JP2010537140A - 一方向駆動装置およびその製造方法 - Google Patents

一方向駆動装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

一方向駆動装置は、軸方向に延びた開口の円筒シェルに配置されるディスク状ポケットプレートを有するポケットプレート組立体と、軸方向に延びた開口の円筒シェルに配置されるディスク状のノッチプレートを有するノッチプレート組立体とを有する。円筒シェルは、互いに対向する第1軸端と第2軸端と、互いに対向する内周面と外周面とを有する。内周面と外周面には、第1タブ、第2タブ、およびスプラインが一体形成されている。スプラインは、第1軸端と第2軸端の間において軸方向に延びる。それぞれスプラインは、互いに離れて周方向に間隔をあけて配置され、内周面と外周面において軸方向に延び、径方向内方と径方向外方に突出する。スプラインの最内端は、円筒シェルの最内環状軸受面を区画形成する。第1タブは、円筒シェルの第1軸端の周方向に並べられ、最内環状軸受面を越えて径方向内方に延びる。

Description

本発明は、一方向駆動装置(ワンウェイクラッチ)に関する。より詳細には、平面型一方向駆動装置における改善と、その製造方法に関する。
当該分野において、平面型の一方向駆動装置はよく知られている。特に、Piresらの特許文献1に記載される平面型の一方向駆動装置に注意が向けられる。特許文献1は、参照されることによって本願に包含される。特許文献1は、本願出願人によって所有され、特許文献1に記述される原理を用いて一方向駆動装置を製造・販売する他社に許可を与える。
簡単にまとめると、特許文献1の一方向駆動装置は、互いに対向するように位置するストラットプレートと受容プレートを有する。ストラットプレートは、周方向に間隔を空けて配置される複数のポケットを有し、それぞれポケットは付勢バネとストラットを収容する。ストラットは、バネ付勢位置と、強制位置とに移動可動である。バネ付勢位置のストラットは、部分的にポケット外部に突出する。強制位置のストラットは、完全にポケット内に収容される。受容プレートはまた、互いに間隔を空けて周方向に並ぶ複数のポケットを有する。これらポケットは、一方向駆動装置の特定動作条件において、ストラットに係合する。
米国特許第5,070,978号(特許第3184520号) 米国特許出願第11/455,320号明細書
以降に説明するように、本願は、特許文献1の一方向駆動装置よりも構造的に優位な一方向駆動装置、製造方法、および組立方法を提供する。
本願に開示される一方向駆動装置は、ポケットプレートとノッチプレートを有する。一態様において、ポケットプレートは特許文献1のストラットに対応し、ノッチプレートは特許文献1の受容プレートに対応する。ポケットプレートは、ポケットよりむしろノッチと呼ばれるものを有する。
実施権者によって現在、製造・販売されている実際の商用の実施形態は、外方に突出する周壁が一体成形されたポケットプレートを有する。周壁は、一体成形されたノッチプレートを収容する収容室を区画形成する。
本発明の一態様は、ポケットプレート組立体とノッチ組立体を有する一方向駆動装置を提供する。ポケットプレート組立体は、ディスク状のポケットプレートを有し、ノッチプレート組立体は、ディスク状のノッチプレートを有する。ポケットプレート組立体とノッチプレート組立体は、軸方向に延びる円筒シェル内に収容される。円筒シェルは、互いに対向し且つ開口する第1軸端と第2軸端と、第1軸端と第2軸端の間において軸方向に延び且つ互いに対向する内周面と外周面とを有する。円筒シェルの内周面と外周面は、周方向に互いに離れて配置される複数のシェルスプラインと、複数の第1タブと、複数の第2
タブとを有する。シェルスプラインは軸方向に延び、径方向内方と径方向外方に突出する。シェルスプラインは、円筒シェルの最内環状軸受面を区画形成する。第1タブは、円筒シェルの第1軸端に隣接して配置され、第2タブは、円筒シェルの第2軸端に隣接して配置される。第1タブと第2タブは、最内環状軸受面を越えて径方向内方に延びる。第1タブと第2タブが配置される場所を除いて、シェルスプラインは、円筒シェルの第1軸端から第2軸端まで軸方向に延びる。
円筒シェルは、長尺の金属シートによって形成される。金属シートは円筒状に丸められ、金属シートの端部同士が互いに固定される。代替的に円筒シェルは、溶接または他の方法で作成した可塑性金属を、波状にヒダが付いた形状になるように塑性的に押出成形し、続いて押出成形品を適当な軸方向長さで薄切りすることによって形成されうる。シェルスプラインとタブは、金属シートに一体形成される。タブは、スタンプ(stamped)されるか、さもなくばシェルスプラインのセグメントを径方向内方に変形させることによって得られる。
