JP2011002191A - 省エネシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の制御装置では、制御装置の利用者は省エネ制御を現在行っているか否かといったことについて意識が向きにくく、省エネ行動に対する意識を向上させることが難しかった。
【解決手段】本実施例の省エネシステムにおいては、複数の空調装置の総電力使用量が目標値を超過しそうになった場合、一部の空調装置について所定時間にわたり省エネ制御することが可能である。当該構成とすることによって、省エネ制御される空調装置の利用者は所定時間にわたり省エネモードを体感するが、制御装置に省エネ対策を任せることができず、省エネ行動に対する意識が向上しやすくなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、室外機と室内機とからなる複数の空調装置と空調装置を制御する制御装置とからなる省エネシステムに関する。
従来より省エネ対策用の制御装置としては、空調装置などの電気機器の電力使用状況を常時監視して、電力使用量が所定の閾値を超過しそうになると電気機器の電源をOFFにするなどして電力使用量を制限するものが一般的に知られている。これらの制御装置は、自動的に、かつ、利用者の快適性をできるだけ考慮した上で制御を行うことを特徴としている。例えば、特許文献1では、複数の空調負荷の合計使用電力量を制御するデマンド制御装置によってデマンド制御されている場合であっても室内の湿度の上昇を抑えることが可能な空調システムが開示されている。つまり、電気機器の利用者に対してなるべく精神的又は肉体的な負荷をかけることなく電力使用量の制御を行うことを主眼としている。
特開2006−329468号公報
しかしながら、上記の制御装置は人の行動を介在することなく自動的に、かつ、なるべく快適に過ごせるように制御を行うため、制御装置の利用者は省エネ制御を現在行っているか否かといったことについて意識が向きにくく、省エネ行動に対する意識を向上させることが難しかった。また、上記の制御装置は人による省エネ行動を誘起する効果が少ないため、結果として設備投資費用程度の利益しか得られないことが多かった。つまり、費用対効果の高い省エネを行うためには空調装置の利用者の省エネ意識を向上させることが不可欠であり、そのための省エネシステムが求められていた。
以上の課題を解決するために、本発明は、室外機と室内機とからなる複数の空調装置と、その複数台分の電力使用量を電力計を介して監視して一部の空調装置の室外機のON/OFF動作を制御可能な制御装置とからなる省エネシステムであって、全空調装置の総電力使用量を電力計を介して取得する総電力使用量取得部と、総電力使用量の目標値である目標デマンド値を保持する目標デマンド値保持部と、取得した総電力使用量から近い将来の総電力使用量を予測する総電力使用量予測部と、予測された近い将来の総電力使用量が目標デマンド値を超過する場合に、全空調装置の中の一部の空調装置の室外機を所定時間OFF制御して、対応する室内機を温調なしの送風状態とする制御部と、前記OFF制御する所定時間を示す情報である所定時間情報を保持する時間保持部と、からなる制御装置を有する省エネシステムを提案する。
以上のような構成をとる本発明によって、省エネ制御される空調装置の利用者は所定時間にわたり省エネモードを体感するが、当該制御は一部の空調装置に対するものであり、またその制御も所定時間に限られているため、空調装置の利用者は制御装置に省エネ対策を任せることができず、省エネ行動に対する意識が向上しやすくなる。
実施例1の省エネシステムの機能ブロックの一例を示す図 実施例1の制御装置の機能ブロックの一例を示す図 実施例1の制御装置のハードウェア構成の一例を表す概略図 実施例1の制御装置の制御処理の流れの一例を示す図 実施例2の制御装置の機能ブロックの一例を示す図 実施例2の制御装置の制御処理の流れの一例を示す図 実施例3の制御装置の機能ブロックの一例を示す図 実施例4の制御装置の機能ブロックの一例を示す図 実施例5の制御装置の機能ブロックの一例を示す図 省エネ制御履歴の一例を示す図 省エネ制御履歴の他の例を示す図 実施例5の制御装置の制御処理の流れの一例を示す図 実施例6の制御装置の機能ブロックの一例を示す図 実施例6の制御装置の制御処理の流れの一例を示す図 実施例7の制御装置の機能ブロックの一例を示す図 操作履歴の一例を示す図 省エネ操作であるか否か判断するための判断テーブル 実施例7の制御装置の制御処理の流れの一例を示す図 実施例8の省エネシステムの機能ブロックの一例を示す図 実施例8のセンター装置の機能ブロックの一例を示す図 実施例8の制御装置の機能ブロックの一例を示す図 実施例8のセンター装置のハードウェア構成の一例を表す概略図 実施例8の制御装置及びセンター装置の目標デマンド値の変更に関する処理の流れの一例を示す図
<概要>
本実施例の省エネシステムにおいては、複数の空調装置の総電力使用量が目標値を超過しそうになった場合、一部の空調装置について所定時間にわたり省エネ制御することが可能である。当該構成とすることによって、省エネ制御される空調装置の利用者は所定時間にわたり省エネモードを体感するが、当該制御は一部の空調装置に対するものであり、またその制御も所定時間に限られているため、空調装置の利用者は制御装置に省エネ対策を任せることができず、省エネ行動に対する意識が向上しやすくなる。
<構成>
図1は、本実施例の省エネシステムの機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施例の「省エネシステム」0100は、室外機と室内機とからなる複数の「空調装置」0101(A〜D)と、その複数台分の電力使用量を「電力計」0102を介して監視して一部の空調装置の室外機のON/OFF動作を制御可能な「制御装置」0103とからなる。
なお、以下に記載する各装置の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUやメインメモリ、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、情報入力に利用される入力デバイス、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェイス、通信用インターフェイス、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、ユーザーインターフェイス用アプリケーションなどが挙げられる。そしてメインメモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェイスなどから入力されメモリやハードディスク上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、上記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。また、この発明は装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。
