JP2011002369A - 材料試験機 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータを負荷機構の駆動源とする材料試験機において、制御ゲインの設定に際して熟練を要したり、試行錯誤を行ったり、あるいは長時間を要することなく、常に正確な材料試験を行うことができ、しかも、試験開始時における負荷機構の初期速度の設定をも不要とした材料試験機を提供する。
【解決手段】モータ21の変位量θ(t)に対する制御量の検出値F(t)の比率K(t)を逐次算出し、その算出された比率K(t)により偏差{FD (t)−F(t)}を除した値に比例した値を、モータ21に電流を供給するサーボアンプ36への回転角速度指令として供給することにより、オペレータによる制御ゲインの設定を不要としながら、試験の進行に伴って適正なゲインが自動的に算出・設定され、また、試験開始当初においては、比率Kの初期値として当該試験機で想定可能な最大の値を用いて回転角速度指令を求めることで、試験に先立って負荷機構の初期速度の設定を不要にする。
【選択図】図3
【解決手段】モータ21の変位量θ(t)に対する制御量の検出値F(t)の比率K(t)を逐次算出し、その算出された比率K(t)により偏差{FD (t)−F(t)}を除した値に比例した値を、モータ21に電流を供給するサーボアンプ36への回転角速度指令として供給することにより、オペレータによる制御ゲインの設定を不要としながら、試験の進行に伴って適正なゲインが自動的に算出・設定され、また、試験開始当初においては、比率Kの初期値として当該試験機で想定可能な最大の値を用いて回転角速度指令を求めることで、試験に先立って負荷機構の初期速度の設定を不要にする。
【選択図】図3
Description
本発明は材料試験機に関し、更に詳しくは、負荷機構の駆動源としてモータを用いた材料試験機に関する。
負荷機構の駆動源としてモータを用いた材料試験機においては、一般に、テーブル上に2本のねじ棹を回転自在に支持するとともに、その各ねじ棹にナットを介してクロスヘッドの両端部を支持した構造が多用され、モータの回転により各ねじ棹に回転を与えることでクロスヘッドを移動させ、そのクロスヘッドとテーブルにそれぞれ装着された掴み具に両端が把持された試験片に対して負荷を加えるように構成されている。
この種の材料試験機においては、通常、負荷機構の駆動用のモータにはサーボモータが用いられ、試験片に作用する試験力や、試験片の伸び等のうち、制御量に選択されている物理量の刻々の検出値を目標値にフィードバックしてモータを制御する(例えば特許文献1参照)。
すなわち、例えば試験力が制御量として選択されている場合、その検出値(現在値)と目標値との偏差にPID等の演算を施し、その演算結果に応じた値を、駆動用のモータに駆動信号を供給するサーボアンプに対して回転角度指令として与えることにより、モータを制御する。
具体的には、偏差を定数倍(比例ゲイン)した値、同じく偏差の時間微分を定数倍(微分ゲイン)した値、同じく偏差の時間積分を定数倍(積分ゲイン)した値を組み合わせて回転角度指令の大きさを決定している。
ここで、以上のようなモータを負荷機構の駆動源とする材料試験機においては、上記した比例ゲイン、微分ゲインおよび積分ゲインを適正に設定することによって、目標値に正しく追随する正確な材料試験を行うことができるのであるが、系に試験片を含むこともあって、これらの各ゲインは一般的には試行錯誤で設定しているのが実情である。
そのため、特に新規の種類の試験片等の試験に際して、上記の各ゲインの設定には相応の時間を必要とするばかりでなく、オペレータの熟練が必要であるという問題があり、しかも正確な試験を行うことができるという保証はない。
このような問題を解決するため、本発明者は、既に、モータを負荷機構の駆動源とする材料試験機において、制御ゲインの設定に際して熟練を要したり試行錯誤を行ったり、あるいは長時間を要することなく、常に正確な材料試験を行うことのできる材料試験機を提案している(特許文献2参照)。
すなわち、この提案技術においては、モータを駆動するサーボアンプに対して、モータの回転角速度指令を与えることによって負荷機構の動作を制御する制御機構を有し、この制御機構は、選択されている制御量の検出値と目標値との偏差に応じてサーボアンプに指令として供給すべき回転角速度の大きさを算出する構成において、制御機構では、モータの変位量に対する制御量の検出値の比率を逐次算出し、その算出した比率により偏差を除した値に比例する値を、サーボアンプに供給すべき回転角速度の大きさとする。
