JP2011001523A - 熱硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性エポキシ樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】速硬化性および貯蔵安定性に優れる熱硬化性エポキシ樹脂組成物の提供。
【解決手段】エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤およびシリカを含有する熱硬化性エポキシ樹脂組成物であって、
前記硬化剤が、芳香族ポリアミンであり、
前記硬化促進剤が、下記式(I)で表される化合物であり、
前記シリカが、疎水性シリカ微粒子である、熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
【化1】
Figure 2011001523

(式(I)中、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、3個のR1およびR2は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性エポキシ樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂組成物は、反応性や硬化物の物性に優れることから、例えば、自動車や缶類の塗装分野、封止材や積層板等の電気分野、土木分野、接着分野で利用されている。
そして、エポキシ樹脂の硬化剤として芳香族アミン化合物を用いた組成物は、ガラス転移温度が高い硬化物が得られることが知られている。
例えば、特許文献1には、「(a)エポキシ樹脂、(b)芳香族アミン系硬化剤、および(c)溶剤可溶性ポリイミド樹脂を含み、前記(a)エポキシ樹脂および前記(b)芳香族アミン系硬化剤の合計量を100重量部としたときの前記(c)溶剤可溶性ポリイミド樹脂の量が10重量部以上であることを特徴とする、熱硬化性樹脂組成物。」が記載されている。
また、特許文献2には、本出願人により、「分子内に1つのチイラン基を有しエポキシ基を有さないチイラン化合物と、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とを含む第1液と、活性水素を2個以上有するポリアミン系硬化剤と、第三級アミンとを含む第2液とを有する硬化性樹脂組成物。」が提案されており([請求項1])、ポリアミン系硬化剤として、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジエチルジフェニルメタン等の芳香族ポリアミンが記載されている([0029])。
しかしながら、特許文献1や2の記載の芳香族ポリアミン化合物をエポキシ樹脂の硬化剤として用いる場合、高温下(80〜250℃程度)における硬化時間が長く、速硬化性に劣るという問題があった。
一方、特許文献3には、常温では硬化せず、ある程度の高温化でのみ優れた硬化促進性を発揮するエポキシ樹脂用硬化促進剤として、「次式(1)で示されるトリス(4−メチルフェニル)ホスフィントリフェニルボランを有効成分として含有することを特徴とするエポキシ樹脂用硬化促進剤」が記載されている。
Figure 2011001523
特開2006−328214号公報 特開2007−326906号公報 特開2006−290946号公報
本発明者は、特許文献3に記載の硬化促進剤について検討したところ、エポキシ樹脂の硬化剤として芳香族ポリアミンを用いた場合の速硬化性は改善するものの、貯蔵安定性に劣ることが明らかとなった。
そこで、本発明は、速硬化性および貯蔵安定性に優れる熱硬化性エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、エポキシ樹脂、芳香族ポリアミン(硬化剤)、所定の構造で表される化合物(硬化促進剤)および特定のシリカを含有するエポキシ樹脂組成物が、速硬化性および貯蔵安定性に優れることを知見し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(7)を提供する。
(1)エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤およびシリカを含有する熱硬化性エポキシ樹脂組成物であって、
上記硬化剤が、芳香族ポリアミンであり、
上記硬化促進剤が、下記式(I)で表される化合物であり、
上記シリカが、疎水性シリカ微粒子である、熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
Figure 2011001523
式(I)中、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、3個のR1およびR2は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
(2)上記硬化剤の凝集体の表面の少なくとも一部が、上記シリカによって被覆されてなる上記(1)に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
