図10,図11及び図12に示された本実施例では、ポンプハウジング1にはシリンダ6が固定されると共に、シリンダ6に滑合して往復動するプランジャ2を備える。
ポンプハウジング1とシリンダ2とで画成される加圧室11を備え、プランジャ2の一端部が加圧室11に出入りする。
ポンプハウジング1の反加圧室11側の環状外周部に形成される環状固定部41aでポンプハウジング1に固定された取付けフランジ41を有する。
取付けフランジ41をエンジン部材411に固定するための少なくとも2つのねじ止め部(42,43,41b,43a,43b,43c)と、加圧室11側のポンプハウジング外壁部と環状固定部41aとの間に設けられ、シリンダ6の反加圧室11側端部の外周を取り巻くくびれ部S1とを有し、くびれ部S1と環状固定部41aとの間のポンプハウジング1の外周面部分には円錐面1dが設けられている。
くびれ部S1と環状固定部41aとの間のポンプハウジング1の外周面部分にはくびれ部S1側の第1湾曲面部B1と環状固定部41a側の第2湾曲面部B2とを有し、第1,第2湾曲面部B1,B2間に円錐面1d部が設けられている。
くびれ部S1は円筒部で形成されており、円筒部と第1湾曲部B1との間に最も肉厚の薄い部分B3が設けられている。
環状固定部41aで、ポンプハウジング1と取付けフランジ41は溶接によって固定されている。
ねじ止め部(42,43,41b,43a,43b,43c)は、取付けフランジ41に設けられた孔41bを貫通するボルト42と、ボルト42のヘッド42Aと取付けフランジ41の間に挟持されるブッシュ44とからなる。さらに、ブッシュ43は裾野の部分に環状のフランジ部を有する。また、中心には取付けフランジ41に設けられた孔41bに差し込まれる環状突起部43bを有する。ボルト42は結果的に、ブッシュ43の中心を貫通する孔43cを挿通してエンジン取付け部材411にねじ込まれる。
ブッシュ43は結果的に、径方向の寸法が、少なくとも周方向の一部において、ボルト42のヘッド42A側より取付けフランジ41側が大きくなっている。
ブッシュ43の内周面とボルト42の外周面との間に位置する孔43cにファスナー44が狭着されている。
環状固定部41aのエンジン取付け部材411に面する側には、環状固定部41aを挟んで径方向の内外に環状の溝としての窪み部45が設けられている。
ポンプハウジング1にはくびれ部S1の円筒部を含む円筒内壁面部S2が形成されており、当該円筒内壁面部S2とシリンダ1外壁面部との間にシリンダ6とポンプハウジング1との間をシールする金属圧接面部S3,S4が設けられている。
この実施例では、くびれ部S1と環状固定部41aとの間にポンプハウジング1の半径方向への変形に基づく半径方向の応力が1シリンダに伝達するのを抑制する弾性変形部として、第1湾曲面部B1,円錐面部1d,第2湾曲面部B2が設けられている。
また、くびれ部S1が円筒部で形成されており、この円筒部と環状固定部との間に、円筒部側から環状固定部側に向かって肉厚が漸増する外周壁部を備え、肉厚が漸増する外周壁部の内周側は円筒面で形成されている。
そして、くびれ部S1の円筒部と肉厚が漸増する外周壁部との繋ぎ部に、円筒部及び外周壁部の内で最も肉厚が薄い部分(B3)が設けられている。
以上のような構成によれば、円錐面部あるいは弾性変形部あるいは肉厚が漸増する外周壁部がシリンダの外周部において、シリンダを半径方向中心側に変形させようとする力を全周に均等に分散させて、部分的な応力集中を回避する。
また、ブッシュのフランジ部は、取付けフランジの肉厚を薄くしながら、浮き上がりを抑制するのに役立っている。取付けフランジが薄くできれば、レーザー溶接のエネルギーを小さくしても溶接部の深いところまでレーザーが届くようになり、また、レーザー溶接時の熱変形を小さくすることができる。
なお、本実施例においては、シリンダホルダ7をポンプハウジング部の内周面にねじ込むことによって、シリンダ6をポンプハウジング1の内周部に固定している。その結果、シリンダ6とポンプハウジング1の内周面との間の金属接触シール面は、プランジャ2の作動軸線に対して直角な面で両者を押し付けて、形成している。
しかし本発明になる技術はこの構成に限ることなく、シリンダの外周に、少なくとも1条の環状突起を形成し、この環状突起をポンプハウジング内周面に圧入することで、半径方向の緊迫力でシールするようにしたものにも適用できる。
以下、図1乃至図12に基づきさらに詳細に実施例の高圧燃料ポンプの構成について説明する。
図1から図12により本発明の実施例について説明する。
図1中で、破線で囲まれた部分が高圧ポンプのポンプハウジング1を示し、この破線の中に示されている機構、部品は高圧ポンプのポンプハウジング1に一体に組み込まれていることを示す。
