JP2011012131A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】低燃費性と、耐摩耗性とを高度にバランスよく改善できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ブタジエンゴムの主鎖に直接結合した水酸基の含有量が、ブタジエンユニットに対して、0.5〜15モル%である改質ブタジエンゴムを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし
【解決手段】ブタジエンゴムの主鎖に直接結合した水酸基の含有量が、ブタジエンユニットに対して、0.5〜15モル%である改質ブタジエンゴムを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤに関する。
近年、タイヤに対する低燃費性(低発熱性)及び耐摩耗性向上の要求は一段と高まり、両特性をよりバランス良く改善することが望まれており、変性ゴムを使用して、両特性を改善する試みが行われている。
特許文献1には、アミノシラン化合物により変性したブタジエンゴムを配合することにより、低発熱性および耐摩耗性を改善したトレッド用ゴム組成物について記載されている。特許文献2には、天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムを所定量含むゴム成分に、シリカおよび所定のシラン化合物を所定量含有することにより、低発熱性および耐摩耗性を改善したトレッド用ゴム組成物について記載されている。特許文献3には、エポキシ化天然ゴムに、特定のシリカとカーボンブラックを配合することにより、グリップ性能を改善したトレッド用ゴム組成物について記載されている。しかし、特許文献1〜3では、低燃費性(低発熱性)及び耐摩耗性について、高度にバランスよく改善できておらず、未だ改善の余地がある。
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性と、耐摩耗性とを高度にバランスよく改善できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ブタジエンゴムの主鎖に直接結合した水酸基の含有量が、ブタジエンユニットに対して、0.5〜15モル%である改質ブタジエンゴムを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
上記ゴム組成物は、上記改質ブタジエンゴムのエポキシ基の含有量が、ブタジエンユニットに対して、0〜15モル%であることが好ましい。
上記ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、シリカを5〜150質量部含むことが好ましい。
上記ゴム組成物は、上記水酸基の含有量が、ブタジエンユニットに対して、1〜8モル%であることが好ましい。
上記ゴム組成物は、上記改質ブタジエンゴムのガラス転移温度が−90℃以下であることが好ましい。
上記ゴム組成物は、上記改質ブタジエンゴムが、シス含量80質量%以上のブタジエンゴムをエポキシ化して得られたエポキシ化率が1〜20モル%のエポキシ化ブタジエンゴムに、水酸基を導入して得られたものであることが好ましい。
上記ゴム組成物は、上記エポキシ化ブタジエンゴムのエポキシ化率が2〜10モル%であることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、ブタジエンゴムの主鎖に直接結合した水酸基を特定量含有する改質ブタジエンゴムを含むタイヤ用ゴム組成物であるので、低燃費性と、耐摩耗性とを高度にバランスよく改善できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ブタジエンゴムの主鎖に直接結合した水酸基を特定量含有する改質ブタジエンゴムを含む。ゴム成分として、主鎖に水酸基を直接結合させた改質ブタジエンゴムを使用しているので、シリカなどの極性基を有するフィラーとの相互作用が大きく、結合力が高いと推測される。このため、本発明では、低燃費性と、耐摩耗性とを高度にバランスよく改善できると推測される。
改質ブタジエンゴムにおいて、ブタジエンゴムの主鎖に直接結合した水酸基の含有量(水酸基化率:ブタジエンゴムのブタジエンユニットに対して水酸基が結合した割合)は、0.5モル%以上であり、1モル%以上であることが好ましく、3モル%以上であることがより好ましく、5モル%以上であることが更に好ましい。また、該水酸基化率は、15モル%以下であり、10モル%以下であることが好ましく、8モル%以下であることがより好ましい。0.5モル%未満であると、低燃費性能の改善効果が充分に得られず、15モル%を超えると、ゴムが硬くなりやすくなるとともに、耐摩耗性が低下する傾向がある。
なお、本発明において、水酸基化率は、後述する実施例に記載の測定方法により得られる値である。
なお、本発明において、水酸基化率は、後述する実施例に記載の測定方法により得られる値である。
本発明におけるブタジエンユニットは、下記式(1)〜(8)で示すユニットから構成される。ブタジエンゴムのブタジエンユニットに対して水酸基が結合した割合とは、下記式(1)〜(8)の合計ユニット数に対する、下記式(3)、(4)、(7)、(8)の合計ユニット数の割合である。
