JP2011006866A - 軌道における噴泥防止構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】地盤1上に、バラスト層3bを備えた道床3と、複数の枕木4と、これら枕木4の両端部に連結手段を介して支持される一対のレール5とにより構成される道床3を備えた有道床軌道2を設ける場合に、枕木4のレール支持部の下方に、枕木4下面に当接する枕木当接部6aと、地盤1に埋設される振動受け部6bとを備えた支持体6をレール長方向に複数設けて、レール5に作用する列車の荷重や振動を地盤1に伝達するように構成する。
【選択図】図1
Description
一方、軌道の敷設部位によっては、地下水位がレール設置位置よりも上位に位置することがあり、この場合に、道床を、地盤上層部としての盛り土を締め固めた路盤と、該路盤上に載置されるバラスト層とにより構成したものでは、道床の沈下と滞水とによりレールの振動に伴い道床噴泥や路盤噴泥を発生し、道床の弾性力が低下して列車の乗り心地が悪化するばかりでなく、道床が陥没する等の軌道変状が生じることがあって問題がある。
そこで、噴泥を防止および/または抑止する手段として多数の手法が提唱されており、例えば、噴泥が発生した場合に、噴泥箇所の路盤面を被覆材で被覆して滞水を防止すること(特許文献1)や、噴泥箇所に噴泥固結材を散布して道床を固結すること(特許文献2)の手法がある。
一方、軌道のなかには、地盤上層部として地盤上に盛り土をして締め固めた路盤を形成し、該路盤上にレール長方向に長いスラブマットを配設し、該スラブマット上に一対のレールを連結手段を介して連結支持するようにしたスラブ軌道があり、このものでは、メンテナンス性に優れるという利点を有しているが、レールの設置位置が地下水位よりも高位にあって路盤が滞水するような場合では、レールの振動により路盤が沈下して噴泥現象が発生することがあり、これに対する対処については未だ提案がなく、これらに本発明の解決すべき課題がある。
請求項2の発明において、地盤上に、複数のスラブマットと、これらスラブマットに連結手段を介して支持される一対のレールとにより構成されるスラブ軌道を設けるにあたり、上端部がスラブマットのレール支持部の下面に当接し、下端部が地盤に埋設される支持体を、レール長方向に複数設ける構成としたことを特徴とする軌道における噴泥防止構造である。
請求項3の発明において、レールは、予め設定される長さのものを複数継いで構成されるものとし、支持体は、レールの少なくとも継ぎ目部近傍部位に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の軌道における噴泥防止構造である。
請求項4の発明において、支持体は、金属材で予め形成された構造物であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の軌道における噴泥防止構造である。
請求項5の発明において、支持体は、枕木の下方に形成した孔に注入される地盤注入材により構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の軌道における噴泥防止構造である。
請求項2の発明とすることにより、列車の荷重や振動を、支持体を介して地盤に伝達することができて、地盤上層部の沈下が防止されて噴泥現象の発生を根本的に防止できる。
請求項3の発明とすることにより、列車の走行で顕著に振動するレールの継ぎ目部の直下が支持体に支持されることにより、噴泥現象の発生のさらなる防止が図れる。
請求項4の発明とすることにより、支持体を設けた軌道の施工を容易に行なうことができる。
請求項5の発明とすることにより、既設の有道床軌道に対しても支持体を設けることが可能となる。
図面において、1は地盤であって、該地盤1上に、図示しない列車が走行する有道床軌道2が形成されている。前記有道床軌道2は、地盤1上に盛り上げた土を締め固めることにより構成される地盤上層部としての路盤3aと、該路盤3a上に積載されたバラスト層3bとにより構成される道床3を備えて構成されている。そして、有道床軌道2は、上面が道床3のバラスト層3bから露出し、所定間隙を存して配設される複数の枕木4と、これら枕木4の両端部に、図示しない連結手段を介して連結される一対のレール5とにより構成されている。
尚、レール5は、予め設定される所定の長さ(レール長)に形成されたものを、レール連結体5aを用いてレール長方向に継ぐ(連結する)ことにより必要な長さとなるように構成されており、各レール5同士の継ぎ目部には遊間(隙間)Sが形成されている。
前記支持体6は、上端部に位置する四角プレート状の枕木当接部6aと、下端部に位置する四角柱状の振動受け部6bと、枕木当接部6aと振動受け部6bとを一体的に連結する細首状の支柱部6cとを一体形成することにより構成されている。そして、支持体6は、図1に示すように、複数配設されている枕木4のうち、レール5の継ぎ目部近傍部位に位置する枕木4と、適宜本数(本実施の形態では一本)の枕木4を間においた枕木4、好ましくは、全ての枕木4の下方に位置してそれぞれ埋設されるように設定されている。
因みに、支持体6が埋設された有道床軌道2は、予め支持体6の振動受け部6bを地盤1に埋設し、その後、地盤1上に路盤3a、バラスト層3bからなる道床3を形成し、枕木4、レール5を敷設することで構築することができる。
前記第二の実施の形態の軌道は、スラブ軌道7であって、該スラブ軌道7は、地盤1上に盛り上げた土を締め固めることにより、地盤上層部としての路盤1aを形成し、該路盤1a上面に塗布されたコンクリートアスファルトモルタル(CAモルタル)8aを介してレール長方向に長い複数のスラブマット8を設け、該スラブマット8に連結手段9aを介して一対のレール9を支持することにより構成されている。尚、レール9は、前記第一の実施の形態と同様に、所定の長さのものを複数用いて構成されており、レール9同士の継ぎ目部はレール連結体9bを介して遊間Sを存した状態で連結されている。
また、支持体としては、地盤に孔を形成し、該孔に地盤注入材(例えばシリカ系ゾル)を注入して形成することも可能である。
2 軌道
3 道床
3a 路盤
3b バラスト層
4 枕木
5 レール
5a レール連結体
6 支持体
6a 地盤埋設部
6b 枕木当接部
6c 支柱部
S 遊間
Claims (5)
- 地盤上に、バラスト層を備えた道床と、複数の枕木と、これら枕木に連結手段を介して支持される一対のレールとにより構成される軌道を設けるにあたり、上端部が枕木のレール支持部の下面に当接し、下端部が地盤に埋設される支持体を、レール長方向に複数設ける構成としたことを特徴とする軌道における噴泥防止構造。
- 地盤上に、複数のスラブマットと、これらスラブマットに連結手段を介して支持される一対のレールとにより構成される軌道を設けるにあたり、上端部がスラブマットのレール支持部の下面に当接し、下端部が地盤に埋設される支持体を、レール長方向に複数設ける構成としたことを特徴とする軌道における噴泥防止構造。
- レールは、予め設定される長さのものを複数継いで構成されるものとし、支持体は、レールの少なくとも継ぎ目部近傍部位に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の軌道における噴泥防止構造。
- 支持体は、金属材で予め形成された構造物であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の軌道における噴泥防止構造。
- 支持体は、枕木の下方に形成した孔に注入される地盤注入材により構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の軌道における噴泥防止構造。
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