JP2011009175A - 蓄電装置用容器の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】短時間で効率よく接合することができ、接合部の外観に優れ、且つ寸法公差が大きく、操作がし易い蓄電装置用容器の製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂(ポリプロピレン樹脂等)製の筒状部材と、筒状部材の端部に嵌装された樹脂(ポリプロピレン樹脂等)製の蓋体とを備え、発電要素を収容するための蓄電装置用容器の製造方法であって、筒状部材の端部及びこの端部に嵌装された蓋体に周方向から赤外線レーザを照射し(周方向の全周から同時に照射されることが好ましい。)、筒状部材の端部の被接合部及び蓋体の被接合部のうちのいずれか一方を発熱させ、筒状部材の端部と蓋体とを融着させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、発電要素を収容するための蓄電装置用容器の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、被接合部に赤外線レーザを照射することにより、筒状部材と蓋体とを短時間で効率よく接合することができ、バリの発生が抑えられて優れた外観を有する接合部を形成することができ、且つ寸法公差が大きく、被接合部を十分な強度で安定して接合させることができる蓄電装置用容器の製造方法に関する。
従来、リチウムイオン二次電池等の蓄電装置の発電要素を収容する容器として、優れた耐湿熱性及び耐クリープ性等を有する金属製容器が多用されている。しかし、金属製容器は重いという問題があるうえ、容器本体と蓋体との溶接は多くの工数を必要とし、量産性の観点から問題になっている。一方、軽量化を図るため、ポリプロピレン及びポリエチレン等の樹脂を用いて成形された容器も提供されており、特に、ポリプロピレンは、優れた防湿性及び耐薬品性等を有するとともに、成形性も良好であり、容器材料として多用されている。
また、このように樹脂製容器を用いた二次電池用の容器として、樹脂製容器の外周面に防湿目的のアルミ箔を積層した容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、樹脂製容器の場合も、容器本体と蓋体とを接合させ、容器内部への水蒸気等の侵入を防止する必要があり、従来、この接合は、超音波融着、加熱融着等の接合方法によりなされている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2004−281156号公報 特開平11−54378号公報
しかし、容器本体と蓋体とを超音波融着させる場合は、短時間で効率よく接合することができ、バリの発生も少ないものの、寸法公差が小さく、被接合部の寸法の僅かなばらつきによっても十分な強度で接合させることができないという問題がある。また、加熱融着の場合は、寸法公差が大きく、被接合部の寸法が少々ばらついても十分な強度で接合させることができるが、接合に長時間を必要とし、効率が低く、更にはバリの発生が多く、優れた外観を有する接合部を形成することが容易ではないという問題がある。
本発明は、前記の従来技術の状況に鑑みてなされたものであり、被接合部に赤外線レーザを照射することにより、筒状部材と蓋体とを短時間で効率よく接合することができ、バリの発生が抑えられて優れた外観を有する接合部を形成することができ、且つ寸法公差が大きく、被接合部を十分な強度で安定して接合させることができる蓄電装置用容器の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下のとおりである。
1.樹脂製の筒状部材と、該筒状部材の端部に嵌装された樹脂製の蓋体とを備え、発電要素を収容するための蓄電装置用容器の製造方法であって、前記筒状部材の前記端部及び該端部に嵌装された前記蓋体に周方向から赤外線レーザを照射し、該筒状部材の該端部の被接合部及び該蓋体の被接合部のうちのいずれか一方を発熱させ、該筒状部材の該端部と該蓋体とを融着させることを特徴とする蓄電装置用容器の製造方法。
2.樹脂製の筒状部材と、該筒状部材の端部に嵌装された樹脂製の蓋体とを備え、発電要素を収容するための蓄電装置用容器の製造方法であって、前記筒状部材の前記端部の被接合部又は前記蓋体の被接合部に、周方向から赤外線レーザを照射し、該筒状部材の該端部の該被接合部又は該蓋体の該被接合部を発熱させ、その後、該筒状部材の該端部に、該蓋体を嵌装し、該筒状部材の該端部と該蓋体とを融着させることを特徴とする蓄電装置用容器の製造方法。
3.前記赤外線レーザが前記周方向の全周から同時に照射される前記1.又は2.に記載の蓄電装置用容器の製造方法。
4.前記筒状部材及び前記蓋体の横断面が円形であり、該筒状部材の前記被接合部における内径が、該蓋体の前記被接合部における外径より0.7〜2.0%小さい前記1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載の蓄電装置用容器の製造方法。
5.前記筒状部材の前記端部の前記被接合部及び前記蓋体の前記被接合部のうちの、発熱して溶融する側に、赤外線レーザ吸収剤が含有されている前記1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の蓄電装置用容器の製造方法。