また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を記録媒体に固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
(制御装置の機能)
図2は、本実施例の制御装置の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施例の「制御装置」0200は、「総電力使用量取得部」0201と「目標デマンド値保持部」0202と「総電力使用量予測部」0203と「制御部」0204と「時間保持部」0205を有する。
「総電力使用量取得部」は、全空調装置の総電力使用量を電力計を介して取得する機能を有する。電力計と制御装置は電気回線で接続される構成が考えられるが、有線又は無線の通信回線によって接続される構成も同様に考えられる。なお、総電力使用量には、比較的短時間の電力使用量の総和(例えば毎30分間の電力使用量の総和)や、長期にわたる電力使用量の総和(例えば一月あたりの積算電力使用量の総和)のいずれも考えられる。なお、比較的短時間の電力使用量は、一般的に電気料金の定額部分の料金(基本料金)と関連づけられており、長期にわたる電力使用量は基本料金に上乗せされる従量料金と関連づけられていることが多い。例えば、毎30分あたりの電力使用量が一定の閾値を超えた場合は以降1年にわたる基本料金が値上がりするように取り決められている場合もある。
また、総電力使用量の他に、各空調装置の識別IDや各空調装置の設定温度や設定モードなどの情報を合わせて取得する構成も可能である。これらの情報は、制御装置においてOFF制御する空調装置を選択する際の判断データとして利用することが可能である。
電力計から総電力使用量を取得するタイミングとしては、所定時間ごと(例えば1分ごと)に取得する構成とすることが考えられる。なお、一の空調装置に対して一の電力計を設置する必要は必ずしもなく、図2に示すように、複数の空調装置に対して一の電力計を設置する構成が考えられる。この場合、当該一の電力計は各空調装置の電力使用量をそれぞれ取得可能なように保持する構成とすることが考えられる。
「目標デマンド値保持部」は、総電力使用量の目標値である目標デマンド値を保持する機能を有する。目標デマンド値は制御装置の操作入力機器を介して編集可能な構成とすることも可能であるし、有線又は無線の通信回線を介して外部から編集可能な構成とすることも可能である(実施例7にて詳述する)。
「総電力使用量予測部」は、取得した総電力使用量から近い将来の総電力使用量を予測する機能を有する。ここで、近い将来の総電力使用量とは、現在から所定時間先までの総電力使用量(例えば現在から30分後までの総電力使用量)の他に、過去のある時間から所定時間先までの総電力使用量(例えば17分前から13分後までの正味30分間の総電力使用量)、未来のある時間から所定時間先までの総電力使用量(例えば10分後から40分後までの正味30分間の総電力使用量)等も含まれる。ここで、総電力使用量を予測する方法としては、過去所定時間の電力使用のペースを平均化して所定時間先までの総電力使用量を予測する方法や、最小二乗法を用いて一次又は二次関数等で近似して予測する方法、時間帯ごとの電力使用量の履歴情報から電力使用の傾向を予測する方法等種々のものが考えられる。これらは所定のプログラム(例えば、最小二乗法を用いた予測プログラム)やテーブル(例えば、時間帯や季節と電力使用量を関連づけたテーブル)を保持することで実施可能である。
なお、総電力使用量予測部によって予測を行うタイミングは操作入力装置による操作や通信回線等を介した外部からの操作によって適宜設定可能な構成とすることも可能である。例えば30分単位の総電力使用量について予測する場合は、15分経過時点での予測を行うといった設定も可能である。
「制御部」は、予測された近い将来の総電力使用量が目標デマンド値を超過する場合に、全空調装置の中の一部の空調装置の室外機を所定時間OFF制御して、対応する室内機を温調なしの送風状態とする機能を有する。つまり、当該制御を行うことによって空調装置は送風モードになり、夏は自然に室温がやや上がり、冬は自然に室温がやや下がることになる。OFF制御された空調装置の周りの人は送風モードの風や室温の変化等を肌で感じることにより自然に省エネを体感することになり、さらに省エネ行動を起こす必要があるということを認識させることが可能になる。
また、全空調装置の室外機をOFF制御するのではなく、一部の空調装置の室外機のみをOFF制御することで、OFF制御されない空調装置に対する自発的な省エネ行動が要求されることになり、結果として省エネ意識が高まることになる。例えば全空調装置の室外機をOFF制御する構成とした場合、自発的に省エネ行動を取ろうとする意思が働きにくいが、OFF制御されるべき空調装置が存在すると省エネ行動を取ろうとする意思が働きやすくなる。また、全空調装置について制御装置からの制御線を張り巡らせる必要性が必ずしもなく、設備費用を抑えることも可能になる。
「時間保持部」は、前記OFF制御する所定時間を示す情報である所定時間情報を保持する機能を有する。例えば、総電力使用量予測部による予測が目標デマンド値を超過すると判断された場合は、当該判断時から5分間にわたってOFF制御を行うものとすることが可能である。当該所定時間の情報は操作入力装置等による操作や通信回線を介した外部からの入力に基づいて編集可能な構成とすることも可能である。
OFF制御する時間を一定時間に設定する構成とすることによって、OFF制御された空調装置の周りにいる人は制御装置に対して省エネ対策を完全に委ねることができず、必然的に省エネ意識が高くなる。つまり、本実施例の制御装置は空調装置の総電力使用量が目標デマンド値を超過しそうなことを送風モードによって認識させて人による省エネ行動を要求し、空調装置の周りの人の省エネ意識を高めることが可能になる。
<制御装置の具体的な構成>
図3は、上記制御装置の機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、構成の一例を表す概略図である。この図を利用して、それぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
この図にあるように、制御装置は、「CPU」0301は、「記憶装置(記憶媒体))」0302と、「メインメモリ」0303と、「ディスプレイ」0304と、「スピーカー」0305と、「通信装置」0306と、「操作入力装置」0307とを備える。また、制御装置は「インターフェイス装置」0308を備え、「電力計」0309及び「空調装置」0310と電力信号や制御信号等の情報の送受信を行うことが可能である。上記の構成は、「システムバス」0311のデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
