JP2011005256A - 硬度が変化する特別領域を具備する単一層コアを有するゴルフボール - Google Patents

硬度が変化する特別領域を具備する単一層コアを有するゴルフボール Download PDF

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Abstract

【課題】コントロール性を犠牲にすることなく硬いボールの利点を実現するゴルフボールの提供。
【解決手段】単一層コア、および単一層コアの回りに配されたカバー層を有し、単一層コアはさらに幾何中心の回りに配された内側コア領域と、外側コア領域と、外側表面から少なくとも約2mm離れた中間コア領域とを有し、内側コア領域は第1の硬度(IC1h)を有し、外側コア領域は第2の硬度(OC2h)を有し、中間コア領域は第3の硬度(IMC3h)および第4の硬度(IMC4h)を有し、(IMC3h)<(IC1h)、かつ(IMC3h)<(OC2h)、かつ(IMC4h)>(IC1h)、かつ(IMC4h)>(OC2h)となるようになし、かつ、外側表面が硬度(OS)を有し、幾何中心が硬度(GC)を有し、(OS)>(GC)で正の硬度勾配を形成するようになす。
【選択図】図1

Description

この発明は、全般的には、中心硬度より大きな表面硬度を伴う単一層コアを有するゴルフボールに関する。
典型的には、ゴルフボールはソリッドまたは糸巻に分類される。ソリッドゴルフボールは一般的にはカバーにより包囲されたコアを含む。糸巻ゴルフボールは、全般的には、引っ張られた弾性材料およびカバーにより包囲された液体またはソリッドコアを含む。ソリッドゴルフボールにおいては、コアは単一層でも多層でもよい。同様に、カバーも単一でも多層でもよい。しばしば、ソリッドゴルフボールにおいても、中間層がコアおよびカバーの間に配される。
初速、スピン、フィーリング、弾力性、圧縮、耐久性、曲げおよび/または慣性特性等の特徴を仕上げることにより、ゴルファのパフォーマンスが最適化できる。天候条件、地勢、それに加えて、個々のプレイスタイルまたは能力に相違があるので、製造業者は、広範囲の特性を達成するコアを有することが望まれる。ボールのスピンレートが大きいと、プレイヤがボールをコントロールし停止させることがより容易になる。一般的に、硬いコアおよび柔らかいカバーを具備するゴルフボールは高スピンレートを実現する。他方、低スピンレートで弾力性が大きなボールは距離を最大化させる。ここで、カバーが硬くコアが柔らかいボールは低スピンレートを伴う、他方、コアが硬く、カバーが硬くゴルフボールは非常に大きな弾力性を伴って距離を大きくするけれども、硬いフィーリングを伴い、グリーン回りの制御が難しい。したがって、コントロールを犠牲にすることなく硬いボールの利点を実現するゴルフボールを提供することが望まれる。
ゴルフボールのコアおよび/またはセンタは、熱硬化性ゴム、例えばポリブタジエンベースの組成物で構成して良い。コアは加熱され、架橋処理されて所定の特性、例えば大きな、あるいは、小さな圧縮を実現し、これはボールのスピンレートおよび/または良好な「フィーリング」にも影響を与える。
先行技術は、最適なプレイ特性を実現するように設計されてきた種々のゴルフボールを含む。例えば、製造業者は、ゴルフボール中の硬度勾配を実現することにより先に検討したすべての好ましいゴルフボール特性を実現するべく努力してきた。米国特許第6,786,838号明細書(Sullivan等。特許文献1)は最も内側のコア層から最も外側のコア層へと硬度を増加させ、あるいは減少させるように複数のコア層からコアを構成したゴルフボールを開示している。
ただし、いずれの先行技術も、単一層を有し、コアセンタからコア外側表面まで硬度を増加させる予め定められた/特殊の領域を伴う、コアを開示していない。ここで実現されるそのような単一層コアは、グリーンにおける性能を改善するだけでなく、例えば、積層、成型、結合または一体化、または個々の分離したコア層の合一化の必要性を除去することにより、実質的な製造コストの削減を実現する。
米国特許第6,786,838号明細書
この発明は、単一層コア、およびこの単一層コアの回りに配されたカバー層を有し、この単一層コアは実質的に均一な調合から製造され、幾何中心および外側表面を有し、上記単一層コアはさらに上記幾何中心の回りに配された内側コア領域と、上記外側表面に隣接する外側コア領域と、上記内側コア領域および上記外側コア領域の間に配され、上記幾何中心から径方向に少なくとも約2mm離れ、上記外側表面から少なくとも約2mm離れた中間コア領域とを有する、ゴルフボールに向けられている。上記内側コア領域は第1の硬度(IC1h)を有し、上記外側コア領域は第2の硬度(OC2h)を有し、上記中間コア領域は第3の硬度(IMC3h)および第4の硬度(IMC4h)を有し、(IMC3h)<(IC1h)、かつ(IMC3h)<(OC2h)の関係で表されるように上記第3の硬度は上記第1の硬度および上記第2の硬度よりちいさくなし、かつ(IMC4h)>(IC1h)、かつ(IMC4h)>(OC2h)の関係で表されるように上記第4の硬度は上記第1の硬度および上記第2の硬度より大きくなるようになす。さらに、(OS)>(GC)の関係で表されるように、上記外側表面の硬度(OS)が、上記幾何中心の硬度(GC)より大きく、正の硬度勾配を形成する。
1実施例において、上記単一層コアの径は約30mmから約42mmである、他の実施例において、上記内側コア領域の径は約1mmから約10mmであり、上記外側コア領域の厚さは約0.5mmから約5mmである。さらに他の実施例において、上記第3の硬度は上記第4の硬度より約15ショアC以下だけ小さい。他の実施例において、上記第3の硬度は上記第4の硬度より約10ショアC以下だけ小さい。
他の実施例において、上記第3の硬度は上記第4の硬度より約10ショアD以下だけ小さい。他の実施例において、上記第3の硬度は上記第4の硬度より約7ショアD以下だけ小さい。
1実施例において、上記第1の硬度は約30ショアCから約75ショアCであり、上記第2の硬度は約40ショアCから約85ショアCであり、上記第3の硬度は約40ショアCから約80ショアCであり、上記第4の硬度は約45ショアCから約85ショアCである。他の実施例において、上記第1の硬度は約32ショアCから約76ショアCであり、上記第2の硬度は約42ショアCから約88ショアCであり、上記第3の硬度は約40ショアCから約82ショアCであり、上記第4の硬度は約48ショアCから約88ショアCである。さらに他の実施例において、上記第1の硬度は約40ショアCから約72ショアCであり、上記第2の硬度は約45ショアCから約83ショアCであり、上記第3の硬度は約45ショアCから約78ショアCであり、上記第4の硬度は約50ショアCから約83ショアCである。
1実施例において、上記第1の硬度は約20ショアDから約55ショアDであり、上記第2の硬度は約28ショアDから約65ショアDであり、上記第3の硬度は約25ショアDから約65ショアDであり、上記第4の硬度は約30ショアDから約65ショアDである。他の実施例において、上記内側コア領域は約23ショアDから約58ショアDの第1の硬度を有し、上記外側コア領域は約32ショアDから約66ショアDの第2の硬度を有し、上記中間コア領域は約28ショアDから約63ショアDの第3の硬度および約34ショアDから約68ショアDの第4の硬度を有する。さらに他の実施例において、上記第1の硬度は約25ショアDから約51ショアDであり、上記第2の硬度は約32ショアDから約63ショアDであり、上記第3の硬度は約29ショアDから約62ショアDであり、上記第4の硬度は約34ショアDから約61ショアDである。
1実施例において、上記正の硬度勾配は約+25以下の大きさである。他の実施例において、上記正の硬度勾配は約+22以下の大きさである。さらに他の実施例において、上記正の硬度勾配は約+18以下の大きさである
詳細な実施例において、中間コア領域は内側および外側コア領域の間に配され、少なくとも幾何中心から径方向に少なくとも約4mm、外側表面から少なくとも約4mm伸びる。
さらに、この発明のゴルフボールは、また、単一層コア層の回りに配された少なくとも1つのカバー層、並びに、単一層コアと上述の少なくとも1つのカバー層との間に配された少なくとも1つの中間層を有してよい。
1実施例に従う、この発明の単一層コアのショアC硬度がその中心からの距離に応じてどのように変化するかを示すグラフである。 1実施例に従う、この発明の単一層コアのショアD硬度がその中心からの距離に応じてどのように変化するかを示すグラフである。 図1および図2に反映された実施例のための時間に応じて変化する硬化温度を示す図である。 この発明の1実施例に従う単一層コアの内側コア領域、外側コア領域、および中間コア領域を示し、コアの可能なショアC硬度の範囲をその中心からの距離に応じて表す図である。 この発明の1実施例に従う単一層コアの内側コア領域、外側コア領域、および中間コア領域を示し、コアの可能なショアD硬度の範囲をその中心からの距離に応じて表す図である。
この発明のゴルフボールは単一層コアを有し、単一層(ワンピース)でも多層でもよい。多層の場合、この発明のゴルフボールは、硬度が変化する異なる領域からなる単一層コアのみでなく当該単一層コアを包囲する少なくとも1つのカバーも含む。さらに、この発明の多層ゴルフボールは、単一層コアとカバー層との間に、外側コア層および/または内側カバー層を具備しても良い。
先に簡単に検討したように、この発明のコアでは、硬度勾配は、内側コア(または外側コア層)の表面での硬度測定値、および内側コアの中心へ径方向に、典型的には2mmの増分で行われる硬度測定値により定義される。ここで使用されるように、用語「負」および「正」は、測定対象の要素の最も内側の部分の硬度値を、測定対象の要素の外側表面の硬度値から引いた結果を指す。例えば、ソリッド単一層コアの外側表面の硬度値が中心より大きい(すなわち、表面が中心より硬い)ならば、硬度勾配は「正」の勾配と見なされる。この発明の単一層コアは正の硬度勾配を伴うことが好ましい。
コア領域(複数の領域。内側コア領域または外側コア領域または中間コア領域)は、少なくとも1つの熱硬化性ベースゴム、例えば、ポリブタジエンゴムを含む組成物から製造され、これは少なくとも1つの過酸化物および少なくとも1つの反応性コエージェントにより硬化され、これは不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸またはメタクリル酸の金属塩、非金属コエージェント、またはこれらの混合物であってよい。好ましくは、適切な酸化防止剤が組成物中に含まれる。オプションの柔軟化・高速化剤(およびしばしばシス・ツー・トランス触媒)、例えば有機硫黄または金属含有有機硫黄化合物もコア調合に含ませてよい。
当業者に知られている他の含有物を用いて良く、これに限定されないけれども、密度調整フィラー、処理助剤、可塑剤、発泡剤また起泡剤、硫黄促進剤、および/または非過酸化物ラジカル源を含むと理解できる。
ベースの熱硬化性ゴムは他のゴムおよびポリマーとブレンドしてよく、典型的には、天然ゴムまたは合成ゴムを含む。好ましいベースゴムは、少なくとも40%、好ましくは80%より多くの、さらに好ましくは90%より多くのシス構造を伴う1,4−ポリブタジエンである。
所望のポリブタジエンゴムの例は、LANXESS社から商業的に入手可能なBUNA(商標)CB22およびBUNA(商標)CB23、TAKTENE(商標)1203G1、220、221、およびPETROFLEX(商標)BRNd−40;BST Elastomers社から入手可能なBR−1220;日本国、東京のUBE Industry社から商業的に入手可能なUBEPOL(商標)360LおよびUBEPOL(商標)150LおよびUBEPOL−BRゴム;オハイオ州アクロンのGoodyear社から購入可能なKINEX(商標)7245およびKINEX(商標)7265;Dow Chemical社から商業的に入手可能なSE BR−1220;Polimeri Europa社から商業的に入手可能なEuroprene(商標)NEOCIS(商標)BR40およびBR60;およびJapan Synthetic Rubber社から商業的に入手可能なBR 01、BR 730、BR 11、およびBR 51;およびKarbochem社から商業的に入手可能なKABOCHEM(商標)ND40、ND45、およびND60を含む。
ベースゴムはムーニー(Mooney)粘度が大きな、または中くらいのゴム、またはそのブレンドを有してもよい。ムーニー粘度の測定はASTM D−1646に規定されている。
ムーニー粘度の範囲は好ましくは約30より大きく、より好ましくは約35から約75の範囲であり、さらに好ましくは約40から約60の範囲である。ムーニー粘度がより大きなポリブタジエンゴムを用いてもよい。ただし、ポリブタジエンの粘度が、高粘度のポリブタジエンが詰まったり、その他、製造機械に悪影響を与えるレベルに至らないことを条件とする。粘度が75ムーニーより小さなポリブタジエンはこの発明に採用可能であると理解できる。
この発明の1実施例において、中間から高ムーニー粘度のポリブタジエン材料で製造したゴルフボールコアは、ボールの硬度を増大させることなく、大きな弾力性(したがって、距離が大)を実現する。
適切な中位、または高いムーニー粘度のポリブタジエンの商業的なリソースは、Lanxess BUNA CB23(Nd触媒)およびDow SE BR− 1220(Co触媒)を含み、前者は50辺りのムーニー粘度を伴い、高度に線型なポリブタジエンである。望ましいときには、ポリブタジエンは、当業界で知られている他のエラストマー、例えば他のポリブタジエンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、および/またはイソプレンゴムと混合してコアの特性を修正してもよい。エラストマーの混合物を用いるときには、コア組成物中の他の成分の量は典型的にはエラストマー混合物の総量の100重量部に基づく。
1実施例において、ベースゴムは遷移金属ポリブタジエン、希土類触媒ポリブタジエンゴム、またはこれらのブレンドを有する。望ましいときには、ポリブタジエンは、当業界で知られている他のエラストマー、例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、および/またはスチレン−ブタジエンゴムと混合してコアの特性を修正してもよい。他の適切なベースゴムは熱硬化性材料、例えば、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ハロブチルゴム、水素化ニトリルブタジエンゴム、ニトリルゴム、およびシリコーンゴムを含む。