6.前記筒状部材の前記端部の前記被接合部位及び前記蓋体の前記被接合部のうちの、発熱して溶融する側の表面に、赤外線レーザ吸収剤が塗布されている前記1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の蓄電装置用容器の製造方法。
7.前記筒状部材及び前記蓋体を構成する樹脂が、プロピレン単独重合体、又はプロピレン単独重合体とエチレン−プロピレンブロック共重合体との混合物である前記1.乃至6.のうちのいずれか1項に記載の蓄電装置用容器の製造方法。
8.前記プロピレン単独重合体と前記エチレン−プロピレンブロック共重合体との合計を100質量%とした場合に、該プロピレン単独重合体は90質量%以上である前記7.に記載の蓄電装置用容器の製造方法。
樹脂製の筒状部材の端部及びこの端部に嵌装された樹脂製の蓋体に周方向から赤外線レーザを照射し、筒状部材の端部と蓋体とを融着させる本発明の蓄電装置用容器の製造方法、及び樹脂製の筒状部材の端部の被接合部又は樹脂製の蓋体の被接合部に、周方向から赤外線レーザを照射し、その後、筒状部材の端部に蓋体を嵌装し、筒状部材の端部と蓋体とを融着させる他の本発明の蓄電装置用容器の製造方法によれば、短時間で効率よく接合することができ、バリの発生も抑えられ、且つ寸法公差が大きく、被接合部の寸法が少々ばらついても、被接合部を十分な強度で安定して接合させることができ、優れた耐クリープ性及び耐圧性等を有する蓄電装置用容器を製造することができる。
また、赤外線レーザが周方向の全周から同時に照射される場合は、より短時間でより効率よく接合することができ、且つ周方向において強度等のばらつきの少ない均質な接合部を形成することができる。
更に、筒状部材及び蓋体の横断面が円形であり、筒状部材の被接合部における内径が、蓋体の被接合部における外径より0.7〜2.0%小さい場合は、筒状部材の内周面が蓋体の外周面によって外方へ適度な強さで押圧されるため、筒状部材の端部と蓋体とをより強固に、且つ安定して接合させることができる。
また、筒状部材の端部の被接合部及び蓋体の被接合部のうちの、発熱して溶融する側に、赤外線レーザ吸収剤が含有されている場合、及び筒状部材の端部の被接合部及び蓋体の被接合部のうちの、発熱して溶融する側の表面に、赤外線レーザ吸収剤が塗布されている場合は、筒状部材及び蓋体が透明であって赤外線を透過させる材質であっても、赤外線レーザの照射により発熱させることができ、筒状部材と蓋体とを接合させることができる。
更に、筒状部材及び蓋体を構成する樹脂が、プロピレン単独重合体、又はプロピレン単独重合体とプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体との混合物である場合は、射出成形、押出成形等による加工が容易であり、優れた防湿性、耐薬品性及び耐熱性を有するとともに、十分な強度等を併せて有する蓄電装置用容器とすることができる。
また、プロピレン単独重合体とプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体との合計を100質量%とした場合に、プロピレン単独重合体が90質量%以上である場合は、より良好な加工性を有し、より優れた防湿性等と、より十分な強度等とを併せて有する蓄電装置用容器とすることができる。
筒状部材の端部の被接合部と、蓋体の被接合部とに、赤外線レーザを周方向の全周から同時に照射し、融着させるときの模式的な説明図である。(a)は融着治具の端部挿入用凹部に筒状部材の端部と蓋体とを挿入し、融着させているときの断面の模式図であり、(b)は斜め上方からみた融着治具の模式図である。 本発明の方法により製造された蓄電装置用容器を説明するための模式図である。 本発明の方法により製造された蓄電装置用容器を模式的に説明するための分解斜視図である。 蓄電装置用容器の断面を説明するための模式図である。 蓋体の断面を説明するための模式図である。 蓋体の断面を説明するための模式図である。 蓄電装置用容器の断面を説明するための模式図である。 螺旋状に形成された被覆層を説明するための模式図である。 本発明の方法により製造された他の態様の蓄電装置用容器を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
本発明の蓄電装置用容器の製造方法は、筒状部材の端部及びこの端部に嵌装された蓋体に周方向から赤外線レーザを照射し、筒状部材の端部の被接合部及び蓋体の被接合部のうちのいずれか一方を発熱させ、筒状部材の端部と蓋体とを融着させることを特徴とする。
また、他の本発明の蓄電装置用容器の製造方法は、筒状部材の端部の被接合部又は蓋体の被接合部に、周方向から赤外線レーザを照射し、筒状部材の端部の被接合部又は蓋体の被接合部を発熱させ、その後、筒状部材の端部に、蓋体を嵌装し、筒状部材の端部と蓋体とを融着させることを特徴とする。
これらの製造方法により、樹脂製の筒状部材と、その端部に嵌装された樹脂製の蓋体とを備え、発電要素を収容するための蓄電装置用容器を製造することができる。
[1]蓄電装置用容器
(1)筒状部材
