JP2010537385A - 保護蒸気を有する電界放出デバイス - Google Patents

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Abstract

電界放出陰極アセンブリと陽極との間の真空の間隙に保護蒸気が存在している電界放出デバイス。保護蒸気は、M−H結合(式中、MはC、Si、B、AlまたはPであり得る)を含有するガスなどの1種または複数種の水素含有ガスであり得る。保護蒸気は、真空の間隙中において、20℃で約10−8Torr(1,33×10−6Pe)超の分圧を有する。

Description

本出願は、米国特許法第119条(e)のもと2007年8月23日出願の米国仮特許出願第60/957,502号に基づく優先権を主張し、かつ同仮特許出願の利益を主張し、この仮特許出願はこの参照によりすべての目的についてその全体が本明細書の一部として援用される。
本発明は、電界放出デバイス、および、放出電流強度の劣化を低減させるための電界放出デバイスにおける保護蒸気の使用に関する。
本発明は電界放出デバイスにおいて、特にカーボンナノチューブをアクティブフィールドエミッタとして利用する電界放出デバイスにおいて見られる耐用年数/寿命に取り組む。電界放出デバイスにおける短い耐用年数は、市場における有望な競合製品であるためにデバイスが克服しなければならない主な障害の1つである。電界放出ダイオード素子の陽極(V)または電界放出三極素子のゲート電極(V)に十分な電位を印加することにより、放出電流が流れることとなる。エミッタが劣化するに伴って、一定の放出電流を維持するためにはより大きい電位が印加されなければならない。この印加される電位の増加速度が、エミッタの劣化速度、および、特定のデバイスの寿命の推定の良好なインジケータである。印加される電位の増加速度から、特定のデバイスに供給することが可能である上限に電位が達するまでどれくらいの時間がかかるかを推定することが可能である。電界放出ディスプレイなどの用途に関しては、デバイスの寿命が少なくとも30,000時間であることが所望される。相当の割合の電界放出デバイス、特にナノチューブ−ベースのデバイスが、このスケールの寿命を実際に示すことはできていない。
特許文献1は、特にモリブデンエミッタが用いられる、放射性材料の酸化を防止するために水素化窒素還元ガスを含む電界放出デバイスを開示している。特許文献2は、デバイスの真空引きに先立つ炭化水素の導入を介して、炭素フィールドエミッタが、加熱された領域に蒸着されている電界放出デバイスを開示する。特許文献3は、カーボンナノチューブの外表面上に形成されたコーティング層を備える電界放出デバイスを開示する。
それにもかかわらず、電界放出デバイスの寿命を延ばすための方法、および、このような方法を採用することによりもたらされる向上したデバイスに対する要求が未だ存在する。
米国特許第6,888,294号明細書 米国特許第6,722,936号明細書 国際公開第05/45871号パンフレット
本発明の種々の特性および/または実施形態が以下に記載の図面に図示されている。これらの特性および/または実施形態は単なる代表例であり、図面における一連のこれらの特性および/または実施形態の包含は、図面中に含まれていない、あるいは、記載されていない主題が本発明の実施に好適ではないこと、または図面中に含まれていない、あるいは、記載されていない主題が添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲から除外されることを示すとして解釈されるべきではない。
電界放出デバイスの図を示す。 陰極と陽極との間の真空の間隙に炭化水素蒸気を導入するためのシステムの図を示す。 デバイスの電界放出時のアルゴン、窒素および水素蒸気の導入の効果を示す。 デバイスの電界放出時の水および酸素蒸気の導入の効果を示す。 デバイスの電界放出時の炭化水素蒸気の導入の効果を示す。 デバイスの電界放出時の種々の炭化水素ガスおよび二酸化炭素の導入の効果を示す。
本明細書において開示されている本発明は、電界放出デバイスの性能を向上させる方法、このような方法の使用、および、このような方法で得られた、または得ることが可能である向上した電界放出デバイスを含む。