熱可塑性エラストマー(TPE)は、これをベースの熱硬化性ゴムと混合して、コア層または非硬化のコア層ストックの特性を修正してもよい。これらPTEは、天然または合成ゴム、または高トランス−ポリイソプレン、高トランス−ポリブタジエン、または任意のスチレンブロックコポリマー、例えば、スチレンエチレンブタジエンスチレン、スチレン−イソプレン−スチレン等、メタローセンまたは他のシングルサイト触媒ポリオレフィン、例えばスチレン−オクテン、またはエチレン−ブテン、または熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含み、これは例えばシリコーンとのコポリマーを含む。この発明の熱硬化性ゴムと混合して適切な他のTPEは、ポリエーテルアミドコポリマーを有すると考えられる、PEBAX(商標)、ポリエーテルエステルコポリマー、熱可塑性ウレタンを有すると考えられる、HYTEL(商標)、およびスチレンブロックコポリマーエラストマーを有すると考えられる、KRATON(商標)を含む。上述のTPEまたはTPUのいずれもグラフト化に適切な官能基を含有し、マレイン酸または無水マレイン酸を含む。
付加的なポリマーをベースゴムにオプションとして組み入れてもよい。かかる例は、これに限定されないが、熱硬化性エラストマー、例えばコアリグリンド、熱可塑性加硫物、コポリマー性アイオノマー、ターポリマー性アイオノマー、ポリカーボネート、ポリアミド、コポリマー性ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリアリーレート、ポリアクリレート、ポリフェニレンエーテル、衝突改質ポリフェニレンエーテル、高衝突ポリスチレン、フタル酸ジアリルポリマー、スチレン−アクリロニトリルポリマー(SAN)(オレフィン改質SANおよびアクリロニトリル−スチレン−アクリロニトリルポリマーを含む)、スチレン−マレイン酸無水物コポリマー、スチレンコポリマー、官能性スチレンコポリマー、官能性スチレンターポリマー、スチレンターポリマー、セルロースポリマー、液晶ポリマー、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、ポリ尿素、およびポリシロキサンまたはこれら種のメタローセン触媒ポリマーである。
この発明の範囲内の組成物の付加的なポリマー材料として用いて好適なポリアミドは、つぎのようにして取得された樹脂を含む。(1)として、(a)ジカルボン酸例えば蓚酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を(b)ジアミン例えばエチレンジアミン、テトラエチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、またはデカメチレンジアミン、1,4−シクロヘキシルアミンまたはm−キシリレンジアミンで宿重合する。(2)として、環状ラクタム例えばイプシロンカプロカクタム、またはオメガラウロラクタムを開環重合する。(3)として、アミノカルボン酸例えば6−アミノカプロン酸、9−アミノカプロン酸、11−アミノカプロン酸または12−アミノカプロン酸を宿重合する。または、(4)として、環状ラクタムをジカルボン酸およびジアミンで共重合する。適切なポリアミドの具体的な例は、NYLON6、NYLON66、NYLON610、NYLON11、NYLON12、コポリマーNYLON、NYLONMXD6およびNYLON46である。
適切な過酸化物開始剤は、ジクミルペルオキシド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン;2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン;2,2’−ビス(t−ブチルペルオキシ)−ジ−イソ−プロピルベンゼン;1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート;t−ブチルペルベンゾエート;ベンゾイルペルオキシド;n−ブチル−4,4’−ビス(ブチルペルオキシ)バレレート;ジ−t−ブチルペルオキシド;または2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、ラウリルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、α−αビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロプロピルベンゼン、ジ(2−tブチル−ペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルペルオキシドを含む。商業的に入手可能な過酸化物開始剤は、Crompton(Geo Specialty Chemicals)から入手可能なDICUP(商標)ファミリのジクミルペルオキシド(DICUP(商標)R、DICUP(商標)40CおよびDICUP(商標)40KE)を含む。類似の開始剤は、AkroChem、Laxess、Flexsys/Haewick、およびR.T. Vanderbiltから入手できる。他の商業的に入手可能で好ましい開始剤はAkzo NobelからのTRIGONOX(商標)265−50Bであり、これは1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、およびジ(2−t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンの混合物である。TRIGONOX(商標)過酸化物はキャリア化合物とともに販売される。付加的には、または代替的には、VATOX ANSを使用してよい。
適切な反応性コエージェントは、これに限定されないが、ジアクリレート、ジメタクリレート、およびモノメタクリレートの金属塩を含み、この発明に使用して好適なものは、金属が亜鉛、マンガン、カルシウム、バリウム、錫、アルミニウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、鉄、ジルコニウム、およびビスマスであるものである。亜鉛ジアクリレート(ZDA)が好ましいけれども、この発明はこれに限定されない。ZDAはゴルフボールに大きな初期速度を付与する。ZDAは種々の純度グレードであってよい。この発明の目的を実現する上では、ZDA中に存在するステアリン酸亜鉛の量が少なければZDA純度が大きくなる。約20%未満のステアリン酸亜鉛を含有するZDAが好ましい。さらに約4−8%のステアリン酸亜鉛しか含有しないZDAがより好ましい。適切な商業的に入手可能な亜鉛ジアクリレートはSartmer社から入手できるものを含む。ZDAの量は、製造されたゴルフボールの所望の圧縮、スピン、およびフィーリングを追求するために可変されて良い。
単独で、または上述のものと組み合わせて利用してよい付加的な好ましいコエージェントは、これに限定されないが、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、その他を含む。コエージェントが室温で液体の場合には、有利なことに、これら化合物を適切なキャリア上に分散させてゴム混合物への一体化がより容易になることが、当業者には理解できるであろう。
酸化防止剤は、エラストマーの酸化破壊を阻止し、および/または酸素ラジカルによって助長される反応を阻止する化合物である。この発明に利用できるいくつかの例示的な酸化防止剤は、これに限定されないが、キノリン型酸化防止剤、アミン型酸化防止剤、およびフェノール型酸化防止剤を含む。好ましい酸化防止剤はR.T.VanderbiltからVANOX(商標)MBPCとして利用可能な2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)である。他のポリフェノール性酸化防止剤はVANOX(商標)T、VANOX(商標)L、VANOX(商標)SKT、VANOX(商標)SWP、VANOX(商標)13、およびVANOX(商標)1290を含む。
適切な酸化防止剤は、これに限定されないが、アルキレン−ビス−アルキル置換クレゾール、例えば4,4’−メチレン−ビス(2,5−キシレノール);4,4’−エチリデン−ビス−(6−エチル−m−クレゾール);4,4’−ブチリデン−ビス−(6−t−ブチル−m−クレゾール);4,4’−デシリデン−ビス−(6−メチル−m−クレゾール);4,4’−メチレン−ビス−(2−アミル−m−クレゾール);4,4’−プロピリデン−ビス−(5−ヘキシル−m−クレゾール);3,3’−デシリデン−ビス−(5−エチル−p−クレゾール);2,2’−ブチリデン−ビス−(3−n−ヘキシル−p−クレゾール);4,4’−(2−ブチリデン)−ビス−(6−t−ブチル−m−クレゾール);3,3’−4(デシリデン)−ビス−(5−エチル−p−クレゾール);(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン;(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル)(2−エチル−3−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン;(3−メチル−5−ヒドロキ−6−t−ブチルフェニル)(2−ヒドロキシ−4−メチル−5−デシルフェニル)−n−ブチルメタン;(2−ヒドロキシ−4−エチル−5−メチルフェニル)(2−デシル−3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)ブチルアミルメタン;(3−エチル−4−メチル−5−ヒドロキシフェニル)−(2,3−ジメチル−3−ヒドロキシ−フェニル)ノニルメタン;(3−メチル−2−ヒドロキ−6−エチルフェニル)−(2−イソプロピル−3−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)シクロヘキシルメタン;(2−メチル−4−ヒドロキ−5−メチルフェニル)(2−ヒドロキシ−3−メチル−5−エチルフェニル)ジシクロヘキシルメタン;その他を含む。
他の適切な酸化防止剤は、これに限定されないが、置換フェノール、例えば、2−タート−ブチル−4−メトキシフェノール;3−タート−ブチル−4−メトキシフェノール;3−タート−オクチル−4−メトキシフェノール;2−メチル−4−メトキシフェノール;2−ステアリル−4−n−ブトキシフェノール;3−t−ブチル−4−ステアリロキシフェノール;3−ラウリル−4−エトキシフェノール;2,5−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール;2−メチル−4−メトキシフェノール;2−(1−メチルシクロヘキシル)−4−メトキシフェノール;2−t−ブチル−4−ドデシルオキシフェノール;2−(1−メチルベンジル)−4−メトキシフェノール;2−t−オクチル−4−メトキシフェノール;メチルガレート;n−プロピルガレート;n−ブチルガレート;ラウリルガレート;ミリスチルガレート;ステアリルガレート;2,4,5−トリヒドロキシアセトフェノール;2,4,5−トリヒドロキシ−n−ブチロフェノール;2,4,5−トリヒドロキシステアロフェノール;2,6−ジタート−ブチル−4−メチルフェノール;2,6−ジタート−オクシル−4−メチルフェノール;2,6−ジタート−ブチル−4−ステアリルフェノール;2−メチル−4−メチル−6−タート−ブチルフェノール;2,6−ジステアリル−4−メチルフェノール;2,6−ジラウリル−4−メチルフェノール;2,6−ジ(n−オクチル)−4−メチルフェノール;2,6−ジ(n−ヘキサデシル)−4−メチルフェノール;2,6−ジ(1−メチルウンデシル)−4−メチルフェノール;2,6−ジ(1−メチルヘプタデシル)−4−メチルフェノール;2,6−ジ(トリメチルヘキシル)−4−メチルフェノール;2,6−ジ(1,1,3,3−テトラメチルオクチル)−4−メチルフェノール;2−n−ドデシル−6−タートブチル−4−メチルフェノール;2−n−ドデシル−6−(1−メチルウンデシル)−4−メチルフェノール;2−n−ドデシル−6−(1,1,3,3−テトラメチルオクチル)−4−メチルフェノール;2−n−ドデシル−6−n−オクタデシル−4−メチルフェノール;2−n−ドデシル−6−n−オクチル−4−メチルフェノール;2−メチル−6−n−オクタデシル−4−メチルフェノール;2−n−ドデシル−6−(1−メチルヘプタデシル)−4−メチルフェノール;2,6−ジ(1−メチルベンジル)−4−メチルフェノール;2,6−ジ(1−メチルシクロヘキシル)−4−メチルフェノール;2,6−(1−メチルシクロヘキシル)−4−メチルフェノール;2−(1−メチルベンジル)−4−メチルフェノール;および関連する置換フェノールを含む。
より適切な酸化防止剤は、これに限定されないが、アルキレンビスフェノール、例えば、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2−ブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール);2,2’−ブチリデンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−ブチリデンビス(4−t−ブチル−6−メチルフェノール);2,2’−エチリデンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−メチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);4,4’−エチレンビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−t−ブチル−6−フェニルフェノール);2,2’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン;2,2’−イソプロピリデンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);エチレンビス(ベータ−ナフトール);1,5−ヒドロキシナフタレン;2,2’−エチレンビス(4−メチル−6−プロピルフェノール);4,4’−メチレンビス(2−プロピル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−エチレンビス(2−メチル−6−プロピルフェノール);2,2’−メチレンビス(5−メチル−6−t−ブチルフェノール);および4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)を含む。
適切な酸化防止剤は、さらに、これに限定されないが、アルキレントリフェノール、例えば、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール;2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−エチル−5’−ブチルベンジル)−4−メチルフェノール;および2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メプロピルベンジル)−4−メチルフェノールを含む。
