JP2011001841A - 水冷式内燃機関のシリンダヘッド構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水冷式内燃機関のシリンダヘッド1は、吸気側側壁2iまたは排気側側壁2eにウォータジャケット8の第1冷却水出口部11が形成されるとともに、吸気側側壁2iおよび排気側側壁2eに直交する側壁3rにウォータジャケット8の第2冷却水出口部21が形成され、第1冷却水出口部11と前記第2冷却水出口部21の双方は、該シリンダヘッド1の鋳造時には閉塞されており、車両への内燃機関の搭載姿勢に応じて選択的に穿孔加工される水冷式内燃機関のシリンダヘッド構造。
【選択図】図1
Description
また、シリンダヘッドの製造時に複数箇所に冷却水出口を穿孔することで、加工工数も多く、コスト高となる。
そして、複数の出口孔の開口端面である取付面に複数の出口孔を包囲する環状シール部材を介して冷却水アウトレットが取り付けられるので、シール性を容易に確保して強固に冷却水アウトレットを固定することができる。
本実施の形態に係る内燃機関は、直列4気筒の水冷式4ストローク内燃機関であり、車両に搭載される。
なお、本明細書中においては、内燃機関の搭載姿勢に拘わりなく、車体を基準に前後左右を設定することとする。
第1冷却水出口部11は、図1のII矢視図である図2に示すように、大円弧とその斜め下側となる小円弧を接線で連結した閉じた変形長円形状をなし、上側となる大円弧の一部が斜め上方に延出して取付ボス部12を形成し、一方の接線の一部が斜め下方に延出して取付ボス部13を形成している。
以上のような第1冷却水出口部11は、シリンダヘッド1の鋳造時には閉塞されており、図1および図2に2点鎖線で示す2つの円の場所に円孔である大径出口孔15と小径出口孔16を穿孔加工することで、ウォータジャケット8から冷却水を流出する出口とすることができる。
第2冷却水出口部21は、図1のIII矢視図である図3に示すように、前側の大円弧と後側の小円弧を接線で連結した閉じた変形長円形状をなし、上側の接線の一部が上方に延出して取付ボス部22を形成し、下側の接線の一部が下方に延出して取付ボス部23を形成している。
以上のような第2冷却水出口部21は、シリンダヘッド1の鋳造時には閉塞されており、図1および図3に2点鎖線で示す2つの円の場所に円孔である大径出口孔25と小径出口孔26を穿孔加工することで、ウォータジャケット8から冷却水を流出する出口とすることができる。
図4ないし図8は、内燃機関が縦置き姿勢で搭載される場合の図である。
このウォータジャケット8内を冷却水は、概ねクランク軸方向の前側から後側に向かって流れ、この前側から後側に向かって流れる主流の最大流量部Sは、図5に示すように、主流の流れ方向に障害が最も少ない箇所を流れる矢印で示す部分である。
すなわち、内燃機関が縦置き姿勢で搭載される場合は、図4に示すように、第1冷却水出口部11に大径出口孔15と小径出口孔16を穿孔加工する。
大径出口孔15と小径出口孔16は円形をしているので、両者を仕切る仕切壁17は中央から両端に徐々に厚さが拡大する形状を自ずと形成している。
したがって、大径出口孔15と小径出口孔16を大きく形成して、かつ第1冷却水出口部11の剛性を確保することができる。
図7および図8を参照して、冷却水アウトレット31は、第1冷却水出口部11の取付面11fと同形状の取付面31fを有し、取付面31fには大径出口孔15と小径出口孔16に対応する大径開口35aと小径開口36aを有するとともに、取付ボス部12,13に対応する取付片32,33には取付孔32h,33hを有する。
冷却水アウトレット31には屈曲管部35と直状管部36が形成されていて、屈曲管部35の内部が取付面31fの大径開口35aに連通しており、直状管部36の内部が小径開口36aに連通している。
また、第1冷却水出口部11に穿孔された小径出口孔16から流出する冷却水は、直状管部36からホースを介してエアコンのヒータに送られる。
図9ないし図13は、内燃機関が横置き姿勢で搭載される場合の図である。
すなわち、内燃機関が横置き姿勢で搭載される場合は、図9に示すように、第2冷却水出口部21に大径出口孔25と小径出口孔26を穿孔加工する。
前側の大径出口孔25と後側の小径出口孔26はともに円形をしているので、両者を仕切る仕切壁27は中央から上下両端に徐々に厚さが拡大する形状を自ずと形成している。
