以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る遊技機をパチンコ遊技機に適用した場合における遊技盤の第1実施形態を示す正面図である。
本実施形態の遊技盤10は、ガイドレール11で囲まれた略円形状の遊技領域12を前面に有しており、遊技領域12のほぼ中央には、一対の演出図柄表示装置21A,21Bを備えたセンターケース20が配置されている。演出図柄表示装置21A,21Bはセンターケース20に設けられた凹部に取り付けられている。すなわち、センターケース20は演出図柄表示装置21A,21Bの周囲を囲い、遊技盤10の表面よりも前方へ突出するように形成されている。
演出図柄表示装置21A,21Bは、例えばセグメント型あるいはドットマトリックス型の液晶表示器等で構成されており、文字や数字、アルファベットなどの識別情報(図柄)やキャラクタを表示することができる。演出図柄表示装置21A,21Bにおいては、識別情報として割り当てられた図柄を変動表示(可変表示)して変動表示ゲームが行われ、停止した際にその停止図柄が所定の態様(例えば、「3,3」や「7,7」)になるといわゆる当りの状態が発生するように構成されている。
センターケース20の下方には、上記演出図柄表示装置21A,21Bの変動開始条件を与える始動入賞口13が配置されている。また、この始動入賞口13の下方には、通常は閉状態にされて遊技球を受け入れ不能で内部に第2の始動入賞口を有する左右に開閉可能な普通変動入賞装置14が配設されている。さらに、普通変動入賞装置14の右方には第2の演出図柄表示装置15が、また普通変動入賞装置14の下方には第2の演出図柄表示装置15における変動結果に応じて前後に開閉して遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能で内部に第3の始動入賞口を有する第2の変動入賞装置16がそれぞれ配設されている。
センターケース20の左方には、通常は閉状態にされて遊技球を受け入れ不能で内部に第4の始動入賞口を有する左右に開閉可能な第3普通変動入賞装置17が配設され、普通変動入賞装置14の左方には、通常は閉状態にされて遊技球を受け入れ不能で左右に開閉可能な第4普通変動入賞装置18が配設されている。また、第3普通変動入賞装置17の上方には一般入賞口51が、第4普通変動入賞装置18の上方には一般入賞口52が、第4普通変動入賞装置18の左方には一般入賞口53が、さらにセンターケース20の右方には一般入賞口54が、普通変動入賞装置14の右方には一般入賞口55,56が、それぞれ配置されている。また、遊技領域12の外側、遊技盤10の右下隅には上記演出図柄表示装置21A,21Bにおける変動表示ゲームや第2演出図柄表示装置15における変動表示ゲームに対応した変動表示ゲーム、および第2普通変動入賞装置17への入賞をトリガとする変動表示ゲーム、第3普通変動入賞装置18への入賞をトリガとする変動表示ゲーム等を一箇所で実行する一括表示装置30が設けられている。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域12に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域12内の各所に配置された障害釘41や風車42等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域12を流下し、一般入賞口51〜56、始動入賞口13、普通変動入賞装置14,17,18、又は変動入賞装置16に入賞するか、遊技領域12の最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域12から遊技盤10の背部へ排出される。
始動入賞口13、普通変動入賞装置14,17,18、又は変動入賞装置16へ入賞した遊技球は、内部に設けられている検出センサ(スイッチ)によって検出される。遊技球の入賞によって検出された信号は、遊技制御装置200(図3参照)のRAM内の記憶領域に始動入賞記憶としてそれぞれ所定回数(例えば4回)を限度に記憶される。そして、この始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置30の始動入賞記憶数表示部に表示される。
また、遊技制御装置200は、始動入賞記憶に基づいて、一括表示装置30にて変動表示ゲームを行う。また、この変動表示ゲームと並行して、演出制御装置130が、遊技制御装置200からのコマンドに基づいて、演出図柄表示装置21A,21Bや演出図柄表示装置15において飾り変動表示ゲーム(以下特に断らない限りこれを変動表示ゲームと称する)を行う。なお、各変動表示ゲームの結果としての当りまたは外れの判定は、各始動入賞口への遊技球の入賞が検出された際に抽出される乱数値に基づいて行なわれる。
ここで、図2〜図4を用いて、上記一括表示装置30の詳細な構成と表示内容について説明する。一括表示装置30は、図2に示すように、セグメント型の液晶表示器等で構成された変動表示ゲーム用の第1表示部(普図1表示器)31および第2表示部(普図2表示器)32と、各々上下2つのLEDランプで構成された変動表示ゲーム用の第3表示部(普図3表示器)33および第4表示部(普図4表示器)34と、同じく上下2つのLEDランプで構成された始動記憶数報知用の保留表示部35A,35B,35C,35D,35Eと、上下2つのLEDランプで構成されたエラー報知用の表示部36とを備える。
上記表示部のうち第1表示部(普図1表示器)31は、例えば図3(A)に示すように、変動表示ゲームの実行中すなわち演出図柄表示装置21A,21Bにおいて変動表示を行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは「3」または「7」の数字を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
また、第2表示部(普図2表示器)32は、例えば図3(B)に示すように、変動表示ゲームの実行中すなわち第2の演出図柄表示装置15において変動表示を行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは「7」の数字を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
一方、1組のランプからなる第3表示部(普図3表示器)33は、変動中は上と下のランプ1および2を交互に点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えば図4(A)のように、上のランプ1を消灯状態、下のランプ2を点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは上のランプ1を点灯状態、下のランプ2を消灯状態にしてゲーム結果を表示する。同様に、第4表示部(普図4表示器)34は、変動中は上と下のランプ1および2を交互に点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えば図4(B)のように、上のランプ1を消灯状態、下のランプ2を点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは上のランプ1を点灯状態、下のランプ2を消灯状態にしてゲーム結果を表示する。
保留表示部35Aと35B(普図1保留表示器)は、2組で第1表示部(普図1表示器)31の変動開始条件となる始動入賞口(13)への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、例えば図4(C)に示すように、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
1組のランプからなる保留表示部35C(普図2保留表示器)は、第2表示部(普図2表示器)32の変動開始条件となる始動入賞口(14)の始動記憶数(=保留数)を表示する。具体的には、例えば図4(D)に示すように、保留数が「0」のときは2つのランプを消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
1組のランプからなる保留表示部35D(普図3保留表示器)は、第3表示部(普図3表示器)33の変動開始条件となる始動入賞口(16)の始動記憶数(=保留数)を、保留表示部35C(普図2保留表示器)と同様にして表示する。保留表示部35E(普図4保留表示器)は、第4表示部(普図4表示器)34の変動開始条件となる始動入賞口(17)の始動記憶数(=保留数)を、保留表示部35C(普図2保留表示器)と同様にして表示する。
エラー表示部36は、エラーが検出されていない場合には、例えば図4(E)に示すように、2つのランプを消灯状態にし、不正エラーが検出された場合にはランプ1のみを点灯状態にする。なお、不正エラーは、遊技機に設けられている磁気センサ(図5参照)により不正な磁気が検出された場合に表示するものである。また、枠開放センサ(図5参照)により遊技機前面の枠が開放されていることが検出された場合にはランプ2のみを点灯状態にする。
