JP2011016101A - 生体水に類似した電解還元水の製造法 - Google Patents

生体水に類似した電解還元水の製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】飲料水や食品の製造等に使用する水を、電解を利用して水素に基づいた生体水に類似した電解還元水とする製造法を提供する。
【解決手段】電解装置に通水し、別々に生成された電解陽極水と電解陰極水を一緒にし、あるいは個別に、活性炭、活性炭繊維、無機系還元物質、有機系還元物質、植物および生薬系還元性物質、または還元性気体のいずれか単独、またはこれらを複数組み合わせたものと同時に接触させることにより、前記陽極側近傍で生成された陽極水中のORPの高い活性塩素、および活性酸素が除去されORPを下げる一方、該陽極水と、前記陰極側近傍で生成された水素によりORPの低い陰極水が混合されることで、全体的にORPが、通常大気環境下で平衡となる25℃基準で、ORP=0.84−0.047pH未満よりORP=−0.059pH以上のORP範囲で、pHが4から8の範囲にある生体水に類似した還元水のみを生成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、飲料水や食品の製造等に使用する、あるいは浴用水、シャワー水、化粧用の水、ボディーケア用の水等に使用する水、食品や美容関連などの水に加えて、医療や農業、更には産業関連などの水について、それらの水を電解を利用して水素に基づいた生体水に類似した電解還元水の製造法に関するものである。
本発明者は、水素に基づく電解還元水の製造法として、本発明者の発明に係る特許第3632839号(特許文献1)において、無隔膜式の水の電解で、酸化系にある陽極側の酸化水も無駄にしない省水型の弱酸性から、弱アルカリ性の範囲にある生体水に類似した電解還元水の製造法を提案しているが、現在圧倒的多数で市販されている、一般的には隔膜式の電解を利用したアルカリイオン整水器を用いて、高アルカリ性の電解陰極水(アルカリイオン水)が電解還元水として製造されている。
特許第3632839号公報
大河内正一ら(2005):電解還元系の人工温泉水の皮膚および髪に与える効果,温泉科学,55,55−63. 大河内正一ら(2003):電解還元系の人工温泉について,温泉科学,53,1-9. 大河内正一(2003):生きている温泉とは何か−身体にやさしい生体に近い水を検証する−,くまざさ出版,東京. Okouchi, S.et. al. (2002): Water desirable for the human body in terms of Oxidation−Reduction Potential (ORP)to pH relationship, J. Food Sci., 67, 1594−1598. 大河内正一ら(2008):ヨーロッパと日本の温泉(飲泉)水およびミネラルウォーターのORP(Oxidation-Reduction Potential)とpHの関係,温泉科学,57, 185−195. 大河内正一ら(1998):温泉水のエージング指標としての酸化還元電位,温泉科学,48, 29-35. 大河内正一ら(1999):温泉水および皮膚のORP(酸化還元電位)とpHの関係,温泉科学,49,59−64. 大河内正一ら(2000):二酸化炭泉のORPとpHの関係,温泉科学,50,94−101. 大河内正一ら(2002):二酸化炭素泉による末梢血流量増加の2次元的可視化について,温泉科学,52,12-19. 大網貴夫、大河内正一ら(2008):温泉水の還元系物質によるメラニン生成抑制効果の相違,第61回温泉科学講演要旨,p.12. Ikuroh Ohsawa,Shigeo Ohta et.al., Hydrogen Acts as a Therapeutic Antioxidant by Selectively Reducing Cytotoxic Oxygen Radicals, Nature Medicine 13,688−694(2007)