CPUは総電力使用量取得プログラムを読み出して、全空調装置の総電力使用量をインターフェイスを介して電力計から取得する処理を行い、当該情報をメインメモリの所定のアドレスに格納する。ここで、総電力使用量の取得は制御装置の内蔵クロック(図にて省略)に基づいて1分間隔で取得する構成とすることが可能である。次に、CPUは総電力使用量予測プログラムを読み出して、上記総電力使用量から所定時間先までの総電力使用量を予測する処理を実行し、処理結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する。具体的な処理としては、30分単位の総電力使用量を予測する場合は、15分の時点において過去15分のデータに基づいて単位分あたりの総電力使用量を算出し、残り15分の総電力使用量を予測することが考えられる。次に記憶装置に保持されている目標デマンド値をメインメモリの所定のアドレスに格納し、予測結果との大小の比較をする処理を実行し、処理結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する。
CPUは制御プログラムを読み出して、上記の予測結果が目標デマンド値よりも大きいとの結果である場合は、全空調装置の中の一部の空調装置の室外機を所定時間OFF制御して、対応する室内機を温調なしの送風状態にするための処理を行う。具体的には、記憶装置に保持されている所定時間情報をメインメモリの所定のアドレスに格納し、空調装置をOFF制御すべき時間を決定する。なお、OFF制御されるべき空調装置をその都度選択する構成とする場合は、各空調装置に対する制御線を配置することになるが、OFF制御されるべき空調装置を予め限定する場合は当該空調装置に対してのみ制御線を配置することも可能である。
<処理の流れ>
図4は、本実施例の省エネシステムを構成する制御装置の制御処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0401では、全空調装置の総電力使用量を電力計を介して取得する。次にステップS0402では、取得した総電力使用量から近い将来の総電力使用量を予測する。次にステップS0403では、予測された近い将来の総電力使用量が目標デマンド値を超過するか否か判断する。ここでの判断が超過するとの判断である場合は、ステップS0404に移行する。ここでの判断が超過していないとの判断である場合はステップS0401に戻る。ステップS0404では、予測された近い将来の総電力使用量が目標デマンド値を超過する場合に、全空調装置の中の一部の空調装置の室外機を所定時間OFF制御して、対応する室内機を温調なしの送風状態とする。
<効果>
本実施例の省エネシステムにより、省エネ制御される空調装置の利用者は所定時間にわたり省エネモードを体感するが、当該制御は一部の空調装置に対するものであり、またその制御も所定時間に限られているため、空調装置の利用者は制御装置に省エネ対策を任せることができず、省エネ行動に対する意識が向上しやすくなる。
<概要>
本実施例の省エネシステムは、基本的に実施例1の省エネシステムと共通するが、省エネモードを体感した後になお電力使用量が目標値を超過しそうな場合は、空調装置の利用者に対して空調装置に対する省エネ操作を促すための報知をすることが可能であるため、さらに省エネ意識を高めることが可能になる。
<構成>
本実施例の「省エネシステム」は、実施例1の図1で示したように、室外機と室内機とからなる複数の「空調装置」と、その複数台分の電力使用量を「電力計」を介して監視して一部の空調装置の室外機のON/OFF動作を制御可能な「制御装置」とからなる。
図5は、本実施例の制御装置の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施例の「制御装置」0500は、「総電力使用量取得部」0501と「目標デマンド値保持部」0502と「総電力使用量予測部」0503と「制御部」0504と「時間保持部」0505と「報知部」0506を有する。基本的な構成は実施例1の図2で説明した制御装置と共通するため、相違点である「報知部」について説明する。
「報知部」は、所定時間のOFF制御が終了した後の一定の時間内に総電力使用量予測部で予測された近い将来の総電力使用量が目標デマンド値を超過する場合に、空調装置の利用者に対して空調装置に対する省エネ操作を促すための報知をする機能を有する。空調装置に対する省エネ操作を促すための報知としては、例えば、省エネ行動を要請するための音声出力や表示出力、警告ランプ等、又はこれらを複数組み合わせることによって行うことが可能である。また、音声出力を行う場合は、周囲の騒がしさに応じて警告音の音量を変更する音量自動調節手段を有する構成とすることも可能である。具体的には、ハードウェア装置として集音回路を設けて、周囲からの音の入力信号をデジタル処理し、周囲の音の大きさに応じて報知音のボリュームを自動的に調整することになる。当該構成とすることで、警告装置からの警告音が周囲の音に埋もれてしまう事態を防止できる。
上記の報知を行う際に、省エネ行動の具体的内容を指示することも可能である。例えば、所定数の空調装置について設定温度を一定温度下げる指示をディスプレイに表示したり、音声出力したりすることが考えられる。また、各空調装置の周りにいる人の情報をスタッフ情報保持部(記憶装置等)に保持し、省エネスタッフ選出部(省エネスタッフ選出プログラム等)によって省エネ操作を行うべき人をランダムに選出する構成が考えられる。
また、省エネ操作を行うべき人を選出して報知を行った後に実際に行われた操作を当該選出された人の識別IDと関連づけて保持しておく構成も可能である。当該構成とすることにより、上記省エネスタッフ選出部によって次の機会に選出する際の判断データとして用いることも可能である。例えば、ある人を選出して報知を行った後に省エネ操作が行われた割合が少ない場合はその人を優先的に選出する構成も考えられる。また、省エネ操作が行われた割合が多い順に省エネスタッフを選出する構成も同様に可能である。さらに、省エネ行動を取るまでは指定されたスタッフの名前等を報知し続ける構成も可能である。
上記のように、省エネ操作を行うべき人を制御装置によって明示的に選出することにより、選出された人は省エネ操作を行おうとする意思が否応なく働くことになり、自然と省エネ意識も向上することになる。また、省エネスタッフ1人に対して複数台(例えば、5台)の空調装置の省エネ操作を促すなど具体的な報知を行うことにより、省エネ効果をさらに上げることが可能になる。つまり、完全に制御装置によって制御を行うのではなく、人の手による省エネ行動を要求することで省エネ意識を高め、より効果のある省エネ対策となる。
<制御装置の具体的な構成>