次に、上記のような構成を有する遊技盤10を備えた遊技機に設けられる制御システムについて、図5を用いて説明する。図5に示すように、この実施形態における遊技機の制御系は、一括表示装置30において行われる変動表示ゲームを統括的に制御する遊技制御手段としての遊技制御装置200と、この遊技制御装置200からの排出制御指令に基づいて球払出装置を制御して賞球等の払出を行う払出制御装置120と、遊技制御装置200からの演出制御指令に基づき演出図柄表示装置21A,21B又は第2の演出図柄表示装置15における変動表示ゲームの演出の制御を行う演出制御手段としての演出制御装置130とを備えている。
遊技制御装置200は、CPU231やROM232、RAM233などを有する遊技用ワンチップマイコン230を備えるとともに、入力インタフェース(入力I/F)241、出力インタフェース(出力I/F)242、外部通信端子243等により構成されている。
遊技用ワンチップマイコン230は、内部のCPU231が制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、各変動表示部で実行される変動表示ゲームの当り判定用乱数や当りの図柄を決定するための当り図柄用乱数、変動表示ゲームでの変動パターンを決定するための変動パターン乱数などの各種乱数値も生成している。
遊技用ワンチップマイコン230の内部のRAM233には、遊技領域の入賞口や入賞装置に設けられた検出スイッチのオン信号などを記憶する記憶領域や、前記各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU231の作業領域等を備えている。遊技用ワンチップマイコン230の内部のROM232には、遊技用の制御プログラムや制御データが格納されている他、上述の各種乱数値に対応して、各変動表示ゲームの当り発生を判定するための当り判定値、当りの図柄を決定するための当り図柄判定値、変動パターンを決定するための変動パターン判定値などが記憶されている。また、各種変動表示ゲームの当り判定値、各種変動表示ゲームの変動パターン(変動態様)も記憶されている。
また、入力インタフェース241には、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、始動入賞口13内に設けられている入賞球検出スイッチ(普図1作動SW)13a、普通変動入賞装置(普電1)14内に設けられている入賞球検出スイッチ(普図2作動SW)14a、変動入賞装置(普電2)16内に設けられている入賞球検出スイッチ(普図3作動SW)16a、普通変動入賞装置(普電3)17内に設けられている入賞球検出スイッチ(普図4作動SW)17a、普通変動入賞装置(普電4)18内に設けられている入賞球検出スイッチ(普電4カウントSW)18a、一般入賞口51〜56内に設けられている入賞球検出スイッチ51a,…56a、遊技機の前面枠に設けられ遊技領域前面を閉鎖するガラス枠の開放状態を検出するガラス枠開放スイッチ61、遊技機の前面枠の開放状態を検出する遊技機枠開放スイッチ62、球払出装置により排出される遊技球を貯留するタンク内の球の有無を検出する球切れスイッチ63、磁気を検出する磁気センサ64などが接続されている。そして、入力インタフェース241は、これらのスイッチやセンサから入力された各種信号を中継し、遊技用ワンチップマイコン230に対し供給する。
また、遊技用ワンチップマイコン230から出力される各種の制御信号や駆動信号は出力インタフェース242から、図示しない出力ポート及びドライバを介して、一括表示装置30の各種表示器31〜34,35A〜35E,36や普通変動入賞装置14の開閉ソレノイド(普電1SOL)14b、変動入賞装置16の開閉ソレノイド(普電2SOL)16b、普通変動入賞装置17の開閉ソレノイド(普電3SOL)17b、普通変動入賞装置18の開閉ソレノイド(普電4SOL)18b、遊技機外部の管理装置などへ情報を出力するための信号が外部情報端子70へ出力される。さらに、演出制御装置130に対して遊技用ワンチップマイコン230から出力される信号も出力インタフェース242を介して出力される。243はテスト用の外部通信端子である。
演出制御装置130は、演算処理用CPU131、ROM132、RAM133等を備えるとともに、通信インタフェース(通信I/F)134、入出力インタフェース(入出力I/F)135を備えている。また、画像や映像データが記憶された画像ROM136、CPU131に代わって画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)137、音声データが記憶された音ROM138、音の出力を制御する音LSI139を備えている。
この演出制御装置130は、通信インタフェース134を介して遊技制御装置200から受信した各種信号や演出制御データ(各種コマンドなど)に基づいて遊技の演出のための制御を行う。具体的には、CPU131から出力される各種の制御信号が入出力インタフェース135を介して図示しない出力ポート及びドライバへ供給され、センターケース20の演出図柄表示器21A,21Bや第2の演出図柄表示器15、前面枠の装飾装置やセンターケース20に設けられる状態報知ランプ等に内蔵される各種LED基板71、スピーカ72が駆動される。
また、遊技制御装置200、排出制御装置120および演出制御装置130には、電源供給装置(図示略)から電力が供給されるようになっており、電源供給装置には、停電時等の外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源が設けられ、停電時等に各制御装置の揮発性メモリに保存されたデータの消失を防止するようになっている。
次に、第1の実施形態の遊技盤10を備えた遊技機における遊技制御装置200による遊技制御の一例について説明する。
図6は、始動入賞口(13)に遊技球が入賞することにより開始される第1表示部(普図1表示器)31での変動表示ゲームから普通変動入賞装置17(普電4)が開放されるまでの一連の連動動作の流れが示されている。
始動入賞口(13)に遊技球が入賞すると、第1表示部(普図1表示器)31での変動表示ゲームが開始される。また、このとき演出図柄表示器21A,21Bにおいても並行して変動表示ゲームが実行される。第1表示部(普図1表示器)31での変動表示ゲームと演出図柄表示器21A,21Bでの変動表示ゲームの結果は同じであり、この変動表示ゲーム(普図1変動表示ゲーム)の結果が「当り」の場合には、普通変動入賞装置(普電1)14の入賞口が開放される。
なお、普図1変動表示ゲームで当りが発生する確率は、例えば図7に示されているように、1/26すなわち平均すると26回のゲームで1回の当りが発生するように設定されている。また、普通変動入賞装置(普電1)14の開放時間は、図7に示されているように、「当り1」(「3」の停止)の場合は1900ms、「当り2」(「7」の停止)の場合は5700msに設定されている。そして、普通変動入賞装置(普電1)14の入賞球は最大4個を上限として記憶される。
普図1変動表示ゲームの結果が「はずれ」の場合には、始動入賞口(13)への入賞記憶(保留数)の有無に応じてその後の動作が分かれる。すなわち、始動入賞記憶(保留)がないときは次に始動入賞が発生するのを待ち、始動入賞記憶(保留)があるときは、所定時間後に再度普図1変動表示ゲームが実行される(図6符号A)。
普図1変動表示ゲームの結果が「当り」で普通変動入賞装置(普電1)14の入賞口が開放されることにより、入賞球が発生すると第2表示部(普図2表示器)32での変動表示ゲームが開始される。また、このとき第2演出図柄表示器15においても並行して変動表示ゲームが実行される。普通変動入賞装置(普電1)14の開放があっても入賞が発生しなかった場合には、始動入賞口(13)への入賞記憶(保留)の有無に応じてその後の動作が分かれる。すなわち、始動入賞記憶(保留)がないときは次に始動入賞が発生するのを待ち、始動入賞記憶(保留)があるときは、所定時間後に再度普図1変動表示ゲームが実行される(図6符号A)。
第2表示部(普図2表示器)32での変動表示ゲームと第2演出図柄表示器15での変動表示ゲームの結果は同じであり、この変動表示ゲーム(普図2変動表示ゲーム)の結果が「当り」の場合には、変動入賞装置(普電2)16の入賞口が開放される。なお、普図2変動表示ゲームで当りが発生する確率は、図7に示されているように、1/15に設定されている。また、普通変動入賞装置(普電2)16の開放時間は、5700msに設定されている。そして、変動入賞装置(普電2)16の入賞球は最大4個を上限として記憶される。
普図2変動表示ゲームの結果が「はずれ」の場合には、始動入賞口(13)と普電1への入賞記憶(保留)の有無に応じてその後の動作が分かれる。普電1の始動入賞記憶(保留)があるときは、所定時間後に再度普図2変動表示ゲームが実行される(図6符号B)。また、普電1の始動入賞記憶(保留)はないが始動入賞口(13)の始動入賞記憶(保留)があるときは、所定時間後に普図1変動表示ゲームが実行される(図6符号A)。また、始動入賞口(13)と普電1の入賞記憶(保留)がないときは次に始動入賞が発生するのを待つ。
