JP2011014124A - 信号変換装置、信号処理装置、および信号変換伝送システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インプットツール30は、デジマチックI/Fを有する入出力手段31と、測定信号をHIDドライバにより処理可能なHIDキーボードプロトコルに基づいた信号形式に変換する第一信号変換手段351と、測定信号をVCPドライバ254により処理可能な仮想シリアルポートプロトコルに基づいた信号形式に変換する第二信号変換手段352と、第一信号変換手段351および第二信号変換手段352のうちいずれか一方に測定信号の変換処理を実施させる変換制御手段353と、PC20と接続可能なUSBI/Fを有するとともに、測定信号の出力処理を実施するUSB通信手段32と、を具備した。
【選択図】図4
Description
この特許文献1に記載の装置は、測定装置であるノギスと、データ処理装置とを信号伝送ケーブルで接続し、測定装置で測定された測定結果をデータ処理装置に伝送している。
このようなインプットツールでは、HID(Human Interface Device Profile)キーボードプロトコルに基づいて測定信号の信号形式を変換し、USB(Universal Serial Bus)接続によりパーソナルコンピュータに変換された測定信号を伝送する。このインプットツールでは、HIDキーボードプロトコル用のファームウェアが組み込まれることにより、またはHIDキーボードプロトコルに基づいたハードウェアに構成されることにより、測定信号をHIDキーボードプロトコルに規定される信号形式に変換し、USB接続インターフェース(以降USBI/Fと称す)でパーソナルコンピュータなどの信号処理装置に出力する。
一方、近年多く利用されているパーソナルコンピュータでは、OS(Operating System)が提供するデバイスドライバに、HIDキーボードプロトコルに基づいた信号形式の信号を処理可能なHIDドライバを標準的に備えていることが多い。したがって、このようなパーソナルコンピュータに、USBI/Fにより接続されるインプットツールからHIDキーボードプロトコルに基づいて信号変換された測定信号が入力されると、USBI/Fにより接続されるHIDキーボードから入力されるデータと同様に、入力された信号を処理することが可能となる。
さらに、USBI/FをRS−232CI/Fに変換する変換チップを用いる方法も考えられるが、このような変換チップを別途用意する必要があり、ハードウェア構成が複雑になり、製造コストも増大するという問題がある。
これにより、信号処理装置にて実施されるアプリケーションS/Wにより異なるAPIが要求された場合でも、信号変換装置は、要求信号に基づいてこのAPIに対応した信号形式に変換することができる。また、別途変換チップを設けたり、第二通信インターフェースの異なる複数機種の信号変換装置を製造したりする必要がなく、低コスト化を図ることができる。
ここで、HIDドライバは、USBI/Fにより接続されるキーボードからの入力信号を処理するデバイスドライバであり、例えばアプリケーションS/Wにおいて、キーボードから入力があった場合、そのキーボードの入力信号をHIDドライバにより処理し、ア
プリケーションS/Wに入力する。これにより、アプリケーションS/Wは、入力信号に基づいた処理が可能となる。このようなHIDドライバは、例えばマイクロソフト株式会社が提供するOSであるWindowsに標準装備されているドライバであり、このようなOSにより一般的に提供されている。また、HIDドライバを有しないOSであっても、例えばインターネットなどの各種ツールを介して容易に信号処理装置に組み込むことができる。
そして、上述のように、信号変換装置の第一信号変換手段により、測定信号がHIDキーボードプロトコルに基づいた信号形式に処理され、USBI/Fにより信号処理装置に入力されると、信号処理装置では、HIDドライバにより測定信号が処理される。ここで、アプリケーションS/WのAPIがHIDキーボードプロトコルによる信号形式をサポートしている場合、測定信号は、その後変換処理などをすることなく、キーボードから入力された入力信号と等価の動作で処理することが可能となる。すなわち、他の通信アプリケーションなどを用いることなく、信号処理装置が標準的に装備するHIDドライバを用いて信号変換装置と信号処理装置との通信を実施することができる。また、測定装置のデータ処理を実行するアプリケーションS/Wとして、高度なプログラミング技術が要求されることがなく、簡単なプログラミング技術で処理が可能となり、アプリケーションS/Wの低コスト化をも実現できる。
これにより、信号処理装置において実行されるアプリケーションS/WのAPIが例えば測定装置の独自のソフトウェアインターフェースとしてシリアルポートプロトコルを要求する場合には、信号変換装置は、第二信号変換手段により信号変換された測定信号を信号処理装置に出力することができる。これにより、信号処理装置のアプリケーションS/Wは、シリアルポートI/Fで入力される測定信号と等価となるように、USBI/Fから入力される測定信号を処理することができる。
すなわち、信号変換装置は、HIDキーボードプロトコルに基づいた信号形式、およびシリアルポートプロトコルに基づいた信号形式の双方に対して信号形式を変換することができ、アプリケーションS/WのAPIに合わせてこれらの信号形式を使い分けることで、汎用性に優れた信号変換を実施することができる。また、この信号変換はすべてソフトウェアによって行われるため、別途変換チップを設けたり、第二通信インターフェースの異なる複数機種の信号変換装置を製造したりする必要がなく、低コスト化を図ることができる。
これに対して、CDCドライバは、例えばマイクロソフト株式会社が提供するOSであるWindowsに標準搭載されているドライバであり、OSが標準装備するプロトコルを用いるため、例えばOSのバージョンアップ時に、新たなドライバの導入が不要となる。
