JP2011011627A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】トレッド面にサイプを形成したタイヤにおける氷上制動性能を向上すると共に、冬用タイヤとしての役割を終えた後のタイヤの要求性能に応じて、良好なウェット性能の確保、又はドライ路面での操縦安定性能の向上を可能にした空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド面1の陸部3に、陸部3の深さ方向に延びる仮想軸2に対して放射方向に延びかつ陸部3内で終端する複数本の切り込み4を配置した閉鎖サイプ5を設け、これら切り込み4を仮想軸2を中心にした深さ方向に向けて螺旋状のねじりを与え、このねじり角度を10°以上、135°未満にすると共に、切り込み4の本数を閉鎖サイプ5のトレッド面1側と底面側とで異ならせた。
【選択図】 図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、トレッド面にサイプを形成したタイヤにおける氷上制動性能を向上すると共に、冬用タイヤとしての役割を終えた後のタイヤの要求性能に応じて、良好なウェット性能の確保、又はドライ路面での操縦安定性能の向上を可能にした空気入りタイヤに関する。
一般に、ウェット路面や氷上路面における制動性能は路面における水膜の存在により大きく左右されるため、トレッド面にサイプを設けて吸水性を向上させることが広く行われている。しかしながら、トレッド面にサイプを多数配置し過ぎるとトレッド剛性が低下して操縦安定性や制動性を悪化させる原因になるため、従来から、サイプの形態やその配置に関して多くの提案がなされてきた(例えば、特許文献1、2参照)。
これらのうち、特許文献1では、互いに異なる方向に延びる2個以上のサイプを交差させてブロック面に配置することによりサイプ割れ故障やチャンク・アウト故障を防止しながら氷上操縦安定性を向上させることを提案している。また、特許文献2では、サイプをタイヤ径方向に延びるねじり軸の廻りに捩じりを与えた形状にすることにより操縦安定性やウェット制動性能を確保しながら乗心地性を改善させることを提案している。
しかしながら、特許文献1の場合には、トレッド面の吸水性がある程度は改善できるものの、さらにサイプの数を増やして吸水性を高めようとすると操縦安定性の維持が難しくなるという限界がある。また、特許文献2の場合には、ねじり角度を135°以上にも及ぶ大きさにしているために、タイヤ成形加硫後の金型からの離型性が悪化し、トレッド面に損傷を生じさせ易いという問題がある。
また、トレッド面にサイプを設けたスタッドレスタイヤは、摩耗が進行して冬用タイヤとしての役割を終えた後に夏用タイヤとして使用する場合がある。したがって、冬用タイヤとしての役割を終えた後のタイヤの要求性能に応じて、ウェット性能やドライ路面での操縦安定性能を如何にして確保するかが重要な課題となっている。
特開平9−263111号公報 特開2006−27306号公報
本発明の目的は、トレッド面にサイプを形成したタイヤにおける氷上制動性能を向上すると共に、冬用タイヤとしての役割を終えた後のタイヤの要求性能に応じて、良好なウェット性能の確保、又はドライ路面での操縦安定性能の向上を可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、トレッド面に形成した陸部に、該陸部の深さ方向に延びる仮想軸に対して放射方向に延びかつ陸部内で終端する複数本の切り込みを配置した閉鎖サイプを設けると共に、該閉鎖サイプの切り込みに前記仮想軸を中心にした深さ方向に向けて螺旋状のねじりを与えるようにした空気入りタイヤにおいて、前記閉鎖サイプの切り込みに与えたねじり角度の範囲を10°以上、135°未満にすると共に、該閉鎖サイプの深さ方向のトレッド面側と底面側とにおいて前記切り込みの本数を互いに異ならせたことを特徴にする。
さらに、上述する構成において、以下(1)〜(4)に記載するように構成することが好ましい。
(1)前記切り込みの本数を前記閉鎖サイプの深さ方向のトレッド面側よりも底面側において多くするか、又は前記切り込みの本数を前記閉鎖サイプの深さ方向の底面側よりもトレッド面側において多くする。
