JP2004058124A - 中空成形体の加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】取り付け部品を簡便に取り付けを行うことができる中空成形体の加工方法を提供すること。
【解決手段】中空成形体にレーザー光を照射して貫通孔11を開口する穴あけ工程と、貫通孔の開口部11を被覆する取り付け部品2を、レーザー発生装置からのレーザー光を照射して溶着する溶着工程と、を有する。一つのレーザー発生装置からのレーザー光を用いて加工を行うことができるため、加工装置が粗大化しない効果を有する。さらに、レーザー光により穴あけ加工を行うことで切り粉が生じないため、切り粉を除去する工程を必要としなくなっている。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂製中空成形体の加工方法に関し、詳しくは、樹脂製中空成形体に貫通孔を形成した後にこの貫通孔の開口部の周縁部に部品を接合する加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両用の燃料タンクは一般にプレス鋼板製が主流であるが、近年、車両の軽量化等の要請に応えるべく、樹脂製燃料タンクが採用されてきている。樹脂製燃料タンクを採用する場合は、耐衝撃性等の他に耐燃料透過性を考慮しなければならない。
【0003】
耐燃料透過性を備えた樹脂製燃料タンクとしては、例えば耐燃料透過性樹脂としてのナイロン6等のポリアミド(PA)やエチレンビニルアルコール・コポリマー(EVOH)よりなる中間層と、高密度ポリエチレン(HDPE)よりなる内外層とからなる多層構造のものが知られている。
【0004】
ところで、燃料タンクには、燃料をタンク内に注入するための注入部やタンク内の燃料残存量を検出するためのセンサー部等の取り出し部がもうけられている。すなわち、燃料タンクは、開口部を有し、燃料を収容するための中空のタンク本体と、タンク本体に一体的に接合された取り出し部と、を備えている。
【0005】
燃料タンクの製造は、まず、ブロー成形などにより中空形状のタンク本体を成形する。そして、成形されたタンク本体の取り出し部が接合される部位に貫通孔を形成し、貫通孔が開口した部位に取り付け部品(取り出し部やセンサー等の部品)を熱板溶着等により溶着して取り出し部が形成される。このようにして、燃料タンクの製造が行われている。
【0006】
そして、上記した燃料タンクの製造方法において、貫通孔の形成は、ドリル等の工具を用いて穴あけ加工を行うことでなされていた。
【0007】
しかしながら、ドリルによる穴あけ加工は、加工時に切り粉が燃料タンク本体内に落ちるという問題があった。すなわち、燃料タンク本体内に切り粉が落ちると、切り粉を除去する必要が生じ、燃料タンクの製造の工程数が増加するという製造上の問題があった。
【0008】
さらに、上記した燃料タンクの製造においては、取り付け部品の取り付けを熱板溶着により行っているが、各部品ごとに熱板溶着の専用治具が必要となるため、溶着装置が大きくなるという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、中空形状を有する中空成形体に取り付け部品を簡便に取り付けを行うことができる中空成形体の加工方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明者らは、レーザー光を用いて中空成形体に穴あけ加工を行い、同じレーザー発生装置からのレーザー光を用いて取り付け部品をレーザー溶着することで上記課題を解決できることを見いだした。
【0011】
すなわち、本発明の中空成形体の加工方法は、レーザー光に対して透過性のない非透過樹脂よりなる中空形状を有する中空成形体にレーザー発生装置からのレーザー光を照射して貫通孔を開口する穴あけ工程と、レーザー光に対して透過性のある透過樹脂よりなり貫通孔の開口部を被覆する取り付け部品を貫通孔の開口部に配し、中空成形体と取り付け部品との界面に取り付け部品側からレーザー発生装置からのレーザー光を照射して加熱溶融させて溶着する溶着工程と、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の中空成形体の加工方法は、一つのレーザー発生装置からのレーザー光を用いて加工を行うことができるため、加工装置が粗大化しない効果を有する。さらに、レーザー光により穴あけ加工を行うことで切り粉が生じないため、切り粉を除去する工程を必要としなくなっている。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の中空成形体の加工方法は、穴あけ工程と、溶着工程と、を有する。
