JP2010537973A - 臍帯血由来の間葉系幹細胞を含むIL−8またはGRO−α発現細胞に関連する疾患の診断、予防または治療用の組成物 - Google Patents

臍帯血由来の間葉系幹細胞を含むIL−8またはGRO−α発現細胞に関連する疾患の診断、予防または治療用の組成物 Download PDF

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Abstract

インターロイキン−8(IL−8)またはGRO−αを発現し、臍帯血から単離された間葉系幹細胞および/または該間葉系幹細胞から増殖させた間葉系幹細胞(UCB−MSC)の遊走性を誘導する細胞に、治療的遺伝子、マーカー遺伝子、またはそれらの混合物の一つを伝達する遺伝子治療用の組成物を提供する。細胞治療組成物は、UCB−MSCを含む。UCB−MSCを用いることにより、遺伝子治療においてIL-8またはGRO-αを発現する細胞に関する疾患、すなわち脳腫瘍を治療するための組成物を提供する。UCB−MSCを用いることによる、脳腫瘍の診断、脳腫瘍の予防、脳腫瘍の治療、または脳腫瘍の治療経過のモニタリングのための組成物またはキットを提供する。

Description

本発明は、インターロイキン−8(IL−8)またはGRO−アルファ(GRO−α)を発現し、かつ臍帯血(UCB:umbilical cord blood)由来の間葉系幹細胞(MSC:mesenchymal stem cell)または、臍帯血から単離した間葉系幹細胞、および/または該間葉系幹細胞から増殖させた間葉系幹細胞 (UCB-MSC)の遊走性(tropism)を誘導する細胞に、治療的遺伝子、マーカー遺伝子、あるいはその産物を伝達するための遺伝子治療用の組成物であって、臍帯血由来の間葉系幹細胞(UCB-MSC)を含むものである、遺伝子治療用の組成物に関する。
本発明はまた、臍帯血由来の間葉系幹細胞を含む組成物を利用した遺伝子治療において、IL−8またはGRO−αを発現する細胞に関連する疾患、または脳腫瘍を治療することに関する。
本発明はまた、臍帯血由来の間葉系幹細胞を利用した脳腫瘍の診断、予防、治療、または治療経過モニタリングのための組成物またはキットに関する。
幹細胞は、病変部位に移動するということは知られている。最近、骨髄由来の間葉系幹細胞(BM−UCB)が腫瘍に対する遊走性を有しており、腫瘍部位に移動するということが明らかになった。特定腫瘍部位に移動できるこのような骨髄由来の間葉系幹細胞は、遺伝子治療における有用なツールとして使われうる。例えば、腫瘍に対する遊走性を有する骨髄由来の間葉系幹細胞は、治療用自殺遺伝子を腫瘍部位に伝達するためのビヒクルとして使用可能である(Ponte A.L.ら,Stem Cells,25,1737−1745(2005)(非特許文献1)、Kahler C.M.ら,Respir Res 8,50(2007)(非特許文献2))。しかし、このような興味深い現象にもかかわらず、間葉系幹細胞が腫瘍に移動する現象を調節する分子メカニズムについては、まだ明確に明らかにされていない。
数年間にわたり、骨髄由来の間葉系幹細胞の移動の誘導がいくつかの可溶性因子によって刺激されているようであるという証拠が出てきている。最近、乳がん細胞から分泌されるMCP−1(単球走化性タンパク質−1)が骨髄由来の間葉系幹細胞の移動を刺激するということが示された(Dwyer R.M.ら,Clin Cancer Res 13,5020−5027(2007)(非特許文献3))。また、ケモカインリガンド2(CCL2)およびケモカインリガンド10(CCL−10)は、中大脳動脈閉塞(MCAo:middle cerebral artery occlusion)卒中モデルで、神経前駆細胞の損傷した部位への移動を誘導できる(J Neurosci Res 85,2120−2125(2007)(非特許文献4))。インシュリン様成長因子−1(IGF−1:insulin-like growth factor−1)は、ラットBM−MSCの移動反応を顕著に増大させた(Li Y.ら,Biochem Biophys Res Commun 356,780−784(2007)(非特許文献5))。従って、間葉系幹細胞の移動事象に影響を与える可溶性因子を確認することは、間葉系幹細胞がどのように腫瘍組織または損傷した組織に移動するかを理解するのに重要である。
骨髄由来の間葉系幹細胞に導入された遺伝子は、インビボで過剰発現され、生理活性を示した。例えば、ヒト・アンジオポエチン−1遺伝子(hAng1遺伝子)が導入されたBM−MSCは、急性心筋梗塞モデル動物の梗塞部位で、血管生成を促進させ(Sun L.ら,Biochemical Biophysical Research Communication 357(2007)779−784(非特許文献6))、Aktが過剰発現しているBM−MSCは、驚くべきことに心筋梗塞を治療し、心臓機能を向上させ(Nicolas N.ら,Molecular Therapy 14(6),840−850,2006(非特許文献7))、Bcl−2遺伝子で修飾されたBM−MSCは、アポトーシスを阻害し、心臓機能を向上させ(Stem Cells 25,2118−2127(2007)(非特許文献8))、内皮型一酸化窒素合成酵素を過剰発現するBM−MSCは、肺高血圧に起因した右心室の損傷を回復させる(Sachikoら,Circulation,114[suppl I]:I−181〜I−185(非特許文献9))。このような結果は、遺伝子が導入された間葉系幹細胞を遺伝子治療のツールとして使用できるということを示唆する。
一方、脳と脊髄とからなる中枢神経系の細胞は、普通良好に調節される。しかし、この調節が崩れることになれば、細胞は絶えず分裂し、腫瘍を形成することになる。腫瘍は、良性腫瘍と悪性腫瘍に分類されうる。中枢神経系は、神経細胞と、神経細胞を支持して保護するグリア細胞を有している。グリア細胞に生じた腫瘍は、神経膠腫といい、一次性(原発性)脳腫瘍の50%、一次性脊髄腫瘍の15%を占める。加えて、脳腫瘍は、神経腫瘍、血管腫瘍、及び腺(gland)腫瘍を含む。脳腫瘍には、身体の他の部位に生じた他の腫瘍によって引き起こされた二次性(続発性)脳腫瘍も含まれ、二次性腫瘍は脳腫瘍の最も一般的な型である。
脳腫瘍は、その位置の特性上、治療が困難である。脳腫瘍は、物理的な手術および化学療法によって治療することができる。物理的手術については、腫瘍部位を完全に摘出することになれば、合併症が生じやすい。化学療法については、血液脳関門のために、高濃度の抗がん剤の投与が必要になり、他の臓器に深刻な損傷を与えることになる。最近、脳腫瘍治療のために、遺伝子治療が使用されている。遺伝子治療において、遺伝子ががん細胞の増殖を抑制するために、ウイルス・ベクターを使用して導入される。ウイルス・ベクターは、目的とするがん部位に選択的に移動する能力がないので、そのような能力を得るために表面が改変される。しかし、十分な量のウイルス・ベクターを標的腫瘍部位に移動させるには限界がある。
幹細胞が病変部位に移動するホーミング現象(homing effect)についての研究結果が明らかにされ、幹細胞が脳腫瘍治療のための伝達媒体として有用に使われる可能性があるということを示しているが、腫瘍への幹細胞の輸送を調節するメカニズムは、明確に知られていない。神経幹細胞が脳腫瘍の一つのタイプ、すなわち、悪性神経膠腫への遊走性があるということが知られている。これを基に、ビヒクルとして機能する神経幹細胞を用いることで、脳腫瘍部位へ遺伝子を伝達する方法に係わる研究が進められている(Yip Sら,The Cancer J 9(3),189−204,2003(非特許文献10)、Kim SKら,Clin Cancer Res 12(18),5550−5556,2006(非特許文献11))。Yipらは、免疫調節遺伝子、アポトーシス促進遺伝子、プロドラッグ転換酵素、腫瘍崩壊ウイルスなどを担持する神経幹細胞によって、脳腫瘍を治療できることを明らかにした。Brownらは、抗がん剤である5−FU(5−フルオロウラシル)のプロドラッグである5−FC(5−フルオロシトシン)を5−FUに転換させることができるシトシンデアミナーゼ遺伝子を含むベクターを脳に注入することによって、効果的に脳腫瘍が治療されることを確認した(Brown A Bら,Human Gene Ther.14(18),1777−1785,2003(非特許文献12))。Ehteshamらは、インターロイキン−12または腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンドを伝達するように処理された神経幹細胞を注入した結果、脳腫瘍の成長が遅くなったと報告した(Cancer Res 62,5657−5663,2002(非特許文献13)、Cancer Res 62,7170−7174,2002(非特許文献14))。しかし、神経幹細胞を臨床実験に使用することは、神経幹細胞をどのように得るかに関する倫理的な問題と、同種移植による免疫拒絶反応とを引き起こす。従って、かような問題点がなく、さらに容易に入手できる他のタイプの幹細胞を見出す必要性がある。
Akiraらは、骨髄由来の間葉系幹細胞が脳腫瘍に対する遊走性があるということを開示した(Akiraら,Cancer Res 65(8),3307−3316,2005(非特許文献15))。骨髄由来の間葉系幹細胞は、患者から得ることができる。自家移植を介して投与される場合、免疫拒絶反応は起こらず、臨床での使用において利点を有する。研究において、頭蓋骨内にヒト神経膠腫細胞株を移植したヌードマウスに、ヒトBM−MSCを頚動脈を介して注入した結果、ヒトBM−MSCは、神経膠腫でのみ発見され、神経膠腫付近の正常な脳の部分では、観察されなかった。加えて、ヒトBM−MSCが頭蓋骨内に移植された場合にも、ヒトBM−MSCは神経膠腫に向かって移動した。前記ヒトBM−MSCをIFN−β遺伝子のcDNAを含有するアデノウイルス・ベクターに感染させた後、生じたベクターを神経膠腫が移植されたヌードマウスの頭蓋骨内に頚動脈を介して注入した場合、前記ヌードマウスの生存期間を延長させた。国際特許WO07/037653A1号パンフレット(特許文献1)は、シトシンデアミナーゼ遺伝子を発現するBM−MSCを含むがん治療用の組成物について記載している。しかし、この場合、BM−MSCは、多くの複雑な過程を通じて採取されるために、採取対象者は、長期間精神的および肉体的ストレスをこうむることになる。従って、他のタイプの幹細胞を見出す必要性がある。
骨髄とは異なり、多量の間葉系幹細胞が存在する臍帯血は、分娩過程で捨てられる臍帯から容易に採集される。また、臍帯血の保管産業は十分確立されており、供与者を容易に見つけることが可能である。他家由来の臍帯血(other human-induced UCB)から得た間葉系幹細胞が使用される場合にも、移植後に免疫拒絶反応は起こらない。そのため、高い免疫学的安定性が得られる。従って、臍帯血由来の間葉系幹細胞の遊走性に基づいて、脳腫瘍のような疾患が治療されうるか否かを確認することが非常に重要である。しかし、臍帯血由来の間葉系幹細胞の利用性を確認するためのかような試みはまだなされていない。本発明の明細書に引用される全ての先行文献は、その全体が参照によって本明細書に組み入れられる。また、本明細書に記載されたあらゆる情報は、単に、本発明の技術的背景に係わる理解の一助とするために使用されたものであり、先行技術になりえない。
国際特許WO07/037653A1号パンフレット
Ponte A.L.ら,Stem Cells,25,1737−1745(2005) Kahler C.M.ら,Respir Res 8,50(2007) Dwyer R.M.ら,Clin Cancer Res 13,5020−5027(2007) J Neurosci Res 85,2120−2125(2007) Li Y.ら,Biochem Biophys Res Commun 356,780−784(2007) Sun L.ら,Biochemical Biophysical Research Communication 357(2007)779−784 Nicolas N.ら,Molecular Therapy 14(6),840−850,2006 Stem Cells 25,2118−2127(2007) Sachikoら,Circulation,114[suppl I]:I−181〜I−185 Yip Sら,The Cancer J 9(3),189−204,2003 Kim SKら,Clin Cancer Res 12(18),5550−5556,2006 Brown A Bら,Human Gene Ther.14(18),1777−1785,2003 Cancer Res 62,5657−5663,2002 Cancer Res 62,7170−7174,2002 Akiraら,Cancer Res 65(8),3307−3316,2005
