JP2011005820A - 光学素子の成形方法及び光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学歪が小さく、且つ、高精度な光学鏡面を有する光学素子及びその成形方法を提供する。
【解決手段】少なくとも、光学有効面を有する光学素子を形成するためのキャビティを有する射出成形用金型を用いて、熱可塑性樹脂を射出成形する、光学有効面を有する光学素子の成形方法が、前記射出成形用金型は、前記キャビティ1の一方の側に連通するゲート2と、前記キャビティの他方の側に連通する捨てキャビティ3を有しており、前記捨てキャビティ3の10〜90体積%に熱可塑性樹脂が充填されるように射出する射出工程とそれに引き続く保圧工程を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学歪が小さく、且つ、高精度な光学鏡面を有する光学素子及びその成形方法に関する。
携帯カメラレンズ、ピックアップレンズ、複写機、レーザービームプリンター等の光走査に用いられるfθレンズ、プロジェクションレンズに用いられる投射レンズ、車載用レンズ、各種プリズム等の光学素子の素材は、製品のコストダウンの要求からガラスからプラスチックへ移行している。これらの光学素子は、複数の機能を最小限の素子で補うために、平面及び球面のみならず、複雑な非球面形状を有するようになってきている。
このような光学素子の製造方法は、一般的に、製造コストが低く大量生産に適した射出成形法である。
通常、射出成形法は、(1)溶融樹脂をキャビティに充填する射出工程、(2)キャビティ内に充填された溶融樹脂は金型に接して冷却され、収縮するので、収縮した量を補うため、ゲートシールするまでキャビティ内に圧力をかけ、収縮した量に相当する樹脂を注入する保圧工程、(3)保圧を開放後、樹脂が冷却されるまで成形品を保持する冷却工程を実施する。
保圧工程では、溶融樹脂の温度が下がり、溶融樹脂の粘度が高くなった状態で高い圧力をかけて溶融樹脂を注入するため、分子の配向、キャビティ内での圧力分布に伴う成形品内部の密度差及び残留応力が生じる。従って、複屈折及び屈折率分布(屈折率が成形品の部位により異なり、屈折率分布が成形品内部に生じた状態)などの光学歪みが成形品に生じる。これらの光学歪みは経時で緩和し、焦点距離及び収差の変化が起こり、光学素子性能の経時変化の原因となる。
非光学有効面を選択的にヒケさせ、光学有効面の光学性能を落とさずに、成形品内部の密度差及び残留効力を軽減させ、光学歪を抑制する成形方法が、上記光学歪みの問題を解決する手段として検討された(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−241083号公報
しかしながら、上記成形方法でも保圧により大きな光学歪みがゲート付近に発生するため、光学歪みの抑制は十分ではなかった。また、上記成形方法で保圧を低くする試みも行われたが、光学有効面にヒケが発生し高精度な光学鏡面が得られないといった問題が生じた。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、近年求められる、光学歪が小さく、且つ、高精度な光学鏡面を有する光学素子及びその成形方法の提供である。
本発明の発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、少なくとも、光学有効面を有する光学素子を形成するためのキャビティを有する射出成形用金型を用いて熱可塑性樹脂を射出成形する、光学有効面を有する光学素子の成形方法であって、前記射出成形用金型は、前記キャビティの一方の側に連通するゲートと、前記キャビティの他方の側に連通する捨てキャビティを有しており、前記捨てキャビティの10〜90体積%に熱可塑性樹脂が充填されるように射出する射出工程とそれに引き続く保圧工程を含むことを特徴とする光学素子の成形方法が、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、少なくとも、光学有効面を有する光学素子を形成するためのキャビティを有する射出成形用金型を用いて熱可塑性樹脂を射出成形する、光学有効面を有する光学素子の成形方法であって、前記射出成形用金型は、前記キャビティの一方の側に連通するゲートと、前記キャビティの他方の側に連通する捨てキャビティを有しており、前記捨てキャビティの10〜90体積%に熱可塑性樹脂が充填されるように射出する射出工程とそれに引き続く保圧工程を含むことを特徴とする光学素子の成形方法を提供する。
光学素子の好ましい成形方法は、キャビティと捨てキャビティの体積比が80/20〜60/40であり、捨てキャビティに充填する樹脂量が、キャビティの体積の20〜50体積%である。上記成形方法の保圧工程の好ましい圧力は20MPa以下である。上記成形方法に用いる熱可塑性樹脂は、好ましくは環式構造を有する樹脂を用いる。