アルカリイオン整水器で、水を電解して得られるアルカリイオン水(電解陰極水)は、医療用機器としてそのpH が9から10の高アルカリ性の範囲での飲用を推奨している。そのアルカリイオン水の効果、効能は、最近ではアルカリ性に意味があるわけではなく、抗酸化力を有する水素が重要であることが明らかにされてきている(非特許文献11)。そのため、水素を多く溶解した水素水が重要となり、その溶解水素量に比例して、ORPが低下した還元水となる。そこで、アルカリイオン整水器では、より多くの水素を含むアルカリイオン水を生成させるためには、電解強度を上げることや通水流量を低下させる必要がある。
しかし、その分pHが高くなり、pH10を越えることもあり、それを飲用するにはアルカリ性が強すぎるため、アルカリイオン整水器メーカーでは、飲用にアルカリ性が高くなりすぎないように注意を促している程で、高濃度の水素水を得るのと矛盾が生じている。そのため、その高アルカリ性のアルカリイオン水を安全な飲用可能な、特に後に詳しく述べるが、図1(非特許文献4)に示す弱酸性から弱アルカリ性の範囲にある生体水に類似したpH範囲にまで低下調整する必要がある。
一時期、アルカリ性食品が健康によいとのことで、大きなアルカリブームをもたらし、アルカリイオン水もそれに便乗して売り上げを伸ばしてきた過去がある。しかし、アルカリ性食品の健康によいとする科学的根拠は全く乏しく、ブームの終焉を迎えることとなった。
また、図1に示すように我々が日常的接している食品や生体関連の水に、pH8を越える高アルカリ性ものは非常に少なく、酸性側の方が多い実態を、発明者らが明らかにしている。このことからも、飲用水では高アルカリ性から、弱酸性〜弱アルカリ性の生体水に類似した範囲にまで低下させることが重要となる。
また更に、アルカリイオン整水器では、アルカリイオン水(電解陰極水)と同時に酸化系の電解陽極水(酸化水)も併せて製造されるため、酸化水が実際的には無駄となっている。そのため、従来のアルカリイオン整水器をそのまま利用した、省水型の、より安全な生体水に類似した電解還元水の製造法が求められている。
本発明者は、特許文献1で開示された製法により製造した無隔膜式の生体水に類似した水素に基づく電解還元水には、図2および図3に示すように、皮膚の弾力性の向上や髪の艶および滑らかさの向上が期待できることを論文などで報告している(非特許文献1〜3)。この効果は、水素の抗酸化力に基づいた還元力と考えられる。また、図1に示すように、温泉水や生体に関わる水(生体水)や、生体を成長、維持するために日々摂取している食品も還元系にあることを明らかにしている(非特許文献4)。そのため、還元系は我々生体にとって非常に重要な意味を有する。
なお、前記図1の上・下の実線は、それぞれ水が酸化分解((1)式)および還元分解((2)式)する境界線を示しており、我々が利用可能な水は(1)式と(2)式に囲まれた範囲にある(非特許文献1〜10)。
Figure 2011016101
また、図1中の破線は、本発明者らが、非特許文献6〜7において実験的に明らかにした、水を酸化系と還元系に分ける(3)式に示す平衡ORP線(ORPeq)を表す。
Figure 2011016101
前記(3)式の破線により、図1において、上の領域は酸化系、下の領域は還元系、破線上は平衡系を示すことが明確となり、各種水の評価が可能となった。
なお、(1)から(3)式のORPは25℃の標準水素電極基準の酸化還元電位(単位は(V))を示す。
そこで人工的に還元水を製造する方法としては、図4に示すように、塩素で殺菌され酸化系となっている水道水を電解して、陰極側で生成されるアルカリ性で、水素を含む還元系の電解陰極水(アルカリイオン水)とする方法があり、該電解陰極水を飲用に使用することが圧倒的に多く、アルカリイオン整水器などの名称で市販されている。そして、前記アルカリイオン整水器で、同時に陽極側で生成される活性塩素や活性酸素を含む酸性で酸化系の電解陽極水(酸化水)が無駄となっている。
