメインシャフト(7)に間欠的な衝撃を与える油圧パルス発生機構(P)と、作動油の圧力に基づいてモータ(M)を停止する自動停止機構とを備える衝撃式締付工具において、メインシャフト(7)の後端部(73)は、ライナに形成された軸孔(42a)にクリアランスを介して回転自在に軸支されており、前記クリアランスは、相対的にクリアランスの大きさが大になる部分と小になる部分とを少なくとも有することを特徴とする衝撃式締付工具。
  2. 前記クリアランスは、メインシャフト(7)の後端部(73)において相対的に軸径が大となる大径部(L4)と小となる小径部(L3)を形成することにより、クリアランスの大きさが大になる部分と小になる部分とを形成したことを特徴とする請求項1に記載の衝撃式締付工具。
  3. メインシャフト(7)のブレード溝(70)を前記大径部(L4)まで延設すると共に、ブレード溝(70)と小径部(L3)とを繋いで作動油の流路を構成する溝部(74)を形成したことを特徴とする請求項2に記載の衝撃式締付工具。
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