この構成の採用により、負荷機構の駆動用のモータのアンプに供給される刻々の回転角速度指令の大きさの偏差に対する割合が、モータの変位量に対する制御量の検出値の変化の比率に応じて自動的に決定され、従ってサーボアンプに供給される回転角速度指令の大きさは、上記の比率が大きい状態では小さく、比率が小さくなれば大きくなるように制御される。これは、上記の比率が大きい場合には比例ゲインが小さく、比率が小さくなれば自動的に比例ゲインが大きく設定されることを意味し、これによって試験に先立って試行錯誤的にゲインを設定することなく、常に正確な材料試験を行うことが可能となる。
しかも、前記した比率は試験中において刻々と算出され、モータのアンプに供給される回転角速度指令の大きさに反映されるため、試験中における試験片の刻々の性状変化に追随して常に最適なゲイン設定が自動的に行われることになる。
ところで、上記した本発明者による提案技術によると、モータの変位量と制御量の検出値のデータが揃ってその比率が算出された後は、試験片の状態に応じて実質的に制御のゲインが自動的に設定されることになるのであるが、その比率が算出されるまでの試験開始当初におけるモータの回転角速度は、何らかの形であらかじめ設定する必要がある。そのため、その試験開始当初のモータの回転角速度については、例えばあらかじめ設定された角速度を用いて等速制御をする等の対策が必要となる。
ここで、試験開始当初のモータの回転角速度の設定は、比例ゲイン、積分ゲインおよび微分ゲインを設定することに比してより簡単で間違いも少ないものの、未知の試料の試験にあっては、試験開始当初に試験片に重大な影響を与える可能性がある。すなわち、上記の比率を算出するためのモータの変位量データと制御量の検出値データは、刻々のデータを用いるとノイズ等の影響を受けて誤差が含まれる可能性があるため、これらのデータは、比率を算出する時点で採取されている最新の複数個、例えば100個のデータの平均値とすることが望ましいのであるが、そのデータが揃うまでの間に、未知の性状を有する試験片に対して好ましくない負荷が作用する可能性がないとは言えない。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、モータを負荷機構の駆動源とする材料試験機において、制御ゲインの設定に熟練を要したり、試行錯誤を行ったり、あるいは長時間を要することなく、常に正確な材料試験を行うことができ、しかも、試験開始当初におけるモータの回転角速度を設定する必要のない材料試験機の提供をその課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明の材料試験機は、試験片に負荷を加える負荷機構の駆動源としてモータを用い、そのモータを駆動するサーボアンプに対して当該モータの回転角速度指令を刻々と与えることにより、負荷機構の動作を制御する制御機構を備え、この制御機構は、選択されている制御量の検出値と目標値との偏差に応じて上記サーボアンプに指令として供給すべき回転角速度の大きさを算出する材料試験機において、上記制御機構は、上記モータの変位量に対する上記制御量の検出値の比率を逐次算出するとともに、その算出された比率により上記偏差を除した値に比例した値を上記サーボアンプに供給すべき回転角速度の大きさとし、かつ、試験の開始当初の規定の時間においてのみ、上記比率の初期値として当該試験機で想定可能な最大の値を用いることによって特徴づけられる(請求項1)。
ここで、本発明においては、任意の制御量をゼロにホールドするゼロホールド機能を有し、そのゼロホールド機能の作動時における上記モータの回転角速度を、上記比率の初期値を用いて算出した角速度とする構成(請求項2)を好適に採用することができる。
本発明は、モータの変位量のデータ並びに制御量の検出値のデータが揃った後は、前記した特許文献2において提案されている技術と同様の以下に詳述する作用を発揮するとともに、比率を算出するまでの間、つまり試験開始当初から最初に比率が算出されるまでの間、比率の初期値として当該試験機で想定可能な最大の値を用いることにより、オペレータによる初期速度の設定作業を不要とし、しかも試験開始当初において試験片に対して悪影響を与えることをなくそうとするものである。
本発明の特徴は、モータの変位量をθ(t)、制御量、例えば試験力の検出値(現在値)をF(t)として、tより一定時間前の時刻t−t0 のモータ変位量θ(t−t0 )と試験力の検出値F(t−t0 )とを用いた、
ここで、(2)式においてAはあらかじめ設定される定数であり、これは、実質的に時定数(偏差の変化量の時定数)の逆数に相当し、偏差の早い収束を望むならばAを大きく、遅くてもよい場合にはAを小さく設定すればよい。
