JP2011001965A - 転がり軸受用鋼球 - Google Patents

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浩志 大崎
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Abstract

【課題】
転がり軸受用鋼球として特殊な表面処理を行うことなく、耐異物性,耐圧痕性に優れ、軸受組み込みキズや扱いキズの低減した鋼球を提供する。
【解決手段】
SUJ2のコイル状の線材を所定長さに切断後、冷間鍛造、バリ取り、ずぶ焼処理および焼き戻し後、ピーニング,グライディングもしくはグライディング,ピーニングの工程で加工され、最後にラッピング処理された転がり軸受用鋼球であって、鋼球表面のビッカース硬さをビッカース痕深さが5μm以下になるような荷重にて測定し、その値が平面換算した値で870HV以上、表面から鋼球直径の5%までの硬さが830HVを超え、ラッピング後の鋼球表面の圧縮残留応力が900MPa以上である鋼球である。
【選択図】 図4

Description

本発明は耐異物性および耐圧痕性に優れた転がり軸受、ボールねじ、リニアガイドなど、外輪部材と内輪部材の間に配される鋼球に関するものである。
近年、自動車、産業機械、建設機械などに使用される転がり軸受は、装置の高性能化に伴い、転がり軸受の耐久性が非常に重視されている。これらの機械装置で使用される軸受は、金属粉などの異物を含んだ劣悪な潤滑条件下で使用されることが多いため、この環境下で転がり軸受が使用された場合、鋼球表面もしくは内外輪の鋼球軌道面に多数の圧痕が発生し、圧痕のエッジ部での応力集中のため表面からクラックが生じ、表面起点型はく離に至るとされている。この表面起点型はく離が発生した場合、介在物起点による内部起点型はく離とは異なり、耐久性が著しく劣る。
そこで、上記表面起点型はく離に対する対策として、転動体もしくは軌道輪の表面硬さ、残留オーステナイト量および表面の窒素濃度の適性化を行うことで、異物により生じる圧痕のエッジ部における応力集中を緩和し、クラックの発生を抑え、転がり軸受の寿命を向上することが提案されている。(例えば特許文献1参照)
また、低振動ならびに静粛性が要求される超精密玉軸受に使用される鋼球においては、鋼球を内外輪に組み込む際に生じる組み込みキズや扱いキズの低減が重要であるため、耐圧痕性向上を図るべく転動体と内外輪のロックウエル硬さは59〜70HRCの範囲内で規定し、その硬さの値は、転動体>内輪≧外輪の関係を有するようにした軸受も提案されている。(例えば特許文献2参照)
しかし、上記特許文献1で開示されている技術は、表面硬さ、残留オーステナイト量および表面窒素濃度の適正化によって、異物混入潤滑下での寿命特性の向上を図ることができるが、転動体表面に浸炭窒化処理や窒化処理など熱処理時に特殊な表面処理が施されており、ずぶ焼きよりも高い処理費用を要するため、汎用的に用いることが困難である。
また、上記特許文献2で開示されている技術は、転動体と内外輪のロックウエル硬さが59〜70HRCの範囲内であって、転動体>内輪≧外輪の関係にあり、軸受の転動体と内外輪の相対的な硬さに特徴を持つ軸受であるが、転動体の硬さを高くするための具体的な製造方法についての言及がなく、また、転動体の硬さを62〜67HRCと記載しているが、この実施例においては、汎用的な転動体の硬さ水準である63HRCだけで検証しており、転動体を硬くした場合の検証がなされていない。
一方、上述のような浸炭窒化処理等の表面処理を実施することにより鋼球表面に硬化層を付与し、鋼球表面の残留オーステナイト量を増加させることができ、この残留オーステナイトが応力集中を緩和するとの報告があり(例えば特許文献3参照)、異物環境下での耐久性を向上させる効果は期待できるが、反面、処理コストが高くなるという欠点を免れない。
更に金属粉などの異物を含んだ劣悪な潤滑条件で使用された場合、鋼球およびレース面には異物かみ込みによってキズが生じ、音響劣化が発生し、また表面起点型のはく離が発生し、短寿命となる。また、鋼球を内外輪に組み込む際に生じる組み込みキズや扱いキズにより軸受にキズ音が発生する。
これらを解決するために、従来技術では、内外輪レース面、鋼球表面に特殊熱処理(浸炭窒化処理)を施したり、SUJ2の化学成分を変更した特殊鋼にて対策を取っていたが、しかしながら、これらの対策は、標準材料および熱処理よりもコストが高いという難点、課題があった。