これに対して、信号処理装置から入力される要求信号に基づいて、信号変換装置における測定信号の信号形式を切り替えることで、第一通信プロトコルに基づいた測定信号と、第二通信プロトコルに基づいた測定信号とが同時に信号処理装置に入力されなくなる。したがって、信号処理装置に、一方のプロトコルに基づいた測定信号が入力される際に、他方のプロトコルに基づいた測定信号の入力を無効にする操作などが不要であり、簡単な操作で測定信号を信号処理装置に入力することができる。
また、信号変換装置に例えばスイッチなどの操作部を別途も受ける必要もなく、簡単な構成で通信プロトコルの切り替えを実施することができる。
一方、信号処理装置において、第二通信プロトコル(例えば、シリアルポートプロトコル)に基づいた信号形式の測定信号を要求するアプリケーションS/Wが起動された際は、第二ドライバ(例えば、VCPドライバ)は、第二信号変換手段による変換を要求する要求信号を信号変換装置に出力する。そして、変換制御手段は、この要求信号を認識することで、第一信号変換手段による測定信号の信号変換から、第二信号変換手段による測定信号の信号変換に切り替える。これにより、信号処理装置では、第一通信プロトコルに基づいた信号が無効となり、第二通信プロトコルに基づいた信号を処理可能な状態となり、例えば第二通信プロトコルとしてVCPプロトコルを用いる場合、USBI/FがシリアルポートI/Fとしてエミュレートされ、測定信号がシリアルポートI/Fから入力される信号と等価に処理される。
以上のように、信号処理装置から入力される要求信号に基づいて、信号変換装置において測定信号を変換するプロトコルを切り替えることで、煩雑な操作を実施することなく、信号変換装置から信号処理装置への信号の入力を容易に実施することができ、汎用性に優れた信号変換を実施可能な信号変換装置を提供することが可能となる。
通常、HIDキーボードプロトコルでは、信号処理装置に接続されるHIDキーボードデバイスの全てに対して、Outputレポートがブロードキャスト送信される。例えば、複数のHIDキーボードデバイスを信号処理装置に接続し、そのうち1つのデバイスの特定のキー(例えばNum Lockキー)を打鍵すると、信号処理装置に接続される他のデバイス全てのNum Lockキーが点灯する。すなわち、信号処理装置に、信号変換装置、およびHIDドライバによる信号処理が可能な入力操作装置が接続された状態で、入力操作装置から特定のキー入力信号が信号処理装置に入力されると、そのキー入力信号がOutputレポートとして信号変換装置にも送信される。本発明の信号変換装置では、このOutputレポートを第二切替要求信号として認識して、測定信号の信号形式を変換する。
このような構成では、特別なアプリケーションS/Wを用いることなく、簡単な構成で信号変換装置における測定信号の信号形式を切り替えることができる。
実施することができる。また、別途変換チップを設けたり、第二通信インターフェースの異なる複数機種の信号変換装置を製造したりする必要がなく、システムの低コスト化を図ることができる。
[1.信号変換伝送システムの全体構成]
以下、本発明に係る信号変換伝送システムの概略を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る信号変換伝送システムの概略を示す図である。
図1において、信号変換伝送システム1は、測定装置10と、信号処理装置であるパーソナルコンピュータ20(以降、PC20と称す)と、信号変換装置であるインプットツール30と、を備えている。この信号変換伝送システム1は、測定装置10から出力される測定信号を、インプットツール30を介してPC20に伝送するシステムであり、インプットツール30にて、測定装置10から出力される測定信号を、PC20にて処理可能な信号形式に変換し、変換した測定信号をPC20に出力する。
〔測定装置の構成〕
測定装置10は、所定の測定処理を実施し、その測定結果に応じた測定信号を生成する装置(デジマチック出力付き測定装置)である。そして、測定装置10は、図1に示すように、第一通信インターフェースであるデジマチックインターフェース11(デジマチックI/F11)を備えており、このデジマチックI/F11に接続されるケーブル線から測定信号を出力する。このデジマチックI/F11は、測定装置10に独自に設けられるインターフェースであり、例えば、図2(A)に示すような平形コネクタを接続可能なデジマチックI/F11、図2(B)に示すような丸形6ピンコネクタを差込み接続可能なデジマチックI/F11、図2(C)に示すような平形10ピンコネクタ差込み接続可能なデジマチックI/F11などが例示できる。
なお、図1において、測定装置10として、測定対象の長さ寸法を測定可能なノギスを例示するが、これに限定されず、例えば、マイクロメータや、高さ測定器、深さ測定器、内径測定器などのその他の側長装置、座標測定装置、画像測定装置、形状測定装置、工学測定装置などその他の測定装置であってもよく、さらには、測定対象の温度や湿度、測定対象に作用する圧力や流体の流速などの測定を実施する測定装置であってもよい。
次に、PC20の構成を図面に基づいて説明する。図3は、PC20の概略構成を示すブロック図である。
PC20は、図3に示すように、入出力部21と、メモリ22と、HDD23と、CPU24と、を含んで構成されている。なお、本実施形態において、信号処理装置としてデ
スクトップ型のパーソナルコンピュータを例示するが、これに限定されず、測定信号を処理可能ないかなる情報処理装置であってもよく、例えば、ノート型パーソナルコンピュータや、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、その他測定専用制御装置などを用いてもよい。
Interface)端子などの映像出力インターフェースなどを備えている。
USBI/F211には、キーボードやマウスなどの入力手段や、その他周辺機器が接続可能であり、本発明の信号変換装置であるインプットツール30もこのUSBI/F211に接続される。このUSBI/F211は、インプットツール30や入力手段、周辺機器などから入力される信号をCPU24に出力する。