前記「樹脂製の筒状部材」の形状及び寸法は特に限定されない。形状は筒状であればよく、横断面の形状は円形、楕円形、四角形等の多角形のいずれであってもよいが、円形であることが多い。また、寸法、特に内寸法は、収容される発電要素の寸法により設定すればよく、内部に無用な空間が生じない寸法とすることが好ましい。更に、筒状部材の壁厚も特に限定されず、0.5〜1.5mm、特に0.8〜1.2mm、更に0.9〜1.1mmとすることができる。また、筒状部材の前記「端部」のうちの少なくとも一方は開口しており、この開口端部に蓋体が嵌装され、融着されて、接合される。
筒状部材を構成する樹脂も特に限定されず、各種の樹脂を用いることができるが、優れた防湿性、耐薬品性及び耐熱性を有し、且つ十分な強度等を併せて有するポリプロピレン系樹脂が好ましい。このポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレンと、プロピレンを除くα−オレフィンとのブロック共重合体(プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体)及び変性ポリプロピレン重合体が挙げられ、これらのうちでは、プロピレン単独重合体が好ましい。また、ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体のみを用いてもよく、他のポリプロピレン系重合体を併用してもよい。
他のポリプロピレン系重合体のうち、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体としては、例えば、プロピレンのみを重合させる第一工程で生成するプロピレン単独重合部分と、その後、プロピレンとエチレン及び/又はブテン−1、ヘキセン−1等の少なくとも1種の他のα−オレフィンとを共重合させる第二工程で生成するプロピレン−α−オレフィンランダム共重合部分とを有するプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体が挙げられる。更に、変性ポリプロピレン重合体としては、例えば、プロピレン単独重合体及び/又はプロピレン−エチレンランダム共重合体と、α,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体とをラジカル発生剤の存在下に反応させてなる変性ポリプロピレン重合体が挙げられる。この他のポリプロピレン系重合体としては、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体が好ましい。
プロピレン単独重合体と、他のポリプロピレン系重合体、特にプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体とを併用する場合、プロピレン単独重合体の含有割合は特に限定されないが、プロピレン単独重合体と、他のポリプロピレン系重合体、特にプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体との合計を100質量%とした場合に、90質量%以上であることが好ましく、90〜99質量%、特に92〜99質量%、更に93〜99質量%であることがより好ましい。この含有割合が90質量%以上であれば、蓄電装置用容器の防湿性、耐薬品性、耐熱性及び強度等をより向上させることができる。
また、プロピレン単独重合体の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、200000〜800000、特に550000〜650000であることが好ましい。更に、このプロピレン単独重合体のMwと、GPCで測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)との比を指標とする分子量分布(Mw/Mn)は、2.5〜6.0であることが好ましい。また、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体のGPCにより測定されるMwは、200000〜800000、特に400000〜700000であることが好ましい。更に、このプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体のMw/Mnは、3.0〜7.5であることが好ましい。
筒状部材を構成する樹脂の物性のうち、JIS K 7113−1995により、温度23℃、2号試験片、引張速度10mm/分の条件で測定した降伏点応力は35MPa以上、特に40MPa以上であることが好ましい。降伏点応力が35MPa以上であれば、蓄電装置用容器の耐クリープ性、耐圧性等をより向上させることができる。また、JIS K7112:1999(プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法)により測定した樹脂の密度は、0.89〜0.91g/cmであることが好ましい。
更に、筒状部材の製造方法は特に限定されず、例えば、射出成形、押出成形、ブロー成形等の各種の成形法により製造することができる。また、両端が開口している筒状部材は、生産性に優れ、十分な寸法精度を有する筒状部材とすることができるという観点から押出成形により製造することが好ましい。更に、片端のみが開口している筒状部材は、特に優れた寸法精度を有する筒状部材とすることができるという観点から射出成形により製造することが好ましい。
(2)蓋体
