JP2010539819A - 高出力電力精度および低ローカル発振器漏洩を有するミキサ - Google Patents
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Abstract
回路は、第1の信号(例えば、ベースバンド信号)を受信し、それをローカル発振器(LO)信号と混合し、第2の信号(例えば、RFOUT信号)を出力する。この回路は、複数の同一なミキサと周波数デバイダとのペア(MFDP)回路を含む。各MFDPは別々にイネーブルすることができる。各MFDPは、ミキサと、ミキサにLO信号のローカル・バージョンを提供する周波数デバイダとを含む。MFDPの出力電力は結合され、第2の信号(RFOUT)の出力電力は、さまざまなMFDPの結合された出力電力である。イネーブルされるMFDPの数を制御することによって、第2の信号の出力電力は制御される。MFDPは全て同一のレイアウトを有するので、出力電力ステップ・サイズの精度が改善される。回路内のLO信号電力は、イネーブルされたMFDPの数に比例して自動的に変化するので、ローカル発振器漏洩問題が回避される。
Description
開示された実施形態は、ローカル発振器およびミキサに関する。
図1(従来技術)は、セルラ電話1の回路の、非常に簡略化された上位レベル・ブロック図である。セルラ電話1は、アンテナ2と、いくつかのディスクリート構成要素と、ラジオ周波数(RF)トランシーバ集積回路3およびデジタル・ベースバンド集積回路4を含むいくつかの集積回路とを含む。デジタル・ベースバンド集積回路4は、主にデジタル回路を含み、デジタル・プロセッサを含む。RFトランシーバ集積回路3は、主にアナログ回路を含む。RFトランシーバ集積回路3は、送信機と受信機とを含むので、「トランシーバ」と称される。
図2(従来技術)は、図1のRFトランシーバ集積回路3の、より詳細な図である。受信機は、いわゆる「受信チェーン」5と、ローカル発振器(LO)6とを含む。セルラ電話1が受信する場合、高周波数RF信号7がアンテナ2で受信される。信号7からの情報は、受信チェーン5を通過し、デジタル・ベースバンド集積回路4へ渡る。セルラ電話が送信する場合、送信される情報は、デジタル・ベースバンド集積回路4内のデジタル・アナログ変換器によってアナログ形式に変換される。送信チェーン9内のベースバンド・フィルタ8は、デジタル雑音をフィルタする。ミキサ・ブロック10は、ベースバンド・フィルタ8からの低周波数信号を高周波数信号にアップコンバートする。ドライバ増幅器11および電力増幅器12は、高周波数RF信号13がアンテナ2から送信されるように、高周波数信号を増幅し、アンテナ2を駆動する。
図1および図2のセルラ電話1は、しばしば「3G」セルラ電話と称されるタイプのセルラ電話であることができる。3Gセルラ電話は、音声会話の通信に加え、データを転送するために用いることができる。データ転送の例は、インターネットのブラウジングである。典型的な3Gセルラ電話通信規格(例えば、広帯域符号分割多元接続(WCDMA))では、セルラ電話が、基地局へ送信するRF出力電力の大きさを制御できる必要がある。したがって、セルラ電話1内のデジタル・ベースバンド集積回路4は、送信されたRF信号13の電力が、複数の離散的な「ステップ」あるいは「レベル」の出力電力のうちの指定された1つを有するように、RFトランシーバ集積回路3を制御することができる。3Gセルラ電話規格は一般に、用いられうる最小出力電力レベル、用いられうる最大出力電力レベル、および、最小出力電力レベルと最大出力電力レベルとの間の選択可能な出力電力レベルのステップ数を指定する。電力レベルは、製造された電話全てに対して反復可能である。
図1および図2のセルラ電話において、送信出力電力は、ベースバンド・フィルタ8、ミキサ・ブロック10、およびドライバ増幅器11の動作に応じている。したがって、デジタル・ベースバンド集積回路4は、制御ライン14乃至16を用いて、ベースバンド・フィルタ、ミキサ・ブロック、および/又はドライバ増幅器を制御することにより、送信出力電力の大きさを制御することができる。