本発明によると、負荷機構の駆動用のモータのアンプに供給される刻々の回転角速度指令の大きさdΘ/dtの偏差に対する割合が、モータの変位量に対する制御量の検出値の変化の比率に応じて自動的に決定され、その比率が大きい状態では小さく、比率が小さくなれば大きくなるように制御される。換言すれば、上記の比率が大きい場合には比例ゲインが小さく、比率が小さくなれば自動的に比例ゲインが大きく設定され、これにより、試験に先立って試行錯誤的にゲインを設定することなく、常に正確な材料試験を行うことが可能となる。
しかも、モータの変位量のデータと、その変位量に対する制御量の検出値のデータが揃わず、従ってこれら両者の比率である変化率K(t)を算出することのできない、試験開始当初においては、当該試験機で想定可能な最大の比率を用いる。従って、オペレータによりKの初期速度の設定を行うことなく、しかも制御のオーバーシュートにより試験片に対して意図せぬ負荷が作用して悪影響を与える恐れがない。
ここで、本発明において、当該試験機で想定可能な最大の比率とは、例えば制御量が伸びである場合、負荷機構の変位量と伸びが同量となる場合に算出される比率を言い、例えば負荷機構の変位量が1mmである場合に伸びが1mmとなる場合の比率を言う。実際の計算に当たっては、試験開始当初に用いられる比率KI は、負荷機構の変位量が1mmとなるモータの変位量θ(より具体的にはパルス数)により、1mm相当の伸びを表す伸びの検出値データを除した値である。また、制御量が試験力ある場合、負荷機構の変位に対して反力を発生する変形が試験機側のみ、つまり試験片の変形が0である場合に算出される比率を言い、例えば負荷機構の変位量が1mmである場合に、試験機側がその1mm分全てを弾性変形する場合の比率を言う。より具体的には、試験開始当初に用いられる比率KI は、試験片を装着していない状態で負荷を加えることにより試験機側を変形させ、負荷機構が1mmに達した時点での試験力の検出値を、負荷機構の変位量が1mmとなるモータの変位量θ(上記と同様にパルス数)によって除した値である。
本発明は、前記した特許文献2に記載の提案と同様に、制御量とモータの回転角の関係が、瞬時的にはほぼ比例し、かつ、試験の進行に伴い試験片の塑性変形により、その比例定数が変化していくことを前提としている。
すなわち、試験開始当初からのモータの変位量をθ(t)とし、制御量として選択されている例えば試験力の検出値をF(t)とすると、
この(3)式は、制御量である試験力F(t)はモータの変位量(回転角)θ(t)に比例し、かつ、時間的にFR (t)が変化することにより厳密には比例関係にはないことを示しており、比例項以外をFR (t)で表している。図2にこの関係をグラフで例示する。この図2のグラフは、横軸がモータの変位量(試験開始当初を0とした回転角)θであり、縦軸が制御量としての試験力F(t)の検出値である。
(3)式の両辺を時間微分して、
(3)式の両辺を時間微分して、
ここで、dFR (t)/dtは一般には0にはならず、試験の進行に伴う試験片の特性変化により時間的に変化するパラメータとなるが、一般的には材料特性の変化は比較的ゆっくりとした変化となり、この時間変化量dFR (t)/dtは十分に小さい値となるので、dFR (t)/dt=0として取り扱うことが可能となる。
同様に、比率K(t)も時間的に変化するが変化量は小さいと考え、dK(t)/dt=0とすると、
ここで、制御入力として、つまりサーボアンプに対する操作量としてモータの回転角速度dΘ/dtを用いる場合、実際のモータの回転角速度dθ/dtはモータの負荷量に依存して、サーボアンプに供給される回転角速度指令の大きさdΘ/dtとは完全に等しい値とはならないが、一般的なサーボモータとサーボアンプを用いた場合、十分に近い値となる。
そこで、(5)式を以下のように近似する。
そこで、(5)式を以下のように近似する。
そして、K(t)は試験の進行に伴って変化するので、制御量の刻々の検出値とモータの変位量を用いて刻々とK(t)を算出し、この算出したK(t)と、その時点における偏差を用いて、サーボアンプに供給すべきモータの角速度指令の大きさを、前記した(2)式によって算出する。
この(2)式を(6)式に代入すると、
この(2)式を(6)式に代入すると、
とおくと、
本発明によれば、モータを負荷機構の駆動源とする材料試験機において、モータをフィードバック制御するためのゲインの設定を行う必要がなく、刻々のモータの変位量(回転量)と制御量の検出値から、刻々の適正なゲインが自動的に算出されて逐次設定されていく。
従って、オペレータは、試験に先立って従来のように試行錯誤的にゲイン設定を行う必要がなくなり、その手間を省けると同時に、熟練を要することなく、常に正確な材料試験を行うことが可能となる。