前記「蓋体」は、筒状部材の端部に嵌装され、周方向において筒状部材の端部に融着され、これにより蓄電装置用容器が密封される。蓋体は、通常、樹脂により構成され、この樹脂の種類は特に限定されないが、赤外線レーザの照射により筒状部材に容易に、且つ強固に接合させることができる樹脂が好ましい。このような樹脂としては、筒状部材を構成する樹脂と同種の樹脂が好ましく、筒状部材がポリプロピレン系樹脂製であるときは、蓋体もポリプロピレン系樹脂製であることが好ましい。ポリプロピレン系重合体については、筒状部材のときの記載を、そのまま適用することができる。
また、蓋体は、筒状部材の端部の内径と略同じ外径を有する筒状部を備え、この蓋体は、筒状部が、筒状部材の端部に内装される形態で嵌装され、これにより、蓄電装置用容器の内部への気液の侵入が十分に防止され、優れた耐湿性等を有する蓄電装置用容器とすることができる。
更に、本発明の方法により製造された蓄電装置用容器に収納される前記「発電要素」は、特に限定されず、リチウムイオン二次電池等の各種二次電池、及び非水電解液を有するキャパシター等の蓄電装置に収納されている発電要素などが挙げられる。
[2]蓄電装置用容器の製造方法
筒状部材の端部と、この端部に嵌装された蓋体には、周方向から前記「赤外線レーザ」が照射される。この赤外線レーザとしては、波長700nmから1mm程度の赤外領域のレーザを用いることができる。例えば、COレーザ(波長;10600nm)等の気体レーザ、YAGレーザ(波長;1064nm)等の固体レーザ、及び半導体レーザ(655〜980nm)のうちの高波長側の赤外領域のレーザなどを使用することができる。
赤外線レーザの照射により被接合部を発熱させ、融解させて、筒状部材の端部と蓋体とを融着させ、接合させるためには、筒状部材の端部の被接合部又は蓋体の被接合部が赤外線レーザ吸収性である必要がある。このように赤外線レーザを吸収させる方法としては、筒状部材の端部の被接合部又は蓋体の被接合部に、赤外線レーザ吸収剤を塗布する方法が挙げられる。また、筒状部材及び蓋体の各々を構成する樹脂のうちのいずれか一方に、赤外線レーザ吸収剤を配合する方法が挙げられる。
赤外線レーザ吸収剤は特に限定されず、各種の顔料等を用いることができる。例えば、カーボンブラック、ニグロシン、アニリンブラック、フタロシアニン及びナフタロシアニン等のシアニン系化合物、ポルフィリン、ペリレン、クオテリレン、金属錯体、アゾ染料、アントラキノン、スクエア酸誘導体、インモニウム染料等が挙げられる。これらのうちでは、安定性が高く、安価なカーボンブラック及び/又はニグロシンが好ましい。特に、本発明の方法により製造される蓄電装置用容器の場合、黒色であっても全く問題のない用途であるため、カーボンブラックを用いることが好ましい。赤外線レーザ吸収剤は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
筒状部材の端部及びこの端部に嵌装された蓋体に周方向から赤外線レーザを照射し、各々の被接合部のうちのいずれか一方を発熱させ、筒状部材の端部と蓋体とを融着させるためには、筒状部材の被接合部又は蓋体の被接合部に赤外線レーザ吸収剤を塗布することが好ましい。この場合、赤外線レーザを透過させる筒状部材の全光線透過率は特に限定されないが、特にポリプロピレン系樹脂等の汎用樹脂を用いる場合は、着色のための添加剤が含有されていない無着色(ナチュラル色)の樹脂が好ましく、その全光線透過率は60%程度であり、これらの樹脂の全光線透過率を高める必要はない。
尚、全光線透過率は、ISO13468−1により、厚さ2mmの試験片を用いて測定した値である。
また、赤外線レーザ吸収剤を樹脂に配合する場合、配合量は、樹脂の種類及び赤外線レーザの照射条件等によって調整することが好ましいが、樹脂を100質量部としたときに、0.1〜3質量部とすることができ、0.5〜2.5質量部、特に1〜2質量部とすることが好ましい。この配合量が0.1〜3質量部であれば、赤外線レーザの照射により、筒状部材の端部と蓋体とを十分な強度で接合させることができる。
尚、赤外線レーザ吸収剤が配合された樹脂は、蓋体のみに用いられ、筒状部材には使用されない。それは、赤外線レーザが照射される側、即ち、外側となる筒状部材に赤外線レーザ吸収剤が配合されていると、筒状部材内部で赤外線レーザが吸収されて発熱し、被接合部まで十分なエネルギーが到達しないためである。
筒状部材の端部と蓋体とは、筒状部材の端部に蓋体を嵌装させ、その後、被接合部に周方向から赤外線レーザを照射し、筒状部材の端部の被接合部及び蓋体の被接合部のうちのいずれか一方を発熱させ、融着させて、接合させることができる。この場合、蓋体が嵌装された筒状部材を固定し、蓋体及び筒状部材の端部の周囲に、アクチュエータにより回動されるレーザ照射部から赤外線レーザを照射し、筒状部材の端部と蓋体を接合させる。
また、蓋体の被接合部又は筒状部材の端部の被接合部に、周方向から赤外線レーザを照射し、蓋体の被接合部又は筒状部材の端部の被接合部を発熱させて融解させ、その後、蓋体を筒状部材の端部に嵌装させ、接合させることもできる。この場合、蓋体を回動可能に固定し、この蓋体を回動させながら、蓋体の被接合部に赤外線レーザを照射し、この被接合部を発熱させ、その後、蓋体を筒状部材の端部に嵌装させることにより、融着させることができる。
