JP2010539085A - マメ科ファミリーのキバナオウギのエストロゲン性抽出物およびその使用 - Google Patents

マメ科ファミリーのキバナオウギのエストロゲン性抽出物およびその使用 Download PDF

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Abstract

マメ科ファミリーのキバナオウギのエストロゲン性抽出物が提供される。特にヒト、例えば、ヒト女性においてエストロゲン性効果を達成するために当該抽出物を使用する方法もまた提供される。いくつかの実施形態では、当該方法は、閉経期症候の治療を含む。いくつかの実施形態では、当該方法は、エストロゲン応答性乳癌などのエストロゲン受容体陽性の癌の治療を含み、いくつかの実施形態では、当該方法は、骨粗鬆症の治療もしくは予防を含む。
【選択図】図6

Description

本発明は、植物抽出物組成物に関し、より詳細には、マメ科ファミリーのキバナオウギ(Astragalus membranaceus Fisch.Bge.Var.mongolicus Bge.)種に属する植物種の抽出物を含む組成物に関する。本発明はさらに、当該植物抽出物組成物を使用する方法および製造する方法に関する。
(関連出願)
本願は、米国特許仮出願第60/970,806号(2007年9月7日出願)の利益を主張し、その内容はその全体が参照として本明細書中に援用される。
ホルモン補充療法(HRT)は、骨粗鬆症、閉経後の女性における循環器疾患の増加したリスク、ならびにのぼせ症、性欲減退および抑鬱などの更年期症状などの種々の症状を治療するのに首尾良く用いられてきた。しかしながら、エストラジオール(E)を単独でもしくはプロゲスチンとの組み合わせでのいずれかで用いるHRTは、望ましくない影響をもたらし得る。実際に、最近のWomen’s Health Initiative(WHI)の研究は、HRTが乳癌の35%増加したリスクに関連することが予備的結果により示されたとき、急に中止された。
乳癌は、タモキシフェンなどのいわゆる選択的エストロゲン受容体調節物質(SERM)を用いることにより治療もしくは予防され得る(タモキシフェンの承認の前は、閉経前の女性の乳癌の治療には、エストロゲンの癌刺激効果を減少させるための卵巣の除去がしばしば含まれた)。タモキシフェンは、閉経前の女性の乳房組織におけるエストロゲンの癌誘発効果を選択的に阻害するようである。別のSERMであるラロキシフェンは、エストロゲン補充の代替として、骨粗鬆症の治療用に承認されている。ラロキシフェンの長期投与は、骨組織においてエストロゲン性作用を選択的に誘発することに加えて、乳癌の割合の減少にも関連することが、Multiple Outcomes of Raloxifene Evaluation(MORE)の研究で示された。
タモキシフェンおよびラロキシフェンなどのSERMは、乳房においてエストロゲンの癌誘発効果の選択的減少を提供するが、それらはリスクがないわけではない。例えば、タモキシフェンおよびラロキシフェンでの治療の両方が、のぼせ症の発生率上昇に関連しており、また、タモキシフェンでの治療は、子宮(子宮内膜)癌のリスクを増加させることが示された。
骨粗鬆症、冠動脈心疾患および更年期症状の治療におけるエストロゲン補充療法の成功、ならびに乳癌および骨粗鬆症の治療におけるタモキシフェンおよびラロキシフェンなどのSERMの成功にもかかわらず、エストロゲン性の性質を有する組成物が必要とされている。さらに、薬物化合物を製造するコストの増加を考慮すると、天然の供給源から得られ得るさらなるエストロゲン組成物が必要とされている。
マメ科ファミリーのキバナオウギの種々の栽培品種が、中国の北部および東部で栽培されている。種々の他の種は、世界中で生育している。根を春および秋に収集する。これを洗浄し、髭根を除去する。これを次いで天日で乾燥する。
マメ科ファミリーのキバナオウギの抽出物をエストロゲン性組成物として用いる公知の報告は存在しない。
天然の供給源から容易に得られるエストロゲン性組成物が必要とされている。このようなエストロゲン性組成物の製造方法もまた必要とされている。このようなエストロゲン性組成物の使用方法もまた必要とされている。
本発明者は、エストロゲン受容体に関連する1つもしくはそれ以上の疾患状態の治療に有用なエストロゲン性組成物の必要性を確認した。本発明者はまた、組成物を投与した患者がエストロゲン受容体に関連する別の疾患状態に罹患するリスクもしくは可能性を増加させないエストロゲン性組成物の必要性を確認した。本発明者はまた、1つもしくはそれ以上のエストロゲン受容体が媒介する疾患状態のリスクを減少させる一方、同時に、別のエストロゲン受容体が媒介する疾患状態を治療するエストロゲン組成物の必要性を確認した。本発明者はまた、天然の供給源から容易に得られるエストロゲン組成物、ならびに当該エストロゲン性組成物の製造方法および使用方法の必要性を確認した。本明細書中の開示は、このような必要性を満たし、かつ、関連する利点を提供する。
本発明は、マメ科ファミリーのキバナオウギ種の植物種の抽出物を含む植物抽出物組成物を提供する。いくつかの実施形態は、マメ科ファミリーのキバナオウギ分類学的種から選択される植物種の抽出物を提供する。いくつかの実施形態では、抽出物は、水性抽出物、エタノール性抽出物、精製抽出物もしくは分配抽出物のいずれかである。いくつかの実施形態では、抽出物は、エタノール性抽出物である。いくつかの実施形態では、薬物の製造に用いるための、マメ科ファミリーのキバナオウギ種の植物種の抽出物を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、薬物は、エストロゲン性作用を有する。いくつかの実施形態では、エストロゲン性作用は、少なくとも1つの更年期症状の治療もしくは予防、骨粗鬆症の治療もしくは予防、子宮癌の治療もしくは予防、および循環器疾患の治療もしくは予防からなる群から選択される少なくとも1つの作用である。いくつかの実施形態では、エストロゲン性作用は、のぼせ症、不眠、腟乾燥、性欲減退、尿失禁および抑鬱の治療もしくは予防からなる群から選択される少なくとも1つの更年期症状の治療もしくは予防を含む。いくつかの実施形態では、エストロゲン性作用は、骨粗鬆症の治療もしくは予防を含む。いくつかの実施形態では、エストロゲン性作用は、のぼせ症の治療もしくは予防を含む。いくつかの実施形態では、エストロゲン性作用は、子宮癌もしくは乳癌の治療もしくは予防を含む。いくつかの実施形態では、エストロゲン性作用は、乳房過形成、乳房腫瘍、子宮過形成、子宮腫瘍、子宮頚部過形成、子宮頚部腫瘍、卵巣過形成、卵巣腫瘍、卵管過形成もしくは卵管腫瘍のリスクを増加させることを含まない。いくつかの実施形態では、エストロゲン性作用は、乳房過形成、乳房腫瘍、子宮過形成、子宮腫瘍、子宮頚部過形成、子宮頚部腫瘍、卵巣過形成、卵巣腫瘍、卵管過形成もしくは卵管腫瘍のリスクを減少させることを含む。
いくつかの実施形態は、医薬の製造のための段落[0011]の組成物の使用を提供する。いくつかの実施形態では、医薬は、エストロゲン性作用を有する。いくつかの実施形態では、エストロゲン性作用は、少なくとも1つの更年期症状の治療もしくは予防、骨粗鬆症の治療もしくは予防、子宮癌の治療もしくは予防、および循環器疾患の治療もしくは予防からなる群から選択される少なくとも1つの効果である。いくつかの実施形態では、エストロゲン性作用は、のぼせ症、不眠、腟乾燥、性欲減退、尿失禁、頭痛および抑鬱の治療もしくは予防からなる群から選択される少なくとも1つの更年期症状の治療もしくは予防を含む。いくつかの実施形態では、エストロゲン性作用は、骨粗鬆症の治療もしくは予防を含む。いくつかの実施形態では、エストロゲン性作用は、のぼせ症の治療もしくは予防を含む。いくつかの実施形態では、エストロゲン性作用は、子宮癌もしくは乳癌の治療もしくは予防を含む。いくつかの実施形態では、医薬は、乳房過形成、乳房腫瘍、子宮過形成、子宮腫瘍、子宮頚部過形成、頚部腫瘍、卵巣過形成、卵巣腫瘍、卵管過形成、卵管腫瘍のリスクの統計学的に有意な増加を引き起こさない。いくつかの実施形態では、医薬は、乳房過形成、乳房腫瘍、子宮過形成、子宮腫瘍、子宮頚部過形成、頚部腫瘍、卵巣過形成、卵巣腫瘍、卵管過形成、卵管腫瘍のリスクの減少を引き起こす。
いくつかの実施形態は、エストロゲン的に有効量の段落[0011]の組成物を対象に投与することを含む、エストロゲン性作用を誘発する方法を提供する。いくつかの実施形態では、抽出物は、水性抽出物、エタノール性抽出物、精製抽出物もしくは分配抽出物のいずれかである。いくつかの実施形態では、抽出物は、エタノール性抽出物である。いくつかの実施形態では、エストロゲン性作用は、少なくとも1つの更年期症状の治療もしくは予防、骨粗鬆症の治療もしくは予防、子宮癌の治療もしくは予防、および循環器疾患の治療もしくは予防からなる群から選択される少なくとも1つの作用である。いくつかの実施形態では、エストロゲン性作用は、のぼせ症、不眠、腟乾燥、性欲減退、尿失禁および抑鬱の治療もしくは予防からなる群から選択される少なくとも1つの更年期症状の治療もしくは予防を含む。いくつかの実施形態では、エストロゲン性作用は、骨粗鬆症の治療もしくは予防を含む。いくつかの実施形態では、エストロゲン性作用は、のぼせ症の治療もしくは予防を含む。いくつかの実施形態では、エストロゲン性作用は、子宮癌の治療もしくは予防を含む。いくつかの実施形態では、エストロゲン性作用は、乳房過形成、乳房腫瘍、子宮過形成、子宮腫瘍、子宮頚部過形成、子宮頚部腫瘍、卵巣過形成、卵巣腫瘍、卵管過形成もしくは卵管腫瘍のリスクを増加させることを含まない。いくつかの実施形態では、エストロゲン性作用は、乳房過形成、乳房腫瘍、子宮過形成、子宮腫瘍、子宮頚部過形成、子宮頚部腫瘍、卵巣過形成、卵巣腫瘍、卵管過形成もしくは卵管腫瘍のリスクを減少させることを含む。
本明細書に開示されるいくつかの実施形態では、エストロゲン応答因子の制御下で遺伝子を活性化させる方法であって、遺伝子に作動可能に連結したエストロゲン応答因子およびエストロゲン受容体を有する細胞に、当該遺伝子を活性化するのに十分な量の段落[0011]の組成物を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、細胞はインビトロである。いくつかの実施形態では、細胞はインビボである。いくつかの実施形態では、細胞はERα+乳房組織である。いくつかの実施形態では、細胞はERβ+乳房組織である。いくつかの実施形態では、細胞はERα/ERβ+乳房組織である。いくつかの実施形態では、エストロゲン応答因子は形質転換細胞中で発現する。いくつかの実施形態では、エストロゲン応答因子およびエストロゲン受容体は、細胞中で発現する。いくつかの実施形態では、エストロゲン応答因子は、細胞内で異質に発現する。いくつかの実施形態では、エストロゲン応答因子およびエストロゲン受容体は、細胞内で異質に発現する。いくつかの実施形態では、細胞は、U937、U2OS、MDA−MB−435、およびERE制御遺伝子で形質転換されたMCF−7細胞からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、細胞は、ERαを発現する。いくつかの実施形態では、細胞は、ERβを発現する。いくつかの実施形態では、ERE制御遺伝子は、ERE−tk−Lucである。
本明細書に提供されるいくつかの実施形態は、TNF RE制御遺伝子の発現を抑制する方法であって、当該TNF RE制御遺伝子を抑制するのに有効な量の段落[0011]の組成物を、TNF応答因子およびエストロゲン受容体の制御下での遺伝子を含む細胞に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、TNF RE制御遺伝子は、TNF−αである。いくつかの実施形態では、TNF RE制御遺伝子は、TNF RE−Lucである。いくつかの実施形態では、細胞はインビトロである。いくつかの実施形態では、細胞はインビボである。いくつかの実施形態では、細胞はER+乳房組織である。いくつかの実施形態では、細胞はERα+乳房組織である。いくつかの実施形態では、細胞はERβ+乳房組織である。いくつかの実施形態では、TNF応答因子は、細胞内で内因的に発現する。いくつかの実施形態では、TNF応答因子およびエストロゲン受容体は、細胞内で内因的に発現する。いくつかの実施形態では、TNF応答因子は、細胞内で異質に発現する。いくつかの実施形態では、TNF応答因子およびエストロゲン受容体は、細胞内で異質に発現する。いくつかの実施形態では、エストロゲン受容体遺伝子を含む細胞は、TNF応答因子制御遺伝子で形質転換され、かつ、U937、U2OS、MDA−MB−435およびMCF−7細胞からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、エストロゲン受容体遺伝子は、ERαを発現する遺伝子である。いくつかの実施形態では、エストロゲン受容体遺伝子は、ERβを発現する遺伝子である。