【0014】
穴あけ工程は、レーザー光に対して透過性のない非透過樹脂よりなる中空形状を有する中空成形体にレーザー発生装置からのレーザー光を照射して貫通孔を開口する工程である。すなわち、穴あけ工程において中空成形体にレーザー光により貫通孔が形成される。
【0015】
穴あけ工程は、レーザー光により中空成形体に穴あけを行うため、加工時に切り粉が生じなくなっている。本発明の加工方法を用いて加工を行っているときに、切り粉を除去する工程が必要でなくなっている。すなわち、加工におけるコストの上昇が抑えられている。
【0016】
溶着工程は、レーザー光に対して透過性のある透過樹脂よりなり貫通孔の開口部を被覆する取り付け部品を貫通孔の開口部に配し、中空成形体と取り付け部品との界面に取り付け部品側からレーザー発生装置からのレーザー光を照射して加熱溶融させて溶着する工程である。すなわち、溶着工程は、穴あけ工程において貫通孔の形成に用いたレーザー発生装置を用いて、取り付け部品をレーザー溶着により取り付ける工程である。
【0017】
溶着工程は、レーザー溶着により取り付け部品を中空成形体に溶着する工程であることから、溶着の加工コストの増加が抑えられている。すなわち、従来の熱板溶着のように溶着部位に合わせた専用の治具を必要としないため、治具に要するコストを削減できる。さらに、専用の治具を必要としないことから、治具によ中空成形体の形状の制約がなくなり、中空成形体の形状の自由度が向上する。
【0018】
溶着工程は、穴あけ工程において用いられたレーザー発生装置からのレーザー光を用いてレーザー溶着により取り付け部品を溶着する工程であるため、溶着工程を施すにあたって新たな装置を必要としなくなっている。すなわち、加工コストの増加を抑制できる効果を有する。
【0019】
本発明の中空成形体の加工方法は、中空成形体への取り付け部品の取り付けをレーザー溶着により行う。レーザー溶着は、レーザー光に対して透過性のある透過樹脂材と、レーザー光に対して透過性のない非透過樹脂材とを重ね合わせた後、透過樹脂材側からレーザー光を照射することにより、透過樹脂材と非透過樹脂材との当接面同士を加熱溶融させて両者を一体的に接合する溶着方法である。
【0020】
詳しくは、透過樹脂材内を透過したレーザー光が非透過樹脂材の当接面に到達して吸収され、この当接面に吸収されたレーザー光がエネルギーとして蓄積される。その結果、非透過樹脂材の当接面が加熱溶融されるとともに、この非透過樹脂材の当接面からの熱伝達により透過樹脂材の当接面が加熱溶融される。この状態で、透過樹脂材及び非透過樹脂材の当接面同士を圧着させて、両者を一体的に接合する。こうして得られた接合部では、接合面同士が溶融されて接合されており、接合面同士の間では両成形部材を構成する両樹脂が溶融して互いに入り込み絡まった状態が形成されているため、強固な接合状態を構成して高い接合強度及び耐圧強度を有している。
【0021】
溶着工程において照射されるレーザー光は、穴あけ工程において照射されるレーザー光より低いエネルギー密度を有することが好ましい。照射されるレーザー光のエネルギー密度を変化させることで、一つのレーザー発生装置からのレーザー光で中空成形体の穴あけと溶着を行うことができる。
【0022】
穴あけ工程においては、高エネルギー密度のレーザー光が照射される。穴あけ工程におけるレーザー光のエネルギー密度が低いと、貫通孔の開口に時間がかかるようになる。さらに、レーザー光の照射時間が長くなることで、中空成形体を形成する樹脂の融液が流れ、貫通孔の開口部の断面が粗くなる。加えて、貫通孔の開口部の周縁部にも熱による軟化等が生じ、取り付け部品との密着性が低下するようになる。この密着性の低下は、溶着不良を引き起こすようになる。
【0023】
溶着工程においては、穴あけ工程において照射されるレーザー光より低いエネルギー密度のレーザー光が照射される。レーザー溶着には、穴あけほど高いエネルギー密度が要求されない。
【0024】
溶着工程において照射されるレーザー光と穴あけ工程において照射されるレーザー光とは焦点位置が異なることが好ましい。すなわち、レーザー光の焦点位置を変化させることで、レーザー光のエネルギー密度を変化させることができる。すなわち、照射されるレーザー光の焦点位置を中空成形体の表面〜裏面の間にすることで中空成形体には高いエネルギー密度のレーザー光が照射される。そして、レーザー光の焦点位置を中空成形体の表面あるいは裏面から間隔を隔てた位置にすることで、中空成形体と取り付け部品との界面に低いエネルギー密度のレーザー光線が照射されるようになる。