筒状部材の端部と蓋体とは、いずれの方法により接合させてもよいが、嵌装後、赤外線レーザを照射し、接合させる方法が、より操作し易く、より優れた外観等を有する接合部を形成することができるため好ましい。
更に、より強固に接合させるためには、赤外線レーザを、被接合部の周方向の全周から同時に照射することが好ましい。この場合、赤外線レーザを回折レンズのような回折型光学部品へ入射させ、その内部において回折及び透過させて、所定形状のビームとなるように処理し、その後、このビームを収束させ、筒状部材の端部の外周面に同時に照射させる方法、及び赤外線レーザを所定本数の光ファイバーにより分散させ、各々の光ファイバーを筒状部材の端部の外側に環状に配置させ、赤外線レーザを筒状部材の端部の外周面の全周に同時に照射させる方法等が挙げられる。例えば、図1に記載の装置、方法では、融着治具6に設けられた端部挿入用凹部61に、筒状部材2の端部及び蓋体4を挿入し、その後、融着治具6に設けられた光ファイバー挿入孔62(図1では周方向に等間隔に8本設けられている。)に挿通された光ファイバー7(図1では8本)の先端から放射される赤外線レーザの光路を、傾斜面62bにより90°方向転換させ[図1(a)の矢印参照]、筒状部材2の端部及び蓋体4に赤外線レーザを照射させ、発熱させて融着させることができる。
上記のように、赤外線レーザを、被接合部の周方向の全周から同時に照射させる方法では、より多くのビームに分光させ、及び/又は分光された各々のレーザ光の焦点径をより大きくすることによって、周方向の全周に、より確実に同時に赤外線レーザを照射することができ、周方向に強度等のばらつきの少ない均質な接合部を形成することができる。ビームの分光数は特に限定されず、より多くのビームに分光させることが好ましいが、装置のコストとの兼ね合いもあり、通常、4〜12本、特に6〜10本のビームに分光させることが好ましい。例えば、8本のビームに分光し、周方向の8方向から赤外線レーザを照射することにより、十分に均質な接合部を形成することができる。また、赤外線レーザを光ファイバーにより分散させる場合も、より多くの光ファイバーに分散させることによって、同様に、均質な接合部を形成することができるが、この場合も、コストとの兼ね合いで、通常、4〜12本、特に6〜10本の光ファイバーに分散させることが好ましい。例えば、8本の光ファイバーに分散させることにより、同様に、十分に均質な接合部を形成することができる。
また、筒状部材の端部の被接合部と、この端部に嵌装される蓋体の被接合部とは、一方の融解と、この一方からの熱伝導による他方の軟化とによって融着され、接合されるため、界面が密着しており、熱伝導が十分になされることが好ましい。密着していない場合、蓄電装置用容器の耐クリープ性及び耐圧性等が低下することがある。更に、密着しているのみでなく、筒状部材及び蓋体の横断面が円形である場合に、筒状部材の被接合部における内径が、蓋体の被接合部における外径より0.7〜2.0%、特に1.0〜1.5%小さいことが好ましい。これにより、筒状部材の被接合部に圧接されていた蓋体の被接合部と、発熱により熱膨張する筒状部材の被接合部とが、より強く圧接され、より強固に接合させることができる。尚、過度に強く圧接させることは好ましくなく、過度に圧接させた場合は、蓋体の嵌装が容易ではなく、長期間使用したときに筒状部材にクリープが発生することがある。
更に、赤外線レーザは、前記のように、照射機を、被接合部の周囲を回動させて照射してもよいし、照射機は固定し、回動される蓋体に照射してもよいし、周方向の全周から同時に照射してもよい。照射機又は蓋体を回動させて照射する場合、各々の回動速度は特に限定されず、被接合部を融解させ、筒状部材の端部と蓋体とを融着させ、接合させることができればよい。また、この回動速度は、赤外線レーザの出力を勘案し、下記の式により表されるレーザ照射量が適正な範囲となるように調整することが好ましい。レーザ照射量が過少であると、被接合部が十分に融解せず、強固に接合させることができない場合がある。一方、レーザ照射量が過多であると、樹脂が熱劣化し、接合部の強度が低下することがある。
レーザ照射量(J/mm)=レーザ出力(W)/走査速度(mm/分)
[3]蓄電装置用容器の好ましい態様
(1)筒状部材
筒状部材の外表面は、アルミ箔層を有する積層フィルムを用いてなる被覆層によって被覆されていることが好ましい。この積層フィルムとしては、アルミ箔層と樹脂層との積層体が好ましく、樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。例えば、アルミ箔層と熱可塑性樹脂層との2層の積層体、及びアルミ箔層の両面に熱可塑性樹脂層が積層された3層の積層体等が挙げられる。
積層フィルムは、通常、樹脂層側が、筒状部材の外表面に熱融着等により接合されて用いられる。また、積層フィルムが、複数の熱可塑性樹脂層を有している場合、各々の熱可塑性樹脂層は、同一の樹脂を用いてなるものでもよく、異なる樹脂を用いてなるものでもよい。更に、両面側が熱可塑性樹脂層である場合は、いずれの側を筒状部材の外表面に接合させてもよい。また、熱可塑性樹脂は特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂などを用いることができる。この積層フィルムとしては、アルミ箔層の両面にポリプロピレン樹脂層が積層された3層の積層体がより好ましい。