図3(従来技術)は、図2の一部のより詳細な図である。例えば、ベースバンド・フィルタ8が1MHzのベースバンド信号17を出力しており、このベースバンド信号を周波数において901MHzの高周波数出力信号18にアップコンバートすることが望まれる場合、ローカル発振器19は、900MHzのローカル発振器信号20を出力するように制御される。ベースバンド・プロセッサ集積回路4は、ローカル発振器信号20の周波数を制御することにより、ドライバ増幅器11を駆動する高周波数出力信号18の周波数を制御することができる。
図3の回路の1つの動作パラメータは、信号18の出力電力を制御することができる精度である。ミキサ・ブロック10は、実際に、図示されるように並列に接続された複数のミキサ21乃至23を含んでいる。ミキサのサイズが、ミキサが出力することのできる電力を決定する。さまざまなミキサ21乃至23は、後続ミキサの各々が先行ミキサの2倍のサイズであるように、バイナリ重み付け方式でサイズ指定される。ミキサ21乃至23全ての出力電力は、変圧器25の一次巻線24において結合され、ドライバ増幅器11は、イネーブルされたミキサ全ての結合電力によって駆動される。ミキサ21乃至23のサイズのバイナリ重み付けにより、信号18の電力は、ミキサ21乃至23のうちの選択された1つをイネーブル又はディセーブルすることによって、0Xから7Xの8つの電力ステップのうちの任意の1つにおける出力電力を有するように設定することができる。出力電力の倍化はそれぞれ6dBずつ出力電力を増加する。
ミキサ21乃至23は、RFトランシーバ集積回路3上の個別のミキサとして実装され、各後続ミキサは、先行ミキサの2倍のサイズである。第1のミキサの2倍のサイズである第2のミキサは、より小さな第1のミキサの出力電力の2倍の大きさの出力電力を有するであろうことが予測される。しかし実際には、さまざまなミキサを構成する物理構成における差異によって、および隣接する物理構成間のインタラクションによって、幾分複雑な高周波数寄生効果(parasitic effect)がある。これらの寄生効果がミキサ出力電力に及ぼす影響は、ミキサのサイズに比例しない。したがって、サイズがバイナリ重み付けされたミキサのイネーブルおよびディセーブルの結果として、常に十分に正確な出力電力ステップの電力が生じるわけではない。
図3の回路の第2の動作パラメータは、ローカル発振器漏洩である。ベースバンド信号17が純粋な1MHzの信号であり、ローカル発振器信号20が純粋な900MHzの信号である図示された例において、高周波数出力信号18は純粋な901MHzの信号である。理想的な場合では、この場合のミキサ・ブロック10の出力は、1MHzのベースバンド信号を一切含まず、900MHzのローカル発振器信号も一切含まないであろう。しかし実際は、ミキサ・ブロック10は、所望の901MHzの信号だけでなく、いくらかの量の900MHzの信号も出力する。900MHzの信号は、ローカル発振器からの「漏洩」と称される。900MHzの信号が変圧器25に到達すると、その900MHzの信号は、ドライバ増幅器11および電力増幅器12によって増幅され、アンテナ2から送信される。これは望ましくない。ローカル発振器19がミキサ・ブロック10を駆動する電力量と、ミキサ・ブロック10内のミキサ21乃至23のうちの1つがイネーブルされたことによりローカル発振器の出力にかかる負荷との間には関連性がある。送信機出力電力が低減され、ミキサ・ブロック10内のイネーブルされたミキサの合計サイズが低減された場合、ミキサ・ブロック10によってもたらされた負荷が低減されてもローカル発振器19は同じ電力でミキサ・ブロック10を駆動し続けるので、ローカル発振器漏洩は、所望の周波数信号18に比例して増加しうる。さらに、イネーブルされなかったミキサによる漏洩もあるので、漏洩の量は、ミキサによって供給された出力電力に追従しない。セルラ電話規格は一般に、ローカル発振器漏洩の電力がRF出力信号の出力電力を一定の量下回ることを指定する。デジタル・ベースバンド集積回路4がRFトランシーバ集積回路3を制御し、所望の信号の出力電力を低減した場合、ローカル発振器漏洩もまた、セルラ電話規格の要件の範囲内に留まるように、比例した量を低減されなければならない。しかし図3の回路トポロジーでは、ローカル発振器漏洩における低減は、適切な方式での所望の出力信号18の出力電力における低減に追従しない。