普図2変動表示ゲームの結果が「当り」で変動入賞装置(普電2)16の入賞口が開放されることにより、入賞球が発生すると第3表示部(普図3表示器)33での変動表示ゲームが開始される。変動入賞装置(普電2)16の開放があっても入賞が発生しなかった場合には、始動入賞口(13)と普電1への入賞記憶(保留)の有無に応じてその後の動作が分かれる。普電1の始動入賞記憶(保留)があるときは、所定時間後に再度普図2変動表示ゲームが実行される(図6符号B)。また、普電1の始動入賞記憶(保留)はないが始動入賞口(13)の始動入賞記憶(保留)があるときは、所定時間後に普図1変動表示ゲームが実行される(図6符号A)。また、始動入賞口(13)と普電1の入賞記憶(保留)がないときは次に始動入賞が発生するのを待つこととなる。
変動入賞装置(普電2)16の入賞口が開放され、入賞球が発生すると第3表示部(普図3表示器)33での変動表示ゲーム(普図3変動表示ゲーム)が開始される。そして、この普図3変動表示ゲームの結果が「当り」の場合には、普通変動入賞装置(普電3)17の入賞口が開放される。なお、普図3変動表示ゲームで当りが発生する確率は、図7に示されているように、996/997(約99.9%)に設定されている。つまり、ほとんどの場合、当りとなり、普図2変動表示ゲームの結果が「当り」の場合には、普通変動入賞装置(普電3)17の開放が連動して実行されることが多くなる。また、このときの普通変動入賞装置(普電3)17の開放時間は、5700msに設定されている。そして、普通変動入賞装置(普電3)17の入賞球は最大4個を上限として記憶される。
普図3変動表示ゲームの結果が「はずれ」の場合には、始動入賞口(13)と普電1と普電2への入賞記憶(保留)の有無に応じてその後の動作が分かれる。普電2の始動入賞記憶(保留)があるときは、所定時間後に再度普図3変動表示ゲームが実行される(図6符号C)。また、普電2の始動入賞記憶(保留)はないが普電1の始動入賞記憶(保留)があるときは、所定時間後に普図2変動表示ゲームが実行される(図6符号B)。さらに、普電1と普電2の始動入賞記憶(保留)はないが始動入賞口(13)の始動入賞記憶(保留)があるときは、所定時間後に普図1変動表示ゲームが実行される(図6符号A)。また、始動入賞口(13)と普電1と普電2の入賞記憶(保留)がないときは次に始動入賞が発生するのを待つこととなる。
普通変動入賞装置(普電3)17の入賞口が開放され、入賞球が発生すると第4表示部(普図4表示器)34での変動表示ゲーム(普図4変動表示ゲーム)が開始される。そして、この普図4変動表示ゲームの結果が「当り」の場合には、普通変動入賞装置(普電4)18の入賞口が開放される。なお、普図4変動表示ゲームで当りが発生する確率は、図7に示されているように、996/997(約99.9%)に設定されている。つまり、ほとんどの場合、当りとなり、普図4変動表示ゲームの結果が「当り」の場合には、普通変動入賞装置(普電4)18の開放が連動して実行されることが多くなる。また、このときの普通変動入賞装置(普電4)18の開放時間は、5700msに設定されている。そして、普通変動入賞装置(普電4)18の入賞球は最大4個を上限として記憶される。
普図4変動表示ゲームの結果が「はずれ」の場合には、始動入賞口(13)と普電1と普電2と普電3への入賞記憶(保留)の有無に応じてその後の動作が分かれる。普電3の始動入賞記憶(保留)があるときは、所定時間後に再度普図4変動表示ゲームが実行される(図6符号D)。普電3の始動入賞記憶(保留)はないが普電2の始動入賞記憶(保留)があるときは、所定時間後に普図3変動表示ゲームが実行される(図6符号C)。また、普電2と普電3の始動入賞記憶(保留)はないが普電1の始動入賞記憶(保留)があるときは、所定時間後に普図2変動表示ゲームが実行される(図6符号B)。さらに、普電1と普電2と普電3の始動入賞記憶(保留)はないが始動入賞口(13)の始動入賞記憶(保留)があるときは、所定時間後に普図1変動表示ゲームが実行される(図6符号A)。また、始動入賞口(13)と普電1と普電2と普電3の入賞記憶(保留)がないときは次に始動入賞が発生するのを待つこととなる。
普通変動入賞装置(普電4)18の入賞口が開放され、入賞球が発生すると球払出装置によって所定数の遊技球が賞品球として払い出される。上述した変動入賞装置(普電1)14の開放による入賞球の発生、変動入賞装置(普電2)16の開放による入賞球の発生、普通変動入賞装置(普電3)17の開放による入賞球の発生に対しても、同様に賞品球の払い出し行われる。普通変動入賞装置(普電4)18の開放が終了した場合、始動入賞口(13)と普電1と普電2と普電3への入賞記憶(保留)の有無に応じてその後の動作が分かれる。すなわち、普電3の始動入賞記憶(保留)があるときは、所定時間後に再度普図4変動表示ゲームが実行される(図6符号D)。
また、普電3の始動入賞記憶(保留)はないが普電2の始動入賞記憶(保留)があるときは、所定時間後に普図3変動表示ゲームが実行される(図6符号C)。また、普電2と普電3の始動入賞記憶(保留)はないが普電1の始動入賞記憶(保留)があるときは、所定時間後に普図2変動表示ゲームが実行される(図6符号B)。さらに、普電1と普電2と普電3の始動入賞記憶(保留)はないが始動入賞口(13)の始動入賞記憶(保留)があるときは、所定時間後に普図1変動表示ゲームが実行される(図6符号A)。また、始動入賞口(13)と普電1と普電2と普電3の入賞記憶(保留)がないときは次に始動入賞が発生するのを待つこととなる。
なお、図6はすべての動作順序を示したものではない。各普図変動表示ゲームの実行時間や普図の変動停止時間(インターバル)、変動入賞装置(普電)の開放時間が、図7のテーブルのように設定されていることによって、普図1から普図4まですべての変動表示ゲームで当りが発生して、図6の上から下まですべて事象が連続して進行する場合でも、所定の時間が経過しかつ保留があったとすると、複数の事象が並行して進行する。例えば、普電3の開放中や普電4の開放中に普図1や普図2の変動開始タイミングが来ると、普図3や普図4の入賞記憶(保留)があったとしても、普図1や普図2の変動表示ゲームが開始される。
ただし、普図1や普図2の変動表示ゲームをそのまま実行してしまうと、普図3や普図4の入賞記憶(保留)が消化される前に、次の当りが発生し、遊技者に損をしたような感情を持たせてしまうことになる。そこで、この実施形態では、普電3の開放中や普電4の開放中は普図1や普図2、普図3の変動表示ゲームの経過時間の計時を停止する(変動は継続)ようにしている。また、所定の条件が成立した時は、普図1や普図2の変動パターンの選択テーブルを切り換えて変動時間を変えるようにしている。
具体的には、普図1から普図4まですべての変動表示ゲームで当りが発生して、図6の上から下まですべて事象が連続して進行するような場合には、普図2の変動表示ゲームに関しては、時間の短い変動パターンを含むテーブル3(図8(C)参照)から時間の長い変動パターンを含むテーブル4(図8(D)参照)に切り換えて、普図2の変動表示ゲームで次の当りが発生するのを遅らせる。
なお、図8のテーブルは、普図1と普図2の各変動表示ゲームの開始条件となる始動入賞が発生した際に抽選処理により取得した当り判定用の乱数がはずれであった場合に、同様に取得した変動パターン判定用の乱数により変動パターンを決定する際に用いられるデータテーブルである。図8(C)と図8(D)のテーブルを比較すると、各テーブルの対応する欄の時間値は、(D)が(C)の2倍になっていることから、テーブル4を使用して変動パターンを決定すると、テーブル3を使用して変動パターンを決定する場合よりも平均して約2倍の変動時間になることが分かる。なお、図示しないが、当り判定用の乱数が当りであった場合に変動パターンを決定するのに用いられるテーブルは別途用意されている。
一方、普図2の当りから普電4の開放までの一連の連動動作が後半になると、普図1に関しては、時間の長い変動パターンを含むテーブル1(図8(A)参照)から時間の短い変動パターンを含むテーブル2(図8(B)参照)に切り換えて普図1の変動表示ゲームで次の当りが発生するのを早める。これとともに、普図2に関しても、時間の長い変動パターンを含むテーブル4から時間の短い変動パターンを含むテーブル3に切り換えて、普図2の変動表示ゲームで次の当りが発生するのを早めるようにしている。図8(A)と図8(B)のテーブルを比較すると、各テーブルの対応する欄の時間値は、(B)が(A)の1/15〜1/17になっていることから、テーブル2を使用して変動パターンを決定すると、テーブル1を使用して変動パターンを決定する場合よりも平均して1/15〜1/17の短い変動時間になることが分かる。
次に、本実施形態の遊技機において、始動入賞口(13)へ遊技球が入賞して普図1変動表示ゲームが実行され当りが発生し、普通変動入賞装置(普電1)14が開成されて入賞が発生して普図2変動表示ゲームが実行され、普図2−普図3−普図4と次々と当りが発生する特殊な場合における各始動検出スイッチ(普図作動SW)の信号の状態、普図変動表示器および普通変動入賞装置(普電)の動作の仕方を、図9のタイミングチャートを用いて説明する。