最近開発された標的遺伝子治療は、間葉系幹細胞の特異的移動性を利用し、この治療では、治療用遺伝子がMSCに導入され、生じたMSCが疾患部位に移動し、疾患が治療される。間葉系幹細胞の遊走性を利用した遺伝子治療の開発のためには、間葉系幹細胞の腫瘍への移動を調節する分子メカニズムが、完全に理解されねばならない。しかし、分子メカニズムは、まだ特定されていない。よって、本発明の概念は、臍帯血由来の間葉系幹細胞が腫瘍細胞に移動する分子メカニズムを明らかにし、これを遺伝子治療に活用することである。
脳腫瘍治療を、神経幹細胞または骨髄由来の間葉系幹細胞(BM−MSC)によって治療できるか否かに係わる研究が進められているが、神経幹細胞およびBM−MSCの採取は、倫理的な問題や免疫拒絶反応、採取対象の物理的及び精神的ストレスを引き起こす。従って、本発明の概念は、かような問題点なしに入手でき、脳腫瘍に対しより良い遊走性を有する幹細胞も提供する。
本発明の発明者らは、前記課題を解決するために研究し、臍帯血から単離した間葉系幹細胞及び/または該間葉系幹細胞から増殖された間葉系幹細胞(UCB−MSC)が脳腫瘍細胞への遊走性を有し、骨髄から単離した間葉系幹細胞及び/または該間葉系幹細胞から増殖された間葉系幹細胞(BM−MSC)よりも大きい移動能を有するということを見出した。本発明者らは、UCB−MSCを利用した、脳腫瘍治療のための治療的適用を提供した。
また本発明の発明者らは、前記UCB−MSCの遊走性がインターロイキン−8(IL−8)またはGRO−αの影響を受けるということを見出した。この知見を基に、本発明者らは、IL−8またはGRO−αを発現し、UCB−MSCの遊走性を誘導する細胞に、治療的遺伝子またはその産物を伝達する方法およびその治療的適用を提供する。
本発明による組成物に含まれたUCB−MSCは、IL−8またはGRO−αを発現する細胞に対して選択的遊走性を有しており、それによってUCB−MSCまたは脳腫瘍細胞の遊走性を誘導する。前記UCB−MSCの遊走性能は、他の幹細胞の遊走性能よりもすぐれており、従って、従来の他の幹細胞が使用される場合に比べて、治療的遺伝子またはその産物がさらに効果的に伝達されうる。よって、本発明のUCB−MSCを含む薬学的組成物またはキットは、IL−8またはGRO−αを発現する細胞に関連する疾患または脳腫瘍の診断、予防及び治療するのに用いられうる。
間葉系幹細胞(MSC)の収集過程を図式化した図面である。 本発明の臍帯血由来の間葉系幹細胞(UCB−MSC)と各種細胞株との共培養に使うトランスウェル・チャンバの模式図である。 トランスウェル・チャンバの上の区画に置いた、PKHで標識したUCB−MSC、および、トランスウェル・チャンバの下の区画に置いたU87−MG、LS174−T、NC−37、およびNIH3T3細胞のそれぞれを共培養した場合に、トランスウェル・チャンバの下の区画に移動したUCB-MSCの数のグラフである。(A)では、左側バーは、トランスウェル・チャンバ下の区画の細胞株の数が1×10細胞である場合を示し、右側バーは、トランスウェル・チャンバの下の区画の細胞株の数が5×10細胞である場合を示し、両方の場合でUCB-MSCの数は、1×10である。(B)では、左の蛍光顕微鏡イメージは、ヒト細胞株がない培地のみ使用した場合(対照)のトランスウェル・チャンバの下の区画に移動したPKH26で標識したUCB-MSCを示し、右の蛍光顕微鏡イメージは、UCB−MSCをU87−MG細胞と共培養した場合の、トランスウェル・チャンバの下の区画に移動したPKH26で標識したUCB-MSCを示す。 トランスウェル・チャンバの上の区画に置いた、PKHで標識したUCB−MSC、および、トランスウェル・チャンバの下の区画に置いたU87−MG、KATO III、A549、PLC/PRF5、LN18、U138、及びU251細胞のそれぞれを共培養した場合に、トランスウェルチャンバの下の区画に移動したUCB−MSCの数のグラフである(AおよびC)。(B)は、下の区画に移動した、PKH26で標識したUCB−MSCの蛍光顕微鏡イメージであり、(D)は、UCB-MSCを、U−87 MG細胞と、またはU87 MG細胞を含まない、U87 MG細胞を培地中で培養しこの培地からU87 MG細胞を除去して調製する馴化培地(cultured-conditioned media)と、共培養した場合に移動したUCB-MSCの数のグラフである。 BM−MSCおよびUCB−MSCの、U-87 MG細胞への遊走性を比較したグラフであり、トランスウェル・チャンバの上の区画に置いた、PKHで標識したUCB−MSCおよびPKHで標識したBM−MSCのそれぞれ、ならびに、トランスウェル・チャンバの下の区画に置いたU-87 MG細胞を共培養し、下の区画に移動した、PKHで標識したUCB−MSCの数を、PKHで標識したBM−MSCの数と比較した。ここで、左側バーは、U-87 MG細胞が存在しない場合を示し、右側バーは、U-87 MG細胞が存在する場合(U-87 MG細胞の数は5×10)を示し、いずれの場合にも、MCSの数は1×10である。 UCB−MSCをがん細胞株(A549細胞、HeLa細胞、およびU-87 MG細胞)と共培養した場合の、UCB−MSCの走化性インデックスのグラフである。 NC37細胞、LS174-T細胞、及びU-87 MG細胞のそれぞれをUCB−MSCと共培養した後、細胞溶解物および細胞培養の上清をサイトカインアレイを介して分析して得られた結果を示す。 UCB−MSCを単独で培養、U−87 MG細胞を単独で培養、ならびにUCB−MSCおよびU−87 MG細胞の両方を共培養したものから馴化培地を収集し、前記馴化培地をアレイ膜上で培養し、その後ECL試薬を用いてインキュベートして視覚化することによって得られた分析結果を示す。(A)は、UCB−MSCを用いた馴化培地、および培地対照からの、サイトカイン抗体アレイの分析結果を示す。(B)は、U−87 MGのみを培養した馴化培地を使用した場合、ならびにUCB−MSCおよびU−87 MGを共培養した培地を使用した場合の、分析結果を示す。(C)は、U−87 MG細胞またはUCB−MSC細胞が、存在するとき、または存在しないときに培養したUCB−MSC(左側)、および、またはUCB−MSCが存在するとき、または存在しないときに培養したU−87 MG細胞から得られた、mRNAを分離した結果を示す。ここで、IL−8特異的プライマーを使用してRP−PCTを遂行し、GAPDHを対照群として使用した。 図8で分析されたサイトカインのうち、IL−8およびGRO−αがMSCの移動に及ぼす影響を確認したグラフである。(A)は、MCSを、0,1,10,および100ngの組換えIL−8タンパク質で24時間処理した場合の、下の区画への細胞移動のグラフである。(B)は、細胞におけるIL−8の受容体として公知のCXCケモカイン受容体1(CXCR1)の抗体0.02,0.2,及び2μgで、UCB−MSCを前処理し、その後50ngのIL−8で処理して、MSCの移動を促進した場合の、下の区画への細胞移動のグラフである(,p=0.007;**,p<0.001)。(C)は、UCB−MSCをGRO−αで処理した場合の、下の区画への細胞移動のグラフである(,p<0.005)。(D)は、MSCを単球走化性タンパク質−1(MCP−1)で処理した場合の、細胞移動のグラフである。 (A)、(B)、(C)および(D)からなる。(A)および(B)は、U−87 MG、KATO III、A549、PLC/PRF5、LN18、U138、およびU251細胞と培養した培地中に分泌されたIL−8の量をELISAで測定したグラフである。(C)は、IL−8の分泌量が低いA549細胞に、IL−8遺伝子を導入させて過剰発現させた場合の、細胞移動のグラフである。(D)は、(C)の条件で培地中に分泌されたIL−8の量をELISAで測定したグラフである。 UCB−MSCおよびBM−MSCの、U−87 MG細胞への遊走性を比較したグラフである。(A)は、U-87 MG細胞に対して、下の区画へ動いたUCB−MSCおよびBM−MSCの遊走性を比較したグラフである。(B)は、UCB−MSCおよびBM−MSCをIL−8で14時間処理した場合の、UCB−MSCおよびBM−MSCの遊走性を比較したグラフである。 IL−8受容体として公知の、CXCケモカイン受容体1およびCXCケモカイン受容体2(CXCR1およびCXCR2)の、UCB−MSCおよびBM−MSCにおける発現レベルを、mRNAおよびタンパク質を測定して比較した分析結果を示す。(A)は、UCB−MSCおよびBM−MSCのそれぞれからmRNAを分離し、CXCR1およびCXCR2プライマーを使用してRT−PCRを行った場合の分析結果を示す。ここで、分離されたRNAは、各試料に反応したGAPDHを参照して定量した。(B)は、(A)で収集した各ゲルのmRNAのバンド強度を濃度計で測定して得られたCXCR1およびCXCR2の発現レベルのグラフである(および**,p<0.001;n=4)。(C)は、UCB−MSCおよびBM−MSCにおけるCXCR1およびCXCR2のタンパク質の発現レベルを、抗CXCR1抗体および抗CXR2抗体(×400)を利用し、免疫染色法を行った分析結果を示す。(D)は、抗CXCR1抗体および抗CXCR2抗体の抗原特異性を確認するために、UCB−MSCおよびBM−MSCを、抗CXCR1抗体および抗CRCX2抗体の代わりに、二次抗体のみで免疫染色することによって得られた分析結果を示す。 UCB−MSCに緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードする遺伝子を導入して過剰発現させた、UCB−MSCの蛍光顕微鏡イメージである。 GFPをコードする遺伝子および空の遺伝子のそれぞれを、UCB−MSCにおいて過剰発現させた実験の結果を示す。該UCB−MSCをトランスウェルの上の区画に置き、U-87 MG細胞をトランスウェルの下の区画に置いて24時間共培養し、その後、下の区画に移動したUCB−MSCを確認する。 本発明の実施例において使われたプライマー配列を示す。
本発明の発明者らは、腫瘍に対する効果的な遊走性を有する幹細胞を見つけるための研究を行った結果、驚くべきことに、臍帯血由来の間葉系幹細胞(UCB−MSC)が、脳腫瘍に対する強い遊走性を有し、特に、骨髄由来の間葉系幹細胞(BM−MSC)よりも脳腫瘍に対する遊走性がより大きいということを初めて見出した。また、本発明の発明者らは、UCB−MSCの遊走性には、インターロイキン−8(IL−8)またはGRO−αが関与するということを見出した。
本発明の発明者らは、UCB−MSCと代表的な腫瘍細胞株とを共培養し、UCB−MSCの遊走性の特性を同定し、またこれらのヒト腫瘍細胞株に関連するサイトカインを同定した。特に、トランスウェル・チャンバを利用してUCB−MSCと、U−87 MG、LN18、U138、またはU251などのヒト脳腫瘍細胞株;LS−174Tなどのヒト直腸がん細胞株;NC37などのヒトBリンパ球;マウスの線維芽細胞(NIH3T3);KATO IIIなどの胃がん細胞株;A549などの肺がん細胞株;およびPLC/PRF5などの肝臓がん細胞株を共培養し、UCB−MSCの移動性を測定した結果、UCB-MSCが、脳腫瘍細胞であるU−87 MG、LN18、U138、U251に対して強力な遊走性を有するということが見出された(図3および図4)。UCB−MSCは、U−87 MG細胞を含まない、U−87 MGを培養して得た馴化培地に対しても、遊走性を示した(図4)。