新規のミキサ回路は、第1の信号(例えば、ベースバンド信号)を受信し、それをローカル発振器(LO)信号と混合し、第2の信号(例えば、RFOUT信号)を出力する。このミキサ回路は、複数の同一なミキサと周波数デバイダとのペア(MFDP)回路を含む。各MFDPは、ミキサと、ミキサにローカル発振器信号のローカル・バージョンを提供する、関連付けられた周波数デバイダとを含む。全てのローカル・バージョンは全体として、本明細書で「ローカル発振器信号」又は「複合ローカル発振器信号」と称される信号を構成する。
各MFDPは、個別にイネーブルされることができる。MFDPがディセーブルされた場合、MFDPのミキサだけではなく周波数デバイダもディセーブルされるので、ローカル発振器信号のローカル・バージョンは生成されない。単一の周波数シンセサイザが、全てのMFDPの周波数デバイダに駆動信号を供給し、それによって周波数デバイダは、MFDPがイネーブルされた場合、ローカル発振器信号のローカル・バージョンを生成することができる。1つの例において、セルラ電話内のベースバンド・プロセッサ集積回路は、周波数シンセサイザによって出力される駆動信号の周波数を変更するために、周波数シンセサイザを制御する。駆動信号の周波数を変更することによって、ベースバンド・プロセッサ集積回路は、第2の信号(RFOUT)の周波数を変更することができる。
MFDPの出力は、第2の信号(例えば、RFOUT)の結合された出力電力が、さまざまなMFDPの出力信号の結合された電力となるように、結合される。(1つの例において、信号の電力は、信号のRMS電流をRMS電圧に掛けることによって決定される。)イネーブルされるMFDPの数を制御することによって、第2の信号の出力電力は、複数の離散的な出力電力値のうちの選択された1つである出力電力を有するように制御される。離散的な出力電力値は、出力電力「ステップ」又は出力電力「レベル」と称されうる。複数のMFDPは実質的に同一の回路であり、全てが実質的に同一のレイアウトを有するので、出力電力レベルおよび出力電力ステップ・サイズの精度および反復性が改善される。新規のミキサ回路における複合ローカル発振器信号の電力は、イネーブルされたMFDPの数に比例して自動的に変更されるので、ローカル発振器信号漏洩の問題が回避される。ローカル発振器信号漏洩の電力は、所望の第2の信号の電力に比例する。
上記は概要であるので、当然ながら、詳細の簡略化、一般化、および省略を含む。よって、当業者は、上記概要が例示的であり、限定することを目的としないことを理解するであろう。特許請求の範囲によって単独で定義されたような、本明細書で説明されたデバイスおよび/又は処理の他の態様、進歩的特徴、および利点が、本明細書に記された限定しない詳細説明において明らかになるであろう。
図4は、1つの新規の態様にしたがう1つの特定のタイプのセルラ電話101の回路の非常に簡略化された上位レベル・ブロック図である。この例において、セルラ電話101は、WCDMAセルラ電話通信プロトコルを用いる3Gセルラ電話である。セルラ電話101は、アンテナ102と、いくつかのディスクリート構成要素と、2つの集積回路103および104を含むいくつかの集積回路とを含む。集積回路103は、デジタル・ベースバンド集積回路あるいはベースバンド・プロセッサ集積回路と称される。集積回路103は、主にデジタル回路を含み、デジタル・プロセッサを含む。集積回路104は、ラジオ周波数(RF)トランシーバ集積回路と称される。