HDD23に記録され、CPU24により実行されるプログラムとして、PC20の全体動作を制御するOS(Operating System)や、OS上で動作し、PC20に接続されるデバイス、またはPC20を構成するデバイスを制御する各種ドライバ、OS上で展開される各種アプリケーションS/W251が挙げられる。また、OSには、入出力部21にデバイスが接続された際に接続されたデバイスを自動的に認識する、いわゆるエニュメレーションを実施するデバイス検出手段252が組み込まれている。
プリケーションS/Wや、MeasureReport(株式会社ミツトヨ製)やMesureLink(株式会
社ミツトヨ製)などの測定データ収集アプリケーションS/Wなど、HIDドライバ253により処理されるHIDキーボードプロトコルに準拠した信号をAPIとすることが可能なHID対応アプリケーションS/Wがある。
また、アプリケーションS/W251には、例えば利用者が独自に作成したアプリケーションS/W251で、VCPドライバ254により処理されるシリアルポートプロトコルの信号をAPIとしたシリアルポート対応アプリケーションS/Wもあり、VCPドライバ254により処理される測定信号を入力信号として用いる。このようなアプリケーションS/W251としては、測定信号の入力を促す入力要求信号などを出力するアプリケーションS/W251などもあり、この場合、シリアルポートによる双方向通信によりインプットツール30と通信することにより、複雑な動作制御やデータ処理が可能である。なお、上記のようなExcel、Lotus 1-2-3、MeasureReport、MesureLinkなどのHID対応アプリケーションS/Wは、VCPドライバ254により処理されるシリアルポートプロトコルに準拠した測定信号をも処理可能であり、測定信号の入力形式を適宜選択することも可能となる。
そして、デバイス検出手段252は、検出されたプロトコルに応じて、稼動させるドライバを切り替える。具体的には、API検出手段255の検出結果において、APIがシリアルポートプロトコルに対応すると検出された場合には、デバイス検出手段252はVCPドライバ254を起動し、VCPドライバ254を用いたエニュメレーションを実行する。エニュメレーションが完了すると、VCPドライバ254は、上記したようにVCPモード切替命令を含む要求信号をインプットツール30に出力する。一方、API検出手段255の検出結果において、APIがHIDキーボードプロトコルに対応すると検出された場合は、デバイス検出手段252によってHIDドライバ253が起動され、HIDドライバによるエニュメレーション動作が行われる。この場合、VCPドライバ254は起動せず、特に処理を実施しない。
次に、本発明の信号変換装置であるインプットツール30について図面に基づいて説明する。図5は、インプットツールの概略構成を示すブロック図である。
図5において、インプットツール30は、入出力手段31と、USB通信手段32と、記憶手段33と、CPU34と、を備えている。
また、入出力手段31は、PC20から入力される、例えば測定処理を促すコマンドなどが記録される制御信号を測定装置10に出力することも可能に構成されている。
CPU34は、記憶手段33に記憶されるファームウェア35を読み出し、ファームウェア35に基づいた処理を逐次処理する。
第一信号変換手段351は、入出力部21に入力されるデジマチックプロトコルにより規定される信号形式の測定信号を、HIDキーボードプロトコルに基づいた信号形式に変換する。
また、第二信号変換手段352は、入出力部21に入力されるデジマチックプロトコルにより規定される信号形式の測定信号を、シリアルポートプロトコルに基づいた信号形式に変換する。
次に上述したような信号変換伝送システムにおける信号伝送処理について、その動作を説明する。
図6は、インプットツールにおいてHIDキーボードプロトコルに基づいて信号変換を実施させる際の処理の概念図である。図7は、インプットツールにおいてVCPプロトコ
ルに基づいて信号変換を実施させる際の処理の概念図である。図8は、インプットツールのファームウェアの処理を示すフローチャートである。
PC20は、インプットツール30が接続された際に、エニュメレーション処理を実施し、インプットツール30を認識する。ここで、PC20において、API検出手段255の検出結果により、シリアルポートプロトコルをAPIとして要求するアプリケーションS/W251が起動されていると判断される場合、デバイス検出手段252は、VCPドライバ254を起動させ、エニュメレーション動作を実施させる。そして、このVCPドライバ254は、エニュメレーション処理の完了時に、VCPモード切替命令を含む要求信号をインプットツール30に出力する。一方、シリアルポートプロトコルをAPIとして要求するアプリケーションS/W251が起動していない場合、デバイス検出手段252は、HIDドライバ253を起動させ、エニュメレーション動作を実施させる。この場合、VCPドライバ254が起動されないため、要求信号が出力されず、インプットツール30にHIDキーボードと等価の動作を実施させる。
インプットツールは、図8に示すように、測定装置10とPC20とに接続されると、PC20から提供される電力により起動処理が開始される(ステップST1)。このとき、上記したように、PC20のデバイス検出手段252により、エニュメレーション動作が実施される。すなわち、図6および図7に示すように、インプットツール30は、PC20からエニュメレーション要求信号がインプットツール30に入力されると、エニュメレーション応答信号をPC20に返す。これにより、PC20は、インプットツール30をデバイスとして検出する。
次に、インプットツール30は、初期化処理として、動作モードをHIDモードに設定する(ステップST2)。すなわち、インプットツール30のファームウェア35は、初期状態として、測定装置10から入力される測定信号を、HIDプロトコルに基づいた信号形式に変換する状態、つまり第一信号変換手段351により信号変換処理を実施させる状態に設定する。
ここで、図7に示すように、PC20から要求信号が入力されている場合、ファームウェア35の変換制御手段353は、VCPモード、すなわち、第二信号変換手段352により測定信号をVCPプロトコルに基づいた信号形式に変換するモードに切り替える(ステップST4)。
