一般に、蒸発差によって増強される抗菌組成物、及びかかる蒸発差によって増強される抗菌組成物を使用して生存可能微生物集団を減少させる方法。具体的には、不活性剤に可溶な抗菌活性剤を含む抗菌組成物であって、該抗菌活性剤は蒸発差によって増強されて生存可能微生物集団を減少させる。
ここで主に図3を参照すると、ブロック図は、蒸発差によって増強される消毒システムの実施形態において利用することができる物質を選択する特定の方法のステップを示す。第1の選択ステップ(1)においては、ある量の物質(2)がある量の水(3)に約5℃から約90℃の温度で約760mmHgで十分に混和性又は高度に可溶性であるかどうかに関して判定することができる。ある量の物質(2)とある量の水(3)の混和性は、標準温度・圧力条件下で水中に可溶化したある量の物質の分配係数を測定することによって評価することができる。
上述したように、ある量の物質(2)がある量の水(3)に十分に混和性又は高度に可溶性であることを示すことができる場合、第2の選択ステップ(4)において、ある量の物質(2)が標準大気圧で約0℃未満、より好ましくは約−20℃未満の融点を有するかどうかに関して判定することができる。ある量の物質の融点は、参照により本明細書に援用するProduct Properties Test Guidelines,OPPTS 830.7200,Melting Point/Melting Point Range,United States Environmental Protection Agency(1996)に記載のように融点測定を実施することによって測定することができる。
ある量の物質(2)が約0℃未満の融点を有することを示すことができる場合、第3の選択ステップ(5)において、ある量の物質が標準大気圧で約110℃を超える、好ましくは約140℃を超える沸点を有するかどうかに関して判定することができる。ある量の物質の沸点は、参照により本明細書に援用するProduct Properties Test Guidelines,OPPTS 830.7220,Boiling Point/Boiling Point Range,United States Environmental Protection Agency(1996)に記載のように沸点測定を実施することによって測定することができる。
ある量の物質(2)が標準大気圧で約110℃を超える沸点を有する場合、第4の選択ステップ(6)において、水の非存在下で、ある量の物質(2)が標準大気圧で約40℃を超える引火点を有するかどうかに関して判定することができる。ある量の物質の引火点は、参照により本明細書に援用するASTM D7094−04 Standard Test Method for Flash Point by Modified Continuously Closed Cup(MCCCFP) Tester,ASTM International(2007)に記載のように引火点測定を実施することによって測定することができる。
水の非存在下で、ある量の物質(2)が標準大気圧で約40℃を超える引火点を有する場合、第5の選択ステップ(7)において、ある量の物質(2)がある量の水(3)と組み合わせたときに標準大気圧で約70℃を超える引火点を有するかどうかに関して判定することができる。この引火点評価は、上述したように実施することができる。
ある量の物質(2)がある量の水(3)と組み合わせたときに標準大気圧で約70℃を超える引火点を有する場合、第6の選択(8)において、ある量の物質(2)が約−0.20から約+0.8のLog P値を有するかどうかに関して判定することができる。ある量の物質(2)のLog Pは、「Slow−stirred Method for Determining the n−Octanol/Water Partition Coefficient(POW) for Highly Hydrophobic Chemicals:Performance Evaluation in a Ring Test,Environmental Toxicology and Chemistry,Vol.22,Issue 5(May 2003)に記載のようにLog P測定を実施することによって評価することができる。
ある量の物質(2)が約−0.20から約+0.8のLog P値を有する場合、第7の選択ステップ(9)において、蒸発差によって増強される組成物(10)を生成することができる、ある量の水(3)と組み合わせたある量の物質(2)の濃度範囲に関して決定することができる。この範囲は、図1に示すように、さらに上述したように、気相−液相平衡の生成によって評価することができる。
ある濃度範囲のある量の物質(2)が蒸発差によって増強される組成物(10)を生成する場合、第8の選択ステップ(11)において、特定された蒸発差によって増強される組成物(10)が、流体接触によって生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすかどうかに関して判定して、蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を特定し、単離することができる。蒸発差によって増強される組成物(10)が、蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を更にもたらすかどうかを判定する特定の非限定的アッセイは、Mueller Hinton Broth(MHB)中で調製され、約0.5 McFarland濁度基準まで懸濁されたStaphylococcus aureus(ATCC6538、MRI Sta 21)、Pseudomonas aeruginosa(ATCC9027、MRI PS 10、Salmonella Choleraesuis(ATCC13312、MRI SC 1又は他の選択されたSC)などの微生物の培養物を提供することである。これらの細菌培養物は、希釈して、濃度約107から約103CFU/mlを得ることができ、各希釈物10μlをカバーガラスに無菌白金耳を用いて塗り広げ、乾燥させることができる。その後、105から102CFUを含むカバーガラスをペトリ皿の内側に置くことができる。Germicidal Spray Products as Disinfectants,Method 961.02,AOAC International(2004)に記載のように、異なる濃度のある量の物質をネブライザーを用いてカバーガラスに塗布することができる。