また、UCB−MSCの脳腫瘍細胞株に対する遊走性を、現在幹細胞の供給源として使用されているBM−MSCと比較分析した結果、脳腫瘍細胞株に対して、UCB−MSCがBM−MSCよりも強い遊走性を有することが見出された(図5)。また、UCB−MSCの走化性インデックスは、各種がん細胞株のうちで脳腫瘍細胞株で最も高かった(図6)。BM−MSCよりUCB−MSCがより容易に入手でき、より高い免疫安定性を有するという事実に加えて、脳腫瘍細胞株に対するこのような高い走化性インデックスは、UCB−MSCのさらなる長所であり、UCB−MSCが、脳腫瘍内部または脳腫瘍付近に治療遺伝子を効果的に伝達するために、脳腫瘍の遺伝子治療に極めて適した媒体であることを立証するものである。
前記トランスウェル・チャンバ内でのUCB−MSCの遊走性は、2種類の細胞の共培養において分泌が誘導されるサイトカインによって誘導されうる。従って、トランスウェル・チャンバ中で2種類の細胞を共培養して培地を調製し、続いてサイトカインアレイを利用してその培地を分析した。その結果、UCB−MSCとU87 MGとを共培養した培地で、IL−8またはGRO−αのようなサイトカインが高レベルで分泌されるということが確認された(図7)。従って、これらのサイトカインが、UCB−MSCの遊走性を誘導した可能性が高い。
本発明の発明者らは、UCB−MSC単独培養、U−87 MG細胞単独培養、前記UCB−MSCとU−87 MGの共培養後、これらの細胞のIL−8 mRNAレベルをRT−PCRで分析した。その結果、UCB−MSCは、U−87 MG細胞が存在しても存在しなくても、IL−8を発現しなかったが、U−87 MGは、 UCB−MSCが存在しても存在しなくてもIL−8を構成的に発現した(図8)。UCB−MSCをIL−8で処理すると、処理していない場合と比較し、移動が顕著に多くなった(図9A)。しかし、UCB−MSCをIL−8受容体に対する抗体である抗CXCR1抗体とプレインキュベートした後、組換えIL−8をUCB−MSCに適用したところ、IL−8によるUCB−MSCの移動が抗CXCR1抗体により用量依存的に減少した(図9B)。抗CXCR2処理もまた、同じ効果を示した。GRO−α処理もまた、処理していないUCB−MSCと比較して、UCB−MSCの移動を増加させた(図9C)。一方、MCP−1で処理された培養物では、UCB−MSCの移動において、有意な差を観察できなかった(図9D)。このデータは、UCB−MSCのU−87 MG細胞への移動に、IL−8およびGRO−αが関与するということを示している。
各がん細胞から分泌されたIL−8の濃度とUCB−MSCの移動性との相関関係を測定した結果、UCB−MSCを最も多く移動させたU−87 MGが、IL−8を最も多く生産した(図10A)。本発明者はまた、多様な神経膠腫細胞でIL-8分泌レベルを測定した。UCB−MSC移動性の標的細胞であった試験されたあらゆる神経膠腫細胞株はまた、高いIL-8分泌レベルを示した(図10B)。このデータは、UCB−MSCがIL−8を分泌する細胞に対して強い移動誘引力を有するということを示している。これを確認するために、IL−8の発現度が低いヒト肺がん細胞であるA549において人為的にIL−8を過剰発現させて、IL−8を過剰発現しているA549とUCB−MSCとを共培養した。その結果、A549細胞への移動性が低かったUCB−MSCが、IL−8を過剰発現しているA549細胞には、高い移動性を示すことが見出された。従って、IL−8がUCB−MSCの強い誘導因子でありうる(図10C)。
本発明の発明者らは、U−87 MG細胞またはIL−8に関してBM−MSCとUCB−MSCの移動特性を比較した。その結果、UCB−MSCはBM−MSCに比べてU−87 MG細胞またはIL−8に対してより強力に移動した。UCB−MSC移動性は、IL−8処理に対応して劇的に増加したが、BM−MSCの場合は、IL−8処理に対応して弱かった(図11)。
UCB−MSCとBM−MSCにおける、CXCケモカイン受容体1(CXCR1)およびCXCケモカイン受容体2(CXCR2)の発現レベルを、mRNAとタンパク質とを測定することで比較した(図12)。UCB−MSCおよびBM−MSCから単離した総RNAを使用してRT−PCR分析した結果、CXCR1およびCXCR2両方のPCR産物は、BM−MSCに比べてUCB−MSCでより高い強度を有した。CXCR1とCXCR2とのタンパク質発現に関して、UCB−MSCおよびBM−MSCの両方で、CXCR1とCXCR2が高く発現された。IL−8はCXCR1およびCXCR2に対して高い親和性を有するので、UCB−MSCのU−87 MGに対する上昇した移動性は、CXCR1およびCXCR2の上方制御された発現に起因していると考えられる。
本発明者らは、UCB−MSCに緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードする遺伝子を導入する試験を行った。その結果、GFPがうまく導入され発現されることが見出された(図13)。また、GFPをコードする遺伝子を過剰発現しているUCB−MSCも、U87 MGに対する遊走性を有するということも見出された(図14)。このような結果は、遺伝子またはその産物を導入されたUCB−MSCが、IL−8またはGRO−αを分泌する細胞に伝達されうるということを示している。
前記結果に基づき、本発明は、UCB−MSCを利用して、IL−8またはGRO−αを発現する細胞に遺伝子またはその産物を伝達する方法に関する。また本発明は、IL−8またはGRO−αを発現し、かつUCB−MSCの遊走性を誘導する細胞に、治療的遺伝子またはマーカー遺伝子、あるいはその産物を伝達する、UCB−MSCを含む治療的組成物にも関する。また本発明は、UCB−MSCを利用する、治療用の薬学的組成物、キット、脳腫瘍を予防または治療するための使用、および脳腫瘍の治療方法に関する。本発明は、UCB−MSCを利用する、組成物、脳腫瘍の診断用または治療経過モニタリング用のキット、および脳腫瘍の診断方法または脳腫瘍治療経過のモニタリング方法に関する。
具体的には本発明の概念は、以下に関する。
[1]UCB−MSCを含む、脳腫瘍の予防または治療用の薬学的組成物。
[2]UCB−MSCを含む、脳腫瘍の予防または治療用の薬学的組成物であって、UCB−MSCが脳腫瘍の遺伝子治療のためのキャリアとして機能する、薬学的組成物。
[3]UCB−MSCを含む、脳腫瘍の予防または治療用の薬学的組成物であって、抗腫瘍遺伝子がUCB−MSCに導入された、薬学的組成物。
[4]UCB−MSCを含む、脳腫瘍の予防または治療用の薬学的組成物であって、抗腫瘍遺伝子がUCB−MSCに導入され、抗腫瘍遺伝子が腫瘍抑制遺伝子、アポトーシス誘導因子遺伝子、細胞周期調節遺伝子および血管新生抑制遺伝子から選択される、薬学的組成物。
[5]UCB−MSCを含む、脳腫瘍の予防または治療用の薬学的組成物であって、抗腫瘍遺伝子がUCB−MSCに導入され、抗腫瘍遺伝子が腫瘍抑制遺伝子、アポトーシス誘導因子遺伝子、細胞周期調節遺伝子および血管新生抑制遺伝子から選択され、腫瘍抑制遺伝子がホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)の遺伝子、Maspinの遺伝子、RUNX3の遺伝子、Caveolin−1の遺伝子、nm23の遺伝子、Rbタンパク質の遺伝子、Brush−1の遺伝子、腫瘍増殖の阻害因子(ING−4)の遺伝子、Survivinの遺伝子、X染色体連鎖性アポトーシス阻害タンパク質(XIAP)の遺伝子、神経アポトーシス阻害タンパク質(NAIP)の遺伝子、およびそれらの遺伝子を調節するタンパク質の遺伝子からなる群から選択されてもよい、薬学的組成物。
[6]UCB−MSCを含む、脳腫瘍の予防または治療用の薬学的組成物であって、抗腫瘍遺伝子がUCB−MSCに導入され、抗腫瘍遺伝子が腫瘍抑制遺伝子、アポトーシス誘導因子遺伝子、細胞周期調節遺伝子および血管新生抑制遺伝子から選択され、アポトーシス誘導因子遺伝子が、サイトカインの遺伝子、インターロイキンの遺伝子、腫瘍壊死因子(TNF)の遺伝子、インターフェロン(INF−α、INF−β、INF−γ)の遺伝子、コロニー刺激因子(CSF)の遺伝子、p53の遺伝子、Apaf−1の遺伝子、TRAILの遺伝子、カスパーゼの遺伝子、Baxの遺伝子、Badの遺伝子、FADDの遺伝子、JNKの遺伝子、p38キナーゼの遺伝子、およびそれら遺伝子を調節するタンパク質の遺伝子からなる群から選択されてもよい、薬学的組成物。
[7]UCB−MSCを含む、脳腫瘍の予防または治療用の薬学的組成物であって、抗腫瘍遺伝子がUCB−MSCに導入され、抗腫瘍遺伝子が腫瘍抑制遺伝子、アポトーシス誘導因子遺伝子、細胞周期調節遺伝子および血管新生抑制遺伝子から選択され、細胞周期調節遺伝子が、cdc2の遺伝子、サイクリン(サイクリンA、サイクリンD、サイクリンE)の遺伝子、cdc25Cの遺伝子、p21WAFの遺伝子、p16INK4の遺伝子、CDK(CDK1、CDK2、CDK4、CDK6)の遺伝子、Rbタンパク質の遺伝子、E2Fの遺伝子、それらのアンチセンスまたはSiRNAおよびそれらの遺伝子を調節するタンパク質の遺伝子からなる群から選択されてもよい、薬学的組成物。
[8]UCB−MSCを含む、脳腫瘍の予防または治療用の薬学的組成物であって、抗腫瘍遺伝子がUCB−MSCに導入され、抗腫瘍遺伝子が腫瘍抑制遺伝子、アポトーシス誘導因子遺伝子、細胞周期調節遺伝子および血管新生抑制遺伝子から選択され、血管新生抑制遺伝子が、トロンボスポンジン−1の遺伝子、エンドスタチンの遺伝子、タムスタチンの遺伝子、カンスタチン(canstatin)の遺伝子、バスタチン(vastatin)の遺伝子、レスチン(restin)の遺伝子、血管内皮増殖抑制因子の遺伝子、マスピン(maspin)の遺伝子、アンジオポエチンの遺伝子、プロラクチン16−kd断片の遺伝子、およびエンドレペリン(endorepellin)の遺伝子からなる群から選択されてもよい、薬学的組成物。
[9]UCB−MSCを含む、脳腫瘍の予防または治療用の薬学的組成物であって、プロドラッグ転換酵素遺伝子がUCB−MSCに導入された、薬学的組成物。
[10]UCB−MSCを含む、脳腫瘍の予防または治療用の薬学的組成物であって、プロドラッグ転換酵素遺伝子が、UCB−MSCに導入され、前記プロドラッグ転換酵素遺伝子が、シトシンデアミナーゼ遺伝子およびCYP2B1遺伝子から選択される、薬学的組成物。
[11]UCB−MSCを含む、脳腫瘍の予防または治療用の薬学的組成物であって、脳腫瘍と関連する遺伝子のアンチセンスまたはSiRNAがUCB−MSCに導入された、薬学的組成物。
[12]UCB−MSCを含む、脳腫瘍の予防または治療用の薬学的組成物であって、脳腫瘍と関連する遺伝子のアンチセンスまたはSiRNAが、UCB−MSCに導入され、脳腫瘍と関連する遺伝子が、Rasファミリーの遺伝子、c−mycの遺伝子、ablの遺伝子、erbB−1の遺伝子、EGF−Rの遺伝子、Baxの遺伝子、Apaf−1相互作用タンパク質(APIP)の遺伝子、Wnt−1誘導性分泌タンパク質1(WISP−1)の遺伝子、Wntの遺伝子、Raf−1の遺伝子、Srcの遺伝子、Aktの遺伝子、Erk−1、2の遺伝子、およびBcL−2の遺伝子からなる群から選択されてもよい、薬学的組成物。
[13]UCB−MSCを含む、脳腫瘍の予防または治療用の薬学的組成物であって、腫瘍崩壊ウイルスがUCB−MSCに導入された、薬学的組成物。
[14]UCB−MSCを含む、脳腫瘍の予防または治療用の薬学的組成物であって、腫瘍崩壊ウイルスがUCB−MSCに導入され、該腫瘍崩壊ウイルスが単純ヘルペスウイルスおよびレオウイルス3型から選択される、薬学的組成物。
[15]脳腫瘍の予防または治療用の薬学的組成物のいずれか一つであって、前記脳腫瘍が、星状細胞腫、毛様細胞性星状細胞腫、低悪性度星状細胞腫、未分化星状細胞腫、多形性膠芽腫、脳幹神経膠腫、上衣細胞腫、上衣下細胞腫、神経節細胞腫、混合性神経膠腫、乏突起細胞腫、視神経膠腫、聴神経腫、脊索腫、CNSリンパ腫、頭蓋咽頭腫、血管芽細胞腫、髄芽腫、髄膜腫、松果体腫瘍、下垂体腫瘍、未分化神経外胚葉性腫瘍、ラブドイド腫瘍、神経鞘腫、嚢胞、神経線維腫症、偽脳腫瘍、および結節硬化症からなる群から選択される、薬学的組成物。
[16]UCB−MSCを含む、脳腫瘍を診断するまたは脳腫瘍の治療経過をモニタリングするための組成物。
[17]UCB−MSCを含む、脳腫瘍を診断するまたは脳腫瘍の治療経過をモニタリングするための組成物であって、前記UCB−MSCが検出可能なマーカーで標識される、組成物。