この発明の熱硬化性組成物はオプションの柔軟化・高速化剤を含んでもよい。ここで使用されるように「柔軟化・高速化剤」(soft and fast agent)は、柔軟化・高速化剤なしに準備した場合に較べて、コアを1)一定のCORの下でより柔らかく(より小さな圧縮)し、または2)等しい圧縮でより大きなCORを伴うようにする、任意の化合物またはそれらのブレンド、または任意の組み合わせを意味する。
適切な柔軟化・高速化剤は、これに限定されないが、有機硫黄または金属含有有機硫黄化合物、無機硫黄化合物、第VIA族の化合物、またはこれらの混合物を含み、有機硫黄化合物は、モノ、ジ、およびポリスルフィド、チオール、またはメルカプト化合物を含む。柔軟化・高速化剤化合物は、有機硫黄化合物おおび無機硫黄化合物のブレンドであってもよい。
この発明の適切な柔軟化・高速化剤は、これに限定されないが以下の一般式を有するものを含む。
Figure 2011005256
式中、R〜Rはいずれの順番であってもよく、C〜Cアルキル基;ハロゲン基;チオール基(−SH)、カルボキシレート基;スルホネート基;、及び水素であってよく、また、ペンタフルオロチオフェノール;2−フルオロチオフェノール;3−フルオロチオフェノール;4−フルオロチオフェノール;2,3−フルオロチオフェノール;2,4−フルオロチオフェノール;3,4−フルオロチオフェノール;3,5−フルオロチオフェノール;2,3,4−フルオロチオフェノール;3,4,5−フルオロチオフェノール;2,3,4,5−テトラフルオロチオフェノール;2,3,5,6−テトラフルオロチオフェノール;4−クロロテトラフルオロチオフェノール;ペンタクロロチオフェノール;2−クロロチオフェノール;3−クロロチオフェノール;4−クロロチオフェノール;2,3−クロロチオフェノール;2,4−クロロチオフェノール;3,4−クロロチオフェノール;3,5−クロロチオフェノール;2,3,4−クロロチオフェノール;3,4,5−クロロチオフェノール;2,3,4,5−テトラクロロチオフェノール;2,3,5,6−テトラクロロチオフェノール;ペンタブロモチオフェノール;2−ブロモチオフェノール;3−ブロモチオフェノール;4−ブロモチオフェノール;2,3−ブロモチオフェノール;2,4−ブロモチオフェノール;3,4−ブロモチオフェノール;3,5−ブロモチオフェノール;2,3,4−ブロモチオフェノール;3,4,5−ブロモチオフェノール;2,3,4,5−テトラブロモチオフェノール;2,3,5,6−テトラブロモチオフェノール;ペンタヨードチオフェノール;2−ヨードチオフェノール;3−ヨードチオフェノール;4−ヨードチオフェノール;2,3−ヨードチオフェノール;2,4−ヨードチオフェノール;3,4−ヨードチオフェノール;3,5−ヨードチオフェノール;2,3,4−ヨードチオフェノール;3,4,5−ヨードチオフェノール;2,3,4,5−テトラヨードチオフェノール;2,3,5,6−テトラヨードチオフェノール;及びこれらの亜鉛塩であってよい。好ましくはハロゲン化した有機硫黄化合物はペンタクロロチオフェノールであり、これは純粋な形態で市場から入手可能であり、又はペンタクロロチオフェノールを45パーセント(2.4部のPCTPに相当する)付加した硫黄化合物を含むクレイをベースとするキャリヤであるSTRUKTOL(登録商標)の商標名で入手可能である。STRUKTOL(商標)はオハイオ州ストウのStruktolCompanyofAmericaから商業的に入手可能である。PCTPは商業的にカリフォルニア州サンフランシスコのeChinachemから純粋な形態で入手可能であり、サンフランシスコのeChinachemから塩の形態で入手可能である。最も好ましくは、ハロゲン化した有機硫黄化合物はペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩であり、これはサンフランシスコのeChinachemから商業的に入手可能である。
この発明を参照する際にはここで使用されるように、用語「有機硫黄化合物」は、炭素、水素およびイオウを含有する任意の化合物を称し、ここで、硫黄は少なくとも1個の炭素に直接に結合する。ここで使用されるように、用語「イオウ化合物」は、元素状イオウ、高分子イオウ、またはこれらの組合せである化合物を意味する。さらに、「元素状イオウ」はSの環構造体を称し、「高分子イオウ」は元素状イオウに対して少なくとも1個の追加のイオウを含む構造体であることを理解すべきである。
柔軟化・高速化剤の付加的に適切な例(これはシス−トランス触媒とも考えられる)は、これに限定されないが、ジフェニルジスルフィド;4,4’−ジトリルジスルフィド;2,2’−ベンズアミドジフェニルジスルフィド;ビス(2−アミノフェニル)ジスルフィド;ビス(4−アミノフェニル)ジスルフィド;ビス(3−アミノフェニル)ジスルフィド;2,2’−ビス(4−アミノナフチル)ジスルフィド;2,2’−ビス(3−アミノナフチル)ジスルフィド;2,2’−ビス(4−アミノナフチル)ジスルフィド;2,2’−ビス(5−アミノナフチル)ジスルフィド;2,2’−ビス(6−アミノナフチル)ジスルフィド;2,2’−ビス(7−アミノナフチル)ジスルフィド;2,2’−ビス(8−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1’−ビス(2−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1’−ビス(3−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1’−ビス(3−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1’−ビス(4−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1’−ビス(5−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1’−ビス(6−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1’−ビス(7−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1’−ビス(8−アミノナフチル)ジスルフィド;1,2’−ジアミノ−1,2’−ジチオジナフタレン;2,3’−ジアミノ−1,2’−ジチオジナフタレン;ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2−クロロフェニル)ジスルフィド;ビス(3−クロロフェニル)ジスルフィド;ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(2−ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(3−ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(4−フルオロフェニル)ジスルフィド;ビス(4−イオドフェニル)ジスルフィド;ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2,4−ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2,6−ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(3,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(4−シアノフェニル)ジスルフィド;ビス(2−シアノフェニル)ジスルフィド;ビス(4−ニトロフェニル)ジスルフィド;ビス(2−ニトロフェニル)ジスルフィド;2,2’−ジチオベンゾイックエチル;2,2’−ジチオベンゾイックメチル;2,2’−ジチオ安息香酸;4,4’−ジチオベンゾイックエチル;ビス(4−アセチルフェニル)ジスルフィド;ビス(2−アセチルフェニル)ジスルフィド;ビス(4−ホルミルフェニル)ジスルフィド;ビス(4−カルバモイルフェニル)ジスルフィド;1,1’−ジナフチルジスルフィド;2,2’−ジナフチルジスルフィド;1,2’−ジナフチルジスルフィド;2,2’−ビス(1−クロロジナフチル)ジスルフィド;2,2’−ビス(1−ブロモナフチル)ジスルフィド;1,1’−ビス(2−クロロナフチル)ジスルフィド;2,2’−ビス(1−シアノナフチル)ジスルフィド;2,2’−ビス(1−アセチルナフチル)ジスルフィド等の;またはこれらの混合物がある。好ましい有機イオウ化合物は、ジフェニルジスルフィド、4,4’−ジトリルジスルフィド、または2,2’−ベンズアミドジフェニルジスルフィド、またはこれらの混合物である。より好ましい有機硫黄化合物は、4,4’−ジトリルジスルフィドである。他の実施例において、金属含有有機硫黄化合物をこの発明に従って使用してよい。適切な金属含有有機硫黄化合物は、これに限定されないが、ジエチルジチオカルバメート、ジアミルジチオカルバメート、およびジメチルジチオカルバメートのカドミウム、銅、鉛、およびテルリウム類似体、またはこの混合物である。
硫黄または金属を含まない、適当な置換または無置換の芳香族有機成分は、4,4’−ジフェニルアセチレン、アゾベンゼン、またはこれらの混合物を含むが、これらに制限されない。該芳香族有機基は、好ましくはそのサイズにおいて、C〜C20なる範囲にあり、またより好ましくはC〜C10なる範囲にある。適当な無機硫化物成分は、硫化チタン、硫化マンガン、および鉄、カルシウム、コバルト、モリブデン、タングステン、銅、セレン、イットリウム、亜鉛、錫、およびビスマスの類似の硫化物を包含するが、これらに限定されない。
また、置換または非置換芳香族有機化合物も柔軟化・高速化剤である。適切な置換または非置換芳香族有機成分としては、限定するものではないが、式(R−R−M−R−(Rを有する成分があり、式中、RおよびRは、各々、水素、または置換または非置換のC〜C20線状、枝分れまたは環状のアルキル、アルコキシまたはアルキルチオ基、または単環、多環または縮合環のC〜C24芳香族基であり;xおよびyは、各々、0〜5の整数であり;RおよびRは、各々、単環、多環または縮合環のC〜C24芳香族基から選ばれ;Mは、アゾ基または金属成分である。RおよびRは、各々、好ましくはC〜C10芳香族基から選ばれ、より好ましくはフェニル、ベンジル、ナフチル、ベンズアミドおよびベンゾチアジルから選ばれる。RおよびRは、各々、好ましくは、置換または非置換のC〜C10線状、枝分れまたは環状のアルキル、アルコキシまたはアルキルチオ基、またはC〜C10芳香族基から選ばれる。R、R、RまたはRが置換されている場合、その置換基としては、1種以上の以下の置換基があり得る:ヒドロキシおよびその金属塩;メルカプトおよびその金属塩;ハロゲン;アミノ、ニトロ、シアノおよびアミド;エステル類、酸類およびその金属塩を含むカルボキシル;シリル;アクリレート類およびその金属塩;スルホニルまたはスルホンアミド;およびホスフェート類およびホスファイト類。Mが金属成分である場合、Mは、当業者に入手し得る任意の適切な元素状金属であり得る。典型的には、金属は、遷移金属であるが、好ましくは、テルルまたはセレニウムである。上記シス−トランス−変換触媒中に含ませ得る。1実施例において、芳香族有機化合物は、金属を実質的に含まず、他方、他の実施例において、芳香族有機化合物は、金属を完全に含まない。
柔軟化・高速化剤は、また第VIA族成分を含むこともできる。元素硫黄および重合体硫黄は、例えばオハイオ州、シャルドンのElastochem社から、市販品として入手できる。硫黄触媒化合物の例は、PB(RM−S)−80元素硫黄およびPB(CRST)−65重合体硫黄を含み、これら各々は、Elastochem社から入手できる。「TELLOY」という商品名のテルル触媒の例および「VANDEX」という商品名のセレン触媒の例は、各々RT Vanderbilt社から市販品として入手できる。
他の適切な柔軟化・高速化剤は、これに限定されないが、ヒドロキノン、ベンゾキノン、キンヒドロン、カテコール、およびレソルシノールを含む。
ヒドロキノン化合物は、つぎの化学式で表される化合物およびその水和物から選択される。
Figure 2011005256
ここで、R、R、RおよびRの各々は、水素;ハロゲン;アルキル;カルボキシル;その金属塩およびそのエステル;アセテートおよびそのエステル;ホルミル;アシル;アセチル基;ハロゲン化カルボニル;スルホおよびそのエステル;ハロゲン化スルホニル;スルフィノ;アルキルスルフィニル;カルバモイル;ハロゲン化アルキル;シアノ;アルコキシ;ヒドロキシおよびその金属塩;アミノ;ニトロ;アリール;アリールオキシ;アリールアルキル;ニトロソ;アセトアミド;またはビニルである。
他の適切なヒドロキノン化合物の例は、これに限定されないが、ヒドロキノン;テトラクロロヒドロキノン;2−クロロヒドロキノン;2−ブロモヒドロキノン;2,5−ジクロロヒドロキノン;2,5−ジブロモヒドロキノン;テトラブロモヒドロキノン;2−メチルヒドロキノン;2−t−ブチルヒドロキノン;2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン;および2−(2−クロロフェニル)ヒドロキノンハイドレートを含む。
より適切なヒドロキノン化合物はつぎの化学式で表される化合物およびその水和物を含む。
Figure 2011005256
ここで、R、R、RおよびRの各々は、カルボキシルの金属塩;アセテートおよびそのエステル;ヒドロキシ;ヒドロキシの金属塩;アミノ;ニトロ;アリール;アリールオキシ;アリールアルキル;ニトロソ;アセトアミド;またはビニルである。
適切なベンゾキノン化合物はつぎの化学式で表される化合物およびその水和物を含む。
Figure 2011005256
ここで、R、R、RおよびRの各々は、水素;ハロゲン;アルキル;カルボキシル;その金属塩およびそのエステル;アセテートおよびそのエステル;ホルミル;アシル;アセチル基;ハロゲン化カルボニル;スルホおよびそのエステル;ハロゲン化スルホニル;スルフィノ;アルキルスルフィニル;カルバモイル;ハロゲン化アルキル;シアノ;アルコキシ;ヒドロキシおよびその金属塩;アミノ;ニトロ;アリール;アリールオキシ;アリールアルキル;ニトロソ;アセトアミド;またはビニルである。
他の適切なベンゾキノン化合物は、つぎの化学式で表される1または複数の化合物およびその水和物を含む。
Figure 2011005256
ここで、R、R、RおよびRの各々は、カルボキシルの金属塩;アセテートおよびそのエステル;ヒドロキシ;ヒドロキシの金属塩;アミノ;ニトロ;アリール;アリールオキシ;アリールアルキル;ニトロソ;アセトアミド;またはビニルである。
適切なキンヒドロンは、つぎの化学式で表される1または複数の化合物およびその水和物を含む。
Figure 2011005256