非限定的一例として、イソプロピルアルコール(IPA)及びジアセトンアルコール(DAA)は、IPAの水性混合物を濃度55%w/w、20%w/w及び5%w/wで得ることによって、上述したように評価することができる。DAAは、水中60%w/w、10%w/w及び6%w/wの濃度にすることによって評価することができる。ある量の各濃度のIPA及びDAAを対応するカバーガラスに塗布し、蒸発乾固させることができる。カバーガラスに対して軽く押し付けられた栄養寒天によって、カバーガラス上の微生物と栄養寒天を接触させることができる。栄養寒天をカバーガラスに接触した状態で37℃で48時間インキュベートし、次いでカバーガラスが栄養寒天に接触した領域における微生物の生殖を観察することができる。未処理のカバーガラスを正の対照として使用することができる。この方法を利用する特定の例を下に示す。
追加の第9の選択ステップ(13)は、完全蒸発後に処理表面に残留するある量の蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を検出することができないという理由であろうと、完全蒸発後に処理表面に残留するある量の蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)が残渣を残さずに蒸発して産業界に受け入れられた指針を満たすという理由であろうと、ステップ8(11)で特定された蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)が残渣(14)を残さずに蒸発乾固するかどうかに関する判定を含むことができる。
やはり追加の第10の選択ステップ(15)として、単離された蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)の各々が、単離された蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)が生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもらすのに利用されるのを排除するのに十分大きな環境、作業場又は健康上の有害な問題(16)を招くかどうかに関して判定することができる。
やはり追加の第11の選択ステップ(17)においては、単位当たりのコストが、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすのに利用されることから、単離された蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を利用することに対して経済的障壁(18)を招くかどうかに関して判定することができる。
主に図3を再度参照すると、蒸発差によって増強される組成物を選択する方法を多種多様な物質(2)に適用することによって、不活性剤(21)に可溶な抗菌活性剤(20)として利用して多種多様な蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を生成することができる、幾つかのグループの蒸発差によって増強される組成物(10)が特定された。しかしながら、特定された蒸発差によって増強される組成物(10)は、更なる蒸発差によって増強される組成物(10)を特定する方法の使用に関して限定的であることを意図するものではなく、本発明によって包含される蒸発差によって増強される組成物(10)及び蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)の範囲に関して限定的であることを意図するものでもない。そうではなく、記述する特定の方法は、本明細書に記載され、代替方法によって特定及び単離することができる、多種多様な蒸発差によって増強される組成物(10)及び蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を特定し、製造し、使用する方法の実際的な例を当業者に提供することを意図するものである。
ここで主に図4を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、3−ヒドロキシ−2−ペンタノン、2−ヒドロキシ−3−ペンタノン、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ペンタノン、3−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−2−メチル−3−ペンタノン、3−ヒドロキシ−2−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−3−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−3−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−5−メチル−3−ヘキサノン、4−ヒドロキシ−3−ヘプタノン、4−ヒドロキシ−5−オクタノンからなる群から選択されるアルファヒドロキシケトンを含むことができる。
アルファヒドロキシケトンは、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤(21)に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(21)が不活性剤(21)とアルファヒドロキシケトンの混合物からアルファヒドロキシケトンよりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の前記不活性剤(21)よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
ここで主に図5を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、4−ヒドロキシ−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−2−ペンタノン、1−ヒドロキシ−3−ペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(DAA)、4−ヒドロキシ−2−ヘキサノン、5−ヒドロキシ−4−メチル−3−ヘキサノン、5−ヒドロキシ−5−メチル−3−ヘキサノン、5−ヒドロキシ−3−ヘプタノン、5−ヒドロキシ−5−メチル−3−ヘプタノン、3−ヒドロキシ−3−メチル−5−ヘプタノン、4−ヒドロキシ−3,4−ジメチル−2−ヘキサノンからなる群から選択されるベータヒドロキシケトンを含むことができる。