また、本発明において、ブタジエンゴムの主鎖に直接結合した水酸基とは、シス−1,4−結合ブタジエンユニット(下記式(2))、トランス−1,4−結合ブタジエンユニット(下記式(2))、1,2−結合(ビニル結合)ブタジエンユニット(下記式(5))のいずれかに直接結合した水酸基(下記式(3)、(4)、(7)、(8)の水酸基)を意味する。
また、本発明において、ブタジエンゴムの主鎖に直接結合した水酸基とは、シス−1,4−結合ブタジエンユニット(下記式(2))、トランス−1,4−結合ブタジエンユニット(下記式(2))、1,2−結合(ビニル結合)ブタジエンユニット(下記式(5))のいずれかに直接結合した水酸基(下記式(3)、(4)、(7)、(8)の水酸基)を意味する。
改質ブタジエンゴムはエポキシ基を有さなくてもよいが、エポキシ基を有するものが好ましい。改質ブタジエンゴムのエポキシ化率(ブタジエンゴムのブタジエンユニットに対するエポキシ基の割合、ブタジエンユニットに対するエポキシ基の含有量)は、0モル%以上であることが好ましく、1モル%以上であることがより好ましい。また、該エポキシ化率は、15モル%以下であることが好ましく、12モル%以下であることがより好ましい。15モル%を超えると、ガラス転移温度(Tg)が高くなり、省燃費性や耐摩耗性が低下するおそれがある。
ブタジエンゴムのブタジエンユニットに対するエポキシ基の割合とは、上記式(1)〜(8)の合計ユニット数に対する、上記式(1)、(6)の合計ユニット数の割合である。
また、本発明における改質ブタジエンゴムは、アミン類により修飾されていないもの(例えば、主鎖にアミン類が結合していないもの)であってもよい。
なお、本発明において、エポキシ化率は、後述する実施例に記載の測定方法により得られる値である。
ブタジエンゴムのブタジエンユニットに対するエポキシ基の割合とは、上記式(1)〜(8)の合計ユニット数に対する、上記式(1)、(6)の合計ユニット数の割合である。
また、本発明における改質ブタジエンゴムは、アミン類により修飾されていないもの(例えば、主鎖にアミン類が結合していないもの)であってもよい。
なお、本発明において、エポキシ化率は、後述する実施例に記載の測定方法により得られる値である。
改質ブタジエンゴムの重量平均分子量(Mw)は、100000以上が好ましく、200000以上がより好ましく、300000以上が更に好ましい。100000未満であると、耐摩耗性が低下するおそれがある。改質ブタジエンゴムのMwは、1000000以下が好ましく、800000以下がより好ましく、600000以下が更に好ましい。1000000を超えると、ゴムの加工性が悪化するおそれがある。
改質ブタジエンゴムの数平均分子量(Mn)は、100000以上が好ましく、120000以上がより好ましく、150000以上が更に好ましい。100000未満であると、耐摩耗性が低下するおそれがある。改質ブタジエンゴムのMnは、800000以下が好ましく、600000以下がより好ましく、500000以下が更に好ましい。800000を超えると、ゴムの加工性が悪化するおそれがある。
改質ブタジエンゴムの分子量分布(Mw/Mn)は、1.1以上が好ましく、1.2以上がより好ましく、1.3以上が更に好ましい。1.1未満であると、加工性が悪化するおそれがある。改質ブタジエンゴムのMw/Mnは、5.0以下が好ましく、4.0以下がより好ましく、3.0以下が更に好ましい。5.0を超えると、省燃費性、耐摩耗性が低下するおそれがある。
なお、本発明において、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、後述する実施例に記載の測定方法により得られる値である。
なお、本発明において、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、後述する実施例に記載の測定方法により得られる値である。
改質ブタジエンゴムのガラス転移温度(Tg)は、耐摩耗性が充分に得られるという理由から、−90℃以下であることが好ましく、−95℃以下であることがより好ましい。
なお、本発明において、ガラス転移温度は、後述する実施例に記載の測定方法により得られる値である。
なお、本発明において、ガラス転移温度は、後述する実施例に記載の測定方法により得られる値である。
改質ブタジエンゴム(水酸基化ブタジエンゴム(HBR)、水酸基化エポシキ化ブタジエンゴム(HEBR))を製造する方法としては特に限定されず、例えば、ブタジエンゴム(BR)又はエポキシ化ブタジエンゴム(EBR)に公知の方法で水酸基を導入することにより製造できる。例えば、ブタジエンゴム又はエポキシ化ブタジエンゴムを有機溶媒に溶解させた後、酸触媒及び水を所定量加え、反応溶液を室温以上、反応溶液の還流温度以下の温度に維持しながら反応させることにより調製できる。反応時間は主に酸触媒及び水の添加量、反応温度に影響され、これらの制御によりブタジエンゴム又はエポキシ化ブタジエンゴムの不飽和結合に対する水酸基変性率を制御することが可能である。
水酸基が導入されるEBRとしては特に限定されず、市販のエポキシ化ブタジエンゴムでも、ブタジエンゴム(BR)をエポキシ化したものでもよい。ブタジエンゴムをエポキシ化する方法は、特に限定されず、クロルヒドリン法、直接酸化法、過酸化水素法、アルキルヒドロペルオキシド法、過酸法などがあげられる(特公平4−26617号公報、特開平2−110182号公報、英国特許第2113692号明細書等)。過酸法としては例えば、ブタジエンゴムに過酢酸や過ギ酸などの有機過酸を反応させる方法などがあげられる。なお、有機過酸の量や反応時間を調整することにより、様々なエポキシ化率のエポキシ化ブタジエンゴムを調製することができる。
