JP2011012421A - はつり装置 - Google Patents

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【課題】簡単な構成で小型化でき、しかも強力なはつり力を発生させてはつり作業の能率を改善し得るはつり装置を提供する。
【解決手段】コンクリート若しくはモルタルからなる被処理面にノズルから高圧水を噴射してはつり処理を行うはつり装置であって、前記ノズルは回動するものであり、このノズルの回動機構は油圧による回動機構である。
【選択図】図4

Description

本発明は、橋梁などコンクリートやモルタル等で形成された表面部のコンクリートやモルタルをはつり処理するはつり装置に関する。
高速道路や各種橋梁では、塩害や凍結防止剤などによってコンクリート中に塩化物イオンが侵入しコンクリートが損傷することがある。このような場合には、損傷したコンクリートをはつって除去し、新たにポリマーセメントモルタルを吹き付けて補修することが行なわれる。
ところが橋梁の上部工桁端部のこの補修にあっては、橋梁上部工桁端部と橋台との間が一般的に20cm前後と狭く、しかも奥行きは1m程度あって、この狭隘な個所の補修作業は極めて困難であるため、従来から橋梁の上部工桁端部の補修作業を改善する試みが行なわれており、この補修作業を改善するはつり装置及び吹付け装置が特許文献1及び2に開示されている。
この特許文献1に開示されているはつり装置は、固定された噴射ノズルを備えたノズルヘッドと、このノズルヘッドを先端に設け、高圧水をこのノズルヘッドへ導くシャフト部と、ノズルヘッド位置をシャフトの少なくとも軸方向へ移動する移動手段とを備えた構成であり、ノズルから噴射される高圧水をシャフトの軸方向に略垂直方向に噴射して被処理面をはつり処理するものである。
また特許文献2には、超高圧水供給用中空回転軸に連結されたノズルヘッドに、その回転軸の中心の周囲方向に間隔をおいて配置された複数のノズルが設けられ、このノズルヘッドを回転しながら各ノズルから超高圧水を噴射し、この超高圧水により鉄筋コンクリート構造物のコンクリートをはつる方法が示されている。この特許文献2のはつり方法は具体的には供給される超高圧水の一部をノズルヘッド回転用駆動装置の羽根車に噴射して回転駆動力を得、ノズルヘッドを回転させている。
特開平11−21811号公報 特開平1−190891号公報
しかし、この特許文献1のはつり装置は、ノズルからの高圧水の噴射方向が一定で、高圧水は一定方向にしか噴射されないため、被処理面(コンクリート面)に対してはつり装置を頻繁に前後左右に揺動させたり、また更に噴射方向が異なる噴射ノズルに交換するなどしてはつり作業を行なわないと十分にコンクリートをはつることができないという問題がある。
また、特許文献2のはつり方法では超高圧水の噴射による反作用力に抗してノズルヘッドの十分な回転力を得るためにはノズルヘッド回転用駆動装置の大型化及び充分な量の水を噴出する必要があり、大量の水が必要になる。その結果、装置が大型化し、橋梁の上部工桁端部のような狭隘部分の補修作業を行なうことは困難である。
本願発明は、簡単な構成で小型化でき、しかも強力なはつり力を発生させてはつり作業の能率を改善し得るはつり装置を提供するものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
コンクリート若しくはモルタルからなる被処理面3にノズル1から高圧水2を噴射してはつり処理を行うはつり装置であって、前記ノズル1は回動するものであり、このノズル1の回動機構4は油圧による回動機構4であることを特徴とするはつり装置に係るものである。
また、請求項1記載のはつり装置であって、前記油圧による回動機構4は油圧モータ5による回動機構4であることを特徴とするはつり装置に係るものである。
また、請求項1,2いずれか1項に記載のはつり装置であって、前記回動機構4は、一対の傘歯車6・7を内装したものであり、一方の傘歯車6には前記油圧モータ5が設けられ、他方の傘歯車7には前記ノズル1が設けられていることを特徴とするはつり装置に係るものである。
また、請求項1〜3いずれか1項に記載のはつり装置であって、前記傘歯車7の回転軸となるシャフト8には通水路9が設けられ、この通水路9を介して前記ノズル1に前記高圧水2が供給されることを特徴とするはつり装置に係るものである。