本発明の一定の方法および装置の特徴が、種々のこのような特徴を一緒に組み合わせる1つ以上の特定の実施形態の文脈に、本明細書において記載されている。しかしながら、本発明の範囲は、いずれかの特定の実施形態中の一定の特徴のみの記載によっては限定されず、本発明はまた、(1)記載の実施形態のいずれかの特徴のすべてより小数のサブコンビネーションであって、サブコンビネーションの形成のために省略された特徴の欠如を特徴とし得るサブコンビネーション;(2)いずれかの記載の実施形態の組み合わせ中に個別に包含される特徴の各々;ならびに(3)2つ以上の記載の実施形態の選択された特徴のみをグループ化することにより形成される特徴と、任意により、本明細書において他の箇所に開示されている他の特徴との他の組み合わせを含む。
本明細書に開示の方法の特定の実施形態の1つは、
(a)(i)陰極アセンブリ、(ii)陽極、および(iii)陰極アセンブリと陽極との間の真空の間隙を備える電界放出デバイスを提供するステップ;ならびに
(b)真空の間隙中において20℃で約10−8Torr超の分圧を有する保護蒸気を真空の間隙に供給するステップ
により、電界放出デバイスの寿命を長期化するための方法を提供する。
本明細書に開示の電界放出デバイスの特定の実施形態の1つは、(a)陰極アセンブリ、(b)陽極および(c)陰極アセンブリと陽極との間の真空の間隙を含む電界放出デバイスを含み;ここで、真空の間隙は、真空の間隙中において20℃で約10−8Torr超の分圧を有する保護蒸気を含む。
本明細書における本発明のさらに他の実施形態は、実質的に、図1〜2の一方または両方に示されているか、または、記載されている装置またはデバイスである。
本発明は電界放出デバイスに、特に電子放出材料としてカーボンナノチューブを利用する電界放出デバイスによく見られる望ましくないほどに短い耐用年数/寿命に取り組む。電界放出デバイスにおける水蒸気の存在などの種々の条件がデバイスの放出電流強度の劣化速度を増加させることが可能であること、および、存在する水蒸気などの汚染物の量を低減させることで放出電流強度が劣化する速度を低下させることが可能であることが見出された。陽極上の炭素コーティングは、例えば、放出電流強度の劣化速度を低下させる試みにおいて用いられることが可能であり、おそらくこのような効果を有すると予期される。なぜなら炭素コーティングは水分子、ラジカルおよびイオンと反応することが可能であり、反応しない場合それらはエミッタ中のナノチューブと反応することにより放出電流強度の劣化を生じさせると思われるからである。
本発明においては、しかしながら、放出電流強度の劣化速度を低下させるために保護蒸気が電界放出デバイスに導入されている。保護蒸気のデバイスへの導入は、放出電流強度の劣化速度を低下させるのみならず、いくつかの場合においては、劣化速度は、実際には、放出電流強度が増大するよう逆転されることが見出されている。
本明細書において用いられるところ、保護蒸気は、M−H結合(式中、Mは、C、Si、B、AlおよびPのいずれか1つまたは複数から選択され得る)を含有する1種または複数種のガスなどの水素含有ガスを含み;これは、これにより、C−H、Si−H、B−H、Al−HまたはP−H結合のいずれか1つまたは複数を含有するガスを提供する。保護蒸気として本明細書における使用に好適なガスの代表例としては、特に限定されないが、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロピレンあるいはプロピンなどの炭化水素;メタノール、エタノール、n−およびイソプロパノールあるいはジメチルエーテルなどの置換炭化水素;シラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ヘキサメチルジシロキサンあるいはヘキサメチルジシラザンなどのシラン;ジボラン、メチルボラン、ジメチルボラン、トリメチルボラン、テトラメチルジボロキサンあるいはテトラメチルジボラザンなどのボラン;アラン、メチルアラン、ジメチルアラン、トリメチルアラン、テトラメチルジアルミノキサンあるいはジメチルメトキシアランなどのアラン;またはホスフィン、メチルホスフィンあるいはトリメチルホスフィンなどのホスフィンの1種または複数種が挙げられる。