水酸基が導入されるEBRのエポキシ化率(ブタジエンゴムのブタジエンユニットに対するエポキシ基の割合、ブタジエンユニットに対するエポキシ基の含有量)は1モル%以上であることが好ましく、2モル%以上であることが好ましい。エポキシ化率が1モル%未満では、低燃費性能の改善効果が充分に得られない傾向がある。また、エポキシ化率は20モル%以下であることが好ましく、15モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることが更に好ましい。エポキシ化率が20モル%をこえると、ゴムが硬くなりすぎるとともに、耐摩耗性が低下する傾向がある。
水酸基が導入、又は、エポキシ化されるBRとしては、特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。
水酸基が導入、又は、エポキシ化されるBRのシス含量は、省燃費性と耐摩耗性に優れるという理由から、80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましく、95質量%以上が最も好ましい。
なお、シス含量(シス−1,4−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
なお、シス含量(シス−1,4−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
改質ブタジエンゴムの配合量は、ゴム成分100質量%中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、最も好ましくは30質量%以上である。5質量%未満であると、低燃費性と、耐摩耗性とをバランスよく向上させる効果が低下する傾向がある。また、該配合量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。80質量%を超えると耐摩耗性が低下する傾向にある。
ゴム成分としては、改質ブタジエンゴム以外に、天然ゴム(NR)、エポシキ化天然ゴム(ENR)、イソプレンゴム(IR)スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、イソモノオレフィンとp−アルキルスチレンとの共重合体のハロゲン化物などのゴムも併用でき、なかでも、低燃費性と、耐摩耗性、グリップ性能をバランスよく改善できる点から、NR、BR、SBRを用いることが好ましい。
本発明のゴム組成物において、使用できるNRとしては、特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(HPNR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
ゴム組成物がNRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上である。30質量%未満であると、引張強度が充分ではなく、ゴム欠けなどが生じやすいおそれがある。該NRの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。90質量%を超えると、耐摩耗性が低下するおそれがある。
本発明のゴム組成物において、使用できるBRとしては、上述した、水酸基が導入、又は、エポキシ化されるBRと同様のものがあげられる。
ゴム組成物がBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、耐摩耗性の向上効果が小さくなるおそれがある。該BRの含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。70質量%を超えると、ゴム欠けが生じやすくなるおそれがある。
ゴム組成物がBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、耐摩耗性の向上効果が小さくなるおそれがある。該BRの含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。70質量%を超えると、ゴム欠けが生じやすくなるおそれがある。
本発明のゴム組成物において、使用できるSBRとしては、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)が挙げられ、なかでも、グリップ性能と省燃費性に優れるという点から、S−SBRが好ましい。
ゴム組成物がSBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。10質量%未満であると、グリップが不充分となるおそれがある。該SBRの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。90質量%を超えると、省燃費性が悪化するおそれがある。
