JP2010535525A - 酵素反応においてサンプル中でcDNAを合成するための方法 - Google Patents

酵素反応においてサンプル中でcDNAを合成するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、酵素反応においてサンプル中でcDNAを合成するための方法であって、以下の工程:ターミナルトランスフェラーゼ活性を有する第1酵素、逆転写酵素活性を有する第2酵素、バッファー、少なくとも1つのリボヌクレオチド、少なくとも1つのデオキシリボヌクレオチド、アンカーオリゴヌクレオチド、ならびに酵素および生成されたcDNAの増幅のための試薬を同時に供給する工程、リボ核酸を含むサンプルを添加する工程、ならびに、第1酵素および第2酵素が活性を示すように選ばれる1以上の温度工程において、先行する工程からの作用物質をインキュベートする工程、を含むことを特徴とし、また、増幅が同じ反応混合物において起こることを特徴とする方法に関する。本発明は更に、ポリアデニル化活性を有する第1酵素、逆転写酵素活性を有する第2酵素、任意にバッファー、任意に少なくとも1つのリボヌクレオチド、任意に少なくとも1つのデオキシリボヌクレオチド、任意にアンカーオリゴヌクレオチドおよびDNA合成活性を有する酵素、を含む反応混合物に関する。

Description

本発明は、分子生物学の分野、およびこの分野の研究に関し、また、ヒトおよび非ヒトの診断学にも関する。
非ポリアデニル化RNA分子、例えば、細菌RNA、または、小型RNA、例えば、いわゆるミクロRNA(miRNA)の分析は、難しく、かつ特殊な方法を必要とする。最近、ある可能な方法が文献に記載された。この方法は、連続的な、すなわち、ポリ(A)ポリメラーゼ、および適切な基質、典型的にはATPによるRNAの「テーリング(tailing)」が先ず実施されるいくつかの酵素工程を含む。その後、ポリ(A)反応を停止させ、反応産物を精製する。その後、生成されたポリ(A)RNAに対し逆転写酵素反応を施し、適切なプライマーで転写してcDNAとする。
これら二つの連続酵素反応の実施は複雑であり、かつ、多数の誤差原因、例えば、ヌクレアーゼの導入、材料の損失、またはピペッティングエラーがある。
ミクロRNA(miRNA)は、約20〜25ヌクレオチドのサイズで変化し、新規クラスのノンコーディーングRNAに相当する。
それらは、いわゆる「ヘアピン前駆体」によって処理され、遺伝子発現において陰性調節因子として働くことができる。したがって、それらは、多数の遺伝子を下方制御する(非特許文献1)。miRNAは先ず長い「一次転写物」として転写される(それらも一次miRNAと呼ばれる)(非特許文献2)。次に、これらの「一次転写物」は、約70ヌクレオチド長に短くされる。いわゆる「ステムループ構造」の形成があり、これらの構造は「プレmiRNA」とも呼ばれる。プレmiRNAは、細胞質中に輸送される。この輸送酵素はエキスポーティン5(exportin-5)と呼ばれる。ここで、それらはさらに処理され、このようにして、約22ヌクレオチド長の、成熟miRNAの形成が行われる(非特許文献3)。ごく最近の研究から、miRNAは、発達および分化において重要な役割を果たすことが示唆されている。基本的には、ミクロRNAは、二つの異なるやり方で調整活動を実施することが可能である。植物では、miRNAは、それらの対応するmRNAと正確な相補性によって相補体を形成する。これは、RNA干渉(RNAi)を含むメカニズムによって標的mRNAの破壊をもたらす。動物では、miRNAは、Lin−4およびLet−7を含むメカニズムによって遺伝子発現を阻止する。ここで、miRNAは、それらの対応するmRNAに対し正確に相補的ではないが、タンパクの合成および機能を妨げる(非特許文献4)。ごく最近発見されたこのmiRNAの果たす決定的役割を考慮すると、それらの検出および/または分析も決定的役割を有する。
真核生物では、18S、5.8S、および25/28S rRNAの合成は、核小体における、いわゆる前駆体rRNA(プレrRNA)の修飾をもたらす処理を含む。rRNA生合成におけるこの複雑なプロセスは、核小体に集積する、たくさんの小さな、いわゆる「核小体小型RNA」(snoRNA)を含む。それらは、これをいわゆる小型核小体リボ核酸タンパク粒子(snoRNP)の形状において行う(非特許文献5)。
今日までに特徴解明されたsnoRNAは、RNase MRPを例外として、全て二つのファミリーに分類することができる。これらは、ボックスc/D、およびボックスh/ACAスローRNAで、その共通配列モチーフによって区別することができる(非特許文献6)。snoRNA遺伝子のゲノム構成は、種々の真核生物において大きな多様性を示す。脊椎動物では、多くのsnoRNAは、「宿主遺伝子」を介してイントロンの中に挿入される。U3などの例外は、独立に転写される。酵母では、イントロンの中に挿入されるsnoRNAもあるが、大多数のsnoRNAは、個別遺伝子として、それ自身のプロモーターによって転写される。snoRNAクラスター遺伝子は、上流で共通プロモーターによって転写される。サイズが小さいこと、およびポリアデニル化を欠如することから、snoRNAの検出および/または分析は、分子生物学にとって克服すべき大きな課題となっている。
PCRは、微生物の研究のために多用されるツールであり、しばしば、16S rRNAの分析にも使用される。しかしながら、微生物サンプルにおける新規遺伝子の発見は、プライマー合成がごく僅かな程度に限られるため、制限される。したがって、16S RNA遺伝子用のプライマーは、培養微生物から既に知られる配列から誘導される(非特許文献7)。これまで知られていない生物から16S rRNAを抽出するに当たり、我々は既知の配列を再分類することを系統的に行っているために、微生物の多様性が非常に過小評価され、単離されない可能性がある。
16S rRNA分子が苦労してようやく単離可能となるのと同様、原核生物mRNA分子も、配列知識の欠如、特に、ポリ(A)テール(tail)の欠如のために苦労してようやく単離が可能となる。
従来技術において2段階プロセスが知られる。この方法では、酵素ポリ(A)ポリメラーゼおよび基質アデノシン三リン酸の助けを借りてRNA分子が転換され、これによって、ポリアデニル化リボ核酸分子が形成される。このようにして得られたポリアデニル化リボ核酸分子は、第3工程において逆転写が行われる前に、更なる工程において精製される。逆転写は、ポリアデニル化テールを取り込み、その際、通例として、ポリアデニル化RNAテールに対して相補的なポリ(T)オリゴヌクレオチドに対しホモポリマー状オリゴヌクレオチドを添加する。ここで、ポリ(T)オリゴヌクレオチドの3'−末端は、ポリメラーゼによって、現存のリボ核酸鎖に対して相補的な、デオキシリボ核酸鎖を調製するために用いられる。こうして得られる鎖は、「第1鎖cDNA」と呼ばれる。このcDNAは、ランダムプライマーか、またはそれに代わるものとして特異的プライマーを用いて、増幅産物を生成するためにPCR反応に使用することができる。Shiらは、特に、PCRにおいてアダプター特異的プライマーを用いる、オリゴdTアダプター−プライマーによるmiRNA検出を教示している(非特許文献8)。
Ambros, V., 2001, MicroRNAs: Tiny regulators with great potential, Cell 107, 823-826 Lee, Y., Jeon, K.ら, 2002, MicroRNA maturation: stepwise processing in subcellular localization, Embo J. 21, 4663-4670 Lee, Y., ら, 2003, The nuclear RNA's III Drosha initiates microRNA processing, Nature 425, 415-419 Ambros, V., 2004, The functions of animal microRNAs, Nature, 431, 350-355 Maxwell, E.S.ら, 1995, The small nucleolar RNAs, Annual Review Biochem., 35, 897-934 Ballakin, A.D. ら, 1996, The RNA world of the nucleolus: two major families of small nucleolar RNAs defined by different box elements with related functions, Cell, 86, 823-83 Olson, D.J., 1986, Microbial ecology and evolution: A ribosomal RNA approach, Annu. Rev. Microbial. 40: 337-365 Shi, R.およびChiang, V.L., Facile means for quantifying microRNA expression by real-time PCR,Biotechniques, 2005, 39, 519-25
ごく最近発表されたこの方法は、前述の特定のリボ核酸分子に関して決定的欠点を有する。
したがって、一般に、この2段階法は汚染物の導入を招く。精製工程は、希少なRNAの損失を招く。2段階法は、第1酵素の不活性化、ならびに、第1および第2酵素のためにインキュベーション時間を必要とする。これらは、合わさると、きわめて長時間を要する。さらに、2段階法は、2個以上のサンプルが同時に処理される場合、サンプル同士を混同する危険性があるという欠点を有する。
従来技術において周知のように、リボ核酸は、ヌクレアーゼによる攻撃に関する限り、比較的感受性が高い。2段階法は、特に、第1プロセス後の精製工程は、ヌクレアーゼを導入する危険性を含む。最後に、二つ以上の工程は、常に、ピペッティングエラーの危険性の増大を意味する。
したがって、本発明によって解決される課題は、cDNA合成を可能とし、汚染をほとんど阻止し、比較的時間がかからず、サンプル混同の危険性を最小化し、ヌクレアーゼ導入の危険性を最小化し、最後にピペッティングエラーの危険性をほとんど排除する方法を提供することである。
この課題は、酵素反応においてサンプル中でcDNAを合成するための方法であって、以下の工程:
(a)ポリアデニル化活性を有する第1酵素、逆転写酵素活性を有する第2酵素、バッファー、少なくとも1つのリボヌクレオチド、少なくとも1つのデオキシリボヌクレオチド、アンカーオリゴヌクレオチドを同時に調製する工程、(b)リボ核酸を含むサンプルを添加する工程、および(c)第1酵素および第2酵素が活性を示すように選ばれる、1以上の温度工程において、工程(a)および(b)からの作用物質(agents)をインキュベートする工程を含む方法によって解決される。
これまで、酵素によるポリアデニル化および逆転写の組み合わせが、技術的に可能であるかについては疑念があった。このことは、ごく最近でも、すなわち、分析および単離に関する分子生物学上の大きな課題の象徴であるミクロRNAおよびsnoRNAの発見後においてもなお、酵素反応が常に連続的に行われていたという事実からも見て取ることができる(Want, J.F.ら, Identification of 20 microRNAs from Oryza sativa, Nucleic Acid Res, 2004, 32, 1688-95; Shi, R.およびChiang, V.L., Facile means for quantifying microRNA expression by real-time PCR, Biotechniques, 2005, 39, 519-25; Fu H.ら, Identification of human fetal liver miRNAs by a novel method; FEBS Lett, 2005, 579, 3849-54; Chen, C.L. ら, The high diversity of snoRNAs in plants: identification and comparative study of 120 snoRNA genes from Oryza sativa, Nucleic Acids Res, 2003, 31, 2601-13; Botero, L.M.ら, Poly(A) polymerase modification and reverse transcriptase PCR amplification of environmental RNA, Appl. Environ Microbiol, 2005, 71, 1267-75)。驚くべきことに、二つの方法、即ち、ポリアデニル化および逆転写は共に、当業者には既に長く知られていた(Sano, H.およびFeix, G., Terminal riboadenylate transferase from Escherichia coli. Characterization and application, Eur. J. Biochem., 1976, 71, 577-83)。当業者は、これまで通例として、ポリ(A)テール形成工程の後で、反応産物を精製していた(Shi, R.ら, Facile means for quantifying microRNA expresssion by real-time PCR, Biotechniques, 2005, 39, 519-25)。この理由は、二つが、反応に必要とされる反応バッファーおよび基質の組成において顕著に異なることにある。
本発明のもう一つの目的は、cDNA合成を可能にし、任意に、この反応を、同じ反応容器において生成されたcDNAの特異的検出を可能とする第3の酵素反応と結合させる、簡単な方法を提供することである。この「3−イン−1(3-in-1)」法は、操作がきわめて簡単であるために、一つ、または少数の分析対象のために多数のサンプルを分析しなければならない場合特に利点を発揮する。その理由は、例えば、リアルタイムPCRと結合された場合、多数サンプルを分析するための、きわめて単純で、高速な方法となるからである。したがって、操作および汚染はほとんど回避され、そのため、比較的時間がかからず、サンプル混同のリスクを最小化し、ヌクレアーゼの導入リスクを最小化し、最後に、ピペッティングエラーのリスクをほとんど排除する。これらの利点は診断学においてはきわめて重要である。
「3−イン−1」反応の課題は、その後もう一つの酵素反応、任意に増幅が行われ、任意に増幅時にリアルタイムで、または続いて行われる検出と組み合わせられる、酵素反応においてサンプル中でcDNAを合成するための方法であって、以下の工程:
(a)ポリアデニル化活性を有する第1酵素、逆転写酵素活性を有する第2酵素、バッファー、少なくとも1つのリボヌクレオチド、少なくとも1つのデオキシリボヌクレオチド、アンカーオリゴヌクレオチド、核酸合成活性を有する少なくとも1つの第3酵素、少なくとも一つのプライマー、任意にプローブ、を同時に調製する工程、(b)リボ核酸を含むサンプルを添加する工程、および(c)第1酵素および第2酵素が活性を示し、任意に第3酵素が活性または不活性となるように選ばれる、1以上の温度工程において、工程(a)および(b)からの作用物質をインキュベートすることを含む方法によって解決される。任意に、この後に、第1および第2酵素がほとんど活性を持たなくなるか、不活性になり、かつ第3酵素が活性になる、1以上の温度工程が行われる。
