JP2011003390A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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勝春 松尾
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【課題】赤外線センサと温度センサとの双方を用いて鍋底温度を検出する場合に、検出精度を向上させて過昇温防止機能を有効に作用させる誘導加熱調理器を提供する。
【解決手段】火力制御装置は、ユーザにより選択される様々な調理条件に対応して制御データ系列を設定すると、温度センサの検知出力に応じて制御データ系列に従い加熱手段を制御し、調理開始時に1.8kWの火力設定で行程Aによる加熱を行った後(ステップS1)、500Wの火力設定に切り換えて行程Bによる加熱を行う(ステップS2)。行程Bでは、赤外線センサによる検知出力の変化状態に応じて調理器具の状態の良否を判定し(ステップS4)、調理器具の状態が良好であると判断すると、操作部を介して設定された調理条件に対応する制御データ系列(No.8)を選択し(ステップS5)、上記状態が不良であると判断すると上記制御データ系列よりも火力設定が低い温度上昇抑制用の制御データ系列(No.1)を選択する(ステップS8)。
【選択図】図1

Description

本発明は、トッププレート上で加熱される被加熱物より輻射される赤外線を検知する赤外線センサと、トッププレートの温度を検知する温度センサとを備えた誘導加熱調理器に関する。
誘導加熱調理器において、被加熱物より輻射される赤外線を検知する赤外線センサと、トッププレートの温度を検知する温度センサとを備えたものは、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1では、赤外線センサ及び温度センサの検知出力に基づいて、鍋などの加熱容器の温度を算出しているが、以下のような問題があった。例えば、フライパンを用いて調理する場合、最初に予熱を行うとフライパンの温度は急上昇するので、それに伴いトッププレート上面の温度も上昇するが、下面側の温度はそれほど上昇しない(図10(1)〜(5)参照)。これは、トッププレートが、熱伝導率が悪く且つ熱容量が大きいガラス製であることに起因する。
この場合、フライパンの材質は光沢のあるステンレス製等であるため、輻射率が悪く、温度が上昇しても赤外線の輻射エネルギーは少ないが、トッププレートの上面は鍋底に近接しているため、熱伝導によって温度が上昇する。また、ガラスの輻射率は大きいので、フライパンよりも多くの赤外線がトッププレートの上面より輻射され、フライパンからの輻射エネルギーと共にトッププレートの分光透過率に従い透過して、下方に位置する赤外線センサに到達する。
フライパンの板厚が薄く熱容量が小さい場合は、空焚き状態になると30秒〜60秒程度で温度が急上昇するので、トッププレート上面からの赤外線輻射エネルギーも急激に増加する。特許文献1には、赤外線センサの出力と、接触式温度センサの出力との差分を演算することで、トッププレートの昇温で発生する赤外線を確実にキャンセルでき、鍋の底面温度を正確に検出できる、との記載がある(段落[0048])。
特開2006−318925号公報
すなわち、特許文献1のように赤外線センサの出力と、接触式温度センサの出力との差分を演算することは、トッププレートを介して輻射される赤外線のエネルギー分を無視することに等しい。つまり、トッププレートを介した赤外線の輻射エネルギーを考慮していないことになり、実際の温度検知精度が良好であるとは言えない。更に、トッププレートの下面側では冷却風が循環しているので、トッププレート下面の温度と、温度センサが検知する温度との間にも差が生じ易く、温度検知精度を低下させる要因となる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、赤外線センサと温度センサとの双方を用いて鍋底温度を検出する場合に、検出精度を向上させて過昇温防止機能を有効に作用させることができる誘導加熱調理器を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の誘導加熱調理器は、被加熱物が載置されるトッププレートと、
前記被加熱物を加熱コイルにより誘導加熱する加熱手段と、
前記トッププレート及び前記被加熱物より輻射される赤外線を検知する赤外線センサと、
前記トッププレートの温度を検知する温度センサと、
調理条件を設定操作するための操作部と、