他の態様によると、スプラインを有する円筒シェルを、最初に作成する製造方法が提供される。その後、第1タブは、円筒シェルの第1軸端の近傍に形成される。その後、ポケットプレート組立体とノッチプレート組立体を、円筒シェル内に導入する。ポケットプレート組立体とノッチプレート組立体のうちの一方を第1プレート組立体と称し、他方を第2プレート組立体と称すると、第1プレート組立体は、円筒シェルにスプライン嵌合する。第2プレート組立体は、スプラインの径方向内方環状面に対して移動可能であり、第1プレート組立体に協働可能なように、円筒シェル内に配置される。第1プレート組立体と第2プレート組立体は、ストラットと、ストラットに係合可能なポケットとを有することによって、一方向駆動装置として機能する。その後、ディスク状のワッシャは、円筒シェル内に配置され、スプラインに嵌合する。ワッシャは、第2タブによって軸方向に保持され、円筒シェル内において第1プレート組立体や第2プレート組立体に協働する。
改善される一方向駆動装置とその製造方法の更なる態様は、以下の詳細な記載と図において記述され示される。
本発明にしたがう、一方向駆動装置の分解斜視図。 組立状態の、図1の一方向駆動装置の斜視図。
図1と図2は、構成部材が部材番号によって示され、図1がまず注目される。図1は、本発明にしたがって、一方向駆動装置10を説明する。一方向駆動装置10は、軸方向に延びる円筒シェル12を有しうる。円筒シェル12は、互いに対向し且つ開口する第1軸端14と第2軸端16と、内周面18と外周面20とを有する。内周面18と外周面20は、第1軸端14と第2軸端16の間において軸方向に延びる。互いに対向する内周面18と外周面20は、複数のシェルスプライン22を提供すべく構成される。これらシェルスプライン22は、互いに離間して周方向に並ぶように配置され、それぞれ軸方向に延び、径方向内方と径方向外方に突出する。それぞれシェルスプライン22は、径方向最内に位置するスプライン最内端面24を有する。スプライン最内端面24は、最内環状軸受面25を区画形成する。
更に図1を参照すると、円筒シェル12は、第1軸端14に隣接して配置される複数の第1タブ26を有しうる。第1タブ26は、互いに隣接するシェルスプライン22間に位置する。これら第1タブ26は、以降で記述される理由により、最内環状軸受面25を越えて径方向内方に延びる。円筒シェル12はまた、円筒シェル12の第2軸端16に隣接
して配置される複数の第2タブ28を有する。第2タブ28は、互いに隣接するシェルスプライン22間に形成される。図2においてよく見えるように、第2タブ28は、第1タブ26と同様に以降で記述される理由により、最内環状軸受面25を越えて径方向内方に延びうる。図1と図2に示すように、第1タブ26と第2タブ28はそれぞれ、円筒シェル12の周方向に沿って、好ましくは対称的に離間して配置されうる。円筒シェル12の第1軸端14と第2軸端16にそれぞれ12個のタブが示されるが、以下で記述される意図される方法で機能する限り、タブの数は多くも少なくもなりうる。更に、一実施形態にしたがってシェル組立体(つまり円筒シェル12は、シェルスプライン22、第1タブ26、および第2タブ28を有する)の製造方法は、以下に記述される。
更に図1を参照すると、一方向駆動装置10は円筒シェル12に加えて、ポケットプレート組立体29を有する。ポケットプレート組立体29は、第1タブ26と第2タブ28の間において円筒シェル12内に配置されるディスク状のポケットプレート30を有する。ポケットプレート30の互いに対向するプレート面は、周方向に沿って互いに離間される複数のポケット32と、最外周縁に区画形成されて周方向に沿って互いに離間されるポケットスプライン34とを有する。ポケットスプライン34は、第1タブ26に周方向に隣接するシェルスプライン22に連結し、シェルスプライン22と一体回転する。以下に記述するように、ストラット36が、ポケットプレート30のポケット32において付勢駆動位置(biased driving position)とオーバーラン位置の間で動作できるように、ポケットプレート組立体29は、各ポケット32に配置される連結付勢部材38を有しうる。連結付勢部材38は、たとえば図示される実施形態においては、バネである。全体の組立体である一方向駆動装置10は、第1外部回転部材(図示略)に、シェルスプライン22によって連結しうる。一方向駆動装置10はまた、第2外部回転部材(図示略)に、ポケットプレート30の内方スプライン面によって連結しうる。