インビボで使用されるポリ(A)ポリメラーゼの基質は、アデノシン三リン酸(ATP)である。いくつかのポリ(A)ポリメラーゼに関しては、基質として他のNTPによる短いテールの付着も可能であることが示されている(Martin, G.およびKeller, W., Tailing and 3'-end labeling of RNA with yeast poly(A) polymerase and various nucleotides, RNA, 1998, 4, 226-30)。
本発明の発明者らは、驚くべきことに、いくつかの前提条件下に、一つの反応容器において、二つの非常に異なる酵素反応を同時に起こすことが可能であることを見出した。本発明の好ましい態様では、サンプルは、原核生物リボ核酸、真核生物リボ核酸、ウイルスリボ核酸、その起源が古細菌であるリボ核酸、ミクロ−リボ核酸(miRNA)、核小体小型リボ核酸(snoRNA)、メッセンジャーリボ核酸(mRNA)、転移リボ核酸(tRNA)、非ポリアデニル化リボ核酸全般、およびリボソームリボ核酸(rRNA)、さらに、上記リボ核酸の二つ以上の混合物、を含む群から選ばれるリボ核酸である。もちろん、サンプルは、既にポリ(A)RNAを含んでいてもよい。
本発明の特に好ましい態様では、サンプルは、原核生物リボ核酸、miRNA、snoRNA、およびrRNAを含む群から選ばれるリボ核酸である。本発明のもっとも好ましい態様では、サンプルは、miRNAおよびsnoRNAを含む群から選ばれるリボ核酸を含む。さらに、異なる種類の、種々の量のリボ核酸からの混合サンプルに、他の物質が付随することが好ましい。
さらに、本発明の発明者らは、いくつかの前提条件下に、一つの反応容器において、二つの非常に異なる酵素反応を同時に起こすことが可能であり、さらに、これを、生成されるcDNAの特異的検出のために、第3の酵素反応、好ましくは核酸合成活性である反応と結合させることが可能であることを見出した。本発明の好ましい態様では、サンプルは、原核生物リボ核酸、真核生物リボ核酸、ウイルスリボ核酸、その起源が古細菌であるリボ核酸、ミクロリボ核酸(miRNA)、核小体小型リボ核酸(snoRNA)、メッセンジャーリボ核酸(mRNA)、転移リボ核酸(tRNA)、非ポリアデニル化リボ核酸全般、およびリボソームリボ核酸(rRNA)、さらに、上記リボ核酸の二つ以上の混合物、を含む群から選ばれるリボ核酸である。もちろん、サンプルは、既にポリ(A)RNAを含んでいてもよい。
本発明の特に好ましい態様では、サンプルは、原核生物リボ核酸、miRNA、snoRNA、およびrRNAを含む群から選ばれるリボ核酸である。本発明のもっとも好ましい態様では、サンプルは、miRNAおよびsnoRNAを含む群から選ばれるリボ核酸を含む。さらに、異なる種類の、種々の量のリボ核酸から得られる混合サンプルに、他の物質が付随することが好ましい。
本発明による方法のこれらの利点に基づき、本発明者らは、miRNAを、効率的に、汚染無しに、調製し、特徴解明することが可能であることを示すことができた。
本発明の一態様では、アンカーオリゴヌクレオチドは、ポリ(A)オリゴヌクレオチド、ポリ(C)オリゴヌクレオチド、ポリ(T)オリゴヌクレオチド、ポリ(G)オリゴヌクレオチド、ポリ(U)オリゴヌクレオチド、さらに5’−テールを含むポリ(A)オリゴヌクレオチド、5’−テールを更に含むポリ(C)オリゴヌクレオチド、5’−テールを更に含むポリ(T)オリゴヌクレオチド、5’−テールを更に含むポリ(G)オリゴヌクレオチド、および、5’−テールを更に含むポリ(U)オリゴヌクレオチドを含む群から選ばれる、ホモポリマー状オリゴヌクレオチドである。既に上述したとおり、任意に5’−テールを有し得るポリ(T)オリゴヌクレオチドが好ましい。
本発明によるアンカーオリゴヌクレオチドは、一般に、6〜75ヌクレオチド長である。しかし、最大約150ヌクレオチド長であり得る。アンカーオリゴヌクレオチドが合成されたものである場合、最大長は、DNA合成の技術的限界に従う。任意に、アンカーオリゴヌクレオチドは、5’−テールおよび/またはアンカー配列を含む。5’−テールは、例えば、クローニング配列、プライマーおよび/またはプローブ結合部位、またはその他の任意の配列の導入に使用される、当該オリゴヌクレオチドの5’−末端における、追加のヌクレオチド配列である。5’−テールのために適切な配列を特定することは、当業者であれば、特定用途の要求に基づいて行うことが可能である。
通常、さらに1から5個のヌクレオチド長を加える、付加的アンカー配列は、該アンカーオリゴヌクレオチドの3’−末端に含まれ得る。アンカー配列は、少なくとも一塩基長を持つことが可能であるが、好ましい態様では、第1位置は、該アンカーオリゴヌクレオチドのホモポリマー部位に使用される塩基以外の全ての塩基を含む、縮重塩基(degenerate base)である。この後にさらに別の塩基が続いてもよい。これらも縮重されていてよい。好ましい態様では、ここでゆらぎ(wobble)塩基Nを用いるのが理に適う。ここで、N=A、C、G、T、または、対応するアナログである。
一般に、アンカーオリゴヌクレオチドは、デオキシリボ核酸(DNA)である。しかしながら、アンカーオリゴヌクレオチドはまた、ペプチド核酸(PNA)であってもよい。ロックド(Locked)核酸(LNA)、ホスホロチオエートデオキシリボ核酸、シクロヘキセン核酸(CeNA)、N3’−P5’−ホスホロアミダイト(NP)、トリシクロ−デオキシリボ核酸(tcDNA)も可能である。しかしながら、デオキシリボ核酸(DNA)であるアンカーオリゴヌクレオチドが好ましい。選ばれた条件下でRNAまたはDNAにハイブリダイズすることが可能な、RNAとDNAの混合物、または、一つ以上の修飾核酸またはアナログの混合物、および、その他の修飾物、例えば、対応する塩基アナログの混合物も可能である。特に好ましい態様では、アンカーオリゴヌクレオチドは、5’−テールを更に含む、ポリ(T)オリゴヌクレオチドであり、デオキシリボ核酸であり、15−150ヌクレオチド長を持ち、混合物の形状を取る。通常、さらに1から5ヌクレオチド長を持つ、付加的アンカー配列は、該アンカーヌクレオチドの3’−末端に含まれてもよい。このアンカー配列は、少なくとも1塩基長を持ち、好ましい態様では、第1位置は縮重塩基であり、これは、該アンカーオリゴヌクレオチドのホモポリマー部位において使用される塩基以外の全ての塩基を含む。この後に、さらに別の塩基が続いてもよい。これらも縮重であってもよい。好ましい態様では、ゆらぎ塩基Nの使用が理に適っており、ここで、N=A、C、G、T、または、対応するアナログである。
例えば、我々は、本発明による下記のアンカーオリゴヌクレオチドを挙げることができる:
例1(配列番号10): 5' TGG AAC GAG ACG ACG ACA GAC CAA GCT TCC CGT TCT CAG
CC (T)xVVN 3'
例2(配列番号11): 5' AACGAGACGACGACAGAC(T)xVN 3'
例3(配列番号12): 5' AACGAGACGACGACAGAC(T)xV 3'
例4(配列番号13): 5' AACGAGACGACGACAGAC(T)xN 3'
例5(配列番号14): 5' AACGAGACGACGACAGAC(T)xNN 3'
例6(配列番号15): 5' AACGAGACGACGACAGAC(T)xVNN 3'
例7(配列番号16): 5' AACGAGACGACGACAGAC(T)xVNNN 3'
例8(配列番号17): 5' AACGAGACGACGACAGAC(T)xNNN 3'
例9(配列番号18): 5' TGG AAC GAG ACG ACG ACA GAC CAA GCT TCC CGT TCT CAG
CC(T)xVN 3'
例10(配列番号19): 5' TGG AAC GAG ACG ACG ACA GAC CAA GCT TCC CGT TCT CAG
CC(T)xVNN 3'
Xは、好ましくは10から30塩基である。
VおよびNは、縮重塩基を表す一文字コードであり、V=A,C,G;N=A,
C,G,Tである。
当業者であれば、他の適切な5’−テール配列を特定することが可能であろう。
任意の5’−テールは、さらに1−100ヌクレオチドを含み、これは、その後の分析のために適用することが可能である。したがって、好ましい態様では、5’−テールは、オリゴヌクレオチドに対する結合配列、例えば、一つ以上のDNAプローブおよび/または一つ以上のPCRプライマーを含むことができる。5’−テールのために使用される配列は、本発明による方法と適合するように選ばれることが好ましい。これは、例えば、本発明による方法においても、その後の分析においても、望ましくない副反応を引き起こすことのない配列の選択を含む。
本発明によるアンカーオリゴヌクレオチドを図12に示す。
基本的に、本発明による酵素反応は、担体、または容器の中で起こる、すなわち、反応は、反応容器において起こることが可能である。前記反応容器は、リアクターチューブ、または、例えば、マイクロタイタープレートであることができる。反応はチップ上で起こってもよい。反応がチップ上で起こる場合、一つ以上の成分を固定してもよい。反応は、試験ストリップの上、またはマイクロ流体システムの中で起こってもよい。担体または容器に関しては、非常に多くの態様が当業者には知られている。
好ましい態様では、リボヌクレオチドは、アデノシン−5’−三リン酸、チミジン−5’−三リン酸、シトシン−5’−三リン酸、グアニン−5’−三リン酸、および/またはウラシル−5’−三リン酸である。リボヌクレオチドはさらに、塩基アナログであってもよい。リボヌクレオチドは、修飾されていても、標識されていてもよい。基本的に、リボヌクレオチドは、基質として、ポリアデニル化活性を持つ酵素によって転換が可能であることが重要である。
本発明によるデオキシヌクレオチドは、デオキシアデノシン−5’−三リン酸(dATP)、デオキシチミン−5’−三リン酸(dTTP)、デオキシシトシン−5’−三リン酸(dCTP)、デオキシグアノシン−5’−三リン酸(dGTP)、デオキシウラシル−5’−三リン酸(dUTP)、および修飾されたデオキシヌクレオチドおよび標識化デオキシヌクレオチドを含む群から選択することができる。上記に加えてさらに、または上記に代えて、汎用塩基または塩基アナログを含む、一つ以上のデオキシリボヌクレオチドが使用される用途も考慮の対象とされる。本発明を実施するためには、使用されるデオキシリボヌクレオチドが、cDNA合成を可能にすることが重要である。
本発明によれば、dATP、dCTP、dTTP、およびdGTPは、混合物として混在することが好ましい。
本発明によれば、デオキシウラシル−5’−三リン酸も、この混合物において使用することが可能である。これは、実際の反応の後に起こる酵素反応と組み合わせてもよく、ウラシル−DNA−グリコシラーゼを用いると、以後使用されることのない、酵素的に生産された反応産物を分解することができる。
デオキシリボヌクレオチドが標識される場合、標識は、32P、33P、35S、3H、蛍光色素、例えば、フルオレセイン−イソチオシアネート(FITC)、6−カルボキシフルオレセイン(FAM)、キサンテン、ローダミン、6−カルボキシ−2’,4’,7’,4,7−ヘキサクロロフルオロセイン(HEX)、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトジフルオレセイン(dimethodyfluorescein)(JOE)、N,N,N’,N’−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA)、6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、5−カルボキシローダミン−6G(R6G5)、6−カルボキシローダミン−6G(RG6)、ローダミン110;クマリン、例えば、ウムベリフェロン、ベンズイド、例えば、Hoechst 33258;フェナントリジン、例えば、テキサスレッド、臭化エチジウム、アクリジン色素、カルバゾール色素、フェノキサジン色素、ポルフィリン色素、ポリメチン色素、シアニン色素、例えば、Cy3、Cy5、Cy7、BODIPY色素、キノリン色素料、およびアレクサ色素を含む群から選ぶことができる。他のマーカー、例えば、ビオチン、または一つ以上のハプテン、例えば、ジゴキシゲニンの挿入も、核酸の、直接的または間接的検出を可能とする。例えば、抗体による間接的検出は、抗体に結合する酵素による、これも、例えば、酵素的検出である。さらに、間接的検出は、例えば、抗体またはアフィニティーリガンドに結合するナノ粒子を導入することによって行うこともできる。
デオキシリボヌクレオチドは、5’−ホスフェートを介して修飾されてもよく、これにより、より簡単なクローニングが可能となる。反応性基、例えば、アミノリンカー(さらにビオチン)を挿入することによって、デオキシリボヌクレオチドを、例えば、固定することができ、または、直接的もしくは間接的検出のために利用することが可能となる。
特に好ましい修飾物は、蛍光色素、ハプテン、5’−ホスフェート、5’−ビオチン、5’−アミノリンカーを含む群から選ばれる。
本発明によれば、反応におけるデオキシリボヌクレオチドの濃度は、少なくとも0.01 mMであり、最大で10mMである。濃度のために与えられるこの数字は、個々のデオキシリボヌクレオチドの濃度である。好ましい態様の一つでは、デオキシリボヌクレオチド、それぞれの場合において、dATP、dCTP、dGTP、およびdTTPは、0.2mM〜2mMの濃度で存在する。濃度のために与えられるこの数字は、混合物における個々のデオキシリボヌクレオチドの濃度である。本発明の特に好ましい態様では、個々のデオキシリボヌクレオチド、dATP、dCTP、dGTP、およびdTTPは、それぞれの場合において、0.5mMの濃度で存在する。
驚くべきことに、本発明者らは、本発明の目的である一工程酵素反応は、マグネシウムイオン(Mg2+)の存在下で、6〜10の、狭いバッファーpH範囲において起こり得ることを見出した。したがって、好ましい態様では、pHは6〜10である。
特に好ましい態様では、本発明によるバッファーは、6.8〜9のpHを持つ。
本発明の別の態様では、本発明によるバッファーは、Mn2+、K+、NH4+、およびNa+を含む群から選択され得るイオンを更に含む。
本発明によるバッファーは、例えば、MgCl2、MgSO4、酢酸マグネシウム、MnCl2、KCl、(NH42SO4、NH4Cl、NaClを含む。下記はバッファー物質として考慮してよい:トリス(Tris)、トリシン(Tricine)、ビシン(Bicine)、ヘペス(Hepes)、および、本発明によるpH範囲にある他のバッファー物質、または二つ以上の適切なバッファー物質の混合物。
ポリアデニル化活性を有する、いくつかの酵素が当業者に知られている。本発明によれば、これらは、原核生物起源、真核細胞起源、ウイルス起源、および古細菌起源の酵素、ならびに、植物起源の酵素を含む群から選ばれる。