また、ステップST3において、図6に示すようにPC20から要求信号が入力されない場合、または、ステップST4の後、変換制御手段353は、現在設定されているモードがVCPモードか否かを判断する(ステップST5)。
であると判断された場合、ファームウェア35は、測定装置10からのデジマチックI/F11を介して入力される測定信号を、第一信号変換手段351によりHIDキーボードプロトコルに基づいた信号形式に変換する。そして、インプットツール30は、図6に示すように、PC20から入力されるHID Reportを受けると、返信HID Reportとして、第二信号変換手段352により変換された測定信号をPC20に出力する(ステップST7)。
このステップST8において、例えばインプットツール30とPC20との通信が切断されたり、インプットツール30と測定装置10との通信が切断されたり、PC20において、インプットツールとの切断処理が実施されたりすると、インプットツール30は一連の処理を終了させる。
上述したように、上記実施形態の信号変換伝送システム1は、測定信号を出力する測定装置10、測定信号を処理するPC20、およびこれら測定装置10およびPC20を接続するインプットツール30を備えている。ここで、インプットツール30は、測定装置10のデジマチックI/F11、PC20のUSBI/F211にそれぞれ接続され、デジマチックI/F11から入力される測定信号を、USBI/F211に対応する信号伝送形式に変換してPC20に測定信号を伝送する。そして、このインプットツール30は、デジマチックI/F11に接続される入出力手段31と、ファームウェア35に組み込まれ、測定信号をHIDドライバ253により処置可能なUSB HIDキーボードプ
ロトコルに基づいた信号形式に変換する第一信号変換手段351と、ファームウェア35に組み込まれ、測定信号をVCPドライバ254により処処理可能なVCPプロトコルに基づいた信号形式に変換する第二信号変換手段352と、PC20から入力される要求信号に基づいて、第一信号変換手段351および前記第二信号変換手段352のうち、いずれか一方を選択し、選択した一方に前記測定信号の変換処理を実施させる変換制御手段353と、USBI/F211によりPC20に接続されるUSB通信手段32とを備えている。
一方、PC20において実行されるアプリケーションS/W251のAPIがシリアルポートプロトコルに基づいた信号形式のデータを要求する場合では、インプットツール30の変換制御手段353は、PC20から入力されるVCPモード切替命令を有する要求信号に基づいて、第一信号変換手段351から第二信号変換手段352に切り替えて測定信号の変換処理を実施し、変換された測定信号を、USBI/F211を介してPC20に出力する。この場合、PC20は、VCPドライバ254により測定信号を処理し、処理した測定信号を入力データとしてアプリケーションS/W251に渡す。このため、シリアルポートプロトコルに基づいた入力データを要求するアプリケーションS/W251が実行された場合でも、インプットツール30を交換することなく、測定装置10からの測定信号をアプリケーションS/W251にて実施可能な状態でPC20に測定信号を入力することができる。
以上により、上記インプットツール30は、PC20により異なるAPIを有するアプリケーションS/W251が実行された場合でも、そのAPIに応じた信号形式に測定信号を変換することができ、例えばHIDキーボードプロトコルに基づいた信号変換を有する接続装置、およびシリアルポートプロトコルに基づいた信号変換を有する接続装置を用意することなく、また、USBI/Fを有する接続装置およびシリアルポートI/Fを有する接続装置の双方を用意することなく、さらには、インプットツール30に別途変換チップを組み込んだりする必要もなく、測定装置10からPC20への信号伝送を実施することができる。すなわち、信号変換伝送システム1の構成を簡単にでき、複数機種の接続装置を製造する必要もなくなるため、製造コストを低減させることができる。
このため、PC20で実行されるアプリケーションS/W251のAPIがHIDキーボードプロトコルによる信号形式をサポートしている場合、入力された測定信号は、PC20にて別途変換処理などをする必要がなく、キーボードから入力された入力信号と等価の動作でアプリケーションS/W251に渡すことができる。したがって、測定装置のデータ処理を実行するアプリケーションS/W251として、高度なプログラミング技術が要求されることがなく、簡単なプログラミング技術で処理が可能となり、アプリケーションS/W251の低コスト化をも実現できる。
このため、PC20のアプリケーションS/W251は、シリアルポートI/Fで入力される測定信号と等価となるように、USBI/F211から入力される測定信号を処理することができる。
すなわち、インプットツール30における信号変換の切り替えを、VCPドライバ254により出力される要求信号に基づいて、インプットツール30に組み込まれるファームウェア35のみで実施する。このため、インプットツール30の物理的構成を簡単にすることができるため、インプットツール30の製造効率を向上させ、低コスト化を促進させることができる。また、インプットツール30の物理的な構成はそのままで、ファームウェアのみを更新することで、最新バージョンのドライバに対応した信号変換を実施することもできる。
これにより、インプットツール30は、PC20に接続された段階で、最適な変換モードに切り替えられ、PC20が要求する信号形式の測定信号を適切に出力することができる。
次に、本発明に係る第二実施形態の信号変換伝送システムについて、図面に基づいて説明する。図9は、本発明の第二実施形態の信号変換伝送システム1における信号伝達の概略を示す図である。なお、以上の実施形態において、上記第一実施形態と同様に符号については、同符号を付し、その説明を省略または簡略する。
[1.信号変換伝送システムの全体構成]