しかし、アルカリイオン整水器のパンフレットなどでは、その酸化水を、アストリンゼン効果を有する有効な水として、洗顔などに使用できると推奨しているが、電解により陽極側で生成された酸化水は、水道水の塩素濃度より高くなる。そのため、図1に示す還元系の皮膚を酸化させ、老化を促進する恐れがあることから、本発明者らはこれまで論文(非特許文献2)で大きな問題であることを指摘してきた。また、酸化水は殺菌用の水として使用できるとしているが、実際的には使用されることは非常に少ないのが実情である。
前記観点から、本発明は、アルカリイオン整水器が現在も年間30〜40万台の販売実績があり、これまで100万台を越えた年もあり、これらの機器をそのまま利用して、電解陰極水(アルカリイオン水)の高アルカリを弱酸性から弱アルカリ性の生体水に類似したpH範囲まで低下させること、更には通水系を変更し、陽極側の酸化水の無駄をなくし、水素に基づいた還元水のみを製造させる生体水に類似した電解還元水の製造法を提供することを課題とするものであり、社会的に大きな意味を有するものと思われる。
本発明は、請求項1の発明として、電解装置に通水し、別々に生成された電解陽極水(酸化水)と電解陰極水(アルカリイオン水)を一緒にし、あるいは個別に、活性炭、活性炭繊維、無機系還元物質、有機系還元物質、植物および生薬系還元性物質、または還元性気体のいずれか単独、またはこれらを複数組み合わせたものと接触させることにより、前記陽極側近傍で生成された陽極水中のORPの高い活性塩素、および活性酸素が除去されORPを下げる一方、該陽極水と、前記陰極側近傍で生成された水素によりORPの低い陰極水が混合されることで、全体的にORP(標準水素電極基準の酸化還元電位で、単位は(V))が、通常大気環境下で平衡となる25℃基準で、ORP=0.84−0.047pH未満よりORP=−0.059pH以上のORP範囲で、pHが4から8の範囲にある還元水のみを生成することを特徴とする生体水に類似した電解還元水の製造法を提供することにより、または、
請求項2の発明として、請求項1記載の生体水に類似した電解還元水の製造法において、pHまたはミネラル濃度、あるいは二酸化炭素濃度の調整のために、隔膜式の電解装置に通水する前の供給水に、あるいは、活性炭、活性炭繊維または還元性物質に接触後の還元水に、酸またはアルカリ物質、電解質またはミネラルを溶出する岩石や鉱物、イオン交換樹脂あるいは二酸化炭素ガスの単独または複数組み合わせたものに接触させて製造することを特徴とする生体水に類似した電解還元水の製造法を提供することにより、あるいは、
請求項3の発明として、請求項1記載の生体水に類似した電解還元水の製造法において、電解陰極水(アルカリイオン水)を、酸性物質あるいは還元系酸性物質と接触させることで、アルカリイオン水のpHを4〜8の範囲で、ORP(標準水素電極基準の酸化還元電位で、単位は(V))が、通常大気環境下で平衡となる25℃基準で、ORP=0.84−0.047pH未満よりORP=−0.059pH以上のORP範囲となることを特徴とする生体水に類似した電解還元水の製造法を提供することにより、また更に、
請求項4の発明として、請求項3記載の生体水に類似した電解還元水の製造法において、酸性物質あるいは還元系酸性物質として、アスコルビン酸を含むカルボン酸化合物、アミノ酸化合物、ポリフェノール化合物、お茶やハーブを含む植物や生薬、イオン交換樹脂や二酸化炭素を、単独または複数組み合わせて使用することを特徴とする生体水に類似した電解還元水の製造法を提供することにより、記課題を解決した。