始動入賞口(13)へ遊技球が入賞した場合、普図1表示器31で変動表示ゲームが開始される(タイミングt1)。そして、その普図1表示器31における変動表示ゲームが当りである場合は、所定時間後に普通変動入賞装置(普電1)14が開成される(タイミングt2)。この普電1の開成中に最大4個の有効な始動入賞球が発生可能であり、それが記憶されて、最初の始動記憶に基づいて、所定時間後に普図2表示器32での変動表示ゲームが開始される(タイミングt3)。そして、その普図2表示器32における変動表示ゲームが当りである場合は、所定時間後に変動入賞装置(普電2)16が開成される(タイミングt4)。この普電2の開成中に最大4個の有効な始動入賞球が発生可能であり、それが記憶されて、最初の始動記憶に基づいて、所定時間後に普図3表示器33での変動表示ゲームが開始される。(タイミングt5)。
そして、その普図3表示器33における変動表示ゲームが当りである場合は、所定時間後に普図変動入賞装置(普電3)17が開成される(タイミングt6)。この普電3の開成中に最大4個の有効な始動入賞球が発生可能であり、それが記憶されて、最初の始動記憶に基づいて、所定時間後に普図4表示器34での変動表示ゲームが開始される(タイミングt7)。そして、その普図4表示器34における変動表示ゲームが当りである場合は、所定時間後に変動入賞装置(普電4)18が開成される(タイミングt8)。
前述したように、本実施形態の遊技機においては、いずれかの変動入賞装置が開成されるとその間普図変動表示器における変動表示ゲームの経過時間の計時を停止する(変動は継続)ようにしている。図9には、変動入賞装置(普電2)16が開成されている間(t4−t5)と、変動入賞装置(普電3)17が開成されている間(t6−t7)と、変動入賞装置(普電4)18が開成されている間(t8−t9,t10−t11)は、普図1表示器31における変動表示ゲームの計時が停止される様子が示されている。同様に、変動入賞装置(普電3)17が開成されている間(t6−t7)と、変動入賞装置(普電4)18が開成されている間(t8−t9,t10−t11……)は、普図2表示器32における変動表示ゲームの計時が停止され、変動入賞装置(普電4)18が開成されている間(t8−t9,t10−t11……)は、普図3表示器33における変動表示ゲームの計時が停止される様子が示されている。
このように本実施形態の遊技機においては、いずれかの変動入賞装置が開成されているときは各変動表示ゲームの計時を停止することで、複数の変動入賞装置の開成期間が重なるのを回避するようにしている。これにより、各変動入賞装置への入賞で発生する始動記憶(保留)がどんどん消化されてしまい、結果として変動入賞装置(普電4)18が開成される回数が減少するのを回避することができる。また、普図4表示器34の変動時間は、図7のテーブルに示されているように、普図3表示器33の変動時間の1/4以下に設定されているため、普図4の始動記憶(最大4個)を消化してから普図3表示器33の次の変動表示ゲームが開始されるようになり、変動入賞装置(普電4)18の開成回数を多くすることができる。
したがって、複数の変動入賞装置の開成期間が重なるのを回避する制御と、普図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを選択するためのテーブルを時間の短いテーブル3から時間の長いテーブル4に切り換えて、普図2の変動表示ゲームで次の当りが発生することを遅らせる制御と、を合わせることによって、各変動入賞装置への入賞で発生する始動記憶(保留)がどんどん消化されてしまうことを効果的に回避することができる。 図10には、普図2の当りから普電4の開放までの一連の連動動作の後半(例えば普図3の始動記憶が「2」以下になったような場合)において、普図1の変動パターンを決定するテーブルが、図8の(A)から(B)へ切り換えられた場合の動作タイミングが示されている。なお、この実施形態の遊技機においては、普図1の変動パターンテーブルが図8の(A)から(B)へ切り換えられる際に、普図2の変動パターンテーブルが図8の(D)から(C)へ切り換えられて、普図2の変動時間も短くされるようになっている。
普図1の変動パターンテーブルが図8の(A)から(B)へ切り換えられると、普図1の変動時間は普図4の変動時間の700ms(図7参照)と同一もしくはそれ以下となる。そのため、図10に示すように、始動入賞口(13)への入賞球を検出するスイッチ(普図1作動SW)で発生した検出信号により、普図1表示器31における変動表示ゲームは次々と実行されて行く。これにより、普図1の始動記憶がオーバーフローを起こしにくくなり、普図1の当りの発生頻度が高くなるとともに、普図2の変動時間も短くされるため、普図2の当りによる普電4の開放までの一連の連動動作が発生する頻度が高くなる。
なお、図9の説明のところでは、いずれかの変動入賞装置が開成されているときは各変動表示ゲームの計時を停止することで、複数の変動入賞装置の開成期間が重なるのを回避するようにしていると説明したが、例外として2つの変動入賞装置の開成タイミングが一致した場合には、同時に開成されるようにしている。図10には、その一例として普電1と普電4の開成期間が重なった場合の様子も示されている(期間T1)。
また、普図2の変動パターンテーブルも図8の(D)から(C)へ切り換えられて、普図2の変動時間も連動動作の前半よりも短くなるようにはなるが、普図4の変動時間よりも長くなるようにしている。そのため、いずれかの変動入賞装置が開成されるとその間普図2表示器32における変動表示ゲームの経過時間の計時を停止する(変動は継続)制御も度々発生し、普図1の変動時間が短くなって普電1の開放頻度が高くなると、普図2の始動記憶がオーバーフローを起こしやすくなる。さらに、この普図1の変動パターンテーブルと普図2の変動パターンテーブルの切り換えは、普図2の当りによる普電4の開放までの一連の連動動作の終了後、所定条件が成立するまで継続されるため、その連動動作の終了後も普図2の始動記憶がオーバーフローを起こしやすくなる。このようにオーバーフローが発生すると新たな始動記憶としては記憶されないが、遊技球が賞品球として払い出されるため、遊技者の保有する遊技球が減少することを抑制しつつ、遊技を実行させることができるようになる。したがって、普図1と普図2の変動パターンテーブルを切り換えることで、遊技者の保有する遊技球のベースを高めに維持することができるとともに、普図2の変動表示ゲームにおいて当りが発生する頻度が極端に高くなることを抑制することができるため、遊技者と遊技店の利益のバランスが取れた遊技機とすることができる。
また、図8には示されていないが、上記のような場合には、普図2の変動パターンテーブルとして、図8(C)よりもずっと短い例えば図8(B)に近いテーブルを用意しておいて、そのテーブルへ切り換えて普図2の変動時間をさらに短くするように制御しても良い。
次に、上述したようなタイミングに従った動作を実現するため、遊技制御装置200の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコンと称する)230によって実行される遊技制御について説明する。遊技用マイコン230による制御処理は、主に図11および図12に示すメイン処理と、所定時間ごと(例えば、2msecごと)に行われる図13に示すタイマ割込み処理とからなる。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図11に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行なってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS5,S6)。その後、電源装置160内のバックアップ用メモリのクリアスイッチがオンしているか否か判定する(ステップS7)。ここで、クリアスイッチがオフであれば、ステップS8で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かおよびチェックサムと呼ばれるデータの正常/異常を調べるためのコードを検査する(ステップS9,S10)。
ステップS9で停電復旧であると判定しステップS10でチェックサムが正常と判定した場合は、ステップS11で、読出し書込み可能なRWMに停電復旧時の初期値を設定してから、遊技枠の状態に係るデータを記憶しているメモリ領域をクリアし、他の制御装置へ停電復旧コマンドを送信する処理(ステップS12,S13)を行なって、図12のステップS17へ移行する。一方、ステップS9で停電復旧でないと判定またはステップS10でチェックサムが異常と判定した場合は、ステップS14で、使用中の読出し書込み可能なRWMをクリアする。それから、RWMに電源投入時の初期値をセーブする処理(ステップS15)、他の制御装置へ電源投入コマンドを送信する処理(ステップS16)を行なって、図12のステップS17へ移行する。