本発明のゴム組成物はシリカを含有することが好ましい。これにより、省燃費性とグリップのバランスに優れる。シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(無水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。シリカは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、好ましくは30m2/g以上、より好ましくは50m2/g以上である。30m2/g未満であると、耐摩耗性、グリップ性能が低下する傾向がある。また、シリカのN2SAは、好ましくは250m2/g以下、より好ましくは200m2/g以下である。250m2/gを超えると、加工性が悪化するとともに、シリカの分散性が低下し、低燃費性と、耐摩耗性とをバランス良く改善できない傾向がある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは20質量部以上である。5質量部未満では、低燃費性の改善が充分得られない傾向がある。該シリカの含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは100質量部以下である。150質量部を超えると、加工性が低下する傾向にある。
本発明のゴム組成物には、シリカとともに、シランカップリング剤を含有することが好ましい。
シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチルテトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどがあげられ、なかでも、補強性改善効果などの点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドを用いることが好ましい。これらのシランカップリング剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらを予め縮合させたオリゴマーを用いてもよい。
シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチルテトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどがあげられ、なかでも、補強性改善効果などの点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドを用いることが好ましい。これらのシランカップリング剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらを予め縮合させたオリゴマーを用いてもよい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましい。1質量部未満では、未加硫ゴム組成物の粘度が高く、加工性が悪くなる傾向がある。また、該シランカップリング剤の含有量は、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。20質量部を超えると、シリカの増量にともなうカップリング効果が充分に得られず、コストアップする傾向がある。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含有することが好ましい。これにより、耐摩耗性、耐候性が向上する。使用できるカーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。なお、カーボンブラックは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(N2SA)は80m2/g以上が好ましく、100m2/g以上がより好ましい。80m2/g未満では、充分なウェットグリップ性能が得られず、また耐摩耗性が低下する傾向がある。また、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は280m2/g以下が好ましく、250m2/g以下がより好ましい。280m2/gを超えると、分散性に劣り、耐摩耗性が低下する傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
本発明のゴム組成物がカーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。5質量部未満では、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、該カーボンブラックの含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは50質量部以下である。150質量部を超えると、加工性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物がカーボンブラック及びシリカを含有する場合、カーボンブラック及びシリカの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは40質量部以上、より好ましくは50質量部以上である。40質量部未満では、充分な補強性が得られず、耐摩耗性に劣るおそれがある。また、該合計含有量は、好ましくは180質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは100質量部以下である。180質量部を超えると、加工性が悪化し、フィラーの分散が困難となるおそれがある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、クレー等の補強用充填剤、酸化亜鉛、プロセスオイル等のオイル、ステアリン酸、粘着剤、各種老化防止剤、ワックス、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