特開2008−267525号公報 特開2008−175325号公報 特公昭64−55423号公報
本発明は上述の如き実状に鑑み、これに対処すべく検討を行い、鋼球用材料として比較的安価で入手が容易なSUJ2を使用し、鋼球の熱処理としてずぶ焼処理時のオーステナイト化温度を高くし、焼き戻し温度を低くして軸受の転動体に使用する鋼球の好適な物性を見出し、鋼球表面および内部の硬さが硬く、かつ鋼球表面の残留オーステナイト量が増加した鋼球を提供して、耐異物性,耐圧痕性ならびに軸受組み込み時の組み込みキズや扱いキズの低減を図ることを目的とするものである。
すなわち、上記目的に適合する本発明は、SUJ2のコイル状の線材を所定長さに切断後、冷間鍛造、バリ取り、ずぶ焼き処理および焼き戻し後、ピーニング,グライディングもしくはグライディング,ピーニングの工程で加工され、最後にラッピング処理された鋼球であって、鋼球表面のビッカース硬さをビッカース痕深さが5μm以下になるような荷重にて測定し、その値が平面換算した値で870HV以上、表面から鋼球直径の5%までの硬さが830HVを超え、ラッピング後の鋼球表面の圧縮残留応力が900MPa以上である転がり軸受用鋼球よりなる。
ここで、上記処理においてずぶ焼処理時のオーステナイト化温度は860〜870℃付近で、焼き戻し温度は160℃以下、通常、150℃付近であることが好ましく、これにより鋼球表面残留オーステナイト量は表面で14.5〜22.0%の範囲にあることが好適である。また、本発明は上記鋼球を使用し、該鋼球の表面硬さよりも低い軌道面硬さを有する内輪および外輪に組み込んでなる転がり軸受も特徴とする。
上記本発明鋼球は、所要の硬さ物性を有することにより鋼球表面および内部が硬く、耐異物性ならびに耐圧性に優れ、耐圧痕性を向上させ、軸受組み込み時の組み込みキズや扱いキズを低減する効果を奏する。
本発明の実施例で処理した鋼球の硬さ勾配を比較例と対比して示すグラフである。 本発明の実施例で処理した鋼球の寸法安定性試験の結果を比較例と対比して示すグラフである。 本発明の実施例で処理した鋼球のビッカース硬さと落下試験実施後の打痕の深さの関係を比較例と対比して示すグラフである。 本発明の実施例で処理した鋼球のビッカース硬さと落下試験実施後の音響特性の関係を比較例と対比して示すグラフである。 本発明の実施例で処理した鋼球を異物を混入させたグリースを用いて軸受に組み込み、回転させたときの鋼球表面の観察状態図を比較例と対比して示す顕微鏡写真である。
以下、更に本発明鋼球の具体的実施形態について説明する。本発明鋼球は先ず、比較的安価で入手し易いSUJ2の線材を使用し、該線材を所定長さに切断後、冷間鍛造,バリ取り,ずぶ焼処理および焼き戻し後、ピーニング,グライディングもしくは逆にグライディング,ピーニング工程で加工され、最後にラッピング処理された鋼球であり、この鋼球に所定の物性を具備させることによって転がり軸受用鋼球として構成される。そのため本発明鋼材は上記加工の過程において、ずぶ焼処理の焼き入れ時のオーステナイト化温度が通常のSUJ2で行われる830〜850℃付近よりも高温で行われることが肝要であり、ずぶ焼処理時のオーステナイト化温度を860〜880℃、通常、860〜870℃の温度で処理することで炭素をマルテンサイト中に多く固溶させると共に、鋼球の表面および内部の硬さを硬くし、表面の残留オーステナイト量を増加させる。焼き入れの方法は水焼入れ,油焼入れの何れの方法を用いてもよい。
ここで、鋼球表面のビッカース硬さは、ビッカース痕の深さが5μm以下で870HV以上あることが好ましく、表面から鋼球直径の5%までの硬さは少なくともビッカース硬さで830HVを超えていてることが好ましい。
前記の製造工程において、熱処理後もしくはピーニング処理後に砥石と硬質鋳物盤の間に鋼球を挟んで圧力をかけて転動させ研磨を行うグライディング工程を実施することで、鋼球表面に加工による圧縮残留応力を付加することができ、鋼球の表面に硬化層を形成し、表面を内部より硬くすることが可能になる。具体的にはグライディング工程で鋼球表面には900MPa以上の圧縮残留応力が付加され、その硬化層は表面から10μm程度の深さまで形成される。なお、ビッカース痕の深さの規定を設けた理由は、例えばロックウエル硬度計のように、測定後の圧痕深さが80μm程度まで至ってしまうと、グライディング工程の硬化層が検出され難いためである。また、ピーニング工程でも鋼球の表面に硬化層が形成され、グライディングによる硬化層と併せると鋼球直径の約5%に相当する。これはピーニングによって付与される圧縮残留応力がほぼゼロになる深さを意味している。