本発明の製造法によって得られた水素に基づく生体水に類似した電解還元水は、比較的簡単に製造することができると共に、従来の圧倒的多数で市販されているアルカリイオン整水器を用いることができ、本発明製造法によって得られ生体水に類似した電解還元水を、飲料水や食品関連の水として応用することにより、生体に刺激が少ない優しい水となり、更に、シャワー水や浴用水を生成するシャワー装置または温水循環器、あるいはそれらの両方または一方を備えた浴槽および洗面台等の水に応用すると共に、化粧用水やボディーケア用の水として使用することで、メラニン生成抑制や皮膚の酸化防止や老化抑制を期待できる水となる。また、二酸化炭素ガスを使用する場合、弱酸性から弱アルカリ性の範囲で、且つ還元系の天然炭酸泉に類似した水ができることから、一般家庭で天然炭酸泉と同様の効能を有する浴槽水とすることができる。
生体関連の水(生体水)や皮膚、髪、食品、温泉水などのORPとpHの関係を示す図である。 無隔膜式の電解還元水への2ヶ月間の継続的な入浴による、皮膚の弾力性向上を示す図である。 無隔膜式の電解還元水による髪(ダメージ毛)の滑らかさと艶の向上を示す図である。 水道水とそれを電解した場合に生成される電解陰極水と電解陽極水のORPとpHの関係を示す図である。 水道水の電解により生成された電解陰極水および電解陽極水を活性炭と接触させた場合に生成される電解還元水のORPとpHの関係を示す図である。 メラニンの生成反応過程を示す図である。 メラニン生成反応の中間体のドーパクロムの吸光度(475nm)の経時変化を示す図である。 メラニン生成反応における各種水溶液の色の変化を示す図である。 還元系物質の膜透過実験の略図を示す図である。 電解還元水中の水素が時間と共に膜を透過していることをORPの低下で示している図である。
従来の市販アルカリイオン整水器は、基本的に図4に示すように、殺菌用に加えられている塩素により酸化系となっている水道水を活性炭に通し、塩素や、更には微量の塩素化合物や鉛などの重金属などを除去した後、一般的には隔膜式の電解部に導くことで、アルカリ性で水素によりORPの低い還元系の電解陰極水(アルカリイオン水)と、酸性でORPが高い酸化系の電解陽極水(酸化水)が別々に製造される。しかし、アルカリイオン水を飲用する観点から、酸化水は殆んど無駄にされている実態がある。
そのため、最近の市販アルカリイオン整水器では、アルカリイオン水と酸化水の生成割合を4:1などのように、アルカリイオン水の生成割合を大幅に増やすように工夫されてきている。なお、アルカリイオン整水器の電解に、一般的に隔膜式が圧倒的多数を占めているが、無隔膜式のものもある。しかし、いずれも電解陰極水(アルカリイオン水)と電解陽極水(酸化水)に分けて取り出されている。
そこで本発明では、水道水を従来のアルカリイオン整水器の電解部に最初に通し、電解陰極水(アルカリイオン水)と電解陽極水(酸化水)を製造し、それらを直接活性炭と接触させる従来のアルカリイオン整水器と全く逆の通水システムを採用することで、図5に示すように、電解陽極水(酸化水)は酸化系の原因となっている活性塩素や活性酸素が活性炭で除去され、ORP値を酸化系から平衡系に低下させ、アルカリ性で水素により還元系となっているORP値の低い電解陰極水(アルカリイオン水)と混合されても、中和され全体的にORPの低い電解還元水のみが省水化されて生体水に類似した電解還元水の製造ができた。また、この製造された電解還元水を、再び電解し、活性炭と接触さる循環式を採用することで、ORPが−400mV(水素電極基準への換算値、塩化銀電極の測定値では約−600mV)以下の低い還元系の電解還元水の製造ができた。
本発明者らは、前記方式の電解で得られた生体水に類似した電解還元水の効能として、シミ、ソバカスや日焼けによる色素沈着の原因物質となるメラニンの生成抑制効果を有するかどうかについて検討した。なお、メラニンは皮膚表皮の基底層に存在するメラノサイトで、図6に示すようにチロシンを基質として、酸化酵素のチロシナーゼによりドーパ→ドーパキノン→ドーパクロムを経て、更に反応が進みメラニンが生合成される。そこで、電解還元水によるメラニン生成抑制実験を行った。