(3)上記シリカが、平均粒径が20〜500nmの疎水性シリカ微粒子である上記(1)または(2)に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
(4)上記シリカの含有量が、上記硬化剤と上記シリカとの合計の含有量に対して、10〜70質量%である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
(5)上記硬化促進剤が、熱可塑性樹脂によって内包されてなる上記(1)〜(4)のいずれかに記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
(6)上記硬化剤が、下記式(II)で表される芳香族ポリアミンである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
Figure 2011001523
式(II)中、R3およびR4は、それぞれ独立にアルキル基を表し、R5は、アルキレン基、芳香族炭化水素基、カルボニル基、フルオレン基、スルホニル基、エーテル基およびスルフィド基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、mおよびnは、それぞれ独立に0〜4の整数を表す。mが2〜4の整数である場合の複数のR3は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、nが2〜4の整数である場合の複数のR4は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
(7)芳香族ポリアミンの凝集体の表面の少なくとも一部が疎水性シリカ微粒子で被覆されてなる硬化剤。
以下に説明するように、本発明によれば、速硬化性および貯蔵安定性に優れる熱硬化性エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」という。)は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤およびシリカを含有する熱硬化性エポキシ樹脂組成物であって、上記硬化剤が芳香族ポリアミンであり、上記硬化促進剤が上記式(I)で表される化合物であり、上記シリカが疎水性シリカ微粒子である、熱硬化性のエポキシ樹脂組成物である。
次に、本発明の組成物の各成分について詳述する。
<エポキシ樹脂>
本発明の組成物に含有するエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のオキシラン環(エポキシ基)を有する化合物からなる樹脂であれば特に限定されず、一般的に、エポキシ当量が90〜2000のものである。
このようなエポキシ樹脂としては、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができる。
具体的には、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型等のビスフェニル基を有するエポキシ化合物や、ポリアルキレングリコール型、アルキレングリコール型のエポキシ化合物や、ナフタレン環を有するエポキシ化合物や、フルオレン基を有するエポキシ化合物等の二官能型のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;
フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型等の多官能型のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;
ダイマー酸等の合成脂肪酸のグリシジルエステル系エポキシ樹脂;
下記式(1)で表されるN,N,N′,N′−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)、テトラグリシジルジアミノジフェニルスルホン(TGDDS)、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン(TGMXDA)、下記式(2)で表されるトリグリシジル−p−アミノフェノール、トリグリシジル−m−アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリン、テトラグリシジル1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(TG1,3−BAC)、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)等のグリシジルアミン系エポキシ樹脂;
Figure 2011001523
下記式(3)で表されるトリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカン環を有するエポキシ化合物、具体的には、例えば、ジシクロペンタジエンとメタクレゾール等のクレゾール類またはフェノール類を重合させた後、エピクロルヒドリンを反応させる公知の製造方法によって得ることができるエポキシ化合物;
Figure 2011001523
(式中、lは、0〜15の整数を示す。)
