JP2010536475A - フォトアブレーションのためのシステムおよび装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、生体内の組織の光学的アブレーションのためのカテーテルを提供し、該カテーテルは、遠位端と、近位端と、遠位端と近位端との間に連結される細長いカテーテル本体と、遠位端にあり、細胞内で細胞を直接または間接的に死滅させる、遺伝子産物に対する核酸配列に動作可能に結合される光学的に調節可能な転写制御要素を調節するように選択される特徴を有する、アブレーション光を発するように構成される、発光装置と、発光装置に連結され、光学的に調節可能な転写制御要素が、発光装置から投影されるアブレーション光によって効果的に調節可能である、効果的に照射された領域を制御するように構成される、投影制御機構と、を含む。また、カテーテルを含むシステム、ならびに発現カセットおよび/または1つ以上の選択された波長の光を採用する、AFを予防、抑制、または治療する方法も提供する。

Description

(優先権の主張)
本願において、米国特許出願第11/895,035号(2007年8月22日出願)に対する優先権の利益を主張が主張され、この出願は、本明細書に参考として援用される。
(発明の分野)
本発明は、概して切除治療の分野に関し、より具体的には、心不整脈を治療するための切除療法に関する。
心房性頻脈性不整脈(AT)は、多くの人および彼らの生活の質に悪影響を与える。例えば、心房細動(AF)は、米国において推測で230万人に悪影響を与える。AFは、心拍リズムの制御が、心臓の上方室(心房)内の異なる部分における急速な活動(ヒトにおいて安静時で1分当たり約60回の脈拍、または最大運動時で1分当たり180〜200回の脈拍に対して、1分当たり400〜600の脈拍となる)によって、正常の洞結節ペースメーカから失われる病状である。これにより、急速で不規則な心房活動、および収縮の代わりに、心房振動が引き起こされる。それは、ヒトにおいて最も一般的な慢性心律動障害であり、深刻な罹患率および死亡率を含む主要な臨床的問題を示す。AFは、AFを持続させる誘因および心房基質を必要とする。誘因を排除するか、または基質を変化させることは、AFの発生を低減させることができる。AFを持続させる基質は、波長(伝導速度、CVおよび有効不応期、ERP)を伴う場合がある。CVまたはERPのいずれかを変化させることは、AFを維持するために必要な基質を変化させることができる。また、短い心房ERPは、AFを持続させる多重リエントリー波に対する基質の一因となる。
薬理学的および装置的治療は、異なる程度の有効性ならびに副作用および合併症を有するため、AFを治療に十分ではない。心不整脈は、心臓電気特性を変化させることによってリズムを制御する抗不整脈薬で伝統的に治療されている。しかしながら、利用可能な薬物は、心房電気活動に特異的ではなく、心室電気生理学に対して計り知れない影響を有し得る。例えば、AFを治療するために使用されるKチャンネル遮断薬は、心再分極の致死的となり得る先天性疾患(「不整脈」等)と類似した症状を呈し得る。また、過去20年において、心室の電気生理学に対する抗不整脈薬の効果は、それら自体、心逆説的に生命にかかわるリズム障害(催不整脈作用)につながり、死亡率を増加さ得ることが明らかとなってきた。さらに、薬物療法は、約60%の有効性しか有さない。したがって、不整脈発生組織の制御された破壊(「切除療法」)および不整脈を感知し、制御された放電でそれらを終了させることができる埋め込み型装置を含む、心不整脈に対する非薬理学的療法への転換が見られている。しかしながら、カテーテルによる療法は、理想的な有効性が低く、適正なカテーテル位置および長時間の接触を維持する必要性、送達部位からの距離によるアブレーションの範囲における不一致のため、しばしは、非常に時間がかかり、多重アブレーションは、概して、アブレーションの望ましい物理的範囲を形成するために必要とされる。他の心不整脈と対照的に、AFは、薬理学的および非薬理学的治療法の両方に対して困難であり続ける。
本発明は、選択された組織を切除するために有用な組成物、装置、方法およびシステムを提供する。一実施形態では、不活性型の切除要素は、哺乳類へ送達され、例えば、感光性切除要素は、選択された組織へ局所的に送達され、その後、カテーテルによって送達される光等の誘発要素が、切除される組織または細胞へ送達される。誘発要素は、アブレーション要素を活性型に変換し、それにより、アブレーション要素を有する細胞のアブレーションをもたらす。そのようなシステムの1つの一般的利益は、誘発要素の送達は、現在の切除治療よりさらに速く、より正確であり得る。また、誘発されると、アブレーションは、切除要素の性質、時間の長さ、および誘発要素が送達される部分によって、経時的に、速く、またはゆっくりと行われ得る。さらに、誘発要素の送達は、カテーテルのさらなる配置または接触を必要としない。アブレーションは、不整脈が終了すると、常電導が再開され得るように、一時的なものであり得る。
一実施形態では、本発明の組成物、装置、方法およびシステムは、心不整脈を予防、抑制または治療するために有用である。一実施形態では、本発明の組成物、装置、方法およびシステムは、異常な電気的に活性の細胞または組織を予防、抑制または治療、例えば、心筋、神経または神経組織を切除するために有用である。一実施形態では、カテーテルは、切除される部分を「マーク」するための物質を送達するために使用され、その後に、光が、「マークされた」組織のみを切除するために送達される。光の送達は、ほとんど熱を発生させないため、治療される哺乳類における凝固リスクを低下させる。また、より明確な病変の治療は、有効性を改善することができ、手術時間を短くすることができる。さらに、アブレーションのために必要とされる波長の光によって、カテーテルは、アブレーションの間、組織と接触している必要がない。一実施形態では、本発明は、心房細動(AF)を予防、抑制または治療する方法を提供する。方法は、AFがあるか、またはその危険性がある哺乳類に、ケージされた光解離性毒素を投与するステップを含む。光の有効量は、哺乳類の選択された心臓部へ送達される。
一実施形態では、本発明は、AFを予防、抑制または治療する方法を提供する。方法は、AFがあるか、またはその危険性がある哺乳類に、遺伝子産物に対する核酸配列に動作可能に結合される装置調節可能な転写制御要素を含む発現カセットを投与するステップを含む。細胞における遺伝子産物の発現は、細胞を直接的または間接的に死滅させる。装置からの調節信号は、調節可能な転写制御要素からの発現を増加させることが可能である。調節信号は、AFを予防、抑制または血用するために有効な量で哺乳類の選択された心臓部へ送達される。一実施形態では、調節信号は、介入心臓装置によって送達される。例えば、光信号は、介入心臓装置によって送達される。一実施形態では、遺伝子産物は、細胞毒性である。一実施形態では、発現カセットは、組織特異的転写制御要素、例えば、心臓特異的転写制御要素も含む。一実施形態では、発現カセットは、全身的に送達される。一実施形態では、選択された部分は、発現カセットが、局所投与される部分である。一実施形態では、発現カセットは、動脈に投与される。別の実施形態では、発現カセットは、哺乳類の心房に注入される。一実施形態では、ウイルスベクターが、発現カセットを哺乳類へ送達する。
本発明は、AFを予防、抑制または治療する方法を提供する。方法は、AFがあるか、またはその危険性がある哺乳類に、ケージされた光解離性毒素を投与するステップと、有効量の1つ以上の選択された波長の光を、哺乳類の選択された心臓部に送達するステップと、を含む。一実施形態では、ケージされた光解離性毒素は、全身投与される。一実施形態では、ケージされた光解離性毒素は、局所投与される。一実施形態では、光信号は、介入心臓装置によって送達される。一実施形態では、本発明は、AFを予防、抑制または治療する方法を提供する。方法は、AFがあるか、またはその危険性がある哺乳類に、細胞毒性薬、例えば、毒素に結合される感光性リンカーに結合されるヘアピンを形成する、ヌクレオチド配列を有する第1のオリゴヌクレオチドに結合される、消光剤を備える、第1の部分を投与するステップを含む。消光剤は、感光性リンカーの光分解を遮断する。第2の部分も投与される。第2の部分は、第1のオリゴヌクレオチドにおいてヌクレオチド配列を有する二本鎖塩基対分子を形成することが可能である、第2のオリゴヌクレオチドを含む。オリゴヌクレオチドへの第2の部分の結合は、消光剤を変位させ、光への感光性リンカーの暴露は、感光性リンカーを開裂し、有効量の細胞毒性薬を産出する。一実施形態では、第1の部分は、全身投与される。一実施形態では、第1の部分は、局所投与される。一実施形態では、光は、介入心臓装置によって送達される。
一実施形態では、本発明は、AFを予防、抑制または治療する方法を提供する。方法は、AFがあるか、またはその危険性がある哺乳類に、細胞毒性薬に結合される感光性リンカーに結合される発色団またはフルオロフォアに結合されるヘアピンを形成する、ヌクレオチド配列を有する第1のオリゴヌクレオチドに結合される、消光剤を備える、第1の部分を投与するステップを含む。消光剤は、感光性リンカーの光分解またはフルオロフォアの蛍光を遮断することができる。第2の部分も投与される。第2の部分は、第1のオリゴヌクレオチドにおいてヌクレオチド配列を有する二本鎖塩基対分子を形成することが可能である、第2のオリゴヌクレオチドを含む。一実施形態では、哺乳類の細胞における発色団またはフルオロフォアの存在は、第2の部分の投与後に検出される。光は、感光性リンカーを開裂するように、発色団またはフルオロフォアを有する細胞に送達され、有効量の細胞毒性薬を産出する。一実施形態では、フルオロフォアによって発射されるエネルギーは、感光性リンカーを開裂する。一実施形態では、第1の部分は、全身投与される。一実施形態では、第1の部分は、局所投与される。一実施形態では、光は、介入心臓装置によって送達される。
図1は、光学的アブレーションシステムの実施形態の説明図である。 図2は、光学的アブレーションシステムの実施形態を示すブロック図である。 図3A〜Bは、光学的アブレーションカテーテルの遠位部の実施形態の説明図である。 図3A〜Bは、光学的アブレーションカテーテルの遠位部の実施形態の 図4は、光学的アブレーションカテーテルの遠位部の別の実施形態の説明図である。 図5は、光学的アブレーションカテーテルの遠位部の別の実施形態の説明図である。 図6は、光学的アブレーションカテーテルの遠位部の別の実施形態の説明図である。 図7は、光学的アブレーションカテーテルの遠位部の別の実施形態の説明図である。 図8は、光学的アブレーションカテーテルの遠位部の別の実施形態の説明図である。 図9A〜Dは、本発明のシステムの概略図を示す。 図9A〜Dは、本発明のシステムの概略図を示す。 図9A〜Dは、本発明のシステムの概略図を示す。 図9A〜Dは、本発明のシステムの概略図を示す。
(定義)
本明細書における「核酸」、「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」または文法的同等物は、互いに共有結合される少なくとも2つのヌクレオチドを意味する。
ポリヌクレオチドに適用される「組み換え型」は、ポリヌクレオチドが、クローニング、制限および/またはライゲーションステップ、および自然界に見られるポリヌクレオチドとは異なるコンストラクトをもたらす他の方法の様々な組み合わせの産物であることを意味する。タンパク質に適用される組み換え型は、タンパク質が、組み換え型ポリヌクレオチドの発現の産物であることを意味する。
本明細書において使用される「体内」遺伝子/タンパク質送達、遺伝子/タンパク質転移、遺伝子/タンパク質療法等は、ヒトまたは非ヒト哺乳類等の生命体へ直接的に外因性(分離)ポリヌクレオチドまたはタンパク質を導入し、それにより、外因性ポリヌクレオチドまたはタンパク質がそのような生命体の細胞に体内で導入されることを指す用語である。
本明細書において使用される「〜に対応する」という用語は、ポリヌクレオチドまたはタンパク質配列が、参照ポリヌクレオチドまたはタンパク質配列のすべてまたは一部と同種(すなわち、同様または同一であるが、厳密に進化的に関連していない)であることを意味する。対照的に、本明細書において使用される「〜に相補的」という用語は、相補的ポリヌクレオチド配列が、他の鎖にハイブリダイズするこができることを意味する。以下のように、好ましくは、2つの配列の間の相同性は、少なくとも70%、好ましくは85%、より好ましくは95%同一である。
本明細書において使用される「実質的に〜に対応する」または「実質的な同一性」または「同種の」という用語は、核酸またはタンパク質配列の特徴を意味し、核酸またはタンパク質配列は、参照配列と比較して、少なくとも約70%の配列同一性、典型的には、参照配列と比較して、少なくとも約85%の配列同一性、好ましくは、少なくとも約95%の配列同一性を有する。参照配列は、遺伝子またはフランキング配列の一部、またはタンパク質の一部等のより大きい配列のサブセットであり得る。しかしながら、参照配列は、少なくとも20ヌクレオチドの長さ、典型的には、少なくとも約30ヌクレオチドの長さ、好ましくは、少なくとも約50から100ヌクレオチドの長さか、もしくはペプチドまたはポリペプチドに対して、少なくとも7つのアミノ酸の長さ、典型的には、少なくとも10のアミノ酸の長さ、好ましくは、少なくとも20から30のアミノ酸の長さを有する。本明細書において使用される「実質的に相補的」は、参照配列に実質的に対応する配列に相補的であるヌクレオチド配列を指す。
「特異的ハイブリダイゼーション」は、本明細書において、参照配列と比較して、置換、欠失および/または添加を含むことができるポリヌクレオチドと、選択された標的核酸配列との間のハイブリッドの形成として定義され、ポリヌクレオチドは、例えば、少なくとも1つの離散バンドが、標的核酸配列を含有する細胞から調製されたDNAのノーザンまたはサザンブロットで特定されることができるように、標的核酸配列に選択的にハイブリダイズする。最適なハイブリダイゼーション条件は、ポリヌクレオチドおよび標的の配列組成物および長さ、ならびに施術者によって選択される実験方法によって異なることは明らかである。様々なガイドラインを、適切なハイブリダイゼーション条件を選択するために使用することができる。
本明細書において使用される「治療」または「療法」は、個々の患者に、個人において予防的、治療的または他の有益な効果を導き出すことが可能である薬剤を投与することを指す。
本明細書において使用される「遺伝子療法」は、個々の患者に、有益な遺伝子産物をコード化する遺伝子を含むベクターを投与することを指す。
「ベクター」または「コンストラクト」(時々、遺伝子送達または遺伝子導入「媒体」と称される)は、体外または体内のいずれかで、宿主細胞に送達されるポリヌクレオチドを含む分子の高分子または複合体を指す。送達されるポリヌクレオチドは、遺伝子療法のための対象の配列を含むことができる。ベクターとしては、例えば、トランスポゾンおよび他の部位特異的可動要素、ウイルスベクター、例えば、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、ポックスウイルス、乳頭腫ウイルス、レンチウイルス、ヘルペスウイルス、フォアミウイルス、およびレトロウイルスベクター、ならびに偽型ウイルスを含み、リポソームおよび他の脂質含有複合体、ならびに宿主細胞へのポリヌクレオチドの送達を媒介することが可能である他の高分子複合体、例えば、DNA被覆金粒子、ポリマー−DNA複合体、リポソーム−DNA複合体、リポソーム−ポリマー−DNA複合体、ウイルス−ポリマー−DNA複合体、例えば、アデノウイルス−ポリリシン−DNA複合体、および抗体−DNA複合体を含む。ベクターは、遺伝子送達および/または遺伝子発現をさらに調節するか、またはそうでなければ、ベクターが導入される細胞に有益な特性を提供する他の要素または機能性も含むことができる。そのような他の要素としては、例えば、細胞への結合または標的に影響を与える要素(細胞型または組織特異的結合を媒介する要素を含む)、細胞によるベクター核酸の取り込みに影響を与える要素、取り込み後の細胞内でのポリヌクレオチドの局在化に影響を与える要素(核局在化を媒介する薬剤等)、およびポリヌクレオチドの発現に影響を与える要素を含む。そのような要素は、ベクターによって送達される核酸を取り込み、発現している細胞に対して検出または選択されることができる検出可能なおよび/または選択可能なマーカ等のマーカも含むことができる。そのような要素は、ベクターの天然の特色(結合および取り込みを媒介する要素または機能性を有するある種のウイルスベクターの使用等)として提供することができるか、またはベクターは、そのような機能性を提供するように修飾されることができる。多種類のそのようなベクターは、当技術分野で周知であり、一般的に利用可能である。ベクターが、宿主細胞において維持される場合、ベクターは、自律的構造として有糸分裂の間、細胞によって安定的に複製されるか、宿主細胞のゲノム内に取り込まれるか、または宿主細胞の核または細胞質に維持される。