【0025】
また、レーザー光の焦点位置を調節することで、レーザー発生装置から簡単に異なるエネルギー密度のレーザー光を照射することができる。すなわち、エネルギー密度を変化させる手段として、出力を変化させる方法も考えられるが、このような方法ではレーザー発生装置の設定の変更が必要となり、加工に手間がかかるようになる。溶着工程において中空成形体と取り付け部品との界面に照射されるレーザー光の光線の太さが太くなり、溶着工程におけるレーザー光の走査距離を短くできる。
【0026】
取り付け部品は、貫通孔の開口部の周縁部の全周にわたって中空成形体に溶着されるフランジ部を有することが好ましい。取り付け部品がフランジ部を有することで、溶着面積が大きくなり溶着強度が増加する。
【0027】
中空成形体は、ブロー成形により成形されたことが好ましい。ブロー成形は、中空部品の一体成形を行うことが可能であるとともに、貫通孔を一体成形できない成形方法である。すなわち、ブロー成形により成形された中空成形体は、本発明の加工方法を適用するのに好適である。
【0028】
中空成形体を成形するブロー成形は、所望の中空成形体を成形できる方法であれば特に限定されない。たとえば、コールドパリソン法、エクストルージョンブロー法(押出ブロー法)、インジェクションブロー法(射出ブロー法)、延伸ブロー法、多層ブロー法等をあげることができる。
【0029】
車両用燃料タンクの製造に用いられることが好ましい。特に、樹脂製燃料タンクの燃料タンク本体は、必要強度やゼロエミッションの要求から、一体中空成形が可能なブロー成形により成形されているため、本発明の成形方法を用いてセンサー等を溶着して取り付け部を形成することができる。
【0030】
車両用燃料タンクの製造は、ブロー成形によりレーザー光に対して透過性のない非透過樹脂よりなる一体中空形状の燃料タンク本体を成形する成形工程と、成形された燃料タンク本体にレーザー発生装置からのレーザー光を照射して貫通孔を開口する穴あけ工程と、レーザー光に対して透過性のある透過樹脂よりなり貫通孔の開口部を被覆する取り付け部品を貫通孔の開口部に配し、燃料タンク本体と取り付け部品との界面に取り付け部品側からレーザー発生装置からのレーザー光を照射して加熱溶融させて溶着する溶着工程と、を有する製造方法を用いて行うことができる。
【0031】
本発明の加工方法において、中空成形体を形成する非透過樹脂に用いる樹脂の種類としては、熱可塑性を有し、加熱源としてのレーザ光を透過させずに吸収しうるものであれば特に限定されない。たとえば、ナイロン6(PA6)やナイロン66(PA66)等のポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ABS、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、PPS等に、カーボンブラック、染料や顔料等の所定の着色材を混入したものをあげることができる。なお、必要に応じて、ガラス繊維、カーボン繊維等の補強繊維を添加したものを用いてもよい。
【0032】
取り付け部品を形成する透過樹脂に用いる樹脂の種類としては、熱可塑性を有し、加熱源としてのレーザ光を所定の透過率以上で透過させうるものであれば特に限定されない。たとえば、ナイロン6(PA6)やナイロン66(PA66)等のポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ABS、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等を挙げることができる。なお、必要に応じて、ガラス繊維、カーボン繊維等の補強繊維や着色材を添加したものを用いてもよい。
【0033】
また、中空成形体に用いる樹脂と取り付け部品に用いる樹脂との組合せについては、互いに相溶性のあるもの同士の組合せとされる。このような組合せとしては、ナイロン6同士やナイロン66同士等、同種の樹脂同士の組合せの他、ナイロン6とナイロン66との組合せ、PETとPCとの組合せやPCとPBTとの組合せ等を挙げることができる。
【0034】