本実施例の省エネシステムを構成する制御装置のハードウェア構成は、基本的に図3を用いて説明した実施例1の制御装置のハードウェア構成と共通する。ただし、本実施例の制御装置は省エネ体感モードが終了した後になお空調装置の総電力使用量が目標値よりも多くなると予測される場合は空調装置の利用者に対して省エネ操作を促すための報知をすることが可能である。
CPUは報知プログラムを読み出して、総電力予測プログラムによる予測結果が目標デマンド値よりも大きいとの結果である場合は報知を行うための信号をディスプレイとスピーカーにそれぞれ出力する。報知を行うための信号を受信したディスプレイは目標デマンド値を超過する可能性が高い旨を文字で表示したり、イラストによって表示したりする。また、報知を行うための信号を受信したスピーカーは目標デマンド値を超過する可能性が高い旨を音声出力する。
<処理の流れ>
図6は、本実施例の省エネシステムを構成する制御装置の制御処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS0601では、全空調装置の総電力使用量を電力計を介して取得する。次にステップS0602では、取得した総電力使用量から近い将来の総電力使用量を予測する。次にステップS0603では、予測された近い将来の総電力使用量が目標デマンド値を超過するか否か判断する。ここでの判断が超過するとの判断である場合は、ステップS0604に移行する。ここでの判断が超過していないとの判断である場合はステップS0601に戻る。ステップS0604では、予測された近い将来の総電力使用量が目標デマンド値を超過する場合に、全空調装置の中の一部の空調装置の室外機を所定時間OFF制御して、対応する室内機を温調なしの送風状態とする。次にステップS0605では、所定時間のOFF制御が終了した後の一定の時間内に近い将来の総電力使用量を予測する。次にステップS0606では、ステップS0605で予測された近い将来の総電力使用量が目標デマンド値を超過するか否か判断する。ここでの判断が超過するとの判断である場合は、ステップS0607に移行する。ここでの判断が超過しないとの判断である場合は、処理を終了する。ステップS0607では、空調装置の利用者に対して空調装置に対する省エネ操作を促すための報知をする。
<効果>
本実施例の省エネシステムにより、実施例1の効果に加えて、省エネモードを体感した後になお空調装置の総電力使用量が目標値を超過しそうな場合は、空調装置の利用者に対して省エネ操作を促すための報知をすることが可能である。
<概要>
本実施例の省エネシステムは、基本的に実施例1の省エネシステムと共通するが、室外機をOFF制御している場合にその旨を表示出力することが可能であるため、空調装置の利用者は送風モードによる風や室温の変化等で省エネモードを体感するだけでなく、省エネモードに移行していることを視覚的に認識することが可能になり、より省エネ意識が高まることになる。
<構成>
図7は、本実施例の制御装置の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施例の「制御装置」0700は、「総電力使用量取得部」0701と「目標デマンド値保持部」0702と「総電力使用量予測部」0703と「制御部」0704と「時間保持部」0705と「省エネ表示出力部」0706を有する。基本的な構成は実施例1の図2で説明した制御装置と共通するため、相違点である「省エネ表示出力部」について説明する。
「省エネ表示出力部」は、前記制御部が室外機を前記OFF制御していることを表示出力する機能を有する。例えば、ディスプレイ上に「省エネ体感モード作動中、ご指定のエアコンを制御しています」といった表示をさせることが可能である。つまり、省エネ制御をしていることを送風モードによって肌で体感させるだけでなく、視覚的に認識させることが可能になる。
また、室外機をOFF制御していることを表示する他に、次に省エネ操作を行うべき人の名前や省エネ操作の内容を表示する構成とすることも可能である。また、過去の省エネ操作履歴を表示する構成も可能である。
<制御装置の具体的な構成>
本実施例の省エネシステムを構成する制御装置のハードウェア構成は、基本的に図3を用いて説明した実施例1の制御装置のハードウェア構成と共通する。ただし、本実施例の制御装置は室外機をOFF制御している場合にその旨を表示することが可能である。
CPUは省エネ表示出力プログラムを読み出して、室外機をOFF制御していることを表示するための処理を実行する。具体的には、記憶装置に保持されている省エネ表示出力情報をメインメモリの所定のアドレスに格納し、当該情報を表示出力するための制御命令をディスプレイに対して出力する。ここで、省エネ表示出力には、OFF制御を開始した時間や終了する時間、経過した時間等を付加することも可能である。
<処理の流れ>
本実施例の省エネシステムを構成する制御装置の制御処理の流れは基本的に図4を用いて説明した実施例1の処理の流れと同様である。ただし、本実施例の省エネシステムでは、制御装置が室外機をOFF制御している際にその旨を表示する処理を行うことを特徴とする。
<効果>
本実施例の省エネシステムにより、実施例1の効果に加えて、一部の空調装置が送風状態になっていることを空調装置の利用者が肌で感じるだけでなく、視覚的にも認識可能になるため、省エネ意識をさらに高めることが可能になる。
<概要>
本実施例の省エネシステムは、基本的に実施例1の省エネシステムと共通するが、室外機をOFF制御している場合にその旨を音声出力することが可能であるため、一部の空調装置の利用者は送風状態になっていることを肌で感じるだけでなく、聴覚的にも認識可能になるため、省エネ意識をさらに高めることが可能になる。
<構成>
図8は、本実施例の制御装置の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施例の「制御装置」0800は、「総電力使用量取得部」0801と「目標デマンド値保持部」0802と「総電力使用量予測部」0803と「制御部」0804と「時間保持部」0805と「省エネ音声出力部」0806を有する。基本的な構成は実施例1の図2で説明した制御装置と共通するため、相違点である「省エネ音声出力部」について説明する。
「省エネ音声出力部」は、前記制御部が室外機を前記OFF制御していることを音声出力する機能を有する。例えば、スピーカーから「省エネ体感モード作動中、ご指定のエアコンを制御しています」といった音声を出力することも考えられる。当該構成とすることにより、スタッフは省エネ活動をしていることを自覚し、さらなる省エネ行動を取ろうとする意識が高くなる。また、室外機をOFF制御していることを音声出力する他に、次に省エネ操作を行うべき人の名前や省エネ操作の内容を音声出力することも可能である。
<制御装置の具体的な構成>