ベータヒドロキシケトンは、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤(21)に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(21)が不活性剤(21)とベータヒドロキシケトンの混合物からベータヒドロキシケトンよりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の前記不活性剤(21)よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
本発明の蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)の特定の実施形態の単なる非限定的一例として、ある量の(「ジアセトンアルコール」又は「DAA」とも称される)4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンを水と組み合わせて、約10%から約95%4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(v/v)、又は約20%から約95%4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(v/v)、又は約20%から約40%4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(v/v)、又は10%以上の4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(v/v)、又は水が4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンよりも高速で混合物から蒸発できるようにする共沸点を超えるある濃度の4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(v/v)を提供することができる。
ここで主に表4及び図5を参照すると、DAAを種々の濃度で水中に含む本発明の蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)の実施形態を上述したように試験し、上述したように試験した種々の濃度のIPA水溶液と比較した。表4に示す結果から理解することができるように、水中の濃度6%及び25%のIPAは、生存可能微生物集団を減少させなかった。IPAとDAAが混合物から水よりも高速で蒸発する濃度のIPAとDAAは、同様に機能して、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の50%未満に微生物集団を減少させた。水がDAAよりも高速で混合物から蒸発する濃度のDAAは、70%IPA(v/v)よりも微生物集団の減少が大きく、水よりも高速で混合物から蒸発する濃度のDAAよりも微生物集団の減少が大きかった。
「XXX」は、コロニーが存在しなかったプレートを示し、微生物数の完全な減少(>5Log
10の減少)を表す。
「XXx」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の1%未満であったプレートを示し、微生物数のほぼ完全な減少(>4Log10の減少)を表す。
「XX」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の10%未満であったプレートを示し、微生物数のかなりの減少(>3Log10の減少)を表す。
「X」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の50%未満であったプレートを示し、微生物数の減少(<2Log10の減少)を表す。
「−−−0−−−」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の50%を超えたプレートを示し、生存可能微生物集団の大きな減少がないこと(0から1Log10の減少)を表す。
ここで主に表5及び図5を参照すると、水中約3%から15%(v/v)の濃度のDAAを非蒸発手順と蒸発手順における抗菌効力について比較試験して、DAAの蒸発による増強の非限定的一例とした。非蒸発手順と蒸発手順は、円錐形の底部を備えた各2mL無菌プラスチックバイアルに添加され、キャップなしで30分間遠心分離乾燥させた終夜Staphylococcus aureus(ATCC6538、約109CFU/mL)培養物50μLを含んだ。試験溶液100マイクロリットルを(3つ組バイアルとして)各バイアルに添加し、60分間放置(非蒸発)又は60分間遠心分離蒸発(蒸発)させた。蒸発時間は、各DAA混合物特有の蒸発特性によって決定された。非蒸発バイアルに、Mueller Hinton Broth(MHB)400μLをバイアルに添加し、100μLを栄養寒天(NA)上に蒔いた。蒸発バイアルにMHB 500μLを添加し、100μLをNA上に蒔いた。プレートを約37℃で終夜インキュベートし、数えた(「増強アッセイ」)。
表5に示す結果から理解することができるように、全試験濃度におけるDAAは蒸発によって増強することができる。対照的に、IPAは、蒸発が起こるにつれて抗菌組成物としてより有効でなくなり、増強することができない。
「XXX」は、コロニーが存在しなかったプレートを示し、微生物数の完全な減少(>5 Log
10の減少)を表す。
「XXx」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の1%未満であったプレートを示し、微生物数のほぼ完全な減少(>4Log10の減少)を表す。
「XX」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の10%未満であったプレートを示し、微生物数のかなりの減少(>3Log10の減少)を表す。
「X」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の50%未満であったプレートを示し、微生物数の減少(<2Log10の減少)を表す。