「組み換え型ウイルスベクター」は、1つ以上の異種遺伝子または配列を含むウイルスベクターを指す。多くのウイルスベクターは、パッケージングに関連するサイズ制限を示すため、異種遺伝子または配列は、典型的には、ウイルスゲノムの1つ以上の部分を複製することによって導入される。そのようなウイルスは、複製欠損であり得、ウイルス複製およびキャプシド形成の間にトランスで提供される欠損機能を必要とする(例えば、ヘルパーウイルス、または複製および/またはキャプシド形成に必要な遺伝子を持つパッケージング細胞株を使用して)。送達されるポリヌクレオチドが、ウイルス粒子の外側に有される、修飾ウイルスベクターも記載されている(例えば、Curiel et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:8850(1991)を参照)。
本明細書において使用される「遺伝子送達」、「遺伝子導入」等は、導入のために使用する方法を問わず、宿主細胞への外因性ポリヌクレオチド(時々、「トランス遺伝子」と称される)の導入を指す用語である。そのような方法は、ベクター媒介遺伝子導入(例えば、ウイルス感染/トランスフェクション、もしくは様々な他のタンパク質ベースまたは脂質ベースの遺伝子送達複合体による)等の多様な周知の技術、ならびに「裸の」ポリヌクレオチドの送達を容易にする技術(電気穿孔法、イオン導入法、「遺伝子銃」送達、およびポリヌクレオチドの導入のために使用される様々な他の技術)を含む。導入されたポリヌクレオチドは、宿主細胞に安定的または一時的に維持されることができる。安定維持は、典型的には、導入されたポリヌクレオチドが、宿主細胞に適合する複製の起源を含有するか、または染色体外レプリコン(例えば、ラスミド)等の宿主細胞のレプリコンもしくは核またはミトコンドリア染色体に組み込むことのいずれかを必要とする。数多くのベクターは、当技術分野で周知のように、哺乳類細胞への遺伝子移動を媒介することが可能であることが周知である。
「トランス遺伝子」は、一時的または永久的のいずれかで、細胞に技巧によって挿入され、ゲノムに組み込まれるか、または染色体外で維持される場合に生命体の一部となる核酸分子(例えば、DNA)の任意の断片を意味する。そのようなトランス遺伝子は、部分的または全体的にトランスジェニックの生命体と異種(すなわち、外来)である遺伝子を含むことができるか、または生命体の内因性遺伝子と同種の遺伝子を示すことができる。
「トランスジェニック細胞」は、トランス遺伝子を含有する細胞を意味する。例えば、発現カセットを含有するベクターで形質転換される幹細胞は、変化した動物モデルの特徴を有する細胞の集団を産生するために使用することができる。
「野生型」という用語は、自然源から分離される場合に、その遺伝子または遺伝子産物の特徴を有する遺伝子または遺伝子産物を指す。野生型遺伝子は、集団において最も頻繁に見られる遺伝子であり、そのため、遺伝子の「正常」または「野生型」に任意で指名される。一方、「修飾された」または「突然変異による」という用語は、野生型遺伝子または遺伝子産物と比較した場合、配列および/または機能的特性における修飾(すなわち、変化した特徴)を示す遺伝子または遺伝子産物を指す。自然発生の突然変異体は、分離されることができ、それらは、野生型遺伝子または遺伝子産物と比較した場合、変化した特徴を有するという事実によって特定されることに注意する。
「血管系」または「血管の」は、哺乳類の体の至るところに血液(およびリンパ液)を運ぶ血管のシステムを指す用語である。
「血管」は、動脈、細動脈、毛細血管、小静脈、静脈、静脈洞、および栄養血管を含む、哺乳類の血管系の任意の血管を指す。
「動脈」は、血液が心臓から離れるように通過する血管を指す。冠動脈は、心臓自体の組織に供給するが、他の動脈は、体の他の臓器に提供する。動脈の一般構造は、多層動脈壁によって囲まれる内腔から成る。
「形質導入」という用語は、ウイルスベクターを介して、例えば、組み換え型アデノウイルスまたはAAVを介する等、複製欠損のウイルスベクターを介して、体内または体外のいずれかでの受容細胞へのポリヌクレオチドの送達を意味する。
遺伝子配列および制御配列等の核酸配列に関連する「異種」という用語は、通常は互いに結合せず、および/または通常は特定の細胞と関連しない配列を意味する。そのため、核酸コンストラクトまたはベクターの「異種」領域は、自然界に見られる他の分子と関連して見られない他の核酸分子内にあるか、または付着する核酸のセグメントである。例えば、核酸コンストラクトの異種領域は、自然界に見られるコード配列と関連して見られない配列が両側にあるコード配列、すなわち、異種プロモータを含むことができる。異種コード配列の他の例は、コード配列自体が、自然界で見られないコンストラクトである(例えば、天然遺伝子と異なるコードを有する合成配列)。同様に、通常、細胞に存在しないコンストラクとで形質転換される細胞は、本発明の目的で異種と見なされる。
「DNA」は、とりわけ、線状DNA分子(例えば、制限フラグメント)、ウイルス、プラスミド、および染色体において見られる二本鎖または一本鎖型のデオキシリボヌクレオチド(アデニン、グアニン、チミン、またはシトシン)の多量体型を意味する。特定のDNA分子の構造を論じると、配列は、DNAの非転写鎖(すなわち、mRNAに相補的な配列を有する鎖)に沿った5’から3’の方向における配列のみを与える通常の慣例に従って、本明細書に記載することができる。用語は、4つの塩基、アデニン、グアニン、チミン、またはシトシンを含む分子、ならびに当技術分野で周知の塩基類似体を含む分子を捕らえる。
本明細書において使用される「相補的」または「相補性」という用語は、塩基対合則によって関連されるポリヌクレオチド(すなわち、ヌクレオチドの配列)に関して使用される。例えば、配列「A−G−T」は、配列「T−C−A」に相補的である。相補性は、核酸の塩基のいくつかのみが、塩基対合則に従って一致している、「部分的」であってよい。あるいは、核酸の間に、「完全」または「総」相補性があり得る。核酸鎖の間の相補性の程度は、核酸鎖の間のハイブリダイゼーションの効率性および強度に対して有意な効果を有する。これは、増幅反応、ならびに核酸の間の結合に依存する検出方法において特に重要である。
DNA分子は、1つのモノヌクレオチドペントース環の5’リン酸が、ホスホジエステル結合を介して1つの方向でその近隣の3’酸素に付着するような方法で、モノヌクレオチドが、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを作製するように反応するため、「5’端末」および「3’端末」を有すると言われる。したがって、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの端部は、その5’リン酸が、モノヌクレオチドペントース環の3’酸素に結合していない場合、「5’端末」、その3’酸素が、後続のモノヌクレオチドペントース環の5’リン酸に結合していない場合、「3’端末」と称される。本明細書において使用されるように、内部から大きいオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドでも、核酸配列も、5’および3’端末と言われ得る。線状または環状DNA分子のいずれかにおいて、離散要素は、「下流」または3’要素の「上流」または5’であると称される。この専門用語は、転写が、DNA鎖に沿って5’から3’の方法で進むという事実を反映する。連鎖遺伝子の転写を指揮するプロモータおよびエンハンサ要素は、概して、コード領域の5’または上流に位置する。しかしながら、エンハンサ要素は、プロモータ要素およびコード領域の3’に位置する場合でも、それらの効果を発揮することができる。転写終結およびポリアデニル化信号は、コード領域の3’または下流に位置する。
「ポリヌクレオチド」は、任意の長さのヌクレオチドの多量体型、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのいずれか、もしくはそれらの類似体を指す。この用語は、分子の一次構造を指し、そのため、二本および一本鎖DNA、ならびに二本および一本鎖RNA、ならびに二本鎖配列および一本鎖配列の両方の部分を含む。ポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドが、デオキシリボおよびリボヌクレオチドの任意の組み合わせ、およびウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサニン、およびポキサニン等を含む塩基の任意の組み合わせを含有する、DNA、ゲノムおよびcDNAの両方、RNAまたはハイブリッドであり得る。そのため、例えば、キメラDNA−RNA分子は、Cole−Strauss et al.,Science.273:1386(1996)およびYoon et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,93:2071(1996)等に記載されるように使用することができる。それは、メチル化および/または覆われたポリヌクレオチド等の修飾ポリヌクレオチドも含む。
特定の遺伝子産物をコード化する「遺伝子」、「ポリヌクレオチド」、「コード領域」または「配列」は、適切な調節配列の制御下に置かれる場合、体外または体内において、遺伝子産物、例えば、アンチセンス配列またはポリペプチドへ転写され、任意で翻訳もされる核酸分子である。「コード」領域は、cDNA、ゲノムDNA、RNA型、またはハイブリッドのいずれかに存在することができる。DNA型に存在する場合、核酸分子は、一本鎖(すなわち、センス鎖)または二本鎖であり得る。コード領域の境界は、5’(アミノ)端末にある開始コドンおよび3’(カルボキシ)端末にある翻訳終止コドンによって決定される。遺伝子は、原核生物または真核性mRNAからのcDNA、原核生物または真核性DNAからのゲノムDNA配列、および合成DNA配列を含むことができるが、これらに限定されない。そのため、遺伝子は、完全長オープンリーディングフレームによってコードされる遺伝子産物と実質的に同じ活動を有する遺伝子産物をコード化する遺伝子産物(センス配向)またはその一部(センス配向)をコード化する完全長オープンリーディングフレームを含むことができるポリヌクレオチド、ポリヌクレオチドの相補体、例えば、完全長オープンリーディングフレーム(アンチセンス配向)の相補体、ならびに任意で結合した5’および/または3’非コード配列またはそれらの一部、例えば、対応するmRNAの転写、安定性、または翻訳を抑制するために有用なオリゴヌクレオチドを含む。転写終結配列は、通常、遺伝子配列から3’に位置する。
「オリゴヌクレオチド」は、RNAまたはDNAいずれかの、選択されたmRNAの非コード鎖またはコード鎖の相補体に対応するか、またはmRNAをコード化するmRNAまたはDNAにハイブリダイズし、例えば、Sambrook et al.,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press(1989)における、周知の方法によって定義される、適度に厳しいか、または非常に厳しい条件下で安定的に結合したままでいる、少なくとも7ヌクレオチド、好ましくは15、より好ましくは20またはそれ以上の連続ヌクレオチド、100までのヌクレオチドを含む。
「制御要素」という用語は、受容細胞におけるコード配列の複製、転写、転写後過程、および翻訳を集合的に提供する、プロモータ領域、ポリアデニル化信号、転写終結配列、上流調節ドメイン、複製の起源、内部リボソーム侵入部位(「IRES」)、エンハンサ、スプライス部位等を集合的に指す。選択されたコード配列が、適切な宿主細胞において複製、転写、および翻訳されることが可能である限り、これらの制御要素のすべてが常に存在する必要はない。
「プロモータ領域」という用語は、通常の意味で、本明細書において使用され、DNA調節配列を含むヌクレオチド領域を指し、調節配列は、RNAポリメラーゼを結合し、下流(3’方向)コード配列の転写を開始することが可能である遺伝子に由来する。そのため、「プロモータ」は、遺伝子の転写を制御するポリヌクレオチド配列、またはそれが動作可能に結合されるコード配列を指す。構成的、誘導性および抑制性プロモータを含む、多様な異なる源からの多数のプロモータは、当技術分野で周知である。
「エンハンサ要素」は、プロモータに最も近く配置される場合、エンハンサドメインの非存在下で、プロモータから生じる転写活動に対する転写活動の増加をもたらす核酸配列を意味する。したがって、「エンハンサ」は、遺伝子の転写を強化するポリヌクレオチド配列、またはそれが動作可能に結合されるコード配列を含む。多様な異なる源からの多数のエンハンサは、当技術分野で周知である。プロモータ配列(一般的に使用されるCMVプロモータ)を有する数多くのポリヌクレオチドは、エンハンサ配列も有する。
「心臓特異的エンハンサまたはプロモータ」は、プロモータに動作可能に結合されるか、単独のそれぞれの場合、心臓細胞における遺伝子発現を指揮し、すべての組織またはすべての細胞型における遺伝子発現を指揮するわけではない要素を意味する。心臓特異的エンハンサまたはプロモータは、自然発生または非自然発生であり得る。当業者は、非自然発生のエンハンサまたはプロモータの合成は、標準のオリゴヌクレオチド合成技術を使用して行うことができることを認識する。
「動作可能に結合された」とは、並列を指し、そのように記載される要素は、それらの意図された方法で、それらが機能することを許可する関係にある。核酸分子に関して「動作可能に結合された」は、2つ以上の核酸分子(例えば、転写される核酸分子、プロモータ、およびエンハンサ要素)が、核酸分子の転写を許可するような方法で接続されることを意味する。プロモータは、プロモータが、コード配列の転写を制御する場合、コード配列に動作可能に結合される。動作可能に結合されたプロモータは、概して、コード配列の上流に位置するが、それに接触している必要はない。エンハンサは、エンハンサが、コード配列の転写を増加させる場合、コード配列に動作可能に結合される。動作可能に結合されたエンハンサは、コード配列の上流、その中、または下流に位置することができる。ポリアデニル化配列は、転写がコード配列を通ってポリアデニル化配列へ進むように、コード配列の下流端に配置される場合、コード配列に動作可能に結合される。ペプチドおよび/またはポリペプチド分子に関して「動作可能に結合された」は、2つ以上のペプチドおよび/またはポリペプチド分子が、融合の各ペプチドおよび/またはポリペプチド要素の少なくとも1つの特性を有する、一本鎖ポリペプチド、すなわち、融合ポリペプチドを産出するような方法で接続されることを意味する。そのため、単一または標的ペプチド配列は、得られた融合が、分泌シグナルペプチドの存在の結果として細胞からか、またはオルガネラ標的ペプチドの存在の結果としてオルガネラへ分泌される場合、他のタンパク質に動作可能に結合される。
「相同性」は、2つのポリヌクレオチドまたは2つのポリペプチドの間の同一性の割合を指す。1つの配列と他の配列との間の一致は、当技術分野で周知の技術によって決定することができる。例えば、相同性は、配列情報を並べ、容易に入手可能なコンピュータプログラムを使用して、2つのポリペプチド分子の間の配列情報の直接比較によって決定することができる。代替として、相同性は、相同領域の間にある安定した二本鎖を形成する条件下で、ポリヌクレオチドのハイブリダイゼーション、その後、一本鎖特異的ヌクレアーゼによる消化、および消化されたフラグメントのサイズ決定によって決定することができる。2つのDNAまたは2つのポリペプチド配列は、ヌクレオチドまたはアミノ酸の少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%が、上記の方法を使用して決定される分子の定義された長さに関して、それぞれ一致する場合、互いに「実質的に同種」である。
「哺乳類」は限定されずに、ヒト、およびチンパンジー等の非ヒト霊長類ならびに他の類人猿ならびにサル種、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、およびウマ等の家畜、イヌおよびネコ等の家庭哺乳類、マウス、ラット、ウサギ、およびモルモット等のげっ歯類を含む実験動物等を含む哺乳類クラスの任意のメンバーを意味する。
「〜に由来の」は、核酸分子が、親核酸分子から作製または設計されたことを意味し、その誘導体は、例えば、それが作製または設計された親核酸分子によってコードされる遺伝子産物と実質的に同じ活動を有する遺伝子産物をコード化する親核酸分子の実質的に同じ機能的特色を保持する。
「発現コンストラクト」または「発現カセット」は、転写を指揮することが可能である核酸分子を意味する。発現コンストラクトは、少なくとも、プロモータを含む。エンハンサ等の付加的要素および/または転写終結信号も含まれ得る。
細胞または生命体におけるタンパク質、遺伝子、核酸、またはポリヌクレオチドに関して使用される場合の「外因性」という用語は、人工または自然の手段によって細胞または生命体に導入されたタンパク質、遺伝子、核酸、またはポリヌクレオチドを指すか、または細胞に関して、人工または自然の手段によって分離され、その後、他の細胞または生命体に導入された細胞を指す。外因性核酸は、異なる生命体または細胞からのものであり得るか、またはそれは、生命体または細胞内で自然に生じる核酸の1つ以上の付加的コピーであり得る。外因性細胞は、異なる生命体からのものであり得るか、またはそれは、同じ生命体からのものであり得る。非限定的な例として、外因性核酸は、天然細胞の位置とは異なる染色体の位置にあるか、またはそうでなければ、自然界に見られる核酸配列と異なる核酸配列を両側に有する。