本実施例の省エネシステムを構成する制御装置のハードウェア構成は、基本的に図3を用いて説明した実施例1の制御装置のハードウェア構成と共通する。ただし、本実施例の制御装置は室外機をOFF制御している場合にその旨を音声出力することが可能である。
CPUは省エネ音声出力プログラムを読み出して、室外機をOFF制御していることを音声出力するための処理を実行する。具体的には、記憶装置に保持されている省エネ音声出力情報をメインメモリの所定のアドレスに格納し、当該情報を音声出力するための制御命令をスピーカーに対して出力する。
<処理の流れ>
本実施例の省エネシステムを構成する制御装置の制御処理の流れは基本的に図4を用いて説明した実施例1の処理の流れと同様である。ただし、本実施例の省エネシステムでは、制御装置が室外機をOFF制御している際にその旨を音声出力する処理を行うことを特徴とする。
<効果>
本実施例の省エネシステムにより、実施例1の効果に加えて、一部の空調装置が送風状態になっていることを空調装置の利用者が肌で感じるだけでなく、聴覚的にも認識可能になるため、省エネ意識をさらに高めることが可能になる。
<概要>
本実施例の省エネシステムは、基本的に実施例1の省エネシステムと共通するが、OFF制御すべき空調装置を最も過去にOFF制御された順に選択していくことが可能である。これにより、各空調装置の利用者は平等に省エネモードを体感することが可能になり、省エネ意識を共有することが可能になる。
<構成>
図9は、本実施例の制御装置の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施例の「制御装置」0900は、「総電力使用量取得部」0901と「目標デマンド値保持部」0902と「総電力使用量予測部」0903と「制御部」0904と「時間保持部」0905と「省エネ制御履歴保持部」0906を有し、制御部は「履歴順選択手段」0907を有する。基本的な構成は実施例1の図2で説明した制御装置と共通するため、相違点である「省エネ制御履歴保持部」と「履歴順選択手段」について説明する。
「省エネ制御履歴保持部」は、前記制御部による空調装置ごとの前記OFF制御の履歴を保持する機能を有する。省エネ制御履歴としては、OFF制御を行った日時や経過時間、OFF制御を行った空調装置の他にOFF制御した際の室内又は外気の温度や湿度等の情報を含めることも可能である。具体的な例としては、図10に示すようなものが考えられる。この図の例では、制御部によってOFF制御された日時とOFF制御された空調装置が関連付けられている。他の例としては、空調装置ごとに図11に示すような制御履歴を保持する構成も同様に可能である。これらの制御履歴に加えてOFF制御した際の外気温や湿度の情報等を付加する構成も可能である。
「履歴順選択手段」は、前記制御部は前記全空調装置の中から前記OFF制御する空調装置を前記省エネ制御履歴のうち最も過去にOFF制御された順に選択していく機能を有する。上記の例では、現時点で最も過去にOFF制御された空調装置は空調装置C、Fであることから当該空調装置を次にOFF制御すべき2つの空調装置として選択することになる。なお、選択する空調装置が1つの場合や他の数の場合も同様に最も過去にOFF制御された空調装置の順に選択していくことになる。当該構成とすることにより、各空調装置の利用者は順番に省エネモードを体感することになり、省エネ意識を共有することが可能になる。
<制御装置の具体的な構成>
本実施例の省エネシステムを構成する制御装置のハードウェア構成は、基本的に図3を用いて説明した実施例1の制御装置のハードウェア構成と共通する。ただし、本実施例の制御装置は空調装置ごとのOFF制御の履歴を保持し、空調装置のうち最も過去にOFF制御された順に新たにOFF制御すべき空調装置を選択することが可能である。
CPUは制御プログラムを読み出して、総電力使用量予測プログラムによる予測結果が目標デマンド値よりも大きいとの結果である場合は、記憶装置に保持されている省エネ制御履歴をメインメモリの所定のアドレスに読み出して、最も過去にOFF制御された空調装置を選出するための処理を行う。具体的には、各空調装置について最も直近のOFF制御の日時を抽出し、抽出された日時を比較して最も過去にOFF制御された空調装置を決定する処理を行う。次にCPUは、上記処理によって決定された最も過去にOFF制御された空調装置を新たにOFF制御すべき空調装置として選択する処理を行い、処理結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する。当該処理はOFF制御する必要性が生じた時点で行うことも可能であるし、必要性が生じる前に予め行っておくことも可能である。次にCPUは選択された空調装置の室外機を所定時間OFF制御して、対応する室内機を温調なしの送風状態にするための処理を行う。
<処理の流れ>
図12は、本実施例の省エネシステムを構成する制御装置の制御処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1201では、全空調装置の総電力使用量を電力計を介して取得する。次にステップS1202では、取得した総電力使用量から近い将来の総電力使用量を予測する。次にステップS1203では、予測された近い将来の総電力使用量が目標デマンド値を超過するか否か判断する。ここでの判断が超過するとの判断である場合は、ステップS1204に移行する。ここでの判断が超過していないとの判断である場合はステップS1201に戻る。ステップS1204では、予測された近い将来の総電力使用量が目標デマンド値を超過する場合に、省エネ制御履歴のうち最も過去にOFF制御された空調装置の順にOFF制御する空調装置を選択する。次にステップS1205では、ステップS1204で選択された空調装置の室外機を所定時間OFF制御して、対応する室内機を温調なしの送風状態とする。
<効果>
本実施例の省エネシステムにより、実施例1の効果に加えて、空調装置の中から新たにOFF制御すべき空調装置を最も過去にOFF制御された順に選択していくため、各空調装置の利用者は平等に省エネモードを体感することになり、省エネ意識を共有することが可能になる。
<概要>
本実施例の省エネシステムは、基本的に実施例1の省エネシステムと共通するが、全空調装置の中からOFF制御する制御装置を電力使用量の多い順に選択していくことが可能である。これにより、電力使用量の多い空調装置の利用者について重点的に省エネモードを体感させることが可能になり、省エネ意識の底上げをすることが可能になる。
<構成>
図13は、本実施例の制御装置の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施例の「制御装置」1300は、「総電力使用量取得部」1301と「目標デマンド値保持部」1302と「総電力使用量予測部」1303と「制御部」1304と「時間保持部」1305を有し、制御部は「使用量順選択手段」1306を有する。基本的な構成は実施例1の図2で説明した制御装置と共通するため、相違点である「使用量順選択手段」について説明する。