様々な調理条件に対応して、前記加熱手段による火力を制御するための制御データ系列を設定すると、前記温度センサの検知出力に応じて前記制御データ系列に従い前記加熱手段を制御し、
調理開始時に第1の火力設定で第1期間だけ加熱を行うと、前記第1の火力設定よりも低い第2の火力設定で第2期間だけ加熱を行い、
前記第2期間では、前記赤外線センサによる検知出力の変化状態に応じて、前記被加熱物の状態の良否を判定し、前記被加熱物の状態が良好であると判断すると前記操作部を介して設定された調理条件に対応する制御データ系列を選択し、前記被加熱物の状態が不良であると判断すると前記制御データ系列よりも火力設定が低い温度上昇抑制用の制御データ系列を選択する制御部とを備えたことを特徴とする。
例えば調理開始直後の第1期間では、被加熱物を第1の火力設定で加熱して温度をある程度まで上昇させる。それから、第2期間に移行して第2の火力設定で加熱を行うが、その第2期間では、赤外線センサによる検知出力の変化状態に応じて、被加熱物(例えば鍋などの調理器具)の状態の良否を判定する。そして、上記変化状態が、被加熱物の状態が良好であることを示す場合は、設定された調理条件に対応する制御データ系列を選択し、被加熱物の状態が不良であることを示せば温度上昇抑制用の制御データ系列を選択する。したがって、第2期間において、例えば被加熱物の温度が過剰に高くなる傾向を示すような場合には、温度上昇抑制用の制御データ系列を用いることで、被加熱物の温度上昇を抑制できる。
請求項1記載の誘導加熱調理器によれば、第2期間において、赤外線センサによる検知出力の変化状態に基づき、被加熱物の状態が不良であると判断されれば温度上昇抑制用の制御データ系列が選択されて加熱制御が行われるので、被加熱物の過剰な温度上昇を確実に抑制することができる。
一実施例であり、火力制御装置が行う誘導加熱制御を示すフローチャート 図1のフローチャートに対応する火力の変化を示す図 加熱制御に用いるデータ系列の一例を示す図、 調理器具の鍋底形状が異なる場合の赤外線検知状態を説明する図 キッチンキャビネットに、誘導加熱調理器が組み込まれた状態の外観斜視図 トッププレートを外した状態で示す調理器本体の平面図 表示部の表示状態を示す図 誘導加熱調理器の縦断側面図 制御系の構成を示す機能ブロック図 従来技術を説明する、加熱調理器のトッププレートの下面,上面の温度分布を示す図
以下、システムキッチンに組み込まれる誘導加熱調理器に適用した一実施例について、図1〜図9を参照して説明する。図5は、キッチンキャビネット1に、加熱調理器2が組み込まれた状態の外観斜視図であり、図6は、トッププレートを外した状態で示す調理器本体3の平面図である。加熱調理器2の調理器本体3は、キャビネット1に設けられた開口4に落とし込み状態に組み込まれている。この調理器本体3の下部には、図2に示すロースタ部5が設けられている。
前記調理器本体3は、図6に示すように、上面が開口しており、内部の手前側に加熱手段としての二つの誘導加熱コイル8、9が設けられ、また中央奥部に別の加熱手段として例えばラジエントヒータからなるヒータ10が設けられている。また、この調理器本体3内には、表示回路基板11が配設されており、この表示回路基板11には、多数の加熱強度表示用の発光ダイオードからなる表示器群12A、12Bが実装されていると共に、例えば蛍光表示管からなる表示器15A,15Bが実装されている。
さらに、図5、図7に示すように、前記調理器本体3の上面には、誘導加熱コイル8、9及びヒータ10を上方から覆うように、耐熱ガラス製の透視可能なトッププレート16が設けられている。このトッププレート16において、左右の誘導加熱コイル8、9及びヒータ10の上方に対応する部位はそれぞれ円形模様の調理器載置表示部17、18、19が形成されている。
図7は、以下に述べる表示部から光が放出されて各表示部が浮かび上がったように光表示されている状態を示している。トッププレート16の裏面において、調理器載置表示部17、18の前側には、前記表示器群12A、12Bの上方に位置して調理条件表示部12AH、12BHが塗装膜に形成された抜き孔により設けられ、又、表示器15A、15Bの上方に位置して調理条件表示部15AH、15BHが同様に抜き孔により設けられている。なお、これら、各調理条件表示部12AH、12BH,15AH、15BHは、それぞれ対応する表示器によって下方から照明表示されることにより、透視可能なトッププレート16を介してその上面から図7に示すように目視できる。