また、上記ステップS7で、クリアスイッチがオンと判定した場合は、ステップS14へジャンプして使用中の読出し書込み可能なRWMをクリアし、RWMに電源投入時の初期値をセーブしてから、他の制御装置へ電源投入コマンドを送信する処理(ステップS15,S16)を行なって、図12のステップS17へ移行する。
ステップS17では割込みタイマを起動し、次のステップS18で一旦割込みを禁止して(ステップS18)、大当り判定用乱数などの乱数の初期値を更新して乱数の時間的な規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS19)を行う。それから、割込みを許可する処理(ステップS20)、停電検査領域のデータをチェックする処理(ステップS21)を行う。そして、停電が発生したか否かの判定(ステップS22)を行い、停電が発生していない場合(No)には、上述の割込みを禁止する処理(ステップS18)に戻り、ステップS18〜S22の処理を繰り返し行う。
一方、ステップS23において、停電が発生していると判定した場合(Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS23)、全出力ポートをオフにする処理(ステップS24)、停電検査領域をクリアする処理(ステップS25)を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS26)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS27)を行なった後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS28)を行なってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
次に、図13のタイマ割込み処理について説明する。このタイマ割込み処理は、クロック生成回路で生成される周期的なタイマ割込み信号が入力されることで開始される。遊技用マイコン230にタイマ割込みが発生すると、図13のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRAMに移すレジスタ退避の処理(ステップS30)を行う。次に、各種スイッチ(図5の普図1作動SW13a、普図2作動SW14a、普図3作動SW16a、普図4作動SW17a、入賞口SW51a〜56a、ガラス枠開放スイッチ61、球切れSW63など)からの入力を取り込む入力処理(ステップS31)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(普電1SOL〜普電4SOL)等のアクチュエータの駆動制御を行うための出力処理(ステップS32)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置130や払出制御装置120等に出力するコマンド送信処理(ステップS33)、乱数更新処理(ステップS34)を行う。この乱数更新処理(ステップS34)では、普図1〜普図4の変動表示ゲームの当りはずれを判定するための当り判定用乱数や、普図1の変動表示ゲームの当り図柄を判定するための当り図柄乱数、普図変動表示ゲームでの変動パターンを決定するための変動パターン乱数の更新(取込み)をも行う。
次に、普図1作動SW13a、普図2作動SW14a、普図3作動SW16a、普図4作動SW17a、入賞口SW51a〜56aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS35)を行う。また、普図1変動表示ゲームに関する処理を行う普図1ゲーム処理(ステップS36)、普図2変動表示ゲームに関する処理を行う普図2ゲーム処理(ステップS37)、普図3変動表示ゲームに関する処理を行う普図3ゲーム処理(ステップS38)、普図4変動表示ゲームに関する処理を行う普図4ゲーム処理(ステップS39)を行う。
次に、遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS40)を行う。それから、外部の管理装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS41)を行う。続いて、割込みの終了を宣言する処理(ステップS42)を行い、待避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS43)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS44)を行なって、タイマ割込み処理を終了する。
次に、図13のタイマ割込み処理における普図1ゲーム処理(ステップS36)の詳細を、図14を用いて説明する。
図14に示すように、普図1ゲーム処理では、まず、始動入賞口(13)に設けられた検出スイッチ(普図1作動スイッチ)の監視と、入賞検出に基づき各種乱数値の取得および記憶を行う普図1作動スイッチ監視処理(ステップS361)を実行する。次に、普図1変動表示ゲームの実行に関する各処理で設定されるゲーム処理タイマがタイムアップしたか否か判定する(ステップS362)。ここで、ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(No)は、普図1ゲーム処理タイマの更新などの処理を行う普図1変動制御処理(ステップS373)を行って普図1ゲーム処理を終了する。また、ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かの判定(ステップS362)において、ゲーム処理タイマがタイムアップしていると判定した場合(Yes)は、ゲームを合理的に進行させるために設けたゲーム処理番号に基づき次に実行する処理を選択するゲーム分岐処理(ステップS363)を行う。なお、ゲーム処理番号は、各普図のゲーム処理毎に別個に設定される。
図14のゲーム分岐処理(ステップS363)において、ゲーム処理番号が「0」であると判定した場合は、普図1表示器31の変動開始の設定や、普図1普段処理を行うために必要な情報の設定を行う普図1普段処理(ステップS364)を行う。また、ゲーム分岐処理(ステップS363)において、ゲーム処理番号が「1」であると判定した場合は、普図1変動表示ゲームの前半変動時間に係る情報の設定を行う普図1変動開始処理2(ステップS365)を行う。なお、前半変動時間とは、普図1変動表示ゲームの開始からリーチ状態が発生するまでの期間である。一方、ゲーム分岐処理(ステップS363)において、ゲーム処理番号が「2」であると判定した場合は、普図1変動表示ゲームの後半変動時間に係る情報の設定を行う普図1変動開始処理3(ステップS366)を行う。なお、後半変動時間とは、リーチ状態の発生から普図1変動表示ゲームの終了までの期間である。
また、ゲーム分岐処理(ステップS363)において、ゲーム処理番号が「3」であると判定した場合は、普図1表示器31の変動停止後の停止時間の設定を行う普図1変動中処理(ステップS367)を行う。また、ゲーム分岐処理(ステップS363)において、ゲーム処理番号が「4」であると判定した場合は、普図1変動ゲームが当りであった場合の普電1の開放時間を設定したりする普図1表示中処理(ステップS368)を行う。
さらに、ゲーム分岐処理(ステップS363)において、ゲーム処理番号が「5」であると判定した場合は、普電1の開放制御処理および普電1に残存球があるか否かを監視するための情報の設定などを行う普図1表示中処理(ステップS369)を行う。
また、ゲーム分岐処理(ステップS363)において、ゲーム処理番号が「6」であると判定した場合は普図1当りを終了させるための情報を設定する普図1残存球処理(ステップS370)を行う。ゲーム分岐処理(ステップS363)において、ゲーム処理番号が「7」であると判定した場合は、普図1当りを終了させるための情報を設定する普図1当り終了処理(ステップS371)を行う。
さらに、ゲーム処理番号に基づく上述の各処理を行った後、設定された各種データをセーブするテーブルデータセーブ処理(ステップS372)を行なってから、普図1ゲーム処理タイマの更新などの処理を行う普図1変動制御処理(ステップS373)を行なって普図1ゲーム処理を終了する。
図15には、図13のタイマ割込み処理における普図2ゲーム処理(ステップS37)の手順が示されている。この普図2ゲーム処理の内容は、図14に示されている普図1ゲーム処理の内容と同様であるので、説明は省略する。
図16には、図13のタイマ割込み処理における普図3ゲーム処理(ステップS38)の手順が示されている。この普図3ゲーム処理の内容は、図14に示されている普図1ゲーム処理におけるステップS365の普図1変動開始処理2とステップS366の普図1変動開始処理3がない点以外は図14の内容と同様である。よって、詳しい説明は省略する。図13のタイマ割込み処理における普図4ゲーム処理(ステップS39)の内容は、図16に示されている普図3ゲーム処理と同じであるので、図示および説明を省略する。