図1と図2に示す実施形態では、ポケットプレート30が第1タブ26によって支持されるように、ポケットプレート組立体29は円筒シェル12内に配置される。第1タブ26は、円筒シェル12からポケットプレート30が外れるようなことを防ぐべく、十分に径方向内方に延びる。同時に、前述したようにポケットスプライン34は、円筒シェル12がポケットプレート30に連結するように、且つ単一ユニットとして一体回転するように、シェルスプライン22に連結する。
図1を参照すると、一方向駆動装置10は更に、ノッチプレート40を有するノッチプレート組立体39を有しうる。ノッチプレート40はディスク状でもよく、ノッチプレート40の互いに対向するプレート面は、周方向に沿って互いに離間するように並ぶ複数のノッチ42を有する。ノッチ42は、ストラット36が付勢駆動位置の場合に、ストラット36に周期的(periodically)に係合すべく構成される。付勢駆動位置のストラット36は、少なくとも部分的にポケット32から突出する。平面型の一方向駆動装置に関してよく知られるように、ノッチ42は、ポケットプレート30とノッチプレート40が互いに対して一定方向(既定方向)に回転する場合に、ストラット36に周期的に係合すべく構成される。ノッチプレート40は、最外周縁である最外環状軸受面44を区画形成する。最外環状軸受面44が最内環状軸受面25よりも僅かに径方向内方に配置されるように、且つノッチプレート40が以下に示す方法において円筒シェル12内に適切に組立てられ、そして最外環状軸受面44が円筒シェル12の最内環状軸受面25に対して滑るように、ノッチプレート40は好ましいサイズに形成される。ノッチプレート40の最外環状軸受面44には、一方向駆動装置10内においてオイル通路45を形成すべく、周方向に互いに離間して配置され且つ軸方向に延びる多くのチャネルすなわち通路が形成されうる。ノッチプレート40はまた、適切に構成される内部スプライン47を有する最内周部46を有しうる。内部スプライン47は、第2外部回転部材(図示略)に連結すべく設計される。
ポケットプレート30が第1タブ26に係合するようにポケットプレート組立体29が円筒シェル12内に配置された後、ポケットプレート30に係合可能なノッチプレート40を有するノッチプレート組立体39は、円筒シェル12内に配置されうる。ノッチプレート組立体39が配置されたことによって、ポケットプレート30によって運ばれバネ付勢されるストラット36と、ノッチプレート40によって運ばれるノッチ42とが、典型的な一方向駆動動作方向において互いに係合可能になる。この係合は、以下に簡単に記述され、詳細は上記で参照される特許文献1に詳細に記述される。この目的のために、ノッチプレート40は、円筒シェル12やポケットプレート30と同じ軸線周りに回転すべく備え付けられる。(ノッチプレート40は、第2外部回転部材(駆動シャフト)に取付けられるよう構成される。)
一方向駆動装置10は、シェルスプライン22、第1タブ26、および第2タブ28を有する円筒シェル12と、ポケットプレート組立体29と、ノッチプレート組立体39とに加えて、オイル制御用の環状の終端ワッシャとしてのワッシャ50を有しうる。ワッシャ50は、スプライン外周縁52を有する。スプライン外周縁52は、シェルスプライン22に連結すべく構成され、且つサイズを規定される。特に、ポケットプレート組立体29とノッチプレート組立体39が上述方法で円筒シェル12に組付けられた場合、つまり第1タブ26が上記方法によって形成後且つまだ第2タブ28の形成前に、ワッシャ50は、ポケットプレート30に対向するノッチプレート40に更に対向すべく、円筒シェル12内に配置されうる。ワッシャ50がそのように配置されると、第2タブ28は、記述される方法によって形成されうる。第2タブ28は、ワッシャ50の最外周縁を越えて径方向内方に延びることによって、円筒シェル12内においてワッシャ50を保持する。実際には、円筒シェル12の第1軸端14の第1タブ26と、第2軸端16の第2タブ28とは、ノッチプレート組立体39、ポケットプレート組立体29、およびワッシャ50を保持するサンドイッチ構造を構成する。以下に記述する方法において、この保持(固定)によって、ポケットプレート30とワッシャ50は、単一ユニットとして円筒シェル12と一体回転する。しかし、ノッチプレート40は、オーバーランする場合もありうるようにポケットプレート30に係合できる。