脂環型エポキシ樹脂;東レチオコール社製のフレップ10に代表されるエポキシ樹脂主鎖に硫黄原子を有するエポキシ樹脂;ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂;ポリブタジエン、液状ポリアクリロニトリル−ブタジエンゴムまたはアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)を含有するゴム変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらは1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<硬化剤>
本発明の組成物に含有する硬化剤は、芳香族ポリアミンである。
上記芳香族ポリアミンは、芳香族炭化水素基に2個以上のアミノ基が結合している化合物であれば特に限定されない。
ここで、上記芳香族炭化水素基は特に限定されず、アミノ基以外の置換基を有していてもよく、ヘテロ原子を含有していてもよい。
置換基としては、具体的には、例えば、アルキル基、アルコキシ基等が挙げられ、ヘテロ原子としては、具体的には、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。
このような芳香族炭化水素基としては、具体的には、例えば、下記式で表されるものが好適に挙げられる。
Figure 2011001523
式中、R6は、アルキレン基、芳香族炭化水素基、カルボニル基、フルオレン基、スルホニル基、エーテル基およびスルフィド基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。
アルキレン基としては、具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基等が挙げられる。
また、芳香族炭化水素基としては、具体的には、例えば、フェニレン基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基等が挙げられる。
上記芳香族ポリアミンは、本発明の組成物の硬化物のガラス転移温度が高くなる理由から、上記芳香族炭化水素基に2個のアミンが結合した芳香族ジアミンであるのが好ましい。
上記芳香族ジアミンとしては、例えば、下記式(II)で表される構造を有するものが好適に挙げられる。
Figure 2011001523
上記式(II)中、R3およびR4は、それぞれ独立にアルキル基を表し、R5は、アルキレン基、芳香族炭化水素基、カルボニル基、フルオレン基、スルホニル基、エーテル基およびスルフィド基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、mおよびnは、それぞれ独立に0〜4の整数を表す。mが2〜4の整数である場合の複数のR3は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、nが2〜4の整数である場合の複数のR4は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
また、上記式(II)中、R3およびR4ならびに2個のアミノ基は、結合位置は限定されないが、それぞれベンゼン環に直接結合するものである。
ここで、上記式(II)中、R3およびR4のアルキル基は、炭素数が1〜6のものが好ましく、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。なかでも、本発明の組成物の硬化物のガラス転移温度が高くなる理由から、メチル基、エチル基であるのが好ましい。
上記式(II)中、R5のアルキレン基は、炭素数が1〜6のものが好ましく、その具体例としては、メチレン基、エチレン基等が挙げられる。なかでも、本発明の組成物の硬化物のガラス転移温度が高くなる理由から、メチレン基であるのが好ましい。
また、R5の芳香族炭化水素基は、炭素数6以上のものが好ましく、その具体例としては、フェニレン基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基等が挙げられる。
また、R5は、アルキレン基や芳香族炭化水素基等が適宜組み合わされた基であってもよく、例えば、芳香族炭化水素基とアルキレン基とが組み合わされた基としては、2つのアルキレン基が芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環等)を介して結合した態様;アルキレン基の側鎖として芳香族炭化水素が結合した態様;芳香族炭化水素基とアルキレン基とが結合し、芳香族炭化水素基およびアルキレン基が上記式(II)に示される2つのベンゼン環とそれぞれ結合する場合;等が挙げられる。
また、上記式(II)中、mおよびnは、本発明の組成物の硬化物のガラス転移温度が高くなる理由から、それぞれ独立に0〜2の整数であるのが好ましい。
更に、上記式(II)中、ベンゼン環におけるアミノ基の結合位置は、本発明の組成物の貯蔵安定性および速硬化性がより良好となり、硬化物のガラス転移温度が高くなる理由から、R5に対してパラ位であるのが好ましい。
上記式(II)で表される芳香族ジアミンとしては、本発明の組成物の貯蔵安定性および速硬化性がより良好となり、硬化物のガラス転移温度が高くなる理由から、下記式(4)で表される化合物、メチレンビス(2−エチル6−メチルアニリン)等が好適に例示される。