次に、図14の普図1ゲーム処理中のステップS364で実行される普図1普段処理の具体的な手順の一例を、図17のフローチャートを用いて説明する。
普図1普段処理では、先ずRAM内に記憶されている始動入賞口(13)への始動入賞記憶(普図1保留)が「0」か否かを判定する(ステップS641)。ここで、始動記憶(普図1保留)が「0」のときは、ステップS642へ進んで客待ちデモ表示を行うことを示すフラグがセットされているか否か判定し、フラグがセットされているときは、何もせずにそのまま当該普図1普段処理から抜ける。また、ステップS642で客待ちデモが設定されていないと判定したときは、ステップS643で客待ちデモ表示コマンドをセットする。それから、ステップS644で当該普図1普段処理において使用する設定テーブルを設定した後、ステップS645で演出制御装置130へ客待ちデモ表示を行うことを指令するコマンドを送信するように設定して、当該普図1普段処理を終了する。
一方、上記ステップS641で、始動入賞記憶(普図1保留)が「0」でない(No)と判定した場合には、ステップS646へ移行して普図1テーブル切替え処理を実行してから、普図1テーブル復帰処理(ステップS647)を実行する。その後、普図1変動表示開始処理1(ステップS648)と、普図1変動表示開始の設定テーブルの設定処理(ステップS649)を実行して、当該普図1普段処理を終了する。なお、例えば最後の設定処理(ステップS649)の中で、ゲーム処理番号を「0」から「1」に変更する処理を行うことで、再度図14の普図1ゲーム処理を実行する際に、ステップS363でゲーム処理番号が「1」であると判定して普図1変動開始処理へ移行させることができる。
図18には、図15の普図2ゲーム処理中のステップS364’で実行される普図2普段処理の手順が示されている。
普図2普段処理では、先ずRAM内に記憶されている始動入賞口(14)への始動入賞記憶(普図2保留)が「0」か否かを判定する(ステップS641’)。ここで、始動記憶(普図2保留)が「0」のときは、ステップS642’へ進んで客待ちデモ表示を行うことを示すフラグがセットされているか否か判定し、フラグがセットされているときは、何もせずにそのまま当該普図2普段処理から抜ける。また、ステップS642’で客待ちデモが設定されていないと判定したときは、ステップS643’で客待ちデモ表示コマンドをセットする。それから、ステップS644’で当該普図2普段処理において使用する設定テーブルを設定した後、ステップS645’で演出制御装置130へ客待ちデモ表示を行うことを指令するコマンドを送信するように設定して、当該普図2普段処理を終了する。
一方、上記ステップS641’で、始動入賞記憶(普図2保留)が「0」でない(No)と判定した場合には、ステップS646’へ移行して普図2テーブル切替え処理を実行してから、普図2テーブル復帰処理(ステップS647’)を実行する。その後、普図2変動表示開始処理1(ステップS648’)と、普図2変動表示開始の設定テーブルの設定処理(ステップS649’)を実行して、当該普図2普段処理を終了する。なお、例えば最後の設定処理(ステップS649’)の中で、ゲーム処理番号を「0」から「1」に変更する処理を行うことで、再度図15の普図2ゲーム処理を実行する際に、ステップS363’でゲーム処理番号が「1」であると判定して普図2変動開始処理へ移行させることができる。
図19には、図16の普図3ゲーム処理中のステップS384で実行される普図3普段処理の手順が示されている。この普図3普段処理においては、先ずRAM内に記憶されている変動入賞装置16(普電2)への始動入賞記憶(普図3保留)が「0」か否かを判定する(ステップS841)。ここで、始動記憶が(普図3保留)が「0」のときは、何もしないで当該普図3普段処理から抜ける。
ステップS841で、始動入賞記憶(普図3保留)が「0」でない(No)と判定した場合には、ステップS842へ進んで普図3当りフラグを一旦はずれ情報に設定してから、普図3の当り判定用の乱数値を取得する(ステップS843)。次に、取得した乱数値は当りか否かを判定する(ステップS844)。ここで、当りでないと判定したときはステップS846へジャンプし、当りと判定したときは次のステップS845で普図3当りフラグを当り情報に設定して、ステップS846へ進む。ステップS846では、普図3の当り乱数セーブ領域をクリアし、次のステップS847で普図3の保留数を減算(−1)する。その後、普図3の変動時間をゲーム処理タイマにセットする処理(ステップS848)と、普図3の変動開始設定テーブルを設定する処理(ステップS849)を実行して、当該普図3普段処理を終了する。
図13のタイマ割込み処理における普図4ゲーム処理(ステップS39)の中で実行される普図4普段処理の内容は、図19に示されている普図3普段処理と同じであるので、図示および説明を省略する。
次に、図18の普図2普段処理中のステップS646’で実行される普図2テーブル切替え処理の具体的な手順の一例を、図20のフローチャートを用いて説明する。
この普図2テーブル切替え処理では、先ず普図2変動延長フラグがセットされているか否か判定する(ステップS461)。ここで、延長フラグがセットされていないと判定したときは、次のステップS462で、普図4の始動記憶(保留)があるか否か判定し、保留があるときは変動パターンテーブルを「4」にセットつまり図8(C)のテーブル「3」から図8(D)のテーブル「4」に切り替える(ステップS463)。そして、次のステップS464で普図2変動延長フラグをセットして普図2テーブル切替え処理を終了する。
上記ステップS461で普図2変動延長フラグがセットされていると判定したとき、および延長フラグがセットされていなくてもステップS462で普図4の始動記憶(保留)がないと判定したときは、何もせずに当該普図2テーブル切替え処理から抜ける。上記のように、普図4の始動記憶(保留)がある場合には変動パターンテーブルを「4」に切り替えることで、普図2の変動表示ゲームの当りから普通変動入賞装置18(普電4)の開放までの一連の連動動作が発生した場合に、普図2の変動表示ゲームの変動時間が平均的に長くされるため、普図2の変動表示ゲームで次の当りが発生するのを遅らせることができ、遊技者に損をした感情を誘起させないようにすることができる。
図21には、図20の普図2テーブル切替え処理に続いて、図18の普図2普段処理中のステップS647’で実行される普図2テーブル復帰処理の具体的な手順の一例が示されている。
この普図2テーブル復帰処理では、先ず普図2変動延長フラグがセットされているか否か判定する(ステップS471)。普図2変動延長フラグがセットされていないときは、何もせずに当該普図2テーブル切替え処理から抜ける。また、ステップS471で延長フラグがセットされていると判定したときは、次のステップS472で、普図3の始動記憶(保留)が「2」よりも多いかつまり「3」以上か否か判定し、「3」以上のときは何もせずに当該普図2テーブル切替え処理から抜ける。一方、ステップS472で、普図3の始動記憶(保留)が「2」よりも多くないつまり「2」以下であると判定したときは、ステップS473へ進んで変動パターンテーブルを「3」にセットつまり図8(D)のテーブル「4」から図8(C)のテーブル「3」に切り替える。そして、次のステップS474で普図2変動延長フラグをクリアして普図2テーブル復帰処理を終了する。
上記のように、普図3の始動記憶(保留)が「2」以下である場合には変動パターンテーブルを切り替えることで、普図2の変動表示ゲームの当りから普通変動入賞装置18(普電4)の開放までの一連の連動動作を実行して普図4の始動記憶(保留)および普図3の始動記憶(保留)が消化され、普図3の始動記憶(保留)が「2」以下になった場合に、普図2の変動表示ゲームの変動時間が平均的に短くされるため、一連の連動動作の後半においては普図2の変動表示ゲームの単位時間あたりの実行回数を多くして、次の当りが発生するのを一連の連動動作の前半よりも早めることができる。
次に、図17の普図1普段処理中のステップS646で実行される普図1テーブル切替え処理の具体的な手順の一例を、図22のフローチャートを用いて説明する。
この普図1テーブル切替え処理では、先ず普図1変動短縮フラグがセットされているか否か判定する(ステップS481)。ここで、普図1変動短縮フラグがセットされていないと判定したときは、次のステップS482で、普図2変動延長フラグがセットされているか否か判定し、普図2変動延長フラグもセットされていないと判定したときは、普図4の始動記憶(保留)があるか否か判定する(ステップS483)。ステップS483で、保留があると判定したときは普図1の変動パターンテーブルを「2」にセットつまり図8(A)のテーブル「1」から図8(B)のテーブル「2」に切り替える(ステップS484)。そして、次のステップS485で普図1変動短縮フラグをセットしてから、RAM内に設けられている普図1当り計数カウンタの値を「5」にセット(ステップS486)して当該普図1テーブル切替え処理を終了する。