ただし、オーステナイト化温度が880℃を超えればオーステナイト結晶粒およびマルテンサイト組織が巨大化し、圧砕強度および転がり疲労寿命特性が低下する。また、880℃以上では、鋼球表面の残留オーステナイト量が22%以上となり、経年変化によって鋼球が膨張するため、表面残留オーステナイト量を14.5〜22%の範囲とし、その上限を設定している。
更に、転がり軸受に組み込むときは内外輪の転動面の硬さが鋼球と同程度もしくはそれ以上の場合は、既知の如く微小なキズおよび圧痕に対して静音化が困難となるので鋼球の表面硬さより低い軌道面硬さを有する内輪および外輪に組み込むことが好適である。
以下、前記の製造工程を用いて試作した各サンプルのオーステナイト化温度,焼き戻し温度および製造工程例を表1に示す。参考に現状の量産を行っている鋼球を比較例として用いた。
〈処理条件〉
鋼球サイズ:3/8inch
焼入れ温度:840〜880℃
焼戻し温度:120〜175℃
〈鋼球の製造工程〉
(1)コイル材→鍛造→バリ取り→熱処理→グライディング→ピーニング→ラッピング→検査→包装
(2)コイル材→鍛造→バリ取り→熱処理→ピーニング→グライディング→ラッピング→検査→包装
図1は上記表1による各実施例および比較例の硬さ勾配を示す。硬さ勾配はマイクロビッカース硬度計を使用し、鋼球の表面硬さは表面をそのまま測定し、JIS Z 2244に従って平面換算した。鋼球内部の硬さ測定は鋼球を切断した後、その断面を同様にマイクロビッカース硬度計を使用して測定した。
図1から明らかなように、各実施例ならびに比較例には表面から深さ500μm付近(直径の約5%)まで硬化層が形成されており、表面の硬さは深さ500μmの硬さよりも30〜40HV高いことが分かる。硬化層の形成にはグライディング工程ならびにピーニング工程が寄与しており、これらの工程は、硬化層を形成する上で必要不可欠である。なお、硬化層を形成するに当たっては、グライディング工程とピーニング工程の順序は何れが先でも構わない。
次に表2は前記各実施例,比較例の残留オーステナイト量,圧縮残留応力,圧砕荷重および清浄潤滑下での転がり寿命試験の結果を示す。なお、圧縮残留応力および表面の残留オーステナイト量はX線回析装置(株式会社リガク製:PSPC微小部応力)を用て測定した。また、圧砕荷重とは鋼球2球を重ね併せ、上部から荷重を負荷し、鋼球が破壊した時の荷重のことである。寿命比は各実施例の転がり疲労寿命値をワイブル確立紙にプロットし、そこからL10寿命を算出し、それぞれの値を比較例のL10寿命で除した値である。転がり寿命試験の試験条件は下記の通りである。
〈転がり寿命試験条件〉
試験機:曽田式変動荷重試験機
試験軸受:♯6206
荷重試験:11.8±7.8kN
回転数:2000rpm
上記表2から明らかなように、本発明実施例では比較例の残留オーステナイト量が10または11%であるのに対し、オーステナイト化温度が高くなるにつれて、製造工程の順序に拘わらず残留オーステナイト量は増加している。また、鋼球表面の圧縮残留応力はいずれも、900MPaを超えており、深さ10μmでの内部圧縮残留応力はいずれも500〜700MPa付近のため、鋼球表面の圧縮残留応力は深さ10μmの圧縮残留応力よりも300MPa程度大きくなっており、グライディングの影響が鋼球内部まで達していることが分かる。このことから、グライディングの影響、つまり加工硬化が深さ10μm付近にまで達しており、鋼球表面の硬化層形成に寄与していることが分かる。なお、実施例4については、オーステナイト結晶粒の粗大化と共に圧砕荷重は比較例の半分程度にまて低下し、寿命特性も低下している。その他の実施例の転がり寿命については、何れも比較例と同程度であり、極端な低下は見られなかった。
更に前記実施例と比較例の寸法安定性の検証を行うため、実施例と比較例を150℃で2000時間保持して、その寸法変化率を確認した、図2は、実施例と比較例を150℃保持した時の保持時間と寸法変化率の関係グラフである。寸法変化率は150℃保持前後の鋼球寸法の差を150℃保持前の鋼球寸法で除したものである。図から明らかなように、実施例4の寸法変化率は2000Hで0.10%を超えやゝ高いが、他の実施例は、比較例の寸法変化率と大きく変わっておらず、寸法安定性が比較例よりも極端に低下していないことが分かる。