(2)前記切り込みの本数をトレッド面側において3〜6本にする。
(3)前記切り込みの前記仮想軸側の端部を該仮想軸に対して連接するか、又は該仮想軸に対して非連続にする。前者の場合において、前記仮想軸に沿って前記閉鎖サイプの深さ方向に向けて小穴を形成するとよい。
(4)前記陸部に、前記閉鎖サイプと共にタイヤ幅方向に延びる線状のサイプを設ける。この場合において、前記陸部がブロックであるときには、該ブロックのタイヤ周方向の前端部及び/又は後端部に前記閉鎖サイプをタイヤ幅方向に沿って配列するとよい。
上述した本発明によれば、トレッド面に形成した陸部に深さ方向に延びる仮想軸に対して放射方向に延びかつ陸部内で終端する複数本の切り込みを配置した閉鎖サイプを設け、これら切り込みに仮想軸を中心にした深さ方向に向けて10°以上のねじりを与えたので、切り込みのねじりに伴う容積の増大により吸水性能が高められて、氷上制動性能を向上させることができる。さらに、切り込みのねじり角度を深さ方向に向けて135°未満にしたので、金型からの離型性に支障を来すことなしに吸水性を向上させて、氷上制動性能を向上させることができる。
しかも、閉鎖サイプの深さ方向におけるトレッド面側と底面側とで切り込み本数を異ならせたので、この切り込み本数をトレッド面側よりも底面側において多くした場合には、摩耗後期における切り込み容積が確保されるために、冬用タイヤとしての役割を終えた後の良好なウェット性能を確保することができ、また底面側よりもトレッド面側において多くした場合には、摩耗後期における陸部剛性が確保されるために、冬用タイヤとしての役割を終えた後のドライ路面での操縦安定性を向上させることができる。
本発明の実施形態による空気入りタイヤのトレッド面に形成した閉鎖サイプの一例を示す平面図である。 図1の閉鎖サイプの外壁形状を示す斜視図である。 (a)は図1の閉鎖サイプの上面を示す平面図で、(b)は図1の閉鎖サイプの底面を示す平面図である。 (a)及び(b)はそれぞれ本発明の他の実施形態による閉鎖サイプの外壁形状を示す図2に相当する斜視図である。 本発明の他の実施形態による閉鎖サイプの一例を示す図1に相当する平面図である。 本発明の実施形態による空気入りタイヤのトレッド面の一部を示す平面図である。 本発明の他の実施形態による空気入りタイヤのトレッド面の一部を示す平面図である。 実施例において採用した空気入りタイヤのトレッド面を示す一部平面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態による空気入りタイヤのトレッド面に形成した閉鎖サイプの一例を四角の枠内に示す平面図、図2は図1の閉鎖サイプの外壁形状を示す斜視図、図3(a)は図1の閉鎖サイプの上面を示す平面図、図3(b)は図1の閉鎖サイプの底面を示す平面図である。
図1において、本発明の空気入りタイヤのトレッド面1に形成した陸部3には、陸部3の深さ方向に延びる仮想軸2に対して放射方向に延びかつ陸部3内で終端する複数本(図では3本)の切り込み4を配置した閉鎖サイプ5が設けられている。
そして、本発明の閉鎖サイプ5では、それぞれの切り込み4が、図2に例示するように、仮想軸2の周りに陸部3の深さ方向に向けて螺旋状のねじりが与えられており、閉鎖サイプ5の表面から底面に至るまでのねじり角度の範囲を10°以上、135°未満、好ましくは90〜120°にすると共に、閉鎖サイプ5の深さ方向のトレッド面側と底面側とにおいて切り込み4の本数を互いに異ならせている。なお、図2では切り込み4の本数をトレッド面側において3本にし、底面部側において6本にした場合を例示している。
このようにトレッド面1に形成した陸部3に、陸部3の深さ方向に延びる仮想軸2に対して放射方向に延びかつ陸部3内で終端する複数本の切り込み4を配置した閉鎖サイプ5を設け、これら切り込み4に仮想軸を中心にした深さ方向に向けて10°以上のねじりを与えたので、切り込み4のねじりに伴う容積の増大により吸水性能が高められて、氷上制動性能を向上させることができる。さらに、切り込み4のねじり角度を深さ方向に向けて135°未満にしたので、金型からの離型性に支障を来すことなしに吸水性を向上させて、氷上制動性能を向上させることができる。