また、トッププレート16の前縁部(調理器本体3より前方へ張り出した部分)の下面には、入力案内用表示部20AH〜27AH、20BH〜27BHが同様に抜き孔により設けられている。これら入力案内用表示部20AH〜27AH、20BH〜27BHは、本体3の内部に配置される図示しない発光体からの発光により浮かび上がるように光表示される。なお、発光体が消灯しているときには、トッププレート16上面から内部はほぼ見えない状態(いわゆるブラックアウト状態)となる。
前記右側の入力案内用表示部20AH〜27AHと、左側の入力案内用表示部20BH〜27BHとは、それぞれ基本的に同じ構成であり、また、右側の入力案内用表示部20AH〜27AH下方部、及び左側の入力案内用表示部20BH〜27BH下方部に設けられた操作部などの構成についても、基本的に同じであるので、右側の入力案内用表示部20AH〜27AH下方部の操作部などについて以下説明する。
入力案内用表示部20AHは加熱調理のスタート/切り用、入力案内用表示部21AHはメニュー選択用、入力案内用表示部22AHは加熱強度や加熱時間のアップ設定用、入力案内用表示部23AHは加熱強度や加熱時間のダウン設定用、入力案内用表示部24AH〜27AHは加熱強度設定用である。また、これら入力案内用表示部20AH〜27AHの下方には、ユーザが手指により接触操作したことを静電容量の変化により検出する、操作部20AT〜27ATが設けられている(図9参照)。
図8は、加熱調理器2の縦断側面図である。冷却ダクト30の内部には、シールドケース31が配置されている。このシールドケース31は、誘導加熱コイル8の中心部から下方に延び吹出口30aの直下位置にて水平方向(図8では左方)に折れ曲がった断面ほぼL字状の容器となっている。シールドケース31の奥部には、赤外線センサ32が受光部(赤外線フィルタ32a)を水平方向(図8では右方)に向けた状態で配置されている。赤外線センサ32は、前記赤外線フィルタ32aと、赤外線検出部32bと、図示しない信号処理回路とを一体的に備えたユニットとして構成されている。また、シールドケース31内部において吹出口30aの直下位置に対応する部分には、集光反射部33が配置されている。集光反射部33は、赤外線センサ32と一体となったユニットを構成して、シールドケース31の内部に配置されている。
シールドケース31のうち、集光反射部33の上方に位置する部分には開口部34が形成されており、例えばフライパンなどの調理器具35から放射された赤外線が、開口部34を通って集光反射部33に向かうようになっている。
トッププレート16の下面には、例えばチタンなどの金属系材料をスパッタ法により成膜してなる薄膜36が設けられており、赤外線や可視光が透過しないように構成されている。そして、トッププレート16の下面で、開口部34が密着した部分の内部、即ち、赤外線センサ32の視野面には、薄膜36が成膜されておらず、透明な赤外線透過窓37となっている。これにより、調理器具35から放射された赤外線が効率良く赤外線透過窓37を透過するようになっている。
このような構成において、集光反射部33は、トッププレート16(赤外線透過窓37)を介して調理器具35から放射された赤外線をほぼ水平方向に反射して赤外線センサ32に集光させる(図8中、破線で示す光路参照)。
ところで、このように透明な赤外線透過窓37を設けると、当該赤外線透過窓37を通して誘導加熱調理器2の内部が見えてしまう。また、当該赤外線透過窓37を透過した可視光が赤外線センサ32に到達してしまい温度検出に影響を及ぼすおそれがある。そこで、開口部34内部において赤外線透過窓37に対向する部分に、赤外線透過フィルタ38が設けられている。赤外線透過フィルタ36は、赤外線フィルタ32aより広い範囲の波長透過領域(帯域Wよりも広い範囲の波長領域)を有し、且つ、可視光を透過させない特性を有する部材で構成されている。即ち、調理器具35から集光反射部33を介して赤外線センサ32に至る赤外線の光路の途中に赤外線フィルタが二重に配置された構成となっている。尚、赤外線透過フィルタ36は、帯域Vと帯域Wの両方の帯域を含む波長透過領域を有するように構成してもよい。
また、トッププレート16の下面において、誘導加熱コイル8の内周側と、誘導加熱コイル8が巻回されている部分の上方に位置する部位とには、例えばサーミスタなどで構成される温度センサ39a,39bが配置されている。これらの温度センサ39a,39bは、トッププレート16下面の温度を検知するが、例えば何れか一方の検知温度を用いても、或いは両者の平均を採用しても、何れでも良い。