ここで、R、R、R、R、R、R、RおよびRの各々は、水素;ハロゲン;アルキル;カルボキシル;カルボキシルの金属塩およびそのエステル;アセテートおよびそのエステル;ホルミル;アシル;アセチル;ハロゲン化カルボニル;スルホおよびそのエステル;ハロゲン化スルホニル;スルフィノ;アルキルスルフィニル;カルバモイル;ハロゲン化アルキル;シアノ;アルコキシ;ヒドロキシおよびその金属塩;アミノ;ニトロ;、アリール;アリールオキシ;アリールアルキル;ニトロソ;アセトアミド;またはビニルである。
他の適切なキンヒドロンは、上述の化学式を有するものである。ただし、R、R、R、R、R、R、RおよびRの各々は、カルボキシルの金属塩;アセテートおよびそのエステル;ヒドロキシ;ヒドロキシの金属塩;アミノ;ニトロ;アリール;アリールオキシ;アリールアルキル;ニトロソ;アセトアミド;またはビニルである。
適切なカテコールはつぎの化学式で表される1または複数の化合物およびその水和物を含む。
Figure 2011005256
ここで、R、R、RおよびRの各々は、水素;ハロゲン;アルキル;カルボキシル;その金属塩およびそのエステル;アセテートおよびそのエステル;ホルミル;アシル;アセチル基;ハロゲン化カルボニル;スルホおよびそのエステル;ハロゲン化スルホニル;スルフィノ;アルキルスルフィニル;カルバモイル;ハロゲン化アルキル;シアノ;アルコキシ;ヒドロキシおよびその金属塩;アミノ;ニトロ;アリール;アリールオキシ;アリールアルキル;ニトロソ;アセトアミド;またはビニルである。
適切なレソルシノールはつぎの化学式で表される1または複数の化合物およびその水和物を含む。
Figure 2011005256
ここで、R、R、RおよびRの各々は、水素;ハロゲン;アルキル;カルボキシル;その金属塩およびそのエステル;アセテートおよびそのエステル;ホルミル;アシル;アセチル基;ハロゲン化カルボニル;スルホおよびそのエステル;ハロゲン化スルホニル;スルフィノ;アルキルスルフィニル;カルバモイル;ハロゲン化アルキル;シアノ;アルコキシ;ヒドロキシおよびその金属塩;アミノ;ニトロ;アリール;アリールオキシ;アリールアルキル;ニトロソ;アセトアミド;またはビニルである。
フィラーもコアの熱硬化性組成物に付加して組成物の密度を上方または下方に調整してよい。フィラーは、典型的には、タングステン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、金属、金属酸化物および塩、リグリンド(リサイクルしたコア材料であって典型的には約30メッシュの粒子に粉砕したもの)、高ムーニー粘度ゴムリグリンド、トランス−リグリンドコア材料(リサイクルしたコア材料であって、ポリブタジエンの高trans−アイソマーを含むもの)等を含む。trans−リグリンドがあるときは、trans−アイソマーの量は好ましくは約10%から約60%の間である。本発明の好ましい例では、コアは、約95%を超える内容量のcis−アイソマーを有するポリブタジエンと、フィラーとしてのtrans−リグリンド材料(すでに加硫されている)を含む。任意の粒子サイズのtrans−リグリンドコア材料で十分であるが、好ましくは、約125μm未満である。
ゴルフボールの1部または多数の部分に添加するフィラーは、典型的には、レオロジー特性および混合特性に影響を与える処理助剤または化合物、密度調整用フィラー、引き裂き強度または強化用フィラー等を含む。フィラーは一般に無機物であり、適切なフィラーは多数の金属又は金属酸化物を含み、例えば酸化亜鉛及び酸化スズ、ならびに硫酸バリウム、硫酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、クレイ、タングステン、炭化タングステン、シリカのアレイ、及びこれらの混合物を含む。フィラーは種々の発泡剤又はブローイング剤を含むこともでき、当業者はこれらを容易に選択することができる。フィラーはポリマー、セラミック、金属で含んでよく、ガラスの微小球はソリッドでも空洞でもよく、充填しても充填しなくてもよい。フィラーも典型的にはゴルフボールの1部又は複数部分に添加されてその密度を調整し、均一なゴルフボール標準に適合させる。フィラーを使用してセンタ又は特別なボールのための少なくとも一つの追加的な層の質量を調整することもでき、例えば質量が小さいボールはスイング速度が小さい競技者に好ましいものである。
タングステン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、金属、金属酸化物および塩、リグリンド(リサイクルしたコア材料であって典型的には約30メッシュの粒子に粉砕したもの)のような材料も適切なフィラーである。
ポリブタジエンおよび/または任意の他のベースゴムまたはエラストマーシステムも、発泡処理され、あるいは、空洞の微小球または硬化処理中に設定温度で拡張する拡張可能微小球を充填して、任意の低比重レベルにしてよい。他の含有成分、例えば、硫黄促進剤、具体的には、テトラメチルチウラム、ジ、トリ、またはテトラスルフィド、および/または金属含有有機硫黄促進剤を本発明に従って使用してもよい。適切な金属含有有機硫黄促進剤は、これに限定されないが、ジエチルジチオカルバメート、ジアミルジチオカルバメートおよびジメチルジチオカルバメートまたはこれらの混合物の、カドミウム、銅、鉛、およびルテニウム類似体を含む。他の含有成分、例えば処理助剤、具体的には、脂肪酸および/またはその金属塩、処理オイル、染料および顔料、ならびに、当業者に周知の他の添加物をこの発明によりそれらが典型的に用いられる目的を達成するのに十分な量だけ使用しても良い。
開始剤に対する酸化防止剤の比や、硬化サイクル温度および期間は、コアの表面硬度を制御する所定の要素であり、硬度を可変させる特殊な領域(複数)を具備する、この発明の単一層コアを実現する。
例えば、1実施例において、以下の調合がこの発明のコアを実現するのに採用されて良い。
100phrの高シスポリブタジエン(Laxess CB−23)
40phrの亜鉛ジアクリレート(ZDA)
5phrの酸化亜鉛(ZnO)
14phrの硫酸バリウム(BaSO
0.6phrのジクミルペルオキシド(PERKADOX BC−FF、ジクミルペルオキシド、(99〜100%アクチュアル)、Akzo Nobelから入手可能)
0.2phrの酸化防止剤(Vanox MBPC)
0.5phrの亜鉛ペンタクロロチオフェノール(ZnPCTP)
この例の組成物は、約75°F(23.9°C)の開始温度に約0−1分露呈され、つぎに、約7〜10分の間に温度が約320〜325°F(160〜162.8°C)へと上昇させられ、さらに、約4〜5分の間に温度が360°F(182.2°C)に上昇させられ、この時点から、つぎに、温度が70°F(21.1°C)へと減少させられて組成物が所望の程度硬化され離型に充分な程度に冷却される。
図1および図2は、製造された単一層コアのショアCおよびショアD硬度勾配を示す。図1および図2を参照すると、この例の単一層コアの外側表面のショアCおよびショアD硬度は、まさに、幾何中心の対応する硬度より大きい。さらに、中間領域(単一層コアの、幾何中心および外側表面の双方から約4mmの領域内に位置づけられる)中に第3の硬度があり、これが内側コア領域の第1の硬度、および外側コア領域の第2の硬度の双方より小さい。また、中間領域中に第4の硬度があり、これが内側コア領域の第1の硬度、および外側コア領域の第2の硬度の双方より大きい。
図3はこの例の硬化サイクルを示し、図4および図5は、この発明の1実施例に従う具体的な単一層コアにもたらされる硬度の範囲を示す。
この例の各要素の量の好ましい範囲は100phrのポリブタジエンゴムを基準にして以下のとおりである。すなわち、約15phrから約40phrのZDA;約5phrから約25phrのZnO;約ゼロphrから約25phrのBASO;約0.25phrから約3.0phrの過酸化物;約0.05phrから約1.5phrの酸化防止剤;および約0.1phrから約5.0phrのZnOCTPである。
この発明のコアはここに開示した付加的な材料を含んでよい。
ゴルフボールの圧縮はプレイ特性を最大化させる上で依然として重要な要素である。これは、フィーリングに加えドライバから離れるボールのスピンレートにも影響する。当初、圧縮はゴルフボール回りの巻物の緊張と呼ばれていた。今日では、圧縮は、ドライバがボールを打撃したときに圧縮力の元でボールがどの程度変形するかを指す。実際、ドライバがボールと合一になるときに、ボールは平坦になる傾向があり、丸い形状から変形し、その後、その丸い形状に戻り、それは1秒または2秒の間である。約70から約120の圧縮レートが普通である。圧縮レートが小さくなると、衝突時にボールはより圧縮して変形する。
スイングが遅い人々、またはクラブヘッドの速度が遅い比飛び地は圧縮レートが小さいボールを希望する。ボールの圧縮が単独でボールが遠くに飛ぶかどうかを決定するのではないけれども、すなわち、クラブヘッド速度も実際にそれを決定するけれども、圧縮はそれでも全体の飛距離に影響を与えこれに寄与する。例えば、クラブヘッド速度が遅いゴルファが高圧縮のボールを採用すると、低圧縮(または柔らかい)ボールを使用した場合に達成できるヤードを、実際に、減少させる。したがって、グリーンにおけるゴルファの性能を最大化させるにはゴルフボールの圧縮レートをプレイヤのスイング速度に適合化させることが望ましい。
いくつかの手法が圧縮を測定するのに用いられ、その中に、Atti圧縮、Riehle圧縮、種々の固定荷重およびオフセットでの荷重/偏向の測定、および実効弾性係数が含まれる。これについては、例えば、Jeff Dalton、Compression by Any Other Name、Science and Golf IV、Proceedings of the World Scientific Congress of Golf(Eric Thain ed. Routedge、2002)(以下、「J. Dalton」)を参照されたい。ここで使用されるように、「圧縮」はAtti圧縮を指し、Atti圧縮試験装置を用いて測定される。ピストンがボールをスプリングに押しつけ、スプリングの偏位が1.25mm(0.05インチ)において測定される間、ピストンを固定したままにする。非常に剛性が小さなコアはスプリングを1.25mmより多く撓まさず、ゼロのAtti圧縮が測定される。Atti圧縮テスタは42.7mm(1.68インチ)の径の物体を測定するように設計されているので、コアの圧縮をこれらテスタで測定するためには、コアは隙間を埋めて42.7mm(1.68インチ)の高さとなるようにしなければならない。Atti圧縮を、Riehle(コア)、Riehle(ボール)、100kg偏向、130−10kg偏向または実効弾性係数に変換するには「J.Dalton」に示された式を用いて行うことができる。
この発明の1側面によれば、ゴルフボールは約70から約120の間の圧縮を伴うように調合される。
ゴルフボールが衝突時に移動する距離は反発係数(COR)およびボールの空気力学特性により左右される。ゴルフボールでは、生得前のゴルフボールの速度に対する衝突後のゴルフボールの速度の比として近似されてきた。CORは0から1.0まで変化する。1.0のCOR値は完全弾性衝突と等価であり、すなわち、衝突時にすべてのエネルギが移動する。0.0のCOR値は完全に非弾性の衝突と硬化であり、すなわち、すべてのエネルギが衝突で消失される。
ここで使用されるように、CORは、ゴルフボールまたはゴルフボールのサブアッセンブリ(例えばゴルフボールコア)を空気砲から2つの所定の速度で打ち出し、38.1m/s(125ft/s)の速度でのCORを計算することにより決定される。ボール速度は、ボールが複数の弾道光スクリーンに近づくときに計算され、これらスクリーンは固定距離で空気砲およびスチール板の間に配置される。ボールがスチール板へ移動するときに、各光スクリーンが活性化され、各光スクリーンにおける時間を測定する。これにより、ボールの入射速度に反比例した入射移行時間が得られる。ボールはスチール板と衝突して複数の光スクリーンを通り抜けてリバウンドし、これが光スクリーン間を移行するのに要する時間間隔を測定する。これにより、ボールの飛び出し速度に逆比例した飛び出し移行時間が得られる。CORは飛び出し移行時間間隔の入射移行時間間隔に対する比、COR=Vout/Vin=Tout/Tinとして計算される。好ましくはこの発明に従うゴルフボールのCORは少なくとも約0.78であり、より好ましくは、少なくとも約0.80である。
ゴルフボールのスピンレートも依然として重要なゴルフボールの特性である。高スピンボールを用いれば、熟練したプレイヤが高スピンボールを制御可能であれば、グリーン上でボールを停止させるうえでのより多くの自由度を取得させることが可能になる。他方、レクリエーションのプレイヤはしばしば低素ピンボールを好み、これは、このようなプレイヤは意図的にボールを制御することができず、例素ピンボールがグリーンから遠ざかることが少ない傾向にあるからである。
ゴルフボールのスピンは、例えば、ゴルフボールの密度または比重の分布を含む変数に依存する。例えば、密度または比重がゴルフボールの中心に位置づけられると、慣性モーメントが小さくなって、スピンレートを大きくする。代替的に、密度または比重がゴルフボールの外側領域に集約されると、慣性モーメントが大きくなりスピンレートを小さくする。1.62オンス(37.83g)で慶賀1.68インチ(4.27cm)のワンピースボールの慣性モーメントは約0.4572oz−inであり、これはベースラインの慣性モーメント値である。
したがって、単一層コアの各領域および外側層の材料および硬度を変化させることにより、この発明のゴルフボールについて種々の慣性モーメントを実現してよい。1実施例において、製造されたゴルフボールの慣性モーメントは約0.440から約0.455oz−inである。他の実施例において、この発明のゴルフボールの慣性モーメントは約0.456から約0.470oz−inである。さらに他の実施例において、ゴルフボールの慣性モーメントは約0.450から約0.460oz−inである。
この発明のゴルフボールは種々の異なる慣用的なカバー材料(中間層および外側カバー層の双方)から製造してよいけれども、好ましいカバー材料は、これに限定されないが、以下のものを含む。
(1)ポリウレタン、例えば、ポリオールまたはポリアミンおよびジイソシアネートまたはポリイソシアネートおよび、/またはそれらのプレポリマーから準備されたもの、ならびに、米国特許第5,33,4673号、同第6,506,851号に開示されているもの。
(2)ポリ尿素、例えば、米国特許第5,484,870号および同第6,835,794号に開示されているもの。
(3)ウレタンまたは尿素セグメントを含む、ポリウレタン−尿素ハイブリッド、ブレンドまたはコポリマー。