一方向駆動装置10の動作方法を記述する前に、ここに開示される一つの詳細な実施形態にしたがって、製造方法(組立方法)の好ましい例が記述される。円筒シェル12自身は、金属材料の薄いストリップ(thin strip)、たとえば約0.040インチ(約1mm)の厚さを有する低炭素スチールシート材料によって製造開始されうる。このシート材料の長さと幅は、究極的には、形成される円筒シェル12の意図する直径と軸方向長さに基づき選択されうる。たとえば一方向駆動装置10の一実施形態において、円筒シェル12の内径、すなわち径方向内方に向き合う最内環状軸受面25の直径は、5.51インチ(約140mm)であり、円筒シェル12の軸方向長さは0.880インチ(約22mm)である。これらの様々なサイズが提供され、実際には円筒シェル12を作り出す材料自体は、例示的な目的のためにのみ提供され、請求の範囲を限定するようには意図されない。以降で理解されるように、他のサイズや他の材料もまた使用されうる。ここにおける教示と所望応用例に基づき、当業者は、意図する使用に基づき必要な材料およびサイズを直ちに提供しうる。
円筒シェル12製造のための金属材料シートが提供されると、2つの代替例のいずれもが、シェルスプライン22、第1タブ26、および第2タブ28を形成すべく使用されうる。これらは、まず材料ストリップに形成されうる。そして材料ストリップは、円筒シェル12のように開口した円筒状に丸められうる。代替的に、シート材料がまず円筒状に丸められ、そのあとにシェルスプライン22、第1タブ26、および第2タブ28が形成されうる。実際には、シェルスプライン22は、シート材料が円筒シェル12の円筒状に形成される前にまず提供されえ、それから第1タブ26と第2タブ28が形成されうる。い
ずれにしても、シート材料が円筒シェル12の円筒状に丸められると、互いに隣接する端部同士は、溶接されるか、押付けられるか(crimped)、または他の任意の適切な方法によって固定されうる。
この点において円筒シェル12の材料は、正しい軸サイズを有するが、最終的な円筒シェル12の所望直径よりも実質的に大きい直径を有する単純なフープ状(スプライン無し)でありうる。つまりフープ(hoop)は、内部にスプラインが形成されうるほど十分に大きい。このフープは、それから一対の互いに嵌合する波状ホイール(corrugating wheel)の間において回転されうる。嵌合し合う一対の波状ホイールは、シェルスプライン22を形成すべく緩く固定されるたとえば歯車装置である。これらの波状ホイールの歯の大きさと隙間は、フープのシート材料を正しい直径の所望波形に形成するように選択される。
円筒シェル12を形成する代替方法は、所望形状のチューブを押出成形することである。押出は、溶解または可塑化した金属に、適切な形の金型を押付けることによって実行される。よって、シェルスプライン22の内径が規定されるとともに、所望壁厚のチューブが形成される。このチューブは任意長さであり、所望の軸方向長さに寸断される。
シート材料から円筒シェル12を形成する前と後のいずれでもシェルスプライン22が円筒シェル12に形成されうる一方で、実施形態の第1タブ26と第2タブ28は、シェルスプライン22形成後に製造されうる。これが達成される方法は、図2に示される。
図2の上部に示すように、第2タブ28のうちの1つを、明瞭のために代表第2タブ28aと称する。代表第2タブ28aに対して直径方向に対向する第2タブ28を、対向タブ28bと称する。代表第2タブ28aは、シェルスプライン22から、そのシェルスプライン22に隣接する代表スプライン22aまでではなく、代表スプライン22aに隣接するもう一つのシェルスプライン22まで延びる。代表スプライン22aの軸方向長さは、代表第2タブ28aのために、シェルスプライン22の軸方向長さよりも小さい。つまり代表第2タブ28aは、代表スプライン22aの端部セグメントによって形成される。特に、図2に示すようスリット52は、代表スプライン22aの形成後、且つ代表第2タブ28aの形成前に、代表スプライン22aの端部から短い距離の場所において、代表スプライン22aに形成されうる。スリット52が形成されると、適切な変形装置、たとえば穴開け器またはストライカー(striker)は、スリット52と円筒シェル12の第2軸端16の間に位置する代表スプライン22aのセグメントを、径方向内方に押し付けることによって代表第2タブ28aを形成すべく使用されうる。この径方向内方への変形は、対向タブ28bによって良く説明される。その結果、第2タブ28が最内環状軸受面25を越えて径方向内方に突出することを可能にする。第1タブ26と第2タブ28の全ては、開示される実施形態において、この方法で形成されうる。