また、請求項1〜4いずれか1項に記載のはつり装置であって、前記シャフト8を回転可能とするシリンダ10が設けられ、このシリンダ10内に前記高圧水2が供給されることを特徴とするはつり装置に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、簡単な構成で小型化でき、しかも強力なはつり力を発生させてはつり作業の能率を改善できることになる。
本実施例に係るはつり装置の設置例である。 本実施例に係るはつり装置を用いたはつり作業例である。 本実施例に係るはつり装置の断面図(高圧水流通系)である。 本実施例に係るはつり装置で断面図(回転駆動系)ある。 本実施例に係るはつり装置の要部の斜視図である。 本実施例に係るはつり装置をアームに収容した状態の分解斜視図である。 本実施例に係るはつり装置をアームに収容した状態の分解斜視図である。 本実施例に係るはつり装置をアームに収容した状態の斜視図である。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
ノズル1から高圧水2をコンクリート若しくはモルタルからなる被処理面3に噴射すると、強い反作用力をはつり装置及びノズル1は受けることになり、従ってノズル1を回転させる回動機構4を、例えば参考文献2で開示されているような羽根車に高圧水を噴射させる方式にするとこの強い反作用力によって羽根車が停止、逆転、空転してはつり力が低下してしまう。この点、本発明は回動機構4を油圧で駆動するようにしたから、ノズル1は高圧水2を噴出しながら安定的に回転でき、従ってノズル1から噴出する高圧水2の噴出力に更に回転による衝撃力が加わって一層強力なはつり力を発生できることになり、効率のよいはつり作業を行なえることになる。
以上のように、本発明は油圧で回動機構4を駆動してノズル1を回転させるようにしたから、はつり装置を簡単な構成にでき、しかも高圧水2の噴出力に更に安定的な回転力が加わることで、強力なはつり力を安定して発生させることができることになってはつり作業を効率的に行なえることになる。
本発明の具体的な実施例について図1〜8に基づいて説明する。
本実施例は、図示のように橋梁20の上部工桁端部21の補修作業に本発明のはつり装置22を適用している。
詳細には、道路などの橋梁20の上部工桁端部21と橋台23との間の狭隘な隙間(前述のように、一般的に20cm前後、奥行きは1m程度)のコンクリート部分に生じた欠損を補修するのに本発明のはつり装置22を用いて、まず橋梁桁端部24に生じたコンクリート損傷部分を削りとる、所謂、はつり作業を行ない、その後にこのはつり部分に新たなポリマーセメントモルタルを吹き付けて修復を行なっている。
本実施例のはつり装置22は、アーム25に取り付けられ、更にこのアーム25は図示のように橋台23に沿って移動可能な架台26の上に設置された移動装置27に取付られ、この架台26を橋台23に沿って適宜移動しながらこの架台26上でアーム25を橋台23に直交方向に前後に移動することではつり装置22を水平面内で移動可能としている。
このはつり装置22には図示していない高圧水発生装置及び油圧ポンプから高圧水パイプ28と一対の油圧パイプ29とが接続される構成である。
このはつり装置22は、ノズル1に高圧水2を供給するシャフト8と、このシャフト8と一体に設けられノズル1が設けられた円盤状部材17と、このシャフト8を被嵌して円盤状部材15を回転可能に収用するシリンダ10と、このシリンダ10に収容された前記円盤状部材17を回転させる回動機構4とからなり、このシリンダ10に高圧水2が供給され、液体として粘性の大きい油を用いて前記回動機構4が駆動される構成であり、ノズル1はシャフト8に略平行、若しくは円盤状部材17の回転面に略垂直に設けられる構成である。
詳細には、ノズル1に前記高圧水2を導く通水路9を備えたシャフト8が回転軸として設けられ、前記高圧水2がこの通水路9を流通して前記ノズル1から噴出するように構成され、シャフト8の先端部に円盤状部材17が取り付けられ、この円盤状部材17にシャフト8の通水路9と連通する流通路18が設けられ、この流通路18の先端部にはノズル1が設けられ、更にこのノズル1の噴出孔はシャフト8に略平行且つ先端方向に配向するように構成され、更にシャフト8に円盤状部材17を取り付けた状態でシャフト8をシリンダ10のシリンダ孔11に嵌入して設けられ、このシリンダ10には前記シリンダ孔11と連通する高圧水導入口12がシリンダ孔11に嵌入されたシャフト8の回転軸に直交状態に設けられ、この高圧水導入口12から高圧水2を導入することで前記シャフト8の通水路9を高圧水2が流通し、前記ノズル1から高圧水2が噴出するように構成され、更に前記ノズル1若しくは前記シャフト8に回動機構4が設けられて、この回動機構4は油圧モータ5によって回転駆動されて前記ノズル1を回転する構成である。