適切なポリウレタン組成物は、少なくとも1つのポリイソシアネートと少なくとも1つの硬化剤との反応生成物を含む。硬化剤は、例えば、1または複数のポリアミン、1または複数のポリオール、またはこれらの組み合わせを含んでよい。ポリイソシアネートは1または複数のポリオールと組み合わせてプレポリマーを形成しても良い。これは、上述の少なくとも1つの硬化剤と組み合わされる。このように、ここで説明されるポリオールは、ポリウレタン材料の1または双方の要素として適切である。すなわち、プレポリマーおよび硬化剤の一部として使用して好適である。適切なポリウレタンは米国特許出願公開第2005/0176523号に説明されており、その内容は参照してここに組み入れる。
当業者が入手可能ないずれのポリイソシアネートもこの発明に従って使用するのに適切である。ポリイソシアネートの例示は以下を含むがこれに限定されない:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(”MDI”);ポリマーMDI;カルボジイミド−変性液状MDI;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(”H12MDI”);p−フェニレンジイソシアネート(”PPDI”);m−フェニレンジイソシアネート(”MPDI”);トルエンジイソシアネート(”TDI”);3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート(”TODI”);イソホロンジイソシアネート(”IPDI”);ヘキサメチレンジイソシアネート(”HDI”);ナフタレンジイソシアネート(”NDI”);キシレンジイソシアネート(”XDI”);p−テトラメチルキシレンジイソシアネート(”p−TMXDI”);m−テトラメチルキシレンジイソシアネート(”m−TMXDI”);エチレンジイソシアネート;プロピレン−1,2−ジイソシアネート;テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート;シクロヘキシルジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネート(”HDI”);ドデカン−1,12−ジイソシアネート;シクロブタン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート;1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサン;メチルシクロヘキシレンジイソシアネート;HDIのトリイソシアネート;2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジイソシアネートのトリイソシアネート(”TMDI”);テトラセンジイソシアネート;ナフタレンジイソシアネート;アントラセンジイソシアネート;トルエンジイソシアネートのイソシアヌレート;ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン;及びこれらの混合物。ポリイソシアネートは、1以上のイソシアネート基、例えばジイソシアネート、トリイソシアネートおよびテトライソシアネートを有するものとして、当業者には知られている。好ましくは、ポリイソシアネートは、MDI、PPDI、TDI、又はこれらの混合物を含み、より好ましくはポリイソシアネートはMDIを含む。本明細書で使用する用語「MDI」は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリマーMDI、カルボジイミド変性液状MDI、及びこれらの混合物を意味し、かつさらに使用したジイソシアネートが「低遊離(low free)モノマー」であることができるとは「遊離」モノマーの量が低いイソシアネート基であること、典型的には遊離モノマー基の量が約0.1%より低いことを当業者が理解すると理解すべきである。「低遊離モノマー」ジイソシアネートの例は、これに限定されないが、低遊離モノマーMDI、低遊離モノマーTDI、及び低遊離モノマーPPDIである。
少なくとも一つのポリイソシアネートは約14%より少ない未反応のNCO基を有することが必要である。好ましくは該少なくとも一つのポリイソシアネートは約8.0%以下のNCO、より好ましくは約7.8%以下、最も好ましくは、約7.5%以下のNCOを有し、慣用的には、約7.2または7.0または6.5%のNCOのNCOレベルが用いられる。
当業者が利用可能ないずれのポリオールも、この発明に従って使用するのに適している。ポリオールの例は、これに限定されないが、ポリエーテルポリオール、ヒドロキシ末端ポリブタジエン(部分的に/完全に水素添加した誘導体を含む)、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、及びポリカーボネートポリオールである。好ましい実施例では、ポリオールはポリエーテルポリオールを含む。その例は、これに限定されないが、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(「PTMEG」)、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、及びこれらの混合物である。炭化水素鎖は飽和又は不飽和結合及び置換又は未置換の芳香族及び環状基を有することができる。好ましくは、この発明のポリオールはPTMEGを含む。
他の実施例では、この発明のポリウレタン材料にポリエステルポリオールが含まれる。適切なポリエステルポリオールは、これに限定されないが、ポリエチレンアジペートグリコール;ポリブチレンアジペートグリコール;ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール;o−フタレート−1,6−ヘキサンジオール;ポリ(ヘキサメチレンアジーペート)グリコール;及びこれらの混合物である。炭化水素鎖は飽和又は不飽和結合、又は置換又は未置換の芳香族及び環状基を有することができる。
他の実施例では、この発明のポリウレタン材料にポリカプロラクトンポリオールが含まれる。適切なポリカプロラクトンポリオールは、これに限定されないが、1,6−ヘキサンジオール−開始ポリカプロラクトン、ジエチレングリコール開始ポリカプロラクトン、トリメチロールプロパン開始ポリカプロラクトン、ネオペンチルグリコール開始ポリカプロラクトン、1,4−ブタンジオール開始ポリカプロラクトン、PTMEG開始ポリカプロラクトン、及びこれらの混合物である。炭化水素鎖は飽和又は不飽和の、又は置換又は未置換の芳香族及び環状基を有することができる。
さらに他の実施例では、この発明のポリウレタン材料にポリカーボネートポリオールが含まれる。適切なポリカーボネートは、これに限定されないが、ポリフタレートカーボネート及びポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコールである。炭化水素鎖は飽和又は不飽和結合、又は置換又は未置換芳香族及び環状基を有することができる。1実施例では、ポリオールの分子量は約200〜約4000である。
ポリアミン硬化剤もこの発明のポリウレタン組成物中に使用して好適であり、製品ボールの耐切断性、耐剪断性、および耐衝撃性が改善することがわかっている。好ましいポリアミン硬化剤は、これに限定されないが、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン及びこのアイソマー;3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン及びこのアイソマー、例えば3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジフェニルメタン;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン、4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン);4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)(”MCDEA”);ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート;N,N’−ジアルキルジアミノジフェニルメタン;p,p’−メチレンジアニリン(”MDA”);m−フェニレンジアミン(”MPDA”);4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)(”MOCA”);4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)(”MDEA”);4,4’−メチレン−ビス−(2,3−ジクロロアニリン)(”MDCA”);4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン;2,2’−3,3’−テトラクロロジアミノジフェニルメタン;トリメチレングリコールジ−p−アミノベンゾエート;及びこれらの混合物である。好ましくはこの発明の硬化剤は、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン及びそのアイソマー、例えばバトンルージュのアルバマール社(Albermarle Corporation of Baton Rouge,LA)から入手可能なEthacure(登録商標)300である。適切なポリアミン硬化剤は第1及び第2アミンの両者を含み、好ましくは、その分子量は約64〜約2000の範囲である。
少なくとも一つのジオール、トリオール、テトラオール、又はヒドロキシ末端硬化剤を上述のポリウレタン組成物に添加することができる。適切なジオール、トリオール、及びテトラオール基は以下を含む:エチレングリコール;ジエチレングリコール;ポリエチレングリコール;プロピレングリコール;ポリプロピレングリコール;低分子量ポリテトラメチレンエーテルグリコール;1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン;1,3−ビス−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン;1,3−ビス−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン;1,4−ブタンジオール;1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;レゾルシノール−ジ−(β−ヒドロキシエチル)エーテル;ヒドロキノン−ジ−(β−ヒドロキシエチル)エーテル;及びこれらの混合物である。好ましいヒドロキシ−末端硬化剤は1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン;1,3−ビス−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン;1,3−ビス−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン;1,4−ブタンジオール、及びこれらの混合物である。好ましくは、ヒドロキシ−末端硬化剤の分子量は約48〜約2000の範囲である。ここで、分子量は、絶対重量平均分子量であり、当業者が理解するとおりのものである。
ヒドロキシ末端及びアミン硬化剤の両者は、一又は複数の飽和、不飽和、芳香族、及び環状基を含むことができる。さらに、ヒドロキシ末端及びアミン硬化剤は一又は複数のハロゲン基を含むことができる。ポリウレタン組成物を硬化剤のブレンド又は混合物によって製造することができる。しかしながら所望の場合には、ポリウレタン組成物を単一の硬化剤で製造することができる。
この発明の好ましい実施例において、カバー層、特に外側カバー層を形成するのに使用する飽和ポリウレタンを注型可能な熱硬化性及び熱可塑性ポリウレタンの両者から選択することができる。
この実施例において、この発明の飽和ポリウレタンは芳香族基又は部分を実質的に含まない。この発明に使用して好適な飽和ポリウレタンは、少なくとも1つのポリウレタンプレポリマーおよび少なくとも1つの飽和硬化剤の反応生成物である。ポリウレタンプレポリマーは少なくとも1つのポリオールおよび少なくとも1つの飽和ジイソシアネートの反応生成物である。当技術分野で周知のとおり、触媒を採用して硬化剤およびイソシアネートおよびポリオールの反応を促進させても良い。
使用可能な飽和のジイソシアネートは、これに限定されないが、エチレンジイソシアネート;プロピレン−1,2−ジイソシアネート;テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(「HDI」);2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;ドデカン−1,12−ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;シクロブタン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート;1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサン;イソホロンジイソシアネート;メチルシクロヘキシレンジイソシアネート;HDIのトリイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジイソシアネートのトリイソシアネートを含む。最も好ましい飽和ジイソシアネートは4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートである。
この発明で使用するのに適した飽和ポリオールは、これに限定されないが、ポリエーテルポリオール、例えばポリテトラメチレンエーテルグリコール及びポリ(オキシプロピレン)グリコールである。適切な飽和ポリステルポリオールは、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール、ポリブチレンアジペートグリコール、ポリカーボネートポリオール及びエチレンオキシドでキャップしたポリオキシプロピレンジオールである。この発明で有用な飽和ポリカプロラクトンポリオールは、ジエチレングリコール開始ポリカプロラクトン、1,4−ブタンジオール開始ポリカプロラクトン、1,6−ヘキサンジオール開始ポリカプロラクトン;トリメチロールプロパン開始ポリカプロラクトン、ネオペンチルグリコール開始ポリカプロラクトン、およびポリテトレメチルエーテルグリコール開始ポリカプロラクトンである。最も好ましい飽和ポリオールはPTMEG及びPTMEG開始ポリカプロラクトンである。