更に、第1タブ26が形成されるのと同じスプラインを用いて、軸方向に整列するように第2タブ28を形成することを本実施形態が開示するが、一方で本発明は、第1タブ26と第2タブ28タブを軸方向に整列させることには限定されないことが理解されるであろう。実際には、第1タブ26と第2タブ28タブを軸方向に整列させない方法は比較的簡単、単純、および経済的な方法ではあるが、一方向駆動装置10におけるタブ形成方法は、本実施形態には限定されない。第1タブ26と第2タブ28は、互いに離間した小さなブロック材料を、シェルスプライン22に溶接や半田付けすることによって、適所に形成されうる。更に、円筒シェル12が12個の第1タブ26と12個の第2タブ28を有することが示される一方、一方向駆動装置10のタブの数は、その数には限定されないことが理解されるであろう。第1タブ26と第2タブ28の数は、装置毎に、装置のサイズと、使用される材料と使用用途と、おそらく当業者によって直ちに決定されうる他の要素
とに依存して、変化しうる。
次に、ポケットプレート30、ノッチプレート40、およびワッシャ50の提供方法に注意を向ける。各場合において、上記実施形態では、これらの構成部材は、金属または他の適切な材料のシートから、一体的にスタンプ形成(stamp formed)されうる。ポケットプレート30の場合、ポケットスプライン34は、外周縁に一斉にスタンプ形成(stamp formed)でき、または部分貫通法によって形成できる。ポケット32は、部分貫通法によって同様に形成されうる。ノッチプレート40の場合、オイル通路45と内部スプライン47は、ノッチプレート40の他の部分を形成するときにスタンプ形成(stamp formed)されうる。しかしノッチ42は、ポケット32がポケットプレート30に形成されるのと同様に、部分貫通法によって形成されうる。この部分貫通法は、同時係属中の特許文献2に記述され、本願出願人に譲受されている。最後にワッシャ50は、スプライン外周縁52に沿って、直ちにスタンプ形成(stamp formed)されうる。
直前に記述した製造方法は、ポケットプレート30、ノッチプレート40、およびワッシャ50を製造する好ましい方法ではあるが、一方向駆動装置10はこの製造方法で形成されることには限定されないことが理解されるであろう。
一方向駆動装置10が組立てられるときに、明らかにポケットプレート組立体29、ノッチプレート組立体39、およびワッシャ50は、任意の特別な順番で形成でき、且つ提供されうる。前述の議論から明らかな一つの例外がある。ポケットプレート組立体29、ノッチプレート組立体39、およびワッシャ50が、上述方法によって円筒シェル12の第2軸端16から円筒シェル12内に挿入されるように、すなわち第2タブ28を最終的に有する軸方向端から円筒シェル12内に挿入されるように、円筒シェル12にシェルスプライン22と、適切に位置するタブすなわち第1タブ26とが形成された状態において、円筒シェル12内にポケットプレート組立体29、ノッチプレート組立体39、およびワッシャ50が組付けられると、第2タブ28は、これらすべてを保持すべく円筒シェル12の適切な位置に形成されうる。
一方向駆動装置10が上記方法で組立てられると、一方向駆動装置10は、従来の方法で、たとえば特許文献1に記載されるような方法で、直ちに第1外部回転部材や第2外部回転部材(図示略)に連結されうる。ポケットプレート30、円筒シェル12、およびワッシャ50が単一ユニットとして時計方向または反時計方向に回転するよう、特にポケットプレート30は第1外部回転部材(駆動部材)に連結されうる。ポケットプレート30はオーバーラン方向に回転すると、ノッチプレート40に対して自由に回転する。オーバーラン方向に回転するポケットプレート30のストラット36は、ノッチプレート40のいかなるノッチ42にも係合しないし、ロックもしないからである。しかし、ポケットプレート30がオーバーラン方向とは反対方向に回転すると、少なくとも1つのストラット36は、連結付勢部材38によって移動し、その結果、ノッチ42に係合する。従って、ノッチプレート40は、ポケットプレート30によって回転させられる。なお、ノッチプレート40が外部部材によって適切な位置にロックされる場合、ポケットプレート30の回転も防止される。本発明が関連するタイプの一方向駆動装置の作動方法のより詳細な記述は、特許文献1に参照される。