図9は、制御系の構成を示す機能ブロック図である。火力制御装置(制御部)41は、調理器本体3の内部に設けられており、マイクロコンピュータによって構成されている。火力制御装置41には、トッププレート16の下方に配置されている操作部(操作手段)20(A,B)T等から操作信号が入力されると共に、赤外線センサ32,温度センサ39からの温度検知信号が各センサに対応する検知部32c,39aを介して入力されている。
そして、火力制御装置41は、これらの入力並びに予め記憶された制御プログラムに基づいて、表示部12H,15Hの作動を制御すると共にインバータ(高周波電流供給手段)42を制御し、誘導加熱コイル8(及び9)にインバータ42を介して高周波電流を供給して制御する。誘導加熱コイル8には、共振コンデンサ43が直列に接続されている。これらのコイル8またはコンデンサ43は、調理器具35の材質に応じて出力調整を行なうため、コイル8の巻数が可変となるように(例えば、多段コイル構成)、又はコンデンサ43の容量が可変となるように構成しても良い。
インバータ42には、商用交流電源44を、整流回路45を介して直流に変換したものが駆動用電源として供給されている。また、商用交流電源44は、図9では図示を省略しているヒータ10にも、図示しない通電制御部を介して供給されている。
また、整流回路45の入力側と、インバータ42の出力側とには、夫々電流トランス46,47が配置されており、それらの検知信号は火力制御装置41に与えられている。そして、火力制御装置41は、加熱調理器2への入力電流ipとインバータ42の出力電流(コイル電流)icとを検出するようになっている。尚、以上において、誘導加熱コイル8及び9,インバータ42は,加熱手段48を構成している。
次に、本実施例の作用について図1乃至図4も参照して説明する。図3は、火力制御装置41が内部のメモリにデータテーブルとして保持しているもので、各種の適温調理メニューに対応して火力を比例制御するためのデータ系列となっている。これらの適温調理メニューは、フライパンを使用して炒め物や焼き調理を行う場合に、温度センサ39により検知されるトッププレート19の下面温度Tpuに応じて、各調理に適した温度を維持しつつ焦げ過ぎ等を防止するように火力を制御するため用意されている。何れの制御データ系列も、基本的には、下面温度Tpuが上昇するのに比例して火力が低下するように設定されている。
図3に示すNo.2〜4は、調理メニューが「オムレツ・ホットケーキ」であり、設定温度(加熱温度)はそれぞれ140℃,150℃,160℃で「弱」,「中」,「強」に対応する。また、No.5〜7は調理メニューが「ハンバーグ」であり設定温度は170℃〜190℃(以下同様に10℃刻み),No.8〜10は調理メニューが「ステーキ」であり設定温度は200℃〜220℃,No.11〜14は調理メニューが「野菜炒め」であり設定温度は230℃〜260℃である。
更に、No.11a〜14aは具体的な調理メニューはないが、高火力調理用であり、設定温度は「野菜炒め」と同様の240℃〜270℃である。ただし、データ系列の傾きはより急峻に設定されている。そして、No.1は、設定温度が最低となる温度過昇防止調理用(温度上昇抑制用)の制御データ系列となっている。尚、これらの制御データ系列No.1〜14等は、データテーブルとして予め記憶保持するものに限らず、演算式(関数)を用いて算出しても良い。
図1は、火力制御装置41が行う誘導加熱制御を示すフローチャートであり、ユーザが操作部20AT〜27AT等を操作して適温調理メニューのNo.8「ステーキ(弱)」を選択した場合を示す。また、図2は、図1のフローチャートに対応する火力(入力電力)[kW]の変化を示す。
図1において、先ず予熱行程A(第1期間)が開始され、火力制御装置41は、第1の火力設定(例えば1.8kW)で調理器具35(この場合、フライパン)を加熱し、その加熱により消費される電力を積算する。そして、積算値が所定値(例えば30kW・s[秒])を超えるまで(この場合、16.7秒程度)加熱を継続する(ステップS1)。
ステップS1において、加熱電力の積算値が30kW・sを超えると(YES)行程B(第2期間)に移行し、火力設定を第2の値(例えば500W)に低下させる(ステップS2:図2,時刻t01)。そして、続くステップS3,S4で調理器具35の状態の良否を判定する。このように、調理器具35を一度高い火力(第1の火力設定)で加熱した後に、火力を低下させて(第2の火力設定)判定を行うと、行程Aで加熱された調理器具35の熱容量が反映されるため、判定が行い易くなるという効果がある。