燃料タンク20の燃料は、エンジンコントロールユニット27(以下ECUと称す)からの信号に基づきフィードポンプ21によって汲み上げられ、適切なフィード圧力に加圧されて吸入配管28を通して高圧燃料供給ポンプの吸入口10aに送られる。
吸入口10aを通過した燃料は、吸入ジョイント101内に固定されたフィルタ102を通過し、さらに吸入流路10b,金属ダイアフラムダンパ9,10cを介して容量可変機構を構成する電磁駆動型弁機構30の吸入ポート30aに至る。
吸入ジョイント101内の吸入フィルタ102は、燃料タンク20から吸入口10aまでの間に存在する異物を燃料の流れによって高圧燃料供給ポンプ内に吸収することを防ぐ役目がある。
図4は電磁吸入弁機構30の拡大図で、電磁コイル53に通電されていない無通電の状態である。
図5は電磁吸入弁機構30の拡大図で、電磁コイル53に通電されている通電の状態である。
ポンプハウジング1には中心に加圧室11としての凸部1Aが形成されており、この加圧室11の開口するように、電磁吸入弁機構30装着用の孔30Aが形成されている。
プランジャロッド31は、吸入弁部31a,ロッド部31b,アンカー固定部31cの3部分からなり、アンカー固定部31cにはアンカー35が溶接部37bによって、溶接固定されている。
ばね34は図のようにアンカー内周35a、および第一コア部内周33aに嵌め込まれ、アンカー35、および第一コア部33を引き離す方向にばね34によるばね力が発生するようになっている。
弁シート32は、吸入弁シート部32a,吸入通路部32b,圧入部32c,摺動部32dからなる。圧入部32cは第一コア部33に圧入固定されている。吸入弁シート部32aはポンプハウジング1に圧入固定されており、この圧入部で加圧室11と吸入ポート30aを完全に遮断している。
第一コア部33は溶接部37cによりポンプハウジング1に溶接固定されており、吸入ポート30aと高圧燃料供給ポンプの外部とを遮断している。
第二コア部36は溶接部37aによって第一コア部33に固定されており、第二コア部36の内部空間と外部空間を完全に遮断している。また第二コア部36には磁気オリフィス部36aが設けられている。
電磁コイル53に通電されていない無通電の状態で、かつ吸入流路10c(吸入ポート30a)と加圧室11との間の流体差圧が無い時は、プランジャロッド31はばね34により、図4のように図中の右方向に移動した状態となる。この状態では、吸入弁部31aと吸入弁シート部32aが接触した閉弁状態となり、吸入口38は塞がれる。
後述するカムの回転により、プランジャ2が図2の下方に変位する吸入工程状態にある時は、加圧室11の容積は増加し加圧室11内の燃料圧力が低下する。この工程で加圧室11内の燃料圧力が吸入流路10c(吸入ポート30a)の圧力よりも低くなると、吸入弁部31aには燃料の流体差圧による開弁力(吸入弁部31aを図1の左方に変位させる力)が発生する。
この流体差圧による開弁力により、吸入弁部31aは、ばね34の付勢力に打ち勝って開弁し、吸入口38を開くように設定されている。流体差圧が大きい時は、吸入弁部31aは完全に開き、アンカー31は第一コア部33に接触した状態となる。流体差圧が小さい時は、吸入弁部31aは完全には開かず、アンカー31は第一コア部33に接触しない。
この状態にて、ECU27からの制御信号が電磁吸入弁機構30に印加されると、電磁吸入弁機構30の電磁コイル53には電流が流れ、第一コア部33とアンカー31の間には、互いに引き合う磁気付勢力が発生する。その結果、プランジャロッド31には図中の左方に磁気付勢力が印加されることになる。
吸入弁部31aが完全に開いているときには、その開弁状態を保持する。一方、吸入弁部31aが完全には開いていないときには、吸入弁部31aの開弁運動を助長し吸入弁部31aは完全に開くので、アンカー31は第一コア部33に接触した状態となり、その後その状態を維持する。
その結果、吸入弁部31aが吸入口38を開いた状態が維持され、燃料は吸入ポート30aから弁シート32の吸入通路部32b,吸入口38を通過し加圧室11内へ流れ込む。
電磁吸入弁機構30に入力電圧の印加状態を維持したままプランジャ2が吸入工程を終了し、プランジャ2が図2の上方に変位する圧縮工程に移ると、磁気付勢力は維持されたままであるので、依然として吸入弁部31aは開弁したままである。
加圧室11の容積は、プランジャ2の圧縮運動に伴い減少するが、この状態では、一度加圧室11に吸入された燃料が、再び開弁状態の吸入口38を通して吸入流路10c(吸入ポート30a)へと戻されるので、加圧室の圧力が上昇することは無い。この工程を戻し工程と称す。