核酸、ペプチド、ポリペプチド、またはウイルスに関して使用される場合、「分離」という用語は、少なくとも1つの汚染核酸、ポリペプチド、ウイルス、または天然源において通常関連する他の生物学的要素から特定され、分離される核酸配列、ペプチド、ポリペプチド、またはウイルスを指す。分離核酸、ペプチド、ポリペプチド、またはウイルスは、自然界に見られる型または環境と異なる型または環境で存在する。例えば、既知のDNA配列(例えば、遺伝子)は、隣接する遺伝子に近接する宿主細胞染色体上で見られ、特定のタンパク質をコード化する定のmRNA配列等のRNA配列は、数多くのタンパク質をコード化する多数の他のmRNAとの混合物として細胞において見られる。分離核酸分子は、一本鎖または二本鎖型で存在することができる。分離核酸分子が、タンパク質を発現するために使用される場合、分子は、センスまたはコード鎖を最低限で含有する(すなわち、分子は、一本鎖であり得る)が、センスおよびアンチセンス鎖の両方を含有することができる(すなわち、分子は、二本鎖であり得る)。
「ペプチド」、「ポリペプチド」および「タンパク質」という用語は、は、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指すために区別されない限り、本明細書においてほとんど同じ意味で使用される。これらの用語は、グリコシル化、アセチル化、およびリン酸化を含む反応によって翻訳後修飾されるタンパク質も含む。
本明細書において使用される「遺伝子調節」または「遺伝子調節療法」は、遺伝子療法ベクターにおける遺伝子発現を調節するための1つ以上の遺伝子調節信号の送達を含む。遺伝子調節信号は、転写制御要素、例えば、プロモータを誘引する信号を含む。
(総括)
本発明は、細胞または組織を切除するために有用な治療組成物、装置、システム、および方法を提供する。一実施形態では、切除要素は、不活性型で組織に投与され、不活性型は、誘発要素によって活性化される。例えば、切除要素は、誘発要素、例えば、赤外線への暴露後に熱を発生する部分であり得る(図9A)。一実施形態では、本発明の装置による、または本発明の方法での使用のための組成物は、AuroShell(登録商標)微小粒子を含む。AuroShell(登録商標)微小粒子は、レーザーから発射されるもの等の近赤外線で照射される場合、光を吸収し、熱に変換する。
一実施形態では、本発明の装置による、または本発明の方法での使用のための組成物は、分子ケージに結合しているため不活性である毒性分子である切除要素を含む(図9A)。ケージは、ある分子または条件、例えば、特定の波長または波長帯域の光への暴露等、誘発要素の暴露後に放出される。誘発要素が、切除される組織に送達されると、不活性毒性分子は活性型に変換され、毒素を有する細胞は切除される。
一実施形態では、本発明の装置による、または本発明の方法での使用のための組成物は、誘発要素への暴露、例えば、光への暴露後に発現される核酸コード細胞毒性遺伝子産物、例えば、細胞自殺遺伝子に結合される調節可能な転写制御要素、例えば、特定の波長または波長帯域の光によって調節される要素を有する発現カセットである切除要素を含む(図9B)。
一実施形態では、本発明は、AFを予防、抑制、または治療する方法を提供する。方法は、AFがあるか、またはその危険性がある哺乳類に、細胞毒性薬に結合される感光性リンカーに結合されるヘアピンを形成する、ヌクレオチド配列を有する第1のオリゴヌクレオチドに結合される、消光剤を備える、第1の部分を投与するステップを含む。消光剤は、感光性リンカーの光分解を遮断する。消光剤および感光性リンカーは、当技術分野で周知であり、例えば、米国特許第4,650,770号および同第5,470,307号、米国公開出願第20060142853号および同第20060034943号、Akerbloom et al.(Mol.Div.,3:137(1997))、Gryczynski et al.(J.Biomed.Optics,2:80(1997))、McGlennen et al.(Clin.Chem.,47:3393(2001))、Kochetor et al.(Rus.Chem.Rev.,69:795(2000))、およびKusba et al.(Biophys.J.,67:2024(1994))を参照されたい。第2の部分も投与される。第2の部分は、第1のオリゴヌクレオチドにおいてヌクレオチド配列を有する二本鎖塩基対分子を形成することが可能である、第2のオリゴヌクレオチドを含む。オリゴヌクレオチドへの第2の部分の結合は、消光剤を変位させ、光への得られた複合体の暴露は、感光性リンカーを開裂し、有効量の細胞毒性薬を産出する。
別の実施形態では、本発明の装置による、または本発明の方法での使用のための組成物は、ヘアピン構造を形成することが可能であるヌクレオチド配列、オリゴヌクレオチドの一端に付着する消光剤、およびオリゴヌクレオチドの他方の端に付着する複合体を有するオリゴヌクレオチドである切除要素を含む。複合体は、検出が、ヘアピンが形成される場合に消光剤によって抑えられる場合がある発色団またはフルオロフォア、光開裂性リンカー、および毒物を含むことができる。ヘアピン配列の相補体を有する核酸配列を有する第2の薬剤が投与される。一実施形態では、第2の薬剤の投与後、哺乳類の細胞における発色団またはフルオロフォアの存在が検出される。光は、感光性リンカーを開裂するように、発色団またはフルオロフォアを有する細胞へ送達され、細胞毒性薬を放出する。一実施形態では、フルオロフォアによって発射されるエネルギーは、感光性リンカーを開裂する(図9C)。
別の実施形態では、本発明の装置による、または本発明の方法での使用のための組成物は、2つの発現カセットを有するベクターシステムである切除要素を含む(図9D)。一実施形態では、発現カセットは、同じベクター、例えば、プラスミドまたはウイルスベクター上で縦一列になっている。別の実施形態では、発現カセットは、異なるベクター上にある。一実施形態では、両発現カセットは、同じ調節可能な転写制御要素を有し、一方は、伝導を抑制する遺伝子産物をコード化する核酸に動作可能に結合され、他方は、プロドラッグと相互作用する自殺酵素をコード化する核酸に動作可能に結合され、細胞毒性薬を産出する。別の実施形態では、1つの発現カセットは、伝導の抑制物質である核酸コード遺伝子産物に結合される第1の調節可能な転写制御要素を有し、他方は、自殺酵素をコード化する核酸に結合される、第1の調節可能な転写制御要素と異なる第2の調節可能な転写制御要素を有する。伝導の核酸コード抑制物質は、本明細書と同日出願、同一出願人による、「SYSTEM FOR TRANSIENT CONDUCTION CONTROL」という表題の米国出願で開示されるものを含むが、これらに限定されない。抑制物質の発現は、細胞における伝導を抑制し、例えば、電気生理学試験(不規則な心拍を誘引するように心臓を刺激するか、または不規則な心拍を停止させることによる)等のアクティブ試験を使用し、EP試験(心臓における電気インパルスの発散を配置する電極による)、またはストレス試験、またはECG、Holterモニタ、または心エコー図等の受身試験を計画し、抑制が十分であることが判断される場合、自殺酵素に対するプロドラッグが投与され、第1のカセットと同じ細胞における第2のカセットからの発現は、プロドラッグを代謝する自殺酵素をもたらす。
(例示的な切除要素)
一実施形態では、切除要素は、例えば、ジフテリア毒素、リシン、緑膿菌外毒素、百日咳毒素、ヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、アブリン、RNase、DNase、ボツリヌス毒素、サポニン等の、感光性分子ケージの中か、またはそれに結合した毒物であり、それによって、不活性の毒素を表す。ケージされた化合物は、合成分子であり、それらの生物学的活動は、光によって、通常は、不活性から活性型への光分解変換によって制御される。概して、単純な共有結合形成は、活動に対して重要な特色を隠す。その単結合の光化学開裂は、活性種を放出する。
ケージされた化合物は、好適光除去可能な保護基またはケージ基で望ましい生体分子を修飾することによって、最も一般的に設計される。生物学的実験において有用となるために、この基は、いくつかの基準を満たさなければならない(少なくとも部分的に):(a)生体分子を、使用する生物学的システムに対して不活性にするべきである、(b)生物学的製剤にとって無害な波長の光での光分解によって、十分な速度、高収率で、生体分子を放出するべきである、(c)望ましい生体分子以外のいかなる光分解生成物も、生物学的システムと相互作用または干渉するべきではない。2−ニトロベンジル基を含む、いくつかの異なるケージ基が記載されている2−ニトロベンジル置換基の光異性化に基づくケージ基は現在のケージされた化合物の中でも群を抜いて最も一般的である。それらの利点としては、多種多様な官能基(例えば、リン酸、カルボン酸塩、ヒドロキシル基、アミン、およびアミド)との適合性、合成のし易さ、および妥当な光感受性および動力学を含む。4,−5ジメトキシ−2−ニトロベンジル(DMNB)ケージは、350から400nmにおいて高い吸光度を有する。
例示的な光解離性ケージ基としては、2−ニトロベンジル(NB)、2−(2−ニトロフェニル)エチル)(NPE)、α−カルボキシ−2−ニトロベンジル(CNB)、2,2’−ジニトロベンズヒドリル(DNB)、4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル(DMNB)、2−(4,5−ジメトキシジニトロフェニル)エチル(DMNPE)、ビス(2−ニトロ−4,5−ジメトキシフェニル)メチル、α−ベンゾイル−3,5−ジメトキシベンジル3,5−ジニトロフェニル、(4−メトキシ−8−アジド−1−ナフチル)メチル、5,7−ジニトロインドリニル、および4−メトキシフェナシルを含む。α−カルボキシ−2−ニトロベンジルまたはCNB保護基は、グリシンをケージするために有用であり、DNBは、リン酸、カルボン酸塩、およびヒドロキシルに対するケージ基として有用である。ビス(2−ニトロ−4,5−ジメトキシフェニル)メチル基は、より感光性の基である。
これらの基の多くは、短波長紫外線(<300nm)での光分解を必要とする。しかしながら、いくつかは、トリプトファンおよびチロシン等のアミノ酸の光破壊を防止するように、より長い波長で作用するように設計されている。置換ベンゾインエステル(例えば、α−ベンゾイル−3,5−ジメトキシベンジル基を含有する)は、カルボン酸塩に対する潜在的感光性保護基であり、また、リン酸基を保護するためのものである。α−ベンゾイル−3,5−ジメトキシベンジルリン酸は、340から360nmを吸収する3,5−ジニトロフェニル等の3−ニトロフェニルエステルおよびその誘導体は、リン酸ケージである3,5−ジニトロフェニル(DNP)は、300〜360nmでの放射によって変換される。カルボン酸塩の光発生のための他の保護基は、(アジドナフチル)メチルエステルを含む。カルボン酸塩の放出のために光加溶媒分解を使用する別の基は、5,7−ジニトロインドリニルアミドである。これは、400nmを超える波長で照射することができる。メトキシフェナシル基は、330nmより大きい放射によって光分解することができるカルボキシル感光性保護基であり得る。
例えば、光解離性保護基は、多種多様な分子の生物学的活動をケージするために使用されている。これらのケージされた種は、不活性型で細胞にロードすることができる。次に、細胞内にロードされた化合物は、光分解することができる(望ましい場合、および空間的に局在した方法で)。いくつかのケージされた化合物は、オルト−ニトロベンジル機能性1の様々な転生に由来するアルキル化剤で調製されている。α−ヘテロ原子(X=O、S、N)置換オルト−ニトロベンジル誘導体(1)からオルト−ニトロソ誘導体(3)への光誘起形質転換。Rは、多様な部分(例えば、CH、CO 等)であり得、R’は、ケージされている化合物/タンパク質を表す。
Figure 2010536475
高強度紫外可視放射線は、ニトロ部分からベンジル位までの酸素移動を促進する。ベンジル位は、ヘテロ原子(X=N、SまたはO)で置換されるため、酸素移動は、H−X−Rで示されるケージされていない(および生物学的に活性の)種を供給するために分解する不安定なヘミアセタールを生成する。他のケージ分子は、以下を含む。
Figure 2010536475
Figure 2010536475
今までのケージされたタンパク質および酵素の大多数は、オルト−ニトロベンジル機能性の存在に依存する、上記の一般機構を介して活性化される。初期の異なる光で開始される過程の1つは、パラアミジノフェノール離脱基の放出後に、安定的なアシル酵素中間体(10)を形成する、パラアミジノフェニル−オルト−ヒドロキシメチルシンナマート(9)で不活性化される。しかしながら、シス誘導体(11)の光異性化は、芳香族ヒドロキシル基をアシル酵素のエステルの近傍に配置し、それは、遊離セリンヒドロキシル基の分子内再生を次々に促進する。
Figure 2010536475
ブドウ球菌α−毒素による選択的または可逆性透過性は、1000未満の分子量の化合物、β−エスチン、サポニンエステルの侵入を許可し、17,000までの分子量の化合物の導入、および細胞膜全体の受動拡散を許可するための、ケージされた化合物のアセトキシメチルエステル誘導体の使用を可能にする。
一実施形態では、切除要素は、ナノ粒子、またはある波長の光を熱に変換する、AuroShell(登録商標)微小粒子等の微小粒子である。これらの粒子は、本明細書において記載される方法の1つ以上によって送達されることができ、その後、例えば、より精密なアブレーションのための近赤外レーザーまたはより短い波長によるアブレーションのために活性化される。一実施形態では、粒子、例えば、AuroShell(登録商標)微小粒子(http://www.nanospectra.com/Aurolase.htmを参照)は、静脈注射される。粒子が組織内に蓄積した後、それらは、組織の至るところへ光の最大通過率を可能にするように選択される波長で、近赤外レーザーにより照射される。
一実施形態では、光誘起薬物放出システムは、光開裂性リンカーを介して薬物に結合される発色団を有する光反応性ヘアピン型オリゴデオキシヌクレオチド(P−ODN)および消光剤である。一実施形態では、発色団は、o−ニトロベンジルである。一実施形態では、消光剤は、1−アミノナフタレンである。一実施形態では、薬物は、P−ODNのその相補的DNAへの結合および光放射後に放出される(例えば、Tachi et al.,Nucleic Acids Symposium Series 2004,48:79(2004)http://nass.oxfordjournalls.org/cgi/content/abstract/48/1/79を参照)。
一実施形態では、切除要素は、光誘起薬物放出システムと結合される。一実施形態では、システムは、消光剤、ステムループ構造(ヘアピン)を形成することが可能であるオリゴヌクレオチド、感光性リンカー、および細胞毒性薬を含む。別の実施形態では、システムは、ステムループ構造が、消光剤からの距離の増加のために混乱した後にのみ、蛍光応答を生じさせる、「分子指標」として周知の蛍光プローブも含む。一実施形態では、2つの相補的短腕配列を両側に有するアンチセンス標的結合ドメインを有するオリゴヌクレオチドプローブは、感光性リンカーの消光剤で一端を標識化される。標的の非存在下において、短腕は、ヘアピン構造を形成するためにアニールし、消光剤をリンカーに近接近させる。相補的標的でのハイブリダイゼーションの後、ヘアピン構造は開き、消光剤およびリンカーを分離し、その後者は、光への暴露後に開裂される。別の実施形態では、2つの相補的短腕配列を両側に有するアンチセンス標的結合ドメインを有するオリゴヌクレオチドプローブは、一端をレポータ染料で、反対の端部を消光剤で標識化される。標的の非存在下において、短腕は、ヘアピン構造を形成するためにアニールし、染料、例えば、フルオロフォアを消光剤に近接近させる。この配座では、光誘起薬物放出システムは暗い。相補的標的でのハイブリダイゼーションの後、ヘアピン構造は開き、染料および消光剤を分離し、染料によって生成される光信号の復元を引き起こす。
ループは、通常、15から25ヌクレオチドから成り、標的配列および融解温度に基づいて選択されル2つの相補的短腕配列によって形成されるステムは、典型的には、4から6つの塩基の長さであり、通常、標的配列から独立しているように選択される。一実施形態では、ステムの1つの腕は、ステム形成および標的ハイブリダイゼーションに関与する。プローブならびにステム長および配列は、任意の既知の温度で、3つの異なる立体配座状態:結合から標的、ステムループ、および無差別コイル、のそれぞれにある分子の画分を大きく制御するため、重要である。プローブおよびステム長、ならびにステム配列は、性能(すなわち、特異性、ハイブリダイゼーション率)を最適化するように調整することができる。より長いステム長は、より低い標的親和性を伴うため、低い光誘起薬物放出分子標的ハイブリダイゼーション率となる。短いステムを有する光誘起薬物放出分子は、より速いハイブリダイゼーション動力および改善された標的親和性を有する。分子のプローブ長さを増加させることは、標的親和性の改善および運動速度の増加をもたらすが、特異性の低下につながる。分子の行動に対するプローブ長さの作用は、典型的には、ステム長の作用と比較して、それほど劇的ではない。ダブシル、BHQ、およびIowa Black等の有機消光剤分子は、すべて効果的に広範囲のフルオロフォアを抑える。これは、消光が、エキシトン二量体(接触消光)の形成、およびフルオロフォアと消光剤との間での蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の両方に基づくからである。