しかも、閉鎖サイプ5の深さ方向におけるトレッド面1側と底面側とで切り込み4の本数を異ならせたので、この切り込み4の本数をトレッド面1側よりも底面側において多くした場合には、摩耗後期における切り込み4の容積が確保されるために、冬用タイヤとしての役割を終えた後の良好なウェット性能を確保することができ、また底面側よりもトレッド面1側において多くした場合には、摩耗後期における陸部3の剛性が確保されるために、冬用タイヤとしての役割を終えた後のドライ路面での操縦安定性を向上させることができる。
上述するねじり角度が10°未満では、吸水性の改善効果が十分には得られず、氷上制動性能の向上効果が不足することになり、135°以上では、加硫後のタイヤを金型から取り出す際の離型性が悪化して、トレッド面1が損傷を受け易くなる。
なお、本発明において、上述する切り込み4のねじり角度は、閉鎖サイプ5を構成するそれぞれの切り込み4において同一でなくてもよい。すなわち、単一の閉鎖サイプ5において相互に隣接する切り込み4の間隔が変動する場合が許容される。また、切り込み4のねじり角度は、深さ方向に対して一様に線形的に変化させる場合のほか、深さ方向に対して非線形的に変化させてもよい。
このように構成された本発明の空気入りタイヤは、閉鎖サイプ5が陸部4の深さ方向に延びる仮想軸2の周りにねじりが与えられた複数本の切り込み4により形成されているため、加硫後のタイヤを金型から取り外す際にトレッド面1が切り込み4の成形刃によって損傷を受け易くなる。このような観点から、本発明の空気入りタイヤを加硫成形する金型の内面には、仮想軸2を中心にして回転自在の切り込み4の成形刃を設けて、この金型により加硫成形を行うようにするとよい。
図3(a)は図2の閉鎖サイプ5の上面を示す平面図で、図3(b)は図2の閉鎖サイプ5の底面を示す平面図である。閉鎖サイプ5を構成する切り込み4の本数をトレッド面1側よりも底面側において多くする場合には、金型からの離型性を考慮して、図3(b)に示すように、底面側において増加する切り込み4の放射方向の長さをトレッド面1側の切り込み4の放射方向の長さよりも短くすることが好ましい。
上述するように、切り込み4の本数を底面側においてトレッド面1側よりも多くした場合には、加硫成形後の金型からの離型性を確保するうえで工夫を要するが、トレッド面1の摩耗が進行した場合において増加された切り込み4がトレッド面1に露出して切り込み4の容積が確保されるため、冬用タイヤとしての役割を終えた後の摩耗後期において良好なウェット性能を発揮することができる。
上述する図1〜3の実施形態では、閉鎖サイプ5を構成する切り込み4の本数がトレッド面側において3本、底面側において6本である場合を示したが、本発明における閉鎖サイプ5を構成する切り込み4の本数はこれに限られるものではなく、トレッドパターンに応じて、トレッド面側において3〜6本、底面側において6本以内にするとよい。トレッド面側における切り込み4の本数が2本以下では良好な氷上制動性能が得難くなり、7本以上にするとタイヤ走行時においてトレッド面1にクラックが発生し易くなる。また、底面側において7本以上にすると金型からの離型性が低下することになる。
なお、本発明において、閉鎖サイプ5の深さ方向における切り込み4の本数を変化させるトレッド面側と底面側との境界位置は、特に限定されるものではなく、タイヤの要求特性に応じてその都度適宜設定される。また、タイヤの要求特性によっては、切り込み4の本数をトレッド面側と底面側との間の中間領域においても変化させることができる。この場合には、切り込み4の本数が閉鎖サイプ5の深さ方向に対して徐々に増減するように構成することが好ましい。
上述する実施形態では、閉鎖サイプ5を構成する切り込み4の本数を底面側においてトレッド面1側よりも多くした場合を示したが、本発明の空気入りタイヤでは、図4(a)及び(b)に例示するように、閉鎖サイプ5を構成する切り込み4の本数をトレッド面側において底面側よりも多くする場合がある。図4(a)では切り込み4の本数をトレッド面側において5本、底面側において3本にした場合を示し、図4(b)では切り込み4の本数をトレッド面側において4本、底面側において2本にした場合を示している。