「使用量順選択手段」は、前記制御部は前記全空調装置の中から前記OFF制御する空調装置を電力使用量の多い順に選択していく機能を有する。ここで、電力使用量としては、例えば過去15分間の電力使用量とすることも可能であるし、過去1ヶ月間や一年間の電力使用量とすることも可能であり、その時間範囲は適宜設定可能である。これらの電力使用量の情報は記憶装置に保持しておくことが考えられる。上記構成とすることにより、電力使用量の多い空調装置の利用者は省エネモードを多く経験することになり、電力使用量を抑えようとする省エネ意識が向上することになる。
<制御装置の具体的な構成>
本実施例の省エネシステムを構成する制御装置のハードウェア構成は、基本的に図3を用いて説明した実施例1の制御装置のハードウェア構成と共通する。ただし、本実施例の制御装置は全空調装置の中からOFF制御する空調装置を電力使用量の多い順に選択していくことが可能である。
CPUは制御プログラムを読み出して、総電力使用量予測プログラムによる予測結果が目標デマンド値よりも大きいとの結果である場合は、電力計を介して取得された各空調装置について過去所定時間にわたる電力使用量を算出する処理を行い、処理結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する。次にCPUは、上記処理結果から過去所定時間あたりの電力使用量が多い空調装置の順に新たにOFF制御すべき空調装置として選択する処理を行い、処理結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する。次にCPUは選択された空調装置の室外機を所定時間OFF制御して、対応する室内機を温調なしの送風状態にするための処理を行う。
<処理の流れ>
図14は、本実施例の省エネシステムを構成する制御装置の制御処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1401では、全空調装置の総電力使用量を電力計を介して取得する。次にステップS1402では、取得した総電力使用量から近い将来の総電力使用量を予測する。次にステップS1403では、予測された近い将来の総電力使用量が目標デマンド値を超過するか否か判断する。ここでの判断が超過するとの判断である場合は、ステップS1404に移行する。ここでの判断が超過していないとの判断である場合はステップS01に戻る。ステップS1404では、予測された近い将来の総電力使用量が目標デマンド値を超過する場合に、電力使用量の多い順にOFF制御する空調装置を選択する。次にステップS1405では、ステップS1404で選択された空調装置の室外機を所定時間OFF制御して、対応する室内機を温調なしの送風状態とする。
<効果>
本実施例の省エネシステムにより、実施例1の効果に加えて、制御装置が新たにOFF制御する空調装置を電力使用量の多い順に選択していくことが可能であり、電力使用量の多い空調装置の利用者の省エネ意識の底上げを行うことが可能になる。
<概要>
本実施例の省エネシステムは、基本的に実施例1の省エネシステムと共通するが、全空調装置の中からOFF制御する空調装置を操作履歴のうち省エネ操作を受け付けた割合が少ない順に選択していくことが可能である。これにより、各空調装置の利用者は省エネ操作を行おうとする意識が向上することになる。
<構成>
図15は、本実施例の制御装置の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施例の「制御装置」1500は、「総電力使用量取得部」1501と「目標デマンド値保持部」1502と「総電力使用量予測部」1503と「制御部」1504と「時間保持部」1505と「操作履歴保持部」1506を有し、制御部は「逆省エネ順選択手段」1507を有する。基本的な構成は実施例1の図2で説明した制御装置と共通するため、相違点である「操作履歴保持部」と「逆省エネ順選択手段」について説明する。
「操作履歴保持部」は、空調装置ごとの操作履歴を保持する機能を有する。操作履歴としては各操作が行われた日時や行われた操作の内容、空調装置のモード設定(冷房設定、暖房設定、送風設定等)の情報の他に、各操作が省エネ操作に該当するか否かの情報や室内又は外気の温度や湿度の情報を含めることも可能である。具体的な操作履歴としては例えば図16のようなものが考えられる。この図の例では、一の空調装置について一の操作履歴を保持する構成としているが、複数の空調装置の操作履歴を各空調装置の操作履歴を識別可能なように一のテーブルデータで保持する構成も可能である。
「逆省エネ順選択手段」は、前記全空調装置の中から前記OFF制御する空調装置を前記操作履歴のうち省エネ操作を受け付けた割合が少ない順に選択していく機能を有する。ここで省エネ操作としては、空調装置の消費電力を抑えるための操作であるといえるが、詳細は適宜以下に述べる判断テーブル等を用いて定義することが可能である。
各操作が省エネ操作であるか否かの判断処理は各操作が行われた段階で行って操作履歴として保持する構成も可能である。当該判断処理は図17のような判断テーブルに基づいて行うことが考えられる。この図の例では、冷房モードで使用している場合は設定温度を一定温度(例えば27度)よりも上にする操作や送風モードに設定する操作などが省エネ操作に該当し、暖房モードで使用している場合は設定温度を一定温度(例えば20度)よりも下にする操作等などが省エネ操作に該当するものとしている。当該テーブルは入力操作機器を介して操作入力や通信回線を介した外部からの制御命令によって適宜編集可能な構成とすることも可能である。
また、操作履歴のうち省エネ操作を受け付けた割合を算出する処理は空調装置をOFF制御する必要性が生じた際に行うことも可能であるが、空調装置ごとに一定数の操作を受け付けた際に行うことも可能である。これらの算出結果を操作履歴として保持することも考えられる。なお、当該割合を算出する際に、過去の操作履歴のうちどの範囲の履歴を用いるかについては適宜設定可能である。例えば、過去30日の操作履歴に基づいて省エネ操作の割合を算出することも可能であるし、過去1週間の操作履歴に基づいて算出することも可能である。
<制御装置の具体的な構成>
本実施例の省エネシステムを構成する制御装置のハードウェア構成は、基本的に図3を用いて説明した実施例1の制御装置のハードウェア構成と共通する。ただし、本実施例の制御装置は空調装置ごとの操作履歴を保持し、全空調装置の中からOFF制御する空調装置を操作履歴のうち省エネ操作を受け付けた割合が少ない順に選択していくことが可能である。
CPUは制御プログラムを読み出して、総電力使用量予測プログラムによる予測結果が目標デマンド値よりも大きいとの結果である場合は、記憶装置に保持されている操作履歴をメインメモリの所定のアドレスに読み出して、操作履歴のうち省エネ操作を受け付けた割合が少ない順に空調装置を選択する処理を行う。次にCPUは選択された空調装置の室外機を所定時間OFF制御して、対応する室内機を温調なしの送風状態にするための処理を行う。