Figure 2011001523
上記式(4)中、R5は、上記式(II)中のR5と同様、アルキレン基、芳香族炭化水素基、カルボニル基、フルオレン基、スルホニル基、スルホン基、エーテル基およびスルフィド基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。
これらのうち、本発明の組成物の貯蔵安定性および速硬化性がより良好となり、硬化物のガラス転移温度が高くなる理由から、アルキレン基、カルボニル基、フルオレン基であるのが好ましく、メチレン基、カルボニル基、フルオレン基であるのがより好ましい。
本発明においては、上記芳香族ポリアミンは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記芳香族ポリアミンは、その製造方法は特に限定されず、市販品を使用することができる。
また、本発明においては、上記硬化剤の含有量は、本発明の組成物の貯蔵安定性および速硬化性がより良好となり、低温硬化性にも優れ、硬化物のガラス転移温度が高くなるという理由から、上記硬化剤が有する活性水素の量が、上記エポキシ樹脂が有するエポキシ基に対して0.5〜2.5当量(活性水素/エポキシ基)となる量であるのが好ましく、0.7〜2.0当量となる量であるのがより好ましい。
なお、上記硬化剤である芳香族ポリアミンが有するアミノ基(−NH2)は、2個の活性水素を有する官能基である。
<硬化促進剤>
本発明の組成物に含有する硬化促進剤は、下記式(I)で表される化合物である。
Figure 2011001523
式(I)中、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、3個のR1およびR2は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
ここで、上記式(I)中、R1およびR2のアルキル基は、本発明の組成物の速硬化性がより良好となり、硬化物のガラス転移温度が高くなるという理由から、その炭素数は1〜6個であるのが好ましく、1〜3個であるのがより好ましい。
アルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
上記式(I)で表される化合物としては、本発明の組成物の速硬化性がより良好となり、硬化物のガラス転移温度が高くなるという理由から、下記式(5)で表されるトリフェニルホスフィントリフェニルボレート(以下、「TPP−S」ともいう。)、下記式(6)で表されるトリスパラメチルフェニルホスフィントリフェニルボレート(以下、「TPTP−S」ともいう。)等が好適に例示される。
Figure 2011001523
本発明においては、上記式(I)で表される化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記式(I)で表される化合物は、その製造方法は特に限定されず、市販品を使用することができる。
また、本発明においては、上記式(I)で表される化合物の含有量は、本発明の組成物の貯蔵安定性および速硬化性がより良好となり、硬化物のガラス転移温度が高くなるという理由から、上記エポキシ樹脂100質量部に対して、1〜30質量部であるのが好ましく、2〜10質量部であるのがより好ましい。
一方、本発明においては、本発明の組成物の貯蔵安定性がより良好となる理由から、上記硬化促進剤が、熱可塑性樹脂によって内包されているのが好ましい。
以下に、熱可塑性樹脂によって内包される好適態様であるマイクロカプセルについて説明する。
上記マイクロカプセルは、上記硬化促進剤、即ち、上記式(I)で表される化合物をコアとして有し、熱可塑性樹脂をシェルとして有する。
上記式(I)で表される化合物は、マイクロカプセルを製造する際にマイクロカプセル化しやすいという理由から、25〜70℃において固体(または融点が70℃を超える)であるのが好ましい。
シェルとして使用される熱可塑性樹脂は特に限定されず、その具体例としては、ウレタン樹脂;スチレンブタジエンエラストマー;ポリビニルアセタール樹脂;フェノキシ樹脂;ポリメタクリル酸メチル樹脂;ポリビニルアルコール;アクリル酸エステル、イタコン酸エステル、クロトン酸エステル等の炭素数1〜8のアルキルエステル、このアルキルエステルのアルキル基の水素原子の一部または全部がアリル基等で置換されたもの、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル等の単官能性単量体や、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の多官能単量体から得られるアクリルポリマー;等が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、本発明の組成物の貯蔵安定性および速硬化性がより良好となり、造膜性、機械的強度に優れ、硬化物のガラス転移温度を維持することができるという理由から、ウレタン樹脂、スチレンブタジエンエラストマー、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコールおよびフェノキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。