ステップS3では、赤外線センサ32の出力電圧の傾きを、予め定めた閾値と比較する。通常は、火力を低下させると調理器具35の温度も低下するので、調理器具35から輻射される赤外線の量も低下する。しかし、例えば調理器具35が空焚きの状態であったり、調理器具35に投入される油の量が少ない場合(例えば大さじ3杯の50g程度)などには、火力設定を500Wに低下させても、行程Aにおいて積算された熱量が伝導する影響も含め調理器具35の温度は上昇するため、赤外線量も増加する。また、調理器具35の底部の厚さが薄く、熱容量が小さい場合も同様となる。斯様な調理器具35は、フライパンではないことが想定されるため、上記の適温調理メニューには不向きである。
そこで、ステップS3では、赤外線センサ32の出力電圧の変化(傾き)を検知する。火力制御装置41は、赤外線センサ32の出力電圧を、例えば1秒毎に4回A/D変換(サンプリング)して読み込んで、前回のA/D変換値と今回のA/D変換値との差をとる。A/D変換のビット数は、例えば10ビットである。そして、差分データ値が3回連続して0ビット(閾値)を超えていれば(すなわち、温度の上昇傾向が3秒(所定時間)以上継続すれば)、検知温度は上昇傾向を示しており、調理器具35の状態が上述した空焚きや油の量が少ない場合等であると推定され「不良」と判定し(NO)、制御データ系列No.1を選択して制御するように切り換える(ステップS8)。
すなわち、制御データ系列No.1は火力設定が最も低く、初期設定の500Wから検知温度の上昇に応じて徐々に設定値を低下させて行くので、調理器具35の温度が過剰に上昇することを防止できる。それからステップS3に戻る。尚、ステップS8では、調理器具35の取り換えを促すことや、油の投入量が不足していることを表示するための表示部を設けてユーザに報知する。また、制御データ系列No.1を選択すると、表示部15Hにおける表示が火力設定が低下したことを示すので、それにより報知を行っても良い。
ステップS3において、赤外線センサ32の出力電圧の差分データ値が3回連続して0ビット以下であれば(YES)、検知温度は一定を維持しているか下降する傾向を示しているので、調理器具35の状態は「良」と推定される。よって、次のステップS4に移行し、温度センサ39に基づく良否判定を行う。調理器具35の種類によっては、鍋底が必ずしもフラットではない場合がある。図4(a)に示すように、鍋底がフラットであれば部位yの温度に基づき輻射される赤外線は赤外線センサ32に到達し易いため、ステップS3で状態の良否判定を行えば十分である。
一方、図4(b)に示すように鍋底がフラットでなく、例えば中央部が上方に凸となる形状でトッププレート16と離間している場合、部位y’の温度に基づき輻射される赤外線は赤外線センサ32に到達し難くなる。例えば調理器具35が光沢のあるステンレス製であり、鍋底中央部が上記のような凸形状の場合に、少量の油でカツレツを調理する場合などを想定すると、高火力で加熱すれば油が高温になる場合がある。
このようなケースでは、部位y’の温度を実測すると異常加熱となっている場合でも、ステップS3の判定では「YES」となることも想定される。温度センサ39は、赤外線センサ32とは異なる部位であって、調理器載置表示部17,18内部の中心でない外側の位置で温度を検知しているので、ステップS4では温度センサ39を用いて補助的に判定を行う。また、加熱コイル8,9が図8に示すように二重構造になっている場合、中間部の温度が上昇し易いので、温度センサ39bによって上記中間部の温度変化を検知できる。
すなわち、ステップS2において第2の火力設定に切り換えた時点から、例えば15秒の間に、温度センサ39の検知温度が30度(閾値)を超えて上昇しなければ、調理器具35の状態は「良」と判断し(YES)、次の行程C:ステップS5に移行する(図2,時刻t02)。一方、第2の火力設定に切り換えた時点から15秒間に検知温度が30度を超えて上昇した場合は、調理器具35の状態は不良と判断し(NO)ステップS8に移行する。
尚、ステップS3又はS4において、調理器具35の状態が不良と判定された場合でもステップS8を経てステップS3に戻ることで、調理器具35の異常加熱を防止しつつ、ユーザが調理器具35の状態が不良であることに気付けば、油を注入したり、或いは調理器具35を振って油を全体に行き渡らせてステップS3及びS4で「YES」と判断されることでステップS5に移行して、ユーザが所望した適温調理メニューNo.8により調理を継続して実行できる可能性がある。したがって、最初に調理器具35の状態が不良であると判断された段階で直ちに調理を中止することがなく、無駄をなくすことができる。