適切な飽和硬化剤は、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、プロピレングリコール;トリメタノールプロパン;テトラ−(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミン;シクロヘキシルジメチロールのアイソマーのアイソマー及び混合物、シクロヘキサンビス(メチルアミン)のアイソマーのアイソマー及び混合物;トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン;2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン;ジエチレングリコールジ−(アミノプロピル)エーテル;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタン;1,2−ビス−(sec−ブチルアミノ)シクロヘキサン;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)シクロヘキサン;イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジアミン、1−メチル−2,4−シクロヘキシルジアミン、1−メチル−2,6−シクロヘキシルジアミン、1,3−ジアミノプロパン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、イミド−ビス−プロピルアミン、ジアミノシクロヘキサンのアイソマーのアイソマー及び混合物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、及びジイソプロパノールアミン。最も好ましい飽和硬化剤は1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキシルジメチロール及び4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタンである。
代替的には、他の適切なポリマーは、部分的にまたは十分に中和されたアイオノマー、メタローセン、または他のシングルサイト触媒ポリマー、ポリエステル、ポリアミド、非アイオノマー性熱可塑性エラストマー、コポリエーテル−エステル、コポリエーテル−アミド、ポリカーボネート、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリスチレンブロックコポリマー(例えばスチレン−ブタジエン−スチレン)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン等、およびこれらのブレンドを含む。熱硬化性ポリウレタンまたはポリ尿素はこの発明のゴルフボールの外側カバー層として適切である。
さらに、ポリウレタンをポリ尿素材料に替えて、またはブレンドしてよい。ポリ尿素は、明らかにポリウレタン組成物と異なるが、ゴルフボール部品に用いられるときには所望の空力特性や美観特性をもたらす。ポリ尿素ベースの組成物は好ましくはその性質上飽和である。
特定の理論に拘束されるものではないが、ポリウレタンプレポリマー中の長鎖ポリオールセグメントを長鎖ポリエーテルジアミンオリゴマーソフトセグメントで置換してポリ尿素プレポリマーを形成することにより、せん断性、切断性及び反発弾性が改良され、かつ他の成分に対する接着性が改良されると、現在考えられている。したがって、この発明のポリ尿素組成物はイソシアネートと硬化剤により架橋されたポリアミンプレポリマーとの反応生成物からなる。例えば、この発明のポリ尿素ベースの組成物は、少なくとも1つのイソシアネートと、少なくとも1つのポリエーテルアミンと、少なくとも1つのジオール硬化剤または少なくとも1つのジアミン硬化剤とから準備されてよい。
当業者に利用可能な全てのポリアミンが、このポリ尿素プレポリマー中に使用して好適である。ポリエーテルアミンはとくにプレポリマー中で好適である。ここでは、用語「ポリエーテルアミン」は、ポリエーテル主鎖の末端に結合した第1アミノ基を含むポリオキシアルキレンアミンを少なくとも意味する。しかしながら、イソシアネートとアミンの反応が早く、かつ多くの尿素生成物が不溶性であることから、ジアミンとポリエーテルアミンの選択は、ポリ尿素プレポリマーの形成を可能にするものに限られる。1実施例では、ポリエーテル主鎖は、テトラメチレン、プロピレン、エチレン、トリメチロールプロパン、グリセリン、及びこれらの混合物に基づく。
適切なポリエーテルアミンは、これに限定されないが、ポリテトラメチレンエーテルジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリ(エチレンオキシド末端オキシプロピレン)エーテルジアミン、トリエチレングリコールジアミン、プロピレンオキシドをベースとするトリアミン、トリメチロールプロパンをベースとするトリアミン、グリセリンをベースとするトリアミン、及びこれらの混合物である。1実施例では、プレポリマーを製造するために使用するポリエーテルアミンはJEFFAMINE(商標) D2000(Huntsman社製、オースチン、テキサス)である。
ポリ尿素プレポリマーに使用するポリエーテルアミンの分子量は約100〜約5000の範囲にある。1実施例では、ポリエーテルアミンの分子量は約230又はそれより大きい。他の実施例では、ポリエーテルアミンの分子量は約4000又はそれより小さい。さらに他の実施例では、ポリエーテルアミンの分子量は約600又はそれより大きい。さらに他の実施例では、ポリエーテルアミンの分子量は約3000又はそれより小さい。さらに他の実施例では、ポリエーテルアミンの分子量は約1000〜約3000であり、より好ましくは約1500〜約2500である。ポリエーテルアミンの分子量が低いと固形ポリ尿素を形成しがちであるので、大きい分子量のオリゴマー、たとえばJEFFAMINE D2000が好ましい。
先に簡単に述べたように、アミンとイソシアネートとの反応が早いために、多くのアミンはイソシアネートとの反応に不適切である。特に短鎖のアミンは早く反応する。しかしながら、1実施例において、立体障害を有する第2ジアミンはプレポリマーで使用するのに適している可能性がある。いずれの特定の理論に束縛されるものではないが、高度の立体障害を有するアミン、例えば窒素原子に結合した第3ブチル基を有するアミンは、障害がないか又はその程度が低いアミンより反応速度が遅くなると考えられる。例えば、4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタン(CLEARLINK(商標) 1000)は、イソシアネートと組み合わせてポリ尿素プレポリマーを製造するのに適している可能性がある。
当業者が利用可能ないずれのイソシアネートも、ポリ尿素プレポリマー中に使用して好適である。本発明で使用するイソシアネートは、分子当たり2又はそれより多いイソシアネート(NCO)基を有する脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族、これらのいずれかの誘導体、及びこれらの化合物の組合せを含む。イソシアネートは、有機ポリイソシアネート末端プレポリマー、低級遊離イソシアネート、及びこれらの混合物であることができる。イソシアネートを含む反応性の成分はいずれのイソシアネート官能性単量体、二量体、三量体、又はこれらの多量体付加物、プレポリマー、疑似プレポリマー、又はこれらの混合物を含むことができる。イソシアネート官能性化合物は、モノイソシアネート又は2又はそれより多いイソシアネート官能基を含むポリイソシアネートを含むことができる。
適切なイソシアネートを含む成分は以下の一般式を有するジイソシアネートを含む:O=C=N−R−N=C=O、式中Rは好ましくは約1〜約20の炭素原子を含む環状、芳香族、又は直鎖若しくは分岐した炭化水素部分である。ジイソシアネートはさらに一又は複数の環状基又は一又は複数のフェニル基を含むこともできる。多環式基又は芳香族基が存在する場合、環状基又は芳香族基の間のスペーサーとして、約1〜約10の炭素原子を含む直鎖及び/又は分岐した炭化水素が存在することができる。ある場合には、環状基又は芳香族基は2−、3−、及び/又は4−位、又はオルト−、メタ−及び/又はパラ−位においてそれぞれ置換されていてもよい。置換した基は、これに限定されないが、ハロゲン、第1、第2、又は第3炭化水素基、又はこれらの混合物である。
この発明で使用することができるジイソシアネートの例は、これに限定されないが、2,2’−、2,4’−、及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを含む置換した及び異性体混合物;3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート;トルエンジイソシアネート;ポリマーMDI;カルボジイミド−変性液状4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート;パラ−フェニレンジイソシアネート;メタ−フェニレンジイソシアネート;トリフェニルメタン−4,4’−及びトリフェニルメタン−4,4”−トリイソシアネート;ナフチレン−1,5−ジイソシアネート;2,4’−、4,4’−、及び2,2−ビフェニルジイソシアネート;ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート;MDIとPMDIの混合物;PMDIとTDIの混合物;エチレンジイソシアネート;プロピレン−1,2−ジイソシアネート;テトラメチレン−1,2−ジイソシアネート;テトラメチレン−1,3−ジイソシアネート;テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート;オクタメチレンジイソシアネート;デカメチレンジイソシアネート;2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;ドデカン−1,12−ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;シクロブタン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,2−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート;メチル−シクロヘキシレンジイソシアネート;2,4−メチルシクロヘキサンジイソシアネート;2,6−メチルシクロヘキサンジイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルジイソシアネート;2,4’−ジシクロヘキシルジイソシアネート;1,3,5−シクロヘキサントリイソシアネート;イソシアネートメチルシクロヘキサンイソシアネート;1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサン;イソシアネートエチルシクロヘキサンイソシアネート;ビス(イソシアネートメチル)−シクロヘキサンジイソシアネート;4,4’−ビス(イソシアネートメチル)ジシクロヘキサン;2,4’−ビス(イソシアネートメチル)ジシクロヘキサン;イソホロンジイソシアネート;HDIのトリイソシアネート;2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジイソシアネートのトリイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;2,4−ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;2,6−ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;1,2−、1,3−、及び1,4−フェニレンジイソシアネート;芳香族脂肪族イソシアネート、例えば1,2−、1,3−、及び1,4−キシレンジイソシアネート;メタ−テトラメチルキシレンジイソシアネート;パラ−テトラメチルキシレンジイソシアネート;いずれかのポリイソシアネートの三量化したイソシアヌレート、例えばトルエンジイソシアネートのイソシアヌレート、ジフェニルメタンジイソシアネートの三量体、テトラメチルキシレンジイソシアネートの三量体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート、及びこれらの混合物;いずれかのポリイソシアネートの二量化したウレジオン、例えばトルエンジイソシアネートのウレトジオン、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン、及びこれらの混合物;上記のイソシアネート及びポリイソシアネートから誘導した変性したポリイソシアネート;及びこれらの混合物である。
この発明で使用することができる飽和ジイソシアネートの例は、これに限定されないが、エチレンジイソシアネート;プロピレン−1,2−ジイソシアネート;テトラメチレン−ジイソシアネート;テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート;オクタメチレンジイソシアネート;デカメチレンジイソシアネート;2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;ドデカン−1,12−ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;シクロブタン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,2−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート;メチル−シクロヘキシレンジイソシアネート;2,4−メチルシクロヘキサンジイソシアネート;2,6−メチルシクロヘキサンジイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルジイソシアネート;2,4’−ジシクロヘキシルジイソシアネート;1,3,5−シクロヘキサントリイソシアネート;イソシアネートメチルシクロヘキサンイソシアネート;1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサン;イソシアネートエチルシクロヘキサンイソシアネート;ビス(イソシアネートメチル)−シクロヘキサンジイソシアネート;4,4’−ビス(イソシアネートメチル)ジシクロヘキサン;2,4’−ビス(イソシアネートメチル)ジシクロヘキサン;イソホロンジイソシアネート;HDIのトリイソシアネート;2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジイソシアネートのトリイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;2,4−ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;2,6−ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;及びこれらの混合物を含む。芳香族脂肪族イソシアネートも光安定な物質を製造するために使用することができる。これらのイソシアネートの例は以下を含む:1,2−、1,3−、及び1,4−キシレンジイソシアネート;メタ−テトラメチルキシレンジイソシアネート(m−TMXDI);パラ−テトラメチルキシレンジイソシアネート(p−TMXDI);いずれかのポリイソシアネートの三量化したイソシアヌレート、例えばトルエンジイソシアネートのイソシアヌレート、ジフェニルメタンジイソシアネートの三量体、テトラメチルキシレンジイソシアネートの三量体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート、及びこれらの混合物;いずれかのポリイソシアネートの二量化したウレジオン、例えばトルエンジイソシアネートのウレトジオン、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン、及びこれらの混合物;上記のイソシアネート及びポリイソシアネートから誘導した変性したポリイソシアネート;及びこれらの混合物である。さらに、芳香族脂肪族イソシアネートを、本発明の目的にために、先に挙げた飽和イソシアネートのいずれかと混合することができる。