レーザー発生装置から照射されるレーザー光の種類としては、レーザー光を透過させる取り付け部品の吸収スペクトルや板厚(透過長)等との関係で、透過樹脂内での透過率が所定値以上となるような波長を有するものが適宜選定される。例えば、ガラス:ネオジム3+レーザー、YAG:ネオジム3+レーザー、ルビーレーザー、ヘリウム−ネオンレーザー、クリプトンレーザー、アルゴンレーザー、Hレーザー、Nレーザー、半導体レーザー等のレーザー光をあげることができる。より好ましいレーザーとしては、YAG:ネオジム3+レーザー(レーザー光の波長:1060nm)や半導体レーザー(レーザー光の波長:500〜1000nm)をあげることができる。
【0035】
本発明の加工方法において、レーザー発生装置は、これらのレーザー光を発生できる装置を適宜用いる。
【0036】
レーザー光の波長は、接合される樹脂材料により異なるため一概に決定できないが、1060nm以下であることが好ましい。波長が1060nmを超えると、接合面を互いに溶融させることが困難となる。
【0037】
また、レーザー光の出力は、50〜900Wであることが好ましい。レーザー光の出力が50W未満では、出力が低く樹脂材料の接合面を互いに溶融させることが困難となり、900Wを超えると、出力が過剰となり樹脂材料が蒸発したり、変質するという問題が生じるようになる。
【0038】
本発明の中空成形体の加工方法は、一つのレーザー発生装置からのレーザー光を用いて加工を行うことができるため、加工装置が粗大化しない効果を有する。さらに、レーザー光により穴あけ加工を行うことで切り粉が生じないため、切り粉を除去する工程を必要としなくなっている。
【0039】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0040】
(実施例)
本発明の実施例として、車両用燃料タンクを製造した。
【0041】
まず、燃料としてのガソリンを収容可能な容器形状をなす中空形状の燃料タンク本体をブロー成形により成形した。このとき、燃料タンク本体は、ポリエチレンよりなる外層と、耐燃料透過性樹脂としてのEVOH樹脂よりなる中間層と、ポリエチレンよりなる内層と、からなる多層構造をなしており、多層ブロー成形により所定形状に成形された。なお、中間層は、連続した単層とされている。なお、燃料タンク本体10は、外層、中間層及び内層にレーザーエネルギー吸収用着色剤としてのカーボンブラックを所定量添加することにより、レーザー光に対して吸収率が50%以上とされている。
【0042】
つづいて、燃料タンク1の燃料注入口となる位置にレーザー光を用いて貫通孔を開口させた。貫通孔の形成は、燃料タンク本体10を形成する樹脂壁に焦点位置が合わせられたレーザー光を、貫通孔の外周形状に沿って走査させることで行われた。ここで、加工レンズにより収束させられたレーザー光の太さがφ1mm以下となる位置を焦点位置とした。レーザー光により開口した貫通孔は、平滑な断面であった。レーザー光による貫通孔の開口の様子を図1〜2に示した。
【0043】
なお、YAG:ネオジム3+レーザー装置が用いられた。レーザー光は、波長が1.06μmのYAG:ネオジム3+レーザー光であり、レーザーの出力は200〜400W、加工速度は1〜10m/minとした。
【0044】
つづいて、貫通孔を開口させたレーザー装置を用いて、貫通孔の開口部に取り出し部をレーザー溶着した。
【0045】
取り出し部2は、燃料タンク本体10の貫通孔に通じて燃料タンク本体10の内部及び外部を連通する連通孔21を有する筒状形状をなし、一端に径方向外方に広がるフランジ部20を備えている。この取り出し部2は、耐燃料透過性樹脂としてのナイロン6(PA6)及びポリエチレン(PE)よりなるアロイ樹脂で構成されており、射出成形により所定形状に成形したものである。このアロイ樹脂におけるPA6とPEとの配合割合は50:50であった。なお、取り出し部の他端側には、図示しないフューエルフィラー・ホースが接続されている。また、取り出し部を形成するアロイ樹脂は、25%以上のレーザー透過率を有する。
【0046】
レーザー溶着は、まず、燃料タンク本体10の貫通孔の開口部11と取り出し部2の連通孔20とが互いに通じるように取り出し部2のフランジ部20の背面を燃料タンク本体10の外表面に当接させた。この状態で、フランジ部20と燃料タンク本体10との当接面に対して、取り出し部2側からレーザー光を照射した。このとき、照射されたレーザー光は、焦点位置が燃料タンク本体10の外表面から間隔を隔てた位置となるように設定された。レーザー光が照射された状態を図3に示した。
