JP2011014341A - 調光可能な照明システム - Google Patents

Abstract

【課題】
オフィスにおける知的創造活動で経験するデスクワーク、会議、ミーティング、休憩等のシーンに応じて照度と色温度を変更可能とし、知的創造活動を効率良く行えるオフィス照明環境を実現し、省エネルギー化を図ることが可能な照明システムを提供する。
【解決手段】
照度と色温度を変更可能な照明装置と、照度と色温度の設定値を入力可能で、記憶した設定値に基づいて照明装置を制御する制御装置とを備え、オフィスの使用シーン又は時間帯に応じて照明装置の照度と色温度を変更可能とした。制御装置には、少なくとも会議演出モードを含む複数の基本モードが予め設定され、会議演出モードには、色温度と照度が共に高いパキパキ会議モードと、色温度が低く照度が高いイキイキ会議モードと、色温度と照度が共に低いユッタリ会議モードを備え、会議内容に応じて各モードを切り替え可能とした。
【選択図】 図１

Description

本発明は、調光可能な照明システムに係わり、更に詳しくは使用シーンに応じて照度と色温度を変更可能とした照明システムに関するものである。

従来から、ＬＥＤ（発光ダイオード）を用いた照明装置は各種提案されている。例えば、特許文献１には、前記発光素子アレイを複数設け、発光素子アレイを第１の色のＬＥＤアレイと第２の色のＬＥＤアレイと第３の色のＬＥＤアレイにより構成し、これらのＬＥＤアレイからの光の混合割合を変化させることにより、これらの発光素子アレイから放射される全光束及び全放射光の色温度を連動させながら連続的に可変するように構成した照明装置が記載されている。

また、特許文献２には、発光色の異なる複数の光源と、これら複数の光源をそれぞれ個別に点灯する複数の点灯回路部と、これら複数の点灯回路部を制御することにより、前記複数の光源から放射される全光束及び全放射光の色温度を連動させながら連続的に変化させる制御部とを備えた照明装置が記載されている。ここで、前記制御部は、照度と色温度の変化に関する官能評価により導かれた制御曲線又は直線に沿って、前記全光束および全放射光の色温度を連動させて連続的に変化させるとする。また、光源として、白熱電球、環形蛍光灯、直管蛍光灯、発光ダイオード又は発光ダイオードの集合体を用いることが開示されている。

更に、ＬＥＤを用いて照度と色温度を調節できる照明技術として、特許文献３には写真スタジオ装置が開示され、特許文献４にはレンジフードが開示され、特許文献５には洗面台が開示されている。

特開２００６−１０００３６号公報 特開２００４−０９５３６９号公報 特開２００６−３１７７５１号公報 特開２００７−０７８２２３号公報 特開２００８−２５９６６０号公報

しかしながら、特許文献に記載された照明装置は、何れも照度と色温度とを調節できるハードが提供されているに過ぎず、肝心の実際にどのように調節するのかといったソフト面はなおざりにされている。つまり、照度と色温度とを闇雲に調節したところで、毎回調節する毎に設定が微妙に違ったものとなり、常に快適なオフィス照明環境を実現することができない。

そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、オフィスにおける知的創造活動で経験するデスクワーク、会議、ミーティング、休憩等のシーンに応じて照度と色温度を変更可能とし、知的創造活動を効率良く行えるオフィス照明環境を実現するとともに、省エネルギー化を図ることが可能な照明システムを提供する点にある。

本発明は、前述の課題解決のために、照度と色温度を変更可能な照明装置と、照度と色温度の設定値をそれぞれ入力可能で、記憶した設定値に基づいて前記照明装置を制御する制御装置とを備え、オフィスの使用シーン又は時間帯に応じて照明装置の照度と色温度を変更可能としたことを特徴とする調光可能な照明システムを構成した（請求項１）。

ここで、前記制御装置には、少なくとも会議演出モードを含む複数の基本モードが予め設定され、各基本モードを切り替え可能としてなることが好ましい（請求項２）。

更に、前記会議演出モードには、色温度と照度が共に高い「パキパキ」会議モードと、色温度が低く照度が高い「イキイキ」会議モードと、色温度と照度が共に低い「ユッタリ」会議モードを備え、会議内容に応じて各モードを切り替え可能としてなる（請求項３）。