上述した第一実施形態の信号変換伝送システム1では、PC20には、第二ドライバとしてVCPドライバ254が導入された。このVCPドライバ254は、例えばWindowsなどのOSに標準的に導入されるデバイスドライバではないため、別途PC20に導入する必要がある。この場合、例えばOSがバージョンアップされた際、新しいOSに適合するように、デバイスドライバもバージョンアップする必要が生じる場合があり、さらに、異なるバージョンのOSに対して、それぞれ適合したバージョンのデバイスドライバを発行する必要がある。このため、インプットツール30の提供元は、OSのバージョンアップの度に、デバイスドライバの動作確認作業が必要で、正常に動作しない場合には、OSの変更に対応するための開発を実施する必要がある。また、利用者は、PC20のOSのバージョンアップの度に新たなデバイスドライバをインストールする必要があったりする等、煩雑な作業が伴う。
第二実施形態の信号変換伝送システム1は、このような問題を改善したシステムであり、PC20のOSに標準ドライバとして搭載されるCDC(Communication Device Class)ドライバを、仮想シリアルポートドライバとして用いている。
測定装置10の構成については、上記第一実施形態と同様であるため、ここでの説明を省略する。
PC20は、上記第一実施形態と同様の構成を有し、図3に示すように、入出力部21と、メモリ22と、HDD23と、CPU24と、を含んで構成されている。
入出力部21は、第一実施形態と同様に、本発明の第二通信インターフェースであるUSBI/F211などを備えている。
メモリ22は、第一実施形態と同様に、ROMやRAMを備え、ROMには、PC20を制御するOS上で実施されるプログラムが記憶される。
HDD23は、第一実施形態と同様に、CPU24にて処理される各種プログラムや、プログラムで用いられる各種データを適宜読み出し可能に記憶している。
インプットツール30Aにより、測定信号を、CDCプロトコル、およびUSBTMCプロトコルに基づいた信号形式に変換可能とすることで、これらのプロトコルに対応した測定信号を入力することが可能となる。
次に、本発明の信号変換装置であるインプットツール30Aについて図面に基づいて説明する。図10は、インプットツールの概略構成を示すブロック図である。図11は、インプットツールの外観図である。
インプットツール30Aは、第一実施形態のインプットツール30と略同様の構成を有し、入出力手段31、USB通信手段32、記憶手段33、CPU34、を備えている。また、第二実施形態のインプットツール30Aには、図10、図11に示すように、筐体外装部に測定信号の信号形式を切り替える本発明の操作部である切替スイッチ36が、I/Oポートに設けられている。
そして、インプットツール30AのCPU34は、切替スイッチ36の設定状態を監視し、測定信号の変換時にこの設定状態に応じた信号の変換を実施する。
CPU34は、記憶手段33に記憶されるファームウェア35を読み出し、ファームウェア35に基づいた処理を逐次処理する。
第一信号変換手段351は、入出力部21に入力されるデジマチックプロトコルにより規定される信号形式の測定信号を、HIDキーボードプロトコルに基づいた信号形式に変換する。
また、第二信号変換手段352は、入出力部21に入力されるデジマチックプロトコルにより規定される信号形式の測定信号を、シリアルポートプロトコルに基づいた信号形式に変換する。
例えば、図11において、切替スイッチ36が「HID」側に切り替えられた設定状態である場合、変換制御手段353は、測定信号を、第一信号変換手段351によりHIDキーボードプロトコルに基づいた信号形式に変換させる。また、図11において切替スイッチ36が「CDC」側に切り替えられた設定状態である場合、変換制御手段353は、測定信号を、第二信号変換手段352によりシリアルポートプロトコルに基づいた信号形式に変換する。
次に上述したような信号変換伝送システムにおける信号伝送処理について、その動作を説明する。
図12は、第二実施形態の信号変換伝送システムの処理を示すフローチャートである。
ここで、CPU34の変換制御手段353は、上記切替スイッチ36の設定状態を読み込むことで、測定装置10から入力される測定信号の信号形式を選択する。
具体的には、変換制御手段353は、切替スイッチ36に対して所定の監視信号を出力する。これに対して、切替スイッチ36は、「HID」に切り替えられている状態で、スイッチ切替変数n=0を返し、「CDC」に切り替えられている状態で、スイッチ切替変数n=1を返す。これにより、変換制御手段353は、切替スイッチ36の設定状態を容易に読み込むことが可能となる。
そして、変換制御手段353は、切替スイッチ36から返されるスイッチ切替変数nを判断する(ステップST12)。
上記第二実施形態の信号変換伝送システム1では、上述した第一実施形態の作用効果に加え、次の効果を奏することができる。
すなわち、第二実施形態では、OSの標準ドライバとして搭載されているCDCドライバ254Aを用いて、PC20とインプットツール30Aとの間のCDC双方向通信処理を実施している。このようなOSに標準的に搭載されているCDCドライバ254Aを用いることで、OSのバージョンアップ時に、PC20に新たなデバイスドライバを追加導入する必要がなく、デバイスドライバの開発などの煩雑な作業もなくすことができる。また、このようなデバイスドライバの開発費用なども不要となる。
このため、例えばPC20の操作に不慣れな利用者であっても、切替スイッチ36を切り替えるだけの簡単な操作で、インプットツール30AからPC20に出力される測定信号の信号形式を容易に切り替えることができ、インプットツール30Aおよび信号変換伝送システム1の操作性をより一層向上させることができる。
次に、本発明に係る第三実施形態の信号変換伝送システム1について、図面に基づいて説明する。
上記第二実施形態では、インプットツール30Aに設けられる切替スイッチ36により、測定信号の信号形式を切り替える例を示したが、インプットツール30Aに、例えば物理的にスイッチを設けることができない場合がある。これに対して、第三実施形態の信号変換伝送システムでは、PC20から入力される要求信号に基づいて、測定信号の信号形式を切り替える。ここで、第一実施形態のPC20では、VCPドライバが起動された際に、自動的に要求信号が出力される例を示したが、本実施形態では、利用者の設定入力により要求信号が出力される点で異なる。