図1に戻ると、追加事項が挙げられるべきである。図1の一方向駆動装置10は、円筒シェル12と、円筒シェル12に連結して一体回転するポケットプレート組立体29とを有する。しかし、ポケットプレート組立体29とノッチプレート組立体39は、直ちに役割を反転させうることが理解されるであろう。すなわちノッチプレート40が円筒シェル12に連結して一体回転するように、ノッチプレート組立体39は、最外スプラインを有
しうる。そしてノッチプレート組立体39は、第1タブ26に隣接して円筒シェル12に連結すべく寸法が規定されうる。その一方で、ポケットプレート30がノッチプレート40と円筒シェル12に対して相対回転できるように、ポケットプレート組立体29のポケットプレート30が、最内環状軸受面25よりも径方向内方に僅かに小さく形成され、且つ外周面にオイル流路を有しうる。後者の場合、ポケットプレート組立体29は、ノッチプレート組立体39とワッシャ50の間に配置されうる。

Claims (17)

  1. 軸方向に延びる円筒シェルと、前記円筒シェル内に配置されるそれぞれディスク状のポケットプレート、ノッチプレート、およびワッシャと、複数のストラットと複数の連結付勢部材とを備える一方向駆動装置において、
    (a) 前記円筒シェルは、互いに対向する第1軸端と第2軸端と、前記第1軸端と前記第2軸端の間において軸方向に延び且つ互いに対向する内周面と外周面とを有し、前記内周面と前記外周面は:
    (i) 互いに間隔を空けて周方向に並べられる複数のシェルスプラインであって、これら前記シェルスプラインは軸方向に延び、径方向内方と径方向外方に突出し、これら前記シェルスプラインは径方向最内のスプライン最内端面を有し、これら前記スプライン最内端面は前記円筒シェル内において最内環状軸受面を区画形成することと;
    (ii) 前記第1軸端に隣接して配置される複数の第1タブであって、これら前記第1タブは前記最内環状軸受面を越えて径方向内方に延びることと;
    (iii) 前記第2軸端に隣接して配置される複数の第2タブであって、これら前記第2タブも前記最内環状軸受面を越えて径方向内方に延びることと
    を有するように構成され、
    (b) 前記ポケットプレートは前記第1タブと前記第2タブの間に配置され、前記ポケットプレートは、互いに対向するプレート面と、これらプレート面に互いに間隔を空けて周方向に並ぶように形成される複数のポケットと、外周縁とを有し、前記外周縁は、互いに間隔を空けて周方向に並べられる複数のポケットプレートスプラインを区画形成し、これら前記ポケットプレートスプラインはそれぞれ前記シェルスプラインに連結して一体回転し、
    (c) 前記ストラットと前記連結付勢部材は、それぞれ対応する前記ポケットに配置され、前記ストラットは付勢駆動位置とオーバーラン位置に移動可能であり、
    (d) 前記ノッチプレートは前記第1タブと前記第2タブの間に配置され、前記ノッチプレートは、互いに対向するプレート面と、これらプレート面に互いに間隔を空けて周方向に並ぶように形成される複数のノッチとを有し、前記ノッチは、前記ストラットが前記付勢駆動位置であり且つ前記ポケットプレートと前記ノッチプレートが互いに対して一定方向に回転する場合に前記ストラットに係合し、前記ノッチプレートの最外周縁は、前記最内環状軸受面に対して回転可能に位置する最外環状軸受面を区画形成し、前記ノッチプレートは、外部回転部材に連結すべく構成される最内開口を有し;
    (e) 前記ワッシャは前記第1タブと前記第2タブの間に配置され、前記ノッチプレートは前記ポケットプレートと前記ワッシャの間に配置され、前記ワッシャの最外周縁は、互いに間隔を空けて周方向に並ぶように位置するワッシャプレートスプラインを区画形成し、前記ワッシャプレートスプラインは前記シェルスプラインに連結して一体回転し、前記第1タブと前記第2タブは、前記ポケットプレート、前記ノッチプレート、および前記ワッシャをこれらが前記円筒シェル内において協働できるように軸方向に保持することを特徴とする、一方向駆動装置。
  2. 前記ポケットプレート、前記ノッチプレート、および前記ワッシャは、それぞれスタンプ形成された金属部材である、請求項1記載の一方向駆動装置。
  3. 前記ポケットは、前記ポケットプレートの途中までの凹部であり、
    前記ノッチは、前記ノッチプレートの途中までの凹部である、請求項2記載の一方向駆動装置。
  4. 前記ポケットプレートと前記ワッシャは、前記円筒シェルの前記第1軸端と前記第2軸端に位置する、請求項1記載の一方向駆動装置。