更に、本発明は、上記成形方法で得られた光学素子を提供する。
本発明の光学素子の成形方法は、光学有効面を高い精度で転写し(すなわち面精度に優れ)、かつ光学歪みの小さい光学素子を提供する。特に、本発明の光学素子内の密度差および残留応力が少ないため、本発明の光学素子の経時のピント移動、収差変化などの光学性能の変化は小さい。
捨てキャビティを有する金型から離型された光学素子の実施形態を示す図 捨てキャビティを有する金型から離型された光学素子の別の実施形態を示す図 捨てキャビティを有しない金型から離型された光学素子の実施形態を示す図
金型
図1及び2は、本発明の光学素子の成形方法で用いる金型から離型された成形品の実施形態を示している。
本発明の光学素子の成形方法で用いられる金型は、キャビティの一方の側に連通するゲートと、前記キャビティの他方の側に連通する捨てキャビティを有する射出成形用金型である。捨てキャビティは、キャビティに隣接するゲートの反対側でキャビティに隣接している。従って、本発明の光学素子の成形方法で用いる金型から離型された成形品は、キャビティに相当する部分1、ゲートに相当する部分2及び捨てキャビティに相当する部分3からなり、捨てキャビティに相当する部分3は、キャビティに相当する部分1を挟んでゲートに相当する部分2の反対側に位置する。ゲートに相当する部分2及び捨てキャビティに相当する部分3は切断され、キャビティに相当する部分1が本発明の光学素子となる。
キャビティと捨てキャビティの接続部分の断面積は、通常ゲート断面積の50〜200%、好ましくは70〜150%、より好ましくは80〜120%、さらに好ましくは90〜110%である。当該断面積は、ゲートにおける溶融樹脂の流動方向に対して垂直な方向の断面積である。キャビティと捨てキャビティの接続部分の断面積が小さすぎると、キャビティ部分の樹脂がヒケて光学有効面の面精度が落ちる。キャビティと捨てキャビティの接続部分の断面積が大きすぎると、捨てキャビティに過度の樹脂が流入し、キャビティ内への樹脂の充填が不足し、光学有効面の面精度が落ちる。
捨てキャビティをキャビティに隣接するゲートの反対側でキャビティに隣接させ、樹脂を捨てキャビティに完全充填しないことで、保圧工程開始時の溶融樹脂末端は金型に接しない状態を保ち、捨てキャビティ内の樹脂の冷却速度をキャビティ内の樹脂の冷却速度より遅くでき、キャビティ内に生じた保圧工程中の冷却による収縮分の樹脂が捨てキャビティから供給され、保圧をほとんど掛けなくても、ヒケなどの形状不良が無く、光学歪みの少ない光学素子が得られる。
本発明の光学素子の成形方法で用いられる金型のキャビティと捨てキャビティの体積比は、好ましくは80/20〜60/40、より好ましくは75/25〜65/35である。捨てキャビティの体積が大きすぎると、樹脂の使用量が多くなるため製造コストが高くなる。一方、捨てキャビティの容積が小さすぎると、捨てキャビティから冷却収による収縮分の樹脂の供給が足りなくなるため、ヒケなどの形状不良がキャビティ内の樹脂に発生してしまう恐れがある。
金型の材質は特に限定されない。キャビティと捨てキャビティの熱伝導率を変え得る。その際、好ましくは、捨てキャビティを構成する材質の熱伝導率は、キャビティを構成する材質の熱伝導率より低い。金型の材質も部位によって変え得る。その際、好ましくは、光学有効面を構成する材質の熱伝導率は、非有効面を構成する材質の熱伝導率より高い。光学有効面は転写性を必要とし、負圧が発生した際、上記材質の選択は、非有効面の選択的形状変化を可能にする。熱伝導率の高い材料の具体例は、ベリリウム銅合金などである。
成形条件
本発明の光学素子の成形方法で用いられる金型の捨てキャビティへの樹脂の充填率は10〜90体積%である。
上記充填率は、下記式(1)により算出される。
(冷却後の成形品の捨てキャビティに相当する部分の体積)/(捨てキャビティの体積)×100(%) (1)
上記充填率は、計量工程での樹脂の量で調整できる。樹脂の量は、上記充填率を測定し適宜調整できる。
溶融樹脂温度は熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)によって変わり得るが、200〜350℃の範囲が好ましい。より好ましい溶融樹脂温度は230℃〜330℃であり、特に好ましい溶融樹脂温度は250〜320℃である。溶融樹脂温度が200℃より低いと、溶融樹脂の流動性が低く転写性が低下する。一方、溶融樹脂温度が350℃より高いと、樹脂の劣化が始まり、ヤケ不良や金型汚れなどが発生する。流動性が確保される範囲で溶融樹脂温度が低いほど、成形品の密度分布を小さくできる。流動性が確保される範囲で溶融樹脂温度が高いほど、成形品の複屈折を抑制できる。溶融樹脂温度を密度分布及び複屈折のバランスによって設定する。