加硫促進剤としては、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ)、メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)、N,N’−ジフェニルグアニジン(DPG)などが挙げられる。なかでも、遅延系加硫促進剤として製造過程において焼けが起こりにくく、加硫特性に優れ、加硫後のゴムの物性においても外力による変形に対して低発熱性に優れ、耐久性向上に対する効果も大きいという理由からTBBS、CBS、DZなどのスルフェンアミド系加硫促進剤が好ましく、TBBSとDPGを併用することがより好ましい。
加硫剤としては、例えば、有機過酸化物又は硫黄系加硫剤をあげることができる。有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3又は1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン等が挙げられる。また、硫黄系加硫剤としては、硫黄、モルホリンジスルフィド等が挙げられる。なかでも、配合効果及び強度特性の点から硫黄等の硫黄系加硫剤が好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材に使用できるが、なかでも、トレッドに好適に適用できる。トレッドとしては、単層構造のトレッドに使用できるが、多層構造(キャップトレッド及びベーストレッドからなる二層構造など)のキャップトレッドにも使用できる。トレッドはシート状にしたものを、所定の形状に張り合わせる方法、又は2本以上の押出し機に装入して押出し機のヘッド出口で2層に形成する方法により作製できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッド形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
また、本発明のタイヤは、乗用車用タイヤ、バス用タイヤ、トラック用タイヤ等として好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:TSR20
BR:宇部興産(株)製のBR150B(数平均分子量(Mn)=190000、重量平均分子量(Mw)=440000、分子量分布(Mw/Mn)=2.3、シス含量=98質量%、ガラス転移温度=−105℃)
EBR(1)〜(3):下記製造例1〜3で製造
HEBR(1)〜(4)下記製造例4〜7で製造
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(N2SA:125m2/g)
シリカ:テグッサ社製のウルトラシルVN3(N2SA:175m2/g)
シランカップリング剤:テグッサ社製のSi75(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
オイル:出光興産(株)製のプロセスオイルPW−380
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)
NR:TSR20
BR:宇部興産(株)製のBR150B(数平均分子量(Mn)=190000、重量平均分子量(Mw)=440000、分子量分布(Mw/Mn)=2.3、シス含量=98質量%、ガラス転移温度=−105℃)
EBR(1)〜(3):下記製造例1〜3で製造
HEBR(1)〜(4)下記製造例4〜7で製造
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(N2SA:125m2/g)
シリカ:テグッサ社製のウルトラシルVN3(N2SA:175m2/g)
シランカップリング剤:テグッサ社製のSi75(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
オイル:出光興産(株)製のプロセスオイルPW−380
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)
製造例1(エポキシ化ブタジエンゴム(EBR(1))の作製)
BR−150B(宇部興産(株)製のハイシスBR)100gを1粒が、約0.5g程度になる様に細かく切り、ガラス製5L容器中のトルエン1200ml中に添加し、攪拌しながら24時間かけて溶解させた。次に、ギ酸2mlを添加し、ウォーターバス上で50℃に昇温した。溶液を攪拌しながら、濃度30質量%の過酸化水素水5gを30分間かけて滴下した。滴下終了後、50℃を保持したまま攪拌を続け、3時間後BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)を0.3g添加した。室温まで放冷後、5Lのメタノールに反応液を添加してゴム成分を沈殿させた。沈殿物を広いバット上に広げ、24時間風乾させた後、減圧乾燥を行い、EBR(1)を99g得た。