  5. 軸方向に延びる円筒シェルと、前記円筒シェル内に配置されるそれぞれディスク状のノッチプレート、ポケットプレート、およびワッシャと、複数のストラットと複数の連結付勢部材とを備える一方向駆動装置において、
    (a) 前記円筒シェルは、互いに対向する第1軸端と第2軸端と、前記第1軸端と前記第2軸端の間において軸方向に延び且つ互いに対向する内周面と外周面とを有し、前記内周面と前記外周面は:
    (i) 互いに間隔を空けて周方向に並べられる複数のシェルスプラインであって、これら前記シェルスプラインは軸方向に延び、径方向内方と径方向外方に突出し、これら前記シェルスプラインは径方向最内のスプライン最内端面を有し、これら前記スプライン最内端面は前記円筒シェル内において最内環状軸受面を区画形成することと;
    (ii) 前記第1軸端に隣接して配置される複数の第1タブであって、これら前記第1タブは前記最内環状軸受面を越えて径方向内方に延びることと;
    (iii) 前記第2軸端に隣接して配置される複数の第2タブであって、これら前記第2タブも前記最内環状軸受面を越えて径方向内方に延びることと
    を有するように構成され、
    (b) 前記ノッチプレートは前記第1タブと前記第2タブの間に配置され、前記ノッチプレートは、互いに対向するプレート面と、これらプレート面に互いに間隔を空けて周方向に並ぶように形成される複数のノッチとを有し、前記ノッチプレートの最外周縁は、互いに間隔を空けて周方向に並ぶ複数のノッチプレートスプラインを区画形成し、これら前記ノッチプレートスプラインは前記シェルスプラインに連結して一体回転し、
    (c) 前記ポケットプレートは前記第1タブと前記第2タブの間に配置され、前記ポケットプレートは、互いに対向するプレート面と、これらプレート面に互いに間隔を空けて周方向に並ぶように形成される複数のポケットと、最内開口とを有し、前記ポケットプレートの最外周縁は、前記最内環状軸受面に対して回転可能に位置する最外環状軸受面を区画形成し、前記最内開口は外部回転部材に連結すべく構成され、
    (d) 前記ストラットと前記連結付勢部材は、それぞれ対応する前記ポケットに配置され、前記ストラットは付勢駆動位置とオーバーラン位置とに移動可能であり、その結果、前記ポケットプレートと前記ノッチプレートが互いに対して一定方向に回転するように前記ストラットは前記ノッチに周期的に係合し、
    (e) 前記ワッシャは前記第1タブと前記第2タブの間に配置され、前記ポケットプレートは前記ノッチプレートと前記ワッシャの間に配置され、前記ワッシャの最外周縁は互いに間隔を空けて周方向に並ぶように位置するワッシャプレートスプラインを区画形成し、これら前記ワッシャプレートスプラインは前記シェルスプラインに連結して一体回転し、前記第1タブと前記第2タブは、前記ノッチプレート、前記ポケットプレート、および前記ワッシャをこれらが前記円筒シェル内において協働できるように軸方向に保持することを特徴とする、一方向駆動装置。
  6. ディスク状のポケットプレートを有するポケットプレート組立体と;
    ディスク状のノッチプレートを有するノッチプレート組立体と;
    前記ポケットプレート組立体と前記ノッチプレート組立体を収容するように軸方向に延びる円筒シェルと
    を有する一方向駆動装置において、
    前記円筒シェルは、互いに対向する第1軸端と第2軸端と、前記第1軸端と前記第2軸端の間において軸方向に延び且つ互いに対向する内周面と外周面とを有し、前記内周面と前記外周面は:
    (i) 互いに間隔を空けて周方向に並べられる複数のシェルスプラインであって、これら前記シェルスプラインは軸方向に延び、径方向内方と径方向外方に突出し、これら前記シェルスプラインは径方向最内のスプライン最内端面を有し、これら前記スプライン最内端面は前記円筒シェル内において最内環状軸受面を区画形成することと;
    (ii) 前記第1軸端に隣接して配置される複数の第1タブであって、これら前記
    第1タブは前記最内環状軸受面を越えて径方向内方に延びることと;
    (iii) 前記第2軸端に隣接して配置される複数の第2タブであって、これら前記第2タブも前記最内環状軸受面を越えて径方向内方に延びることと
    を有するように構成され、
    前記第1タブと前記第2タブは、前記ポケットプレート組立体と前記ノッチプレート組立体をこれらが前記円筒シェル内において協働できるように軸方向に保持することを特徴とする、一方向駆動装置。
  7. 前記シェルスプラインは、前記第1タブと前記第2タブが配置される場所を除き、前記第1軸端から前記第2軸端まで軸方向に延びる、請求項1〜6何れか一項記載の一方向駆動装置。