本明細書における使用のための保護蒸気は、上記に開示されている保護蒸気の群全体のすべての構成要素の1種または複数種のいずれかであり得る。しかしながら、保護蒸気はまた、上記に開示されている保護蒸気の群全体のサブグループの構成要素のいずれか1種または複数種であり得、ここで、サブグループは、いずれかの1種または複数種の他の構成要素を群全体から排除することにより形成される。その結果、このような場合の保護蒸気は、群全体の個別の構成要素の種々の異なる組み合わせのすべてで保護蒸気の群全体から選択され得るいずれかのサイズのいずれかのサブグループにおける保護蒸気のいずれか1種または複数種であり得るのみならず、いずれかのサブグループにおける構成要素は、それ故、サブグループを形成するために排除された群全体の構成要素の1種または複数種の不存在下に選択されると共に用いられ得る。種々の構成要素を保護蒸気の群全体から排除することにより形成されたサブグループは、しかも、群全体の個別の構成要素であり得、この場合、保護蒸気は、選択された個別の構成要素以外の群全体のすべての他の構成要素の不存在下で用いられる。
水素含有ガスのうち、水素自体は、保護蒸気としての使用に対する好ましさに欠く。しかも、代替的な実施形態においては、保護蒸気は如何なる酸素も含有しない。二酸化炭素は、例えば、保護蒸気としての使用に対する好ましさに欠く。
本明細書の方法は、例えば電子ディスプレイにおいて有用である電界放出デバイスであり得る本明細書のデバイスの製造に採用され得る。電界放出デバイスの一実施形態が図1に示されている。電界放出デバイスは、典型的には、カーボンナノチューブ(「CNT」)などの針状の放出材料であり得る電子放出材料を含有する陰極アセンブリを含む。好ましい実施形態において、電子放出材料からはモリブデンが除外される。陰極アセンブリは、ガラスまたはセラミックなどの材料から調製された基材を有する。基材は、インジウム錫酸化物などの電子伝導体の層でコートされている。誘電材料は電子伝導体層上に蒸着されると共に、パターン化されて誘電材料に孔が形成されている。
フィールドエミッタ陰極の数多くの構成が可能である。パターン化は、通常は、フォトレジスト層を光画像化および現像することによりなされ、このフォトレジスト層は、誘電材料に対するエッチングマスクとして作用することが可能である。孔は、ウェットエッチングを用いることにより誘電体に形成され得る。多くの場合、孔のエッチングに先立って、導電性ゲート電極が誘電材料上に蒸着される。これは、物理蒸着(PVD)または熱蒸発などの従来の薄膜蒸着技術を用いて行われ得る。ゲート電極はフォトレジスト層を光画像化および現像することによりパターン化されることが可能であり、このフォトレジスト層はその後のウェットエッチングにおいてマスクとして作用することとなる。
次いで、典型的には放出材料を含有する厚膜ペーストが孔を有する誘電体層に印刷される。厚膜ペーストは、典型的には、カーボンナノチューブなどの電子放出材料に追加して、印刷適性を補助するための有機物、および、任意によりガラスあるいはセラミック粒子、ならびに/または導電率を高めるための金属粉末を含有する。厚膜ペーストはまた、パターン化を可能とするために光画像化可能な構成成分を含有することが多い。誘電材料における孔中に厚膜ペースト蒸着物を形成するために、基材は透明であることが多い。厚膜ペーストには、誘電材料における孔の底にある厚膜ペーストが照射されるよう、基材を通して光が照射され得る。厚膜ペーストは、照射により現像溶液中に不溶性となるようネガ型で光画像化可能であることが多い。次いで、照射された厚膜ペーストが現像され、誘電材料における孔の底に厚膜ペーストの蒸着物が残留される。典型的には、基材は、残存有機物が除去されるよう焼成される。所望の場合には、厚膜ペーストは、次いで、電界放出特性を向上させるプロセスである、米国特許出願公開第02/074,932号明細書(これは、この参照によりすべての目的についてその全体が本明細書の一部として援用される)において概述されているものなどのプロセスに準拠して活性化されてもよい。