RFトランシーバ集積回路104は、主にアナログ回路を含む。RFトランシーバ集積回路104は、送信機と受信機とを含むので、「トランシーバ」と称される。受信機は、ローカル発振器(LO)106と、「受信チェーン」105と称される回路とを含む。セルラ電話101が受信する場合、高周波数RF信号107がアンテナ102で受信される。信号107からの情報は、受信チェーン105を通り、デジタル・ベースバンド集積回路103へ渡る。セルラ電話が送信する場合、送信されるベースバンド・データは、デジタル・ベースバンド集積回路103内のデジタル・アナログ変換器108(図4を参照)によってアナログ形式に変換される。送信チェーン110内のベースバンド・フィルタ109は、このアナログ・ベースバンド信号におけるデジタル雑音をフィルタする。ローカル発振器111は、ローカル発振器信号を送信チェーン110内のミキサ・ブロック112に供給する。ミキサ・ブロック112は、フィルタされた低周波数アナログ・ベースバンド信号を高周波数信号にアップコンバートする。ドライバ増幅器113および電力増幅器114は、高周波数ラジオ周波数RF信号115がアンテナ102から送信されるように、高周波数信号を増幅し、アンテナ102を駆動する。
図6は、図5のRFトランシーバ集積回路104の選択された部分のより詳細な図である。ベースバンド・データ116は、デジタル・ベースバンド・プロセッサ集積回路103内のデジタル・アナログ変換器108によって、アナログ入力ベースバンド信号BBS117に変換される。BBS117は、周波数において、出力信号RFOUT118にアップコンバートされる。BBS117は、例えば1MHzのようなベースバンド周波数である。RFOUT118は、RF周波数と称される高周波数である。この例では、RF周波数は901MHzである。
ベースバンド・フィルタ109は、デジタル・アナログ変換処理によって生じた雑音および画像を除去し、フィルタされた複数のベースバンド信号BBS1乃至BBS7を出力する。ベースバンド・フィルタ109は、第1ステージ119と、複数の第2ステージ120乃至123とを含む。第1ステージは、デジタル・アナログ変換処理による雑音をフィルタするフィルタを含む。第2ステージの各々は、第2ステージの7つの出力の各々から第1ステージの出力を隔離する精密電流ミラーを含む。この例では、フィルタされたベースバンド信号BBS1乃至BBS7は全て、同じ1MHz周波数の実質的に同一な信号である。
ローカル発振器111は、水晶発振器モジュール124と、周波数シンセサイザ125と、複数の周波数デバイダFD1乃至FD7とを含む。周波数デバイダFD1乃至FD7の各々は、ローカル発振器信号のローカル・バージョンを出力する。ローカル発振器信号のローカル・バージョンの周波数は、デジタル・ベースバンド集積回路103によって制御される。第1の周波数デバイダFD1は例えば、図6のLOS1と示されたローカル発振器信号を出力し、第2の周波数デバイダFD2は例えば、図6のLOS2と示されたローカル発振器信号を出力し、という具合である。したがってローカル発振器111は、複数のローカル発振器信号LOS1乃至LOS7を出力する。これらの信号LOS1乃至LOS7の周波数は全て同一である。図6の例では、この周波数は900MHzである。
図7は、ローカル発振器111のより詳細な図である。周波数シンセサイザ125は、フェーズ検出器200と、電荷ポンプ201と、ループ・フィルタ202と、電圧制御発振器203と、周波数デバイダ204とを含むアナログ・フェーズ・ロックド・ループである。しかし、図7に示すフェーズ・ロックド・ループ回路は、周波数シンセサイザ125を実現する単なる1つの適切な方法でしかないことが理解されるべきである。別の例では、周波数シンセサイザ125は、デジタル・フェーズ・ロックド・ループ回路を用いて実現される。