本発明の意味におけるポリアデニル化活性とは、リボ核酸の3’−末端を基質として用い、適切なバッファーにおいて、この3’−末端に酵素的にリボヌクレオチドを、好ましくは少なくとも10〜20のリボヌクレオチドを付加することが可能な酵素活性である。好ましい態様では、酵素は、アデノシン−5’−三リン酸を基質として使用することが可能な酵素である。本発明によれば、これは、1本鎖、および2本鎖RNA、例えば、ヘアピンRNA、例えば、プレmiRNAを用いた場合、本発明の意味において、ポリアデニル化活性を持つ、酵素および反応条件を含む。当業者であれば、分析されるRNAに応じて、1本鎖RNA(例えば、成熟miRNA)、または2本鎖RNA(例えばプレmiRNA)、または両方が分析のために利用可能となるように酵素および反応条件を選ぶであろう。
本発明の意味におけるポリアデニル化活性は、一般に、転写酵素活性である。
好ましい態様では、ポリアデニル化活性を有する酵素は、大腸菌(Escherichia coli)由来のポリ(A)ポリメラーゼ、酵母由来のポリ(A)ポリメラーゼ、ウシ由来のポリ(A)ポリメラーゼ、カエル由来のポリ(A)ポリメラーゼ、ヒトポリ(A)ポリメラーゼ、および植物ポリ(A)ポリメラーゼを含む群から選ばれる酵素である。他のものも当業者に知られているか、または、既知のポリ(A)ポリメラーゼとの相同分析によって新たに特定することが可能である。特に好ましい態様では、ポリアデニル化活性を有する酵素は、大腸菌由来のポリ(A)ポリメラーゼである。
本発明による逆転写酵素活性を有する酵素は、本発明にしたがって、ウイルス、細菌、古細菌、および真核生物由来の酵素、特に、熱安定生物由来の酵素を含む群から選ばれる。これは、例えば、イントロン、レトロトランスポゾン、またはレトロウイルス由来の酵素も含む。逆転写酵素活性を有する酵素は、本発明によれば、適切なバッファー条件下で、リボ核酸に対してハイブリダイズされる、デオキシオリゴヌクレオチドまたはリボオリゴヌクレオチドの3’−末端において、リボ核酸上にデオキシリボヌクレオチドを相補的に取り込むことが可能な酵素である。これは、この機能を生まれながらに持つ酵素、ならびに、それらの遺伝子配列の変化を通じて、例えば、変異誘発、または対応的バッファー条件を通じてのみ、そのような機能を獲得する酵素も含む。
逆転写酵素活性を有する酵素は、HIV逆転写酵素、M−MLV逆転写酵素、EAIV逆転写酵素、AMV逆転写酵素、サーマスサーモフィルス(Thermus thermophilus)DNAポリメラーゼI、M−MLV RNase H、スーパースクリプト(Superscript)、スーパースクリプトII(Superscript II)、スーパースクリプトIII(Superscript III)、モンスタースクリプト(Monsterscript)(エピセンター(Epicentre))オムニスクリプト(Omniscript)、センシスクリプト(Sensiscript)逆転写酵素(キアゲン(Qiagen))、サーモスクリプト(Thermoscript)およびサーモ(Thermo)−X(共にインビトロジェン(Invitrogen))を含む群から選ばれる酵素であることが好ましい。本発明によれば、遺伝子配列の修飾後に初めて酵素として逆転写酵素活性を持つようになる酵素を使用することもできる。誤差精度を向上させた逆転写酵素活性を使用することも可能である。一例として、我々は、アックスクリプト(AccuScript)逆転写酵素(ストラタジェン(Stratagene))を挙げることができる。当業者であれば、逆転写酵素活性を持つ二つ以上の酵素の混合物の使用も可能であることは明白であろう。
逆転写酵素活性を持つ多くの酵素が二価イオンを必要とすることが当業者に知られている。したがって、好ましい態様では、上述のように、二価イオンを必要とする酵素については、二価イオンが存在する。Mg2+およびMn2+が好ましい。
酵素の好ましい組み合わせは、HIV逆転写酵素、またはM−MLV逆転写酵素、またはEAIV逆転写酵素、またはAMV逆転写酵素、またはサーマスサーモフィルスDNAポリメラーゼI、またはM−MLV RNase H、スーパースクリプト、スーパースクリプトII、スーパースクリプトIII、またはモンスタースクリリプト(エピセンター)、またはオムニスクリプト逆転写酵素(キアゲン)、またはセンシスクリプト逆転写酵素(キアゲン)、サーモスクリプト、サーモ−X(共にインビトロジェン)、または、逆転写酵素活性を持つ二つ以上の酵素の混合物、および、大腸菌由来のポリ(A)ポリメラーゼである。さらに、HIV逆転写酵素、またはM−MLV逆転写酵素、またはEAIV逆転写酵素、またはAMV逆転写酵素、またはサーマスサーモフィルスDNAポリメラーゼI、またはM−MLV RNase H、スーパースクリプト、スーパースクリプトII、スーパースクリプトIII、またはモンスタースクリプト(エピセンター)、またはオムニスクリプト逆転写酵素(キアゲン)、またはセンシスクリプト逆転写酵素(キアゲン)、サーモスクリプト、サーモ−X(共にインビトロジェン)、または、逆転写酵素活性を持つ二つ以上の酵素の混合物、および、酵母由来のポリ(A)ポリメラーゼである。
当業者は、逆転写時の高温が、二次構造による問題はあまり決定的役割を持たないことを意味することを知っている。さらに、ある種の酵素においては、高温は、逆転写の特異性が増大することを意味する。なぜなら、対合のミスマッチおよび誤ったプライミングが阻止されるからである。したがって、本発明の一態様では、好熱性の逆転写酵素が使用される。至適核酸合成活性を、45℃〜85℃の間、好ましくは55℃〜80℃の間、もっとも好ましくは60℃〜75℃の間に有する酵素が好ましい。サーマスサーモフィルス(Tth)DNAポリメラーゼIが好ましい。
ポリアデニル化活性を有する酵素が非好熱性酵素であり、逆転写酵素活性を有する酵素が好熱性酵素である場合、本発明にしたがって、方法はいくつかの温度工程において実施することができ、その場合、第1温度工程は、ポリアデニル化活性を有する酵素にとっての至適温度である温度をもたらし、第2温度工程は、逆転写酵素活性を有する酵素にとっての至適温度である温度をもたらす。
例えば、AMV逆転写酵素を使用する場合、第2温度工程は42℃で行われ、一方、主に、ポリアデニル化活性を有する酵素の活性にとって好適である第1温度工程は、37℃の温度で行われる。しかし、それは、一定温度において実施することも可能である。
当業者であれば、それぞれの酵素の活性が発揮されるように温度を選ぶことが可能であろう。例えば、大腸菌由来のポリ(A)ポリメラーゼを、サーマスサーモフィルス由来のDNAポリメラーゼと一緒に組み合わせて使用する場合、温度順序は以下の通りである:最初に37℃で、次いで、55〜70℃でインキュベーション。したがって、本発明によれば、非熱安定性酵素を、熱安定性酵素と組み合わせることが可能である。この場合、温度工程は、二つの酵素の内のどちらがポリアデニル化活性を持つか、に依存する。本発明によれば、逆転写酵素活性を有する酵素が熱安定性であることが好ましい。そうでないと、当業者には明らかなように、ポリアデニル化工程における高温でのインキュベーションの結果、逆転写酵素活性を有する酵素が、部分的に、また完全に不活性化される可能性があるからである。したがって、両酵素が熱安定的である場合も好ましい。
さらに、当業者は、酵素の処理能力がきわめて多様であることを知っているため、当業者は、種々の長さを持つ鋳型が、様々な効率の下にcDNAに変換されるように、異なる処理能力を持つ酵素を組み合わせることが可能である。当業者であれば、各酵素について、その適切量、一つ以上の好適なインキュベーション温度およびインキュベーション時間を用いることによって、満足すべき結果を挙げることが可能である。
本発明による方法はさらに、ポリ(C)ポリヌクレオチドを含むことが好ましい。本発明による方法はさらに、ポリ(C)ポリリボヌクレオチドを含むことが特に好ましい。好ましくは、20μl当たり1ng〜300ngのポリ(C)ポリリボヌクレオチド、好ましくは、20μlの反応当たり10ng〜150ngのポリ(C)ポリリボヌクレオチド、特に好ましくは、反応当たり25ng〜100ngのポリ(C)ポリリボヌクレオチド、もっとも好ましくは、20μlの反応当たり50ng〜75ngのポリ(C)ポリリボヌクレオチドが使用される。
本発明による反応は、さらに追加の試薬、例えば、体積排除剤、1本鎖結合タンパク、DTT、および/または競合核酸を含んでもよい。
体積排除剤を用いる場合は、これは、デキストラン、ポリエチレングリコールを含む群から選ばれ、本発明による体積排除剤は、EP1411133A1に言及されている。
好ましい態様では、競合核酸は、ホモポリマー状核酸であり、もっとも好ましくは、ポリアデノリリボ核酸である。実例は、US 6,300,069に開示されている。
本発明による方法はさらに、ポリ(C)ポリヌクレオチドを含むことが好ましい。本発明による方法はさらに、ポリ(C)ポリリボヌクレオチドを含むことが特に好ましい。好ましくは、20μl当たり1ng〜300ngのポリ(C)ポリリボヌクレオチド、好ましくは、20μlの反応当たり10ng〜150ngのポリ(C)ポリリボヌクレオチド、特に好ましくは、反応当たり25ng〜100ngのポリ(C)ポリリボヌクレオチド、もっとも好ましくは、20μlの反応当たり50ng〜75ngのポリ(C)ポリリボヌクレオチドが使用される。
さらに、それ自体ポリ(A)ポリメラーゼ活性のための基質として働く競合核酸を阻止することが有利と考えられることは、当業者には明白であろう。可能な解決策は、競合核酸の3’OH基をブロックすることである。適切な解決策、例えば、3’ホスフェートの使用、ジデオキシヌクレオチドまたは逆向(inverse)塩基の取り込みが、当業者に知られている。
さらに、それ自体逆転写酵素活性のための基質として働く競合核酸を阻止することが有利と考えられることは、当業者には明白であろう。これは、所定の条件下では、その競合核酸に対して使用されるプライマーがハイブリダイズすることができないためcDNAに転写されない、そのような競合核酸を選ぶことによって、確保することができる。もう一つの可能な解決策は、競合核酸の3’OH基をブロックすることである。適切な解決策、例えば、3’ホスフェートの使用、ジデオキシヌクレオチドまたは逆向塩基の取り込みが、当業者に知られている。
本発明はさらに、ポリアデニル化活性を有する第1酵素、逆転写酵素活性を有する第2酵素、任意にバッファー、任意に少なくとも一つのリボヌクレオチド、任意に少なくとも一つのデオキシリボヌクレオチド、および任意にアンカーオリゴヌクレオチドを含む反応混合物に関する。好ましくは、アンカーオリゴヌクレオチドは、ホモポリマー部位、アンカー配列、および/またはテールを含む。好ましくは、反応混合物はさらに、ランダムプライマーを含む。ランダムプライマーの追加的使用は、長い転写産物の5’末端も効率的に転写されるという利点を持ち、これは、定量分析において重要である。この反応混合物は、本発明による方法において使用されるものと同じ作用物質を含んでもよい。
本発明の一態様では、アンカーオリゴヌクレオチドは、ポリ(A)オリゴヌクレオチド、ポリ(C)オリゴヌクレオチド、ポリ(T)オリゴヌクレオチド、ポリ(G)オリゴヌクレオチド、ポリ(U)オリゴヌクレオチド、5’−テールを更に含むポリ(A)オリゴヌクレオチド、5’−テールを更に含むポリ(C)オリゴヌクレオチド、5’−テールを更に含むポリ(T)オリゴヌクレオチド、5’−テールを更に含むポリ(G)オリゴヌクレオチド、および、5’−テールを更に含むポリ(U)オリゴヌクレオチドを含む群から選ばれる、ホモポリマー状オリゴヌクレオチドである。既に上述したように、任意にさらに5’−テールを有し得るポリ(T)オリゴヌクレオチドが好ましい。
本発明によるアンカーオリゴヌクレオチドは、一般に、6〜75ヌクレオチド長である。しかしながら、最大約150ヌクレオチド長を持つことが可能である。アンカーオリゴヌクレオチドが合成されたものである場合、最大長は、DNA合成の技術的限界に依存する。任意にアンカーオリゴヌクレオチドは、5’−テールおよび/またはアンカー配列を含む。5’−テールは、例えば、クローニング配列、プライマーおよび/もしくはプローブ結合部位、またはその他の任意の配列の導入に使用される、当該オリゴヌクレオチドの5’−末端における、追加のヌクレオチド配列である。5’−テールのために適切な配列を特定することは、当業者であれば、特定用途の要求に基づいて行うことが可能である。
アンカーオリゴヌクレオチドの3’−末端には、通常、さらに1〜5個のヌクレオチド長を持つ、付加的アンカー配列が含まれてもよい。このアンカー配列は、少なくとも一塩基長を持っていてもよく、好ましい態様では、第1位置は、該アンカーオリゴヌクレオチドのホモポリマー部位に使用される塩基以外の全ての塩基を含む、縮重塩基である。この後にさらに別の塩基が続いてもよい。これらも縮重されていてよい。好ましい態様では、ここでゆらぎ塩基Nを用いるのが理に適う。ここで、N=A、C、G、T、または、対応するアナログである。
任意の5’−テールは、その後の分析に使用することが可能な、さらに別の1−100個のヌクレオチドを含む。このようにして、好ましい態様では、5’−テールは、オリゴヌクレオチド、例えば、一つ以上のDNAプローブおよび/または一つ以上のPCRプライマーに対する結合配列を含むことが可能である。5’−テールのために使用される配列は、本発明による方法に適合するように選ばれることが好ましい。これは、例えば、本発明による方法においても、その後の分析においても望ましくない副反応を起こさない配列の選択を含む。
本発明による反応混合物は、10〜150ヌクレオチド長を持ち、任意に、その3’−末端において、1〜5ヌクレオチド長の、本発明によるアンカー配列を有する、本発明によるアンカーヌクレオチドを含む。本発明による反応混合物は、上述のように、例えば、デオキシリボ核酸(DNA)、ペプチド核酸(PNA)、またはロックド核酸(LNA)である、アンカーオリゴヌクレオチドを含む。本発明による反応混合物は、好ましい態様では、ポリ(T)オリゴヌクレオチドであり、さらに5’−テールを有する、本発明によるアンカーオリゴヌクレオチドを含み、このオリゴヌクレオチドは、10〜75ヌクレオチド長のデオキシリボ核酸であり、混合物の形を取り、アンカー配列は、3’−末端に存在し、いずれの場合も、A、G、およびCを含む群から選ばれるヌクレオチドからなり、任意に、4塩基A、C、G、およびT全て、または対応するアナログを含む、1〜5個のヌクレオチドがそれに続く。
本発明による反応混合物のアンカーオリゴヌクレオチドを図12に示す。
本発明による反応混合物は、本発明による方法に関して前述したように、さらに少なくとも一つのリボヌクレオチドを含む。特に、本発明による反応混合物は、ATP、TTP、CTP、GTP、UTP、または対応する塩基アナログから選ばれる、少なくとも一つのリボヌクレオチドを含む。それらリボヌクレオチドは、前述したように、任意に修飾または標識され得る。本発明による反応混合物は、本発明による方法に関して記載したように、デオキシリボヌクレオチドを含む。特に、本発明による反応混合物は、一つ以上のデオキシリボヌクレオチド、例えば、dATP、dCTP、dGTP、dUTP、および/またはdTTPを含む。好ましい態様では、cDNA合成を可能にする、デオキシリボヌクレオチドの混合物が使用される。これらのデオキシリボヌクレオチドは、任意に修飾または標識され得る。