いくつかの実施形態は、段落[0011]の植物抽出物を製造する方法であって、マメ科ファミリーのキバナオウギ種の植物から一定量の植物物質を得ること、および当該植物物質を、約25℃〜100℃の間の温度で水、エタノールもしくは両方を含む抽出媒体と接触させて、当該抽出媒体を当該植物物質から分離することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、温度は、約50℃〜約80℃の間である。いくつかの実施形態では、温度は、約75℃である。
参照による援用
本明細書中で言及する全ての刊行物および特許出願は、個々の刊行物および特許出願が参照することにより援用されることが特にかつ個別に示されるのと同程度に、参照することにより本明細書中に援用される。
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に特に記載される。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が用いられている例示的な実施形態を記載した以下の詳細な説明、および以下の添付の図面を参照することにより得られるであろう。
最小のチミジンキナーゼ(tk)プロモータに連結したエストロゲン応答因子をコード化するDNAおよびルシフェラーゼ(Luc)をコード化する配列で形質転換したU937(ヒト単球)細胞における、エストロゲン受容体α(ERα)、エストロゲン受容体β(ERβ)もしくは両方のいずれかの存在下で種々の濃度のエストラジオール(E)に対応したルシフェラーゼ発現のグラフである。Eの存在下で、ERβは、EREに対して、ERαよりもずっと低い刺激効果を有する。
最小のチミジンキナーゼ(tk)プロモータに結合したエストロゲン応答因子をコード化するDNAおよびルシフェラーゼ(Luc)をコード化する配列で形質転換したMDA−MB−435(ヒト転移性乳癌)細胞における、エストロゲン受容体α(ERα)、エストロゲン受容体β(ERβ)もしくは両方のいずれかの存在下で異なる濃度のエストラジオール(E)に対応したルシフェラーゼ発現のグラフである。Eの存在下で、ERβは、ERαよりもずっと低いEREに対する刺激効果を有する。注目すべきは、ERαおよびERβがこの株化細胞中で同時発現する場合、ERβ発現は、Eの存在下で、ERαのERE刺激効果を非常に減少させることである。
最小のチミジンキナーゼ(tk)プロモータに連結したエストロゲン応答因子をコード化するDNAおよびルシフェラーゼ(Luc)をコード化する配列で形質転換したU2OS(ヒト骨肉腫)細胞における、エストロゲン受容体α(ERα)もしくはエストロゲン受容体β(ERβ)のいずれかの存在下で、異なる濃度のモクセイ科ファミリーのユリ科ファミリーのマメ科ファミリーのキバナオウギに対応したルシフェラーゼ発現のグラフである。モクセイ科ファミリーのユリ科ファミリーのマメ科ファミリーのキバナオウギは、ERβではEREへの刺激効果を有するが、ERαでは有しない。
最小のチミジンキナーゼ(tk)プロモータに連結した腫瘍壊死因子応答因子(TNF RE)をコード化するDNAおよびルシフェラーゼ(Luc)をコード化する配列で形質転換したU2OS(ヒト骨肉腫)細胞における、エストロゲン受容体α(ERα)もしくはエストロゲン受容体β(ERβ)のいずれかの存在下で、異なる濃度のモクセイ科ファミリーのユリ科ファミリーのマメ科ファミリーのキバナオウギに対応したルシフェラーゼ発現のグラフである。モクセイ科ファミリーのユリ科ファミリーのマメ科ファミリーのキバナオウギは、ERβではTNF−REへの抑制効果を有するが、ERαでは有しない。
エストロゲン受容体結合アッセイのグラフである。エストロゲン受容体結合アッセイは、黒色Corning低容積384穴プレート中で、各キット(Invitrogen#P2698もしくは#P2700)に含まれるデータシートに概説されるプロトコルに従って行った。各穴の総容積は20μLであり、全ての反応は3回行った。化合物を、提供された1×スクリーニング緩衝液中で2×濃度まで希釈した。化合物の終濃度の範囲は、1.4×10−2mg/mL〜2.724×10−11mg/mLであった。各穴は、10μLの2×濃度の化合物および10μLの2×濃度のFluoromoneならびにエストロゲン受容体(これは、各キットにも提供された)からなった。一旦希釈化合物をfluoromoneおよびエストロゲン受容体と混合すると、プレートを穏やかに混合し、暗所で2時間インキュベートした。各プレートを、蛍光偏光読取装置(Tecan GeniosPro)を用いて読み取り、データを、Sigmaplotを用いて分析した。モクセイ科ファミリーのユリ科ファミリーのマメ科ファミリーのキバナオウギは、エストロゲン受容体α(ERα)、エストロゲン受容体β(ERβ)のいずれかの存在下で同様の結合親和性を有する。
最小のチミジンキナーゼ(tk)プロモータに連結したエストロゲン応答因子をコード化するDNAおよびルシフェラーゼ(Luc)をコード化する配列で形質転換したU2OS(ヒト骨肉腫)における、エストロゲン受容体β(ERβ)の存在下で、公知のSERM拮抗物質であるラロキシフェンおよびタモキシフェンに競合する、異なる濃度のモクセイ科ファミリーのユリ科ファミリーのマメ科ファミリーのキバナオウギに応答した、ルシフェラーゼ発現のグラフである。ERβでのEREへのモクセイ科ファミリーのユリ科ファミリーのマメ科ファミリーのキバナオウギ刺激性効果は、タモキシフェンおよびラロキシフェンの存在下で抑制された。
本発明の好ましい実施形態を本明細書中に示しかつ記載したが、このような実施形態は例示の目的でのみ提供されることが当業者に明らかとなろう。当業者は、多数の変動、変化および置換を、本発明から逸脱することなくここで思いつくであろう。本発明の実施形態の多様な代替物が、本発明を実施するのに用いられ得ることを理解すべきである。以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を定義し、かつ、これらの請求項の範囲内の方法および構造、ならびにそれらの均等物は、それによって包含されることが意図される。
本発明は、マメ科ファミリーのキバナオウギと呼ばれる植物の分類学的種の抽出物を含む植物抽出物組成物を提供する。本発明はまた、本発明の組成物を用いるエストロゲン性方法を提供する。このようなエストロゲン性方法は、インビボでの方法およびインビトロでの方法を含む。エストロゲン組成物は、エストラジオール(E)およびエストロゲン受容体(ER)によるエストロゲン応答因子(ERE)の調節下で遺伝子の活性化を拮抗する能力を有する。従って、適切なインビボ方法には、遺伝子発現のEが刺激する活性化への拮抗作用に関連する医学的徴候の治療および/もしくは予防が挙げられる。適切なインビトロ方法には、エストロゲン応答因子(ERE)の制御下で遺伝子を活性化する方法および腫瘍壊死因子(TNF RE)の制御下で遺伝子の発現を抑制する方法における使用が挙げられる。本発明はさらに、本発明の抽出物を製造する方法を提供する。
乳房新生物は、女性において診断される最も一般的な癌である。2000年には、184,000の乳癌の新しい症例が診断され、45,000人の女性が乳癌で死亡した。乳癌の原因はおそらく多元的であろうが、エストロゲンが乳癌を促進することを示す説得力のある臨床的、疫学的および生物学的研究が存在する。(a)ホルモン補充療法(HRT)は、51の研究のメタアナリシスにより、乳癌の35%増加したリスクと関連する、(b)乳癌は、ERに結合して乳房細胞中のエストロゲンの作用を拮抗するタモキシフェンもしくはラロキシフェンにより予防され得る、(c)乳癌を有する閉経前女性における両側卵巣摘出は、生存率の増加をもたらす、(d)エストロゲンへの多くの曝露(早発月経もしくは遅い閉経期、相対リスクはそれぞれ1.3および1.5〜2.0)は、乳癌の発生率を増加する、(e)エストロゲンは、ER陽性乳癌細胞の増殖を増加させる、および(f)エストロゲンは、サイクリンD1、c−mycおよびc−fosなどの増殖促進遺伝子の産生を増加させる。
約60〜70%の乳腺腫瘍は、エストロゲン受容体を含む。数十年間にわたり、乳腺腫瘍は、ERの存在について分析されてきた。約70%のER+腫瘍が、抗エストロゲン療法に応答性である。この知見は、ER+腫瘍はER陰性腫瘍よりも良好な予後を有するという概念をもたらした。しかしながら、ERβの発見は、これらの解釈を複雑にし、かつ、いくつかの深刻な臨床的疑問を提起した。ERαおよびERβの役割を理解することは最も重要である。なぜなら、腫瘍がER+であるかどうかを決定する現行の方法は、ERαのみを検出する抗体を用いるからである。従って、臨床成績における乳腺腫瘍でのERの影響を検査するほとんどの方法は、ERαの状態のみを反映する。しかしながら、いくつかの最近の研究は、ヒト乳腺腫瘍におけるERβmRNAの存在を検出した。研究のほとんどは、ERβを測定するのにRT−PCRに頼っているが、これは、ERβに対する特異的および感受性の抗体がないからである。Dotzlawらは、逆転写RT−PCRによる乳腺腫瘍の組織診で、ERβを初めて検出した。彼らは、70%の乳腺腫瘍がERβを発現し、90%がERαを発現することを確立した。さらに、彼らは、いくつかのER陰性株化細胞もまたERβmRNAを発現することを実証した。これらの知見は、ERβが乳腺腫瘍中で高度に発現し、かつ、多くの腫瘍においてERαおよびERβの両方がしばしば同時発現することを示唆する。実際には、いくつかのER腫瘍は、ERβを含む。Dotzlawらはまた、ERβmRNAは、ER+/PR−(PRはプロゲスチン受容体である)腫瘍において、ER+/PR+腫瘍と比べて有意に低いことを示した。著者らは、この所見がERβ発現がより悪い予後に関連することを示すことを示唆する。なぜなら、ER+/PR+はタモキシフェンに関連する可能性がより高いからである。他の研究は、ERβの存在が予後不良を与えることを示唆する。Speirsらは、ほとんどの乳腺腫瘍がERβmRNAを単独で、もしくはERαmRNAと組み合わせて発現することを確立した。ERαおよびERβmRNAの両方を発現するこれらの腫瘍は、陽性リンパ節に関連し、かつ、より高い悪性度の腫瘍として特徴付けられる傾向があった。さらに、増加したERβ発現は、化学発癌物質で処理したMCF−10F細胞において起こるが、このことは、ERβの発現が、乳癌の発症および進行に寄与し得ることを示唆する。最近、Jensenらは、29の浸潤性乳腺腫瘍において、免疫組織化学(IHC)によりERβの発現を分析した。彼らは、ERβの発現は、細胞増殖の特定のマーカーであるKi67およびサイクリンAの上昇と関連することを確立した。さらに、これらの増殖マーカーの最も高い発現は、ERα+/ERβ+腫瘍中に存在した。ERα−TERβ+症例の数は非常に少なかった(n=7)が、著者らは、ERβが乳房腫瘍中での細胞増殖を媒介することを示唆した。Speirsらはまた、ERβmRNAが、タモキシフェン感受性腫瘍と比べてタモキシフェン抵抗性腫瘍において顕著に上昇したことを報告した。
対照的に、他の研究は、ERβの存在が好ましい予後を与えることを示す。Iwaoらは、乳腺腫瘍が浸潤前から浸潤に進行するにつれてERαmRNAが上方制御され、かつERβmRNAが下方制御されることを実証した。Jarvinenらは、凍結した腫瘍切片のIHCを用いて、ERβの発現は、陰性腋窩結節の状態、低い悪性度および低いS期画分と関連することを確立した。Omotoらの研究はまた、ERβを含む腫瘍では無病生存期間の割合がより高いことから、ERβ陽性腫瘍はERβ陰性腫瘍よりもより良好な予後に相関することを確立した。ERβの発現はまた、プロゲステロン受容体および高分化型の乳腺腫瘍の存在との強い関連性を示した。ERβのレベルは正常な乳腺組織で最も高く、腫瘍が前癌性から癌性破壊(病変)に進行するに従って減少することもまた報告されている。これらの研究は、ERβが腫瘍抑制因子として機能し得、かつ、ERβの損失が乳房の発癌を促進することを示す。Mannらの研究では、10%超の癌細胞におけるERβの発現が、タモキシフェンで治療した女性の良好な生存率と関連したことが示された。これらの研究の集約は、ERβの存在が好ましい予後を与えることを示す。RT−PCRおよびEHCのデータで一致しているのは、ERβのアデノウイルス媒介発現が、ER陰性株化細胞MDA−MB−231の増殖のリガンド非依存性抑制をもたらすという報告である。