具体的には、電解還元水の試料をリン酸バッファーでpH7に調製し、基質のチロシンおよび酸化酵素のチロシナーゼを加え、図6に示すメラニン生成の中間体であるドーパクロム(dopachrome)の吸光度(475nm)の経時変化を追跡した。その結果、図7に示すように、水道水(pH7、◆印)では、反応中間体のドーパクロムの吸光度(475nm)が時間と共に上昇し、ドーパクロムが生成され、メラニン生成反応が進行することが分った。一方、電解還元水(○印)および還元剤として代表的なアスコルビン酸水溶液(ビタミンC、△印)では、共に吸光度は上昇せず、メラニン生成反応が抑制された。
また、図8には、それらメラニン生成反応における溶液の色の変化を示した。水道水ではメラニン生成反応が進行し、時間と共に着色する一方、電解還元水およびアスコルビン酸水溶液(ビタミンC)では、無色のままでメラニン生成反応が抑制されていることが分かった。
しかし、メラニンは皮膚内で生成されることから、還元系成分の皮膚内側への浸透が重要となる。その浸透実験を、皮膚のバリアー機能を代替する水を全く浸透しないナイロン・ポリエチレン2重膜(酸素透過度59〜65
[m/m・日・atm])を採用して行った。図9に示すように、そのナイロン・ポリエチレン膜を袋状にした内側に精製水を、外側を電解還元水またはアスコルビン酸水溶液(ビタミンC)で満たし、それらをスターラーで攪拌しながら、膜で仕切られた膜内精製水のORP−pH関係を経時的に測定した。その結果を、図10に示した。電解還元水では、還元系の水素が膜を通し、膜内側の精製水に浸透し、平衡ORP値にある精製水のORP値を時間の経過と共に低下させ、平衡系から還元系にシフトさせた。
一方、アスコルビン酸水溶液(ビタミンC)では、ビタミンCの分子が大きく、皮膚の代替膜を、浸透しない結果を示した。実際ビタミンCは皮膚を浸透しないことから、皮膚に浸透しやすいビタミンC誘導体の合成や、ビタミンCを電気的に皮膚に強制的に浸透させるイオン導入などの手法が用いられてきている。しかし、電解還元水ではその還元系となる原因物質の水素は、分子が非常に小さく、皮膚を十分浸透する。それ故、電解還元水の浴槽水に継続的に浴用することで、図2に示す皮膚の弾力性が向上する結果が得られたと考えられる。
これらの結果は、前記特許文献1に開示された電解還元水の結果とほぼ同じ還元水が得られることが分った。このことにより、市販アルカリイオン整水器の通水系を変えることで、従来の市販アルカリイオン整水器を用いて酸化水の無駄がない生体水に類似した電解還元水のみを製造することができることが分った。
また、本発明者は、すでに特許文献1において、活性炭の代わりに、活性炭繊維や還元性物質として、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩等の無機系還元物質、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム等の有機系還元物質、カテキン類、ポリフェノール類、フラボノイド類、リコベン、アントシアニン、キサントフィル等の各種植物および生薬系還元物質、更には水素等の還元性気体が採用できることも明らかにしている。
更に、本発明者は、電解還元水のpHまたはミネラル濃度、あるいは二酸化炭素濃度を調製する必要がある場合、電解装置に通水する前の供給水に、または、活性炭や活性炭繊維、あるいは還元性物質に接触後の還元水に、酸またはアルカリ物質、電解質またはミネラルを溶出する岩石や鉱物、イオン交換樹脂あるいは二酸化炭素ガスの単独、または2つ以上の組み合わせたものと接触させることが有効であることも確認した。