この状態で、ECU27からの制御信号を解除して、電磁コイル53への通電を断つと、プランジャロッド31に働いている磁気付勢力は一定の時間後(磁気的、機械的遅れ時間後)に消去される。吸入弁部31aにはばね34による付勢力が働いているので、プランジャロッド31に作用する電磁力が消滅すると吸入弁部31aはばね34による付勢力で吸入口38を閉じる。吸入口38が閉じるとこのときから加圧室11の燃料圧力はプランジャ2の上昇運動と共に上昇する。そして、燃料吐出口12の圧力以上になると、吐出弁ユニット8を介して加圧室11に残っている燃料の高圧吐出が行われ、コモンレール23へと供給される。この工程を吐出工程と称す。すなわち、プランジャ2の圧縮工程(下始点から上始点までの間の上昇工程)は、戻し工程と吐出工程からなる。
そして、電磁吸入弁機構30の電磁コイル53への通電を解除するタイミングを制御することで、吐出される高圧燃料の量を制御することができる。
電磁コイル53への通電を解除するタイミングを早くすれば、圧縮工程中、戻し工程の割合が小さく吐出工程の割合が大きい。
すなわち、吸入流路10c(吸入ポート30a)に戻される燃料が少なく、高圧吐出される燃料は多くなる。
一方、入力電圧を解除するタイミングを遅くすれば、圧縮工程中の、戻し工程の割合が大きく、吐出工程の割合が小さい。すなわち、吸入流路10cに戻される燃料が多く、高圧吐出される燃料は少なくなる。電磁コイル53への通電を解除するタイミングは、ECUからの指令によって制御される。
以上のように構成することで、電磁コイル53への通電を解除するタイミングを制御することで、高圧吐出される燃料の量を内燃機関が必要とする量に制御することができる。
かくして、燃料吸入口10aに導かれた燃料はポンプ本体1の加圧室11にてプランジャ2の往復動によって必要な量が高圧に加圧され、燃料吐出口12からコモンレール23に圧送される。
コモンレール23には、インジェクタ24、圧力センサ26が装着されている。インジェクタ24は、内燃機関の気筒数に合わせて装着されており、エンジンコントロールユニット(ECU)27の制御信号にしたがって開閉弁して、燃料をシリンダ内に噴射する。
このとき、吸入弁部31aはプランジャ2の下降・上昇運動に伴って吸入口38の開閉運動を繰り返し、プランジャトッド31は図中の左右方向の運動を繰り返す。このとき、プランジャロッド31の運動は、弁シート32の摺動部32dによって図中の左右方向の運動のみに動きが制限され、摺動部32dとロッド部31bは摺動運動を繰り返す。したがって摺動部はプランジャロッド31の摺動運動の抵抗にならないように十分に低い面粗さが必要である。摺動部のクリアランスの選定は下記による。
クリアランスが大きすぎると、プランジャロッド31は摺動部を中心として振り子のように触れてしまい、アンカー35と第二コア部36が接触してしまう。プランジャロッド31が摺動運動をすればアンカー35と第二コア部36も摺動してしまうので、プランジャロッド31の摺動運動の抵抗が大きくなり、吸入口38の開閉運動の応答性が悪くなる。また、アンカー35と第二コア部36はフェライト系磁気ステンレスであるので、摺動すると磨耗粉等を発生する可能性がある。さらに、後述するように、アンカー35と第二コア部36の隙間が小さいほど磁気付勢力は大きくなる。隙間が大きすぎると、磁気付勢力が不足し、高圧吐出される燃料の量を適切に制御できない。これらのことから、アンカー35と第二コア部36の隙間はできるだけ小さく、かつ接触しない必要がある。
そのため、摺動部は一箇所とし、さらに摺動部32dの摺動長Lを図のように十分長くした。摺動部は摺動部32dの内径、およびロッド部31bの外形により形成されるが、どちらも加工する際には必ず公差が必要になり、摺動部のクリアランスも必ず公差が必要になる。一方、アンカー35と第二コア部36のクリアランスには、上述したように磁気付勢力から上限値がある。このクリアランスの公差を吸収し、さらアンカー35と第二コア部36が接触しないようにするには、摺動長Lを長くして振り子運動を小さくすれば良い。
これにより、プランジャロッド31が振り子運動をしようとする時には、摺動部の両端で摺動部32dとロッド部31bが接触・摺動するので、アンカー35と第二コア部36の隙間は小さくすることが可能となった。
クリアランスが小さすぎると、吸入口38が閉弁状態の時に、吸入弁部31aと吸入弁シート部32aが完全には面接触しない。これは、プランジャロッド31の吸入弁部31aとロッド部31bの垂直度、および弁シート32の吸入弁シート部32aと摺動部32dの垂直度を、摺動部のクリアランスで吸収できないためである。吸入弁部31aと吸入弁シート部32aが完全には面接触しないと、吐出工程時に高圧になった加圧室11内の高圧燃料により、プランジャロッド31には過度のトルクが加わり破損する可能性がある。また、摺動部にも過度な荷重が加わり、摺動部の破損・磨耗が発生する可能性がある。