これらの結果は、ERβの病変形成および乳癌の予後における役割が不明であることを実証する。いくつかの理由は、これらの研究の間の明らかな矛盾を説明し得る。第一に、ERβmRNAとERβタンパク質との間には弱い相関性があり得る。この概念は、リガンド結合アッセイにより検出可能なERを有しないいくつかのER陰性株化細胞におけるERβmRNAの存在という点で一致する。第二に、IHCの研究は、特異性および感受性について不十分に特徴付けられた異なる市販のERβ抗体を用いている。第三に、結論のほとんどは、少数の乳癌症例に基づいている。明らかに、乳癌におけるERαおよびERβの役割を明らかにするためにより多くの研究が必要である。
乳癌におけるアジュバント治療および化学防御としてのSERMの役割:エストロゲンは乳癌細胞の増殖を促進するので、エストロゲンの乳腺腫瘍に対するこの効果を阻害するために、いくつかの治療方法が行われてきた。これらのストラテジーには、卵巣切除、抗エストロゲン剤、性腺刺激ホルモン放出ホルモン類似体もしくはアロマターゼ阻害剤、エストロゲンの産生を減少させるかもしくはエストロゲンの作用を阻害するかのいずれかによる研究が挙げられる。これらのストラテジーはいずれも、ERαおよびERβの両方の作用を非選択的に阻害する。乳腺腫瘍を予防および治療するために臨床的に用いられる最も一般的なアプローチは、選択的エストロゲン受容体調節物質(SERM)、タモキシフェンおよびラロキシフェンである。
タモキシフェンは、プロトタイプSERMである非ステロイド性トリフェニルエチレン誘導体である。なぜなら、これは、乳房などのいくつかの組織で拮抗作用を示すが、子宮内膜および骨などの他の組織で刺激薬作用を有するからである。タモキシフェンは、エストロゲン受容体陽性乳癌を有する女性の乳房腫瘍の再発を低減するためのアジュバント療法として、その臨床的有効性が広範に研究されてきた。5年のタモキシフェン治療は、再発のリスクを42%、乳癌での死亡率を22%、および対側一次乳房腫瘍を減少させる。ER陽性乳房腫瘍のおよそ約2/3はタモキシフェンに応答するが、一方、ER陰性腫瘍を有する女性にアジュバントタモキシフェンが有効であることを示す証拠はほとんどない。最近、米国乳癌予防試験(U.S.Breast Cancer Prevention Trial)(BCPT)は、タモキシフェンが、乳癌のリスクが高いと考えられる女性において一次浸潤性乳癌のリスクを49%減少させることを実証した。これらの研究は、タモキシフェンが、乳癌の病歴を有する女性における最良の有効なアジュバント治療であり、かつ、乳癌の発症のリスクが高い女性のための有効な化学予防薬であることを実証する。
ラロキシフェンは、骨粗鬆症の予防および治療用に最近承認されたSERMのベンゾチオフェンクラスのメンバーである。ラロキシフェンは、乳癌を有する女性のためのアジュバント治療としての有効性は評価されていない。しかしながら、Multiple Outcomes of Raloxifene(MORE)の試行は、ラロキシフェンの乳癌の予防への効果を評価した。MORE試行は、骨粗鬆症を有する7705人の閉経後女性の、ランダム化された、プラセボ対照の3年の研究である。MORE試行において、ラロキシフェン投与群における5129人の女性のうち、13症例の乳癌が発見されたのに対し、40ヶ月の中央値の追跡期間の後にプラセボ(RR=0.24)を投与した2576人の女性のうちでは、27人であった。タモキシフェンと同様に、ラロキシフェンは、エストロゲン受容体陽性腫瘍の発症率を減少させるのには有効であるが、エストロゲン受容体陰性腫瘍では有効でない。エストロゲンの乳癌の促進における役割のさらなる証拠は、ラロキシフェンは検出可能レベルの血清エストラジオールを有する閉経後女性において乳癌を防ぐにすぎないことを示した最近の研究に由来する。
エストロゲン受容体の構造:SERMがER陽性腫瘍でのみ作用するという事実は、それらがその保護効果を乳房で発揮するためにはエストロゲン受容体と相互作用することを必要とすることを示す。これらは、ステロイド核内受容体スーパーファミリーのメンバーである2つの公知のエストロゲン受容体ERαおよびERβである。ERαは1986年に初めてクローン化されたが、驚くべきことに、約10年後、第二のERが発見され、ERβと命名された。ERαは595アミノ酸を含むが、ERβは530アミノ酸を含む。いずれの受容体も、3つの別のドメインから構成されるモジュラータンパク質である。アミノ末端ドメイン(A/Bドメイン)は、ERαとERβとの間でわずかに15%の相同性を示す最小保存領域である。この領域は、エストラジオールの非存在下で遺伝子転写活性化を活性化し得る活性化機能(AF−1)を有する。ERの中心部は、標的遺伝子のプロモータ中に位置する3つのヌクレオチドにより分離された反転パリンドローム反復配列に結合した2つの亜鉛フィンガーモチーフを含む。ERαおよびER□におけるDNA結合領域(DBD)は、実質的に同一であり、95%の相同性を示す。カルボキシ末端領域は、いくつかの必須の機能を実行するリガンド結合領域(LBD)を含む。LBDは、エストロゲン性物質が結合する大きな疎水性ポケットを形成する領域、およびER二量体形成に関与する領域を含む。LBDはまた、共制御タンパク質と相互作用する第2の活性化機能(AF−2)も含む。AF−2は、エストロゲンの活性化および遺伝子転写の抑制の両方に必要とされる。ERαおよびERβのLBDは、わずかに約55%相同性である。ERαおよびERβのLBDのアミノ酸組成物における著しい差が発展して、別の転写性役割を有するERを創製し得たのかもしれない。このことは、ERαおよびERβが異なる遺伝子の活性を調節し、かつ異なる生理学的効果を誘発することを可能にするであろう。この意見は、ERαおよびERβノックアウトマウスの研究により裏づけられる。例えば、ERαノックアウトマウスは、原始的な乳房および子宮の発生を有するが、ERβノックアウトマウスは、正常な乳腺および子宮を発生する。これらの知見は、ERαのみがこれらの組織の発生に必要とされることを実証する。さらに、我々は、活性化遺伝子においてERαがERβよりも有効であるが、抑制された遺伝子転写では、ERβがERαよりも有効であることを確立した。
エストロゲンの作用の機構:エストロゲンは、遺伝子転写を活性化もしくは抑制し得る。遺伝子転写の活性化のための2つの特徴的な経路である古典的ERE(エストロゲン応答因子)経路およびAP−1経路が存在する。エストロゲンが遺伝子の転写を制御するために必要な少なくとも3つの必須成分:ER(ERαおよび/もしくはERβ)、標的遺伝子中のプロモーター領域および共制御タンパク質が存在する。エストラジオールのERへの結合は、立体構造の変化をもたらし、その結果、転写性経路を惹起するいくつかの重要な段階が得られる。第一に、EのERとの相互作用は、シャペロンタンパク質の解離をもたらす。これはERの二量体形成表面およびDNA結合領域を曝露する。シャペロンタンパク質の損失は、ERが二量体化して標的遺伝子のプロモーター領域中のEREと結合することを可能にする。
第二に、Eの結合は、ERのLEDのヘリックス12を移動させて、ERのAF−2機能を構築する表面を創製する。AF−2は、ERのヘリックス3、5および12から構成される保存された疎水性ポケットからなり、これらは共に、ステロイド受容体活性化補助因子−1(SRC−1)もしくはグルココルチコイド受容体相互作用タンパク質1(GRIP1)などのコアクチベータタンパク質(活性化補助因子)のp160クラスの結合表面を形成する。活性化補助因子(「共調節因子」としても知られる)は、AF−2のヘリックスに囲まれた疎水性間隙内に突出したLXXLLから構成されるいくつかの反復アミノ酸モチーフを含む。活性化補助因子は、ヒストンアセチラーゼ活性を有する。遺伝子活性化は、ERおよびコアクチベータタンパク質がDNAに結合したヒストンタンパク質のアセチル化を引き起こすERE上で複合体を形成した後に起こると考えられている。ヒストンのアセチル化は、クロマチン構造を変化させ、その結果、ER/共調節因子複合体は、標的遺伝子のTATAボックス領域で構築されるEREと基礎の転写性タンパク質の間で橋を形成(架橋)して遺伝子転写を開始し得る。
SERMのERE経路への効果:エストロゲンとは異なり、SERMはERE経路を活性化しない。代わりに、SERMはエストロゲンのERE経路への効果を競合的に阻害する。エストロゲンと同様に、SERMはERαおよびERβに高親和性で結合し、かつ、シャペロンタンパク質の解離、ER二量体形成およびERのEREへの結合を引き起こす。従って、SERMの拮抗作用は、ERのプロモーター領域への結合から遠い段階で起こる。SERMの拮抗作用の分子機構は、ERαおよびERβのLBDの結晶化により解明された。E、タモキシフェンおよびラロキシフェンが同じ結合ポケットに結合することは、ER LBDの構造から明らかである。しかしながら、タモキシフェンおよびラロキシフェンは、Eに存在しないかさ高い側鎖を含む。ERのX線構造により、SERMのかさ高い側鎖がLBDの移動を妨げ、これによって機能的AF−2表面の形成が防止されることが明らかとなった。注目すべきは、SERMが、LXXLLモチーフと同様に、ヘリックス12中のERα配列(LXXML)に結合する場合、AF−2表面の疎水性間隙と相互作用して活性化補助因子認識部位を閉鎖することである。従って、エストロゲンとは異なり、SERMは機能的AF−2表面を創製しない。これは、共活性化因子の結合を防止する。共活性化タンパク質はSERMの存在下でAF−2表面に結合しないので、活性化経路は急激に停止する。活性化補助因子を補充する代わりに、SERMでリガンド化したERは、N−CoRなどの共抑制因子を補充する。
これらの研究は、SERMの拮抗特性が少なくとも3つの因子に起因することを実証する。第一に、SERMはエストロゲンと同じ結合ポケットに結合し、それらのERへの結合を競合的に阻害する。第二に、SERMは、ERが、ERE経路の転写活性化に必要とされるコアクチベータタンパク質と相互作用することを防止する。第三に、SERMは、共抑制因子を補充し、これによって遺伝子の転写活性化が防止される。これらのSERMの作用は、ラロキシフェンおよびタモキシフェンが乳房細胞中でどのように拮抗物質として作用して乳癌の発症を抑制するのかを最適に説明する。
SERMはまた、AP−1因子を有する遺伝子の活性化でEよりも有効である。実際には、Eは、AP−1因子のSERM媒介活性化の拮抗物質である。SERMは、AP−1経路を活性化することにより、骨および子宮内膜などの組織において刺激薬の作用を示すと仮定されてきた。興味深いことに、SERMは、ERβの存在下でのAP−1経路の活性化においてより強力であるが、このことは、SERMが、ERβに富む組織内でAP−1経路をより有効に誘発することを示す。エストロゲンが媒介する乳房の発癌におけるAP−1経路の役割は不明である、なぜなら、エストロゲンは、AP−1経路の活性化において、SERMと比較してずっと弱いからである。しかしながら、AP−1経路は、乳腺腫瘍におけるタモキシフェンへの抵抗性に関与し得ることが提唱されてきた。
本発明の態様に従って、以下のことを実証する研究がなされた。ERβは、ERE−tkLucの活性化においてERαより弱い。ERβは、TNF−RE−tkLucの抑制においてERαよりも有効であり、かつ、ERβは、ERαが媒介するERE−tkLucの転写活性化を抑制する。詳細な実験は、本明細書中の以下の実施例の章で考察する。
本発明は、マメ科ファミリーの分類学的種キバナオウギの抽出物を含む植物抽出物組成物を提供する。「抽出物」は、1つもしくはそれ以上の化学的化合物を植物物質から抽出媒体に引き込むのに適切な条件下で抽出媒体(溶媒)を植物物質と接触させて、抽出溶液を形成することにより調製される物質の組成物である。次いで、抽出溶液は植物物質から分離され、必要に応じて希釈もしくは減少されて、抽出物を形成する。