イソシアネートとポリエーテルアミンのポリ尿素プレポリマーにおける未反応のNCO基の数を変化させて、反応の速度、得られた組成物の硬度等の因子を制御することができる。例えば、イソシアネートとポリエーテルアミンのポリ尿素プレポリマーにおける未反応のNCO基の数を約14%より小さくすることができる。1実施例では、ポリ尿素プレポリマーは約5%〜約11%の未反応のNCO基を有し、より好ましくは約6%〜約9.5%の未反応のNCO基を有する。1実施例では、未反応のNCO基の割合は約3%〜約9%である。代替的には、未反応のNCO基の割合は約7.5%又はそれより低く、より好ましくは約7%又はそれより低い。他の実施例では、未反応のNCO基の割合は約2.5%〜約7.5%、より好ましくは約4%〜約6.5%である。
生成された状態で、ポリ尿素プレポリマーが、プレポリマーの約10重量%から約20重量%の遊離イソシアネートモノマーを含んでもよい。この結果、1実施例では、ポリ尿素プレポリマーから遊離イソシアネートモノマーを除去しても良い。例えば、除去後、プレポリマーは1%またはそれ未満の遊離イソシアネートモノマーを含むことになる。他の実施例では、プレポリマーは約0.5重量%または逸れ未満の遊離イソシアネートモノマーを含んでよい。
ポリエーテルアミンを追加のポリオールとブレンドしてコポリマーを形成し、これを過剰のイソシアネートと反応させてポリ尿素プレポリマーを製造することもできる。1実施例では、コポリマーの約30重量%より少ないポリオールを飽和ポリエーテルアミンとブレンドする。他の実施例では、コポリマーの約20重量%より少ない、好ましくはコポリマーの約15重量%より少ないポリオールを、飽和ポリエーテルアミンとブレンドする。当業者に利用可能ないずれかの飽和ポリオール、例えばポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、炭化水素ポリオール、他のポリオール、及びこれらの混合物が、本発明に従ってブレンドするのに適している。これらのポリマーの分子量は約200〜約4000であることができるが、約1000〜約3000であることができ、より好ましくは約1500〜約2500であることができる。
ポリ尿素組成物を、ポリ尿素プレポリマーを単一の硬化剤またはそのブレンドで架橋して製造することができる。この発明で使用する硬化剤は、好ましくは、アミン−末端硬化剤、より好ましくは第2ジアミン硬化剤であり、これにより、組成物が単一の尿素結合のみを含むようになる。1実施例では、アミン−末端硬化剤の分子量は約64又はそれより大きい。他の実施例では、アミン−末端硬化剤の分子量は約2000又はそれより小さい。上述のとおり、所定のアミン−末端硬化剤を互換性のあるアミン−末端凝固点降下剤またはその混合物により改質してもよい。
適切なアミン−末端硬化剤は、これに限定されないが、エチレンジアミン;ヘキサメチレンジアミン;1−メチル−2,6−シクロヘキシルジアミン;テトラヒドロキシプロピレンエチレンジアミン;2,2,4−及び2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタン;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−シクロヘキサン;1,2−ビス−(sec−ブチルアミノ)−シクロヘキサン;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタンの誘導体;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン;1,4−シクロヘキサン−ビス−(メチルアミン);1,3−シクロヘキサン−ビス−(メチルアミン);ジエチレングリコールジ−(アミノプロピル)エーテル;2−メチルペンタメチレン−ジアミン;ジアミノシクロヘキサン;ジエチレントリアミン;トリエチレンテトラミン;テトラエチレンペンタミン;プロピレンジアミン;1,3−ジアミノプロパン;ジメチルアミノプロピルアミン;ジエチルアミノプロピルアミン;イミド−ビス−プロピルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン;トリエタノールアミン;モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン;イソホロンジアミン;4,4’−メチレンビス−(2−クロロアニリン);3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン;3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミン;3,5−ジエチルチオ−2,4−トルエンジアミン;3,5−ジエチルチオ−2,6−トルエンジアミン;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジフェニルメタン及びその誘導体;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン;1,2−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン;N,N’−ジアルキルアミノ−ジフェニルメタン;トリメチレングリコール−ジ−アミノベンゾエート;ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート;4,4’−メチレンビス−(3−クロロ−2,6−ジエチレンアニリン);4,4’−メチレンビス−(2,6−ジエチルアニリン);メタ−フェニレンジアミン;パラ−フェニレンジアミン;シクロヘキシルジメトール;及びこれらの混合である物。1実施例では、アミン−末端硬化剤は4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタンである。
適切な飽和アミン−末端硬化剤は、これに限定されないが、エチレンジアミン;ヘキサメチレンジアミン;1−メチル−2,6−シクロヘキシルジアミン;テトラヒドロキシプロピレンエチレンジアミン;2,2,4−及び2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタン;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−シクロヘキサン;1,2−ビス−(sec−ブチルアミノ)−シクロヘキサン;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタンの誘導体;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン;1,4−シクロヘキサン−ビス−(メチルアミン);1,3−シクロヘキサン−ビス−(メチルアミン);ジエチレングリコールジ−(アミノプロピル)エーテル;2−メチルペンタメチレン−ジアミン;ジアミノシクロヘキサン;ジエチレントリアミン;トリエチレンテトラミン;テトラエチレンペンタミン;プロピレンジアミン;1,3−ジアミノプロパン;ジメチルアミノプロピルアミン;ジエチルアミノプロピルアミン;イミド−ビス−プロピルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン;トリエタノールアミン;モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン;イソホロンジアミン;トリイソプロパノールアミン;及びこれらの混合物である。さらに、上記のポリエーテルアミンのいずれかを、ポリ尿素プレポリマーと反応させる硬化剤として使用することができる。
この発明のゴルフボールのカバー層(複数)はアイオノマーポリマー、好ましくは、高度に中和されたポリマー(「HNP」)から製造できる。好ましい実施例においては、ゴルフボールの少なくとも1つの中間層はHNP材料またはHNP材料のブレンドから製造されて良い。HNPの酸部分は、典型的にはエチレンを塩基にしたアイオノマーであり、好ましくは約70%より多く、より好ましくは約90%より多く、最も好ましくは少なくとも約100%中和されている。HNPも第2のポリマー成分とブレンドすることができ、この成分を、酸基を含む場合は、従来法に従って、本発明の有機脂肪酸(organic fatty acids)によって、又は両者によって中和することができる。第2のポリマー成分は、部分的に又は完全に中和されていてもよく、好ましくはアイオノマーコポリマー及びアイオノマーターポリマー、アイオノマー前駆体、熱可塑性物、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ尿素、熱可塑性エラストマー、ポリブタジエンゴム、バラタ、メタローセンで触媒したポリマー(グラフト化したもの及びグラフト化していないもの)、単一サイトポリマー、高結晶性酸ポリマー、カチオン性アイオノマー、等を含む。HNPポリマーの材料硬度は、典型的には、約20および約80ショアDの間であり、曲げ弾性率は約3,000psiおよび約200,000の間である。
この発明の1実施例では、HNPは、アイオノマーおよび/またはその酸先駆体であり、これは、好ましくは完全にまたは部分的に有機酸コポリマーまたはその塩により中和されている。酸コポリマーは好ましくはα−オレフィン、例えばエチレン、C3−8 α,β−エチレン不飽和カルボン酸、例えばアクリルまたはメタクリル酸コポリマーである。これらはオプションとして軟化モノマー、例えばアルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートを含有してよい。ただし、アクリル基は1から8個の炭素原子を具備する。
酸コポリマーをE/X/Yコポリマーと記載することができ、ここでEはエチレン、Xはα,β−エチレン系不飽和カルボン酸、かつYは柔軟化コモノマーである。好ましい態様では、Xはアクリル酸又はメタクリル酸であり、YはC1−8アルキルアクリレート又はメタクリレートエステルである。Xは好ましくはポリマーの約1〜約35重量%、より好ましくはポリマーの約5〜約30重量%、最も好ましくはポリマーの約10〜約20重量%の量で存在する。Yは好ましくはポリマーの約0〜約50重量%、より好ましくはポリマーの約5〜約25重量%、最も好ましくはポリマーの約10〜約20重量%の量で存在する。
具体的な酸含有エチレンコポリマーは、これに限定されないが、エチレン/アクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/イソ−ブチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/イソ−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n−ブチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルメタクリレート、および、エチレン/アクリル酸/n−ブチルメタクリレートである。好ましい酸含有エチレンコポリマーは、エチレン/メタクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/エチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/エチルアクリレート、および、エチレン/アクリル酸/メチルアクリレートコポリマーである。最も好ましい酸含有エチレンコポリマーは、エチレン/(メタ)アクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/エチルアクリレート、およびエチレン/(メタ)アクリル酸/メチルアクリレートコポリマーである。
アイオノマーは、典型的には、金属カチオン例えばLi、Na、Mg、K、Ca、またはZnにより中和される。十分な有機酸または有機酸の塩を、適切な塩基とともに、酸コポリマーまたはアイオノマーに添加することにより、アイオノマーが、加工性を損なうことなく、金属カチオンに対してよりかなり多くのレベルまで中和される。好ましくは、酸部分は約80%以上中和され、好ましくは90−100%中和され、最も好ましくは100%中和される。ただし、加工性を損なわない。これは、α,β−エチレン系不飽和カルボン酸コポリマーを例えば有機酸または有機酸の塩とともにメルトブレンドし、その後、十分な量のカチオン源を添加してすべての酸部分(酸コポリマーおよび有機酸の酸部分を含む)の中和レベルを90%を越えて(好ましくは100%を越えて)増大させることにより達成される。
この発明の有機酸は、脂肪族、モノ−またはマルチ−官能性(飽和した、不飽和の、又は多不飽和の)有機酸である。これらの有機酸の塩も使用することができる。本発明の有機酸の塩は、バリウム、リチウム、ナトリウム、亜鉛、ビスマス、クロム、コバルト、銅、カリウム、ストロンチウム、チタン、タングステン、マグネシウム、セシウム、鉄、ニッケル、銀、アルミニウム、スズ、又はカルシウムの塩、脂肪酸の塩、特にステアリン酸、ベヘン酸、エルカ酸、オレイン酸、リノール酸又はこれらの二量化した誘導体の塩を含む。本発明の有機酸及び塩は相対的に非移行性(常圧下でポリマーの表面にブルーミングを生じないこと)でありかつ非揮発性(メルトブレンドに必要な温度で蒸発しないこと)であることが好ましい。
この発明のアイオノマーは、また、より慣用的なアイオノマーでよく、すなわち金属カチオンで部分的に中和されても良い。酸コポリマーの酸部分は、カチオン、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、鉛、錫、亜鉛、アルミニウムまたはこれらの混合物により、約1から約100%、好ましくは、少なくとも約40から約100%、より好ましくは、少なくとも約90から約100%中和され、アイオノマーを生成する。