第三実施形態の信号変換伝送システム1では、インプットツール30Bは、HIDキーボードプロトコル、シリアルポートプロトコル、およびGPIB通信プロトコルの3つの信号形式のいずれかに測定信号を変換してPC20に出力する。具体的には、インプットツール30Bのファームウェア35は、測定信号をHIDキーボードプロトコルに基づいた信号形式に変換する第一信号変換手段351、測定信号をシリアルポートプロトコルに基づいた信号形式に変換する第二信号変換手段352、測定信号をGPIB通信プロトコルに基づいた信号形式に変換する第三信号変換手段352B、および変換制御手段353を備えている。なお、この第三信号変換手段352Bは、本発明の第二ドライバの1つであるUSBTMCドライバ254Bにより処理可能な、本発明の第二通信プロトコルの1つであるGPIB通信プロトコルに基づいた信号形式に、測定信号を変換するプログラムであるため、本発明の第二信号変換手段として機能する。
また、PC20は、これらの3つの信号形式に対応して、図13に示すように、HIDドライバ253、CDCドライバ254A、および第二ドライバであるUSBTMCドライバ254Bを備えている。
ここで、USBTMC通信コマンドおよびCDC通信コマンドは、それぞれ、通信用アプリケーションS/Wにより提供されるプロトコル切替コマンドであり、本発明の要求信号を構成し、このうち、HID通信モードに切り替える旨のプロトコル切替コマンドが本発明の第一切替要求信号となり、CDC通信モードやUSBTM通信モードに切り替える旨のプロトコル切替コマンドが本発明の第二切替要求信号となる。
すなわち、PC20に、複数のHIDキーボードプロトコルに基づいたHID通信が可能なHIDデバイスが接続されている場合、Outputレポートは、通常、全HIDデバイスに対して一斉に出力される。例えば、複数のHIDキーボード40(図1参照)がPC20に接続されている場合、1つのHIDキーボードの特定のキー、例えば「NumLock」キーを打鍵すると、そのキー入力信号が全HIDキーボード40に出力され、全HIDキーボードの「NumLock」LEDが点灯する。
具体的には、HIDキーボード40を構成する入力キーのうち、通常使用する上で、使用頻度が小さいキーを、プロトコル切り替え用の特定キーとして登録する。
本実施形態では、「Scroll Lock」キーが1回打鍵されると、対応したOutputレポートがインプットツール30Bにも発行され、インプットツール30Bの変換制御手段353は、測定信号を第三信号変換手段352Bにより変換させる。ここで、このOutputレポートが本発明の第二切替要求信号をなり、信号変換伝送システム1では、HID通信モードからUSBTMC通信モードに、測定信号の通信モードが切り替わる。
また、「Scroll Lock」キーが、短時間に2回打鍵されると、対応したOutputレポートがインプットツール30Bにも発行され、インプットツール30Bの変換制御手段353は、測定信号を第二信号変換手段352により変換させる。ここで、このOutputレポートが本発明の第二切替要求信号となり、信号変換伝送システム1では、HID通信モードからCDC通信モードに、測定信号の通信モードが切り替わる。
図14は、第三実施形態の信号変換伝送システムの処理を示すフローチャートである。
この後、インプットツール30Bは、例えば不揮発メモリから、最初に使用する通信プロトコルの情報を取得する(ステップST31)。なお、標準としてHID通信モードが設定される構成などとしてもよい。
ここで、CPU34は、読み込まれた通信プロトコルの情報がUSBTMC通信モードであると判断した場合、PC20に接続されたインプットツール30Bが、USBTMCデバイスとして検出されるようにし、エニュメレーション処理を実行する(ステップST33)。これにより、PC20は、インプットツール30BをUSBTMCデバイスとして検出し、USBTMCドライバ254Bを起動する。
この後、インプットツール30Bは、リセット処理を実施する(ステップST37)。このリセット処理は、インプットツール30BのF/Wをリセットするものであり、USBI/F上にバスリセットを発生させた後、ステップS31の処理に戻る。
この後、インプットツール30Bは、ステップST37のリセット処理を実施し、ステップS31の処理に戻る。
この後、インプットツール30Bは、ステップST37のリセット処理を実施し、ステップST31の処理に戻る。
上述したような第三実施形態の信号変換伝送システム1では、PC20は、HID通信モードにおいて、HIDキーボード40の特定のキーを打鍵した際に、全HIDデバイスに一斉に発行されるOutputを送信する。また、PC20は、USBTMC通信モードや、CDC通信モードにおいて、他の通信モードに切り替える旨のプロトコル通信コマンドをインプットツール30Bに出力する。そして、インプットツール30Bの変換制御手段353は、特定のOutputレポートや、プロトコル通信コマンドが受信されると、このOutputレポートやコマンドに応じて、測定信号の信号形式を選択する。
このため、HID通信モードから他のプロトコルに対応した通信モードに切り替える際に、専用の通信アプリケーションS/Wを作成することがない。したがって、これらのアプリケーションS/Wの開発やバージョンアップ作業に要するコストや手間をなく、かつ簡単な構成でインプットツール30Bを制御することができる。
次に本発明に係る第四実施形態の信号変換伝送システムについて、図面に基づいて説明する。
図15は、第四実施形態のインプットツールの外観図である。
上述した第三実施形態では、HIDキーボード40の特定キーを打鍵することで、Outputレポートをインプットツール30Bに出力したり、通信コマンドをインプットツール30Bに出力したりすることで、PC20からインプットツール30Bに要求信号を出力して測定信号の信号形式を切り替える構成であったが、第四実施形態では、インプットツール30CのデジマチックI/F11に設けられるDATAボタンの操作により、測定信号の信号形式を所定のプロトコルに切り替える。すなわち、PC20およびインプットツール30Bの通信により通信プロトコルを切り替える第三実施形態の信号変換伝送システム1に対して、第四実施形態の信号変換伝送システム1では、インプットツール30Cと測定装置10とのデジマチックI/F11の通信により、通信プロトコルを切り替える。