【0047】
取り出し部2側から照射されたレーザー光は、レーザー光に対して透過性のある取り出し部2内を透過して燃料タンク本体10の当接面に到達し、吸収される。この燃料タンク本体10の当接面に吸収されたレーザー光がエネルギーとして蓄積された結果、燃料タンク本体10の当接面が加熱溶融されるとともに、この燃料タンク本体10の当接面からの熱伝達によりフランジ部20の当接面が加熱溶融される。この状態で、フランジ部20及び燃料タンク本体10の当接面同士を圧着させることで、両者が一体的に接合される。
【0048】
以上の工程により、実施例の車両用燃料タンク1は、燃料タンク本体10に取り出し部2が取り付けられた。
【0049】
同様の加工を行うことで、取り出し部2以外のカットオフバルブやセンサー等の取り付け部品3の取り付けが行われた。
【0050】
以上の手段により実施例の車両用燃料タンクが製造された。製造された車両用燃料タンク1を図4に示した。
【0051】
実施例の車両用燃料タンクは、燃料タンク本体への貫通孔の開口がレーザー光の照射により行われているため、貫通孔を開口するときに切り粉が生じなかった。切り粉が生じなくなっているため、貫通孔を開口した後に、直ちにレーザー溶着を行うことができただけでなく、加工コストを低減できた。
【0052】
また、実施例の車両用燃料タンクは、貫通孔の開口に用いられたレーザー装置を取り付け部品の溶着に用いていることから、一台のレーザー装置により加工を行うことができた。すなわち、加工コストの増加を抑制できた。
【0053】
本実施例において、燃料タンク本体と取り付け部品のそれぞれを形成する樹脂のレーザー光に対する吸収率およびレーザー透過率は、以下に示されたように規定されている。
【0054】
レーザー光に対する吸収率は、厚さ3mmの板状に形成された樹脂の厚さ方向にレーザー光を照射し、この樹脂を透過したレーザー光を分光計により測定することで決定された。
【0055】
また、レーザー透過率は、厚さ3mmの板状に形成された樹脂の厚さ方向にレーザー光を照射し、この樹脂を透過したレーザー光を分光計により測定することで決定された。
【0056】
【発明の効果】
本発明の中空成形体の加工方法は、一つのレーザー発生装置からのレーザー光を用いて加工を行うことができるため、加工装置が粗大化しない効果を有する。さらに、レーザー光により穴あけ加工を行うことで切り粉が生じないため、切り粉を除去する工程を必要としなくなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料タンク本体に貫通孔を開口するためにレーザー光を照射した状態を示した図である。
【図2】燃料タンク本体の貫通孔が開口した近傍を示した図である。
【図3】レーザー溶着を示した図である。
【図4】実施例の車両用燃料タンクを示した図である。
【符号の説明】
1…車両用燃料タンク  10…燃料タンク本体
11…開口部
2…取り付け部品    20…フランジ部
21…連通孔
3…取り付け部品

Claims (6)

  1. レーザー光に対して透過性のない非透過樹脂よりなる中空形状を有する中空成形体にレーザー発生装置からのレーザー光を照射して貫通孔を開口する穴あけ工程と、
    レーザー光に対して透過性のある透過樹脂よりなり該貫通孔の開口部を被覆する取り付け部品を該貫通孔の該開口部に配し、該中空成形体と該取り付け部品との界面に該取り付け部品側から該レーザー発生装置からのレーザー光を照射して加熱溶融させて溶着する溶着工程と、
    を有することを特徴とする中空成形体の加工方法。
  2. 前記溶着工程において照射される前記レーザー光は、前記穴あけ工程において照射される該レーザー光より低いエネルギー密度を有する請求項1記載の中空成形体の加工方法。
  3. 前記溶着工程において照射される前記レーザー光と前記穴あけ工程において照射される該レーザー光とは焦点位置が異なる請求項3記載の中空成形体の加工方法。
  4. 前記取り付け部品は、前記貫通孔の前記開口部の周縁部の全周にわたって前記中空成形体に溶着されるフランジ部を有する請求項記1載の中空成形体の加工方法。
  5. 前記中空成形体は、ブロー成形により成形された請求項1記載の中空成形体の加工方法。
  6. 車両用燃料タンクの製造に用いられる請求項1記載の中空成形体の加工方法。
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