BR−150B(宇部興産(株)製のハイシスBR)100gを1粒が、約0.5g程度になる様に細かく切り、ガラス製5L容器中のトルエン1200ml中に添加し、攪拌しながら24時間かけて溶解させた。次に、ギ酸2mlを添加し、ウォーターバス上で50℃に昇温した。溶液を攪拌しながら、濃度30質量%の過酸化水素水5gを30分間かけて滴下した。滴下終了後、50℃を保持したまま攪拌を続け、3時間後BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)を0.3g添加した。室温まで放冷後、5Lのメタノールに反応液を添加してゴム成分を沈殿させた。沈殿物を広いバット上に広げ、24時間風乾させた後、減圧乾燥を行い、EBR(1)を99g得た。
製造例2(エポキシ化ブタジエンゴム(EBR(2))の作製)
BR−150B(宇部興産(株)製のハイシスBR)100gを1粒が、約0.5g程度になる様に細かく切り、ガラス製5L容器中のトルエン1200ml中に添加し、攪拌しながら24時間かけて溶解させた。次に、ギ酸6mlを添加し、ウォーターバス上で50℃に昇温した。溶液を攪拌しながら、濃度30質量%の過酸化水素水25gを30分間かけて滴下した。滴下終了後、50℃を保持したまま攪拌を続け、3時間後BHTを0.3g添加した。室温まで放冷後、5Lのメタノールに反応液を添加してゴム成分を沈殿させた。沈殿物を広いバット上に広げ、24時間風乾させた後、減圧乾燥を行い、EBR(2)を99g得た。
BR−150B(宇部興産(株)製のハイシスBR)100gを1粒が、約0.5g程度になる様に細かく切り、ガラス製5L容器中のトルエン1200ml中に添加し、攪拌しながら24時間かけて溶解させた。次に、ギ酸6mlを添加し、ウォーターバス上で50℃に昇温した。溶液を攪拌しながら、濃度30質量%の過酸化水素水25gを30分間かけて滴下した。滴下終了後、50℃を保持したまま攪拌を続け、3時間後BHTを0.3g添加した。室温まで放冷後、5Lのメタノールに反応液を添加してゴム成分を沈殿させた。沈殿物を広いバット上に広げ、24時間風乾させた後、減圧乾燥を行い、EBR(2)を99g得た。
製造例3(エポキシ化ブタジエンゴム(EBR(3))の作製)
BR−150B(宇部興産(株)製のハイシスBR)100gを1粒が、約0.5g程度になる様に細かく切り、ガラス製5L容器中のトルエン1200ml中に添加し、攪拌しながら24時間かけて溶解させた。次に、ギ酸12mlを添加し、ウォーターバス上で50℃に昇温した。溶液を攪拌しながら、濃度30質量%の過酸化水素水50gを30分間かけて滴下した。滴下終了後、50℃を保持したまま攪拌を続け、3時間後BHTを0.3g添加した。室温まで放冷後、5Lのメタノールに反応液を添加してゴム成分を沈殿させた。沈殿物を広いバット上に広げ、24時間風乾させた後、減圧乾燥を行い、EBR(3)を99g得た。
BR−150B(宇部興産(株)製のハイシスBR)100gを1粒が、約0.5g程度になる様に細かく切り、ガラス製5L容器中のトルエン1200ml中に添加し、攪拌しながら24時間かけて溶解させた。次に、ギ酸12mlを添加し、ウォーターバス上で50℃に昇温した。溶液を攪拌しながら、濃度30質量%の過酸化水素水50gを30分間かけて滴下した。滴下終了後、50℃を保持したまま攪拌を続け、3時間後BHTを0.3g添加した。室温まで放冷後、5Lのメタノールに反応液を添加してゴム成分を沈殿させた。沈殿物を広いバット上に広げ、24時間風乾させた後、減圧乾燥を行い、EBR(3)を99g得た。
製造例4(改質ブタジエンゴム(水酸基化エポキシ化ブタジエンゴム(HEBR(1)))の作製)
ガラス製5L容器中で、トルエン2000mlに、製造例1により得られたEBR(1)100gを溶解させた後、酸触媒(パラトルエンスルホン酸)及び水をそれぞれ2g、20g添加した。溶液を激しく攪拌しながら反応溶液を反応溶液の還流温度(100℃)に保ちつつ、5時間攪拌した。室温まで放冷後、BHTを0.3g添加した。反応溶液を5Lのメタノールにより凝固させて水洗後、沈殿物を広いバット上に広げ、24時間風乾させた後、減圧乾燥を行うことにより、HEBR(1)を99g得た。
ガラス製5L容器中で、トルエン2000mlに、製造例1により得られたEBR(1)100gを溶解させた後、酸触媒(パラトルエンスルホン酸)及び水をそれぞれ2g、20g添加した。溶液を激しく攪拌しながら反応溶液を反応溶液の還流温度(100℃)に保ちつつ、5時間攪拌した。室温まで放冷後、BHTを0.3g添加した。反応溶液を5Lのメタノールにより凝固させて水洗後、沈殿物を広いバット上に広げ、24時間風乾させた後、減圧乾燥を行うことにより、HEBR(1)を99g得た。
製造例5(改質ブタジエンゴム(水酸基化エポキシ化ブタジエンゴム(HEBR(2)))の作製)
ガラス製5L容器中で、トルエン2000mlに、製造例2により得られたEBR(2)100gを溶解させた後、酸触媒(パラトルエンスルホン酸)及び水をそれぞれ2g、20g添加した。溶液を激しく攪拌しながら反応溶液を反応溶液の還流温度(100℃)に保ちつつ、5時間攪拌した。室温まで放冷後、BHTを0.3g添加した。反応溶液を5Lのメタノールにより凝固させて水洗後、沈殿物を広いバット上に広げ、24時間風乾させた後、減圧乾燥を行うことにより、HEBR(2)を99g得た。
ガラス製5L容器中で、トルエン2000mlに、製造例2により得られたEBR(2)100gを溶解させた後、酸触媒(パラトルエンスルホン酸)及び水をそれぞれ2g、20g添加した。溶液を激しく攪拌しながら反応溶液を反応溶液の還流温度(100℃)に保ちつつ、5時間攪拌した。室温まで放冷後、BHTを0.3g添加した。反応溶液を5Lのメタノールにより凝固させて水洗後、沈殿物を広いバット上に広げ、24時間風乾させた後、減圧乾燥を行うことにより、HEBR(2)を99g得た。