金型温度は、熱可塑性樹脂のガラス転移温度より低い範囲でできるだけ高いほうが好ましい。好ましい金型温度は、(ガラス転移温度‐20℃)〜(ガラス転移温度‐3℃)の範囲である。金型温度が(ガラス転移温度‐20℃)より低いと、転写性及び複屈折の問題が生じるおそれがある。一方、金型温度が(ガラス転移温度‐3℃)より高いと、成形サイクルタイムが長くなり、生産性が落ちる可能性がある。転写性と複屈折に問題が無い範囲で金型温度を下げたほうが生産性の点で優れる。
計量工程の条件は特に限定されない。一般的なスクリュー回転数は10〜100rpm、一般的な背圧は3〜10MPaである。ヤケが発生しない程度にスクリュー回転数を高く、気泡が発生しない程度に背圧を高くする。
射出形式は、一段でも多段射出でも良い。一般的なスクリュー前進速度は2〜100mm/secである。スクリュー前進速度が2mm/secより遅いと、溶融樹脂が射出時に固化して充填できない恐れがある。一方、スクリュー前進速度が速すぎると、ジェッティング等の外観不良が起こる恐れがある。
保圧工程の圧力は好ましくは20MPa以下、より好ましくは10MPa以下、特に好ましくは5MPa以下である。保圧工程の圧力が高すぎると、光学歪みが高くなる恐れがある。一方、保圧工程の圧力が低すぎと、スプル詰まりなどの成形不良が起こる恐れがある。好ましくは、スプル詰まりなどが起こらない範囲で低い圧力をかける。
保圧時間を、好ましくは、ゲートシールあるいはスプル詰まりが発生しない程度に短く制御する。
冷却時間が長いほど、光学特性は金型内でのアニール効果により優れるが、サイクルタイムが長くなる。従って、生産性と光学特性のバランスを見ながら適切に冷却時間を定める。
熱可塑性樹脂
本発明の光学素子の成形方法に用いる熱可塑性樹脂は、透明性の高い熱可塑性樹脂である。当該熱可塑性樹脂の具体例は、脂環式構造を有する樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエ捨てル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ系樹脂等である。中でも、透明性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性、低複屈折性、流動性の観点から脂環式構造を有する樹脂が好ましい。
脂環式構造を有する樹脂は、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有する樹脂である。脂環式構造の具体例は、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン、シクロアルキン)構造などである。機械的強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造及びシクロアルケン構造が好ましく、シクロアルカン構造が最も好ましい。脂環式構造の炭素原子数は、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲である。脂環式構造の炭素原子数が上記範囲にあるとき、光学素子の機械的強度、耐熱性、成形性の特性が高度にバランスされる。
脂環式構造を有する樹脂の具体例は、
(1)ノルボルネン系単量体の開環重合体及びノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環共重合体、並びにこれらの水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体及びノルボルネン系単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との付加共重合体などのノルボルネン系重合体、
(2)単環の環状オレフィン系重合体及びその水素添加物、
(3)環状共役ジエン系重合体及びその水素添加物、
(4)ビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体、ビニル脂環式炭化水素系単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との共重合体、並びにこれらの水素添加物;ビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環の水素添加物、ビニル芳香族単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との共重合体の芳香環の水素添加物などのビニル脂環式炭化水素系重合体;などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度等の観点から、ノルボルネン系重合体が特に好ましい。 ノルボルネン系重合体の具体例は、特開平5−279554号公報に記載されている開環重合体およびその水素添加物、特開2004−067985号公報に記載されているメタクリル基を側鎖にもつノルボルネン誘導体をメタロセン触媒等で開環重合させた後、水素化して得られる重合体、特開2001−26693号公報に記載されているエチレンと環状オレフィンの共重合体である。
熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは120〜170℃、より好ましくは130〜160℃である。Tgが高すぎると光学歪みが大きくなるおそれがあり、低すぎると耐熱性が低く光学素子の使用環境下で変形するおそれがある。
熱可塑性樹脂のメルトフローレート(MFR)は、ISO1113、280℃、21.18Nの条件で、好ましくは10〜150g/10min、より好ましくは20〜100g/10minである。MFRが高すぎるとバリ、糸引きが起きやすくなるおそれがあり、低すぎると光学歪みが大きくなるおそれがある。
ノルボルネン系重合体の市販品の具体例は、日本ゼオン(株)製ZEONEX(登録商標)、JSR(株)製ARTON(登録商標)、三井化学(株)製APEL(登録商標)、ポリプラスチックス(株)製TOPAS(登録商標)等である。
各種添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で、本発明の光学素子の成形方法に用いる熱可塑性樹脂に配合できる。添加剤の具体例は、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、離型剤、帯電防止剤等である。添加剤の配合量は、光学素子の用途に応じて適宜調整できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、以下の実施例における「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。各種物性の測定及び評価は、下記方法により行った。
(1)ガラス転移温度
熱可塑性樹脂のガラス転移温度を示差走査熱量分析計(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製DSC6220SII)を用いて、JIS K 6911に基づいて測定した。
(2)PV値測定
面精度、光学有効面の転写精度の評価として測定した。
光学素子の形状を、非接触式3次元形状測定機(三鷹光器(株)製NH−3SP)を用いて測定し、金型キャビティ形状との差分を求め、最大値と最小値の差をPV値(μm)とした。
(3)複屈折測定
光学素子全体を王子計測器(株)製KOBRA−CCD/Xを用いて測定し、Sin2θ法で解析し、光学素子全体の平均値をレタデーション値とした。
(4)焦点距離変動
成形1時間後の光学素子の焦点距離(波長670nm、直径3mmの光線を光学素子中心部に通過させ、検出器を走査してスポット径が最小となる点までの距離)をフランジバック測定装置(パール光学工業(株)製)を用い、25℃で測定した後、85℃の環境下、15時間放置し、再度焦点距離を測定した。焦点距離変動(%)を下記式(2)より求めた。
(試験前の焦点距離−試験後の焦点距離)/(試験前の焦点距離)X100 (2)
2種類の樹脂材料を用いた。
樹脂1;ノルボルネン系重合体である日本ゼオン(株)製ゼオネックスE48Rを用いた。樹脂1のDSC法によるガラス転移温度は138℃であった。
樹脂2;ノルボルネン系重合体である三井化学(株)製アペル5041DPを用いた。樹脂2のDSC法によるガラス転移温度は132℃であった。
3種類の金型を用いた。
金型1;トーリック型レンズ(図1)を成形する金型であり、キャビティ及び捨てキャビティを有し、キャビティと捨てキャビティの接続部分の断面積は、ゲート断面積と等しい。
金型2;携帯カメラ用レンズを模した小型レンズ(図2)を成形する金型であり、キャビティ及び捨てキャビティを有し、キャビティと捨てキャビティの接続部分の断面積は、ゲート断面積と等しい。
金型3;捨てキャビティ部分が無い以外は金型1と同様なトーリックレンズ(図3)を成形する金型である。
実施例1
樹脂1と金型1を用い、射出成形機(ファナック(株)製ROBOSHOTα100B)及び直径32mmのスクリューで射出成形した。溶融樹脂温度を270℃、金型温度を130℃とした。20mm/secの一定射出速度で射出し、射出量をスクリュー位置の制御で調整した。所定の射出量まで射出したところで、スクリューの位置切り替えによって保圧工程に切り替えた。保圧圧力を10MPa、保圧時間を5秒間、冷却時間を230秒間として光学素子を得た。得られた光学素子のPV値、レタデーション及び焦点距離変動を測定し、表1に示した。
実施例2