そして、照度の調節範囲は、２００〜２０００（ｌｘ）とし、色温度の調節範囲は、２８００〜５０００（Ｋ）とし、色温度の低い範囲と高い範囲の境界を４０００±２５０（Ｋ）とし、照度の低い範囲と高い範囲の境界を１０００±２００（ｌｘ）とすることが好ましい（請求項４）。

また、前記会議演出モードの各会議モードにおいて、色温度の設定値と、照度の中心値及び照度変化幅の設定値を入力可能とすることがより好ましい（請求項５）。

以上にしてなる請求項１に係る発明の調光可能な照明システムは、照度と色温度を変更可能な照明装置と、照度と色温度の設定値をそれぞれ入力可能で、記憶した設定値に基づいて前記照明装置を制御する制御装置とを備え、オフィスの使用シーン又は時間帯に応じて照明装置の照度と色温度を変更可能としたので、オフィスにおける知的創造活動で経験するデスクワーク、会議、ミーティング、休憩等のシーンに応じて照度と色温度を変更可能とし、知的創造活動を効率良く行えるオフィス照明環境を実現するとともに、省エネルギー化を図ることができる。

請求項２によれば、前記制御装置には、少なくとも会議演出モードを含む複数の基本モードが予め設定され、各基本モードを切り替え可能としてなるので、予め設定された基本モードを選択することで、簡単に使用シーンに適した色温度と照度に調光することができる。

請求項３によれば、前記会議演出モードには、色温度と照度が共に高い「パキパキ」会議モードと、色温度が低く照度が高い「イキイキ」会議モードと、色温度と照度が共に低い「ユッタリ」会議モードを備え、会議内容に応じて各モードを切り替え可能としてなるので、会議の種類や会議の進行度合いに応じて会議モードを切り替えて知的創造活動を効率良く行える最適な色温度と照度に調光することができる。

請求項４によれば、色温度と照度の調節範囲を設定するとともに、色温度と照度の低い範囲と高い範囲の境界を予め設定することにより、各会議モードの特徴が明確になり、効率良く知的創造活動を行うことができるとともに、不必要な消費電力を抑制して省エネルギー化を図ることが可能である。

請求項５によれば、前記会議演出モードの各会議モードにおいて、色温度の設定値と、照度の中心値及び照度変化幅の設定値を入力可能であるので、予め設定した色温度の設定値と照度の中心値を基準として照度を微調節して最適な照明を実現できる。

照度と色温度に対する特徴的な範囲と官能評価の結果を示す説明図である。 官能評価を行った照度と色温度の値を示すグラフである。 メインメニューの表示画面を示す説明図である。 会議演出モード内の会議モード選択の表示画面を示す説明図である。 照度と色温度を設定するための管理者メインメニューの表示画面を示す説明図である。 各会議モード設定の表示画面を示す説明図である。 会議モード内の「イキイキ」会議モードの設定画面を示す説明図である。 会議モード内の「イキイキ」会議モードのテストボタンを押した際に表示されるモード実行中の画面を示す説明図である。 時間連動モードにおける設定画面を示す説明図である。 サーカディアンモードにおける設定画面を示す説明図である。 サーカディアンモードの設定値をグラフ化した説明図である。 調光結果を経時敵に記録したログの出力画面を示す説明図である。

次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。本発明では、照度と色温度を変更可能な照明装置と、照度と色温度の設定値をそれぞれ入力可能で、記憶した設定値に基づいて前記照明装置を制御する制御装置とを備えている。前記照明装置は、ＬＥＤや蛍光灯、更にはＥＬパネルを組み合わせ、照度と色温度をそれぞれ変更できるものである。そして、前記制御装置は、入力手段、記憶手段、演算手段及び表示手段を備えたものであり、パーソナルコンピュータで構成することができる。尚、表示手段が入力手段を兼ねたタッチパネルであっても良い。

本発明において、照度の調節範囲は、２００〜２０００（ｌｘ）とし、色温度の調節範囲は、２８００〜５０００（Ｋ）とする。Ｋは絶対温度である。

ここで、照度とは、ある表面での光束の密度であり、国際単位系ではルクス（ｌｘ）で表す。尚、光束とは、視感度で評価した放射エネルギーの流れの速さのことであり、ルーメン（ｌｍ）で測る。従って、ｌｘ＝ｌｍ／ｍ²である。一般的には、市販の照度計で測定することができる。