本発明による反応混合物のデオキシリボヌクレオチドが標識される場合、標識は、32P、33P、35S、3H、蛍光色素、例えば、フルオレセイン−イソチオシアネート(FITC)、6−カルボキシフルオレセイン(FAM)、キサンテン、ローダミン、6−カルボキシ−2’,4’,7’,4,7−ヘキサクロロフルオロセイン(HEX)、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトジフルオレセイン(JOE)、N,N,N’,N’−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA)、6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、5−カルボキシローダミン−6G(R6G5)、6−カルボキシローダミン−6G(RG6)、ローダミン110;Cy3、Cy5、Cy7、クマリン、例えば、ウムベリフェロン、ベンズイミド、例えば、Hoechst 33258;フェナントリジン、例えば、テキサスレッド、臭化エチジウム、アクリジン色素、カルバゾール色素、フェノキサジン色素、ポルフィリン色素、ポリメチン色素、シアニン色素、例えば、Cy3、Cy5、BODIPY色素、キノリン色素、およびアレクサ色素を含む群から選んでもよい。他の標識、例えば、ビオチン、または一つ以上のハプテン、例えば、ジゴキシゲニンの挿入も、核酸の、直接的または間接的検出を可能とする。例えば、抗体による間接的検出は、抗体に結合する酵素による、これも酵素的検出である。間接的検出は、例えば、抗体またはアフィニティーリガンドに結合するナノ粒子を導入することによって行うことも可能である。
本発明による反応混合物は、各場合において、0.01mM〜10mMの濃度でデオキシリボヌクレオチドを含む。個々のデオキシリボヌクレオチドA、C、G、およびTは、各場合において、0.2mM〜2mMの濃度において存在することが好ましい。デオキシヌクレオチドA、C、G、およびTが一緒に存在するならば、それは特に好ましい。各個別のデオキシリボヌクレオチドは、この好ましい態様では、0.5mMの濃度で存在する。
さらに、本発明による反応混合物はバッファーを含む。このバッファーは6〜10のpHを有する。本発明による反応混合物はさらに、Mg2+イオンを含む。特に好ましい態様では、本発明による反応混合物は、6.8〜9のpHを持つバッファーを有する。この反応混合物はさらに、Mn2+、K+、NH4+、およびNa+を含む群から選ぶことが可能なイオンを更に含むこともできる。本発明による反応混合物においては、二つの異なる酵素活性の存在が重要である。本発明による反応混合物は、ポリアデニル化活性を有する少なくとも一つの第1酵素活性、および第2に、逆転写酵素活性を有する第2酵素活性を含む。これらの活性の好ましい態様は、本方法に関して既に上述した。反応混合物は、上述の方法同様、さらに追加の物質を、例えば、体積排除剤、1本鎖結合タンパク、DTT、または一つ以上の競合核酸を含んでもよい。
体積排除剤を用いる場合は、これは、デキストラン、ポリエチレングリコールを含む群から選ぶことが好ましい。本発明による他の体積排除剤は、EP1411133A1に見出される。
反応混合物が、任意に競合核酸を含む場合、これは、ホモポリマー状リボ核酸およびポリアデノリボ核酸を含む群から選ばれる。本発明による他の競合核酸は、US 6,300,069に開示される。
本発明による反応混合物はさらに、ポリ(C)ポリヌクレオチドを含むことが好ましい。本発明による反応混合物はさらに、ポリ(C)ポリリボヌクレオチドを含むことが特に好ましい。好ましくは、20μl当たり1ng〜300ngのポリ(C)ポリリボヌクレオチドが使用され、好ましくは、20μlの反応当たり10ng〜150ngのポリ(C)ポリリボヌクレオチドが使用され、特に好ましくは、反応当たり25ng〜100ngのポリ(C)ポリリボヌクレオチドが使用され、もっとも好ましくは、20μlの反応当たり50ng〜75ngのポリ(C)ポリリボヌクレオチドが使用される。
本発明はさらに、前述の反応混合物を含むキットに関する。好ましい態様では、この反応混合物は、単一反応容器内にある。別の態様では、キットは、ポリアデニル化活性を有する酵素、逆転写酵素活性を有する酵素、任意にデオキシリボヌクレオチド、任意に少なくとも一つのリボヌクレオチド、任意にMg2+を含むバッファー、および、任意に、本発明の意味における一つ以上のオリゴデオキシリボヌクレオチドを含む反応容器を含む。任意に、本発明によるキットの反応容器は、本発明による反応混合物に関して述べた通りの更なる構成要素を含んでもよい。キットはさらに、本発明によるアンカーオリゴヌクレオチドの5’−テールのためのプローブを含んでもよい。キットはさらに、一つ以上の更なるデオキシリボヌクレオチド、例えば、逆転写によって導入されるテール配列を検出するための一般的プライマーを含んでもよい。この反応混合物は、「ペレット状」、例えば、凍結乾燥されていてもよい。他の調製法、例えば、液体形状を含まない調製法が、当業者に知られている。
さらにキットは、PCR反応、またはリアルタイムPCR反応に必要とされる試薬と任意に組み合わせることができる。好ましくは、これらは、本発明による方法において生成されるcDNAの少なくとも一つの検出を可能にする、少なくとも一つのPCR反応のための試薬である。
キットは、さらに任意にランダムプライマー、ならびに任意に一重または多重PCR反応および/またはリアルタイム一重または多重PCR反応において、更なる標的遺伝子を検出するための一つ以上のプライマー、またはプライマー/プローブを含んでもよい。
反応混合物、本発明による方法、またはキットはさらに、標的特異的プライマーを含んでもよい。この標的特異的プライマーの長さは、PCR反応において特異的検出が可能となるように選ぶべきであり、標的プライマーの配列は、結合が、生成されたcDNA配列の一部位においてのみ可能となるほど特異的であるべきである。一般に、前記プライマーは、15〜30ヌクレオチド長、好ましくは17〜25ヌクレオチド長を持つ。
特に好ましい態様では、反応混合物は、二酵素プレミックスとして、ポリアデニル化活性を有する酵素と、逆転写酵素活性を有する酵素を含む。この特に好ましい態様では、キットは、一つの反応容器の中に二酵素プレミックス反応混合物、別の容器の中に、バッファー、Mg2+、rNTP(類)、dNTP(類)、任意に本発明によるアンカーオリゴヌクレオチド、および任意にランダムプライマー、さらに任意に体積排除剤および/または競合核酸を含む。
本発明による方法は、既に前述したように、一つ以上の温度工程において起こる。好ましい態様では、本発明による方法は、インキュベーションのために単一温度工程、および、酵素の不活性化のためにもう一つの温度工程において行われる。したがって、好ましい態様では、酵素が活性を示すインキュベーション工程は約37℃である。インキュベーション時間は、約1〜120分、好ましくは5〜90分、より好ましくは10〜75分、さらにより好ましくは15〜60分、さらにより好ましくは20〜60分、もっとも好ましくは50〜70分である。一般に、これを超えるインキュベーション時間も有害ではない。酵素の変性のために役立つもう一つの工程では、少なくとも65℃、最高で100℃の温度が用いられる。好ましくは約80−95℃の温度が用いられる。変性は、少なくとも1分間、最長で30分間行われる。好ましい態様では、変性は、5分間実施される。
続いて、cDNAを生成するための本発明による方法はポリメラーゼ連鎖反応を含む。この場合、cDNA合成の際に導入されるテールに対して特異的なプライマー、および/または特異的プライマーが、本発明による反応混合物に加えられることが好ましい。反応混合物はその後、熱安定性DNAポリメラーゼも含む。
好ましい態様では、全ての反応成分は、第1反応がスタートする前(例9参照)に、既に試験管中に存在する。最適な信号雑音比−これは、例えば、リアルタイムPCRでは鋳型無し反応(いわゆる「鋳型無しコントロール」)における高いCt値によって示される−を実現するためには、第3反応において決定的役割を担う一つ以上の成分が不活性形として提供されるか、または、物理的に分離されると有利であると考えられる。例えば、例8では、プライマーは、カバーに「固定」される。
第3反応がPCRである場合、それはリアルタイムPCRであることが好ましい。当業者には、使用される熱安定性DNAポリメラーゼの可逆的不活性化を可能とするいくつかの方法が知られている。ホットスタートPCRとして知られる方法は、いくつかの技術的解決策を提供する。PCR酵素のために知られているホットスタート法は:化学薬品(DE69928169T参照)、抗体、アプタマー、DNAオリゴ、Affybody、微小封入体(さらにDE69930765Tを参照)である。
さらに、第3反応としてPCRを用いる場合、PCRまで必要とされないオリゴヌクレオチド、すなわち、一つ以上の標的特異的プライマー、テール特異的プライマー、および任意に一つ以上の蛍光標識プローブは、第3反応の開始時に初めて利用可能となると有利であることが判明している。PCR反応に関連するこれらのプライマーを、初期の不活性形から、その後活性化または再活性化するように調製するための技術的変換(technical transformation)として、各種技術的変換態様を考慮することが可能である。好ましい可能性は、個々の試薬の一時的な区分け(temporal compartmentation)である。次いで、これらは任意に放出される。増幅酵素または増幅プライマーを分離することが特に好ましい。
これは、PCR反応に関連するプライマーの化学的修飾、例えば、バックボーンに対する側基、または塩基の挿入、またはそれらの組み合わせ、または複合体中への封入による修飾、すなわち、標的核酸、および/または一つ以上の参加(participating)酵素との相互作用を低減、または完全に抑制する修飾(DE69930765T、US6274353、EP0866071のファミリーを参照)、および/または物理的障壁を含む。第3の反応、好ましくはPCRまたはリアルタイムPCRに関連するオリゴヌクレオチドを供給する目的で、これらの側基または複合体を取り除くために、いくつかの方法が考察可能であるか、または当業者に知られている。この活性化は、いくつかの物理的パラメータ、例えば、温度、pH、イオン強度、機械的作用、または、これらのパラメータの二つ以上の組み合わせによって化学的、または酵素的に起こすことができる。例として、ホットスタートプライマーの可能な態様が、例に示される。従来技術は、プライマーホットスタートのための各種態様を記載している(DE69930765T、US6274353、EP0866071参照)。
酵素的活性化の場合、活性化のために使用される酵素は、不活性形として供給することも可能である。適切なホットスタート法は、当業者に知られており、既に上述されている(特に、EP0962526)。これに関連して、適切なホットスタート法、例えば、EP0962526と組み合わせて、例えば、好熱性または超好熱性生物から単離された熱安定酵素を用いることによって、酵素的活性化を、第3反応の要求に適応させることが可能であることは、当業者には明白である。この活性化は、いくつかの物理的パラメータ、例えば、温度、pH、イオン強度、機械的作用、または、これらのパラメータの二つ以上の組み合わせによって化学的、または酵素的に起こすこともできる。
さらに別の好ましい態様として、前述の、反応の区分けが考えられる。まず、2−イン−1(2-in-1)PAP−RT反応が進行する条件が提供される。次に、実験者の側に操作工程を要することなく、好ましくは容器を開放することなく、例えば、物理的ブロック(例えば、熱的、機械的)を取り除くこと(lifting)によって、第3反応のための反応物質が調製される。ある可能な態様では、熱不安定性障壁が使用される。これは、透明なポリマー、例えば、規定の融点を持つワックスを用いることが好ましい。これは、第3反応に関連するオリゴヌクレオチドと適切な条件下で混合され、第1および第2反応の反応条件下では固体となる相を生成する。この固体相は、多くの異なる方法で得ることができる。例えば、それは、容器の底部における固体滴であってもよいし、一つ以上の粒子、反応区画表面におけるコーティング、または、他の何らかの形状であってもよい。第3反応のために温度を変えることによって、関連するオリゴヌクレオチドが放出され、第3反応のために利用可能になる。
反応の区分けの別の形態は、それによって反応物質同士の接触が阻止されるか、または、少なくとも疑いなく最小化される物理的障壁である。これは、その透過性が、いくつかの物理的パラメータ、例えば、温度、pH、イオン強度、機械的作用によって化学的、または酵素的に影響される、例えば、ワックスまたはポリマーの隔壁(septum)であってもよい。一つの可能な態様では、第3反応の一つ以上の成分は、2−イン−1 PAP−RT反応の成分からワックス障壁によって隔てられる。このために、PCRまたはリアルタイムPCR用の通常の反応容器における特別な態様では、第3反応の一つ以上の成分は、本発明の意味において少なくとも一つの隔壁によって覆われて、該反応容器の底部に存在し、次に、その上に、2−イン−1 PAP−RT反応の成分がある。第3反応の成分は、液状形態または乾燥状態、またはその他のやり方で安定化されるか、あるいは、複数の濃縮物、または、一つ以上の様式の組み合わせとして存在し得ることは当業者には明白である。
これも好ましいとされる一態様では、プライマーは、修飾された形態、いわゆる「ホットスタート」プライマーとして使用された。
次に、これらは、トリリンクバイオテック社(Trilinkbiotech.com)から入手可能な”クリーンアンプ(CleanAmp)”プライマーである。”クリーンアンプ”プライマーは、PCR開始時の初期加熱工程によってのみ機能的となる性質を持ち、したがって、PCRまでは機能的形態として利用できない。好ましい態様では、プライマーは、WO2007/139723(出願人:トリリンク)、特に、請求項1および後続する請求項に記載されるように、不活性化される。
この、プライマーが最初は不活性である方法は、下記のプライマーによって実施された。
Figure 2010535525
次に起こるPCR反応は、定量的PCR反応であってもよい。それは、アレイにおいて起こってもよいし、マイクロ流体システムにおいて起こってもよいし、キャピラリー中で起こってもよいし、あるいは、リアルタイムPCRであってもよい。他のPCR変法も当業者に知られており、本発明による方法にも含まれる。
DNAポリメラーゼは好ましくは熱安定性である。それは、好熱性細菌または好熱性古細菌由来の酵素を含む群から選択され得る。好ましくは、それは、サーマスアクチアス(Thermus aquaticus)、サーマスパシフィクス(Thermus pacificus)、サーマスサーモフィルス(Thermus thermophilus)、ピロコッカスフリサス(Pyrococcus furiosus)、サーマスブロキアヌス(Thermus brockianus)、アキフェックスアエオキクス(Aquifex aeolicus)からのポリメラーゼ、および、その他の熱安定性DNAポリメラーゼを含む群から選ばれる。