製造例6(改質ブタジエンゴム(水酸基化エポキシ化ブタジエンゴム(HEBR(3)))の作製)
ガラス製5L容器中で、トルエン2000mlに、製造例2により得られたEBR(2)100gを溶解させた後、酸触媒(パラトルエンスルホン酸)及び水をそれぞれ10g、80g添加した。溶液を激しく攪拌しながら反応溶液を反応溶液の還流温度(100℃)に保ちつつ、5時間攪拌した。室温まで放冷後、BHTを0.3g添加した。反応溶液を5Lのメタノールにより凝固させて水洗後、沈殿物を広いバット上に広げ、24時間風乾させた後、減圧乾燥を行うことにより、HEBR(3)を99g得た。
ガラス製5L容器中で、トルエン2000mlに、製造例2により得られたEBR(2)100gを溶解させた後、酸触媒(パラトルエンスルホン酸)及び水をそれぞれ10g、80g添加した。溶液を激しく攪拌しながら反応溶液を反応溶液の還流温度(100℃)に保ちつつ、5時間攪拌した。室温まで放冷後、BHTを0.3g添加した。反応溶液を5Lのメタノールにより凝固させて水洗後、沈殿物を広いバット上に広げ、24時間風乾させた後、減圧乾燥を行うことにより、HEBR(3)を99g得た。
製造例7(改質ブタジエンゴム(水酸基化エポキシ化ブタジエンゴム(HEBR(4)))の作製)
ガラス製5L容器中で、トルエン2000mlに、製造例3により得られたEBR(3)100gを溶解させた後、酸触媒(パラトルエンスルホン酸)及び水をそれぞれ17g、80g添加した。溶液を激しく攪拌しながら反応溶液を反応溶液の還流温度(100℃)に保ちつつ、5時間攪拌した。室温まで放冷後、BHTを0.3g添加した。反応溶液を5Lのメタノールにより凝固させて水洗後、沈殿物を広いバット上に広げ、24時間風乾させた後、減圧乾燥を行うことにより、HEBR(4)を98g得た。
ガラス製5L容器中で、トルエン2000mlに、製造例3により得られたEBR(3)100gを溶解させた後、酸触媒(パラトルエンスルホン酸)及び水をそれぞれ17g、80g添加した。溶液を激しく攪拌しながら反応溶液を反応溶液の還流温度(100℃)に保ちつつ、5時間攪拌した。室温まで放冷後、BHTを0.3g添加した。反応溶液を5Lのメタノールにより凝固させて水洗後、沈殿物を広いバット上に広げ、24時間風乾させた後、減圧乾燥を行うことにより、HEBR(4)を98g得た。
製造例1〜7で得られたエポキシ化ブタジエンゴムEBR(1)〜(3)、改質ブタジエンゴム(水酸基化エポキシ化ブタジエンゴム)HEBR(1)〜(4)について以下の評価を行い、結果を表1、2に示した。
(重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnの測定方法)
重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製HLC−8220GPC、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)を用い、標準ポリスチレンより換算した値である。
重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製HLC−8220GPC、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)を用い、標準ポリスチレンより換算した値である。
(ガラス転移温度(Tg)の測定方法)
ガラス転移温度(Tg)は、JIS−K7121に従い、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製の示差走査熱量計(Q200)を用いて昇温速度10℃/分で昇温しながら測定することによリ、ガラス転移開始温度として求めた。
ガラス転移温度(Tg)は、JIS−K7121に従い、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製の示差走査熱量計(Q200)を用いて昇温速度10℃/分で昇温しながら測定することによリ、ガラス転移開始温度として求めた。
(エポキシ化率、水酸基化率の測定方法)
得られた乾燥ゴムを重水素化クロロホルムに溶解し、核磁気共鳴(NMR(日本電子(株)製のJNM−ECAシリーズ))分光分析により、炭素−炭素二重結合部と脂肪族部の積分値h(ppm)の比から以下の算出式を用いてエポキシ化率を算出した。その変化率と全反射フーリエ変換赤外分光法(ATR−FTIR)による水酸基の吸収ピーク(3400cm−1)の変化率から水酸基化率を算出した。
(エポキシ化率E%)=3×h(2.69)/(3×h(2.69)+3×h(5.14)+h(0.87))×100
得られた乾燥ゴムを重水素化クロロホルムに溶解し、核磁気共鳴(NMR(日本電子(株)製のJNM−ECAシリーズ))分光分析により、炭素−炭素二重結合部と脂肪族部の積分値h(ppm)の比から以下の算出式を用いてエポキシ化率を算出した。その変化率と全反射フーリエ変換赤外分光法(ATR−FTIR)による水酸基の吸収ピーク(3400cm−1)の変化率から水酸基化率を算出した。
(エポキシ化率E%)=3×h(2.69)/(3×h(2.69)+3×h(5.14)+h(0.87))×100
表1、2の結果から、各エポキシ化ブタジエンゴムおよび改質ブタジエンゴム(水酸基化エポキシ化ブタジエンゴム)が反応により水酸基化やエポキシ化が施されていることが確認できた。