<処理の流れ>
図18は、本実施例の省エネシステムを構成する制御装置の制御処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS1801では、全空調装置の総電力使用量を電力計を介して取得する。次にステップS1802では、取得した総電力使用量から近い将来の総電力使用量を予測する。次にステップS1803では、予測された近い将来の総電力使用量が目標デマンド値を超過するか否か判断する。ここでの判断が超過するとの判断である場合は、ステップS1804に移行する。ここでの判断が超過していないとの判断である場合はステップS1801に戻る。ステップS1804では、予測された近い将来の総電力使用量が目標デマンド値を超過する場合に、操作履歴のうち省エネ操作を受け付けた割合が少ない順にOFF制御する空調装置を選択する。次にステップS1805では、ステップS1804で選択された空調装置の室外機を所定時間OFF制御して、対応する室内機を温調なしの送風状態とする。
<効果>
本実施例の省エネシステムにより、実施例1の効果に加えて、操作履歴のうち省エネ操作を受け付けた割合が少ない順にOFF制御する空調装置を選択することが可能であるため、当該空調装置のまわりのスタッフの省エネ意識を向上させることが可能になり、結果として総電力使用量を抑えることが可能になる。
<概要>
本実施例の省エネシステムは、基本的に実施例1の省エネシステムと共通するが、制御装置の目標デマンド値をセンター装置の遠隔操作により変更することが可能である。これにより、センター装置から目標デマンド値を下げて省エネモードに移行させやすくすることができ、結果として空調装置の利用者の省エネ意識を向上させることが可能になる。
図19は、本実施例の省エネシステムの機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施例の「省エネシステム」1900は、室外機と室内機とからなる複数の「空調装置」1901(A〜D)と、その複数台分の電力使用量を「電力計」1902を介して監視して一部の空調装置の室外機のON/OFF動作を制御可能な「制御装置」1903と、制御装置の目標デマンド値を遠隔操作により変更することが可能な「センター装置」1904とからなる。
<センター装置の構成>
図20は、本実施例のセンター装置の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施例の「センター装置」2000は、「センター装置通信部」2001と「変更情報取得部」2002と「制御命令出力部」2003とを有する。
「センター装置通信部」は、制御装置とデータの送受信を行うことが可能な機能を有する。例えば、制御装置から各空調装置の電力使用量の情報を受信したり、制御装置に保持されている目標デマンド値を変更するための制御命令を送信したりする機能を有する。また、センター装置が複数の制御装置と接続されている場合は、各制御装置に対してデータの送受信を行うことも可能である。なお、通信方法は有線通信又は無線通信のいずれであってもよく、制御装置通信部に対応するものを用いる。
「変更情報取得部」は、制御装置の目標デマンド値保持部に保持されている目標デマンド値の変更必要性を示す変更情報を取得する機能を有する。変更情報を取得する方法としては、例えば操作入力装置を介して変更情報に関する操作入力を受け付ける方法が考えられる。具体的な状況としては、制御装置が設置された領域における電力需要が多くなると見込まれる場合において制御装置の目標デマンド値を下げる操作入力を受け付けることが考えられる。また、複数の制御装置とセンター装置が接続されている場合は、当該複数の制御装置に関する目標デマンド値の入力を受け付ける構成も可能である。これにより、複数の制御装置が設置された地域の省エネ意識を包括的に向上させることも可能になる。
また、変更情報を取得する他の方法としては、判断基準が満たされた際にセンター装置で変更情報を生成する方法も考えられる。例えば、センター装置が所定の地域に設置された複数の制御装置から電力使用に関する情報を取得して、当該地域の総電力使用量が所定の閾値を超過すると予測される場合は、各制御装置の目標デマンド値を下げるための変更情報を生成するといったことが考えられる。なお、制御装置において変更情報を生成するための処理を行い、センター装置に送信する構成も同様に考えられる。
「制御命令出力部」は、取得された変更情報に応じて制御装置の目標デマンド値を変更するための制御命令をセンター装置通信部を介して出力する機能を有する。制御命令を出力するタイミングとしては、制御装置について目標デマンド値を変更することが必要であると判断された時点で出力することも可能であるし、予め決められた日時に出力することも可能である。
<制御装置の構成>
図21は、本実施例の制御装置の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施例の「制御装置」2100は、「総電力使用量取得部」2101と「目標デマンド値保持部」2102と「総電力使用量予測部」2103と「制御部」2104と「時間保持部」2105と「制御装置通信部」2106と「目標デマンド値変更部」2107とを有する。基本的な構成は実施例1の図2で説明した制御装置と共通するため、相違点である「制御装置通信部」と「目標デマンド値変更部」について説明する。
「制御装置通信部」は、センター装置とデータの送受信を行うことが可能な機能を有する。例えば、電力計から取得する電力使用情報をセンター装置に送信することや、センター装置からの制御命令を受信することが可能である。なお、通信方法は有線通信又は無線通信のいずれであってもよい。
また、制御装置通信部はセンター装置の他に携帯電話やパソコン等と通信可能な機能を有していてもよい。例えば、総電力使用量に関する予測値が目標デマンド値を超過したときに携帯電話等に報知メールを配信するためのメール自動生成部を別途設け、生成されたメールを記憶装置等に保持されたメールアドレステーブルを参照して、メールサーバーにメールを送信する、といった構成も考えられる。
「目標デマンド値変更部」は、センター装置からの制御命令に基づいて目標デマンド値を変更する機能を有する。ここで、センター装置から制御命令を受信した場合には、目標デマンド値が変更されたことを表示出力又は音声出力、警告ランプの出力をすることも可能であるし、目標デマンド値の一定期間(例えば過去一年)の値の変化が分かるように表示出力をすることも可能である。
<センター装置の具体的な構成>
図22は、上記センター装置の機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、構成の一例を表す概略図である。この図を利用して、それぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