このように、切り込み4の本数をトレッド面1側において底面側よりも多くした場合には、加硫成形後の金型からの離型性に有利であると同時に、摩耗がある程度進行した段階において陸部剛性が確保できるので、操縦安定性を向上させることができる。したがって、冬用タイヤとしての役割を終えた後におけるドライ路面での操縦安定性の確保を指向するスタッドレスタイヤに対して、好ましく適用することができる。
上述する図1〜4の実施形態では、切り込み4の仮想軸2側の端部がそれぞれ仮想軸2に対して連接している場合を示したが、本発明の空気入りタイヤでは、図5に例示するように、閉鎖サイプ5を構成する切り込み4の仮想軸2側の端部4aをそれぞれ仮想軸2に対して非連続に配置する場合がある。この場合における作用効果は、図1〜4の実施形態による場合と変わるものではない。
本発明において、図1〜4の実施形態のように切り込み4の仮想軸2側の端部をそれぞれ仮想軸2に対して連接させる場合には、仮想軸2に沿って閉鎖サイプ5の深さ方向に向けて小穴を形成することができる。これにより、氷上路面における吸水性がさらに高められて、氷上路面走行時の制動性能を一層向上させることができる。さらに、切り込み4の厚さや放射方向の長さを深さ方向に対して変化させることができる。これにより、陸部3の剛性や閉鎖サイプ5の容積をタイヤの要求特性に応じて適宜調整することができる。
上述する図1〜5の実施形態では、閉鎖サイプ5を構成する切り込み4がそれぞれ放射方向に直線状に延びている場合について述べたが、本発明における切り込み4の延在方向の形態はこれに限られることなく、波状又はジグザグ状の形態に形成することができる。
本発明の空気入りタイヤでは、上述する閉鎖サイプ5をトレッド面1に形成した陸部3の全面にわたり分散して配置することが好ましい。この場合には、陸部3の剛性分布を均等に保持して偏摩耗を抑制する観点から、閉鎖サイプ5を構成する切り込み4が互いに接近しないように配置することが好ましい。
さらに、タイヤの要求特性に応じて、図6及び図7に例示するように、陸部3に、閉鎖サイプ5と共にタイヤ幅方向に延びる線状のサイプ6を設けることができる。これにより、線状のサイプ6の配置に伴うエッジ効果の増大により、氷上路面における操縦安定性と氷上制動性能とを高次元で両立させることができる。
なお、図6の実施形態ではトレッド面1に形成したリブ7の表面に並列に配置された複数の閉鎖サイプ5とタイヤ幅方向にジグザグ状に延びる線状のサイプ6とをタイヤ周方向Tに対して交互に配置した場合を示したが、線状のサイプ6の形態やこれらの配置については、これに限られるものではなく、トレッドパターンの形態に応じて適宜変更することができる。線状のサイプ6の形態としては、例えば、略直線状又は波状のものや、3次元形状をなすもの等が挙げられる。
また、陸部3がブロックである場合には、図7に例示するように、ブロック8をタイヤ幅方向に延びる線状のサイプ6で区画したうえで、閉鎖サイプ5をタイヤの蹴り出し側及び/又は踏み込み側に相当するブロック8の前端部及び/又は後端部(図では前端部及び後端部)のタイヤ幅方向に沿って並列に配置するとよい。
特に、ブロック8のタイヤ周方向長さの略30%以下に相当する前端部及び/又は後端部における領域には極力タイヤ幅方向に延びる線状のサイプ6を形成せずに、本発明の閉鎖サイプ5をタイヤ幅方向に沿って並列に配置するとよい。これにより、ブロック8の前端部及び/又は後端部におけるブロック剛性が確保されて、偏摩耗の発生を効率的に抑制しながら良好な操縦安定性を確保すると共に、吸水性をさらに高めて氷上制動性能を向上させることができる。
上述するように、本発明の空気入りタイヤは、トレッド面に形成した陸部に、深さ方向に延びる仮想軸に対して放射方向に延びかつ陸部内で終端する複数本の切り込みを配置した閉鎖サイプを設け、これら切り込みに仮想軸を中心にした深さ方向に向けて螺旋状のねじりを与え、このねじり角度を10°以上、135°未満にすることにより、金型からの離型性に支障を来すことなしに、吸水性を向上させて氷上制動性能を向上させると共に、閉鎖サイプの深さ方向におけるトレッド面側と底面側とで切り込みの本数を異ならせることにより、冬用タイヤとしての役割を終えた後の良好なウェット性能の確保、又はドライ路面での操縦安定性の向上を可能にするもので、簡単な構成でありながら優れた効果を奏することから、氷雪路面に使用するスタッドレスタイヤに対して幅広く適用することができる。