ホスホジエステル骨格を有するオリゴヌクレオチドプローブは、15〜20分の半減期しか有さないため、体内検出のための限定的使用しか提供しない。2’−O−メチルオリゴリボヌクレオチド、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドまたはペプチド核酸(PNA)を有する光誘起薬物放出分子は、ヌクレアーゼに対する改善された抵抗を有し得ル2’−O−メチル分子は、2’−デオキシ(未修飾)分子と比較して、RNAに対する改善された親和性、およびより速いハイブリダイゼーション動力を示す。ハイブリダイゼーション後のRNase Hによる標的RNAの分解を回避することが可能であることも周知であるが、2’−O−メチルオリゴリボヌクレオチドは、核において局在化する蛍光があるため、細胞質RNAにハイブリダイズすることが少ない。ホスホロチオエートオリゴヌクレオチド(PS−ODN)は、未修飾オリゴヌクレオチドよりも、RNase H開列を誘導することが少ない。PNAは、未修飾核酸二本鎖に存在する静電反発力を伴わずに、相補的標的に結合する。結果として、PNAは、DNAおよびRNA標的を有する安定的な二本鎖を形成する。
(遺伝子に指揮される酵素プロドラッグ薬物療法)
GDEPTまたは「自殺遺伝子療法」、酵素をコード化する遺伝子は、細胞に送達され、その後、酵素によって細胞毒素へ局所的に変換されるプロドラッグの全身に投与される。酵素発現は、遺伝的に制御されるか、またはその送達は、選択性を確実にするために標的とすることができる。GDEPTシステムのさらなる利点は、プロドラッグ投与の前に、(無害の)酵素の正確な位置および発現を画像にする能力である。例示的なGDEPTを以下に提供する。
ガンシクロビル(GCV)は、活動の増加を与える3’炭素非環式側鎖におけるメトキシ基の添加を有するアシクロビルの誘導体である。HSV−tk等のチミンルラーゼによるリン酸化の後、GCVは、一連の細胞内反応を受け、三リン酸塩の形成を引き起こす。これは、細胞分裂の間、DNA伸長においてデオキシグアノシン三リン酸塩と競合し、DNAポリメラーゼの抑制および一本鎖切断をもたらす。
いくつかの細菌性および真菌細胞のシトシンデアミナーゼは、より少ない毒性5−フルオロシトシン(5−FC)を5−FUへ変換することが可能である。5−FUは、DNAに組み込まれ、リボソームおよびmRNAの核過程を防止する5-FUTPへ、およびチミジル酸生成酵素を不可逆的に抑制する5−フルオロウリジン−5’−モノリン酸へのさらなる酵素的変換を受ける。5−FUの毒性は、細胞周期特異的ではない。CD/5−FCのバイスタンダー効果は、5−FUが、細胞内外への非促進性拡散が可能であるため、ギャップ結合に依存しない。
細菌性ニトロ還元酵素(NTR)は、比較的非毒性の単官能基アルキル化剤であるCB1954(5−アジリジン−1−イル−2,4−ジニトロベンズアミド、Glaxo Wellcome)を、非循環細胞を死滅させることが可能である二官能性アルキル化剤に変換することができる。CB1954は、細胞死を引き起こす、強力なDNA架橋剤であることが示された。NTR/CB1954の組み合わせは、低酸素および無酸素下で効果的であり、細胞増殖に依存しない。
シクロホスファミド(CPA)およびイフォスファミド(IPA)は、肝臓チトクローム(CYP)P450酵素によって活性化される必要がある、癌化学療法薬プロドラッグである。ヒトの肝臓では、CYP2B6およびCYP3A4型は、CPAおよびIPAの両方に対して触媒活性である。オキサゾホリンの代謝は、その開環アルド互変異性体と平衡状態である4−ヒドロキシ化合物をもたらす。これは、等モル量で、ホスホラミドマスタードおよびアクロレインに分解する。マスタードは、細胞周期依存的方法でDNA架橋を形成することが可能なアルキル化剤である。
低酸素細胞毒素、または生体還元物は、酸素欠損細胞の還元環境内で活性化されるプロドラッグである。レドックス感受性フラボタンパク質NADPH P450Rは、多くの生体還元物の重要な活性化因子である。低酸素下での、チラパザミン(TPZ)の毒素であるベンゾトリアジン−ジ−N−オキシドは、P450R活動に強く相関していることが示された。E09(Saunders et al.,Biochem.Pharma.,59:993(2000))およびRSU1069(Patterson et al.,Br.J.Cancer,76:1338(1967))を含む他の生体還元物は、活動の増加を示す。低酸素応答要素の制御下でのP450R酵素の配置は、低酸素依存性発現を引き起こした。
カルボキシペプチダーゼG2(CPG2)は、DNA架橋マスタードである4−[(2−クロロエチル)(2−メシルオキシエチル)アミノ]安息香酸への4−[(2−クロロエチル)(2−メシルオキシ−エチル)アミノ]ベンゾイル−L−グルタミン酸(CMDA)の変換を触媒することが可能な、ヒト類似体を有さない細菌性酵素である(Springer et al.,J.Med.Chem.,33:677(1990))。
西洋ワサビペルオキシダーゼは、西洋ワサビの植物の根から分離されるヘム酵素である。インドール−3−酢酸(IAA)は、植物細胞増殖、分裂および分化の調節に関与する植物であるオーキシンである。それは、モノアミンオキシダーゼによるアミノ酸トリプトファンの哺乳類における天然代謝産物でもある。IAAとのHRPの反応は、炭素中心スカトリルラジカルを得るための炭素間結合の切断を受け、および後の有酸素ステップの後、毒素3−メチレン−2−オキシインドール(MOI)を形成する、ラジカルカチオンの形成によって特徴付けられる。
E.coliプリンヌクレオシドホスホリラーゼコード遺伝子は、基質特異性を増加させるために変異を受け、9−(6−デオキシ−α−L−タロフラノシル)−6−メチルプリンを毒物に開裂する。E.coliキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(XGPRT、gpt)は、6−チオキサンチンをその膜不透過性毒性モノリン酸化型に変換することができる。他の強力な自殺遺伝子は、6−メチルプリン−2’−デオキシリボシド(6−MP−dR)等の毒性の弱いデオキシアデノシン類似体を、6−メチルプリン等の猛毒性アデニン類似体に変換することが可能であるE.coli DeoD遺伝子(プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP))の産物である。プチダ菌からのメチオニン−αγ−リアーゼ遺伝子は、生理学的化合物セレノメチオニンを猛毒性メチルセレノールに変換するために使用、および組み合わせて使用することができる。CYP4B1は、不活性プロドラッグ4−イポメアノールを毒性アルキル化剤に変換するために使用することができる。
表1は、GDEPTに対する自殺遺伝子の例示的な一覧を提供する。自殺遺伝子は、細胞に薬物に対する感受性を特異的に持たせる任意の表現タンパク質を包含する。
Figure 2010536475
自殺遺伝子の拡張発現、および反復投与に対して、ヒトタンパク質に基づく自殺遺伝子は、優勢であり得る。
一実施形態では、各遺伝子は、例えば、装置制御応答性プロモータによって調節可能である、調節可能な転写制御要素に結合されることができる。一実施形態では、各遺伝子は、誘導性プロモータ(テトラサイクリン応答性プロモータ等)に結合されることができる。一実施形態では、装置で制御される調節可能な転写制御要素は、光で活性化される。一実施形態は、装置で制御される調節可能な転写制御要素は、化学物質で活性化される。一実施形態では、装置で制御される調節可能な転写制御要素は、熱エネルギーで活性化される。一実施形態では、装置で制御される調節可能な転写制御要素は、電気エネルギーで活性化される。一実施形態では、装置で制御される調節可能な転写制御要素は、音響エネルギーで活性化される。一実施形態では、装置で制御される調節可能な転写制御要素は、超音波またはRFで活性化される。
一実施形態では、調節可能な転写主要要素は、光によって活性化される転写制御要素を含む。一実施形態では、調節可能な転写制御要素は、自殺遺伝子、例えば、細胞毒性の遺伝子産物をコード化する遺伝子に結合される。一実施形態では、調節可能な転写制御要素は、ヒト、植物、カビ、無脊椎動物からの転写制御要素を含むか、または合成である。
一実施形態では、光活性化転写制御要素は、アカパンカビ、例えば、白襟複合体に由来する。一実施形態では、自殺酵素は、単純ヘルペスチミジンキナーゼ(HSV−TK)であり、プロドラッグは、ガンシクロビル(GCV)である。一実施形態では、自殺酵素は、E.coliシトシンデアミナーゼ(CD)であり、プロドラッグは、5−フルオロシトシン(5−FC)である。一実施形態では、自殺酵素は、水痘帯状疱疹チミジンキナーゼである。一実施形態では、自殺酵素は、ニトロ還元酵素遺伝子である。一実施形態では、自殺酵素は、E.coli gpt遺伝子である。一実施形態では、自殺酵素は、E.coli Deo遺伝子である。
(切除要素の送達)
一実施形態では、切除要素は、アブレーションが望ましい組織の領域に供給する冠動脈へ、直接注入を介して心臓組織に送達される。一実施形態では、切除要素は、アブレーションが望ましい組織の領域における心筋へ、直接注入を介して心臓組織に送達される。一実施形態では、切除要素は、心膜腔へ、直接注入を介して心臓組織に送達される。一実施形態では、切除要素は、アブレーションが望ましい組織の通常領域から血液を収集する冠状静脈へ、逆行性注入を介して心臓組織に送達される。一実施形態では、切除要素は、静脈注入によって全身的に送達される。一実施形態では、切除要素は、経口で全身的に送達される。
(誘発要素の送達)
一実施形態では、誘発要素は、アブレーションが望ましい、組織へ向かうカテーテルを介して送達される。一実施形態では、誘発要素は、1つ以上のスペクトル周波数から成る光である。
(光学的アブレーション装置)
光学的アブレーションシステムは、光学的アブレーションカテーテルを使用して、アブレーション光をアブレーションの部位に送達する。アブレーション光は、本書において論じるように、光学的アブレーションのために好適な波長を含む特徴を有する。光学的アブレーションカテーテルは、光を送達する、長くて細い柔軟なチューブである。アブレーション部位は、体腔(例えば、心腔)内の特定の位置を含む。これは、心臓の正常なリズムの損失による異常な心拍(心不整脈)の治療に対して、分子アブレーションシステムを活性化するために行われる。
光学的アブレーションカテーテルは、脚の上部にある股間近くの静脈(大腿静脈)に配置することができる。その後、静脈を通って心室へと通される。体外にあるカテーテルの端部は、医師が画面上で動いている心臓を見ることを可能にする電気システムに接続される。画面を見ることによって、医師は、異常な心拍を治療するための正確な場所にカテーテルを配置することができる。カテーテルが適所に来ると、医師は、カテーテルの先端から光を発するために光発生器をオンにする。光が、光応答性プロモータを活性化させ、および/または感光性ケージから薬物を放出する。活性化した遺伝子発現は、インパルス伝導を抑制するか、または異常な心拍を引き起こす心臓の小領域において心臓組織を破壊する。組織のこの破壊は「アブレーション」と呼ばれる。
一適用では、光学的アブレーションシステムは、心房において生じる頻拍の形である心房粗動を有する患者を治療するために使用される。アブレーションによる、心臓組織の少量の破壊は、心房粗動を引き起こす心臓における異常なインパルス伝導経路を遮断する。
図1は、そのような光学的アブレーションシステム100の実施形態の説明図である。光学的アブレーションシステム100は、光学的アブレーションカテーテル102および外部システム120を含む。光学的アブレーションカテーテル102は、外部システム120に接続される近位端103、アブレーション部位上または近くに配置される遠位端104、および近位端103と遠位端104との間に連結される細長いカテーテル本体105有する。
光学的アブレーションカテーテル102は、発光装置108、光コネクタ110、および光リンク109を含む、光学的アブレーション装置111を含む。発光装置108は、遠位端104にあり、遺伝子産物に対する核酸配列に動作可能なように結合される、光学的に調節可能な転写制御要素を調節するように選択される特徴を有する光である、アブレーション光を発し、細胞におけるその遺伝子産物の発現は、細胞を直接または間接的に死滅させる。一実施形態では、アブレーション光の波長は、300から1000ナノメートル(nm)または350から500nmであり、約450nmが特定の例である。一実施形態では、アブレーション光の強度は、150から15,000ミクロモル光子/mであり、約600ミクロモル光子/mが特定の例である。一実施形態では、発光装置108は、特定の範囲の波長を有する光の通過を可能にすることによって、アブレーション光を生成する光学フィルタを含む。光コネクタ110は、光学的アブレーション装置111と外部システム120との間の接続を可能にする。光リンク109は、細長い本体105内に延在し、発光装置108を光コネクタ110に接続する。一実施形態では、発光装置108は、アブレーション光を発する、1つ以上の発光ダイオード(LED)を含む。光リンク109は、電導体を含む。光コネクタ110は、外部システム120における電源と1つ以上のLEDとの間の、電導体を介した電気接続を提供する。別の実施形態では、発光装置108は、外部システム120における光源から生成されるアブレーション光を伝達する光ファイバーケーブルの遠位端末を含む。光リンク109は、光ファイバーケーブルを含む。光コネクタ110は、外部システム120における光源および近位端103にある光ファイバーケーブルの端末への光学的接続を提供する。
示される実施形態では、光学的アブレーションカテーテル102は、光学的アブレーション装置111に加えて、投影制御機構112を含む。投影制御機構112は、発光装置108に連結され、光学的に調節可能な転写制御要素が、発光装置108から投影されるアブレーション光によって効果的に調節可能である領域である、効果的に照射された領域を制御する。示される実施形態では、投影制御機構112は、効果的に照射された領域の調整可能な制御を可能にする調整可能な投影制御機構であり、遠位投影制御装置113、近位投影制御装置115、および投影制御リンク114を含む。遠位投影制御装置113は、遠位端104にある発光装置108に連結され、効果的に照射された領域を決定する。近位投影制御装置115は、近位端103から遠位投影制御装置113を調節することによって、効果的に照射された領域の制御を可能にする。投影制御リンク114は、細長いカテーテル本体105内に延在し、遠位投影制御装置113と近位投影制御装置115との間に連結される。他の実施形態では、投影制御機構112は、効果的に照射された領域を決定する遠位投影制御装置113を含む、固定投影制御機構である。
図2は、光学的アブレーションシステム100の特定の実施形態を表す、光学的アブレーションシステム200の実施形態を説明するブロック図である。光学的アブレーションシステム200は、光学的アブレーションカテーテル202および外部システム220を含む。光学的アブレーションカテーテル202は、光学的アブレーションカテーテル102の特定の実施形態を表し、近位端203、遠位端204、および近位端203と遠位端204との間に連結される細長いカテーテル本体205を含む。外部システム220は、外部システム120の特定の実施形態を表す。示される実施形態では、光学的アブレーションカテーテル202は、光学的アブレーション装置111、投影制御機構112、生理学的感知装置217、位置装置222、および無線周波数(RF)アブレーション装置227を含む。外部システム220は、光学的アブレーションコントローラ232、生理学的信号分析器234、位置モニタ236、およびRF熱アブレーションコントローラ238を含む。様々な実施形態では、光学的アブレーション装置111および投影制御機構112に加えて、光学的アブレーションカテーテル202は、生理学的感知装置217のうち任意の1つ以上、位置装置222、および無線周波数(RF)アブレーション装置227を含む。光学的アブレーションコントローラ232に加えて、外部装置220は、生理学的信号分析器234の対応する1つ以上、位置モニタ236、およびRF熱アブレーションコントローラ238を含む。
光学的アブレーション装置111は、遠位端204にある発光装置108、近位端203にある光コネクタ110、および細長いカテーテル本体205内に介在する光リンク109を含む。投影制御機構112は、遠位端204にある遠位投影制御装置113、近位端203にある近位投影制御装置115、および細長いカテーテル本体205内に延在する投影制御リンク114を含む。投影制御機構112の様々な例を、図3〜8を参照して、以下で論じる。光学的アブレーションコントローラ232は、電気および/または光信号を生成し、発光装置108から放射されるアブレーション光のタイミングおよび強度を制御する。