好ましい実施例において、この発明の単一層コアは2つのカバー層に包囲され、内側カバー層の厚さは約0.01インチから約0.06インチ、より好ましくは約0.015インチから約0.040インチ、最も好ましくは約0.02インチから約0.035インチであり、当該内側カバー層は、ショアD硬度が約55より大きく、より好ましくは約60より大きく、最も好ましくは約65より大きな部分的にまたは十分に中和されたアイオノマーから製造される。この実施例において、外側カバー層の厚さは約0.015インチから約0.055インチ、より好ましくは約0.02インチから約0.04インチ、最も好ましくは約0.025インチから約0.035インチであり、しかも、その硬度が約ショアD60以下、より好ましくは約55以下、最も好ましくは約52以下でなければならない。内側カバー層は外側カバー層より硬くする必要がある。この実施例において、外側カバー層は部分的または十分に中和されたアイオノマー、ポリウレタン、ポリ尿素、またはこれらのブレンドを有する。最も好ましい外側カバー層は鋳造可能または反応性射出成型されたポリウレタン、ポリ尿素、またはこれらのハイブリッドであり、そのショアD硬度が約40から約50のものである。最も好ましい内側カバー層材料は、亜鉛、ナトリウム、またはリチウムで中和されたアイオノマーを有する部分的に中和されたアイオノマー、例えば、SURLYN(商標)8940、8945、9910、7930、7940またはこれらのブレンドで、ショアD硬度が約63から約68のものである。
他の多層カバー、単一コアの実施例において、外側カバーおよび内側カバー層の材料および厚さは同一であるけれども、硬度範囲が反転されている。すなわち外側カバー層は内側カバー層より硬い。
代替的な好ましい実施例において、ゴルフボールは、ディンプル表面を具備し、その表面硬度が中心の硬度以上である(すなわち負の硬度勾配)ワンピースゴルフボールである。好ましくは、ワンピースボールの直径は約1.680インチから約1.690インチ、その重量は約1.620オンス、そのAtti圧縮は約40から120、そのCORは約0.750〜約0.825である。
他の実施例において、コアの直径は約1.0インチから約1.64インチ、好ましくは約1.30インチから約1.620インチ、最も好ましくは約1.40インチから約1.60インチであってよい。
他の好ましいカバー材料は鋳造可能、または反応性射出成型可能なポリウレタン、ポリ尿素、またはポリウレタン/ポリ尿素のコポリマーまたはハイブリッドを有する。好ましくは、このカバーは熱硬化性であるけれども、熱可塑性であってもよく、そのショアD硬度は約20から約70、より好ましくは約30から約65、最も好ましくは約35から約60である。水蒸気バリア層、例えば米国特許第6,632,147号、同第6,932,720号、同第7,004,854号、および同第7,182,702号に開示されているものをカバー層およびコアの間にオプションとして採用する。これら特許文献は参照してここに組み入れる。
とくに明言しなくとも、すべての数値範囲、量、値、百分率、例えば材料の量についてのこれら、および明細書中の他のものは、たとえその値、量または範囲に関連して用語「約」が表示されていなくとも、「約」がその前に配置されているように読むことができる。したがって、そうでないと示されていない限り、明細書および特許請求の範囲に表される数のパラメータは近似的であり、これは、この発明により得られることが企図される所望の特性に応じて変化する。最低限でも、もちろん均等論の適用を制約するものではないが、各数のパラメータは記録されている有効数字の数や通常の丸め処理に照らして解釈されるべきである。
この発明の広範な範囲を示す数的範囲およびパラメータは近似的であるけれども、具体例において示された数値は可能な限り正確に記録した。任意の数値は、それでも、それぞれのテスト計測に見いだされる標準偏差に必然的に起因する誤差を含む。さらに、種々のスコープの数値範囲が示される場合には、例示された値を含めた値の任意の組み合わせが利用できると理解されたい。
ここに説明した発明の事例的な実施例はこの発明の好ましい実施例を満たすことは明らかであるが、種々の変更や他の実施例を当業者が想到できることを理解されたい。そのような変更の例は上述した数値の若干の変更を含む。したがって、上述の数値および特許請求の範囲の数値がそのような数値を含み、また上述した、また特許請求の範囲に記載した値に近似され、また非常に接近した値を含む。したがって、特許請求の範囲は、そのような変更や他の実施例をすべてカバーするように意図されており、この発明の精神およびスコープの範囲に入ると理解されたい。
ここに開示され、特許請求の範囲において特定された発明は、ここに開示された具体的な実施例によりその範囲を制約されない。これら実施例はこの発明のいくつかの側面を説明することを意図するだけであるからである。任意の均等な実施例はこの発明の範囲内のものとして意図されている。実際、ここに示され、また説明される変形に加えてこの発明の種々の変形は先の説明から当業者には自明となる。例えば、この発明の組成物は種々の製品に採用できる。そのような変形も特許請求の範囲内のものであることが意図されている。
ここに示した実施例のいずれもいずれの既知のディンプル数およびパターンを伴ってよいけれども、ディンプルの好ましい数は252から456であり、より好ましくは330から392である。ディンプルは先行技術に開示された任意の幅、深さ、およびエッジ角度を伴って良く、パターンは異なる幅、深さおよびエッジ角の複数のディンプルを有してよい。かかるパターンの分離線構造は、直線でも、互い違いの波状の分離線(SWPL:Staggered Wave Parting Line)でもよい。最も好ましくはディンプル数が330、332、または392であり5から7のディンプル寸法を伴い。分離線がSWPLである。
これら実施例のいずれにおいても、単一層コアは2またはそれ以上の層のコアに置き換えてよく、この場合少なくとも1つのコア層が負の硬度勾配を伴う。
作業例における他の事柄、または、とくに明言しなくとも、すべての数値範囲、量、値、百分率、例えば材料の量についてのこれら、および明細書中の他のものは、たとえその値、量または範囲に関連して用語「約」が表示されていなくとも、「約」がその前に配置されているように読むことができる。
したがって、そうでないと示されていない限り、明細書および特許請求の範囲に表される数のパラメータは近似的であり、これは、この発明により得られることが企図される所望の特性に応じて変化する。最低限でも、もちろん均等論の適用を制約するものではないが、各数のパラメータは記録されている有効数字の数や通常の丸め処理に照らして解釈されるべきである。
ここに説明した発明の事例的な実施例はこの発明の好ましい実施例を満たすことは明らかであるが、種々の変更や他の実施例を当業者が想到できることを理解されたい。そのような変更の例は上述した数値の若干の変更を含む。したがって、上述の数値および特許請求の範囲の数値がそのような数値を含み、また上述した、また特許請求の範囲に記載した値に近似され、また非常に接近した値を含む。したがって、特許請求の範囲は、そのような変更や他の実施例をすべてカバーするように意図されており、この発明の精神およびスコープの範囲に入ると理解されたい。

Claims (16)

  1. 単一層コア、およびこの単一層コアの回りに配されたカバー層を有し、
    この単一層コアは実質的に均一な調合から製造され、幾何中心および外側表面を有し、
    上記単一層コアはさらに上記幾何中心の回りに配された内側コア領域と、上記外側表面に隣接する外側コア領域と、上記内側コア領域および上記外側コア領域の間に配され、上記幾何中心から径方向に少なくとも約2mm離れ、上記外側表面から少なくとも約2mm離れた中間コア領域とを有し、
    上記内側コア領域は第1の硬度を有し、上記外側コア領域は第2の硬度を有し、上記中間コア領域は第3の硬度および第4の硬度を有し、上記第3の硬度は上記第1の硬度および上記第2の硬度より小さく、上記第4の硬度は上記第1の硬度および上記第2の硬度より大きく、かつ、上記外側表面の硬度が上記幾何中心の硬度より大きく正の硬度勾配を形成することを特徴とするゴルフボール。
  2. 上記単一層コアの径は約30mmから約42mmである請求項1記載のゴルフボール。
  3. 上記内側コア領域の径は約1mmから約10mmであり、上記外側コア領域の厚さは約0.5mmから約5mmである請求項1記載のゴルフボール。
  4. 上記第3の硬度は上記第4の硬度より約15ショアC以下だけ小さい請求項1記載のゴルフボール。
  5. 上記第1の硬度は約30ショアCから約75ショアCであり、上記第2の硬度は約40ショアCから約85ショアCであり、上記第3の硬度は約40ショアCから約80ショアCであり、上記第4の硬度は約45ショアCから約85ショアCである請求項1記載のゴルフボール。
  6. 上記第1の硬度は約40ショアCから約72ショアCであり、上記第2の硬度は約45ショアCから約83ショアCであり、上記第3の硬度は約45ショアCから約78ショアCであり、上記第4の硬度は約50ショアCから約83ショアCである請求項1記載のゴルフボール。
  7. 上記第3の硬度は上記第4の硬度より約10ショアD以下だけ小さい請求項1記載のゴルフボール。
  8. 上記第1の硬度は約20ショアDから約55ショアDであり、上記第2の硬度は約28ショアDから約65ショアDであり、上記第3の硬度は約25ショアDから約65ショアDであり、上記第4の硬度は約30ショアDから約65ショアDである請求項1記載のゴルフボール。
  9. 上記第1の硬度は約25ショアDから約51ショアDであり、上記第2の硬度は約32ショアDから約63ショアDであり、上記第3の硬度は約29ショアDから約62ショアDであり、上記第4の硬度は約34ショアDから約61ショアDである請求項1記載のゴルフボール。
  10. 上記正の硬度勾配は約+22以下の大きさである請求項1記載のゴルフボール。
  11. 上記単一層コアおよび上記カバー層の間に配された第2のカバー層を少なくとも有する請求項1記載のゴルフボール。
  12. 単一層コア、およびこの単一層コアの回りに配されたカバー層を有し、
    この単一層コアは実質的に均一な調合から製造され、幾何中心および外側表面を有し、
    上記単一層コアはさらに上記幾何中心の回りに配された内側コア領域と、上記外側表面に隣接する外側コア領域と、上記内側コア領域および上記外側コア領域の間に配され、上記幾何中心から径方向に少なくとも約4mm離れ、上記外側表面から少なくとも約4mm離れた中間コア領域とを有し、
    上記内側コア領域は第1の硬度を有し、上記外側コア領域は第2の硬度を有し、上記中間コア領域は第3の硬度および第4の硬度を有し、上記第3の硬度は上記第1の硬度および上記第2の硬度より小さく、上記第4の硬度は上記第1の硬度および上記第2の硬度より大きく、かつ、上記第3の硬度は上記第4の硬度より約10ショアC以下だけ小さく、
    上記外側表面の硬度が上記幾何中心の硬度より大きく正の硬度勾配を形成することを特徴とするゴルフボール。
  13. 単一層コア、およびこの単一層コアの回りに配されたカバー層を有し、
    この単一層コアは実質的に均一な調合から製造され、幾何中心および外側表面を有し、
    上記単一層コアはさらに上記幾何中心の回りに配された内側コア領域と、上記外側表面に隣接する外側コア領域と、上記内側コア領域および上記外側コア領域の間に配され、上記幾何中心から径方向に少なくとも約4mm離れ、上記外側表面から少なくとも約4mm離れた中間コア領域とを有し、
    上記内側コア領域は約32ショアCから約76ショアCの第1の硬度を有し、上記外側コア領域は約42ショアCから約88ショアCの第2の硬度を有し、上記中間コア領域は約40ショアCから約82ショアCの第3の硬度および約48ショアCから約88ショアCの第4の硬度を有し、
    上記外側表面の硬度が上記幾何中心の硬度より大きく約+18以下の大きさの正の硬度勾配を形成することを特徴とするゴルフボール。
  14. 単一層コア、およびこの単一層コアの回りに配されたカバー層を有し、
    この単一層コアは実質的に均一な調合から製造され、幾何中心および外側表面を有し、
    上記単一層コアはさらに上記幾何中心の回りに配された内側コア領域と、上記外側表面に隣接する外側コア領域と、上記内側コア領域および上記外側コア領域の間に配され、上記幾何中心から径方向に少なくとも約2mm離れ、上記外側表面から少なくとも約2mm離れた中間コア領域とを有し、
    上記内側コア領域は第1の硬度を有し、上記外側コア領域は第2の硬度を有し、上記中間コア領域は第3の硬度および第4の硬度を有し、上記第3の硬度は上記第1の硬度および上記第2の硬度より小さく、上記第4の硬度は上記第1の硬度および上記第2の硬度より大きく、かつ、上記第3の硬度は上記第4の硬度より約7ショアD以下だけ小さく、
    上記外側表面の硬度が上記幾何中心の硬度より大きく正の硬度勾配を形成することを特徴とするゴルフボール。
  15. 単一層コア、およびこの単一層コアの回りに配されたカバー層を有し、
    この単一層コアは実質的に均一な調合から製造され、幾何中心および外側表面を有し、
    上記単一層コアはさらに上記幾何中心の回りに配された内側コア領域と、上記外側表面に隣接する外側コア領域と、上記内側コア領域および上記外側コア領域の間に配され、上記幾何中心から径方向に少なくとも約4mm離れ、上記外側表面から少なくとも約4mm離れた中間コア領域とを有し、
    上記内側コア領域は約23ショアDから約58ショアDの第1の硬度を有し、上記外側コア領域は約32ショアDから約66ショアDの第2の硬度を有し、上記中間コア領域は約28ショアDから約63ショアDの第3の硬度および約34ショアDから約68ショアDの第4の硬度を有し、
    上記外側表面の硬度が上記幾何中心の硬度より大きく約+25以下の大きさの正の硬度勾配を形成することを特徴とするゴルフボール。
  16. 単一層コア、およびこの単一層コアの回りに配されたカバー層を有し、
    この単一層コアは実質的に均一な調合から製造され、幾何中心および外側表面を有し、
    上記単一層コアはさらに上記幾何中心の回りに配された内側コア領域と、上記外側表面に隣接する外側コア領域と、上記内側コア領域および上記外側コア領域の間に配され、上記幾何中心から径方向に少なくとも約2mm離れ、上記外側表面から少なくとも約2mm離れた中間コア領域とを有し、
    上記内側コア領域は第1の硬度(IC1h)を有し、上記外側コア領域は第2の硬度(OC2h)を有し、上記中間コア領域は第3の硬度(IMC3h)および第4の硬度(IMC4h)を有し、(IMC3h)<(IC1h)、かつ(IMC3h)<(OC2h)、かつ(IMC4h)>(IC1h)、かつ(IMC4h)>(OC2h)となるようになし、かつ、上記外側表面が硬度(OS)を有し、上記幾何中心が硬度(GC)を有し、(OS)>(GC)で正の硬度勾配を形成するようになすことを特徴とするゴルフボール。
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