積層フィルムの厚さ(それぞれの層の合計厚さ)は特に限定されず、必要に応じて適宜調整することができる。この厚さは、例えば、50〜130μm、特に70〜110μmとすることができる。また、アルミ箔層の厚さも特に限定されず、必要に応じて適宜調整することができる。この厚さは、例えば、20〜70μm、特に20〜60μm、更に30〜50μmとすることができる。更に、樹脂層の厚さ(1層の厚さ)も特に限定されず、必要に応じて適宜調整することができる。この厚さは、例えば、10〜55μm、特に13〜30μm、更に15〜25μmとすることができる。また、樹脂層が2層である場合、各々の厚さは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
更に、積層フィルムに用いるアルミ箔の耐力は、120N/mm以上、特に120〜300N/mmであることが好ましい。この耐力が120N/mm以上であれば、一定の応力が加わったときの蓄電装置用容器の変形が抑えられ、耐クリープ性もより向上する。また、積層フィルムの伸びは、2.0〜10.0%、特に2.2〜9.2%であることが好ましい。この伸びが2.0〜10.0%であれば、十分な耐圧性を有する容器とすることができ、内圧により伸びが発生しても容器が裂けることはない。
尚、耐力及び伸びは、引張試験機(オリエンテック社製、商品名「テンシロン」、型式「AMF/RTA−100」)を用いて、幅15mmの積層フィルムを、チャック間距離10mm、温度25℃、相対湿度65%の条件下に、引張速度1mm/分で測定した値である。
被覆層は、筒状部材の外表面にどのような形態で形成されていてもよい。例えば、図2のように、被覆層3は、積層フィルムを、筒状部材の周方向に重ね代34が形成されるように巻回して形成することができる。更に、耐クリープ性及び耐圧性をより向上させ、且つ内圧に対する容器全体の強度をより均一にするため、図8のように、被覆層3は、積層フィルムを、筒状部材の外表面に重ね代34が形成されるように螺旋状に巻回して形成することもできる。
(2)蓋体
蓋体は、その外表面が蓋体被覆層によって被覆されていることが好ましい。これにより、蓄電装置用容器の耐湿性をより向上させることができる。この蓋体被覆層は、アルミ箔層を有する積層フィルムによって形成することができ、この積層フィルムとしては、前記の筒状部材の被覆層と同様の積層フィルムを用いることができる。この場合、筒状部材の被覆層を構成する積層フィルムと、蓋体被覆層を構成する積層フィルムとは、同一であってもよく、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
蓋体被覆層を有する蓋体としては、例えば、図6のように、被覆層が形成された筒状部材の端部の外周全体を覆い、その外径と同じ径(直径)を有する端部412と、この端部412の表面を覆う蓋体被覆層42と、筒状部材の開口部(図3における開口部21参照)に内挿させて嵌装可能な筒状部411と、を備える蓋体が挙げられる。更に、筒状部材と蓋体との接合強度及び容器の防湿性をより向上させるため、図5及び7のように、蓋体4の端面部の表面積よりも蓋体被覆層42の面積を大きくして形成した接合補強部421を有する蓋体が挙げられる。
前記のような蓋体を備える場合、蓋体と筒状部材とは、(1)筒状部材の端部の内周面と、蓋体の筒状部411の外周面(図7におけるa面参照)との間、及び(2)筒状部材の端面と、蓋体の端部裏面(図7における端部412のb面参照)との間、が赤外線レーザの照射による融着により接合されており、十分な接合強度を有する。また、筒状部材の端部の内周面に接合されることとなる、蓋体の筒状部411の外周面(図7における筒状部411のa面参照)の面積は、150〜800mm、特に400〜600mmであることが好ましい。この面積が150〜800mmであれば、筒状部材と蓋体との接合強度をより向上させることができる。
また、蓋体には、通常、リチウムイオン二次電池等の電極を配設するための貫通孔(図2、図5及び6等における貫通孔43参照)が設けられる。この貫通孔は、筒状部材の両端部に嵌装された蓋体(一方が有底の筒状部材の底部のこともある。)に各々1個形成されていてもよく、片端部の蓋体(又は有底の筒状部材の底部)に2個形成されていてもよい(図9参照)。これらのうちでは、両端部に嵌装された蓋体(一方が有底の筒状部材の底部のこともある。)の中心部に、貫通孔がそれぞれ1個形成されていることが好ましい。このように、蓋体(一方が有底の筒状部材の底部のこともある。)に貫通孔が形成されていても、筒状部材の端部と蓋体とを前記のようにして接合させることにより、蓄電装置用容器の強度及び防湿性等を向上させることができ、且つ耐クリープ性、耐圧性及び耐薬品性等の性能のバランスに優れる蓄電装置用容器とすることができる。
(3)シール層
筒状部材に蓋体を配設したときに生じる筒状部材と蓋体との継ぎ目部に、シール層を設けることができる。このシール層を設けた場合、継ぎ目部に起因する水分の透過を抑えることができ、蓄電装置用容器の防湿性をより向上させることができる。シール層は、通常、筒状部材と蓋体との継ぎ目部が覆われるように、シール層となる積層フィルムを巻回し、加熱融着することによって形成することができる。このようなシール層を有する場合、蓋体4に接合補強部421(図5及び7参照)が形成されていない場合でも、十分な防湿性を確保することができる。また、接合補強部421が形成されている場合でも、シール層(図2のシール層5参照)を設けることで、防湿性をより向上させることができる。特に、蓋体端部の周縁部が丸みを有している場合は、接合補強部421により筒状部材を被覆し、且つ積層フィルムを巻回して継ぎ目部にシール層を形成することが好ましい。