本発明の抽出物は、植物物質であるマメ科ファミリーの植物種キバナオウギから得られる植物化学物質を含む。植物物質は、本明細書中の以下でさらに定義される。
マメ科ファミリーのキバナオウギ種は、様々に、goat’s horn、goat’s thorn、green dragon、gum dragon、gum tragacanthae、gummi tragacanthae、Huang Qi、locoweed、membranous milk vetch、milk vetch、Mongolian milk、Mongolian milk vetch、Syrian tragacanth、yellow vetchとも呼ばれる。マメ科ファミリーのキバナオウギは、草本性の多年生低木である。これは、一般に、40〜80cmの高さまで成長する。これは、12〜18対の小葉から構成される葉を有する有毛基部を有する。1つの植物は、20もの小葉対を有する。この植物は、小さな黄色い花をつける。多様な栽培品種が入手可能であり、通常は種苗会社などの市販の供給源から得られ得る。
抽出媒体は、酢酸エチル、水もしくはエタノールなどの適切な液体溶媒である。抽出媒体は、いくつかの場合には、酢酸エチル、水、エタノールもしくは他の比較的極性の溶媒である。いくつかの場合、抽出媒体は、希釈もしくは還元されるかのいずれかである。抽出媒体は完全に還元され得、それによって、抽出物は残渣の形態をとる(残渣抽出物)。従って、抽出物は、必要に応じて溶媒に溶解された最小限の1つもしくはそれ以上の植物から誘導される化合物(植物化合物)を含む。還元したもしくは残存した抽出物は、再形成された抽出物を形成するために、適切な希釈剤、例えば、酢酸エチル、水および/もしくはエタノールを添加することにより再形成され得る。
いくつかの実施形態では,植物抽出物を含む組成物には、純粋な抽出物もしくは分配された抽出物(抽出物中の1つもしくはそれ以上のエストロゲン活性化合物が濃縮された抽出物を含む)および当該抽出物の組み合わせを、1つもしくはそれ以上の追加の成分と共に含む。いくつかの実施形態では、組成物は、固体、半流動性、液体、コロイド状などを含む種々の物理的型を含む。組成物が医薬用途を意図する場合、追加の成分は医薬上許容され得る。本発明の組成物が生体に指向されないアッセイもしく他の使用を意図する場合、追加の成分は、医薬上許容され得るか、され得ないかのいずれかであり得る。
いくつかの実施形態では、純粋な抽出物は、1つもしくはそれ以上の有機溶媒と併用され得る。このような有機溶媒は、多様な極性のものであり得る。いくつかの実施形態では、適切な溶媒には、エチル酢酸エチル(ethyl ethyl acetate)、アセトニトリル、ヘキサン、(C−C)アルコール(例えばメタノール、エタノール、i−プロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、s−ブタノール、i−ブタノールなど)、クロロホルム、アセトン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、石油エーテル、ならびに医薬上許容され得るものおよびヒトが消費するのに一般に安全と認められる(generally regarded as safe)(GRAS)ものなどの他の溶媒が挙げられ得る。
いくつかの実施形態では、組成物は、純粋な抽出物、または抽出物と1つもしくはそれ以上の付加的な溶媒との組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、抽出物は、分配されたもしくはさらに精製された抽出物を含む。分配もしくは精製は、クロマトグラフィーなどの種々の分離技術を用いて行われ得る。いくつかの実施形態では、抽出物は、さらに抽出物中で活性化薬剤を濃縮するための陰イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、順相クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーもしくは排除クロマトグラフィーにより得られる精製もしくは分配された抽出物である。いくつかの実施形態では、精製もしくは分配された抽出物は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの液体クロマトグラフィーの1つもしくはそれ以上の段階により得られ得る。いくつかの実施例では、高速液体クロマトグラフィーは、分取スケール高速液体クロマトグラフィーである。いくつかの実施形態では、HPLCは、逆相もしくはイオン交換クロマトグラフィーである。分液漏斗もしくは他の二相または多相分離機構での分離などの他の分離手段もまた、抽出物を精製もしくは分配するのに用いられ得る。いくつかの実施形態では、精製もしくは分配抽出物は、1つまたはそれ以上の溶媒、希釈液などの追加の活性もしくは不活性成分と併用され得る。いくつかの実施形態では、適切な溶媒には、酢酸エチル、アセトニトリル、ヘキサン、(C−C)アルコール(例えばメタノール、エタノール、i−プロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、s−ブタノール、i−ブタノールなど)、クロロホルム、アセトン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、石油エーテル、ならびに医薬上許容され得るものおよびヒトが消費するのに一般に安全と認められる(GRAS)ものなどの他の溶媒が挙げられ得る。
適切な追加の成分には、溶媒が挙げられる。溶媒は、医薬上許容され得るおよび医薬上許容され得ない溶媒に細分類され得る。この状況において、いくつかの医薬上許容され得る溶媒は注射用水(WFI)を含み、これはpH調整され得るおよび/もしくは予め選択されたpHもしくはpH範囲、例えば約2〜約8、より詳細には約4.0〜約7.5、およびさらにより詳細には約4.9〜約7.2に緩衝化され得ることが理解される。
医薬上許容され得る溶媒は、さらに、1つもしくはそれ以上の医薬上許容され得る酸、塩基、塩、もしくは担体、賦形剤などの他の化合物を含み得る。医薬上許容され得る酸には、HCl、HSO、HPO、安息香酸などが挙げられる。医薬上許容され得る塩基には、NaOH、KOH、NaHCOなどが挙げられる。医薬上許容され得る塩には、NaCl、NaBr、KClなどが挙げられる。酸および塩基は、医薬上許容され得る溶液を、特定の予め選択したpH、詳細には約2〜8の範囲のpH、より詳細には約5.0〜約7.2の範囲内のpHに緩衝化するのに適した比率で添加され得る。
本発明の植物抽出物は、エストロゲン応答因子(ERE)の制御下で、遺伝子のエストロゲン活性化を提供する。従って、いくつかの細胞において、本発明の植物抽出物は、エストロゲン性を有する−すなわち、EREおよびER(ERα、ERβもしくは両方)を含む細胞を本発明の植物抽出物と接触させると、ERE制御下で遺伝子に刺激を引き起こす。インビトロ細胞系では、本発明のエストロゲンの植物抽出物によるERE媒介活性化は、EREに作動可能に連結した遺伝子の発現をもたらす。特定の実施形態では、最小チミジンキナーゼプロモータおよびルシフェラーゼ遺伝子に連結したEREとERとのエストロゲン相互作用は、ルシフェラーゼ発現の増強をもたらす。従って、本発明の植物抽出物は、ルシフェラーゼなどのレポーター遺伝子に作動可能に連結したERE含有プロモータを有するERα+株化細胞、ERβ+株化細胞および/もしくはERα+/ERβ+株化細胞を同定するのに用いられ得る。本発明の植物抽出物はまた、ER+株化細胞においてエストロゲン性作用を有する化合物を同定するための、標準などのアッセイ試薬として用いられ得る。
1つのこのようなアッセイ方法において、本発明の植物抽出物を、まず、公知の活性もしくは濃度で調製する。本発明の植物抽出物の定量は、容器の風袋を量り、既知容積の植物抽出物を容器に量り取り、植物抽出物を蒸発もしくは凍結乾燥で減少させて残渣を得、容器および植物抽出物の質量を得ることにより、簡便に行われる。容器+植物抽出物と風袋質量間との質量の差は、植物抽出物の乾燥質量である。植物抽出物の容積に対する植物抽出物の乾燥質量の比は、体積当たりの濃度である。植物抽出物は、その濃度を特定するための上記定量法の結果を用いて、その最初の形態で用いられ得る。残渣はまた、水もしくは他の適切な溶媒系の添加により再構成されて、既知濃度の植物抽出物溶液を形成し得る。
一旦植物抽出物の濃度が知られると、検量線を調整する。通常、ER+細胞を植物抽出物と接触させ、エストロゲン活性に関連するシグナルが記録される。特に、ER+細胞は、EREの制御下でレポーター遺伝子を有する。このER+細胞を本発明の植物抽出物と接触させると、添加した植物抽出物の量に比例してレポーターシグナルを引き起こす。この工程は、同じ植物抽出物濃度、異なる植物抽出物濃度、もしくは両方で、複数の試料を用いて行われ得る。例として、9つの試料が試験され得る。最初の3つは最初の濃度で、次の3つは最初のものより半対数分濃度が高く、次の3つは最初のものより全対数分濃度が高い。次いで、レポーターシグナルを観察および記録し、得られたデータ点(植物抽出物濃度対レポーターシグナル強度)を、通常のカーブフィッティング方法(例えば、最小二乗法)により検量線にフィットさせる。
候補化合物のエストロゲン性作用を評価するため、候補化合物を、EREの制御下でレポーター遺伝子を有するE+細胞と接触させる。レポーター遺伝子シグナルを観察し、検量線と比較して、候補化合物の相対的エストロゲン性作用を定量する。
先の方法で用いたER+株化細胞は、例えば、ヒト由来ER+乳房細胞癌株化細胞などの、ERを自然に発現する株化細胞であり得る。いくつかの実施形態では、ER+組織は、例えば、不死化骨髄もしくは乳房株化細胞などの不死化ヒト株化細胞である。例示的な株化細胞には、ヒト単球、骨芽細胞、悪性乳房カルシノーマおよび不死化上皮性乳房株化細胞が挙げられる。言及され得る特定の株化細胞には、U937、U2OS、MDA−MB−435およびMCF−7株化細胞が挙げられる。不死化株化細胞などの他のER+株化細胞もまた用いられ得る。あるいは、ER+株化細胞は、ER発現ベクターで形質転換された、バクテリア株化細胞などのERを自然に発現しない株化細胞であり得る。
ER+株化細胞は、レポーター遺伝子を制御するEREを含むプロモータを有するベクターで形質転換される。例えば、ベクターは、ERE、最小チミジンキナーゼプロモータ(tk)およびルシフェラーゼ遺伝子(Luc)を含むウイルスベクターであり得る。例示されるERE−tk−Luk構築物は、配列番号1に記載され、ここで、EREは、ヌクレオチド1−により表され、tkはヌクレオチドnn−により表され、かつ、Lukは、ヌクレオチドmm−により表される。構築物を公知の方法で標的細胞に形質移入し、ER−ERE−tk−Lukシステムの発現を、例えば、既知量のEの存在下、推定上のER+細胞上で上記アッセイを行うことにより確認する。ER+細胞の首尾良い形質転換を検証するための他の方法には、公知のER抗体での免疫染色が挙げられる。
ERE含有プロモータは、ERE配列およびプロモータ配列を含むDNAである。プロモータ配列は、最小チミジンキナーゼ(tk)プロモータ配列などの当該分野で公知のプロモータ配列である(配列番号1、ヌクレオチドnn−を参照)。他のERE含有プロモータも可能であり、本発明の範囲内である。EREおよびプロモータ配列は共に作動して、レポーター遺伝子の発現を調節する。本明細書中に記載のように、エストロゲン性物質(例えば、植物抽出物もしくはE)はERに結合してER二量体を形成し、AF−2表面を形成する。次いで、ER二量体はEREに結合し、プロモータの制御下で遺伝子を活性化する。いくつかの実施形態では、EREは、プロモータの直接的に上流にあり(5’−to)、それにプロモータが直接的に結紮する。例えば、ERE−tkプロモータ構築物は配列番号1、ヌクレオチド1−nn−lに示される。