この図にあるように、センター装置は、「CPU」2201は、「記憶装置(記憶媒体))」2202と、「メインメモリ」2203と、「ディスプレイ」2204と、「通信装置」2205と、「操作入力装置」2206とを備える。上記の構成は、「システムバス」2207のデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
CPUは変更情報取得プログラムを読み出して、制御装置の目標デマンド値を変更するための操作入力を受け付けたか否か判断するための処理を行い、処理結果をメインメモリの所定のアドレスに格納する。
次にCPUは制御命令出力プログラムを読み出して、変更情報取得プログラムの処理結果を利用して制御装置に保持されている目標デマンド値を変更するための変更制御命令を通信装置を介して制御装置に送信する。
<制御装置の具体的な構成>
本実施例の省エネシステムを構成する制御装置のハードウェア構成は、基本的に図3を用いて説明した実施例1の制御装置のハードウェア構成と共通する。ただし、本実施例の制御装置は、センター装置からの制御命令に基づいて目標デマンド値を変更することが可能である。
CPUは遠隔制御プログラムを読み出しておき、通信装置を介してセンター装置から目標デマンド値を変更するための制御命令を受信した場合は、記憶装置に保持されている目標デマンド値を新たな目標デマンド値に書き換えるための処理を実行する。
<処理の流れ>
図23は、本実施例の省エネシステムを構成する制御装置及びセンター装置の目標デマンド値の変更に関する処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。まず、ステップS2301では、制御装置の目標デマンド値保持部に保持されている目標デマンド値の変更必要性を示す変更情報をセンター装置が取得する。次にステップS2302では、取得された変更情報に応じて制御装置の目標デマンド値を変更するための制御命令をセンター装置がセンター装置通信部を介して出力する。ステップS2303では、センター装置からの制御命令に基づいて制御装置が目標デマンド値を変更するその他の処理を制御装置は行うことが可能であるが、実施例1の図で説明した処理の流れと共通するため、説明は省略する。
<効果>
本実施例の省エネシステムにより、実施例1の効果に加えて、制御装置の目標デマンド値をセンター装置の遠隔操作により変更可能であるため、目標デマンド値を下げて省エネモードに移行させやすくすることができ、空調装置の利用者の省エネ意識の向上させることが可能になる。
0100 省エネシステム
0101 空調装置
0102 電力計
0103 制御装置
0200 制御装置
0201 総電力使用量取得部
0202 目標デマンド値保持部
0203 制御部
0204 総電力使用量予測部
0205 時間保持部
2100 センター装置
2101 センター装置通信部
2102 変更情報取得部
2103 制御命令出力部

Claims (8)

  1. 室外機と室内機とからなる複数の空調装置と、その複数台分の電力使用量を電力計を介して監視して一部の空調装置の室外機のON/OFF動作を制御可能な制御装置とからなる省エネシステムであって、
    全空調装置の総電力使用量を電力計を介して取得する総電力使用量取得部と、
    総電力使用量の目標値である目標デマンド値を保持する目標デマンド値保持部と、
    取得した総電力使用量から近い将来の総電力使用量を予測する総電力使用量予測部と、
    予測された近い将来の総電力使用量が目標デマンド値を超過する場合に、全空調装置の中の一部の空調装置の室外機を所定時間OFF制御して、対応する室内機を温調なしの送風状態とする制御部と、
    前記OFF制御する所定時間を示す情報である所定時間情報を保持する時間保持部と、
    からなる制御装置を有する省エネシステム。
  2. 所定時間のOFF制御が終了した後の一定の時間内に総電力使用量予測部で予測された近い将来の総電力使用量が目標デマンド値を超過する場合に、空調装置の利用者に対して空調装置に対する省エネ操作を促すための報知をする報知部をさらに有する請求項1に記載の省エネシステム。
  3. 前記制御部が室外機を前記OFF制御していることを表示出力する省エネ表示出力部をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の省エネシステム。
  4. 前記制御部が室外機を前記OFF制御していることを音声出力する省エネ音声出力部をさらに有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載の省エネシステム。
  5. 前記制御部による空調装置ごとの前記OFF制御の履歴を保持する省エネ制御履歴保持部をさらに有し、
    前記制御部は前記全空調装置の中から前記OFF制御する空調装置を前記省エネ制御履歴のうち最も過去にOFF制御された順に選択していく履歴順選択手段を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一に記載の省エネシステム。
  6. 前記制御部は前記全空調装置の中から前記OFF制御する空調装置を電力使用量の多い順に選択していく使用量順選択手段を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一に記載の省エネシステム。
  7. 空調装置ごとの操作履歴を保持する操作履歴保持部をさらに有し、
    前記制御部は前記全空調装置の中から前記OFF制御する空調装置を前記操作履歴のうち省エネ操作を受け付けた割合が少ない順に選択していく逆省エネ順選択手段を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一に記載の省エネシステム。
  8. 前記省エネシステムはさらに前記制御装置の目標デマンド値を遠隔操作により変更することが可能なセンター装置をさらに有し、
    前記センター装置は、
    センター装置通信部と
    制御装置の目標デマンド値保持部に保持されている目標デマンド値の変更必要性を示す変更情報を取得する変更情報取得部と、
    取得された変更情報に応じて制御装置の目標デマンド値を変更するための制御命令をセンター装置通信部を介して出力する制御命令出力部とを有し、
    前記制御装置は、
    制御装置通信部と、
    前記センター装置からの制御命令に基づいて目標デマンド値を変更する目標デマンド値変更部とをさらに有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一に記載の省エネシステム。
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