樹脂2と金型1を用い、溶融樹脂温度を260℃、金型温度を127℃とし、捨てキャビティの充填率が20体積%となるようにスクリュー位置を調整して射出した以外は実施例1と同じ条件で光学素子を得た。
実施例3
樹脂1と金型2を用い、射出成形機(ファナック(株)製S2000i−50A)及び直径26mmのスクリューで射出成形した。溶融樹脂温度を270℃、金型温度を130℃とした。5mm/secで一定射出速度で射出し、射出量をスクリュー位置の制御で調整した。所定の射出量まで射出したところで、スクリューの位置切り替えによって保圧工程に切り替えた。保圧工程を必要最低限の10MPaとし、保圧時間を5秒間、冷却時間を50秒間として光学素子を得た。
実施例4
樹脂を樹脂2に変更し、溶融樹脂温度を260℃、金型温度を127℃、射出速度を8mm/secとした以外は実施例2と同じ方法で光学素子を得た。
比較例1
金型3を用い、保圧工程を700MPaとした以外は実施例1と同じ方法で光学素子を得た。
比較例2
捨てキャビティの充填率を100体積%とし、保圧工程を700MPaとした以外は実施例1と同じ方法で成形品を得た。
比較例3
捨てキャビティの充填率を5体積%とした以外は実施例1と同じ方法で成形品を得た。
Figure 2011005820
比較例1の成形方法は、捨てキャビティを欠く一般的な金型を用いて基本的な成形条件に従っており、樹脂をキャビティに完全に充填している。比較例1の光学素子の形状(PV値で評価)は問題無いが、保圧工程時に複屈折が発生するため、レタデーションの値が大きくなり、光学特性が悪化している。
比較例2の成形方法は、捨てキャビティを有する金型を用いているが、樹脂をキャビティに完全に充填している。比較例2の光学素子の形状(PV値で評価)は問題無いが、保圧工程時に複屈折が発生するため、レタデーションの値が大きくなり、光学特性が悪化している。
比較例3の成形方法は、捨てキャビティを有する金型を用いているが、樹脂の捨てキャビティへの充填率が5体積%しかないため、射出後のキャビティ内の樹脂が冷却され収縮する量が、捨てキャビティ内の樹脂が十分に補える量でなく、ヒケが発生し、比較例3の光学素子の形状が悪化した。
一方、実施例1〜3の光学素子のPV値は1.2μmより小さく、複屈折性は200nmより小さくなっている。
本発明の光学素子は、前記の成形方法によって得られ、光学有効面の面精度及び複屈折に優れ、その屈折率分布が小さいため、経時で焦点距離変動が少ない。本発明の光学素子の具体例は、光学レンズ、導光板、プリズムシ−ト、フレネルレンズ、レンチキュラ−レンズ、光ディスク、光ディスク基板、ブルーレーザー用光ディスク、ブルーレーザー用光ディスク基板、光磁気ディスク、光磁気ディスク基板、光カ−ド基板、光導波路などである。本発明の光学素子は、特に、フレネルレンズ、レンチキュラ−レンズ、プリズムシ−トなどの拡散または集光シ−ト、導光板などとして好適である。
1…キャビティに相当する部分、2…ゲートに相当する部分、3…捨てキャビティに相当する部分

Claims (5)

  1. 少なくとも、光学有効面を有する光学素子を形成するためのキャビティを有する射出成形用金型を用いて熱可塑性樹脂を射出成形する、光学有効面を有する光学素子の成形方法であって、
    前記射出成形用金型は、前記キャビティの一方の側に連通するゲートと、前記キャビティの他方の側に連通する捨てキャビティを有しており、
    前記捨てキャビティの10〜90体積%に熱可塑性樹脂が充填されるように射出する射出工程と、
    それに引き続く保圧工程を含むことを特徴とする光学素子の成形方法。
  2. キャビティと捨てキャビティの体積比が80/20〜60/40であり、
    捨てキャビティに充填する樹脂量が、キャビティの体積の20〜50体積%である、請求項1に記載の光学素子の成形方法。
  3. 保圧工程の圧力が20MPa以下である、請求項1又は2に記載された光学素子の成形方法。
  4. 熱可塑性樹脂が脂環式構造を有する樹脂である、請求項1〜3のいずれか1項に記載された光学素子の成形方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載された成形方法で得られた光学素子。
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JP2015040945A (ja) * 2013-08-21 2015-03-02 コニカミノルタ株式会社 車載カメラ用レンズユニット
WO2019039049A1 (ja) * 2017-08-24 2019-02-28 住友電気工業株式会社 光通信用部品の製造方法、及び光通信用部品

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