具体的には、円盤状部材17は、この円盤状部材17の中央に回転中心となるシャフト8の先端部が被嵌される挿通孔16が設けられ、この円盤状部材17の上面の周縁部に高圧水2を噴出するノズル1を螺着して取り付ける螺着孔30が二個所、前記挿通孔16に対して対称な位置に設けられ、更にこの螺着孔30と前記挿通孔16との間に高圧水2が流通する流通路18が設けられた構成である。
また、このノズル1は先端部が先細りとなる通水路が形成され、円盤状部材17の螺着孔30に螺着され、高圧水2が先端から噴出される構成であり、また、二本のノズル1は、シャフト8がなす回転軸に対して異なった天頂角で配置される構成である。
円盤状部材15は、更に裏面に環状の傘歯車7を重合し螺子31で螺着することで円盤状部材15と傘歯車7とを一体とした構成である。具体的には、円盤状部材15には、螺子31が螺着し得る螺子孔32が設けられ、傘歯車7には螺子31が挿通し得る挿通孔33が設けられて、螺子孔32と挿通孔33とが連通するように円盤状部材15と傘歯車7とを重合させて、螺子31を螺子孔32に螺着する構成である。
シャフト8は、このシャフト8の基端部から先端部の内側が中空である中空部13を設け、この中空部13に連設して、この中空部13の両端にこのシャフト8の側端部を貫通する小孔14・12を設けることで、シャフト8内を水が流通する通水路9が形成された構成である。
またシャフト8はこのシャフト8の略中央部にベアリング部35を設けて、このシャフト8がシリンダ孔11内で回転可能に構成され、更にこのシャフト8の基端部及び先端部に設けられた小孔14・12の夫々の両側にシール部材36・37を設けて、シャフト8とシリンダ孔11とに形成される間隙38をシールする構成であり、シャフト8はシリンダ10のシリンダ孔11に挿入されて、ノズル1が設けられた円盤状部材17を回転させる構成である。
シリンダ10は、シャフト8を挿入した状態でこのシャフト8を回転可能とするシリンダ孔11が設けられる共に、前記シャフト8に設けられた小孔14と連通し得る溜水部19が設けられ、この溜水部19には高圧水2を外部から供給する高圧水導入口12を設けた構成である。
また、シリンダ10に設けたシリンダ孔11と溜水部19とは、このシリンダ孔11の下側端に設けた連通孔39で連通され、シャフト8にベアリング部35及びシール部材36・37を設けて、このシャフト8を前記シリンダ孔11に回転可能に設けた際、この連通孔39は、シャフト8の小孔14と連通し得る位置に設けられる構成である。
更に、溜水部19に設けた高圧水導入口12は、連通孔39とは対向しない位置にシャフト8に直交状態に設けた構成である。
回動機構4は、油圧によって駆動される油圧モータ5と、この油圧モータ5と前記ノズル1が形成された円盤状部材17との間に設けた一対の傘歯車6・19とで構成され、この一対の傘歯車6・19を設けた円盤状部材17の回転軸と油圧モータ5の回転軸とが直交する構成である。
また、油圧モータ5には、図示していない油圧ポンプから油圧が供給され油圧ポンプに戻る一対の油圧パイプ29が接続される構成である。
このように構成される本実施例のはつり装置は、図6〜8に示すように前記アーム25の先端部に取り付けて用いられる構成である。
詳細には、本実施例のはつり装置22は、アーム25の先端部の基体40に取り付けられた状態でカバー体41と回転蓋42で覆ってアーム25内に収容し、この回転蓋42からはつり装置32のノズル1の先端を露出させ、またこのノズル1を回転させる油圧モータ5及び傘歯車6・19からなる回動機構4をこのアーム25内に設けた構成であり、このアーム25の基端側から、高圧水2を供給する高圧水パイプ28と、油圧を供給する油圧パイプ29とを導入して、前記はつり装置22に接続する構成であり、図示していない高圧水発生装置及び油圧ポンプから夫々、高圧水2及び油圧を供給して、前記アーム25の先端から高圧水2を噴出させながらノズル1を回転させることで橋梁20のコンクリート壁の被処理面3をはつる構成である。
本実施例は、以上のように構成したから、高圧水発生装置から高圧水パイプ28をのばして高圧水2を高圧水導入口12に供給し、油圧ポンプから油圧パイプ29をのばして油圧を回動機構4に供給すると、高圧水2がシリンダ10内の溜水部19に流入し、この溜水部19を満たすことになり、この溜水部19を満たした高圧水2はこの溜水部19とシリンダ孔11とに連通する連通孔37を介してシャフト8の基端部に設けられた小孔14からシャフト8内に流入し、更にシャフト8内に流入した高圧水2はシャフト8の通水路9を貫通して流れ、シャフト8の先端部に設けられた小孔15から円盤状部材17に設けられた流通路18に流入して、この流通路18の先端部に設けられたノズル1から高圧水2が噴出されることになる。