その他の増幅法も使用が可能であり、それらは、「ローリングサークル増幅法」(Liuら, "Rolling circle DNA synthesis: Small circular oligonucleotides as efficient templates for DNA polymerases." J. Am. Chem. Soc. 118:1587-1594 (1996)に記載の通り)、「等温増幅」(Walkerら, "Strand displacement amplification - an isothermal, in vitro DNA amplification technique" Nucleic Acids Res. 20(7):1691-6 (1992)に記載の通り)、「リガーゼ連鎖反応」(Landegrenら, "A Ligase-Mediated Gene Detection Technique" Science 241:1077-1080, 1988, またはWiedmannら, "Ligase Chain Reaction (LCR) - Overview and Applications," PCR Methods and Applications (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor Laboratory, NY, 1994) pp. S51-S64.に記載の通り)を含む群から選択され得る。しかしながら、ポリメラーゼ連鎖反応が好ましい。
本発明はさらに、RNAをDNAに逆転写するための方法であって、下記の工程:RNAを含むサンプルを準備する工程、逆転写酵素活性を有する第1酵素、バッファー、少なくとも一つのデオキシリボヌクレオチド、オリゴヌクレオチドを添加する工程、酵素が活性を示すように選ばれる、一つ以上の温度工程においてこれらの作用物質を、ポリ(C)ポリヌクレオチドを更に含む反応と共にインキュベートすることを含む方法に関する。
逆転写酵素活性を有する酵素は、HIV逆転写酵素、M−MLV逆転写酵素、EAIV逆転写酵素、AMV逆転写酵素、サーマスサーモフィルスDNAポリメラーゼI、M−MLV RNase H-(スーパースクリプト、スーパースクリプトII、スーパースクリプトIII)、モンスタースクリプト(エピセンター)、オムニスクリプト逆転写酵素(キアゲン)、センシスクリプト逆転写酵素(キアゲン)、サーモスクリプト、サーモ−X(共にインビトロジェン)、または、逆転写酵素活性を有する二つ以上の酵素と、大腸菌由来のポリ(A)ポリメラーゼの混合物である。HIV逆転写酵素が特に好ましい。
反応は、ポリ(C)ポリリボヌクレオチドを含むことが好ましい。好ましくは、20μl当たり1ng〜300ngのポリ(C)ポリリボヌクレオチドが使用され、好ましくは、20μlの反応当たり10ng〜150ngのポリ(C)ポリリボヌクレオチドが使用され、特に好ましくは、反応当たり25ng〜100ngのポリ(C)ポリリボヌクレオチドが使用され、もっとも好ましくは、20μlの反応当たり50ng〜75ngのポリ(C)ポリリボヌクレオチドが使用される。
3−イン−1反応では、ホモポリマー状核酸を使用することが可能である。
本発明の好ましい態様では、サンプルは、原核生物リボ核酸、真核生物リボ核酸、ウイルスリボ核酸、その起源が古細菌であるリボ核酸、ミクロリボ核酸(miRNA)、核小体小型リボ核酸(snoRNA)、メッセンジャーリボ核酸(mRNA)、転移リボ核酸(tRNA)、非ポリアデニル化リボ核酸全般、およびリボソームリボ核酸(rRNA)、さらに、上記リボ核酸の二つ以上の混合物、を含む群から選ばれるリボ核酸である。もちろん、ポリ(A)RNAがサンプルの中に既に含まれていてもよい。
RNAは、真核生物リボ核酸、mRNA、原核生物リボ核酸、miRNA、snoRNA、およびrRNAを含む群から選ばれる鋳型として使用することが可能である。本発明のもっとも好ましい態様では、サンプルは、miRNAおよびsnoRNAを含む群から選ばれるリボ核酸を含む。さらに、他の物質を伴う、種々の量の、異なる種類のリボ核酸の混合サンプルが好ましい。
本発明による方法のこれらの利点に基づき、本発明者らは、miRNAを効率的に、汚染無しに調製し、その特徴を解明することが可能であることを示すことができた。一般に、本法は、少量のRNAの良好な逆転写をもたらす。
本発明はさらに、逆転写用キットであって、逆転写酵素活性を有する酵素、および、ポリ(C)ポリヌクレオチド、好ましくはポリ(C)ポリリボヌクレオチドを含むキットに関する。
一態様では、サンプルが逆転写される前に、RNAがまずポリアデニル化される。
本発明による一段階法(B)と、従来技術で知られている2段階プロセス(A)との比較を示す。ポリAポリメラーゼ:本発明の意味におけるポリアデニル化活性を持つ酵素;逆転写酵素:本発明の意味における逆転写酵素活性を持つ酵素;rATP:リボヌクレオチド、ここでは、例えば、アデノシン−5’−三リン酸;dNTP:デオキシリボヌクレオチド;オリゴdTテールプライマー:本発明の意味における各種可能な態様を持つアンカーオリゴヌクレオチド;Uni GAP dTプライマー:アンカーオリゴヌクレオチドの特別な態様;テール:アンカーオリゴヌクレオチドの任意の部分としての5’−テール;w:ポリアデニル化活性によって付加される、ホモポリマー状テールの、本発明による長さを定める(10−20塩基よりも大きい);x、y:本発明によるアンカーオリゴヌクレオチドの3’アンカー配列の、本発明によるタイプと長さを定める;z:本発明によるアンカーオリゴヌクレオチドのホモポリマー部位の長さを定める。 本発明による一段階法(B)と、従来技術で知られている2段階プロセス(A)との比較を示す。ポリAポリメラーゼ:本発明の意味におけるポリアデニル化活性を持つ酵素;逆転写酵素:本発明の意味における逆転写酵素活性を持つ酵素;rATP:リボヌクレオチド、ここでは、例えば、アデノシン−5’−三リン酸;dNTP:デオキシリボヌクレオチド;オリゴdTテールプライマー:本発明の意味における各種可能な態様を持つアンカーオリゴヌクレオチド;Uni GAP dTプライマー:アンカーオリゴヌクレオチドの特別な態様;テール:アンカーオリゴヌクレオチドの任意の部分としての5’−テール;w:ポリアデニル化活性によって付加される、ホモポリマー状テールの、本発明による長さを定める(10−20塩基よりも大きい);x、y:本発明によるアンカーオリゴヌクレオチドの3’アンカー配列の、本発明によるタイプと長さを定める;z:本発明によるアンカーオリゴヌクレオチドのホモポリマー部位の長さを定める。 表6からのCt値をグラフ化したものを示す。条件a)は、各場合で鋳型を含み、条件b)では、鋳型の代わりに、H2Oのみを加えた(PAP反応におけるH2O)。b)では、最大PCRサイクル40(実施した最大サイクル数)まで信号は得られなかった。したがって、”No Ct”が示される。 例1からのリアルタイムPCR産物のアガロースゲル分析を示す。M:100bpラダー(インビトロジェン、カタログNo.15628−050)。2%アガロース、流動(running)バッファーとしてのTAE中の臭化エチジウムによって染色。負荷スキーム:トラック1:標識;次いで、各場合において、次々順番に3重定量を行った;1a、1b、2a、2b、3a、3b、4a、4b。 表8に記載の混合物の反応産物のリアルタイムPCR分析によって得られたCt値を表に示す。 3および6については、最大PCRサイクル40(実施した最大サイクル数)まで信号は得られなかった、そのため、”no Ct”が示される。 表8に記載の混合物の反応産物のリアルタイムPCR分析によって得られたCt値をグラフ化したものを示す。 表18に記載の混合物b)およびe)の反応産物のリアルタイムPCR分析によって得られたCt平均値を表に示す。 2、4、および5では、標準RTによって、最も早くてサイクル38後に信号が検出されるか、または、2)では、信号は検出されず、したがって”no Ct”が示される。 表18からの混合物b)およびd)の反応産物、および、表19のただ一つのプライマーによるコントール、混合物a)−d)の、リアルタイムPCR結果を表に示す。信号は、最大PCRサイクル40(実施した最大サイクル数)まで得られず、そのため、”no Ct”が示される。 例3からのリアルタイムPCR産物のアガロースゲル分析を示す。M:100bpラダー(インビトロジェン、カタログNo.15628−050)。2%アガロース、流動バッファーとしてのTAE中の臭化エチジウムによって染色。 表30に記載の混合物1a)b)、および2a)b)の反応産物のリアルタイムPCRによって得られたCt平均値を表に示す。 下段部分:表30に記載の混合物の反応産物のリアルタイムPCR分析によって得られたCt平均値をグラフ化したもの。 表36 1−5および表37 6−9に記載の混合物の反応産物のリアルタイムPCR分析によって得られたCt平均値を表に示す。 下段部分:表36 1−5および表37 6−9に記載の混合物の反応産物のリアルタイムPCR分析によって得られたCt平均値をグラフ化したもの。 使用した核酸配列のリストを示す。 本発明によるアンカーオリゴヌクレオチドを示す。 本発明によるアンカーオリゴヌクレオチドを示す。 本発明による一段階「3−イン−1」法(B)と、従来技術で知られている3段階プロセス(A)の比較を示す。ポリAポリメラーゼ:本発明の意味におけるポリアデニル化活性を持つ酵素;逆転写酵素:本発明の意味における逆転写酵素活性を持つ酵素;rATP:リボヌクレオチド、ここでは、例えば、アデノシン−5’−三リン酸;dNTP:デオキシリボヌクレオチド;オリゴdTテールプライマー:本発明の意味における各種可能な態様におけるアンカーオリゴヌクレオチド;Uni GAP dTプライマー:アンカーオリゴヌクレオチドの特別な態様;テール:アンカーオリゴヌクレオチドの任意の部分としての5’−テール;w:ポリアデニル化活性によって付加される、ホモポリマー状テールの、本発明による長さを定める(10−20塩基よりも大きい);x、y:本発明によるアンカーオリゴヌクレオチドの3’アンカー配列の、本発明によるタイプと長さを定める;z:本発明によるアンカーオリゴヌクレオチドのホモポリマー部位の長さを定める。PCRプライマー:cDNA種の特異的検出のための少なくとも一つのオリゴヌクレオチド、任意に少なくとも一つのプローブ;PCR酵素:サンプル中に含まれるcDNA種の特異的検出を可能とする酵素活性。 本発明による一段階「3−イン−1」法(B)と、従来技術で知られている3段階プロセス(A)の比較を示す。ポリAポリメラーゼ:本発明の意味におけるポリアデニル化活性を持つ酵素;逆転写酵素:本発明の意味における逆転写酵素活性を持つ酵素;rATP:リボヌクレオチド、ここでは、例えば、アデノシン−5’−三リン酸;dNTP:デオキシリボヌクレオチド;オリゴdTテールプライマー:本発明の意味における各種可能な態様におけるアンカーオリゴヌクレオチド;Uni GAP dTプライマー:アンカーオリゴヌクレオチドの特別な態様;テール:アンカーオリゴヌクレオチドの任意の部分としての5’−テール;w:ポリアデニル化活性によって付加される、ホモポリマー状テールの、本発明による長さを定める(10−20塩基よりも大きい);x、y:本発明によるアンカーオリゴヌクレオチドの3’アンカー配列の、本発明によるタイプと長さを定める;z:本発明によるアンカーオリゴヌクレオチドのホモポリマー部位の長さを定める。PCRプライマー:cDNA種の特異的検出のための少なくとも一つのオリゴヌクレオチド、任意に少なくとも一つのプローブ;PCR酵素:サンプル中に含まれるcDNA種の特異的検出を可能とする酵素活性。 「3−イン−1反応」、すなわち、表41に対応する例7からの反応混合物、および、表42の反応混合物により、一反応容器において結合させた、ポリ(A)ポリメラーゼ反応、逆転写、およびリアルタイムPCR分析の併合におけるCt平均値を表に示す。 下段部分:「3−イン−1反応」、すなわち、表41に対応する例7からの反応混合物、および、表42からの反応混合物により、一反応容器において結合させた、ポリ(A)ポリメラーゼ反応、逆転写、およびリアルタイムPCR分析の併合におけるCt平均値をグラフ化したものを示す。 「3−イン−1反応」、すなわち、表44に対応する例8からの反応混合物、および、表46からの反応混合物により、一反応容器において結合させた、ポリ(A)ポリメラーゼ反応、逆転写、およびリアルタイムPCR分析の併合におけるCt平均値を表に示す。 下段部分:「3−イン−1反応」、すなわち、一反応容器において結合させた、ポリ(A)ポリメラーゼ反応、逆転写、およびリアルタイムPCR分析の併合におけるCt平均値をグラフ化したもの。 100ngのポリ(A)またはポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(10pg〜1μg)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、miR−16およびlet−7aを調べた。 100ngのポリ(A)またはポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(10pg〜1μg)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、miR−16およびlet−7aを調べた。 100ngのポリ(A)またはポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(10pg〜1μg)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、miR−16およびlet−7aを調べた。 100ngのポリ(A)またはポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(10pg〜1μg)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、miR−16およびlet−7aを調べた。 100ngのポリ(A)またはポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(10pg〜1μg)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、miR−16およびlet−7aを調べた。 100ngのポリ(A)またはポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(10pg〜1μg)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、miR−16およびlet−7aを調べた。 種々の量のポリ(A)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(10pg〜1μg)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、miR−16を調べた。 種々の量のポリ(A)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(10pg〜1μg)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、miR−16を調べた。 