これらのことから、吸入口38が閉弁状態の時に、吸入弁部31aと吸入弁シート部32aが完全には面接触する必要がある。特に、上記のように摺動長Lを長くすることで、プランジャロッド31の振り子運動を抑えようとすると、プランジャロッド31の吸入弁部31aとロッド部31bの垂直度、および弁シート32の吸入弁シート部32aと摺動部32dの垂直度に求められる精度は高くなる。
そのため、吸入弁シート部32a、および摺動部32dを弁シート32に設けた。吸入弁シート部32a、および摺動部32dを同一部材とし、吸入弁シート部32aと摺動部32dの垂直度を精度良くできるようにした。吸入弁シート部32aと摺動部32dが別部材であると、加工・結合する部位に直角度を悪くする要因が必ず生じるが、吸入弁シート部32aと摺動部32dを一部材とすることでこの問題は解決される。
また、磁気コイル53に通電した時に発生する磁気付勢力が不足すると、高圧吐出される燃料の量を適切に制御できない。そのため、磁気コイル53の周りに構成され磁気回路は、十分な磁気付勢力を発生するものでなくてはならない。
そのためには、磁気コイル53に通電し周りに磁場が発生した際、より多くの磁束が流れるような磁気回路にする必要がある。一般的に磁気化路は太く短いほど、磁気抵抗も小さくなるので磁気回路を通過する磁束が大きくなり、発生する磁気付勢力も大きくなる。
本実施例では、磁気回路を構成する部材は、図5に示すようにアンカー35,第一コア部33,ヨーク51,第二コア部36であり、これらは全て磁性材料である。
第一コア部33と第二コア部36は溶接部37aにより溶接にて接合されているが、第一コア部33と第二コア部36の間を直接磁束が通過せず、アンカー35を介して通過する必要がある。これは第一コア部33とアンカー35の間に磁気付勢力を発生させるためであり、第一コア部33と第二コア部36の間を直接磁束が通過してしまい、アンカーを通過する磁束が減少してしまうと、磁気付勢力が低下してしまう。
そのために、従来構造では、第一コア部33と第二コア部36の間に中間部材を設けていた。この中間部材は非磁性体であるので、第一コア部33と第二コア部36の間を直接に磁束が通過することはなく、全ての磁束がアンカー35を通過する。
しかし、中間部材を設けると部品点数が増加しさらに中間部材と第一コア部33・第二コア部36をそれぞれ接合する必要があるので、コストがアップしてしまうと言う問題があった。
そこで、本実施例では第一コア部33と第二コア部36を溶接部37にて直接接合し、第二コア部に磁気オリフィス部36aを設けた。磁気オリフィス部36aでは、肉厚を強度的に許す限り薄くする一方、第二コア部36のその他の部分では十分な肉厚を確保している。また、磁気オリフィス部36aは第一コア部とアンカー35の接触する部分の近傍に設けた。
これにより、発生した磁束は大部分がアンカー37を通過し、第一コア部33と第二コア部を直接に通過する磁束はごく小さく、それによる第一コア部33とアンカー35の間に発生する磁気付勢力の低下を許容範囲内している。
また、第一コア部33とアンカー35が接触している時には、磁気回路中で最も大きな空隙があるのは第二コア部36とアンカー35の間である。空隙は磁性材料ではなく、燃料で満たされているので空隙が大きいほど磁気回路の磁気抵抗は大きくなる。したがって、空隙は小さいほど良い。
本実施例では、前述したように摺動部の摺動長Lを長くすることによって第二コア部36とアンカー35の間の空隙を小さくしている。
磁気コイル53はリード線54をプランジャロッド31の軸を中心に巻いて構成している。リード線54の両端は、リード線溶接部55でターミナル56に溶接接続されている。ターミナルは伝導性の物質でありコネクタ部58に開口しており、コネクタ部58にECUからの相手側コネクタが接続されれば相手側のターミナルに接触しコイルに電流を伝える。
図6に従来構造を示す。従来構造では、磁気回路の内側にリード線溶接部55を配置している。リード線溶接部55は少なくない容積を必要とするので、その分だけ磁気回路の全長が長くなってしまう。このことは、磁気回路の磁気抵抗を大きくしてしまうので、第一コア部33とアンカー35の間に発生する磁気付勢力の低下と言う問題があった。
本実施例では、このリード線溶接部55をヨーク51の外側に配置している。磁気回路の外側にリード線溶接部55を配置することになり、リード線溶接部55に必要としていた空間が無いために磁気回路の全長を短くでき、第一コア部33とアンカー35の間に十分な磁気付勢力の発生が可能となった。