レポーター遺伝子は、発現するときに、検出可能なシグナルを生じる遺伝子である。ルシフェラーゼ遺伝子は適切なレポーター遺伝子である。なぜなら、これは、単独の試薬ルシフェリンの存在下で検出可能な光シグナルを生じるタンパク質ルシフェラーゼを生じるからである。特に、ルシフェラーゼ遺伝子のcDNAは、発現して62kDaの酵素タンパク質であるルシフェラーゼを産生する。ルシフェラーゼ酵素は、Mg2+および酸素の存在下でルシフェリンとATPとの反応を触媒して、オキシルシフェリン、AMP、ピロリン酸(PPi)を形成し、かつ、発光する。発光した光は、黄色−緑色(560nm)であり、標準的な光度計により容易に検出され得る。ATP、OおよびMg2+は細胞内に既に存在するので、このレポーター遺伝子は、検出可能なシグナルを生じるのに試薬ルシフェリンの添加のみを必要とし、特に本発明のアッセイへの使用に非常に適している。当該分野で利用可能であると言及され得る他のレポーター遺伝子には、クロラムフェニコールトランスアセチラーゼ(CAT)、ネオマイシンホスホトランスファーゼ(neo)およびβグルクロニダーゼ(GUS)が挙げられる。
本発明のいくつかのアッセイ方法では、標準的な植物抽出物を、SERMなどの1つもしくはそれ以上のエストロゲン性物質と比較することによりさらに特徴づけることが有用である。このようなアッセイ方法は、方法の適切な部分で標準的なエストロゲン性物質および/もしくはSERMを植物抽出物に置き換えて、実質的に上述したとおりに行われる。
本発明の植物抽出物はまた、TNF RE−媒介経路による遺伝子発現を抑制する。いくつかの場合には、本発明の植物抽出物は、インビトロで、特にTNF REの調節下、レポーター遺伝子(例えば、ルシフェラーゼ遺伝子、Luc)を有する細胞内で遺伝子発現を抑制する。いくつかの場合には、本発明の植物抽出物は、単球およびマクロファージにより主に産生されるサイトカインであるTNF−αの発現を抑制する。このサイトカインは、様々な組織内の滑膜細胞およびマクロファージ内で見出され、関節リウマチ(RA)に強く関与してきた。TNF−αはまた、他の炎症性疾患においても発現し、かつ、細菌由来の内毒素への応答としても発現する。TNF RE抑制因子経路を経由するTNF発現の抑制因子として、本発明の植物抽出物は、上昇したレベルのTNFに関連する炎症性障害の治療において興味深い。
本発明のいくつかの実施形態では、TNF REの制御下でERαおよびERβの一方もしくは両方、ならびにレポーター遺伝子を発現する株化細胞が調製される。TNF REは、一般にレポーター遺伝子の上流(5’−to)であり、シグナル検出は、本明細書中で上記したとおりに行われる。TNF REの制御下でレポーター遺伝子、この場合はルシフェラーゼ遺伝子を有するDNAの配列を、配列番号2に記載する。ヌクレオチド1はTNF REに対応し、一方、ヌクレオチドnn−はルシフェラーゼ遺伝子に対応する。
上記細胞TNF RE含有細胞系は、さらに、ER遺伝子−すなわち、ERα、ERβもしくは両方の1つもしくはそれ以上のコピーを含む。上記方法で用いられるER+株化細胞は、ヒト−由来ER+乳房細胞癌株化細胞などのERを自然に発現する株化細胞であり得る。いくつかの実施形態では、ER+組織は不死化ヒト株化細胞、例えば不死化骨髄もしくは乳房株化細胞である。例示的な株化細胞には、ヒト単球、骨芽細胞、悪性乳癌および不死化上皮性乳房株化細胞が挙げられる。言及し得る特定の株化細胞には、U937、U2OS、MDA−MB−435およびMCF−7株化細胞が挙げられる。不死化株化細胞を含む他のER+株化細胞もまた用いられ得る。あるいは、ER+株化細胞は、ER発現ベクターで形質転換された細菌性株化細胞などの、ERを自然に発現しない株化細胞であり得る。
所定量のルシフェリンの存在下、および、例えば、Eもしくは本発明の植物抽出物などのエストロゲン性物質の非存在下で、細胞系は、「制御強度」もしくは「ベースライン強度」と呼ばれる強度で、黄色光(560nm)を発光する。560nmでの発光は、光学濃度単位(O.D.560nm)で簡便に定量される。エストロゲン性物質、例えばEもしくは本発明の植物抽出物の1つを添加すると、560nmの発光の強度は、対照と比較して減弱する。注目すべきは、タモキシフェンもしくはラロキシフェンなどのSERMの存在下で、ルシフェラーゼ発現は増加し、かつ560nm発光強度もまた増加することである。従って、本発明の植物抽出物は、遺伝子発現のエストロゲンのTNF REに制御された抑制を誘発することが可能である。
TNF RE含有細胞系は、本発明のアッセイ方法に用いられ得る。本発明のアッセイ方法において、ルシフェラーゼ活性の減弱(すなわち、560nmの光の減少した発光)は、高エストロゲン性活性と相関するが、ルシフェラーゼ活性の活性化(すなわち、560nmでの発光の増加)は、抗エストロゲン性活性と相関する。検量線は、本明細書中に記載のように、既知量の本発明の植物抽出物を用いて作成され得る。このような検量線は、Eもしくはいくつかの他の公知のエストロゲン性物質、および/またはタモキシフェンもしくはラロキシフェンなどの抗エストロゲン性SERMなどの他の公知のエストロゲン性もしくは抗エストロゲン性標準を用いて、さらに増加され得る。
次いで、形質転換されたE+株化細胞由来の細胞を候補化合物に曝露し、ルシフェラーゼシグナルを観察し、そして、シグナルを、本明細書に記載のように、予め調製した検量線と比較する。対照(ベースライン)と比較してルシフェラーゼ活性の増加を引き起こす化合物は、抗エストロゲン性SERMとして特徴づけられ、一方、対照に対してルシフェラーゼ活性の減少を引き起こす化合物は、エストロゲン性であると分類されるであろう。次いで、エストロゲン性もしくは抗エストロゲン性効果は、ルシフェラーゼ発現の減少もしくは増加の程度を、本発明の植物抽出物によってもたらされた減少に対して、ならびに必要に応じてE、タモキシフェンおよび/もしくはラロキシフェンによりもたらされたそれぞれのシグナルの減少もしくは増加に対して比較することによって、定量され得る。
本発明の植物抽出物組成物はまた、E−ERのEREとの相互作用を拮抗する。特に、マメ科ファミリーのキバナオウギの抽出物は、ERβおよびERαと直接的に相互作用することにより、EによるERE−tk−Lucの活性化を拮抗することが示された。ERE制御遺伝子のE−ER活性化の拮抗物質として、本発明の植物抽出物組成物は、乳癌および子宮癌に対して予防的、対症的および/もしくは抗増殖性活性を有するタモキシフェンと効果が同等であると考えられる。
本発明は、本発明の組成物を用いるインビボでのエストロゲン性方法を提供する。通常、インビボでの方法は、対象においてエストロゲン性作用をもたらすのに十分な量の植物抽出物を対象に投与することを含む。インビボ方法は、エストロゲンERE制御遺伝子活性化、TNF RE制御遺伝子抑制(例えばTNF−α抑制)もしくは両方を生じるであろう。従って、インビボ方法は、インビボで異なる陽性表現型の効果を生じるであろう。
対象は、マウス、ラット、ウサギ、サル、チンパンジー、イヌ、ネコもしくはヒツジなどの哺乳動物であり得、一般に雌性である。対象はまた、ヒト、特にヒトの女性であり得る。いくつかの実施形態では、対象は、閉経後もしくは卵管卵巣摘出後の(oophorectomic)雌性であり、かつ、エストロゲン治療が必要である。このような場合、対象は、のぼせ症、不眠、腟乾燥、性欲減退、尿失禁および抑鬱などの更年期症候に罹患し得る。他のこのような場合、対象は、骨粗鬆症に感受性であるか、もしくは罹患し得る。適切なインビボ方法には、エストロゲン置換療法に反応性の医学的徴候の治療および/もしくは予防が挙げられる。
本発明の組成物の投与は、1つもしくはそれ以上の植物抽出物が一般的に用いられる投与経路により標的組織に利用可能である限り、当該経路によるであろう。言及され得るいくつかの一般的な投与経路には、経口、経鼻、頬側、経直腸、経腟および/もしくは局所(経皮)が挙げられる。あるいは、投与は、正所性、皮内、皮下、筋肉内、腹腔内もしくは静脈内注射であり得る。このような組成物は、通常、上記の医薬上許容され得る組成物として投与されるであろう。
疾患、障害、症候群、症状もしくは症候の治療(およびその文法的変形−例えば、治療する、治療するための、治療すること、治療されたなど)には、臨床医がこのような治療を受けるべき対象を同定し、対象に本発明の組成物を投与するであろう工程を含む。従って、治療は、本発明のエストロゲン性植物抽出物を対象に投与することにより、回復、緩和、改善、除去、治癒される可能性がある疾患、症候群、症状もしくは症候を診断することを含む。治療はまた、疾患、障害、症候群、症状もしくは症候の同時の回復、緩和、改善、除去もしくは治癒を含む。いくつかの実施形態では,治療は、疾患、障害、症候群、症状もしくは症候の発症の予防もしくは遅延(すなわち予防法)、疾患、障害、症候群、症状もしくは症候の進行の予防もしくは遅延、および/または疾患、障害、症候群、症状もしくは症候の重症度の減少を意味する。特に、新生物の増殖の場合、治療は、緩和、ならびに新生物の増殖の逆転、停止もしくは遅延を含む。これに関し、治療はまた、完全および部分寛解を含む寛解を含む。更年期症状の場合、治療は、多様な症状の予防および緩和を含む。
疾患、障害、症候群、症状もしくは症候の予防(およびその文法的変形)は、当該疾患、障害、症候群、症状もしくは症候を発症するリスクのある対象を同定すること、および当該対象に、当該疾患、障害、症候群、症状もしくは症候を取り除くもしくは開始を遅延する可能性を有するに十分な量の本発明の植物抽出物を投与することを含む。いくつかの場合は、予防は、臨床医が医療の適格な標準を適用してホルモン補充療法が必要と考える閉経後女性を同定すること、および本発明の植物抽出物を女性に投与することにより、1つもしくはそれ以上の更年期症状を阻害もしくは遅延することを含む。いくつかの実施形態では、骨粗鬆症の予防は、臨床医が医療の適格な標準を適用して骨粗鬆症を発症するリスクがあると考える閉経後女性を同定し、および本発明の植物抽出物を女性に投与することにより、骨量減少の開始を阻害もしくは遅延することを含む。
緩和は、疾患、障害、症候群、症状もしくは症候の出現の重症度、数および/もしくは頻度を減少させることを含む。更年期症状の緩和は、のぼせ症、不眠、失禁、抑鬱などの頻度および/もしくは重症度を減少させることを含む。
骨粗鬆症の治療は、閉経後女性などの骨量減少のリスクのある人物を同定すること、および本発明の植物抽出物を女性に投与することによって、骨損失の重症度を減少させるか、発症を遅らせるか、または防止することを含む。いくつかの実施形態では、骨粗鬆症の治療はまた、骨量を増加することも含む。
本発明は、さらに、本発明のマメ科ファミリーのキバナオウギの抽出物を製造する方法を提供する。本発明は、具体的には、本発明のエストロゲンの植物抽出物を製造する方法を提供する。この方法は、マメ科ファミリーのキバナオウギ種の植物から一定量の植物物質を得ること、必要に応じて植物物質を粉砕すること、当該植物物質を抽出媒体と接触させること、および当該植物物質を抽出媒体から分離することを含む。
いくつかの実施形態では、植物種は、マメ科ファミリーのキバナオウギの多様な栽培品種であるマメ科ファミリーのキバナオウギ種の植物種のものである。
植物物質は、マメ科ファミリーのキバナオウギ種由来の少なくとも1つの植物の任意の部分(単数もしくは複数)を意味する。植物物質は、植物全体、または根、樹皮、木材、葉、花卉(すなわち、萼片、花弁、雄蕊、雌蕊などの花卉)、果実、種子および/もしくは上記のいずれかの部分もしくは混合物などの植物の任意の部分(単数もしくは複数)である。植物物質は、剪定したばかりのもの、乾燥したもの(凍結乾燥したものを含む)、凍結したものなどであり得る。植物物質はまた、全部であり得るかもしくはより小さい部分に分解され得る。例えば、葉は叩き切られるか、細断されるか、もしくは粉砕され得る。根は叩き切られるかもしくは粉砕され得る。果実は叩き切られるか、スライスされるかもしくは混合され得る。種子は叩き切られるかもしくは粉砕され得る。基部は細断されるか、叩き切られるかもしくは粉砕され得る。本発明の特定の実施形態では、用いられる植物部分は、マメ科ファミリーのキバナオウギの葉である。
本発明の植物抽出物組成物は、マメ科ファミリーのキバナオウギの少なくとも1つの抽出物を含む。「抽出物」は、植物部分を、植物由来の1つもしくはそれ以上の化合物が植物物質から抽出溶媒に分配されるのに適した条件下で抽出溶媒と接触させ、次いで、溶液を必要に応じて減少させて濃縮物もしくは残渣を形成させたときに生じる溶液、濃縮物もしくは残渣である。