図6に示すように、ミキサ・ブロック112は、複数の同一なミキサMX1乃至MX7を含む。図6のミキサ・ブロックにおける「1X」というラベルは、ミキサのサイズを示す。各ミキサは、ローカル発振器111の周波数デバイダのうちの対応する1つからのローカル発振器信号を受信する。例えばミキサMX1は、周波数デバイダFD1からローカル発振器信号LOS1を受信する。各ミキサはまた、ベースバンド・フィルタ109の第2ステージのうちの対応する1つから、フィルタされたベースバンド信号も受信する。例えばミキサMX1は、ベースバンド・フィルタ109の第2ステージ120からベースバンド信号BBS1を受信する。ミキサは、各々のベースバンド信号を高RF周波数にアップコンバートするように動作する。ミキサMX1乃至MX7の出力導線は、それらの出力信号がともにRFOUT信号118となるように、図示したように全て互いに結合される。ミキサ・ブロック112からの信号RFOUT118は、変圧器126を介してドライバ増幅器113を駆動する。信号RFOUT118は、変圧器126の一次巻線127を通過する。ドライバ増幅器113が駆動される電力は、さまざまなミキサMX1乃至MX7によって出力された信号の結合された電力に正比例する。信号の電力の決定には、いくつかの方式がある。この例では、RFOUT信号118の電力は、信号118のRMS電流に信号118のRMS電圧を掛けることによって決定される。
各ミキサおよびそれに関連付けられた周波数デバイダは、「ミキサと周波数デバイダとのペア」(MFDP)と称される。例えばミキサMX1と周波数デバイダFD1とを合わせて第1のMFDPとなる。図6の例では、7つのそのような同一のMFDPがある。7つのMFDPの各々は、他のMFDPの各々をイネーブルすること又はディセーブルすることとな独立してイネーブル又はディセーブルされることができる。図示された例では、各MFDPは、自身の関連付けられたイネーブル入力導線(すなわち、イネーブル線)を有する。例えば、イネーブル入力導線128は、ミキサMX1と周波数デバイダFD1とからなる第1のMFDPのためのイネーブル入力導線である。デジタル・ベースバンド・プロセッサ集積回路103は、MFDPのイネーブル入力導線上の適切なデジタル信号を駆動することによって、イネーブルされるMFDPの数を制御することができる。
デジタル・ベースバンド・プロセッサ集積回路103が電力制御情報をRFトランシーバ集積回路104に通信し、MFDPのイネーブルおよびディセーブルを実行するためにはさまざまな方法がある。各々が異なるイネーブル入力導線でベースバンド・プロセッサ103とRFトランシーバ104との間で通信される複数の異なるイネーブル信号ENABLE1乃至ENABLE7を用いることは、電力制御情報を通信することができる1つの方法である。別の例では、制御情報は、ベースバンド・プロセッサ103からRFトランシーバ104へ連続バスを介して連続形式で通信され、その後、情報は受信され、RFトランシーバ104において並列形式に変換され、イネーブルされるMFDPの数を制御する。電力制御情報がどのように通信されたかに関わらず、ミキサ・ブロック112がドライバ増幅器113を駆動する電力は、8つの離散的な電力値のうちの1つを有するように制御されることができる。これら離散的な電力値は、電力「ステップ」あるいは電力「レベル」と称されうる。デジタル・ベースバンド・プロセッサ集積回路103は、MFDPの適切なイネーブルあるいはディセーブルによって、出力電力範囲内でRFOUT118の電力を段階的に上げる又は下げることができる。