「−−−0−−−」は、コロニー数が、対応する正の対照プレートにおいて数えられたコロニー数の50%を超えたプレートを示し、生存可能微生物集団の大きな減少がないこと(0から1Log10の減少)を表す。
ここで主に図6を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル(EGMBE)、エチレングリコールモノペンチルエーテル及びエチレングリコールモノヘキシルエーテルからなる群から選択されるエチレングリコールモノエーテルを含むことができる。
エチレングリコールモノエーテルは、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤(21)に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(20)が不活性剤(20)とエチレングリコールモノエーテルの混合物からエチレングリコールモノエーテルよりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の不活性剤(20)よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
ここで主に表6及び図6を参照すると、非限定的一例として、水中約15%から約95%(v/v)、より好ましくは水中約15%から約30%(v/v)の濃度のEGMBEを非蒸発手順と蒸発手順における抗菌効力について上記増強アッセイによって比較試験して、EGMBEの蒸発による増強の非限定的一例とした。
表6に示す結果から理解することができるように、試験したある濃度のEGMBEは、蒸発によって増強することができる。
ここで主に図7を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル及びエチレングリコールジプロピルエーテルからなる群から選択されるエチレングリコールジエーテルを含むことができる。
エチレングリコールジエーテルは、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤(21)に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(21)が不活性剤(21)とエチレングリコールジエーテルの混合物からエチレングリコールジエーテルよりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の不活性剤(21)よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
ここで主に図8を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート(EGMEA)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノメチルエーテルブチラート及びエチレングリコールモノエチルエーテルブチラートからなる群から選択されるエチレングリコールエーテルエステルを含むことができる。
ここで主に表7及び図8を参照すると、非限定的一例として、水中約15%から約95%(v/v)、より好ましくは水中約15%から約30%(v/v)の濃度のEGMEAを非蒸発手順と蒸発手順における抗菌効力について上記増強アッセイによって比較試験して、EGMEAの蒸発による増強の非限定的一例とした。
表6に示す結果から理解することができるように、試験したある濃度のEGMEAは、蒸発によって増強することができる。
ここで主に図9を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル及びプロピレングリコールモノペンチルエーテルからなる群から選択されるプロピレングリコールモノエーテルを含むことができる。
ここで主に図10を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、プロピレングリコールジメチルエーテル及びプロピレングリコールジエチルエーテルからなる群から選択されるプロピレングリコールジエーテルを含むことができる。
ここで主に図11を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノメチルエーテルブチラートからなる群から選択されるプロピレングリコールエーテルエステルを含むことができる。
ここで主に図12を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、ブチレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコールモノプロピルエーテル及びブチレングリコールモノブチルエーテルからなる群から選択されるブチレングリコールモノエーテルを含むことができる。
ここで主に図13を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、ブチレングリコールジメチルエーテル及びブチレングリコールジエチルエーテルからなる群から選択されるブチレングリコールジエーテルを含むことができる。
ここで主に図14を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、ブチレングリコールモノメチルエーテルホルマートエステル及びブチレングリコールモノエチルエーテルアセタートからなる群から選択されるブチレングリコールモノエーテルエステルを含むことができる。
ここで主に図15を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、エチレングリコールモノエチルエステル、エチレングリコールモノプロピルエステル、エチレングリコールモノブチルエステル、エチレングリコールモノペンチルエステル及びエチレングリコールモノヘキシルエステルからなる群から選択されるエチレングリコールモノエステルを含むことができる。