シール層を設けるための積層フィルムとしては、アルミ箔層を有する積層フィルムを用いることが好ましい。この積層フィルムとしては、前記の筒状部材に形成される被覆層を形成する積層フィルムと同様の積層フィルムを用いることができる。特に、このシール層におけるアルミ箔層の厚さは、20μm以上であることが好ましい。
尚、筒状部材に形成された被覆層を構成する積層フィルムと、シール層を構成する積層フィルムは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
(4)蓄電装置用容器
被覆層を形成することにより、蓄電装置用容器の透湿度を、0.95mg/m・24hr以下と低くすることができる。この透湿度が、0.95mg/m・24hr以下であれば、蓄電装置用容器として大容量でありながら、長期間使用しても透過する水分の積算量を極めて低く抑えることができ、車両に搭載される環境下でも蓄電装置用容器として用いることができる。
尚、透湿度(mg/m・24hr)は、温度40℃、相対湿度90%の雰囲気下に、20日間静置したときの重量増加(mg)を、(A)容器内に吸湿剤(塩化カルシウム)を充填し、蓋体(又は筒状部材の底部)に設けられた貫通孔を塞いだ場合、及び(B)吸湿剤を充填せず、貫通孔を塞いだ場合、について測定し、(B)のときの重量増加から(A)のときの重量増加を差し引いた値に基づいて算出したものである。
更に、優れた耐クリープ性及び耐圧性等を有し、且つ透湿度の低い蓄電装置用容器とするためには、筒状部材の厚さが0.5〜1.5mmであり、積層フィルムの厚さが70〜110μmであり、且つこの積層フィルムが有するアルミ箔層の厚さが20〜70μmであることが特に好ましい。また、この蓄電装置用容器は、筒状部材を構成する樹脂が、プロピレン単独重合体とプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体との混合物であり、被覆層はアルミ箔層の両面にポリプロピレン樹脂層が形成された積層体からなる積層フィルムによって形成されていることが特に好ましい。この3層の積層体は、通常のラミネート法により成形することができ、具体的には、例えば、ホーセン社製の円筒電池用パーツ、及び大日本印刷社製の電池用包装材料を用いて形成することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1及び比較例1、2
(1)筒状部材
95質量%のポリプロピレン単独重合体(日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックPP・EA9BT」)と、5質量%のポリプロピレンブロック共重合体(日本ポリプロ社製、商品名「ノバテック・EC7」)とを混合し[単独重合体及び共重合体ともに無着色(ナチュラル色)]、この樹脂混合物を用いて、押出成形により筒状体を成形し、長さ200mm、外径23.2mmで、内径が表1に記載のように21.1mm、21.2mm、21.3mmの3種類の筒状部材を作製した。
尚、内径が21.1mmである場合、この内径は、後記の蓋体の筒状部の外径より1.9%小さい。また、内径が21.2mmである場合、この内径は、後記の蓋体の筒状部の外径より1.4%小さい。更に、内径が21.3mmである場合、この内径は、後記の蓋体の筒状部の外径より0.9%小さい。
(2)蓋体
100質量部のポリプロピレンブロック共重合体(出光化学社製、商品名「J3057HP」)と、5質量部の黒色カーボンブラックマスターバッチ(東京インキ社製、商品名「PEX999018プラック」)とを混合し、この樹脂混合物を用いて、射出成形により、図4に記載されている形状の蓋体4(但し、蓋体被覆層42は形成されていない。)を成形した。この蓋体4の寸法は、蓋体端部412(図5参照)の直径が23.6mm、筒状部411(図5参照)の外径が21.5mm、内径が17.0mmである。
(3)筒状部材の端部と蓋体との融着
前記(1)で作製した筒状部材の両端部に、前記(2)で作製した蓋体を嵌装させ、その後、表1に記載のように、赤外線レーザの照射による融着、超音波融着又は熱融着により接合した。各々の融着の条件は下記のとおりである。融着により接合されていることは、融着箇所を無色透明の筒状部材側から透視し、目視により確認した。
(a)赤外線レーザの照射による融着
赤外線レーザ融着機;ブランソン社製、RADIANCE Laser Welder 品番「IRAM300」
融着条件;レーザ照射時間2.5秒
(b)超音波融着
超音波融着機;ブランソン社製、2000Xシリーズ、品番「2000d」
融着条件;超音波発振時間0.5秒
(c)熱融着
熱融着機;イノアックコーポレーション社製、品番「RSP−SET」
融着条件;ヒータ設定温度220℃、加熱時間20秒
前記(a)〜(c)の各々の方法により融着させたときの、加工時間、外観及び融着の安定性を評価した。結果は表1のとおりである。