デバイスの陽極は、導電性層でコートされた電極である。陰極アセンブリが上述の厚膜ペースト蒸着物のピクセルのアレイを含むディスプレイデバイスにおいて電界放出デバイスが用いられる場合、ディスプレイデバイスにおける陽極は、入射した電子を光に変換する蛍光体を含有し得る。陽極の基材はまた、もたらされる光が透過可能であるよう透明であるよう選択されることとなる。
陽極と陰極との間は真空の間隙である。この真空の間隙は、陰極から放射された電子が、わずかに少数のガス分子との衝突のみを伴って陽極に移行し得るように部分真空下にある必要がある。真空の間隙は、10−5Torr未満の圧力に真空引きされることが多い。真空引きされているにかかわらず、放射物質からの電界放出電流は、通常、経時的に劣化することが見出されている。陰極に印加される電圧は、デバイスの動作のために選択された電界放出電流を維持するために継続的に増加されなければならない。この放出劣化は放射物質と、真空の間隙中に存在する水分子、イオンまたはラジカルとの反応に関連すると考えられているが、本発明は、作動の如何なる特定の理論にも限定されない。
本明細書におけるデバイスの一実施形態において、電界放出デバイスにおける陰極と陽極との間の真空の間隙は、保護蒸気の蒸気で、20℃で約10−8Torr超の分圧、または、より特定的には20℃で、約10−3Torr(133.3×10−3Pa)〜約10−8Torr(133.3×10−8Pa)の範囲の圧力で充填されている。電界放出デバイスの真空の間隙中に保護蒸気が存在する場合、保護蒸気が不在の場合に必要とされる増加速度と比して、一定の放出電流を維持するために電界放出陰極に印加される電圧を継続的に増加させる必要性は、ほとんど、および、時によりまったくない。このデバイスはまた、バリウムゲッタなどのゲッタを伴って、または、伴わずに作動され得る。
本明細書の方法は、図2に示されているシステムにより、電界放出デバイスにおける陰極アセンブリと陽極との間の真空の間隙に保護蒸気を供給することにより本明細書のデバイスを製造するために実施され得る。図2において、陰極アセンブリと陽極との間の空隙は、シーリングバルブ(「V−3」)を介して「T」管継手に接続されている。「T」管継手の1つの口がバルブ(「V−1」)を介して真空ポンプに接続されている。管継手の最後の口はバルブ(「V−2」)を介して保護蒸気のリザーバに接続されている。陰極アセンブリと陽極との間の空隙は、バルブV−3およびバルブV−1を開放すると共にバルブV−2を閉じて真空引きされる。真空引きの後、バルブV−1が閉じられると共に、バルブV−2が開放されて、保護蒸気が陰極と陽極との間の真空の間隙に供給される。保護蒸気は、真空の間隙におけるその分圧が20℃で約10−8Torr超であるか、または、より特定的には20℃で約10−3Torr(133.3×10−3Pa)〜約10−8Torr(133.3×10−8Pa)の範囲の圧力であるような量で真空の間隙に供給される。それ故、陰極と陽極との間の真空の間隙が、その中で20℃で約10−8Torr超の分圧、または、より特定的には20℃で約10−3Torr(133.3×10−3Pa)〜約10−8Torr(133.3×10−8Pa)の範囲の圧力を有する保護蒸気を含む電界放出デバイスが得られる。
さらに他の実施形態において、本発明の方法は、本明細書において形成される電界放出デバイスを、フラットパネルディスプレイ(例えばコンピュータまたはテレビディスプレイ)、真空電子デバイス、クライストロンまたは照明装置などの電子デバイスに組み込むステップをさらに含み得る。例えば、本明細書において形成される電界放出デバイスは、正方形、矩形、円形、楕円形またはいずれかの他の所望の形状形態で構成され得る。このような場合の電子放出材料は、次いで、選択された形状中に均一に分布されるようパターン化されてもよい。
テスト結果
テスト結果1
ダイオード電界放出デバイスを構成して、CNT電界放出デバイスの劣化速度に対する種々のガス環境の影響を調査した。
インジウム錫酸化物(「ITO」)でコートしたガラスを陰極用の基材として用いた。陰極アセンブリをCNTの厚膜ペーストを用いて形成した。厚膜ペーストを、従来のエミッタパターンを用いて陰極上でパターン化した。パターン化した陰極アセンブリを、次いで、窒素雰囲気中に、420℃で、最高温度で30分間焼成した。一旦焼成したら、パネルに接着テープを貼ると共に前記テープを剥がすことにより、パターン化した放出フィルムを破壊してフィールドエミッタを露出させた。