しかも、試験開始当初のモータの変位量並びに制御量の検出値のデータが揃わない間においては、当該試験機で想定可能な最大の比率を用いて自動的にモータの回転角速度を決めるため、試験開始当初に制御のオーバーシュートによる意図せぬ負荷が試験片に作用することがなく、未知の試料でも安心して試験を行うことができる。
また、請求項2に係る発明のように、任意の制御量をゼロホールドするゼロホールド機能の作動時に、モータの回転角速度として、上記した比率の初期値を用いて算出した角速度を用いることにより、ゼロホールドのために動作する動作速度を指定する必要がなくなるという効果を奏することができる。
1 試験機本体
11 テーブル
12a,12b ねじ棹
13 クロスヘッド
14a,14b 掴み具
15 ロードセル
16 伸び計
20 負荷機構
21 サーボモータ
22a,22b ウォーム減速機
30 演算制御部
30a 操作部
31,32 増幅器
33,34 A−D変換器
35 D−A変換器
36 サーボアンプ
W 試験片
11 テーブル
12a,12b ねじ棹
13 クロスヘッド
14a,14b 掴み具
15 ロードセル
16 伸び計
20 負荷機構
21 サーボモータ
22a,22b ウォーム減速機
30 演算制御部
30a 操作部
31,32 増幅器
33,34 A−D変換器
35 D−A変換器
36 サーボアンプ
W 試験片
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態の構成図で、機械的構成を表す模式図と電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図である。
図1は本発明の実施の形態の構成図で、機械的構成を表す模式図と電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図である。
試験機本体1は、テーブル11の上に2本のねじ棹12a,12bを鉛直の姿勢で回動自在に支持し、これらの各ねじ棹12a,12bに、クロスヘッド13の両端部に固定されているナット(図示せず)をねじ込んだ構造を有している。
クロスヘッド13およびテーブル11には、互いに上下に対向するように一対の掴み具14a,14bが取り付けられており、これらの掴み具14a,14bに試験片Wの両端部が把持される。
各ねじ棹12a,12bには、負荷機構20の駆動源であるサーボモータ21の回転がウォーム減速機22a,22b等を介して伝達され、これによって各ねじ棹12a,12bが回転する。このねじ棹12a,12bの回転によってクロスヘッド13が上下動し、引張試験を行う場合には、クロスヘッド13を上昇させることによって、試験片Wに試験力(引張荷重)Fが負荷される。
試験片Wに作用する試験力はロードセル15によって検出され、また、試験片Wの伸びは伸び計16によって検出され、それぞれロードアンプ31、ストレインアンプ32により増幅されたうえで、A/D変換器33,34でデジタル化された後、演算制御部30に取り込まれる。
演算制御部30はコンピュータやシーケンサーおよびこれらの周辺機器によって構成され、所定の微小時間ごとにロードセル15および伸び計16からの試験力データおよび伸びデータを取り込んでデータ処理を行い、試験力−伸び曲線等の試験データを作成するとともに、取り込んだデータのうち、制御量に設定されているデータとその制御量の目標値とから、サーボモータ21をフィードバック制御する。また、この演算制御部30には操作部30aが設けられており、この操作部30aの操作によって各種指令を与えたり、あるいは下記に示す時定数に対応する定数A等を設定することができる。
サーボモータ21はサーボアンプ36から供給される電流により回転駆動するが、そのサーボアンプ36は演算制御部30からD/A変換器35を通じて供給される回転角度指令の大きさに応じた電流をサーボモータ21に供給する。
次に以上の本発明の実施の形態の制御動作手順について、制御量として試験力が選択されている場合を例にとって図3のフローチャートを参照しつつ説明する。
試験の開始と同時に、刻々と試験力データF(t)およびサーボモータ21の変位量θ(t)、並びに目標値FD (t)を取り込み、サーボアンプ36に与えるべき回転角速度指令を算出する。この試験開始当初においては、回転角速度指令を算出するための比率K(t)の初期値を、試験のために設定された材料試験機で想定可能な最大の比率KI とする。この比率KI は、試験片Wを装着しない状態でサーボモータ21を回転させて材料試験機を弾性変形させたときのサーボモータ21の変位量θに対する試験力Fの比率に相当する値であり、あらかじめ演算制御部30に記憶している。そして、この比率KI と、刻々の偏差{FD (t)−F(t)}、および定数Aを用いて、前記した(2)式によってサーボアンプ36に与えるべき回転角速度指令dΘ/dtを決定する。