図3の従来技術の例では、ミキサMX1乃至MX3は異なるサイズからなる。上述したように、ミキサMX2はミキサMX1の2倍の大きさで生成されうるが、ミキサMX2によって提供された出力電力は、構成および信号の複雑なインタラクションおよび寄生(parasitics)により、ミキサMX1によって提供された出力電力の正確な2倍ではないことがある。したがって、回路全体のRF出力電力ステップの大きさは、やや不正確である。さまざまな電力ステップは、全てが同じサイズという訳ではない。一方、図6の新規の回路では、7つのMFDPは全て同一の構造であり、同一のレイアウトを有する。ミキサMX1乃至MX7は全て同一の構造であり、同一のレイアウトを有する。したがって、イネーブルされたMFDPによって提供された出力電力は、他のイネーブルされたMFDPの各々によって提供された出力電力と実質的に等しい。各MFDPの出力電力は、イネーブルされた場合、他のイネーブルされたMFDPの各々の出力電力と実質的に同一であるので、出力電力レベルの制度および反復性は、図3の従来技術による回路の出力電力レベルの制度および反復性と比べて改善される。
出力電力レベルの精度が改善されるだけではなく、図6の新規の回路のローカル発振器漏洩もまた、図3の従来技術による回路のローカル発振器漏洩と比べて改善される。図3の従来技術による回路では、ローカル発振器19は、単一のローカル発振器信号をミキサ・ブロック10へ供給する。単一のローカル発振器信号の電力は一定であり、イネーブルされるミキサ・ブロック10内のミキサの数が送信出力電力を変更するために時間にわたって変更されても、変更されない。したがって、送信機出力電力が変化すると、ローカル発振器における負荷が変化し、ミキサ・ブロック10を通過するローカル発振器漏洩の電力の、所望のRF出力信号の電力に対する比が変化する。さらに、ディセーブルされたミキサを通過する幾らかのローカル発振器漏洩があるので、さまざまなミキサがイネーブルおよびディセーブルされると、ローカル発振器漏洩は回路の出力電力に比例しない。
一方、図6の新規の回路では、ローカル発振器信号電力の合計は、7つのローカル発振器信号LOS1乃至LOS7の結合された電力である。したがって、結合されたローカル発振器信号の電力は、イネーブルされたMFDPの数によって変化する。イネーブルされるMFDPの数を増加させることにより、ローカル発振器信号の結合された電力は、比例した量だけ増加する。イネーブルされるMFDPの数を減少させることにより、ローカル発振器信号の結合電力は、比例した量だけ減少する。ミキサ・ブロック112による漏洩は、ローカル発振器信号LOS1乃至LOS7の結合された電力に関連するので、ローカル発振器漏洩の大きさは、RFOUTの出力電力の大きさに比例する。MFDPがディセーブルされた場合、そのローカル発振器信号のローカル・バージョンは生成されず、したがってディセーブルされたMFDPのディセーブルされたミキサによる漏洩も生成されない。
図8は、ローカル発振器信号の電力300の大きさが、信号RFOUT118の出力電力301の大きさにどのように比例するかを示すチャートである。
図9は、図6の新規の回路と図3の従来技術による回路とのおおよその比較性能データを説明する表である。量「dBC」における記号「C」は、その量が搬送波の電力に対する電力であることを示す。
図10は、1つの新規の態様にしたがう方法400のフローチャートである。増幅器(例えば、ドライバ増幅器113)の入力は、複数のMFDPのうちの1つ又は複数を用いて駆動される(ステップ401)。周波数シンセサイザ(例えば、周波数シンセサイザ125)は、各MFDPの周波数デバイダの入力に駆動信号を供給する(ステップ402)。イネーブルされるMFDPの数が変更され(ステップ403)、それによって、MFDPが増幅器の入力を駆動する電力が変化する。イネーブルされるMFDPの数を変更することにより、セルラ電話の送信電力は、1つの出力電力ステップ値から別の出力電力ステップ値に変更される。
ある特定の実施形態が説明目的のために上記で説明されたが、本願の教示は一般的な適用可能性を有し、上述した特定の実施形態に限定されない。したがって、上述した特定の実施形態のさまざまな特徴のさまざまな変形例、適合、および組合せが、特許請求の範囲から逸脱することなく実現可能である。
Claims (22)