一方、色温度とは、固体表面の放射について、本質的にその固体の表面からの放射エネルギーと同じスペクトル分布を持つ放射エネルギーを出している黒体の温度のことである。言い換えれば、色温度は、表現しようとする光の色をある温度の黒体から放射される光の色と対応させ、その時の黒体の温度をもって色温度とするのである。具体的には、放射のスペクトル分布と黒体の温度とをプランクの輻射式で対応づけるのである。例えば、朝日や夕日の色温度は約２０００（Ｋ）であり、普通の太陽光線は５０００〜６０００（Ｋ）ぐらいである。一般的には、市販の色温度計で測定することができる。

そして、色温度をＸ軸、照度をＹ軸とした色温度−照度空間において、照度の低い範囲Ｌと高い範囲Ｈ、色温度の低い範囲Ｌと高い範囲Ｈに基づいて、ＬＬ、ＬＨ、ＨＬ、ＨＨの４つの領域を定義する。ここで、例えば、ＬＨとは、色温度が低く、照度が高い領域のことを示す。色温度の低い範囲と高い範囲の境界を約４０００（Ｋ）とし、照度の低い範囲と高い範囲の境界を約１０００（ｌｘ）とすると、図１に示すように、各領域の特徴が比較的分類し易い。しかし、これらの境界の前後で明確な変化があるのではなく、それぞれ色温度では約５００（Ｋ）の幅、照度では約４００（ｌｘ）の幅を持たせるべきである。

図１は、４つの領域における官能評価の結果を示し、各領域を次のように特徴づける。ＬＬは、「リラックスしている。時間的にゆとりを感じている。だらだらしている。消極的。」といった評価が得られているので、「ユッタリ」領域と定義する。また、ＬＨは、「仕事に集中できる。意見を交わしやすい。発言しやすい。積極的。アイデアがわいてくる。」といった評価が得られているので、「イキイキ」領域と定義する。ＨＨは、「意見が交わしやすい。焦りを感じる。あまり心地よくない。」といった評価が得られているので、「パキパキ」領域と定義する。ＨＬは、「特徴がない。（動きがにぶくなる。だらだらしている。）」といった評価であったので、本発明では使用しない。尚、実際に官能評価を行った色温度と照度の値を図２に示している。

図３は、メインメニューを示している。本実施形態では、基本モードとして、会議演出モード、時間連動モード及びサーカディアンモードの３つを有している。会議演出モードは、会議の目的に合わせて照明をコントロールするモードであり、図４に示すように「イキイキ」会議モード、「パキパキ」会議モード、「ユッタリ」会議モードの３つのサブモードがある。時間連動モードは、時間を設定し、３つのサブモードを変化させるモードである。サーカディアンモードは、その時間の自然光を再現するモードである。

メインメニューには、各種設定するための管理者画面へ切り替えるボタンと、システム終了ボタンがある。メインメニューの会議演出モードを押す（クリック）すると、図４の会議モード選択画面が表示され、「イキイキ」、「パキパキ」、「ユッタリ」の各ボタンが表示される。前述のように、「イキイキ」会議モードは、サッと集まって、積極的に議論を展開したり、ワイワイとアイデアを出し合ったりするのに適している。「パキパキ」会議モードは、適度なプレッシャーのもと、あえて議論を戦わせたり、時間を決めてアイデアを出し合ったりするのに適している。「ユッタリ」会議モードは、時間にゆとりを持って、じっくり本音を語り合うようなミーティングに適している。

メインメニューの「管理者画面へ」のボタンを押すと、図５に示すような管理者メインメニューの画面が表示される。この管理者メインメニューには、会議演出モード設定、サーカディアンモード設定、ログ、パスワード設定等のメニューがある。会議演出モード設定ボタンを押すと、図６に示すような各会議モード設定の画面が開き、「イキイキ」設定、「パキパキ」設定、「ユッタリ」設定のボタンを押すと、各会議モードの照度と色温度を設定できるようになっている。例えば、「イキイキ」設定ボタンを押すと、図７に示すような「イキイキ」設定画面が表示され、照度と色温度を数値で入力して設定できる。