[18]UCB−MSCを含む、脳腫瘍を診断するまたは脳腫瘍の治療経過をモニタリングするための組成物であって、前記UCB−MSCが検出可能なマーカーで標識され、前記検出可能なマーカーが、ルシフェラーゼを含む酵素に基づく蛍光検出剤およびTatペプチド誘導体化磁性ナノ粒子から選択される、組成物。
[19]脳腫瘍を診断するまたは脳腫瘍の治療経過をモニタリングするための組成物のいずれか一つであって、前記脳腫瘍が、星状細胞腫、毛様細胞性星状細胞腫、低悪性度星状細胞腫、未分化星状細胞腫、多形性膠芽腫、脳幹神経膠腫、上衣細胞腫、上衣下細胞腫、神経節細胞腫、混合性神経膠腫、乏突起細胞腫、視神経膠腫、聴神経腫、脊索腫、CNSリンパ腫、頭蓋咽頭腫、血管芽細胞腫、髄芽腫、髄膜腫、松果体腫瘍、下垂体腫瘍、未分化神経外胚葉性腫瘍、ラブドイド腫瘍、神経鞘腫、嚢胞、神経線維腫症、偽脳腫瘍、および結節硬化症からなる群から選択される、組成物。
[20]プロドラッグ転換酵素遺伝子を有する発現ベクター、UCB−MSC、および抗がん剤のプロドラッグを含む、脳腫瘍を治療するためのキット。
[21]プロドラッグ転換酵素遺伝子を有する発現ベクター、UCB−MSC、および抗がん剤のプロドラッグを含む、脳腫瘍を治療するためのキットであって、前記プロドラッグ転換酵素遺伝子が、シトシンデアミナーゼ遺伝子およびCYP2B1遺伝子から選択される、キット。
[22]プロドラッグ転換酵素遺伝子を有する発現ベクター、UCB−MSC、および抗がん剤のプロドラッグを含む、脳腫瘍を治療するためのキットであって、プロドラッグ転換酵素遺伝子が、シトシンデアミナーゼ遺伝子およびCYP2B1遺伝子から選択され、UCB−MSCが、プロドラッグ転換酵素遺伝子を有する発現ベクターでトランスフェクトされる、キット。
[23]脳腫瘍が星状細胞腫、毛様細胞性星状細胞腫、低悪性度星状細胞腫、未分化星状細胞腫、多形性膠芽腫、脳幹神経膠腫、上衣細胞腫、上衣下細胞腫、神経節細胞腫、混合性神経膠腫、乏突起細胞腫、視神経膠腫、聴神経腫、脊索腫、CNSリンパ腫、頭蓋咽頭腫、血管芽細胞腫、髄芽腫、髄膜腫、松果体腫瘍、下垂体腫瘍、未分化神経外胚葉性腫瘍、ラブドイド腫瘍、神経鞘腫、嚢胞、神経線維腫症、偽脳腫瘍、および結節硬化症からなる群から選択される、上記のキットのいずれか一つ。
[24]細胞に治療的遺伝子またはその産物を伝達するための遺伝子治療用の組成物であって、該遺伝子治療用組成物がUCB−MSCを含み、前記細胞が、IL−8またはGRO−αを発現し、かつUCB−MSCの遊走性を誘導する、遺伝子治療用の組成物。
[25]細胞に治療的遺伝子またはその産物を伝達するための遺伝子治療用の組成物であって、該遺伝子治療用組成物がUCB−MSCを含み、前記細胞が、IL−8またはGRO−αを発現し、かつUCB−MSCの遊走性を誘導し、UCB−MSCが遺伝子治療のためのキャリアとして機能する、遺伝子治療用の組成物。
[26]細胞に治療的遺伝子またはその産物を伝達するための遺伝子治療用の組成物であって、該遺伝子治療用組成物がUCB−MSCを含み、前記細胞が、IL−8またはGRO−αを発現し、かつUCB−MSCの遊走性を誘導し、抗腫瘍遺伝子が、UCB−MSCに導入された、遺伝子治療用の組成物。
[27]細胞に治療的遺伝子またはその産物を伝達するための遺伝子治療用の組成物であって、該遺伝子治療用組成物がUCB−MSCを含み、前記細胞が、IL−8またはGRO−αを発現し、かつUCB−MSCの遊走性を誘導し、抗腫瘍遺伝子が、UCB−MSCに導入され、抗腫瘍遺伝子が腫瘍抑制遺伝子、アポトーシス誘導因子遺伝子、細胞周期調節遺伝子および血管新生抑制遺伝子からなる群から選択される、遺伝子治療用の組成物。
[28]細胞に治療的遺伝子またはその産物を伝達するための遺伝子治療用の組成物であって、該遺伝子治療用組成物がUCB−MSCを含み、前記細胞が、IL−8またはGRO−αを発現し、かつUCB−MSCの遊走性を誘導し、抗腫瘍遺伝子が、UCB−MSCに導入され、抗腫瘍遺伝子が腫瘍抑制遺伝子、アポトーシス誘導因子遺伝子、細胞周期調節遺伝子および血管新生抑制遺伝子からなる群から選択され、腫瘍抑制遺伝子がホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)の遺伝子、Maspinの遺伝子、RUNX3の遺伝子、Caveolin−1の遺伝子、nm23の遺伝子、Rbタンパク質の遺伝子、Brush−1の遺伝子、腫瘍増殖の阻害因子(ING−4)の遺伝子、Survivinの遺伝子、X染色体連鎖性アポトーシス阻害タンパク質(XIAP)の遺伝子、神経アポトーシス阻害タンパク質(NAIP)の遺伝子、およびそれらの遺伝子を調節するタンパク質の遺伝子からなる群から選択されてもよい、遺伝子治療用の組成物。
[29]細胞に治療的遺伝子またはその産物を伝達するための遺伝子治療用の組成物であって、該遺伝子治療用組成物がUCB−MSCを含み、前記細胞が、IL−8またはGRO−αを発現し、かつUCB−MSCの遊走性を誘導し、抗腫瘍遺伝子が、UCB−MSCに導入され、抗腫瘍遺伝子が腫瘍抑制遺伝子、アポトーシス誘導因子遺伝子、細胞周期調節遺伝子および血管新生抑制遺伝子からなる群から選択され、アポトーシス誘導因子遺伝子がサイトカインの遺伝子、インターロイキンの遺伝子、腫瘍壊死因子(TNF)の遺伝子、インターフェロン(INF−α、INF−β、INF−γ)の遺伝子、コロニー刺激因子(CSF)の遺伝子、p53の遺伝子、Apaf−1の遺伝子、TRAILの遺伝子、カスパーゼの遺伝子、Baxの遺伝子、Badの遺伝子、FADDの遺伝子、JNKの遺伝子、p38キナーゼの遺伝子、およびそれらの遺伝子を調節するタンパク質の遺伝子からなる群から選択されてもよい、遺伝子治療用の組成物。
[30]細胞に治療的遺伝子またはその産物を伝達するための遺伝子治療用の組成物であって、該遺伝子治療用組成物がUCB−MSCを含み、前記細胞が、IL−8またはGRO−αを発現し、かつUCB−MSCの遊走性を誘導し、抗腫瘍遺伝子が、UCB−MSCに導入され、抗腫瘍遺伝子が腫瘍抑制遺伝子、アポトーシス誘導因子遺伝子、細胞周期調節遺伝子および血管新生抑制遺伝子からなる群から選択され、細胞周期調節遺伝子がcdc2の遺伝子、サイクリン(サイクリンA、サイクリンD、サイクリンE)の遺伝子、cdc25Cの遺伝子、p21WAFの遺伝子、p16INK4の遺伝子、CDK(CDK1、CDK2、CDK4、CDK6)の遺伝子、Rbタンパク質の遺伝子、E2Fの遺伝子、それらのアンチセンスまたはSiRNAおよびそれらの遺伝子を調節するタンパク質の遺伝子からなる群から選択されてもよい、遺伝子治療用の組成物。
[31]細胞に治療的遺伝子またはその産物を伝達するための遺伝子治療用の組成物であって、該遺伝子治療用組成物がUCB−MSCを含み、前記細胞が、IL−8またはGRO−αを発現し、かつUCB−MSCの遊走性を誘導し、抗腫瘍遺伝子が、UCB−MSCに導入され、抗腫瘍遺伝子が腫瘍抑制遺伝子、アポトーシス誘導因子遺伝子、細胞周期調節遺伝子および血管新生抑制遺伝子からなる群から選択され、血管新生抑制遺伝子が、トロンボスポンジン−1の遺伝子、エンドスタチンの遺伝子、タムスタチンの遺伝子、カンスタチン(canstatin)の遺伝子、バスタチン(vastatin)の遺伝子、レスチン(restin)の遺伝子、血管内皮増殖抑制因子の遺伝子、マスピン(maspin)の遺伝子、アンジオポエチンの遺伝子、プロラクチン16−kd断片の遺伝子、およびエンドレペリン(endorepellin)の遺伝子からなる群から選択されてもよい、遺伝子治療用の組成物。
[32]細胞に治療的遺伝子またはその産物を伝達するための遺伝子治療用の組成物であって、該遺伝子治療用組成物がUCB−MSCを含み、前記細胞が、IL−8またはGRO−αを発現し、かつUCB−MSCの遊走性を誘導し、プロドラッグ転換酵素遺伝子が、UCB−MSCに導入された、遺伝子治療用の組成物。
[33]細胞に治療的遺伝子またはその産物を伝達するための遺伝子治療用の組成物であって、該遺伝子治療用組成物がUCB−MSCを含み、前記細胞が、IL−8またはGRO−αを発現し、かつUCB−MSCの遊走性を誘導し、プロドラッグ転換酵素遺伝子が、UCB−MSCに導入され、前記プロドラッグ転換酵素遺伝子がシトシンデアミナーゼ遺伝子およびCYP2B1遺伝子からなる群から選択される、遺伝子治療用の組成物。
[34]細胞に治療的遺伝子またはその産物を伝達するための遺伝子治療用の組成物であって、該遺伝子治療用組成物がUCB−MSCを含み、前記細胞が、IL−8またはGRO−αを発現し、かつUCB−MSCの遊走性を誘導し、腫瘍と関連する遺伝子に対するアンチセンスまたはSiRNAが、UCB−MSCに導入された、遺伝子治療用の組成物。
[35]細胞に治療的遺伝子またはその産物を伝達するための遺伝子治療用の組成物であって、該遺伝子治療用組成物がUCB−MSCを含み、前記細胞が、IL−8またはGRO−αを発現し、かつUCB−MSCの遊走性を誘導し、腫瘍と関連する遺伝子に対するアンチセンスまたはSiRNAが、UCB−MSCに導入され、腫瘍と関連する遺伝子がRasファミリーの遺伝子、c−mycの遺伝子、ablの遺伝子、erbB−1の遺伝子、EGF−Rの遺伝子、Baxの遺伝子、Apaf−1相互作用タンパク質(APIP)の遺伝子、Wnt−1誘導性分泌タンパク質1(WISP−1)の遺伝子、Wntの遺伝子、Raf−1の遺伝子、Srcの遺伝子、Aktの遺伝子、Erk−1、2の遺伝子、およびBcL−2の遺伝子からなる群から選択されてもよい、遺伝子治療用の組成物。
[36]細胞に治療的遺伝子またはその産物を伝達するための遺伝子治療用の組成物であって、該遺伝子治療用組成物がUCB−MSCを含み、前記細胞が、IL−8またはGRO−αを発現し、かつUCB−MSCの遊走性を誘導し、腫瘍崩壊ウイルスが、UCB−MSCに導入された、遺伝子治療用の組成物。
[37]細胞に治療的遺伝子またはその産物を伝達するための遺伝子治療用の組成物であって、該遺伝子治療用組成物がUCB−MSCを含み、前記細胞が、IL−8またはGRO−αを発現し、かつUCB−MSCの遊走性を誘導し、腫瘍崩壊ウイルスが、UCB−MSCに導入され、腫瘍崩壊ウイルスが単純ヘルペスウイルスおよびレオウイルス3型からなる群から選択される、遺伝子治療用の組成物。
[38]細胞を含む部位に発生した疾患の診断または該疾患の治療経過モニタリング用の組成物であって、該組成物がUCB−MSCを含み、前記細胞がIL−8またはGRO−αを発現し、かつUCB−MSCの遊走性を誘導する、組成物。
[39]細胞を含む部位に発生した疾患の診断または該疾患の治療経過モニタリング用の組成物であって、該組成物がUCB−MSCを含み、前記細胞がIL−8またはGRO−αを発現し、かつUCB−MSCの遊走性を誘導し、前記UCB−MSCが検出可能なマーカーで標識される、組成物。
[40]細胞を含む部位に発生した疾患の診断または該疾患の治療経過モニタリング用の組成物であって、該組成物がUCB−MSCを含み、前記細胞がIL−8またはGRO−αを発現し、かつUCB−MSCの遊走性を誘導し、前記UCB−MSCが検出可能なマーカーで標識され、前記検出可能なマーカーが、ルシフェラーゼを含む酵素に基づく蛍光検出剤およびTatペプチド誘導体化磁性ナノ粒子からなる群から選択されてもよい、組成物。
以下、本発明について詳細に説明する。
本明細書において、用語「臍帯血(umbilical blood)」は、ヒトを含むあらゆる哺乳動物で、胎盤と胎児とを連結する臍静脈から採取された血液を意味する。
本明細書において、用語「臍帯血由来の間葉系幹細胞(UCB−MSC)」は、哺乳動物、望ましくは、ヒトの臍帯血から分離および培養されたMSCを意味する。
本明細書において、用語「治療」は、まだ疾患を保有していると診断されていないが、疾患に罹りやすい動物、望ましくは、哺乳動物、より望ましくは、ヒトで、疾患または障害の発症に対する予防、疾患の進行の抑制および疾患の軽減を意味する。
本明細書において、用語「脳腫瘍」は、脳および脊髄に発生する悪性腫瘍および良性腫瘍、ならびにグリア細胞および非グリア細胞に発生するあらゆる腫瘍を意味する。かような意味において、前記脳腫瘍は、一次性脳腫瘍または二次性脳腫瘍でありうる。
一方、本明細書で、定義されていない用語は、本発明が属する技術分野で一般的に使われる意味を有しうる。