特に、本発明者は、二酸化炭素ガスを用いる場合、皮膚の血流量の増加が期待できる60ppm以上の濃度、好ましくは温泉法で定義されている250ppm以上の濃度、更に好ましくは療養泉として定義されている1000ppm以上の濃度で溶解させることにより、還元系の天然炭酸泉に類似した水(非特許文献8〜9)となることも確認した。
また、アルカリイオン整水器で生成されるアルカリイオン水の効果、効能は、既に述べたようにアルカリではなく、抗酸化力を有する水素にあることが明らかにされていることから、水素濃度を上げるため、電解強度を最大にし、水道水の通水流量を最大限に低下させた。その結果、pHは10を越え、ORPも−400mV(水素電極基準への換算値、塩化銀電極の測定値では約−600mV)以下に達した。その高アルカリイオン水のpHを、生体水に類似した範囲に低下させるため、アルカリイオン水(電解陰極水)の取り出し口側に、酸性で還元系のビタミンCとの接触部を設けて、該ビタミンCと接触させるか、あるいはアルカリイオン水を別な容器に取り、その容器中でビタミンCと接触させた。その結果、ORPはそのままの還元系で、高アルカリ性のアルカリイオン水を弱酸性から弱アルカリ性の生体水に類似した電解還元水の製造を可能にした。
上記のように、アルカリイオン水と接触させる酸性物質、あるいは還元系酸性物質としては、代表的なアスコルビン酸を含むカルボン酸化合物、アミノ酸化合物、ポリフェノール化合物などの有機酸化合物、お茶やハーブを含む植物や生薬、あるいは二酸化炭素を、単独または複数組み合わせて使用することは可能であることが分かった。

Claims (4)

  1. 電解装置に通水し、別々に生成された電解陽極水(酸化水)と電解陰極水(アルカリイオン水)を一緒にし、あるいは個別に、活性炭、活性炭繊維、無機系還元物質、有機系還元物質、植物および生薬系還元性物質、または還元性気体のいずれか単独、またはこれらを複数組み合わせたものと同時に接触させることにより、前記陽極側近傍で生成された陽極水中のORPの高い活性塩素、および活性酸素が除去されORPを下げる一方、該陽極水と、前記陰極側近傍で生成された水素によりORPの低い陰極水が混合されることで、全体的にORP(標準水素電極基準の酸化還元電位で、単位は(V))が、通常大気環境下で平衡となる25℃基準で、ORP=0.84−0.047pH未満よりORP=−0.059pH以上のORP範囲で、pHが4から8の範囲にある還元水のみを生成することを特徴とする生体水に類似した電解還元水の製造法。
  2. 請求項1記載の生体水に類似した電解還元水の製造法において、pHまたはミネラル濃度、あるいは二酸化炭素濃度の調整のために、隔膜式の電解装置に通水する前の供給水に、あるいは、活性炭、活性炭繊維または還元性物質に接触後の還元水に、酸またはアルカリ物質、電解質またはミネラルを溶出する岩石や鉱物、イオン交換樹脂あるいは二酸化炭素ガスの単独または複数組み合わせたものに接触させて製造することを特徴とする生体水に類似した電解還元水の製造法。
  3. 請求項1記載の生体水に類似した電解還元水の製造法において、電解陰極水(アルカリイオン水)を、酸性物質あるいは還元系酸性物質と接触させることで、アルカリイオン水のpHを4〜8の範囲で、ORP(標準水素電極基準の酸化還元電位で、単位は(V))が、通常大気環境下で平衡となる25℃基準で、ORP=0.84−0.047pH未満よりORP=−0.059pH以上のORP範囲となることを特徴とする生体水に類似した電解還元水の製造法。
  4. 請求項3記載の生体水に類似した電解還元水の製造法において、酸性物質あるいは還元系酸性物質として、アスコルビン酸を含むカルボン酸化合物、アミノ酸化合物、ポリフェノール化合物、お茶やハーブを含む植物や生薬、イオン交換樹脂や二酸化炭素を、単独または複数組み合わせて使用することを特徴とする生体水に類似した電解還元水の製造法。
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