プロピレングリコールモノエーテル、プロピレングリコールジエーテル、プロピレングリコールエーテルエステル、ブチレングリコールモノエーテル、プロピレングリコールジエーテル、ブチレングリコールモノエーテルエステル又はエチレングリコールモノエステルを含めて、図9〜15に示す蒸発差によって増強される組成物(10)に関して、各々は、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(21)が不活性剤(21)とプロピレングリコールモノエーテル、プロピレングリコールジエーテル、プロピレングリコールエーテルエステル、ブチレングリコールモノエーテル、プロピレングリコールジエーテル、ブチレングリコールモノエーテルエステル又はエチレングリコールモノエステルとの混合物から抗菌活性剤(20)の対応する1種類よりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の不活性剤よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
ここで主に図16を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、エチレングリコールジメチルエステル、エチレングリコールジエチルエステル(EGDA)及びエチレングリコールジプロピルエステルからなる群から選択されるエチレングリコールジエステルを含むことができる。
ここで主に表8及び図16を参照すると、非限定的一例として、水中約15%から約95%(v/v)、より好ましくは水中約10%から約30%(v/v)の濃度のEGDAを非蒸発手順と蒸発手順における抗菌効力について上記増強アッセイによって比較試験して、EGDAの蒸発による増強の非限定的一例とした。
表8に示す結果から理解することができるように、試験したある濃度のEGDAは、蒸発によって増強することができる。
ここで主に図17を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、プロピレングリコールモノメチルエステル、プロピレングリコールモノエチルエステル、プロピレングリコールモノプロピルエステル、プロピレングリコールモノブチルエステル及びプロピレングリコールモノペンチルエステルからなる群から選択されるプロピレングリコールモノエステルを含むことができる。
ここで主に図18を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、プロピレングリコールジメチルエステル、プロピレングリコールジエチルエステル、プロピレングリコールジプロピルエステル、プロピレングリコールジブチルエステル及びプロピレングリコールジペンチルエステルからなる群から選択されるプロピレングリコールジエステルを含むことができる。
ここで主に図19を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、ブチレングリコールジメチルエステル、ブチレングリコールジエチルエステル、ブチレングリコールジプロピルエステル又はブチレンプロピレングリコールジブチルエステルからなる群から選択されるブチレングリコールジエステルを含むことができる。
ここで主に図20を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、ブチレングリコールメチルエステル又はブチレングリコールエチルエステルからなる群から選択されるブチレングリコールエステルを含むことができる。
上記群から選択されるグリコールエステル、プロピレングリコールモノエステル、プロピレングリコールジエステル、ブチレングリコールジエステル、ブチレングリコールエステルは、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤(21)に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(21)が不活性剤(21)とグリコールエステル、プロピレングリコールモノエステル、プロピレングリコールジエステル、ブチレングリコールジエステル又はブチレングリコールエステルとの混合物から抗菌活性剤(20)の対応する1種類よりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の不活性剤よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
ここで主に図21を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、2−ブタノンオキシム(MEKO)、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム(MEKO)、2−ペンタノンオキシム、3−ペンタノンオキシム、シクロペンタノンオキシム、2−ヘキサノンオキシム、3−ヘキサノンオキシム及びシクロヘキサノンオキシムからなる群から選択されるオキシムを含むことができる。
ここで主に表9及び図21を参照すると、非限定的一例として、水中約15%から約95%(v/v)、より好ましくは水中約10%から約30%(v/v)の濃度のMEKOを非蒸発手順と蒸発手順における抗菌効力について上記増強アッセイによって比較試験して、EGDAの蒸発による増強の非限定的一例とした。
表9に示す結果から理解することができるように、試験したある濃度のMEKOは、蒸発によって増強することができる。
ここで主に図21を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、2−ジメチルアミノエタノール(DMEA)、2−ジメチルアミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−ブタノール及び3−ジメチルアミノ−2−ブタノールからなる群から選択されるジメチルアミノアルコールを含むことができる。
ここで主に表10及び図22を参照すると、非限定的一例として、水中約15%から約95%(v/v)、より好ましくは水中約10%から約30%(v/v)の濃度のDMEAを非蒸発手順と蒸発手順における抗菌効力について上記増強アッセイによって比較試験して、DMEAの蒸発による増強の非限定的一例とした。
表10に示す結果から理解することができるように、試験したある濃度のMEKOは、蒸発によって増強することができる。
ここで主に図23を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、ピリジン、2−メチルピラジン、3−メチルピラジン、4−メチルピラジンからなる群から選択されるピリジンを含むことができる。