臍帯血由来の間葉系幹細胞を含む単球を分離するためには、本出願人によって出願されて登録された韓国登録特許第489248号に記載された方法のようなあらゆる公知の方法が使用されうる。例えば、前記分離方法は、フィコールハイパック密度勾配分離法(Ficoll-Hypaque density gradient method)でありうるが、これに制限されるものではない。具体的に、分娩後に胎盤が剥離される前に臍静脈(umbilical vein)から採取した臍帯血を、フィコールハイパック勾配(Ficoll-Hypaque gradient)で遠心分離して単球を得た後、その単球を数回洗浄して不純物を除去する。このように得られた単球は、間葉系幹細胞の分離もしくは培養に直ちに利用することができ、または長期間低温保存されうる。
間葉系幹細胞は、大韓民国公開特許第2003−0069115号公報の方法のような、公知の任意の方法(Pittinger MFら,Science,284:143−7,1999、およびLazarus HMら,Bone Marrow Transplant,16:557−64,1995)を使用して、臍帯血から分離および培養することができる。
まず、前記分離された臍帯血を、例えば、フィコールハイパック濃度勾配を利用して遠心分離することによって、造血細胞および間葉系幹細胞を含む単球を分離した後、その単球を何回か洗浄して不純物を除去する。洗浄後、適切な濃度で単球を培養ディッシュに播種し、単一層の形態で細胞を増殖させる。これらの細胞を位相差顕微鏡で確認した。前記位相差顕微鏡イメージで、均一でかつ紡錘形の細胞のコロニーが間葉系幹細胞である。その後細胞が培養されて成長すれば、所望の細胞数になるまで継代培養により増殖させる。
本発明の組成物に含まれるUCB-MSCは、公知の方法を使用して低温保存されうる(Camposら,Cryobiology 35:921−924,1995)。低温保存過程のための培地は、10〜20%ウシ胎仔血清(FBS)、および10%ジメチルスルホキシド(DMSO)を含むことができる。前記培地1mLに約1×10〜5×10個の細胞の濃度になるまで、前記培地に前記細胞を懸濁させる。
前記細胞懸濁液を低温保存用のガラスまたはプラスチック材質のアンプルに分配し、サンプルを密封し、温度制御されプログラムされた冷凍機に入れる。冷凍された細胞が解凍されるときの細胞損傷を低減するように、細胞は、−1℃/分の温度変化を提供する冷凍プログラムを利用して冷凍される。サンプルの温度が−90℃以下に達すれば、−150℃以下の温度を有する液体窒素保存タンクに移動させる。
低温保存された細胞を解凍させるときは、サンプルを液体窒素保存タンクから速かに37℃に調節された水槽に移動させる。アンプル中で解凍された内容物は、安定した条件で培養培地を含んだ培養ディッシュに移される。
本発明で、間葉系幹細胞の分離および培養のための培養培地は、10%〜30%FBSを含む細胞培養培地でありうる。前記細胞培養培地は、当業界で一般的に使われる細胞培養培地のいずれでもよい。前記細胞培養培地の例としては、DMEM培地、MEM培地、α−MEM培地、McCoys 5A培地、イーグルズ基本培地、CMRL培地、グラスゴー(Glasgow)最小必須培地、(Ham’s)F−12培地、イスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)、(Liebovitz’)L−15培地、及びRPMI 1640培地を含む。例えば、前記細胞培養培地は、DMEM培地でありうる。培養時には、細胞は、細胞の濃度が、前記培地1mLに約5×10〜2×10個の細胞であるように懸濁されうる。
また、前記細胞培養培地には、必要によって一種以上の添加物を含めてもよい。かような添加物としては、ウシ胎仔、ウマまたはヒトの血清、微生物の汚染を防止するためペニシリンG、硫酸ストレプトマイシンまたはゲンタマイシンなどの抗生剤、アンフォテリシンBまたはニスタチンなどの抗真菌剤およびそれらから選択された少なくとも2つの物質の混合物からなる群から選択された少なくとも一つの物質を含むことができる。
本発明のUCB−MSCは、脳腫瘍細胞の成長を実質的に阻害するための治療剤を伝達できるように、遺伝子操作してもよい。また本発明のUCB−MSCは、IL−8またはGRO−αを分泌する細胞に治療的遺伝子またはその産物を伝達できるように、遺伝子操作してもよい。ここで使われた「阻害」とは、細胞増殖および成長を阻害するだけでなく、壊死やアポトーシスも含まれる。治療的遺伝子は、例えば、抗腫瘍遺伝子、プロドラッグを薬物に転換する酵素の遺伝子、腫瘍と関連する遺伝子に対するアンチセンスまたはSiRNA、または腫瘍崩壊ウイルスでありうる(Yip Sら,The Cancer J.9(3),189−204,2003)。前記抗腫瘍遺伝子は、腫瘍抑制遺伝子、アポトーシス誘導因子遺伝子、細胞周期調節遺伝子または血管新生抑制遺伝子でありうる。具体的に、前記腫瘍抑制遺伝子は、ホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)の遺伝子、Maspinの遺伝子、RUNX3の遺伝子、Caveolin−1の遺伝子、nm23の遺伝子、Rbタンパク質の遺伝子、Brush−1の遺伝子、腫瘍増殖の阻害因子(ING−4)の遺伝子、Survivinの遺伝子、X染色体連鎖性アポトーシス阻害タンパク質(XIAP)の遺伝子、神経アポトーシス阻害タンパク質(NAIP)の遺伝子、およびそれらの遺伝子を調節するタンパク質の遺伝子からなる群から選択されうる。前記腫瘍抑制遺伝子は、上記のこれらの遺伝子に制限されるものではない。前記アポトーシス誘導因子遺伝子は、サイトカインの遺伝子、インターロイキンの遺伝子、腫瘍壊死因子(TNF)の遺伝子、インターフェロン(INF−α、INF−β、INF−γ)の遺伝子、コロニー刺激因子(CSF)の遺伝子、p53の遺伝子、Apaf−1の遺伝子、TNF関連アポトーシス誘導性リガンド(TRAIL)の遺伝子、カスパーゼの遺伝子、Baxの遺伝子、Badの遺伝子、FADDの遺伝子、JNKの遺伝子、p38キナーゼの遺伝子、およびそれらの遺伝子を調節するタンパク質の遺伝子からなる群から選択されうる。前記アポトーシス誘導因子遺伝子は、上記のこれらの遺伝子に制限されるものではない。前記細胞周期調節遺伝子は、cdc2の遺伝子、サイクリン(サイクリンA、サイクリンD、サイクリンE)の遺伝子、cdc25Cの遺伝子、p21WAFの遺伝子、p16INK4の遺伝子、CDK(CDK1、CDK2、CDK4、CDK6)の遺伝子、Rbタンパク質の遺伝子、E2Fの遺伝子からなる群から選択されうる。前記細胞周期調節遺伝子は、上記のこれらの遺伝子に制限されるものではない。前記血管新生抑制遺伝子は、トロンボスポンジン−1の遺伝子、エンドスタチンの遺伝子、タムスタチンの遺伝子、カンスタチン(canstatin)の遺伝子、バスタチン(vastatin)の遺伝子、レスチン(restin)の遺伝子、血管内皮増殖抑制因子の遺伝子、マスピン(maspin)の遺伝子、アンジオポエチンの遺伝子、プロラクチン16−kd断片の遺伝子、及びエンドレペリン(endorepellin)の遺伝子からなる群から選択されうる。前記血管新生抑制遺伝子は、上記のこれらの遺伝子に制限されるものではない。前記プロドラッグを薬物に転換する酵素の遺伝子は、抗がん剤である5−FUのプロドラッグである5−FCを5−FUに転換するシトシンデアミナーゼ、または抗がん剤であるシクロフォスファミドおよびイフォスファミドを生物活性化させるのに関与するCYP2B1遺伝子でありうる。プロドラッグを薬物に転換する酵素の遺伝子は、上記のこれらの物質に制限されるものではない。前記腫瘍と関連した遺伝子に対するアンチセンスまたはSiRNAは、Rasファミリーの遺伝子、c−mycの遺伝子、ablの遺伝子、erbB−1の遺伝子、EGF−Rの遺伝子、Baxの遺伝子、Apaf−1相互作用タンパク質(APIP)の遺伝子、Wnt−1誘導性分泌タンパク質1(WISP−1)の遺伝子、Wntの遺伝子、Raf−1の遺伝子、Srcの遺伝子、Aktの遺伝子、Erk−1、2の遺伝子、およびBcL−2の遺伝子に対するアンチセンスまたはSiRNAでありうるが、これらに制限されるものではない。
UCB−MSCが保持できる前記腫瘍崩壊ウイルスとしては、単純ヘルペスウイルス、またはレオウイルス3型でありうるが、これらに制限されるものではない。
望ましい遺伝子を発現可能な状態で導入させたUCB−MSCは、当技術分野で公知の技術を利用して適切に作製することが可能である。例えば、導入しようとする遺伝子を含むベクターを調製し(Dehari Hら,Cancer Gene Ther.,10,75−85,2003、WO07/037653)、その後、そのベクターを、初代培養間葉系幹細胞に体外(ex vivo)で形質導入することができる。ここで、前記ベクターの例としては、アデノウイルス・ベクター、レトロウイルス・ベクター、アデノ随伴ウイルス・ベクター、単純ヘルペスウイルス・ベクター、SV40ベクター、ポリオーマウイルス・ベクター、パピローマウイルス・ベクター、ピコルナウイルス・ベクター、ワクシニアウイルス・ベクター、及びレンチウイルスベクターを含む。例として、Tsuda Hらによって開発された方法(Mol Ther 2003,7,354−365)を使用しうる。具体的には、アデノウイルス遺伝子を感染させる1日前に、間葉系幹細胞(5×10細胞)を培養ディッシュに播種してもよい。次いで、間葉系幹細胞と、アデノウイルス遺伝子が導入されたアデノウイルス・ベクターを含む溶液とを、37℃、5%COインキュベータ内で1時間インキュベートし、前記間葉系幹細胞にアデノウイルス遺伝子を感染させる。感染させた間葉系幹細胞を、リン酸バッファ溶液で洗浄して、一般的な培地を加える。または、ウイルス・ベクターを使用せずに、裸のDNAを使用し、リン酸カルシウム法、カチオン性リポゾーム法、及び電気穿孔法から選択された方法によって、望ましい遺伝子をUCB−MSCに導入することができる。または、タンパク質導入ドメイン(PTD)と抗腫瘍タンパク質との融合タンパク質遺伝子を含むベクターを使用し、前記融合タンパク質遺伝子を臍帯血間葉系幹細胞に導入できる(Wu SPら,Biochem Biophys Res Commun.346(1),1−6,2006)。
前記ベクターは、さらなる組織学的検査のための遺伝子マーカーをさらに含んでもよい。この遺伝子マーカーは、例えば、lacZまたは緑色蛍光タンパク質(GFP)のような発色または蛍光性タンパク質をコードする遺伝子であってよいが、これらに限定されるものではない(Yip Sら,The Cancer J.9(3),189−204,2003)。
本発明の薬学的組成物を使用し、診断、予防、及び治療が可能な脳腫瘍は、原発性脳腫瘍または続発性脳腫瘍でありうる。また本発明の組成物を使用し、診断、予防、及び治療が可能な脳腫瘍の例としては、星状細胞腫、毛様細胞性星状細胞腫、低悪性度星状細胞腫、未分化星状細胞腫、多形性膠芽腫、脳幹神経膠腫、上衣細胞腫、上衣下細胞腫、神経節細胞腫、混合性神経膠腫、乏突起細胞腫、視神経膠腫、聴神経腫、脊索腫、CNSリンパ腫、頭蓋咽頭腫、血管芽細胞腫、髄芽腫、髄膜腫、松果体腫瘍、下垂体腫瘍、未分化神経外胚葉性腫瘍、ラブドイド腫瘍、神経鞘腫、嚢胞、神経線維腫症、偽脳腫瘍、および結節硬化症を挙げることができる。本発明の組成物を使用し、診断、予防、及び治療が可能な脳腫瘍は、上記のこれらの腫瘍に限定されるものではない。
本発明の薬学的組成物は、公知の任意の抗がん剤と共に投与してもよい。
UCB−MSCは、組織または臓器を移植した場合の免疫学的拒絶反応の主要な原因であるHLA−DR(主要組織適合複合体クラスII)を発現しないことから(Le Blanc KC,Exp Hematol,31:890−896,2003、およびTse WTら,Transplantation,75:389−397,2003)、移植の主要な問題である拒絶反応などの免疫反応を生じないか、または最小化できる。従って、本発明の薬学的組成物に含まれるUCB−MSCは、自己由来臍帯血に加えて、他の対象由来の臍帯血から採取することができる。本発明によれば、UCB−MSCは、低温保存された後で使用することができる。