なお、信号変換伝送システム1の動作において、上記の点のみが第三実施形態と異なるものであるため、ここでの説明を省略する。
第四実施形態の信号変換伝送システムでは、上述したように、インプットツール30CにデジマチックI/F11にDATAボタン11Aが設けられ、このDATAボタン11Aを操作することで、測定信号を所望のプロトコルに変換する旨の操作信号が出力される。
このため、上記第三実施形態と同様の作用効果を得ることができ、要求信号に基づいて、測定信号の信号形式を容易に切り替えることができる。
さらに、DATAボタン11Aの操作のみにより、測定信号の信号形式を所望のプロトコルに変換することが可能であるため、例えばPC20の操作に不慣れな利用者などにとっても、簡単な操作により処理を実施することができる。
次に、本発明に係る第五実施形態の信号変換伝送システム1について説明する。
この第五実施形態の信号変換伝送システム1は、第四実施形態の信号変換伝送システム1の応用例であり、デジマチックI/F11に接続するアダプタを用いて測定信号の信号形式を所望のプロトコルに切り替える。
インプットツール30CのデジマチックI/F11では、GND、DATA、CK、RDY、およびREQの各信号が入出力され、測定装置10と通信される。
ここで、GNDは、シグナルグランドであり、DATAは、測定装置10から入力される測定信号、CKは、データ入力用の同期クロックを示す信号である。また、RDYは、測定装置10からのデータ送信信号であり、REQはインプットツールから測定装置10に出力されるデータ要求信号である。
すなわち、インプットツール30Cおよび測定装置10の間の通信では、まず、利用者によりDATAボタン11Aが押下されることで、RDYがL(Lowレベル)になる(タイミングT1)。なお、DATAボタン11Aが設けられていないインプットツールでは、測定装置10に当該インプットツールが接続された時点で、RDYがLとなる。
次に、インプットツール30Cは、RDYがLになったことを検出すると、REQをLに設定して測定装置10に出力する(タイミングT2)。
この後、測定装置10は、REQがLになったことを検出すると、DATAとCKとを逐次変化させ、所定のビットシリアル列をインプットツール30Cに送出し、測定信号を出力する。
このループバックコネクタは、RDYとGNDとをショートさせ、REQとDATAとをショートさせる回路を有する。なお、ここでは、REQとDATAとをショートさせる例を示すが、REQとCKとをショートさせる構成などとしてもよい。
このため、インプットツールは、タイミングT2において、RDYがLになったことを検出すると、REQをLに設定して出力する。また、ループバックコネクタにより、REQとDATAとがショートされているため、DATAがLになり、ショートされていない信号であるCKがプルアップ電圧(H:Highレベル)となる。
この図17は、DATAおよびCKの信号状態に対して、測定信号を切り替えるプロトコルを示した図である。
具体的には、図17に示すように、DATAとCKとがともにLである信号状態が所定時間内継続されると、インプットツールの変換制御手段353は、測定信号を第三信号変換手段352Bにより、測定信号をGPIB通信プロトコルに基づいた信号形式に変換可能な状態に設定する。これにより、インプットツールとPC20とは、USBTMC通信モードにより通信可能となる。
また、DATAがLであり、CKがHである信号状態が所定時間内継続されると、インプットツールの変換制御手段353は、測定信号を第一信号変換手段351により、測定信号をHIDキーボードプロトコルに基づいた信号形式に変換可能な状態に設定する。これにより、インプットツールとPC20とは、HID通信モードにより通信可能となる。
さらに、DATAがHであり、CKがLである信号状態が所定時間内継続されると、インプットツールの変換制御手段353は、測定信号を第二信号変換手段352により、測定信号をシリアルポートプロトコルに基づいた信号形式に変換可能な状態に設定する。これにより、インプットツールとPC20とは、CDC通信モードにより通信可能となる。
一方、DATAとCKとがともにHである信号状態が所定時間内継続される場合、デジマチックI/F11が測定装置10に接続されていない状態と同様の信号であるため、インプットツールは、接続エラーとして認識し、測定信号の信号形式の切り替え動作を実施しない。
また、DATAおよびCKとして、ビットシリアル列の信号が測定装置10からインプットツールに入力される場合、インプットツールは、通常のデータ(測定信号)入力処理をして動作し、測定信号を取得する。
第五実施形態の信号変換伝送システムでは、上述した第四実施形態と同様の作用効果が得られ、インプットツールのデジマチックI/F11にループバックコネクタを接続するだけで、デジマチックI/F11で通信される入出力信号に基づいて容易に、測定信号の信号形式を容易に切り替えることができる。また、仕様上、第四実施形態のようなDATAボタン11Aが設けられない場合であっても、このようなループバックコネクタを接続することで、測定信号の信号形式を切り替えることができる。
〔その他の実施形態〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、第一通信インターフェースや第二通信インターフェースとして、PS/2インターフェース、RS−232Cインターフェースなどを用いてもよく、ブルートゥースなどの無線を用いたインターフェースなどであってもよい。
このような場合でも、インプットツールに、信号処理装置で実行されるアプリケーションS/W251のAPIに応じて複数の信号形式を切り替えて変換する第一信号変換手段、第二信号変換手段、および変換制御手段を設けることで、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
Claims (10)