試験の開始と同時に、刻々と試験力データF(t)およびサーボモータ21の変位量θ(t)、並びに目標値FD (t)を取り込み、サーボアンプ36に与えるべき回転角速度指令を算出する。この試験開始当初においては、回転角速度指令を算出するための比率K(t)の初期値を、試験のために設定された材料試験機で想定可能な最大の比率KI とする。この比率KI は、試験片Wを装着しない状態でサーボモータ21を回転させて材料試験機を弾性変形させたときのサーボモータ21の変位量θに対する試験力Fの比率に相当する値であり、あらかじめ演算制御部30に記憶している。そして、この比率KI と、刻々の偏差{FD (t)−F(t)}、および定数Aを用いて、前記した(2)式によってサーボアンプ36に与えるべき回転角速度指令dΘ/dtを決定する。
そして、サーボモータ21の変位量θ(t)が、あらかじめ設定されているθP に達した以降は、刻々の試験力デーF(t)とサーボモータ21の変位量θ(t)から、前記した(1)式で表される比率K(t)を算出し、その比率K(t)と偏差{FD (t)−F(t)}並びに定数Aを用いて、(2)式によって回転角速度指令dΘ/dtを算出する。
ここで、以上の比率K(t)や回転角速度指令dΘ/dtの各計算は、試験力データF(t)等を取り込むごとに行われるのであるが、そのときの計算に用いられる各データは、その時点で刻々と採取して記憶しているn個のデータ、例えば100個程度の平均値が用いられる。そのため、各回の採取データにノイズが含まれていても、その影響を殆ど受けることなく正確な制御が可能となる。
また、ゼロホールドが指定されたときには、上記した比率の初期値KI を用いて、選択されている制御量をゼロとする目標値に対して上記と同じ演算によりモータの回転角速度dΘ/dtを算出して負荷機構を動作させる。
以上の実施の形態によれば、オペレータは従来のように制御ゲインを試行錯誤により前もって設定する必要がなく、時定数に対応する定数Aのみを設定すればよいため、その手間を省け、また、熟練者でなくとも試験に先立つ設定を行うことができる。しかも、データが揃うまでの試験開始当初においては、当該材料試験機で想定可能な最大の比率KI を用いてモータの回転角速度指令dΘ/dtを算出するので、オペレータは初期速度の設定を行う必要がなく、しかも、用いる比率KI は当該材料試験機で想定可能な最大の値とずるので、どのような性状の試験片であっても制御の行き過ぎによって試験片にダメージを与えることがない。また、ゼロホールド動作時においても、ゼロホールドのための動作速度を一々設定する必要がないという利点もある。
ここで、本発明は、以上の(2)により回転角速度指令を求めるほか、この(2)式に付加的な項を追加することもできる。例えば、フィードフォワード項を追加した下記の(11)式をより好適に用いることができる。また、速度フィードバック項を追加する場合には、下記の(12)式を用いればよく、積分項を追加する場合には下記の(13)式を用いればよい。いずれの項においても、前記したK(t)を用いることで、ゲインの設定が実質的に不要となる。なお、(12)式および(13)式におけるBおよびCは、いずれも、前記したAと同様に任意に設定可能な定数である。
また、以上の実施の形態においては、制御量として試験力を選択した例を示したが、伸び等の他の物理量であっても、上記と同様にK(t)を刻々と計算し、その値で偏差を除した値をモータの回転角速度とすることで、上記と同等の作用効果を得ることができる。
Claims (2)
- 試験片に負荷を加える負荷機構の駆動源としてモータを用い、そのモータを駆動するサーボアンプに対して当該モータの回転角速度指令を刻々と与えることにより、負荷機構の動作を制御する制御機構を備え、この制御機構は、選択されている制御量の検出値と目標値との偏差に応じて上記サーボアンプに指令として供給すべき回転角速度の大きさを算出する材料試験機において、
上記制御機構は、上記モータの変位量に対する上記制御量の検出値の比率を逐次算出するとともに、その算出された比率により上記偏差を除した値に比例した値を上記サーボアンプに供給すべき回転角速度の大きさとし、かつ、試験の開始当初の規定の時間においてのみ、上記比率の初期値として当該試験機で想定可能な最大の値を用いることを特徴とする材料試験機。 - 任意の制御量をゼロにホールドするゼロホールド機能を有し、そのゼロホールド機能の作動時における上記モータの回転角速度を、上記比率の初期値を用いて算出した角速度とすることを特徴とする請求項1に記載の材料試験機。
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