次いで、厚さd=640μmのスペーサが陰極アセンブリの表面上に配置されると共に、陽極がスペーサの頂部に配置されてダイオード電界放出デバイスが作製される。陽極は最終的に200nm層のアルミニウムでコートされたガラス基材を含んでおり、これは、光出力を最大化するために用いられる。次いで、サンプルが真空系に配置され、ここで、デバイスの陽極および陰極に対する電気接点が形成される。
高電圧パルス矩形波(V)をすべてのサンプルの陰極に印加して放出電流を確立させた。固定電流を維持するために、固定のDCバイアスが陽極(V)に印加される。放出の劣化は、合計印加電界[(V−V)/d]の増加速度に直接的に一致する。エミッタが劣化するに伴って、これらの劣化を補うためにより大きい電界が必要とされ、それ故、合計印加電界の増加速度は、劣化速度に直接的に一致する。より遅い電界の増加速度がより遅い劣化速度を示し、ひいては、電界放出デバイスの寿命または耐用年数における利点を示す。
デバイスを、冷陰極ゲージにより計測される1×10−10Torrのベース圧力にポンプした。圧力および印加電圧を時間の関数として監視すると共に、これらは図3に示されている。種々の導入されたガスの実際の圧力を算出するために、これらの補正係数を考慮しなければならない。すべてのガスは、これらの種々の補正係数が考慮される場合、10進レベル(10−7、10−8、10−9等)に近いレベルで導入した。
アルゴンが、最初の600時間でベース劣化速度を確立した後導入した最初のガスであった。アルゴンをその後の200時間にわたって1×10−8Torrの分圧で導入したところ、劣化速度の変化はもたらされなかった。このサンプルを、次いで、その後の100時間で1×10−10Torrのベース圧力に戻したところ、劣化速度は同一のままであった。それ故、アルゴンの導入は劣化速度に影響を有していなかったことが示された。
これに続いて、同一の手法に従って、1×10−8Torrの同一の分圧でのNおよびHの影響を試験した。Ar、NおよびHの導入は劣化速度に影響を有さないことが示された。図4は、このデバイスに対する電界および真空データの続きを含む。
1,350時間で、HOを1×10−9Torrの分圧で導入した。この低い分圧であっても、劣化速度の増加を生じさせることが見受けられた。水蒸気を、1×10−8Torrおよび1×10−7Torrのより高い分圧で導入したところ、より高い蒸気圧は劣化速度さらに増加させることが見受けられた。
次いで、真空レベルを1×10−8Torrのベースレベルに戻してベース劣化速度を検査したところ、これは一定のままであった。酸素を1×10−9および1×10−8Torrの圧力で導入したところ、劣化速度の増加が同様に見られた。
図5は、導入されたガスであるメタン(CH)を示す。1×10−10Torrについてのベース劣化速度を、2,700時間の経過時間から開始して200時間で再度確立させた。メタンを導入した場合、劣化速度は、より低い速度で安定する前に、一時的に逆転することが見られた。この場合においては、炭化水素ガスの形態での保護蒸気の導入が劣化速度を低下させると共に、ひいては、CNTベースの電界放出デバイスの耐用年数を増加させることが明らかである。
テスト結果2
実施例1において用いたものと同様のダイオード電界放出デバイスを1×10−10Torrのベース圧力に排気した。図6は、時間の関数としての印加電界およびチャンバ圧力を示す。ベース劣化速度を最初の500時間で確立させた。メタン(CH)を、1×10−8、1×10−7、および1×10−6Torrの圧力で導入した。メタンを導入したところ、劣化速度の低下、およびより高い圧力では逆方向の劣化速度さえも見られた。
チャンバを1×10−10Torrのそのベースレベルに戻して劣化レベルを検査した。次いで、エチレン(C)を、1×10−8、1×10−7、および1×10−9Torrの圧力で追加した。これらの圧力でも、劣化速度は、遅いか、または、逆方向であることが見られた。ベース劣化速度を、アセチレン(C)を導入する前に、2,000時間の経過時間で検査した。アセチレンを1×10−8および1×10−7Torrの圧力で導入した。アセチレンの存在もまた、電界放出デバイスの劣化速度を低下させることが見られた。デバイスを1×10−10Torrに戻してベース劣化速度を再度確立させた。次いで、二酸化炭素(CO)を1×10−8および1×10−7Torrで導入した。二酸化炭素の影響は炭化水素と反対であり、劣化速度は増加した。