ステップS5では、ユーザが選択した適温調理メニュー「ステーキ(弱)」に応じて、制御データ系列No.8が選択され、加熱調理が自動で実行される。その間に、ユーザは適当なタイミングで肉を裏返すなどしつつ、焼き具合を監視する。そして、制御データ系列No.8に基づいて加熱調理を行っている間も、次のステップS6において調理器具35が空焚き状態になっていないかを判定する。
すなわち、火力制御装置41は、ステップS3と同様に赤外線センサ32の出力電圧を、例えば1秒毎にA/D変換して読み込み、変換したデータ値の増分が2ビット(10b)/1秒(閾値)以上となる状態が2回連続した場合は、調理器具35の状態が「不良」であると判定し(NO)、ステップS8に移行する。そして、ステップS5,S6の処理は、ユーザの操作により調理が終了するまで(ステップS7:YES)継続される。
図2では、時刻t02からステップS5〜S7のループを実行している状態を示している。そして、加熱調理が進行し、時刻t1から温度センサ39により検知されるトッププレート下面の温度Tpuが上昇し、それに伴い制御データ系列No.8に基づく火力設定値は低下して行く。そして、時刻t2におけるステップS6の判定結果が「NO」となることでステップS8に移行し、制御データ系列No.1に基づく加熱制御となる(ステップS3,S4,S8)。その状態からさらに時間が経過し、時刻t3でステップS3及びS4での判断が何れも「YES」となると、再びステップS5に移行して制御データ系列No.8に基づく加熱制御に復帰している。
尚、本実施例については、以下のように変形して実施しても良い。一度ステップS8において適温調理メニューNo.1に基づく加熱制御を実行した場合でも、ステップS3及びS4で「YES」と判定すればステップS5を実行するようにしているが、ステップS3,S4,S8をループしている途中でも、ユーザが再度調理メニューNo.8を選択した場合は、その時点でステップS5に移行させても良い。また、その場合、ステップS6の判定は実行せずに、調理メニューNo.8に基づく加熱制御を継続する。このようにすれば、加熱調理器2が調理器具35の状態を不良と判定しても、ユーザの判断により、敢えて調理メニューNo.8を選択して実行したい場合に有効である。
さらに、上記の場合において、ユーザが再度調理メニューNo.8を選択するものに限らず、調理メニューNo.1以外のNo.2〜14等の何れかを選択すると、調理メニューNo.8に基づく加熱制御に復帰させても良い。このようにすれば、調理メニューNo.8に基づく制御に復帰させる操作をより簡単に行うことができる。
以上のように本実施例によれば、火力制御装置41は、ユーザにより選択される様々な調理条件に対応して制御データ系列を設定すると、温度センサ39の検知出力に応じて制御データ系列に従い加熱手段48を制御し、調理開始時に1.8kWの火力設定で行程Aによる加熱を行った後、500Wの火力設定に切り換えて行程Bによる加熱を行う。
そして、行程Bでは、赤外線センサ32による検知出力の変化状態に応じて調理器具35の状態の良否を判定し、調理器具35の状態が良好であると判断すると、操作部20T〜27Tを介して設定された調理条件に対応する制御データ系列(No.8)を選択し、調理器具35の状態が不良であると判断すると上記制御データ系列よりも火力設定が低い温度上昇抑制用の制御データ系列(No.1)を選択するようにした。したがって、行程Bにおいて、例えば調理器具35の温度が過剰に高くなる傾向を示すような場合には、制御データ系列No.1を用いることで、調理器具35の過剰な温度上昇を確実に抑制できる。
また、火力制御装置41は、行程Aを、加熱手段48による加熱電力(入力電力)の積算値が30kW・sに達するまで継続するので、調理メニュー毎に初期火力の設定値が異なったり、或いは調理器具35自体の熱容量や状態が個別に異なる場合でも、行程Aの完了を妥当に判断できる。
さらに、火力制御装置41は、行程Bにおいて、赤外線センサ32による検知出力が、サンプリング間隔(単位時間当たり)に示す上昇傾向(一定の傾向)が3回連続した場合は、制御データ系列No1を選択する。すなわち、調理器具35の温度が低い場合や、調理器具35が光沢のあるステンレス製などであり、調理器具35の底部やトッププレート16上面からの赤外線輻射エネルギーが小さい場合でも熱容量判定を確実に行い、調理器具35の温度が過剰に上昇しようとする傾向を抑制できる。
また、火力制御装置41は、行程Bにおいて、温度センサ39による検知出力の変化状態にも応じて、制御データ系列No.8,No1の何れかを選択するので、調理器具355の鍋底の形状により、赤外線センサ32では適切な検知が行えない場合でも、温度センサ39の検知結果により調理器具35の温度が上昇傾向にあるか否かを判断できる。