- 複数のミキサと周波数デバイダとのペア(MFDP)であって、各MFDPは、他のMFDPの各々とは別々にイネーブルおよびディセーブルされることができ、各MFDPの周波数デバイダは、前記MFDPがイネーブルされた場合、前記MFDPのミキサにローカル発振器信号を供給し、各MFDPの周波数デバイダは、前記MFDPがディセーブルされた場合、前記MFDPのミキサにローカル発振器信号を供給せず、各MFDPは出力導線を有し、前記MFDP全ての出力導線がともに接続される、MFDPと、
前記MFDPの各々の周波数デバイダに駆動信号を供給するように適合された周波数シンセサイザと
を備える回路。 - 各MFDPは第1の出力導線と第2の出力導線とを有し、前記MFDP全ての第1の出力導線がともに接続され、前記MFDP全ての第2の出力導線がともに接続される請求項1に記載の回路。
- 増幅器をさらに備え、前記MFDPの出力導線は、変圧器を介して前記増幅器の入力導線に接続される請求項1に記載の回路。
- ベースバンド信号を受信し、前記ベースバンド信号の複数の実質的に同一のバージョンを出力するベースバンド・フィルタをさらに備え、前記ベースバンド信号の各バージョンは、前記MFDPのうちのそれぞれ対応する1つのミキサに供給される請求項1に記載の回路。
- 増幅器をさらに備え、前記複数のMFDPは前記増幅器に入力信号を供給し、前記入力信号は電力を有し、前記入力信号の電力は、前記複数のMFDPのうちの選択された1つをイネーブルおよびディセーブルすることによって調整される請求項4に記載の回路。
- 各MFDPの周波数デバイダは、前記各MFDPがイネーブルされた場合、出力電力を有するローカル発振器信号を出力し、前記ローカル発振器信号全ての出力電力の合計は大きさを有し、前記ローカル発振器の出力電力の合計の、前記入力信号の電力に対する大きさの比は、いくつのMFDPがイネーブルされたかに関わらず実質的に一定である請求項5に記載の回路。
- 前記MFDPの各々はレイアウトを有し、前記MFDP全てのレイアウトは実質的に同一である請求項1の回路。
- 各MFDPは、関連付けられたイネーブル入力導線を有し、前記イネーブル入力導線における第1のデジタル論理値は、前記MFDPのミキサと周波数デバイダとの両方をイネーブルし、前記イネーブル入力導線における第2のデジタル論理値は、前記MFDPのミキサと周波数デバイダとの両方をディセーブルする請求項1に記載の回路。
- 各MFDPの周波数デバイダは、前記MFDPがイネーブルされた場合、出力電力を有するローカル発振器信号を供給し、前記ローカル発振器信号全ての出力電力の合計は、イネーブルされたMFDPの数に比例して変化する請求項1に記載の回路。
- 駆動信号を出力する周波数シンセサイザと、
前記周波数シンセサイザからの駆動信号を受信し、イネーブルされた場合、第1のローカル発振器信号を出力する第1の周波数デバイダと、
前記第1の周波数デバイダから前記第1のローカル発振器信号を受信するように接続された第1のミキサであって、前記第1の周波数デバイダがイネーブルされるとイネーブルされ、前記第1の周波数デバイダがディセーブルされるとディセーブルされる第1のミキサと、
前記周波数シンセサイザから駆動信号を受信し、イネーブルされた場合、第2のローカル発振器信号を出力する第2の周波数デバイダと、
前記第2の周波数デバイダから第2のローカル発振器信号を受信するように接続された第2のミキサであって、前記第2の周波数分周期がイネーブルされるとイネーブルされ、前記第2の周波数デバイダがディセーブルされるとディセーブルされる第2のミキサと、
前記周波数シンセサイザから駆動信号を受信し、イネーブルされた場合、第3のローカル発振器信号を出力する第3の周波数デバイダと、
前記第3の周波数デバイダから第3のローカル発振器信号を受信するように接続された第3のミキサであって、前記第3の周波数デバイダがイネーブルされるとイネーブルされ、前記第3の周波数分周期がディセーブルされるとディセーブルされる第3のミキサと、
ドライバ増幅器と
を備え、