生理学的感知装置217は、生理学的信号感知を可能にし、電極218、生理学的信号コネクタ220、および生理学的信号リンク219を含む。電極218は、1つ以上の生理学的信号を感知するために、遠位端204に、および/またはその近くにある。生理学的信号コネクタ220は、近位端203にあり、生理学的感知装置217と生理学的信号分析器234との間の接続を提供する。生理学的信号リンク219は、細長いカテーテル本体205内に延在し、電極218と生理学的信号コネクタ220との間の電気接続を提供する電導体を含む。一実施形態では、生理学的感知装置217は、1つ以上の心内電位図の感知を可能にし、生理学的信号分析器234は、感知された1つ以上の心内電位図を使用して、心臓101(図1)上の電気活性を配置する。
位置装置222は、遠位端204の位置の監視を可能にし、磁場位置センサ223、位置信号コネクタ225、および位置信号リンク224を含む。磁場位置センサ223は、遠位端204にあり、遠位端204の位置を示す信号を感知する。位置信号コネクタ225は、近位端203にあり、位置装置222と位置モニタ236との間の接続を提供する。位置信号リンク224は、細長いカテーテル本体205内に延在し、磁場位置センサ223と位置信号コネクタ225との間の接続を提供する。位置モニタ236は、それが体に入った後、ユーザが体内の遠位端204の位置を監視することを可能にする。位置装置222および位置モニタ236を含むシステムの一例は、CARTO(登録商標)電子解剖マッピングシステム(Biosense Webster,Inc.、Diamond Bar、California)である。
RFアブレーション装置227は、光学的アブレーションの代替または補足としてRF熱アブレーションを提供し、熱エネルギー放射体228、RF信号コネクタ230、およびRF信号リンク229を含む。熱エネルギー放射体228は、遠位端204にあり、RF信号を使用して、熱アブレーションのために好適な熱エネルギー好適を生成する。RF信号コネクタ230は、近位端203にあり、RFアブレーション装置227とRF熱アブレーションコントローラ238との間の接続を提供する。RF信号リンク229は、細長いカテーテル本体205内に延在し、熱エネルギー放射体228とRF信号コネクタ238との間の接続を提供する電導体を含む。RF熱アブレーションコントローラ238は、RF信号発生器を含み、熱エネルギー放射体228から放射される熱エネルギーのタイミングおよび振幅を制御する。様々な実施形態では、光学的アブレーションカテーテル202は、1つ以上の他の(非光学的)アブレーション装置を含む。そのようなアブレーション装置は、光学的アブレーションが、効果的ではないか、または不適切な場合に使用される。RF熱アブレーションに加えて、そのようなアブレーション装置の別の例は、冷凍アブレーション装置である。
図3〜8は、例として、投影制御機構112の様々な実施形態を示す。様々な実施形態では、投影制御機構は、図3、4、5、および7において示される、効果的に照射された領域の調整可能な制御を提供する。様々な他の実施形態では、投影制御機構は、図6および8に示される、効果的に照射された領域の固定制御を提供する。図3〜8では、光学的アブレーションカテーテル302、402、502、602、702、および802は、遠位端104または204に対応する遠位端304、404,504、604、704、および804を有する、光学的アブレーションカテーテル102または202の特定の実施形態をそれぞれ表す。発光装置308、408、508、608、708、および808は、発光装置108の特定の実施形態をそれぞれ表す。様々な形状を有するが、これらの発光装置は、本文書において論じられる光学的アブレーションを行うためのアブレーション光をそれぞれ発する。光リンク309、409、509、609、709、および809は、光リンク109の特定の実施形態をそれぞれ表し、電導体および/または1つ以上の光ファイバーケーブルを含む。投影制御機構312、412、512、612、712、および812は、投影制御機構112の特定の実施形態をそれぞれ表す。遠位投影制御装置313、413、513、613、713、および813は、遠位投影制御装置113の特定の実施形態をそれぞれ表し、効果的に照射された領域を決定する。投影制御リンク314、414,514、および714は、投影制御リンク114の特定の実施形態をそれぞれ表し、光学的アブレーションケーブルの近位端からの対応する遠位投影制御装置の制御を可能にする。
図3Aは側面図であり、図3Bは正面図であり、調整可能な投影制御機構312を含む、光学的アブレーションカテーテル302の、遠位端304を含む遠位部の実施形態を示す。調整可能な投影制御機構312の遠位投影制御装置313は、アブレーション光の投影を制御するための、発光装置308の発光経路における隔壁340を含む。隔壁340は、アブレーション部位から投影されるアブレーション光の量を制限するための調整可能な開口部341を含む。示される実施形態では、隔壁340は、互いに重なる重複板を有する虹彩絞りである。投影制御リンク314は、光学的アブレーションカテーテル302の近位端からの開口部341の調整を可能にする。
図4は、調整可能な投影制御機構412を含む、光学的アブレーションカテーテル402の、遠位端404を含む遠位部の実施形態の説明図である。発光装置408は、細長い発光装置である。一実施形態では、発光装置408は、細長い管状形を有する。調整可能な投影制御機構412の遠位投影制御装置413は、細長い発光装置408の少なくとも一部を包囲する格納式不透明スリーブ443を含む。スリーブ443は、細長い発光装置408の暴露の量、したがって、アブレーション部位へ投影されるアブレーション光の量を決定するための、光学的アブレーションカテーテル402の長手軸に沿って、細長い発光装置408上を摺動する。アブレーション部位へ投影されるアブレーション光の量を増加させるために、スリーブ443は、遠位端404へ格納する。投影制御リンク414は、光学的アブレーションカテーテル402の近位端からの、細長い発光装置408に対するスリーブ443の配置を可能にする。
図5は、調整可能な投影制御機構512を含む、光学的アブレーションカテーテル502の、遠位端504を含む遠位部の実施形態の説明図である。調整可能な投影制御機構512は、遠位端504に連結される透明気泡545を含むということを除いて、調整可能な投影制御機構412と同様である。発光装置508は、細長い発光装置である。一実施形態では、発光装置508は、細長い管状形を有する。調整可能な投影制御機構512の遠位投影制御装置513は、細長い発光装置508の少なくとも一部を包囲する格納式不透明スリーブ543を含む。スリーブ543は、細長い発光装置508の暴露の量、したがって、アブレーション部位へ投影されるアブレーション光の量を決定するために、光学的アブレーションカテーテル502の長手軸に沿って、細長い発光装置508上を摺動する。アブレーション部位へ投影されるアブレーション光の量を増加させるために、スリーブ543は、遠位端504へ後退する。投影制御リンク514は、光学的アブレーションカテーテル502の近位端からの、細長い発光装置508に対するスリーブ543の配置を可能にする。示される実施形態では、不透明先端546は、環状アブレーションの性能を可能にするために、発光装置508の遠位端に取り付けられる。すなわち、光学的アブレーションカテーテル502は、気泡545が、血管501の中に押し込められると、その長手軸に直角の方向に遠位端504から光を投影する。例えば、気泡545は、肺静脈洞分離(PVAI)のために、肺静脈口に嵌まるように構成され得る。PVAIの間、光学的アブレーションカテーテル502は、心房の血管へ挿入される。光学的アブレーションは、異常なリズムの経路を「切断」し、AFを予防するために、肺静脈内から発射するインパルスを遮断する環状の傷を形成するように行われる。一実施形態では、気泡545は、拡張可能であり、収縮可能である。例えば、血管内に配置された後、気泡545は、光学的アブレーションのために膨張する。光学的アブレーションが完了した後、気泡545は、体からカテーテル502を容易に除去するためにしぼむ。
図6は、投影制御機構612を含む、光学的アブレーションカテーテル602の、遠位端604を含む遠位部の実施形態の説明図である。発光装置608は、細長い発光装置である。一実施形態では、発光装置608は、細長い管状形を有する。投影制御機構612の遠位投影制御装置613は、細長い発光装置608を覆う不透明遮蔽体649、および不透明遮蔽体649上のスリット648を含む。アブレーション光は、スリット648を通って、発光装置608から投影される。一実施形態では、アブレーションは、アブレーション部位にある組織上の「切断線」に沿って行われ、スリット648は、意図する切断線上に配置される。一実施形態では、スリット648を含む、光学的アブレーションカテーテル602の遠位部は、ほぼ丸い形であるか、そうでなければ、肺静脈口等の切除される領域とのスリット648の並列を可能にする湾曲形を有する。一実施形態では、光学的アブレーションカテーテル602の遠位部は、15と30ミリメートルとの間の直径を有するほぼ丸いループをとなるように構成される。スリット648は、ループの全長に沿って形成される。一実施形態では、光学的アブレーションカテーテル602(環状ループ)の遠位部は、直径7フレンチを有する。スリット648は、環状ループの表面積の約3分の1を含み、カテーテルの配置後に、切除される領域に対面するように配置される。別の実施形態では、環状ループの全体は、透明である。
図7は、調整可能な投影制御機構712を含む、光学的アブレーションカテーテル702の、遠位端704を含む遠位部の実施形態の説明図である。調整可能な投影制御機構712の遠位投影制御装置713は、光配置装置、および遠位端704および/またはその近くにある光学的アブレーションカテーテル702の本体上のスロット752を含む。発光装置708は、光配置装置750に接続される。スロット752は、光配置装置750、したがって発光装置708が、光学的アブレーションカテーテル702の長手軸に沿って摺動することを可能にする。投影制御リンク714は、光配置装置750に接続され、光学的アブレーションカテーテル702の近位端からの、発光装置708の配置を可能にする。
図8は、投影制御機構812を含む、光学的アブレーションカテーテル802の、遠位部804を含む遠位部の実施形態の説明図である。投影制御機構812の遠位投影制御装置813は、メッシュバルーン854を含む。発光装置808は、メッシュバルーン854全体に分布する複数の発光装置を含む。様々な実施形態では、複数の発光装置は、複数のLED、または光リンク809の1つ以上の光ファイバーケーブルから枝分かれする複数の光ファイバー端末を含む。
(遺伝子療法ベクター)
遺伝子療法ベクターは、例えば、ウイルスベクター、リポソームおよび他の脂質含有複合体、および宿主細胞への遺伝子の送達を媒介することが可能である他の高分子複合体を含む。ベクターは、遺伝子送達および/または遺伝子発現をさらに調整するか、またはそうでなければ、有益な特性を標的細胞に与える、他の要素または機能性も含むことができる。そのような他の要素は、例えば、細胞への結合または標的に影響を与える要素(細胞型または組織特異的結合を媒介する要素を含む)、細胞によるベクターの取り込みに影響を与える要素、取り込み後に、細胞内での伝達された遺伝子の局在化に影響を与える要素(核局在化を媒介する薬剤等)、および遺伝子の発現に影響を与える要素を含む。そのような要素は、ベクターによって送達される核酸を取り込み、発現している細胞を検出または選択するために使用することができる、検出可能なおよび/または選択可能なマーカ等のマーカも含むことができる。そのような要素は、ベクターの天然の特色(結合および取り込みを媒介する要素または機能性を有するある種のウイルスベクターの使用等)として提供することができるか、またはベクターは、そのような機能性を提供するように修飾されることができる。選択可能なマーカは、陽性、陰性、または二官能性であり得る。陽性の選択可能なマーカは、マーカを持つ細胞の選択を可能にするが、陰性の選択可能なマーカは、選択的に除去されるマーカを有する細胞を可能にする。二官能性(すなわち、陽性/陰性)マーカを含む、多様なそのようなマーカ遺伝子が記載されている(例えば、国際公開第92/08796号、および国際公開第94/28143号を参照)。そのようなマーカ遺伝子は、遺伝子療法の背景において有利であり得る、制御の追加的方策を提供することができる。多種類のそのようなベクターは、当技術分野で周知であり、一般的に利用可能である。
本発明の範囲内の遺伝子療法ベクターは、分離核酸、例えば、染色体外的に維持することができるプラスミドベースのベクター、およびリポソーム、例えば、DOSPA/DOPE、DOGS/DOPEまたはDMRIE/DOPEリポソーム、および/またはDNA−抗DNA抗体−カチオン性脂質(DOTMA/DOPE)複合体等の他の分子に関連するもの等の天然またはカチオン性リポソームに存在するウイルスおよび非ウイルスベクターを含む、ウイルスベクター、例えば、組み換え型アデノウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、乳頭腫ウイルス、またはアデノ随伴ウイルスを含むが、これらに限定されない。例示的な遺伝子療法ベクターを以下に記載する。遺伝子療法ベクターは、これらに限定されないが、筋肉内、口腔、直腸、静脈内または冠動脈内投与を含む、任意の経路を介して投与することができ、細胞への移動は、電気穿孔法および/またはイオン導入法によって強化することができる。
(レトロウイルスベクター)
レトロウイルスベクターは、長期トランス遺伝子発現を提供する宿主ゲノムへ安定的かつ精密に取り込む能力を含む、いくつかの顕著な特色を示す。これらのベクターは、全身性感染症および患者から患者への感染のリスクを最小限にする感染性遺伝子粒子を除去するように生体外で操作することができる。偽型レトロウイルスベクターは、宿主細胞指向性を変化させることができる。
(レンチウイルス)
レンチウイルスは、ヒト免疫不全ウイルスおよび猫免疫不全ウイルスを含む、レトロウイルスのファミリーに由来する。しかしながら、分裂細胞のみを感染させるレトロウイルスと異なり、レンチウイルスは、分裂および非分裂細胞の両方を感染させることができる。例えば、ヒト免疫不全ウイルスゲノムに基づくレンチウイルスベクターは、体内での心筋細胞の効果的な形質導入が可能である。レンチウイルスは、特定の指向性を有するが、ウイルス外皮を水胞性口炎ウイルスで偽型にすることは、さらに広い範囲を有するウイルスを産出する(Schnepp et al.,Meth.MoI.Med.,69:427(2002))。
(アデノウイルスベクター)
アデノウイルスベクターは、ゲノムからのウイルス遺伝子発現に関与する初期(E1AおよびE1B)遺伝子を削除することによって、複製能力を損失し得、染色体外型で宿主細胞へ安定的に維持される。これらのベクターは、複製および非複製細胞の両方をトランスフェクトする能力を有し、特に、これらのベクターは、例えば、直接注入または還流後に、体内において心筋細胞を効率的に感染させることが示されている。アデノウイルスベクターは、ピークが7日目で、約4週間持続する、体内における治療遺伝子の一時的発現を引き起こすことが示されている。トランス遺伝子発現の期間は、心臓特異的プロモータを使用して、システムにおいて改善することができる。さらに、アデノウイルスベクターは、非常に高い力価で生成することができ、少量のウイルスでの効率的な遺伝子導入を可能にする。
(アデノ随伴ウイルスベクター)
組み換え型アデノ随伴ウイルス(rAAV)は、非病原性パルボウイルスに由来し、基本的に細胞性免疫反応を引き起こさず、ほとんどのシステムにおいて数ヶ月持続するトランス遺伝子発現を生成する。また、アデノウイルスのように、アデノ随伴ウイルスベクターも、複製および非複製細胞を感染させる能力を有し、ヒトに対して非病原性であると考えられる。また、それらは、持続的心臓遺伝子導入に対して有望であると見られる(Hoshijima et al,.Nat.Med.,8:864(2002);Lynch et al.,Circ.Res.,80:197(1997))。
(ヘルペスウイルス/単位複製配列)
単純ヘルペスウイルス1(HSV−1)は、体内において、それを重要な遺伝子送達ベクターにする数多くの重要な特徴を有する。2種類のHSV−1ベースのベクターが存在する。1)外因性遺伝子を骨格ウイルスゲノムに挿入することによって生成されるもの、2)後に複製され、ビリオン粒子にパッケージされる単位複製配列プラスミドに、外因性遺伝子を挿入することによって生成されるHSV単位複製配列である。HSV−1は、分裂および非分裂両方の多種多様な細胞を感染させることができるが、神経細胞に対する明らかに強い指向性を有する。それは、非常に大きいゲノムサイズを有し、非常に大きいトランス遺伝子(>35kb)に対応することができる。ヘルペスウイルスベクターは、大きい遺伝子、例えば、リアノジン受容体およびチチンをコード化する遺伝子の送達のために特に有用である。