したがって、大径出口孔25と小径出口孔26を大きく形成して、かつ第2冷却水出口部21の剛性を確保することができる。
図12および図13を参照して、冷却水アウトレット41は、第2冷却水出口部21の取付面21fと同形状の取付面41fを有し、取付面41fには大径出口孔25と小径出口孔26に対応する大径開口45aと小径開口46aを有するとともに、取付ボス部22,23に対応する取付片42,43には取付孔42h,43hを有する。
冷却水アウトレット41には屈曲管部45とより内径が小さい屈曲管部46が形成されていて、屈曲管部45の内部が取付面41fの大径開口45aに連通しており、屈曲管部46の内部が小径開口46aに連通している。
すなわち、第2冷却水出口部21に穿孔された大径出口孔25から流出する冷却水は、ラジエータに送られる。
したがって、第2冷却水出口部21に穿孔された小径出口孔26から流出する冷却水は、屈曲管部46からホースを介してエアコンのヒータに送られる。
本シリンダヘッド51は、前記シリンダヘッド1と第2冷却水出口部61の形状が異なるのみで、その他は同じである。
内燃機関を横置き姿勢で車両に搭載する場合に、左側となる短尺側壁53rに形成される第2冷却水出口部61に大径出口孔65と小径出口孔66を穿孔加工する。
前側の大円弧に沿って大径出口孔65が穿孔され、後側の小円弧に沿って小径出口孔66が穿孔される。
11…第1冷却水出口部、12,13…取付ボス部、15…大径出口孔、16…小径出口孔、17…仕切壁、
21…第2冷却水出口部、22,23…取付ボス部、25…大径出口孔、26…小径出口孔、27…仕切壁、
31…冷却水アウトレット、32,33…取付片、35…屈曲管部、35a…大径開口、36…直状管部、36a…小径開口、37…環状シール部材、38,39…取付ボルト、
41…冷却水アウトレット、42,43…取付片、45…屈曲管部、45a…大径開口、46…屈曲管部、46a…小径開口、47…環状シール部材、48,49…取付ボルト、
51…シリンダヘッド、53r…短尺側壁、
61…第2冷却水出口部、65…大径出口孔、66…小径出口孔、
71…冷却水アウトレット、71a…取付座、75…屈曲管部、76…屈曲管部、77…シール部材、78,79…取付ボルト。
Claims (5)
- 水冷式内燃機関のシリンダヘッドは、吸気側側面または排気側側面にウォータジャケットの第1冷却水出口部が形成されるとともに、前記吸気側側面および前記排気側側面に直交する側面にウォータジャケットの第2冷却水出口部が形成され、
前記第1冷却水出口部と前記第2冷却水出口部の双方は、該シリンダヘッドの鋳造時には閉塞されており、車両への内燃機関の搭載姿勢に応じて選択的に穿孔加工されることを特徴とする水冷式内燃機関のシリンダヘッド構造。 - 前記第1冷却水出口部または前記第2冷却水出口部に、複数の出口孔が互いの間に仕切壁を残して穿孔形成され、
前記仕切壁は中央から両端に徐々に厚さが拡大する形状をなすことを特徴とする請求項1記載の水冷式内燃機関のシリンダヘッド構造。 - 前記出口孔は円孔に穿孔形成され、
複数の出口孔の開口端面である取付面に複数の出口孔を包囲する環状シール部材を介して冷却水アウトレットが取り付けられることを特徴とする請求項2記載の水冷式内燃機関のシリンダヘッド構造。 - 車両に前記内燃機関がクランク軸を車両前後方向に指向させる縦置き姿勢で搭載される場合に、前記第1冷却水出口部に穿孔形成される複数の出口孔のうち最大流出断面積を有するラジエータ側へ流出する最大出口孔を、ウォータジャケット内を前記第1冷却水出口部側に向かって流れる冷却水のクランク軸方向に流れる主流の下流側に形成することを特徴とする請求項2または請求項3記載の水冷式内燃機関のシリンダヘッド構造。
- 車両に前記内燃機関がクランク軸を車両左右幅方向に指向させる横置き姿勢で搭載される場合に、前記第2冷却水出口部に穿孔形成される複数の出口孔のうち最大流出断面積を有するラジエータ側へ流出する最大出口孔を、ウォータジャケット内を前記第2冷却水出口部側に向かって流れる冷却水のクランク軸方向に流れる主流の流れの強い最大流量部側に形成することを特徴とする請求項2または請求項3記載の水冷式内燃機関のシリンダヘッド構造。
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