実施例1〜4及び比較例1〜4
表3に示す配合処方に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で4分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間、2mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
表3に示す配合処方に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で4分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間、2mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を用いて以下の試験を行った。
(低燃費性)
ティ・エス・インスツルメント(株)製の粘弾性測定試験機を用いて、温度50℃、周波数10Hz、振幅1%における各加硫ゴム組成物の損失正接(tanδ)を測定した。結果を比較例1のtanδを100とした指数で示した。指数が大きいほどtanδが低く、低燃費性に優れる。
ティ・エス・インスツルメント(株)製の粘弾性測定試験機を用いて、温度50℃、周波数10Hz、振幅1%における各加硫ゴム組成物の損失正接(tanδ)を測定した。結果を比較例1のtanδを100とした指数で示した。指数が大きいほどtanδが低く、低燃費性に優れる。
(耐摩耗性)
LAT試験機(Laboratory Abration and Skid Tester)を用い、荷重50N、速度20km/h、スリップアングル5°の条件にて、各加硫ゴム組成物の容積損失量を測定した。結果を比較例1の容積損失量を100とした指数で示した。指数が大きいほど耐摩耗性に優れている。
LAT試験機(Laboratory Abration and Skid Tester)を用い、荷重50N、速度20km/h、スリップアングル5°の条件にて、各加硫ゴム組成物の容積損失量を測定した。結果を比較例1の容積損失量を100とした指数で示した。指数が大きいほど耐摩耗性に優れている。
(グリップ性能)
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、温度0℃、初期歪み10%、動歪み±1%、周波数10Hzの条件下で、各加硫ゴム組成物の損失正接(tanδ)を測定した。結果を比較例1のtanδを100とした指数で示した。指数が大きいほど、グリップ性能に優れることを示す。
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、温度0℃、初期歪み10%、動歪み±1%、周波数10Hzの条件下で、各加硫ゴム組成物の損失正接(tanδ)を測定した。結果を比較例1のtanδを100とした指数で示した。指数が大きいほど、グリップ性能に優れることを示す。
ブタジエンゴムの主鎖に直接結合した水酸基を特定量含有する改質ブタジエンゴム(水酸基化エポキシ化ブタジエンゴム)を配合した実施例1〜4は、低燃費性と、耐摩耗性とを高度にバランスよく改善できた。一方、水酸基化エポキシ化ブタジエンゴムを配合しない比較例1〜3および水酸基化エポキシ化ブタジエンゴムを配合しているものの、該水酸基化エポキシ化ブタジエンゴムが有する水酸基の量が特定量よりも多い比較例4では、低燃費性と、耐摩耗性とバランスよく改善できなかった。
Claims (8)
- ブタジエンゴムの主鎖に直接結合した水酸基の含有量が、ブタジエンユニットに対して、0.5〜15モル%である改質ブタジエンゴムを含むタイヤ用ゴム組成物。
- 前記改質ブタジエンゴムのエポキシ基の含有量が、ブタジエンユニットに対して、0〜15モル%である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
- ゴム成分100質量部に対して、シリカを5〜150質量部含む請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記水酸基の含有量が、ブタジエンユニットに対して、1〜8モル%である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記改質ブタジエンゴムのガラス転移温度が−90℃以下である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記改質ブタジエンゴムが、シス含量80質量%以上のブタジエンゴムをエポキシ化して得られた、ブタジエンユニットに対するエポキシ基の含有量が1〜20モル%のエポキシ化ブタジエンゴムに、水酸基を導入して得られたものである請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記エポキシ化ブタジエンゴムのブタジエンユニットに対するエポキシ基の含有量が2〜10モル%である請求項6記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
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- 2009-06-30 JP JP2009156042A patent/JP2011012131A/ja active Pending
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