(プラスミドDNAベクター)
プラスミドDNAは、より精巧はパッケージシステムの非存在を示すために、しばしば、「裸のDNA」と称される。体内における、心筋細胞へのプラスミドDNAの直接注入は、達成されている。プラスミドベースのベクターは、比較的に非免疫原性および非病原性であり、細胞ゲノムへ安定的に組み込む潜在力を有し、体内において、有糸分裂後細胞における長期遺伝子発現をもたらす。例えば、限局性トランス遺伝子発現の比較的低いレベルにかかわらず、プラスミドDNAの筋肉注入後の、分泌される血管新生因子の発現は、動物モデルにおいて有意な生物学的効果を証明し、臨床的に有望であると見られる(Isner,Nature,415:234(2002))。さらに、プラスミドDNAは、血流において急速に分解されるため、遠隔臓器システムにおけるトランス遺伝子発現の機会は、ごくわずかである。プラスミドDNAは、高分子複合体、例えば、リポソームまたはDNA−タンパク質複合体の一部として細胞に送達することができ、送達は、電気穿孔法を含む技術を使用して強化することができる。
(合成オリゴヌクレオチド)
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、対象のRNAのコード配列に相補的であるように設計される、短い(長さ約10から30ヌクレオチド)化学合成DNA分子である。これらの薬剤は、拡散またはリポソーム媒介移動によって細胞に侵入し、比較的に高い形質導入効率性を有し得る。これらの薬剤は、標的遺伝子の発現を現象または除去するために有用である一方、未修飾オリゴヌクレオチドは、体内での短い半減期を有し、修飾塩基、糖類、またはリン酸基は、オリゴヌクレオチドの半減期を増加させることができる。未修飾ヌクレオチドに対して、そのような配列を使用することの有効性は、例えば、アデノウイルスコンストラクトにおいて、アンチセンスセグメントを対象の特定のプロモータに連結することによって増加する。一実施形態では、電気穿孔法および/またはリポソームは、プラスミドベクターを送達するために使用される。合成オリゴヌクレオチドは、高分子複合体、例えば、リポソームの一部として細胞に送達することができ、送達は、電気穿孔法を含む技術を使用して強化することができる。
(調節可能な転写制御要素)
本発明の装置は、これらに限定されないが、特定の波長の光または波長の範囲、特定のエネルギーの光、音響エネルギー、電場、化学的、電磁エネルギー、熱エネルギー、または温度または事項の他の形を含む、1つ以上の信号を送達することができ、その信号は、遺伝子療法ベクターにおいて調節可能な転写制御要素によって認識される。
多様な戦略が、伝達された遺伝子の体内発現を制御するために考案されているため、調節可能であるか、または誘導性プロモータとの関連で、体内遺伝子導入ベクターの薬物動態を変化させる。これらの調節可能なプロモータの多くは、外因性に投与される薬剤を使用して、トランス遺伝子発現を制御し、中には、生理学的環境を使用して、遺伝子発現を制御するものもある。外因性制御プロモータの例としては、DNAおよび単純ヘルペスビリオンタンパク質16のトランス活性化ドメインに融合される細菌性tetリプレッサからのテトラサイクリン結合ドメインから成る、キメラトランス活性化因子であるテトラサイクリン応答性プロモータ(Ho et al.,Brain Res.MoI.Brain Res.41:200(1996))、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子遺伝子の5’−フランキング領域の最小フラグメントに重ね合わさる多重環状アデノシンモノリン酸応答要素を有するキメラプロモータ(Suzuki et al.,7:1883(1996))、EGRl放射線誘導性プロモータ(Hallahan et al.,Nat.Med.,1:786(1995))、およびAd2主要後期プロモータTATAボックス開始部位の挿入と平行してラットチロシンアミノトランスフェラーゼ遺伝子からの5つのGREを有する(Narumi et al.,Blood,92:812(1998))、キメラGREプロモータ(Lee et al.,J.Thoracic Cardio.Surg.,118:26(1996))が挙げられる。プロモータの生理学的制御の例としては、チミジンキナーゼプロモータ、および外因性および内因性トリヨードチロニンの両方に対する甲状腺ホルモンおよびレチノイン酸応答性要素応答性のキメラ(Hayashi et al.,J.Biol.Chem.,269:23872(1994))、炎症性刺激に応答性を有する補体因子3および血清アミロイドA3プロモータ、グルコース除去、慢性無酸素、および酸性pHを通って誘導性であるグルコースによって調節されたタンパク質である、grp78およびBiPストレス誘導性プロモータ(Gazit et al.,Cancer Res.,55:1660(1995))、ならびに低酸素誘導性因子1、および体内における遺伝子療法との関連で、調節可能なプロモータとして作用することが示されている、低酸素細胞におけるヒトエリスロポエチン遺伝子の転写を活性化する二量体ベーシックヘリックス−ループ−ヘリックスタンパク質(Forsythe et al.,MoI.Cell.Biol.,16:4604(1996))が挙げられる。
本発明の遺伝子療法ベクターおよび方法において有用な調節可能な転写要素は、プロゲステロン受容体の切断リガンド結合ドメイン(抗黄体ホルモンによって制御される)、tetプロモータ(tetおよびdoxによって制御される)(Dhawan et al.,Somat.Cell.MoI.Genet.,21,233(1995);Gossen et al.,Science,268:1766(1995);Gossen et al.,Science,89:5547(1992);Shockett et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,92,6522(1995))、低酸素誘導性核因子(Semenza et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88,5680(1991);Semenza et al.,J.Biol.Chem,.269,23757))、グルココルチコイド応答要素(GRE)等のステロイド誘導性要素およびプロモータ(Mader and White,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.90,5603(1993))、RU486誘導に対する融合コンセンサス要素(Wang et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,91:818(1994))、電磁場に対して感受性を有するもの、例えば、メタロチオネインIまたはII、c−myc、およびHSP70プロモータに存在するものLin et al.,J.Cell.Biochem.,81:143(2001);Lin et al.,J.Cell.Biochem.,54:281(1994);米国公開出願第20020099026号))、電気パルス(Rubenstrunk et al.,J,Gene Med.,5:773(2003))、酵母菌GAL4/TATAプロモータ、オーキシン誘導性要素、エクジソン応答性要素(No et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.93:3346(1996))、ラパマイシン(FK506)によって誘導性である要素、またはその類似体(Rivera et al.,Nat.Med.,2:1028(1996);Ye et al.,Science.283:88(1999);Rivera et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.96:8657(1999))、tat応答性要素、金属、例えば、亜鉛、誘導性要素、放射線誘導性要素、例えば、初期成長応答遺伝子(Erg−1)のプロモータの誘導因子として使用されているイオン性放射線(Hallahan et al.,Nat.Med.,1:786(1995))、PPREに融合される最小プロモータから成る、核内受容体PPARγ(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体)に結合する要素(PPAR応答性要素、国際公開第00/78986号を参照)、シトクロムP450/A1プロモータ、MDR−1プロモータ、特定のサイトカインによって誘導されるプロモータ(Varley et al.,Nat.Biotech.,15:1002(1997))、光誘導性要素(Shimizu−Sato et al.,Nat.Biotech.,20:1041(2002))、LlacZプロモータ、および酵母菌Leu3プロモータを含むが、これらに限定されない。
一実施形態では、調節可能な転写制御要素は、光によって調節される。光によって調節されるプロモータまたは他の転写制御要素は、米国特許第6,858,429号(赤色または遠赤色光;600nm〜750nm)、および同第6,733,996号(430nmから480nm)において開示されるものを含むが、これらに限定されない。そのため、本発明の方法およびシステムは、光応答性を与える異種遺伝子産物を発現する他の発現カセットの使用を含むことができる。例えば、他の発現カセットは、プロモータに結合するWC1およびWC2または光応答性タンパク質、または感光性タンパク質に融合される転写因子結合タンパク質を有する融合タンパク質をコード化することができる。
一実施形態では、調節可能な転写制御要素は、光によって調節される。光調節遺伝子は、フィトリアーゼ、フィトクロム、白襟複合体(WCC)、クリプトクロム、フォトトロピン、ミメカン、カルコン合成酵素(CHS)、エンセファロプシン、光活性黄色タンパク質、およびダークストライプを含むが、これらに限定されない。
CPDホトリアーゼは、DNAにおいて誘導されるシクロブタン型ピリミジン二量体(CPD)を修復する。ホトリアーゼは、これらに限定されないが、E.coli、偽巣性コウジ菌、ミユビゲラ、キイロショウジョウバエ、メダカ、ギンブナ、りんご、カラスノボタンタケ、および出芽酵母を含む、多くの生命体において見られる。ホトリアーゼは、1つのフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、およびメテニルテトラヒドロ葉酸(MTHF、1型ホトリアーゼ)または8−ヒドロキシ−5−デアザリボフラビン(2型ホトリアーゼ)のいずれかを含有する。ホトリアーゼは、DNA二量体に結合し、補酵素は、青色光(350から500nm)を受光する。ホトリアーゼ遺伝子の誘導は、非常に速く(約15から30分)、顕著である。システムは、光の他の波長に対して応答性を有するフラビンを置換することによって変化し得る。
フィトクロムは、ビリン発色団から成るタンパク質複合体である。ビリン発色団(光感知構造)は、いくつかの酵素によってヘムから合成される、線状テトラピロール(共有結合される4つの5−炭素環)である。アポフィトクロムタンパク質は、細胞質において、自然に発色団に結合し、フィトクロム複合体を形成する。これは、チオエーテル結合を介する共有結合性会合である。フィトクロムは、タンパク質−タンパク質相互作用および核局在化に関与する1−3PASドメイン、GAFドメイン、N−端末にあるPHYドメイン、およびC−端末にあるヒスチジンキナーゼ関連ドメイン(HKRD)を有する(Rockwell et al.,2006)。フィトクロム複合体が、数秒から数分の約660nmの赤色光に暴露される場合、複合体の不活性型(P)は、活性(PFR)型への異性化を受ける。これは、PASドメインにおける核局在化信号を暴露し、N−端末ドメインが、転写因子を相互作用する、核局在化を可能にする。PFRフィトクロム複合体が、数秒から数分の約750nmの遠赤色光に暴露される場合、それは、P型へ戻り、核を残し、遺伝子調節を停止する。代替として、PFRフィトクロム複合体が、数時間、光刺激なしで残される場合、それは、P型へ戻る。フィトクロム複合体は、すべての顕花植物およびクリプト植物、シアノバクテリア、非酸素発生バクテリア、および菌類において見られる。フィトクロムのチロシンからヒスチジンへの変異は、光によって刺激されると、それに、非常に強い赤色蛍光を発せられる。
例えば、米国特許第6,887,688号では、ヘムオキシゲナーゼ、およびフィトクロム複合体のビリン要素を生成するフェレドキシン依存性ビリン還元酵素(PcyAまたはHY2等)を有する細胞、最適なN−端末転写因子と遺伝的に組み合わされるフィトクロムのC−端末PASドメインに対する遺伝子(核局在化信号(NLS)として機能する)、および転写因子に対応する、プロモータを有する標的遺伝子を開示する。
米国特許出願第2003/0082809A1号では、DNA結合ドメイン(DBD、構成的に発現される)で遺伝的に操作されるフィトクロムを有する細胞、発色団(外因的に発現されるか、または添加される)、活性化ドメイン(AD、構成的に発現される)で遺伝的に操作されるフィトクロム相互作用因子(PIF)、および活性化ドメインに対応するプロモータを有する標的遺伝子を開示する。フィトクロムDBDは、標的遺伝子に結合し、赤色光の存在下では、それは、PIF−ADと相互作用し、標的遺伝子の転写を開始する。それは、遠赤色光の存在下では、PIF−ADとの相互作用を中断し、標的遺伝子の転写を停止する。
白襟−1(WC−1)および白襟−2(WC−2)タンパク質は、転写制御因子である。それらは、GATA型亜鉛フィンガーDNA結合ドメインを通してプロモータに結合し、PASドメインにより互いに複合体を形成する。WC−1上の1つのPASドメインは、光、酸素、または電圧(LOV)階級のメンバーであり、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)への結合に関与する。FADは、370および450nmのピーク応答性で、白襟複合体に対する青色光センサとしての機能を果たす。
米国特許第6,733,996号では、遺伝子発現を調節するためのWCCの使用方法を記載する。本発明は、WC−1の亜鉛フィンガーDBDが、異なるトランス活性化因子と置換される、融合タンパク質として発現されるように、遺伝的に結合されるWC−1およびWC−2遺伝子で操作されるFAD(すべての細胞は、FADを有する)を含有する細胞、およびトランス活性化因子に対応するプロモータ要素に結合される標的遺伝子を含む。
クリプトクロムは、原核生物および真核生物の両方において、青色光受容体としての機能を果たす。クリプトクロム(cry1および2)は、ホトリアーゼに見られないC−端末伸張を有する。これらのC−端末ドメインは、構成的光応答を媒介する。これらのドメインは、暗闇の中で不活性の状態であり、青色光は、フラビン発色団に対する分子内または分子間レドックス反応によって抑制を緩和すると仮定されている。Cry1は、その発色団としての機能を果たすことができるFADに結合する。Cry2は、青色光によって強く下方調節される。Cry1および2は、網膜における光感知に関与することが周知である。
フォトトロピンは、LOV(光、酸素、電圧)PASドメインを含有する植物における膜結合キナーゼであり、青色光を感知するようにFMN(フラビンモノヌクレオチド)に結合する。光は、フォトトロピンにおける構造変化を引き起こすように見られ、PASドメインを暴露し、キナーゼ機能を活性化し、植物における屈光性の調節を可能にする。
本発明の組成物、方法、およびシステムにおいて有用な、光によって調節されるプロモータまたは他の転写制御要素は、米国特許第6,858,429号(赤色または遠赤色光;600nmから750nm)、同第6,733,996号(430nmから480nm)、同第6,887,688号において開示されるもの、FAD補因子でのDNA損傷修復のための発色団ベースのシステムである、青色光暴露後に急速に発現されるホトリアーゼシステム(350nmから500nm)、赤色および遠赤色光に応じて相互転換するタンパク質複合体を有する発色団ベースのシステムであるフィトクロムシステム(約660nmから約750nm)、WC−1およびWC−2が、FADに結合し、遺伝子発現を調節する、白襟複合体(450nmから470nm)、概日時計機構および植物機能において見られるクリプトクロムシステム(広UV−Aバンドおよび青色光)、光が、タンパク質キナーゼ機能を活性かさせるフォトトロピン(nphl)システム、コードされたタンパク質が、UV暴露後約24時間誘導されるヒトミメカンプロモータ、UV光に誘導されるCHSプロモータ、エンセファロプシンシステム、光活性黄色タンパク質(446nmで最大)、およびdark−stipel(dstl)システム(UVおよび青色光)を含むが、これらに限定されない。そのため、本発明の方法およびシステムは、光応答性を与える異種遺伝子産物を発現する他の発現カセットの使用を含むことができる。