  8. 前記円筒シェルは、長尺の金属シートを円筒状に丸めて前記金属シートの端部同士を固定することによって、前記第1軸端と前記第2軸端が開口するように形成される、請求項1〜6何れか一項記載の一方向駆動装置。
  9. 前記シェルスプライン、前記第1タブ、および前記第2タブは前記金属シートに一体形成される、請求項8記載の一方向駆動装置。
  10. 前記第1タブと前記第2タブはそれぞれ、1つの前記シェルスプラインを径方向内方に変形することによって形成されたセグメントである、請求項9記載の一方向駆動装置。
  11. 一方向駆動装置の製造方法であって、前記一方向駆動装置は、ディスク状のポケットプレートを有するポケットプレート組立部と、ディスク状のノッチプレートを有するノッチプレート組立部とを有し、前記製造方法は:
    (a) 軸方向に延びる円筒シェルを形成するシェル形成ステップであって、前記円筒シェルは前記ポケットプレート組立体と前記ノッチプレート組立体を収容するように構成され、前記円筒シェルは、互いに対向する第1軸端と第2軸端と、前記第1軸端と前記第2軸端の間において軸方向に延び且つ互いに対向する内周面と外周面とを有し、前記内周面と前記外周面は、互いに間隔を空けて周方向に並ぶように形成される複数のシェルスプラインを有し、それぞれシェルスプラインは軸方向に延び、径方向内方と径方向外方に突出し、前記シェルスプラインは径方向最内のスプライン最内面端を有し、これら前記スプライン最内面端は前記円筒シェル内に最内環状軸受面を区画形成することと;
    (b) 前記第1軸端に隣接する複数の第1タブを形成する第1タブ形成ステップであって、それぞれ前記第1タブは前記最内環状軸受面を越えて径方向内方に延びることと;
    (c) 前記ポケットプレート組立体と前記ノッチプレート組立体を、前記第2軸端から前記円筒シェル内に配置するステップであって、前記ポケットプレート組立体と前記ノッチプレート組立体のうちの一方を第1プレート組立体と称し、他方を第2プレート組立体と称すると、前記第1プレート組立体は前記シェルスプラインに連結し、前記第2プレート組立体が前記第1プレート組立体に係合する場合に前記第1プレート組立体と前記第2プレート組立体が前記一方向駆動装置を構成することと;
    (d) ディスク状のワッシャを、前記第2軸端から前記円筒シェル内に配置するステップであって、前記第2プレート組立体は前記第1プレート組立体と前記ワッシャの間に位置することと;
    (e) これらの後に、前記第2軸端に隣接する第2タブを形成する第2タブ形成ステップであって、前記第2タブは、前記最内環状軸受面を越えて径方向内方に延び、その結果、前記第1プレート組立体と前記第2プレート組立体は、前記円筒シェル内において協働するように前記第1タブと前記第2タブの間で軸方向に保持されることと
    を備えることを特徴とする、一方向駆動装置の製造方法。
  12. 前記シェル形成ステップは、前記シェルスプラインを形成することを有し、
    前記シェルスプラインは、前記第1タブと前記第2タブが配置される場所を除き、前記第1軸端から前記第2軸端に軸方向に延びる、請求項11記載の製造方法。
  13. 前記シェル形成ステップは、
    前記第1軸端と前記第2軸端が開口するように金属シートを円筒状に丸めることと;
    前記金属シートの端部同士を固定することと
    を有する、請求項11記載の製造方法。
  14. 前記シェル形成ステップは更に、前記シート金属を丸める前、または丸めた後に、
    前記シェルスプラインを前記金属シートに一体形成することを有する、請求項13記載の製造方法。
  15. 前記シェル形成ステップは、前記第1タブと前記第2タブを前記シェルスプラインに一体形成することを有する、請求項14記載の製造方法。
  16. 前記第1タブ形成ステップと前記第2タブ形成ステップはそれぞれ、
    1つの前記シェルスプラインにスリットを形成することによって、対応するセグメントを区画形成することと;
    前記セグメントを前記シェルスプラインよりも径方向内方に変形させることと
    を備え、
    変形した前記セグメントが前記第1タブまたは前記第2タブとして機能する、請求項15記載の製造方法。
  17. 前記ポケットプレート、前記ノッチプレート、および前記ワッシャは、金属シートからスタンプ形成される、請求項11記載の製造方法。
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