<従来例1、実施例1、2、比較例1、2>
タイヤサイズを195/65R15 91Q、タイヤパターンを図8として、陸部に設けた閉鎖サイプを構成する切り込みの本数をトレッド面側において4本にすると共に、閉鎖サイプの深さ方向の中間位置を境にしてトレッド面側と底面側とにおける切り込みの本数を同じにした従来タイヤ(従来例1)及び比較タイヤ(比較例1、2)、底面側において6本にした本発明タイヤ(実施例1、2)をそれぞれ作製した。なお、各タイヤにおいて、切り込みのねじれ角度を表1のように異ならせると共に、閉鎖サイプの深さを7mm、切り込みの放射方向長さを2mm、切り込みの厚さを0.5mmとした。ただし、本発明タイヤでは底面側において切り込みの本数を増やした2本については、放射方向長さを1mmにした。
これら5種類のタイヤについて、加硫後のタイヤを金型から取り出す際の離型性の評価を行うと共に、以下に記載する試験方法により、新品時における氷上制動性能の評価及び摩耗後期におけるウェット性能の評価を行い、その結果を表1に記載した。なお、加硫後のタイヤの金型からの離型性については、トレッド面に損傷が生じなかったものを「○」で表示し、トレッド面に損傷が生じたものを「×」で表示した。
なお、摩耗後期におけるウェット性能の評価は、トレッド面に形成した主溝(最大深さ:8.9mm)の残溝深さが、新品時の深さの40%になるまで、あらかじめトレッド面を摩耗させておき、その状態で評価を行った。
〔氷上制動性能の評価〕
トレッド面に損傷が生じた比較例2を除く各タイヤをそれぞれサイズ15×6JJのリムに組み込み、空気圧230kPaを充填して排気量2000ccの国産乗用車の前後輪に装着したうえで、氷上路面において初速度40km/hからの制動試験を行い、制動停止距離の逆数を以って氷上制動性能の評価とした。その結果を比較例1を100とする指数により表1に併記した。数値が大きいほど氷上制動性能が優れていることを示す。
〔ウェット性能の評価〕
トレッド面に損傷が生じた比較例2を除く摩耗後期の各タイヤをそれぞれサイズ15×6JJのリムに組み込み、空気圧230kPaを充填して排気量2000ccの国産乗用車の前後輪に装着したうえで、平均水深約1.5mmのアスファルト路面において初速度100km/hからの制動試験を行い、制動停止距離の逆数を以ってウェット性能の評価とした。その結果を比較例1を100とする指数により表1に併記した。数値が大きいほどウェット性能が優れていることを示す。
Figure 2011011627
表1より、本発明タイヤは、従来タイヤ及び比較タイヤに比して、新品時における氷上制動性能が優れていることがわかる。なお、切り込みのねじり角度を140°に設定した比較例2は、金型からの離型性が悪化することを確認した。
さらに、底面側における切り込み本数をトレッド面側よりも多くした本発明タイヤは、摩耗後期において、切り込み本数が深さ方向に変化しない従来タイヤ及び比較タイヤに比して、ウェット性能が飛躍的に向上することを確認した。
<従来例2、実施例3、4、比較例3、4>
タイヤサイズを195/65R15 91Q、タイヤパターンを図8として、陸部に設けた閉鎖サイプを構成する切り込みの本数をトレッド面側において5本にすると共に、閉鎖サイプの深さ方向の中間位置を境にしてトレッド面側と底面側とにおける切り込みの本数を同じにした従来タイヤ(従来例2)及び比較タイヤ(比較例3、4)、底面側において3本にした本発明タイヤ(実施例3、4)をそれぞれ作製した。なお、各タイヤにおいて、切り込みのねじれ角度を表2のように異ならせると共に、閉鎖サイプの深さを7mm、切り込みの放射方向長さを2mm、切り込みの厚さを0.5mmとした。