一実施形態では、装置で調節される光誘導性遺伝子の送達のために使用される遺伝子発現システムは、光によって急速かつ顕著に誘導性であり、しっかりと調節され、基本的発現が低い/無い、および/または光の非存在において急速に遮断する。一実施形態では、光調節転写制御要素は、赤色光に暴露される場合、Pfrに結合する。そのため、心臓細胞は、フィトクロムアポタンパク質、例えば、PcyAまたはHy2、および光調節転写制御要素、WC1およびWC2、またはプロモータに結合する他の光応答性タンパク質を結合する複合体において見られる任意で他のタンパク質、または感光性タンパク質に郵送される転写因子結合タンパク質を有する融合タンパク質に対する発現カセットを含むことができる。
一実施形態では、350から500nmの光、または任意の1つか、または帯域の350から500nmの波長を発する装置は、ホトリアーゼ応答性プロモータとともに使用することができる。一実施形態では、630から690nmの光、または任意の1つか、または帯域の630から690nmの波長を発する装置は、フォトクローム応答性プロモータともにと使用することができる。一実施形態では、430から490nmの光、または任意の1つか、または帯域の430から490nmの波長を発する装置は、WCC応答性プロモータとともに使用することができる。一実施形態では、WCC関連タンパク質は、より短い波長の光または他の波長に関連したDNA損傷を避けるために、異なる波長の光、例えば、赤色光(例えば、600から700nm)に対して応答性を有するように、変化させることができる。一実施形態では、広いUV bおよび/または青色光を発する装置は、クリプトクロム応答性プロモータとともに使用することができる。一実施形態では、UV光を発する装置は、ミミカン、CHS、またはdstl応答性プロモータとともに使用することができる。一実施形態では、420から450nmの光、または任意の1つか、または帯域の420から450nmの波長を発する装置は、光活性黄色タンパク質応答性プロモータとともに使用することができる。一実施形態では、プロモータは、DNA損傷を引き起こすか、または熱発生に関連する波長以外の波長に対して応答性を有する。
いくつかの実施形態では、筋特異的および誘導性プロモータ、エンハンサ等の細胞または組織特異的制御要素は、例えば、調節可能な転写制御要素と併せた特別の使用のものである。そのような制御要素は、myoD遺伝子ファミリー等のアクチンおよびミオシン遺伝子ファミリーに由来するもの(Weintraub et al.,Science,251,761(1991))、筋細胞特異的エンハンサ結合因子MEF−2(Cserjesi and Olson,MoI.Cell.Biol.,11,4854(1991))、ヒト骨格アクチン遺伝子(Muscat et al.,MoI.Cell.Bio.,7,4089(1987))および心臓アクチン遺伝子、筋クレアチニンキナーゼ配列要素(Johnson et al.,MoI.Cell.Biol.,9,3393(1989))に由来する制御要素、およびネズミクレアチニンキナーゼエンハンサ(mCK)要素、骨格速収縮トロポニンC遺伝子、緩徐収縮心臓トロポニンC遺伝子および緩徐収縮トロポニンI遺伝子に由来する制御要素を含むが、これらに限定されない。
心臓細胞制限プロモータ、以下の遺伝子からのプロモータを含むが、これらに限定されない。α−ミオシン重鎖遺伝子、例えば、心室α−ミオシン重鎖遺伝子、β−ミオシン重鎖遺伝子、例えば、心室β−ミオシン重鎖遺伝子、ミオシン軽鎖2v遺伝子、例えば、心室ミオシン軽鎖2遺伝子、ミオシン軽鎖2a遺伝子、例えば、心室ミオシン軽鎖2遺伝子、心筋細胞制限心臓アンキリン反復タンパク質(CARP)遺伝子、心臓α−アクチン遺伝子、心臓m2ムスカリン性アセチルコリン遺伝子、ANP遺伝子、BNP遺伝子、心臓トロポニンC遺伝子、心臓トロポニンI遺伝子、心臓トロポニンT遺伝子、心筋小胞体Ca−ATPase遺伝子、骨格α−アクチン遺伝子、ならびに人工心臓細胞特異的プロモータ。
さらに、心室特異的プロモータまたはエンハンサは、例えば、心房特異的発現のために使用することもでき、ウズラの遅いミオシン鎖3型(MyHC3)またはANPプロモータまたはcGATA−6エンハンサを使用することができる。心室特異的発現に対して、イロコイホメオボックス遺伝子を使用することができる。心室筋細胞特異的プロモータの例としては、心室ミオシン軽鎖2プロモータおよび心室ミオシン重鎖プロモータが挙げられる。
他の実施形態では、疾患特異的制御要素を使用することができる。そのため、本明細書において開示される任意の遺伝子を含むが、それらに限定されない、特定の疾患に関連する遺伝子からの制御要素は、本発明のベクターにおいて使用することができる。
それにもかかわらず、心臓細胞または筋細胞に対して特異的ではない他のプロモータおよび/またはエンハンサ、例えば、RSVプロモータは、本発明の発現カセットおよび方法において使用することができる。他のプロモータおよび/またはエンハンサ源は、Csx/NKX2.5遺伝子、チチン遺伝子、遺伝子におけるα−アクチン、ミオメシン遺伝子、Mタンパク質遺伝子、心臓トロポニンT遺伝子、RyR2遺伝子、Cx40遺伝子、およびCx43遺伝子、ならびにMef2、dHAND、GATA、CarG、E−box、Csx/NKX2.5、またはTGF−ベータに結合する遺伝子、またはそれらの組み合わせからのプロモータおよびエンハンサである。
1つ以上の間欠的信号、長期信号または異なるレベルの信号に対する調節可能な転写制御要素の応答は、体外または体内において試験することができる。ベクターは、マーカ遺伝子に結合される調節可能な転写制御要素、すなわち、緑色蛍光タンパク質(GFP)等の容易に検出可能であるか、または検出が可能である要素を含むことができる。例えば、電気パルス、MT−IまたはMT−IIプロモータに対して感受性を有するプロモータを有するベクター(Rubenstruck et al.,J.Gene Med.,5:773(2003))は、マーカ遺伝子に対するオープンリーディングフレームに結合される。得られた発現カセット、例えば、アデノウイルスベクターまたはプラスミドベクターに導入される発現カセットを使用して、ネズミ細胞、例えば、ネズミ心臓細胞、または心臓の区分を感染させるか、またはトランスフェクトする。小フラスコにおける使用のために設計される電極システムを使用して、電気パルスを送達する。その後、細胞またはその溶解物における蛍光は、検出され、および/またはベクター特異的RNAは、例えば、RT−PCRを使用して測定され、任意で、対照細胞からのデータと比較される。同様に、電気パルスに対して感受性を有するプロモータを有するベクターは、治療遺伝子、例えば、Serca2に対するオープンリーディングフレームに結合され、細胞、例えば、治療遺伝子によってコートされる遺伝子産物のレベルが低い細胞等の心臓細胞に導入され、組み換え型細胞の動物モデルは、対照細胞と比較される。ベクターは、非ヒト大型動物モデル、例えば、ブタに導入し、その動物における埋め込み型装置からの信号、例えば、電気パルスに応じて、外因的に導入された遺伝子のレベルおよび空間的発現を決定することもできる。
(ベクター送達)
心膜輸注、心内膜心筋注入、冠動脈内注入、冠静脈逆行性還流、および大動脈基部注入を含む、いくつかの技術は、心臓遺伝子送達に対して開発されている(Isner Nature,415:234(2002))。異なる技術は、遺伝子送達の均質において可変応答を得、心臓内における限局性遺伝子発現を引き起こす(Hajjar et al.,Circ.Res.,86:616(2000)。このため、拡散取り込みを得る技術は、優勢と思われる。2つのそのような方法は、心臓の動脈および静脈循環を使用して、播種性ウイルストランスフェクションを遂行する。直接、経皮方法によって直接的か、または遮断された大動脈への輸注によって間接的に行われる動脈注入は、心不全の動物モデルにおいて有望であり、心臓手術の時点か、または経皮介入としてのいずれかで行うことができるという点において魅力的である(Hajjar et al.,PNAS USA,95:5251(1998))。同様に、冠状静脈洞を通る逆行性還流は、局所または限局性注入の技術と比較して、より広範囲の遺伝子発現を生成すると見られる(Boeckstegers et al.,Circ,100:1(1999))。
ベクターは、静脈内、経静脈、心筋内、または任意の他の便利な経路によって投与することができ、針、カテーテル、例えば、注射針または輸注ポートを含むカテーテル、もしくは他の好適な装置によって送達することができる。
(直接心筋注入)
プラスミドDNA、ウイルスベクター、例えば、アデノウイルスベクター、および組み換え型細胞を含む細胞の直接心筋注入は、数多くの体内研究において文書化されている。この技術は、プラスミドDNAまたはアデノウイルスベクターと使用される場合、心筋細胞の効果的な形質導入をもたらすことが示されている。そのため、直接注入は、開心術を受ける患者における補助療法としてか、または小切開を通る修正された胸腔鏡を介す単独型手術として使用することができる。ウイルス、例えば、偽型、もしくはDNA−またはウイルス−リポソーム複合体は、心筋内に送達することができる。
(カテーテルによる送達)
遺伝物質の冠動脈内送達は、主に冠動脈の分布において、筋細胞の約30%の形質導入をもたらすことができる。冠動脈内還流を介するベクターの送達に影響を与え、形質導入される心筋の比率を高めるパラメータは、高冠状動脈流速、より長い暴露時間、ベクター濃度、および温度を含む。実質的により大きい割合の心筋への遺伝子送達は、低カルシウム、高セロトニン混合物における遺伝子を投与することによって強化することができる(Donahue et al.,Nat.Med.,6:1395(2000))。心不全に対する遺伝子療法のこの方法の潜在的使用は、ベクターの心筋取り込みを強化する特定のタンパク質(例えば、心臓トロポニンT)の使用によって増加し得る。
カテーテルによる遺伝子送達の改善された方法は、体内における、心筋のほぼ完成しているトランスフェクションを得ることが可能となっている。Hajjar et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA.95:5251(1998))は、大動脈および肺動脈を遮断している間に、対象の遺伝子の還流による、左室心尖部を通り、大動脈弁をわたる手術用カテーテル挿入を組み合わせた技術を使用した。この技術は、心臓のほぼ完成した形質導入をもたらし、大動脈を遮断することができる場合、開心術の間の付加的遺伝子療法の送達のためのプロトコールとしての機能を果たすことができた。
(心膜送達)
心膜への遺伝物質の注入による心室心筋への遺伝子送達は、心筋の心外膜層への効率的な遺伝子送達を示している。しかしながら、ヒアルロニダーゼおよびコラゲナーゼは、心室機能に対するいかなる悪影響も伴わずに、形質導入を強化することができる。
(静脈内送達)
静脈内遺伝子送達は、心筋遺伝子送達に対して有効であり得る。しかしながら、静脈内に投与されたベクターの標的送達および形質導入効率性を改善するために、標的ベクターを使用することができる。一実施形態では、DNA−リポソームまたは抗体−DNA複合体の静脈内投与を使用することができる。
(リードによる送達)
遺伝子送達は、遺伝子送達装置または内腔を、ペーシングリード、除細動リード、またはペーシング除細動リード等のリードに組み込むことによって行うことができる。遺伝子送達装置または内腔を含む、心内膜リードは、心筋の心内膜層への遺伝子送達を可能にする。遺伝子送達装置または内腔を含む心外膜リードは、心筋の心内膜層への遺伝子送達を可能にする。遺伝子送達装置または内腔を含む経静脈リードは、静脈内遺伝子送達も可能にすることができる。リードによる送達は、リードを使用して、電子および遺伝子治療を同じ領域に送達する場合に特に有利である。
概して、経口、粘膜、筋肉内、口腔および直腸投与を含む、いかなる投与経路も、使用することができる。あるベクターに対して、ある投与経路が、好ましい場合がある。例えば、ウイルス、例えば、偽型ウイルス、およびDNAまたはウイルスリポソーム、例えば、HVJリポソームは、冠動脈内輸注によって投与することができるが、HVJ−リポソーム複合体は、心膜に送達することができる。
(用量および剤形)
投与される遺伝子療法ベクターの量、および特定の結果を得るために放射される装置による信号は、これらに限定されないが、選択される遺伝子およびプロモータ、条件、患者特異的パラメータ、例えば、身長、体重、および年齢、ならびに予防または治療が得られるかどうか、を含む、様々な要因によって異なる。本発明の遺伝子療法ベクター/装置システムは、予防目的のための慢性使用に適している。
本発明のベクターは、便宜上、例えば、血流へ(例えば、冠動脈内動脈における)の投与のために好適な製剤の形で提供することができる。好適な投与形式は、標準の方法に従って、各患者に対して、個人的に、医療施術者によって決定されるのが最善であり得る。好適な薬学的に許容される担体およびそれらの製剤は、標準的製剤の論文、例えば、Remington’s Pharmaceuticals Sciencesにおいて記載される。本発明のベクターは、好ましくは、溶液をほぼ等張性にする賦形剤、例えば、概して、安全とみなされる、リン酸ナトリウム等の、当技術分野で周知の緩衝溶液でpH緩衝される、4.5%マンニトールまたは0.9%塩化ナトリウムを有し、メタクレゾール0.1%から0.75%、より好ましくは0.15%から0.4%メタクレゾール等の許容される保存料を合わせた、中性pH、例えば、約pH6.5から約pH8.5、より好ましくは約pH7から8の溶液において処方されるべきである。望ましい等張性を得ることは、塩化ナトリウム、またはデキストロース、ホウ酸、酒石酸ナトリウム、プロピレングリコール、ポリオール(マンニトールおよびソルビトール等)、もしくは他の無機または有機溶質等の他の薬学的に許容される薬剤を使用して行うことができる。塩化ナトリウムは、ナトリウムイオンを含有する緩衝剤に対して特に好ましい。必要に応じて、上記の組成物の溶液は、保存期限および安定性を強化するように調製することもできる。本発明の治療上有用な組成物は、一般的に許容される方法に従って、成分を混合することによって調製することができる。例えば、選択された要素は、後に、pHを制御するための水および/または緩衝液の添加、または弾力性を制御するための付加的溶質によって、最終濃度および粘性を調整することができる、濃縮混合物を生成するように混合することができる。
ベクターは、単回または反復投与において効果的なベクターの量を含有する剤形で提供することができる。ウイルスベクターに対して、有効量は、少なくとも約10ウイルス粒子、好ましくは約10ウイルス粒子、より好ましくは約1011ウイルス粒子の範囲にあり得る。ウイルス粒子の数は、1014を超えることができるが、好ましくは超えない。述べたように、投与される正確な用量は、担当臨床医によって決定されるが、好ましくは、1mlリン酸緩衝食塩水の中にある。プラスミドDNA単独か、または他の高分子をの複合体におけるプラスミドDNAの送達に対して、投与されるDNAの量は、受容者にとって有益な効果をもたらす量である。例えば、DNAの一回または分割量において、0.0001から1mg以上、例えば、1gまで、例えば、0.001から0.5mg、または0.01から0.1mgを投与することができる。
一実施形態では、心臓病の場合、投与は、適切な冠動脈カテーテルを使用して、1つまたは両方の冠動脈(もしくは1つ以上の伏在静脈または内胸動脈グラフト、または他のルート)への冠動脈内注入によって行うことができる。多様なカテーテルおよび送達経路を使用して、当技術分野で周知のように、冠動脈内送達を得ることができる。例えば、本発明における使用のために好適な、多様な汎用カテーテル、および修正されたカテーテルは、商業的供給者から入手可能である。また、心筋への送達が冠動脈へ直接的に注入によって得られる場合、当技術分野で周知のように、カテーテルを冠動脈へ導入するための数多くの方法を使用することができる。例として、カテーテルは、便宜上、大腿動脈へ導入し、腸骨動脈および腹部大動脈を通り、冠動脈へ逆行することができる。代替として、カテーテルは、まず、上腕または頸動脈へ導入し、冠動脈へ逆行することができる。これら、および他の技術の詳細な説明は、当技術分野で見ることができる(例えば、上記、以下を含む。Topol,(ed.),The Textbook of Interventional Cardiology.4th Ed.(Elsevier 2002);Rutherford,Vascular Surgery,5th Ed.(W.B.Saunders Co.2000);Wyngaarden et al.(eds.),The Cecil Textbook of Medicine.22nd Ed.(W.B.Saunders,2001);およびSabiston,The Textbook of Surgery.16th Ed.(Elsevier 2000)を参照)。
例として、リポソームおよび他の脂質含有遺伝子送達複合体を使用して、1つ以上のトランス遺伝子を送達することができる。遺伝子送達のためのそのような複合体の調製および使用の原理は、当技術分野において記載される(例えば、Ledley,Human Gene Therapy,6:1129(1995);Miller et al.,FASEB Journal,9:190(1995);Chonn et al.,Curr.Qpin.Biotech.,6:698(1995);Schofield et al.,British Med.Bull.,51:56(1995);Brigham et al.,J.Liposome Res.,3:31(1993)を参照)。