具体的には、「イキイキ」設定画面において、標準照度の値（照度の中心値）を入力するボックス１と、照度変化値を入力するボックス２が存在し、各ボックスにそれぞれ予め決められた範囲内で数値を入力して照度を設定する。また、色温度を入力するためのボックス３も存在し、このボックス３に予め決められた範囲内で数値を入力して色温度を設定する。「イキイキ」設定画面には、設定を保存するボタンと、テストボタンがあり、テストボタンを押すと、実際に設定した照度と色温度で照明装置が動作し、設定を確認することができる。

図８は、イキイキモード実行中の画面であり、本実施形態ではセンター照明の照度をつまみを移動させて設定した照度変化値内で微調節できるようになっている。また、アンビエント照明、効果光をＯＮ／ＯＦＦするスイッチも合わせて表示され、適宜センター照明と組み合わせて使用できるようになっている。

一方、前述のメインメニューの時間連動モードのボタンを押すと、図９に示すように、時間の経過毎の会議モードを選択して設定できる画面が開き、前述の各会議モードの選択と、その継続時間を入力して設定し、それを順番に設定することにより、時間の経過につれて設定された会議モードと継続時間で照明装置が駆動する。

また、前述の管理者メインメニューの画面でサーカディアンモード設定のボタンを押すと、図１０に示すようなサーカディアンモード設定画面が開き、センター照明とアンビエント照明について時間毎に照度と色温度を独立して設定できるようになっている。本実施形態では、３０分毎の時間軸で照度と色温度を設定できるようにしている。この設定画面には、センター照明の照度の入力ボックス４と色温度の入力ボックス５があり、またアンビエント照明の照度の入力ボックス６と色温度の入力ボックス７がある。更に、照度の変化値の入力ボックス８も前記同様に設けている。そして、連続テストボタンを押すと、設定した照度と色温度で時間軸を短縮して照明装置を駆動して、設定状態を確認することができる。

実際に設定したサーカディアンモードの照明条件を、図１１に示すようにグラフ化して分かり易く表示することも可能である。図１１のサーカディアンモードの照明条件設定の画面では、横軸に時間軸をとり、縦軸として左側に照度、右側に色温度の目盛りを表示し、照度と色温度の時間経過を折れ線グラフで表示している。

図１２は、稼動した照明システムのログを示し、最適な調光を実現するためのデータとしたり、不具合を管理するために利用する。

１ 標準照度の入力ボックス
２ 照度変化値の入力ボックス
３ 色温度の入力ボックス
４ センター照明の照度の入力ボックス
５ センター照明の色温度の入力ボックス
６ アンビエント照明の照度の入力ボックス
７ アンビエント照明の色温度の入力ボックス
８ 照度変化値の入力ボックス

Claims (5)

1. 照度と色温度を変更可能な照明装置と、照度と色温度の設定値をそれぞれ入力可能で、記憶した設定値に基づいて前記照明装置を制御する制御装置とを備え、オフィスの使用シーン又は時間帯に応じて照明装置の照度と色温度を変更可能としたことを特徴とする調光可能な照明システム。
2. 前記制御装置には、少なくとも会議演出モードを含む複数の基本モードが予め設定され、各基本モードを切り替え可能としてなる請求項１記載の調光可能な照明システム。
3. 前記会議演出モードには、色温度と照度が共に高い「パキパキ」会議モードと、色温度が低く照度が高い「イキイキ」会議モードと、色温度と照度が共に低い「ユッタリ」会議モードを備え、会議内容に応じて各モードを切り替え可能としてなる請求項１記載の調光可能な照明システム。
4. 照度の調節範囲は、２００〜２０００（ｌｘ）とし、色温度の調節範囲は、２８００〜５０００（Ｋ）とし、色温度の低い範囲と高い範囲の境界を４０００±２５０（Ｋ）とし、照度の低い範囲と高い範囲の境界を１０００±２００（ｌｘ）とする請求項３記載の調光可能な照明システム。
5. 前記会議演出モードの各会議モードにおいて、色温度の設定値と、照度の中心値及び照度変化幅の設定値を入力可能とした請求項３又は４記載の調光可能な照明システム。
   

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