種々の量のポリ(A)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(10pg〜1μg)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、miR−16を調べた。 種々の量のポリ(A)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(10pg〜1μg)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、miR−16を調べた。 種々の量のポリ(A)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(10pg〜1μg)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、miR−16を調べた。 種々の量のポリ(A)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(10pg〜1μg)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、miR−16を調べた。 種々の量のポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(10pg〜1μg)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、miR−16を調べた。 種々の量のポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(10pg〜1μg)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、miR−16を調べた。 種々の量のポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(10pg〜1μg)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、miR−16を調べた。 種々の量のポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(10pg〜1μg)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、miR−16を調べた。 種々の量のポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(10pg〜1μg)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、miR−16を調べた。 種々の量のポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(10pg〜1μg)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、miR−16を調べた。 50ngのポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScript RTキットを用いて逆転写した、10pgのmiRNAeasy RNAの使用を示す。得られたcDNAを、GAPDHを検出するためにリアルタイムPCRで用いた。 50ngのポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScript RTキットを用いて逆転写した、10pgのmiRNAeasy RNAの使用を示す。得られたcDNAを、GAPDHを検出するためにリアルタイムPCRで用いた。 種々の量のポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(1−100ng)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、GADPHを調べた。 種々の量のポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(1−100ng)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、GADPHを調べた。 種々の量のポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(1−100ng)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、GADPHを調べた。 種々の量のポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(1−100ng)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、GADPHを調べた。 種々の量のポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(1−100ng)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、GADPHを調べた。 50ngのポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScript RTキットを用いて逆転写した、10および100pgのmiRNAeasy RNAの使用を示す。得られたcDNAを、GAPDHを検出するためにリアルタイムPCRで用いた。 50ngのポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScript RTキットを用いて逆転写した、10および100pgのmiRNAeasy RNAの使用を示す。得られたcDNAを、GAPDHを検出するためにリアルタイムPCRで用いた。 種々の量のポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(1−100ng)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、CDC2を調べた。 種々の量のポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(1−100ng)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、CDC2を調べた。 種々の量のポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(1−100ng)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、CDC2を調べた。 種々の量のポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(1−100ng)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、CDC2を調べた。 種々の量のポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScriptを用いて逆転写した、種々の量(1−100ng)のmiRNAeasy RNAを示す。得られたcDNAをリアルタイムPCRに用いた。この場合は、CDC2を調べた。 50ngのポリ(C)の存在下、または不存在下にmiScript RTキットを用いて逆転写した、1ngのmiRNAeasy RNAの使用を示す。得られたcDNAを、CDC2を検出するためにリアルタイムPCRで用いた。 「3−イン−1反応」、すなわち、表48に対応する例9からの反応混合物、および、表49からの反応混合物により、一反応容器において結合させた、ポリ(A)ポリメラーゼ反応、逆転写、およびリアルタイムPCR分析の併合におけるCt平均値を表に示す。 下段部分:「3−イン−1反応」、すなわち、表48に示す反応混合物により、一反応容器において結合させた、ポリ(A)ポリメラーゼ反応、逆転写、およびリアルタイムPCR分析の併合におけるCt平均値をグラフ化したもの。 「3−イン−1反応」、すなわち、表51に対応する例10からの反応混合物、および、表52からの反応混合物により、一反応容器において結合させた、ポリ(A)ポリメラーゼ反応、逆転写、およびリアルタイムPCR分析の併合におけるCt平均値を表に示す。 下段部分:「3−イン−1反応」、すなわち、表51に示す反応混合物により、一反応容器において結合させた、ポリ(A)ポリメラーゼ反応、逆転写、およびリアルタイムPCR分析の併合におけるCt平均値をグラフ化したもの。
例1
同じ反応容器における、ポリ(A)反応および逆転写の、結合された一段階プロセスの実行可能性の証明;22−merのRNAオリゴヌクレオチドの検出効率に及ぼす、種々のバッファーの作用。
この実験は、同じ反応容器におけるポリ(A)ポリメラーゼ反応および逆転写の、結合された一段階プロセスの実行可能性を立証するために行われた。この目的のために、この結合一段階プロセスを種々の条件下で実施した。これらは、一方では、ポリ(A)ポリメラーゼを補給したバッファーであり、他方では、逆転写酵素を補給したバッファーであった。さらに、ポリ(A)ポリメラーゼバッファーと逆転写酵素バッファーの混合物を調べた。コントロールとして、図1Aに基づき、2段階法で反応を実施した。
反応は、表1に示すように設定した。
Figure 2010535525
表2に示す試薬を用いた。
Figure 2010535525
各場合において、反応は、鋳型付き(1a、2a、3a、4a、全て、トウモロコシRNAをバックグラウンドとする合成RNAオリゴヌクレオチド)で、または、鋳型無し(1b、2b、3b、4b、全て、鋳型の代わりにH2Oを加えたもの)で行った。鋳型無しの反応は、非特異的バックグラウンドの可能な出現に関するコントロールとして実施した。バックグラウンドRNAとしてトウモロコシRNAを選択した。なぜなら、検出するべき、この22−merRNAオリゴヌクレオチドの配列は、トウモロコシには見られないものだからである。
酵素の不活性化後(表5参照:93℃で5分)、各アッセイ1a/bから4a/bの2 μlを、リアルタイムPCRにおいて鋳型として用いた。リアルタイムPCRアッセイを、表3に示すように3重アッセイとして、QuantiTect SYBR Green PCRキット(カタログNo.204143)、および、表4に示すプライマーを用いて行った。
Figure 2010535525
Figure 2010535525
汎用テールプライマーHum Uniプライマーに含まれる配列5’−AAC GAG ACG ACG ACA GAC−3’は、US2003/0186288A1に記載された。
PCRプロトコルは、QuantiTect SYBR Green PCRマスターミックスに含まれるHotStarTaqポリメラーゼの、95℃で15分による初期再活性化、それに続く94℃で15秒、52℃で30秒、および72℃で30秒の40サイクル、からなるものであった(表5参照)。
Figure 2010535525
蛍光データは、72℃の伸長工程時に収集した。PCR分析は、20μlの反応容量において、ABI PRISM 7700(アプライドバイオシステムズ(Applied Biosystems))を用いて行った。
次に、PCR産物に対し融解曲線分析を行った。これは、ABI PRISM 7700リアルタイムPCR装置において実施した。
Figure 2010535525
次に、PCR産物の属性を、アガロースゲル電気泳動によって確認した。このために、各PCR反応について10μlを、臭化エチジウムで染色した2%アガロースゲルに負荷し、分離した。サイズ標準として、100bpラダー(インビトロジェン、カタログ番号15628−050)を用いた。結果を図3に示す。
例2
同じ反応容器における、ポリ(A)ポリメラーゼ反応および逆転写の結合一段階プロセスの再現性および特異性の証明
この実験では、目標は、同じ反応容器における、ポリ(A)ポリメラーゼ反応および逆転写の結合一段階プロセスの実行性を再現することであった。このために、同じ反応容器における、ポリ(A)ポリメラーゼ反応および逆転写の結合一段階プロセスの効率を、22−merRNAオリゴヌクレオチドの検出を例として分析した。標準条件にしたがって用いられる鋳型における逆転写反応を、検出特異性のコントロールとして用いた。
この目的のため、結合一段階プロセスを種々の条件下に実施した。これらは、一方では、ポリ(A)ポリメラーゼを補給したバッファーであり、他方では、逆転写酵素を補給したバッファーであった(表7、8)。
Figure 2010535525
Figure 2010535525
さらに、続くPCRにおける検出特異性を確認する目的で、標準逆転写反応を行った(表7、8、上記参照)。ポリ(A)ポリメラーゼ反応および逆転写後、サンプルを分割した。各場合において、サンプルの半分に再び、Uni GAP dTプライマーおよび逆転写酵素を加えた(表7参照、上記)。この目的は、Uni GAP dTプライマーに対するAテールの、不要な付着によって擬似陽性シグナルが、僅かな程度ではあっても、生じる可能性を排除することであった。RNeasy Midiキット(キアゲン、昼伝(Hilden)、ドイツ、カタログNo.75144)によってヒト血液から単離した総RNAを鋳型として加えた。
個々の反応に使用される成分、およびそれらの表示を、表7、上記参照に示す。検出される22−mer RNAの配列は、ヒトのleu7a miRNA(EMBL Acc#:AJ421724)に一致し、恐らくは、白血球などのヒトの血球において発現されるものと考えられる。しかしながら、RNA単離のために使用されたRNeasy法の精製技術のために、このような低分子量のRNAの単離はきわめて非効率的であった。このRNeasy法は、単に、RNeasyカラムのシリカ膜に対し、200塩基よりも大きいサイズを持つRNAの効率的結合を保証するだけ(QIAGEN RNeasy Midi/Max Handbook, 06/2001, p.9)なので、miRNAのような小型のRNAについては重大な欠失が生じる。
さらに、22−merの合成RNAは、予想される内因性コピー数よりもはるかに高い濃度で使用された。反応は、表8(上記参照)に示すように設定した。
表9に示す試薬を用いた。
Figure 2010535525
酵素の不活性化後(93℃で5分)、アッセイを水で1:2に希釈し、アッセイ1a/bから8a/bそれぞれについて2μlを、リアルタイムSYBR Green PCRにおける鋳型として用いた。リアルタイムPCRにおけるアッセイは、QuantiTest SYBR Green PCRキット(カタログNo.204143)、および、表10に示すプライマーを用い、表9(上記)に示すように二重アッセイとして行った。
Figure 2010535525
汎用テールプライマーHum Uniプライマーに含まれる配列5’−AAC GAG ACG ACG ACA GAC−3’は、US 2003/0186288A1に記載された。PCRプロトコルは、QuantiTect SYBR Green PCRマスターミックスに含まれるHotStarTaqポリメラーゼの、95℃での15分間の初期再活性化、それに続く94℃で15秒、52℃で30秒、および72℃で30秒の40サイクル、からなるものであった(表11参照)。