上記群から選択されるピリジンは、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤(21)に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(21)が不活性剤(21)とピリジンの混合物からピリジンよりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の不活性剤(21)よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
ここで主に図24を参照すると、蒸発差によって増強される組成物(10)は、1−ブタノール及び2−ブタノールからなる群から選択される脂肪族アルコールを含むことができる。
上記群から選択される脂肪族アルコールは、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで水などの不活性剤(21)に可溶である抗菌活性剤(20)であって、約5℃から約90℃の温度範囲内で約760mmHgで不活性剤(21)が不活性剤(21)とブタノールの混合物からブタノールよりも高速で蒸発することができるようにする約10℃から約90℃の不活性剤(21)よりも高い沸点を有する抗菌活性剤(20)を与えて、生存可能微生物集団(19)の2−log10を超える桁の減少をもたらすことができる蒸発差によって増強される抗菌組成物(12)を提供することができる。
上記から容易に理解することができるように、本発明の基本概念は、種々の方法で具体的に表現することができる。本発明は、蒸発差によって増強される消毒薬システム、並びにかかる蒸発差によって増強される消毒薬システムを製造及び使用する方法の多種多様な実施形態を含む。
したがって、上記記述によって開示される、又は本願に添付された図に示される、本発明の特定の実施形態又は要素は、限定的であることを意図するものではなく、本発明によって包括的に含まれる多種多様な実施形態、又はその任意の特定の要素に関して包含される等価物の例示である。さらに、本発明の単一の実施形態又は要素の具体的記述は、可能なすべての実施形態又は要素を明示的には記述しないことがあり、多数の代替物が上記記述及び図によって暗黙的に開示される。
装置の各要素、又は方法の各ステップは、装置用語又は方法用語によって記述され得ることを理解すべきである。かかる用語は、所望であれば、本発明が権利を与えられる暗黙的に広範な適用範囲を明確にするために代えることができる。単なる一例として、方法の全ステップは、作用、該作用を行う手段、又は該作用を引き起こす要素として開示し得ることを理解すべきである。同様に、装置の各要素は、物理的要素、又は該物理的要素が促進する作用として開示することができる。単なる一例として、「消毒薬」の開示は、明示的に考察してもしなくても「消毒」行為の開示を包含すると理解すべきである。逆に、「消毒」行為が有効に開示された場合、かかる開示は、「消毒薬」、さらには「消毒手段」の開示を包含すると理解すべきである。各要素又はステップのかかる代替用語は、上記記述に明示的に含まれると理解すべきである。
さらに、使用する各用語に関して、本願におけるその利用がかかる解釈と矛盾しない限り、一般的な辞書の定義は、各定義が参照により本明細書に援用されるRandom House Webster’s Unabridged Dictionary,second editionに収録された各用語の記述に含まれると理解すべきであることを理解すべきである。
したがって、本出願人(単数又は複数)は、少なくとも、i)本明細書に開示され、記述された、蒸発差によって増強される組成物、及び蒸発差によって増強される抗菌組成物の各々、ii)開示され、記述された関連方法、iii)これらの装置及び方法の各々の類似の、等価な、さらには暗黙の変形物、iv)示され、開示され、又は記述された機能の各々を達成する代替実施形態、v)開示され、記述されたものを達成するために、示された機能の各々を達成する代替の設計及び方法が内在される、vi)別々の独立した発明として示される各特徴、成分及びステップ、vii)開示される種々のシステム又は成分によって増強される適用例(applications)、viii)かかるシステム又は成分によって製造される生成物、ix)添付の例のいずれかに関連して、上でおおむね記述された方法及び装置、x)開示された従前の要素の各々の種々の組合せ及び順列を請求することを理解されるべきである。
本特許出願の背景の項は、本発明が属する事業分野を記載したものである。この項は、技術状況についての情報、問題又は懸念を本発明が導かれるものに関係づけるのに有用である、ある米国特許、特許出願、刊行物又は本発明の主題の言い換え(paraphrasing)を組み入れ、又は含むこともできる。本明細書に引用又は援用される任意の米国特許、特許出願、刊行物、記載又は他の情報を本発明に関する従来技術として認めるものと読み取り、解釈し、又は考えることは意図されない。
本明細書に記載の特許請求の範囲は、該当するならば、本発明のこの記述の一部として参照により本明細書に援用され、本出願人は、かかる特許請求の範囲のかかる援用された内容の全部又は一部を、特許請求の範囲又はその任意の要素若しくは成分のいずれか又は全部を裏づける追加の記述として使用する権利を明確に保有し、本出願人は、さらに、かかる特許請求の範囲又はその任意の要素若しくは成分の援用された内容の任意の部分又は全部を必要に応じて上記記述から特許請求の範囲に移動して、又は特許請求の範囲から上記記述に移動して、本願によって、又はその任意の後続の出願、継続、分割若しくは一部継続出願によって保護が求められる事項を規定する権利、又は任意の国若しくは条約の特許法、規則若しくは規制の任意の利益、該特許法、規則若しくは規制に準ずる料金の減額を得る権利、又は該特許法、規則若しくは規制に従う権利を明確に保有する。参照により援用されるかかる内容は、その任意の後続の継続、分割若しくは一部継続出願又はそれについての任意の再発行若しくは延長を含めて、本願の係属中全体を通して存続するものとする。
さらに、添付の特許請求の範囲は、本発明の限定された数の好ましい実施形態の境界線を記述することを意図し、本発明の最も広い実施形態、又は特許請求することができる本発明の実施形態の完全なリストと解釈すべきではない。本出願人は、上に示した記述に基づいて更なる特許請求の範囲を任意の継続、分割若しくは一部継続出願又は類似の出願の一部として展開するいかなる権利も放棄しない。