本発明による遺伝子療法ベクターの投与は、例えば、受容者の生理学的状態、投与の目的が治療的か、または予防的であるか、および熟練した施術者に周知の他の要因によって連続的または間欠的であり得る。遺伝子療法ベクターの投与は、事前に選択された時間にわたって、基本的に連続的であり得るか、または一連の間隔が置かれた投与であり得る。局所および全身投与の両方が意図される。
持続放出のために任意で処方することができる、遺伝子療法ベクターを含む1つ以上の好適な単位剤形は、経口、または直腸、口腔、膣内および舌下、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸腔内、肺内および鼻内経路を含む、非経口を含む、多様な経路によって投与することができる。製剤は、適切な場合、便宜上、個別の単位剤形で提示することができ、薬局に周知の任意の方法で調製することができる。そのような方法は、ベクターを液体担体、固体マトリクス、半固体担体、微細個体担体、またはそれらの組み合わせと関連させ、その後、必要に応じて、生成物を望ましい送達システムに導入または形付けるステップを含むことができる。
遺伝子療法ベクターを含有する製剤処方は、周知であり、容易に入手可能な成分を使用して、当技術分野で周知の方法によって調製することができる。例えば、薬剤は、一般的な賦形剤、希釈剤、または担体とともに処方し、錠剤、カプセル、懸濁液、粉末等に形成することができる。本発明のベクターは、例えば、筋肉内、皮下、または静脈内経路によって、便利な経口投与のためにエリキシル剤または溶液としてか、または非経口投与のために適切な溶液として処方することもできる。
ベクターの製剤処方は、水性または無水溶液もしくは分散液の形、または代替として、乳液または懸濁液の形を取ることもできる。
そのため、ベクターは、非経口投与(例えば、注入、例えば、ボーラス注入または連続輸注によって)のために処方することができ、アンプル、薬剤充填済み注射器、少量輸注容器における単位剤形、または保存料を添加した複数回投与容器で提示することができる。活性成分は、油性または水性媒体において、懸濁液、溶液、または乳液として、そのような形を取ることができ、懸濁、安定および/または拡散剤等の調剤に必要な薬剤を含有することができる。代替として、活性成分は、使用前の、好適な媒体、例えば、滅菌されたピロゲンのない水との構成のための、滅菌固体の無菌分離または溶液からの凍結乾燥によって得られた、粉末形であり得る。
これらの製剤は、従来技術において周知の薬学的に許容される媒体およびアジュバントを含有することができる。例えば、生理学的観点から許容される1つ以上の有機溶媒を使用して、溶液を調製することが可能である。
吸入によって上(鼻)または下気道への投与に対して、ベクターは、便宜上、吸入器、噴霧器または加圧パック、もしくはエアゾールスプレーを送達する他の便利な手段から送達される。加圧パックは、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の好適なガス等の好適な高圧ガスを含むことができる。加圧エアゾールの場合、用量単位は、計量された量を送達するためのバルブを提供することによって決定することができる。
代替として、吸入または吹送による投与に対して、組成物は、乾燥粉末、例えば、治療薬およびラクトースまたはスターチ等の好適な粉末ベースの粉末混合物の形を取ることができる。粉末組成物は、粉末が、吸入装置、吸入器、または定量噴霧器の援助とともに投与することができる、例えば、カプセルまたはカートリッジ、もしくは例えば、ゼラチンまたはブリスター包装における単位剤形で提示することができる。
鼻内投与に対して、ベクターは、プラスチックアトマイザー容器または定量噴霧器を介す等、点鼻剤、液体スプレーを介して投与することができる。典型的なアトマイザーは、Mistometer(Wintrop)および Medihaler(Riker)である。
ベクターの局所送達は、疾患の部位に、または近くにベクターを投与する多様な技術によっても行うことができる。部位特異的または標的局所送達技術の例は、限定する意図ではないが、利用可能な技術を反映したものである。例は、輸注または留置カテーテル等の局所送達カテーテル、例えば、針輸注カテーテル、シャントおよびステント、もしくは他の埋め込み型装置、部位特異的担体、直接注入、または直接適用を含む。
局所的投与に対して、ベクターは、標的部分への直接適用のために当技術分野で周知のように処方することができる。この目的のための従来の形は、創傷包帯、被覆包帯または他のポリマー被膜剤、軟膏、クリームローション、ペースト、ゼリー、スプレー、およびエアゾール、ならびに歯磨粉およびマウスウォッシュの中、または他の好適な形によるものを含む。軟膏およびクリームは、例えば、好適な増粘および/またはゲル化剤を添加した水性または油性ベースで処方することができる。ローションは、水性または油性ベースで処方することができ、一般的に、1つ以上の乳化剤、安定剤、拡散剤、懸濁剤、増粘剤、または着色剤も含有する。活性成分は、例えば、米国特許第4,140,122号、同第4,383,529号、または同第4,051,842号において開示されるイオン導入法を介して送達することもできる。局所的製剤に存在する本発明の治療薬の重量パーセントは、様々な要因に依存するが、概して、製剤の総重量の0.01%から95%、典型的には0.1〜25重量%である。
必要に応じて、上記に記載の製剤は、例えば、天然ゲル、合成ポリマーゲル、またはそれらの混合物を含む、ある親水性ポリマーマトリクスとの組み合わせによって、使用される活性成分の持続放出を与えるために適合することができる。
点眼剤または点鼻剤等の滴下は、1つ以上の拡散剤、可溶化剤、または懸濁剤も含む水性または非水性ベースで処方することができる。液体スプレーは、便宜上、加圧パックから送達される。滴下は、簡易な蓋付き点眼ボトル、または特殊形状の閉じ具を介して液体量を滴下で送達するように適合されるプラスチックボトルを介して送達することができる。
ベクターは、口または喉における局所的投与のために、さらに処方することができる。例えば、活性成分は、通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガカントである風味ベースをさらに含むトローチ剤、ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシア等の不活性のベースにおける組成物を含むトローチ、好適な液体担体における、本発明の組成物を含むマウスウォッシュ、および本発明の組成物を含むペーストおよびゲル、例えば、歯磨粉またはゲルとして処方することができる。
本明細書において記載される製剤および組成物は、抗菌剤または保存料等の他の成分も含有することができる。
すべての刊行物、特許、特許文書は、参照することにより個別で組み込まれるかのように、参照することにより本明細書に組み込まれる。本発明は、様々な特定であり、好ましい実施形態および技術を参照して記載される。しかし、当然のことながら、本発明の精神および範囲内に留まりつつ、多くの変更および修正を行うことができる。

Claims (30)

  1. 生体内の組織の光学的アブレーションのためのカテーテルであって、該カテーテルは、
    遠位端と、
    近位端と、
    該遠位端と該近位端との間に連結される細長いカテーテル本体と、
    該遠位端にあり、アブレーション光を発するように構成される発光装置であって、該発光装置は、遺伝子産物に対する核酸配列に動作可能に結合される、光学的に調節可能な転写制御要素を調節するように選択される特徴を有し、細胞内における該遺伝子産物の発現は、細胞を直接的または間接的に死滅させる、発光装置と、
    該発光装置に連結され、効果的に照射される領域を制御するように構成される投影制御機構であって、該光学的に調節可能な転写制御要素は、該発光装置から投影される該アブレーション光によって効果的に調節可能である、投影制御機構と
    を備える、カテーテル。
  2. 前記発光装置は、300乃至1500ナノメートルの波長を有する光を発するように構成され、前記光学的に調節可能な転写制御要素を調節するように選択される、請求項1に記載のカテーテル。
  3. 前記発光装置は、前記アブレーション光を発するように構成され、前記細長いカテーテル本体内に延在する電導体を備える、1つ以上の発光ダイオード(LED)と、前記近位端にあり、該電導体を介して該1つ以上のLEDに接続される、電気コネクタとを備える、請求項1または2に記載のカテーテル。
  4. 前記発光装置は、前記近位端において受光される前記アブレーション光を伝達するように構成され、光ファイバーケーブルと、該近位端にあって該光ファイバーケーブルに接続される、光コネクタとを備える、請求項1または2に記載のカテーテル。
  5. 前記発光装置は、細長い発光装置を備え、前記投影制御機構は、該細長い発光装置を覆う不透明遮蔽体と該遮蔽体上のスリットとを備え、前記アブレーション光は、該スリットを通して前記光投影機から投影される、請求項1または2に記載のカテーテル。
  6. 前記発光装置は、複数の発光装置を備え、前記投影制御機構は、前記遠位端に連結されるメッシュバルーンを備え、該発光装置は、該メッシュにわたって分布する、請求項1から5のうちのいずれか一項に記載のカテーテル。
  7. 前記投影制御機構は、前記効果的に照射された領域を調整可能に制御するように構成される、調整可能な投影制御機構を備え、該調整可能な投影制御機構は、
    前記発光装置に連結される遠位投影制御装置と、
    前記近位端にあり、該近位端から該効果的に照射された領域の制御を可能にするように構成される近位投影制御装置と、
    前記細長い本体内に延在し、該遠位投影制御装置と該近位投影制御装置との間に連結される投影制御リンクと
    を含む、請求項1から6のうちのいずれか一項に記載のカテーテル。
  8. 前記遠位投影制御装置は、前記発光装置に連結され、前記アブレーション光の投影を制御するように構成される隔壁であって、該発光装置から投影される光の量を決定するように構成される調整可能な開口部を含む、隔壁を備える、請求項7に記載のカテーテル。
  9. 前記発光装置は、細長い発光装置を備え、前記遠位投影制御装置は、該細長い発光装置の少なくとも一部を包囲する格納式不透明スリーブを備え、該格納式不透明スリーブは、該細長い発光装置上を摺動して、該細長い発光装置から投影される前記光の量を決定するように構成される、請求項7に記載のカテーテル。
  10. 前記遠位投影制御装置は、前記光学的アブレーションカテーテルの前記遠位端に連結される透明気泡と、前記発光装置に接続される光配置装置であって、該発光装置が透明気泡の中に調整可能に配置されることを可能にするように構成される、光配置装置とを備える、請求項7に記載のカテーテル。
  11. 前記気泡は、肺静脈口への光の送達のために適している、請求項10に記載のカテーテル。
  12. 前記遠位投影制御装置は、前記光学的アブレーションカテーテルの一部に沿って摺動するように構成される光配置装置を備え、前記発光装置は、該光配置装置上に取り付けられる、請求項7に記載のカテーテル。
  13. 1つ以上の生理学的信号の感知を可能にするように構成される感知装置であって、前記遠位端に1つ以上の電極を含む、感知装置をさらに備える、請求項7から12のうちのいずれか一項に記載のカテーテル。
  14. 前記遠位端に磁場位置センサを含み、該遠位端の位置を示す位置信号を感知するように構成される、位置装置をさらに備える、請求項1から13のうちのいずれか一項に記載のカテーテル。
  15. 前記遠位端に熱エネルギー放射体を含み、無線周波数(RF)信号を使用して前記組織を切除するために好適な熱エネルギーを生成するように構成される、RFアブレーション装置をさらに備える、請求項1から14のうちのいずれか一項に記載のカテーテル。
  16. 冷凍アブレーション装置をさらに備える、請求項1から15のうちのいずれか一項に記載のカテーテル。
  17. 生体内の組織の光学的アブレーションのためのカテーテルを含むシステムであって、該カテーテルは、
    遠位端と、
    近位端と、
    該遠位端と該近位端との間に連結される細長いカテーテル本体と、
    該遠位端にあり、アブレーション光を発するように構成される発光装置であって、該発光装置は、遺伝子産物に対する核酸配列に動作可能に結合される、光学的に調節可能な転写制御要素を調節するように選択される特徴を有する、発光装置と、
    該発光装置に連結され、効果的に照射される領域を制御するように構成される投影制御機構であって、該領域において、該光学的に調節可能な転写制御要素は、該発光装置から投影される該アブレーション光によって効果的に調節可能である、投影制御機構と、
    2つの発現カセットであって、第1の発現カセットは、自殺酵素をコード化する核酸配列に動作可能に結合される、該光学的に調節可能な転写制御要素を備え、第2の発現カセットは、伝導の抑制物質をコード化する核酸配列に動作可能に結合される、該光学的に調節可能な転写制御要素を含む、発現カセットと
    を備える、システム。
  18. AFを予防、抑制、または治療する方法であって、
    AFがあるか、またはその危険性がある哺乳類に、遺伝子産物に対する核酸配列に動作可能に結合される、装置調節可能な転写制御要素を備える、発現カセットを備える組成物を投与することであって、細胞におけるその遺伝子産物の発現は、該細胞を直接的または間接的に死滅させ、該装置からの調節信号は、該調節可能な転写制御要素からの発現を増加させる、ことと、
    該哺乳類の選択された心臓部に、有効量の該調節信号を送達することと
    を含む、方法。
  19. 前記調節可能な転写制御要素は、1つ以上の選択された波長の光によって調節可能である、請求項18に記載の方法。
  20. カテーテルは、前記調節信号を送達する、請求項18または19に記載の方法。
  21. 前記遺伝子産物は、自殺酵素をコード化し、前記組成物は、伝導の抑制物質をコード化する核酸配列に動作可能に結合される、装置調節可能な転写制御要素を備える、第2の発現カセットをさらに備える、請求項18から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記第2の発現カセットを有する細胞における電気生理学試験によって誘導される伝導が、抑制されるか否かを検出することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記自殺酵素によって毒素に変換されるプロドラッグを投与することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
  24. 心房細動(AF)を予防、抑制、または治療する方法であって、
    AFがあるか、またはその危険性がある哺乳類に、ケージされた光解離性毒素を投与することと、
    有効量の1つ以上の選択された波長の光を、該哺乳類の選択された心臓部に送達することと
    を含む、方法。
  25. 前記光は、カテーテルによって送達される、請求項24に記載の方法。
  26. AFを予防、抑制、または治療する方法であって、
    AFがあるか、またはその危険性がある哺乳類に、第1の部分と第2の部分とを送達することであって、該第1の部分は、細胞毒性薬に結合される感光性リンカーに結合される発色団またはフルオロフォアに結合されるヘアピンを形成する、ヌクレオチド配列を有する第1のオリゴヌクレオチドに結合される、消光剤を備え、該第2の部分は、該第1のオリゴヌクレオチドにおいて該ヌクレオチド配列を有する二本鎖塩基対分子を形成することが可能である、第2のオリゴヌクレオチドを備える、ことと、
    細胞に1つ以上の選択された波長の光を送達して、有効量の細胞毒性薬を産出する該感光性リンカーを開裂する、ことと
    を含む、方法。
  27. 前記第1の部分は、前記フルオロフォアを備える、請求項26に記載の方法。
  28. 前記哺乳類の前記細胞において蛍光を検出することと、
    蛍光を発する細胞に前記1つ以上の選択された波長の光を送達することと
    をさらに含む、請求項27に記載の方法。
  29. AFを予防、抑制、または治療する方法であって、
    AFがあるか、またはその危険性がある哺乳類に、第1の部分と第2の部分とを投与することであって、該第1の部分は、細胞毒性薬に結合される感光性リンカーに結合されるヘアピンを形成する、ヌクレオチド配列を有する第1のオリゴヌクレオチドに結合される、消光剤を備え、該第2の部分は、該第1のオリゴヌクレオチドにおいて該ヌクレオチド配列を有する二本鎖塩基対分子を形成することが可能である、第2のオリゴヌクレオチドを備え、該第2の部分の非存在下において、該消光剤は、該リンカーを開裂することが可能な光を遮断する、ことと、
    細胞に1つ以上の選択された波長の光を送達して、有効量の細胞毒性薬を産出し、該感光性リンカーを開裂することと
    を含む、方法。
  30. 前記第2の部分は、前記第1の部分の後に投与される、請求項29に記載の方法。
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