Figure 2010535525
蛍光データは、72℃の伸長工程時に記録した。PCR分析は、20μlの反応容量において、アプライドバイオシステムズ7500 FastリアルタイムPCRシステム(アプライドバイオシステムズ)を用いて行い、その後、融解曲線分析を行った。
結合一段階ポリ(A)反応および逆転写は、ポリ(A)ポリメラーゼバッファーにおいても、RTバッファーにおいても可能であり、このことは、リアルタイムPCR分析から明らかである。好ましいバッファー条件は、本明細書本文の中に既に記述されている(上記参照)。種々のバッファーを用いて得られるCt値には大きな差がある。
特異性をチェックするために、ポリ(A)反応無しで標準的逆転写反応(反応3、6)を行ったところ全て陰性であった(no Ct)。したがって、予想した通り、22−mer RNA(1、4、7)、または、天然産のmiRNA(2、5、8)のポリアデニル化が無いと、PCR増幅のための鋳型が存在せず、したがって、信号は生成されない(”no Ct”)と結論付けることができる。
「二重RT(RT doubled)」アッセイでは、第1インキュベーション後、さらにRT酵素とUni GAP dTプライマーが、場合によっては第1反応でポリ(A)テールを形成させたUni Gap dTプライマーを、RT反応によって検出可能とする目的で加えられた。これらのアッセイは全てno Ctを示した。すなわち、不要なアーチファクト(artifacts)は検出されない。
cDNA合成のために使用されるプライマーのポリ(A)テール形成(tailing)などの不要なアーチファクトも検出されない。
例3
本発明の方法による、各種miRNAの検出
この実験の目標は、一般的な逆転写のポリ(A)反応を伴う、本発明の方法によって合成された鋳型cDNAから、miRNA特異的PCRプライマーによって、いくつかの標的を検出することが可能であることを立証することであった。このために、鋳型として293RNAを用いる方法を実施した。標準条件にしたがって使用される鋳型における逆転写反応を、検出特異性のコントロールとして用いた。
続くSYBR Green PCRでは、各場合について、miRNAのための4種の異なる特異的プライマーのうちの一つを、テール特異的プライマーと共に用いた。さらに、ポリ(A)反応および逆転写の効率を調べるために、ヒトのβ−アクチン転写物の3’−末端に局在するプライマーを、テール特異的プライマーと共に用いた。
ポリ(A)反応および逆転写(PAP+RT反応)のために、表16に示すように、表13からの試薬を一緒にピペットした。
Figure 2010535525
Figure 2010535525
反応a)では、293RNAを、反応b)では、水を、陰性コントロール(neg control)として加えた。検出特異性のコントロールとして、表14に挙げる試薬を用い、表17のスキームにしたがって標準逆転写反応を実施した。
Figure 2010535525
Figure 2010535525
反応c)では、293RNAを、反応d)では、水を、陰性コントロール(neg control)として加えた。次に、サンプルを37℃で1時間インキュベートした。反応を停止させるために、反応を93℃で5分間インキュベートした。この温度工程は、酵素を不活性化する。
酵素の不活性化後、アッセイを、水で1:2に希釈し、各アッセイa)からd)について2μlを、リアルタイムSYBR Green PCRにおける鋳型として用いた。このPCR用の材料を表15に示す。
Figure 2010535525
10種の異なる反応混合物をピペット採取した。反応1−5では(表18)、各場合において、miRNA特異的、または、β−アクチン3’プライマー、およびテールプライマー(Hum Uni)を用いた。
Figure 2010535525
反応6−10では(表19)、各場合において、一つのプライマーだけ、miRNA特異的プライマーか、またはテール特異的プライマーのいずれか、を用いた。
反応6−10では(表19)、各場合において、一つのプライマーだけ、miRNA特異的プライマーか、またはテール特異的プライマーのいずれかだけ、を用いた。
Figure 2010535525
反応混合物の中にプライマーが導入される順序は、表20から見て取ることができる。リアルタイムPCRによるアッセイは、二重アッセイとして行った。
Figure 2010535525
汎用テールプライマーHum Uniプライマーに含まれる配列AAC GAG ACG ACG ACA GACは、US2003/0186288A1に記載された。
PCRプロトコルは、QuantiTect SYBR Green PCRマスターミックスに含まれるHotStarTaqポリメラーゼの、95℃での15分間の初期再活性化、それに続く94℃で15秒、52℃で30秒、および72℃で30秒の40サイクル、からなるものであった(表21参照)。蛍光データは、72℃の伸長工程時に記録した。PCR分析は、20μlの反応容量において、アプライドバイオシステム7000 FastリアルタイムPCRシステム(アプライドバイオシステム)を用いて行い、次に、融解曲線分析を行った。
Figure 2010535525
例として選ばれたβ−アクチンシステムについて、標準条件下および本発明の方法の条件下に実施された逆転写の効率は、リアルタイムPCRにおけるほぼ等しいCt値から明らかなように(図6)、同等である。
リアルタイムPCRは、標準条件下に生産されるcDNAを用いると、38を超えるきわめて高いCtを与える。これは、SybrGreenによって実施されるリアルタイムPCRでは、きわめて良好な検出特異性を意味する(図6)。そのPCR産物のアガロースゲル分析では、予想通りのサイズを持つPCR産物が検出され(図8)、または、標準条件下に生産されるcDNAを用いた場合は、まったく産物が検出されなかった。
例外は、miR24産物である。この場合、標準条件下で生産されるcDNAを用いると、間違ったサイズのPCR産物が得られる(図8、さらに図6を参照)。この産物は、本発明による方法によって生産されるcDNAを使用する限り、検出されない(図8)。
逆転写において、または本発明の方法において、鋳型RNAの代わりに水を用いたコントロール反応は全て信号を示さず、すなわち、関連するリアルタイムPCRにおいてまったくCt値が得られなかった(図7、上部)。同じことは、一つのプライマーしか用いなかった反応にも当てはまる(図7、上部)。さらに、PCRにおいてcDNAの代わりに水を用いた陰性コントロールでもCt値は得られなかった(図7)。
例4
ポリ(A)反応および逆転写の結合一段階プロセスによるmiRNAの検出、それに続く、テール特異的プローブ使用のリアルタイムPCRによる、生成cDNAの検出
この実験では、テールプライマーに特異的結合部位を有するTaqmanプローブ(Uni GAP dT)を用いてリアルタイムPCRを実施した。プローブによる検出は、SYBR GreenリアルタイムPCRによる検出に代わる考えられる別法を示す。プローブの使用は、多重PCRの、さらに別の可能性をもたらす、すなわち、一つ以上の、さらに別の標的核酸、例えば、ハウスキーピング遺伝子であり得る、内部コントロールの共増幅の可能性をもたらす。
ポリ(A)反応および逆転写(PAP+RT反応)のために、表24に示すように、表22の試薬を一緒にピペットした。
Figure 2010535525
Figure 2010535525
その後、反応混合物を37℃でインキュベートし、次いで、93℃で5分間インキュベートして酵素を不活性化した。
酵素の不活性化後、未希釈混合物2μlを、検出のためにTaqmanプローブを含むリアルタイムPCRにおいて鋳型として用いた。このPCRの材料は、表23に示され、表25に言及されるように一緒にピペットされた。
Figure 2010535525
Figure 2010535525
リアルタイムPCRにおけるアッセイは、二重アッセイとして行った。汎用テールプライマーHum Uniプライマーに含まれる配列AAC GAG ACG ACG ACA GACは、US2003/0186288A1に記載された。Taqmanプローブの配列は、ヒトのGAPDH遺伝子座位から取られたもので、US2003/0186288A1には含まれない。
PCRプロトコルは、QuantiTect Probe PCRマスターミックスに含まれるHotStarTaqポリメラーゼの、95℃での15分間の初期再活性化、それに続く94℃で15秒、および52℃で30秒の45サイクル、からなるものであった(表26参照)。
Figure 2010535525
蛍光データは、52℃のアニーリング工程時に記録した。PCR分析は、20μlの反応容量において、7700 Sequence Detection System(アプライドバイオシステムズ)を用いて行った。このPCR結果を表27に示す。
Figure 2010535525
テール特異的プローブによる検出が可能であり、予想通りの結果を与える。
例5
ポリ(A)反応および逆転写の、結合一段階プロセスに及ぼす、ポリ(A)ポリメラーゼ濃度およびインキュベーション時間の作用
この実験では、二種類の濃度のポリ(A)ポリメラーゼ(2Uまたは0.5U)を、各場合において、本発明による方法において15分間または1時間用いた。各場合において、RTバッファー(キアゲン)およびポリ(A)ポリメラーゼバッファーについて全ての条件を調べた。
ポリ(A)反応および逆転写(PAP+RT反応)のために、表28からの試薬を、表30記載のように、(反応a)は2Uポリ(A)ポリメラーゼ、反応b)は0.5Uポリ(A)ポリメラーゼ)と一緒にピペットした)。
Figure 2010535525
Figure 2010535525
次に、サンプルを37℃でインキュベートした(1.1時間/15分)。次に、反応物を、93℃で5分加熱して酵素を不活性化した。
次に、各反応から2μlを、未希釈でSYBR Green PCRで用いた。反応は、二重定量で調べた。このために、表29からの試薬を、表31に記載のように、一緒にピペットし、次に、PCRを、表32に示すように実施した。
Figure 2010535525
Figure 2010535525
Figure 2010535525
PCRプロトコルは、QuantiTect SYBR Green PCRマスターミックスに含まれるHotStarTaqポリメラーゼの、95℃での15分間の初期再活性化、それに続く94℃で15秒、52℃で30秒、および72℃で30秒の40サイクル、からなるものであった(上記表32参照)。蛍光データは、72℃の伸長工程時に記録した。PCR分析は、20μlの反応容量において、アプライドバイオシステムズ7000リアルタイムPCRシステム(アプライドバイオシステムズ)を用いて行い、次いで、融解曲線分析を行った。
ポリ(A)反応および逆転写の一段階プロセスの効率は、ポリ(A)ポリメラーゼの濃度およびインキュベーション時間の両方に依存することが見て取れる(図9参照)。
例6
種々の逆転写酵素による、本発明の方法の実施
本発明による方法を、合計5種の異なる逆転写酵素(表35参照)を用い、バッファーRT(キアゲン)中で(反応1−5)、または、更に比較のために、各場合において、該逆転写酵素を補給したバッファー中で(反応6−9)、実施した。
Figure 2010535525
ポリ(A)反応および逆転写(PAP+RT反応)の一段階プロセスのために、表33からの試薬を、反応1−5では、表36に提示するように(反応バッファー:バッファーRT(キアゲン))、反応6−9では、表37に提示するように(各場合において、更に逆転写酵素をバッファーに補給して)、一緒にピペットした。
Figure 2010535525
Figure 2010535525
Figure 2010535525
次に、サンプルを37℃で1時間インキュベートした。次に、反応を93℃で5分加熱して酵素を不活性化した。
次に、各反応から2μlをSYBR Green PCRに用いた。反応は、二重定量で調べた。このために、表34からの試薬を、表38に記載されているように一緒にピペットし、PCRを、表39に示すように実施した。
Figure 2010535525
Figure 2010535525
Figure 2010535525
PCRプロトコルは、QuantiTect SYBR Green PCRマスターミックスに含まれるHotStarTaqポリメラーゼの、95℃での15分間の初期再活性化、それに続く94℃で15秒、52℃で30秒、および72℃で30秒の40サイクル、からなるものであった(表39参照)。蛍光データは、72℃の伸長工程時に記録した。PCR分析は、20μlの反応容量において、アプライドバイオシステムズ7000リアルタイムPCRシステム(アプライドバイオシステムズ)を用いて行い、次いで、融解曲線分析を行った。
使用した逆転写酵素の量は、標準逆転写反応のために最適化されており、これが、Ct値に観察される違いの理由なのかもしれない。
例7
同じ反応容器における、ポリ(A)反応、逆転写、およびPCRの結合三段階プロセスの実行可能性の立証;22−merのRNAオリゴヌクレオチド検出の効率に及ぼす各種添加剤の作用
この実験の目的は、同じ反応容器における、ポリ(A)ポリメラーゼ反応、逆転写、およびPCRの結合三段階プロセスの実行可能性を立証することであった。このために、結合三段階プロセスを、記述の添加と共に下記の条件下に実施した。
コントロールとして、反応を、図1Bに基づく二段階法で行った。
ポリ(A)反応、逆転写、およびPCR(PAP+RT反応+PCR)の三段階プロセスのために、表41に記載するように、表40からの材料を一緒に用いた。
Figure 2010535525
Figure 2010535525
反応は三重定量で調べた。このために、表41に示すように、表40からの試薬を一緒にピペットし、反応を表42に示すように実施した。
Figure 2010535525
反応プロトコルは、先ず、ポリ−Aポリメラーゼと、QuantiTect Multiplex逆転写酵素ミックス(37℃で45分および50℃で15分)による逆転写との併合反応のための条件からなるものであった。この後、ポリ(A)ポリメラーゼと逆転写酵素の不活性化、および、QuantiTect Multiplex RT−PCRマスターミックスの中に含まれるHotStarTaq DNAポリメラーゼの活性化のために、95℃で15分インキュベートした。この後、リアルタイムPCRにおいて生成されたlet7a−cDNAを増幅するために、94℃で15秒、52℃で30秒の45PCRサイクルを行った。Uni GAP dTプライマーの5’−テールに対して特異的な蛍光標識プローブを検出のために用いた。蛍光データは、52℃のアニーリング/伸長工程時に記録した。この「3−イン−1」反応は、20μlの反応容量において、アプライドバイオシステムズ7500FastリアルタイムPCRシステム(アプライドバイオシステムズ)を用いて行った。
図14に示すように、この「3−イン−1」反応は、トウモロコシRNAのバックグラウンドに対し、22−merの合成RNAヌクレオチドの特異的検出を可能にする。トウモロコシRNAのバックグラウンドに対し22−merの合成RNAオリゴヌクレオチドを含むサンプルは、20.61のCt値を示し、トウモロコシRNAとのコントロール反応は、30.65のCt値を示した。この実験は、「3−イン−1」反応が、所定の条件下で、技術的に交換可能であることを示す。