本発明による遺伝子治療用または疾患の予防または治療用のUCB−MSCを含む薬学的組成物は、有効成分に加えて薬学的に許容される添加剤をさらに含みうる。前記UCB−MSCを含む薬学的組成物は、身体に投与できる適した製剤に剤形化してもよい。適した製剤は、注射可能製剤または局所的に投与できる製剤など、非経口投与製剤であってよい。例えば、水または薬学的に許容可能である溶媒を含む滅菌された溶液または懸濁液が、注射可能な形態で非経口的に投与されうる。具体的に、水または前記薬学的に許容可能な溶媒は、薬学的に許容可能な担体または媒体と適切に組み合わされ、それによって一般的に許容可能な単位投与形態で注射可能な製剤を形成する。前記薬学的に許容される担体あるいは媒体の例は、滅菌水、生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、賦形剤、ビヒクル(vehicle)、防腐剤、結合剤などを含むことができる。
上記の注射可能な製剤は、一般的な方法によって非経口的に、疾患の部位に特異的に直接投与されうる。または、前記注射可能な製剤は、脳脊髄液、静脈または疾患の部位に血流を供給する動脈を介して投与でき、望ましくは、脳または脊髄における疾患部位の周辺部分、またはその反対側部分に直接投与されうる。例えば、前記注射可能な製剤は、Douglas Kondziolka(Pittsburgh,1998)が開発した臨床方法を利用して投与されうる。すなわち、まず、投与される対象の頭蓋骨を約1cm径ほどのエンドウ豆サイズに切開した後、ハンクス平衡塩類溶液(HBSS)と混合した間葉系幹細胞溶液が注入される。このとき、MSC溶液の注入は、長針を備えた注射器と、脳内部にMSC溶液を正確に注入するための定位固定フレームとを利用してなされる。
前記UCB−MSCの1日投与量は、1×10〜1×10細胞/kg体重、望ましくは、5×10〜5×10細胞/kg体重でありうる。前記1日投与量は1回または数回に分けて投与できる。しかし、本発明のUCB−MSCの投与量は、治療しようとする疾患の種類、治療しようとする疾患の重症度、投与経路、ならびに患者の体重、年齢および性別によって変わりうる。従って、前記投与量は、本発明の範囲を限定するものではない。
さらに本発明は、IL−8またはGRO−αを産生しかつUCB−MSCの遊走性を誘導する細胞に関連した疾患、または脳腫瘍の治療方法を提供し、本方法は、患者に本発明の治療に有効な量の薬学的組成物を投与することを含む。ここで、前記薬学的組成物に含まれるUCB−MSCは、患者本人の臍帯血、または他のヒトもしくは医療用に用いられる動物から採取されてもよい。ここで、前記UCB−MSCは、低温保存した後で利用されうる。UCB−MSCを利用する前記方法は、ヒトに限定されるものではなく、他の哺乳動物にも適用されうる。
本発明はまた、UCB−MSCを使用して、IL−8またはGRO−αを生産しかつUCB−MSCの遊走性を誘導する細胞に関連する疾患または脳腫瘍を診断する方法、およびこの方法を実施するために使用するキットを提供する。この方法で、UCB−MSCは、検出可能なマーカーで標識してもよい。検出可能なマーカーで標識されたUCB−MSCは、最先端の技術によって視覚化され、生きている動物の生体内でリアルタイムで追跡が可能である。前記検出可能なマーカーは、ルシフェラーゼを含む酵素に基づく蛍光検出剤、またはTatペプチド誘導体化磁性ナノ粒子でありうる(Yip Sら,The CancerJ.9(3),189−204,2003)。ルシフェラーゼを発現する幹細胞を使用する場合、リアルタイムで生物発光を特定することによって、投与された幹細胞が疾患部位に移動することを追跡でき、疾患の診断および疾患位置の特定が可能である(Weissleder Rら,Nat Med 9,123−128,2003)。Tatペプチド誘導体化磁性ナノ粒子を、Lewinらが開発した方法(Nat Biotech 18,410−414,2000)によってUCB−MSCに連結させて、その後生体内に投与する。投与したUCB−MSCは、磁気共鳴イメージング(MRI:magnetic resonance imaging)を使用して追跡が可能である。従って、マーカーで標識されたUCB−MSCを生体に投与し、次いでUCB−MSCが集まる部位を確認することによって、腫瘍及び腫瘍の部位を特定することができる。さらに、前記マーカーで標識されたUCB−MSCを脳腫瘍治療中または脳腫瘍治療後に投与し、投与されたUCB−MSCの分布の位置および大きさを特定することが可能である。すなわち、脳腫瘍治療の進行がモニタリングされうる。よって、本発明は、UCB−MSCを使用して、脳腫瘍治療の進行をモニタリングする方法、および本方法を実施するために使用されるキットを提供する。本モニタリング方法および本方法を実施するために使用されるキットは、IL−8またはGRO−αを産生しかつUCB−MSCの遊走性を誘導する細胞に関連する疾患にも適用できる。
本明細書で引用されたあらゆる先行技術文献は、参照としてその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明について以下の実施例を参照してさらに詳細に説明する。これらの実施例は、本発明を例示するだけであり、本発明の概念の範囲を限定することを意図するものではない。
本実験に使われたU−87 MG、A549、KATO III、PLC/PRF5、LN18、U138およびU251の細胞株は、American Type Culture Collection(ATCC)から購入した。A549、KATO IIIおよびPLC/PRF5細胞は、10〜20%(v/v)FBS(HyClone,Logan UT、米国)およびゲンタマイシンを含むRPMIで、37℃、5%COインキュベータ内で培養した。U87 MG、LN18、U138およびU251の細胞は、10〜20%(v/v)FBSを含むイーグルズ最小必須培地(MEM)で増殖させた。骨髄由来間葉系幹細胞(BM−MSC)は、LONZAから購入した。BM−MSCおよび確立されたUCB−MSCは、10〜20%FBSを含有するα−MEM中で培養した。
<実施例1>臍帯血由来間葉系幹細胞(UCB−MSC)の調製
臍帯血サンプルは、産婦の同意を得て、出産時に臍静脈から収集した。具体的に、44mLのCPDA−1抗凝固剤(緑十字、龍仁、京畿道、大韓民国)を含むUCB収集バッグの16ゲージの注射針を臍静脈に挿入し、重力によってUCBを収集した。全ての場合において、臍帯血収集物は、採取後48時間内に処理し、生存率は90%以上であった。
<実施例2>臍帯血由来間葉系幹細胞の分離および増幅
実施例1で調製したUCB−MSCをフィコールハイパック勾配(密度:1.077g/mL、Sigma社製)で遠心分離し、数回洗浄して不純物を除去した。10〜20%FBS(HyClone社)を含有した基本培地(α−MEM,GibcoBRL社)を得られた生成物に添加し、UCB−MSCを懸濁させた。UCB−MSCを、適した濃度で、10〜20%FBSを含有した基本培地に分けた後、5%COインキュベータ内37℃で、一週間に二回培地を交換しながら培養した(図1)。培養された細胞が単一層を形成すれば、位相差顕微鏡を利用し、紡錘状に増幅された間葉系幹細胞を確認した。その後、前記間葉系幹細胞が十分に増幅されるまで継代培養を反復した。
<実施例3>PKH−26で標識されたUCB−MSCの調製
実施例2で培養したUCB−MSCを、文献[Barreda DAら,Developmental and Comparative Immunology,24:395−406,2000]に開示された方法によって、PKH−26(Sigma社)で染色した。まず、UCB−MSCを、トリプシンを利用して細胞培養用ディッシュから分離した後、2×10個の細胞をFBSを含まない培地で洗浄した。洗浄した細胞を遠心分離機を利用して集め、これを製造業者が提供するキットにおいて1mLのDiluent C中に懸濁した。その後、得られた細胞懸濁溶液(2×)を、PKH蛍光色素(2×)1mLと混合し、混合物を25℃で5分間反応させた。標識反応を停止させるために、等量のウシ胎仔血清(FBS)が含まれた培地を反応産物に添加した後、1分間静置させた。PKH−26で標識された細胞を遠心分離によって集めた後、10〜20%FBSが含まれた培地で三回洗浄し、実験に使用した。
<実施例4>トランスウェル・チャンバ内での間葉系幹細胞と他の細胞株との共培養
ヒトUCB−MSC(hUCB−MSC)をPKH−26(Sigma)で染色した。前記染色されたUCB−MSCと他の腫瘍細胞株とを、トランスウェル・チャンバ(FALCON)で培養条件下で、共培養した(間葉系幹細胞:がん細胞株=1:5)。対照群として、がん細胞のない間葉系幹細胞を同じ条件で培養した。培養に使用したトランスウェル・チャンバは、図2に図示するように、下の区画(lower compartment)と上の区画(upper compartment)を含み、微細孔膜(microporous membrane)(8μmサイズ)によって、下の区画が上の区画から分離している。上の区画でPKH−26で標識したhUCB−MSCを培養し、下の区画では、ヒト脳腫瘍細胞株U87−MG、ヒト直腸がん細胞株LS174−T、ヒトBリンパ球NC−37、およびマウスの線維芽細胞NIH3T3の各々を培養した。1日、2日、および3日間それぞれ培養した後、位相差顕微鏡(×100)を利用してPKH−26で標識されたUCB−MSCの移動を同定し、移動したPKH26で標識されたUCB−MSCを計数した(図3)。また、KATO III、A549、PLC/PRF5、LN18、U138、およびU251のような腫瘍細胞株に対しても同じ実験を行い、PKH−26で標識されたUCB−MSCの移動を同定した。U−87 MG細胞によって調節された培地を、トランスウェル・チャンバの下の区画に置いた条件下で、同じ実験を行った(図4)。
すなわち、PKH−26で標識されたUCB−MSCを、トランスウェル・チャンバで様々な腫瘍細胞株と共培養した後、下の区画に移動したPKHで標識された間葉系幹細胞を計数した。その結果、UCB−MSCは、脳腫瘍細胞株であるU87−MG、LN18、U138、およびU251に対しては強力な遊走性を示したが、他の腫瘍細胞に対しては、遊走性が微弱であった(図3及び図4)。図3のBにおいて、左側のイメージは、腫瘍細胞の代わりに、ヒト細胞株を含まない培地が添加された対照群の場合を示し、右側のイメージは、UCB−MSCをU87−MG細胞と共培養した場合を示す。図3を参照すると、多くのPKH26標識UCB−MSCの移動が確認された。腫瘍細胞の代わりに、ヒト細胞株を含まない培地を使用して培養する場合、PKH26標識UCB−MSCの移動はごくわずかであった(図3B左側のイメージ)。しかし、PKH26標識UCB−MSCは、U−87 MG細胞を含まないが、U−87 MG細胞を培養して得た馴化培地に対して遊走性を示した(図4D)。この結果は、馴化培地内に、UCB−MSCをU−87 MG細胞に引き寄せるように機能する可溶性因子が含まれていることを示す。
<実施例5>U87−MGに対するBM−MSCの遊走性とU87−MGに対するUCB−MSCの遊走性の比較
トランスウェル・チャンバを利用して、U87−MGに対するBM−MSCの遊走性とU87−MGに対するUCB−MSCの遊走性を比較した。下の区画には、U87−MGがん細胞または培地を入れ、上の区画には、それぞれBM−MSCおよびUCB−MSCを入れた。すべての場合において、2日間培養した。結果として、UCB−MSCがBM−MSCよりU87−MGに対して強い遊走性を示すことが見出された(図5)。
<実施例6>MSCの移動比較
4人のドナーから供与されたUCB−MSCを上の区画で、A549(肺がん細胞)、HeLa(子宮頸部がん細胞)、およびU87−MG(脳腫瘍神経膠腫細胞)をそれぞれ下の区画で、トランスウェル・チャンバ内で共培養した。その後、各場合におけるUCB−MSCの走化性インデックスを比較した(図6)。
A549、HeLa及びU87−MG細胞は、American type culture collection(ATCC)社から購入した。A549およびU87−MG細胞はそれぞれ、10〜20%ウシ血清が含まれたRPMI1640中で培養し、HeLaは、DMEM中で培養した。各場合において、走化性インデックスは、対照実験において移動したUCB−MSC数で、U87 MGに移動したUCB−MSCの数を割って算出した。これらのがん細胞に対するUCB−MSCの遊走性を分析した結果、UCB−MSCは、脳腫瘍細胞株であるU87 MGに最も強力な遊走性を示すことを観察できた。