これら5種類のタイヤについて、加硫後のタイヤを金型から取り出す際の離型性の評価を行うと共に、以下の試験方法により、新品時における氷上制動性能の評価及び摩耗後期における操縦安定性能の評価を行い、その結果を表2に表示した。なお、加硫後のタイヤの金型からの離型性については、トレッド面に損傷が生じなかったものを「○」で表示し、トレッド面に損傷が生じたものを「×」で表示した。
なお、摩耗後期における操縦安定性能の評価は、トレッド面に形成した主溝(最大深さ:8.9mm)の残溝深さが、新品時の深さの40%になるまで、あらかじめトレッド面を摩耗させておき、その状態で評価を行った。
〔氷上制動性能の評価〕
トレッド面に損傷が生じた比較例4を除く各タイヤについて、上記と同様な方法で評価を行い、その結果を比較例3を100とする指数により表2に併記した。数値が大きいほど氷上制動性能が優れていることを示す。
〔操縦安定性能の評価〕
トレッド面に損傷が生じた比較例4を除く各タイヤをそれぞれサイズ15×6JJのリムに組み込み、空気圧230kPaを充填して排気量2000ccの国産乗用車の前後輪に装着したうえで、アスファルト路面からなるテストコースを速度60〜100km/hにて走行させ、3名の熟練したテストドライバーにより、比較例3を「3」とする5点法による官能評価を行った。その結果を平均して表2に併記した。数値が大きいほど操縦安定性能が優れていることを示す。
Figure 2011011627
表2より、本発明タイヤは従来タイヤ及び比較タイヤに比して、新品時における氷上制動性能が優れていることがわかる。なお、切り込みのねじり角度を140°に設定した比較例4は、金型からの離型性が悪化することを確認した。
さらに、底面側における切り込み本数をトレッド面側よりも少なくした本発明タイヤは、摩耗後期において、切り込み本数が深さ方向に変化しない従来タイヤ及び比較タイヤに比して、操縦安定性能が向上することを確認した。
1 トレッド面
2 仮想軸
3 陸部
4 切り込み
5 閉鎖サイプ
6 線状のサイプ
7 リブ
8 ブロック

Claims (9)

  1. トレッド面に形成した陸部に、該陸部の深さ方向に延びる仮想軸に対して放射方向に延びかつ陸部内で終端する複数本の切り込みを配置した閉鎖サイプを設けると共に、該閉鎖サイプの切り込みに前記仮想軸を中心にした深さ方向に向けて螺旋状のねじりを与えるようにした空気入りタイヤにおいて、
    前記閉鎖サイプの切り込みに与えたねじり角度の範囲を10°以上、135°未満にすると共に、該閉鎖サイプの深さ方向のトレッド面側と底面側とにおいて前記切り込みの本数を互いに異ならせた空気入りタイヤ。
  2. 前記切り込みの本数を前記閉鎖サイプの深さ方向のトレッド面側よりも底面側において多くした請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記切り込みの本数を前記閉鎖サイプの深さ方向の底面側よりもトレッド面側において多くした請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記切り込みの本数をトレッド面側において3〜6本にした請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記切り込みの前記仮想軸側の端部を該仮想軸に対して連接した請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記仮想軸に沿って前記閉鎖サイプの深さ方向に向けて小穴を形成した請求項5に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記切り込みの前記仮想軸側の端部を該仮想軸に対して非連続にした請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記陸部に、前記閉鎖サイプと共にタイヤ幅方向に延びる線状のサイプを設けた請求項1〜7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記陸部がブロックであり、該ブロックのタイヤ周方向の前端部及び/又は後端部に前記閉鎖サイプをタイヤ幅方向に沿って配列した請求項8に記載の空気入りタイヤ。
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