(ウレタン樹脂)
上記ウレタン樹脂は、ウレタン結合を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、多価イソシアネート類と多価アミン類との反応によって得られるもの;多価イソシアネート類と水との反応によって得られるもの;多価イソシアネートと多価アルコールとの反応によって得られるもの;多価イソシアネート類と多価アミン類と多価アルコールとの反応によって得られるもの;等が挙げられる。
ここで、ウレタン樹脂を製造する際に使用される多価イソシアネート類は、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であれば特に限定されない。
具体的には、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ビフェニルジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート;キシリレン−1,4−ジイソシアネートなどの芳香族炭化水素基を有するアルキレン基にイソシアネート基が結合しているポリイソシアネート;トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、リジンイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート;シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネートとヘキサントリオールとの付加物、2,4−トリレンジイソシアネートとプレンツカテコールとの付加物、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオールとの付加物、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、本発明の組成物の貯蔵安定性および速硬化性がより良好となり、造膜性、機械的強度に優れるという理由から、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネートが好ましい。
また、ウレタン樹脂を製造する際に使用される多価アミン類は、分子内に2個以上のアミノ基を有する化合物であれば特に限定されない。
具体的には、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミンなどの脂肪族ポリアミン;o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミンなどの芳香族ポリアミン;o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミンなどの芳香族炭化水素基を有するアルキレン基にアミノ基が結合しているポリアミン;メンタンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサンなどの脂環式ポリアミン;スピロアセタール系ジアミン;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ウレタン樹脂を使用する際に使用される多価アルコールは、脂肪族、芳香族または脂環族のいずれであってもよい。
具体的には、例えば、カテコール、レゾルシノール、1,2−ジヒドロキシ−4−メチルベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−5−メチルベンゼン、3,4−ジヒドロキシ−1−メチルベンゼン、3,5−ジヒドロキシ−1−メチルベンゼン、2,4−ジヒドロキシエチルベンゼン、1,3−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール、2,7−ナフタレンジオール、2,3−ナフタレンジオール、o,o′−ビフェノール、p,p′−ビフェノール、ビスフェノールA、ビス−(2−ヒドロキシフェニル)メタン、キシリレンジオール、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、グリセリン、ソルビトール等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(スチレンブタジエンエラストマー)
上記スチレンブタジエンエラストマーは特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
また、上記スチレンブタジエンエラストマーの重量平均分子量は、本発明の組成物の貯蔵安定性および速硬化性がより良好となる理由から、12000〜50000であるのが好ましい。
なお、本発明において、重量平均分子量は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量であるものとする。
(ポリビニルアセタール樹脂)
上記ポリビニルアセタール樹脂は特に限定されず、その具体例としては、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。
また、上記ポリビニルアセタール樹脂の重量平均分子量は、本発明の組成物の貯蔵安定性および速硬化性がより良好となる理由から、10000〜60000であるのが好ましい。