本発明に適した抽出媒体には、水およびエチルアルコールが挙げられる。具体的には、水が抽出溶媒である場合、精製水が適している。精製水には、蒸留水、脱イオン水、注射用水、限外濾過水および水の他の精製形態の水が挙げられる。本発明のいくつかの実施例で用いられるエチルアルコールは、粒子状エタノール、特に未変性エタノール(例えば、必要に応じていくらかの水、例えば、約10%までの水を含む純粋な粒子エタノール)である。いくつかの実施形態では、抽出溶媒は、水、エタノールもしくはその混合物である。濃縮物もしくは残渣は、抽出溶液を減少させる(例えば、蒸発または凍結乾燥させる)ことにより調製され得る。最初の抽出溶媒、減少させた濃縮物もしくは残渣の形態のいずれにおいても、これらの調製物のそれぞれは、本発明の目的のための「抽出物」であると考えられる。
本発明の植物抽出物を製造する方法は、必要に応じて、その表面積−体積比を増加させ、かつ同時に抽出プロセスの効率を増加させるために、最初に植物物質を粉砕することを含む。植物物質を粉砕する方法には、粉砕、叩き切り、混合、細断、微粉砕、粉末化などが挙げられる。
次いで、抽出媒体(溶媒)を、1つもしくはそれ以上の植物化学物質、特にエストロゲン性植物化学物質を植物物質から抽出溶媒へ分配させるのに適した条件下で、植物物質を接触させる。このような条件には、いくつかの場合、抽出媒体を室温を超える温度に加熱すること、撹拌、接触時間などが挙げられる。抽出のための例示的な温度は、約50℃〜抽出溶媒の沸点である。水が抽出溶媒である場合、抽出温度は、一般に室温〜約100℃であり、約50℃〜約80℃の温度が特に適しており、約75℃の温度が特に適している。抽出溶媒としてのエタノールの場合、抽出温度は、一般に約室温〜約78.5℃であり、約50℃〜約78℃の温度が特に適しており、約75℃の温度が特に適している。当業者は、一方では抽出効率と他方では植物化学物質の安定性との間で、適切なバランスをとるべきであることを認識するであろう。
抽出媒体および植物物質が一旦組み合わされると、それらは必要に応じて、植物物質から抽出媒体へのエストロゲン性化合物の効率的な交換を確実にするために攪拌され、かつ、有用な量の植物化学化合物を植物物質から抽出媒体へ抽出するのに十分な時間にわたって接触したまま放置される。このような時間が経過した後(例えば、約5分〜約10時間、より詳細には約10分〜約5時間、特に約30分〜約2時間)、植物化学化合物を含む抽出媒体を植物物質から分離する。このような分離は、当該分野で認識されている方法、例えば、濾過、デカンテーションなどにより達成される。
本発明の組成物は、本発明の植物抽出物、もしくは本発明の植物抽出物を含む組成物を含む。このような実施形態では、本発明の組成物は、必要に応じて、1つもしくはそれ以上の追加の成分を含むであろう。このような追加の成分は、不活性もしくは活性であり得る。不活性成分には、溶媒、賦形剤および他の担体が挙げられる。活性成分には、活性医薬成分(API)が挙げられ、本発明の植物抽出物との組み合わせで相乗的活性を示すものを含む。
実施例
本発明は、以下の例示的かつ非限定的な実施例を参照することにより、より十分に認識され得る。
ERβは、ERE−tkLucの活性化においてERαより弱い:Eの転写活性化への効果を、ルシフェラーゼレポーターcDNAに連結した最小チミジンキナーゼ(tk)プロモータの古典的ERE上流を含むプラスミド、およびERαもしくはERβの発現ベクターを形質移入することにより検討した。Eは、ヒト単球U937細胞において、ERαの存在下で、ERβと比較して10倍大きいEREの活性化を生じたが、
EC50値は同程度であった。
ERβは、TNF−RE−tkLucの抑制においてERαよりも有効である:次いで、EのERαおよびERβ媒介転写抑制への効果の効果を、腫瘍壊死因子応答因子(TNF−RE)として知られるTNF−αプロモータの−125〜−82領域を用いて比較した。TNF−αは、tkプロモータ(TNF−RE tkLuc)のTNF−RE(−125〜−82)上流の3つのコピーの5〜10倍の活性化を生じる。Eは、ERαおよびERβの存在下で、TNF−RE tkLucのTNF−α活性化を60〜80%抑制する。しかしながら、ERβは、抑制においてERαよりも約20倍有効である(それぞれ、ERβについて15pMに対し、ERαについて241pMのIC50)。ERβは、未変性の−1044〜+93のTNF−αプロモータの抑制においてERαよりも有効であることもまた確立された。従って、ERαは、転写活性化においてERβよりもずっと有効である一方、ERβは転写抑制においてERβよりも有効である。Eとは対照的に、抗エストロゲン剤であるタモキシフェン、ラロキシフェンおよびICI182,780は、TNF−RE tkLucの2倍の活性化を生じた。さらに、これらの抗エストロゲン剤は、Eにより誘発される抑制を無効にする。
ERβはERE−tkLucのERα媒介転写活性化を抑制する:驚くべきことに、ERαもしくはERβをU937細胞中で同時発現させた場合、ERαによる活性化は著明に抑制される(図1)。これらのデータは、ERβがERE−tkLucのERα活性化に抑制的効果を発揮することを示す。同様の結果は、乳癌株化細胞MDA−MB−435(図2)中で観察された。他の研究者は、ERβの異なる細胞型のERαトランス活性化への同様の抑制効果を確立した。これらの研究は、ERαおよびERβのERE−tkLucでの異なる活性化およびERβのERα媒介転写への抑制効果は細胞型に特異的ではなく、ERの内因性性質から生じるものであることを示す。ERαのERPによる抑制は、ERα/ERβヘテロ二量体の形成を必要とするが、これは、二量体形成を防ぐERβのヘリックス11における変異が、その抑制活性を抑制するからである(データは示さず)。
物質および方法:試薬。フェノールレッド非含有Dulbecco修飾Eagle培地/F−12 Coon修飾培地は、Sigma社から入手した。Biobreneは、Applied Biosystemsから購入した。U937株化細胞は、American Type Culture Collectionから入手した。ヒト組換え型TNF−αは、R&D Systemsから入手した。
プラスミドの構築。ヒトTNF−α遺伝子pLT由来のPstI〜AhaII断片(−1044〜+93)を、ルシフェラーゼcDNAの上流にクローン化した。5’欠失を、独特の制限部位(−125欠失についてApaI、および−82欠失についてStyI)を用いることにより構築した。−125〜−82[TNF応答性配列(TNF−RE)]由来のヒトTNF−αプロモータ断片の3つのコピーもしくはカエルビテロゲニンA2遺伝子(vitA2−ERE、5’−TCAGGTCACAGTGACCTGA−3’)由来のEREの1つのコピーを、ルシフェラーゼ(それぞれ、TNF−RE tkLucおよびERE TKLuc)に連結した−32〜+45単純ヘルペスチミジンキナーゼ(TK)プロモータの上流に結紮した。ERβ変異体を、QuikChange部位特異的変異誘発キット(Stratagene)を用いて、変異を含むオリゴヌクレオチドを用いることにより創製した。変異体をSequenaseキット(Amersham Pharmacia)を用いて配列決定することにより、変異の存在を検証した。
細胞培養、形質移入およびルシフェラーゼアッセイ−U937(ヒト単球)、U20S(ヒト骨肉腫)、MDA−MB−435(ヒト転移性乳癌)およびMCF−7(ヒト乳癌)細胞は、サンフランシスコのカリフォルニア大学(University of California)の細胞培養施設から入手した。U937細胞を、上記したように維持し、一方、U2OS、MDA−MB−435およびMCF−7細胞は、5%のウシ胎仔血清、2mMのグルタミン、50単位/mlのペニシリンおよび50μg/mlのストレプトマイシンを含むフェノールレッド非含有Dulbecco修飾Eagle培地/F−12培地中で維持および継代培養した。実験のため、細胞を回収し、キュベットに移し、次いで、Bio−Radジーンパルサーを用いて、3μgのレポータープラスミドおよび1μgのERαもしくはERβ発現ベクターを用いて、従来記載されたように電気穿孔した。電気穿孔法の後、細胞を培地中に再懸濁し、12穴マルチプレート中、1ml/皿で平板培養した。細胞を、E、ゲニステイン、ダイゼインもしくはビオカニンA(Sigma−Aldrich)で処理し、3時間後、5ng/mlのTNF−α(R&D Systems)に24時間、37℃で曝露した。細胞を、200μLの1×溶解緩衝液で可溶化し、ルシフェラーゼ活性を、市販のキット(Promega)を用いて決定した。ルシフェラーゼ活性の最大半量の誘導(EC50)もしくは抑制(IC50)を生じるのに必要とされるホルモンの濃度を、Prismカーブフィッティングプログラム(Graph Pad Software、バージョン2.0b)を用いて計算した。増殖の研究のため、親MCF−7細胞を、0.1nMのEの存在下、1細胞/穴でサブクローン化し、最も速く成長したクローンを実験のために選択した。これらの細胞は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法(逆転写PCR)により決定されるように、専らERαを発現する。細胞を、25,000細胞/35mmプレートの濃度で、3%の除去済(stripped)ウシ胎仔血清を含む組織培養培地中で複数回平板培養した。平板培養の1日後、それらを増加した濃度のEまたはゲニステインで処理した。培地を1日おきに取り替え、Eもしくはゲニステインを培地に加えた。8日後、細胞をCoulterカウンターで計数した。図面に示す全ての実験は、少なくとも3回行い、データは実験間で同等であった。
ユリ科ファミリーのマメ科ファミリーのキバナオウギの調製:マメ科ファミリーのキバナオウギの試料を、市販の電動式薬草粉砕機を用いて粉砕し、微粉末とした。5gを計り、a)50mlの100%EtOH、もしくはb)50mlの蒸留HOを75℃で45分煮た、中で抽出した。次いで、抽出物(aおよびb)をデカントし、可溶性物質のみを用いた。
結果:U2OS骨細胞中の選択的エストロゲン受容体調節活性を、ルシフェラーゼアッセイを用いて測定した。U20S骨肉腫細胞を、最小チミジンキナーゼ(tk)プロモータ(ERE−tk−Luc)の古典的ERE上流およびヒトERαもしくはERβの発現ベクターを用いて、同時形質移入した。ERβ、およびERαを有するERE−tk−Lucのマメ科ファミリーのキバナオウギでの活性化。ERβは、1μL/mlのマメ科ファミリーのキバナオウギでERE−tk−Lucの4.67倍の活性化を、また、ERαでは1μL/mlでERE−tk−Lucの4.03倍の活性化を生じた。これらの結果は、マメ科ファミリーのキバナオウギが、ERβと直接的に相互作用することによりERE−tk−Lucを活性化することを示す。
マメ科ファミリーのキバナオウギの転写抑制への効果を研究するため、TNF−αプロモータ(TNF−α応答配列(TNF−RE))の−125〜−82領域を用いたが、これは、この領域が、TNF−αの活性化およびEの抑制を媒介するからである。Eは、U2OS細胞において、形質移入されたERαもしくはERβのいずれかにより、最小tkプロモータ(TNF−RE tkLuc)のTNF−RE上流のTNF−α活性化の著明な抑制を生じる。Eは、ERβでのTNF−α活性を無効にする(100%抑制)が、ERαでは無効にしない(73.3%抑制)。マメ科ファミリーのキバナオウギは、ERβ(109.6%)およびERα(102.8%)の存在下で、TNF−REのTNF−α活性化の大幅な抑制を生じた。これらの結果は、マメ科ファミリーのキバナオウギが、ERβおよびERαと直接的に相互作用することにより、TNF RE−tk−LucによるTNF−α活性化を抑制することを示す。
これらの実験において、エストロゲン性活性に有効なマメ科ファミリーのキバナオウギの抽出物を含む組成物の最小量は1.2μgである。しかしながら、他の細胞系において、この数は変動し得ることが予想される。
オープンラベルの、増加用量での投与の研究