前記第1のミキサと、前記第2のミキサと、前記第3のミキサとが共に前記ドライバ増幅器に入力信号を供給し、前記第1のミキサと、前記第2のミキサと、前記第3のミキサとは、前記入力信号が前記ドライバ増幅器を駆動する電力を変更するために、互いに独立してイネーブルおよびディセーブルされる回路。 - 3つより多いミキサと、3つより多い周波数デバイダとを有し、セルラ電話内に組み込まれた請求項10に記載の回路。
- 前記第1のミキサと、前記第2のミキサと、前記第3のミキサとは、実質的に同一のレイアウトを有し、前記第1の周波数デバイダと、前記第2の周波数デバイダと、前記第3の周波数デバイダとは、実質的に同一のレイアウトを有し、前記第1のミキサと、前記第2のミキサと、前記第3のミキサと、前記第1の周波数デバイダと、前記第2の周波数デバイダと、前記第3の周波数デバイダとが単一の集積回路上に実装される請求項11に記載の回路。
- 前記第1のローカル発振器信号と、前記第2のローカル発振器信号と、前記第3のローカル発振器信号とは、結合された電力を有し、前記入力信号が前記ドライバ増幅器を駆動する電力の、前記結合された電力に対する比は、前記第1、第2、および第3のミキサのうちのいくつがイネーブルされたかに関わらず、ほぼ一定である請求項10に記載の回路。
- 複数のミキサと周波数デバイダとのペア(MFDP)のうちの1つ又は複数を用いて増幅器の入力を駆動することであって、各MFDPは実質的に同一のレイアウトを有し、各々が他のMFDPのイネーブル又はディセーブルから独立してイネーブル又はディセーブルされることと、
周波数シンセサイザを用いて、前記MFDPの各々の周波数分周期の入力に駆動信号を供給することと、
イネーブルされるMFDPの数を変更することによって、前記複数のMFDPが前記増幅器の入力を駆動する電力を変更することと
を備える方法。 - 前記複数のMFDPのローカル発振器は、結合された電力を有するローカル発振器信号を生成し、前記複数のMFDPが前記増幅器の入力を駆動する電力の、前記結合された電力に対する比は、いくつのMFDPがイネーブルされたかに関わらずほぼ一定である請求項14に記載の方法。
- 前記MFDPは、変圧器を介して前記増幅器の入力を駆動する請求項14に記載の方法。
- ローカル発振器漏洩電力の、前記複数のMFDPが前記増幅器の入力を駆動する電力に対する比は、いくつのMFDPがイネーブルされたかに関わらずほぼ一定である請求項14に記載の方法。
- ベースバンド・フィルタと、
ドライバ増幅器と電力増幅器とからなるグループから選ばれた増幅器と、
前記ベースバンド・フィルタからのベースバンド信号を受信し、前記増幅器を駆動する手段とを備え、
前記手段は、前記増幅器を駆動する出力電力を変更するために制御され、前記増幅器の入力におけるローカル発振器漏洩信号は電力を有し、前記出力電力の、前記ローカル発振器漏洩信号の電力に対する比は、前記出力電力が変化してもほぼ一定であるラジオ送信機回路。 - 前記手段は、複数の離散的な出力電力レベルのうちの1つから、前記離散的な出力電力レベルのうちの別の選択された1つに前記出力電力を変更し、前記手段が前記増幅器を駆動するために制御されることができる少なくとも8つの前記離散的な出力電力レベルがある請求項18に記載のラジオ送信機回路。
- 前記手段は複数のミキサと周波数デバイダとのペア(MFDP)を含み、前記MFDPの各々は実質的に同一のレイアウトを有し、前記MFDPの各々は、他のMFDPから独立してイネーブルおよびディセーブルされることができる請求項19に記載のラジオ送信機回路。
- 各MFDPは周波数デバイダを含み、前記手段はさらに周波数シンセサイザを備え、前記周波数シンセサイザによって出力された駆動信号は、前記MFDPの各々の周波数デバイダに供給される請求項20に記載のラジオ送信機回路。
- 前記ベースバンド・フィルタと、前記増幅器と、前記手段とは、単一の集積回路上に配置され、前記集積回路はセルラ電話の一部である請求項18に記載のラジオ送信機回路。
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