<実施例7>サイトカイン・アレイ
間葉系幹細胞とU87−MG腫瘍細胞を含む3種のヒト細胞それぞれとを共培養して、培養培地を収集した。前記培養培地由来のサイトカインプロファイルを、サイトカイン抗体アレイを利用して検討した。
R&D system社から購入したサイトカイン・アレイ用キットから、各種サイトカインの抗体が付着したフィルムを取り出し、ブロッキング溶液と1時間反応させた。それとは別に、UCB−MSCとU87−MG腫瘍細胞を含む3種のヒト細胞のそれぞれとを共培養して調製した培地の量を最大1.5mL以下に合わせ、各培地を、キットに含まれるサイトカインに対する混合抗体と混ぜ、1時間抗原抗体反応を誘導した。供給されたサイトカイン抗体と分泌されたサイトカインとが結合した状態の培地を、ブロッキングに供したフィルムと4℃で12時間反応させた。反応後、フィルムを洗浄溶液に入れて洗浄した後、三次蒸溜水で洗浄し、次いで室温でフィルムを乾燥させた。前記洗浄及び乾燥の過程を2回または3回反復した後、ストレプトマイシン−HRPを含んだ溶液中で前記フィルムを30分間反応させた。次いで、フィルムを洗浄溶液で三回洗浄し、発色試薬と反応させ、暗室でX線フィルムに感光させた。
UCB-MSCの強力な遊走性を誘導したU87−MGは、成長関連がん遺伝子(GRO−α)、IL−8、MCP−1、G−CSF、GM−DSF、IL−6、IL−1β、遊走阻止因子(MIF)、及びSerpin E1を分泌した。具体的には、GRO−αおよびIL−8の量が、MCP−1、G−CSF、GM−DSF、IL−6、IL−1β、MIF、及びSerpin E1よりもさらに多かった。図7は、細胞の溶解物及び細胞培養上清液をサイトカイン・アレイで分析した結果を示している。対照群と比較したアレイ結果及び変化するスポットについての情報は、図1に示されている。表1で、括弧内に表示したサイトカインが、腫瘍細胞との共培養によって誘導されたサイトカインである。これらサイトカインは、UCB-MSCの遊走性を誘導する可能性が高い。
Figure 2010537973
UCB−MSCの単独培養、U−87 MG細胞の単独培養、および両方の細胞の共培養から収集した馴化培地を調製した。各馴化培地をアレイ膜上で培養し、ECL試薬によって可視化させた。次いで、可視化した馴化培地を、互いに比較した(図8)。図8Aは、UCB−MSCを単独で培養して調製した培地、及び対照培地からのサイトカイン抗体アレイの分析結果を示し、図8Bは、U−87 MGを単独で培養して調製した培地、およびUCB−MSCとU−87 MGを共培養して調製した培地からのサイトカイン抗体アレイの分析結果である。
図8Cは、U−87 MGが存在する場合および存在しない場合に培養されたUCB−MSC(左側)またはUCB−MSCが存在する場合および存在しない場合に培養されたU−87 MG(右側)からmRNAを分離して確認した結果である。IL−8特異的プライマーを用いてRT−PCTを行い、GAPDHを対照として使用した。IL−8 mRNAレベルをRT−PCRで分析した結果、U−87 MGは、UCB−MSCと共に培養する場合およびUCB−MSCを伴わずに培養する場合の両方で、IL−8を発現するということが確認された。
<実施例8>UCB−MSCの移動に対するサイトカインの影響
UCB−MSCの移動に対するIL−8、GRO−α、MCP−1(RND Systems,MN,米国)の効果を、トランスウェル移動分析を利用して測定した。PHK−26で標識されたUCB−MSCを上の区画に置き、下の区画には、いかなる細胞も入れなかった。UCB−MSCを、IL−8を含まない培地または異なる濃度の組換えヒトIL−8を含む培地で24時間培養した。その結果、IL−8で処理した場合、IL−8で処理しなかった場合と比較して、UCB−MSCがより移動したことを見ることができる(図9A)。
UCB−MSC上のIL−8受容体は、抗ヒトCXCケモカイン受容体1(CXCR1)抗体によって効果的に遮断されうる。UCB−MSCを抗CXCR1抗体とあらかじめインキュベートした後、組換えIL−8をUCB−MSCに再度添加した。IL−8によるUCB−MSCの移動が、抗CXCR1処理により、用量依存的に減少した(図9B)。抗CXCR2処理もやはり、同じ効果を示した。
GRO−α処理も同様に、処理していない細胞と比較した場合、UCB−MSCの移動を増大させた(図9C)。GRO−αも、CCサブファミリーに属し、CXCR2受容体と相互作用しうる[WuytsA.ら,Eur J Biochem 255,67−73(1998)]。
一方、MCP−1で処理した培養では、UCB−MSCの移動において、有意差は見られなかった(図9D)。これらのデータは、UCB−MSCのU−87 MG細胞への移動に、IL−8およびGRO−αが関与するということを強く示している。
<実施例9>IL−8を過剰発現するA549へのUCB−MSCの移動
さまざまながん細胞から分泌されたIL−8の濃度と、それぞれのがん細胞に対するUCB−MSCの移動性との相関関係を調べた。図10Aは、U87 MG(脳腫瘍)、KATO III(胃がん)、A549(肺がん)、およびPLC/PRF5(肝臓がん)の細胞を培養した培地で、分泌されたIL−8の濃度を示すELISA結果である。1×10細胞当たりIL−8の濃度で測定した。分析したがん細胞株のうち、U87−MGがIL−8を最も多く産生した。このデータは、UCB−MSCがIL−8を産生する細胞に対して強い移動性向を有することを示唆した。さらに、他のヒト脳腫瘍細胞であるLN18,U138,U251細胞もやはり、U−87 MGと類似したIL−8濃度レベルを示した(図10B)。したがって、脳腫瘍細胞が分泌するIL−8に対してUCB−MSCが遊走性を有するということを示している。
IL−8を低レベルに発現する細胞にIL−8を添加した場合、UCB−MSCの移動が誘導されるかを知るために、ヒト肺がん細胞であるA549でIL−8を過剰発現させた。図10Cは、Lipofectamine試薬を利用してIL−8を低レベルに分泌するA549細胞にIL−8遺伝子を導入して、IL−8を過剰発現させた後、UCB−MSCの移動性を測定した結果を示す。図10Cを参照すれば、A549細胞よりIL−8を過剰発現するA549細胞に移動したUCB−MSCの数がはるかに多かった。これは、IL−8がUCB−MSC移動の強力な誘導因子であるということを示している。図10Dは、Cの条件で、培地に分泌されたIL−8の濃度をELISAで測定した結果である。
<実施例10>IL−8に対するBM−MSCとUCB−MSCとの反応比較
BM−MSCがインビトロおよびインビボでU−87 MG細胞に向かって移動するということは知られているので、BM−MSCとUCB−MSCとのU−87 MG細胞に対する移動性と、IL−8に対する移動性とを比較した(図11)。図11Aは、下の区画B、すなわちU87 MGに向かって移動したBM−MSCとUCB−MSCとの遊走性を示したものであり、図11Bは、IL−8で14時間処理した場合、下の区画Bに移動したBM−MSCとUCB−MSCの遊走性を示したものである。図11を参照すれば、UCB−MSCがBM−MSCよりも多く移動した。従って、UCB−MSCは、IL−8に強く反応してさらに多く移動するが、BM−MSCの場合は、IL−8に比較的弱く反応したことが分かる。
<実施例11>UCB−MSCでのIL−8の受容体であるCXCR1およびCXCR2の発現レベル
UCB−MSCとBM−MSCとで、IL−8の受容体であるCXCR1およびCXCR2の発現レベルを、CXCR1およびCXCR2各々においてmRNAとタンパク質とを測定して比較した。図12Aは、CXCR1およびCXCR2においてmRNAを分離した後、CXCR1およびCXCR2プライマーを使用して実施したRT−PCRの結果を示す。分離されたRNAを定量するために、各試料にGAPDHを含めた。図12Bは、図12Aで得られたゲルの各mRNAバンド強度を濃度計で測定することによってCXCR1およびCXCR2の発現レベルを示した結果である(*および**、p<0.001,n=4)。UCB−MSCおよびBM−MSCから分離したRNAをすべてRT−PCR分析した結果、CXCR1およびCXCR2のPCR産物によるバンド密度が、BM−MSCに比べ、UCB−MSCでさらに高かった。図12Cは、抗CXCR1およびCXR2抗体を用いてUCB−MSCおよびBM−MSCを免疫染色し、CXCR1とCXCR2の発現レベルを特定することによって得た分析結果を示す(×400)。図12を参照すれば、UCB−MSCおよびBM−MSCは、CXCR1とCXCR2の高い発現レベルを示した。IL−8がCXCR1とCXCR2とに対する親和度が高いので、UCB−MSCのU−87 MGに対する上昇した移動性は、CXCR1およびCXCR2の上方制御された発現に起因したものであると見える。図12Dは、抗CXCR1およびCXCR2抗体で処理せずに二次抗体だけで処理したUCB−MSCおよびBM−MSCを免疫染色して、抗CXCR1およびCXCR2抗体の抗原特異性を特定することによって得た分析結果を示す。
<実施例12>UCB−MSCへの遺伝子導入
UCB−MSCに遺伝子を導入する実験の例として、緑色蛍光タンパク質(GFP)を、amaxa biosystem社のヒトMSC neucleofectorを用いた電気穿孔法により過剰発現させた。4×10のUCB−MSCを二日間培養した後、GFPをコードする遺伝子5mgとヒトMSC nucelofector100mlとの混合液中に15分間静置し、エレクトロポレーターで遺伝子を導入した。得られたUCB−MSCをプレートに移し、24時間後にGFPの発現レベルを蛍光顕微鏡下で観察した。各間葉系幹細胞の細胞質で、GFPを観察できた(図13)。
GFPをコードする遺伝子が導入されたUCB−MSCの遊走性をテストするために、GFPをコードする遺伝子と空の遺伝子とをUCB−MSCでそれぞれ過剰発現させた後、U−87 MGに対する得られたUCB−MSCの遊走性を検証した。前記の通りに遺伝子を導入した後、トランスウェル・チャンバの上の区画にGFPを発現するUCB−MSCを、トランスウェル・チャンバの下の区画にはU−87 MGを入れて、GFPを発現するUCB−MSCとU−87 MGを24時間共培養した。下の区画に移動した細胞のうち、GFP陽性細胞を確認した。その結果、GFP遺伝子導入でGFPが過剰発現されたUCB−MSCが、U87 MG細胞に対して強い遊走性を示すことを確認することができた(図14)。

Claims (42)

  1. 臍帯血から単離された間葉系幹細胞および/または該間葉系幹細胞から増殖させた間葉系幹細胞を含む、脳腫瘍の予防または治療用の薬学的組成物。
  2. 臍帯血から単離された間葉系幹細胞および/または該間葉系幹細胞から増殖させた間葉系幹細胞が、脳腫瘍を治療するための遺伝子治療用のキャリアとして機能する、請求項1に記載の薬学的組成物。
  3. 抗腫瘍遺伝子が、臍帯血から単離された間葉系幹細胞および/または該間葉系幹細胞から増殖させた間葉系幹細胞に導入された、請求項1に記載の薬学的組成物。
  4. 抗腫瘍遺伝子が、腫瘍抑制遺伝子、アポトーシス誘導因子遺伝子、細胞周期調節遺伝子および血管新生抑制遺伝子からなる群から選択される、請求項3に記載の薬学的組成物。
  5. 腫瘍抑制遺伝子が、ホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)の遺伝子、Maspinの遺伝子、RUNX3の遺伝子、Caveolin−1の遺伝子、nm23の遺伝子、Rbタンパク質の遺伝子、Brush−1の遺伝子、腫瘍増殖の阻害因子(ING−4)の遺伝子、survivinの遺伝子、X染色体連鎖性アポトーシス阻害タンパク質 (XIAP)の遺伝子、神経アポトーシス阻害タンパク質(NAIP)の遺伝子、およびそれらの遺伝子の調節と関連するタンパク質の遺伝子からなる群から選択される、請求項4に記載の薬学的組成物。