- 所定の測定処理を実施するとともに、測定により得られる測定信号を出力する測定装置、および前記測定信号を処理する信号処理装置を接続するとともに、前記測定装置に設けられる第一通信インターフェースから出力される信号を、前記信号処理装置に設けられる第二通信インターフェースに入力可能な信号伝送形式に変換して、前記信号処理装置に伝送する信号変換装置であって、
前記第一通信インターフェースを有する第一通信部と、
前記測定信号を、前記信号処理装置に組み込まれる第一ドライバにより処理可能な第一通信プロトコルに基づいた信号形式に変換する第一信号変換手段と、
前記測定信号を、前記信号処理装置に組み込まれる第二ドライバにより処理可能な第二通信プロトコルに基づいた信号形式に変換する第二信号変換手段と、
前記第一信号変換手段および前記第二信号変換手段のうち、いずれか一方を選択し、選択した一方に前記測定信号の変換処理を実施させる変換制御手段と、
前記信号処理装置と接続可能な第二通信インターフェースを有するとともに、前記測定信号の出力処理を実施する第二通信部と、
を具備したことを特徴とする信号変換装置。 - 請求項1に記載の信号変換装置において、
前記第二通信インターフェースは、USB接続インターフェースであり、
前記信号処理装置は、USB接続インターフェースから入力されるHIDキーボードプロトコルに基づいた信号を処理可能なHIDドライバを備え、
前記第一信号変換手段は、前記測定信号を前記HIDキーコードプロトコルに基づいた信号形式に変換する
ことを特徴とする信号変換装置。 - 請求項2に記載の信号変換装置において、
前記USB接続インターフェースをシリアルポートインターフェースと見なし、前記USBインターフェースから入力される信号をシリアルポートプロトコルに基づいて処理可能な仮想シリアルポートドライバを備え、
前記第二信号変換手段は、前記測定信号を前記仮想シリアルポートドライバにより処理可能な仮想シリアルポートプロトコルに基づいた信号形式に変換する
ことを特徴とする信号変換装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の信号変換装置において、
第二通信部は、前記信号処理装置からの要求信号を入力可能であり、
前記変換制御手段は、前記第二通信部に入力される要求信号に基づいて、前記第一信号変換手段および前記第二信号変換手段のうち、いずれか一方を選択し、選択した一方に前記測定信号の変換処理を実施させる
ことを特徴とする信号変換装置。 - 請求項4に記載の信号変換装置において、
前記変換制御手段は、前記要求信号を認識した場合、前記第二信号変換手段により前記測定信号を変換させ、前記要求信号が認識されない場合、前記第一信号変換手段により前記測定信号を変換させる
ことを特徴とする信号変換装置。 - 請求項4に記載の信号変換装置において、
前記要求信号は、前記第一信号変換手段による前記測定信号の変換処理を要求する第一切替要求信号、および前記第二信号変換手段による前記測定信号の変換処理を要求する第二切替要求信号を備え、
前記変換制御手段は、前記信号処理装置から前記第一切替要求信号を認識すると、前記第一信号変換手段により前記測定信号を変換させ、前記信号処理装置から前記第二切替要求信号を認識すると、前記第二信号変換手段により前記測定信号を変換させる
ことを特徴とする信号変換装置。 - 請求項6に記載の信号変換装置において、
前記第二通信インターフェースは、USB接続インターフェースであり、
前記第一信号変換手段は、前記測定信号を前記HIDキーボードプロトコルに基づいた信号形式に変換し、
前記信号処理装置は、USB接続インターフェースから入力されるHIDキーボードプロトコルに基づいた信号を処理可能なHIDドライバを備えるとともに、前記HIDドライバによる信号処理が可能な入力操作装置が接続され、
前記第二切替要求信号は、前記入力操作装置から入力される特定キー入力に対して発行されるOutputレポートである
ことを特徴とする信号変換装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の信号変換装置において、
前記測定信号の信号形式を設定可能な操作部を備え、
前記変換制御手段は、前記操作部の設定状態に基づいて、前記第一変換手段および前記第二変換手段のうちいずれか一方に、前記測定信号の信号形式を変換させる
ことを特徴とする信号変換装置。 - 所定の測定処理により得られる測定信号を出力する測定装置に第一通信インターフェースにより接続されて、前記測定信号をUSB接続インターフェースに入力可能な信号伝送形式に変換する信号変換装置に接続可能に設けられ、前記信号変換装置から入力される前記測定信号を処理する信号処理装置であって、
前記信号処理装置が接続された時点で自動デバイス検出処理を実施するデバイス検出手段と、
前記測定信号のデータ処理を実施するアプリケーションソフトウェアと、
前記アプリケーションソフトウェアが要求する前記測定信号の信号形式を認識する信号
形式認識手段と、
前記USB接続インターフェースから入力されるHIDキーボードプロトコルに基づいた信号形式の信号を処理するHIDドライバと、
前記USB接続インターフェースをシリアルポートインターフェースと見なし、前記USBインターフェースから入力される信号をシリアルポートプロトコルに基づいて処理可能な仮想シリアルポートドライバと、
を備え、
前記仮想シリアルポートドライバは、前記信号形式認識手段により、前記アプリケーションソフトウェアが要求する信号形式が前記シリアルポートプロトコルに対応する信号形式であると認識されると、前記デバイス検出手段による自動デバイス検出処理の完了後に、前記シリアルポートプロトコルに対応する信号形式の前記測定信号を要求する要求信号を前記USB接続インターフェースから前記信号変換装置に出力する
ことを特徴とする信号処理装置。 - 所定の測定処理を実施するとともに、測定により得られる測定信号を出力する測定装置と、
請求項1から請求項8のいずれかに記載の信号変換装置と、
請求項9に記載の信号処理装置と、
を具備したことを特徴とする信号変換伝送システム。
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