図7に、電磁吸入弁機構30をポンプハウジング1に組み込む前の状態を示す。
本実施例では、まず、吸入弁ユニット37と、コネクタユニット38としてそれぞれにユニットを作成する。次に、吸入弁ユニット37の吸入弁シート部32aをポンプハウジング1に圧入固定し、その後に溶接部37cを全周に渡って溶接接合する。本実施例では、溶接はレーザー溶接としている。この状態で、コネクタ38を第一コア部33に圧入固定する。これにより、コネクタ58の向きを自由に選ぶことができる。
ポンプハウジング1には中心に加圧室11としての凸部1Aが形成されており、この加圧室11の開口するように、吐出弁機構8装着用の凹所11Aが形成されている。
加圧室11の出口には吐出弁機構8が設けられている。吐出弁機構8はシート部材(シート部材)8a,吐出弁8b,吐出弁ばね8c,吐出弁ストッパとしての保持部材8dからなり、ポンプハウジング1の外で、溶接部8eを溶接することにより吐出弁機構8を組み立てる。その後、図中左側から組み立てた吐出弁機構8をポンプハウジング1に圧入固定する。圧入部は加圧室11と吐出口12を遮断する機能も備える。
加圧室11と吐出口12との間に燃料の差圧が無い状態では、吐出弁8bは吐出弁ばね8cによる付勢力でシート部材8aに圧着され閉弁状態となっている。加圧室11内の燃料圧力が、吐出口12の燃料圧力よりも所定の値だけ大きくなった時に初めて、吐出弁8bは吐出弁ばね8cに抗して開弁し、加圧室11内の燃料は吐出口12を経てコモンレール23へと吐出される。
吐出弁8bは開弁した際、保持部材8dと接触し、動作を制限される。したがって、吐出弁8bのストロークは保持部材8dによって適切に決定せられる。もし、ストロークが大きすぎると、吐出弁8bの閉じ遅れにより、燃料吐出口12へ吐出された燃料が、再び加圧室11内に逆流してしまうので、高圧ポンプとしての効率が低下してしまう。また、吐出弁8bが開弁および閉弁運動を繰り返す時に、吐出弁8bがストローク方向にのみ運動するように、保持部材8dにてガイドしている。以上のように構成することで、吐出弁機構8は燃料の流通方向を制限する逆止弁となる。
シリンダ6は外周がシリンダホルダ7の円筒嵌合部7aで保持されている。シリンダホルダ7の外周に螺刻されたねじ7gを、ポンプハウジング1に螺刻されたねじ1bにねじ込むことによって、シリンダ6をポンプハウジング1に固定する。
また、プランジャシール13は、シリンダホルダ7の内周円筒面7cに圧入固定されたシールホルダ15とシリンダホルダ7によって、シリンダホルダ7の下端に保持されている。この時、プランジャシール13はシリンダホルダ7の内周円筒面7cによって、軸を円筒嵌合部7aの軸と同軸に保持されている。プランジャ2とプランジャシール13は、シリンダ6の図中下端部において摺動可能に接触する状態で設置されている。
これによりシール室10f中の燃料がタペット3側、つまりエンジンの内部に流入するのを防止する。同時にエンジンルーム内の摺動部を潤滑する潤滑油(エンジンオイルも含む)がポンプ本体1の内部に流入するのを防止する。
また、シリンダホルダ7には外周円筒面7bが設けられ、そこには、O−リング61を嵌め込むための溝7dを設ける。O−リング61はエンジン側の嵌合穴70の内壁とシリンダホルダ7の溝7dによりエンジンのカム側と外部を遮断し、エンジンオイルが外部に漏れるのを防止する。
シリンダ6はプランジャ2の往復運動の方向に交差する圧着部6aを有し、圧着部6aはポンプハウジング1の圧着面1aと圧着している。圧着は、ねじの締付けによる推力によって行われる。加圧室11はこの圧着によって成形され、加圧室11内の燃料が加圧され高圧になっても、加圧室11から外へ圧着部を通って燃料が漏れることがないよう、ねじの締付けトルクは管理しなくてはならない。
また、プランジャ2とシリンダ6の摺動長を適正に保つために加圧室11内にシリンダ6と深く挿入する構造とした。シリンダ6の圧着部6aより加圧室11側では、シリンダ6の外周とポンプハウジング1の内周の間にクリアランス1Bを設ける。シリンダ6は外周がシリンダホルダ7の円筒嵌合部7aで保持されているので、クリアランス1Bを設けることにより、シリンダ6の外周とポンプハウジング1の内周が接触することが無いようにすることができる。
以上のようにして、シリンダ6は加圧室11内で進退運動するプランジャ2をその進退運動方向に沿って摺動可能に保持される。
プランジャ2の下端には、エンジンのカムシャフトに取付けられたカム5の回転運動を上下運動に変換し、プランジャ2に伝達するタペット3が設けられている。プランジャ2はリテーナ15を介してばね4にてタペット3に圧着されている。リテーナ15は圧入によってプランジャ2に固定されている。にこれによりカム5の回転運動に伴い、プランジャ2を上下に進退(往復)運動させることができる。