上記ステップS481で普図1変動短縮フラグがセットされていると判定したときや、ステップS482で普図2変動延長フラグもセットされていないと判定したとき、およびステップS483で普図4の始動記憶(保留)がないと判定したときは、何もせずに当該普図1テーブル切替え処理から抜ける。上記のように、普図4の始動記憶(保留)がある場合には変動パターンテーブルを切り替えることで、普図2の変動表示ゲームの当りから普通変動入賞装置18(普電4)の開放までの一連の連動動作が後半になって図21の普図2テーブル復帰処理で普図2変動延長フラグがクリアされると、普図1の変動表示ゲームの変動時間が大幅に短縮されるため、普図1の変動表示ゲームで次の当りが発生するのを早めることができる。
図23には、図22の普図1テーブル切替え処理に続いて、図17の普図1普段処理中のステップS647で実行される普図1テーブル復帰処理の具体的な手順の一例が示されている。
この普図1テーブル復帰処理では、先ず普図1変動短縮フラグがセットされているか否か判定する(ステップS491)。普図1変動短縮フラグがセットされていないときは、何もせずに当該普図1テーブル切替え処理から抜ける。また、ステップS491で普図1変動短縮フラグがセットされていると判定したときは、次のステップS492で、普図1の当り情報が記憶されているか否か判定し、記憶されているときはステップS493で、普図1当り計数カウンタの値を減算(−1)する。それから、当該カウンタの値が「0」になった否か判定し、「0」のときは普図1変動パターンテーブルをテーブル「1」にセットつまり図8(B)のテーブル「2」から図8(A)のテーブル「1」に切り替える(ステップS496)。
そして、次のステップS497で普図1変動短縮フラグをクリアして普図1テーブル復帰処理を終了する。また、上記ステップS492で普図1の当り情報がないと判定された場合やステップS494で普図1当り計数カウンタの値が「0」でないと判定された場合には、ステップS495へ移行して普図2の当り情報が記憶されているか否か判定し、記憶されているときはステップS496で普図1変動パターンテーブルを「1」にセットし、次のステップS497で普図1変動短縮フラグをクリアして普図1テーブル復帰処理を終了する。また、ステップS495で普図2の当り情報がないと判定されたときはそのまま普図1テーブル復帰処理を抜ける。
上記のような普図1テーブル復帰処理を実施することによって、一旦、普図1の変動表示ゲームの当りから普通変動入賞装置18(普電4)の開放までの一連の連動動作が発生して、その一連の連動動作が後半になると普図1の変動表示ゲームの変動時間が短縮されて単位時間あたりの実行回数が多くなり、次の当りが発生するのを早めることができる。しかも、普図1変動表示ゲームの変動時間の短縮は、普図1変動表示ゲームで当りが5回発生するまで継続されるため、遊技者に得をしたような感情を誘起させることができる。
また、普図1変動表示ゲームで当りが5回発生する前に、普図2変動表示ゲームで当りが発生すると、普図1変動パターンテーブルが「1」にセットされるため、普図1変動表示ゲームの変動時間が長くなり、次に普図1変動表示ゲームで当りが発生するのを遅らせることができ、普図2変動表示ゲームの当りで発生した普図3の始動記憶や普図4の始動記憶が消化される前に普図1変動表示ゲームで当りが発生して遊技者に損をしたような感情を誘起させるのを回避することができる。
次に、本発明を適用した遊技機の第1実施形態の第2実施例を、図24〜図26を用いて説明する。
第1実施形態の第2実施例は、普図2変動表示ゲームの変動パターンに関して、所定の条件で図8に示されているようなテーブルの切替えを行なって変動時間を変更する代わりに、所定の条件で普図2の変動停止時間を直接切り替えるようにしたものである。具体的には、図18に示されている普図2普段処理中の普図2テーブル切替え処理(ステップS646’)と普図2テーブル復帰処理(ステップS647’)の代わりに、図24に示されている普図2停止時間切替え処理と図25に示されている普図2停止時間復帰処理を行うようにしたものである。図22に示されている普図1テーブル切替え処理と図23に示されている普図1テーブル復帰処理は第1実施例も第2実施例も同じである。
図24に示されている普図2停止時間切替え処理は、図20に示されている普図2テーブル切替え処理に類似している。図24の普図2停止時間切替え処理と図20の普図2テーブル切替え処理との違いは、図24においては、ステップS463’で普図2の変動パターンテーブルをテーブル「4」をセットする代わりに、普図2の停止時間を初期値(例えば800ms)よりも長いX(例えば20000ms)に変更するようにしている点と、普図2変動延長フラグの代わりに普図2停止延長フラグを使用している点にある。
図25に示されている普図2停止時間復帰処理は、図21に示されている普図2テーブル復帰処理に類似している。図25の普図2停止時間復帰処理と図21の普図2テーブル復帰処理との違いは、図25においては、ステップS473’で普図2の変動パターンテーブルをテーブル「3」をセットする代わりに、普図2の停止時間を初期値(例えば800ms)に変更するようにしている点と、普図2変動延長フラグの代わりに普図2停止延長フラグを使用している点にある。
第2実施例に従うと、普図2の変動表示ゲームの当りから普通変動入賞装置18(普電4)の開放までの一連の連動動作が発生した場合に、普図2の変動表示ゲームの変動停止時間が長くされるため、普図2の変動表示ゲームで次の当りが発生するのを遅らせることができ、遊技者に損をした感情を誘起させないようにすることができる。また、一連の連動動作が進行して後半に入り、普図3の始動記憶数(保留)が「2」以下になると、普図2の変動表示ゲームの停止時間が短くされるため、普図2の変動表示ゲームの単位時間あたりの実行回数を多くして、次の当りが発生するのを早めることができる。
図26には、本実施例を適用した場合のタイミングチャートが示されている。図9のタイミングチャートと比較すると明らかなように、本実施例では、変動入賞装置16(普電3)の開放中に普図3の始動入賞(普図3作動SW)が4個発生しているため、普図2の変動表示ゲームの変動停止時間が長くされ、普図2の始動記憶による普図2変動表示ゲームの開始が遅くなっている。なお、所定の条件が成立した場合に、上記のように普図2の停止時間を延長する処理と、普図2の平均変動時間の長いテーブルに切り替える処理の両方を行なうように構成しても良い。
(第2実施形態)
図27は、本発明に係る遊技機をパチンコ遊技機に適用した場合における遊技盤の第2実施形態を示す正面図である。
本実施形態の遊技盤と図1の実施形態の遊技盤との差異は、本実施形態の遊技盤は、始動入賞口13および第2の演出図柄表示装置15を備えていない代わりに、普図始動ゲート19を備える点と、図1の実施形態の遊技盤では始動入賞口13への入賞が第1表示部(普図1表示器)31での変動表示ゲームの開始条件であり、普通変動入賞装置14(普電1)への入賞が第2表示部(普図2表示器)32での変動表示ゲームの開始条件であるのに対し、図27の第2実施形態の遊技盤では普通変動入賞装置14(普電1)への入賞が第1表示部(普図1表示器)31での変動表示ゲームの開始条件であり、普図始動ゲート19への入賞が第2表示部(普図2表示器)32での変動表示ゲームの開始条件である点にある。また、図1の実施形態の遊技盤では、普通変動入賞装置14の直上に始動入賞口13があるため普通変動入賞装置14(普電1)が閉じていると入賞球が発生しないのに対し、図27の第2実施形態の遊技盤では、始動入賞口13がないため普通変動入賞装置14(普電1)が閉じていても入賞球が発生可能である点においても相違する。
上記のように、図1の実施形態の遊技盤では、始動入賞口13があるため普通変動入賞装置14(普電1)が閉じていると入賞球が発生しないので、図6のように、4つの表示部31〜34における変動表示ゲームと4つ変動入賞装置(普電1〜4)が順次当りと開成の連動を4段階で進行して行く。これに対し、図27の第2実施形態の遊技盤では、
図28及び図29に示すように、普図始動ゲート19への入賞−第2表示部(普図2表示器)32での変動表示ゲームの当りと普通変動入賞装置14(普電1)の開成という一連の動作と、普通変動入賞装置14(普電1)への入賞に始まって、第1表示部(普図1表示器)31での変動表示ゲームの当りと変動入賞装置16(普電2)の開成と入賞−第3表示部(普図3表示器)33での変動表示ゲームの当りと変動入賞装置17(普電3)の開成と入賞−第4表示部(普図4表示器)34での変動表示ゲームの当りと変動入賞装置18(普電4)の開成と入賞、という3段階の発展動作とが独立して進行可能になっている。
また、これに応じて、遊技制御装置200の遊技用マイコン230が遊技制御で使用するテーブルも本実施形態と図1の実施形態とでは異なっており、図30に本実施形態で使用するテーブルの構成例が示されている。このテーブルは図7のテーブルに代えて本実施形態で使用されるものである。図30と図7とを比較すると、第1に、図1の実施形態では第2表示部(普図2表示器)32での変動表示ゲームの当り発生確率が1/15であるのに対し、本実施形態では255/256(=99.6%)となっている点が異なる。