マメ科ファミリーのキバナオウギ(研究薬物)の抽出物の安全性および最大耐量(MTD)を評価するため、以下のプロトコルを行う。研究薬物は、1mg(第1週)、10mg(第2週)、100mg(第3週)もしくは1000mg(第4週)のマメ科ファミリーのキバナオウギの抽出物を、適切なサイズのゼラチンカプセル中に含む(以下、マメ科ファミリーのキバナオウギの抽出物を「研究薬物」と称し得る)。用量は、必要に応じて、2つもしくはそれ以上のゼラチンカプセルに分割され得る。通常は、18〜60歳の健康なボランティアに、第1週は研究薬物を1日当たり1mg、第2週は研究薬物を1日当たり10mg、第3週は研究薬物を1日当たり100mg、および第4週は研究薬物を1日当たり1000mg投与する。対象のいかなる不利な事象の出現も監視する。いつでも、もし対象が現在の用量に耐えられないようであれば、担当の医療スタッフがこのような不耐性に気付くであろう。最大耐量は、各対象がその用量に耐える最高の用量であるか、もし、不耐性の対象がいない場合は、1日当たり1000mgの研究薬物であると考えられるであろう。
二重盲検有効性の研究
研究薬物のエストロゲン性疾患状態の治療への有効性を実証するため、以下の二重盲検研究を行う。
目的:のぼせ症(のぼせ症(hot flashes)としても知られる)の治療用のERβ選択性漢方薬抽出物(研究薬物)の至適用量ならびに安全性および有効性を決定する。
方法:1日当たり少なくとも7人が、もしくは1週当たり50名が、中程度から重症ののぼせ症を報告している100〜300人の40〜60歳の概して健康な閉経後女性における、多中心の、ランダム化された、盲検化された、第2相のプラセボ対照治験。女性を、12週にわたり、1日当たり5g(SG5)もしくは10g(SG10)の研究薬物もしくは同一のプラセボ(PG)にランダム化する。毎日の日誌に、のぼせ症の頻度および重症度を記録する。
結果:参加者は、平均年齢および人種により特徴付けられる。研究薬物およびプラセボの両方を投与される参加者は、12週の治療後ののぼせ症の頻度の%減少(±標準偏差およびp値)によっても特徴付けられる。各参加者および各群(全体、PG、SG5、SG10)について、子宮内膜の厚みを評価する。有害事象もまた、各参加者および各群(全体、PG、SG5、SG10)について評価する。
結論:評価は、健康な閉経後女性におけるのぼせ症の頻度および重症度の減少、ならびに用量漸増効果に基づく。
方法
設計および設定:これは、研究薬物が安全でかつのぼせ症の頻度および重症度を減少させるのに有効であるかどうかを決定するために設計された、多中心の、ランダム化された、盲検化されたプラセボ対照治験である。治験は、独立した第三者(Coodinating Center)を通じて調整され、参加者は、複数の臨床施設で募集する。
参加者:適格の参加者は、1日当たり少なくとも7人が、もしくは1週当たり50名が、中程度から重症ののぼせ症を報告している、40〜60歳の概して健康な閉経後女性である。除外される女性:乳房、子宮もしくは卵巣癌、メラノーマ、静脈血栓塞栓症、循環器疾患、または重症な食物もしくは薬物アレルギーの病歴がある者。進行中の肝臓もしくは胆嚢疾患、異常な子宮出血、妊娠もしくは授乳を報告している女性、ならびに癌を示唆する異常な乳房X線撮影、乳房検査、Papスメアもしくは婦人科内診を有する女性もまた除外される。子宮内膜の厚みが経腟的超音波による測定で5mmを超える女性、およびのぼせ症に影響することが既知であるかもしくは疑われる薬物療法(エストロゲン、タモキシフェン、ラロキシフェン、プロゲスチン、セロトニン再取り込み阻害薬もしくはガバペンチン)を用いている女性もまた除外される。
スクリーニングにおいて、プラセボ薬物療法ならびにのぼせ症、出血および薬物療法順守性を記録するための日誌が、1週間の実施(run−in)期間にわたって提出される。自身の日誌を正確に完了し、少なくとも80%のプラセボ薬物療法を受け、かつ、スクリーニング、物理的、放射線学的および研究室での試験の後も適格なままである参加者をランダム化する。
薬物安全性を、Data SafetyおよびMonitoring Boardにより評価する。
データ収集:データは、Coodinating Centerにより収集され、浄化され、かつ分析される。
ランダム化:ランダム化は、最後の月経期間からの時間(24ヶ月以上対24ヶ月未満)により、および臨床施設により階層化する。階層内で、治療は、3〜6のランダムに順番を変えたブロックに、1:1:1の比でランダムに割り当てられる。Coordinating Centerの研究薬剤師は、Bionovo,Inc.(Emeryville,CA)から研究薬物を受け取り、Coordinating Centerの統計学者により作成された治療識別番号を有するラベルを貼り、そして、研究薬物を各臨床施設に輸送する。研究薬物は、ランダム化のスキームに順に従って、適格な参加者に配分される。
研究薬物療法および盲検化:研究薬物は、本明細書に記載の薬草の濾過し乾燥した抽出物である。米国食品医薬品局に承認されたCarmel着色料および食物色素を乾燥粉末に添加して、均一な色を達成し、また、香料および甘味料を添加して、薬草の味をマスキングする。同様の着色剤および味覚賦形剤を不活性の固体希釈液に添加して、活性薬物と同じ外見、味覚および粒度を有するプラセボ粉末を製造する。
参加者は、粉末として包装された、プラセボ、もしくは2つの用量の研究薬物のうち一方を受け取り、かつ、袋の中身を少なくとも3オンスの非柑橘系液体に溶解し、当該飲料を毎日2回飲むように指示される。全ての研究者、研究スタッフ、研究室職員および参加者は、研究療法の状態に対して盲検化されている。
測定:ベースラインで、参加者は、デモグラフィック、医療、病歴、投薬、生活の質、閉経期症状、不眠(不眠重症度指標)および性的機能(女性性的機能指標)に関する質問表を完了させる。全ての参加者は、血圧および心拍数、乳房および骨盤の検査を含む理学的検査を受け、また、子宮摘出をしていない女性は、子宮内膜二重壁の厚みを測定するための経腟超音波を受ける。安全性を評価するため、各患者について、血清血液学、クレアチニンおよび尿素窒素、肝機能、ならびに尿検査を全て行った。全てのベースライン測定は、12週の治療の後もしくは最終的な研究上の来診において繰り返す。
のぼせ症の頻度および重症度を、先の研究で広く用いられた日誌に倣った日誌に記録する。ランダム化の前、ならびに研究的薬物療法の第4〜12週の間に、7日間の日誌を完成させる。各のぼせ症について、重症度を、1(穏やか)、2(中等度)もしくは3(重症)と評価する。のぼせ症の点数は、各のぼせ症についての重症度の評点を加算し、かつ、のぼせ症の数で割ることにより算出される。
研究的薬物療法の際に、参加者は、第2および8週に連絡を取り(電話もしくは診療所内で)、かつ、順守性および有害事象を監視するため、第4週に来診する。順守性を評価するために薬物の袋を数え、かつ、有害事象を記録する。
研究的薬物療法の中断の4週後、各参加者に電話で連絡をとり、有害事象についての情報を確認する。自己申告された有害事象を、Medical Dictionary for Reguratory Activities(MedDRA)システムを用いて分類する。
参加者が腟の出血(spotting)もしくは出血(bleeding)を報告した場合、または経腟超音波検査で測定した最終的な子宮内膜の壁の厚みが5mmを超えるかもしくはベースラインから2mm以上増加した場合は、研究中に診断的子宮内膜生検を行う。生検組織がある場合、2名の盲検化された病理学者が独立に評価する。病理学者が組織学について意見が合わない場合、別の第三の盲検化された病理学者がスライドを再調査し、最終的診断を行う。
統計学的解析:180人の参加者のサンプルは、ベースラインから第12週までののぼせ症頻度において、%換算で20百分率点の群間差を検出するための80%の力を提供すると推測される。
全ての解析は、順守性に関係なく、かつ欠側値を帰属もしくは繰り越すことなく、ランダム化された割当に従って処理することを意図する。複数の試験については、調整は行わない。参加者のベースライン特性を、臨床センターおよび閉経期からの年数を調整する直線的もしくはロジスティック回帰分析または比例オッズモデルを用いて、比較した。
一次解析は、のぼせ症の頻度およびのぼせ症の点数のベースラインからの4〜12週での変化を、研究薬物群(SG5およびSG10)のそれぞれとプラセボ(PG)との間で比較する。結果は、時間(4もしくは12週対ベースライン)についての右に歪んだ(right−skewed)繰り返しの測定対数リンク(log−link)Poisson一般化線形モデルであるので、治療、および時間−治療相互作用、ならびに臨床センターおよび閉経期からの年数が用いられる。二次的結果(生活の質、性的機能および不眠の点数)の一次解析は、同様の方法を用いる。
二次的解析において、施設および閉経期からの時間を調整するANCOVAを用いて、治療群とプラセボ群との間ののぼせ症の数の順位に換算した百分率変化を比較する。場所および閉経期からの年数について調整されたロジスティック回帰分析モデルを用いて、ベースラインから12週までののぼせ症の頻度が50%以上減少した各治療群における割合を比較する。
投与群のいずれかの2%超で起こる有害事象の頻度を、カイ二乗を用いて、ならびに必要に応じて臨床センターおよび閉経期からの年数により重層化された正確な方法を用いて、投与群間で比較する。
特定前の予備的解析において、相互作用期間を用いて、年齢(45〜50歳、50〜55歳、55〜60歳)、民族性(白色、その他)、閉経期からの年数(2年未満、2年以上)、両側卵巣摘出(はい、いいえ)、エストロゲン使用歴(はい、いいえ)、喫煙(現在、以前に、もしくはしたことがない)、最近のアルコール摂取(はい、いいえ)、肥満度指数(三分位値)、ベースライン血清エストラジオールレベル(5pg/ml以下もしくは5pg/ml超)、ならびにのぼせ症のベースライン頻度(三分位値)を含むサブグループにおいて、治療効果の差を決定する(第12週でののぼせ症の%変化)。
結果
結果は、ランダム化された適格な女性の数、各群(PG、SG5、SG10)における女性の数、研究を完了した参加者の全数、ならびに各群および階層における数、全ての割り当てられた薬物療法を受けた参加者の全数および各群における数、参加者全体および各群における白色人種および非白色人種の数、ベースライン中央値および平均の日々ののぼせ症の頻度(±標準偏差、p)、中央値および平均の日々ののぼせ症の点数(±標準偏差、p)、のぼせ症頻度における中央値および平均の変化(±標準偏差、p)、ならびに各評価間隔における中央値および平均ののぼせ症の点数(±標準偏差、p)を含む。
プラセボと比較した生活の質、睡眠の質および性的機能の測定における研究薬物での治療の効果もまた評価する。
ベースラインおよび研究の終点で経腟超音波を受けた参加者の数もまた記録する。試行の終点で子宮内膜超音波検査を受けた参加者の数もまた記録する。ベースラインおよび12週での平均の子宮内膜の厚み(±標準偏差)を測定する。必要と考えられる場合、子宮内膜生検もまた行う。腟出血(bleeding)もしくは出血(spotting)を報告する参加者の数もまた記録する。また、子宮内膜生検は、多くのこれらの参加者において同意の承認下で行う。組織診を、子宮内膜増殖症および癌の証拠について評価する。
試行の間のいかなる重大な有害事象もまた記録する。
考察
研究薬物での治療は、中等度から重症の症状を有する健康な閉経後女性においてのぼせ症の頻度および重症度を減少させるであろうと考えられる。この研究の結果は、研究薬物を、同じもしくはより高い用量の研究薬物が試験され得るさらなる臨床治験へと進めるのに用いられ得る。
また、研究薬物が選択的ERβ刺激薬であるので、子宮過形成および癌などのエストロゲン補充療法に関連する有害事象は、研究薬物について観察されないであろうと考えられる。
エストラジオールは、閉経期ののぼせ症について有効な治療であるが、現在承認されている選択的エストロゲン受容体調節物質(SERMS)であるタモキシフェンおよびラロキシフェンは、閉経期ののぼせ症の発生率を増加させる。エストラジオールもSERMもエストロゲン受容体サブタイプ選択的ではないので、ERαもしくはERβのいずれのエストロゲン受容体がこれらの効果を媒介するのか不明である。ヒト乳癌細胞におけるエストロゲンによるERαの活性化が増殖および腫瘍形成を生じる一方、ERβの活性化は成長を阻害し、腫瘍形成を生じないことが示された。この研究は、のぼせ症が研究薬物により緩和され得ることを示すためのデータを提供するために設計される。この研究は、さらに、研究薬物に関連し得る有害事象に関する予備的データを提供するために設計される。
結論:研究薬物での治療は、健康な閉経後女性におけるのぼせ症の頻度および重症度を減少させることが期待される。また、より高い用量の研究薬物は、より低い用量よりも有効であることが期待される。本研究はさらに、ERβ経路がのぼせ症の治療において役割を担い得ることのさらなる確認を提供することが期待される。