プランジャ2はシリンダ6の内部で往復運動を繰り返すが、その際シリンダ6の内周が歪んでいると、プランジャ2とシリンダ6が焼きついて固着してしまう。固着してしまうとプランジャ2が往復運動を行うことが不可能になり、燃料の高圧吐出が不可能になってしまう。
この固着の原因のひとつとして、シリンダ6の内周部(摺動部)の変形が考えられる。外周円筒面7bと円筒嵌合部7aの同軸度が非常に悪かった場合、エンジン側の嵌合穴70の内壁と外周円筒面7bが接触してしまい、ポンプを取付けることによってシリンダ6に微小の変形を誘起してしまう。
そこで本実施例では、外周円筒面7bと円筒嵌合部7aをシリンダホルダ7に設けた。外周円筒面7bと円筒嵌合部7aを別部材に設ければ、加工・結合する部位に同時度を悪くする要因が必ず生じるが、外周円筒面7bと円筒嵌合部7aを同一部材とすることでこの問題は解決される。
本実施例では、シリンダ6の圧着部6aより加圧室11側にシリンダ6が突き出た形状とし、シリンダ6の外周とポンプハウジング1の内周の間にクリアランス1Bを設ける。そして、シリンダ6とポンプハウジング1の圧着面はプランジャ2の往復運動に交差する方向とし、圧着面はクリアランス1bよりも外側は配置してある。
シリンダ6とポンプハウジング1が圧着されても、圧着部の変形はシリンダ6の内周に伝わりにくい構造となっており、これによりシリンダ6の内周の変形を最小にしながらも、シリンダ6とプランジャ2の摺動長を長くとることができる。
固着の別の原因として、プランジャの傾きが挙げられる。これは、シリンダ6とプランジャ2の摺動部の軸線と、プランジャシール13とプランジャ2の摺動部の軸線間の同軸度が悪いと起こる可能性がある。
そのため本実施例では、円筒嵌合部7aと内周円筒面7cをシリンダホルダ7に設けた。円筒嵌合部7aと内周円筒面7cを別部材に設ければ、加工・結合する部位に同時度を悪くする要因が必ず生じるが、円筒嵌合部7aと内周円筒面7cを同一部材とすることでこの問題は解決される。
以上から、円筒嵌合部7a,外周円筒面7b,内周円筒面7cをすべてシリンダホルダ7に設ける構造とした。これにより、外周円筒面7bと円筒嵌合部7aの同軸度の問題と、円筒嵌合部7aと内周円筒面7cの同軸度の問題を同時に解決することができた。さらにその結果、シリンダ6の内周部(摺動部)の変形,プランジャの傾きを同時に解決することができた。
ここで、吸入流路10cは吸入流路10d、およびシリンダホルダ7に設けられた吸入流路10eを介して、シール室10fに接続しており、シール室10fは常に吸入燃料の圧力に接続している。加圧室11内の燃料が高圧に加圧されたときには、シリンダ6とプランジャ2の摺動クリアランスを通して微小の高圧燃料がシール室10f内に流入するが、流入した高圧燃料は吸入圧力に開放されるのでプランジャシール13が高圧により破損することはない。
また、プランジャ2はシリンダ6と摺動する大径部2aと、プランジャシール13と摺動する小径部2bからなる。大径部2aの直径は小径部2bの直径より大きく設定されており、互いに同軸に設定されている。シリンダ6との摺動部は大径部2aであり、プランジャシール13との摺動部は小径部2bである。これにより、大径部2aと小径部2bの接合部はシール室10f内に存在するので、プランジャ2の摺動運動に伴って、シール室10fの容積が変化し、それに伴って燃料は、吸入流路10d,吸入流路10sを通ってシール室10fと吸入流路10cの間を運動する。
プランジャ2は、プランジャシール13とシリンダ6と摺動を繰り返すので、摩擦熱が発生する。この熱により、プランジャ2の大径部2aが熱膨張をするが、大径部2aのうち、プランジャシール13側の方が加圧室11側よりも発熱源に近い。そのため、大径部2aの熱膨張は均一にならず、その結果として円筒度が悪化しプランジャ2とシリンダ6が焼きついて固着してしまう。
本実施例では、プランジャ2の摺動運動に伴ってシール室10fの燃料を常に入れ替えているので、この燃料により、発生した熱を除去する効果がある。これによって、摩擦熱による大径部2aの変形、およびそれによって発生するプランジャ2とシリンダ6が焼付固着を防止することができる。
さらに、プランジャシール13との摺動部の直径が小さいほど摩擦面積が小さくなるので、摺動運動によって発生する摩擦熱も少なくなる。本実施例では、プランジャシール13と摺動するのはプランジャ2の小径部2bであるので、プランジャシール13との摩擦で発生する熱量も小さく押さえることができ、焼付固着を防止することができる。
図8に、シリンダホルダ7をポンプハウジング1にねじにて固定される前の状態を示す。