(ポリビニルアルコール)
上記ポリビニルアルコールは特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
また、上記ポリビニルアルコールの重量平均分子量は、本発明の組成物の貯蔵安定性および速硬化性がより良好となる理由から、10,000〜150,000であるのが好ましい。
(フェノキシ樹脂)
上記フェノキシ樹脂は特に限定されず、例えば、ビスフェノールAおよび/またはビスフェノールFから選ばれる分子量10000以上の高分子量エポキシ樹脂を用いることができる。
本発明においては、上記熱可塑性樹脂を使用したマイクロカプセル化の方法は特に限定されず、従来公知の方法により調製することができる。
また、マイクロカプセルの平均粒径(直径)は、本発明の組成物の貯蔵安定性および速硬化性がより良好となる理由から、0.1〜50μmであるのが好ましい。
同様に、マイクロカプセルにおけるシェルの厚さは、本発明の組成物の貯蔵安定性および速硬化性がより良好となり、造膜性、機械的強度に優れるという理由から、0.01〜10μmであるのが好ましい。
本発明において、マイクロカプセルの平均粒径およびシェルの厚さは、それぞれ、粒度分布測定装置SALD−7100(島津製作所製社製)を用いて測定した値である。
また、本発明においては、マイクロポアのシェルを形成する熱可塑性樹脂の含有量は、本発明の組成物の貯蔵安定性および速硬化性がより良好となり、造膜性、機械的強度に優れ、硬化物のガラス転移温度を高く維持することができる理由から、組成物全体の1〜20質量%であるのが好ましい。
<シリカ>
本発明の組成物に含有するシリカは、表面が疎水化されたシリカ微粒子(疎水性シリカ微粒子)である。
上記疎水性シリカ微粒子は、凝集が極めて少なく、極性溶媒に容易に分散し半透明な外観を与え、フィルタやろ紙・ろ過板等でろ過が可能であるものが好ましい。
具体的には、シリカ微粒子をアルコール等の有機溶剤に分散させた分散液において、分散したシリカ微粒子の平均粒径が20〜500nmであるのが好ましい。
本発明においては、上記シリカの製造方法は特に限定されないが、特開2008−291186号公報の[0033]段落以降に記載された方法により製造されるものが好ましい。
このようなシリカを含有することにより、本発明の組成物の貯蔵安定性および速硬化性が良好となる。
これは、本発明の組成物の製造時、すなわち、上述したエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤およびシリカを混練して混合する際に、上記芳香族ポリアミンの凝集体の表面に、静電気によって上記疎水性シリカ微粒子が吸着(被覆)することで、保存時には貯蔵安定性を付与し、また、本発明の組成物を使用する際には硬化時の加熱により上記疎水性シリカ微粒子が離脱ないし上記芳香族アミンが流出するためであると考えられる。
そのため、本発明においては、本発明の組成物の貯蔵安定性および速硬化性がより良好となる理由から、上記硬化剤の凝集体の表面の少なくとも一部が上記シリカによって予め被覆されているのが好ましい。
具体的には、上記硬化剤および上記シリカを予め混合した混合物を調製することにより、上記硬化剤の凝集体の表面の少なくとも一部を上記シリカによって被覆するのが好ましい。
また、本発明においては、上記シリカの含有量は、本発明の組成物の貯蔵安定性および速硬化性がより良好となる理由から、上記硬化剤と上記シリカとの合計の含有量に対して、10〜70質量%であるのが好ましく、15〜60質量%であるのがより好ましい。
本発明の組成物は、上述したエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤およびシリカ以外に、必要に応じて、さらに添加剤を含有することができる。
添加剤としては、例えば、芳香族ポリアミン以外の硬化剤、充填剤(フィラー)、反応性希釈剤、可塑剤、チクソトロピー性付与剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤、溶剤等が挙げられる。
本発明の組成物は、貯蔵安定性が良好となるため、初期粘度に対する、25℃の条件下に24時間置いた後の粘度の上昇率が、10%程度以下とすることができる。
なお、本発明において粘度は25℃においてE型粘度計VISCONIC EHD型(東機産業株式会社製)を用いて測定されたものとする。
また、本発明の組成物は、貯蔵安定性が良好となるため、室温(20〜30℃)において長期間保存することができる。
一方、上記式(I)で表される化合物を含有する従来の組成物は、冷蔵保存または冷凍保存が必要とされていた。
更に、本発明の組成物は、速硬化性が良好であるため、ゲル化時間(ゲルタイム)を150℃で2分(120秒)程度以内とすることができる。
本発明においてゲル化時間(ゲルタイム)は、JIS C2161:1997に準じる方法で測定された。
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、上述したエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤およびシリカならびに所望により添加してもよい各種添加剤を混合し、ロール、ニーダー、押出し機、万能撹拌機等を用いて均一に分散(混練)させることにより製造することができる。