本発明の好ましい実施形態を、本明細書中に示しかつ説明してきたが、このような実施形態が例示のみの目的で提供されることが当業者に明らかとなろう。当業者は、多数の変動、変化および置換を、本発明から逸脱することなくここで思いつくであろう。本明細書中に記載の本発明の実施形態の多様な代替物が本発明の実施において用いられ得ることが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を定義し、かつ、これらの請求項の範囲内の方法および構造ならびそれらの均等物が、それらによって包含されることが意図される。

Claims (57)

  1. エストロゲン応答因子の制御下で遺伝子の発現を調節する組成物であって、マメ科ファミリーの分類学的種キバナオウギのメンバーから得られる1つもしくはそれ以上の化合物を含む、組成物。
  2. 前記マメ科ファミリーの分類学的種キバナオウギのメンバーから得られる1つもしくはそれ以上の化合物が、水性抽出物、エタノール性抽出物、精製抽出物もしくは分配抽出物中で抽出される、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記抽出物が、エタノール性抽出物である、請求項1〜2のいずれかに記載の組成物。
  4. エストロゲン応答因子の制御下での遺伝子の発現の調節が、更年期症状を治療もしくは予防する、骨粗鬆症を治療もしくは予防する、新生物を治療もしくは予防する、循環器疾患を治療もしくは予防する、またはその組み合わせである、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. エストロゲン応答因子の制御下での遺伝子の発現の調節が、骨粗鬆症を治療もしくは予防する、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. エストロゲン応答因子の制御下での遺伝子の発現の調節が、のぼせ症を治療もしくは予防する、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  7. エストロゲン応答因子の制御下での遺伝子の発現の調節が、新生物を治療もしくは予防する、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  8. 前記新生物が、乳房過形成、乳房腫瘍、子宮過形成、子宮腫瘍、子宮頚部過形成、子宮頚部腫瘍、卵巣過形成、卵巣腫瘍、卵管過形成、卵管腫瘍である、請求項1〜4もしくは7のいずれかに記載の組成物。
  9. エストロゲン応答因子の制御下で遺伝子の発現を調節する方法であって、対象に、治療上有効量のマメ科ファミリーの分類学的種キバナオウギのメンバーから得られる1つもしくはそれ以上の化合物を含む組成物を投与することを含む、方法。
  10. 前記マメ科ファミリーの分類学的種キバナオウギのメンバーから得られる1つもしくはそれ以上の化合物が、水性抽出物、エタノール性抽出物、精製抽出物もしくは分配抽出物中で抽出される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記抽出物が、エタノール性抽出物である、請求項9〜10のいずれかに記載の方法。
  12. エストロゲン応答因子の制御下での遺伝子の発現の調節が、更年期症状を治療もしくは予防する、骨粗鬆症を治療もしくは予防する、新生物を治療もしくは予防する、循環器疾患を治療もしくは予防する、またはその組み合わせである、請求項9〜11のいずれかに記載の組成物。
  13. エストロゲン応答因子の制御下での遺伝子の発現の調節が、骨粗鬆症を治療もしくは予防する、請求項9〜12のいずれかに記載の方法。
  14. エストロゲン応答因子の制御下での遺伝子の発現の調節が、のぼせ症を治療もしくは予防する、請求項9〜12のいずれかに記載の方法。
  15. エストロゲン応答因子の制御下での遺伝子の発現の調節が、新生物を治療もしくは予防する、請求項9〜12のいずれかに記載の方法。
  16. 前記新生物が、乳房過形成、乳房腫瘍、子宮過形成、子宮腫瘍、子宮頚部過形成、子宮頚部腫瘍、卵巣過形成、卵巣腫瘍、卵管過形成、卵管腫瘍である、請求項9〜12もしくは15のいずれかに記載の方法。
  17. 薬物の製造のための、マメ科ファミリーの分類学的種キバナオウギのメンバーから得られる1つもしくはそれ以上の化合物を含む組成物の使用。
  18. 前記マメ科ファミリーの分類学的種キバナオウギのメンバーから得られる1つもしくはそれ以上の化合物が、水性抽出物、エタノール性抽出物、精製抽出物もしくは分配抽出物中で抽出される、請求項17に記載の使用。
  19. 前記抽出物が、エタノール性抽出物である、請求項17〜18のいずれかに記載の使用。
  20. エストロゲン応答因子の制御下での遺伝子の発現の調節が、更年期症状を治療もしくは予防する、骨粗鬆症を治療もしくは予防する、新生物を治療もしくは予防する、循環器疾患を治療もしくは予防する、またはその組み合わせである、請求項17〜19のいずれかに記載の使用。
  21. エストロゲン応答因子の制御下での遺伝子の発現の調節が、骨粗鬆症を治療もしくは予防する、請求項17〜20のいずれかに記載の使用。
  22. エストロゲン応答因子の制御下での遺伝子の発現の調節が、のぼせ症を治療もしくは予防する、請求項17〜20のいずれかに記載の使用。
  23. エストロゲン応答因子の制御下での遺伝子の発現の調節が、新生物を治療もしくは予防する、請求項17〜20のいずれかに記載の使用。
  24. 前記新生物が、乳房過形成、乳房腫瘍、子宮過形成、子宮腫瘍、子宮頚部過形成、子宮頚部腫瘍、卵巣過形成、卵巣腫瘍、卵管過形成、卵管腫瘍である、請求項17〜20もしくは23のいずれかに記載の使用。
  25. エストロゲン性作用を誘発する方法であって、対象に、治療上有効量のマメ科ファミリーの分類学的種キバナオウギのメンバーから得られる1つもしくはそれ以上の化合物を含む組成物を投与することを含む、方法。
  26. 前記マメ科ファミリーの分類学的種キバナオウギのメンバーから得られる1つもしくはそれ以上の化合物が、水性抽出物、エタノール性抽出物、精製抽出物もしくは分配抽出物中で抽出される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記抽出物が、エタノール性抽出物である、請求項25〜26のいずれかに記載の方法。
  28. エストロゲン応答因子の制御下での遺伝子の発現の調節が、更年期症状を治療もしくは予防する、骨粗鬆症を治療もしくは予防する、新生物を治療もしくは予防する、循環器疾患を治療もしくは予防する、またはその組み合わせである、請求項25〜27のいずれかに記載の方法。
  29. エストロゲン応答因子の制御下での遺伝子の発現の調節が、骨粗鬆症を治療もしくは予防する、請求項25〜28のいずれかに記載の方法。
  30. エストロゲン応答因子の制御下での遺伝子の発現の調節が、のぼせ症を治療もしくは予防する、請求項25〜28のいずれかに記載の方法。
  31. エストロゲン応答因子の制御下での遺伝子の発現の調節が、新生物を治療もしくは予防する、請求項25〜28のいずれかに記載の方法。
  32. 前記新生物が、乳房過形成、乳房腫瘍、子宮過形成、子宮腫瘍、子宮頚部過形成、子宮頚部腫瘍、卵巣過形成、卵巣腫瘍、卵管過形成、卵管腫瘍である、請求項25〜28もしくは31のいずれかに記載の方法。
  33. エストロゲン応答因子の制御下で遺伝子の発現を調節する方法であって、複数の細胞と、治療上有効量のマメ科ファミリーの分類学的種キバナオウギから選択される植物種の抽出物を含む組成物とが接触することを含む、方法。
  34. 前記細胞が、ERα、ERβもしくはその組み合わせを発現する、請求項33に記載の方法。
  35. 前記複数の細胞と、治療上有効量のマメ科ファミリーの分類学的種キバナオウギから選択される植物種の抽出物を含む組成物との接触することが、インビトロまたはインビボで起こる、請求項33〜34のいずれかに記載の方法。
  36. 複数の細胞を細胞培地内でレポーター構築物を用いて形質転換することをさらに含み、前記レポーター構築物が、レポーター遺伝子を含み、前記レポーター遺伝子の発現が、1つもしくはそれ以上のエストロゲン応答因子および/もしくはエストロゲン受容体に作動可能に連結している、請求項33〜35のいずれかに記載の方法。
  37. 前記細胞が、U937、U2OS、MDA−MB−435、MCF−7、もしくはその組み合わせから選択される株化細胞に由来する、請求項33〜36のいずれかに記載の方法。
  38. 前記エストロゲン応答因子制御遺伝子が、ERE−tk−Lucである、請求項33〜37のいずれかに記載の方法。
  39. 前記エストロゲン応答因子および/もしくは前記エストロゲン受容体が、細胞内で異質に発現する、請求項33〜38のいずれかに記載の方法。
  40. TNF応答因子の制御下で遺伝子の発現を調節する方法であって、前記方法が、複数の細胞を、治療上有効量のマメ科ファミリーの分類学的種キバナオウギから選択される植物種の抽出物を含む組成物と接触させることを含む、方法。
  41. 前記TNF応答因子制御遺伝子が、TNFαもしくはTNF RE−Lucである、請求項40に記載の方法。
  42. 前記細胞が、ERα、ERβもしくはその組み合わせを発現する、請求項40〜41に記載の方法。
  43. 前記複数の細胞と、治療上有効量のマメ科ファミリーの分類学的種キバナオウギから選択される植物種の抽出物を含む組成物とが接触することが、インビトロもしくはインビボで起こる、請求項40〜42のいずれかに記載の方法。
  44. 前記細胞が、U937、U2OS、MDA−MB−435、MCF−7、もしくはその組み合わせから選択される株化細胞に由来する、請求項40〜43のいずれかに記載の方法。
  45. 前記TNF応答因子および/もしくは前記エストロゲン受容体が、細胞内で内因的に発現する、請求項40〜44のいずれかに記載の方法。
  46. 前記TNF応答因子および/もしくは前記エストロゲン受容体が、細胞内で異質に発現する、請求項40〜45のいずれかに記載の方法。
  47. マメ科ファミリーの分類学的種キバナオウギのメンバーから1つもしくはそれ以上の化合物を得る方法であって:
    (a)マメ科ファミリーのキバナオウギのメンバー由来の植物物質と、抽出媒体とが接触すること、および
    (b)前記植物物質の抽出媒体とが接触することの後、抽出媒体と植物物質とを分離すること、
    を含む、方法。
  48. 温度が、約50℃と約80℃の間である、請求項47に記載の方法。
  49. 温度が、約75℃である、請求項47〜48のいずれかに記載の方法。
  50. 前記抽出物をさらに精製もしくは分配して、精製抽出物もしくは分配抽出物を形成することをさらに含む、請求項47〜49のいずれかに記載の方法。
  51. 前記精製することもしくは分配することが、クロマトグラフィーの1もしくはそれ以上の段階により行われる、請求項50に記載の方法。
  52. 前記クロマトグラフィーが、イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、順相クロマトグラフィー、排除クロマトグラフィーもしくはアフィニティークロマトグラフィーからなる群から選択される少なくとも1段階を含む、請求項51に記載の方法。
  53. 前記クロマトグラフィーが、イオン交換クロマトグラフィーであり、前記イオン交換クロマトグラフィーが、陰イオン交換クロマトグラフィーもしくは陽イオン交換クロマトグラフィーである、請求項51〜52のいずれかに記載の方法。
  54. 前記クロマトグラフィーが、逆相クロマトグラフィーである、請求項51に記載の方法。
  55. 前記クロマトグラフィーが、順相クロマトグラフィーである、請求項51に記載の方法。
  56. 前記クロマトグラフィーが、高速液体クロマトグラフィーである、請求項51〜55の一項に記載の方法。
  57. 前記高速液体クロマトグラフィーが、分取スケール高速液体クロマトグラフィーである、請求項56に記載の方法。
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