加えて、火力制御装置41は、行程Bで制御データ系列No.8が選択された場合でも、再度赤外線センサ32による検知出力を参照して上記制御データ系列No.8に基づく加熱制御を維持するか、または、制御データ系列No.1を用いるかを選択するので、加熱温度の制御を高精度に行い、行程Cにおいても過剰な温度上昇を抑制できる。
本発明は上記し又は図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形又は拡張が可能である。
ステップS1において、行程Aの電力積算値に基づく制御については、閾値が30kW・sの場合、例えばユーザにより「通常調理」が選択された場合は、第1の火力設定を3kWとして、10秒間加熱するようにしても良い。また、上記の閾値は、30kW・sに限ることなく、適宜変更して良い。
そして、ステップS3,S4,S6におけるそれぞれの閾値についても、個別の設計に応じて適宜変更して実施すれば良い。
行程Bにおいて、ステップS4は必要に応じて実施すれば良い。
温度センサは、1つのみでも、若しくは3つ以上設けても良い。
誘導加熱コイルについても、1つだけ、若しくは3つ以上設けても良い。
各制御データ系列は、必ずしも比例制御を行うデータに限ることはなく、適宜変更して良い。
調理器具35はフライパンに限ることなく、その他の鍋などである場合も同様に適用できる。
図面中、2は加熱調理器(誘導加熱調理器)、8,9は誘導加熱コイル、12,15は調理条件表示部、16はトッププレート、20T〜27Tは操作部、32は赤外線センサ、35は調理器具(被加熱物)、39は温度センサ、41は火力制御装置(制御部)、42はインバータ、48は加熱手段を示す。

Claims (5)

  1. 被加熱物が載置されるトッププレートと、
    前記被加熱物を加熱コイルにより誘導加熱する加熱手段と、
    前記トッププレート及び前記被加熱物より輻射される赤外線を検知する赤外線センサと、
    前記トッププレートの温度を検知する温度センサと、
    調理条件を設定操作するための操作部と、
    様々な調理条件に対応して、前記加熱手段による火力を制御するための制御データ系列を設定すると、前記温度センサの検知出力に応じて前記制御データ系列に従い前記加熱手段を制御し、
    調理開始時に第1の火力設定で第1期間だけ加熱を行うと、前記第1の火力設定よりも低い第2の火力設定で第2期間だけ加熱を行い、
    前記第2期間では、前記赤外線センサによる検知出力の変化状態に応じて、前記被加熱物の状態の良否を判定し、前記被加熱物の状態が良好であると判断すると前記操作部を介して設定された調理条件に対応する制御データ系列を選択し、前記被加熱物の状態が不良であると判断すると前記制御データ系列よりも火力設定が低い温度上昇抑制用の制御データ系列を選択する制御部とを備えたことを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 前記制御部は、前記第1期間を、前記加熱手段による加熱で消費される電力の積算値が所定値に達するまで継続することを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記制御部は、前記第2期間において、前記赤外線センサによる検知出力が、単位時間当たりに変化を示す一定の傾向が連続する時間,又は前記傾向が連続する回数に応じて、前記制御データ系列を選択することを特徴とする請求項1又は2記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記制御部は、前記第2期間において、前記温度センサによる検知出力の変化状態にも応じて、前記制御データ系列を選択することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記制御部は、前記第2期間において、前記赤外線センサによる検知出力の変化状態に応じて、前記操作部を介して設定された調理条件に対応する制御データ系列が選択された場合は、再度赤外線センサによる検知出力に応じて、前記操作部を介して設定された調理条件に対応する制御データ系列を維持するか、または、前記温度上昇抑制用の制御データ系列を選択することを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の誘導加熱調理器。
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