尚、外観は、融着部におけるバリの発生状況を目視で観察し、判定した。また、融着の安定性は、正常な融着の可否、及び筒状部材の内径による耐圧性の変化の有無により判定した。この耐圧による融着の安定性は、筒状部材に蓋体が融着されてなる容器内を、60℃の温水中において、水圧テストポンプを用いて容器が破壊するまで加圧し続け、破壊した際の圧力を測定し、評価した。
結果を表1に併記する。
Figure 2011009175
表1によれば、赤外線レーザを照射して融着させた実施例1では、加工時間は2.5秒と短く、量産に適しており、且つバリも発生せず、優れた外観を有する接合部を形成することができることが分かる。また、耐圧試験の結果によれば、筒状部材の内径にかかわらず、3MPaの圧力に耐え、その後、容器破壊した。このように、十分な強度で融着されており、優れた安定性を有していた。一方、超音波融着である比較例1では、加工時間は極めて短く、バリの発生も僅かで、優れているものの、筒状部材の内径が最適値から僅かでもずれた場合、即ち、内径が21.1mmのときは、0.5MPaの水圧で蓋体が脱落し、融着強度が十分ではなかった。更に、内径が21.3mmのときは、融着時に蓋体が変形し、正常な融着ができなかったため、耐圧試験はしなかった。また、熱融着である比較例2では、3MPaの水圧に耐えたが、バリが激しく発生した。
尚、本発明においては、前記の実施形態に限られず、目的、用途に応じて、本発明の範囲内で種々変更した実施形態とすることができる。
本発明は、リチウムイオン二次電池等の二次電池の発電要素を収容する容器の技術分野において利用することができる。
1;蓄電装置用容器、2;筒状部材、21;開口部、3;被覆層、31;ポリプロピレン樹脂層、32;アルミ箔層、33;ポリプロピレン樹脂層、34;重ね代、4、4a、4b;蓋体、411;筒状部、412;蓋体端部、42;蓋体被覆層、421;接合補強部、43;貫通孔、5;シール層、6;融着治具、61;端部挿入用凹部、62;光ファイバー挿入孔、62a;光ファイバー挿入口、62b;傾斜面、7;光ファイバー。

Claims (8)

  1. 樹脂製の筒状部材と、該筒状部材の端部に嵌装された樹脂製の蓋体とを備え、発電要素を収容するための蓄電装置用容器の製造方法であって、
    前記筒状部材の前記端部及び該端部に嵌装された前記蓋体に周方向から赤外線レーザを照射し、該筒状部材の該端部の被接合部及び該蓋体の被接合部のうちのいずれか一方を発熱させ、該筒状部材の該端部と該蓋体とを融着させることを特徴とする蓄電装置用容器の製造方法。
  2. 樹脂製の筒状部材と、該筒状部材の端部に嵌装された樹脂製の蓋体とを備え、発電要素を収容するための蓄電装置用容器の製造方法であって、
    前記筒状部材の前記端部の被接合部又は前記蓋体の被接合部に、周方向から赤外線レーザを照射し、該筒状部材の該端部の該被接合部又は該蓋体の該被接合部を発熱させ、その後、該筒状部材の該端部に、該蓋体を嵌装し、該筒状部材の該端部と該蓋体とを融着させることを特徴とする蓄電装置用容器の製造方法。
  3. 前記赤外線レーザが前記周方向の全周から同時に照射される請求項1又は2に記載の蓄電装置用容器の製造方法。
  4. 前記筒状部材及び前記蓋体の横断面が円形であり、該筒状部材の前記被接合部における内径が、該蓋体の前記被接合部における外径より0.7〜2.0%小さい請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の蓄電装置用容器の製造方法。
  5. 前記筒状部材の前記端部の前記被接合部及び前記蓋体の前記被接合部のうちの、発熱して溶融する側に、赤外線レーザ吸収剤が含有されている請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の蓄電装置用容器の製造方法。
  6. 前記筒状部材の前記端部の前記被接合部位及び前記蓋体の前記被接合部のうちの、発熱して溶融する側の表面に、赤外線レーザ吸収剤が塗布されている請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の蓄電装置用容器の製造方法。
  7. 前記筒状部材及び前記蓋体を構成する樹脂が、プロピレン単独重合体、又はプロピレン単独重合体とプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体との混合物である請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の蓄電装置用容器の製造方法。
  8. 前記プロピレン単独重合体と前記プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体との合計を100質量%とした場合に、該プロピレン単独重合体は90質量%以上である請求項7に記載の蓄電装置用容器の製造方法。
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JP2001084973A (ja) * 1999-09-17 2001-03-30 Toshiba Corp 密閉電池およびその製造方法
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