プランジャ2,シリンダ6,シールホルダ15,プランジャシール13,シリンダホルダ7,ばね4,リテーナ15によってプランジャユニット80が形成されている。
図9に、プランジャユニット80の組立て方法を示す。
まず、プランジャ2,シリンダ6,シールホルダ15,プランジャシール13が図中左上方からシリンダホルダ7に組み込まれる。その際、前述したようにシールホルダ15はシリンダホルダ7の内周円筒面7cに圧入固定される。その後、ばね4、リテーナ15を図中右下方から組込む。その際、リテーナは15プランジャ2に圧入固定される。
こうして組み立てたプランジャユニット80は、Oリング61、Oリング62を装着した後、前述したようにねじにてポンプハウジング1に締付固定される。締付はシリンダホルダ7に成形された六角部7eによって行う。六角部7eは内六角の形状になっており、専用の工具にてトルクを発生してねじを締める。このトルクの管理することにより圧着部6aと圧着面1aの圧着面圧を管理する。
金属ダイアフラムダンパ9は2枚の金属ダイアフラムで構成され、両ダイアフラム間の空間にガスが封入された状態で外周を溶接部にて全周溶接にて互いに固定している。そして金属ダイアフラムダンパ9の両面に低圧圧力脈動が負荷されると、金属ダイアフラムダンパ9は容積を変化し、これにより低圧圧力脈動を低減する機構となっている。
高圧燃料供給ポンプのエンジンへの固定は、フランジ41、ボルト42、およびブッシュ43により行われる。フランジ41は溶接部41aにてポンプハウジング1に全周を溶接結合されている。本実施例では、レーザー溶接を用いている。
図10に、フランジ41、およびブッシュ43の外観図示す。本図では、フランジ41、およびブッシュ43のみを示し、その他の部品は示していない。
二個のブッシュ43はフランジ41に取付けられており、エンジンとは反対側に取付けられている。二個のボルト42はエンジン側に形成されたそれそれのねじに螺合され、二個のブッシュ43、およびフランジ41をエンジンに押し付けることで、高圧燃料供給ポンプをエンジンに固定する。
図11にフランジ41,ボルト42,ブッシュ43部の拡大図を示す。
ブッシュ43には、鍔部43a,かしめ部43bがある。まず、かしめ部43bはフランジ41の取付け穴にかしめ結合される。その後、ポンプハウジング1と溶接部41aにてレーザー溶接によって溶接結合される。その後、樹脂製のファスナー44をブッシュ43に挿入し、さらにファスナー44にボルト42を挿入する。ファスナー44はボルト42をブッシュ43に仮固定する役割を果たす。即ち、高圧燃料供給ポンプをエンジンに取付けるまでの間に、ボルト42がブッシュ43から脱落しないように固定している。高圧燃料供給ポンプをエンジンに固定する際は、ボルト42をエンジン側に設けられたねじ部に螺合固定するが、その際はボルト42の締付けトルクによってボルト42はブッシュ43内で回転できる。
本実施例では、高圧燃料供給ポンプのエンジンへの固定前に、ボルト42を高圧燃料供給ポンプ装着し脱落防止機構を設けているが、エンジンへの取付けの際にボルト42を装着する場合は、ファスナー44は特に必要ない。
高圧燃料供給ポンプが高圧吐出を繰り返すと、前述のように加圧室内11の圧力は高圧と低圧を繰り返す。加圧室内11が高圧の時は、この圧力ためにポンプハウジング1は図中の上方に持ち上げられるように力が働く。加圧室内11が低圧の時は、この力は働かない。このため、ポンプハウジングは図中の上方に繰り返し荷重を受けることになる。
図10に示すように、フランジ41は2個のボルト42によってエンジンにポンプハウジング1を固定している。そのため、ポンプハウジング1が前述のように上方に持ち上げられると、フランジ42は2個のボルト42、ブッシュ43の部分が固定され中央部分に繰り返して曲げ荷重が加わる状態となる。この繰り返し荷重によって、フランジ41、ポンプハウジング1が変形するので繰返し応力が発生して疲労破壊してしまう問題があった。さらには、シリンダホルダ7、およびシリンダ6も変形するので、シリンダ6の摺動部も変形し、前述したプランジャ2とシリンダ6の焼きつき固着が発生してしまう。
フランジ41は、生産性の理由からプレス成形によって製作している。そのためフランジ41の板厚t1には上限があり、本実施例ではt1=4mmとしている。ポンプハウジング1とフランジ42の接合部である溶接部41をレーザー溶接によって溶接結合している。レーザー溶接は図中の下方からビームを照射する必要がある。図中上方からでは、その他の部品がありレーザーを全周にわたって照射することは不可能である。さらにレーザー溶接はフランジ41の板厚t=4mmを貫通しなくてはならない。もし溶接がフランジ41を貫通しないと溶接部端面が切欠になり、前述した繰り返し荷重によってこの切欠部に応力が集中し、そこから疲労破壊を起こしてしまう。