この際、前記したように油圧ポンプからの油圧で回動機構4を駆動することで、油圧モータ5が回転して、この油圧モータ5に取り付けられた傘歯車6が対となる傘歯車7を回転させることになって、従ってこの傘歯車7と連結された円盤状部材17が回転することになる。
しかも、回動機構4の駆動に高圧水2の供給路とは別に、作動液体の循環供給路を設けて該回動機構4を駆動するようにして、更に作動油として粘性の大きい油を用いて油圧を供給して油圧モータ5を駆動したことで、高圧水2の噴射による反作用力に抗してノズル1の回転が安定し、強力なはつり力を発生する事ができることになったのである。
即ち、円盤状部剤14は高圧水2をノズル1から噴出しながら回転することになり、噴出する高圧水2は水の噴出力に更に回転力が加わって更に強力なはつり力を生ずることになる。
また、円盤状部材17に設けた二本のノズル1の天頂角に差を設け、夫々のノズル1から噴出される高圧水の噴出広がりに重複部分が生ずるようにすることで、より広い領域を同時に効率よくはつることが可能になる。
また、本実施例でノズル1及び流通路18が円盤状部材17に一体に形成されることになり、高圧水2の水圧に耐え得る極めて強固な構造体を容易に実現できることになる。
尚、回動機構4の作動液体として粘性の大きい油を用いる油圧モータ5で円盤状部材17を駆動すると、高圧水2の噴出圧力に抗して安定した回転力を得ることができるが、回転力が多少低下し、はつり力が低下し得ることを厭わなければ粘性の小さい油や油以外の他の液体を使うことも可能であり、その場合でも、作動油若しくは作動液体を循環して用いことが可能であるから経費を節約できることになる。
更に、本実施例で回動機構4に一対の傘歯車6・19を用い駆動力の方向を変換し、また被嵌されるシリンダ部分で高圧水の供給方向を変換することではつり装置の高さを低くすることが可能となり、前述した橋梁の狭隘部分のはつり作業を容易に行えることになる。
以上のように、本実施例は、天頂角の異なる二本のノズル1を配置した円盤状部材17に回転中心となるシャフト8を設け、このシャフト8の中を高圧水2が流通してノズル1から高圧水2を噴出すると共に、円盤状部材17を油圧モータ5で回転させるようにしたから、高圧水2の噴出圧力に更に安定な回転力が加わって、一層強力なはつり力を発生させることができて、効率的なはつり作業を可能とする小型で簡易な構成のはつり装置を提供できることになる。
尚、本発明は、上記の実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
本発明は、橋梁などコンクリートやモルタル等で形成された表面部のコンクリートやモルタルをはつり処理するはつり装置に関する。
1 ノズル
2 高圧水
3 被処理面
4 回転機構
5 油圧モータ
6 傘歯車
7 傘歯車
8 シャフト
9 通水路
10 シリンダ

Claims (5)

  1. コンクリート若しくはモルタルからなる被処理面にノズルから高圧水を噴射してはつり処理を行うはつり装置であって、前記ノズルは回動するものであり、このノズルの回動機構は油圧による回動機構であることを特徴とするはつり装置。
  2. 請求項1記載のはつり装置であって、前記油圧による回動機構は油圧モータによる回動機構であることを特徴とするはつり装置。
  3. 請求項1,2いずれか1項に記載のはつり装置であって、前記回動機構は、一対の傘歯車を内装したものであり、一方の傘歯車には前記油圧モータが設けられ、他方の傘歯車には前記ノズルが設けられていることを特徴とするはつり装置。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載のはつり装置であって、前記傘歯車の回転軸となるシャフトには通水路が設けられ、この通水路を介して前記ノズルに前記高圧水が供給されることを特徴とするはつり装置。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載のはつり装置であって、前記シャフトを回転可能とするシリンダが設けられ、このシリンダ内に前記高圧水が供給されることを特徴とするはつり装置。
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