  6. アポトーシス誘導因子遺伝子が、サイトカインの遺伝子、インターロイキンの遺伝子、腫瘍壊死因子(TNF)の遺伝子、インターフェロン(INF−α、INF−β、INF−γ)の遺伝子、コロニー刺激因子(CSF)の遺伝子、p53の遺伝子、Apaf−1の遺伝子、TRAILの遺伝子、カスパーゼの遺伝子、Baxの遺伝子、Badの遺伝子、FADDの遺伝子、JNKの遺伝子、p38キナーゼの遺伝子、およびそれらの遺伝子の調節と関連するタンパク質の遺伝子からなる群から選択される、請求項4に記載の薬学的組成物。
  7. 細胞周期調節遺伝子が、cdc2の遺伝子、サイクリン(サイクリンA、サイクリンD、サイクリンE)の遺伝子、cdc25Cの遺伝子、p21WAFの遺伝子、p16INK4の遺伝子、CDK(CDK1、CDK2、CDK4、CDK6)の遺伝子、Rbタンパク質の遺伝子、E2Fの遺伝子、それらのアンチセンスまたはSiRNAおよびそれらの遺伝子の調節と関連するタンパク質の遺伝子からなる群から選択される、請求項4に記載の薬学的組成物。
  8. 血管新生抑制遺伝子が、トロンボスポンジン−1の遺伝子、エンドスタチンの遺伝子、タムスタチンの遺伝子、カンスタチン(canstatin)の遺伝子、バスタチン(vastatin)の遺伝子、レスチン(restin)の遺伝子、血管内皮増殖抑制因子の遺伝子、マスピン(maspin)の遺伝子、アンジオポエチンの遺伝子、プロラクチンの16−kd断片の遺伝子、およびエンドレペリン(endorepellin)の遺伝子からなる群から選択される、請求項4に記載の薬学的組成物。
  9. プロドラッグ転換酵素遺伝子が、臍帯血から単離された間葉系幹細胞および/または該間葉系幹細胞から増殖させた間葉系幹細胞に導入された、請求項1に記載の薬学的組成物。
  10. 前記プロドラッグ転換酵素遺伝子が、シトシンデアミナーゼ遺伝子およびCYP2B1遺伝子から選択される、請求項9に記載の薬学的組成物。
  11. 脳腫瘍と関連する遺伝子のアンチセンスまたはSiRNAが、臍帯血から単離された間葉系幹細胞および/または該間葉系幹細胞から増殖させた間葉系幹細胞に導入された、請求項1に記載の薬学的組成物。
  12. 脳腫瘍と関連する遺伝子が、Rasファミリーの遺伝子、c−mycの遺伝子、ablの遺伝子、erbB−1の遺伝子、EGF−Rの遺伝子、Baxの遺伝子、Apaf−1相互作用タンパク質(APIP)の遺伝子、Wnt−1誘導性分泌タンパク質1(WISP−1)の遺伝子、Wntの遺伝子、Raf−1の遺伝子、Srcの遺伝子、Aktの遺伝子、Erk−1、2の遺伝子、およびBcL−2の遺伝子からなる群から選択される、請求項11に記載の薬学的組成物。
  13. 腫瘍崩壊ウイルスが、臍帯血から単離された間葉系幹細胞および/または該間葉系幹細胞から増殖させた間葉系幹細胞に導入された、請求項1に記載の薬学的組成物。
  14. 腫瘍崩壊ウイルスが、単純ヘルペスウイルスおよびレオウイルス3型から選択される、請求項13に記載の薬学的組成物。
  15. 前記脳腫瘍が、星状細胞腫、毛様細胞性星状細胞腫、低悪性度星状細胞腫、未分化星状細胞腫、多形性膠芽腫、脳幹神経膠腫、上衣細胞腫、上衣下細胞腫、神経節細胞腫、混合性神経膠腫、乏突起細胞腫、視神経膠腫、聴神経腫、脊索腫、CNSリンパ腫、頭蓋咽頭腫、血管芽細胞腫、髄芽腫、髄膜腫、松果体腫瘍、下垂体腫瘍、未分化神経外胚葉性腫瘍、ラブドイド腫瘍、神経鞘腫、嚢胞、神経線維腫症、偽脳腫瘍、および結節硬化症からなる群から選択される、請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  16. 臍帯血から単離された間葉系幹細胞および/または該間葉系幹細胞から増殖させた間葉系幹細胞を含む、脳腫瘍を診断するまたは脳腫瘍の治療経過をモニタリングするための組成物。
  17. 前記臍帯血から単離された間葉系幹細胞および/または該間葉系幹細胞から増殖させた間葉系幹細胞が、検出可能なマーカーで標識される、請求項16に記載の組成物。
  18. 前記検出可能なマーカーがルシフェラーゼを含む酵素に基づく蛍光検出剤およびTatペプチド誘導体化磁性ナノ粒子から選択される、請求項17に記載の組成物。
  19. 前記脳腫瘍が星状細胞腫、毛様細胞性星状細胞腫、低悪性度星状細胞腫、未分化星状細胞腫、多形性膠芽腫、脳幹神経膠腫、上衣細胞腫、上衣下細胞腫、神経節細胞腫、混合性神経膠腫、乏突起細胞腫、視神経膠腫、聴神経腫、脊索腫、CNSリンパ腫、頭蓋咽頭腫、血管芽細胞腫、髄芽腫、髄膜腫、松果体腫瘍、下垂体腫瘍、未分化神経外胚葉性腫瘍、ラブドイド腫瘍、神経鞘腫、嚢胞、神経線維腫症、偽脳腫瘍、および結節硬化症からなる群から選択される、請求項16〜請求項18のいずれか1項に記載の組成物。
  20. プロドラッグ転換酵素遺伝子を含む発現ベクター、臍帯血由来の間葉系幹細胞、および抗がん剤のプロドラッグを含む、脳腫瘍を治療するためのキット。
  21. 前記プロドラッグ転換酵素遺伝子が、シトシンデアミナーゼ遺伝子およびCYP2B1遺伝子から選択される、請求項20に記載のキット。
  22. 臍帯血から単離された間葉系幹細胞および/または該間葉系幹細胞から増殖させた間葉系幹細胞が、プロドラッグ転換酵素遺伝子を有する発現ベクターでトランスフェクトされる、請求項に21記載のキット。
  23. 前記脳腫瘍が星状細胞腫、毛様細胞性星状細胞腫、低悪性度星状細胞腫、未分化星状細胞腫、多形性膠芽腫、脳幹神経膠腫、上衣細胞腫、上衣下細胞腫、神経節細胞腫、混合性神経膠腫、乏突起細胞腫、視神経膠腫、聴神経腫、脊索腫、CNSリンパ腫、頭蓋咽頭腫、血管芽細胞腫、髄芽腫、髄膜腫、松果体腫瘍、下垂体腫瘍、未分化神経外胚葉性腫瘍、ラブドイド腫瘍、神経鞘腫、嚢胞、神経線維腫症、偽脳腫瘍、および結節硬化症からなる群から選択される、請求項20〜請求項22のいずれか1項に記載のキット。
  24. 細胞に治療的遺伝子またはその産物を伝達する遺伝子治療用の組成物であって、該遺伝子治療用の組成物が、臍帯血から単離された間葉系幹細胞および/または該間葉系幹細胞から増殖させた間葉系幹細胞を含み、細胞が、IL−8またはGRO−αを発現し、かつ臍帯血から単離された間葉系幹細胞および/または該間葉系幹細胞から増殖させた間葉系幹細胞の遊走性(tropism)を誘導する、遺伝子治療用の組成物。
  25. 臍帯血から単離された間葉系幹細胞および/または該間葉系幹細胞が遺伝子治療のためのキャリアとして機能する、請求項24に記載の遺伝子治療用の組成物。
  26. 抗腫瘍遺伝子が、臍帯血から単離された間葉系幹細胞および/または該間葉系幹細胞から増殖させた間葉系幹細胞に導入された、請求項24に記載の遺伝子治療用の組成物。
  27. 抗腫瘍遺伝子が、腫瘍抑制遺伝子、アポトーシス誘導因子遺伝子、細胞周期調節遺伝子および血管新生抑制遺伝子からなる群から選択される、請求項26に記載の遺伝子治療用の組成物。
  28. 腫瘍抑制遺伝子が、ホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)の遺伝子、Maspinの遺伝子、RUNX3の遺伝子、Caveolin−1の遺伝子、nm23の遺伝子、Rbタンパク質の遺伝子、Brush−1の遺伝子、腫瘍増殖の阻害因子(ING−4)の遺伝子、Survivinの遺伝子、X染色体連鎖性アポトーシス阻害タンパク質 (XIAP)の遺伝子、神経アポトーシス阻害タンパク質(NAIP)の遺伝子、およびそれらの遺伝子の調節と関連するタンパク質の遺伝子からなる群から選択される、請求項27に記載の遺伝子治療用の組成物。
  29. アポトーシス誘導因子遺伝子が、サイトカインの遺伝子、インターロイキンの遺伝子、腫瘍壊死因子(TNF)の遺伝子、インターフェロン(INF−α、INF−β、INF−γ)の遺伝子、コロニー刺激因子(CSF)の遺伝子、p53の遺伝子、Apaf−1の遺伝子、TRAILの遺伝子、カスパーゼの遺伝子、Baxの遺伝子、Badの遺伝子、FADDの遺伝子、JNKの遺伝子、p38キナーゼの遺伝子、およびそれらの遺伝子の調節と関連するタンパク質の遺伝子からなる群から選択される、請求項27に記載の遺伝子治療用の組成物。
  30. 細胞周期調節遺伝子が、cdc2の遺伝子、サイクリン(サイクリンA、サイクリンD、サイクリンE)の遺伝子、cdc25Cの遺伝子、p21WAFの遺伝子、p16INK4の遺伝子、CDK(CDK1、CDK2、CDK4、CDK6)の遺伝子、Rbタンパク質の遺伝子、E2Fの遺伝子、それらのアンチセンスまたはSiRNA、およびそれらの遺伝子の調節と関連するタンパク質の遺伝子からなる群から選択される、請求項27に記載の遺伝子治療用の組成物。
  31. 血管新生抑制遺伝子が、トロンボスポンジン−1の遺伝子、エンドスタチンの遺伝子、タムスタチンの遺伝子、カンスタチン(canstatin)の遺伝子、バスタチン(vastatin)の遺伝子、レスチン(restin)の遺伝子、血管内皮増殖抑制因子の遺伝子、マスピン(maspin)の遺伝子、アンジオポエチンの遺伝子、プロラクチンの16−kd断片の遺伝子、およびエンドレペリン(endorepellin)の遺伝子からなる群から選択される、請求項27に記載の遺伝子治療用の組成物。
  32. プロドラッグ転換酵素遺伝子が、臍帯血から単離された間葉系幹細胞および/または該間葉系幹細胞から増殖させた間葉系幹細胞に導入された、請求項24に記載の遺伝子治療用の組成物。
  33. 前記プロドラッグ転換酵素遺伝子が、シトシンデアミナーゼ遺伝子およびCYP2B1遺伝子からなる群から選択される、請求項32に記載の遺伝子治療用の組成物。
  34. 腫瘍と関連する遺伝子のアンチセンスまたはSiRNAが、臍帯血から単離された間葉系幹細胞および/または該間葉系幹細胞から増殖させた間葉系幹細胞に導入された、請求項24に記載の遺伝子治療用の組成物。
  35. 腫瘍と関連する遺伝子が、Rasファミリーの遺伝子、c−mycの遺伝子、ablの遺伝子、erbB−1の遺伝子、EGF−Rの遺伝子、Baxの遺伝子、Apaf−1相互作用タンパク質(APIP)の遺伝子、Wnt−1誘導性分泌タンパク質1(WISP−1)の遺伝子、Wntの遺伝子、Raf−1の遺伝子、Srcの遺伝子、Aktの遺伝子、Erk−1、2の遺伝子、およびBcL−2の遺伝子からなる群から選択される、請求項34に記載の遺伝子治療用の組成物。
  36. 腫瘍崩壊ウイルスが、臍帯血から単離された間葉系幹細胞および/または該間葉系幹細胞から増殖させた間葉系幹細胞に導入された、請求項24に記載の遺伝子治療用の組成物。
  37. 腫瘍崩壊ウイルスが、単純ヘルペスウイルスおよびレオウイルス3型からなる群から選択される、請求項36に記載の遺伝子治療用の組成物。
  38. 細胞を含む部位に発生した疾患を診断するための、または疾患の治療経過をモニタリングするための組成物であって、該組成物が、臍帯血から単離された間葉系幹細胞および/または該間葉系幹細胞から増殖させた間葉系幹細胞を含み、細胞が、IL−8またはGRO−αを発現し、かつ臍帯血から単離された間葉系幹細胞および/または該間葉系幹細胞から増殖させた間葉系幹細胞の遊走性を誘導する、組成物。
  39. 前記臍帯血から単離された間葉系幹細胞および/または該間葉系幹細胞から増殖させた間葉系幹細胞が、検出可能なマーカーで標識される、請求項38に記載の組成物。
  40. 前記検出可能なマーカーが、ルシフェラーゼを含む酵素に基づく蛍光検出剤およびTatペプチド誘導体化磁性ナノ粒子からなる群から選択される、請求項39に記載の組成物。
  41. 前記IL−8またはGRO−αを発現する細胞が、脳腫瘍細胞、肝臓がん細胞、結腸がん細胞およびB細胞新生物細胞、例えば一般的なB急性リンパ性白血病細胞、前駆B急性リンパ性白血病細胞、B細胞慢性リンパ性白血病細胞、マントル細胞リンパ腫細胞、バーキットリンパ腫細胞および濾胞性リンパ腫細胞からなる群から選択される、請求項24〜請求項37のいずれか1項に記載の遺伝子治療用の組成物。
  42. 前記IL−8またはGRO−αを発現する細胞が、脳腫瘍細胞、肝臓がん細胞、結腸がん細胞およびB細胞新生物細胞、例えば一般的なB急性リンパ性白血病細胞、前駆B急性リンパ性白血病細胞、B細胞慢性リンパ性白血病細胞、マントル細胞リンパ腫細胞、バーキットリンパ腫細胞および濾胞性リンパ腫細胞からなる群から選択される、請求項38〜請求項40のいずれか1項に記載の組成物。
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