レーザー溶接によってフランジ41を貫通溶接するにはレーザーの出力を大きくすれば良いが、溶接するには必ず熱が発生するので、その熱によってフランジ41が熱変形をしてしまう。また、溶接の際に発生するスパッタも大量に発生しポンプハウジング1、その他の部品に固着する。以上の観点からレーザー溶接によって貫通溶接するための溶接長さは短いほうが良い。
そのため、本実施例では溶接部41aの板厚t2のみt2=3mmとした。これにより、フランジ41aをレーザー溶接によって貫通溶接することができ、スパッタの発生も最小限に抑えられる。また、このt2=3mm部はプレス成形によって成形可能であるので、生産性も高い。
溶接部41aの板厚t2=3mmと、t1=4mmの段差部はエンジン側に設けることにした。これにより、くぼみ45が形成される。溶接部41aの上端面、および下端面には必ず母材よりも盛り上がる。くぼみ45を設けることにより、この盛り上がりとエンジンの干渉を防ぐことができる。盛り上がりとエンジンが接触していると、高圧燃料供給ポンプをエンジンにボルト42で固定した際に、フランジ41に曲げ応力が発生し、フランジ41の破損に繋がる。
これにより、高圧吐出に伴って発生する繰り返し荷重により、フランジ41の破損を防止することができる。また、溶接部41aの盛り上がりとエンジンが接触により発生する、フランジ41の破損も防止することができる。
前述のように、繰り返し荷重がポンプハウジング1に負荷されると、2個のボルト42、ブッシュ43の部分が固定された状態で、繰り返し荷重の方向に湾曲する。溶接部41aはレーザー溶接によって全周に渡って貫通溶接されており、フランジ41の湾曲はポンプハウジング1に波及する。一方、シリンダホルダ7とポンプハウジング1はねじ7g、1bでのみ接触している。ポンプハウジング1のねじ1bと溶接部41aは距離mだけ離れたい位置に存在する。また、距離mでの最小肉厚はnとしている。ポンプハウジング1がフランジ41の湾曲により変形しても、その変形は距離m、肉厚nの部分で吸収し、ねじ1bまで波及しないようにm、nの値を選定する。
こうすることで、フランジ41の湾曲によるシリンダ6の変形を防ぐことができる。しかし、フランジ41の湾曲をすべてポンプハウジング1で吸収しなくてはならず、ポンプハウジング1で発生する繰り返し応力が許容値を超えてしまうと、ポンプハウジング1が疲労破壊し燃料漏れ事故となってしまう。
このようなポンプハウジング1の疲労破壊を防ぐためには下記二つの方法がある。
(1)ポンプハウジング1の形状効果により、発生する応力を許容値以下にする。
(2)フランジ41で発生する湾曲を小さくする。
以下、この2つの方法について説明する。
まず、(1)について説明する。図12に溶接部41a近傍の拡大図を示す。ポンプハウジング1が繰り返し荷重によって、図中の上方に引張られ、フランジ41が湾曲した時に発生する応力で最大のものは、図11中に最大応力として示したように、ポンプハウジング1の表面に矢印方向に発生する。この発生する応力を、形状効果によってできる限り分散させて、応力集中が起こらないような形状にすれば良い。
本実施例では、図のようにR部1c、およびR部1eを直線部1dにて接続する構造とし、最適値を選定した。二つのR部1c、および1eの間に直線部1dが存在し、この直線部1d上で発生する応力が均等に分布する。その結果、応力集中は起こらずに発生応力の最大値を低減することができた。
次に、(2)について説明する。フランジ41の湾曲が小さくするには、フランジ41の剛性を高める以外に方法はない。しかし、フランジ41の板厚tは前述したように生産性の観点から4mm以上にすることは非常に困難である。そこでボルト42の固定のためだけに設けているブッシュ43の径を大きくすることにした。ここで、湾曲有効距離:Oとは、二つのブッシュ43の端部の最短距離を示し、この部分が、繰り返し荷重により実質的に湾曲する。この湾曲有効距離:Oを小さくできれば、結果としてフランジ41の剛性向上となる。
本実施例では、ブッシュ43に鍔部43aを設けて、湾曲有効距離:Oの縮小を図った。ブッシュ43の高さは、ファスナー44を挿入のための高さは必要となる。その高さでブッシュ43の外形を大きくすると、ポンプハウジング1との干渉問題や、ブッシュ43の材料増大等の問題があった。鍔部43aを設けることによって、これらの問題を防ぎ、湾曲有効距離:Oを小さくすることができた。
以上のようにすることで、方法(1)(2)を達成し、ポンプハウジング1に繰り返し発生する応力を疲労破壊の許容値以下にすることができた。