引き続き、異物環境下の圧痕の発生具合を確認するため前記実施例と比較例の鋼球を、異物を混入させたグリースを用いて軸受に組み込み、下記条件にて軸受の内輪を回転させ、鋼球表面の状態を観察した。図5は下記条件にて試験を行った後の鋼球表面を観察したものである。
〈異物環境試験条件〉
試験軸受:♯6203
試験荷重:0.1Cr
回転数:3300rpm
試験時間:10min
異物の材質:セメンタイト
異物の硬さ:870Hv
異物のサイズ:70〜150μm
異物混入量:0.1g
図5から明らかなように、各実施例は鋼球表面のキズの程度が比較例よりも軽減されていることが分かる。従って、本発明鋼球は、表面起点型はく離の原因になる圧痕の発生を抑制することができ、かつ表面の残留オーステナイト量が高くなるように設定しているため、圧痕のエッジ部での応力集中が緩和され、表面起点型はく離の発生を遅らせることができると推測される。実施例を用いた耐異物性の検証結果から、比較例よりも耐異物性を向上させるには鋼球表面のビッカース硬さが870Hv以上であることが好ましいことが推定される。また、図1から明らかなように、鋼球表面のビッカース硬さを確実に870Hv以上にするには鋼球直径の5%までの硬さが830Hvを超えていることが好ましい。
また更に、ベアリング組み込み時の組み込みキズおよび扱いキズの評価を行うため、前記実施例と比較例を用いて、落下試験を実施した。落下試験は高さ1mから鋼球を落下させ、鋼球同士を衝突させるもので、落下試験実施後の鋼球の打痕深さと軸受に組み込んだ時の音響特性について検証した。鋼球の打痕深さはニュートンレンズを用いて、干渉縞を発生させ測定した。音響特性の検証に用いた音響試験機は、内輪が回転している軸受の外輪に触針を当て、その振動波形を読み取るもので、打痕キズのない正常な鋼球を組み込んだ軸受の振動波形を基準として、打痕キズのある鋼球を組み込んだ軸受の振動波形との比をもって、落下試験実施後の鋼球の音響特性の評価を行った。
〈音響試験条件〉
試験軸受:♯6304
回転数:1800rpm
図3は、上記実施例と比較例の表面硬さと落下試験実施後の打痕深さの関係を示すグラフである。図から明らかなように、実施例1〜4においては比較例よりも打痕深さが小さくなっており、硬くなる程、耐圧痕特性が向上していることが分かる。また、図4は前記実施例と比較例の表面硬さと振動波形比の関係を示すグラフである。図から明らかなように実施例1〜4においては比較例よりも振動波形比が小さくなっており、硬くなる程、音響特性が向上していることが分かる。これはベアリング組込み時の組み込みキズ及び扱いキズが低減できることを示唆するものである。実施例を用いた落下試験の結果から、比較例よりも耐圧痕性を向上させるには鋼球表面のビッカース硬さが870Hv以上であることが好ましい。また、図1から明らかなように、鋼球表面のビッカース硬さを確実に870Hv以上にするには、鋼球直径の5%までの硬さが830Hvを超えていることが好ましい。以上の評価結果をまとめて表3に示す。
上記表3より実施例1,2,3に本発明の効果が見られる。
以上の如く本発明は特殊な表面処理を行うことなく、よりランニングコストを低減した製造工程で、耐異物性及び耐圧痕性に優れた鋼球を提供することができる。

Claims (4)

  1. SUJ2のコイル状の線材を所定長さに切断後、冷間鍛造、バリ取り、ずぶ焼処理および焼き戻し後、ピーニング,グライディングもしくはグライディング,ピーニングの工程で加工され、最後にラッピング処理された鋼球であって、鋼球表面のビッカース硬さをビッカース痕深さが5μm以下になるような荷重にて測定し、その値が平面換算した値で870HV以上、表面から鋼球直径の5%までの硬さが830HVを超え、ラッピング後の鋼球表面の圧縮残留応力が900MPa以上であることを特徴とする転がり軸受用鋼球。
  2. ずぶ焼処理時のオーステナイト化温度が860〜870℃付近であり、焼き戻し温度が150℃付近である請求項1記載の転がり軸受用鋼球。
  3. 鋼球表面の残留オーステナイト量が表面で14.5〜22.0%の範囲にある請求項1または2記載の転がり軸受用鋼球。
  4. 請求項1,2または3に記載の鋼球を該鋼球の表面硬さよりも低い軌道面硬さを有する内輪および外輪に組み込んでなることを特徴とする転がり軸受。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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