また、本発明の組成物を硬化させる際の温度は、速硬化性により優れ、硬化物のガラス転移温度が高いという理由から、100〜250℃であるのが好ましく、120〜200℃であるのがより好ましい。
本発明の組成物は、例えば、接着剤(例えば、建築用、電気用、電子用、自動車用)、塗料、土木用品、輸送機、医療用品、包装用品、繊維、スポーツ・レジャー用品等として使用することができる。
また、本発明の組成物を適用することができる被着体としては、例えば、金属、ガラス、プラスチック、モルタル、コンクリート、ゴム、木材、皮、布、紙等が挙げられる。
本発明の硬化剤は、芳香族ポリアミンの凝集体の表面の少なくとも一部が疎水性シリカ微粒子で被覆されてなる硬化剤である。
ここで、本発明の硬化剤は、上述した本発明の組成物において好適態様として記載した態様、すなわち、上記硬化剤の凝集体の表面の少なくとも一部が上記シリカによって予め被覆したものである。
このような硬化剤を用いることにより、組成物の貯蔵安定性および速硬化性がより良好となる。
また、本発明の硬化剤は、上記硬化剤および上記シリカを混合した混合物を調製することにより得ることができる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
<硬化促進剤のマイクロカプセル化>
マイクロカプセル化はヤマト科学株式会社製スプレードライヤーGS310を用いたスプレードライ法によって行った。
(TPP−S@MC1)
TPP−S(融点205℃、北興化学工業株式会社製)10gを酢酸エチル40gに懸濁させた硬化促進剤溶液50gと、ポリビニールアルコール(NH−18、日本合成化学株式会社製)1gを酢酸エチル9gに溶解させた熱可塑性樹脂溶液とを混合し、上記スプレードライ装置を用いてスプレードライを行い、粉体(10質量%の厚みのマイクロカプセル)を得た。
得られたマイクロカプセルをTPP−S@MC1とする。TPP−S@MC1の平均粒子は10μmであった。
(TPP−S@MC2)
TPP−S(融点205℃、北興化学工業株式会社製)10gを酢酸エチル40gに懸濁させた硬化促進剤溶液50gと、ポリビニールアルコール(NH−18、日本合成化学株式会社製)5gを酢酸エチル5gに溶解させた熱可塑性樹脂溶液とを混合し、上記スプレードライ装置を用いてスプレードライを行い、粉体(50質量%の厚みのマイクロカプセル)を得た。
得られたマイクロカプセルをTPP−S@MC2とする。TPP−S@MC2の平均粒子は10μmであった。
<硬化剤へのシリカの吸着>
(シリカ吸着硬化剤(1))
後述する硬化剤(1)3gと、後述するシリカ(1)0.5gとを、予めボールミルで3時間撹拌することで、シリカ吸着硬化剤(1)を調製した。
(シリカ吸着硬化剤(2))
後述する硬化剤(1)3gと、後述するシリカ(1)0.75gとを、予めボールミルで3時間撹拌することで、シリカ吸着硬化剤(2)を調製した。
(シリカ吸着硬化剤(3))
後述する硬化剤(1)3gと、後述するシリカ(1)1.5gとを、予めボールミルで3時間撹拌することで、シリカ吸着硬化剤(3)を調製した。
(シリカ吸着硬化剤(4))
後述する硬化剤(1)3gと、後述するシリカ(1)3gとを、予めボールミルで3時間撹拌することで、シリカ吸着硬化剤(4)を調製した。
(シリカ吸着硬化剤(5))
後述する硬化剤(1)3gと、後述するシリカ(2)1.5gとを、予めボールミルで3時間撹拌することで、シリカ吸着硬化剤(5)を調製した。
(シリカ吸着硬化剤(6))
後述する硬化剤(1)3gと、後述するシリカ(3)1.5gとを、予めボールミルで3時間撹拌することで、シリカ吸着硬化剤(6)を調製した。
(シリカ吸着硬化剤(7))
後述する硬化剤(2)3gと、後述するシリカ(1)0.75gとを、予めボールミルで3時間撹拌することで、シリカ吸着硬化剤(7)を調製した。
(実施例1〜38、比較例1〜4)
第1表に示す成分を同表に示す量(質量部)で減圧撹拌機を用いて混合し、組成物を調製した。
なお、第1表中において、硬化剤の量に関して「eq」と付した括弧内の数値は、エポキシ基に対する硬化剤の活性水素の当量数(活性水素/エポキシ基)を表し、シリカの量に関して「%」と付した括弧内の数値は、硬化剤とシリカとの合計質量に対するシリカの質量%を表す。
得られた組成物について以下の方法で、ゲルタイム、粘度および粘度上昇率を測定した。結果を第1表に示す。
<ゲルタイム(速硬化性)>
JIS C2161:1997に従って150℃でのゲルタイムをホットプレート上で測定した。
具体的には、得られた組成物0.1gを熱板上に載せ、これを60±5回/分の速度の金属棒でかき混ぜ、評価開始から組成物がゲル状になる(全体がかき混ぜられなくなったり針先に粘着しなくなるなど)までの時間をゲル化時間(ゲルタイム)とした。
<粘度上昇率(貯蔵安定性)>
得られた組成物について、25℃の条件下でE型粘度計VISCONIC EHD型(東機産業株式会社製)を用いて初期粘度を測定した。
また、得られた組成物を恒温槽の中で25℃の条件下に24時間保存した後、初期粘度と同様にして組成物の粘度(保存後の粘度)を測定した。
次いで、得られた初期粘度および保存後の粘度の値を下記式にあてはめて粘度上昇率を算出した。