例8
結合三段階プロセスの反応を推進する目的で、手動的PCRプライマー”ホットスタート”を用いて本発明による「3−イン−1」法を実施した。コントロールとして、図1Bに基づく二段階法で反応を実施した。反応は、表44に示すように、表43に記載の材料のを用いて設定した。
Figure 2010535525
Figure 2010535525
プライマーミックスを、表45からのPCRプライマーにより調製し、各場合において、一反応に必要な量を、各場合において、光学キャップのカバー(リアルタイムPCR容器用のカバー、アプライドバイオシステムズ;材料番号4323032)中にピペットで採取した。次に、これらのカバーを、加熱ブロックにおいて37℃で約20分液体が蒸発するまでインキュベートし、これによってプライマーを乾燥させた。
カバー中のPCRプライマーを完全に乾燥させた後、試薬を、表44に示すように一緒にピペットし、光学チューブ(リアルタイムPCR容器、アプライドバイオシステムズ;材料番号4316567)中に入れ、上記前処理した光学キャップで封印し、表46に示すようにPCRを実施した。
反応は、三重定量として調べた。
Figure 2010535525
Figure 2010535525
反応プロトコルは、先ず、ポリ−Aポリメラーゼと、QuantiTect Multiplex逆転写酵素ミックス(37℃で45分および50℃で15分)による逆転写との併合反応のための条件からなるものであった。この後、ポリ(A)ポリメラーゼと逆転写酵素の不活性化のために、反応を95℃で3分加熱した。次いで、カバーに含まれる乾燥させたプライマーを再溶解し、その後のPCR反応のために利用可能とするために、PCRチューブを短時間装置から取り出し反転させた。この後、QuantiTect Multiplex RT−PCRマスターミックス中に含まれるHotStarTaq DNAポリメラーゼを活性化するために、95℃で12分間インキュベーションした。ここでは、3分短い再活性化を選んだ。なぜなら、この反応ミックスは、ポリ(A)ポリメラーゼと逆転写酵素を不活性化するために、既に95℃で3分加熱してあるからである。この後、リアルタイムPCRにおいて生成したlet7a−cDNAを増幅するために、94℃で15秒、52℃で30秒の45PCRサイクルを行った(表46参照)。Uni GAP dTプライマーの5’−テールに対して特異的な蛍光標識プローブを検出のために用いた。蛍光データは、52℃のアニーリング/伸長工程時に記録した。この「3−イン−1」反応は、20μlの反応容量において、アプライドバイオシステムズ7500リアルタイムPCRシステム(アプライドバイオシステムズ)を用いて行った。
例9
結合三段階プロセスの反応の特異性を推進する目的で、PCR”ホットスタート”プライマーを用いて本発明による「3−イン−1」法を実施した。コントロールとして、図1Bに基づく二段階法で反応を実施した。反応は、表48に示すように、表47に提示する材料を用いて設定した。
Figure 2010535525
Figure 2010535525
Figure 2010535525
モデルサンプルは、mleu7a miRNAの配列を有するRNAオリゴヌクレオチドからなるものであった。これをトウモロコシRNAのバックグラウンドに対して接種した。反応は、三重定量として調べた。このために、表47からの試薬を、表48に示すように一緒にピペットし、反応を、表49に示すように実施した。
反応プロトコルは、先ず、ポリ−Aポリメラーゼと、QuantiTect Multiplex逆転写酵素ミックス(37℃で45分および50℃で15分)による逆転写との併合反応の条件からなるものであった。この後、QuantiTect Multiplex RT−PCRマスターミックス中に含まれるHotStarTaq DNAポリメラーゼを活性化するために、95℃で15分インキュベーションした。次いで、リアルタイムPCRにおいて生成されたlet7a−cDNAを増幅するために、94℃で15秒、52℃で30秒の45PCRサイクルを行った(表49参照)。Uni GAP dTプライマーの5’−テールに対して特異的な蛍光標識プローブを検出のために用いた。蛍光データは、52℃のアニーリング/伸長工程時に記録した。この「3−イン−1」反応は、20μlの反応容量において、アプライドバイオシステムズ7500リアルタイムPCRシステム(アプライドバイオシステムズ)を用いて行った。
例10
結合三段階プロセスの反応の特異性を推進する目的で、PCR”ホットスタート”プライマーを用いて本発明による「3−イン−1」法を実施した。コントロールとして、図1Bに基づく二段階法で反応を実施した。反応は、表51に示すように、表50に提示する材料を用いて設定した。
Figure 2010535525
Figure 2010535525
Figure 2010535525
モデルサンプルは、mleu7a miRNAの配列を有するRNAオリゴヌクレオチドからなるものであった。これをトウモロコシRNAのバックグラウンドに対して接種した。
反応は、三重定量として調べた。このために、表50からの試薬を、表51に示すように一緒にピペットし、反応を、表52に示すように実施した。
反応プロトコルは、先ず、ポリ−Aポリメラーゼと、QuantiTect Multiplex逆転写酵素ミックス(37℃で45分)による逆転写との併合反応のための条件からなるものであった。この後、QuantiTect Multiplex RT−PCRマスターミックス中に含まれるHotStarTaq DNAポリメラーゼを活性化するために、95℃で15分インキュベーションした。次いで、リアルタイムPCRにおいて生成されたlet7a−cDNAを増幅するために、94℃で15秒および52℃で30秒の45PCRサイクルを行った(表52参照)。Uni GAP dTプライマーの5’−テールに対して特異的な蛍光標識プローブを検出のために用いた。蛍光データは、52℃のアニーリング/伸長工程時に記録した。この「3−イン−1」反応は、20μlの反応容量において、アプライドバイオシステムズ7500リアルタイムPCRシステム(アプライドバイオシステムズ)を用いて行った。

Claims (23)

  1. 酵素反応においてサンプル中でcDNAを合成するための方法であって、
    以下の工程:
    a.ターミナルトランスフェラーゼ活性を有する第1酵素、逆転写酵素活性を有する第2酵素、バッファー、少なくとも1つのリボヌクレオチド、少なくとも1つのデオキシリボヌクレオチド、アンカーオリゴヌクレオチド、ならびに酵素および生成されたcDNAの増幅のための試薬を同時に供給する工程、
    b.リボ核酸を含むサンプルを添加する工程、ならびに、
    c.第1酵素および第2酵素が活性を示すように選ばれる1以上の温度工程において、工程a)およびb)からの作用物質をインキュベートする工程、
    を含み、その後、こうして当該方法において生成されたcDNAを増幅することを特徴とする、前記方法。
  2. 反応が、約65℃〜約95℃の高温での少なくとも1つの温度工程を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 当該方法において生成されるcDNAは、その後ポリメラーゼ連鎖反応により増幅され、かつ反応はランダムプライマーを含み、および/または、特異的プライマーおよび/または任意に1つ以上のプローブを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. ターミナルトランスフェラーゼ活性は、ポリアデニル化活性であることを特徴とする、請求項1〜3に記載の方法。
  5. サンプルが、原核生物RNA、真核生物RNA、ウイルスRNA、古細菌RNA、miRNA、snoRNA、mRNA、tRNA、非ポリアデニル化RNA、およびrRNA、ならびにそれらの混合物を含む群から選ばれるリボ核酸を含むことを特徴とする、請求項1〜4に記載の方法。
  6. アンカーオリゴヌクレオチドが、ポリ(A)オリゴヌクレオチド、ポリ(C)オリゴヌクレオチド、ポリ(T)オリゴヌクレオチド、ポリ(G)オリゴヌクレオチド、ポリ(U)オリゴヌクレオチド、5’−テールを更に含むポリ(A)オリゴヌクレオチド、5’−テールを更に含むポリ(C)オリゴヌクレオチド、5’−テールを更に含むポリ(T)オリゴヌクレオチド、5’−テールを更に含むポリ(G)オリゴヌクレオチド、および5’−テールを更に含むポリ(U)オリゴヌクレオチドを含む群から選択されることを特徴とする、請求項1〜5に記載の方法。
  7. アンカーオリゴヌクレオチドが、6〜150ヌクレオチドの間の長さを有し、かつ3’末端にアンカー配列を任意に有することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. アンカーオリゴヌクレオチドが、デオキシリボ核酸(DNA)、ペプチド−核酸(PNA)、またはロックド核酸、ホスホロチオエート−デオキシリボ核酸、シクロヘキセン−核酸(CeNA)、N3'−P5'−ホスホロアミデート (NP)、またはトリシクロ−デオキシリボ核酸(tcDNA)であることを特徴とする、請求項6または7に記載の方法。
  9. リボヌクレオチドが、アデノシン−5'−三リン酸、チミン−5'−三リン酸、シトシン−5'−三リン酸、グアニン−5'−三リン酸、ウラシル−5'−三リン酸、塩基アナログを有するリボヌクレオチドを含む群から選択され得て、かつリボヌクレオチドが任意に修飾または標識され得ることを特徴とする、請求項1〜8に記載の方法。
  10. デオキシリボヌクレオチドが、デオキシアデノシン−5'−三リン酸(dATP)、デオキシチミン−5'−三リン酸(dTTP)、デオキシシトシン−5'−三リン酸(dCTP)、デオキシグアニン−5'−三リン酸(dGTP)、デオキシウラシル−5'−三リン酸(dUTP)を含む群から選択され得て、かつデオキシリボヌクレオチドが任意に修飾または標識され得ることを特徴とする、請求項1〜9に記載の方法。
  11. デオキシリボヌクレオチドの標識が、放射性標識、例えば32P、33P、35S、3H、蛍光色素、例えばフルオレセイン−イソチオシアネート(FITC)、6−カルボキシフルオレセイン(FAM)、キサンテン、ローダミン、6−カルボキシ−2',4',7',4,7−ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、6−カルボキシ−4',5'−ジクロロ−2',7'−ジメトジフルオレセイン(JOE)、N,N,N',N'−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA)、6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、5−カルボキシローダミン−6G(R6G5)、6−カルボキシローダミン−6G(RG6)、ローダミン110等;ウンベリフェロン等のクマリン、Hoechst 33258等のベンズイミド、テキサスレッド、臭化エチジウム、アクリジン色素、カルバゾール色素、フェノキサジン色素、ポルフィリン色素、ポリメチン色素等のフェナントリジン、Cy3、Cy5、Cy7等のシアニン色素、BODIPY色素、およびキノリン色素、およびアレクサ色素を含む群から選択され得ることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 修飾が、ビオチン化、ジゴキシゲニン標識、およびハプテンを含む群から選択されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. デオキシリボヌクレオチドの濃度が、反応中少なくとも0.01mMであり、かつ反応中最大で10mMであることを特徴とする、請求項10〜12に記載の方法。
  14. デオキシリボヌクレオチドdATP、dCTP、dGTPおよびdTTPが、0.2mM〜2mMの濃度で存在することを特徴とする、請求項10〜12に記載の方法。
  15. バッファーが6〜10の範囲のpHを有し、かつMg2+イオンを含むことを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. ターミナルトランスフェラーゼ活性またはポリアデニル化活性を有する酵素が、原核生物起源、真核生物起源、ウイルス起源、古細菌起源、および植物起源の酵素を含む群から選択されることを特徴とする、先行する請求項のうちの1項に記載の方法。
  17. ポリアデニル化活性を有する酵素が、大腸菌由来のポリ(A)ポリメラーゼ、酵母由来のポリ(A)ポリメラーゼ、ウシ由来のポリ(A)ポリメラーゼ、カエル由来のポリ(A)ポリメラーゼ、およびヒトポリ(A)ポリメラーゼを含む群から選択されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
  18. 逆転写酵素活性を有する酵素が、ウイルス、細菌、古細菌、真核生物に由来する酵素、特に熱安定性生物に由来する酵素、およびそれらの遺伝子配列変異誘発の変化により、または対応するバッファー条件の結果としてのみ、当該機能を得る酵素を含む群から選択されることを特徴とする、先行する請求項のうちの1項に記載の方法。
  19. 逆転写酵素活性を有する酵素が、HIV逆転写酵素、M−MLV逆転写酵素、EAIV逆転写酵素、AMV逆転写酵素、サーマスサーモフィルス(Thermus thermophilus)DNAポリメラーゼI、M−MLV RNase H-(スーパースクリプト、スーパースクリプト II、スーパースクリプト III)、モンスタースクリプト(エピセンター)、オムニスクリプト、センシスクリプト逆転写酵素(キアゲン)、サーモスクリプトおよびサーモ−X(共にインビトロジェン)、アックスクリプト逆転写酵素(ストラタジェン)を含む群から選択されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
  20. 工程c)における作用物質のインキュベーションを、第1酵素および第2酵素が活性を示すように選択された1以上の温度工程において行う、請求項1〜19のうちの1項に記載の方法。
  21. ポリアデニル化活性を有する第1酵素、逆転写酵素活性を有する第2酵素、任意にバッファー、任意に少なくとも1つのリボヌクレオチド、任意に少なくとも1つのデオキシリボヌクレオチド、および任意にアンカーオリゴヌクレオチド、任意にランダムプライマー、任意にホモポリマー状核酸、およびDNA合成活性を有する酵素、を含む反応混合物。
  22. ポリアデニル化活性を有する第1酵素、逆転写酵素活性を有する第2酵素、バッファー、少なくとも1つのリボヌクレオチド、少なくとも1つのデオキシリボヌクレオチド、アンカーオリゴヌクレオチド、任意にランダムプライマー、任意にホモポリマー状核酸、およびDNA合成活性を有する酵素、任意に少なくとも1つの特異的プライマー、を含み、プライマーまたはDNA合成活性を有する酵素等の増幅工程のために必須の成分が任意に同じ容器内にあり、ただし一時的に不活性化されるか、または最初にその他の試薬と空間的に分離されることを特徴とする、請求項21に記載の反応混合物。
  23. 請求項21または22に記載の反応混合物を含むキット。
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