第2に、図1の実施形態では第2表示部(普図2表示器)32での変動表示ゲームの変動時間を決定する変動パターンテーブルが2つ設けられて切り替え可能になっているのに対し、本実施形態では第2表示部(普図2表示器)32での変動表示ゲームの変動時間が120000msと2000msに切替え可能となっている点で異なる。第3に、図1の実施形態では変動入賞装置16(普電2)の開成時間は変化しないようになっているのに対し、本実施形態では変動入賞装置16(普電2)の開成時間が600msと1800msに切替えとなっている点で異なる。
なお、本第2実施形態の遊技機においても、図33に示すように、いずれかの変動入賞装置が開成されているときは各変動表示ゲームの計時を停止することで、複数の変動入賞装置の開成期間が重なるのを回避するようにしている。これにより、各変動入賞装置への入賞で発生する始動記憶(保留)がどんどん消化されてしまい、結果として変動入賞装置(普電4)18が開成される回数が減少するのを回避することができる。また、普図4表示器34の変動時間は、図30のテーブルに示されているように、普図3表示器33の変動時間の1/4以下に設定されているため、図33に示すように、普図4の始動記憶(最大4個)を消化してから普図3表示器33の次の変動表示ゲームが開始されるようになり、変動入賞装置(普電4)18の開成回数を多くすることができる。
次に、本実施形態において実行される普図1テーブル切替え処理の手順を、図31を用いて説明する。この普図1テーブル切替え処理は、図17の普図1普段処理の中のステップS646で実行されるものであり、図11〜図16の制御フローは図1の実施形態と共通である。また、本実施形態においては図31の普図1テーブル切替え処理の中でテーブルを元に戻す処理をしているので、図17の普図1普段処理の中にあるステップS647の普図1テーブル復帰処理は不要とされる。
図31の普図1テーブル切替え処理では、先ず普図1変動短縮フラグがセットされているか否か判定する(ステップS481)。ここで、普図1変動短縮フラグがセットされていないと判定したときは、次のステップS482で、普図3の始動記憶(保留)が「2」よりも多いかすなわち「3」以上か否かを判定する。ステップS482で、普図3の始動記憶(保留)が「2」以下であると判定したときは普図1の変動パターンテーブルを「2」にセットつまり図8(A)のテーブル「1」から図8(B)のテーブル「2」に切り替える(ステップS483)。そして、次のステップS484で普図1変動短縮フラグをセットしてから、RAM内に設けられている普図1の変動回数カウンタの値を「30」にセット(ステップS485)してステップS486へ移行する。
上記ステップS481で普図1変動短縮フラグがセットされていると判定したときや、ステップS482で普図3の始動記憶(保留)が「3」以上と判定したときも、ステップS486へ移行する。ステップS486では、ステップS485で設定した普図1の変動回数カウンタの値を減算(−1)し、次のステップS487でカウンタの値が「0」になったか否か判定する。ここで、カウンタの値が「0」でなければ何もせずに当該普図1テーブル切替え処理から抜ける。
一方、ステップS487で、カウンタの値が「0」であると判定したときは、ステップS488へ進んで普図1の変動パターンテーブルを「1」にセットつまり図8(B)のテーブル「2」から図8(A)のテーブル「1」に切り替える。そして、次のステップS489で普図1変動短縮フラグをクリアして普図1テーブル切替え処理を終了する。
上記のように、普図3の始動記憶(保留)が「2」以下である場合には変動パターンテーブルを「2」に切り替えることで、普図1の変動表示ゲームの当りから普通変動入賞装置18(普電4)の開放までの一連の連動動作が後半になると、普図1の変動表示ゲームの変動時間が大幅に短縮されるため、図34に示すように、普図1の変動表示ゲームの単位時間当りの実行回数が増加して、普図1の変動表示ゲームで次の当りが発生するのを早めることができる。そして、この普図1の変動時間短縮モードは、普図1の変動が30回実行されるまで継続される。普図1の変動表示ゲームでの当りの発生確率は、図30に示すように1/26に設定されているので、この変動時間短縮モード中に当りが発生することが多くなる。
また、連動動作の後半における普図2の変動時間が連動動作の前半よりも短くなるようにするため、普通変動入賞装置14(普電1)の開放頻度が高くなり、普図1の始動記憶がオーバーフローを起こしやすくなる。さらに、この普図1の変動パターンテーブルの切り換えは、一連の連動動作の終了後、所定条件が成立するまで継続されるため、その連動動作の終了後も普図1の始動記憶がオーバーフローを起こしやすくなる。このようにオーバーフローが発生すると新たな始動記憶としては記憶されないが、遊技球が賞品球として払い出されるため、遊技者の保有する遊技球が減少することを抑制しつつ、遊技を実行させることができるようになる。したがって、普図1の変動パターンテーブルを切り換えることで、遊技者の保有する遊技球のベースを高めに維持することができるとともに、普図1の変動表示ゲームにおいて当りが発生する頻度が極端に高くなることを抑制することができるため、遊技者と遊技店の利益のバランスが取れた遊技機とすることができる。
図32には、本実施形態において実行される普図2変動時間設定処理の手順が示されている。この普図2変動時間設定処理は、図18に示されている普図2普段処理の中の普図2テーブル切替え処理(ステップS646’)および普図2テーブル復帰処理(ステップS647’)に代えて実行される。
図32の普図2変動時間設定処理では、先ず普図1変動短縮フラグがセットされているか否か判定する(ステップS475)。ここで、普図1変動短縮フラグがセットされていないと判定したときは、次のステップS476で、普図2の変動時間を120000ms(=120s)に設定する(ステップS476)。また、ステップS475で普図1変動短縮フラグがセットされていると判定したときは、ステップS477で、普図2の変動時間を2000ms(2s)に設定して普図2変動時間設定処理を終了する。
上記のように、普図1変動短縮フラグがセットされていないときすなわち普図1の変動表示ゲームの当りから普通変動入賞装置18(普電4)の開放までの一連の連動動作が開始されて普電3が開放され、普図3の始動記憶(保留)が「3」以上である場合には普図2の変動時間を長く設定することで、一連の連動動作の前半では、普図3や普図4の入賞記憶(保留)が消化される前に、普図2の変動表示ゲームで次の当りが発生して普図1の変動表示ゲームの実行回数が増加して当りが発生し易くなり、遊技者に損をしたような感情を誘起させるのを回避することができる。一方、普図1変動短縮フラグがセットされていると判定したときは、普図2の変動時間を2000ms(2s)に設定することで、一連の連動動作が後半になると、普図2の変動表示ゲームの変動時間が大幅に短縮されるため、普図2の変動表示ゲームで次の当りが発生するのを早めることができる。
なお、図32においては、普図1変動短縮フラグがセットされた場合に普図2の変動時間を2000ms(2s)に設定するとともに、図30に示されているように、変動入賞装置16(普電2)の開放時間を長くするように設定してもよい。また、ステップS476では普図2の変動時間を長くするとともに変動入賞装置16(普電2)の開放時間を短くするようにしても良い。
また、前述のように、普図1変動短縮フラグがセットされた場合に普図2の変動時間を2000ms(2s)に設定するとともに、図30に示されているように、変動入賞装置16(普電2)の開放時間を長くするように設定すると、より一層、普図1の始動記憶がオーバーフローを起こしやすくなるため、遊技者の保有する遊技球のベースを高めに維持することができるとともに、普図1の変動表示ゲームにおいて当りが発生する頻度が極端に高くなることを抑制することができ、遊技者と遊技店の利益のバランスが取れた遊技機とすることができる。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本明細書および図面で開示した実施形態は、あくまでも例示であって制限的なものではない。例えば、前記実施形態では、テーブルの切替えや時間の切替えの条件として、普図3の始動記憶(保留)が「3」以上か否かを選択しているが、普図3の始動記憶(保留)が「2」以上か否かを切替えの条件としても良い。また、普図3の始動記憶(保留)数の代わりに、第1実施形態では普図2の始動記憶(保留)数を、第2実施形態では普図1の始動記憶(保留)数をそれぞれテーブルや時間の切替えの条件として設定するようにしても良い。
さらに、前記第1実施形態では、普図変動表示器と変動入賞装置を4個ずつ備え、連動動作が4段階で進行するように構成された遊技機を示したが、本発明は普図変動表示器と変動入賞装置を3個ずつ備え、連動動作が3段階で進行するように構成された遊技機、さらには5個以上の普図変動表示器と変動入賞装置を備え、連動動作するように構成された遊技機に対しても適用することができる。