粘度上昇率(%)=(保存後の粘度―初期粘度)/初期粘度×100
この結果、粘度上昇率が10%以内であれば、貯蔵安定性に優れ、1液型熱硬化性エポキシ樹脂組成物として使用可能であると評価した。
Figure 2011001523
Figure 2011001523
Figure 2011001523
Figure 2011001523
Figure 2011001523
第1表に示されている各成分は、以下のとおりである。
・エポキシ樹脂(1):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EP4100E、エポキシ当量188g/mol、ADEKA社製)
・硬化剤(1):下記式で表されるメチレンビス(2−エチル6−メチルアニリン)(カヤハードMED、イハラケミカル工業株式会社製)
Figure 2011001523
・硬化剤(2):下記式で表される化合物(東京化成工業株式会社製)
Figure 2011001523
・シリカ(1):疎水性シリカ微粒子(X−24−9396、50%体積平均径:250nm、信越化学工業社製)
・シリカ(2):疎水性シリカ微粒子(X−24−9163A、50%体積平均径:100nm、信越化学工業社製)
・シリカ(3):疎水性シリカ微粒子(X−24−9404、50%体積平均径:50nm、信越化学工業社製)
・TPP−S:下記式(7)で表される化合物(北興化学工業株式会社製)
Figure 2011001523
・TPTP−S:下記式(8)で表される化合物(北興化学工業株式会社製)
Figure 2011001523
・TPP−S@MC1〜TPP−S@MC2:上記のとおり製造した上記式(I)で表される化合物を内包するマイクロカプセル
・シリカ吸着硬化剤(1)〜(7):上記のとおり製造した、シリカが表面に吸着した硬化剤
第1表に示す結果から明らかなように、疎水性シリカ微粒子を配合せずに調製した比較例1〜4のエポキシ樹脂組成物は、ゲルタイムが短く、速硬化性は改善するものの、粘度上昇率が高く、貯蔵安定性に劣ることが分かった。
これに対し、疎水性シリカ微粒子を配合して調製した実施例1〜38のエポキシ樹脂組成物は、ゲルタイムが短く、速硬化性は優れ、粘度上昇率も10%以内となり、貯蔵安定性にも優れることが分かった。

Claims (7)

  1. エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤およびシリカを含有する熱硬化性エポキシ樹脂組成物であって、
    前記硬化剤が、芳香族ポリアミンであり、
    前記硬化促進剤が、下記式(I)で表される化合物であり、
    前記シリカが、疎水性シリカ微粒子である、熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2011001523
    (式(I)中、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、3個のR1およびR2は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 前記硬化剤の凝集体の表面の少なくとも一部が、前記シリカによって被覆されてなる請求項1に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記シリカが、平均粒径が20〜500nmの疎水性シリカ微粒子である請求項1または2に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
  4. 前記シリカの含有量が、前記硬化剤と前記シリカとの合計の含有量に対して、10〜70質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
  5. 前記硬化促進剤が、熱可塑性樹脂によって内包されてなる請求項1〜4のいずれかに記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
  6. 前記硬化剤が、下記式(II)で表される芳香族ポリアミンである請求項1〜5のいずれかに記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2011001523
    (式(II)中、R3およびR4は、それぞれ独立にアルキル基を表し、R5は、アルキレン基、芳香族炭化水素基、カルボニル基、フルオレン基、スルホニル基、エーテル基およびスルフィド基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、mおよびnは、それぞれ独立に0〜4の整数を表す。mが2〜4の整数である場合の複数のR3は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、nが2〜4の整数である場合の複数のR4は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
  7. 芳香族ポリアミンの凝集体の表面の少なくとも一部が疎水性シリカ微粒子で被覆されてなる硬化剤。
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