本明細書においては、本明細書の主題の実施形態が、一定の特徴または要素を包含し、含有し、有し、これらを含んでなり、またはこれらから構成されるとして記述または説明されている用法の文脈によって、明確にそうでないと記載されていない、または反対に示されていない限りにおいて、明らかに記述または説明されているものに追加する特徴または要素の1つ以上が実施形態において存在していてもよい。本明細書の主題の代替的実施形態は、しかしながら、基本的に、一定の特徴または要素から構成されるとして記述または説明され得、この実施形態においては、作動の原理、または実施形態の特色的な特徴を実質的に変更するであろう特徴または要素はそこには存在しない。本明細書の主題のさらなる代替的実施形態は、一定の特徴または要素から構成されるとして記述または説明され得、この実施形態またはそのわずかな変形においては、特定的に記述または説明された特徴または要素のみが存在する。

Claims (12)

  1. 電界放出デバイスの寿命を長期化するための方法であって、
    (a)(i)陰極アセンブリ、(ii)陽極、および(iii)陰極と陽極との間の真空の間隙を含む電界放出デバイスを備えるステップ;および
    (b)真空の間隙中20℃で約10−8Torrより大の分圧を有する保護蒸気を真空の間隙に供給するステップ;
    を含み、
    ここで保護蒸気が、M−H結合(式中、Mは、C、Si、B、AlおよびPの任意の1つまたはそれ以上から選択され得る)を含む1つまたはそれ以上のガスを含む方法。
  2. 陰極アセンブリが針状の放出材料を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 陰極アセンブリがカーボンナノチューブを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 保護蒸気が、炭化水素;置換炭化水素;シラン;ボラン;アラン;およびホスフィンからなる群の任意の1つまたはそれ以上の構成員から選択される、請求項1に記載の方法。
  5. 保護蒸気が、メタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、アセチレンおよびプロピンからなる群の任意の1つまたはそれ以上の構成員から選択される、請求項1に記載の方法。
  6. 電界放出デバイスを電子デバイスに組み込むステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  7. (a)陰極アセンブリ、(b)陽極および(c)陰極アセンブリと陽極との間の真空の間隙を含む電界放出デバイスであって;ここで、真空の間隙が、真空の間隙中20℃で約10−8Torrより大の分圧を有する保護蒸気を含み;
    ここで、保護蒸気が、M−H結合(式中、Mは、C、Si、B、AlおよびPの任意の1つまたはそれ以上から選択され得る)を含む1つまたはそれ以上のガスを含むデバイス。
  8. 陰極アセンブリが針状の放出材料を含む請求項7に記載のデバイス。
  9. 陰極アセンブリがカーボンナノチューブを含む請求項7に記載のデバイス。
  10. 保護蒸気が、炭化水素;置換炭化水素;シラン;ボラン;アラン;およびホスフィンからなる群の任意の1つまたはそれ以上の構成員から選択される、請求項7に記載のデバイス。
  11. 保護蒸気が、メタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、アセチレンおよびプロピンからなる群の任意の1つまたはそれ以上の構成員から選択される、請求項7に記載のデバイス。
  12. 請求項7に記載の電界放出デバイスを含む電子デバイス。
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